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奈良県手順書ガイドライン

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Transcription:

コンカレントバリデーションの取扱いについて 薬務課振興係 まずは 少しおさらい バリデーションについて GMP 省令第 13 条 ( バリデーションの実施 ) 1 製造業者は あらかじめ指定した者に 手順書に基づき 次に掲げる業務を行わせなければならない 一次に掲げる場合においてバリデーションを行うこと イ当該製造所において新たに医薬品の製造を開始する場合ロ製造手順等に製品の品質に大きな影響を及ぼす変更がある場合ハその他製品の製造管理及び品質管理を適切に行うために必要と認められる場合二バリデーションの計画及び結果を品質部門に対して文書により報告すること 2 製造業者等は 前項第一号のバリデーションの結果に基づき 製造管理又は品質管理に関し改善が必要な場合においては 所要の措置を採るとともに 当該措置の記録を作成し これを保管しなければならない バリデーション記録には 関連する全ての記録等が保管されている必要がある 承認は あらかじめ指定された者 ( バリデーション責任者 ) バリデーションとは GMP 省令施行通知 製造所の構造設備並びに手順 工程その他の製造管理及び品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し これを文書とすることをいうこと 平成 25 年 8 月 30 日薬食監麻発 0830 第 1 号 ( 改正 ) 医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の取扱いについて 参照 繰り返し 達成できる規格をバリデートする 均質性 と 再現性 の観点から 妥当性を確認する 1

バリデーション基準 < 改訂 > ( 平成 25 年 8 月 30 日付け通知 ) 医薬品 医薬部外品 GMP 省令に規定するバリデーションについては 品質リスクを考慮し 以下の バリデーション基準 に基づいて実施すること 今回の改訂で大きな内容は 品質リスク の考え方が導入されたこと!! どの様なリスクがあるか ( 製剤の特徴 原料の物性等から ) それは排除出来るか ( 排除出来る範囲を特定し管理する ) バリデーションは リスクベースで実施しなければならない サイエンスベースで管理する ( リスクが排除出来ているか ) 旧バリデーション基準 現バリデーション基準 バリデーションの目的 ( バリデーション基準 ) 製造手順等が期待される結果を与えることを検証 文書とする 目的とする品質に適合する製品を恒常的に製造できるようにする!! 追加 目的を達成するために 手段が明確に!! 簡単に言うと 意図したものであるかの検証を行う 医薬品開発 日常的な工程確認及び製品品質の照査を含む製品ライフサイクルを通じて集積した知識や情報を活用すること 医薬品開発あるいは技術の確立が当該製造所以外で行われた場合には 必要な技術移転技術移転を実施すること 製品ライフサイクル バリデーションの実施対象 消費者 医療機関等の情報 日常モニタリング 変更生産活動逸脱 OOS 変更時の再バリプロセスバリデーデーションション新知識 技術移転 研究開発部門 製造所部門 CAPA 再バリデーション開発知識研究 製品品質の照査安定性モニタリング参考品 保存品リスク評価知識技術移転 技術移転が重要 (2) 実施対象 製造業者等は 原則 次に掲げる項目を対象として (5) に規定するバリデーションを実施しなければならない ア. 設備 ( 製造設備 製造環境制御設備等を含む ) システム ( 製造用水供給システム及び空調処理システム等の製造を支援するシステムを含む ) 又は装置 ( 計測器を含む ) イ. 製造工程ウ. 洗浄作業 設備の適格性評価もバリデーションの一部 2

