気的な刺激により神経を興奮させ 体の動きを促すものです 脳深部刺 激療法(DBS 手術) しかし これも病気の進行を抑えるわけではなく 効果は次第に薄れてゆきます いずれの場合も 症状を一時的に緩和するような対症療法でしかな く パーキンソン病の根本的な治療法は未だありません 2. これまでのパーキ

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1 研究の流れ 1. パーキンソン病について I. パーキンソン病ってどんな病気 パーキンソン病は 1817 年に初めて報告したパーキンソン氏の名前 からつけられた病気です 1980 年代の映画 Back to the Future で主 演を務めたハリウッド俳優マイケル J フォックスさんがこの疾患に かかったことで ご存知の方もいるかもしれません この病気は主に 50 歳以降に発症するもので 1000 人に 人ぐ らいいると言われています 体の震えや筋肉のこわばり 動作が緩慢に なるといった症状が知られています II. どうしてパーキンソン病になってしまうのか 脳の中の黒質と呼ばれる場所にたくさんあるドパミン ドーパミン ともいいます をつくる神経細胞がかぎとなっています ドパミンは神 経伝達物質の1つで 神経を興奮させる働きがあります ドパミンは ドパミン産生神経細胞により作られ 放出され 別の神経細胞に受け取 られます それにより 神経の興奮が伝えられます しかし パーキンソン病の患者さんでは ドパミン神経細胞が失われ 減少していくことにより 産生されるドパミンが少なくなってしまい ます そして ドパミン神経細胞が減り続けた結果 正常な場合の 2030%くらいまで減ってしまうと 症状が現れると言われています III. パーキンソン病の治療法 現在の治療法の 1 つは 薬を飲むことで足りなくなったドパミンを 補充する治療です 発症すると長期に渡って薬を飲むことになるので すが 薬が効果を発揮するのにもドパミン神経細胞が必要なので 病気 の進行とともにドパミン神経細胞が減り続けるとだんだんと薬が効き にくくなります 次第に薬の効く時間は短くなり 過剰に飲むと体が勝 手に動いてしまうような副作用が出てきます もう1つの治療法は 外科手術により脳の中に電極を埋め込んで 電

2 気的な刺激により神経を興奮させ 体の動きを促すものです 脳深部刺 激療法(DBS 手術) しかし これも病気の進行を抑えるわけではなく 効果は次第に薄れてゆきます いずれの場合も 症状を一時的に緩和するような対症療法でしかな く パーキンソン病の根本的な治療法は未だありません 2. これまでのパーキンソン病治療研究と課題について I. 新しい細胞を移植することで治療できる可能性と課題 根本的な治療法がない現状に手を打つべく ドパミン神経細胞その ものを移植しようという試みがなされるようになりました 1980 年代 末からスウェーデンやアメリカ カナダなどで胎児の神経細胞を移植 する臨床研究 患者さんの体での効果を試す研究 が行われました 妊 娠中絶された胎児の脳内の ドパミン神経細胞がたくさんある部位を 取り出し 細胞をばらばらにし 直接患者さんの脳に移植するというも のでした 約400例の臨床研究が行われ 中程度 軽度の患者さんに は症状の改善が見られ 20 年間効果が持続したという症例も報告され ています その一方で 勝手に体がうごいてしまうような副作用が出た ケースも報告されました また この治療法には中絶胎児を用いることや 一度の移植に必要な 細胞を集めるためには複数の中絶胎児が必要で 十分な細胞を得るこ とが難しいといった問題もありました II. ips/es 細胞を使った細胞移植治療を目指した試み 胎児由来の細胞ではなく もっと大量に集められる細胞として ES 細 胞や ips 細胞といった多能性幹細胞が注目されました これらの細胞 はほぼ無限に増殖する能力があるため いくらでも増やすことができ ます 特に ips 細胞は患者さん自身の細胞から作ることが出来ます ips/es 細胞からドパミン神経細胞をつくり 患者さんに移植する治療 を目指した研究が進められましたが 細胞移植治療を行うためにはい くつか解決すべき課題がありました

