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染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

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抗菌療法

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

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よる感染症は これまでは多くの有効な抗菌薬がありましたが ESBL 産生菌による場合はカルバペネム系薬でないと治療困難という状況になっています CLSI 標準法さて このような薬剤耐性菌を患者検体から検出するには 微生物検査という臨床検査が不可欠です 微生物検査は 患者検体から感染症の原因となる起炎

2013 年 1 月 10 日放送 第 111 回日本皮膚科学会総会 10 教育講演 45-4 HSV 感染症 Up date( 性器ヘルペスを中心として ) 愛知医科大学皮膚科 教授渡辺大輔 はじめに単純ヘルペスウイルス (herpes simplex virus:hsv) は 皮膚 粘膜に初感染

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

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改訂の理由及び調査の結果直近 3 年度の国内副作用症例の集積状況 転帰死亡症例 国内症例が集積したことから専門委員の意見も踏まえた調査の結果 改訂することが適切と判断した 低カルニチン血症関連症例 16 例 死亡 0 例

2014 年 7 月 16 日放送 細菌性膣症についての最新の話題 富山大学産科婦人科教授齋藤滋細菌性膣症の概念細菌性膣症 (Bacterial vagiosis) は 以前は非特異的膣炎 ガードネレラ膣炎 ヘモフィルス膣炎などとして知られていましたが 現在では乳酸桿菌である Lactobacill

手術や薬品などを用いて 人工的に胎児とその付属物を母体外に排出することです 実施が認められるのは 1 妊娠の継続又は分娩が 身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害する恐れがあるもの 2 暴行もしくは脅迫によって妊娠の場合母体保護法により母体保護法指定医だけが施行できます 妊娠 22 週 0

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2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

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2012 年 1 月 25 日放送 歯性感染症における経口抗菌薬療法 東海大学外科学系口腔外科教授金子明寛 今回は歯性感染症における経口抗菌薬療法と題し歯性感染症からの分離菌および薬 剤感受性を元に歯性感染症の第一選択薬についてお話し致します 抗菌化学療法のポイント歯性感染症原因菌は嫌気性菌および好

性器クラミジア感染症

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

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蚊を介した感染経路以外にも 性交渉によって男性から女性 男性から男性に感染したと思われる症例も報告されていますが 症例の大半は蚊の刺咬による感染例であり 性交渉による感染例は全体のうちの一部であると考えられています しかし 回復から 2 ヵ月経過した患者の精液からもジカウイルスが検出されたという報告

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

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2015 年 9 月 30 日放送 カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE) はなぜ問題なのか 長崎大学大学院感染免疫学臨床感染症学分野教授泉川公一 CRE とはカルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症 以下 CRE 感染症は 広域抗菌薬であるカルバペネム系薬に耐性を示す大腸菌や肺炎桿菌などの いわゆる

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検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 F 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 青 細 ) 血液 3 ml 血清 H 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( ピンク ) 血液 6 ml 血清 I 凝固促進剤 + 血清分離剤 ( 茶色 )

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

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2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

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第 69 回日本産科婦人科学会学術講演会 2017 年 4 月 13 日 専攻医教育プログラム 06 女性医学 性感染症 いわさくかずひろ 岩破一博

第 69 回日本産科婦人科学会学術講演会利益相反状態の開示 筆頭演者氏名 : 岩破一博所属 : 京都府立医科大学医学部看護学科 私の今回の演題に関連して 開示すべき利益相反状態はありません

本日のメニュー ( 性感染症 ) * 性感染症 * 感染症法に基づく届け出疾患 ( 定点把握 全数把握 ) 感染症発生動向調査 * 性感染症受診者での推移 * クラミジア感染症 * 淋菌感染症 * 尖圭コンジローマ * 性器ヘルペス 京都府立医科大学医学部看護学科医学講座産婦人科

性感染症について 性感染症 (STI) とは性的接触により伝播して広がる感染症である 病原体 疾患 細菌 Treponema pallidum 梅毒 Neisseria gonorrhoeae Haemophilus ducreyi Calymmatobacterium granulomatis Gardnerella vaginalis 淋菌感染症軟性下疳鼠径肉芽腫腟炎 ウレアプラズマ マイコプラズマ クラミジア Group B Streptococcus Shigella Salmonella Campilobacter Ureaplasma urealyticum Mycoplasma hominis Chlamydia trachomatis (L1 3) Chlamydia trachomatis (B K) 腟炎 腸管感染症 腸管感染症 腸管感染症 尿道炎 腟炎 骨盤内感染症 鼠径リンパ肉芽腫 尿道炎 子宮頸管炎 骨盤内感染症など 性行動の多様化性器 性器 咽頭 性器 性器 直腸

