ヒヤリ・ハット_平成27年 年報_表紙

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3 目 次 はじめに 1 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業について 3 ~ 平成 27 年年報の内容を中心に ~ Ⅰ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 63 1 経緯 65 2 事業の概要 66 1 事業の目的 66 2 薬局ヒヤリ ハット事例の収集 66 3 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 提供 67 3 運営体制 68 1 運営委員会 68 2 総合評価部会 68 3 医療事故防止事業部 68 4 分析 提供体制 68 4 集計 分析の考え方 69 1 医薬品の薬効の考え方 69 2 ハイリスク薬の考え方 71 3 個別薬剤の集計 分析の考え方 73 Ⅱ 報告の現況 75 1 事業参加薬局 77 2 報告件数 78

4 3 報告内容 83 4 販売名に関する集計 95 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 名称類似に関する事例 一般名処方に関する事例 後発医薬品への変更に関する事例 ハイリスク薬に関する事例 - 免疫抑制剤に関する事例 疑義照会に関する事例 共有すべき事例 の再発 類似事例 - 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品に関する事例 腎機能が低下した患者に関する事例 244 Ⅳ 共有すべき事例 263 資料 323 資料 1 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業事業要綱 325 資料 2 事例収集項目 329 資料 3 事業参加薬局一覧 337 資料 4 医療事故防止事業部運営委員会名簿 390 資料 5 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業総合評価部会名簿 391

5 はじめに 公益財団法人日本医療機能評価機構 理事長河北博文 我が国の医療については 疾病構造の変化 医療技術の進歩等により 医療に求められるものが 高度化 多様化していると考えております また近年では 社会そのものの構造の変化により 国民の保健医療に対する関心や要求がますます高まっています このような状況下で 医療システムへの要請においては 量的に整備すること以上に質的に保証することが強調されるようになり 国民に対して医療提供状況に関する正しい情報を提供していくことと 良質な医療提供を推進し確保していくことが重要な課題となりました 良質な医療提供に関しては 医療安全の推進や医療事故防止の分野について 期待や関心が特に高まっているものと考えております 本財団の医療事故防止事業部では 2004 年度に開始した医療事故情報収集等事業の実績を踏まえ 2008 年度より 薬局で発生したり 発見されたりするヒヤリ ハット事例の収集を行う薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業を実施しております この事業の推進にあたって 薬局の皆様や関係者の皆様には 多くの情報を提供していただき深く感謝申し上げます さて このたびは2015 年 1 月から12 月にご報告いただいたヒヤリ ハット事例をとりまとめた平成 27 年年報を公表いたします ヒヤリ ハット事例の集計の他 テーマ分析 共有すべき事例など薬局における医療安全の推進に有用な情報を掲載しておりますので 薬局内でご活用いただき また 一般の方々もわが国の医療安全の取り組みの現状について理解を深めていただくことにお役立ていただければ幸いに存じます 今後とも皆様にとって有用な情報提供となるよう年報の内容について 一層の充実に努めてまいりたいと考えておりますので ご指導 ご鞭撻のほどお願い申し上げます さらに本財団としては 我が国の医療水準の向上のために 病院機能評価事業などの様々な事業を通じて 国民の医療に対する信頼の確保と 日本の医療の質の向上に尽力して参りたいと考えておりますので 今後ともご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます - 1 -

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7 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業について ~ 平成 27 年年報の内容を中心に ~ 公益財団法人日本医療機能評価機構 執行理事 後 信 医療事故防止事業部長 坂口 美佐 1 はじめに 平素より本事業の運営にご理解とご協力をいただき 深く感謝申し上げます さて この度は2015 年 1 月から12 月までにご報告いただいた薬局ヒヤリ ハット事例をとりまとめた平成 27 年年報を公表いたします 本事業の年報の作成は7 回目になります 最初に作成した平成 21 年年報は 薬局ヒヤリ ハット事例収集の開始が同年 4 月であったため 4 月 ~12 月分の事例を集計したものでした 平成 22 年年報からは 1 年分の事例の集計とテーマを設定した分析などが主な内容となっており 本年報も同様の構成となっています 設定するテーマには 継続して取り上げることにより 次第に経年的な変化を考察できるようになっているものや 毎年新たに選定しているものがあります 本年報の内容を薬局内に周知していただき 職員の皆様で共有していただければ幸いに存じます また 医療を受ける立場でこの年報や本事業のホームページをご覧いただいている皆様におかれましては 薬局で発生したヒヤリ ハット事例や 医療機関で発生し薬剤師が医師に問い合わせを行ったヒヤリ ハット事例などを通して 薬局や医療機関が医療事故の発生予防 再発防止に向けて取り組んでいる姿をご理解いただければ幸いに存じます さらに この機会に 本事業や関連する事業の現況について 以下にご紹介させていただきます 年の事業概要 本財団の理事会や本事業の運営委員会において承認された 2015 年度の事業計画の概要を次に示します 2012 年度から厚生労働省の公募に申請して採択を受け 事業を実施しています 事業内容は 従来と同様に薬局ヒヤリ ハット事例の収集 分析と情報提供などとなっています - 3 -

8 図表1 2015年度の事業内容 PHARMACY PHARMACY 薬 局 公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部 任意参加 ヒヤリ ハット事例 Web 運営委員会 Web 薬局で 発生した事例 発見した事例 事例の概要 調剤 疑義照会 Web報告 ①選択項目 ②記述項目 事故の内容 背景 要因 改善策 総合評価部会 (医療安全の専門家) 集計報告 年報 共有すべき 事例 国 事務局 薬局ヒヤリ ハット 分析表 医療機関 事例 データベース 特定保険医療材料 医薬品の販売 3 民 関係学会 団体 行政機関 など 平成27年年報について 1 参加薬局数 2015年末には 本事業に参加している薬局数は8 577となりました 参加薬局数は 本事業 の参加状況を示す基本的な内容であることから ホームページの 参加登録薬局一覧 yakkyoku-hiyari.jcqhc.or.jp/contents/register/index.html において随時情報を更新してお示ししてい ます また 本年報の巻末の資料3にも事業参加薬局一覧を掲載しています 2 報告件数 2015年の1年間に 薬局で発生または発見した4 779件のヒヤリ ハット事例をご報告いた だきました 報告件数は 事例収集開始後しばらくの間増加し 2010年7月にはひと月あたりの 報告件数が過去最高の2 051件となりましたが その後 減少傾向となり 概ね毎月400件前後 となっています しかし 疑義照会の事例の報告が増えていること 発生した事実がよりわかりやす く書かれている事例や背景 要因をより深く分析した内容が書かれている事例があることなどから 報告内容の質が高まってきているように感じています 参加薬局数の増加傾向が続いていますので 今後さらに質の高い報告の件数が増していくものと期待しています ご報告をいただいている薬局の 皆様のご協力に心より感謝申し上げますとともに 今後とも 本報告書中の Ⅰ 2 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 に掲載している報告範囲 66頁 をいま一度ご確認いただき 該当事例をご報告いただければ幸いに存じます 参加薬局において 報告範囲に該当する事例が発生したことを把握すること 事実を確認して整理 すること そしてその内容をまとめて報告することは 決して容易なことではないと考えております しかし 当事業部で運営している医療事故情報収集等事業においても 報告の経験を重ね 研修会で 4

9 医療事故分析の演習を行うことなどにより 次第に報告の質が高まってきたことを経験しております したがって 本事業に参加して報告を行うことにより 前述のような事実を把握する能力や報告する能力が高まり 薬局の医療安全推進に寄与するものと考えておりますので 何卒宜しくお願いいたします 3) 報告の現況 Ⅱ 報告の現況 には 事業参加薬局数や報告件数 報告内容などの集計結果を掲載しています 報告内容の集計のうち 事例の概要別の報告件数では調剤が78.0% 疑義照会が21.8% でした 疑義照会の事例の割合は平成 21 年の7.3% から年々増加しており 医療事故防止に資する教育的な事例の報告が増えています また 調剤に関する事例については内容別の報告件数 疑義照会の事例については疑義があると判断した理由等の集計結果などを掲載しています さらに 報告項目の集計の他に 販売名に関する集計 として 事例の中で報告された医薬品名と報告回数 そのうち後発医薬品のみ抽出した集計も掲載しています 医薬品の販売が多いほど報告回数が増える可能性がありますので 集計結果の順番が必ずしも医療安全上のリスクの順番を示していることにはなりません 集計事例数が増えてきたことから そのような留意点を特に73 頁に記載いたしました 実際に調剤を行う薬局や医薬品の製造販売の現場におかれましては このような情報を有効にご活用いただき 医薬品が一層安全に使用されるようご理解とご協力をいただければ幸いに存じます 4) 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 (1) 分析テーマの選定について本年報では 次の7テーマを取り上げて分析を行いました これらのテーマは 本事業の集計報告や年報の作成を行っている総合評価部会において検討され 承認されたものです 図表 2 平成 27 年年報の分析テーマ 1 名称類似に関する事例 2 一般名処方に関する事例 3 後発医薬品への変更に関する事例 4 ハイリスク薬に関する事例 - 免疫抑制剤に関する事例 - 5 疑義照会に関する事例 6 共有すべき事例 の再発 類似事例 - 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品に関する事例 - 7 腎機能が低下した患者に関する事例 上記のテーマの中には 毎年継続して取り上げているものと新しく取り上げるものがあります また よりわかりやすくするためにテーマの統合や内容の整理を行っています 本事業の最初の年報である平成 21 年年報で 医療事故情報収集等事業で取り上げてきた分析テーマを踏まえて 名称類似の事例やハイリスク薬の事例などのテーマを設定しました また 薬局に特徴的な事例である疑義照会に関する分析など 医薬連携に関わるテーマも取り上げました これらは - 5 -

10 重要なテーマであり 報告件数や割合などの経年的な推移を観察することが重要と考えられることから その後も継続して取り上げ 本年報でもテーマに設定することとなりました また 平成 24 年年報 平成 25 年年報では 一般名処方に関するヒヤリ ハット を取り上げ 2012 年 4 月に開始された一般名処方について 報告件数や間違えた処方の組み合わせのパターンなどを示しました 平成 26 年年報では 後発変更等に関するヒヤリ ハット というテーマの中で 一般名処方に関する事例と後発医薬品への変更に関する事例を取り上げました 本年報では 2 一般名処方に関する事例 と 3 後発医薬品への変更に関する事例 という2つのテーマに分けて それぞれの内容に関する分析を行うことになりました また 平成 21 年年報 ~ 平成 26 年年報では 個別薬剤に関するヒヤリ ハット の分析テーマにおいて 抗てんかん剤や糖尿病用剤など毎年異なる医薬品を取り上げてきました これらの医薬品はいずれもハイリスク薬に該当するため 本年報では 4 ハイリスク薬に関する事例 のテーマに含めて分析することになりました 本年報では個別薬剤として 免疫抑制剤 を取り上げ 特にメトトレキサート製剤に関する事例について詳しく分析を行っています 6 共有すべき事例の再発 類似事例 は 平成 23 年年報から継続して取り上げています 共有すべき事例 として公表した事例は基本的で重要な事例であり 繰り返し注意喚起が必要であることから 本年報でも継続して取り上げることとしました さらに 本年報では新しいテーマとして 薬剤師が患者の状態を把握し 適切に処方せん監査や疑義照会を行うことの重要性に着目して 7 腎機能が低下した患者に関する事例 を取り上げました (2) 事例から学ぶ 本年報では 各テーマ分析の末尾に 事例から学ぶ というページを設け 代表的な事例とこれまでに報告された類似事例 総合評価部会委員による事例のポイントをまとめて掲載しました 見開き 2ページのコンパクトな内容にしていますので 薬局における研修会や学生実習の指導などにもご活用いただければ幸いです - 6 -

11 図表3 事例から学ぶ のページ Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 平成27年年報 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 Ⅲ 平成27年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 平成27年年報 事例から学ぶ ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒 医療用 をツムラ柴胡桂枝乾姜湯エキス顆粒 医療用 ①名称類似に関する事例 入力者は 名称が類似していたために誤入力し 調剤者は誤入力された調剤支援表に基 と間違えた 薬剤服用歴を記載する時に気付き 直ちに患者宅へ連絡し薬を交換した づき調剤した 鑑査者は医薬品本体を調剤支援表と照合し 処方せんと照合しないまま 鑑査を終了していた 交付者は 薬効の確認と説明のみに集中していた 事例の内容 クレメジン細粒分包2gを調剤するところ クレスチン細粒を誤って調剤した 調 剤直後に気付き 調剤し直した 背景 要因 Ⅲ 名称類似に関するポイント クレスチン細粒は 薬局で採用されたばかりであった 箱の形状や色がクレメジン 細粒分包2gに酷似しているにもかかわらず クレメジン細粒分包2gと同じ引出 しに隣り合わせて配置されていた 調剤者はそのことを知らなかったため 特に注 1 2 調剤を含め 物品取り揃え時には 人間は慣れるにつれ また急いでいる時ほど 意することなく クレスチン細粒をクレメジン細粒分包2gと思い込み調剤した 名称をすべて読まず 包装 箱サイズ デザインパターン 色使い等 の印象 事例が発生した薬局の改善策 名称の文字数 名称の長さ 名称の最初の2 3文字 を手掛かりにパター 3 クレスチン細粒の配置場所を抗悪性腫瘍剤の引出しに移動した また 外箱がクレ 4 メジン細粒分包2gと酷似していることをスタッフに伝え 注意喚起を行った ン識別により業務を進める傾向がある 自局で採用している名称類似や外観類似の医薬品について把握し ミーティングな 6 どの機会を通じて取り違えが生じやすい旨の注意喚起 情報共有を行う 医薬品名を指差し 名称を読み上げて 声出しして 調剤する 名称類似医薬品は 医薬品棚や引き出しに配置する際に場所を離して保管する 取り違えやすい医薬品のうちハイリスク薬などに対しては 医薬品棚の配置場所に 名称類似医薬品の取り違え注意を促すラベルを貼りつけるなどの対策も有効であ クレスチン細粒 抗悪性腫瘍剤 る 医薬品の製造販売業者のホームページに掲載されている写真を引用した 2016年7月現在 取り違えの頻発が懸念される名称類似や外観類似の医薬品については 製薬企業に この他にも事例が報告されています 名称類似に関する事例 名称類似に関する事例 7 クレメジン細粒分包2g 慢性腎不全用剤 Ⅲ 対して改善を申し入れるなどの対策も必要な場合がある アレロック錠5をアテレック錠5と取り違えて調剤し 鑑査 交付した薬剤師も間違い に気付かないまま患者に薬を渡した 付添いのヘルパーから 前回と違う薬が入ってい る と電話があり 判明した セレキノン錠100mg 3錠分3毎食後30日分の処方せんを受け 調剤 交付した が セレキノン錠100mg 90錠のうち セレスタミン配合錠が10錠混在してい た 自宅に帰った患者本人が気付き 薬局に連絡をした この2つの医薬品の棚は上下 隣り合わせで 外見もよく似ているため 棚へ戻す際に間違いが発生していた 3 薬局ヒヤリ ハット分析表 本年報は 7つの分析テーマについて 文章と図表によって詳しく解説しています 多数の報告を いただいている以上 本年報のような多くの情報量を含む成果物を還元することは重要ですが 多忙 な現場において時間をかけて年報に目を通していただくことは容易ではないとも考えられます 本事業が参考としている医療事故情報収集等事業では 忙しい医療の現場でも手軽に利用していた だくため 情報量を絞り込んだ媒体として医療安全情報を作成 提供しています 本事業の事業規模 では 医療安全情報に相当する成果物を作成することは困難ですが 年報に掲載した分析内容を活用 しやすくするため 年報の各分析テーマの中に掲載した図表のうち代表的なものを 薬局ヒヤリ ハ ット分析表 として見やすい形にしています 平成21年年報 平成26年年報では この 薬局ヒヤリ ハット分析表 を巻末の資料として掲 載していましたが 各テーマの分析内容との関連性をよりわかりやすくするため 本年報では各テー マ分析の末尾に掲載することにしました さらに 薬局に掲示したり 薬局内で回覧したりしやすい ように カラー版PDFをホームページに掲載していますので ぜひご活用ください 7

12 図表 4 PDF 版 薬局ヒヤリ ハット分析表 薬局ヒヤリ ハット分析表 2015 年 ❶ 名称類似に関する事例注意を要する名称類似医薬品の組み合わせ ヒヤリ ハット事例のうち 名称類似に関する 薬剤取違え の事例が211 件報告されています ( 集計期間 :2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) このうち 主な薬効の異なる組み合わせ及び成分の異なるハイリスク薬を含む組み合わせは特に注意が必要です 2014 年に引き続き2015 年にも報告された注意を要する 名称類似医薬品 の組み合わせを以下に示します 医薬品名 ( 主な薬効 ) 医薬品名 ( 主な薬効 ) アスパラカリウム無機質製剤 アテレック血圧降下剤 アスパラ -CA カルシウム剤 アレロックその他のアレルギー用薬 クラリス主としてグラム陽性菌, マイコプラズマに作用するもの クラリチンその他のアレルギー用薬 ノイロトロピン解熱鎮痛消炎剤 ノボラピッドその他のホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) ( ハイリスク薬 ) ムコスタ消化性潰瘍用剤 ユベラビタミン E 剤 ノイロビタン混合ビタミン剤 ( ビタミン A D 混合製剤を除く ) ノボリンその他のホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) ( ハイリスク薬 ) ムコダイン去たん剤 ユベラ N その他の循環器官用薬 1 主な薬効 とは その医薬品の個別医薬品コード先頭 3 桁の医薬品分類を示す 2 名称類似医薬品 とは 頭文字が 2 文字以上一致している医薬品の組み合わせ もしくはそれ以外で報告事例に名称が類似していることにより取違えたことが記載されている医薬品の組み合わせとした 3 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 108 頁図表 頁図表 頁図表 1-16 を改変 - 8 -

13 (4) 各テーマの概要 次に 各テーマの概要と代表的な図表をご紹介します 1 名称類似に関する事例名称類似に関する事例では 頭文字が2 文字または3 文字以上一致している医薬品の事例と その他の名称類似医薬品の事例について分析を行っています 分析の中で 処方された医薬品と間違えた医薬品の薬効の相違 複数回報告された医薬品の組み合わせなどを示すとともに 主な事例の内容を紹介しています このうち 主な薬効が異なる医薬品の組み合わせや成分が異なるハイリスク薬を含む組み合わせは特に注意を要する組み合わせとして整理して示しました また 交付する前に取違えに気付いた事例や 薬局から報告された主な改善策を紹介しています その他に 本事業の事例データベース等を活用した製薬企業による注意喚起や 医療事故情報収集等事業が提供した医療安全情報なども掲載しています 図表 5 注意を要する医薬品の組み合わせ ( 頭文字 2 文字一致 ) 医薬品名 医薬品名 成分の相違 主な薬効の相違 2014 年の報告 アロチノロール塩酸塩 アロプリノール クレスチン クレメジン タケキャブ タケルダ テルネリン テルペラン ノボラピッド ノボリン ムコスタ ムコダイン 2 一般名処方に関する事例 2012 年 4 月 1 日以降 後発医薬品が存在する医薬品について 薬価基準に収載されている医薬品名に代えて 一般的名称に剤形及び含量を付加した標準的な記載による処方せんを交付した場合に 医療機関において一般名処方加算を算定できることとなり いわゆる医療機関による一般名処方が開始されました これに関連し 本事業で収集しているヒヤリ ハット事例の中には 一般名処方に関する事例が報告されるようになったことから 平成 24 年年報 平成 25 年年報では 一般名処方に関するヒヤリ ハット を分析テーマとして取り上げました 平成 26 年年報では 後発変更等に関するヒヤリ ハット のテーマの中で 一般名処方に関する事例についても取り上げました 後発医薬品の使用推進の流れから さらなる一般名処方発行の拡大が想定されるため 継続して分析を行い注意喚起することの重要性を鑑み 本年報でも分析テーマとして取り上げることとしました 本分析では 一般名処方に関する事例のうち 特に報告が多かった 薬剤取違え に関する事例を中心に 一般名で記載された医薬品の集計結果や 主な事例の内容 背景 要因 薬局から報告された改善策などを紹介しています - 9 -

14 図表 6 異なる成分の医薬品との取違え ( 複数回報告された組み合わせ ) 主な薬効が異なる組み合わせ 医薬品名医薬品名報告回数 血圧降下剤 鎮暈剤 般 ベタキソロール塩酸塩錠 5mg 般 ベタヒスチンメシル酸塩錠 6mg 2 ベタキソロール塩酸塩錠 5mg サワイ ベタヒスチンメシル酸塩錠 6mg テバ 2 主な薬効が同じ組み合わせ主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 般 セフジトレンピボキシル錠 100mg 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg 3 メイアクト MS 錠 100mg フロモックス錠 100mg 2 セフジトレンピボキシル錠 100mg サワイ 消化性潰瘍用剤 般 ランソプラゾール口腔内崩壊錠 15mg セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg サワイ 般 ラベプラゾール Na 錠 10mg 2 1 ランソプラゾール OD 錠 15mg DK ラベプラゾール Na 塩錠 10mg 明治 2 鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 般 ベタメタゾン ゲンタマイシン配合軟膏 般 ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏 0.12% 2 リンデロン -VG 軟膏 0.12% リンデロン -V 軟膏 0.12% 1 デルモゾール G 軟膏デルモゾール軟膏 0.12% 1 3 後発医薬品への変更に関する事例後発医薬品の使用促進のための取り組みが続く中で 患者の希望等により先発医薬品を後発医薬品に変更して調剤する際に発生したヒヤリ ハット事例が本事業に報告されています 平成 26 年年報では 後発変更等に関するヒヤリ ハット の分析テーマにおいて 一般名処方に関するヒヤリ ハット事例や後発医薬品への変更に関するヒヤリ ハット事例について分析を行いました 本年報では 分析テーマを 一般名処方に関する事例 と 後発医薬品への変更に関する事例 に分けて取り上げることとしました 本年報では 先発医薬品から後発医薬品への変更に関する事例を集計し このうち特に報告件数の多かった 薬剤取違え について 異なる成分の医薬品と取違えた事例と同じ成分の医薬品と取違えた事例に分類して分析を行いました また 事例が発生した背景 要因や薬局から報告された改善策をまとめました さらに 以前の 共有すべき事例 で取り上げた後発医薬品への変更に関する事例を掲載しています

15 図表 7 調剤すべき後発医薬品 と 間違えて調剤した医薬品 の組み合わせ ( 異なる成分の医薬品と取違えた事例 ) 処方せんに記載された医薬品 調剤すべき後発医薬品 間違えて調剤した医薬品 主な薬効が異なる組み合わせ 血管拡張剤 注シグマート錠 主な薬効が同じ組み合わせ 催眠鎮静剤 抗不安剤 2mg セルシン錠 レンドルミン錠 0.25mg 血圧降下剤 カルデナリン錠 4mg カルデナリン錠 4mg 高脂血症用剤 リピトール錠 10mg 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤 プロスタール錠 25 糖尿病用剤 オイグルコン錠 2.5mg 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの フロモックス錠 100mg セフゾンカプセル 100mg 注ニコランジル錠 サワイ ジアゼパム錠 2 サワイ ブロチゾラム錠 0.25mg 日医工 ドキサゾシン錠 4mg ドキサゾシン錠 4mg アトルバスタチン錠 10mg サワイ クロルマジノン酢酸エステル錠 25mg 日医工 グリベンクラミド錠 2.5mg サワイ セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg トーワ セフジニル錠 100mg サワイ 主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの クラリシッド ドライシロップ 10% 小児用 クラリスロマイシン DS 小児用 10% タカタ その他の循環器官用薬 ニセルゴリン錠 5mg トーワ フルニトラゼパム錠 2mg アメル トリアゾラム錠 0.25mg 日医工 カンデサルタン OD 錠 4mg E E カンデサルタン錠 4mg あすか ピタバスタチン Ca 錠 2mg サワイ メイエストン錠 25 グリクラジド錠 40mg サワイ セフゾンカプセル 100mg セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg サワイ アジスロマイシン小児用細粒 10% タカタ 注 医薬品の規格は 報告された事例に記載がなかったため不明である 4 ハイリスク薬に関する事例薬剤師には 医薬品の安全かつ適正な使用を確保する重要な役割があり 特にハイリスク薬を服用する患者に対しては 服用状況や副作用の有無等について確認し 必要な薬学的管理及び指導を行うことが求められています 本事業では ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット事例について 平成 21 年年報からテーマとして取り上げ 分析を行ってきました また 別のテーマである 個別薬剤

16 に関するヒヤリ ハット において 毎年一つの治療領域のハイリスク薬を取り上げて分析を行ってきました 本年報ではこれらの内容を統合し ハイリスク薬に関する事例 のテーマの中で ハイリスク薬に関する事例全体を集計し 報告された医薬品名や報告件数 主な事例の内容などを紹介するとともに 個別のハイリスク薬についても併せて分析を行うこととしました 個別のハイリスク薬としては 今後も多く処方 調剤される機会が見込まれること 調剤のエラーにより医療事故につながる可能性があることなどから 免疫抑制剤を取り上げました 特に メトトレキサート製剤は休薬期間が必要な医薬品であり 誤って連日投与となった場合 骨髄抑制を発症し患者に重大な影響を与える可能性があるため 事例を紹介し 詳しく分析しています また 共有すべき事例 や医療事故情報収集等事業に報告された事例も掲載しています 図表 8 メトトレキサート製剤に関連した疑義照会の事例 No. 変更内容処方された内容疑義照会の契機となった情報変更後の処方内容 1 用量変更 2 分量変更 3 薬剤変更 4 用法変更 リウマトレックスカプセル2 mg3カプセル分 2 28 日分朝夕食後服用 ( 朝 2- 夕 1) と記載されていた リウマトレックスカプセル 2mg 6カプセル 1 日 1 回朝食後金曜日 土曜日の服用 6 日分 の処方があった リウマトレックス フォリアミンが新規処方された 処方内容はリウマトレックスカプセル2mg3カプセル分 2 4 日分週 1 回木曜日朝食後 2カプセル夕食後 1カプセル服用 フォリアミン錠 5m g1 錠分 1 4 日分週 1 回金曜日朝食後服用と記載あり リウマトレックスカプセル 2 mg は休薬期間が設けられている医薬品であり 他剤は 28 日処方であった 前回までは リウマトレックスカプセル 2mg を金曜日に 3 カプセル 土曜日に 2 カプセル服用している患者であった 患者に肝炎治療経験の有無を確認したところ B 型肝炎の既往歴あり 医師には伝えていないとの申し出があった 関節リウマチ治療におけるメトトレキサート診療ガイドラインでは 葉酸製剤は 5mg / 週以内をメトトレキサート最終投与後 24~48 時間後に投与する とされており 金曜日の夕食後以降に服用するのが妥当と考えた リウマトレックスカプセル 2 mg3 カプセル分 2 4 日分朝夕食後服用 ( 朝 2- 夕 1) 週 1 回土曜日 に変更となった 処方医の意図が土曜日の増量であることがわかり リウマトレックスカプセル 2mg 3 カプセル 1 日 1 回朝食後金曜日 土曜日に分量変更となった アザルフィジン EN 錠 500 mg に変更になった フォリアミン錠 5mg は週 1 回土曜日朝食後服用に変更となった 5 疑義照会に関する事例本事業では 薬局で発生した または発見された事例をヒヤリ ハット事例として収集 分析しています 事例の概要で 疑義照会 が選択されていたヒヤリ ハット事例は 医療機関で発生した処方の誤りを薬局で発見した事例が大半を占めています これらの事例は医療事故を防止するために重要であり 医療機関にとっても有用な情報です 疑義照会のヒヤリ ハット事例として 疑義照会の結果 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 などが行われた事例が報告されています 平成 21 年年報から それらの変更内容別に取り上げて詳しく分析を行っています 本年報では 薬剤削除 の事例について 処方された