3 ① 動物因子を含まない神経誘導方法 ips/es 細胞を培養する際には フィーダー細胞と呼ばれるネズミ 由来の細胞と一緒に培養する必要がありました また 培養液中に はウシの血清を使っていました こうした動物由来の成分は未知 の感染症などの可能性を排除することが容易ではないので 移植 用の細胞にこれらをそのまま使うことは出来ません 動物因子を 含まない方法で細胞を培養する方法の開発が必要です ② 過剰な増殖を抑制するための細胞選別 ips/es 細胞は無限に増殖する能力があり これらの細胞がそのま ま体の中に入ると 増殖を続けて腫瘍 細胞の塊 を形成してしま う可能性があります 移植用に必要なドパミン神経細胞だけを選 びとる方法の開発が必要です ③ 移植細胞の生着と機能の維持 体の外で作ったものが上手く体の中にとどまって機能するかどう かはとても大切です 移植したドパミン神経細胞が排除されるこ となく脳内に生着し働き続けられるような移植方法や移植場所を 検討することが必要です ④ 長期効果と安全性確認 治療法として確立するためには 移植した細胞が長期間にわたっ て機能するのか あるいは安全性が確保できているかどうかの検 証が必要です 3. 高橋淳教授研究室での研究の流れについて パーキンソン病の細胞治療に向けて これまでに様々な研究成果を発表して きました 上述の① ④の課題を解決し 臨床応用に使用する細胞の作製方 法を確立しました ① 動物因子を含まない細胞製造法の開発

4 ips 細胞は一般にフィーダー細胞と呼ばれるマウスの細胞と一緒に培養されていましたが この方法では実験操作が煩雑ですし 移植細胞にマウスの細胞が残ってしまう可能性があります そこで ラミニンという細胞同士をつなぐ小さなタンパク質の一部を用い さらに新しい培養液の開発などを行って フィーダー細胞がなくても ips 細胞を培養できる方法を開発しました ( 中川ら 2014) また 以前はマウスフィーダー細胞を用いて神経分化誘導を行っていましたが BMP シグナルと Activin/Nodal シグナルを阻害する低分子化合物を利用することで ヒト ips/es 細胞を効率よく神経細胞へと分化させることに成功しました ( 森実ら 2011) 2 安全な細胞移植を行う方法の開発まずヒト ips 細胞の製造方法を改良しました 2007 年に発表されたヒト ips 細胞の作製方法では 4 つの遺伝子をレトロウイルスで導入していました この方法では導入した遺伝子が染色体に組み込まれますが 組み込まれる場所が選べないために運悪く他の遺伝子を壊してしまうことによる癌化の可能性もありました そこで 染色体に組み込まれることのないエピソーマルプラスミドを使って遺伝子を導入することで遺伝子変化の少ないヒト ips 細胞を樹立する方法を開発しました ( 沖田ら 2011) 上記のように神経分化誘導法を改良することにより神経分化の効率が向上し ips 細胞の残存がみられなくなりました さらに分化誘導早期の細胞の移植実験を行い もし脳内で細胞が増殖する可能性があるとすればそれは初期の神経幹細胞であること それらは放射線に感受性があることを明らかにしました ( 勝川ら 2016) さらに 神経組織の腹側にある底板のマーカーであるコリンというタンパク質を発現している細胞を選別する方法を開発し 初期神経幹細胞を除去して中脳ドパミン神経細胞を濃縮することに成功しました これにより安全かつ有効 さらに均質な細胞の移植が可能になりました ( 土井ら 2014) 中脳ドパミン神経細胞をより効率よく選別するために 中脳マーカーと底板マーカーを発現している細胞の遺伝子発現を網羅的に解析することによって新たな中脳腹側マーカーを同定しました ( 佐俣ら 2016)