感染症法に基づく届け出疾病 2007 年 4 月 1 日施行 我が国の感染症法により発生動向が調査されている 性感染症は6 疾患である 定点把握されている疾患 (4) * 性器クラミジア * 淋菌感染症 * 尖圭コンジローマ * 性器ヘルペスウイルス感染症 全数把握されている疾患 (2) *HIV/AIDS * 梅毒

性感染症定点数 ( 全国 ) ヶ所 定点とは 感染症の発生状況を知るために一定の基準に従ってこれらの情報を報告してくれる医療機関のこと 定点 : インフルエンザ定点 ( 内科定点 小児科定点 ) 小児科定点 眼科定点 性感染症定点 基幹定点の 5 種類

京都 23 定点 ( 市内 13, 府内 10) 性感染症定点 京都市北区 S 医院 京都市上京区堀川病院 京都市左京区 S 医院 京都市中京区京都市立病院 Y 病院 京都市東山区京都第一赤十字病院 京都市下京区 O 産婦人科 京都市南区 医療法人第二足立病院 京都市右京区 N 皮膚科診療所 京都市伏見区 H 産婦人科病院 F 医院 京都市山科区愛生会山科病院 京都市西京区三菱京都病院 1 乙訓 山城北男山病院 山城南 南丹 中丹西 中丹東 済生会京都府病院 第二岡本総合病院 S レディスクリニック 公立山城病院 K 産婦人科医院公立南丹病院 1 市立福知山市民病院 舞鶴共済病院 丹後京都府立与謝の海病院 1

感染症発生動向調査による性感染症の年次推移 90 年バブル崩壊 91 年エイズキャンペーン 平成 15 年 感染症発生動向調査

感染症発生動向調査による性感染症の年次推移 平成 15 年 感染症発生動向調査

性別 年代別年間発症推計実数 - 全 STD( 性感染症受診者 )- 人 30,000 2012 年と 2013 年で男女とも 増加 全 STD 全 STD 25,000 全 STD 全 STD 20,000 15,000 全 STD 全年齢 10,000 5,000 2012 年 男 104,748 人 2012 年 女 113,943 人 2013 年 男 111,095 人 2013 年 女 121,875 人 0 15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65+ 歳 厚労科研の全数調査における 2012 年と 2013 年との STI 発症受診者の推計数 ( 年間 ) の推移 ( 荒川班 )

クラミジア感染症 女性 肝 ( 肝周囲炎 ) Fitz-Hugh-Curtis syndrome 骨盤腔 ( 骨盤炎症性疾患 ) 卵管 卵管通過障害 卵管狭窄 卵管閉塞 ( 卵管炎 ) ( 卵管周囲癒着 ) ( 卵管妊娠 ) ( 卵管性不妊 ) 子宮内膜 ( 子宮内膜炎 ) 子宮頸管 ( 子宮頸管炎 ) 産道感染 新生児肺炎 結膜炎 咽頭クラミジア SEX クラミジア直腸炎 男性 前立腺炎 副睾丸炎 尿道炎

性器クラミジア感染症 男性 : 尿道炎 女性 : 子宮頸管炎 潜伏期間 :1~3 週間男性 :5 割が無症状 女性 : 約 8 割が無症状 女性は不妊症 子宮外妊娠などの原因 クラミジア子宮頸管炎に罹患した女性の約 50% は 自己免疫により自然治癒する 残りの 50% は 治療が行われないと持続感染に移行する 更に 約 10% が上行感染し 卵管炎や PID を引き起こす Evidence for Long-Term Cervical Persistence of Chlamydia trachomatis by omp1 Genotyping Deborah Dean, et al. The Journal of Infectious Diseases 2000;182:909 16

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 性器クラミジア感染症報告数の年次推移人 45000 40000 35000 30000 25000 20000 15000 10000 5000 0 % 総数男女 年 感染症発生動向調査

クラミジアの診断 ギムザ染色による C.Trachomatis の封入体の検出 (McCoy 細胞 48 時間培養 ) 分離培養法 EIA 法によるクラミジア抗原検査 DNA プローブ法による遺伝子検出 DNA プローブ法は感度 EIA 法は特異性が不十分 遺伝子検出法核酸増幅法 : 感度 特異性ともに優れる SDA 法 TMA 法 PCR 法 抗体検査

