欧州特許庁における特許 特許 情報フェア & コンファレンス ( 東京 ) Grant Philpott Principal Director Telecommunications & Computers (ICT) 4-6 November 2015
欧州特許機構 38 か国のヨーロッパ加盟国ベルギー ドイツ フランス ルクセンブルグ オランダ スイス イギリス スウェーデン イタリア オーストリア リヒテンシュタイン ギリシャ スペイン デンマーク モナコ ポルトガル アイルランド フィンランド キプロス トルコ ブルガリア チェコ エストニア スロバキア スロベニア ハンガリー ルーマニア ポーランド アイスランド リトアニア ラトビア マルタ クロアチア ノルウェー マケドニア ( 旧ユーゴスラビア ) サンマリノ アルバニア セルビア 2 か国のヨーロッパ拡張国ボスニア - ヘルツェゴヴィナ モンテネグロ 2 か国の批准国モルドヴァ モロッコ 2
1) 全ヨーロッパ特許出願 1) EPC に基づく欧州直接出願と PCT に基づく国際出願 3
ヨーロッパ特許出願の出願人国籍 (2014 年 ) 1) DE: ドイツ I FR: フランス I CH: スイス I NL: オランダ I GB: イギリス US: アメリカ I JP: 日本 I CN: 中国 I KR: 韓国 I EPO: 欧州特許機構 欧州特許条約 (EPC) に基づく欧州直接出願と特許協力条約 (PCT) に基づく国際出願における割合 4
増え続ける特許出願数 2014 年 EPO で 27 万 4000 件の出願 全世界で 230 万件の出願 中国 日本 韓国で 145 万件の出願 特許庁 特許専門家にとって多言語での仕事量の増大 目標 : 作業の効率化と精度の向上 5
PCT 機関としての EPO 6
PCT 手続き 特許出願 調査報告 国際予備審査報告 受理官庁 国際調査機関 (ISA) 国際予備審査機関 (IPEA) 例 : 日本国特許庁 国際調査機関として日本国特許庁か欧州特許庁 * を選択できる * 英語出願の場合 国内段階 (EPO では欧州段階と呼ばれる ) へ移行する 指定官庁でさらなる審査が行われ 特許か拒絶となる 7
国際調査機関としての EPO EPO は国際調査機関として世界中で第一位を占める (2014 年は 80,742 件の 国際調査報告 (1,700 件の日本人の出願を含む )) 2014 年に作成された調査報告 (%) 11.9 9.9 6.7 38.2 EPO JPO KIPO 14.3 19 SIPO USPTO Others 8
PCT 調査で EPO が選ばれる理由 強力な特許の一つの鍵である優れた調査の実施 他の多くの特許庁で認められた品質の高い報告 EPO が国際調査機関なら 欧州段階における補足的欧州調査の提供も可能 EPO が国際調査機関なら 国際予備審査の実施も EPO に依頼可能 日本特許庁を国際調査機関として選んだ際の追加のオプション : EPO からの 補足的国際調査 9
アジアの特許文献 10
アジアの特許文献 EPO のデータベースは主要アジア各国のほぼ 100% をカバー ( 書誌データ及びイメージデータは 4,000 万件の特許文献 ) 2,000 万件の全文特許文献 * 英語に機械翻訳 (*2015 年 9 月現在 ) 2014 年 : 調査報告の 43% がアジア文献を含んでいる 引用文献の 22% がアジアから ( 日本から 130,000 件 韓国から 20,000 件 中国から 13,000 件 ) 11
他の重要な先行技術のリソース 非特許文献 調査報告の 26% が非特許文献を引用 通信技術およびコンピュータ関連 : 3GPP, MPEG, IETF, ETSI, ITU, IEEE-SA, OMA, IEC, 等の機関の 300 万件の規格関連文献にアクセス可能 12
Early Certainty from Search 13
Early Certainty from Search スキーム 全ての EPO 出願 (PCT 又は欧州直接出願 ) について 受理から 6 カ月以内に見解書添付の調査報告書の発行を目指す PACE(Procedure for Accelerated Prosecution of European Patent Applications) プログラムによる早期審査 早期に審査するため PACE プログラムと法定される期限を放棄する請求の両方を行うことを推奨 14
特許審査ハイウェイ (PPH) 15
PCT-PPH ( 特許審査ハイウェイ ) 出願の早期審査 EPOの報告書は他のPPH 特許庁でも利用可能 (IP5 + カナダ メキシコ シンガポール イスラエル ) EP EPO により作成される PCT 調査及び / 又は審査報告書により 以下の各国で早期審査が可能 : JP US KR CN CA MX IL SG 16
統一特許 17
現状 : 特許付与後 欧州特許は国内特許の束となる 出願 調査 / 審査 xam 付与 ( B1 文献 ) 異議申し立て 付与後 9 カ月以内に申立てが必要 効果 : 取消され 継続される 又は補正される ( B2 文献 ) 国 1 国 2 国 3 国 4 国 5 国 6 国 7 国 8 国 9 国 10 国 11 国 12 国 13 限定 / 取消し 各加盟国は欧州特許がその国で効力が発生するように以下のような独自の規定を設定 : 付与後 権利者によりいつでも申立て可能 特許年金の水準と収集 翻訳の要求 各国裁判所における無効訴訟 効果 : 特許範囲が限定される ( B3 文献 ) 又は特許が取消される EPO による一元手続き 2000 年に EPC で新採択 (2007 年 12 月 13 日 ) 18
統一特許が実現されると 国 1 国 2 国 3 非加盟国については従来通り 出願 調査 / 審査 付与 ( B1 文献 ) 統一特許 参加加盟国については単一特許 異議申し立て 付与後 9 カ月以内に申立てが必要 効果 : 取消され 継続される 又は補正される ( B2 文献 ) 限定 / 取消し 付与後 権利者によりいつでも申立て可能 効果 : 特許範囲が限定される ( B3 文献 ) 又は特許が取消される 2000 年に EPC で新採択 (2007 年 12 月 13 日 ) 19
