平成 28 年度皇居外苑濠水環境管理検討会補給水の確保に係る検討について目次ページ 1. 補給水の確保に係る検討新たな補給水の確保に係る皇居外苑濠の現状及び課題新たな補給水の利用可能性検討...1-6

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まいえやたけ
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1 平成 28 年度第 2 回皇居外苑濠水環境管理検討会資料 3: 補給水の確保に係る検討について

2 平成 28 年度皇居外苑濠水環境管理検討会補給水の確保に係る検討について目次ページ 1. 補給水の確保に係る検討新たな補給水の確保に係る皇居外苑濠の現状及び課題新たな補給水の利用可能性検討...1-6

3 1. 補給水の確保に係る検討 1.1 新たな補給水の確保に係る皇居外苑濠の現状及び課題平成 27 年度末に雨天時越流水の対策が完了し皇居外苑濠における水質的な課題解決に向け前進する一方で雨天時越流水は重要な水源の一つでもあることから今後は水量の確保における課題の顕在化が懸念されるそこで平成 25 年度皇居外苑濠水環境管理検討調査業務平成 26 年度皇居外苑濠水環境管理検討調査業務平成 27 年度皇居外苑濠水環境管理検討調査業務 ( 以下既往検討結果とする ) におけるこれまでの検討結果を表 1.1 に整理した既往検討では複数の事業者に対して検討を進めたものの短期間で導水可能な補給水の確保には至っていないのが現状であるまた次節以降にこれまでの検討経緯を概説した表 1.1 既往検討における補給水の検討結果施設導水量 (m 3 / 年 ) 検討結果玉川管路 141,000 整備コストが高く経済性及び施工性の観点から実現性は低い都営地下鉄周辺河川に対する環境用水としての利活用がな 274,000( 九段下 ) されており導水に当たっては周辺住民への調整 1,100,000( 三崎町 ) 等も含め多くの課題を解決する必要がある東京メトロ 23,000 1 箇所当りの導水量が少なく水量及び水質改善への寄与度が小さい首都高速 600( 月間値 ) 導水量に対する経済性が小さく改善効果も小さい地下水 ( 井戸掘削 ) 25,550 周辺官公庁との調整が必要なこと導水量が少ないこと地下水水質に留意する必要があること等から導水の判断を継続的に模索する必要がある 1-1

4 1.1.1 既往検討結果における補給水確保の可能性検討結果新たな補給水の確保に向け既往検討結果では玉川管路の活用や地下鉄等からの地下水導水など様々な視点から周辺各施設からの新たな補給水の確保に向けた検討を行った周辺施設からの導水可能施設の一覧を表 1.3 に導水可能性の検討結果概要を表 1.2 に示したこの結果を受けて都営地下鉄及び東京メトロの湧水に着目し導水の可能性検討を実施した皇居外苑濠近傍に位置する施設 ( 新宿御苑明治神宮外苑赤坂御用地 ) からの雨水の利活用については玉川管路の活用が前提となるが改修に莫大な費用 ( 約 1,600 百万円 ) を要し埋設位置の関係から施工も非常に困難であることから実現性が低い地下鉄 ( 都営地下鉄東京メトロ ) の湧水については周辺に複数の排水ポンプ施設があることから導水方法や水質等を明らかにしたうえで利活用は可能である JR の湧水については導水量も大きく整備コストも比較的安価で対応可能ではあったが水質が悪く塩分濃度が非常に高いことから外苑濠の水質に与える影響が非常に大きいと考え導水は困難と判断した首都高速の路面排水については現在導水を行っている施設以外からの導水の可能性を模索したが水質的には問題がないものの導水量が小さく寄与度が非常に小さいことから導水に要するコスト等の観点からも困難と判断した表 1.2 周辺各施設からの導水可能性の検討結果施設導水量 (m 3 / 年 ) 水質整備コスト評価玉川管路 141,000 雨水が対象約 1,600 百万円経済性施工性の観点から実現性は低い都営地下鉄 274,000 良好導水距離 300m 距離も比較的近く導水量も豊富東京メトロ 23,000 若干悪い導水距離 10~400m 導水量は少ないが距離も近く可能性は高い JR 694,000 塩分濃度が高い導水距離 400m 外苑濠の水質に与える影響が大きい首都高速 609 良好導水距離 400m 水量に対しての整備コストが見合わない平成 25 年 8 月月間値 1-2