バリデーションに関する手順書 バリデーションの実施 選択 (3) バリデーションに関する手順書 ア. 医薬品 医薬部外品 GMP 省令第 8 条第 4 項第 2 号 ( 第 3 2 条において準用する場合を含む ) のバリデーションに関する手順書には次に掲げる事項が定められなければならない なお バリデーションが必要な設備 システム 装置 製造工程及び洗浄作業は 製品の剤形 品質特性 工業化研究や類似製品に対する過去の製造実績等の結果から品質リスクを考慮して 製造業者等が自ら特定する バリデーションの対象については 製造業者の判断となっているが 勝手に判断出来るのではなく 合理的な根拠に基づく内容の説明が出来なければならない ( 例 : 製品品質に影響するパラメーターを管理する工程関係は必要!) 必ずしもすべての製造工程を対象にプロセスバリデーションを実施する必要はない しかし 製剤開発時に取得した知識や情報などから 製品の品質特性に応じて 品質に影響を及ぼす可能性のある重要工程を製造業者等が選択して実施すること 重要工程の例として GMP 事例集 13-44 に示されている あくまでも重要工程は製造業者が品質への影響を考慮して 選択することが重要 製品品質に影響するパラメーター 重要パラメーター 重要工程 バリデーションが必要 重要工程 重要工程 GMP 事例集 13-44( プロセスバリデーション ) 実施対象となる製造工程については どの程度のバリデーションを実施すればよいか また 選択するとすればどのような基準により選択すればよいか 答 必ずしもすべての製造工程を対象にプロセスバリデーションを実施する必要はないが 製剤開発時に取得した知識や情報などをもとに製品の品質特性に応じて 品質に影響を及ぼす可能性のある重要工程を製造業者等が選択して実施すること 下表に重要工程の例を示すが 表に示されていない工程であっても 品質リスクに応じてバリデーションを実施すること ( 例 : 溶出性の評価におけるコーティング工程 ) 答 重要工程 ( 抜粋 ) 剤型 固形製剤 液剤 軟膏剤 坐剤 パップ剤 含量均一性 混合工程造粒工程打錠工程充てん工程 溶解工程混合 溶解工程充てん工程 練合工程充てん工程展延工程 溶出性 打錠工程造粒工程 3

バリデーションの必要性 バリデーションの目的 一方 医薬品は 人の治療等に使用されるもので 品質保証が大変重要 ( 品質不良は許されない ) 効き過ぎてもダメ 効かなくてもダメ 品質保証で重要なことは 医薬品の不良は外観だけではわからない 品質 ( 規格 : 含量 崩壊性 溶出性 ) は使用者で判断できない 企業の責任は非常に大きい どうするか その品質を保証するために行う試験は 破壊試験法 要するに 製品の全数について試験はできない!! ( 出来た製品の一部を抜き取り 試験を行うしかない ) 最後の試験ではなく 作る工程で品質を保証する どの様に製造すれば 目的とする品質の医薬品を再現性良く製造することが出来るか バリデーションにより 製品の品質を保証する 工業化研究の結果や類似製品に対する過去の製造実績等に基づき あらかじめ特定した製品品質に影響を及ぼす変動要因 ( 原料及び資材の物性 操作条件等 ) を考慮した上で設定した許容条件の下で稼働する工程が 目的とする品質に適合する製品を恒常的に製造するために妥当であることを確認し 文書化すること ( バリデーション基準 ) プロセスバリデーションとは バリデーションの考え方 ( 例 ) ある製剤について 重要な品質特性として 製剤均一性がある 製剤均一性を保証するためには 混合工程での混合均一性が重要 そのためには 1 混合均一性を製造毎に毎回 測定 評価する 2 混合均一性に影響与える変動因子を見極め 数回繰り返し行うことで その結果が求める混合均一性を満たしていれば それ以後は混合条件で管理を行い 混合均一性の評価はしない 2 がバリデーション!! コンカレントバリデーションの取扱い 4

バリデーションの種類 ( 要件 ) ( バリデーション基準 ) 適格性評価 設計時適格性評価(DQ) 設備据付時適格性評価(IQ) 運転時適格性評価(OQ) 性能適格性評価(PQ) プロセスバリデーション (PV) 予測的バリデーション コンカレントバリデーション 洗浄バリデーション 再バリデーション 変更時のバリデーション コンカレントバリデーションとは バリデーション基準 GMP 事例集 (PIC/S GMP ガイドラインアネックス 15) バリデーション基準 ( イ ) コンカレントバリデーション < 用語説明 > プロセスバリデーションの検証方法は 原則 実生産規模での製造スケールで 3ロットの繰り返し又はそれと同等以上の手法とする ( 原則 3ロット ) 製品の通常生産に合わせて行うバリデーションのことをいう ( 適合性調査時 1 ロット ) < 条件 > 限られたロット数のみを製造する 当該製品を稀にしか製造しない又はバリデーション済みの工程を改良して製造する等の場合に用いられる GMP 事例集 GMP 事例集 13-30( プロセスバリデーション ) バリデーション基準 2(5) イ 4 に 通常 製造所からの製品の出荷の可否を決定する前に完了する とあるが 例えば 年 1 回しか生産しない製品であっても製品の出荷の前までに原則 3 ロットでのプロセスバリデーションを実施しなければならないのか 答 プロセスバリデーションとしてコンカレントバリデーションを実施する合理的な根拠合理的な根拠があり それがバリデーション実施計画書にあらかじめ明記されている場合には 製品の出荷の前までに3ロットでのプロセスバリデーションを実施しなくても認められる場合がある GMP 調査権者に相談すること 合理的な根拠 バリデーション基準 ( 参考 ) 5