性感染症診断 治療ガイドライン 2016 (2016 年 11 月 1 日発行 ) *CDC 2015 Sexually Transmitted Diseases Treatment Guidelines *2016 WHO treatment guidelines

淋菌感染症 淋菌感染症は淋菌 (Neisseria gonorrhoeae) による感染症である 淋菌はグラム陰性の双球菌で 炭酸ガス要求性の細菌である 主に性交により感染し人体の粘膜で増殖する 1 回の性交での感染率は30% 程度で 尿道 口腔 肛門 結膜や腟 子宮 卵管で増殖する

人 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 淋菌感染症報告数の年次推移 ( 全国 ) 男女 感染症発生動向調査

尿道より採取した検体 ( グラム染色 ) グラム陰性の双球菌 尿道採取検体 : 培養 感受性子宮頸管 :TMA 法 淋菌性尿道炎 淋菌性頸管炎

治療 淋菌感染症に対して保険適用 ペニシリン系, テトラサイクリン系, マクロライド系, ニューキノロン系のいくつかの薬剤 抗菌薬に対する耐性率 ニューキノロン系およびテトラサイクリン系抗菌薬 :80% * 第三世代経口セフェム系薬 :30~50%

2016 年 11 月 1 日発行 2014 年 12 月 22 日発行

Case report of Ceftriaxone resistant Neisseria gonorrhoeae was presented in Annual meeting of Japanese Society for STI, December 2009. 淋菌感染症におけるセフトリアキソン (CTRX) 耐性の 1 例 日本性感染症学会誌 vol.21, No1 2010 山元博貴 雑賀威 保科眞二 岩破一博 北脇城京都府立医科大学大学院医学研究科女性生涯医科学三菱化学メディエンス 保科医院 31 歳女性 京都の性産業従事者の咽頭からセフトリアキソンに高度耐性を持つ多剤耐性淋菌検出 一般名商品名 MIC(μg/ml) 感受性 セフトリアキソンロセフフィン 2 0.25> セフィキシムセフスパン 8 0.25 > アジスロマイシンジスロマック 0.5 2 > レボフロキサシンクラビット 32 0.03 > アモキシリンサワシリン 4 0.12 > ceftriaxone-resistant strains H041 (Japan) F89 (France, Spain) A8806 (Australia) GU140106 (Japan) H41 株の PBP2 アミノ酸配列は N.gonorrhoeae Ⅹ タイプ株とほぼ同様な配列を示し さらに Ⅹ タイプ株とは異なるアミノ酸置換を数ヶ所に認めた

本邦での小児淋菌感染の報告 (21 例 ) (2000 年以降 ) 感染経路が浴場と特定された例は 21 例中 3 例 3) 3 例中 2 例は外陰腟炎 1 例は子宮頸管炎 骨盤腹膜炎 家族内水平感染が 9 例 虐待が疑われた例は 5 例 女児の浴場での感染や家族内水平感染例は外陰腟炎が主体となっているが これは思春期前女児は外陰部 腟の防御機構が十分でないため 浴場やタオルなどを媒介しての感染が主であるため 3) 森俊彦 : 小児淋菌感染症の 4 女児例. 小児科臨床,2013;66:1923-1929. 性成熟前の小児に淋菌感染症を診た場合 治療と同時に性的虐待の有無を疑う.

人 コンジローマ報告数の年次推移 ( 全国 ) 7000 コンジローマ総数コンジローマ男コンジローマ女 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 2005 年の患者報告数は 1999 年の約 2 倍に増加 年 平成 18 年 資料 : 感染症発生動向調査

尖圭コンジローマ 乳頭状のイボが特徴 感染部位 : 外陰部 肛囲 肛門内 尿道口 腟 子宮頸部 自然消失率 :20~30%( 再発を繰り返す ) 自覚症状 : 一般に自覚症状はない 潜伏期間 :3 週間 ~8ヵ月 ( 平均 2.8ヵ月 ) 再発 :3ヵ月以内に約 25% は再発する 不顕性感染者の問題 : 妊娠による細胞性免疫能の低下に伴い 妊娠すると尖圭コンジローマを発症 母子感染としての若年性再発性呼吸器乳頭腫症 声帯 乳頭腫 性感染症診断 治療ガイドライン 2011: 日本性感染症学会誌 2011; 22 (1 Suppl): 70-3 より作成

