造船市場の概要 ( ポイント ) 1. 世界の造船市場 2. 日本の造船業 ポイント 近年 建造量はあまり変動は見られないが 先行指標である受注量は 216 年に激減 ( 対前年比約 79% 減シェア : 日本 14% 韓国 28% 中国 34%)217 年は全体として回復基調であるが依然として厳し

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1 資料 2-1 造船市場の現状 国土交通省海事局 平成 29 年 12 月 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

2 造船市場の概要 ( ポイント ) 1. 世界の造船市場 2. 日本の造船業 ポイント 近年 建造量はあまり変動は見られないが 先行指標である受注量は 216 年に激減 ( 対前年比約 79% 減シェア : 日本 14% 韓国 28% 中国 34%)217 年は全体として回復基調であるが依然として厳しい状況 ( 対前年比約 32% 増シェア : 日本 7% 韓国 48% 中国 26% 消費者物価指数を基準とした船価の推移は近年減少傾向にあり ハンディサイズバルカー以外は 211 年以降で最も低い水準 ポイント 該当ページ P3,4 P1 該当ページ 日本の総合重工系造船会社において事業体制の見直し P16-18 造船業の就労者数は約 81, 人 ( このほか別途外国人就労者約 2,4 人 ) であり ここ 1 年は約 8, 人前後で推移 日本人技能者は 1 年前の高齢化構造から脱却 P24-26 P23 3. 競争相手国の造船業の動き ポイント該当ページ 韓国 中国では造船業への公的支援を実施 (WTO 補助金協定抵触可能性有り ) P33,34 ロット受注が増加 主に韓国が受注しており 日本は受注できていない P37 1

3 1. 世界の造船業の概観 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 2

4 世界の荷動き量と新造船建造量の推移 世界の海上荷動き量は リーマンショック (28 年秋 ) の翌年に 前年比で減少したものの 基本的には世界経済成長率と連動して増加 世界の新造船受注量がリーマンショック以降に激減したため 建造 ( 竣工 ) 量はリーマンショック前の受注船がほぼ竣工した 211 年をピークに大きく落ち込んだ 11, 1, 9, 8, 7, 6, 5, 建造量万総トン 73 年 1 月第一次オイルショック 78 年末第二次オイルショック 8 年 3 月第一次造船設備削減 85 年 9 月プラザ合意 世界の新造船建造量の推移 88 年 3 月第二次造船設備削減 その他 欧州 韓国 中国 日本 荷動き量 8 年 9 月リーマンショック 荷動き量百万トン 12, 1, 8, 6, 4, 3, 97 年 7 月アジア通貨危機 4, 2, 2, 1, 出典 : 建造量 IHS Fairplay 荷動き量 Clarksons 3

5 日中韓の受注量 近年 中国 韓国の受注量が減少していく中 円高是正にも支えられ 高性能 高品質の日本船への回帰によって 日本の受注量 シェアは急速に増加し 215 年は 韓国を抜き世界 2 位に浮上 216 年は海運市場の低迷等の影響により世界的に建造需要が低迷し 217 年は回復基調にあるもののいまだ低水準である上 日本のシェアは 7% にとどまっている 14, 12, 万総トン その他 欧州 韓国 中国 受注量と為替レート ( 円 / ドル ) の推移 韓国シェア 45% 中国シェア 3% 日本シェア 7% 円 / ドル , 8, 6, 4, 日本 為替 ( 円ドル ) , (1-11 月 ) 出典 : IHS Fairplay 4

6 世界の受注量 ( 船種別 ) の推移 14, 万総トン 12, 1, 8, その他 LNG 船 タンカー 6, 4, コンテナ船 バルカー 2, (1-11 月 ) 出典 : IHS Fairplay 5

7 日中韓の手持工事量の推移 各国の手持工事量 ( 総トン数ベース ) は 受注量の低迷から継続して減少 手持工事量 ( 年数ベース ) では 日本 中国が概ね 2 年超を確保している一方 韓国は 1.5 年分まで減少している状況だが 公的金融支援の効果もあり 今年に入り 大型タンカー コンテナ船を中心に受注しており 危機を脱しつつある 12, 1, 8, 6, 4, 2, 万総トン 1,795 8,446 8,9 7,113 4,998 3,989 手持工事量 ( 総トン ) 手持工事量 ( 年 ) 8,589 7,713 7,283 6,96 6,344 6,367 6,346 5,649 5,21 3,499 2,948 2,937 5,687 5,239 4,381 3,522 4,226 日本 中国 3,237 韓国 年 中国 1.7 韓国 日本 (11 月 ) (11 月 ) 手持工事量 ( 年 ) は 手持工事量 ( トン ) を過去 12ヶ月の建造量で除したもの 出典 : IHS Fairplay 6

8 造船企業別竣工量ランキング (216 年 ) 世界 日本 現代重工業大宇造船海洋現代三湖重工業今治造船サムスン重工業 JMU 上海外高橋造船城東造船海洋現代尾浦重工業江蘇新揚子造船大連船舶重工集団 STX 造船大島造船所江蘇新時代造船大韓造船名村造船所 NACKS 大宇マンガリア重工新来島どっく三井造船常石造船滬東中華造船江蘇揚子江鑫福造船上海江南長興造船中船澄西船舶修造 韓国 日本 中国 その他 万総トン 今治造船 JMU 大島造船所 名村造船所 新来島どっく 三井造船 三菱重工業 サノヤス造船 常石造船 住友重機械工業 川崎重工業 尾道造船 北日本造船 福岡造船 神田造船所 内海造船 檜垣造船 今治造船は 岩城造船 新笠戸ドック しまなみ造船 あいえす造船を含む 名村造船は 函館どっく 佐世保重工を含む 三井造船は 新潟造船 四国どっく 南日本造船を含む 新来島どっくは 新来島波止浜どっく 新来島豊橋造船 新高知重工を含む 出典 : IHS Fairplay 万総トン 7