17 医薬品名と主な薬効や発生要因を集計し 主な事例を紹介するとともに 疑義があると判断する契機となった情報 背景 要因 薬局から報告された改善策などをまとめました また 疑義照会を行った事例が多く報告される一方で 処方内容に誤りがあったが 疑義照会されることなく患者に交付された事例も継続的に報告されています これらの事例についても 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例 として分析しました 報告された医薬品名 疑義照会をすべきであった内容 疑義照会を行わなかった背景 要因 誤りに気付いた契機などを整理して示しました また 共有すべき事例や医療事故情報収集等事業に報告された事例も掲載しています 図表 9 疑義があると判断する契機となった情報 疑義があると判断する契機となった情報 件数 同一 同効薬の重複 87 薬局で管理している情報と処方内容との相違 22 患者の疾患 病態 17 薬局で管理している情報 副作用歴 残薬の有無 5 処方歴の有無 4 医薬品の相互作用 3 患者が理解している内容と処方内容との相違 12 副作用歴 11 同一 同効薬の重複 7 患者との会話 残薬の有無 6 43 患者の疾患 病態 5 授乳婦 1 医薬品の相互作用 1 同一 同効薬の重複 33 お薬手帳 医薬品の相互作用 3 38 お薬手帳の内容と処方内容との相違 2 患者アンケート 授乳婦 2 2 合 計 232 疑義があると判断する契機となった情報が複数含まれる事例がある 6 共有すべき事例 の再発 類似事例本事業では 報告されたヒヤリ ハット事例の中から 特に 広く医療安全対策に有用な情報として共有することが必要であると思われる事例を 総合評価部会委員によって 共有すべき事例 として選定し 委員からの意見 事例のポイント を付してホームページに掲載しています しかし 一度注意喚起したことによって同種の事例の発生がなくなることは容易ではないことから 基本的でかつ重要と考えられる内容を繰り返し情報提供することが必要と思われます そこで 本分析では これまでに提供してきた 共有すべき事例 の選定状況を整理し 特に着目した 共有すべき事例 について 再発 類似事例の紹介や改善策のまとめなどを行っています 医薬品の中には 小児の年齢によって処方量や内服する剤形が異なるものがあり 注意が必要です さらに 年齢による処方量や剤形の区分は 医薬品によって異なっているため 処方や調剤にあたっては正確な知識を要します そこで 本年報では 共有すべき事例 のうち 小児において年齢別に

18 処方量や剤形が異なる医薬品 について 2015 年に報告された再発 類似事例を抽出し 分析し ました 関連する医薬品の報告回数及び年齢別処方量を整理して示し 事例の内容 背景 要因 薬 局から報告された改善策を紹介しています 図表 10 報告された医薬品及び年齢別処方量 ( 一部を抜粋 ) ブランド名 ( 成分名 ) ホクナリン ( ツロブテロール ) ( ツロブテロール塩酸塩 ) アレロック ( オロパタジン塩酸塩 ) ザイザル ( レボセチリジン塩酸塩 ) キプレス ( モンテルカスト ) クラリチン ( ロラタジン ) ジルテック ( セチリジン塩酸塩 ) 剤形 ( 規格 ) テープ (0.5mg 1mg 2mg) ドライシロップ (0.1%) 顆粒 (0.5%) 錠 OD 錠 (2.5mg 5mg) 小児の年齢別用法 用量 0.5 歳 ~ 3 歳未満 1 回 0.5mg 1 日 1 回 3 歳 ~ 9 歳未満 1 回 1mg 1 日 1 回 9 歳 ~ 1 回 2mg 1 日 1 回 1 回 0.02mg/kg( 製剤量 20mg/kg) 1 日 2 回 ( 適宜 増減可 ) 2 歳 ~ 7 歳未満 1 回 2.5mg( 製剤量 0.5g) 1 日 2 回 7 歳 ~ 1 回 5mg( 製剤量 1g) 1 日 2 回 7 歳 ~ 1 回 5mg 1 日 2 回 0.5 歳 ~ 1 歳未満 1 回 1.25mg( 製剤量 2.5mL) 1 日 1 回 シロップ (0.05%) 1 歳 ~ 7 歳未満 1 回 1.25mg( 製剤量 2.5mL) 1 日 2 回 7 歳 ~ 15 歳未満 1 回 2.5mg( 製剤量 5mL) 1 日 2 回 錠 (5mg) 7 歳 ~ 15 歳未満 1 回 2.5mg 1 日 2 回 細粒 (4mg/0.5g/ 包 ) チュアブル錠 (5mg) ドライシロップ (1%) 錠 レディタブ錠 (10mg) ドライシロップ (1.25%) 1 歳 ~ 6 歳未満 1 回 4mg( 製剤量 0.5g1 包 ) 1 日 1 回 6 歳 ~ 1 回 5mg 1 日 1 回 3 歳 ~ 7 歳未満 7 歳 ~ 1 回 5mg( 製剤量 0.5g) 1 日 1 回 1 回 10mg( 製剤量 1g) 1 日 1 回 7 歳 ~ 1 回 10mg 1 日 1 回 2 歳 ~ 7 歳未満 7 歳 ~ 15 歳未満 1 回 2.5mg( 製剤量 0.2g) 1 日 2 回 1 回 5mg( 製剤量 0.4g) 1 日 2 回 錠 (5mg) 7 歳 ~ 15 歳未満 1 回 5mg 1 日 2 回 報告回数 腎機能が低下した患者に関する事例慢性腎臓病患者は 多くの種類の医薬品を服用していることが多く その上薬剤性の腎障害や腎機能低下による副作用が出現しやすい状態であるため 薬物治療に対する薬剤師の関わりが期待されています そこで 本年報の分析テーマとして 腎機能が低下した患者に関する事例 を取り上げることとしました 薬剤師が腎機能が低下した患者の薬物治療に関わるには 腎機能を考慮した処方せん監査の実施や 患者やお薬手帳などから腎機能低下に関連する情報を収集する力が求められることから 本年報では腎機能が低下した患者に関するヒヤリ ハット事例の報告の中でも 特に疑義照会に

19 関する事例を取り上げて分析しました 本分析では 患者の年齢 疑義照会による処方変更内容 仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響 疑義の対象となった医薬品などについて集計しました さらに 疑義があると判断する契機になった情報と そのうち特に医薬品が判断する契機となった事例の医薬品名と主な薬効について整理して示しました また 共有すべき事例や医療事故情報収集等事業に報告された事例も紹介しています 図表 11 疑義があると判断する契機となった医薬品名と主な薬効 医薬品名主な薬効事例件数 アーガメイト 20% ゼリー 25g その他の循環器官用薬 2 注カリメート その他の循環器官用薬 1 クレメジン細粒分包 2g 解毒剤 1 注ケイキサレート 注球形吸着炭 マイラン その他の循環器官用薬 1 解毒剤 1 合計 6 注 医薬品の規格 剤形は 報告された事例に記載がなかったため不明である 5) 共有すべき事例収集した多くの事例の中から 特に広く共有することが必要であると思われる事例を 専門家である総合評価部会委員によって 共有すべき事例 として選定し 専門家からの意見 事例のポイント を付して毎月 2~7 事例を目安にホームページに掲載しています これらの事例は半年毎の集計報告にも掲載し さらに1 年分を本年報にも掲載しています 各事例は 見やすいPDF 形式としてダウンロードや印刷をすることができます また 各事例の詳細については 事例番号を利用して 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業のホームページの 公開データ検索 から閲覧することが可能です 毎月 ホームページに 共有すべき事例 を公表する際には 事業参加薬局宛てに新規掲載の情報をお知らせするメールをお送りしています また 本事業の公式 Facebookでも事例を一部紹介して 共有すべき事例 の公表をお知らせしています 共有すべき事例 は 多くの事例の中から選び出された重要かつ教訓的な事例ですので 改めて内容を十分にご参照いただき 薬局における業務の見直しや改善等に活用していただければ幸いに存じます

20 図表12 本事業のホームページ 共有すべき事例 のボタン 図表13 共有すべき事例 2015年1月 事例1 内服薬調剤 薬剤取違えに関する事例 事例番号 事例の内容 ノイロビタン配合錠14日分が処方されていたところをノイロトロピン錠4単位で誤った取り揃えを行う 鑑査時に発見し 患者本人へ渡ることはなかった 背景 要因 取違えた薬剤は名称が似ており 管理している薬剤棚も上下で隣接していた 取り揃えた際に確認を怠った ことが原因と考えられる 薬局が考えた改善策 薬剤棚に注意喚起となるような目印の工夫を施す 薬剤棚を隣接ではなく多少離して管理を行う 頭3文字の名称が一致している医薬品を取違えて調剤した事例である 名称が類似している医薬品の取違えを防止するため 薬剤棚の位置を離したりして配置を工夫することや 薬剤棚に目印を施し 視覚的に注意喚起を促すことは重要である この情報の作成にあたり 作成時における正確性については万全を期しておりますが その内容を将来にわたり保証するものではありません この情報は 医療従事者の裁量を制限したり 医療従事者に義務や責任を課したりするものではありません この情報の作成にあたり 薬局から報告された事例の内容等について 読みやすくするため文章の一部を修正することがあります そのため 公開データ検索 で閲覧でき る事例の内容等と表現が異なる場合がありますのでご注意ください 16

21 4 Web により提供している情報へのアクセスの状況 本事業では 2009 年 3 月よりホームページを開設し Webによる情報提供をしています 現在では 公開データ検索 共有すべき事例 集計報告 年報 分析テーマ 薬局ヒヤリ ハット分析表 医療事故情報収集等事業 ( 薬局関連 ) 関連文書 ( 参加登録方法 事例報告入力ガイド ホームページの閲覧方法など ) 参加登録薬局一覧 などの情報を提供しています 2014 年には 分析テーマ のボタンを押すと 年報における分析テーマ毎のPDFファイルを閲覧 ダウンロードすることができる機能を備えました ホームページにおける情報提供量は 医療事故情報収集等事業のそれと同程度になっています そして それらの情報のいくつかについては アクセス件数の把握が可能です そこで 次の4 項目について アクセス件数の経年的な推移等を昨年に引き続き調査しました このうち 共有すべき事例 のアクセス件数については 毎回公表する共有すべき事例には2~7 件の個別事例を含んでおり それらの個別事例ごとのアクセス件数は集計できませんが 提供している成果物のアクセス件数をお示しする趣旨で掲載します 図表 14 アクセス件数の調査項目 項目 1 公開データ検索 2 集計報告 年報 3 共有すべき事例 4 薬局ヒヤリ ハット分析表 情報提供内容 ヒヤリ ハット事例の検索 閲覧が可能 PDF ファイルによる事例のダウンロードと印刷 及び CSV ファイルによる事例のダウンロードが可能 集計報告 年報の閲覧及び PDF ファイルの印刷が可能 共有すべき事例の閲覧及び PDF ファイルの印刷が可能 薬局ヒヤリ ハット分析表の閲覧及び PDF ファイルの印刷が可能 1) 年別アクセス件数の推移年別アクセス件数を次に示します 2009 年のデータは6ヶ月分であることや 薬局ヒヤリ ハット分析表の件数は2010 年 10 月以降であることにご留意ください 薬局ヒヤリ ハット分析表のアクセス件数は昨年よりもわずかに減少したものの2011 年以降おおよそ横ばいであり 集計報告 年報へのアクセス件数も昨年とほぼ同じでした 本年報も含め 集計報告 年報とそれに掲載されている分析表の一層の活用が課題と考えています 公開データ検索は 近年減少幅は小さくなったものの 大きく減少していた2012 年までと同様に減少傾向が続いています 共有すべき事例は 2014 年 3 月にリンク先が変更になったことから 2014 年と比較すると 2015 年はわずかに減少していました 参加薬局数は増加し 本事業の運営期間も9 年度目であることから 薬局の皆様を中心に 成果物の閲覧や活用の促進が重要な課題であると考えています

22 図表 15 年別アクセス件数の推移 アクセス件数 サイト名 1 公開データ検索 2 集計報告 年報 ( 注 6) 3 共有すべき事例 ( 注 6) 3 共有すべき事例 ( 注 5) 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 ( 平成 21 年 )( 平成 22 年 )( 平成 23 年 )( 平成 24 年 )( 平成 25 年 )( 平成 26 年 )( 平成 27 年 ) ( 注 1) 11,411 28,269 26,894 24,106 16,030 15,214 12,646 ( 注 2) 7,620 13,217 16,467 15,610 12,649 11,329 11,242 ( 注 3) 48 7,827 10,077 9,239 7,654 2,381 1, ,713 10, ,827 10,077 9,239 7,654 13,094 11,969 4 薬局ヒヤリ ハット分析表 ( 注 4) 3,428 8,654 7,699 8,891 8,954 7,420 合計 19,079 52,741 62,092 56,654 45,224 48,591 43,277 ( 注 1)2009 年の公開データ検索の集計期間 : 5 月 29 日 ~12 月 31 日 ( 注 2)2009 年の集計報告 年報の集計期間 : 3 月 2 日 ~12 月 31 日 ( 注 3)2009 年の共有すべき事例の集計期間 : 12 月 25 日 ~12 月 31 日 ( 注 4)2010 年の薬局ヒヤリ ハット分析表の集計期間 : 10 月 5 日 ~12 月 31 日 ( 注 5)2013 年の公開データの検索 集計報告 年報 共有すべき事例および薬局ヒヤリ ハット分析表は 7 月 22 日 ~9 月 16 日までシステムが停止していたため アクセスできなかった ( 注 6)2014 年 3 月より共有すべき事例のリンク先を変更した 3 対象 URL: 3 対象 URL: 公開データ検索 2 集計報告 年報 3+3 共有すべき事例 4 薬局ヒヤリ ハット分析表のアクセス件数 ( 年別 ) 公開データ検索 アクセス件数 集計報告 年報 3+3 共有すべき事例 薬局ヒヤリ ハット分析表 年 ( 平成 21 年 ) 2010 年 ( 平成 22 年 ) 2011 年 ( 平成 23 年 ) 2012 年 ( 平成 24 年 ) 2013 年 ( 平成 25 年 ) 2014 年 ( 平成 26 年 ) 2015 年 ( 平成 27 年 )

23 2) 薬局ヒヤリ ハット分析表 のアクセス件数平成 25 年年報では 薬局ヒヤリ ハット分析表について 同年報作成時点においてアクセス件数が集計可能な2010 年 1 月 1 日から2013 年 12 月 31 日までの4 年間の件数を薬局ヒヤリ ハット分析表の各号ごとについて調査し それぞれの薬局ヒヤリ ハット分析表ごとのアクセス件数を示しました ( 平成 25 年年報 20~24 頁 ) しかし 集計方法の技術的な理由で 平成 26 年年報から新たな方法を採用することとし 平成 26 年年報に掲載した2014 年の集計結果は25,066 件でした この新しい集計方法を2015 年のデータに適用した結果は 29,250 件であり増加していました これには新しく平成 26 年年報で公表した9 件の分析表がアクセス対象になったことによる増加が含まれているので それを差し引くと 昨年とほぼ同程度のアクセス件数でした また 昨年行った新たな集計方法による薬局ヒヤリ ハット分析表の各号毎のアクセス件数を本年も集計し 経年比較を行いました 通常 公表月から翌月にかけてアクセス件数が増加し 3ヶ月目以降減少して行きます また 2015 年 10 月に平成 26 年年報の中で公表した薬局ヒヤリ ハット分析表は 集計期間が約 2ヶ月と短期間であることなどに留意が必要であり 集計期間である 2015 年 1 月 ~12 月の1 年間で集計された件数が多いことをもって 単純に しばしば閲覧されている薬局ヒヤリ ハット分析表 と解釈することはできませんが ひとつの条件付きのデータとして参考にしていただければ幸いです その上で 2015 年にアクセス件数が多かった薬局ヒヤリ ハット分析表は次の通りです ( 図表 16) 最もアクセス件数が多かったのは 平成 25 年年報に掲載した No.1 名称類似に関するヒヤリ ハット1 でした 当該分析表を図表 17に示します また 平成 25 年年報で掲載して公表した薬局ヒヤリ ハット分析表の中で最もアクセス件数が多かったのも No.1 名称類似に関するヒヤリ ハット1 でした いずれも それぞれの集計期間の中で他の薬局ヒヤリ ハット分析表と比較して特に多くアクセスされていました このように 本情報の利用者の間では 名称類似に起因するヒヤリ ハット事例の関心が高い可能性があると考えられました

24 図表 16 アクセス件数の多い薬局ヒヤリ ハット分析表 ( 集計期間 :2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) 薬局ヒヤリ ハット分析表 2015 年アクセス件数 平成 25 年年報 No.1 名称類似に関するヒヤリ ハット 1 3,065 平成 25 年年報 No.4 ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット 1,643 平成 25 年年報 No.2 名称類似に関するヒヤリ ハット 2 1,535 平成 25 年年報 No.3 一般名処方に関するヒヤリ ハット 1,106 平成 25 年年報 No.5 疑義照会に関するヒヤリ ハット ( 薬剤変更 ) ~ 疑義があると判断する契機となった情報 ~ 1,051 平成 25 年年報 No.9 医薬品添付文書上の禁忌に関するヒヤリ ハット 1,007 平成 25 年年報 No.7 共有すべき事例 の再発 類似事例に関するヒヤリ ハット事例 922 平成 25 年年報 No.10 糖尿病用剤に関するヒヤリ ハット 921 平成 26 年年報 No.1 名称類似に関する事例 868 平成 25 年年報 No.8 同種同効薬の重複処方に関するヒヤリ ハット 897 図表 17 平成 25 年年報薬局ヒヤリ ハット分析表 No.1 名称類似に関するヒヤリ ハット 1 薬局ヒヤリ ハット分析表平成 25 年 No. 1 名称類似に関するヒヤリ ハット 1 ~ 再び報告された 頭文字が 2 文字以上一致する名称類似医薬品のうち 主な薬効 が異なる組み合わせ ~ ヒヤリ ハット事例のうち 事例の内容が 薬剤取違え であった事例が893 件報告されています ( 集計期間 : 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 ) このうち 販売名の頭文字が文字として2 文字以上一致する医薬品の事例 208 件の中で 平成 24 年に引き続き 再び報告された 主な薬効 が異なる組み合わせを下表に示します 注 : 主な薬効 とは その医薬品が対応する個別医薬品コード先頭 3 桁の医薬品分類を示す 医薬品の組み合わせ ( 販売名 及び 主な薬効 ) 頭文字 2 文字のみ一致 ファムビル錠 250mg 抗ウイルス剤プロヘパール配合錠肝臓疾患用剤 ファロム錠 200mg 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するものプロパジール錠 50mg 甲状腺 副甲状腺ホルモン剤 頭文字 3 文字以上一致 アスパラ-CA 錠 200 カルシウム剤インタール点眼液 2% 眼科用剤ゾビラックス軟膏 5% 抗ウイルス剤ノイロビタン配合錠混合ビタミン剤 ( ビタミンA D 混合製剤を除く ) プリビナ点眼液 0.5mg/mL 眼科用剤 アスパラカリウム錠 300mg 無機質製剤インタール点鼻液 2% 耳鼻科用剤ゾビラックス眼軟膏 3% 眼科用剤ノイロトロピン錠 4 単位解熱鎮痛消炎剤プリビナ液 0.05% 耳鼻科用剤 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 平成 25 年年報 P123 図表 1-8 を改変

25 5 製薬企業による本事業の事例データベースを活用した名称類似薬に関する注意喚起 本事業および医療事故情報収集等事業の事例データベースを活用し 例えばこれまでに アルマール とアマリール ノルバスクとノルバデックス デュファストンとフェアストン などの名称類似薬の 取違えについて 製薬企業から継続的に注意喚起がなされています それらの主な内容を次に紹介します 1 デュファストン と フェアストン の取り違えに関する注意喚起 2015年7月には デュファストン 錠 一般名 ジドロゲステロン アボット ジャパン株式 会社 と フェアストン 錠 一般名 トレミフェンクエン酸塩 乳癌治療剤 日本化薬株式会社 について それぞれの製造販売業者である企業から 図表18のような 販売名の類似に関する注意 喚起がなされました それぞれの薬効は デュファ ストン 錠は 切迫流早産 習慣性流早産 無月経 月経周期異常 月経困難症などですが フェア ストン 錠は 閉経後乳癌ですので 大きく異なります したがって 取違えによる誤投与が患者の 健康や医療に対する信頼へ与える影響を考えると このような注意喚起が繰り返しなされる必要があ ります また 当該注意喚起文書には 本事業のデータベースの事例も活用されています このことは 医療機関で作成された処方せんに誤りがあり それを薬局で発見できずに交付した事例が生じた事実 とともに 適切な処方せん監査による疑義照会を行うことにより誤りを正し 医療事故防止に努める ことが 保険薬局の重要な役割であることを示していると考えられます 医療機関と保険薬局の連携 の重要性は 本財団が運営している医療事故情報収集等事業のテーマ分析でも取り上げ 医療事故情 報収集等事業 第35回報告書 140 200頁 本事業の年報でも 平成25年度 医療事故防 止事業部主催研修会 医療機関と薬局の連携による医療安全 シンポジウムの開催について にその 内容を掲載しました 平成25年年報 50 51頁 この注意喚起は 本事業が重視している医療 機関と薬局との連携の推進に関する重要な内容であると考えています 図表18 デュファストン 錠 と フェアストン 錠 の取り違え事例発生のお知らせ 2015 年 7 月 医療従事者の皆様 薬剤の比較 フェアストン 錠 40 フェアストン 錠 60 デュファストン 錠 と フェアストン 錠 の 販売名 デュファストン 錠 5 取り違え事例発生のお知らせ 一般名 ジドロゲステロン 切迫流早産 習慣性流早産 無月経 月経周期異常 稀発月経 多発月経 月経困難症 機能性子宮出血 黄体機能不全による不妊症 子宮内膜症 トレミフェンクエン酸塩 処方箋医薬品 劇薬 処方箋医薬品 謹啓 アボット ジャパン株式会社 日本化薬株式会社 効能 効果 時下ますますご清祥の段 お慶び申し上げます 平素は格別のご高配を賜り 厚く御礼申 規制 区分 し上げます 閉経後乳癌 これまでに デュファストン 錠 一般名 ジドロゲステロン アボット ジャパン株式会社 と フェアストン 錠 一般名 トレミフェンクエン酸塩 乳癌治療剤 日本化薬株式会社 の 販売名が類似しているとの理由で 薬剤取り違えを起こした事例が 2 件 公益財団法人 日本医療 機能評価機構のホームページに公開されております 貴施設におかれましては 以下の事例をご参考の上 より一層のご配慮をお願い申し上げます 謹白 表面 裏面 フェアストン 錠 40 デュファストン フェアストン取り違え事例 包装 表面 裏面 フェアストン 錠 40 デュファストン 錠 5 薬局 No.1 公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故 ヒヤリ ハット報告事例検索 システムより 2015 年 6 月末時点 No.2 同 機構 薬局ヒヤリ ハット報告事例検索 システムより 2015 年 6 月末時点 裏面 フェアストン 錠 60 表面 薬局 詳細は下表のとおりです No. 施設 内 容 事例の内容 発生年月 非公開 不妊症治療のために産科 婦人科医師が デュファストン錠5 を処方したとこ ろ 薬剤部が フェアストン錠40 を調剤した 患者が1回1錠 朝 昼と2回の計 2錠を服用した 交付2日後に 患者本人が違う薬であることに気づき 薬剤部に 連絡が入った 背景 要因 薬剤棚の薬剤は 使用頻度別に配置されていた デュファストンと劇薬であるフ ェアストンは 使用頻度の低い同一棚に2種類の他の薬剤を挟み 同一列に配置さ 1 れていた デュファストンの薬剤名ラベルは黒字で記載されていた 一方 フェ アストンは劇薬のため赤字で記載され ハイリスク薬を示す H の文字は付い ていたが 抗癌剤を示す表示はなかった 急いでいたため同一薬剤師が処方箋監 査と調剤を行い 別の薬剤師が調剤監査のみを行った 調剤時に 処方箋を見な がらピッキングを行わなかった また ピッキングしたその場で薬剤を薬袋に入 れることがあった 調剤監査時に 薬袋に入っていた薬剤の薬剤名を確認しなか った 薬剤交付時に 患者との薬剤の確認 患者への説明 指導を行わなかった 事例の内容 発生年月 2010 年 4 月 患者が産婦人科の処方箋を持って来局した フェアストン錠 40 のところ デ ュファストン錠 5 を調剤し 監査 投薬した 帰宅後 患者から電話連絡が あり 間違いが発覚し すぐに薬剤を取り換えた 2 背景 要因 調剤 監査時に確認を怠った 類似の薬剤名 産婦人科で使用される薬剤である ことによる思い込みで調剤した 製造 販売元 アボット ジャパン株式会社 お問い合わせ先 くすり相談室 TEL 受付時間 9:00 17:30 土 日 祝祭日及び当社休日を除く 21 フェアストン 錠 60 日本化薬株式会社 お問い合わせ先 医薬品情報センター TEL 受付時間 9:00~18:00 土 日 祝祭日及び当社休日を除く