5 3 移植細胞の生着をよくする方法の開発細胞の生着や機能を高めるにはホスト脳の環境も重要です そこで 既存薬としては抗てんかん薬であるゾニサミドがマウス ips 細胞由来ドパミン神経細胞の生着を向上させること明らかにしました ( 吉川ら 2013) また 細胞生着のよい脳環境と悪い脳環境の遺伝子発現を網羅的に比較解析することによって ips 細胞由来ドパミン神経細胞の生着を促進する新たな分子 NXPH3 を同定しました ( 西村ら 2015) さらに 中脳黒質のドパミン神経細胞から投射を受けている神経細胞を解析することによって インテグリンα5 がシナプス形成に関わっている可能性があること 性ホルモンエストラジオールがインテグリンα5β1 を活性化させ移植細胞とホスト神経細胞とのシナプス形成を促進させることを明らかにしました ( 西村ら 2016) このように薬物投与と組み合わせることによってホスト脳環境を至適化し 細胞移植の効果を高めることも研究しています 免疫反応については カニクイザルを用いて実験をしました カニクイザルから ips 細胞を樹立し 実際の細胞移植と同じようにドパミン神経細胞を誘導しました 同じ細胞を用いて 自分に移植する自家移植と別の個体に移植する他家移植を行い それぞれの免疫反応を直接比較したところ 自家移植では免疫抑制を行わなくても免疫反応は起こらず良好なドパミン神経細胞の生着が得られました 他家移植では 免疫抑制なしではやはり免疫反応は起こるものの細胞をすべて拒絶するほど強いものではないことが分かりました ( 森実ら 2013) これらの成果に基づいて 臨床における有効な免疫抑制法の検討を行っています 4 移植細胞の長期効果と安全性の確認 ips 細胞が発表される 1 年前の 2005 年 カニクイザルの ES 細胞から作製したドパミン神経細胞をパーキンソン病モデル ( パーキンソン病の症状がみられる ) カニクイザルの脳内に移植し パーキンソン病症状が改善することを世界に先駆けて証明しました ( 高木ら 2005) さらにヒト ES 細胞を用いて移植後 1 年間の経過観察を行い やはりカニクイザルモデルの神経症状が改善することを明らかにしました これらのサルでは腫瘍形成は認められませんでした ( 土井ら 2012) また ヒト ips 細胞由来ドパミン神経細胞でも 少なくとも 6 か月は良好な生着が得られることを確認しました ( 菊地ら 2011)

6 これらの結果から ヒト ips 細胞から誘導したドパミン神経細胞は腫瘍形成をきたすことなく神経症状の改善をもたらすことが期待できます 現在は 臨床用に確立した製造法で作製したドパミン神経細胞の有効性と安全性をもう一度検証している段階です < 掲載論文に関する情報 > 1 Nakagawa M, Taniguchi Y, Senda S, Takizawa N, Ichisaka T, Asano K, Morizane A, Doi D, Takahashi J, Nishizawa M, Yoshida Y, Toyoda T, Osafune K, Sekiguchi K, Yamanaka S A Novel Efficient Feeder-Free Culture System for the Derivation of Human Induced Pluripotent Stem Cells. Scientific Reports 4. doi: /srep Morizane A, Doi D, Kikuchi T, Nishimura K, Takahashi J Small-Molecule Inhibitors of Bone Morphogenic Protein and Activin/nodal Signals Promote Highly Efficient Neural Induction from Human Pluripotent Stem Cells. Journal of Neuroscience Research 89 (2): doi: /jnr Okita K, Matsumura Y, Sato Y, Okada A, Morizane A, Okamoto S, Hong Hyenjong, Nakagawa M, Tanabe K, Tezuka K, Shibata T, Kunisada T, Takahashi M, Takahashi J, Saji H, Yamanaka S A More Efficient Method to Generate Integration-Free Human ips Cells. Nature Methods 8 (5): doi: /nmeth Katsukawa M, Nakajima Y, Fukumoto A, Doi D, Takahashi J Fail-safe therapy by gamma-ray irradiation against tumor formation by human induced pluripotent stem cell-derived neural progenitors. Stem Cells and Development 25 (11): doi: /scd Doi D, Samata B, Katsukawa M, Kikuchi T, Morizane A, Ono Y, Sekiguchi K, Nakagawa M, Parmar M, Takahashi J Isolation of Human Induced Pluripotent Stem Cell-Derived Dopaminergic Progenitors by Cell Sorting for Successful Transplantation. Stem Cell Reports 2 (3): doi: /j.stemcr Samata B, Doi D, Nishimura K, Kikuchi T, Watanabe A, Sakamoto Y, Kakuta J, Ono Y, Takahashi J Purification of functional human ES and ipsc-derived

