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図表 11に都道府県別取得件数 ( 上位 10 位 ) を 図表 12に産業分野別取得件数 ( 上位主要産業分野 ) を 図表 13に産業分野別取得件数の推移を示します 産業分野別件数 ( 図表 12) では最も多いのが 建設 の15,084 件 次いで 基礎金属 加工金属製品 の6,434 件 電

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恣意的に限定した適用範囲になっていませんか 主力サイトは適用範囲外になっていませんか ( 当該サイト活動を適用範囲外することにより経営的に大きな影響を受けていませんか ) 環境マネジメントシステムの意図した成果 ( 箇条 4.1) に影響する部門 部署を除外していませんか 適用範囲に含まれるサイトと

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説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 関連する利害関係者の特定 プロセスの計画 実施 3. ISO 14001:2015への移行 EMS 適用範囲 リーダーシップ パフォーマンス その他 (

提出を求めることが想定される 本連載は 2015 年版によるシステム変更をマニュアルに反映させるため 要求項目順に 2004 年版と FDIS の差異の説明 マニュアルの改訂例という構成で 6 回に渡り整理するものである 2.FDIS と 2004 年版の構成比較 FDIS と 2004 年版の構成

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1 主要機関の情報 ISO 改訂に関する情報 ( 調べ ) (1)( 一社 ) 日本規格協会 (JAS) の情報 第 21 回 ISO/TC207( 環境管理 ) 総会報告

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ISO/FDIS ISO 9001 の主要な変更点 1. 附属書 SL の適用 2. 組織の状況の理解と QMS の適用範囲の決定 3. プロセスアプローチの適用向上それを支援する PDCA サイクルとリスクに基づく考え方 4. リーダーシップの強化 5. 組織の意図した結果 顧客満足の向上 パフォ

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SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

4.4 マネジメントシステム プロセス 5 リーダーシップ 5.1 リーダーシップ コミットメント 組織の状況を考慮し リスク ( 不確かさに影響 ) 及び機会 ( 何かをするのによい時期 ) として取り組むことを決定した情報から適用範囲に含まれていない範囲が存在していませんか恣意的に限定した適用範

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統合化の概要次回の改訂時迄には ISO D Guide83 に沿って整合性を図った 要求事項の定義 要求事項タイトル 要求事項の順番 そして定期的な適切性や妥当性有効性等の強化を含む見直しによって追加補充や変更点への対応を含めた対応が必要とされるが 統合化の構成の概要は 以下の通りススムパートナーズ

目次 4. 組織 4.1 組織及びその状況の理解 利害関係者のニーズ 適用範囲 環境活動の仕組み 3 5. リーダーシップ 5.1 経営者の責務 環境方針 役割 責任及び権限 5 6. 計画 6.1 リスクへの取り組み 環境目標

目 次 1. 適用範囲 P4 2. 引用規格 P5 3. 用語及び定義 P5 4. 組織の状況 P6 4.1 組織及びその状況の理解 P6 4.2 利害関係者のニーズ及びと期待の理解 P6 4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定 P6 4.4 環境マネジメントシステム P6 5. リーダー

5. 文書類に関する要求事項はどのように変わりましたか? 文書化された手順に関する特定の記述はなくなりました プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持し これらのプロセスが計画通りに実行されたと確信するために必要な文書化した情報を保持することは 組織の責任です 必要な文書類の程度は 事業の

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説明項目 1. 審査で注目すべき要求事項の変化点 2. 変化点に対応した審査はどうあるべきか 文書化した情報 外部 内部の課題の特定 リスク 機会 利害関係者の特定 QMS 適用範囲 3. ISO 9001:2015への移行 リーダーシップ パフォーマンス 組織の知識 その他 ( 考慮する 必要に応

柔軟な文書化要求 それぞれの詳細説明は の ISO/FDIS14001:2015 規格説明会資料に譲りますが いずれもその考え方は既に ISO14001:2004 に含まれており 2015 年版への改訂に当たり EMS に関する 意図した成果 の達成に向けて IAF が強調しておきたいことを記載した

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目 次 1. 適用範囲 P4 2. 引用規格 P5 3. 用語及び定義 P5 4. 組織の状況 P7 4.1 組織及びその状況の理解 P7 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 P7 4.3 個人情報保護マネジメントシステムの適用範囲の決定 P7 4.4 個人情報保護マネジメントシステム P7

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1 適用範囲 2 引用規格 3 用語の定義 69の用語 4- 組織の状況新規 4.1- 組織とその状況の理解 [1] 2 組織は 組織組織の目的目的と戦略戦略の方向方向に関係する内外の課題課題を決定しなければならない これらの課題は 想定された結果を達成する上で品質マネジメントシステムの能力に影響す

