日本原子力研究開発機構における原子力エネルギー研究開発のとりくみ

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えつみとべ
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1 研究会資料 06-5 戦略調査セミナー報告 (2) ウラン資源の将来見通し平成 18 年 3 月 2 日経営企画部戦略調査室小林孝男

2 目次 1. ウラン資源量と区分 2. ウラン資源の分布 3. ウラン生産能力 4. ウラン価格とウラン濃縮の関係 5. ウラン鉱床の発見 6. ウラン探査技術の壁とは? 7. ウラン資源の将来見通し

3 1-1 世界のウラン資源量コスト区分既知資源 ( 万 tu) 未発見資源 ( 万 tu) 在来型資源確認資源推定追加資源 Ⅰ 推定追加資源 Ⅱ 期待資源総計 ( 万 tu) コスト区分なし 310 <US$130/kgU (<US$50/ ホント U3O8) <US$ 80/kgU (<US$30/lbU3O8) <US$ 40/kgU (<US$15/ ホント U3O8) ,440 既知資源 : 発見済みの資源であり規模品位形状が明らかな鉱床中に存在する確認資源と鉱床の規模特性に関するデータが不十分な推定追加資源 Ⅰ に区分される推定追加 Ⅱ: 既存鉱床の地質的延長に存在が間接的事実を基に推定される未発見資源をいう期待資源 : 特定の地質鉱床地帯の中に期待される未発見資源をいうデータ :OECD/NEA-IAEA( レッドブック )2003

4 世界のウラン資源量 ( レットフック 2005 トラフトとの比較 ) コスト区分既知資源 ( 万 tu) 未発見資源 ( 万 tu) 在来型資源確認資源推定追加資源 Ⅰ 推定追加資源 Ⅱ 期待資源総計 ( 万 tu) コスト区分なし 310 (300) 1,440 (1,480) <US$130/kgU (<US$50/ ホント U3O8) <US$ 80/kgU (<US$30/lbU3O8) <US$ 40/kgU (<US$15/ ホント U3O8) 320 (330) 460 (475) (145) 350 (380) (265) 110 (115) (170) 250 (275) 170(195) 80(80) (250) 440 (455) ( 青字 ) 内がレッドブック 2005 ドラフトデータ :OECD/NEA-IAEA( レッドブック )2003,2005 ドラフト

5 1-2 在来型資源と非在来型資源在来型資源 : ウランが主要な生産物か共産物あるいは重要な副産物である資源不整合関連型鉱床砂岩型鉱床: ウランが主産物オリンピックダム鉱床: 銅とウランが共産物金が副産物南アの石英礫岩型鉱床: 金が主産物ウランが副産物非在来型資源 : 非常に品位の低いウラン資源やウランが副産物として回収可能ではあるがウランが占める経済的重要性の低い資源フォスフェイト( 海成燐酸塩鉱床 2,200 万 tu) カーボナタイト( 火成炭酸塩岩 ) ブラックシェール( 黒色頁岩 ) 中のウランなどがある海水ウランも広義の非在来型資源に属するが通例別の項目として扱われる

6 1-3 ウラン資源の利用可能年数炉 / 燃料サイクル *1 現在の燃料サイクル ( 軽水炉ワンススルー ) 燃料リサイクル (Pu 1 リサイクル ) 軽水炉と高速炉 ( 混合リサイクル ) 高速炉燃料サイクル ( 完全リサイクル ) 在来型既知資源の利用可能年数 *2 在来型資源の利用可能年数 * ,550 8,500 データ :OECD/NEA-IAEA( レッドブック )2003 *1: 燃料サイクルの条件特性 :OECD/NEA, Trends in the Nuclear Fuel Cycle,2003 より抜粋 LWR ワンススルー LWR ワンリサイクル LWR+FR 混合リサイクル FR 完全リサイクル燃焼度 (GWd/tHM) and 150 (FR) 123 濃縮度 (%) 天然 U(t/TWh) 濃縮作業量 SWU , , ,808 *2:2002 年の原子力発電量 2,570TWhe net をヘースとした利用可能年数 0.7 (depl.) -