5 表 1.3 導水可能施設一覧導水先施設導水先導水可能量 (m 3 / 年 ) 水源玉川管路新宿御苑桜田濠 140,641 雨水都営地下鉄九段駅ポンプ場牛ヶ淵 273,526 地下水九段下ポンプ室清水濠 5,694 地下水大手濠ポンプ室大手濠 5,344 地下水東京メトロ二重橋前場外ポンプ室和田倉濠馬場先濠 5,256 地下水日比谷場外ポンプ室日比谷濠 4,555 地下水桜田門場外ポンプ室桜田濠凱旋濠 2,278 地下水小計 - 23,126 - JR 首都高速合計 ,294 - この結果を受け最有力である都営地下鉄九段下ポンプ場の湧水 ( 以下都営湧水とする ) について水質予測モデルを用いて詳細検討を行った都営湧水利活用に当たっては調整を進めていった結果日本橋川の環境用水として利活用していたことが確認できたことから今後は以下に示す課題を十分な時間を使って検討することで実現化する必要があることが判明した 1 日本橋川の水質改善を要望している地域住民や地元団体に対し都営湧水の活用に関して必要な導水量や日本橋川に与える影響等を具体的に示しながら説明を行い了解を得る必要がある 2 その後実現化に向けた具体的な検討を進め東京都都交通局建設局環境局に対し既往検討結果で挙げられた課題を解決していく必要があるまた東京メトロ湧水についても同様に水質予測モデルを用いて検討を行ったが導水量が非常に小さく水量面では若干の効果は認められたが水質面からの寄与度はほとんど確認できない結果となったこのため今後の導水に当たっては関係部署と綿密な調整を行ったうえで導水に向けた了解を得る必要があった 1-3

6 1.1.2 新たな水源の利用可能性の検討同様に以下の 2 つを新たな水源として抽出したこれらの利活用の可能性について検討を行った井戸掘削による補給水の確保都営地下鉄三崎町ポンプ場からの導水 (1) 井戸掘削による補給水の確保検討の結果皇居外苑濠周辺の 7 施設が導水可能性のある施設として抽出されたしかし対象水量が少なく皇居外苑濠に対する補給水としての寄与度は低いことから今後は下記事項を踏まえつつ補給水確保に向けた検討を継続することが望ましい 1 地下水中の塩分濃度の把握皇居外苑濠の東側エリアにおいては地下水中の塩分濃度が高いことが確認されているまた硝酸性窒素等の値も高い報告が確認できている井戸掘削での補給水に関しては対象水量が 10m 3 / 日と少ないため影響範囲も限定的であると考えられるが導水に当たっては地下水中の塩分濃度も含めた地下水水質を把握したうえで検討を進めることが望ましい 2 対象官公庁との協議調整井戸が設置可能と考えられる対象官公庁に対し事業所内での井戸の利用状況を確認したうえで再度スクリーニングを行い土地の借用建設費負担維持管理費方法や費用負担等について継続的に協議調整を行う必要がある 3 民間開発事業者との協働による可能性模索皇居外苑濠周辺では民間事業者の開発が随時進められているこれら民間開発事業者に対し井戸掘削による外苑濠の補給水への寄与に関する依頼をすることにより民間事業者との協働が可能かどうか把握する必要がある 1-4

