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たいちかせ
5 years ago
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1 第 8 章結論と論議本研究では, 昭和に入ってから滋賀県で最初に干拓されたといわれている小中の湖を対象に, ヒアリングを中心とした調査によって, 干拓前の同内湖の状況と果たしていた機能, 機能を維持するために周辺住民がおこなっていた自然と調和した伝統的な管理手法を明らかにしようとした. 調査の結果, 明らかになった点を小中の湖の状況と同内湖が果たしていたそれぞれの機能, 周辺住民がおこなっていた管理方法ごとにわけて整理すると次のようになる. 1) 小中の湖の状況湖底の様子としてはスクモやモラ, メタンガスが採れた場所がわかった. また, 水深としては, ヒアリング対象者の記憶に残っている浅瀬だった所と深かった所を地図上に記録することができた. 一方, 小中の湖に流入していた河川が, 下豊浦の集落に 3 本, 伊庭の集落に 1 本, 須田の集落に 3 本あったことを確認できた. 他にも, ヒアリング対象者が記憶している当時の水質や気温, 風向き, 波の高さを記録として残すことができた. また, 同内湖周辺の概況として, ヒアリング調査や文献調査の結果, かつての小中の湖と周辺集落の呼称, 弁天内湖と伊庭内湖の境界などを記録として残すことができた. 他にも, 同内湖のかつての景観として, ヒアリング対象者から写真を 6 点と本学フィールドワークの報告書に掲載されていた 11 点, 財団法人日本地図センターから米軍が撮影した 1945 年の同内湖周辺の空中写真 ( 米国公文書館所蔵 ) を入手することができた. 2) 小中の湖が果たしていた環境形成機能小中の湖周辺に生息していた植物としては, ヨシの生育していた範囲を地図上に記録することができた. また,GIS ソフトによって小中の湖周辺のヨシ地の面積が約 58 ha であったと推定することができた. 一方, 小中の湖にいた動物としては, 集団ヒアリングによって, 干拓前の同内湖に生息していたであろう鳥類を 34 呼称, 貝類を 16 呼称, 魚類を 47 呼称推察することができた. 3) 小中の湖が果たしていた水生植物の生産機能小中の湖周辺に営まれていたヨシ産業について, 下豊浦でヨシ業者だったヒアリング対象者の話から, ヨシ産業の 1 年の流れを確認することができた. また, 当時の下豊浦でのヨシ業者が 3 軒だったこと, 立耗作というヨシ刈りの権利を入札で買っていたことなどがわかった. 4) 小中の湖が果たしていた水産機能小中の湖周辺に暮らしていた人々の生業であった漁業について, 下豊浦で当時漁師だったヒアリング対象者の証言を基に漁業の 1 年や漁法を確認することができ, また,1 年間の 95

2 漁獲量が専業漁師 1 軒あたり約 10 t だったことが推定できた. さらに, 伊庭内湖でおこなわれていたコイの養殖について, ヒアリング調査の結果と収集した資料から当時の様子をまとめることができた. 他にも, 人々がおこなっていたモラトリのモラについて, 採集されていたモラがセキショウモであったと推測することができ, また採集量については, 下豊浦と能登川を合わせた乾燥重量が約 64,606 kg に達していたと推定することができた. また, スクモトリについては採集方法と利用方法をまとめることができた. 5) 小中の湖が果たしていた水上交通機能水上交通機能として, 小中の湖の周辺集落での田舟の利用方法を確認することができた. また, 下豊浦と伊庭, 能登川の集落には港があり, 下豊浦の港にはかつて太湖汽船が, 伊庭と能登川の港には八幡通いと呼ばれていた物資を積んだ船が入ってきていたことがわかった. 他にも, かつての太湖汽船の航路と, ヒアリング対象者が記憶している伊庭の港に入ってきていた八幡通いの航路を地図上に記録することができた. また, 小中の湖と西の湖, 大中の湖の間に切り通しと呼ばれる, 人々が内湖間の往来に主に利用していた砂洲の切れ目を 3 箇所確認することができた. 6) 小中の湖が果たしていた利水機能小中の湖周辺に暮らす人々の多くは内湖の水を直接使うことは少なく, 井戸水を利用していたことがわかった. また, 使用後の水は決してそのまま川などに流すことはなく, 下肥と一緒にして田畑の肥料として利用していたことが確認できた. 7) 小中の湖が果たしていた浄化機能小中の湖周辺に暮らしていた人々によるヨシ刈りによって, 刈り取られたヨシに含まれる窒素とリンの約 761 と 41 kg が弁天内湖から毎年除去されていたことが推定できた. また, 下豊浦と伊庭の専業漁業者による漁業によって, 窒素とリンがそれぞれ約 1,008 と 117 kg, 下豊浦と能登川の集落によるモラトリによって窒素とリンがそれぞれ約 2,009 と 135 kg 同内湖から毎年除去されていたことが推定できた. これら同内湖から除去されていたと推定された窒素とリンの総量は, それぞれ約 863 人と 686 人が 1 年間に排出する窒素とリンの量に相当するものであった. 8) 小中の湖が果たしていた治水機能治水機能として, 小中の湖の治水容量が 3,763,100 m 3 だったと推定することができ, この量は天ヶ瀬ダムの約 5 分の 1 の治水容量に相当するものであった. 9) 小中の湖が果たしていたレクリエーション機能弁天内湖にある弁天島では 8 月 1 日になると千日会がおこなわれ, その時は親戚を呼んで田舟の上でカシワのジュンジュンを調理して楽しんでいたことを確認することができた. また, 同島から内湖に突き出ている大きな竿に乗り, 竿の先から湖に飛び込む竿飛や, 田舟をひっくり返してその上から湖に飛び込む航空母艦, 舟の上から湖底の貝をめがけてヨシの茎を差し込む貝釣りなどをして子どもたちが遊んでいたことがわかった. 96

