ICP : 国際目録原則覚書 = Statement of International Cataloguing Principles

Similar documents
国際目録原則覚書:Statement of International Cataloguing Principles (ICP)

PowerPoint プレゼンテーション

本日の内容 新 NCR 改訂の背景 新 NCR の概要 新 NCR の条文案 新 NCR の今後の予定 2

国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述

メタデータスキーマレジストリ MetaBridge の概要

本日の内容 1. 図書館目録における 典拠 2. 国立国会図書館の 典拠データ 3.Web NDL Authorities 4. 国立国会図書館の国際的協力 5. 典拠データの国際的動向

情報知識学会誌 2014Vol.24,No.2 第 22 回年次大会予稿 FRBR に基づく件名 分類管理システムの試作 : 教科書分類を例として A Work/SubjectRelationshipManagement SystemBasedonFRBR Model:ACaseofTextbook

書誌情報の将来像

どのような便益があり得るか? より重要な ( ハイリスクの ) プロセス及びそれらのアウトプットに焦点が当たる 相互に依存するプロセスについての理解 定義及び統合が改善される プロセス及びマネジメントシステム全体の計画策定 実施 確認及び改善の体系的なマネジメント 資源の有効利用及び説明責任の強化

T

MARC データに求められるものは? 迅速性 書店発売日にはデータが存在 網羅性 出版取次以外からも収集 正確性 図書現物からのデータ作成何重もの形を変えた校正 整合性 一定の規則に基づいて 約 300 万件の累積データを参照しながら作成 情報の多様性 本を選んだり提供するために必要な様々な項目 内

RDA講習会東北

Library and Information Science No

2018 年 9 月 4 日 ( 火 )( 第 11 回 ) 2018 年度 JLA 中堅職員ステップアップ研修 (2) 領域 : 図書館 情報インフラを発展させる 情報資源の管理と提供 鴇田拓哉 < 領域のねらい > ネットワーク社会における情報資源管理および図書館システムへの理解を深めるととも

JOHO KANRI 2013 vol.56 no.2 Journal of Information Processing and Management May 所蔵目録からアクセスツールへ RDA(Resource Description and Acce

WebAPI 及びデータフォーマット (DC-NDL) の概要 国立国会図書館電子情報部 電子情報サービス課 1

2.0.7C 記述の情報源 記述のための情報源は 以下の優先順位で採用する 1) タイトル画面 2) その他の内部情報 ( メニュー プログラム記述 リードミー ファイル 索引など ) 3) その他の情報源 情報源自体が最新のものに変更されることから 確認できる最新のものを情報源として採用する 2.

『日本目録規則 2018 年版』(予備版)第46章

RDAと書誌的宇宙_印刷用.key

組織 (organization) 自らの目的を達成するため 責任 権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ 個人 又は人々の集まり 注記 1 組織という概念には 法人か否か 公的か私的かを問わず 自営業者 会社 法人 事務所 企業 当局 共同経営会社 非営利団体若しくは協会 又はこれらの 一部若しく

Microsoft PowerPoint - 【講演1_武田英明先生】_what-is-DOI-01.pptx

UID S307-NDEF

Powered by TCPDF ( Title 日本の著者名典拠データにFRADを適用する際の課題 Sub Title Issues on consistency of FRAD with Japanese name authority data Author 向當,

第1部参考資料

(public catalog) (official catalog) (in-process file)

5504現代の図書館01.indd

A

Microsoft Word - ECALSDS01_Vr1_5_080305_ja.doc

NFC ucode タグのメモリフォーマット規定

スライド 1

Microsoft Word - EDSマニュアル.doc

AAプロセスアフローチについて_ テクノファーnews

Microsoft PowerPoint - seiken haifu.ppt [互換モード]

行政文書をより体系的 効率的に管理するための電子的な管理の充実 1. 共有フォルダでの体系的 効率的な管理を実現するため 標準例 共通マニュアルを作成する (A) 標準例 共通マニュアル 下記のポイントを踏まえた標準例 共通マニュアルを作成する (ⅰ) 共有フォルダ内の体系的保存の標準化 (ⅱ) 文

(1) FRBR(Functional Requirement for Bibliographic Description) (2003 ) MARC MODS(Metadata Object Description Schema) ONIX H-Net Review (2) OpenURL RLG

JIS Q 27001:2014への移行に関する説明会 資料1

ISO9001:2015規格要求事項解説テキスト(サンプル) 株式会社ハピネックス提供資料

ISMS認証機関認定基準及び指針

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド (PMBOK ガイド ) 第 6 版 訂正表 - 第 3 刷り 注 : 次の正誤表は PMBOK ガイド第 6 版 の第 1 刷りと第 2 刷りに関するものです 本 ( または PDF) の印刷部数を確認するには 著作権ページ ( 通知ページおよび目次の前 )

Microsoft Word - DLW原稿 doc

ISO 9001:2015 改定セミナー (JIS Q 9001:2015 準拠 ) 第 4.2 版 株式会社 TBC ソリューションズ プログラム 年版改定の概要 年版の6 大重点ポイントと対策 年版と2008 年版の相違 年版への移行の実務

IAF ID X:2014 International Accreditation Forum, Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document IAF Informative Document for the Transition of Food S

Microsoft PowerPoint - 講義資料_九大片岡.pptx

[ 指針 ] 1. 組織体および組織体集団におけるガバナンス プロセスの改善に向けた評価組織体の機関設計については 株式会社にあっては株主総会の専決事項であり 業務運営組織の決定は 取締役会等の専決事項である また 組織体集団をどのように形成するかも親会社の取締役会等の専決事項である したがって こ

