資料 7-1 観光をめぐる現状と課題等について 平成 27 年 11 月 9 日 ( 月 ) 国土交通大臣 石井啓一 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism
訪日外国人旅行者数の推移 2015 年 9 月の訪日外国人旅行者数は 9 月として過去最高となる 161.2 万人 ( 前年比 46.7% 増 ) 1~9 月の合計では 1,448.8 万人 ( 前年比 48.8% 増 ) となった 10 月 9 日時点で 1500 万人を超えたことを確認しており 引き続き好調に推移している 万人 1500 1448.8 万人 (48.8% 増 ) 1400 9 月 :161.2 万人 (46.7% 増 ) 1300 1200 1100 1000 リーマンショック 東日本大震災 1000 万人達成 8 月 :181.7 万人 (63.8% 増 ) 7 月 :191.8 万人 (51.0% 増 ) 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 335 384 422 411 444 476 477 ビジット ジャパン開始 524 521 614 673 733 835 835 679 861 622 836 1036 1341 1995 年 1996 年 1997 年 1998 年 1999 年 2000 年 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 注 ) 2014 年以前の値は確定値 2015 年 1 月 ~7 月の値は暫定値 2015 年 8 月 ~9 月の値は推計値 % は対前年 (2014 年 ) 比 6 月 :160.2 万人 (51.8% 増 ) 5 月 :164.2 万人 (49.6% 増 ) 4 月 :176.5 万人 (43.3% 増 ) 3 月 :152.6 万人 (45.3% 増 ) 2 月 :138.7 万人 (57.6% 増 ) 1 月 :121.8 万人 (29.1% 増 ) 出典 :JNTO( 日本政府観光局 ) 1
訪日外国人旅行消費額 2014 年 ( 平成 26 年 ) の訪日外国人の旅行消費額は 前年比約 4 割増の 2 兆 278 億円と過去最高となった 2015 年 ( 平成 27 年 )1-9 月期の訪日外国人の旅行消費額は 前年同期比 77.0% 増の 2 兆 5,967 億円となり 2014 年 ( 平成 26 年 ) の年間値を超えるとともに 過去最高額となっている 国籍 地域別では 中国 1 兆 1,016 億円 台湾 3,922 億円 韓国 2,168 億円の順となり 中国が全体の約 4 割を占める 2014 年 ( 平成 26 年 ) 2015 年 ( 平成 27 年 )7-9 月期 ( 図 ) 訪日外国人旅行消費額の推移 ( 億円 ) 20000 16000 12000 8000 11490 8135 10846 14167 20278 ( 億円 ) 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 2,894 3,675 3,899 3,698 4,298 4,870 5,505 5,605 7,065 8,893 10,009 4000 0 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 1-3 月期 4-6 月期 7-9 月期 10-12 月期 1-3 月期 4-6 月期 7-9 月期 10-12 月期 1-3 月期 4-6 月期 平成 25 年平成 26 年平成 27 年 7-9 月期 ( 図 ) 国籍 地域別の旅行消費額と構成比 出典 : 訪日外国人消費動向調査 2
受入環境整備の課題 訪日外国人旅行者数が増えていく中 多くの訪日外国人旅行者を万全に迎え入れる取組を加速させることが必要 主な受入環境整備の課題 宿泊施設不足 貸切バスの路上混雑 安全 安心の確保 東京 大阪等都市部のホテルの稼働率は高い水準で推移 地方の宿泊施設は余裕があるが 外国人受入環境に課題 都市部を中心に乗降場所での長時間駐車や路上駐車による交通渋滞等が発生 受入環境整備に係る課題に対する調査 検証 実証実験等の実施 外国人旅行者が不慮のケガや病気になった際の医療機関等に関する情報提供体制が不十分 観光地域づくりの体制 (DMO) 日本版 DMO のような 観光地経営の視点を持った観光地域づくりに携わる組織 人材が必要 通訳案内士 ( ガイド ) 大都市部への偏在 英語への偏在 ガイドニーズの多様化等 様々な課題が顕在化 CIQ( 税関 入管 検疫 ) 空港 港での混雑により 出入国審査に時間を要する事案が発生 これらの課題等に迅速に取り組む必要 3