コンカレントバリデーションの適用 < 条件 >( バリデーション基準 ) 限られたロット数のみを製造 当該製品を稀にしか製造しない バリデーション済みの工程を改良して製造 < 実施 >(GMP 事例集 ) 合理的な根拠が必要 バリデーション実施計画書にあらかじめ明記 GMP 調査権者と相談 コンカレントバリデーションの適用 < 奈良県 > < 奈良県の適用 > 稀にしか製造しない ( 判断例 ) 原則として 平均した製造頻度が年間 1 ロットに満たないもの ( 若しくは満たないと推測されるもの ) コンカレントバリデーションの適用 < 奈良県 > 稀にしか製造しない製品 ( 必要性 ) 予測的バリデーション 3 ロットの際の製造条件と しばらく期間が空いた後に製造する場合の製造条件が同一とは言い難い ( 工程が安定していない 変動要因が出てくる ) 通常バリデーションの運用がなじみにくい そのため 製造毎にバリデーションを行うことで 品質確保を図る コンカレントバリデーション取扱い < 奈良県 > < 奈良県の取扱い > 1. 適合性調査に当たっては 実生産規模での確認は少なくとも 1 ロット以上とすることとし 併せて生産計画 バリデーション計画書についても提出 ( バリデーション計画書は 予測的バリデーションにおける実生産規模の確認と同等以上の内容とすること ) コンカレントバリデーションだからと言って 予測的バリデーション時と確認内容が異なる訳ではない 6

コンカレントバリデーション取扱い < 奈良県 > < 奈良県の取扱い > 2. 製造ロット毎に適合性調査時に提出したバリデーション実施計画書に基づき 実生産規模での確認を実施 3 ロットの製造が終了した段階で 速やかに 3 ロット分の確認データを薬務課に提出 3 ロット分のデータ取得後もコンカレントバリデーションに係るデータ取得の必要性がある コンカレントバリデーション取扱い < 奈良県 > < 奈良県の取扱い > 3. 製造開始後も製造頻度が年間 1 ロット以上に増え 通常のバリデーション運用に切り替える場合は 変更時の再バリデーションとして実生産規模で連続する 3 ロットの確認を行った上で その旨を薬務課へ届け出る 届け出時は 通常のバリデーション運用への切り替えを行うことが明確に分かる内容についても提出 コンカレントバリデーション取扱い < 奈良県 > < 奈良県の取扱い > 4. グループ化を行う場合は コンカレントバリデーション適用品目とその他の品目は別グループとして設定する コンカレントバリデーション適用品目については 一物多名称品以外については グループ化の適用が出来ない コンカレントバリデーション実施の流れ 1. コンカレントバリデーションを適用する上で 合理的な根拠があるか 2. GMP 調査権者へ適用について相談 ( 必要に応じて ) 3. バリデーション実施計画書に必要事項を規定し コンカレントバリデーションを実施 4. 薬務課にコンカレントバリデーション実施が分かるバリデーション資料 ( 実施計画書 結果報告書等 ) 及び生産計画を提出 5. 3 ロットの製造が終了した段階で 速やかに 3 ロット分の確認データを薬務課に提出 6. 3 ロット製造後も 製造毎にコンカレントバリデーションを実施し データの取得等を行う ( 定期調査時等に薬務課が確認 ) 7

適合性調査時 PV 3 ロット 事例 1 ( 通常の PV) 1 年目 2 年目 製造毎に 工程管理 製品試験等の通常管理 予測的バリデーション 3 ロットを適合性調査時に提出 ロット毎に工程管理 製品試験等を実施 製品品質照査の結果から再バリデーションの必要性を考慮 また製造条件等を変更した場合は変更時のバリデーションの必要性 事例 2 ( コンカレントバリデーション ) 適合性調査時 3 ロット コンカレントバリデーション 1 ロット 1 年目 3 年目 製造期間が空くことで変動要因が出てくる ( 毎ロット確認することで 変動要因の確認を行う ) コンカレントバリデーション 1 ロットを適合性調査時に提出 (PQ 資料は必要 ) 3 ロット揃った段階で薬務課へ届出 3 ロット以降も毎回コンカレントバリデーションによりバリデートされているか検証が必要 事例 3 ( 通常バリデーションへの切替 ) 5 年目 6 年目 7 年目 コンカレントバリデーション変更時のバリデーション 3 1 ロットロット 8 年目 製造毎に 工程管理 製品試験等の通常管理 上記は コンカレントバリデーション適用から 7~8 年目に販売先拡大で生産量増加が見込まれた事例です 変更時の再バリデーション 3 ロットを実施 実施後 薬務課へ届出 ( 確認済みとなれば通常管理 ( 製造毎のコンカレントバリデーションは不要 )) 必要書類については 薬務課ホームページに掲載 バリデーション記録について注意事項 バリデーション記録 ( バリデーション実施計画書 バリデーション実施結果報告書等 ) には必要な内容を記載 記録する < バリデーション実施計画書 > ( 例 ) コンカレントバリデーションを適用する旨 ( 例 ) 通常バリデーションに切替るためである旨 ( 例 )PQ ロットを出荷出来る条件等 < バリデーション実施結果報告書 > 起こった事象 ( 逸脱 設定変更 是正措置 改善等 ) を全て記録 ( 関連書類がある場合は 紐付け管理 ) 8