9 世界の造船業の供給能力過剰問題 (Excess Capacity) について リーマンショック前の新造船の大量発注 その後の海上荷動きの低迷により 現在 世界的な造船供給能力過剰 (Excess Capacity) に陥っている これにより船価が低迷し 世界的に市場が悪化 供給能力過剰問題の解決には 経営難に陥った造船所が市場から退出することが必須 しかしながら 韓国の政府支援等により 経営難に陥った造船所が生き延び 供給能力過剰問題は改善されていない G2 首脳宣言や OECD 閣僚理事会議長声明において 市場歪曲の防止及び供給能力過剰問題の解決に向け 政府支援防止の重要性を指摘 217 G2 ハンブルク サミット首脳宣言 ( 抜粋 ) 過剰生産能力産業部門における過剰生産能力が国内生産, 貿易及び労働者に与える継続的な負の影響を認識して, 我々は, この地球規模の課題に対処する集団的な解決策を見出すための協力を一層強化することにコミットする 我々は, 政府及び関連主体による市場歪曲的な補助金及びその他の支援措置の撤廃を緊急に求める 我々それぞれは, 真に公平な競争条件を促進するような集団的解決策を実行するために必要な行動をとることにコミットする 217 OECD 閣僚理事会議長声明 ( 抜粋 ) 出展 : HIS Fairplay 鉄鋼, アルミニウム及び造船を含む, 影響を受けた全てのセクターにおいて, 過剰生産能力に対処するための緊急, 集団的かつ効果的な行動を要請 8

10 海上運賃の推移バルカーバルカー運賃は 依然として低い水準であるが 小幅ながら上昇傾向 タンカー運賃は 季節要因等による変動が大きく 216 年 12 月より低下傾向に転じている タンカー 千ドル / 日 千ドル / 日 ケープサイズ パナマックス ハンディサイズ VLCC スエズマックス アフラマックス 千ドル / 日 千ドル / 日 直近 12 ヶ月の推移 直近 12 ヶ月の推移 出典 :Clarksons 9

11 ルカータンカ新造船受注船価の推移 近年 バルカー タンカー共に船価は 低い水準で推移 CPI( 消費者物価指数 ) を基準とした船価の推移は近年減少傾向にあり ハンディサイズバルカー以外は 211 年以降で最も低い水準 バ 百万ドル 船価の推移 ケープパナマックスハンディマックスハンディ (21 年 =1) 25 ケープ 2 船価 21 年船価 CPI を基準とした船価の推移 CPI 21 年 CPI 1 パナマックスハンディマックスハンディ 百万ドル ー18 VLCC 16 スエズマックス 14 アフラマックス 12 ハンディ (21 年 =1) 2 VLCC 船価 21 年船価 CPI 21 年 CPI 1 スエズマックスアフラマックスハンディ 出典 :Clarksons 1

12 為替の推移 年央まで円高傾向にあったが 216 年後半から大きく円安が進み 日本の競争力が回復 22 2 円 / ドル ウォン / ドル 人民元 / ドル (1994 年 =1) 円 / ドル ウォン / ドル 人民元 / ドル 217 年 11 月 188. ウォン / ドル 22 2 ウォン / 円 人民元 / 円 ウォン / 円 人民元 / 円 (1994 年 =1) 中韓有利円高ウォン安人民元安 年 11 月 112. 円 / ドル 年 11 月 9.71 ウォン / 円 年 11 月 人民元 / ドル 年 11 月.59 人民元 / 円 日本有利円安ウォン高人民元高 アジア通貨危機 リーマンショック アジア通貨危機 リーマンショック 出典 : 日本銀行 韓国外換銀行 SEARCHINA 11

13 2. 日本の造船業 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 12

14 日本造船企業の類型 企業類型 1 大量建造型 企業類型 2 百貨店型 企業類型 3 ( 高付加価値船 ) 特化型 オーナー系専業 バルカーを中心に連続大量建造 他造船所を吸収して規模拡大 埋め立てや隣接地買収により 敷地 ドック拡張 増産へ 総合重工 オーナー系専業 三菱重工業 三井造船 IHI 日立造船 今治造船 日本鋼管 常石造船 川崎重工業 名村造船所 佐世保重工業 大島造船所 住友重機械工業 新来島どっく 幸陽船渠 カナサシ重工 2 年建造量 216 年建造量 1 かつて 総合重工が上位を占めた 2 3 総合重工子会社専業 総合重工 3 社から造船を分社して統合 大から小まで 海洋や艦船も含めて多品種建造 多数の事業所を有し それぞれに最適船型を集中して 効率化 今治造船 JMU 大島造船所 名村造船所新来島どっく 三井造船 三菱重工業サノヤス造船 常石造船 住友重機械工業 川崎重工業 尾道造船 北日本造船 福岡造船 神田造船所 内海造船 檜垣造船 現在の建造量は オーナー系専業が圧倒 総合重工の船舶部門 商船では 川重と三菱はガス船に特化 三菱は客船に進出 三井は海洋開発分野の売上げ大 いずれも艦船 ( 海保 防衛 ) を手がける 216 年度造船部門売上高 今治造船 JMU 大島造船所 名村造船所新来島どっく 三井造船 三菱重工業サノヤス造船 常石造船 住友重機械工業 川崎重工業 尾道造船 北日本造船 福岡造船 神田造船所 内海造船 檜垣造船 三井海洋開発 売上額で見れば 特化型の存在感が増す , 2, 3, 4, 5, ( 万総トン ) ( 万総トン ) ( 億円 ) 13

