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1 改定管理木材規格 : デューディリジェンス及びサプライチェーン FSC-STD 第 3-0 版 FSC 管理木材調達のための要求事項

2 議事 プレゼンテーション ( 約 45 分 ) デューディリジェンスシステムの概要デューディリジェンスシステムの実施に関する一般要求事項原材料及びサプライチェーンに関する情報収集サプライチェーン内での混入のリスク評価 質疑応答 ( 残りの時間 ) 注 : 本プレゼンテーションには Proforest イニシアチブによって作成された EU 木材規則に関する資料が含まれている

3 デューディリジェンスシステムとは? 改定管理木材規格におけるデューディリジェンスシステム (DDS) 許容できない供給源からの原材料調達リスクを最小限に抑えるための手順と措置からなる仕組み DDSには通常次の3つの要素が含まれている : 情報収集 リスクアセスメント リスク低減 DDS は一連の文書ではない! DDS はパフォーマンスに基づき 文書に基づくものではない

4 DDS には何が含まれる? 1. デューディリジェンスシステムの実施と維持 2. 情報収集 管理木材として使用できない リスクが低減されていない 4. リスク低減 ( リスク低減措置 ) 3. リスクアセスメント a) 原産に関して b) サプライチェーン内での混入に関して 1-4: FSC-STD 第 3-0 版のセクション番号に対応 リスクが低減された 管理木材として使用できる 調達している原材料が許容できるものか検証するためのデューディリジェンスシステム

5 DDS の対象には誰が含まれなければならない? DDS は FSC 表示を伴わない原材料の調達の際に実施されなければならない そのような原材料の直接の供給者と間接的な供給者すべてを含めなければならない つまり 非 FSC 認証サプライチェーン の全体を含める 要求事項への適合の責任は DDS を実施する認証取得者にある S S Organization S S S S 森林管理者 生産者 ( 一次 / 二次加工 ) S 直接の供給者 間接的な供給者 サプライチェーン ( 一例 )

6 自身が所有 / 管理する森林に自身の DDS を適用できるか? 自身が所有または管理する森林からの原材料調達 組織 ( 認証取得者 ) 組織が所有 / 管理する森林 所有 / 管理森林は FSC リスクアセスメントの対象となっている国にあるか? DDS を適用できる はい 2016 年 7 月 1 日 ~ 2017 年 12 月 31 日 : FSC リスクアセスメントが予定されているか いいえ DDS は適用できない森林が FM/CW 認証を取得することは可能 DDS を適用できる はい 2018 年 1 月 1 日以降 : FSC リスクアセスメントが承認されているか いいえ DDS は適用できない森林が FM/CW 認証を取得することは可能

7 DDS の有効性をどのように保証したらよいか (1)? DDS の見直しと改訂 DDS の妥当性 有効性 十分さに関する見直しをしなければならない : 少なくとも年に 1 度 そして次に変化があった際 : 新しい供給者または間接的な供給者 新しい供給地域 リスクアセスメントまたはリスク判定の変更 リスク低減措置の変更 見直し結果に基づき DDS は必要に応じて改訂されなければならない 妥当性 有効性 十分さを検証するための手法の例 : 利害関係者へのコンサルテーション 現場検証 文書検証

8 DDS の有効性をどのように保証したらよいか (2)? 内部監査 DDS が正しく実施されていることを検証するために少なくとも年に 1 度実施することが求められる 文書化しなければならない ( 範囲 日付 スタッフ ) 内部監査手法には例えば次のようなものがある : 供給者や間接的な供給者の現場レベルでの監査 森林に対する現場検証 規格には 内部監査手法やサンプリング数に関する具体的な要求事項は定められていない 監査によって DDS の有効性が低いことが判明した場合 : 問題となっている件が文書化され 12 ヶ月以内に是正されなければならない DDS の有効性の低さにより 不適格原材料が製造ラインに混入する可能性がある場合は このサプライチェーンからの原材料は問題が是正されるまでは使用できない 注! DDS の有効性は認証機関も評価する