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何故 2 つの規格としたのですか (IATF 16949:2016 及び ISO 9001:2015)? 2 つの規格となると 1 つの規格の場合より, 読んで理解するのが非常に難しくなります 1 まえがき 自動車産業 QMS 規格 IATF と ISO との間で,IATF を統合文書と

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厚生労働省 食品衛生管理の国際標準化に関する検討会最終とりまとめ 平成28 年12 月 HACCPの導入により 食品の安全性の向上を図る必要があるとの観点から 平成28年3月から12月まで 厚生労働省においてHACCPの制度化について検討 10月14日に中間とりまとめが公表され 11月15日まで意見

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よくお聞きする内部監査の課題 課題 1 毎年 同じチェックリスト ( 同じ質問 ) 課題 2 内部監査への積極的関与が乏しい 課題 3 形式的で 実用的でない ( 審査のためのもの ) 課題 4 あら探しになっている 課題 5 質問が抽象的でわかりにくい 課題 6 文書と記録ばかり求める課題 7 不

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FSSC の特徴 2014 年 7 月 4 日 Copyright 2014 Japan Management Association Quality Assurance 1

文書番号 :FS22000/02 NKKKQA FSSC22000 ISO22000:2005 及びセクター PRP 向け技術仕様書に準拠した食品安全システム認証スキーム パートⅠ 認証を必要とする組織に対する要求事項 ( 参考資料 ) 制定日 :2011 年 1 月 18 日 改訂日 :2015

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ISO/FDIS 9001 の概要 TC 176 国内委員会委員 中條武志 ( 中央大学 ) 1

2 序文この規格は,2004 年に第 2 版として発行された ISO 14001:2004,Environmental management systems -Requirements with guidance for use を翻訳し, 技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工

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プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

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する 2 利害関係者がこれを入手できる ISO14001 では利害関係者が入手可能なものとして 環境方針がある 環境方針と併せて利害関係者が要請した場合 渡すことが出来る状態にすることが必要である 一般的には自社のホームページに掲載していれば 誰でも入手可能な状態と言える (3) 環境マニュアルの例

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i まえがき コロナ社 PC

パデセア黒柳 ISO 改訂版対応 - 環境マニュアル改訂文例 第 4 回 :ISO14001:2015 逐条解説と環境マニュアルの例 (6.2~7.4.3) ISO 改訂版対応 - 環境マニュアル改訂文例 として今回は 6.2 環境目標及びそれを達 成するための計画策定 7.

目次 1. 本書の利用方法 p.1 2. 著作権 p.1 3. 免責事項 p.1 4. 用語の定義と説明 p.1 A. 団体の管理体制 1. 団体の基本情報と責任の明確化 p.3 2. 契約の管理 p.4 3. 団体 農場管理マニュアル p.5 B. 団体 農場管理マニュアルに基づく管理の実践とその

White Paper: ISO 9001: 2015 Update – Preparing for Transition

スライド 1

1. 序文 1.1 JFS-E-C 規格について本 JFS-E-C 規格は 組織 ( 1) が 安全な食品を製造するためのマネジメントシステムを構築 運営 改善する目的のために使用することができる また その組織のシステムを 認証機関を含む外部機関が評価するためにも使用することができる C 規格は

FSSC22000

管理区分 非管理版 文書番号 PMS-007 制定年月日 改訂年月日 改訂番号 1 購入希望の場合は P マークの取得及び更新に必須となる文書のサンプルです ページ最後の購入方法をご確認ください 修正可能なワードファイルで提供して

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Copyright 2017, Foundation FSSC All rights reserved. No part of this publication may be reproduced and/or published in any form, by means of pri

1. 序文 1.1 JFS-E-C 規格及び JFS-L-C 規格について JFS-E-C 規格及び JFS-L-C 規格は 一般財団法人食品安全マネジメント協会が作成した規格であり 組織 ( 1) が 安全な食品を製造するためのマネジメントシステムを構築 運営 改善する目的のために使用することがで

[2018 年追補版 ] について 1. 本書の目的 原子力安全のためのマネジメントシステム規程(JEAC ) の適用指針 (JEAG ) の[2018 年追補版 ] 品質マネジメントシステムに関する標準品質保証仕様書 ( 以下, 本書 という ) は,JEAC