国立国会図書館サーチとのOAI-PMH連携時に障害となるポイント

ISO/TC176/SC2/N1291 品質マネジメントシステム規格国内委員会参考訳 ISO 9001:2015 実施の手引 目次 1.0 序文 2.0 ISO 9001:2015 改訂プロセスの背景 3.0 ユーザグループ 4.0 実施の手引 4.1 一般的な手引 4.2 ユーザグループのための具

untitled

Microsoft PowerPoint - download.ppt

(Microsoft PowerPoint -

6回目

nlp1-12.key

Microsoft Word - naltaikai2010.doc

情報組織化研究グループ2013年6月月例研究会(配布資料)

コンピュータの構成

パラダイムシフトブック.indb

Microsoft PowerPoint _3a-SEO.pptx

PowerPoint プレゼンテーション

5. 文書類に関する要求事項はどのように変わりましたか? 文書化された手順に関する特定の記述はなくなりました プロセスの運用を支援するための文書化した情報を維持し これらのプロセスが計画通りに実行されたと確信するために必要な文書化した情報を保持することは 組織の責任です 必要な文書類の程度は 事業の

書誌情報の将来像:共同目録の観点から

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF B8BB38EF690E096BE8E9197BF2E707074>

研修2 目録・分類業務

SGEC 附属文書 理事会 統合 CoC 管理事業体の要件 目次序文 1 適用範囲 2 定義 3 統合 CoC 管理事業体組織の適格基準 4 統合 CoC 管理事業体で実施される SGEC 文書 4 CoC 認証ガイドライン の要求事項に関わる責任の適用範囲 序文

外国語論文の探し方 ( 図書館情報学 ) 今回の講習会で取り上げるデータベースの概要 LISA(Library and Information Science Abstracts) は図書館学および情報学関係の抄録データベースです 1969 年以降の 68 ヵ国以上 20 以上の言語の 440 点を

活用が広がる 共通語彙基盤 (IMI) イベント 技術セッション 公園への応用 加藤文彦 国立情報学研究所 2016 年 6 月 3 日

<4D F736F F D2081A18CA48B8691E589EF975C8D D8D87816A E646F6378>

表紙1

Google( Scholar)から始める文献の集め方

オートマトン 形式言語及び演習 3. 正規表現 酒井正彦 正規表現とは 正規表現 ( 正則表現, Regular Expression) オートマトン : 言語を定義する機械正規表現 : 言語

文書管理番号

目録等に関する主要な用語について この目録システム講習会テキストの掲載箇所と マニュアル類 の参照先を示しています 当テキストの掲載箇所を探すとき テキスト以外のマニュアル類でさらに 詳しい内容を知りたいときなどに活用してください 基準 : 目録情報の基準

Microsoft Word HPコンテンツ案 _履歴なし_.doc

第4回 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスに関する検討会 参考資料5

PowerPoint プレゼンテーション

『国立国会図書館月報』 591(2010年6月)号

JISQ 原案(本体)

IAF ID 2:2011 Issue 1 International Accreditation Forum Inc. 国際認定機関フォーラム (IAF) IAF Informative Document ISO/IEC 17021:2006 から ISO/IEC 17021:2011 への マネ

15288解説_D.pptx

<4D F736F F F696E74202D20352D335F8D5C90AC CF909482CC90B690AC82C695D28F572E707074>

外務省訓令第 19 号外交記録公開に関する規則の全部を改正する訓令を次のように定める 平成 24 年 8 月 10 日外務大臣玄葉光一郎外交記録公開に関する規則 ( 目的 ) 第 1 条この規則は 外交記録が 国民共有の知的資源として 主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み 作成又

ベトナムにおける意匠を対象にした出願前調査 Q 自社製品の意匠権をベトナムで取得したい 出願する前にやって おいた方が良いことはあるか? 1) 調査ツールの選択ベトナムの意匠は ベトナム国家知的財産庁 ( 以下 NOIP) が提供する IP Lib または 欧州連合知的財産庁 ( 以

別紙 2 ICH 電子化コモン テクニカル ドキュメント (ectd) に含める 電子ファイル仕様の国内実装について v1.1.0

データベース 【1:データベースシステムとは】

ucR/XML: XML によるucR graph のシリアライズ

Microsoft Word - 書誌レコード.doc

スライド 1

害者等のために情報を提供する事業を行う者 ( 非営利目的の法人に限る ) を一般的に定める 上記のほか 聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人 ( 法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む ) のうち 聴覚障害者等のための複製又は自動公衆送信を的確かつ円滑に行う

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

Basic descriptive statistics

BIM/CIM 活用における 段階モデル確認書 作成マニュアル 試行版 ( 案 ) 平成 31 年 3 月 国土交通省 大臣官房技術調査課

PowerPoint プレゼンテーション

IMI情報共有基盤 「表からデータモデル」 データ変換のみを行う方向け画面説明

1 2. Nippon Cataloging Rules NCR [6] (1) 5 (2) 4 3 (3) 4 (4) 3 (5) ISSN 7 International Standard Serial Number ISSN (6) (7) 7 16 (8) ISBN ISSN I

スライド 1

ISO 9001:2015 から ISO 9001:2008 の相関表 JIS Q 9001:2015 JIS Q 9001: 適用範囲 1 適用範囲 1.1 一般 4 組織の状況 4 品質マネジメントシステム 4.1 組織及びその状況の理解 4 品質マネジメントシステム 5.6 マネジ

intra-mart Accel Platform — IM-共通マスタ スマートフォン拡張プログラミングガイド   初版  

1.XBRL の対象範囲の拡大について 1 対象項目と対象書類の拡大 2 提出者へのツールの提供 ( 参考 ) XBRL に係る諸外国の動向 2. 検索機能の向上等について 1 条件付検索機能 企業間 経年比較機能の追加 2 XBRLデータをCSVデータに変換するツールの提供 ( 参考 ) 利用者へ