26 2) ノルバデックス と ノルバスク の取り違え防止のための注意喚起よく知られた名称類似薬である ノルバデックス R ( 一般名 : タモキシフェンクエン酸塩 ): 抗乳癌剤 と ノルバスク R ( 一般名 : アムロジピンベシル酸塩 ): 高血圧症 狭心症治療薬 / 持続性 Ca 拮抗薬 の取違えについても 製薬企業より 本事業の成果を引用した注意喚起が繰り返し行われています 2012 年 9 月には ノルバスクとノルバデックスの取違え防止のための注意喚起がなされました 医療従事者に対してそのことを説明するために企業名で公表された文書には 本事業および医療事故情報収集等事業に 薬剤取違えによるヒヤリ ハット事例および医療事故情報が報告されていることが記載されています また 2013 年 4 月に公表された文書では 医療事故情報収集等事業の事例検索システムから ノルバスク未採用の医療機関において発生した オーダリングシステムによる誤処方に起因するもので ノルバスク未採用先に入院した患者の持参薬 ノルバスク を処方する際に オーダリングシステムにて ノルバデックス が誤って選択 処方された事例を引用し 事例の内容 背景 要因 改善策を紹介しています さらに 同様のノルバスクとノルバデックスの取違えについて 2013 年 11 月に再び注意喚起がなされ 2014 年 7 月 2015 年 5 月及び2016 年 3 月にその情報が更新されました 医療従事者に対して注意喚起するために企業名で公表された文書には 医療事故情報収集等事業に報告された事例が紹介されているとともに 具体的な表示や検索システムの改善による対策 医薬品の外観の写真などが紹介されています また 対策がとられていても 医師に異動や非常勤といった事情があることにより 対策が十分理解されていないことによる取違えの事例もあることから 周知徹底を呼びかけています このように 医療の現場の安全性を高めることにより 国民に安全な医療を提供することにつながる改善のために 本事業の成果が活用されることは 事業の趣旨に即した適切な取り組みであると考えています 同種の事例について今後も繰り返し注意喚起することが本事業の役割であるとともに 製造販売業者である企業の皆様にもこのようなご活動を継続していただければありがたいと考えています

27 図表 19 ノルバデックス R と ノルバスク R の販売名類似による取り違え注意のお願い 医療関係者各位 ノルバデックス と ノルバスク の販売名類似による取り違え注意のお願い 2016 年 3 月アストラゼネカ株式会社ファイザー株式会社謹啓時下ますますご清祥の段 お慶び申し上げます また平素は格別のご高配を賜り 厚く御礼申し上げます さて アストラゼネカ株式会社が製造販売する ノルバデックス ( タモキシフェンクエン酸塩 ): 抗乳癌剤 とファイザー株式会社が製造販売する ノルバスク ( アムロジピンベシル酸塩 ): 高血圧症 狭心症治療薬 / 持続性 Ca 拮抗薬 では 両薬剤を採用頂いている施設のみならず ノルバデックスのみを採用頂いている施設 ( ノルバスクの未採用施設 ) においても 処方オーダシステムにおける両薬剤の選択ミスの事例が報告されております また この選択ミスは 乳癌もしくは高血圧 狭心症を診療している科以外の診療科を受診した患者の持参薬処方においても認められております このため 特に重要と考えられる処方オーダシステムにおける薬剤の選択ミスを未然に防ぐための対策及び処方監査によって誤処方を防いだ例をご紹介いたします また 既に取り違い対策を導入されている施設におかれましても 異動や非常勤等の理由によりその対策について十分に把握されておらず 選択ミスが生じる事例が報告されております そのため 既に導入済であっても 改めて院内における対策の周知徹底をお願い申し上げます 是非ご一読頂き これらの薬剤を処方又は調剤頂く際には 薬効及び販売名等を今一度ご確認くださいますようお願い申し上げます 今後ともご指導ご鞭撻の程 よろしくお願い申し上げます 謹白処方監査により選択ミスが判明した実際の事例薬剤部での調剤時に 処方されたノルバデックスは患者の疾患と処方病棟から考えて間違 < 事例 ⒈ > いではないかと思い 医師に疑義照会し発覚した 患者には処方されていないため 影響はなかった 退院処方のオーダーの内容を配薬確認表を用いて確認しているとノルバスクが処方されて < 事例 2.> おらず 配薬確認表に記載のないノルバデックスがオーダーされていることに気が付いた それぞれの処方医が ノルバスク を処方するためにノルバの 3 文字検索の結果 < 事例 1.> では 薬剤の名称が類似しているノルバスクは 取り違え対策のため後発品 背景 に切り替えられていたので ノルバデックス のみ表示され < 事例 2.> では ノルバデックス ノルバスク の両方が表示されていたが いずれの処方医も ノルバデックス を ノルバスク と思い込んでしまった 出典 : 日本医療機能評価機構 ( 医療事故収集等事業 ) 第 6 回報告書別添 3. No.41 及び事例 ID: H803E524E45F12F42 より改変 処方オーダシステム対策を導入されていない施設におかれましては 対策導入のご検討をお願いいたします また 既に対策を導入済みの施設におかれましても 施設における対策の周知徹底をお願いいたします * 既に 表示方法の工夫 に係る対策を導入されている場合でも 対策導入後の異動や非常勤等の理由により その対策について十分に把握されておらず 選択ミスが生じる事例がくり返し報告されております 医療機関での処方オーダシステムにおける対策事例 表示方法の工夫 薬剤マスターに登録されている薬剤表示名称 表示方法を変更 工夫し ノルバデックスとノルバスクが間違って選択されないようにする 注 : システムの仕様により 院外処方せんの印字にも反映される場合があります 必ず システムの仕様をご確認下さい 販売名の類似した薬剤は 薬剤名称に薬効を付けて表示し注意を促す : 例 ) 変更前の表示 : ノルバデックスノルバスク変更後の表示 :< 抗女性ホルモン剤 >ノルバデックス < Ca 拮抗薬 >ノルバスク 販売名の類似した薬剤が選択された際に ポップアップ画面等により 選択した薬剤に間違いがないか確認を促す : 例 ) ノルバデックスを選択した場合 : 抗乳癌剤ですがよろしいですか? ノルバスクを選択した場合 : 高血圧 狭心症の薬ですがよろしいですか? 抗癌剤等のハイリスク薬は 薬剤名称に 等のマークを表示し注意を促す : 例 ) 変更前の表示 : ノルバデックス錠 10mg 変更後の表示 : ノルバデックス錠 10mg 抗癌剤等のハイリスク薬は 薬剤名称に色を付けて表示し注意を促す : 例 ) 変更前の表示 : ノルバデックス錠 10mg 変更後の表示 : ノルバデックス錠 10mg 検索方法の工夫 薬剤マスターに登録されているノルバデックス ( もしくは抗癌剤等のハイリスク薬 ) の検索キーを変更 工夫し 特定の接頭語を付けないと検索されないようにする ( 間違って検索 選択できないようにする ) 処方オーダシステムにおける対策例 : ノルバデックス ( もしくは抗癌剤 ) の接頭語を ん とした場合 : 例 ) のるばでっくす と入力しても ノルバデックス錠は検索 表示されない んのるばでっくす と入力すると ノルバデックス錠が検索 表示される同様の対策事例が PMDA 医療安全情報 (No 年 5 月 ) で紹介されています: ノルバデックス ( タモキシフェン ) またはノルバスク ( アムロジピン ) がご施設で初めて処方される患者様の場合や 持参薬処方で処方された際には 処方監査時に注意していただくようお願いいたします ノルバデックスとノルバスクこの薬を処方または調剤いただく際にはご注意下さい 選択ミス防止 誤投与防止のためのお願い 薬効分類名等 抗乳癌剤 高血圧症 狭心症治療薬 持続性 Ca 拮抗薬 処方監査時だけでなく 交付時や配薬時も含めてのお願い 販売名 ノルバデックス * ノルバデックス は アストラゼネカグループの登録商標です ノルバスク * ノルバスク は ファイザー株式会社の登録商標です 掲載した事例では 適切な処方監査により薬剤の選択ミスによる患者への誤投与が未然に防止 されておりました 抗癌剤等のハイリスク薬や処方オーダシステムで誤入力しやすい医薬品を 処方された患者様に対して 病歴や薬歴等の確認をお願いいたします 1 患者へのインタビューにより どの時点でどのような疾患で受診したか確認をお願いいたします 製造販売元 アストラゼネカ株式会社 ファイザー株式会社 2 処方箋に記載された処方科で処方される薬剤であるか確認をお願いいたします 大阪市北区大深町 3 番 1 号 東京都渋谷区代々木 併用薬 病名などの情報を利用し前回の処方歴および薬歴との照合をお願いいたします ヒヤリ ハット事例等の周知のお願い ノルバデックスとノルバスクの選択ミス防止の啓発と周知をお願いいたします PTP シートデザイン及び特徴 PTP シート上部に 抗女性ホルモン剤 の記載表面が銀色 ( 錠剤が見えない ) PTP シート裏面に 高血圧症狭心症の薬です の記載表面が透明 ( 錠剤が見える ) 1 新しく配属になった薬剤師の方を対象に ノルバデックスとノルバスクの両薬剤を間違えやすい医薬品として認知する機会 ( 研修等 ) を設けていただくようご検討を 抗女性ホルモン剤 の表示 高血圧症 狭心症の薬です の表示 お願いいたします 2 ノルバデックスとノルバスクの両薬剤の販売名 薬効分類名を記載した表 ( 本資料 裏面参照 ) を薬局内に掲示していただく等ご活用ください PTP シートの写真 銀色 ノルバデックス錠 10 mg ノルバデックス錠 20 mg ノルバスク錠 5 mg 錠剤の写真 * 錠剤写真はノルバスクフィルムコート錠です 製品をご使用の際は最新の添付文書をご確認ください

28 参考 医療事故情報収集等事業の成果を活用した注意喚起 医療事故情報収集等事業 第45回報告書15 17頁参照 医療事故情報収集等事業に報告される事例は 医薬品の製造販売業者に位置付けられる企業によっ て 医薬品の取り違えだけでなく適正使用に関する注意喚起もなされています 2015年8月には ペグイントロン 皮下注用の調製に関する注意喚起が公表されています 注意喚起文書の中で ペグ イント ロン 皮下注用50μg 0 5mL用 ペグイントロン 皮下注用100μ g 0 5mL用 ペグイントロン 皮下注用150μg 0 5mL用 以下 本剤 につきまして 公益財団法人 日 本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業において 調製時に添付の注射用水0 7mLで溶解し そのまま全量 0 7mL を投与した事例や 注射用水0 5mLで溶解し 過量に投与した事例が 複数報告されています と 医療事故情報収集等事業における報告事例に基づいた注意喚起情報であ ることが説明されています 本注意喚起文書発出後 2016年4月には 注意喚起後に同種事例の 報告はないものの 引き続き注意を喚起するとして 再度同趣旨の文書が発出されています 図表 20 ペグイントロン 皮下注用調製時の注意に関するお願い 図表20 ペグイントロン 皮下注用 調製時の注意に関するお願い ペグイントロン 皮下注用 調製時の注意に関するお願い ペグインターフェロン α-2b 製剤 ペグインターフェロン α-2b 製剤 注射用ペグインターフェロン アルファ-2b 遺伝子組換え 注射用ペグインターフェロン アルファ-2b 遺伝子組換え 医療関係者の皆様 2015 年 8 月 MSD 株式会社 謹啓 医療関係者の皆様 2016 年 4 月 MSD 株式会社 謹啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます 平素より弊社及び弊社製品に対し格別のご 高配を賜り 厚く御礼申し上げます 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます 平素より弊社及び弊社製品に対し格別のご 高配を賜り 厚く御礼申し上げます 弊社製品のペグイントロン 皮下注用 50μg/0.5mL 用 ペグイントロン 皮下注用 100μg/0.5mL 用 ペグイントロン 皮下注用 150μg/0.5mL 用 以下 本剤 につきまして 公益財団法人日本 医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業において 調製時に添付の注射用水 0.7mL で溶解 し そのまま全量 0.7mL を投与した事例や 注射用水 0.5mL で溶解し 過量に投与した事例 が複数報告されています これらの誤調製に基づく過量投与により特定の副作用は報告されていませんが 患者さんの安全 弊社製品のペグイントロン 皮下注用 50μg/0.5mL 用 ペグイントロン 皮下注用 100μg/0.5mL 用 ペグイントロン 皮下注用 150μg/0.5mL 用 以下 本剤 につきまして 調製時に添付の注 射用水 0.7mL で溶解し そのまま全量 0.7mL を投与した事例や 注射用水 0.5mL で溶解し 過量に投与した事例が報告されていたことから 2015 年 8 月に注意喚起を実施いたしました そ の後 同様の誤調製 過量投与に関する報告はされておりませんが 患者さんの安全性確保のた め 今後も引き続き本剤の適正使用にご協力ください 性確保のため 本剤の適正使用にご協力ください 調製時の注意点 調製時の注意点 本剤を添付の注射用水 0.7mL 全量 で溶解したときの 溶解液 0.5mL 中の含有量は 各表示量 50μg 100μg 150μg となります 本剤を添付の注射用水 0.7mL 全量 で溶解したときの 溶解液 0.5mL 中の含有量は 各表示量 50μg 100μg 150μg となります 添付の 注射用水 全量 0.7mL 添付の 注射用水 全量 0.7mL 0.5mL 以下 0.5mL 以下 医療関係者の皆様におかれましては 本剤添付文書の 用法 用量に関連する使用上の注意 及び 適用上の注意 をご一読いただき 本剤の調製方法を再度ご確認いただきますようお願 い申し上げます (全量投与しない事) 医療関係者の皆様におかれましては 本剤添付文書の 用法 用量に関連する使用上の注意 及び 適用上の注意 をご一読いただき 本剤の調製方法を再度ご確認いただきますようお願 い申し上げます 謹白 謹白 お問い合わせ先 MSD 株式会社 MSD カスタマーサポートセンター 電話番号 受付時間 土日祝日 当社休日を除く お問い合わせ先 MSD 株式会社 MSD カスタマーサポートセンター 電話番号 受付時間 月 金 祝日 当社休日を除く 2015年8月 2016年4月 24

29 6 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の現況と課題 1 参加薬局数 本事業では 2009年4月から薬局の参加登録 事例収集を開始しました 参加薬局数は増加を 続けており 2015年末時点では8 577施設となりました また本年に入り さらに参加薬局数 の増加を認め 本稿執筆時点では 8 603施設となっています 全国の薬局数57 784施設 平 成26年度衛生行政報告例の概況 から見ると 15 程度の参加割合となります さらなる参加数 の増加のために 未参加の薬局の皆様には 薬局における医療事故の発生防止を目的とする本事業の 趣旨をご理解いただき ぜひご参加いただきますよう宜しくお願い申し上げます また 既に参加し ておられる薬局の皆様には 未参加の薬局の皆様のご参加を促進することにご協力いただきますよう 宜しくお願い申し上げます ご参加の方法は Web上で薬局に関する情報 例えば薬剤師数 医薬 品取り扱い品目数 1ヶ月の処方せん応需件数などをご入力いただき その結果を反映して自動的に 作成 表示される 参加登録申請書 を当事業部に送付していただくだけです その手続きを示すフ ァイルを ホームページの 関連文書 のボタンをクリックして表示される画面の中の 参加登録等 に関すること の中に 操作手引き書 参加登録 第1.4版 という名称で掲載しました その内容の一部を以下に示します このファイルの通りに入力 出力 送付していただければ ど の薬局でも簡単に参加することができます 本事業の運営委員会では 参加促進の観点から 手続き の更なる簡素化の検討を求めるご意見もいただいています 参加促進及び 参加薬局の確認と参加の 意思確認とに必要な情報のありかたについては さらに検討して行きたいと考えています 図表21 参加登録申請の手続きの内容 抜粋 (5)薬局情報仮登録 結果 画面 1 薬局情報仮登録 (1)仮登録入力画面 事例報告サイトを利用する為のユーザ情報の入力を行います ④ ① ② ① ③ ② ⑤ 薬局情報仮登録 入力 画面 ① 施設情報を入力します 薬局情報仮登録 結果 画面 別画面にて 参加登録申請書 の PDF が自動で表示され ② 施設アンケート情報を入力します 参加登録手続きのメールが登録を行った電子メールアドレス宛に送信されます ③ [次へ]ボタンを押下します メール本文には事例報告サイトにログインする為のパスワードが明記されています アンケートがない場合 表示された申請書をプリントアウトし 必要事項を記入の上 当事業事務局まで郵送して下さい 入力エラーがない場合 3 仮登録入力 確認 画面 正常時 へ遷移します 事務局にて登録内容が承認され 参加登録手続き完了メールが登録されている電子メール宛に送 入力エラーがある場合 4 仮登録入力 確認 画面 エラー時 へ遷移します 信されユーザステータスが仮登録から通常になり登録の完了となります アンケートがある場合 ① 宛て名が必要な場合は [印刷用宛て名カード]ボタンを押下し 宛て名の表示 保存を行うことができます 2 アンケート回答画面 へ遷移します ④ ご使用のパソコンに Adobe Reader がインストールされてない場合は 登録内容をWeb上で送信し仮登録終了 [申請書 PDF ダウンロード]ボタンを押下し 申請書の表示 保存を行うことができます ⑤ [薬局情報登録 ユーザIDが表示された画面 薬局の開設者名 所在地 薬剤師数などを入 画像を押下し Adobe Reader のインストールをします 力する 薬局情報登録 入力ガイド]リンクを押下します 入力ガイド を別画面で表示します ② 別画面にて 参加登録申請書 が表示されない場合は 25

30 2) 報告件数 報告内容報告件数は2010 年 7 月に 1ヶ月あたりの報告件数が2,000 件に達しました その後 件数としては減少し 2015 年は毎月 350~500 件程度の件数で推移しました (78 頁 2. 月別報告件数 参照 ) また 毎年の報告件数も 減少傾向が続いています 報告件数の増加は 重要な課題と考えています 報告件数の増加のために 参加薬局の皆様だけでなく 医薬品の医療安全に関する多くの関係の皆様のご協力を賜りますよう 宜しくお願い申し上げます 一方で 近年では 薬局だけでなく医療機関にも有用な 疑義照会 の事例が増えていることや 記述項目の欄に記載されている事例の内容 背景 要因 改善策には 薬局内で事例を分析し 深く考えた上での背景 要因や改善策が記載されている事例 いわば質の高い報告が増えていると感じています また 2012 年 4 月に開始された一般名処方に関連するヒヤリ ハット事例の報告が引き続き報告されていることから 昨年に引き続き本年報においても 一般名処方に関する事例 の中で 一般名処方に関連するヒヤリ ハット事例を取り上げ分析しています そのような質の高い事例や 共有すべき事例として取り上げられる有用な情報が報告されている一方で 報告はされているものの 背景 要因 や 改善策 の記載が乏しい あるいは空欄となっている事例も依然としてみられることから 今後も 参加薬局数や報告件数の増加に加え 報告の質の向上が課題と考えています 図表 22 報告件数及び参加薬局数の推移 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 報告件数 1,460 12,904 8,082 7,116 5,820 5,399 4,779 参加薬局数 1,774 3,449 6,037 7,225 7,747 8,244 8,577 3) 入力の支援 ~ 分かりやすい入力のために~ (1) 入力ガイド と 入力例 適切な内容をご報告いただくために 事業参加薬局の皆様におかれましては 報告にあたって 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業ホームページの 関連文書 のボタンをクリックして現れる画面中の 事例報告入力ガイド ( 平成 26 年 12 月版 ) ( text_report_guide.pdf) に則して報告していただくようお願いいたします また 初めての事例の報告や 普段の事例の報告にあたり 入力の負担を軽減することにより スムーズに報告を開始しそれを繰り返すことを容易にして報告に慣れていただき それによって報告範囲に該当する事例の適切な報告を継続していただくために 事例の入力例 ( を ホームページの 関連文書 のボタンをクリックして表示される画面中の 事例報告に関すること に掲載しています 入力例は 事例の概要 ( 調剤 疑義照会 特定保険医療材料 医薬品の販売 ) ごとに計 5 件掲載しています 例えば 調剤 の事例の入力例では ユリノーム錠 50mgを調剤するところ 誤ってユリーフ錠 4mgを調剤してしまった という内容の事例を例にとって その詳細を提示したうえで 入力項目の表示の順と選択肢の選び方を分かりやすく解説しています

31 図表 23 調剤 に関する事例の入力例 入力例 1: 調剤 薬剤取違え に関する事例 入力例 1: 調剤 薬剤取違え に関する事例 事例 ユリノーム錠 50mg を調剤するところ 誤ってユリーフ錠 4mgを調剤してしまった 内容 2013 年 8 月 1 日 ( 木 )11 時頃の出来事であった 機構病院の内科を受診した患者さん (45 歳男性 ) が処方せんを持って来局した 処方せんには ユリノーム錠 50mg 1 錠 / 分 1 朝食後 28 日分 と記載されていた 薬剤師 Aは調剤する際 薬棚からユリノーム錠 50mgを調剤するところ 誤ってその下の薬棚にあったユリーフ錠 4mgを調剤してしまったが 誤りに気付かずそのまま鑑査に回した 鑑査にあたった薬剤師 Bが 処方薬のユリノーム錠 50mgではなく ユリーフ錠 4mgが調剤されていることに気付き 調剤した薬剤師 Aに誤りを伝えた 薬剤師 Aはユリノーム錠 50mgを正しく調剤し 再度 薬剤師 Bに鑑査してもらった 鑑査の段階で誤りに気付いたため 患者さんには正しい薬を交付した 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 ( 図表 24 発生場面 事例の内容 の入力方法 入力例 1: 調剤 薬剤取違え に関する事例 10 発生場面 11 事例の内容を入力する ユリノーム錠 50mg を調剤するところ 誤ってユリーフ錠 4mg を調剤してしまった 発生場面 は 調剤 の項目の 内服薬調剤 を選択し 事例の内容 は 薬剤取違え を選択 まで入力が終わったら 次へ をクリックする 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 ( 図表 25 医薬品の販売名 ( 例 : ユリノーム錠 50mg) の入力方法 入力例 1: 調剤 薬剤取違え に関する事例 14 検索された中から 該当する販売名の右側にある 確定 をクリックするとデータが反映される 15 間違えた医薬品 についても同様の手順で入力する まで入力が終わったら 次へ をクリックする 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 (

32 (2) 入力に迷う 入力の誤りが多い 事例に関する入力支援また 入力に迷うことや入力の誤りが多い事項については これまでに5 回 報告にあたってのお願い を事業参加薬局宛に送付しています 第 1~5 報の内容をまとめて図表 26にお示ししますので 報告にあたり参考としていただければ幸いです 特に 2012 年 4 月に開始された一般名処方に関するヒヤリ ハット事例の入力方法を 8 一般名処方 に関連する事例の入力方法について 10 一般名処方規格 剤形間違いの入力方法について として示しています また 医薬品の販売の事例の報告が依然として少ないことから 具体事例を示しつつ その報告を依頼するために 11 医薬品の販売 事例の報告について を示しています

33 図表 26 入力の誤りの多い項目に関する 報告にあたってのお願い の内容 1 実施の有無 について本事業において 実施 とは 医薬品等の交付および医薬品の販売を行ったことを意味します よって 患者が該当する医薬品 ( または特定保険医療材料 ) を服用または使用していない場合でも 患者に交付 ( 投薬 ) 後である場合は 実施あり となります 2 当事者 について当事者とは 事例に何らかの形で直接関わった者を指します 発生時に勤務していた全職員ではありません 3 テキスト情報 事例の内容 について事例の内容が分かるように 誰が いつ 何を どこで なぜ どのように 行ったかを具体的かつ明確に記述して下さい また 以下の3つの項目を盛り込んで記入して下さい 本来 行うこととしていた内容 実際に行った内容 どのように誤りに気付いたか その契機 4 テキスト情報 背景 要因 改善策 について類似事例の再発を防止する観点から 背景や貴局内で検討した改善策を 出来る限り入力して下さい 5 発生場面 事例の内容 について 1) 発生場面 が 内服薬調剤 外用薬調剤 注射薬調剤 の複数項目に該当する場合は 再発防止の観点から最も重要なものを選択し 報告して下さい 複数の事象が同等に重要であると考えられる場合は 選択項目である発生場面は その他の調剤に関する場面 事例の内容は その他 を選択し 該当するカッコ内に詳細を記載して下さい 2) コンピュータ ( レセコン等 ) の入力間違いに関するヒヤリ ハット事例については レセコン入力間違いに関する事例の選択肢の選び方 を参考にして入力して下さい ホームページの 関連文書 に レセコン入力間違いに関する事例の選択肢の選び方 ( text_report_guide_2.pdf) というファイル名で掲載されています 3) 錠剤を0.5 錠に分割せずに交付したなど 錠剤の分割にかかわるヒヤリ ハット事例については 分包間違い を選択して下さい 6 発生要因 およびテキスト情報 背景 要因 についてテキスト情報の 背景 要因 には 発生要因 の項目で選択した要因 ( 例えば 確認を怠った など ) に至った原因や経緯などを 詳細に入力して下さい 7 実施の有無 治療の程度 についてホームページの 関連文書 に 実施の有無 治療の程度 の選択肢の選び方をまとめた 実施の有無 治療の程度の選択肢の選び方 ( を掲載しました 事例報告入力ガイド をご確認していただくと共に 実施の有無 治療の程度の選択肢の選び方 を参考にして入力して下さい 8 一般名処方 に関連する事例の入力方法について 1) 一般名処方 に関連する事例の場合 テキスト情報 事例の内容 背景 要因 改善策 のいずれかに 一般名 という単語を使用して文章を入力してください 2) 医薬品に関する項目 について 事例( 本来 行うこととしていた内容 実際に行った内容 ) 中で 医薬品の販売名をひとつに特定できる場合 その 販売名 を入力してください 上記以外の場合は 一般名 を入力してください