15 日本の主要造船会社の財務状況 日本の主要造船所 ( 造船部門の損益を発表している 7 社 ) の 217 年度第 2 四半期 (4-9 月期 ) 決算は 受注時の船価低迷の影響により厳しい経営環境にある中 4 社が黒字を計上 残り 3 社は 受注船に係る損失引当の計上等により赤字を計上 5, 三井造船 川崎重工業 億円億円億円 3% 2, 3% 2, 住友重機械工業 ( 株 ) 3% 2,5 15% 1, 15% 1, 15% 売上高 % % % 営業利益 2,5-15% 1, -15% 1, -15% 売上高営業利益率 5, H24 H25 H26 H27 H28 H29 船舶 海洋セグメント (4-9) -3% 2, H24 H25 H26 H27 H28 H29 (4-9) 船舶海洋セグメント -3% 2, H24 H25 H26 H27 H28 H29 船舶セグメント (4-9) -3% ジャパンマリンユナイテッド 名村造船所 億円億円億円 5, 3% 2, 3% 2, サノヤス造船 3% 億円 2, 内海造船 3% 2,5 15% 1, 15% 1, 15% 1, 15% % % % % 2,5-15% 1, -15% 1, -15% 1, -15% 5, -3% 2, -3% 2, -3% 2, -3% H24 H25 H26 H27 H28 H29 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H24 H25 H26 H27 H28 H29 (4-9) (4-9) (4-9) 新造船 修繕船事業セグメント (4-9) 造船事業セグメント 船舶事業セグメント 三菱重工業は 造船部門の損益非公開 今治造船 大島造船所等は未発表 出典 : 各社ホームページ等 14

16 日本主要造船所の分布 サノヤス造船 常石造船 福山市 倉敷市 内海造船 三井造船 川崎重工業 三菱重工業 玉野事業所 瀬戸田工場 神戸造船所 尾道市 内海造船 川崎重工業 舞鶴事業所 ｼﾞｬﾊﾟﾝﾏﾘﾝﾕﾅｲﾃｯﾄﾞ 四国ドック 尾道造船 下関造船所 ｼﾞｬﾊﾟﾝﾏﾘﾝﾕﾅｲﾃｯﾄﾞ 坂出工場 因島工場 尾道市 三菱重工業 瀬戸内 北部九州を中心に造船所群を形成 神戸造船所 高松市 今治造船 津事業所 JMUアムテック 相生市 広島工場 三原市 新潟造船 函館どっく 佐世保重工業 函館造船所 函館どっく 名村造船所 新来島広島どっく 室蘭製作所 伊万里事業所 東広島市 ｼﾞｬﾊﾟﾝﾏﾘﾝﾕﾅｲﾃｯﾄﾞ 呉事業所 新笠戸ドック 下松市 三井造船 千葉事業所 市原市 三菱重工業 今治造船 横浜製作所 丸亀事業本部 ｼﾞｬﾊﾟﾝﾏﾘﾝﾕﾅｲﾃｯﾄﾞ あいえす造船 今治造船 多度津工場 今治市 ｼﾞｬﾊﾟﾝﾏﾘﾝﾕﾅｲﾃｯﾄﾞ 新高知重工 新来島どっく 大西工場 今治市 下ノ江工場 臼杵市 今治造船 南日本造船 大在工場 大分市 今治工場 新来島波止浜どっく 今治市 横浜事業所 日高郡由良町 仲多度郡多度津町 佐伯重工業 南日本造船 MES-KHI由良 有明事業所 玉名郡長洲町 岩城造船 横須賀市 新来島豊橋造船 今治造船 西条工場 住友重機械ﾏﾘﾝｴﾝｼﾞﾆｱﾘﾝｸﾞ 主要造船所 グループ企業含む建造量が多い造船所を抽出 ①今治造船 ⑥三井造船 今治工場 玉野事業所 丸亀事業本部 千葉事業所 西条工場 南日本造船 広島工場 四国ドック 多度津造船 新潟造船 岩城造船 MES-KHI由良 修繕 新笠戸ドック あいえす造船 ⑦三菱重工業 しまなみ造船 神戸造船所 長崎造船所 ②ｼﾞｬﾊﾟﾝﾏﾘﾝﾕﾅｲﾃｯﾄﾞ 下関造船所 津事業所 横浜製作所 修繕 有明事業所 舞鶴事業所 ⑧サノヤス造船 横浜事業所 呉事業所 ⑨常石造船 JMUアムテック 修繕 ⑩住友重機械 ③ 大島造船所 ﾏﾘﾝｴﾝｼﾞﾆｱﾘﾝｸﾞ ④ 名村造船所 伊万里事業所 函館どつく 佐世保重工業 ⑪川崎重工業 神戸造船所 坂出工場 MES-KHI由良 修繕 ⑤ 新来島どっく ⑫尾道造船 大西工場 尾道造船所 新来島波止浜どっく 佐伯重工業 新来島広島どっく 新来島豊橋造船 ⑫内海造船 新高知重工 因島工場 瀬戸田工場 三菱重工業 長崎造船所 越智郡上島町 しまなみ造船 今治市 大島造船所 西海市 15