< 目次 > 全体解説 3 I 食品安全マネジメントシステム (FSM) FSM1 食品安全マネジメントシステム一般要求事項 C 4 FSM2 食品安全の方針 A/B/C 5 FSM3 食品安全マニュアル C 6 FSM4 経営者の責任 A/B / トップマネジメントの責任 C 6 FSM5 経営者

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レジリエンスの取り組みに 関わるディスカッション

Transcription:

まえがき 本書を刊行する主たる目的は, 依然としてなくならない 消費者を脅かす食品企業の不祥事 やその根本的原因となる 食品関係経営者の責任と認識の欠如 など, 食の根源を揺るがす諸情勢を鑑み, 微弱ながら食を専門とした活動経験の集大成として, 高まる消費者の食品安全の要求に応えるため, 食品安全の継続的な改善に微力を傾注することであります 食のグローバル化と食品安全問題 に端を発し, わが国においても,HACCP の採用を法制化するなかで, 食品連鎖 ( フードチェーン ) の利害関係者を対象とした ISO22000:2005( 食品安全マネジメントシステム ) は,FSSC22000 に大きく遅れをとっていたが, このたび 2018 年度版として, 大改訂される運びとなった そこで, 既刊 よくわかる ISO22000 企業のためになる ISO22000 に引き続き, 筆者がフードチェーン企業の ISO 審査やコンサルティング活動を通じて得た, 特に中小食品企業のためになると思われる知見をまとめることとした 本書では 食品安全マネジメントシステム の現場における実践から, 事例と規格要求事項の関わりを重点に, 旧規格との対比も含め, 規格のポイント 解説 審査のポイント 審査指摘事例 および 参考解説 で解説した 食品安全基礎知識 では, 巻末にあげた文献から食品技術者にとって実践に役立つ知識を引用し, 解説を加え, 具体的に記述した また, 改訂 ISO22000:2018 の主要な要求事項となっている PRP( 前提条件プログラム ) 付属書 ISO/TS22002-1 についても, 解説や実施例を加え記載した このたび ISO22000 が大改訂されることを機に, 過去の愚著も参考にしながら, 十数年の ISO 活動の集大成として本書を執筆した 食品関係企業の発展に幾分でも役立てていただけることを願ってやまない 執筆にあたり, 京都大学名誉教授松下雪郎先生, 武庫川女子大学名誉教授大鶴勝先生, 本年記念すべき 70 周年を迎えられる ( 株 ) スズカ未来の末松正守会長ならびに垣善フレッグ ( 株 ) の垣内善通社長の絶大なるご支援を賜ったこと

を, あらためて心から感謝申し上げるとともに, 今は亡き恩師, 京都大学名誉教授土井悦四郎先生夫妻を偲びながら愚筆を終えた 最後に, 本書の出版に際しまして, ご尽力いただきました, 技報堂出版社 ( 株 ) 取締役出版事業部長石井洋平様ほか関係各位, ならびに原稿の校正にご協力いただいた当検査センタースタッフ各位に対し書面にて心からお礼を申し上げる マイラボ食品検査センター食品技術士小川 洋

推薦の言葉 小川君は, 飽きもせず, いまだに,ISO に関わっており, かれこれ通算十数年以上が経過したと思われる 食品安全コンサルタントとしてまた ISO の審査員として食品企業を中心に全国を駆けめぐっているようだ 2004 年に執筆した よくわかる ISO 22000 以来, 継続して, 食品安全マネジメントに関わるコンサルタントおよび主任審査員活動に携わり,ISO 22000 の真髄とも言える, 現場サイド視点からの 規格のポイント 解説 と 審査のポイント ならびに食品企業のためになる 審査指摘事例 を網羅した著書 企業のためになる ISO22000 に引き続き, 本書を執筆した 小職は, 食品生化学 以外,ISO などには全く縁の薄い仕事に携わってきたが, 一読するに, 大改訂された ISO について, さらに, 磨きをかけた内容となっており, 現在, 食品企業の永遠の発展を願って,ISO 審査員として, 第三者の目から経験豊かに詳述されている 改訂された本書は, 小川君の食品安全審査員生活の総まとめとして執筆されたものであり, 食品企業関係者の読者が企業体質改善ならびにより有効な工程改善のヒントをつかみ, 必ずや, お役に立つものと信じてやまず, ここに推薦するものである 京都大学名誉教授 松下雪郎