7 ウラン資源の利用可能年数 ( レットフック 2005 トラフトとの比較 ) 炉 / 燃料サイクル *1 在来型既知資源の利用可能年数 *2 在来型資源の利用可能年数 *2 在来型非在来型資源の利用可能年数 *2 現在の燃料サイクル ( 軽水炉ワンススルー ) 85 (85) 270 (270) (675) 燃料リサイクル (Pu 1 リサイクル ) 100 ( ) 300 ( ) ( ) 軽水炉と高速炉 ( 混合リサイクル ) 130 ( ) 410 ( ) ( ) 高速炉燃料サイクル ( 完全リサイクル ) 2,550 (2,570) 8,500 (8,015) (19,930) データ :OECD/NEA-IAEA( レッドブック )2003,2005 ドラフト ( 青字 ) がレッドブック 2005 ドラフト *1: OECD/NEA, Trends in the Nuclear Fuel Cycle,2003 の条件特性に基づく *2: 2003 年版は 2002 年の原子力発電量 2,570TWhe net をヘース 2005 年ドラフトは 2004 年の原子力発電量 2,638TWhe net をヘースとした利用可能年数

8 2-1 世界のウラン資源の国別分布ウクライナ (39.4/79.0) ニジェール (227.6/329.8) カザフスタン (622.4/847.6) ウズベキスタン (93.3/118.5) ロシア (158.3/264.2) モンゴル (62.0/62.0) カナダ (438.5/438.5) 米国 (102.0/345.0) ナミビア (212.9/257.6) 南アフリカ (298.6/395.7) オーストラリア (989.0/1058.0) 回収ウランコスト $80/kgU 以下の資源回収ウランコスト $80~$130/kgU の資源 ( コスト $80/kgU 以下 / コスト $130/kgU 以下の資源 ) ブラジル (143.3/143.3) 単位 1,000tU データ :OECD/NEA-IAEA( レッドブック )2003

9 2-2 世界の主要企業別ウラン資源保有量 ( コスト $80/kgU 以下の既知資源に相当 ) 日本は鉱山会社電力会社商社による海外探鉱開発プロジェクトへの参加などにより約 60,000tU( 約 1.7%) の資源量を確保しているが年間 8,000~10,000tU( 世界の年間需要の 12~14%) を使う大消費国としてはあまりにも貧弱な確保量日本 1.7% Navoi 2.7% その他 % TVEL % Kazatomprom % 世界全体 350 万 tu Rio Tinto % COGEMA % BHP Billiton % CAMECO % BHP Billiton CAMECO COGEMA Rio Tinto Kazatomprom( カザフ ) TVEL( ロシア ) Navoi( ウズベキスタン ) 日本その他データ :2006/1 JAEA 調べ各企業 HP OECD/NEA-IAEA( レッドブック )2003 他

10 3-1 世界の企業別ウラン生産量 (2004 年 ) Navoi 5% Rossing (Rio Tinto) 8% その他 17% TVEL( ロシア ) 8% BHP Billiton 9% 世界の生産量 40,219tU Kazatom prom 9% Cameco 20% ERA (Rio Tinto) 11% Cogema 13% Cameco Cogema ERA(Rio Tinto) Kazatomprom( カザフ ) BHP Billiton TVEL( ロシア ) Rossing(Rio Tinto) Navoi( ウズベキスタン ) その他データ :WNA ,038 5,317 4,356 3,718 3,706 3,200 3,038 2,050 6,796