17 三菱重工業 ( 株 ) 商船事業の改革構想 長崎造船所 (LNG 船 クルーズ客船等大型船の建造 ) 立地場所と建造船実績 下関造船所 ( フェリー 官公庁船等の特殊船等の建造 修繕 ) 横浜本社 ( 船舶エンシ ニアリンク ) 商船事業の抜本改革 218 年 1 月に三菱造船と三菱重工海洋鉄構の 2 社を設立高密度艤装船や環境対策 新燃料対応などに注力 三菱重工業 横浜 長崎 神戸 下関 三菱重工船舶海洋 長崎香焼 三菱重工船体 長崎香焼 神戸造船所 ( 潜水機種 ) 艦船 潜水艦等は 商船に含まず 三菱重工業 三菱造船 本社横浜 長崎 神戸 下関 三菱重工海洋鉄構 長崎香焼 総売上高及び船舶海洋事業の売上高 シェア 2% 船舶エンジニアリング フェリー 官公庁船等の高密度艤装船の営業 設計 建造 修理 大型船の営業 設計 大型船の建造 船体ブロック建造 海洋鉄構構造物等の製造 修理 36% 売上高 (216) 39,14 億円 37% エネルギー 環境交通 輸送 ( 商船含む ) 防衛 宇宙 ( 艦船含む ) 機械 設備システムその他 他社とのアライアンス 技術提携による新船型 新技術の開発 / 設計 建造や各種ツールの標準化及び艤装品の共通化 / 各社が持つ建造能力の機能的な活用 12% 13% 船舶海洋事業 : 2, 億円規模 ( 全体の約 5%) 船舶海洋事業の売上は非公表のため推計値 今治造船 ( 株 ) ( 株 ) 大島造船所 ( 株 ) 名村造船所 217 年 3 月に今治造船 名村造船所と 217 年 6 月に大島造船所とアライアンスに関する基本合意 上記取組以外にも 213 年 4 月に三菱重工業と今治造船と LNG 運搬船の設計及び販売を手掛ける合弁会社 MI LNG カンパニー を設立 2 社の技術力と建造能力を活かし 国際競争力を強化 16

18 三井造船 ( 株 ) による持株会社制への移行 工場の立地場所と建造船実績 三井造船 大分事業所 ( クレーン等の製造 ) 三井造船 玉野事業所 ( 艦船 官公庁船 バルカー等の建造 ) 事業体制の見直し 各事業会社に業務執行権限と責任を移譲し 事業独立性と経営責任を明確にすることで 各事業の戦略立案や実行の迅速化等を図る 三井造船 千葉事業所 ( バルカー タンカー等の建造 ) MES-KHI 由良ドック 船舶の修繕 船舶 艦艇事業 三井造船 機械 システム事業 エンジニアリング事業 総売上高及び船舶海洋事業の売上高 シェア 5% 三井 E&S ホールディングス 持株会社 22% 船舶海洋 機械 1% 出資 1% 出資 1% 出資 売上高 (216) 7,315 億円 49% エンジニアリング その他 三井 E&S 造船三井 E&S マシナリー三井 E&S エンジニアリング 24% 船舶海洋 : 3,551 億円 船舶等の設計 建造 エンジニアリング 修理 保守業務等 各種機械の設計 製造 エンジニアリング 据付 修理 保守業務等 各種プラント等の設計 調達建設 据付 修理 保守業務等 17

19 川崎重工業 ( 株 ) の商船事業の見直し 坂出工場 建造ドック 2 (LNG LPG 船 ばら積み船 ) 神戸工場 建造ドック 1 ( 潜水艦 ばら積み船 ) 総売上高及び船舶海洋事業の売上高 シェア 21% 工場の立地場所と建造船実績 1% 5% 1% 7% 9% 売上高 (216 年 ) 15,188 億円 16% 22% 船舶海洋 : 1,32 億円 船舶海洋 車両 航空宇宙 ガスタービン 機械 プラント 環境 モーターサイクル & エンジン 精密機械 その他 商船事業の見直し ( 川崎重工業プレスリリースに基づく ) 船舶海洋事業全体で税前 ROIC( 投下資本利益率 ) 8% 以上達成を目指す 国内商船建造を坂出工場に集約するとともに 事業規模を約 3 割縮小 坂出工場は ガス関連技術 環境負荷低減技術を活かし ガス関連船 (LNG 船 LPG 船等 ) を主体に受注 あわせて人財育成 エンジニアリング 生産性向上の拠点機能を強化 中国の合弁会社 (NACKS DACKS) との一体運営を深化 ( 共同購買 分担建造など ) 川崎重工業 坂出工場 神戸工場 中国の合弁会社 従来より 商船建造の主力工場 2つある建造ドックのうち 既にほとんど用いられてないもの1つを閉鎖 潜水艦建造が中心( 商船は年 1~2 隻程度 ) 高速旅客船ジェットフォイルや液化水素運搬船に関する事業は継続 NACKS(1995 年 ~: 川崎重工 5% COSIC 5% ) DACKS(212 年 ~: 川崎重工 34% COSIC 36% NACKS 3% ) ( 注 ) COSIC: 中国遠洋運輸 ( 集団 ) 総公司 (COSCO) が 1% 出資 新規設備投資 (DACKS1 ドック 2 ドック ) 18