統一特許パッケージ 統一特許 統一特許裁判所 統一特許はドイツ フランス イギリスを含む 13 加盟国が統一特許裁判所協定に 批准した時点で効力が発生する ( 現時点で 8 批准国 ) 統一特許関係各国 : 26 加盟国 ( クロアチアとスペインを除く全 EU 加盟国 ) 統一特許裁判所 : 従来の欧州特許と統一特許の 26 加盟国における侵害や取消しをカ バーする専門特許裁判所 20
統一特許の具体的な利点 26 加盟国の単一工程 (One Single Step) での保護 26 カ国への国内移行に代わる簡易な登録手続き 一元管理かつ費用効果の高い更新料支払い ( 上位 4 か国の更新料の水準にする という提案 ) 特許付与後の翻訳不要 ( 最初の移行期間後 ) EPO が維持管理する特許統一保護のための一元管理登録 法的確実性をもたらす統一した訴訟制度 21
制度はいつ開始される? 現在すでに 進行中 の欧州出願は制度開始後に特許されれば統一効果が付与される フランス ドイツ イギリスを含む最低 13 加盟国が統一特許裁判所の協定に批准しなければならない 最初の統一特許は協定に批准した国のみに適用されるが その後は他国が加盟するに従い適用が拡大 22
統一特許保護の登録 EPO による特許統一保護のための一元登録管理 既存の European Patent Register 内の新セクションでの登録 更新料支払い 失効等の重要な詳細は全て記録 23
EPO での特許情報 24
特許情報のグローバルな性質 EPO の課題 完全性 できるだけ多くのデータを利用可能にすること 有用性 ユーザが理解できる形式にすること 最新のデータ 公開後できるだけ早く利用可能にすること 正確性 最良のデータ品質と信頼性の確保 全ての主要特許庁 ( 日本 中国 韓国 アメリカ ) との提携によるグローバル な取り組み 25
共通特許分類 (CPC) 国際特許分類 (IPC) より詳細な分類 EPO と USPTO により 2013 年に開始 中国 韓国 ブラジルは現在進行中 ロシアは 2016 年初めに分類開始予定 ヨーロッパの 12 の特許庁も文献の分類に CPC を利用中または利用予定 CPC-FI と FI-CPC の統計によるコンコーダンステーブルが現在入手可能 26
特許翻訳 特許検索における言語障壁の打破 JP EPO 加盟国の 25 言語 CN EN EN FR KR EN DE 32 言語が翻訳可能 RU Espacenet, European Patent Register 及び他の EPO サービスで利用可能 27
グローバルドシエ 発明に関する主要 5 特許庁の全出願について 統合された様式によって 特許ファイル ( 包袋 ) にアクセス可能 ユーザは加入特許庁の全出願及び特許に関する全ての利用可能な情報にアクセス可能 European Patent Register 及び Espacenet 経由で利用可能 中国語 韓国語 日本語の文献が機械翻訳により英訳可能 書類閲覧費用の大幅な節約 28
グローバルドシエ 特許庁 EPO JPO KIPO SIPO USPTO グローバルドシエの文献 1978 年 6 月 1 日以降に出願された特許 2003 年以降に出願された特許及び実用新案 2005 年以降に日本で国内段階に移行したPCT 出願 2000 年 1 月以降に出願された特許及び実用新案 2010 年 2 月 10 日以降に出願された特許 2003 年 1 月以降に出願された特許 29
特許付与後 欧州特許は国内特許の束となる Country 1 出願 調査 / 審査 付与 ( B1 文献 ) 異議申し立て Country 2 Country 3 Country 4 Country 5 Country 6 Country 7 Country 8 Country 9 Country 10 Country 11 Country 12 Country 13 限定 / 取消し Federated Register: 付与後の欧州特許に関する情報の中心 EPO による一元手続き 2000 年に EPC で新採択 (2007 年 12 月 13 日 ) 付与後 9 カ月以内に申立てが必要 効果 : 取消され 継続される 又は補正される ( B2 文献 ) 付与後 権利者によりいつでも申立て可能 効果 : 特許範囲が限定される ( B3 文献 ) 又は特許が取消される 30
Federated European Patent Register Federated Register は無料でアクセス可能 : EPO 加盟国のオンライン国内特許原簿から直接収集した文献について 一カ所にアクセスすることにより 基本的な付与後の欧州特許に関するリーガルステータス情報にアクセス可能 Federated European Patent Register は European Patent Register 内から利用可能 指定加盟国からのデータを収集し 一つの画面にまとめる 特許文献の詳細を見るときは 左側パネルの Federated Register リンクをクリックするとアクセス可能 31
特許情報 結論 CPC 容易な検索が可能 特許翻訳 多言語の特許文献にアクセス可能 グローバルドシエ 主要国の特許出願に関する全ての情報を提供 一元管理されたデータ (EPO データベース ) と分散されたデータ ( グローバルドシエ ) を必要に応じて利用可能 32
特許情報 結論 ユーザの要求項目 技術的高度化 より良い品質 品質に関するより良い情報 一元管理されたデータ及び分散されたデータ 優れたツール 33
特許情報 結論 EPO の約束 より多くのデータを最高品質で提供します 広範囲にわたる利用を可能にします データに関する十分な情報を提供します 引き続き グローバルドシエのように より多くのデータをネットワーク化します 34