11 3-2 世界の主要ウラン生産センター (1/2) カナタ鉱山 / 鉱床名現状計画生産容量 (tu/ 年 ) 拡張見込容量 2010 年 (tu/ 年 ) ラビットレイク鉱山 Eagle Point の埋蔵量は 2007 年にも枯渇 4,610 4,610 マックリーンレイク鉱山 JEB 製錬所の能力拡張 2006 年 4,610tU/y 以上を計画中 3,070 4,610 ミッドウエスト鉱床シガーレイク鉱床マッカーサーリバー鉱山開発準備中 JEB 製錬所で処理 2007 年生産予定ラヒットレイクと JEB でシェアー別に製錬 2006 年に 8,450tU/ 年に増産予定キーレイク鉱山で製錬 7,185 8,450 米国 ISL 生産中 2,525 2,525 オーストラリアニシェールナミヒアレンジャー鉱山あと 10 年程度で埋蔵量枯渇シャヒルカの鉱石を処理予定 4,750 4,750 ジャビルカ鉱床開発準備中 ( 先住民の同意取得が課題 ) オリンピックダム鉱山銅と共産 12,720~25,740tU/y への大幅拡張計画中 3,900 12,720 Beverley 鉱山 ISL 生産中 1,000 1,000 Honeymoon ISL 開発準備中 340 アーリット鉱山生産中 1,500 1,500 アクータ鉱山生産中 2,300 2,300 Rossing 鉱山 2016 年までの生産延長を決定 4,000 4,000 Ranger Heinrich 鉱床 PALADIN( 豪 ) が開発 2006 年生産予定 1,000

12 3-2 世界の主要ウラン生産センター (2/2) 鉱山 / 鉱床名現状計画生産容量 (tu 年 ) 拡張見込容量 2010 年 (tu/ 年 ) 南ア Vaal Reefs 鉱山金の副産物 1,272 1,272 フラシル Itataia 鉱床開発計画中 680 Lagoa Real 生産中カザフスタンカザフ単独 ISL 生産中 2010 年までに大幅拡張計画中 2,600 Akdala UrAsia との JV 2006 年から商業生産 2015 年に最大 3,840tU/y 700 Moinkum -sites 2,3 COGEMA との JV 2006 年に 1,000tU/y の商業生産 700 Inkai-sites 1,2 Cameco との JV 2007 年から商業生産 2010 年に 2,000tU/y 700 West Mynkuduk 住友商事関電との JV 2010 年頃までに 1,000tU/y の商業生産ロシア Krasnokamensk 坑内採掘低品位で採掘コストが相当高いと推測 3,500 3,500 Various ISL 生産中ウクライナ坑内採掘低品位で採掘コストが相当高いと推測 1,000 1,000 ウズベキスタン ISL 生産中 2,300 2,300 15,000 中国 Xiangshan 相山他坑内採掘が主生産量は減少傾向と推測 Yili ISL 生産中合計 49,552 73,157 データ : 各企業 HP ニュースリリース OECD/NEA-IAEA レッドブック 2003 他

13 原子力発電需要とウラン生産能力データ :OECD/NEA-IAEA レッドブック 2005 ドラフト

14 4.1 濃縮テール濃度と必要ウラン量の関係出展 :Insight into the Future:Uranium Prices and Price Formation , T.Neff,2004

15 4.2 ウランスポット価格の推移 US$/ ホント U3O スポット取引量 2005 年 :11,300tU 2004 年 : 7,500tU 2003 年 : 8,500tU 2002 年 : 7,700tU データ :Ux コンサルティング現在参考 Cameco の推定平均販売価格 ( スポット価格に対する割合 )$ は米ドル Spot Price $25 $18.25 (73%) $19.75 (79%) $23.50 (94%) $35 $19.25 (55%) $22.75 (65%) $28.25 (81%) $45 $20.50 (46%) $25.75 (57%) $32.75 (73%) データ :Cameco ニュースリリース