Microsoft Word - JSQC-Std 目次.doc

平成 27 年度目録システム講習会 ( 図書コース ) セルフチェックテスト第 1 回問題 4 登録の種類を理解する ( テキスト第 4 講 1. 登録の種類 から ) 次の文章の空欄に当てはまる組み合わせのうち, 正しいものはどれか 目録システムでは, 総合目録データベースに求める書誌レコードがあ

<4D F736F F D FC8E448FEE95F1837C815B835E838B C8F92E88B608F912E646F63>

Microsoft PowerPoint - 研修2(目録業務).pptx

Transcription:

国際目録原則覚書 序論 広く パリ原則 として知られている 原則覚書 は 1961 年に国際目録原則会議で採択された 1 目録法の国際的標準化の基礎を担おうとするその目標は 確実に達成されている すなわち その後に世界中で発展した目録規則の大半は 厳密にまたは少なくとも相当程度にこの原則に従ったものである その後 40 年以上が経過し 目録作成者とそのサービス対象者が世界中で OPAC( オンライン閲覧目録 ) を利用するにつれ 共通の国際的な目録原則をもつことは一層望ましいこととなった 21 世紀が始まったこの時点で オンラインによる図書館目録やその先にあるものにふさわしい新しい原則の覚書を作るための努力が IFLA によってなされたのである その第一の原則は 目録利用者の利便性に資することである この覚書は パリ原則に取って代わり パリ原則の適用範囲を 単にテキストから成る著作からあらゆる種類の資料にまで また 単に記入の選定と形から図書館目録に用いられる書誌データおよび典拠データのあらゆる面にまで拡張するものである この覚書は 原則および目的 ( すなわち 目録の機能 ) のみでなく 国際的に目録規則が備えるべき指針となる規定 また探索および検索の能力に関する指針をも備えている この覚書の範囲は次のとおりである 1. 適用範囲 2. 一般原則 3. 実体 属性および関連 4. 目録の目的および機能 5. 書誌記述 6. アクセスポイント 7. 探索能力の基盤 この覚書は 世界の偉大な目録法の伝統 2 と IFLA による 書誌レコードの機能要件 (FRBR) 1 International Conference on Cataloguing Principles (Paris : 1961). Report. London : International Federation of Library Associations, 1963, p. 91-96. このほか Library Resources and Technical Services, v.6 (1962), p. 162-167 および Statement of principles adopted at the International Conference on Cataloguing Principles, Paris, October, 1961. Annotated edition / with commentary and examples by Eva Verona. London : IFLA Committee on Cataloguing, 1971. にも掲載 2 Cutter, Charles A.: Rules for a Dictionary Catalog. 4 th ed., rewritten. Washington, D.C.: Government Printing office. 1904, Ranganathan, S.R.: Heading and Canons. Madras [India]: S. Viswanathan, 1955, および Lubetzky, Seymour. Principles of Cataloging. Final Report. Phase I: Descriptive Cataloging. Los Angeles, Calif.: University of California, Institute of Library Research, 1969. 1

の概念モデルの上に構築されている 3 この覚書が 書誌データおよび典拠データの国際的な共有を増大させること そして国際的な目録規則を発展させるため力を尽くす目録規則の作成者の導きとなることを願うものである 1. 適用範囲 ここに述べる原則は 目録規則の発展を導くことを意図したものである この原則は 書誌データおよび典拠データならびに現行の図書館目録に適用する この原則は 図書館 文書館 博物館 美術館およびその他のコミュニティで作成される書誌およびその他のデータファイルにも適用することができる この原則は あらゆる種類の書誌的資源の記述目録法と主題目録法に対して 一貫した道筋を提供することをめざしている 2. 一般原則 いくつかの原則が目録規則の作成を導く 4 最上位の原則は利用者の利便性である 5 2.1. 利用者の利便性記述の作成およびアクセスのための名称の統制形の作成における決定は 利用者を念頭に置いて行うものとする 2.2. 用語法の一般性記述およびアクセスにおいて用いられる語彙は 利用者の大多数に用いられる語彙に合致するものとする 2.3. 表現性記述および名称の統制形は 実体それ自体が表している方式によるものとする 2.4. 正確性記述される実体が 忠実に反映されるものとする 2.5. 充分性および必要性利用者タスクを充足するために必要であり また ある実体を独自のものとして識別するために欠かせない記述中のデータ要素およびアクセスのための名称の統制形のみを含めるものとする 3 Functional Requirements for Bibliographic Records: Final Report. Munich : Sauer, 1998. (IFLA UBCIM publications new series ; v.19) IFLA ウェブサイトで入手可能 : http://www.ifla.org/vii/s13/frbr/ (1997 年 9 月 2008 年 2 月に改正 訂正 ) FRBR モデルは 典拠データの機能要件 (Functional Requirements for Authority Data (FRAD)) および主題典拠データの機能要件 (Functional Requirements for Subject Authority Data (FRSAD)) によって近く拡張されることになっている 4 書誌に関する文献 特に次の資料に掲載の Ranganathanと Leibnizの文献に基づく Svenonius Elaine. The Intellectual Foundation of Information Organization. Cambridge, Mass.: MIT Press, 2000, p. 68. 主題シソーラスについては 採用すべき付加的な原則があるが 今のところこの覚書には含めない 5 原則の2.2 から 2.9 には特に順位づけはない 2

