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1 臨床血液 54:10 第 75 回日本血液学会学術集会 血栓 / 止血 / 血管 EL-42 プログレス 後天性凝固因子インヒビターの基礎と病態 野上恵嗣 Key words : Acquired hemophilia, Factor V, Inhibitor, Autoantibody はじめに 後天性凝固インヒビターは, 生体内の免疫システムの破綻により血液凝固因子に対する自己抗体 ( インヒビター ) が出現し, 当該凝固因子が低下するために出血症状を呈する後天性自己免疫性疾患である 遺伝子異常に基づく先天性の凝固因子欠乏症とは全く異なる疾患である 1, 2) 本疾患は各凝固因子に対して起こりうるが, 大部分は抗第 VIII 因子自己抗体である 従来極めて稀な疾患と考えられてきたが, 近年その存在の認識は高まり, また診断率も上昇するとともに報告例は増加している 高齢者に多いことから免疫制御機序の変化が原因と推測されるが, その発症機序や病態は未だ不明な点が多い 本稿では, 後天性インヒビターの中でも頻度が極めて高い第 VIII 因子インヒビターと, 分子構造上類似の第 V 因子インヒビターの発症機序と病態について最近の知見を含め述べる なお, 治療法については紙面上割愛する 1. 後天性第 VIII 因子インヒビター ( 後天性血友病 ) 第 VIII 因子インヒビター発生機序免疫応答機序と自己寛容生体の自然免疫応答において, 抗原タンパクは抗原提示細胞内に取り込まれてペプチドレベルまで断片化される 断片化された抗原ペプチドは抗原提示細胞の主要組織適合抗原複合体 (MHC) クラス II 分子に結合して抗原提示され,CD4 + T 細胞上の T cell receptor が抗原特異的に刺激される さらに,T 細胞上のインテグリン CD28 が抗原提示細胞上の CD80/86(B7) によって共刺激を受け,T 細胞が活性化される 3, 4) 一方,CTLA4 奈良県立医科大学 小児科 (cytotoxic T lymphocyte antigen 4) は,CD80/86 (B7) に対して CD28 と競合して T 細胞活性化を阻害する 抗原刺激を受けた T 細胞 (naïve T) は Th1,Th2, 制御性 T(Treg) 細胞などに分化される Th1 細胞は IL-2, IFN-g 分泌や IgG 1 産生を促進し,Th2 細胞は IL-4,IL-5, IL-10 分泌や IgG 4 産生を促進する Treg 細胞には胸腺由来 natural Treg 細胞と局所誘導を受ける Tr1 細胞 (IL- 10 産生 ) や Th3 細胞 (TGF-Tb 産生 ) があり, これらが免疫反応全体を制御するように modulate されている 3, 4) さらに活性化 CD4 + T 細胞は CD40 を発現し, 抗原提示細胞上 CD40 と結合して活性化し, さらに B 細胞上 CD40 と結合し,B 細胞分化や増殖を促進させる 一方, 自己寛容においては, 胸腺の抗原提示細胞と親和性を有する細胞クローンが生き残り, 自己反応性の強い細胞は除去されるように働く また骨髄における B 細胞においても同様に制御されている ( いわゆる中枢性自己寛容 ) 4) 一方, 末梢性自己寛容の仕組みの 1 つとして clonal anergy があり, 上述した免疫応答機序での種々の抑制制御機序があげられる 生体免疫制御における自己免疫反応の制御破綻健常人では約 15% に抗第 VIII 因子抗体が出現すること 5, 6), また約 75% に第 VIII 因子に対する CD4 + T 細胞の増殖反応を示し, 特に高齢者に強く認められることが報告されている 7) このことから分かるように, 生体内では常に病的な抗第 VIII 抗体が発現する可能性があるということである しかし実際には後天性血友病は極めて稀であるため, 免疫制御機構が適切に作用 機能して病的状態を常に回避していることが推測される この回避機序として, 液性レベルの免疫学的寛容であり, 自己抗体と抗イディオタイプ中和抗体との平衡状態で成り立っている さらに抗イディオタイプ抗体は自己抗体を産生する B 細胞クローンも制御しているといわれてい 361(1907)