9 DDS の有効性をどのように保証したらよいか (3)? 現場検証 森林 ( 供給区画 ) に対する現場検証 (supply unit) 特定されたリスクに基づいた様々な検証方法が考えられる 例えば : 文書の確認 伐採現場の訪問 インタビュー特定リスクに伴うすべての側面の評価を含む 製造加工施設に対する現場検証特定されたリスクに基づいた様々な検証方法が考えられる 例えば : 供給者の施設訪問 スタッフへのインタビュー 加工及び保管場所の訪問特定リスクに伴うすべての側面の評価を含む NEPCON - NATURE, ECOLOGY AND PEOPLE CONSULT MORE INFO - GO TO

10 誰が DDS を構築でき 誰が DDS にアクセスできるか? DDS の構築 DDS の構築は 自身の認証機関を除く第三者へ委託することができる 要求事項への適合根拠は次の団体が確認できるようにしなければならない 組織自身 認証機関 認定機関 (ASI) 確認対象には次のものが含まれる : 関連文書 関連サイト 供給者及び間接的な供給者の関連施設 供給区画 ( 森林 ) など

11 DDS 対象の原材料はどの段階で管理木材として扱える? DDS 対象の原材料はどの段階で管理木材として扱える? DDS が実施され 以下のいずれかが確認された後 : 原産地に関する低リスク及びサプライチェーン内での混入に関する低リスク 元々 FSC 表示 (FSC 100% FSC Controlled Wood 等 ) を伴っていた原材料が サプライチェーン内で他の原材料と混在していない 適切なリスク低減措置によってリスクが低減された 注 : リスク低減措置として現場検証が必要な場合 現場検証によってリスクが低減されたことが確認されてはじめてこの原材料を管理木材として扱える

12 情報収集 (1) 入手 文書化 保持が必要な情報 : 原材料の概要 ( 製品名等 ) 数量 樹種 供給者の名称及び所在地 購買文書 ( 仕入伝票等 ) 適用されるリスクアセスメント ( 旧 NRA CNRA 新 NRA 認証取得者によるリスクアセスメント ) 法令により求められる場合は伐採国に関する情報 これらの情報なしに原材料をトレースすることはできない つまりリスクの評価や低減ができない

13 情報収集 (2) 入手 文書化 保持が必要な情報 : 原産地の証明 : リスク判定が同じ地域 認証材または管理木材が FSC 表示を伴わずに供給された場合 どのリスクアセスメントを使うべきか判断するためには 原産地を特定しなければならない 注! 供給者からの自己申告文書だけでは不十分 これらの情報なしに原材料をトレースすることはできない つまりリスクの評価や低減ができない サプライチェーンについて確認 文書化が必要な情報 : 原産地 原産地に関するリスク及びサプライチェーン内で不適格原材料が混入するリスク リスク低減

14 情報収集 (3) 原産地証明 (1) 適用されるリスクアセスメントの各管理木材カテゴリーにおいて リスク判定が同じ地域 組織供給者間接的な供給者原産地 原材料のサプライチェーンを原産地まで遡る 州 1 すべての指標が低リスク 州 3 CW カテゴリー についてはすべての指標が低リスク林地転換 (CW カテゴリー 4) について特定リスク 州 2 CW カテゴリー についてはすべての指標が低リスク労働者の権利 (CW カテゴリー 2) について特定リスク 例 1: リスクアセスメントの規模が大きい例 州ごとにリスク水準や性質が異なる => 原産地は州レベルで特定すれば良い 供給区画までは不要 = 供給区画

15 情報収集 (4) 原産地証明 (2) 適用されるリスクアセスメントの各管理木材カテゴリーにおいて リスク判定が同じ地域 組織供給者間接的な供給者原産地 原材料のサプライチェーンを原産地まで遡る 州 1 州 2 例 2: リスクアセスメントの規模が小さい例 州 3 供給区画ごとにリスク水準や性質が異なる => 原産地は供給区画レベルで特定しなければならない 低リスク特定リスク = 供給区画