推薦の言葉 小川君は, 食品の ISO に関わる活動を開始して, 本年で 16 年になる 今でも, 食品安全コンサルタントや ISO 主任審査員として, 北海道から沖縄まで全国を駆け巡っている 小職の勤務した大学でも, 管理栄養士受験生 を対象に講義をしてもらった思い出がある 本書は,2004 年に執筆した よくわかる ISO2200 および 2011 年発行 企業のためになる ISO22000 に続く, 彼の食品安全活動の総集編とも思われ, 新しく生まれ変わった食品安全システムの解説にさらに具体的な解説と審査のポイント, および事例が網羅されている 小職は, 食品化学 を中心とした研究と教鞭に携わってきたが, 本書を一見するに, 現在の食品界の直面する諸問題の解決のための優れたツールであると思われる また, 食品安全基礎知識 は, 小職の愚著なども引用し, 食品技術者が知っておくべき基礎知識が網羅されている 本書は, 永遠に発展する食品企業関係者の企業体質改善にお役に立つものと信じてやまず, ここに推薦するものである 武庫川女子大学名誉教授 京都大学農学博士大鶴勝

目 次 なぜ, 改訂 ISO 22000:2018 なのか 食品の安全性確保と ISO 22000:2018 ISO 22000:2018 の基本原則と骨格 ISO 22000:2018 徹底解説 0 序文 1 適用範囲 2 引用規格 3 用語及び定義 4 組織の状況 4.1 組織及びその状況の理解 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 4.3 食品安全マネジメントシステムの適用範囲の決定 4.4 食品安全マネジメントシステム 5 リーダーシップ 5.1 リーダーシップ及びコミットメント 5.2 食品安全方針 5.2.1 食品安全方針の確立 5.2.2 食品安全方針の伝達 5.3 組織の役割, 責任及び権限 5.3.1 ( トップマネジメント ) 5.3.2 ( 食品安全チームリーダー ) 6 計画 6.1 リスク及び機会への取り組み 6.1.1 ( リスク及び機会の決定 )

6.1.2 ( リスク及び機会の計画 ) 6.1.3 ( リスク及び機会に取り組むための処置 ) 6.2 食品安全マネジメントシステムの目標及びそれを達成するための計画策定 6.2.1 ( FSMS の目標設定 ) 6.2.2 (FSMS の目標達成のための計画策定 ) 6.3 変更の計画 7 支 援 7.1 資 源 7.1.1 一 般 7.1.2 人 々 7.1.3 インフラストラクチャー 7.1.4 作業環境 7.1.5 食品安全マネジメントシステムの外部で策定された要素 7.1.6 外部から提供されたプロセス, 製品又はサービス 7.2 力 量 7.3 認 識 7.4 コミュニケーション 7.4.1 一 般 7.4.2 外部コミュニケーション 7.4.3 内部コミュニケーション 7.5 文書化した情報 7.5.1 一 般 7.5.2 作成及び更新 7.5.3 文書化した情報の管理 7.5.3.1 ( 文書化した情報の管理の要求事項 ) 7.5.3.2 ( 文書化した情報の管理の活動 ) 8 運 用 8.1 運用の計画及び管理 8.2 P R P 8.2.1 (PRP の目的 ) 8.2.2 (PRP の条件 )

8.2.3 (PRP が考慮すべき文書など ) 8.2.4 (PRP の要求事項 ) 8.3 トレーサビリティ 8.4 緊急事態への準備及び対応 8.4.1 一般 8.4.2 緊急事態及びインシデントの処置 8.5 ハザードの管理 8.5.1 ハザード分析を可能にする予備段階 8.5.1.1 原料, 材料及び製品に接触する材料の特性 8.5.1.2 最終製品の特性 8.5.1.3 意図した用途 8.5.1.4 フローダイアグラム及びプロセスの記述 8.5.2 ハザード分析 8.5.2.1 一般 8.5.2.2 ハザードの明確化及び許容水準の決定 8.5.2.3 ハザード評価 8.5.2.4 管理手段の選択及び分類 8.5.3 管理手段及び管理手段の組み合わせの妥当性確認 8.5.4 ハザード管理計画 (HACCP/OPRP プラン ) 8.5.4.1 一般 8.5.4.2 許容限界及び行動基準の決定 8.5.4.3 CCP における及び OPRP に対する監視 ( モニタリング ) システム 8.5.4.4 許容限界又は行動基準を超えた場合の処置 8.5.4.5 ハザード管理計画の実施 8.6 PRP 及びハザード管理計画を規定する情報の更新 8.7 監視 ( モニタリング ) 及び測定の管理 8.8 PRP 及びハザード管理計画に関する検証 8.8.1 検 証 8.8.2 検証活動の結果の分析 8.9 製品及びプロセス不適合の管理