20 今治造船丸亀事業本部の設備整備 今治造船は 丸亀事業本部に大型ドック ゴライアスクレーンや大型水槽を新たに整備し 開発 設計のスピードアップを図るとともに 建造能力を強化している 総額 4 億円を投じ 国内最大級の建造設備を整備 長さ 61. m 幅 8.m 深さ 11.7m ゴライアスクレーン3 基 ( 釣り能力は最大 133トン ) 最大 22, 総トンの船舶の建造が可能 同社は 2,TEU 型大型コンテナ船を13 隻受注しており 丸亀事業本部と西条工場にて順次建造していく予定 広島工場 丸亀事業本部 また 高性能船舶の開発 設計のスピードアップ等を図るた め 約 7 億円を投じて大型試験水槽 ( 長さ約 2m) を丸亀事 業本部に新設中であり 218 年 3 月に竣工予定 本社工場 西条工場 上記以外にグループ造船所が 5 社あり 新設中の試験水槽新ドックの全景 19

21 海事業界による共通的 長期的な研究課題への取り組み 個社では困難な共通的 長期的な研究課題に取り組むため 海上技術安全研究所 ( 海技研 ) 等が主導し 関心ある企業が参加するジョイント インダストリアル プロジェクト (JIP) 方式の共同研究として 海事クラスター共同研究 が開始 第一号案件を 実海域実船性能評価プロジェクト として 参加企業を公募 海運会社 造船会社 舶用事業者等の計 25 社の体制により 平成 29 年 1 月より活動を開始 ( 今後 3 年間の計画で研究を推進 ) 今後 他の研究テーマについても共同研究の実施を検討 実海域性能プロジェクトの概要 実海域における実船性能モニタリング手法の構築 就航船の実船モニタリングデータの計測 解析 解析結果に基づく実船性能評価に関する標準手法の構築 運航フェーズ 実運航データをベースにした性能評価 設計フェーズ 水槽試験技術計算技術 実海域性能推定手法の構築 高実海域性能を有する船舶の設計に資する性能評価 ( 推定 ) 技術を構築するとともに その標準化を実施 波浪中抵抗増加 上部構造物の CFD 計算 出典 :yahoo 画像 実船モニタリングデータと平水中主機出力 - 船速 回転数関係 波浪中自航要素 実海域再現水槽 曳航水槽 実海域性能評価手法の確立 標準運航モデルでの燃料消費量評価法の検討 船主等に対する実海域性能の提示方法 計測 計算方法の標準化を実施 実海域性能の提示方法 EEDIweather の高度化 船舶の実海域性能を客観的に評価できる ものさし の確立 2

22 中小造船業の近年の動向 中小造船事業者は 船主のニーズに合わせた多様な船種の船舶の建造能力を有している IoT 技術やAI 等を活用した革新的造船技術の研究開発が進んでいる 近年 内航船 ( 特に貨物船 ) の建造需要が 増加傾向にある 中小造船事業者が供給している船舶 内航船舶建造認定実績 14 隻 131 貨物船油送船タグボート 漁船コンテナ船旅客船 中小造船事業者による技術研究開発 造船用オープンソース 3D-CAD AR マーカーを用いた船舶部品管理 取り付ける部品の AR マーカーを認識 油送船 貨物船 中小造船所や教育機関で容易に利用可能な造船用 3D-CAD を開発するとともに そのデータへベテラン設計者の暗黙知を付加し 技能継承を図る 隣り合う部品の品番を重畳表示 画面通りにつければいい 数万点にも及ぶ船舶部品を AR マーカーを用いて管理するとともに 設計 資材 工程情報と紐付け 作業効率の改善を図る 出典 : 日本内航海運組合総連合会 年度 21

23 内航船舶の動向 国内海上輸送量は 減少傾向にあったが 21 年頃より ほぼ横ばいで推移 内航船舶の隻数は 減少傾向にある反面 一隻あたりの総トン数 ( 平均総トン数 ) は 増加傾向にある また 内航船舶の 72% が 14 歳以上の船齢であり 老朽化が進行している中 代替建造需要が期待される 千トン 主要品目別輸送量の推移 石油製品 鉄鋼 セメント 石灰石 砂利 砂 石材 石炭 全品目合計 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 1997 年 4% 24% 47% 25% 隻 千 G/T 内航船の船腹量と船齢の推移 新造船 1 年 ~7 年未満 7 年 ~14 年未満 14 年以上 隻数総トン数平均総トン数 216 年 2% 13% 14% 72% 平均 G/T 年度出典 : 内航船舶輸送統計年報 年度 出典 : 海事局調べ 22

24 日本造船業の就労者数の推移 造船業に従事する就労者は 約 8 万人で推移 ( 造船 舶用工業では 約 13 万人 ) 9, 8, 人 83,175 84,51 8,929 77,335 79,298 79,84 81,686 84,4 85,45 84,826 84,331 84,173 82,581 81,437 79,595 77,916 78,561 77,581 7, 6, 5, 33,262 33,285 32,341 36,217 4,79 45,333 45,95 44,557 34,337 37,21 44,199 46,147 45,128 42,258 42,51 48,5 46,787 46,252 社外工 下請 ( 協力会社 ) で雇用 4, 3, 2, 29,373 26,374 28,354 25,988 24,48 24,945 22,769 23,762 24,592 23,468 2,286 19,255 23,366 24,153 24,629 24,377 22,461 2,486 社内工 造船所本体で雇用 現場で働く 技能者 1, 2,54 18,62 18,136 15,93 15,729 14,518 14,511 15,239 19,29 13,599 17,591 15,795 16,332 14,718 14,61 15,16 13,869 15,58 職員 設計 研究開発などの 技術者 事務職 各年 4 月 1 日時点海事局調べ 23