34 9 本事業の報告について 1) 報告内容について本事業は 医療におけるヒューマンエラーによる事例を収集対象としており 下記は報告対象外となります ( 報告対象外の例 ) ヒューマンエラーに由来しない医薬品の副作用に関する報告 レジの打ち間違い 2) 報告頻度について本事業は医療安全対策のため 薬局ヒヤリ ハット事例を継続的に収集 分析し公表しております 継続的な事例の報告にご協力をお願いします 3) 報告事例の修正 取り消しについて一度本事業に報告いただいた事例については 内容の修正 取り消しは出来ませんので 報告前に必ずご確認をお願いします 10 一般名処方規格 剤形間違いの入力方法について一般名処方の事例において 下記 ( 入力例 ) の通り 規格 剤形の異なる 一般名 を取違えて調剤した結果 規格 剤形の取違えであるとともに ブランド 製造販売業者が異なる医薬品の取違えの事例でもある場合には 事例の発生場面は 薬剤取違え ではなく 規格 剤形間違い を選択してください ( 入力例 ) 一般名である 般 バルプロ酸 Na 錠 100mg が処方されたが 誤って 般 バルプロ酸 Na 徐放錠 100mg である バルデケンR 錠 100mg を調剤した 入力方法発生場面 : 内服薬調剤事例の内容 : 規格 剤形間違い 処方された医薬品 販売名デパケン錠 100 間違えた医薬品 販売名バルデケン R 錠 100mg ( 一般名 : 般 バルプロ酸 Na 錠 100mg) ( 一般名 : 般 バルプロ酸 Na 徐放錠 100mg) 11 医薬品の販売 事例の報告について医薬品の販売 ( 一般用医薬品の販売など ) に関連し 薬局で発生したまたは発見された事例を報告して下さい これまでに報告された主な事例は以下の通りです 薬局で発生した事例 OTC 薬を販売したが 使用期限が過ぎていた 緑内障に禁忌の医薬品を販売していた 医薬品を返品していただき 他の商品を販売した 薬局で発見された事例 蕁麻疹を繰り返す患者に対し OTC 医薬品の対応だけでは 治療不十分と考え 医療機関を紹介した 胃腸薬を購入される前に お薬手帳から既往歴や併用薬を確認したところ 禁忌の疾患があることが判明した 当該胃腸薬は服用しない方が良いと説明し 患者も納得した

35 また 報告項目中の 実施の有無 治療の程度 の入力方法 及び 調剤 に関する事例のうち レ セプトコンピューター の入力間違いに関する事例の入力方法については 選択肢の選び方の正確を 期すため 事例報告 入力ガイド の他に図表を作成し ホームページの 関連文書 のボタンをク リックして表示される画面中の 事例報告に関すること に掲載していますのでご活用ください 図表 27 実施の有無 治療の程度の選択肢の選び方 実施の有無 治療の程度の選択肢の選び方 投薬 または医薬品の販売を終了した後に発見したヒヤリ ハット事例だった はい いいえ 治療の程度 注 ) は 1~3 のいずれに該当するか 注 ) 治療の程度 とは 誤った行為が実施されたことにより生じた健康被害に対して行われた治療の程度を意味します 誤った行為の実施に関係なく 患者が通常受けている治療の程度ではありません 実施なし を選択 ( 例 ) 投薬を終了する前までに処方せんの誤りを発見し 疑義照会を行った 投薬を終了する前までに調剤 または入力の間違いを発見した 一般用医薬品の販売を終了する前までに説明間違いに気づいた等 1. 患者は軽微な治療を必要とした場合 ( 実施あり ) 軽微な治療 を選択 ( 例 ) 患者は間違えた薬を服用したため頻脈 動悸の症状が現れ 病院に入院して治療を受けた 患者は間違えた薬を服用しなかったが 正しい薬を服用することが出来なかったために血圧が上昇し 病院に受診して治療した等 2. 患者は治療を必要としなかった場合 ( 実施あり ) 治療なし を選択 ( 例 ) 患者は間違えた薬を服用しなかったため 健康への影響はなかった 薬袋に用法を間違えて記載したが 患者は正しい用法で服用していたため 健康への影響はなかった 患者は間違えた薬を 1 回分服用したが 特に健康への影響は見られなかった等 3. 患者が治療を必要としたかどうか分からない場合 ( 実施あり ) 不明 を選択 ( 例 ) 投薬後 誤りに気づいたが 患者と連絡が取れなかったため 患者の健康への影響の程度が分からない 一般用医薬品を間違えて販売したが 患者の連絡先を聞いていなかったため 患者の健康への影響の程度が分からない等 図表 28 レセコンの入力間違いに関する事例の選択肢の選び方 レセコンの入力間違いに関する事例の選択肢 ( 発生場面 および 事例の内容 ) の選び方 レセコン入力と調剤のいずれも間違えた はい いいえ 調剤のヒヤリ ハット事例と考えて 適切な選択肢を選び 入力を進めてください 薬袋の記載を間違えた はい いいえ 間違えた販売名 薬剤情報提供書の記載を間違えた 1. 内服薬のみの場合 はい いいえ 発生場面 : 内服薬調剤 を選択事例の内容 : 薬袋の記載間違い を選択 間違えた販売名 処方薬の販売名 または数量に関する入力を間違えた 2. 外用薬のみの場合発生場面 : 外用薬調剤 を選択事例の内容 : 薬袋の記載間違い を選択 3. 注射薬のみの場合発生場面 : 注射薬調剤 を選択事例の内容 : 薬袋の記載間違い を選択上記 1から3 以外の場合 ( 複数の剤形等 ) 発生場面 : その他の調剤に関する場面 を選択事例の内容 : 薬袋の記載間違い を選択 4. 内服薬のみの場合発生場面 : 内服薬調剤 を選択事例の内容 : その他 を選択 ( カッコ内に 説明文書の作成間違い と記載して下さい ) 5. 外用薬のみの場合発生場面 : 外用薬調剤 を選択事例の内容 : その他 を選択 ( カッコ内に 説明文書の作成間違い と記載して下さい 6. 注射薬のみの場合発生場面 : 注射薬調剤 を選択事例の内容 : その他 を選択 ( カッコ内に 説明文書の作成間違い と記載して下さい 上記 4から6 以外の場合 ( 複数の剤形等 ) 発生場面 : その他の調剤に関する場面 を選択事例の内容 : その他 を選択 ( カッコ内に 説明文書の作成間違い と記載して下さい はいいいえ 7. 処方薬の入力を忘れた場合発生場面 : その他の調剤に関する場面 を選択事例の内容 : 調剤忘れ を選択 8. 数量 ( 分量や用量 ) を間違えて入力した場合発生場面 : その他の調剤に関する場面 を選択事例の内容 : 数量間違い を選択 9. 規格 剤形を間違えて入力した場合発生場面 : その他の調剤に関する場面 を選択事例の内容 : 規格 剤形間違い を選択 10. 異なる薬剤と間違えて入力した場合 ( 上記 9に該当する場合を除く ) 発生場面 : その他の調剤に関する場面 を選択事例の内容 : 薬剤取違え を選択 上記 7 から 10 以外の場合 発生場面 : その他の調剤に関する場面 を選択事例の内容 : その他 を選択 ( カッコ内に詳細を記載して下さい ) 発生場面 : その他の調剤に関する場面 を選択事例の内容 : その他 を選択 ( カッコ内に 入力間違い と記載して下さい ) 処方薬の販売名 または数量以外とは処方せんに記載されている項目のうち 下記に該当するものを指します 1 服用方法 2 患者情報 3 処方医に関する情報 4 保険に関する情報 5 交付年月日等

36 4) 事業参加後に行っていただく作業本事業にご参加いただいた後は 事例の報告やそれに関する必要な作業の他に 本事業の成果物を作成する際に必要な 薬局の基本情報の更新などの作業をお願いしています 2015 年は これらを簡単にまとめた 適切な報告のために参加登録後に行っていただきたいこと ( 図表 29) を作成し ホームページの 関連文書 のボタンをクリックして表示される画面中の 参加登録後の作業に関すること に掲載しましたのでご活用ください 図表 29 適切な報告のために参加登録後に行っていただきたいこと 適切な報告のために参加登録後に行っていただきたいこと 本登録完了後 1 初期パスワードの変更 1ホームページにある 事例報告ログイン のボタンをクリックします 2 ユーザー ID および パスワード を入力し ログイン ボタンをクリックします ユーザID: 参加登録申請書 ( 控 ) に 利用者 ID として記載されているもの パスワード : 仮登録を行った際に入力したメールアドレスに送信された 参加登録手続きのお知らせ の中で 初期パスワード として記載されているもの 3 初期パスワード の欄に 初期パスワード ( 上記 2で入力したパスワード ) を入力します 4 新パスワード 新パスワード( 確認用 ) の欄に 新しいパスワード( 自分で決めていただくパスワード ) を入力します 新パスワードは半角英字と半角数字 ( または記号 ) を組み合わせて 8 文字以上 12 文字以内で入力して下さい 5 確認 ボタンをクリック後 登録 ボタンをクリックしてください 内容 1 初期パスワードの変更 2ヒヤリ ハット事例の報告 3 月次締め 4 薬局情報更新 ヒヤリ ハット事例が発生または発見した後 2 ヒヤリ ハット事例の報告ホームページからログインした後 トップメニュー画面の 事例報告 をクリックします その後 表示された選択肢に沿って事例の内容を入力してください 事例の入力を行うための下記の資料を ホームページの 関連文書 に掲載しておりますので これらの資料を参考にしてください 関連文書 に掲載されている主な資料( 事例報告入力ガイド : 入力方法や入力項目について説明したもの 事例の入力例 : 実際に入力する方法を例をとって説明したもの 報告にあたってのお願い : 入力する際の注意点を説明したもの報告するヒヤリ ハット事例は 調剤に関する事例以外にも 疑義照会に関する事例 一般用医薬品の販売に関する事例など 様々な事例が報告対象となっておりますので ホームページの 事業要綱 をご確認の上 報告していただきますようにお願いします 毎月 3 月次締め 1ホームページからログインした後 次の画面またはトップメニュー画面の 事例報告 をクリックした後に表示される 報告完了確認 ボタンをクリックします 2 年 月まで報告完了 の期間を選択し 下にある はい ボタンをクリックします 選択した期間に報告する事例がない場合でも 月次締め 作業を行って下さい なお 本事業における 月次締め 作業を行っていただいた薬局を 本事業に継続して参加する意思のある薬局として取り扱います 1 年に1 回 (11 月から12 月頃を予定 ) 4 薬局情報更新参加登録時に登録 もしくは前年度に更新していただいた 薬局の薬剤師数 や 後発医薬品調剤率 等の情報を1 年に1 回程度 更新することとしています 詳細については 更新時期に別途 メールでご連絡します (1) 初期パスワードの変更 ログイン及びヒヤリ ハット事例の報告 77 頁の 1. 事業参加薬局数 と78 頁の 1. 総報告件数 に示すように 2015 年末の参加薬局数は8,577 施設ですが 1 年間にヒヤリ ハット事例を1 件以上報告した薬局は その6. 7% 程度の574 施設にとどまっています それ以外の約 90% の薬局は 事例を報告していないとともに その中には 参加登録時に交付されるIDや仮パスワードがわからなくなったという問い合わせや 参加後の手続きに従って正しく変更したパスワードを紛失したという問い合わせが寄せられることがあります 参加登録手続きを行うと 仮登録されるとともに その画面にユーザIDが表示されます ( 図表 30) そして 手続き後に本事業からメールが送信され その本文中に初期パスワードが示されています ( 図表 31)

37 図表30 参加登録手続きの薬局情報仮登録 結果 画面上に表示されるID ホームページ 関連文書 参加登録方法について より 図表31 参加登録手続き後に送付されるメールに表示されたパスワード ホームページ 関連文書 参加登録方法について より 初めて報告画面にログインする際には 薬局の皆様がご随意に決められるパスワードに変更してい ただくことになります その変更状況をみると 初期パスワード変更の作業が滞っている薬局があり その理由として 参加手続きが終了した後に 長期にわたり報告画面にログインしていないことが推 測されます 本事業は ヒヤリ ハット事例を報告していただき 薬局における医療安全の推進のた めに活用し 医療安全を推進する事業ですので ログイン 初期パスワード変更 1事例目 の報告 という一連の作業を滞りなく行っていただきますよう ご理解ご協力のほど 宜しくお願い いたします 33

38 それでも ID やパスワードに関する疑問が生じた場合に備え ホームページ の 関連文書 のボ タンをクリックして表示される画面中に ID パスワードよくある質問についての回答 を作成し 図表 32 に示す Q&A を掲載していますのでご活用ください 図表 32 ID パスワード よくある質問についての回答 No. 質問内容 回答頁 Q1 ユーザIDが不明である 2 Q2 パスワードが不明である 3 Q3 ユーザIDとパスワードの両方が不明である 4 Q4 Q5 Q6 Q7 Q8 登録したメールアドレスが使用できないため パスワード再発行 を行うことが出来ない ログイン画面で ユーザ ID と パスワード に正しく入力したが ログイン ID または パスワードが違います と表示された ログイン画面で ユーザ ID と パスワード を入力し ログイン すると ログイン失敗が一定の回数を超えたため 24 時間を経過するまでログインできません その間にログイン失敗すると時間経過がリセットされます と表示された ログイン後 パスワード変更 画面になったがどうしたらよいか また パスワードの変更方法が分からない パスワード変更画面に表示される 初期パスワード が分からないので パスワードの変更が出来ない これらの Q&A のうち Q1 ユーザ ID が不明である Q2 パスワードが不明である Q3 ユーザ ID とパスワードの両方が不明である が特に重要ですので 次にその詳細な内容を紹介します

39 Q1: ユーザIDが不明である A 1) ID パスワード紛失届 (PDF) を印刷していただき 必要事項をご記入 ご捺印の上 本事業部まで郵送して下さい パスワード に任意の数字(12 桁必須 ) を記載して下さい なお 以前に自ら決めていただいたパスワード ( 半角英数字 8 桁以上 12 桁以内 ) をお持ちの場合でも 本作業時に ID パスワード紛失届 に記載した数字 12 桁に変更されますので 再度 設定していただく必要があります 2) 本事業部に ID パスワード紛失届 が届いた後 1~2 日程度で 登録済みメールアドレス に ユーザID を送信します ID パスワード紛失届 に記載したパスワード ( 数字 12 桁 ) およびメールで届いたユーザIDを用いて ログイン操作を行って下さい ID パスワード紛失届 (PDF) 宛名カード(PDF) ( 郵送時必要に応じてご利用下さい ) ( 記入例 )

40 Q2: パスワードが不明である A 1) パスワード再発行 画面で ユーザ ID と 登録済みメールアドレス を入力し 再発行 ボタンをクリックして下さい 2) パスワード はすぐに 登録済みメールアドレス に届きますので メールで届いたパスワード( 数字 12 桁 ) および ユーザID を用いて ログイン操作を行って下さい 登録済みメールアドレス には参加登録時に入力したメールアドレスを入力して下さい なお 参加登録時に登録したメールアドレス ( 本事業のシステム上でメールアドレスの変更手続きを行った場合は 変更後のメールアドレス ) 以外では パスワードを再発行することが出来ませんのでご注意下さい パスワード再発行 画面 1 入力 2 クリック 3 クリック

41 Q3: ユーザIDとパスワードの両方が不明である A 1) ID パスワード紛失届 (PDF) を印刷していただき 必要事項をご記入 ご捺印の上 本事業部まで郵送して下さい パスワード には 任意の数字 (12 桁必須 ) を記載して下さい 2) 本事業部に ID パスワード紛失届 が届いた後 1~2 日程度で 登録済みメールアドレス に ユーザID を送信します ID パスワード紛失届 に記載したパスワード ( 数字 12 桁 ) およびメールで届いたユーザIDを用いて ログイン操作を行って下さい ID パスワード紛失届 (PDF) 宛名カード(PDF) ( 郵送時必要に応じてご利用下さい ) ( 記入例 )

42 (2) 月次締め 作業本事業では 薬局で事例を認識した日から原則として1ヶ月以内に事例を報告していただくこととしています また報告を遅れることなく適切に行っていただくために 毎月 ヒヤリ ハット事例の報告が全て完了したことを示す 月次締め 作業もお願いしています この作業は ヒヤリ ハット事例が発生しなかった薬局でも毎月行っていただく作業ですので ご注意ください 具体的に 月次締め 作業とは 当該月のヒヤリ ハット事例報告を完了した後に ログイン後に表示される月次締め画面 ( 図表 33) において はい のボタンを押して完了する作業を言います 図表 33 月次締め画面 現在でも この作業が滞りがちな薬局があります 月次締め 作業は 参加薬局が本事業に参加し 続ける意思があるとみなす条件のひとつとしておりますので 必ず行っていただきますよう宜しくお 願いいたします (3) 薬局情報の更新について 本事業では 参加登録時に以下の表にある項目を入力していただき 分析のための基礎情報として います 図表 34 参加時の登録と毎年の更新が必要な情報 薬局の薬剤師数 ( 常勤換算 )( 人 ) 医療用医薬品の取扱品目数 ( 品目 ) 後発医薬品の取扱品目数 ( 品目 ) 処方せんを応需した回数 ( 回 / 月 ) 一般用医薬品の取扱品目数 ( 品目 ) 処方せんを応需している医療機関数 ( 施設 ) 後発医薬品調剤率 (%) これらの情報は 半年毎の集計報告や年報で集計 公表する情報です したがって 毎年 1 回の更

43 新を行っていただくこととしています 具体的には 参加薬局の皆様に 毎年 11 月 1 日から12 月 15 日までの期間で更新作業を行うことを電子メールにてご依頼しています なお 薬局情報に変更がない薬局でも その旨をお知らせいただくために 同様の更新作業を行う必要があります この作業が滞りがちな薬局の皆様には 電子メールで何度か依頼をさせていただき 多くの薬局の皆様に更新作業を行っていただきましたが それでも更新が行われなかった薬局もありました 先述したように これらの情報を集計し 集計報告や年報で公表いたしますので その計数が参加薬局の現状を正確に反映したものになるよう 今後とも情報の更新作業にご理解 ご協力の程 宜しくお願いいたします 7 ホームページを通じた情報提供 本事業では 年報や集計報告 薬局ヒヤリ ハット分析表 共有すべき事例等の成果物や 報告された事例を匿名化した事例のデータベース等をホームページに掲載し 活用しやすさにも配慮しながら情報発信しています ホームページ の 関連文書 のボタンをクリックして表示される画面の中に それらの内容を簡単に説明した ホームページの活用に関すること を掲載しています 次に ホームページを通じて情報発信している主な内容について説明します 1) 本文検索 機能本事業のホームページの画面を図表 35に示します 集計報告 年報 のボタンを押していただくと 図表 36のページが開きます このページには 従来どおり 既に公表した集計報告や年報のP DFファイルが掲載されています 本事業を2008 年度に開始して以来 年報は本年報で7 冊目となります このように 成果物の量が多くなったことから その内容を一層ご活用いただきやすくするために 年報本文の検索機能を設けています 図表 36の1のボタンをクリックしていただくと 図表 37に示す本文検索の画面が開きます ここで 対象とする年報の絞り込みや キーワードを入力した検索が可能です 図表 35 本事業のホームページ

44 図表 36 集計報告 年報のページ 1 図表 37 年報検索機能のページ

45 2) 分析テーマ の閲覧機能本事業のホームページ ( 既出 図表 35) の 分析テーマ のボタンをクリックすると 図表 38 のページが開きます 平成 21 年年報 ~ 平成 26 年年報で取り上げた分析テーマは 延べ43 件となりました このように 分析テーマの数が多くなったことから その内容を一層ご活用いただきやすくするために 分析テーマ名とともに 分析テーマ毎に切り分けたPDFファイルをそれぞれ掲載しています これによって ご関心のある分析テーマを容易に見つけることができ その分析内容を閲覧していただくことができます 図表 38 分析テーマのページ 分析テーマ毎の PDF ファイル

46 平成 21 年 ~ 平成 26 年年報で取り上げたテーマは次の通りです 図表 39 年報で取り上げた分析テーマ一覧平成 26 年年報 1 名称類似に関するヒヤリ ハット 2 後発変更等に関するヒヤリ ハット 3 ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット 4 疑義照会に関するヒヤリ ハット 5 共有すべき事例 の再発 類似事例に関するヒヤリ ハット 6 配合剤に関するヒヤリ ハット 7 散剤の調製に関するヒヤリ ハット 8 個別薬剤に関するヒヤリ ハット ( 抗てんかん剤 ) 平成 25 年年報 1 名称類似に関するヒヤリ ハット 2 一般名処方に関するヒヤリ ハット 3 ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット 4 疑義照会に関するヒヤリ ハット 5 共有すべき事例 の再発 類似事例に関するヒヤリ ハット 6 同種同効薬の重複処方に関するヒヤリ ハット 7 医薬品添付文書上の禁忌に関するヒヤリ ハット 8 個別薬剤に関するヒヤリ ハット ( 糖尿病用剤 ) 平成 24 年年報 1 名称類似に関するヒヤリ ハット 2 薬効類似に関するヒヤリ ハット 3 ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット 4 疑義照会に関するヒヤリ ハット 5 共有すべき事例 の再発 類似事例に関するヒヤリ ハット 6 一般名処方に関するヒヤリ ハット 7 お薬手帳及び薬剤情報提供書に関するヒヤリ ハット 8 個別薬剤に関するヒヤリ ハット ( 血液凝固阻止剤及び抗血小板剤 ) 平成 23 年年報 1 名称類似に関するヒヤリ ハット 2 薬効類似に関するヒヤリ ハット 3 ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット 4 疑義照会に関するヒヤリ ハット 5 共有すべき事例 の再発 類似事例に関するヒヤリ ハット 6 規格 剤形間違いに関するヒヤリ ハット 7 包装に関するヒヤリ ハット 8 個別薬剤に関するヒヤリ ハット ( 精神神経用剤 ) 平成 22 年年報 1 名称類似に関するヒヤリ ハット 2 薬効類似に関するヒヤリ ハット 3 ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット 4 一包化調剤に関するヒヤリ ハット 5 疑義照会に関するヒヤリ ハット 6 個別薬剤に関するヒヤリ ハット ( 抗悪性腫瘍剤 テオフィリン製剤 ) 平成 21 年年報 1 名称類似に関するヒヤリ ハット 2 薬効類似に関するヒヤリ ハット 3 ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット 4 疑義照会に関するヒヤリ ハット 5 個別薬剤に関するヒヤリ ハット ( ワルファリンカリウム インスリン製剤 )

47 3) 薬局ヒヤリ ハット分析表のページ本事業のホームページ ( 既出 図表 35) の 薬局ヒヤリ ハット分析表 のボタンをクリックすると 図表 40のページが開きます ボタンをクリックすると 薬局ヒヤリ ハット分析表を閲覧 ダウンロードすることができます 図表 40 薬局ヒヤリ ハット分析表のページ 平成 26 年年報で提供した分析表 4) 事例検索機能本事業のホームページにおける情報提供は 2008 年度に行われた医療事故情報収集等事業の見直しと平行して 同事業の運営より得られた知識や経験を十分に活用して検討されました その結果 医療事故情報収集等事業に先駆けて 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業で報告された事例をホームページを通じて公表するなど その内容は透明性が高く かつ情報量の多い情報提供となっています そして 事例の閲覧ができる 公開データ検索 では 本稿執筆時点で 47,530 件の事例を公表しています 検索機能も備わっていますので ご関心のある事例を検索し 選び出して閲覧していただくことも可能です 図表 41は 全文検索 に ワーファリン と入力して検索し 401 事例 (2016 年 7 月末現在 ) が該当した例を示しています また 検索した事例の詳細を閲覧したり ( 図表 42) 関心のある事例をPDF XML CSVの3つのファイル形式でダウンロードすることも可能です 会議や研修会の資料や 医療安全の推進の研究のための基礎資料として活用し易くなっています

48 図表 41 事例検索ができる 公開データ検索 の画面 検索キーワードとして ワーファリン を入力して検索した場合の例 四角く囲んだ部分は 左からXML,PDF,CSVの各ファイル形式によるダウンロードのボタン 図表 42 検索した事例の詳細例

49 5 共有すべき事例 多くの事例を公表するという量的な情報還元を行う一方で ひとつひとつの事例を丁寧に読んで学 習し 各施設の医療安全に役立てていただくことも重要であることから 特に 広く医療安全対策に 有用な情報として共有することが必要であると思われる事例を 専門家によって 共有すべき事例 として選定し 専門家からの意見 事例のポイント を付して掲載しています ホームページでは共 有すべき事例のPDFファイルを掲載しています なお 従来は 共有すべき事例 の内容一覧を掲 載したPDFファイルを起点として 事例にリンクさせたHTMLによる 共有すべき事例 の提供 を開始し 後年PDFによる提供を追加して2つの形式で閲覧できるようにしてきました しかし 一覧のファイルの事例数が増え操作が不便になってきたことから 2015年に見直しを行い 薬局 での活用しやすさも考慮して 提供月別に 共有すべき事例 のPDFのみを掲載することとし あ わせて最新号のみ事例の内容と医薬品の販売名を表示することとしました 図表43 図表43 共有すべき事例 2016年5月分 2016年5月 事例1 内服薬調剤 処方せん監査間違いに関する事例 事例番号 事例の内容 アムロジピン錠2 5mg 日医工 が新たに処方された 薬剤服用歴にて他病院の受診歴があることがわかっ たため 交付時患者に併用薬の確認を行った 患者は他でもらっている薬はないと返答したため そのまま交付 した 患者が帰宅した後 再度薬剤服用歴を見直したところ 過去にアムロジピン5mgの服用歴があることが わかった 患者宅に電話して再度確認すると 他院で処方されているアムロジピン5mgを継続して服用してい ることが判明した 患者は 処方医が現在服薬している医薬品のことを知っていると思い込んでいた 処方医に 疑義照会を行ったところ アムロジピン錠2 5mg 日医工 は削除となったため医薬品を回収した 背景 要因 患者は今回を含め3回連続で手帳を忘れて持参していなかったため 薬剤師は薬剤服用歴に記録されていた併 用薬の情報が昔のものであると認識した 患者は自分自身の服薬管理に対する意識が低く 口頭で行った併用 薬の確認に対しても不適切な返答をした 薬局が考えた改善策 患者に対しお薬手帳の重要性を繰り返し訴えていく 薬局で管理する情報を更新するときや新たに医薬品が処 方された時は 最近の情報だけではなく過去の情報にも注意する 特に高齢者は服用している医薬品を把握して いないこともあるので 十分留意する 高齢者の患者は 複数の医療機関を受診しているケースも多く 本人の記憶も曖昧になりがちであるうえに 受診する医療機関ごとに薬局を変えている場合もある 本例の対策にあるように お薬手帳の重要性を指導す るとともに 薬剤服用歴を利用する等して 本人の申告(記憶)に頼らない服薬状況の確認を行うことも重要と なる 患者がお薬手帳を常に携帯するために お薬手帳は医療機関の診察券とセットで持ち歩きましょう など 具 体的な行動に結びつく 分かりやすい指導の仕方も工夫するとよい この情報の作成にあたり 作成時における正確性については万全を期しておりますが その内容を将来にわたり保証するものではありません この情報は 医療従事者の裁量を制限したり 医療従事者に義務や責任を課したりするものではありません この情報の作成にあたり 薬局から報告された事例の内容等について 読みやすくするため文章の一部を修正することがあります そのため 公開データ検索 で閲覧でき る事例の内容等と表現が異なる場合がありますのでご注意ください 45