変更時のバリデーションについて GMP 事例集 13-67( 変更時のバリデーション ) 変更時のバリデーションとして実施するプロセスバリデーションについて ロット数に規定はあるか 類似製品等の製造条件をもとに 1 ロットの製造をもって検証することができるのであれば 1 ロットのみの製造でもよいか 答 再現性の観点から原則 3 ロットのプロセスバリデーションが必要である ただし 類似製品等に係る知見により 変更内容が製品の品質に影響を及ぼさないことを予測することが合理的に説明できる場合には その根拠をバリデーションの実施計画書にあらかじめ明記することで コンカレントバリデーション ( 原則 3 ロット ) として認められる場合がある 念のため 大きな変更でない 等ではなく 合理的な根拠による説明を行える必要がある ( 実施計画書に明記 ) GMP 適合性調査申請について 申請に係る注意事項について 1. 申請者 2. 申請書類 3. 製品標準書 ( 全体 ) 4. 製品標準書 ( 包装工程以降 ) 5. バリデーション資料 6. 適合性調査結果通知書 7. 書面調査 実地調査 1, 申請者 申請時は 申請品目に係る質問等を行うため 原則対応が出来る方がご持参ください ( 例 ) 製剤について ( 保管方法 増し込み ) 提出資料について ( 承認状況 安定性 ) その他 ( スケジュール 書面調査等の希望 ) 9

2, 申請書類 提出資料が揃っているか再確認をした後に申請してください ( 申出書 チェックリストを活用 ) ( 例 ) バリデーション資料 (PQ PV 洗浄 空調 精製水 ) 製造記録 試験成績書 ( 原料 中間製品 製品 ) 資料の省略等がある場合は 申請時にその内容について説明をお願いします 3, 製品標準書 ( 全体 ) 誤字 脱字等の基本的なミスがないか再確認をした後に提出をお願いします ( 例 ) 製造フロー 製造手順 製造指図 記録書の 3 点の内容が同じか バリデーションの結果を製品標準書に反映しているか ( 製造条件 工程管理等 ) 4, 製品標準書 ( 包装工程以降 ) GMP 事例集に記載されている通り 包装工程以降についても 製品標準書 ( 案 ) を提出していただく必要があります ( 例 ) 包装仕様が決定していなくても ( 案 ) の提出が必要です ( 仕様が決定していなくても手順 フロー等は決定している ) 5, バリデーション資料 省略書類がある場合 コンカレントバリデーションを適用している場合等バリデーションについて 通常と異なる運用を行った場合は 説明をお願いします ( 例 ) バリデーション時に逸脱が発生している ( 比較的重たい逸脱の場合は その場で内容 対応 改善 是正等について確認します ) 10

6, 適合性調査結果通知書 標準的事務処理期間は 60 日 ( 土日祝を除く営業日のみで 申請者側での処理期間は含まない ) です 通常 2~3 ヶ月程度審査期間を要します (3 ヶ月で計画を立ててください ) 適切な生産等計画を立てる ( スケジュール管理を適切に行う ) 営業部と適切に連携する 実地調査が想定される場合は 申請時ではなく事前に相談する 7, 書面調査 実地調査 実地調査を行うかは行政側で最終判断を行いますが 申請者側の希望を明確にしてください ( 結果通知 他品目との工程及び使用機器の比較対比表 ) ( 例 ) 根拠がない 書面調査希望 ではなく 過去の調査状況等を元に資料を提示し説明してください 薬事工業生産動態統計調査について 薬事工業生産動態統計調査について FD の生産終了により FD 報告は終了 来年度からは 媒体による報告を行いたい場合 CD による報告が必要 FD CD による報告業者は約 10 社です これを機会に システム による報告を再度検討してください 本当によろしくお願いします!! 11

ご静聴ありがとうございました 12