16 情報収集 (5) 原産地証明 (3) 元々 FSC 認証材または管理木材であったが FSC 表示を伴わずに供給された原材料 (CoC が繋がっていない場合 ) 例 3: 認証取得者である間接的な供給者が FSC 表示を付けずに原材料を販売した原材料のサプライチェーンを遡る ( 認証取得者まで ) 組織 供給者 ( 非認証取得者 ) 間接的な供給者 ( 認証取得者 ) 原産地 ( 認証林 ) FSC リスクアセスメントの使用は不要 非 FSC 認証サプライチェーンでの混入がないことを確認

17 情報収集 (6) 原産地証明 (4) 副産物のための代替選択肢 : 供給者との間で法的効力を持つ契約を交わし 原産地を示すことができる これには以下が含まれる : 原産地に関する情報 ( 適用されるリスクアセスメントにおいて リスク判定が同じ地域を特定できる情報 ) ( 特定リスクの場合 ) 組織がリスク低減措置を実施する上で必要となる情報収集に供給者が協力をするという誓約 提供された情報の検証 申告された供給地域で 対象樹種は商業的に伐採されているか 供給原材料の種類や品質は申告された地域において市場に出回っているものか 申告された供給地域は 組織までの距離と輸送手段の観点から経済性があるか 注 : 上記を確認するのは組織の責任である 予防原則に則ることが求められる

18 情報収集 (7) サプライチェーンの情報 (1) 供給者の協力が重要! リスク判定やリスク低減に影響を与える可能性がある変化について 供給者から通知を受けられるようにする必要がある このような変化とは例えば : 樹種 原産地 サプライチェーン 供給者へのアンケート ( 質問票 ) によって情報を得ることもできる 規格に基づいて必要な情報を収集するためのアンケート 供給者管理データベースのデータ管理

19 Example: supplier questionnaire サプライチェーンの情報 (2) 木材サプライチェーンに関するアンケート 情報収集 (8) パート 1: 供給者の情報 供給者名 日付 連絡先 間接的な供給者数 購入量 販売可能量 購入樹種 複数原材料が混ざっている製品については 製品ごとまたは樹種ごとに記入して下さい 製品名 使用樹種 パート 2: サプライチェーンの詳細情報及び根拠 サプライチェーン概要 ( 例 : 製所在地段階材 加工工場 ) 森林 検証方法 森林管理の合法性 根拠があるか? 情報収集のためのアンケート例 [Proforest イニシアチブの資料から引用 FSC ジャパンが翻訳 ] その他に役立つ文書の例 : 共有者管理フォーム 供給者情報フォーム サプライチェーン情報フォーム 第 1 段階 CoC の管理 第 2 段階 CoC の管理 第 3 段階 CoC の管理 18

20 情報収集 (9) サプライチェーンの情報 (3) 供給者の情報の絞りこみ 情報ギャップ 原産地 リスク判定 原産地 認証 製品タイプ 情報 樹種 関連性のあるもの

21 情報収集 (10) 情報の評価 (1) 情報を収集するだけでは不十分! 情報 / 根拠は評価されなければならない 例えば : 情報のギャップ 情報の利用可能性 情報の検証能力 情報の質 資料を使用する前に 必ず根拠の有効性 範囲 信頼性を確認すること 根拠がしっかりしているほど リスクが低い傾向がある 根拠はケースバイケースで評価されるべきである

22 情報収集 (11) 情報の評価 (2) 文書の評価 - 汚職度合に関する考慮 : 1. 文書は原材料 / 製品に紐づけられるか? 例 : 伐採現場における伐採許可書 ( 原材料が実際にこの現場から来ている根拠はあるか ) 2. 文書が適切な管轄官庁により発行されており 汚職と無関係であることを証明できるか? 現地の現状に関する詳細な知識が必要 当該文書は不正発行対象になりやすいものか? 樹種や数量の情報は正しいか? ( 税金等の支払い額を減らすために不正報告がされていないか ) 自由意思による 事前の 十分な情報に基づく同意 ( 該当する場合 ) ( コミュニティを代表する資格のある者によって署名されているか ) 3. 文書は本物か? 最新かつ検証可能か? 古い日付の文書やコピーに関しては注意を払うべきである