2 臨床血液 る また T 細胞レベルにおいても同様に, 自己反応性 T 細胞は Treg 細胞などにより負の制御を受けているとされる ゆえに後天性血友病ではこれらイディオタイプ関連制御 (Network) や Treg 細胞系の制御などが一連の破綻により発症すると考えられる 4) 一方, 生体免疫は自己か非自己かの免疫応答だけでなく, 組織破壊や感染等の炎症などにより傷害された細胞から放出される danger signal により免疫応答を惹起される (danger signal 説 ) 8) これは近年, 先天性血友病で生じる同種抗体出現機序の新たな重要な因子にあげられている しかし後天性血友病では, 健常人でも同様の状況で第 VIII 因子が danger と認識されることで, 寛容状態の内因性第 VIII 因子までが破綻する可能性があると言われている 3, 4) 遺伝的要因自己免疫疾患において CTLA-4 gene の single nucleotide polymorphism(snp) の関与が近年特に注目されている T 細胞活性化に抑制的に作用する CTLA-4 gene の SNP として,(i) プロモーター領域,318 に存在する C/T,(ii) リーダーペプチド +49 に存在する A/G,(iii)3 非翻訳領域 CT60 に存在する A/G, の 3 つがよく知られている 後天性血友病は +49SNP では G allele が高頻度にみられ, 特に自己免疫疾患を基礎疾患にもつ症例には有意に認められる 9) 一方, 同種抗体保有先天性血友病患者では +49SNP との関連性は認められず,,318SNP では T allele の頻度が極めて低いことから, 両血友病における免疫応答が異なっていることがいえるだろう 10) T 細胞エピトープと B 細胞エピトープ (Fig. 1) 第 VIII 因子はアミノ酸組成の相同性により N 末から A1-A2-B-C1-C2 ドメインの順に配列している 後天性血友病 A の CD4 + T 細胞エピトープは C2 ドメインの各残 基 , および と A3 ドメインの残基 を認識するが, 同種抗体保有先天性血友病では C2 ドメインの残基 と A3 ドメインの残基 を認識することが知られている 11, 12) このことは両者の CD4 + T 細胞エピトープのレパトワが異なることがわかる 免疫優勢な universal なエピトープ構造を有するこれらの領域の一部がインヒビター結合部位を含むことを考えると, このエピトープの配列を認識する CD4 + T 細胞がインヒビター産生に関与していると推測される 一方,B 細胞エピトープは第 VIII 因子抗原への自己抗体の標的エピトープであり, 後天性血友病の自己抗体は同種抗体と同様の A2 と C2 ドメインが主要エピトープである しかし A2 と C2 の複数認識は同種抗体が 85% に対し, 自己抗体は 38% と少なく 13), 両者の抗体産生の刺激パターンが全く異なっていることがうかがわれる 自己抗体 IgG サブタイプ Th1 および Th2 細胞から分泌されるサイトカインは, 前者は IgG 1 や IgG 2 産生を促進し, 後者は IgG 4 産生を促進する 後天性血友病 A での自己抗体 IgG サブタイプは主に IgG 4 であるとされるが 14), 逆に Th1 細胞由来の多くの関与も指摘されている 15) さらに, 高力価インヒビター (>10 BU) は IgG 4 優位であるが, 低力価インヒビターでは IgG 1 と IgG 2 優位であることから,Th2 細胞からの抗体産生誘導は抗体反応の強い場合に生じ, 一方 Th1 細胞は抗体産生の維持に関わっている可能性もあげられる さらに興味深いことに, 基礎疾患を有する後天性血友病は IgG 4 優位で, 特発性では IgG 1 と IgG 2 優位であると報告されていることから 16), 同じ後天性血友病の中でも自己抗体発生機序が異なっていることもこの疾患の複雑性を表している Fig. 1 B-cell or T-cell epitope mapping of factor VIII inhibitors. (1908)362

3 臨床血液 54:10 後天性血友病 A の病態疫学的特徴後天性血友病 A の発生頻度は年間人口 100 万人あたり 1.5 人といわれている 17) 本邦でも年間 200 人は発症していることになる 後天性凝固因子インヒビターの中では圧倒的に多い 18, 19) 疫学上の特徴として, まず高齢者および分娩後女性に多いことがあげられる 本邦でも 70 歳台を頂点とする第 1 ピークと,20 30 歳台を頂点とする第 2 ピークが見られる 第 2 ピークは大部分が女性である 英国での報告によると, 年齢別発症率 (/100 万人 ) は 16 歳未満では であるが,85 才以上では 15 人になる 17) もう一つの特徴として, 基礎疾患を背景に発症する症例が多く, 本邦でも基礎疾患を認めるのは 75% にのぼる 19) 中でも多いのが膠原病(17%) と悪性腫瘍 (17%) である 内訳は前者では関節リウマチ, 全身性エリテマトゼス,Sjögren 症候群など, 後者では胃, 大腸, 腎, 肝などで, それ以外では糖尿病, 分娩後, 皮膚疾患が多い 従って, 後天性血友病と診断された症例では基礎疾患の検索が必要である 予後は, 本邦の前向き調査でインヒビターの消失例が 52%, 非消失例が 