8.9.1 一般 8.9.2 是正処置 8.9.3 修正 8.9.3.1 ( 許容限界及び行動基準からの逸脱 ) 8.9.3.2 ( 許容限界の逸脱 ) 8.9.3.3 ( 行動基準の逸脱 ) 8.9.3.4 ( 修正の文書化した情報 ) 8.9.4 安全でない可能性のある製品の取扱い 8.9.4.1 一般 8.9.4.2 リリースのための評価 8.9.4.3 不適合製品の処理 8.9.5 回収 / リコール 9 食品安全マネジメントシステムのパフォーマンス評価 9.1 監視 ( モニタリング ), 測定, 分析及び評価 9.1.1 一般 9.1.2 分析及び評価 9.2 内部監査 9.2.1 ( 内部監査の目的 ) 9.2.2 ( 内部監査の計画と実施 ) 9.3 マネジメントレビュー 9.3.1 一般 9.3.2 マネジメントレビューへのインプット 9.3.3 マネジメントレビューからのアウトプット 10 改善 10.1 不適合及び是正処置 10.1.1 ( 不適合の処置 ) 10.1.2 ( 不適合の記録 ) 10.2 食品安全マネジメントシステムの更新 10.3 継続的改善

附属書 付属書 1 ISO/TS22002-1 要求事項と解説 実施例 ISO/TS22002-1 要求事項と解説 実施例 ISO/TS22002-1 追加要求事項と解説 実施例 付属書 2 食品安全マネジメントマニュアル作成へのガイド 付属書 3 リスクに基づく考え方とリスクマネジメント ISO22000:2018 のさらなるバージョンアップに! おわりに 引用 参考文献 索 引

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食品の安全性確保と ISO 22000:2018 [ さらに高まる消費者の食品安全意識 ] 生命の源である食の安全を脅かす不祥事や事件が後を絶たないが, 流通している食品は, ますます喫食前非加熱食品が増加している 国内の高齢化が進むなか, 未調理で喫食できる食品には, 高い安全性が要求される そのため, フードチェーンに関わる人々の食品安全に対する正しい知識と認識の向上が不可欠である より詳細な食品表示の義務づけによって, 消費者の食品安全に対する関心はますます高まっており, フードチェーン利害関係者, 特に原材料供給者や食品製造関係者のより高度な, 食品安全モラルが求められる [ 高まる食のグローバル化と食品安全 ] わが国の食料自給率 ( 供給エネルギーベース ) は, 依然として 40 % 未満で推移している この現状をどう考えればよいのだろう 同じ島国で先進国イギリスでは,98 % 近い食料自給率を確保しているというのに よってわが国は, 必然的にあらゆる食材を世界中に求めなければ生きていけない それだけに, 食品製造リスク以外に, 余分な食品安全リスクを負っている [ 食品の連鎖性 ( フードチェーン )] 農作物のような食品は, 直接, 生産者から消費者に届けられるように思われるが, 消費者の口に入るまで, 農薬 肥料製造業, 冷蔵 輸送業が連鎖している 畜肉食品であれば, 飼料製造業, 飼料添加物製造業, 畜産業, 屠場 精肉業, 冷蔵 輸送業などが連鎖している 養殖漁業においても同様の連鎖関係がある したがって, それぞれの業種でそれぞれの食品安全認識が要求され, どのフードチェーンがつまずいても食の安全性は確保できない 消費者の安全性を確保するためには, クリントン元米大統領 (1997 年 ) の言った Farm to Table までの安全性を確保しなければならない

ISO22000:2018 食品安全マネジメントシステム徹底解説 定価はカバーに表示してあります 2018 年 4 月 10 日 1 版 1 刷発行 ISBN 978 4 7655 4130 5 C2034 日本書籍出版協会会員自然科学書協会会員土木 建築書協会会員 Printed in Japan Hiroshi Ogawa, 2018 落丁 乱丁はお取り替えいたします 著者小川洋発行者長滋彦発行所技報堂出版株式会社 101 0051 東京都千代田区神田神保町 1 2 5 電 話 営業 ( 0 3 )( 5 2 1 7 )0 8 8 5 編集 (03)(5217)0881 F A X (03)(5217)0886 振替口座 00140 4 10 U R L http://gihodobooks.jp/ 装丁ジンキッズ印刷 製本三美印刷 < 出版者著作権管理機構委託出版物 > 本書の無断複写は著作権法上での例外を除き禁じられています 複写される場合は, そのつど事前に, 出版者著作権管理機構 ( 電話 :03-3513-6969,FAX:03-3513-6979,e-mail:info@jcopy.or.jp) の許諾を得てください