7 (2) 都営地下鉄三崎町ポンプ場からの導水既往検討において経済性の観点から導水を断念したが水量水質的には問題ないことから水質予測モデルでその効果を明らかにし皇居外苑濠への寄与度の視点から再評価を行ったその結果三崎町ポンプ場を導水することで相当量の湧水を確保できることから水位低下が抑制されることが確認できた一方水質については循環が促進されることから一部の項目では水質が悪化する可能性が確認できたまた関連管理者として放流先である東京都建設局河川部にヒアリングしたところ上述した九段下ポンプ場と同様当該ポンプ場の湧水は神田川の水質改善を目的として排水していることが明らかとなったよって三崎町ポンプ場の湧水の神田川への放流については放流先である神田川の水質改善を目的に実施されておりこれを実現に移すためには地域住民からの同意を得る必要があることが明らかとなった九段下ポンプ場同様三崎町ポンプ場の活用に関して必要な導水量や神田川に与える影響等を具体的に示しながら説明を行い了解を得る必要があるその後実現化に向けた具体的な検討を進め東京都都交通局建設局環境局等関係各部局に対し導水に向けた本格的な協議調整を行うことが望ましい補給水確保に向けた今後の方向性前項までの検討結果により第 2 期水質改善計画の目標年次である平成 32 年度までに皇居外苑濠への十分な補給水を確保することが困難である結果となった一方補給水の確保は今後の皇居外苑濠における水環境を維持継続していく上では重要な施策であることから今後は以下の内容に留意しつつ継続的に関係機関との調整を進めていくことが必要である (1) 下水越流水停止後の水位の状況把握平成 21 年度皇居外苑濠管理方針策定調査業務水環境検討編報告書によれば下水越流停止後でも堰操作により一定程度の水位の確保は可能であるとの検討結果が示されているこのため平成 27 年度末に予定されている下水越流停止後は堰操作を行うことで水位低下の抑制を行いつつその後の外苑濠の水位の変化を継続的に把握する必要があるこの経過観察を経て小規模な補給水の導水については必要性を明らかにすることが望ましい (2) 関係機関との継続的な情報交換の実施都営地下鉄や東京メトロの地下鉄湧水は今後の社会情勢によりその量や発生地点が変化することが考えられるそのため各関係機関とは継続的な情報交換を行いつつ皇居外苑濠に適した補給水の有無について定期的に把握することが重要である 1-5

8 1.2 新たな補給水の利用可能性検討これまで検討を進めてきた各種補給水以外に電気通信事業者が管理する地下配管用の暗渠 ( 以下地下配管溝とする ) 内において地下水等の湧出が確認されたことから利用可能性の検討を実施したヒアリング調査地下配管溝を管理する電気通信事業者に対し地下水等の状況についてヒアリングを実施した以下にヒアリング結果を示したその結果外苑濠周辺に約 50,000m 3 / 年程度の水量を確保することが可能であることが確認できた外苑濠周辺では内堀通り日比谷通り沿いに地下配管溝が埋設されており複数の排水ピットがある排水ポンプから揚水した水は受け枡 ( 深さ 1~2m 程度 ) で一旦開放し公共下水道に自然流下で放流している水源は地下水もしくは雨水である排水先は下水道他用途への利用は特にない外苑濠周辺の排水量は約 52,000m 3 / 年 ( 平成 23 年度実績 ) 地下配管溝内で排水を集約していけば排水量を増加させることも可能である表 1.4 地下配管溝内の下水排水量 ( 平成 23 年度実績 ) 地点番号概略位置排水量 (m3/ 年 ) 地点 1 千鳥ヶ淵交差点 ~ 竹橋交差点付近 12,156 地点 2 竹橋交差点 ~ 大手町交差点付近 15,715 地点 3 大手町交差点 ~ 日生劇場付近 12,022 地点 4 三宅坂交差点 ~ 霞ヶ関交差点付近 353 備考地点 5 半蔵門交差点付近 462 地点 6 内幸町交差点付近内幸町交差点 ~ 六本木二丁目交差点付 11,647 近合計 - 52,355 平成 23 年度値資料 : 電気通信事業者提供 1-6

9 地点① 12,156m3/年地点② 15,715m3/年地点⑤ 462m3/年地点③ 12,022m3/年地点④ 353m3/年地点⑥ その他周辺 11,647m3/年図 1.1 皇居外苑濠周辺の揚水量 1-7

10 1.2.2 水質調査地下配管溝内の排水水質の程度を明らかにするために平成 28 年 11 月 1 日に地下配管溝内の水質調査を実施した (1) 水質調査箇所水質調査は図 1.1 に示した地点 1 及び地点 3にて下水道に排水している排水ピットのサンプルを採水し調査を実施したまた地点 2については現地測定のみ実施した (2) 水質調査項目水質調査項目は以下のとおりとした現地測定項目 : 電気伝導度 (EC) 水温濁度塩分水質分析項目 :COD T-P T-N SS (3) 水質調査結果各地点における水質調査結果を表 1.5 に皇居外苑濠水環境改善計画に示された各濠の水質の状況を図 1.2 にそれぞれ示した皇居外苑各濠との水質を比較した結果を以下に整理したその結果 T-N が若干高い傾向を示しているもののその他の水質項目は外苑濠の現状水質と同程度か低い傾向であることが確認できたことから導水の判断をするために今後詳細に水質変動を検討することが望ましい COD については各濠の現況水質より低い傾向が確認できた T-P については各濠の現況水質と同程度か若干高い傾向であることが確認できた T-N については各濠の現況水質より高い傾向が確認できた水温塩分については 0.1% 程度と外苑濠の水質と同程度であることが確認できた表 1.5 NTT 地下配管溝内水質調査結果項目単位地点 1 地点 2 地点 3 COD mg/l T-P mg/l T-N mg/l SS mg/l 1-1 EC μs/m 水温濁度 NTU 塩分 % 地点 2は現地測定のみ 1-8