3 10) 周辺住民がおこなっていた機能の維持管理方法小中の湖周辺に暮らしていた人々がおこなっていたヨシ刈りや漁業, モラトリなどの天然資源の利用や水の利用方法は結果として内湖が機能を果たしていくうえでの維持管理につながっていたことがわかった. その中の一つであるモラトリについて, 採集方法と利用方法を確認することができた. これら本研究の結果を踏まえて, 滋賀県における内湖再生に向けた今後の取り組みのあり方について次のような提言をおこなう. 1) 内湖再生後の維持管理方法の確立 1) 上記でまとめたように, かつての小中の湖は, 環境形成機能や水生植物の生産機能, 水産機能, 水質浄化機能などのさまざまな機能を果たしていた. このことから, 内湖再生とは, 単に内湖を物理的に復元するのではなく, その果たしていた機能を再生することが重要だと考える. ただし, 本研究で推定したように, かつての内湖の機能は, ヨシ刈りや漁業, モラトリなどの人々の営みによって, 湖中の栄養塩類の一部が取り除かれる形で発揮, また, 維持されていた. このことから, 内湖の機能を再生するとともに, 再生された機能を維持していくためには, 上記のように人々が積極的に内湖と関わり, 資源を循環的に利用 2) するような形での維持管理手法を確立していかなければならない. ただし, これは当時の人々と全く同じような暮らしや内湖との関わり方を求めるものではない. 大切なことは, 内湖としての機能を維持していくことである. そのためには, 地域における伝統的な手法に見習いながらも, 現代に適応した維持管理方法を確立していかなければならない. また, 内湖再生後の維持管理方法を確立するためには, 周辺に暮らす人々の合意と協力が不可欠となる 3). 上述したように, 内湖の機能を管理していくためには内湖への人々の恒常的な介入が必要であり, そのために欠くことができないのが, 再生するための計画段階からの地域住民の参画である. 2) ヒアリング調査の重要性 1) また, 内湖の機能再生に向けた計画段階での, 地域の古老などへのヒアリング調査の重要性を強調したい. 本研究で試みたように, 科学的データや資料の蓄積が乏しい, かつての内湖の状況や果たしていた機能, 自然と調和した伝統的な維持管理手法を把握するためには, ヒアリング調査に大きく依存せざるを得ない. 同調査結果からは, 内湖の機能再生の方法について, また, 再生後の維持管理方法についての, 多くの示唆を得ることができるだろう. ただし, 人の記憶には曖昧な部分も多く, ヒアリング調査だけでは情報の信頼性に問題 97

