< 自己紹介 > マロニエ会海外大学院留学制度奨学生の宮森隆行と申します 私は国際医療福祉大学保健学部理学療法学科を 4 期生として卒業後 順天堂大学附属静岡病院リハビリテーション室に理学療法士として入職しました そして数年後に配置転換となり同大学スポーツ健康科学部に教員 ( 助手 ) として勤務後 同大学を退職 2013 年 2 月より ニュージーランドにあるオタゴ大学へ留学し Master of Physiotherapy in Orthopaedic and Manipulative Therapy ( 整形徒手療法 ) を専攻しております 大学の入り口 < 留学先 > オタゴ大学はニュージーランド南島のダニーデンに位置し 理学療法学を含め 医学 歯学などの医療系分野が集結し また会計学や教育学などの学生も含めると総数は 25000 人ほどの国立大学です 理学療法学部は 本年 2013 年に学
部創設 100 周年を迎え 近代の臨床系理学療法体系を形成した Brian Mulligan や Robin Mackenzie などの卒業生を迎えて記念式典が行われました 現在専攻している大学院は総数 25 名であり うち留学生が私を含めて 5 名 (US, Nepal, Taiwan, Japan) おります 大学校舎
理学療法学部およびクリニック入り口 < 留学の目的 > 留学の目的は 2 つあります 1 つ目は英語力の向上にあります 順天堂大学時代にサッカー選手のコンディショニングとリハビリテーションに関わり 当時 研究発表のために 2008 年にフィンランドで開催された European College of Sports Science (ECSS) という大規模な学会に参加させて頂きました その時 大変ショックを受けたのが私自身の英語力の低さです 発表内容の議論の際 他国の研究者らと全くコミュニケーションが取れませんでした そのため 今後英語力を身につけ 自らの専門である理学療法学を学際的に扱っていく必要性を痛感しました 2 つ目は骨関節系理学療法教育の専門性を国際的に構築してく事にあります 日本の理学療法総数は世界一ですが 専門性を社会的に認知されているとは言いがたいのが現状だと思います これは海外に出ると更に強く感じます その為 世界理学療法連盟 (WCPT) のサブグループにあたる International Federation of Orthopaedic and Manipulative Physical Therapy
(IFOMPT) の認定大学院コースへ進学し Orthopaedic and Manipulative Therapy の Diploma の資格を取得する事を目指しております < 留学先決定までの経緯 > 前職退職後は オーストラリアへ半年間単身で語学留学しました その間様々な大学とコンタクトを取り IFOMPT 認定のコースを持つクイーンズランド大学より英語条件付きの入学許可証を頂きました その後 子供達 2 人を含めた家族を迎え入れ 約 1 年半は大学附属の語学学校などへ通いながら英語力向上に専念し また深夜に清掃のアルバイト等をしながら現地での生活費を抑え 2012 年 2 月に無事クイーンズランド大学へ入学する事が出来ました しかし 入学後にオーストラリアの医療従事者登録に関する法律が改訂され 唯一の留学生であった私は臨床実習ができない可能性を指摘されました その為 入学後 7 日でそれ以上の学習を諦め 家族と共に日本に帰国しました その後 神奈川にある整形外科クリニックで働きながら再度留学資金を捻出し 今度は国を変えて 同じ IFOMPT 認定の大学院プログラムを提供しているオタゴ大学へ出願し その後 大学院への入学許可 およびニュージーランド理学療法士協会より大学院生としての実習許可証を頂きました < 授業内容 > 前期は Biomedical Science ( 主に臨床解剖学 ) と Orthopaedic and Manipulative Therapy ( 整形徒手療法 ) を専攻しました 前者は 実際のご遺体を自ら解剖し 関節や軟部組織を動かす と行った日本ではできない経験をさせて頂きました そして 自らの発見を最新の論文結果と照らし合わせて議論して行く作業を繰り返しました 後者は 海外での特徴の一つである臨床推論 (Clinical Reasoning) は基より 実技では日本ではほとんど学ぶ事が出来ない Manipulation を始め Mobilization with Movement, Neurodynamics, Exercise Prescription などを学びました 現在は 後期であり Sports Physiotherapy と Clinical Practice を専攻しております 前者は 救急時の対応やスポーツ選手のリハビリから競技復帰までのプロセス 競技特性を踏まえたコンディショニングなどについて実技を交えて学びます 後者は 臨床実習
となり月曜から木曜日までは大学のクリニックで実際の患者さんへの評価と治 療をさせて頂いております Biomedical Science の教員と同級生らと共に
Orthopaedic and Manipulative Therapy: 特別講師 Brian Mulligan と同級生
大学のクリニックでの実習 臨床教授である Steve Tumilty と共に
オタゴ大学理学療法クリニック < 今後の目標と留学後の活動 > まずは 今年中に最大の留学目的である IFOMPT 認定の Orthopaedic and Manipulative Therapy ( 整形徒手療法 ) の Diploma 資格を取得すること その後は 経済的な問題をクリアにしながら来年 2 月から始まる 13 週間の Research Project を専攻して Master を取得する事を目指したいと思います 帰国後の目標は 2 つ 1 つは理学療法士として日本代表のサッカーをサポートしていくこと 私は 38 歳になった現在でもオタゴ大学のサッカー部に所属して怪我の学生の対応等もしながら 選手としても 20 歳前後の学生と共に試合をこなしています もう 曰く付きのサッカー馬鹿です もちろん子供の頃からの夢はワールドカップ優勝でした 選手としては困難でしたが 今度は専門分野である理学療法を通して日本のサッカーを支えて行く事を考えています 2 つ目は臨床系大学院の設立です 将来的には 様々な競技の国際試合での帯同条件となる日本体育協会公認アスレティックトレーナー (AT) の受験資格と IFOMPT 認定の整形徒手
療法 (OMT) のプログラムなどを組み合わせて 理学療法の専門職大学院教育において Master の学位を提供することです これらの活動を通して 骨関節系やスポーツ分野に興味のある理学療法士や 将来理学療法士を目指す学生に対して 日本はもとより 世界で活躍できる領域を広げて行ければと考えております オタゴ大学サッカー部のチームメートと共に < マロニエ会海外留学奨学制度について > 留学を考えた時に一番悩む事が経済的な問題です 私も前職を退職してから現在まで数年間は不安定な状態になっています 現在は単身で留学しているため 日本で待つ妻や子供達にも大変な苦労と迷惑をかけています そのため 留学に対する強い目的と将来目標を掲げていたものの 何度も途中で諦めようとしました そのような時に マロニエ会海外大学院留学奨学制度を知り 今回奨学生として選考して頂き 留学生活では現在まで様々な面においてサポートして頂いております マロニエ会は 諦めかけていた私の海外大学院留学に対する気持ちを最後に後押ししてくれました 実際 大学院への留学は想像しているよりも遥かに苦しい事が沢山あります しかし 留学を推薦して下さった先
生方や仲間たち そして日本で待つ家族らに常に感謝をしながら 1 日 1 日を噛み締めるように大学で学ばせて頂いております もし 皆様の中にも大学院留学に興味を抱いている方がいらっしゃいましたら 目的と将来目標をしっかり立て ブレない強い気持ちを持って行動に移してみて下さい 懸命に努力している人間は誰かが必ず評価してくれます そして 人生が変わるかも知れません 私もそんな皆さんの努力を応援しております