23%, 死亡例が 25% であり, 死亡原因の内訳としては出血関連死が 50%, その他感染症が多かった 18, 19) 欧米での報告でも死亡率は 9 22% であり 17, 20) 本症は死亡率が高いことに十分留意すべきである この理由として, 重篤な出血症状であること, 多くは基礎疾患を有すること, 高齢者に多いこと, そして免疫抑制剤の使用に起因する重症感染症発症の危険性が極めて高いことなどが主にあげられる 臨床症状と検査値との関係後天性血友病 A は第 VIII 因子の欠乏 低下に起因する出血症状を呈する 特に皮下や筋肉内出血が多く, 関節内出血は稀であるため先天性血友病の出血症状とは異なる 18, 19) その他, 消化管や口腔内などの粘膜出血や血尿などの頻度が高い 皮下や筋肉内出血は広範であり, 重篤な貧血を合併する場合があるので注意を要する さらに, 広範な筋肉内出血での血管や神経の圧迫によるコンパートメント症候群の危険性もある 一方, 軽度の出血症状も比較的多くみられ,3 割程度が治療を要さない 本症はまずは第 VIII 因子活性の低下が必須であるため, 活性化部分トロンボプラスチン時間 (aptt) は延長する 血小板数やプロトロンビン時間 (PT) は正常である さらに, 延長した aptt は正常血漿との混合では補正されない ( インヒビターパターン : 交差混合試験 ) この試験でインヒビターパターンを呈する鑑別すべき疾患にループスアンチコアグラント (LA) がある 後天性血友病は時間温度依存性パターンを示すため, LA 鑑別に反応直後と 2 時間後のいずれも実施することが望ましいとされる 21, 22) 本症の初診時の第 VIII 因子活性値は, 本邦の報告によると <1% が 46%,1 5% が 39%,>5% が 15% と半数以上の症例で有意に第 VIII 因子が検出される 19) 通常, 先天性血友病 A は第 VIII 因子活性値と臨床的出血症状の重症度は極めて相関する しかし, 本症では出血症状の重症度と第 VIII 因子活性値は全く相関しないことを留意すべきである 19) 本症の最終的な確定診断は第 VIII 因子インヒビターの検出である インヒビターは, 抗体濃度依存性に直線的に第 VIII 因子を低下させるパターン ( タイプ 1) と, 濃度非依存性を示すパターン ( タイプ 2) の 2 つに分類される (Fig. 2) タイプ 2 インヒビターでは, 残存する凝固因子が同時に検出されるのが特徴である 23) 一般的に, 先天性血友病に生じる同種抗体インヒビターではタイプ 1 インヒビターが多く, 一方, 後天性に生じる自己抗体ではタイプ 2 インヒビターが多いとされる したがって, 後天性血友病のインヒビター力価は第 VIII 因子活性値と同様に必ずしも病勢の強さの指標とはならない 本邦での前向き調査でも, 年齢, 初診時の第 VIII 因子活性値およびインヒビター力価, インヒビター力価のピーク値において, 生存例と死亡例との間で相関は全くなかった 19) (Fig. 3) Fig. 2 Inhibitory patterns on residual factor VIII activities. 363(1909)

4 臨床血液 Fig. 3 Relationship between progress and factor VIII activity or inhibitor titer on acquired hemophilia A. (Ref. 19) 第 VIII 因子とインヒビター IgG の存在様式後天性血友病患者の血漿中での第 VIII 因子とインヒビター IgG との存在様式は以前から不明であり, 両者はおそらく循環血漿中では共存しあって複合体として存在していることが推測されてはいたが証明されるに至らなかった しかし我々は, 第 VIII 因子活性が数 % 認めるタイプ 2 パターンであるも, 第 VIII 因子抗原値が正常 (80 100%) を示す 3 症例を詳細に解析したところ, 健常人血漿中の第 VIII 因子は von Willebrand 因子との複合体を形成することにより本因子は保護され循環しているが, いずれの症例も両者が血漿中では完全に解離した状態で存在していることがわかった さらに, この遊離している第 VIII 因子はインヒビター IgG と複合体を形成しており, 分解されることなく intact のままで存在して循環していることが免疫生化学的に証明することができた なお, これらインヒビターのエピトープは A3- C1 ドメイン上に存在していた 24) これら 3 症例は典型例ではあるが, この結果は後天性血友病をはじめとするあらゆる後天性凝固因子インヒビター症例において, 血漿中でインヒビター IgG と当該因子とは複合体を形成し循環していることを示唆しているといえる 重篤出血を引き起こす機序と止血管理一方, 