4 が残る. そのため, 並行して文献や資料などの収集に努め, それらによってヒアリングの結果を確認する作業が必要となる. 特に, 本研究のように科学的データの蓄積が乏しいような対象地に関しては, 類似した場所や周辺地域などの既存の調査結果を確認のために活用していく必要があると考えられる. 3) 内湖再生をめざした調査方法の確立本研究では, 干拓前の小中の湖の状況と同内湖が果たしていた機能, 機能を維持するために周辺住民がおこなっていた自然と調和した伝統的な管理手法を明らかにするために, 地域に住む古老に対するヒアリング調査と文献資料の収集を並行しておこなった. ヒアリング調査では, まず, ヒアリング対象者を内湖であった当時を知る地域の古老として各集落の住職から紹介を受けた. その後, 干拓前の同内湖周辺の地形図や写真, 滋賀県に生息する生き物をまとめた自然観察シリーズ 4), 5), 6), 7), 8), 9) などを持参し, ヒアリング対象者に見せながらおこなう資料提示型インタビューの形でヒアリング調査を実施した. 特に, 小中の湖に生息していたであろう動物を確認する時は, 上記のもの以外にもサンプルやインターネットから収集したそれら動物の画像を持参し, 必ず集団ヒアリングの形式でおこなった. また, ヒアリング調査の結果については, できるかぎり下記のように収集した文献資料で確認するよう努めた. 文献資料の収集では, 小中の湖に関する資料を収集するために滋賀県立図書館や県民情報室, 地元の博物館と図書館, 土地改良区を訪れた. 他にも, 地元住民が郷土史として独自で制作した資料も存在する可能性があることから, ヒアリング対象者にも資料がないかどうかの確認をおこなった. 一方, 小中の湖が果たしていた機能の定量的な推定をおこなうためには, 上記以外にも滋賀県水産試験場や専門家に問い合わせるとともに, 類似した研究や周辺地域などの既存研究や文献資料の収集をおこなった. 以上のような調査方法によって, 本研究では, 本章の最初にまとめたように, かつての小中の湖の状況と同内湖が果たしていた機能, 周辺住民がおこなっていた管理手法を明らかにすることができた. さらに, 小中の湖が果たしていた機能についてもある程度定量化することに成功した. このことから, 本研究でとった調査方法を用いれば, 対象内湖の状況や果たしていた機能, 周辺住民がおこなっていた伝統的な管理手法について明らかにできる可能性が高いと考えられる. また, 内湖以外の失われた自然を対象としても, 同様の調査方法によってその再生に有用な情報を収集することができるものと考えられる. 以上のようなことが明らかになった一方, 課題として残ったものも多い. 本研究で課題として残ったものを整理すると次のようになる. 98

5 1) 小中の湖の状況本研究では, 同内湖のかつての景観として, ヒアリング対象者や報告書, 財団法人日本地図センターより同内湖周辺の写真 ( 米国公文書館所蔵 ) を入手することができた. ただし, 本調査ではヒアリング時に対象者に呼びかけて収集をおこなったが, 字全体に呼びかけることはできておらず, 各自治会の会長や住職を通して字に住んでいる全世帯に呼びかけるなどの工夫が必要であった. 2) 小中の湖が果たしていた環境形成機能小中の湖に生育していた植物について, 本研究では同内湖周辺に生息していたヨシの確認とモラトリで採集していた植物の種類を推測しただけにとどまった. 小中の湖に生育していた植物についての調査が今後も必要となる. 3) 小中の湖が果たしていた水生植物の生産機能本調査では, ヨシ産業の様子について, 下豊浦の古老からのヒアリング結果からまとめた. その結果, 情報が弁天内湖にかたよってしまい, 伊庭内湖周辺のヨシ産業についてはまとめることができていない. ヒアリング調査の結果, 伊庭と能登川の集落にもかつてヨシ業者が数名いたことが明らかになったことから, 伊庭と能登川でかつてヨシ業者だった人にヒアリング調査をおこない, 伊庭内湖周辺のヨシ産業についても調査をする必要がある. 4) 小中の湖が果たしていた水産機能本研究では, 小中の湖周辺でおこなわれていた漁業について, 周辺集落である下豊浦でかつて漁師をしていたヒアリング対象者の話を基に漁業の 1 年や, 漁法についてまとめ, 漁獲量の推定をおこなった. 下豊浦の集落以外に伊庭の集落にもかつて漁師がいたことがわかっているが, 本研究でヒアリングをおこなった伊庭のヒアリング対象者によると, かつて漁師をしていた人で集落に残っている人はいないとのことだった. ただし, 伊庭集落では 2 人しかヒアリング調査ができておらず, かつて漁師だった人が本当にいないのか疑問が残る. そのため, 伊庭の集落でかつて漁師だった人がいないか再調査する必要がある. 一方, 本調査によってスクモトリの採集方法と利用方法を確認することができた. しかし, スクモの採集時期についてはヒアリング対象者によって記憶している時期が異なっていたことから, 今後, スクモトリについてのヒアリング調査を再度おこない, 採集時期を確認していく必要がある. 5) 小中の湖が果たしていた水上交通機能本調査によって伊庭と能登川の集落の港には八幡通いと呼ばれていた丸子船が入ってきていたことがわかった. しかし, それら八幡通いの船に関する文献を探すことができておらず, ヒアリング調査結果の裏付けや入港していた年の確認がとれていない. また, 伊庭の港である伊庭の金比羅浜について, 能登川のヒアリング対象者の話によって漁港中心だったということがわかったが, このことについても確認ができておらず, ヒアリング調査や文献調査によって確認をとる必要がある. 99