25 日本造船業の技能者 ( 社内工 ) の年齢構成の変化 日本造船業の技能者は 1 年前の高齢化構造が改善し 2~4 代の割合が増加 ただし 6 代以上の高齢者も増加し 技能に優れたベテランの再雇用に頼っている傾向も見える 年齢層 27 年 年齢層 217 年 6~ 3% 6~ 12% 5~59 47% 5~59 6% 4~49 7% 4~49 18% 3~39 16% 3~39 29% 2~29 23% 2~29 29% ~19 5% ~19 6% % 1% 2% 3% 4% 5% 人数の割合 % 1% 2% 3% 4% 5% 人数の割合 24 出典 :( 一社 ) 日本造船工業会の調べ ( 対象 : 傘下会員 16 社 )

26 日本造船業の技能者 ( 社外工 ) の年齢構成の変化 日本造船業の技能者 ( 社外工 ) の年齢構成は 1 年前に比べ 3~4 代の割合が増加 (36% 48%) し ほぼ半数を占めている 年齢層 27 年 年齢層 217 年 6~ 17% 6~ 18% 5~59 26% 5~59 15% 4~49 15% 4~49 22% 3~39 21% 3~39 26% 2~29 19% 2~29 18% ~19 2% ~19 1% % 1% 2% 3% 4% 5% 人数の割合 % 1% 2% 3% 4% 5% 人数の割合 25 出典 : 海事局調べ

27 他産業の就業者の年齢構成推移 製造業全体は 全産業 建設業に比べ 55 歳以上の就業者割合が低く推移 造船業は 近年 55 歳以上の就業者より 29 歳以下の若年労働者の割合が高く推移しており 他産業に比べ若返りが進んでいる 4.% 35.% 3.8% 33.3% 35.5% 35.6% 36.7% 37.2% 36.2% 35.9% 35.1% 35.3% 3.% 25.% 27.7% 29.6% 3.4% 31.5% 29.6% 29.9% 28.% 25.% 25.8% 27.5% 24.6% 22.3% 2.% 23.5% 18.8% 17.% 15.% 14.1% 1.% 5.% 全産業 (55 歳 ~) 全産業 (~29 歳 ) 全製造業 (55 歳 ~) 全製造業 (~29 歳 ) 1 労働力調査は各年平均値 (217 年は 1~9 月 ) 2 日本造船工業会調べは 各年 4 月 1 日現在の同会会員会社の回答を集計したもの 3 労働力調査の 211 年分は東日本大震災により 岩手県 宮城県 福島県を除いた 44 都道府県の数値 輸送用機械器具製造業 (55 歳 ~) 輸送用機械器具製造業 (~29 歳 ) 建設業 (55 歳 ~) 建設業 (~29 歳 ) 造船業 (55 歳 ~) 造船業 (~29 歳 ) 出典 : 造船業は ( 一社 ) 日本造船工業会調べ その他は労働力調査による 26

28 我が国造船業の女性就労者数の推移 造船業全体の就労者数が僅かに減少している中 この 2 年間で 女性就労者数は増加している (4.% 増 ) 女性就労者における事務職は減少した (3.3% 減 ) が 建造に携わる技術者 社内工 社外工は増加 (14.2% 増 5.1% 増 11.7% 増 ) ( 人 ) 9, 8, 造船業全体 ( 1.4%) ( 男性 : 1.6% 女性 : 4.%) 82,581 81,437 1,23 1,143 ( 人 ) 4, 3,5 女性就労者 ( 4.%) 3,451 3,588 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1, 社外工 45, % 45, 社内工 2,89 5.1% 19, 技術者 8, % 9,438 1,766 事務職 4,714 4,254 1,77 8.% 現在 現在 社外工 ( 女 ) 社外工 ( 男 ) 社内工 ( 女 ) 社内工 ( 男 ) 技術者 ( 女 ) 技術者 ( 男 ) 事務職 ( 女 ) 事務職 ( 男 ) 3, 2,5 2, 1,5 1, 5 1,23 社外工 11.7% 1,143 社内工 % 465 技術者 % 事務職 1, % 1, 現在 現在 社外工 ( 女 ) 社内工 ( 女 ) 技術者 ( 女 ) 事務職 ( 女 ) 27 出典 : 海事局調べ

29 造船業における最近の採用状況 ( 採用実績の推移 ) 日本造船工業会会員 17 社及び日本中小型造船工業会会員 31 社に対するアンケート調査結果 ( 人 ) 技術者 ( 人 ) 技能者 1,4 1,4 1,2 1,99 1,29 1,188 1,2 1, , 871 1, 平成 3 年度は採用計画数 出典 :( 一社 ) 日本造船工業会及び ( 一社 ) 日本中小型造船工業会調べ 28

30 外国人造船就労者受入事業の現状 217 年 11 月末時点での外国人就労者数は 2368 人であり 職種は溶接が約 9% を占めている 外国人就労者の割合は中国 フィリピン ベトナムで 9% 以上を占めている 事業実施状況 (11 月 3 日時点 ) 特定監理団体認定数 適正監理計画認定数 38 団体 団体監理型 2 計画 企業単独型 8 計画 計画上の延べ受入人数約 59 人 受入実績 2648 人 (11 月末時点就労者数 2368 人 ) 出身国別比率 就労地域別比率 職種別比率 インドネシア 7% ベトナム 23% 中国 38% タイ 2% 東北 1% 九州 22% 中部 9% 関東 2% 近畿 6% 塗装 9.4% 鉄工 2.1% 機械加工.1% 強化プラスチック成形.1% とび.% フィリピン 3% 四国 31% 中国 29% 溶接 88.3% 29