客室稼働率の推移 (2011 年 ~2015 年 ) 2015 年 ( 平成 27 年 )8 月の客室稼働率は全国で 70.2% となった 特に 東京都と大阪府は 80% を超える高い客室稼働率となった (%) 100.0 ( 図 ) 客室稼働率の推移 90.0 80.0 70.0 68.0 68.2 76.4 71.6 81.1 76.2 81.0 78.8 75.1 74.0 83.8 82.4 88.0 88.0 85.0 83.5 83.4 83.8 80.7 79.7 87.6 87.2 90.4 83.6 70.2 60.0 58.7 60.9 58.1 60.2 57.5 63.7 50.0 51.8 54.8 55.2 57.4 51.4 40.0 2011 2012 2013 2014 2015.1 2015.2 2015.3 2015.4 2015.5 2015.6 2015.7 2015.8 全国東京都大阪府 出典 : 観光庁 宿泊旅行統計調査 4
日本人の国内旅行 宿泊の状況 2014 年 ( 平成 26 年 ) の日本人国内延べ旅行者数は 5 億 9,522 万人で 対前年比 5.7% の減少となった 内訳を見ると 日帰り旅行は延べ 2 億 9,788 万人で対前年比 4.1% 減 宿泊旅行は延べ 2 億 9,734 万人で対前年比 7.2% の減少となった 同年の日本人国内旅行の消費額についても 日帰り旅行が 4.5 兆円で対前年比 5.0% 減 宿泊旅行が 14.4 兆円で対前年比 8.8% の減少となった 35,000 ( 図 ) 国内宿泊旅行延べ人数 国内日帰り旅行延べ人数の推移 ( 万人 ) 2010~2014 年 31,753 31,356 31,555 32,042 30,000 31,406 29,896 29,720 31,053 29,788 29,734 25,000 日本人国内宿泊旅行 国内宿泊旅行 国内日帰り旅行 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 日本人国内宿泊旅行 国内日帰り旅行の消費額の推移 2010 2011 2012 2013 2014 15.8 (-9.2%) 15.1 (-4.1%) 2010~2014 年 15.3 (1.4%) 15.8 (3.2%) 単位 : 兆円 () 内は対前年比増減率 14.4 (-8.8%) 日本人国内日帰り旅行 5.1 (-8.6%) 4.9 (-2.3%) 4.4 (-10.1%) 4.8 (7.5%) 4.5 (-5.0%) 出典 : 観光庁 旅行 観光消費動向調査 5
外国人旅行者受入数の国際比較 (2014 年 ) フランス (France) 米国 (U.S.A.) スペイン (Spain) 中国 (China) イタリア (Italy) トルコ (Turkey) ドイツ (Germany) 英国 (U.K.) ロシア (Russia) メキシコ (Mexico) 香港 (Hong Kong) マレーシア (Malaysia) オーストリア (Austria) タイ (Thailand) ギリシャ (Greece) カナダ (Canada) ポーランド (Poland) サウジアラビア (Saudi Arabia) マカオ (Macau) 韓国 (South Korea) オランダ (Netherlands) 日本 (Japan) ウクライナ (Ukraine) ハンガリー (Hungary) シンガポール (Singapore) クロアチア (Croatia) スウェーデン (Sweden) チェコ (Czech Republic) モロッコ (Morocco) アラブ首長国連邦 (U.A.E.) 台湾 (Taiwan) エジプト (Egypt) 南アフリカ共和国 (South Africa) インドネシア (Indonesia) ポルトガル (Portugal) スイス (Switzerland) デンマーク (Denmark) アイルランド (Ireland) ベルギー (Belgium) ベトナム (Vietnam) 16,528 16,000 15,098 14,566 14,202 13,926 13,413 12,712 12,139 11,858 11,781 10,750 10,617 10,282 9,990 9,910 9,628 9,549 9,435 9,323 9,158 8,557 8,260 8,035 7,550 33,005 32,613 29,848 29,091 27,770 27,437 25,291 24,779 22,033 39,811 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 千人 48,576 55,622 64,995 日本は世界 22 位 アジアで 7 位 74,757 83,700 1 : 外国人旅行者数は 各国 地域ごとに異なる統計基準により算出 公表されているため