50 8 薬局ヒヤリ ハット事例収集システムの一部改修 1) 事例報告における記述情報の記載方法の一部変更 本事業では 2009 年 4 月から薬局の参加登録 事例収集を開始しました その後 毎年の集計 分析の結果のうち 事例の概要の集計では 調剤 の事例が多く その中でも 数量間違い 規格 剤形間違い 薬剤取違え の事例が多いことがわかってきました 特に 数量間違い の事例は 一見して単純な数え間違いによるものと考えがちですが 実際には 10 錠シートとウィークリーシートの間違いであったり 包装単位が複数あることによる間違いであったりと エラーを生じる要因をモノの面から分析し再発防止の可能性を検討することが可能です また 発生要因 の集計 分析では 大半の事例で 確認を怠った が選択されていることがわかるとともに 調剤の過程において確認の手順は何度もあることから それが選択されることはいわば当然であり むしろ 今後は確認の内容を深く集計 分析すべきとするご意見を総合評価部会においていただきました 例えば 作業手順の不履行 や 処方せんの見間違い 処方医薬品の多さ などが 確認を怠った ことの要因であることが考えられます そこで 現行のシステムの中でそれらの分析を進めるための記載方法を 入力画面に追加しました ( 図表 44) 分析に必要な用語を文中または文章の後に添付することをお願いしています 実際の記載例等の詳細につきましては ホームページ の 関連文書 の中の 事例報告に関すること の中に掲載している 事例報告入力ガイド ( 平成 26 年 12 月版 ) ( or.jp/pdf/text_report_guide.pdf) の12~16 頁をご参照ください また 同ガイドには 適切な報告をしていただくために参考となる事項を多く掲載していますので 参加薬局の皆様におかれましては 報告にあたって 今一度ご確認いただきますよう宜しくお願いいたします

51 図表 44 改修後のテキスト入力画面 10 錠シート 10 カプセルシート ウィークリーシート 特殊なシート 分包品の計数間違い 端数の処理間違い 外用薬の採用包装単位による計数間違い 単位の換算間違い 作業手順の不履行 作業手順書に記載なし 手書き処方せん 処方せん の見間違い 処方医薬品の多さ 単純なミス 焦り 注意力散漫 2) 要指導医薬品 の項目の追加一般用医薬品は リスク区分によって 第 1 類医薬品 第 2 類医薬品 指定第 2 類医薬品 第 3 類医薬品 に区分されていましたが 2014 年 6 月より 要指導医薬品 の区分が新設されました 要指導医薬品 は 一般用医薬品とは異なり 医療用医薬品に準じたカテゴリーの医薬品であり その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって 薬剤師 医薬関係者から提供された情報に基づく需要者 ( 使用者 ) の選択により使用されることが目的とされているものであり かつ その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なものとして 厚生労働大臣が指定するもの とされています そして 区分新設以前のスイッチ直後品目等 ( 医療用医薬品から一般用医薬品に移行して間もなく 一般用医薬品としてのリスクが確定していない薬や劇薬等 ) が該当します このようにリスクが高い医薬品の区分である 要指導医薬品 が新設されたことに伴い 本事業においても2015 年 5 月より 薬局ヒヤリ ハット事例収集システムにおいて 医薬品の販売の事例における医薬品の分類の選択項目に 要指導医薬品 を追加しました 一般用医薬品や要指導医薬品等の販売に関する事例は 医薬品の販売の事例 としてご報告していただいております しかしながら 医薬品の販売に関する事例の報告件数は少数であり 2015 年の報告は3 事例のみでした リスクが高い医薬品の販売が制度上も明確に位置付けられる流れの中で 医薬品の販売の際にヒヤリ ハット事例が発生することが推測されますので ご報告いただければ幸いに存じます

52 図表 45 医薬品の販売の事例における医薬品の情報の入力ページ 9 医療事故情報収集等事業との連携 1) 薬局の医療安全に有用な医療事故事例とその分析 医療事故防止事業部では 2004 年 10 月より医療事故の発生防止及び再発の予防を目的として医療事故情報収集等事業を開始し 最近では 2016 年 8 月に平成 27 年年報を公表し また12 月末の公表を目指して第 47 回報告書の作成作業を行っています 2015 年には 過去最多の3, 654 件の医療事故情報をいただき 784,190 件のヒヤリ ハット事例の発生件数情報 30,271 事例のヒヤリ ハットの事例情報をご報告いただきました このうち ヒヤリ ハット事例情報の事例概要に占める薬剤の割合は 39.9% であり 薬局ヒヤリ ハット事例の内容と共通する内容も多く報告されています また 2015 年には 個別のテーマとして薬剤に関連した医療事故に関し 次のテーマを取り上げました 図表 46 医療事故情報収集等事業 2015 年の分析テーマ ( 薬剤関連 ) インスリンに関連した医療事故 1 概要 テーマ 2 薬剤間違い 対象者間違い の事例 3 薬剤量間違い 投与速度間違い の事例 与薬時の患者または薬剤の間違いに関連した事例 4 無投与 中止時の注射 投与時間間違い その他 の事例 掲載報告書第 41 回第 42 回第 43 回第 44 回第 42 回 また これまで取り上げた内容のフォローアップの性格をもつ 再発 類似事例の発生状況 の項 目では 薬剤に関連した次の内容を取り上げました

53 図表 47 医療事故情報収集等事業 2015 年 再発 類似事例の発生状況 ( 薬剤関連 ) テーマ 抗リウマチ剤 ( メトトレキサート ) の過剰投与に伴う骨髄抑制 ( 医療安全情報 No.2 第 2 報 No.45) について 小児への薬剤 10 倍量間違い ( 医療安全情報 No.29) について 禁忌薬剤の投与 ( 医療安全情報 No.86) について 掲載報告書 第 41 回 第 41 回 第 41 回 B 型肝炎母子感染防止対策の実施忘れ ( 医療安全情報 No.49) について第 43 回 併用禁忌の薬剤の投与 ( 医療安全情報 No.61) について 第 44 回 これらの薬剤に関する医療事故情報やヒヤリ ハット事例のテーマ分析の内容と これまでに取り上げた内容のフォローアップとしての 再発 類似事例の発生状況 の内容をご参考にしていただければ幸いです 本年報でテーマ分析を行った 名称類似に関する事例 ハイリスク薬に関する事例 疑義照会に関する事例 腎機能が低下した患者に関する事例 では 医療事故情報収集等事業に報告された医療事故事例や報告書で分析した内容 医療安全情報を紹介するなど 両事業が共通に活用できる成果物を掲載し 医療機関と薬局とで有用な情報を共有できるよう努めています これは 薬局の皆様にとって 仮にエラーが見過ごされ 医療事故に至った場合の健康影響の大きさをイメージすることなどに有用と考えられます このように 薬剤に関する事例は 医療機関と薬局とがそれぞれ独立して分析や対策をするのではなく 一元的に医療安全対策を考えていくことが重要と考えられます また 同事業では 2006 年度より毎月 1 回程度医療安全情報を作成し ファックスによる情報提供を行うとともに ホームページにも掲載しています 2015 年には 薬剤に関する医療安全情報として No.98 カリウム製剤の投与方法間違い No.101 薬剤の投与経路間違い No. 102 口頭指示の解釈間違い No.104 腫瘍用薬処方時の体重間違い No.106 小児の薬剤の調製間違い No.108 アドレナリンの濃度間違い を提供しています これらの中には 必ずしも薬局で発生する事例ではないものも含まれますが 医療機関で発生している薬剤に関する事例について幅広い知識を身につけていただくために 医療事故情報収集等事業のホームページに掲載している医療安全情報を参考にしていただき 薬局における再発防止に取り組んでいただければ幸いに存じます 2)2つの事業の連携のためのホームページの機能このように 本財団が医療機関と薬局で発生する事例を一元的に収集していることのメリットを生かし 薬剤に関する医療事故防止については 特に手厚く情報提供を行うこととしています 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業で報告されているヒヤリ ハット事例の約 80% は調剤に関する事例であり その中でも数量間違い 規格 剤形間違いなど 医療機関の薬剤部門でも発生する事例が多くあります したがって 医療事故情報収集等事業においてこれまでに作成 公表してきた報告書 年報 医療安全情報のうち 薬剤に関する内容は その多くが薬局にとっても有用な情報です そのため 2010 年度に薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業のホームページの中に 医療事故情報収集等事業の成果を紹介するページを作成いたしました

54 医療事故情報収集等事業の概要 報告書 年報のページへのリンク 公開データ検索のページへの リンク 薬剤の医療事故に関連する医療安全情報などをその内容として掲載しています 事業のホームページ 図表48 の 医療事故情報収集等事業 薬局関係 のボタン①をクリッ クすると その内容 図表49 をご覧いただくことができます この連携のページを活用することによって 薬局の薬剤師の皆様や登録販売者の皆様 薬局の事務 を扱っておられる皆様に 薬局における医療安全だけでなく 医療機関で発生するエラーを薬局で発 見し 医療事故防止に努めていただくよう 情報発信や啓発に努めていくこととしています 図表48 本事業のホームページ上の 医療事故情報収集等事業 薬局関係 のボタン ① 50

55 図表 49 医療事故情報収集等事業との連携のためのページ 1. 医療事故情報収集等事業とは 医療法施行規則に基づく医療事故情報収集事業は 医療機関から報告された医療事故情報等を 収集 分析し提供することにより 広く医療機関が医療安全対策に有用な情報を共有するとともに 国民に対して情報を提供することを通じて 医療安全対策に一層の推進を図ることを目的としている事業です 2. 医療事故情報収集等事業で提供している情報 報告された情報を専門家が分析を行い 報告書 年報及び医療安全情報として取りまとめ 広く社会に公表しています また 医療機関から報告された個別事例もあわせて公表しています 以下に薬局に関連した内容を紹介します 1) 分析テーマ 外観の類似した薬剤の取違えに関連した事例 ( 医療事故情報収集等事業第 45 回報告書 ) 後発医薬品に関する誤認から適切な薬物療法がなされなかった事例 ( 医療事故情報収集等事業第 38 回報告書 ) 医療事故情報収集等事業分析テーマ ( 薬局関係 ) 薬剤の自動分包機に関連した医療事故 医療機関と薬局の連携に関連した医療事故 ( 医療事故情報収集等事業第 36 回報告書 ) ( 医療事故情報収集等事業第 35 回報告書 ) 例 : 外観の類似した薬剤の取り違えに関連した事例 2) 再発 類似事例の発生状況 併用禁忌の薬剤の投与 ( 医療安全情報 No.61) について ( 医療事故情報収集等事業第 44 回報告書 ) 抗リウマチ剤( メトトレキサート ) の過剰投与に伴う骨髄抑制 ( 医療安全情報 No.2 第 2 報 No.45) について ( 医療事故情報収集等事業第 41 回報告書 ) 小児への薬剤 10 倍量間違い ( 医療安全情報 No.29) について ( 医療事故情報収集等事業第 41 回報告書 ) 製剤の総量と有効成分の量の間違い ( 医療安全情報 No.9) について ( 医療事故情報収集等事業第 33 回報告書 ) 医療事故情報収集等事業再発 類似事例の発生状況 ( 薬局関係 ) 例 : 併用禁忌の薬剤の投与 ( 医療安全情報 No.61) について 3) 医療安全情報 No.118:[ 外観の類似した薬剤の取り違え ](PDF 形式 ) No.114:[ 抗凝固剤 抗血小板剤の再開忘れ ](PDF 形式 ) No.91:[2006 年から2012 年に提供した医療安全情報 ](PDF 形式 ) No.86:[ 禁忌薬剤の投与 ](PDF 形式 ) No.84:[ 誤った処方の不十分な確認 ](PDF 形式 ) No.82:[PTPシートの誤飲 ( 第 2 報 )](PDF 形式 ) No.68:[ 薬剤の取り違え ( 第 2 報 )](PDF 形式 ) No.61:[ 併用禁忌の薬剤の投与 ](PDF 形式 ) No.57:[PTPシートの誤飲 ](PDF 形式 ) No.45:[ 抗リウマチ剤 ( メトトレキサート ) の過剰投与に伴う骨髄抑制 ( 第 2 報 )](PDF 形式 ) No.41:[ 処方表記の解釈の違いによる薬剤量間違い ( 第 2 報 )](PDF 形式 ) No.29:[ 小児への薬剤 10 倍量間違い ](PDF 形式 ) 医療事故情報収集等事業医療安全情報 ( 薬局関係 ) 例 : 外観の類似した薬剤の取違え (No.118) No.23:[ 処方入力の際の単位間違い ](PDF 形式 ) No.18:[ 処方表記の解釈の違いによる薬剤量間違い ](PDF 形式 ) No.9:[ 製剤の総量と有効成分の量の間違い ](PDF 形式 ) No.4:[ 薬剤の取り違え ](PDF 形式 )

56 10 ISQua(International Society for Quality in Health Care) との連携及び 国際学術会議の日本開催招致について 1) 第 32 回 ISQua International Conferenceへの参加と演題発表 ISQua(The International Society for Quality in Health Care) は 医療の質の向上に関わる国際団体で1985 年に設立され 現在の本部はダブリン ( アイルランド ) に置かれています そして 約 70カ国の組織会員 個人会員とアイルランド政府から資金を得て運営されています 本財団は組織会員として登録するとともに 24 名が個人会員として参加しています 後述する 2015 年の会議では 会期中に開催された理事会において 本財団の今中雄一理事が ISQuaの理事として選出されました ISQuaの主な事業は次の通りです 病院等の第三者評価に関する国際認定(IAP : International Accreditation Programme) 学会誌 International Journal for Quality in Health Care の出版 医療の質向上に関する教育 啓発事業(ISQua Education) 国際学術会議 International Conference の開催 2015 年 10 月 4 日 ~7 日に 中東のカタール ドーハのNational Convention Centerで 第 32 回 ISQua International Conferenceが開催され 本財団から本事業 医療事故情報収集等事業 病院機能評価事業 産科医療補償制度運営事業 EBM 医療情報事業等に関し 口演とポスターにより 8 演題を発表しました 本事業に関する発表としては 運営を担当している医療事故防止事業部より 口演とポスターにより 2 つの演題 Application of knowledge gained through adverse event reporting system and no-fault compensation/peer-review system to new peer-review system on clinical death case in Japan Preventing Medication Errors Based On Nationwide Pharmaceutical Near-Miss Event Reporting System And Medical/Near-Miss Adverse Event Reporting System In Japan を発表しました

57 図表50 第32回ISQua International Conferenceにおける本事業に関する発表 ISQua Application of knowledge gained through adverse event reporting system and no-fault compensation/peer-review system to new peerreview system on clinical death case in Japan Preventing Medication Errors Based on Nationwide Pharmaceutical Near-miss Event Reporting System and Medical Near-miss/Adverse Event Reporting System in Japan M. Sakaguchi, S. Ushiro, H. Sakai, J. Inoue Department of Adverse Event Prevention, Japan Council for Quality Health Care, Tokyo, Japan 1. Introduction Japan Council for Quality Health Care (JQ) operates pharmaceutical near-miss event reporting system and medical near-miss/adverse event reporting system. 3. Medical Near-miss/adverse event reporting system Project Overview 2. Pharmaceutical near-miss event reporting system Project Overview Number of reports in 2014 Kyushu University Hospital Japan Council for Quality Health Care % % 6 0.2% Medicaton Blood transfusion Treatment/Procedure % Shin USHIRO Medical device, etc. Drain, Tube % % % 5.3% Participating pharmacies Monthly Alert 7000 Examination Nursing care Other Database Input keyword ex. insulin 3000 九州大学UIプロジェクト Kyudai Taro, Input keyword ex. amrodipine Download button for each file format Number of reports in % Drug dispensing % % Inquiries about prescriptions Special treatment materials Reports include near-miss events occurred or identified at pharmacies. Inquiries about prescriptions events mostly occurred at medical institutions and were mostly identified at pharmacies. Cases that need to be shared Analysis table Near-misses related to contraindications 4. Pharmaceutical company warnings based on our projects database Warning to prevent mix-up between Duphaston and Fareston Fareston Duphaston (tremiphen citrate) (dydrogesterone) Prescribed drug Summary of the case Threatened abortion Dysmenorrhea Infertility etc. Points raised by the case Diseases/Symptoms Glaucoma History of allergy BPH etc. Number of reports Database Breast cancer Medical adverse event on our database Pharmaceutical near-miss event on our database Input keyword ex. amrodipine Indications Pharmaceutical companies 5. Conclusion Download button for each file format The nationwide pharmaceutical near-miss event reporting system and medical nearmiss/adverse event reporting system have contributed to the prevention of medication errors and a growing safety culture in Japan. 2 ISQua国際認定プログラム IAP: International Accreditation Programme の取得 本財団は 2013年 ISQuaが実施している国際認定プログラム IAP: International Accreditation Programme を受審しました 本財団では過去に Ver.4.0 および Ver.5.0 について項目 認 定 を 取 得 し て い ま し た が 新 た に 2 0 1 4 年 度 か ら 運 用 を 開 始 し た 機 能 種 別 版 評 価 項 目 3rdG:ver.1.0 に関する項目認定と 本財団の運営に関する組織認定を受審しました 約1年にわた り準備を進めた過程においては IAPの評価項目を理解して自己評価を作成することや 受審プロ グラムチームで議論しながら根拠となる資料をまとめたりすることが 国際的な評価基準に即した第 三者評価を提供していく上で 事務局としての本財団の組織体制や業務の考え方を見直す良い機会と なったと考えています このようにISQuaのプログラムを本財団の改善のために活用しています 3 第33回 ISQua International Conferenceの日本招致と開催 本財団は 今後さらに広く国際的な視点に立って 我が国の医療の質の向上に寄与したいと考えて います そこで 本財団が設立20周年を迎えることを機に 日本でISQua国際学術会議を招致 することについて ISQuaに立候補の申し入れをしたところ 2016年の開催が認められました 2016年は 10月16日 日 19日 水 東京国際フォーラムにて開催の予定です jcqhc.or.jp/banaimg/isqua.pdf 53

58 図表 年の ISQua 国際会議 ( 東京 ) を伝える情報 (ISQua ホームページより ) 4)ISQua Japanese Webinar 最近では 本財団はISQuaと共同で インターネット講義であるWebinarの日本語版である Japanese Webinar ( webinars) を運営することによって 一層の情報発信に努めています 同時に 同じ内容を英語版の Webinarでも情報発信しています 2016 年 1 月 21 日には 本事業に関するセミナーを実施しました ( 図表 52) このような機会や取り組みを活用して 同会との連携を深め 国際的な流れに即した取り組みを実践することだけでなく 国際的な流れの形成に参加することにも取り組んでいます

59 図表 52 ISQua Webinar のページ (ISQua ホームページより )

60 11 国際会議や学会を通じた海外に向けた情報発信 医療事故防止事業部では 本事業や医療事故情報収集等事業における成果を 積極的に海外に発信しています 2015 年は9 月 ~11 月にISQua 国際会議を含む5 回 さらに本稿執筆時点では 2016 年にさらに2 回 本事業の内容をご説明したり その基本的な概念である国レベルの有害事象 ニアミス報告制度の運営に関する講演等を行いましたので その概要を次にご紹介します 1)2015 年推廣病人安全共同行動大會 ( 台湾患者安全同好會 ) 2015 年 9 月 12 日に 台湾 台中市において開催された2015 年推廣病人安全共同行動大會において 我が国で2015 年 10 月に開始された医療事故調査制度や 本事業や医療事故情報収集等事業などの国レベルの有害事象報告制度 産科医療補償制度の概要やそれらの相互関係を内容とする講演 ( A new peer-review system on clinically accidental death case in Japan How does it relate to JQ s projects on patient safety? ) を行いました 具体的には 医療事故調査制度について 法律や省令 通知の別添を用いて 医療事故の報告 院内医療事故調査と支援団体の役割 遺族説明 センターへの報告 センターにおける情報の整理 分析と再発防止策の普及啓発 センターによる医療事故調査などについてご説明しました さらに院内医療事故調査については 本財団が運営している産科医療補償制度において行ってきた原因分析報告書の作成方法やその内容 産科医療補償制度開始前後の損害賠償や訴訟の件数の推移などを紹介しました また センターにおける情報の整理 分析と再発防止策の普及啓発について 本事業や医療事故情報収集等事業の仕組み 成果としてのテーマ分析 報告書や年報 医療安全情報 公開データ検索などの成果と活用についてご説明しました 2)Policy Round Table on Quality in Health Services(WPRO: WHO West Pacific Region) 2015 年 9 月 28 日に 香港特別行政区のHong Kong Convention and Exhibition Centerにおいて WHO 西太平洋地域事務局の主催で会議が開催され その中で有害事象の報告及び学習システムの医療の質の向上における活用に関する議事が設定されました そこで 議事の冒頭で 日本の取り組みとして本事業や医療事故情報収集等事業などの国レベルの有害事象 ニアミス報告制度の概要や成果についてご説明しました 日本からの説明のほかに マレーシアと豪州から 有害事象報告制度について説明がなされました その内容は 医療事故情報収集等事業第 44 回報告書 34~36 頁 ( に掲載していますので ご関心をお持ちの方はご参照ください 3)International Forum on Quality and Safety in Healthcare:Asia(IHI/BMJ) 2015 年 9 月 28 日 ~30 日に 香港特別行政区のHong Kong Convention and Exhibition Center においてIHI(International Healthcare Improvement) 及びBMJ(British Medical Journal) がアジアで開催する始めての学会が開かれ 本事業に関する講演のご依頼がありました 2) で記述した WHO 西太平洋事務局と連携した会合でした 30 日に 有害事象のマネジメント- 文化 反応 報告から情報公開へ というタイトルのセッションが企画され その中で 医療事故情報収集等事業の内容を中心に 本事業 産科医療補償制度 及び医療事故調査制度の内容を少し加えて講演しました

61 この他に 香港とマレーシアの演者からも講演がありました 4) 第 32 回 ISQua(International Society for Quality in Healthcare) 国際会議先述したように 2015 年 10 月 4 日 ~7 日に 中東のカタール ドーハのNational Convention Centerで 第 32 回 ISQua International Conferenceが開催されました ( Events/ previous-conferences/doha-2015) 今次国際学術会議では 患者中心の医療 患者安全 質と安全における教育と研究 などの8つのテーマについて 講演や演題発表が行われました 本財団からも 医療事故情報収集等事業 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の口演やポスター発表を含む8 演題を発表しました 5)WHO Strategic Expert Working Group Meeting Developing Vision and Strategic Directions for Improving Patient Safety and Quality of Care 2015 年 11 月 16 日 ~17 日に スイスジュネーブのWHO 本部で 世界的な医療の安全や質の改善の推進に関し 今後 WHOが取り組む具体的な課題を議論する標記会議が開催されました 会議には WHO 本部の担当者 地域事務局の担当者 アドバイザーが参加して熱心な議論が行われました 1 日目の冒頭に WHOの患者安全特命大使である英国のドナルドソン卿から 医療安全と質の向上の取り組みの現状と 今後の課題について説明があり 安全と質に特化した取り組みを行う ( 垂直的アプローチ ) ことの重要性とともに 既存の様々な事業の中にも安全と質の要素が含まれているので それらを支援する ( 水平的アプローチ ) ことの重要性が議論されました 2016 年 5 月の伊勢志摩サミットにおいて Universal Health Coverage(UHC) が重要課題であることにも言及があり そのことが垂直的アプローチの推進力になることに期待する意見がありました また WHOでは 医療安全のプロジェクトとして 第一弾は Clean Care Clean Hands 第二弾は Safe Surgery に取り組んできたこと そして今後第三弾として Medication Safety を考えていることが説明されました そこで本事業や医療事故情報収集等事業の概要や実績についても 議論の中で折々に紹介し 特に Medication Safety のプロジェクトにおいては 我が国が蓄積してきた知見がその成功に貢献できる可能性があることを延べました 2 日間の議論の結果 おおよそ5つの優先課題 ( 優先度 1: 行動を起こすための政治的な要請 優先度 2: 正確なデータを提供するための測定の重要性 優先度 3: 報告と学習による安全文化の醸成 優先度 4: 教育面の課題 : 持続可能な取り組みを行う国レベルの能力の開発 優先度 5: 国民に対する啓発 : 医療安全の重要性に覚醒させる ) がまとまりました 特に 優先度 3: 報告と学習による安全文化の醸成 は本事業に該当する事項です WHOの患者安全に関する部署の担当者から 今後 世界のベストプラクティスの一例として WHOの地域間会合等の機会に 本事業の経験や実績を含め日本の取り組みをプレゼンテーションすることを求められましたので そのような機会を得て 世界に本事業に関する一層の情報発信を行っていくこととしています 6)Inter-Regional Technical Consultation on Best Practices in Patient Safety and Quality of Care, 8-10 February 2016 in Muscat, Oman 2016 年 2 月 8 日 ~10 日にオマーンのマスカットにおいて 日本およびオマーン政府の協力を