本症は第 VIII 因子活性が軽症 中等症レベルであるにも関わらず, なぜ先天性血友病に比べて重篤な出血症状を呈するのか? は, その機序は全く不明であった 第 VIII 因子活性の測定に用いる aptt の凝固一段法では凝固機能を正確に評価することは限界があることは以前から指摘されており, 本症における凝固止血能の評価のための新たな検査法の確立が望まれていた ところが近年, トロンボエラストメトリー, 凝固波形解析, トロンビンおよび活性型第 X 因子生成試験などによる包括的に凝固機能を評価し得る検査法が臨床応用されるようになりつつある 25 27) そこで, これらの包括 的凝固機能検査, 特にトロンビンや活性型第 X 因子生成試験を用いることにより後天性血友病の凝固止血能が, 後天性と同等の第 VIII 因子活性値の軽症 中等症先天性血友病 A はもちろん, 真の重症型 ( 活性値 <0.2 U/dl) よりも著明に低下していることを初めて明らかにすることができた 28) (Fig. 4) さらに重篤出血の機序として,(i) インヒビター IgG はトロンビンによる第 VIII 因子の活性化の阻害または第 VIII 因子と血小板膜上のリン脂質との結合の阻害, と (ii) 内因性 tenase 複合体上で第 VIII 因子とインヒビター IgG 複合体が活性型第 IX 因子の活性部位を間接的にブロックすることにより第 X 因子活性化を抑制する この両者の合わさった機序により, 本症は先天性よりも活性型第 X 因子生成が極めて少なく, 最終的に凝固止血能がより著明に低下することが明らかになった (Fig. 5) そして, この機序を引き起こすインヒビターは C2 ドメイン上にエピトープを有していることも特徴であった 後天性血友病 A の止血管理には, 一般的には遺伝子組換え型活性型第 VII 因子製剤 (rfviia) や活性型プロトロンビン複合体製剤 (apcc) のバイパス止血製剤が用いられ, 良好な止血効果を示す これらの止血機序は, 前者では rfviia による第 X 因子活性化による活性型の生成, 後者では活性型第 X 因子の含有と活性型第 VII 因子による第 X 因子活性化などが挙げられるが, 上述した本症の凝固抑制機序を考えると, 多量の活性型第 X 因子の存在が本症の止血管理に重要であることを支持する 最近,rFVIIa や apcc のバイパス止血製剤が in vitro で第 VIII 因子を活性化させることが報告された 29 31) この両者による第 VIII 因子活性化はインヒビター存在下さらにエピトープの差異に関係なく活性化する 本症は上述した循環血漿中で第 VIII 因子とインヒビター IgG との複合体で存在しているため, バイパス止血製剤が第 VIII 因子を直接活性化していることが推測される (1910)364

5 臨床血液 54:10 Fig. 4 Thrombin generation test on patient s plasma from congenital moderate hemophilia A (HA) and acquired hemophilia A (AHA). Fig. 5 Inhibitory mechanism of factor VIII by inhibitor autoantibody IgGs from acquired hemophilia A (AHA). 2. 後天性第 V 因子インヒビター 疫学および臨床的特徴自己抗体による後天性凝固第 V 因子インヒビターの発症は極めてまれとされており,1955 年に初めて報告して以来, 文献的報告例は約 100 例程度に散見され る 32) しかし, 本邦の調査でも後天性第 VIII 因子インヒビターの 1/50 の発生率であることから 19), 最近は少しずつ増加しているともいえる 悪性腫瘍などの基礎疾患を伴う症例も認めるが, 多くは基礎疾患のない高齢者において手術後にインヒビターが検出されている 32, 33) その理由として, 手術時に用いられたフィブリン糊 ( ウ 365(1911)

6 臨床血液 シトロンビン由来 ) に極少量混入している第 V 因子が, ヒト第 V 因子との共通抗原に対して抗体産生していると推測されている 34) 臨床症状として多くは出血症状を呈するが, 比較的軽度とも言われている 時に無症状のことや血栓症状も呈することがあり, 後天性第 VIII 因子インヒビターと比べて症状の多様性を示すのが特徴である 32) 本インヒビターは 2 3 ヶ月で消失することが多いが, 長期にわたり持続することもある 多様な出血症状とその機序の解明第 VIII 因子とアミノ酸組成の相同性が高い第 V 因子に対する後天性インヒビターであり, 第 V 因子の活性低下を示す しかしながら臨床症状の差異を認めるため, 一般に第 V 因子活性値と臨床症状とは相関しない