2.6. 有意性データ要素は 書誌的に有意なものとする 2.7. 経済性目標を達成するための方法が選べるときには 全体としてもっとも経済的な方法を優先するものとする ( すなわち 最小のコストまたはもっとも簡単な対応策 ) 2.8. 一貫性および標準性記述およびアクセスポイントの作成は 可能な限り標準化するものとする このことはより強い一貫性をもたらし ひいては書誌データおよび典拠データを共有する効力を増大させる 2.9. 統合性あらゆる種類の資料の記述およびあらゆる種類の実体の名称の統制形は 適切である限り共通する一式の規定に基づくものとする 目録規則中の規定は 説明が可能でなければならない また恣意的であってはならない 特定の状況においてはこれらの原則が相互に矛盾することがあり 説明が可能で実際的な解決策が採用されるべきことが認められる 3. 実体 属性および関連 目録規則は 書誌的宇宙の概念モデル 6 において定義されている実体 属性および関連を考慮するものとする 3.1. 実体書誌データおよび典拠データによって表現される実体には次のものがある 著作表現形体現形 個別資料個人 家族 団体 8 概念物出来事 場所 9 7 3.2. 属性各実体を識別する属性をデータ要素として用いるものとする 6 7 8 9 IFLA の概念モデルは FRBR FRAD および FRSAD である 著作 表現形 体現形および個別資料は FRBR モデルで記述されるグループ 1 の実体である 個人 家族および団体は FRBR および FRAD モデルで記述されるグループ 2 の実体である 概念 物 出来事および場所は FRBR モデルで記述されるグループ 3 の実体である これらの実体は いずれも主題という関連によって著作と結びつくことがある 3

3.3. 関連 書誌的に有意な実体相互の関連を識別できるものとする 10 4. 目録の目的および機能 目録は 利用者に次のことを可能にする 有効かつ効率的な道具であるものとする 4.1. その資料の属性または関連を探索に用いた結果として あるコレクションの中で書誌的資源を発見すること 4.1.1. これにより 単一の資料を発見すること 4.1.2. これにより 次に相当する一群の資料を発見すること同一の著作に属するすべての資料同一の表現形を具体化するすべての資料同一の体現形を例示するすべての資料特定の個人 家族 または団体に関係するすべての資料特定の主題に関するすべての資料探索結果の二次的な限定のために通常用いられるその他の判断基準 ( 言語 出版地 出版年 内容種別 キャリア種別 その他 ) によって特定されるすべての資料 4.2. ある書誌的資源または行為主体を識別すること ( すなわち 記述された実体が求める実体と一致することを確認すること または類似の特性をもつ 2 以上の実体を区別すること ) 4.3. 利用者のニーズに適合する書誌的資源を選択すること ( すなわち 媒体 内容 キャリア等に照らして利用者の要求を満たす資料を選ぶこと または利用者のニーズに適合しない資料を排除すること ) 4.4. 記述された個別資料を取得するか またはそれに対するアクセスを確保すること ( すなわち 利用者が購入や貸借等によって個別資料を取得すること または遠隔情報源にオンライン接続し 個別資料に電子的にアクセスすることができるよう情報を提供すること ) または典拠データもしくは書誌データにアクセスし それらを取得し もしくは入手すること 4.5. 目録の中を そして外へ誘導すること ( すなわち 書誌データおよび典拠データの論理的な排列 ならびに 著作 表現形 体現形 個別資料 個人 家族 団体 概念 物 出来事および場所の相互の関連の表示を含めて 動き回るための明確な道筋が示されていることによる ) 10 4.1-4.5 は Svenonius, Elaine. The Intellectual Foundation of Information Organization. Cambridge, Mass. : MIT Press, 2000. に基づいている 4

5. 書誌記述 5.1. 一般に 個々の体現形に対して別々の書誌記述を作成するものとする 5.2. 書誌記述は 一般に 体現形の代表としての個別資料に基づくものとし 具体化されている著作 ( 単数または複数 ) および表現形 ( 単数または複数 ) に関する属性を含むことがある 5.3. 記述データは 国際的に合意された基準に基づくものとする 11 5.4. 記述は 目録または書誌ファイルの目的に従って いくつかの精粗のレベルによることができる 精粗のレベルに関する情報は 利用者に伝達されるものとする 6. アクセスポイント 6.1. 通則書誌データおよび典拠データを検索するためのアクセスポイントは 一般的な原則 (2. 一般原則を見よ ) に従って形成しなければならない アクセスポイントは統制形のこともあれば 非統制形のこともある 6.1.1. 統制形アクセスポイントは 個人 家族 団体 著作 表現形 体現形 個別資料 概念 物 出来事および場所といった実体の名称の典拠形および異なる形に対して与えられるものとする 統制形アクセスポイントは 一群の資料の書誌レコードを集中するために必要な一貫性を与える 6.1.1.1. アクセスポイントとして用いられる 名称の典拠形 名称の異なる形および識別子を統制するために 典拠レコードを作成するものとする 6.1.2. 非統制形アクセスポイントは 書誌データとして 名称 タイトル ( 例体現形に見出される本タイトル ) コード キーワード等に対して与えられることがあるが 典拠レコードで統制されない 6.2. アクセスポイントの選定 6.2.1. 書誌レコードへのアクセスポイントには 資料に具体化された著作および表現形に対する典拠形アクセスポイント ( 統制形 ) 体現形のタイトル( 通常は非統制形 ) ならびに著作の作成者に対する典拠形アクセスポイントを含める 6.2.1.1. 作成者としての団体名 : 団体は 団体の総体としての意思や活動が表 11 図書館コミュニティにおいては 国際的に合意された基準は国際標準書誌記述 (International Standard Bibliographic Description) である 5