62 得て WHOの4つの地域 ( アフリカ地域 東地中海地域 南東アジア地域 西太平洋地域 ) の連携を図ることを目的として WHO 本部及びWHO 東地中海地域オフィスの主催により開催されました 会合は WHO Global Patient Safety and Quality Networkを構築するイニシアチブの一環であり 同時に 医療の質と安全の強化を望む世界的な関心の高まりに対するものです 22の国から医療の質や安全に関し 120 名の参加者と専門家つまり保健省の政策決定者や主要な施設 組織 利害関係者が集まり会議に参加しました WHOの担当者のご講演では 医療安全のプロジェクトの第三弾として Medication Safety を考えていることが説明されました 1 日目午前に本事業や医療事故情報収集等事業について講演 (30 分 ) をしました 具体的には 日本の医療安全対策 ( 国レベル : 本事業や医療事故情報収集等事業 産科医療無過失補償 / 原因分析 再発防止制度 病院機能評価事業等 施設レベル : 院内インシデント報告制度 紛争対応 ) について説明しました また 1 日目午後のパネルディスカッション Panel Discussion on Selected Evidence Based Interventions for Patient Safety and Quality of Care の司会 (1 時間 ) を務めました その他には 意見やコメントを述べて議論に参加しました 7)WHO Inter-Regional Consultation Patient Safety Incident Reporting and Learning Systems in Africa and Asia Pacific Regions, March 2016, Colombo, Sri Lanka 2016 年 3 月 22 日 ~24 日にスリランカのコロンボにおいて 日本政府及びスリランカ政府の支援を受けて WHOの4つの地域 ( アフリカ地域 東地中海地域 南東アジア地域 西太平洋地域 ) の連携を図ることを目的として WHO 本部及びWHO 東南アジア地域オフィスの主催により開催されました 21の国から医療の質や安全に関し 専門家つまり保健省の政策決定者や主要な施設 組織 利害関係者が集まり会議に参加しました この会議でも WHOの担当者のご講演では 医療安全のプロジェクトの第三弾として Medication Safety を考えていることが説明されました WHOでは国レベルのインシデント報告制度の創設を希望する加盟国を支援するために 2005 年にドラフトガイドライン ( 初版 ) 簡素で機能的な報告項目である MIMPS(Minimal Information Model for Patient Safety Incident Reporting and Learning System) を開発してきました 会議における議論は 今後作成される WHO Implementation Guidelines on Patient Safety Incident Reporting and Learning Systems に生かされる予定です 1 日目午後に本事業や医療事故情報収集等事業について講演 (15 分 ) をしました 具体的には 医療事故情報収集等事業を中心に本事業も含む我が国の有害事象 ニアミス報告制度における事例報告の方法 分析結果 成果の活用例 ( 名称類似薬の解消等 ) について説明しています また 1 日目午後のグループワーク Developing WHO Guidance on Patient Safety Incident Reporting and Learning Systems の司会とまとめ (2 時間 ) を務めました その他に意見やコメントを述べて議論に参加しました

63 12 依頼講演への対応 薬剤師関連の団体のご依頼に対応して 本事業の現況や集計報告 年報の内容 および医療事故情報収集等事業における薬剤に関連した医療事故の分析などの内容などをご説明する講演を行っています また本財団は 2015 年 10 月に開始された医療事故調査制度における支援団体ですので 最近では医療事故調査制度を中心とした講演内容のご依頼が増えています 主な内容は次の通りです 本事業にご参加いただいている薬局の皆様や関係者の皆様 製薬業界の皆様の中で ご希望がございましたらできるだけ対応させていただきますので ご連絡いただければ幸いに存じます 図表 53 講演内容 ( 四角囲み部分が本事業部分 ) 1. 医療事故をシステムの問題としてとらえる視点とその分析 2. 国レベルの有害事象 ニアミス報告制度 1) 医療機関の報告制度 ~ 医療事故情報収集等事業 医療事故情報 ヒヤリ ハット事例収集の意義 事業の趣旨 概要 報告書の内容 ( 集計結果 テーマ分析の内容 ) 医療安全情報 ( インスリン カリウム製剤 抗凝固剤等に関する事例等 ) ホームページの活用方法 原因分析の意義 方法 海外への情報発信 2) 薬局の報告制度 ~ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 ヒヤリ ハット事例収集の意義 事業の趣旨 概要 集計報告 年報の内容 ( 集計結果 疑義照会事例の増加 テーマ分析の内容 ) 1 名称類似に関する事例の紹介 名称類似の販売名の組み合わせ 改善策等 2 疑義照会に関する事例の紹介 事例の内容 ( 薬剤削除 分量変更等 ) 疑義照会は行わなかったが その後疑義が生じた事例 3 後発医薬品変更等に関する事例の紹介 他 薬局と医療機関との連携の重要性 ( 疑義照会が不十分であったために生じた医療事故事例及び改善策の紹介等 ) 薬局ヒヤリ ハット分析表 ( 後発医薬品変更等に関する事例 配合剤に関する事例等 ) の活用 共有すべき事例の活用方法 ホームページの活用方法 3) 医療事故調査制度 制度創設の経緯 制度の全体像 制度における 医療事故 とその判断 報告 院内事故調査 遺族説明の方法 再発防止 医療事故情報収集等事業との類似性 2016 年 6 月に行われた制度の見直し 3. 分娩の医療事故に関する無過失補償制度 ~ 産科医療補償制度 社会保障とそれを補完する民間の補償制度 無過失補償の考え方と必要性 事業の趣旨 概要 無過失を前提とした補償基準の考え方と審査の現況 原因分析の現況 原因分析の考え方 再発防止の現況 産婦人科領域の紛争の現況 4. その他 ISQua 国際会議 WHO 地域間会合等で学んだ海外の医療安全推進の取り組みについて

64 13 Facebookを活用した情報発信 医療事故防止事業部では 公式のFacebookページを作成し 2014年4月8日より情報発信を始め ました Facebookを活用することにより 1 本事業の最新の情報をタイムリーに発信でき いいね に登録していただいたユーザはタイムリーに情報を受け取ることができる 2 いいね に登録して いただいたユーザを介して Facebookを通じて 本事業を知らない人に情報発信できるなどのメリット があると考えています 情報発信する内容としては ①集計報告 年報に関する情報 ②共有すべき事 例や薬局ヒヤリ ハット分析表に関する情報 ③システムメンナンスに関する情報 ④その他 事業の 動向 取材対応など を考えております 本稿執筆時点で 本事業のFacebookのページの いいね に登録していただいたユーザは768名となっています 本事業のFacebookのページ及びコンテンツの 例を次に示します 図表54 図表54 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業のFacebookページ URL 14 本事業へのご参加に対する御礼状等の送付と活用 1 お礼状の送付と活用のお願い 2009 2010年度末及び2013 2015年度末には 参加薬局の皆様に 当該年度の参 加の御礼とそのことを薬局を利用される住民の方々にお示ししていただくことができるように 御礼 60

65 の意味を込めた文書をお送りしました 図表 55に示すのが送付している文書の例です その中には 本事業の趣旨の説明が示されており 薬局内に掲示することもできるようにデザインも工夫しています 左上に配置された星型の印は 参加年度を示しており 最多で7 個の星型のマークが印刷された御礼状を送付しています 是非薬局内に掲示していただくなど ご活用の程宜しくお願いいたします 2) 事業の成果の印刷物の送付また 2015 年は お礼状の送付の機会に 平成 26 年年報の中で 本事業の概要や現況を記載した1 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業について~ 平成 26 年年報の内容を中心に~ および 2 薬局ヒヤリ ハット分析表 ( 平成 26 年年報から2テーマ ) 3 共有すべき事例 (2015 年 8 月分 ) を同封しています これは 本稿で先述したように 本事業では参加登録薬局数の増加にもかかわらず報告件数が減少している現状があるとともに この改善を課題として認識していることから 事例の報告の意識を高める試みのひとつとして送付状に同趣旨の課題認識を記すとともに ホームページのURLも記載して 1~3を同封してお送りしたものです また 医療事故情報収集等事業では 報告書や年報 医療安全情報が参加医療機関に郵便やファックスで送付されるのに対して 本事業では事業の成果の印刷物の参加薬局への送付は行っておらず ホームページによってのみそれを閲覧することが可能であることも 両事業における参加意識や報告意識の違いにつながっている可能性があると考えて このような試みを行いました このことによって ただちに報告件数が増加することを期待することは困難と考えていますが 送付後に送付物に対する問い合わせがあったり 2016 年度当初の報告件数は昨年を上回っていたりすることから 従来から行っている報告促進のお願いとあわせて 今後も本事業の充実のために様々な取り組みを行ってまいります

66 図表55 年度末に送付している文書 御礼状 参加年度を示すマーク 事業の趣旨の説明 15 おわりに 事業に参加しておられる薬局の皆様におかれましては 引き続き本事業においてヒヤリ ハット事例 をご報告いただきますよう宜しくお願い申し上げます また これまで以上に報告しやすい環境を整備 することにより 報告の負担のために従来本事業への参加を躊躇しておられた薬局の皆様の新規のご参 加も期待しております 今後とも本事業が我が国の医療事故防止 医療安全の推進に資するように 集計報告や年報の内容の 充実とより有効な情報提供に取り組んでまいりますので 皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上 げます 62

67 薬局ヒヤリ ハット事例 Ⅰ 収集 分析事業の概要

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69 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅰ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 本事業は 薬局から報告されたヒヤリ ハット事例等を分析し提供することにより 医療安全対策の一層の推進を図るよう取り組んでいる 以下に 本事業における情報収集の概要を述べる Ⅰ 1 薬局ヒヤリ ハット事例収集の経緯 良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律 ( 平成 18 年 6 月法律第 84 号 ) により 薬局は 医療提供施設 として位置付けられ 薬局に対しては 責任者の設置 や 手順書の作成 など 医療安全対策の体制整備が義務付けられた これを踏まえ 2008 年度より 厚生労働省において薬局におけるヒヤリ ハット事例の収集 分析を内容とする補助事業 ( 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 ) が創設された 2008 年 6 月に本財団は 医療安全の推進における本事業の重要性を鑑み 事業の運営主体となることを決定した 本事業は2008 年 10 月 1 日に開始し 準備期間を経て 2009 年 4 月 1 日に薬局の参加登録及び事例収集を開始した

70 Ⅰ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅰ 2 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 1 事業の目的 薬局から報告されたヒヤリ ハット事例を分析し 提供することにより 広く薬局が医療安全対策に有用な情報を共有するとともに 国民に対して情報を提供することを通じて 医療安全対策の一層の推進を図ることを目的とする 2 薬局ヒヤリ ハット事例の収集 (1) 対象機関 ( 注本事業は 薬局 1) を対象とする (2) 薬局ヒヤリ ハット事例として報告していただく情報薬局ヒヤリ ハット事例情報とは 次の通りとする ただし 本事業において 医療 とは医療行為と関連する全ての過程とする ( 注 1 医療に誤りがあったが 患者に実施 2) される前に発見された事例 ( 注 2 誤った医療が実施 2) されたが 患者への影響が認められなかった事例または軽微な処置 治療を要した事例 但し 軽微な処置 治療とは 消毒 湿布 鎮痛剤投与等とする ( 注 3 誤った医療が実施 2) されたが 患者への影響が不明な事例 このうち 本事業において収集対象とする事例は医薬品または特定保険医療材料が関連した事例であって 薬局で発生または発見された事例とする (3) 報告期限及び報告方法事業参加薬局は 事例を認識した日から原則として1ヶ月以内に インターネット回線 (SSL 暗号化通信方式 ) を通じ Web 上の専用報告画面を用いて報告を行う (4) 報告形式 資料 2 事例収集項目 を参照 ( 注 1) 薬局とは 薬剤師が販売又は授与の目的で調剤の業務を行う場所をいう ただし 病院若しくは診療所又は飼育動物診療施設の調剤所を除く ( 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条 12 参照 ) ( 注 2) 実施とは 患者に薬剤を交付したことを示す

71 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅰ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 3 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 提供 Ⅰ (1) 集計 分析 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止事業部において行う (2) 集計 分析結果の提供 集計報告及び年報 薬局ヒヤリ ハット分析表などを公益財団法人日本医療機能評価機構ホーム ページ ( 注 ) を通じて 関係者や国民に情報提供を行う ( 注 ) 公益財団法人日本医療機能評価機構 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 のホームページ ( 参照

72 Ⅰ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅰ 3 事業の運営体制 薬局からヒヤリ ハット事例を収集する第三者機関としての中立性 公平性を担保し 事業の円滑な運営を図るために以下の委員会や部会 事業部を設置している 1 運営委員会 医療全般 安全対策などの医療専門職や一般有識者など16 名 (2015 年 12 月 31 日現在 ) ( 注 1) で構成し 当事業部の活動方針の検討及び活動内容の評価を行う 本財団の寄附行為に定める小委員会として設置している 2 総合評価部会 医療安全や安全対策の専門家など10 名 (2015 年 12 月 31 日現在 ) ( 注 2) で構成し 集計報告 ( 案 ) 及び年報 ( 案 ) を総合的に評価 検討する また 毎月 報告されたヒヤリ ハット事例の中から共有すべき事例を選定し 事例のポイント を付している 3 医療事故防止事業部 本財団の医療事故防止事業部が 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業を運営している 同部には 医療専門資格を有する職員を配置し 薬局からのヒヤリ ハット事例の受付や 共有すべき事例 集計報告や年報の作成及び公表等を行う 4 分析 提供体制 報告された一次情報を取り扱うのは 当事業部の守秘義務規程の対象となる職員である 一次情報は職員等によって匿名化される 総合評価部会は これらの情報を統合して分析し 専門的な見地から集計報告 年報等として取りまとめて 本財団から広く社会に公表する ( 注 1) 資料 4 医療事故防止事業部運営委員会名簿 参照 ( 注 2) 資料 5 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業総合評価部会名簿 参照

73 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 4 Ⅰ 平成27年年報 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 Ⅰ 集計 分析の考え方 1 医薬品の薬効の考え方 本年報では 株式会社医薬情報研究所が作成した 個別医薬品コード 通称 YJコード に基づ いて医薬品の薬効を決定している 個別医薬品コード とは 医薬品を管理するために厚生労働省が発表している12桁の 薬価基準 収載医薬品コード 通称 厚生労働省コード に基づいて決められている その12桁のコードの意 味は 薬価基準収載医薬品コード 通称 厚生労働省コード と同様に 先頭から4桁が 薬効分類 続いて3桁が 投与経路及び成分 そして1桁が 剤形 次の1桁が 同一分類内別規格薬効分類 を示しており 最後にそれ以降の3桁から成る 参考1 薬価基準収載医薬品コード 通称 厚生労働省コード の先頭9桁に 個々の商品ごとに異なる3 桁のコードを付したものが 個別医薬品コード である 参考2 個別医薬品コード の先頭4桁は薬効分類を示しているが 参考1 に示したように その内訳と しては 1桁目が 作用部位又は目的 薬効 を 2桁目が 成分又は作用部位 を 3桁目が 用途 を 4桁目が 成分 を示している そこで 本年報では 個別医薬品コード の先頭2桁 3桁あるいは4桁が薬効を示すと考え 特 に先頭3桁を 主な薬効 と表記した 参考1 薬価基準収載医薬品コード 薬価基準収載医薬品に付される12桁 アルファベット1字を含む の数字をいう 医薬品の薬効 分類 成分 剤形 銘柄等などを表す 例えば 乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒 の薬価基準収載医薬品コードは 2343005C 1017 である これを用いて以下にコードを説明する 例 乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒 2343005C1017 ① ② ③④ ⑤ ⑥ ① 薬効分類 ② 投与経路及び成分 内服薬 001 399 注射薬 400 699 外用薬 700 999 ③ 剤形 A E 散剤 F L 錠剤 M P カプセル Q S 液剤 ④ 同一分類内別規格薬効分類 ⑤ 同一分類規格単位内の銘柄番号 製造販売会社を区別する ⑥ 誤記入を検索するための番号 69 T X その他

74 Ⅰ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅰ このうち 先頭 4 桁 (1) は次の内容を意味する ア イ ウ エ ア作用部位又は目的 薬効 ( 2 は 個々の器官系用医薬品 ) イ成分又は作用部位 ( 3 は 消化器官用薬 ) ウ用途 ( 4 は 制酸剤 ) エ成分 ( 3 は アルミニウム化合物製剤; 水酸化アルミニウム ケイ酸アルミニウム等 ) ( 参考 2) 個別医薬品コード と 薬価基準収載医薬品コード との関係例えば 乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒 の薬価基準収載医薬品コードは C 1017 である これに該当する販売名には 次の2つの医薬品がある 乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒 ケンエー 乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒 三恵 個別医薬品コード は ( 参考 1) で示した薬価基準収載医薬品コードのうち 1~4の先頭 9 桁に対し さらに個々の商品ごとに異なる3 桁のコードを付したものである 具体的には 上記 2 品目はそれぞれ以下の異なるコードが付されている 販売名 乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒 ケンエー 乾燥水酸化アルミニウムゲル細粒 三恵 個別医薬品コード C C

75 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅰ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 2 ハイリスク薬の考え方 Ⅰ 本年報において ハイリスク薬 とは 個々の生活環境や療養状況に応じた適切な服薬管理や服薬支 援を行うことを必要とする 安全管理が必要な医薬品とし 2011 年 4 月に日本薬剤師会がまとめた 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン( 第 2 版 ) ( 注 ) において Ⅱ. 投与時に特に注意が必要と考えられる以下の治療領域の薬剤 に列挙されている 下記の治療領域の薬 剤を参考として設定した なお同ガイドラインではハイリスク薬の販売名までは定義されていないため 関連情報を参考とし ハイリスク薬 を設定した ハイリスク薬の治療領域 1 抗悪性腫瘍剤 2 免疫抑制剤 3 不整脈用剤 4 抗てんかん剤 5 血液凝固阻止剤 6 ジギタリス製剤 7 テオフィリン製剤 8 精神神経用剤 9 糖尿病用剤 10 膵臓ホルモン剤 11 抗 HIV 薬 本年報における ハイリスク薬 は 個別医薬品コード ( 以下 YJコード ) の先頭 2 桁 3 桁あるいは4 桁の薬効が上記のハイリスク薬の治療領域と同じ薬効に該当する医薬品とした ただし 同じ薬効がないものについては 類似する薬効の個別医薬品コードの先頭番号に該当する医薬品 あるいはそれ以外で添付文書やインタビューフォームから類似する薬効と判断した医薬品を ハイリスク薬 とした なお 抗 HIV 薬については 類似する薬効に該当する 抗ウイルス剤 (625) のうち 添付文書の 効能 効果 にHIV 感染症を含むものを ハイリスク薬 とした 前述したハイリスク薬の治療領域と同じ 又は類似する薬効の個別医薬品コードの先頭番号に該当する医薬品ではないが 添付文書やインタビューフォームから類似する薬効であると判断し ハイリスク薬 とした医薬品を次に示す 免疫抑制剤 については 他に分類されないその他の代謝性医薬品 (3999) のうち 添付文書またはインタビューフォームの 薬効薬理 に 免疫抑制作用 または 免疫グロブリン産生抑制 の記載がある ミゾリビン製剤 シクロスポリン製剤 アザチオプリン製剤 タクロリムス製剤 メトトレキサート製剤 ミコフェノール酸モフェチル製剤 エベロリムス製剤 を ハイリスク薬 とした 糖尿病用剤 については 他に分類されないホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む )(2499) のうち 添付文書の 効能 効果 に 2 型糖尿病 と記載がある リラグルチド製剤 エキセナチド製剤 リキシセナチド製剤 を ハイリスク薬 とした 血液凝固阻止剤 については 他に分類されない血液 体液用薬(3399) のうち 添付文書 ( 注 ) 公益社団法人日本薬剤師会 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン ( 第 2 版 )

76 Ⅰ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅰ またはインタビューフォームの 薬効薬理 に 血小板凝集抑制 または 抗血栓作用 の記載がある チクロピジン塩酸塩製剤 シロスタゾール製剤 アスピリン製剤 クロピトグレル硫酸塩製剤 プラスグレル塩酸塩製剤 アスピリン ダイアルミネート配合製剤 クロピドグレル硫酸塩 アスピリン配合製剤 アスピリン ランソプラゾール配合製剤 を ハイリスク薬 とした 本年報におけるハイリスク薬 ハイリスク薬の治療領域 該当する薬効および個別医薬品コードの先頭番号 類似する薬効および個別医薬品コードの先頭番号 1 抗悪性腫瘍剤腫瘍用薬 (42) 2 免疫抑制剤副腎ホルモン剤 (245) 3 不整脈用剤 不整脈用剤 (212) 4 抗てんかん剤 抗てんかん剤 (113) 5 血液凝固阻止剤血液凝固阻止剤 (333) 6 ジギタリス製剤 ジギタリス製剤 (2113) 7 テオフィリン製剤 キサンチン系製剤 (2251) 8 精神神経用剤 精神神経用剤 (117) 9 糖尿病用剤糖尿病用剤 (396) 10 膵臓ホルモン剤膵臓ホルモン剤 (2492) 11 抗 HIV 薬 抗ウイルス剤 (625) のうち 効能 効果 に HIV 感染症を含む製剤 左記以外で個別にハイリスク薬とした成分および個別医薬品コードの先頭番号 ミゾリビン (3999) シクロスポリン (3999) アザチオプリン (3999) タクロリムス (3999) メトトレキサート (3999) ミコフェノール酸モフェチル (3999) エベロリムス (3999) チクロピジン塩酸塩 (3399) シロスタゾール (3399) アスピリン (3399) クロピトグレル硫酸塩 (3399) プラスグレル塩酸塩 (3399) アスピリン ダイアルミネート (3399) クロピドグレル硫酸塩 アスピリン (3399) アスピリン ランソプラゾール (3399) リラグルチド (2499) エキセナチド (2499) リキシセナチド (2499)

77 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅰ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業の概要 3 個別薬剤の集計 分析の考え方 Ⅰ 本年報では個別薬剤について集計を行っているが 各医薬品の使用量や誤投与による健康への影響の大きさ 有用性等を正確に把握し調整した結果を示してはいないため 本年報における集計 分析結果は 医薬品のリスクの大きさの絶対値 もしくは絶対的な比較ではない 従って そのような集計 比較は困難であるが ヒヤリ ハット事例に学び 医療事故を防ぐために 医療安全の推進に資する情報を提供することが重要と考え 本事業で把握している情報に基づき 報告された件数や選択された項目の集計 記述内容の分析等を行っている また 報告された医薬品は 報告月の時点での販売名で集計 分析を行っているため 本年報の公表時点で名称変更や販売中止になっている医薬品も含まれる

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79 Ⅱ 報告の現況

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81 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 1 事業参加薬局 1. 事業参加薬局数 ( 注 ) 薬局数 事業参加薬局数 8,577 Ⅱ 2. 事業参加薬局数の推移 2015 年 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 新規事業参加薬局数 登録取下げ薬局数 累 計 8,249 8,265 8,297 8,336 8,371 8,464 8,502 8,513 8,524 8,531 8,557 8,577 登録取下げの理由は 薬局廃止 薬局開設者変更 薬局名称変更を伴う薬局開設者変更 所在地変更などである 3. 都道府県別事業参加薬局数 都道府県 薬局数 都道府県 薬局数 都道府県 薬局数 都道府県 薬局数 北海道 551 東京都 740 滋賀県 68 香川県 103 青森県 140 神奈川県 674 京都府 127 愛媛県 95 岩手県 74 新潟県 221 大阪府 465 高知県 100 宮城県 283 富山県 47 兵庫県 305 福岡県 494 秋田県 101 石川県 52 奈良県 74 佐賀県 148 山形県 66 福井県 19 和歌山県 35 長崎県 111 福島県 166 山梨県 85 鳥取県 26 熊本県 195 茨城県 133 長野県 103 島根県 57 大分県 71 栃木県 242 岐阜県 135 岡山県 121 宮崎県 99 群馬県 162 静岡県 179 広島県 144 鹿児島県 110 埼玉県 179 愛知県 203 山口県 593 沖縄県 46 千葉県 162 三重県 201 徳島県 72 合計 8,577 ( 注 )2015 年 12 月 31 日現在の薬局数を示す

82 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 2 報告件数 薬局ヒヤリ ハット事例 ( 注 1) の報告件数は以下の通りである Ⅱ 1. 総報告件数 2015 年 報告月 1 月 ~12 月 ( 注 2) 事業参加薬局数 8,652 事業参加薬局のうち 574 報告のあった薬局数公表件数 4, 月別報告件数 2015 年 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 ( 注事業参加薬局数 3) 8,249 8,265 8,297 8,336 8,371 8,464 8,502 8,513 8,524 8,531 8,557 8,577 報 告 件 数 公 表 件 数 薬剤師数別事業参加薬局数及び報告件数 薬剤師数 事業参加薬局数 報告件数 ( 常勤換算 ) 2015 年 1 月 ~12 月 2015 年 1 月 ~12 月 1 人 1, 人 3,115 1,019 3 人 1, 人 人 人 人 人 人 人 人以上 合 計 8,652 4,779 ( 注 1) 薬局ヒヤリ ハット事例として報告される情報は 医療に誤りがあったが 患者に実施される前に発見された事例 誤った医療が実施されたが 患者への影響が認められなかった事例 または軽微な処置 治療を要した事例 ( 軽微な処置 治療とは 消毒 湿布 鎮痛剤投与等とする ) 誤った医療が実施されたが 患者への影響が不明な事例 である 但し 本事業において 医療 とは医療行為と関連する全ての過程とする このうち 本事業において収集対象とする事例は 医薬品または特定保険医療材料が関連した事例であって 薬局で発生した または発見された事例とする ( 注 2)2015 年 1 月 ~12 月に事業に参加していた薬局数を示す ( 注 3) 各月末の薬局数を示す

83 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 4. 処方せんを応需した回数別事業参加薬局数及び報告件数 処方せんを応需した回数 ( 月間 ) 事業参加薬局数 報告件数 2015 年 1 月 ~12 月 2015 年 1 月 ~12 月 0~ 500 回 1, ~1000 回 2, ~1500 回 2, Ⅱ 1501~2000 回 1, ~2500 回 ~3000 回 ~3500 回 ~4000 回 回以上 合 計 8,652 4, 医療用医薬品の取扱品目数別事業参加薬局数及び報告件数 医療用医薬品の取扱品目数 事業参加薬局数 報告件数 2015 年 1 月 ~12 月 2015 年 1 月 ~12 月 0 品目 5 0 1~ 100 品目 ~ 500 品目 ~1000 品目 4,259 1, ~1500 品目 2,531 1, ~2000 品目 927 1, ~2500 品目 ~3000 品目 品目以上 合 計 8,652 4,