11 T-P(mg/L) T-N (mg/l) chl-a (μg/l) COD(mg/L) 透明度 (m) 透明度年平均値 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 目標値桜田濠桔梗濠半蔵濠千鳥ヶ淵牛ヶ淵清水濠大手濠日比谷濠 25 COD 年平均値桜田濠桔梗濠で概ね目標達成桜田濠桔梗濠半蔵濠千鳥ヶ淵牛ヶ淵清水濠大手濠日比谷濠 chl-a 年平均値概ね減少傾向 0 桜田濠桔梗濠半蔵濠千鳥ヶ淵牛ヶ淵清水濠大手濠日比谷濠 5 T-N 年平均値 4 H22 年以降減少傾向桜田濠桔梗濠半蔵濠千鳥ヶ淵牛ヶ淵清水濠大手濠日比谷濠 T-P 年平均値桜田濠桔梗濠で概ね目標達成千鳥ヶ淵 ~ 清水濠において目標値を超過桜田濠桔梗濠半蔵濠千鳥ヶ淵牛ヶ淵清水濠大手濠日比谷濠図 1.2 近年の水質の状況 ( 透明度 COD chl-a T-N T-P( 年平均 )) 出典 : 皇居外苑濠水環境改善計画 ( 第 2 期皇居外苑濠水質改善計画 ) 1-9

12 1.2.3 今後の課題本検討において電気通信事業者地下配管溝内の補給水源として賦存量及び水質の現状を明らかにすることができた今後は以下の検討調整を行い補給水の導水可能性を詳細検討することが望ましい (1) 水質予測モデルによる改善効果の予測前項までのヒアリング結果や水質調査結果に基づき水質予測モデルを用いて導水に伴う水量面水質面での検討を行う必要がある (2) 関係機関との継続的な情報交換の実施水質予測モデルの結果を受け水量水質面での外苑濠への寄与度が明らかになれば関係機関とより詳細な調整が必要である具体には導水位置導水量や管理区分の責任分界点をどこにするか緊急時の導水停止の連絡体制などが考えられるそのため関係機関とは継続的な情報交換を行うことが望ましい (3) 地下埋設物調査を踏まえた導水管路施設計画現段階ではどの濠にどの程度の湧水を導水するかは未確定であるそのため前項の調整結果を踏まえ導水量が確定した段階で地下埋設物調査を行い管径や詳細ルートを踏まえた導水管の詳細設計を行う必要がある (4) 導水に係る諸手続き地下配管溝湧水の環境用水での利用については先方の導水に向けた同意だけでなくいくつかの諸手続きを踏まえる必要があることから手続き内容について確認したうえで導水が確実となった段階から迅速に手続きを進める必要がある 1-10

地下水の水質及び水位地下水の水質及び水位について工事の実施による影響 ( 工事の実施に伴う地下水位の変化地下水位流動方向に対する影響並びに土地の造成工事による降雨時の濁水の影響及びコンクリート打設工事及び地盤改良によるアルカリ排水の影響 ) を把握するために調査を実施したまた

地下水の水質及び水位地下水の水質及び水位について工事の実施による影響 ( 工事の実施に伴う地下水位の変化地下水位流動方向に対する影響並びに土地の造成工事による降雨時の濁水の影響及びコンクリート打設工事及び地盤改良によるアルカリ排水の影響 ) を把握するために調査を実施したまた 4.2.2. 地下水の水質及び水位地下水の水質及び水位について工事の実施による影響 ( 工事の実施に伴う地下水位の変化地下水位流動方向に対する影響並びに土地の造成工事による降雨時の濁水の影響及びコンクリート打設工事及び地盤改良によるアルカリ排水の影響 ) を把握するために調査を実施したまた同様に存在及び供用の影響 ( 存在及び供用に伴う地下水位の変化地下水流動方向に対する影響 ) を把握するために調査を実施した

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