7 midbrain dopaminergic progenitors using LRTM1. Nature Communications 7: doi: /ncomms Yoshikawa T, Samata B, Ogura A, Miyamoto S, Takahashi J Systemic administration of valproic acid and zonisamide promotes differentiation of induced pluripotent stem cell derived dopaminergic neurons. Frontiers in Cellular Neuroscience 7: 11. doi: /fncel Nishimura K, Murayama S, Takahashi J Identification of Neurexophilin 3 as a novel supportive factor for survival of induced pluripotent stem cell-derived dopaminergic progenitors. Stem Cells Translational Medicine 4 (8): doi: /sctm Nishimura K, Doi D, Samata B, Murayama S, Tahara T, Onoe H, Takahashi J Estradiol facilitates functional integration of induced pluripotent stem cell-derived dopaminergic neurons into striatal neuronal circuits via activation of integrin α5β1. Stem Cell Reports 6 (4): doi: /j.stemcr Morizane A, Doi D, Kikuchi T, Okita K, Hotta A, Kawasaki T, Hayashi T, Onoe H, Shiina T, Yamanaka S, Takahashi J Direct Comparison of Autologous and Allogeneic Transplantation of ipsc-derived Neural Cells in the Brain of a Nonhuman Primate. Stem Cell Reports 1 (4): doi: /j.stemcr Takagi Y, Takahashi J, Saiki H, Morizane A, Hayashi T, Kishi Y, Fukuda H, Okamoto Y, Koyanagi M, Ideguchi M, Hayashi H, Imazato T, Kawasaki H, Suemori H, Omachi S, Iida H, Itoh N, Nakatsuji N, Sasai Y, Hashimoto N Dopaminergic Neurons Generated from Monkey Embryonic Stem Cells Function in a Parkinson Primate Model. Journal of Clinical Investigation 115 (1): doi: /jci Doi D, Morizane A, Kikuchi T, Onoe H, Hayashi T, Kawasaki T, Motono M, Sasai Y, Saiki H, Gomi M, Yoshikawa T, Hayashi H, Shinoyama M, Mohamed R, Suemori H, Miyamoto S, Takahashi J Prolonged Maturation Culture Favors a Reduction in the Tumorigenicity and the Dopaminergic Function of Human ESC-Derived Neural Cells in a Primate Model of Parkinson s Disease.

8 Stem Cells 30 (5): doi: /stem Kikuchi T, Morizane A, Doi D, Onoe H, Hayashi T, Kawasaki T, Saiki H, Miyamoto S, Takahashi J Survival of Human Induced Pluripotent Stem Cell Derived Midbrain Dopaminergic Neurons in the Brain of a Primate Model of Parkinson s Disease. Journal of Parkinson s Disease 1 (4): doi: /jpd

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in vivo Title 第 288 回 東 京 歯 科 大 学 学 会 ( 総 会 ) Journal 歯 科 学 報, 109(4): 405-443 URL http://hdl.handle.net/10130/1668 Right Posted at the Institutional Resources for Unique Colle Available from http://ir.tdc.ac.jp/

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背景 歯はエナメル質 象牙質 セメント質の3つの硬い組織から構成されます この中でエナメル質は 生体内で最も硬い組織であり 人が食生活を営む上できわめて重要な役割を持ちます これまでエナメル質は 一旦齲蝕 ( むし歯 ) などで破壊されると 再生させることは不可能であり 人工物による修復しかできませ 報道機関各位 ips 細胞からエナメル質をつくる細胞を誘導 歯の再生への応用が期待 平成 24 年 2 月 10 日 東北大学大学院歯学研究科 ポイント 歯のエナメル質をつくる細胞( エナメル芽細胞 ) は 歯の萌出後に失われる ips 細胞からエナメル芽細胞を世界で初めて誘導 エナメル芽細胞の分化機序解明や 歯の再生への細胞ソースとして利用可能 概要 国立大学法人東北大学は 幹細胞が上皮細胞との相互作用により

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ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年 2015 年 10 月 1 日放送 第 64 回日本アレルギー学会 1 教育講演 11 ランゲルハンス細胞 過去 現在 未来 京都大学大学院皮膚科教授椛島健治 はじめに生体は 細菌 ウイルス 真菌といった病原体などの外来異物や刺激に曝露されていますが 主に免疫システムを介して巧妙に防御しています ところが そもそも有害ではない花粉や埃などの外来抗原に対してさえも皮膚が曝露された場合に 過剰な免疫応答を起こすことは

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