84 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 6. 後発医薬品の取扱品目数別事業参加薬局数及び報告件数 Ⅱ 後発医薬品の取扱品目数 事業参加薬局数報告件数 2015 年 1 月 ~12 月 2015 年 1 月 ~12 月 0 品目 8 0 1~ 100 品目 1, ~ 500 品目 6,109 4, ~1000 品目 ~1500 品目 ~2000 品目 ~2500 品目 ~3000 品目 品目以上 4 0 合 計 8,652 4, 一般用医薬品の取扱品目数別事業参加薬局数及び報告件数 一般用医薬品の取扱品目数 事業参加薬局数報告件数 2015 年 1 月 ~12 月 2015 年 1 月 ~12 月 0 品目 ~ 10 品目 1,727 1,095 11~ 50 品目 2,819 2,077 51~ 100 品目 1, ~ 150 品目 ~ 200 品目 ~ 250 品目 ~ 300 品目 ~ 500 品目 ~1000 品目 品目以上 合 計 8,652 4,

85 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 8. 処方せんを応需している医療機関数別事業参加薬局数及び報告件数 処方せんを応需している医療機関数 事業参加薬局数 報告件数 2015 年 1 月 ~12 月 2015 年 1 月 ~12 月 ~ 10 1, ~ 20 1, ~ 30 1, ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以上 合計 8,652 4,779 Ⅱ 9. 後発医薬品調剤率別事業参加薬局数及び報告件数 後発医薬品調剤率 事業参加薬局数報告件数 2015 年 1 月 ~12 月 2015 年 1 月 ~12 月 10% 未満 % 以上 20% 未満 1, % 以上 30% 未満 1, % 以上 40% 未満 1, % 以上 50% 未満 % 以上 60% 未満 % 以上 70% 未満 1,153 1,291 70% 以上 80% 未満 % 以上 90% 未満 % 以上 10 2 合 計 8,652 4,

86 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 10. 地域別事業参加薬局数及び報告件数 Ⅱ 地 域 事業参加薬局数報告件数 2015 年 1 月 ~12 月 2015 年 1 月 ~12 月 北 海 道 東 北 関 東 甲 信 越 2,724 1,809 東 海 北 陸 近 畿 1, 中 国 四 国 1, 九 州 沖 縄 1, 合 計 8,652 4, 報告件数別事業参加薬局数 事業参加薬局数 報告件数 2015 年 1 月 ~12 月 0 8,078 1 ~ ~ ~ ~ ~ ~ 以上 16 合 計 8,

87 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 3 報告内容 2015 年 1 月 1 日から同年 12 月 31 日に報告された薬局ヒヤリ ハット事例 4,779 件について 各項目の集計を行った結果は以下の通りである 割合については小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が100にならないことがある 1. 発生月 Ⅱ 発生曜日発生月 件数 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 400 合 計 4,779 件数 2. 発生曜日 日曜 日 20 月曜 日 864 火曜 日 920 水曜 日 757 木曜 日 818 金曜 日 979 土曜 日 421 合 計 4,

88 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 3. 発生時間帯 Ⅱ 発生時間帯 件数 0:00~ 1:59 1 2:00~ 3:59 4 4:00~ 5:59 6 6:00~ 7:59 1 8:00~ 9: :00~11:59 1,857 12:00~13: :00~15: :00~17: :00~19: :00~21: :00~23:59 0 不 明 131 合 計 4, 実施の有無 治療の程度 実施の有無治療の程度 件数 実施あり 軽微な治療 29 実施あり 治療なし 1,594 実施あり 不 明 228 実施なし 2,928 合 計 4,

89 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 5. 事例の概要 調 ( 注 1) 事例の概要 ( 注 3) 剤 ( 注 2)( 注 3) 疑義照会 件数 3,727 1,040 特定保険医療材料 9 医薬品の販売 3 合計 4,779 Ⅱ ( 注 1) 薬局ヒヤリ ハット事例とは 薬局で発生した または発見された事例である 78 頁 ( 注 1) 参照 ( 注 2) 疑義照会 は 医療機関で発生した処方の誤りを薬局で発見した事例が大半を占めている ( 注 3) 調剤の過程において疑義照会を行わなかったが その後疑義が生じた事例は 調剤 に集計している

90 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 1) 調剤に関する項目 発生場面 事例の内容 件数 調 剤 忘 れ 170 処方せん監査間違い 187 秤 量 間 違 い 29 数 量 間 違 い 1,054 分 包 間 違 い 101 調 剤 規格 剤形間違い 587 薬 剤 取 違 え 776 説明文書の取違え 3 分包紙の情報間違い 37 薬袋の記載間違い 223 そ の 他 ( 調 剤 ) 393 発生場面 事例の内容 件数 充 填 間 違 い 30 管 理 異物混入 7 期限切れ 4 そ の 他 ( 管 理 ) 3 患 者 間 違 い 34 交 付 説明間違い 8 交付忘れ 54 そ の 他 ( 交 付 ) 27 合 計 3,727

91 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 Ⅱ 平成27年年報 報告の現況 2 疑義照会に関する項目 仮に変更前の処方の通りに服用した 場合の影響 件 数 患者に健康被害があったと推測される 672 患者に健康被害が生じなかったが 医 師の意図した薬効が得られなかったと 推測される 368 合 疑義があると判断した理由 件 数 当該処方せんのみで判断 307 当該処方せんと薬局で管理している 情報で判断 491 上記以外で判断 242 1,040 計 変 更 内 容 剤 変 更 362 用 法 変 更 82 用 量 変 更 56 分 量 変 更 158 薬 剤 削 除 270 他 112 合 の 計 上記以外で判断 % 1,040 当該処方せん のみで判断 % 当該処方せんと薬局で 管理している情報で判断 % 件 数 薬 そ 患者に健康被害が あったと推測される % 1,040 計 合 患者に健康被害が 生じなかったが 医師の意図した薬 効が得られなかっ たと推測される % その他 % 薬剤変更 % 薬剤削除 % 分量変更 % 用法変更 % 用量変更 Ⅱ

92 4) 医薬品の販売に関する項目 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 3) 特定保険医療材料に関する項目 発生場面 事例の内容 件数 調剤忘れ 3 処方せん監査間違い 1 Ⅱ 調剤 数量間違い 3 説明文書の取違え 0 規格間違い 0 材料の取違え 1 管理 そ の 他 ( 調 剤 ) 1 期 限 切 れ 0 そ の 他 ( 管 理 ) 0 患者間違い 0 交付 説 明 間 違 い 0 交 付 忘 れ 0 その他 ( 交付 ) 0 合計 9 事例の内容 件数 商品間違い 1 説明間違い 0 期限切れ 0 その他 2 合計 3

93 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 6. 患者の年齢 患者の年齢 件数 0 ~ 10 歳 ~ 20 歳 ~ 30 歳 ~ 40 歳 ~ 50 歳 ~ 60 歳 ~ 70 歳 ~ 80 歳 1, ~ 90 歳 ~100 歳 歳以上 1 複数人 28 Ⅱ 合計 4, 患者の性別 患者の年齢件数男性 2,189 女性 2,562 複数人 28 合計 4,

94 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 8. 発見者 Ⅱ 発 見 者 件数 当事者本人 1,717 同 職 種 者 1,517 他 職 種 者 618 患 者 本 人 669 家族 付き添い 172 他 患 者 3 そ の 他 83 合 計 4, 当事者 当事者件数薬剤師 6,418 登録販売者 98 事務員 1,769 その他 251 合計 8,536 当事者 は複数回答が可能である

95 10. 発生要因項目件数当事者の行動に関わる要因確認を怠った 3,675 報告が遅れた ( 怠った ) 14 記録などに不備があった 107 連携ができていなかった 145 患者への説明が不十分であった ( 怠った ) 73 判断を誤った 523 背景 システム 環境要因ヒューマンファクター知識が不足していた 409 技術 手技が未熟だった 371 勤務状況が繁忙だった 1,199 通常とは異なる身体的条件下にあった 40 通常とは異なる心理的条件下にあった 173 その他 ( ヒューマンファクター ) 249 環境 設備機器コンピュータシステム 179 医薬品 667 施設 設備 83 諸物品 4 患者側 83 その他 ( 環境 設備機器 ) 49 その他教育 訓練 165 仕組み 127 ルールの不備 349 その他 275 合計 8,959 発生要因 は複数回答が可能である Ⅱ 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況

96 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 11. 発生要因 事例の概要 発生要因 事例の概要調剤 ( 注 ) 疑義照会 特定保険医療材料 医薬品の販売 合 計 確認を怠った 3, ,675 Ⅱ 報告が遅れた ( 怠った ) 記録などに不備があった 連携ができていなかった 患者への説明が不十分であった ( 怠った ) 判断を誤った 知識が不足していた 技術 手技が未熟だった 勤務状況が繁忙だった 1, ,199 通常とは異なる身体的条件下にあった 通常とは異なる心理的条件下にあった その他 ( ヒューマンファクター ) コンピュータシステム 医薬品 施設 設備 諸物品 患者側 その他 ( 環境 設備機器 ) 教育 訓練 仕組み ルールの不備 その他 合 計 7,492 1, ,959 発生要因 は複数回答が可能である ( 注 ) 疑義照会 は 医療機関で発生した処方の誤りを薬局で発見した事例が大半を占めている そのため 発生要因 は 処方の誤りが発生した医療機関の発生要因の内容が選択されている事例が大半である

97 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 12. 発生要因 当事者 発生要因 当事者薬剤師登録販売者事務員その他合計 確認を怠った 4, , ,728 報告が遅れた ( 怠った ) 記録などに不備があった 連携ができていなかった 患者への説明が不十分であった ( 怠った ) 判断を誤った ,000 知識が不足していた 技術 手技が未熟だった 勤務状況が繁忙だった 1, ,364 通常とは異なる身体的条件下にあった 通常とは異なる心理的条件下にあった その他 ( ヒューマンファクター ) コンピュータシステム 医薬品 1, ,255 施設 設備 諸物品 患者側 その他 ( 環境 設備機器 ) 教育 訓練 仕組み ルールの不備 その他 合 計 12, , ,784 発生要因 当事者 は複数回答が可能である Ⅱ

98 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 13. 事例の概要 実施の有無 治療の程度 Ⅱ 事例の概要 実施の有無 治療の程度 実施あり軽微な治療治療なし不明 実施なし 合 計 調剤 28 1, ,884 3,727 疑義照会 ,039 1,040 特定保険医療材料 医薬品の販売 合 計 29 1, ,928 4, 発生時間帯 発生曜日 発生時間帯 発生曜日 日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 合計 0:00~ 1: :00~ 3: :00~ 5: :00~ 7: :00~ 9: :00~11: ,857 12:00~13: :00~15: :00~17: :00~19: :00~21: :00~23: 不 明 合 計 ,

99 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 4 販売名に関する集計 1. 調剤 疑義照会 における医療用医薬品 ( 報告回数 6,996 回 ) ( 注 1) ( 報告回数上位 ) 販 売 名 報告回数 カロナール錠 ロキソニン錠 60mg 40 モーラステープL40mg 37 ムコスタ錠 100mg 34 PL 配合顆粒 34 ワーファリン錠 1mg 33 ムコダインDS50% 32 デパス錠 0.5mg 31 メトグルコ錠 250mg 29 ロキソニンテープ100mg 28 Ⅱ 1) 医療用医薬品 ( 事例の概要別 ) (1) 調剤 処方された医薬品 ( 報告回数 1,415 回 ) ( 注 2) 間違えた医薬品 ( 報告回数 1,413 回 ) ( 注 2) 関連医薬品 ( 報告回数 2,455 回 ) ( 報告回数上位 ) 販 売 名 報告回数処方された医薬品間違えた医薬品関連医薬品 モーラステープL40mg ロキソニンテープ100mg ムコダインDS50% ロキソニン錠 60mg カロナール錠 メトグルコ錠 250mg デパス錠 0.5mg ムコスタ錠 100mg ( 注 1) 医療用医薬品 の報告回数は 事例の概要の 調剤 疑義照会 において 処方された医薬品 間違えた医薬品 関連医薬品 変更になった医薬品 に報告された医療用医薬品ごとの報告回数を示す ( 注 2) 調剤 において 処方された医薬品 と 間違えた医薬品 の報告回数は それぞれの項目に入力された医 薬品数を計上しているため 必ずしも一致しない

100 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 (2) 疑義照会 処方された医薬品 ( 報告回数 1,184 回 ) ( 注 1) 変更になった医薬品 ( 報告回数 529 回 ) ( 注 1) Ⅱ ( 報告回数上位 ) 販 売 名 報告回数処方された医薬品変更になった医薬品 カロナール錠 PL 配合顆粒 17 3 レバミピド錠 100mg EMEC 13 3 ロキソニン錠 60mg 14 2 フロモックス錠 100mg 6 8 2) 後発医薬品 ( 報告回数 2,333 回 ) ( 注 2) ( 報告回数上位 ) 販 売 名 報告回数 カロナール錠 レバミピド錠 100mg EMEC 27 バイアスピリン錠 100mg 23 メチコバール錠 500μg 21 カルボシステインDS50% タカタ 17 アムロジピン錠 2.5mg ケミファ 16 アロプリノール錠 100mg サワイ 16 ビオフェルミンR 散 15 マグラックス錠 330mg 15 アトルバスタチン錠 10mg サワイ 14 アムロジピン錠 5mg ケミファ 14 カルボシステインシロップ5% タカタ 14 カロナール錠 ビオフェルミンR 錠 14 マグミット錠 330mg 14 ワイドシリン細粒 20% 14 ( 注 1) 疑義照会 において 処方された医薬品 と 変更になった医薬品 の報告回数は 選択項目のうち 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 を選択した場合 処方された医薬品 のみ報告するため 必ずしも一致しない ( 注 2) 後発医薬品 の報告回数は 医療用医薬品 のうち 後発医薬品 に該当する報告回数を示す

101 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 ( 注 3) 新規収載医薬品 1) ( 報告回数 63 回 ) ( 注 2) 販売名報告回数 タケキャブ錠 20mg 16 ザイザルシロップ 0.05% 7 タケキャブ錠 10mg 6 ベルソムラ錠 15mg 6 スンベプラカプセル100mg 3 ハーボニー配合錠 3 ベルソムラ錠 20mg 3 エフィエント錠 3.75mg 2 タプコム配合点眼液 2 アコファイド錠 100mg 1 アテディオ配合錠 1 ヴィキラックス配合錠 1 ウルティブロ吸入用カプセル 1 エクメット配合錠 LD 1 エフィエント錠 5mg 1 ザクラス配合錠 HD 1 ザクラス配合錠 LD 1 シダトレンスギ花粉舌下液 2,000JAU/mLボトル 1 シダトレンスギ花粉舌下液 200JAU/mLボトル 1 ダクルインザ錠 60mg 1 デベルザ錠 20mg 1 トビエース錠 4mg 1 トレシーバ注フレックスタッチ 1 リクシアナ錠 60mg 1 Ⅱ ( 注 1) 当事業における 新規収載医薬品 とは 事例発生月において薬価収載 1 年未満の新医薬品とする ( 注 2) 新規収載医薬品 の報告回数は 医療用医薬品 のうち 新規収載医薬品 に該当する報告回数を示す

102 Ⅱ 報告の現況 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 2. 特定保険医療材料 ( 報告回数 10 回 ) ( 注 1) ( 注 2) 販売名 報告回数 ペンニードル 6 Ⅱ BD マイクロファインプラス 2 ナノパスニードル 2 特定保険医療材料 ( 事例の概要別 ) 処方された特定保険医療材料 ( 報告回数 1 回 ) 間違えた特定保険医療材料 ( 報告回数 1 回 ) 関連する特定保険医療材料 ( 報告回数 8 回 ) 報告回数 販 売 ( 注 2) 名 処 方 さ れ た 間 違 え た 関 連 す る 特定保険医療材料 特定保険医療材料 特定保険医療材料 ペンニードル BDマイクロファインプラス ナノパスニードル ( 注 1) 特定保険医療材料 の報告回数は 処方された特定保険医療材料 間違えた特定保険医療材料 関連する特定保険医療材料 に報告された特定保険医療材料ごとの報告回数を示す ( 注 2) 販売名はブランド名ごとに集計している

103 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 Ⅱ 報告の現況 3. 医薬品の販売 における医薬品 ( 報告回数 4 回 ) ( 注 ) 販売名報告回数 タケプロン OD 錠 15 1 プリビナ液 0.05% 1 プリビナ点眼液 0.5mg/mL 1 未記載 1 Ⅱ 医薬品の分類 報告回数 医療用医薬品 3 第一類医薬品 0 指定第二類医薬品 0 第二類医薬品 1 第三類医薬品 0 要指導医薬品 0 ( 注 ) 医薬品の販売 の報告回数は 関連医薬品 に報告された医薬品ごとの報告回数を示す

104

105 薬局ヒヤリ ハット Ⅲ 事例の分析

106 本章では 次の 7 テーマを取り上げて分析を行った 平成 27 年年報の分析テーマ 1 名称類似に関する事例 2 一般名処方に関する事例 3 後発医薬品への変更に関する事例 4 ハイリスク薬に関する事例 - 免疫抑制剤に関する事例 - 5 疑義照会に関する事例 6 共有すべき事例 の再発 類似事例 - 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品に関する事例 - 7 腎機能が低下した患者に関する事例 各テーマは 事例の集計 分析に続き まとめ 事例から学ぶ 薬局ヒヤリ ハット分析表 参考資料 で構成されている 事例から学ぶ は 各分析テーマの代表的な事例とこれまでに報告された類似事例 総合評価部会委員によるポイントをまとめて掲載した 薬局ヒヤリ ハット分析表 は 各分析テーマに掲載した図表のうち代表的なものを選び掲載した

107 1 名称類似に関する事例 はじめに 医薬品の販売名の中には 複数の医薬品の間で名称が類似しているものがあり それらの間での薬剤取違えの事例が報告されている 特に 薬効が異なる医薬品と取違えた場合や ハイリスク薬を取違えた場合は医療事故につながる可能性がある 医薬品の名称類似に関する医療事故防止については 以前より様々な取り組みが行われてきた 日本病院薬剤師会は 会員に向けた通知 処方点検や調剤時 病棟への供給時に注意を要する医薬品について 1) ( 平成 15 年 11 月 12 日付 ) において注意喚起を行った 厚生労働省は 平成 15 年 11 月 27 日付医政発第 号 薬食発第 号 厚生労働省医政局長 厚生労働省医薬食品局長通知 医療機関における医療事故防止対策の強化について 2) 及び医薬品 医療用具等安全性情報 No.202 3) (2004 年 6 月厚生労働省医薬食品局 ) を発出し 情報提供している また 2008 年 3 月には 名称類似性を客観的に評価するための 医薬品類似名称検索システム 4) が公開された これは 医薬品の名称類似に関し 医薬品の名称の視覚的 音韻的な類似性を数値化して表示するシステムであり 一般財団法人日本医薬情報センター (JAPIC) が運営している 本財団の医療事故情報収集等事業では 第 7 回報告書 5) 医療安全情報 No.4 薬剤の取り違え 6) において 医薬品の名称類似に関する情報提供を行った その後も 第 21 回報告書 7) 第 25 回報告書 8) 第 29 回報告書 9) の 再発 類似事例の発生状況 で 薬剤の取り違え を取り上げ 医療安全情報 No.68 薬剤の取り違え( 第 2 報 ) 10) を提供するなどの注意喚起を行っている 本事業の平成 21 年年報では 名称類似に関するヒヤリ ハット を分析テーマとして取り上げ 販売名の頭文字の2 文字または3 文字以上が一致した販売名に関し分析を行った その後も名称類似に関するヒヤリ ハット事例は多く報告されていることから 平成 22 年年報 ~ 平成 26 年年報においても継続して集計 分析を行っており 本年報においても名称類似に関するヒヤリ ハット事例について分析を行った Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

108 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 1. 名称類似の考え方 名称類似に関する事例を抽出するために 2015 年 1 月 1 日から12 月 31 日までに報告されたヒ ヤリ ハット事例のうち 事例収集項目の 調剤 に関する 事例の内容 の項目で 薬剤取違え が 選択されていた事例 776 件について 取違えが生じた医薬品の組み合わせで 名称が類似しているも のについて分析を行った 名称の類似性については 平成 21 年年報 ~24 年年報においては 報告された事例の 処方された 医薬品 と 間違えた医薬品 の頭文字の一致に着目した そして 異なる販売名の医薬品を識別して 入力するために 一般的に 販売名の頭文字の3 文字が用いられていることから 頭文字の文字として Ⅲ の一致を 2 文字のみ 3 文字以上 の2つに分けて集計 分析した なお 漢方製剤は販売名が製造 販売業者名から始まっているため 頭文字が一致していることは当然であるが そのような組み合わせ も含めて集計した しかし 名称の類似性には 頭文字の複数の一致の他にも 音韻的な類似性 視覚的な類似性などいくつかの着眼点がある そこで 平成 25 年年報 平成 26 年年報においては 頭文字が2 文字以上一致している名称類似医薬品に関する事例以外で 報告された事例の背景 要因などの記述部分に 販売名が類似していることにより取違えた またはそのことが推測される内容が記載されている事例についても その他の販売名が類似している医薬品 として分析を行った 本年報においても引き続き 頭文字が2 文字以上一致している名称類似医薬品およびその他の名称類 似医薬品について分析を行った なお 薬剤取違え の事例のうち 一般名処方に関する事例は平成 7 名24 年年報以降 一般名処方に関するヒヤリ ハット において取り扱っていることから 本分析では 取り扱わず 2 一般名処方に関する事例(124 頁 ) で分析を行い 取違えた医薬品の組み合わせ についても詳しく掲載しているので参照いただきたい 称類似に関する事

109 2. 報告件数 1) 発生状況 2015 年は 薬剤取違え の事例 776 件のうち 名称類似に関する事例は211 件 (27.2 %) であった 名称類似に関する事例のうち 頭文字が2 文字のみ一致している医薬品の事例は 53 件 (25.1%) 頭文字が3 文字以上一致している医薬品の事例は140 件 (66.4%) その他の名称類似医薬品の事例は18 件 (8.5%) であり 頭文字が3 文字以上一致している医薬品の事例が多かった 図表 1-1 名称類似に関する事例の報告件数 ( 単位 : 件 ) 報告件数 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 薬剤取違え の事例 171 1, , 注 1 名称類似に関する事例 頭文字が2 文字以上一致している医薬品の事例 注 注 注 注 頭文字 2 文字のみ一致 頭文字 3 文字以上一致 その他の名称類似医薬品の事例 年 4 月に開始された 一般名処方 に関する名称類似の事例は含まない 注 1 販売名の頭文字が2 文字のみ一致している医薬品との取違えと 3 文字以上一致している医薬品との取違えが両方報告されている事例が1 事例あるため 名称類似医薬品と取違えた事例 の件数 (264 件 ) は 頭文字 2 文字のみ一致 の件数 (85 件 ) と 頭文字 3 文字以上一致 の件数 (180 件 ) の合計と異なる 注 年以降 名称類似に関する事例 には頭文字が 2 文字以上一致する医薬品以外の その他の名称類似医薬品の事例 を含む Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 2) 発生場面 2015 年に報告された名称類似に関する事例について 発生場面別に集計を行ったところ 頭文字が2 文字のみ一致している医薬品の事例 頭文字が3 文字以上一致している医薬品の事例 その他の名称類似医薬品の事例は いずれも 内服薬調剤 が多かった 図表 1-2 発生場面 ( 単位 : 件 ) 発生場面 頭文字が 2 文字以上一致している医薬品の事例 2 文字のみ 3 文字以上 その他の名称類似医薬品の事例 内服薬調剤 外用薬調剤 注射薬調剤 その他の調剤に関する場面 合計 合計

110 例主な薬効が異なる Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 3. 名称類似に関する事例の分析 1) 頭文字が2 文字のみ一致している医薬品の事例の分析 2015 年に報告された 薬剤取違え に関する事例の中で 頭文字が2 文字のみ一致している 名称類似医薬品と取違えた事例 53 件について 処方された医薬品 と 間違えた医薬品 の組 み合わせをブランド名別に集計した 本分析において 一般的名称に屋号が付されている後発医薬 品については一般的名称別に集計し 漢方製剤については販売名ごとに集計した (1) 主な薬効の相違と実施の有無 Ⅲ 頭文字が2 文字のみ一致している医薬品の事例 53 件について 処方された医薬品 と 間 違えた医薬品 の組み合わせで 主な薬効の相違 および患者への誤った医薬品の交付の有無を 表す 実施の有無 を集計し 図表 1-3に示す ただし 漢方製剤同士の組み合わせは いず れも主な薬効が 漢方製剤 であるが 実際にはそれぞれ効能 効果が異なるため 本分析では その他 として分類した 53 件の事例のうち 処方された医薬品 と 間違えた医薬品 の主な薬効が同じ事例は 43 件 (81.1%) 主な薬効が異なる事例は8 件 (15.1%) その他の事例は2 件 (3.8%) であり 主な薬効が同じ事例が大部分を占めた また その他の事例 2 件は いずれも頭文字が製造販売会社 本草 から始まる漢方製剤同士の組み合わせであった 7 図表 1-3 名主な薬効の相違と実施の有無 ( 頭文字 2 文字一致 )( 単位 : 件 ) 実施の有無 主な薬効の相違 実施あり 実施なし 合計 主な薬効が同じ 称類似に関する事その他 ( 漢方製剤同士 ) 合計 主な薬効は その医薬品の個別医薬品コード先頭 3 桁の医薬品分類を示す 2 漢方製剤同士の組み合わせはいずれも主な薬効が 漢方製剤 であるが 実際にはそれぞれ効能 効果が 異なるため その他 に分類した また 医薬品の取違えのうち 主な薬効が異なる医薬品を誤って調剤し 患者が服用した場合 患者の健康に影響を及ぼす可能性があるため 特に注意を要する 主な薬効の異なる医薬品を調剤した事例 8 件のうち 患者に対する誤った医薬品の交付の 実施あり の事例は3 件であった 実施あり の事例で報告された医薬品の組み合わせをブランド名別に 図表 1-4に示す 主な薬効が異なる組み合わせについては (3) 注意を要する医薬品の組み合わせ (107 頁 ) において分析する