現された著作において またはタイトルの語の表現が 著作の性質との結びつきによって 団体が著作の内容に総体として責任をもつことを明確に示している場合に 作成者として考慮されるものとする このことは たとえ団体の役員や職員の立場にある個人の記名がある場合でも適用される 6.2.2. さらに 書誌レコードへのアクセスポイントとして 記述されている書誌的資源を発見および識別するために重要とみなされる個人 家族 団体および主題に対する典拠形アクセスポイントが与えられるものとする 6.2.3. 典拠レコードへのアクセスポイントとして その実体に対する名称の典拠形および名称の異なる形を含める 6.2.4. 付加的なアクセスが 関連する実体の名称によってなされることがある 6.3. 典拠形アクセスポイント実体の名称に対する典拠形アクセスポイントは その実体に対する識別子および名称の異なる形とともに典拠レコード中に記録するものとする 一つの典拠形アクセスポイントが 標準的な表示の形として必要とされることがある 6.3.1. 典拠形アクセスポイントは 一つの基準によって作成されるべきものである 6.3.2. 典拠形アクセスポイントの言語および文字 6.3.2.1 名称がいくつかの言語および / または文字で示されているときには その名称に対する典拠形アクセスポイントとして もとの言語および文字で示された著作の体現形に見出される情報を優先するものとする 6.3.2.1.1. ただし もとの言語または文字がその目録中で普通に用いられていない場合には 典拠形アクセスポイントは その目録の利用者にもっとも適切な言語または文字の一つによる体現形または参考情報源に見出される形に基づくことができる 6.3.2.1.2. 名称の典拠形または名称の異なる形である統制形アクセスポイントによって 可能な限りもとの言語および文字からアクセスが与えられるものとする 6.3.2.2 翻字が望ましい場合には 文字変換のための国際基準に従うものとする 6.3.3. 典拠形アクセスポイントの選定ある実体に対する典拠形アクセスポイントとして優先される名称は 体現形にもっとも頻繁に見られる名称か または参考情報源に見られ その目録の利用者からよく受け入れられている名称 ( 例慣用名 ) のように 一貫性をもって 6

実体を識別する名称に基づくものとする 6.3.3.1. 個人 家族 団体に対する典拠形アクセスポイントの選定ある個人 家族または団体が 異なる名称または名称の異なる形を用いる場合には 典拠形アクセスポイントの基礎として 異なるアイデンティティごとに一つの名称または名称の一つの形を選ぶものとする 6.3.3.1.1. 名称の異なる形が体現形および / または参考情報源にあり その相違が同一の名称の異なる表現 ( 例完全形と短縮形 ) によらない場合は 次の優先順位によるものとする 6.3.3.1.1.1. 一般に知られた名称 ( または慣用名 ) が表示されているときは それを公式名より優先する 6.3.3.1.1.2. 一般に知られた名称または慣用名が表示されていないときは 公式名を優先する 6.3.3.1.2. 団体が継続した期間に 一つの名称の微細な変更とは考えられない別の名称を用いてきた場合には 有意な名称の変更により識別されるそれぞれの実体を新しい実体とみなす それぞれの実体に対応する典拠データを 通常 その団体の以前および以後の典拠形の名称を関連づけることによって結びつけるものとする 6.3.3.2. 著作および表現形に対する典拠形アクセスポイントの選定一つの著作が複数のタイトルをもつときには 著作 / 表現形に対する典拠形アクセスポイントの基礎として 一つのタイトルを優先するものとする 6.3.4. 典拠形アクセスポイントの名称の形 6.3.4.1. 個人名の形個人名がいくつかの単語から成るときには 典拠形アクセスポイントの最初の語の選定は 体現形または参考情報源に見出されるその個人ともっとも関係のある国および言語の慣用に従うものとする 6.3.4.2. 家族名の形家族名がいくつかの単語から成るときには 典拠形アクセスポイントの最初の語の選定は 体現形または参考情報源に見出されるその家族ともっとも関係のある国および言語の慣用に従うものとする 6.3.4.3. 団体名の形団体名に対する典拠形アクセスポイントについては 名称は 体現形または参考情報源に見出されるそのままの順序によるものとする ただし 次の場合を除く 6.3.4.3.1. 団体が法域や地域管轄団体の一部であるときには 典拠形アクセスポイントに 目録の利用者のニーズにもっとも適した言語およ 7

び文字による当該地域の名称として現在用いられている形を含めるものとする 6.3.4.3.2. 団体名が従属機関もしくは下位の組織であることを意味するか または下位の組織を識別するのに充分でないときは 典拠形アクセスポイントは上位の組織の名称から始めるものとする 6.3.4.4. 著作 / 表現形の名称の形著作 表現形 体現形または個別資料に対する典拠形アクセスポイントは 独立したタイトルであることも また その著作の作成者 ( 単数または複数 ) に対する典拠形アクセスポイントと結合されたタイトルであることもある 6.3.4.5. 名称間の区別ある実体を同一の名称の他のものと区別することが必要な場合には その実体に対する典拠形アクセスポイントの部分として さらに識別のための特性を含めるものとする 望ましい場合には 同じ識別のための特性を名称の異なる形の部分として含めることがある 6.4. 異なる名称および名称の異なる形どのような名称を典拠形アクセスポイントとして選定するとしても 異なる名称および名称の異なる形をも統制されたアクセスのために含めるものとする 7. 探索能力の基盤 7.1. 探索アクセスポイントは 書誌レコードおよび典拠レコードの要素として 1) 書誌レコードと典拠レコードおよびそれらに関連する書誌的資源の確実な検索を提供し 2) 探索結果を限定する 7.1.1. 探索の仕組み名称 タイトルおよび主題は 所与の図書館目録または書誌ファイルにおいて活用可能なあらゆる仕組み ( 名称の完全形 キーワード フレーズ 部分一致 識別子等 ) によって 探索および検索できるものとする 7.1.2. 中核的アクセスポイント中核的アクセスポイントは 書誌レコードまたは典拠レコードにおける各実体の主要な属性および関連に基づくアクセスポイントである 7.1.2.1. 書誌レコードの中核的アクセスポイントには 次のものを含める 作成者の名称に対する典拠形アクセスポイント または 2 以上の名称があるときには最初に記名された作成者の名称に対する典拠形アクセスポイント著作 / 表現形に対する典拠形アクセスポイント ( 作成者に対する典拠形 8