イミキモド アルダラ ( イミキモド ) ベセルナクリーム 5% 光線各化症と外性器 肛門周囲疣 ( 尖圭コンジローマ ) の治療に対して米国食品医薬品局 (FDA) に承認 イミキモドは 細胞から分泌されるタンパク質で特定の 細胞に情報を伝達するサイトカインの生成を促し 効果 を示す 改訂のポイント 1. イミキモドが商品名併記でファーストラインに記載 2.5-FU ブレオマイシンの抗癌剤が削除 3. 緑茶抽出物軟膏 (Sinecatechins 軟膏 )

再発性呼吸器乳頭腫症 (RRP) 声帯乳頭腫気道 年齢分布は 2 つのピークを有する 1 2~4 歳 ( 若年性 ) 20~40 歳 ( 成人性 ) 通常 HPV6 あるいは 11 型により生じる 2 乳頭腫とは 層状の扁平上皮腫瘤であり 除去しない場合には気道をふさぐ可能性がある 2 Image reprinted with permission from Glikman D., et al.n Engl J Med 2005; 352:e22. Copyright 2005 Massachusetts Medical Society. All rights reserved. 組織学的に良性でも 再発により重症化または死亡に至ることがある 2 頭頸部癌の原因となり得る 2-4 母子感染により発症する ( 若年性 ) 1.Derkay CS. Laryngoscope. 2001;111:57 69. 2. Abramson AL, Nouri M, Mullooly V, Fisch G, Steinberg BM. J Med Virol. 2004;72:473 477. 3.Steinberg BM, DiLorenzo TP. Cancer Metastasis Rev. 1996;15:91 112. 4. Szentirmay Z, Pólus K, Tamás L, et al. Cancer and Metastasis Reviews. 2005;24:19 34. 5. Derkay CS, Darrow DH. Ann Otol Rhinol Laryngol. 2006;115:1-11.

単純ヘルペスウイルスの病原診断法 分離培養法 (gold standard) 蛍光抗体法 ( 塗抹標本 ) 免疫クロマト法 核酸増幅法 PCR 法 LAMP 法 感度高低 (20~30%) 高高 特異性高高高高 長所 短所 感染性の証明型判定 時間がかかる (2~7 日間 ) 高価 簡便安価型判定 簡便 ( 目視判定 ) 迅速診断 (15 分 ) 超高感度迅速診断型判定 低感度型判定不可コンタミナーション 保険収載無有有無 単純ヘルペスウイルス特異抗原 プライムチェック HSV

性器ヘルペスの治療法 < 初発 再発の軽中等症例 > アシクロビル : ゾビラックス錠 (200mg)5T 分 5 5~10 日間経口 バラシクロビル塩酸塩 : バルトレックス錠 (500mg)2T 分 2 5~10 日間経口 ファムシクロビル錠 : ファムビル錠 (250mg)3T 分 3 5 日間経口 < 重症例 > アシクロビル : ゾビラックス点滴静注用 5mg/kg/ 回 8 時間毎 7 日間点滴静注 < 再発抑制例 > バラシクロビル塩酸塩 : バルトレックス錠 (500mg)1T 分 1 1 年間経口

性感染症の今後の問題点 性感染症 : 症状がないかあっても軽い うつったあとに気が付かない 知らないうちにかかって 他の人にうつす危険もある 感染症発生動向調査による性感染症の年次推移では 減少している 実際は 微増! 若年者より 20 歳代で 定点の設定の問題 梅毒! 検査 : 核酸増幅法 マイコプラズマ ウレアプラズマ 尖圭コンジローマの治療 ( 腟内 ) HPV: ワクチン 我が国の若年成人における性生活の特徴 : sexual activity は先進国 性感染予防は後進国

参考論文 1) WHO GUIDELINES FOR THE Treatment of Chlamydia trachomatis (Guideline) http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2016/antibiotics-sexualinfections/en( 最終アクセス日 2017 年 4 月 10 日 ) 2) Workowski KA, Berman S, Centers for Disease Control and Prevention (CDC): Sexually transmitted diseases treatment guidelines, 2015, Chlamydial infections. MMWR Recomm Rep 2015; 64: 55-60 PMID: 26042815 (Guideline) 3) 性器クラミジア感染症の診断 治療.JAID/JSC 感染症治療ガイド 2014, 2014,234-236. (Guideline) 4) 性感染症診断 治療ガイドライン 2016(2016 年 11 月 1 日発行 ) http://jssti.umin.jp/pdf/guideline-2016.pdf (Guideline) ( 最終アクセス日 2017 年 4 月 10 日 ) 5) 岩破一博.Ⅲ. 性感染症編. 女性性器感染症. 岩破一博編. 医薬ジャーナル社, 大阪 :pp119-182,2012.