31 造船分野における外国人技能実習生の受入状況 造船分野における外国人技能実習生の受入人数については 元請 下請ともに平成 25 年度から平成 28 年度まで増加してきたが 平成 29 年度に減少傾向が見られる 平成 29 年度の国籍別の受入実績は 元請企業については中国 (43.2%) フィリピン (25.4%) ベトナム (19.4%) の順であり 下請企業についてはフィリピン (54.7%) ベトナム (23.8%) インドネシア (13.5%) の順となっている 人 人 第 1 号技能実習第 2 号技能実習 平成 25 年平成 26 年平成 27 年平成 28 年平成 29 年 中国 ベトナム フィリピンインドネシアミャンマーブラジル タイ 平成 25 年 平成 26 年 平成 27 年 平成 28 年 平成 29 年 各年 1 月 1 日時点の実績 種別の受入実績 ( 元請 ) 国籍別の受入実績 ( 元請 ) 人 人 第 1 号技能実習 第 2 号技能実習 平成 25 年平成 26 年平成 27 年平成 28 年平成 29 年 中国フィリピンミャンマータイ ベトナムインドネシアブラジル 種別の受入実績 ( 下請 ) 国籍別の受入実績 ( 下請 ) 平成 25 年平成 26 年平成 27 年平成 28 年平成 29 年 ( 出典 ) 元請 : 日本造船工業会及び日本小型造船工業会調べ下請 : 日本造船協力事業者団体連合会調べ 3

32 3. 競争相手国の造船業の動き 31

33 日本 中国 韓国の受注量 受注船種の比較 海運市況の低迷により 216 年以降 受注量が大幅に減少 新造船需要が低迷が継続する中 韓国は 217 年 1-11 月に大型タンカー コンテナ船をロット受注 万総トン日本 ( 月平均 ) 6% 6% 15% 14% 58% 4% 7% 26% 19% 43% その他 LNG 船 タンカー コンテナ船 バルカー 17% 6% % % 39% 25% 24% % 32% 58% (1-11 月 ) 万総トン % 2% 14% 16% 54% 中国 ( 月平均 ) 9% % 38% 27% 25% 12% 5% 21% 26% % 1% 6% 24% 63% その他 LNG 船 タンカー コンテナ船 バルカー 33% (1-11 月 ) 3 万総トン韓国 ( 月平均 ) その他 25 LNG 船タンカー 2 4% 7% コンテナ船 4% 25% バルカー 15 56% 7% 3% 1 45% 54% 5 4% 12% 21% 33% 45% 25% 11% 6% 28% 11% % (1-11 月 ) 32 出典 : IHS Fairplay

34 中国における造船政策及び造船業への公的支援 生産能力過剰の解消に関する指導意見 (213 年 国務院 ) において 供給能力過剰を早急に解消すべき分野として 造船業を含む 5 分野を設定 さらに 船舶工業構造調整実施方案 (213 年 国務院 ) において 造船業界再編を加速するとともに 政府金融支援を活用した需要拡大を推進するとしている 中国における造船政策は 船舶工業 5 カ年計画 ( 工業信息化部 ) に基づき実施されている 第 13 次 5 カ年計画 (216-22) では 造船所の淘汰 再編及びオフショアを含む先進船舶のシェア拡大に重点が置かれている 上記計画等を達成するため 様々な施策が実施されている ( 詳細下記 ) 1. スクラップアンドビルド補助金 中国籍老齢船を中国内で解撤及び代替建造する際に 中国政府が船主に補助金を交付 年に合計約 111 億元 ( 約 1,88 億円 ) を交付 市場歪曲性 : 補助金交付の条件は中国内で解轍及び建造をした場合 WTO 補助金協定に抵触する可能性がある ( レッド又はイエロー補助金 ) 2. ホワイトリスト政策 中国国内の各造船所の設備 人員の評価を中国政府 ( 工業信息化部 ) が行い 優良造船所をリスト化し 公表 ( ホワイトリスト ) ( 217 年 7 月現在 : 登録 7 社 ) 市場歪曲性 : ホワイトリストに掲載された造船所への具体の支援内容情報を調査中 内容如何によっては WTO 補助金協定に抵触する可能性がある 3. 輸出信用 中国造船所の輸出案件に対して 中国輸出入銀行及び中国輸出信用保険公司が輸出信用を付与 市場歪曲性 : 当該輸出信用は OECD 輸出信用アレンジメントより優遇された条件で付与されている可能性があり その場合 WTO 補助金協定に抵触する可能性がある 33