またインヒビター値と症状とも相関しないことも留意すべきである このような多様な症状の示す機序としては, 第 VIII 因子と異なり, 血小板には第 V 因子が多量に存在していることから, 血小板由来第 V 因子とインヒビターとの反応性の差によるとの報告がある 35) 一方, 凝固抑制制御機序としての活性型プロテイン C による活性化第 V 因子の不活性化を直接阻害しているとの報告もある 36) さらに, インヒビターの第 V 因子上認識エピトープの差異なども推測されているが, 真の機序の解明には至っていない なお, インヒビターは C2 ドメインにエピトープを有することが多い C2 ドメインはリン脂質膜との結合部位であり, これらインヒビ ターは第 V 因子とリン脂質との結合反応を阻害して抗凝固作用を呈するが 37, 38), 多様な症状の原因を直接説明することは難しい そこで最近我々は, 後天性第 V 因子インヒビター症例を出血における有症状群と無症状群に分けて, 両者の包括的凝固機能評価とそのインヒビター機能機序について検討した 凝固機能は両群とも著しく低下していたが, 有症状群は無症状群に比してさらに有意に凝固開始時間が遅延し, 凝固関連パラメーターも低下していた ( 未発表データ )(Fig. 6) なお, 評価検査法としては凝固波形解析のみが両者の凝固機能の違いを示すことが可能であった また, 両群の認識エピトープ領域は有症状群では第 V 因子軽鎖 (C2 ドメインを含む ) を, 無症状群では重鎖をそれぞれ示すことが特徴的であった さらに有症状群のインヒビター IgG は第 V 因子とリン脂質との結合を阻害したが, 無症状群では全く阻害しなかった 一方, 無症状群ではインヒビター IgG が (i) 活性型プロテイン C による活性化第 VIII 因子の不活性化における第 V 因子の補因子機能を抑制すること, さらに (ii) 活性型プロテイン C による活性化第 V 因子の不活性化作用を抑制すること, つまり 活性型プロテイン C 抵抗性 が存在することが明らかになった ( 未発表データ ) なお, 有症状群では抵抗性を示さなかった 以上から, 後天性第 V 因子インヒビターでの出血症状の多様性は, 有症状ではインヒビター IgG が第 V 因子とリン脂質との結合を抑制すること, すなわち向凝固作用を Fig. 6 Clot waveform analysis on acquired factor V inhibitors. Upper panels show the clot waveform patterns in the bleeding and non-bleeding groups. Lower panels show the parameters obtained from the clot waveforms. (1912)366

7 臨床血液 54:10 Fig. 7 Balance between procoagulant and anticoagulant function on acquired factor V inhibitors. 阻害し, 結果として著しい出血症状を呈する 一方, 無症状 血栓症状では, 向凝固作用はある程度抑制されるが, 活性型プロテイン C 抵抗性を示す, すなわち抗凝固作用が促進されるために, これらの作用の差異により無症状 血栓症状を示すことが明らかになった 以上から, 後天性第 V 因子インヒビターでは認識エピトープの差異による向凝固と抗凝固のバランスの不均衡が本病態であるといえる (Fig. 7) おわりに 上述したように, インヒビター特性の解析が, 凝固因子の活性化機序や凝固反応過程のさらなる解析にもつながるため, インヒビター症例の重要性は現在でも変わっていない 今後, 医学の進歩や新たな凝血学的検査法の開発に伴い, インヒビター解析を通して, 本領域でのさらに多くの新知見が得られるであろう さらに凝固抑制機序の詳細な解明が, 後天性凝固因子障害症での止血治療戦略にも結びついていくことを期待する 著者の COI(conflicts of interest) 開示 : 野上恵嗣 ; 研究費 助成金 ( ファイザー株式会社, バイエル薬品株式会社, バクスター株式会社 ) 文 1)Delgado J, Jimenez-Yuste V, Hernandez-Navarro F, Villar A. Acquired haemophilia: review and meta-analysis focused on therapy and prognostic factors. Br J Haematol. 2003; 121: )Morrison AE, Ludlam CA. Acquired haemophilia and its management. Br J Haematol. 