6 6) 小中の湖が果たしていた浄化機能本研究では浄化機能としてヨシ刈りや漁業, モラトリといった周辺集落に住む人々が内湖の天然資源を活用することによる栄養塩類の除去量を推定した. ヨシ刈りによる除去量については, 下豊浦のヒアリング対象者の話を基にしたため本推定で用いたヨシの刈取り量が弁天内湖を中心としたものとなり, 伊庭内湖周辺の刈取り量は含まれていない. 下豊浦のヒアリング対象者によって伊庭と能登川の集落にもヨシ業者が数名いたことが明らかになったことから, 両集落でかつてヨシ業者だった人にヒアリング調査を実施し, 伊庭内湖周辺でのヨシの刈り取り量を確認する必要がある. モラトリによる除去量については, 下豊浦と能登川の集落における推定しかできていない. 伊庭の集落でもモラトリがおこなわれていたとヒアリング対象者が記憶していることから, 伊庭の集落でかつてモラトリをおこなっていた人にヒアリング調査を実施し, 採集していた藻と採集方法の確認, そして, モラトリをおこなっていた軒数を調査する必要がある. また, 推定をおこなうために収集した既存研究や文献についても, より類似した資料や本研究で用いた推定方法以外の方法が他にも存在している可能性があり, 今後も資料の収集と推定方法を検討していく必要がある. 7) 周辺住民がおこなっていた機能の維持管理方法本調査によって小中の湖周辺でおこなわれていたモラトリについて, モラの採集方法や利用方法を確認することができた. しかし, モヅカバに揚げる泥の量と, 畑にいれるモラの採集時期と方法についてヒアリング対象者によって証言にくい違いがみられたことから, かつてモラトリをおこなっていた人に対するヒアリング調査を再度実施し, 採集時期と方法について確認する必要がある. 8) その他本研究では, 内湖の再生を目的として研究をすすめてきた. その結果, 上記で述べてきたように, 干拓前の小中の湖の状況や果たしていた機能などを明らかにすることができた. しかし, これら調査結果は, 自然再生だけでなく, 自然景観や文化景観といった景観再生の分野にも寄与できる可能性があり, 今後はこれらの分野に関する議論も必要になると考えられる. また, 本研究では, 今後の内湖再生のために必要となるであろう法令制度などについては考察できていない. ラムサール条約や自然再生推進法などが今後の内湖再生とどのように関連していくべきかについても議論していくことが必要であろう. 以上のような課題を残したものの, 本研究において, かつての小中の湖の状況と同内湖が果たしていた機能, 周辺住民がおこなっていた自然と調和した伝統的な管理手法を明らかにするという課題はある程度達成することができたと考える. 本研究によって記録に残したこれらの調査結果は, 今後の滋賀県における内湖再生において役に立つばかりでなく, 本研究で開発した, 古老へのヒアリングを中心とする調査方 100

7 法は, 内湖以外の自然の再生にも有用であると思われる. 記録に残したこれらのことが今後の滋賀県における内湖再生において, また, 内湖以外の自然再生において役に立つことを願う. 101

8 < 参考文献 > 1) 松尾さかえ, 井手慎司 : 小中の湖の干拓前の状況と機能, 維持管理手法に関する調査研究 - 弁天内湖を中心として-, 環境システム研究論文集,34,75-82(2006) 2) 佐野静代 : 内湖をめぐる歴史的利用形態と民俗文化 -その今日的意義-, 滋賀県琵琶湖研究所所報,(21), (2004) 3) 環境省 : 自然再生推進法 ( 平成 14 年法律第 148 号 (12 月 11 日公布 )) < /law-saisei/law.html>, ) 滋賀県中学校教育研究会理科部会編 : 滋賀の魚図解ハンドブック, 新学社 (1987) 5) 滋賀の理科教材研究委員会 : 滋賀の水草図解ハンドブック, 新学社 (1989) 6) 滋賀県小中学校教育研究会理科部会 : 滋賀の水鳥図解ハンドブック, 新学社 (1994) 7) 滋賀県小中学校教育研究会理科部会 : 滋賀の水生動物図解ハンドブック, 新学社 (2000) 8) 滋賀の理科教材研究委員会 : 滋賀の両生類は虫類, ほ乳類図解ハンドブック, 新学社 (2001) 9) 滋賀県小中学校教育研究会理科部会 : 滋賀の水生昆虫図解ハンドブック, 新学社 (2004) 102

Microsoft Word - 資料2-2

Microsoft Word - 資料2-2 ) 底質中の有機物の増加主要な要因を中心とした連関図における現状の確認結果を表.. に示すその結果をまとめて図.. に示す表及び図中の表記は ) 底質の泥化と同様である表.. 底質中の有機物の増加についての現状の確認結果 ( 案 ) ノリの生産活動底質中の有機物の増加検討中である栄養塩の流入有機物の流入底質中の有機物の増加ベントスの減少底質中の有機物の増加堆積物食者である底生生物が減少することで底質中の有機物が多くなると考えられる