アクセスポイントを含めることがある ) 体現形の本タイトルまたは補記タイトル体現形の出版または発行の年 ( 単数または複数 ) 著作の主題を表す統制された語および / または分類記号記述された実体の標準番号 識別子およびキータイトル 7.1.2.2. 典拠レコードの中核的アクセスポイントには 次のものを含める 実体の典拠形名称またはタイトル実体に対する識別子実体の異なる名称および名称の異なる形 または異なるタイトル 7.1.3. 付加的アクセスポイント書誌記述または典拠レコードのその他の領域からの属性は 任意的なアクセスポイントとして または検索結果を選別もしくは限定する仕組みとして機能することがある 7.1.3.1. 書誌レコードにおいては そのような属性には次のものが含まれるが これに限定されるものではない 最初の作成者以外の作成者の名称作成者とは異なる役割をもつ個人 家族 または団体の名称 ( 例演奏 演技者 ) 異なるタイトル ( 例並列タイトル 見出しタイトル ) シリーズに対する典拠形アクセスポイント書誌レコード識別子体現形に具体化された表現形の言語出版地内容種別キャリア種別 7.1.3.2. 典拠レコードにおいては そのような属性には次のものが含まれるが これに限定されるものではない 関連する実体の名称またはタイトル典拠レコード識別子 7.2. 検索探索によって 同一のアクセスポイントをもついくつかのレコードが検索されるとき 目録利用者にとって利便性のある何らかの論理的順序で 望ましくはアクセスポイントの言語および文字に関する基準に従って レコードが表示されるものとする 9

国際目録原則用語集 この用語集は 国際目録原則覚書において特有の用法 ( 単に通常の辞書的定義ではなく ) で用いられる語を収録している 末尾に記載した語は パリ原則またはその他従来の目録規則では使用されていたが 国際目録原則ではもはや使用しない旨の注記を行うことを IME ICCの参加者が要望したものである BT= 上位語 ;NT= 下位語 ;RT= 関連語 アクセスポイント (Access point) それにより書誌データまたは典拠データを検索し 識別する名称 用語 コード等 [ 出典 :FRADおよびIME ICCに従って修正したGARR] 中核的アクセスポイント [NT] 典拠形アクセスポイント[NT] 統制形アクセスポイント [NT] 非統制形アクセスポイント[NT] 付加的アクセスポイント[NT] 名称[RT] 名称の異なる形 [NT] をも見よ 概念 (Concept) 抽象的観念や思想 [ 出典 :FRAD( 主題に関する ) FRBR] 家族 (Family) 出生 婚姻 養子縁組もしくは同様の法的地位によって関連付けられた または自らを家族であるとする2 以上の個人 [ 出典 :IME ICCで修正された FRAD] 合集 (Collection) 組み合わされたまたは一緒に発行された 2 以上の著作または2 以上の著作の部分から成る現実のまたは仮想的な一群 [ 出典 :IME ICC] 慣用名 (Conventional name) 公的な名称とは異なるが それによって団体 場所 物事が知られてきた名称 [ 出典 :AACR2 Revision2002 用語集からの修正 ] 名称 [BT] 名称の異なる形[NT] 名称の典拠形[RT] 優先される名称[BT] をも見よ 関連 (Relationship) 実体間または実体のインスタンス間の特定の結びつき 典 :FRBRに基づく] [ 出 記述目録作業 (Descriptive cataloguing) 目録作業において 記述データおよび主題以外のアクセスポイントの両者を与える部分 [ 出典 :IME ICC] 主題目録作業 [RT] 書誌記述[RT] をも見よ キータイトル (Key title) ISSNネットワークによって継続資料に与えられた固有の名称で そのISSN 番号と不可分に関連付けられたもの キータイトルは本タイトルと同一の場合もあるが 固有性を得るために 識別要素および / または限定要素 たとえば発行者の名称 出版地 版表示等を付加して構成されることもある [ 出典 :ISBD] 10

キャリア種別 (Carrier type) 資料の内容を見る 再生する 作動させる等のために必要とする媒介装置の種別と組み合わせて 格納する媒体の形式およびキャリアの収納方法を示す表示 キャリア種別は体現形の属性を示す [ 出典 :RDAの2008 年 1 月の用語集からの修正 ] 行為主体 (Agent) ある資料のライフサイクルにおいて 何らかの役割を果たす個人 ( 著者 出版者 彫刻家 編者 監督 作曲家等 ) 集団( 家族 組織 会社 図書館 交響楽団 国家 連邦等 ) または自動的手段 ( 気象記録装置 翻訳ソフトウェア等 ) [ 出典 :DCMI Agents Working Groupの作業用定義より修正 ] 作成者 [NT] をも見よ 個人 (Person) ひとりの人 またはひとりの人もしくは集団により設定もしくは採用された単一のアイデンティティ [ 出典 :FRADで修正後 IME ICCで修正されたFRBR] 個別資料 (Item) 体現形の単一の例示 [ 出典 :FRAD FRBR] コレクション (Collection) 特定の機関によって保有されるかまたは作成された 現実のまたは仮想的な一群の書誌的資源 [ 出典 :IME ICC] 作成者 (Creator) 著作の知的 芸術的内容に責任をもつ個人 家族または団体 [ 出典 :IME ICC] 行為主体 [BT] をも見よ 識別子 (Identifier) ある実体と関係づけられ その識別子が適用されている領域において その実体と他の実体との区別ができるようにするための番号 コード 語 語句 ロゴ 仕組み等 [ 出典 :FRAD] 実体 (Entity) 一個の単位をもち自己完結する性格をもつもの ; 独自または個別の存在をもつもの ; 抽象概念 思想的概念 思考対象 観念的対象 [ 出典 :Webster s 3 rd ] FRBRおよびFRADにおける実体のタイプの例として 知的 芸術的な活動の成果 ( 著作 表現形 体現形および個別資料 ); 知的 芸術的内容の創造 物理的製作と頒布またはその成果の管理の維持のために責任をもつ主体 ( すなわち 個人 家族 団体 ); または著作の主題 ( 著作 表現形 体現形 個別資料 個人 家族 団体 概念 物 出来事 場所 ) が含まれる [ 出典 :IME ICC] 主題目録作業 (Subject cataloguing) 目録作業において 主題を表す統制された語および / または分類記号を与える部分 [ 出典 :IME ICC] 記述目録作業 [RT] をも見よ 書誌記述 (Bibliographic description) ある書誌的資源を識別する一群の書誌データ [ 出典 :ISBDより修正] 記述目録作業 [RT] をも見よ 11