23 混入のリスク (1) 2 種類のリスク : 原産地のリスク ( 森林レベル ) 原材料が許容できない供給源から調達されているリスク FSC リスクアセスメントで評価されている 混入のリスク ( トレーサビリティ ) 以下の工程において サプライチェーン内に許容できない供給源からの原材料または供給源が不明な原材料が混入するリスク : 輸送 加工 保管 考慮事項 : リスクを客観的に定量化するための一般的な仕組みはない => サプライチェーンのどこにリスクがあり得るかを特定する 効果的なリスク低減措置を実施することを念頭に置いて 必要なレベルでリスクを特定する

24 2 つの重要な要素 : 混入のリスク (2) 重要な確認点 : 低リスク供給源からの原材料が他の原材料と混在しない または置き換えられないことを保証するために どのような管理方法が取られているか? 事業体内での原材料管理 事業体間での原材料管理 森林 1 輸送 加工 保管 製造流通小売 森林 2

25 混入のリスク (3) リスク要素 サプライチェーン - 情報と文書の品質及び利用可能性 - サプライチェーンの複雑さ - 加工の複雑さ - サプライチェーンにおける既知の違法活動 - 不正や汚職 - 透明性の欠如 製品 - 製品の複雑さ - 樹種の特定 - 樹種情報 - 樹種特有リスク ( 合法性 ) - 他の樹種への置換のしやすさ

26 混入のリスク (4) 情報と文書の品質及び利用可能性 (1) 情報と文書の品質及び利用可能性 原産地までのトレーサビリティが確認できなければならない これで十分? と聞く代わりに 以下を評価すること : 情報 / 文書がどのように原材料や製品と紐付いているのか 文書の有効性は検証できるか 特定されたリスクとの関係性は 情報 / 証拠評価の一般的な手法が適用される

27 混入のリスク (5) 情報と文書の品質及び利用可能性 (2) 適切な証拠の例 : 船荷証券 (B/L) 輸送及び納品文書 請求書 納品書 輸出許可書 木材市場での丸太追跡システム 現場検証の記録 森林レベル 供給者や間接的な供給者の施設 不適切な証拠の例 : 環境方針 責任ある調達方針 WWF の GFTN メンバーである ISO 9000 ISO 認証取得 26

28 混入のリスク (6) サプライチェーン / 加工の複雑さ リスク要素 情報収集とリスク低減に関する要素 ( 難しさ ) 組織 S S VS S 組織 S S 供給者 間接的な供給者 森林管理者 生産者 ( 一次 / 二次 )

29 製品の複雑さ 例 : 紙コップ MDF ボード 混入のリスク (7) 製品 樹種の特定 何種類の樹種が含まれているか どのように特定できるか 樹種情報 情報が入手可能か 樹種の特定と矛盾していないか 原産地の情報と矛盾していないか 樹種特有リスク この地域で当該樹種は市場に出回っているか 他の樹種への置換のしやすさ 製品に使用されている樹種は他の樹種に置き換えることが可能か 置き換えられる樹種が不適格原材料であるリスクはあるか

30 混入のリスク (8) リスクの決定 情報 / 文書によって裏付けられなければならない 客観的で信頼ができ 現実的でなければならない 特定されたリスクは リスク低減が可能なように具体的でなければならない ( リスクのタイプとサプライチェーン上のどこにリスクがあるのかを明確にする ) リスクアセスメントの工程は文書化しなければならない

31 まとめ オンラインセミナーは録画されています 後に録画されたオンラインセミナーの視聴ページ セミナーで使用された資料のダウンロードリンクを FSC ジャパンのウェブサイトを通じてお知らせいたします 質疑応答に移ります 質問がある場合はコントロールパネルを用いて入力し 送信して下さい オンラインセミナーに関するご意見やご質問は冨村までお送り下さい FSCジャパンが予定している今後のオンラインセミナーの予定 : トピック日付 リスク低減 2016 年 5 月 25 日 ( 水 ) 15:00~16:30 FSC ジャパンウェブサイトのニュース記事に参加申し込みページのリンクがあります

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