16 5-1 ウラン鉱床発見埋蔵量と発見年 ( 西側世界のみ ) JAEA 調べ

17 6-1 カナダアサバスカ地域の位置

18 6-2 カナダアサバスカ地域のウラン探査

19 6-3 アサバスカ地域のウラン探査イメージ

20 6-4 不整合関連型ウラン鉱床の鉱床モデル

21 6-5 キーレイク鉱床付近の空中磁気マップ

22 6-6 空中磁気探査と地上電磁気探査結果

23 6-7 地上時間領域電磁気探査の解析

24 6-8 探査対象の深部化

25 6-9 顕著な石墨層を伴わないウラン鉱床

26 7-1 主要鉱床の探鉱 ~ 生産リードタイム国名鉱床 / 鉱山名探鉱開始年発見年生産開始年リートタイム : 年 ( ) 内は発見時からオーストラリア Beverley (ISL) (30) オーストラリア Honeymoon (ISL) 未定 >38 (>34) オーストラリア Jabiluka (UG) l 未定 >38 (>35) オーストラリア Olympic Dam (UG) 1970 s 初期 (12) オーストラリア Ranger (OP) (12) フラシル Lagoa Real (24) カナダ Cigar Lake ( 予定 ) 38 (26) カナダ Key Lake (8) カナダ McArthur River (11) カナダ McClean Lake (20) カサフスタン Inkay (ISL) (22) カサフスタン Kanzhugan (ISL) (8) カサフスタン Mynkuduk (ISL) (12) カサフスタン Uvanas (8) ニシェール Akouta (6) ニシェール Arlit (5) 平均 22.5 (17) データ :OECD/NEA-IAEA( レッドブック )2003

27 7-2 西側ウラン鉱山の枯渇時期と追加発見されるべき埋蔵量

28 7-3 西側世界のウラン資源発見効率

29 7-4 ウラン資源発見コスト今回検討した西側世界の発見コスト (1974~2004) 探鉱費 * ( 百万 US $) 発見埋蔵量 ( 万 t U ) 発見コスト (US $/kg U) 過去 31 年間 ( ) 6, 過去 20 年間 ( ) 2, 過去 10 年間 ( ) オーストラリアとカナダの発見コスト (~1998) *: 探鉱費のデータは OECD/NEA-IAEA レッドブック 1998 年までの探鉱費総額 ( 百万 US $) 既知資源総計 ( 万 t U) 発見コスト (US $/kg U) オーストラリア * カナダ 1, * *1: オーストラリアの累計生産量 ( t U) + 既知資源 ( t U), Red Book to *2 : カナダの累計生産量 ( t U) + 既知資源 ( t U),Red Book to 年までの探鉱費 ( 百万 US $) の追加既知資源 ( 万 t U) 発見コスト (US $/kg U) オーストラリアカナダデータ :Analysis of Uranium Supply to 2050, IAEA,2001

30 まとめ < 比較的近未来 : > ウラン資源は現状規模の発電需要では 1 世紀近く賄える量が確認されているが現在の生産能力は 3 万 tu/ 年近く不足しているウラン鉱山の開発計画は活発であり 20 年程度先を見た場合低コストウランの供給能力に大きな問題はないと予想される濃縮容量の拡大によってもウラン資源は年間 1 万 tu 近く節約可能 < 長期的未来 :2025~> ウラン鉱床の発見はますます困難になりつつありより長期的には低コストウランの補充がタイムリーに行われない可能性がある比較的高コスト (>US$80/kgU) のウラン鉱床は容易に発見されるが環境負荷などの問題からさらなる高コスト化が予想されるウランが不足することはないが価格が US$130/kgU 以上に上昇する可能性が高い

資料 2 ウラン資源とその需給について資源探査部中村英克

資料 2 ウラン資源とその需給について資源探査部中村英克資料 2 ウラン資源とその需給について資源探査部 2018.07.26 中村英克独政法油天然ガス属鉱物資源機構 Japan Oil, Gas and Metals National Corporation JOGMEC の使命国際的な資源獲得競争が激化する中我が国企業による資源開発の援及びセキュリティの最後の砦としての資源備蓄の両輪を通じ資源の多くを海外に依存する我が国の安定供給に貢献すること

日本原子力研究開発機構における 原子力エネルギー研究開発のとりくみ

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