書誌的宇宙 (Bibliographical universe) 図書館 文書館 博物館 美術館およびその他 の情報コミュニティのコレクションに関連する領域 [ 出典 :IME ICC] 書誌的資源 (Bibliographic resource) 知的 芸術的活動の成果から成る 図書館領域および類似領域のコレクションの中の実体 FRBRモデルにおける書誌的資源は グループ1の実体である著作 表現形 体現形および個別資料である [ 出典 :IME ICC] 書誌的有意性 (Bibliographically significant) 書誌的資源において 特別の意味もしくは価値を有する実体または属性または関連の質 [ 出典 :IME ICC] 書誌レコード (Bibliographic record) 書誌的資源の記述および書誌的資源へのアクセス提供を行い また関連する著作および表現形を識別する一群のデータ要素 [ 出典 : IME ICC] 属性 (Attribute) 実体の特性 属性には 実体に固有の属性と外的に付与される属性がある [ 出典 :FRBR] 体現形 (Manifestation) 著作の表現形の物理的な具体化 [ 出典 :FRAD FRBR] 体現形は 著作の集合 ( 合集 ) 個別の著作 または著作の構成部分を具体化したものということができる 体現形は 一つまたは複数の物理的単位として出現することがある [ 出典 :IME ICC] 団体 (Corporate body) 特定の名称によって識別され かつ一体として活動するか もしくは活動することのありうる組織 あるいは個人および / または組織の集合 [ 出典 :FRAD FRBRより修正 ] 中核的アクセスポイント (Essential access point) 書誌レコードまたは典拠レコードの中の 実体の主要な属性または関連に基づくアクセスポイントであり そのレコードの検索および識別を確実にする [ 出典 :IME ICC] アクセスポイント [BT] 付加的アクセスポイント[RT] をも見よ 著作 (Work) 個別の知的 芸術的創造 ( すなわち 知的 芸術的内容 ) [ 出典 : IME ICCで修正されたFRAD FRBR] 出来事 (Event) 行為や事件 なされる ) FRBR] [ 出典 :FRAD( 団体として活動しないものは主題とみ 典拠形アクセスポイント (Authorized access point) 規則または基準に従って確立され作成される 実体に対する優先的な統制形アクセスポイント [ 出典 :IME ICC] アクセスポイント [BT] 統制形アクセスポイント[BT] 名称の異なる形[RT] 名称の典拠形 [RT] 優先される名称[RT] をも見よ 12

典拠レコード (Authority record) 実体を識別し その実体に対する典拠形アクセスポイントへのアクセスを またはその実体に対するどのアクセスポイントの表示をも容易にするために用いることができるデータ要素の一群 [ 出典 :IME ICC] 統一形アクセスポイント (Normalized access point) 典拠形アクセスポイントを見よ 統制形アクセスポイント (Controlled access point) 典拠レコードに記録されたアクセスポイント [ 出典 :GARRより修正] 統制形アクセスポイントは 名称の典拠形とともに 異なる形として指示された形をも含む 統制形アクセスポイントには 以下のようなものがある - 個人名 家族名および団体名に基づくもの - 著作 表現形 体現形および個別資料の名称 ( すなわち タイトル ) に基づくもの - 作成者の名称を著作のタイトルと組み合わせて著作を表現する 名称 / タイトルアクセスポイントの場合のように 2つの名称の組み合わせから成るもの - 出来事 物 概念および場所に対する用語に基づくもの - 標準番号 分類記号等のような識別子に基づくもの同一の名称または類似した名称の実体を区別する目的のために 他の要素 ( 日付等 ) がその名称自体に付加されることがある [ 出典 :FRAD - 典拠ファイルを通じて統制される名称および用語に このモデルの焦点があることに留意する ] アクセスポイント [BT] 典拠形アクセスポイント[NT] 非統制形アクセスポイント[RT] 名称 [RT] 名称の異なる形[NT] をも見よ 内容種別 (Content type) 内容が表現され またそれを通じて人の感性が知覚することが意図されている伝達手段の基本的な形式を示す表示 内容種別は 著作および表現形の両者の属性を示す [ 出典 :RDAの2008 年 1 月の用語集からの修正 ] 場所 (Place) 所在地 [ 出典 :FRBR] 非統制形アクセスポイント (Uncontrolled access point) 典拠レコードによって統制されていないアクセスポイント [ 出典 :IME ICC] アクセスポイント [BT] 統制形アクセスポイント[RT] をも見よ 表現形 (Expression) 著作の知的 芸術的実現 [ 出典 :FRAD FRBR] 付加的アクセスポイント (Additional access point) 書誌データまたは典拠データの検索を向上させるため 中核的アクセスポイントに加えて使用することがあるアクセスポイント [ 出典 : IME ICC] アクセスポイント [BT] 中核的アクセスポイント[RT] をも見よ 名称 (Name) それによって実体が知られている文字 あるいは語および / または文字の集まり 個人 家族 団体を指示する語 / 文字列を含む 概念 物 出来事または場所がそれによって知られる用語を含む 著作 表現形 体現形 または個別資料に 13