1995; 89: )Pratt KP, Thompson AR. B-cell and T-cell epitopes in antifactor VIII immune responses. Clin Rev Allergy Immunol. 2009; 37: )Lacroix-Desmazes S, Navarrete AM, André S, Bayry J, Kaveri SV, Dasgupta S. Dynamics of factor VIII interactions determine its immunologic fate in hemophilia A. Blood. 2008; 112: 献 )Algiman M, Dietrich G, Nydegger UE, Boieldieu D, Sultan Y, Kazatchkine MD. Natural antibodies to factor VIII (anti-hemophilic factor) in healthy individuals. Proc Natl Acad Sci U S A. 1992; 89: )Batlle J, Gómez E, Rendal E, et al. Antibodies to factor VIII in plasma of patients with hemophilia A and normal subjects. Ann Hematol. 1996; 72: )Hu GL, Okita DK, Diethelm-Okita BM, Conti-Fine BM. Recognition of coagulation factor VIII by CD4 + T cells of healthy humans. J Thromb Haemost. 2003; 1: )Matzinger P. Tolerance, danger, and the extended family. Annu Rev Immunol. 1994; 12: )Pavlova A, Diaz-Lacava A, Zeitler H, et al. Increased frequency of the CTLA-4 49 A/G polymorphism in patients with acquired haemophilia A compared to healthy controls. Haemophilia. 2008; 14: )Astermark J, WangX, Oldenburg J, Berntorp E, Lefvert AK; MIBS Study Group. Polymorphisms in the CTLA-4 gene and inhibitor development in patients with severe hemophilia A. J Thromb Haemost. 2007; 5: )Reding MT, Okita DK, Diethelm-Okita BM, Anderson TA, Conti-Fine BM. Human CD4 + T-cell epitope repertoire on the C2 domain of coagulation factor VIII. J Thromb Haemost. 2003; 1: )Reding MT, Okita DK, Diethelm-Okita BM, Anderson TA, Conti-Fine BM. Epitope repertoire of human CD4 + T cells on the A3 domain of coagulation factor VIII. J Thromb Haemost. 2004; 2: )Prescott R, Nakai H, Saenko EL, et al. The inhibitor antibody response is more complex in hemophilia A patients than in most nonhemophiliacs with factor VIII autoantibodies. Recombinate and Kogenate Study Groups. Blood. 1997; 89: ) 田中一郎, 嶋緑倫. 後天性血友病 本邦における実態と抗第 VIII 因子自己抗体の免疫生化学的特性. 臨血. 2005; 46: )Reding MT, Lei S, Lei H, Green D, Gill J, Conti-Fine BM. Distribution of Th1- and Th2-induced anti-factor VIII IgG subclasses in congenital and acquired hemophilia patients. 367(1913)

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