35 韓国における造船政策及び造船業への公的支援 韓国の公的金融機関が 造船業 海運業に対し巨額の支援を実施している 特に 215 年に経営難に陥った大宇造船海洋 (DSME ) に対し 同年 1 月に 4.2 兆ウォン ( 約 41 億円 ) の支援が実施され 217 年 3 月に 4.5 兆ウォン ( 約 44 億円 ) の追加支援も決定 217 年 9 月現在手持ち工事量世界 1 位 また 政府主導の金融支援 ( 船舶新造プログラム ) を活用し 現代商船 が大宇造船海洋に VLCC5 隻を発注 現代商船も KDB 支援により再建 1. 韓国公的金融機関によるこれまでの支援実績 韓国産業銀行 (KDB) や韓国輸出入銀行 (KEXIM) 等の公的金融機関が 造船業 海運業に対し 216 年 3 月時点で合計約 58 兆ウォン (5.7 兆円 )) を支援 このうち DSMEに対する支援は 215 年 6 月時点で約 12 兆ウォン ( 約 1.2 兆円 ) 215 年 1 月には KDB KEXIMによる4.2 兆ウォン ( 約 41 億円 ) のDSMEへの追加支援を発表 216 年 12 月 当該 4.2 兆ウォンのうち KDBが1.8 兆ウォン ( 約 18 億円 ) の債務の株式化 約 64 億ウォン ( 約 64 億円 ) 分のDSME 株の無償償却を実施 また KEXIM が1 兆ウォン ( 約 1 億円 ) の債務の永久債への転換を実施 217 年 3 月には DSMEへの更なる追加支援として KDB KEXIMによる1.6 兆ウォン ( 約 16 億円 ) の債務の株式化及び2.9 兆ウォン ( 約 28 億円 ) の新規資本投入 ( 株式 / 融資 ) を発表 市場歪曲性 : これらの政府助成は WTO 補助金協定に抵触する可能性がある 2. 直近の動向 (1) 船舶新造プログラム 216 年 12 月に新造船への金融支援を行うための官民出資による船舶ファンドを設置 (25 億円規模 ) これまで現代商船のタンカー 5 隻 (+オプション5 隻 ) のDSMEの受注 (217 年 3 月 ) といった契約に金融支援を提供 市場歪曲性 : 具体の支援内容情報を調査中 内容如何によっては WTO 補助金協定に抵触する可能性がある (2) 韓国海洋振興公社 海運 造船産業への金融支援を統合 強化するために韓国海洋振興公社を 218 年 6 月に設置予定 ( 資本金 5 億円 ) 市場歪曲性 : 支援内容如何によっては WTO 補助金協定に抵触する可能性がある 今後 具体的な支援内容の決定に向けた動きをフォローしていく 34

36 韓国における大宇造船海洋への公的支援 大宇造船海洋の業績推移 215 年 経営難に陥った大宇造船海洋 (DSME) に対し 韓国産業銀行 (KDB) や韓国輸出入銀行 (KEXIM) 等の公的金融機関が 4.2 兆ウォン ( 約 41 億円 ) の支援を発表 2 1 兆ウォン % 2% 1% 217 年 3 月には DSME に対し KDB と KEXIM による 4.5 兆ウォン ( 約 44 億円 ) の追加支援も決定 上記の政府支援により DSME は経営難を脱し 営業利益が黒字に好転 % -4% -14% % 売上高 営業利益 利益率 (1-9) % -1% -2% DSME は 出資や借入など財務面での公的金融機関への依存度を高めながら利益率の改善を図ってきている 215 -end 216 -end 217.Jan-Jun KDB による公的支援 4,11 億ウォン 3,447 億ウォン 29,388 億ウォン KDB の出資比率 % 79.% 68.6% こうした過度な政府支援により 市場が歪曲され 供給過剰状態が悪化 DSME の借入総額中 KDB と KEXIM の融資割合 76% 81% 89% 35

37 韓国の主要造船会社の財務状況 韓国の主要造船所の 217 年 1-9 月決算は リストラによる人件費圧縮等により 3 社とも黒字を計上 特に大宇造船海洋は 政府支援により経営難を脱している 現代重工業大宇造船海洋サムスン重工 6 3 兆ウォン % 1% 2 1 兆ウォン % 1% 2 1 兆ウォン % 1% % % % 3-1% 1-1% 1-1% (1-9) -2% (1-9) -2% (1-9) -2% 各社造船セグメント以外も含む 217 年 4 月に現代重工業は造船事業以外を分社化 出典 : 各社ホームページ等 36

38 217 年におけるロット受注 海運市況の低迷により建造需要が低迷していたが 217 年下期より韓国を中心にロット受注が増加 特に韓国が 大型コンテナ船 VLOC VLCC 等の大型船を積極的に受注している一方 日本は ロットでの受注を獲得できていない状況 報道日造船所船主船種隻数船価 6/7 サムスン重工業 ( 韓国 ) 基本合意 7/27 現代尾浦造船 ( 韓国 ) 9/6 9/22 大宇造船海洋 ( 韓国 ) 4 月に基本合意 中国船舶工業集団 ( 中国 ) シーワン ( アメリカ ) 交銀金融租賃 ( 中国 ) 連結式タグ バージ 12 隻 1 億 25 万ドル プロダクトタンカー 6 隻 (+ オプション 6 隻 ) 不明 現代商船 ( 韓国 ) VLCC 5 隻 84 万ドル CMA-CGM ( フランス ) 9/27 大宇造船海洋 ( 韓国 ) MSC( スイス ) 9/27 サムスン重工業 ( 韓国 ) MSC( スイス ) 2 万 2TEU 型コンテナ船 2 万 2TEU 型コンテナ船 2 万 2TEU 型コンテナ船 9 隻 1 億 3 万ドル 5 隻 1845 億ウォン 6 隻 1 億 64 万ドル 9/27 現代重工業 ( 韓国 ) ポラリス ( 韓国 ) VLOC 1 隻 8 万ドル 1/17 ネプチューン ベルフト ( ドイツ ) バイキング リバークルーズ ( スイス ) 小型客船 7 隻不明 1/24 現代重工業 ( 韓国 ) ポラリス ( 韓国 ) VLOC 5 隻 8 万ドル 11/6 金陵船廠 ( 中国 ) 中谷海運 ( 中国 ) 11/22 大連船舶重工 ( 中国 ) コスコ シッピング エナジー トランスポーテーション ( 中国 ) 11/3 馬尾造船 ( 中国 ) オーシャン タンカーズ ( シンガポール ) 19TEU 型コンテナ船 VLCC スエズマックス タンカー 1 万 1 重量トン型ケミカル / プロダクト船 6 隻不明 4 隻 3 隻 総額 36 億 7 万元 6 隻不明 報道による 5 隻以上のロット発注船価の一部は民間統計情報 37