付与されたタイトルを含む アクセスポイントの基礎として使用される [ 出典 : FRADで修正されたFRBR] アクセスポイント [RT] 慣用名[NT] 名称の異なる形[NT] 統制形アクセスポイント [RT] 名称の典拠形[NT] 優先される名称[NT] をも見よ 名称の異なる形 (Variant form of name) 実体に対する典拠形アクセスポイントとして選択されない名称の形 その実体の典拠レコードへのアクセスに使用される または典拠形アクセスポイントへのリンクとして提示されることがある [ 出典 :IME ICC] アクセスポイント [BT] 慣用名[RT] 典拠形アクセスポイント[RT] 統制形アクセスポイント [BT] 名称[BT] 名称の典拠形[RT] をも見よ 名称の典拠形 (Authorized form of name) 実体に対する典拠形アクセスポイントとして選定された名称の形 慣用名 [RT] 典拠形アクセスポイント[RT] 名称[BT] 名称の異なる形[RT] 優先される名称 [RT] をも見よ 物 (Object) 物体 [ 出典 :FRBR] 優先される名称 (Preferred name) 規則または基準に従って選択され その実体に対する典拠形アクセスポイントを作成する基礎として用いられる 実体の名称 [ 出典 : IME ICC] 慣用名 [RT] 典拠形アクセスポイント[RT] 名称[BT] 名称の典拠形[RT] をも見よ 参考資料 AACR2 Anglo-American Cataloguing Rules. 2nd edition, 2002 revision. Ottawa: Canadian Library Association; London: Chartered Institute of Library and Information Professionals; Chicago: American Library Association, 2002-2005. DCMI Agents Working Group Dublin Core Metadata Initiative, Agents Working Group. From Web page 2003, (working definition): http://dublincore.org/groups/agents/ 最終報告書はオンラインで入手可能 :http://dublincore.org/documents/dcmi-terms/#classes-agent FRAD Functional Requirements for Authority Data: A Conceptual Model Final Report, 2008. FRBR Functional Requirements for Bibliographic Records: Final Report. Munich: Saur, 1998. (IFLA UBCIM publications new series; v. 19) IFLAウェブサイトで入手可能 : http://www.ifla.org/vii/s13/frbr/ (1997 年 9 月 2008 年 2 月に改正 訂正 )( 邦訳 : 書誌レコードの機能要件 IFLA 書誌レコード機能要件研究グループ最終報告 (IFLA 目録部会常任委員会承認 ) 和中幹雄 古川肇 永田治樹訳日本図書館協会 2004 年 日本図書館協会ウェブサイトで入手可能 :http://www.jla.or.jp/mokuroku/frbr_japanese.pdf http://www.jla.or.jp/mokuroku/errata_ja.pdf http://www.jla.or.jp/mokuroku/amend1998-1clean_ja.pdf) 14

GARR Guidelines for Authority Records and References. 2nd ed., rev. Munich: Saur, 2001. (IFLA UBCIM publications new series; v. 23) オンラインで入手可能 : http://www.ifla.org/vii/s13/garr/garr.pdf IME ICC 国際目録規則に関する IFLA 専門家会議 (1 st -5 th : 2003-2007) 参加者からの勧告 ISBD International Standard Bibliographic Description (ISBD): preliminary consolidated edition. Munich: Saur, 2007. (IFLA Series on Bibliographic Control; v. 31) オンラインで入手可 能 :http://www.ifla.org/vii/s13/pubs/isbd_consolidated_2007.pdf RDA Resource Description and Access. Glossary Draft. 5JSC/Chair/11/Rev (Jan. 2008, Table 1) オンラインで入手可能 :http://www.collectionscanada.gc.ca/jsc/rda.html#drafts Webster s 3 rd Webster s Third New International Dictionary. Springfield, Mass.: Merriam, 1976. 不使用とした語 参照 (Reference) 名称の異なる形を見よ 書誌的単位 (Bibliographical unit) 体現形を見よ 統一タイトル (Uniform title) 典拠形アクセスポイント 名称 名称の典拠形を見よ 標目 (Heading) 典拠形アクセスポイント 統制形アクセスポイントを見よ [ 翻訳 : 国立国会図書館収集書誌部 ] [ 協力 : 日本図書館協会目録委員会 ] 15

国際目録規則に関する国際図書館連盟 (IFLA) 専門家会議 2008 年決議 国際目録規則に関する国際図書館連盟専門家会議 (IME ICC) の参加者は 次のとおり決議する IME ICC 参加者によって採択されたテキストについて 必要がある場合は編集上の訂正を行うこと テキストを 商業出版社のみならず 関係するすべての目録規則作成機関および IFLA の組織に配布すること 国際目録原則(ICP) 覚書および用語集を編集 発行し ウェブ上で自由に入手可能とすること FRAD( 典拠データの機能要件 ) および FRSAR( 主題典拠レコードの機能要件 ) が完成した際に また目録データのモデルおよび体系の展開に合わせて 調整作業を確実に継続すること IME ICC の文書を保存し IME ICC の経過および成果に関する情報を共有すること 我々はさらに IFLA 目録分科会がテキストの維持管理に責任を持つこと また より大きな情報コミュニティと協議の上で必要に応じて改訂を行うためおよそ 5 年間隔でレビューを行うことを勧告する [ 翻訳 :2009 年 2 月国立国会図書館収集書誌部 ] 16