これを厳密に比較する際には統計基準の違いに注意することが必要である ( 例 : 外国籍乗員数 ( クルー数 ) について 日本の統計には含まれないが フランス スペイン 中国 韓国等の統計には含まれている ) 2 : 外国人旅行者数のうち 隣国から陸路により入国する旅行者数が大半を占める国 地域も数多く存在しており 例えばフランス イタリア 英国といった受入数上位国でも 空路による旅行者数に限定すれば 概ね 2000 万人強となっている ( 島国である日本は 約 95% が空路による入国者である ) 出典 : 世界観光機関 (UNWTO) 各国政府観光局作成 : 観光庁 (JTA) 注 1: 本表の数値は2015 年 6 月時点の暫定値である 注 2: 印を付したアラブ首長国連邦 デンマーク アイルランドは 2014 年の数値が不明であるため 2013 年の数値を採用した 注 3: アラブ首長国連邦は 連邦を構成するドバイ首長国のみの数値が判明しているため その数値を採用した 注 4: 本表で採用した数値は 韓国 日本 台湾 ベトナムを除き 原則的に1 泊以上した外国人訪問者数である 注 5: 外国人訪問者数は 数値が追って新たに発表されたり さかのぼって更新されることがあるため 数値の採用時期によって そのつど順位が変わり得る 注 6: 外国人旅行者数は 各国 地域ごとに日本とは異なる統計基準により算出 公表されている場合があるため これを比較する際には注意を要する 1 位 10 位 20 位 30 位 40 位 6
空路又は水路による外国人旅行者受入数の国際比較 (2013 年 ) スペイン米国 トルコフランス 英国 イタリア 中国タイ 香港 マカオ シンガポールギリシャメキシコ 韓国 スウェーデン 日本ロシアインドネシアサウジアラビアモロッコ エジプトカナダ 台湾アイルランド ベトナム ポーランド クロアチア ハンガリー南アフリカ共和国 ウクライナドイツマレーシアオーストリアオランダアラブ首長国連邦チェコスイスポルトガルベルギーデンマーク ( 万人 ) 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 1351 1337 1311 1222 1218 1181 1036 953 875 868 868 847 844 802 641 617 470 429 357 317 276 データなし 1739 2221 3203 3068 2837 2645 2539 4083 4972 日本は世界で 11 位 アジアで 5 位に相当 (2014 年 ) (2014 年の訪日外国人旅行者数は 1341 万人 ) ( 全て空路又は水路 ) 日本は世界で 16 位アジアで 7 位 (2013 年 ) フランス 英国 イタリアといった世界の観光先進国も空路 水路では 2000~3000 万人台 出典 :UNWTO 注 1) 外国人旅行者数は 各国 地域ごとに異なる統計基準により算出 公表されているため これを厳密に比較する際には統計基準の違いに注意することが必要 注 2) 本表の数値は 2015 年 1 月時点の暫定値である 注 3) 本表で採用した数値は 印を付した国 地域を除き 原則的に 1 泊以上した外国人旅行者数である 注 4) 本表で採用した数値は 空路 水路 陸路の交通手段のうち 陸路 ( 自動車等による入国 ) を除いた外国人旅行者数である 注 5) ドイツ マレーシア オーストリア オランダ アラブ首長国連邦 チェコ スイス ポルトガル ベルギー デンマークは 交通手段別のデータがないため 空路又は水路による外国人旅行者数は不明である 注 6) 外国人旅行者数は 数値が追って新たに発表されたり さかのぼって更新されることがあるため 数値の採用時期によって そのつど順位が変わり得る 7
観光立国に向けた中長期的な戦略の必要性 さらに増加する訪日外国人旅行者が 満足度を落とさずリピーターになってもらえるような 世界に誇る魅力あふれる国づくりが必要 中長期的観点から政府全体で総合的 戦略的に取り組むことが必要 国の姿 社会のあり方 質の高い観光立国の実現 内外からの交流拡大による国 地域の活性化 少子高齢化社会における観光サービスの質の維持 向上 外国人との日常的な共存 etc. 8
主要な検討課題 観光立国に向けた環境整備 景観 まちづくり インフラ整備 交通網の充実 宿泊等観光産業の生産性向上 経営改革 人材育成 保険 防災など安心の確保 バリアフリー 国民意識の醸成 観光教育 観光資源の充実 文化財 伝統工芸 伝統芸能 自然公園等の保全と活用 農林水産業をはじめとする地場産業との連携 医療 スポーツ 食 アニメなどコンテンツの充実 国内観光の振興 休暇改革 旅行費用の低廉化など 戦略的マーケティング データ ICT 富裕層 青少年交流 リピーター確保など 投資拡大のための規制緩和 融資制度 税制や観光財源論などの制度改革 etc. 9