111 図表 1-4 主な薬効が異なる医薬品を交付した事例 ( 頭文字 2 文字一致 ) 医薬品名主な薬効医薬品名主な薬効 実施あり の事例の報告回数 ムコスタ消化性潰瘍用剤ムコダイン去たん剤 2 テルネリン鎮けい剤テルペランその他の消化器官用薬 1 (2) 複数回報告された医薬品の組み合わせ 頭文字が2 文字のみ一致している名称類似医薬品と取違えた事例 53 件のうち 複数回報告のあった組み合わせは10 通りであった このうち 成分の異なる組み合わせは4 通りあり 特にノボラピッドとノボリンの組み合わせはハイリスク薬同士であるため特に注意を要する また 主な薬効が異なる組み合わせはムコスタとムコダイン アロチノロール塩酸塩とアロプリノールの2 通りであった 複数回報告のあった 処方された医薬品 と 間違えた医薬品 の組み合わせのうち 成分の異なる組み合わせ 主な薬効の異なる医薬品の組み合わせについて 2014 年における報告の有無も併せて図表 1-5に示す 図表 1-5 複数回報告された医薬品の組み合わせ ( 成分または主な薬効が異なるもの ) 医薬品名医薬品名成分の相違 主な薬効の相違 報告回数 2014 年の報告 ビオスリービオフェルミン 3 ムコスタムコダイン 3 アロチノロール塩酸塩アロプリノール 2 ノボラピッドノボリン 2 (3) 注意を要する医薬品の組み合わせ名称類似による薬剤の取違えの事例において 1) 成分が異なるハイリスク薬 ( 外用薬を除く ) を含む医薬品の組み合わせや 2) 主な薬効が異なる医薬品の組み合わせは 患者に与える影響が大きくなる可能性があるため 特に注意を要すると考えられる 上記 1) または2) に該当する組み合わせを抽出したところ 6 通りの組み合わせがあった 注意を要する医薬品の組み合わせについて 成分の相違 主な薬効の相違 2014 年における報告の有無も併せて図表 1-6に示す 6 通りの組み合わせのうち ノボラピッドとノボリン ムコスタとムコダインの組み合わせは2014 年にも報告があった Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

112 例 処方された医薬品ノボリン30R 注フレック Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 1-6 注意を要する医薬品の組み合わせ ( 頭文字 2 文字一致 ) 医薬品名 医薬品名 成分の相違 主な薬効の相違 2014 年の報告 アロチノロール塩酸塩 アロプリノール クレスチン クレメジン タケキャブ タケルダ テルネリン テルペラン ノボラピッド ノボリン ムコスタ ムコダイン Ⅲ また 注意を要する医薬品の組み合わせの事例のうち 主な事例の内容等をそれぞれの医薬品 名 主な薬効とともに次に示す 図表 1-7 注意を要する医薬品の組み合わせの事例 ( 頭文字 2 文字一致 ) 1 医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等 2 事例 1 3 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) 4 5 ( 背景 要因 ) クレメジン細粒分包 2g クレメジン細粒分包 2gを調剤するところ クレスチン細粒を調剤し ( 解毒剤 ) た 調剤終了直後に間違いに気付き 調剤し直した 6 間違えた医薬品クレスチン細粒 クレスチン細粒は 最近採用になった 両薬剤は箱の形状や色が似ているが 同じ引出しに隣り合わせで配置していた 調剤者は 調剤す ( その他の腫瘍用薬 ) るまでこの配置を知らなかったため 特に注意せずに調剤した 7 ( 改善策 ) 名クレスチン細粒の配置場所を抗悪性腫瘍剤の引出しに移動した また 両薬剤の箱の外観が似ていることについて スタッフに注意喚起を行 った 事例 2 スペン ( その他のホルモン剤 ( 抗ホ ルモン剤を含む )) 称類似に関する事 間違えた医薬品ノボラピッド注フレックスペン ( その他のホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む )) 事例 3 処方された医薬品ムコダイン錠 250mg ( 去たん剤 ) 間違えた医薬品ムコスタ錠 100mg ( 消化性潰瘍用剤 ) ( 事例の内容 ) ノボリン 30R 注フレックスペンの処方に対して ノボラピッド注フレックスペンを調剤した 当該患者は施設入所者で 看護師が注射して暫くした時点で気分不良を訴えられたため 看護師がインスリン注を確認したところ調剤間違いがわかった ( 背景 要因 ) 施設入所者の処方に対して 内服薬は調剤者と別の薬剤師が鑑査を行っていたが 外用剤および注射剤に関しては鑑査者が保管庫 ( 冷蔵庫 ) から取り出し そのまま薬袋に入れていたため 鑑査が行われていない状態だった ( 改善策 ) 調剤業務に関して作成と鑑査を見直し 外用剤と注射剤も鑑査することとした ( 事例の内容 ) ムコダイン錠 250mg とムコスタ錠 100mg が同じ引出しに入っており ピッキング担当者が取違えた 他のことに気を取られ しっかり確認せずに患者に交付した ( 背景 要因 ) 注意力散漫であった ( 改善策 ) 未記載

113 2) 頭文字が3 文字以上一致している医薬品の事例の分析 2015 年に報告された 薬剤取違え に関する事例の中で 頭文字が3 文字以上一致している 名称類似医薬品と取違えた事例 140 件について 処方された医薬品 と 間違えた医薬品 の 組み合わせをブランド名別に集計した 本分析において 一般的名称に屋号が付されている後発医 薬品については一般的名称別に集計し 漢方製剤については販売名ごとに集計した (1) 主な薬効の相違と実施の有無 頭文字が3 文字以上一致している医薬品の事例 140 件について 主な薬効の相違 および患 者への誤った医薬品の交付の有無を表す 実施の有無 を集計し 図表 1-8に示す なお 漢 方製剤同士の組み合わせは いずれも主な薬効が 漢方製剤 同士であるが 実際にはそれぞれ 効能 効果が異なるため 本分析では その他 として分類した 140 件の事例のうち 処方された医薬品 と 間違えた医薬品 の主な薬効が同じ事例は 105 件 (75.0%) 主な薬効が異なる事例は11 件 (7.9%) その他の事例は24 件 (17.1 %) であり 主な薬効が同じ事例が多かった また その他の事例は 頭文字が製造販売会社名 ツムラ から始まる漢方製剤同士の組み合わせが23 件 クラシエ から始まる漢方製剤同士 の組み合わせが1 件であった 図表 1-8 主な薬効の相違と実施の有無 ( 頭文字 3 文字一致 ) ( 単位 : 件 ) 実施の有無 主な薬効の相違 実施あり 実施なし 合計 主な薬効が同じ 主な薬効が異なる その他 ( 漢方製剤同士 ) 合計 主な薬効は その医薬品の個別医薬品コード先頭 3 桁の医薬品分類を示す 2 漢方製剤同士の組み合わせはいずれも主な薬効が 漢方製剤 であるが 実際にはそれぞ れ効能 効果が異なるため その他 に分類した Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 また 医薬品の取違えのうち 主な薬効が異なる医薬品を誤って調剤し 患者が服用した場合 患者の健康に影響を及ぼす可能性があるため 特に注意を要する 主な薬効の異なる医薬品を調剤した事例 11 件のうち 患者に対する誤った医薬品の交付の 実施あり の事例は1 件であった 実施あり の事例で報告された医薬品の組み合わせを図表 1-9に示す

114 7 例ツムラ柴胡桂枝乾姜湯エツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒注 1 キス顆粒 ( 医療用 ) 注 1 ( 医療用 ) 2 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 1-9 主な薬効が異なる医薬品を交付した事例 ( 頭文字 3 文字以上一致 ) 医薬品名 主な薬効 医薬品名 主な薬効 実施あり の事例の報告回数 フェロベリン 止しゃ剤 整腸剤 フェロミア 無機質製剤 1 (2) 複数回報告された組み合わせ 頭文字が3 文字以上一致している名称類似医薬品と取違えた事例 140 件について 処方さ れた医薬品 と 間違えた医薬品 の組み合わせをブランド名別に集計したところ 複数回報告 のあった組み合わせは26 通りであった このうち 成分の異なる組み合わせは5 通りあり 特 Ⅲ にノボラピッドとノボラピッド30ミックスの組み合わせはハイリスク薬同士であるため注意を 要する また 主な薬効が異なる組み合わせは1 通りあり ノイロトロピンとノイロビタンの組 み合わせであった 複数回報告のあった 処方された医薬品 と 間違えた医薬品 の組み合わせのうち 成分の異なる医薬品の組み合わせ 主な薬効の異なる組み合わせについて 2014 年における報告の有無も併せて図表 1-10に示す 4 5 図表 1-10 複数回報告された医薬品の組み合わせ ( 主な薬効または成分の異なるもの ) 6 医薬品名 医薬品名 成分の主な薬効 2014 報告回数相違の相違年の報告 ビオフェルミン ビオフェルミンR 6 名ツムラ抑肝散エキス顆粒ツムラ抑肝散加陳皮半夏エキ注 1 ( 医療用 ) 注 1 ス顆粒 ( 医療用 ) 3 ノイロトロピン ノイロビタン 3 称類似に関する事注 2 ノボラピッド 注 1 注 2 注 2 ノボラピッド30ミックス 2 漢方製剤はいずれも主な薬効が 漢方製剤 であるが 実際の効能 効果は異なる 組成の違いを示すためにブランド名に組成を付した (3) 注意を要する医薬品の組み合わせ名称類似による医薬品の取違えの事例において 1) 成分が異なるハイリスク薬 ( 外用薬を除く ) を含む医薬品の組み合わせや 2) 主な薬効が異なる医薬品の組み合わせは 患者に与える影響が大きくなる可能性があるため 特に注意を要すると考えられる 頭文字が3 文字以上一致している医薬品の事例 140 件について 処方された医薬品 と 間違えた医薬品 の組み合わせをブランド名別に集計し 上記 1) または2) に該当する組み合わせを抽出したところ 10 通りの組み合わせがあった これらの組み合わせのうち 成分の異なるハイリスク薬を含む医薬品の組み合わせは1 通りあり ノボラピッドとノボラピッド30ミックスの組み合わせであった 注意を要する医薬品の組み合わせの事例について 成分の相違 主な薬効の相違 2014 年における報告の有無も併せて図表 1-11に示す また 主な薬効が異なる医薬品の組み合わせのうち同一ブランド名で剤形の異なる組み合わせを図表 1-12に示す

115 図表 1-11 注意を要する医薬品の組み合わせ ( 頭文字 3 文字以上一致 ) 医薬品名医薬品名成分の相違 主な薬効の相違 2014 年の報告 アスパラカリウムアスパラ -CA クラリスクラリチン ノイロトロピンノイロビタン 注 1 ノボラピッド 注 1 ノボラピッド30ミックス フェロベリンフェロミア ユベラユベラ N 注 1 組成の違いを示すためにブランド名に組成を付した 図表 1-12 注意を要する医薬品の組み合わせ ( 剤形が異なるもの ) 医薬品名医薬品名成分の相違主な薬効の相違 2014 年の報告 ザジテン点鼻液ザジテン点眼液 ゾビラックス眼軟膏ゾビラックス軟膏 タリビッド眼軟膏タリビッド耳科用液 タリビッド耳科用液タリビッド点眼液 剤形の違いを示すためにブランド名に剤形を付した また 上記の注意を要する事例のうち 主な事例の内容等をそれぞれの医薬品名 主な薬効とともに示す 図表 1-13 注意を要する医薬品の組み合わせの主な事例 ( 頭文字 3 文字以上一致 ) 事例 1 医薬品名 ( 主な薬効 ) 処方された医薬品クラリス錠 50 小児用 ( 主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの ) 間違えた医薬品クラリチン錠 10mg ( その他のアレルギー用薬 ) 事例 2 処方された医薬品ノイロビタン配合錠 ( 混合ビタミン剤 ( ビタミンA D 混合製剤を除く )) 間違えた医薬品ノイロトロピン錠 4 単位 ( 解熱鎮痛消炎剤 ) 事例の内容等 ( 事例の内容 ) クラリス錠 50 小児用 6 錠 1 日 2 回 5 日分の処方があったが クラリチン錠 10mg で調剤 鑑査した 交付前に気付き 調剤し直した ( 背景 要因 ) 名称が似ているが 両医薬品を配置している場所が近かった ( 改善策 ) 配置する場所を離す 目印をつけ 注意喚起する ( 事例の内容 ) ノイロビタン配合錠 14 日分が処方されていたが ノイロトロピン錠 4 単位で取り揃えた 鑑査時に発見し患者本人へ渡ることはなかった ( 背景 要因 ) 取違えた医薬品は名称が似ているが 薬剤棚の位置は上下で隣接していた ピッキング時に確認をしなかった ( 改善策 ) 薬剤棚に注意喚起になるような目印の工夫を施す 薬剤棚の位置を離す Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

116 例(2) 複数回報告された組み合わせ Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 3) その他の名称類似医薬品の事例の分析 (1) 主な薬効の相違と実施の有無 本事業には 頭文字が2 文字以上一致している医薬品の事例の他にも 名称類似医薬品と取違 えた事例が報告されている 薬剤取違えの事例 776 件から 頭文字が2 文字のみ一致している 医薬品の事例 53 件 頭文字が3 文字以上一致している医薬品の事例 140 件を除いた583 件 について 報告された事例の記述部分に 販売名が類似していることにより薬剤を取違えた内容 が記載されており かつ取違えが生じた名称類似医薬品の組み合わせが記載されている事例を抽 出したところ 18 件あった それらの事例に記載されている名称類似医薬品の組み合わせにつ Ⅲ いて 主な薬効の相違 および患者に対する誤った医薬品の交付の有無を表す実施の有無を集計 し 図表 1-14に示す 頭文字が2 文字以上一致する組み合わせではないが 報告内容に名称が類似していると記載さ 1 2 れていた医薬品の事例 18 件のうち 主な薬効が同じ医薬品の事例は10 件 (55.6%) 主な薬効が異なる医薬品の事例は8 件 (44.4%) であった 3 4 図表 1-14 主な薬効の相違と実施の有無 ( 単位 : 件 ) 5 実施の有無主な薬効の相違実施あり実施なし 6 合計 主な薬効が同じ 名主な薬効が異なる 合計 主な薬効は その医薬品の個別医薬品コード先頭 3 桁の医薬品分類を示す 頭文字が2 文字以上一致する組み合わせではないが 報告内容に名称が類似していると記載さ れていた医薬品の事例 18 件について 名称類似医薬品の組み合わせをブランド名別に集計し 複数回報告のあった組み合わせを 成分の相違 主な薬効の相違 2014 年における報告の有 無も併せて図表 1-15に示す 複数回報告のあった組み合わせは2 通りであり いずれも 2014 年に引き続き2015 年も報告された 称類似に関する事図表 1-15 複数回報告された医薬品の組み合わせ ( その他の名称類似医薬品 ) 医薬品名 医薬品名 成分の相違 主な薬効の相違 報告回数 2014 年の報告 アテレック アレロック 2 ミカムロ ミコンビ

117 (3) 注意を要する医薬品の組み合わせ 名称類似による薬剤の取違えの事例において 1) 成分の異なるハイリスク薬 ( 外用薬を除く ) を含む医薬品の組み合わせや 2) 主な薬効が異なる医薬品の組み合わせは 患者に与える影響が大きくなる可能性があるため 特に注意を要すると考えられる 頭文字の2 文字以上の一致はないが 報告内容に名称が類似していると記載されていた医薬品の事例 18 件について 名称類似医薬品の組み合わせをブランド名別に集計し 上記 1) または2) に該当する組み合わせを抽出したところ 5 通りの組み合わせがあった これらの医薬品の組み合わせについて 成分の相違 主な薬効の相違 2014 年における報告の有無も併せて図表 1-16に示す 5 通りの組み合わせのうち アテレックとアレロックの組み合わせは2014 年に引き続き2015 年も報告された 図表 1-16 注意を要する医薬品の組み合わせ ( その他の名称類似医薬品 ) 医薬品名医薬品名成分の相違主な薬効の相違 2014 年の報告 アタラックスアテレック アテレックアレロック オメプラールオルメテック モサプリドクエン酸塩 モナソサール レボトミンレンドルミン また 上記の特に注意を要する事例のうち 主な事例の内容等をそれぞれの医薬品名 主な薬効とともに図表 1-17に示す Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

118 例 実施なし であった事例 114 件について 取違えに気付いた背景 要因を事例に記載されてい Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 1-17 注意を要する医薬品の組み合わせの主な事例 ( その他の名称類似医薬品 ) 医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等 事例 1 処方された医薬品アタラックス錠 10mg ( 精神神経用剤 ) ( 事例の内容 ) アタラックス錠 10mgが処方されていたがアテレック錠 10mgで調剤した ( 背景 要因 ) 間違えた医薬品アテレック錠 10 ( 血圧降下剤 ) アテレックとアタラックスは音韻が類似しており 規格も10mgで同じことから間違えた ( 改善策 ) 現在 当薬局ではアテレック錠 10mgは処方されていないため 他 の系列薬局で使ってもらうようにし 在庫をなくした Ⅲ 事例 2 処方された医薬品オメプラール錠 20 ( 事例の内容 ) オメプラール錠 20 1 錠朝食後 7 日分が処方されたが オルメテッ ( 消化性潰瘍用剤 ) 間違えた医薬品オルメテック錠 20mg ( 血圧降下剤 ) ク錠 20mgを調剤した 鑑査時に他の薬剤師が気付き オメプラール錠 20に調剤をし直した ( 背景 要因 ) オメプラールとオルメテックの名称が似ていることと規格が同じだったことから 違う医薬品を調剤した 患者が多く勤務状況が繁忙だったことから 焦りがあった ( 改善策 ) 似た名称の医薬品は棚と引出などを離して配置する 混んでいる時こそしっかり確認する 7 名4) 交付する前に取違えに気付いた事例 患者に誤った医薬品を交付しなかったことを示す 実施なし が選択されていた事例には 患者 に医薬品を交付する前に取違えに気付いた背景 要因が記載されていることがあり それらを分析 することは 名称類似に関する医療事故を防止するために有用な情報であると考えられる そこで た内容から抽出し 分析した 取違えに気づいた背景 要因が記載されていた事例から内容を整理すると 鑑査時に誤りに気付 いた事例が大部分を占めていた 他には 調剤者による自己鑑査時に気付いた事例 交付時に気付 いた事例などが報告されていた 患者に医薬品を交付する前に取違えに気付いた事例のうち 主な事例を次に示す 称類似に関する事

119 図表 1-18 患者に医薬品を交付する前に取違えに気付いた事例 医薬品名 ( 主な薬効 ) 鑑査時に気付いた事例 処方された医薬品アロチノロール塩酸塩錠 10mg 日医工 ( 不整脈用剤 ) 間違えた医薬品アロプリノール錠 100mg サワイ ( 痛風治療剤 ) 交付時に気付いた事例 処方された医薬品ツムラ加味帰脾湯エキス顆粒 ( 医療用 ) ( 漢方製剤 ) 間違えた医薬品ツムラ加味逍遙散エキス顆粒 ( 医療用 ) ( 漢方製剤 ) 事例の内容等 ( 事例の内容 ) アロチノロール塩酸塩錠 10mg DSP の処方のところ誤ってアロプリノール錠 100mg サワイ を調剤し 指示に従って一包化を行ったが 鑑査薬剤師が間違いに気づきアロチノロール塩酸塩錠 10mg 日医工 で再度一包化し患者に交付した ( 背景 要因 ) この患者には以前からアロチノロール塩酸塩錠 10mg DSP が定期処方されており アロチノロール塩酸塩錠 10mg 日医工 を調剤していた 今回の事例はアロチノロール塩酸塩錠の処方をアロプリノール錠と見間違えたことによって起こった 他剤との一包化指示があり一包化を行った後であったが 錠剤を出した後のヒートの外装も一包化を行った薬剤と一緒に鑑査にまわすという手順をとっていた為 鑑査薬剤師が間違いに気づいた その後 正しい薬剤で再度一包化を行い 患者に交付した ( 改善策 ) 薬剤名の類似から今回のような取違えが起こったが この薬剤はそれぞれ規格が 10mg と 100mg で異なっている そのため このような間違いは規格を確認することでも未然に防ぐことができたと考えられるため 今後は薬剤名の確認だけでなく規格 剤形に関しても更なる注意を払う ( 事例の内容 ) ツムラ加味帰脾湯エキス顆粒 ( 医療用 ) が処方されていたが ツムラ加味逍遙散エキス顆粒 ( 医療用 ) で調剤 鑑査されていた 調剤翌日の患者への交付時に交付担当の薬剤師が調剤間違いに気付いた ( 背景 要因 ) 漢方薬は含有する成分によって類似する名称があり 今回処方された加味帰脾湯エキス顆粒 ( 医療用 ) よりも加味逍遥散エキス顆粒 ( 医療用 ) の方が処方頻度が高く 調剤した薬剤師が十分確認していなかった 漢方薬は薬剤師の思い込みで取違えの頻度が多いことから 薬局内での医療安全手順書で 調剤した漢方薬の番号とくすりカードの番号を確認後に薬歴に記載することをルールとしている 鑑査した薬剤師は 先に番号を薬歴に記載し 実際に調剤された番号を確認しなかったために間違いに気付かなかった ( 改善策 ) 調剤時 鑑査時に間違いがないことを確認すること及び作業手順を守ることを徹底する 交付時に必ず患者と一緒に確認する Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

120 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 5) 薬局から報告された主な改善策名称類似による医薬品の取違えの事例について薬局から報告された改善策のうち 主なものを整理して図表 1-19に示す 図表 1-19 薬局から報告された主な改善策 1 入力時 医薬品を選択後 再度確認する 入力後 1 文字ずつ確認することを徹底する 処方入力が終わると薬袋に情報が印刷されるので 内容を確認する 2 調剤時および鑑査時 Ⅲ 見た目だけで判断するのではなく 指差し声出しで名称を確認する 医薬品の確認を名前 剤形 規格と区切って 指差し声出し確認する 文字を最後まで確認する 1 漢方薬は名称のみではなく番号も確認する 2 鑑査時にも再度確認をし 薬剤情報提供書等の交付物との照合を行う 3 3 交付時 交付時 必ず患者と一緒に内容を確認する 4 4 薬品棚の配置 5 名称類似医薬品の配置場所を棚と引出しで離す 6 5 情報の共有 7 医薬品の採用中止や変更などの情報を事務員とも共有する 名 漢方薬の名称類似医薬品をピックアップし スタッフで共有する 4. 本事業のデータベース等の活用による注意喚起例本事業および医療事故情報収集等事業の事例データベース等を活用して 製薬企業から注意喚起が行われている これまでに エクセグラン エクセミド エクセラーゼ セロクエルとセロクラール ノルバスクとノルバデックス マイスリーとマイスタン などについて 名称類似医薬品同士の取違えについての注意喚起が行われてきた アルマールとアマリール については 製薬企業より2009 年 1 月に取違え事故防止対策の注意喚起が行われた後 2012 年 1 月に本事業および医療事故情報収集等事業の公開データ検索システムの事例を引用した注意喚起が公表された その後 アルマール錠はアロチノロール塩酸塩錠 DSP に名称変更されている また 2015 年 7 月には デュファストンとフェアストン について 製薬企業から本事業および医療事故情報収集等事業の公開データ検索システムの事例を引用した注意喚起が公表されている ( 図表 1-20) 称類似に関する事

121 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 図表1 20 Ⅲ 平成27年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 デュファストンとフェアストンの取り違えに関する注意喚起 2015 年 7 月 医療従事者の皆様 薬剤の比較 フェアストン 錠 40 フェアストン 錠 60 デュファストン 錠 と フェアストン 錠 の 販売名 デュファストン 錠 5 取り違え事例発生のお知らせ 一般名 ジドロゲステロン 切迫流早産 習慣性流早産 無月経 月経周期異常 稀発月経 多発月経 月経困難症 機能性子宮出血 黄体機能不全による不妊症 子宮内膜症 トレミフェンクエン酸塩 処方箋医薬品 劇薬 処方箋医薬品 謹啓 アボット ジャパン株式会社 日本化薬株式会社 効能 効果 時下ますますご清祥の段 お慶び申し上げます 平素は格別のご高配を賜り 厚く御礼申 規制 区分 し上げます 閉経後乳癌 これまでに デュファストン 錠 一般名 ジドロゲステロン アボット ジャパン株式会社 と フェアストン 錠 一般名 トレミフェンクエン酸塩 乳癌治療剤 日本化薬株式会社 の 販売名が類似しているとの理由で 薬剤取り違えを起こした事例が 2 件 公益財団法人 日本医療 機能評価機構のホームページに公開されております 貴施設におかれましては 以下の事例をご参考の上 より一層のご配慮をお願い申し上げます 謹白 表面 裏面 フェアストン 錠 40 デュファストン フェアストン取り違え事例 Ⅲ 包装 表面 裏面 フェアストン 錠 60 表面 薬局 詳細は下表のとおりです No. 施設 内 容 事例の内容 発生年月 非公開 不妊症治療のために産科 婦人科医師が デュファストン錠5 を処方したとこ ろ 薬剤部が フェアストン錠40 を調剤した 患者が1回1錠 朝 昼と2回の計 2錠を服用した 交付2日後に 患者本人が違う薬であることに気づき 薬剤部に 連絡が入った 背景 要因 薬剤棚の薬剤は 使用頻度別に配置されていた デュファストンと劇薬であるフ ェアストンは 使用頻度の低い同一棚に2種類の他の薬剤を挟み 同一列に配置さ 1 れていた デュファストンの薬剤名ラベルは黒字で記載されていた 一方 フェ アストンは劇薬のため赤字で記載され ハイリスク薬を示す H の文字は付い ていたが 抗癌剤を示す表示はなかった 急いでいたため同一薬剤師が処方箋監 査と調剤を行い 別の薬剤師が調剤監査のみを行った 調剤時に 処方箋を見な がらピッキングを行わなかった また ピッキングしたその場で薬剤を薬袋に入 れることがあった 調剤監査時に 薬袋に入っていた薬剤の薬剤名を確認しなか った 薬剤交付時に 患者との薬剤の確認 患者への説明 指導を行わなかった 事例の内容 発生年月 2010 年 4 月 患者が産婦人科の処方箋を持って来局した フェアストン錠 40 のところ デ ュファストン錠 5 を調剤し 監査 投薬した 帰宅後 患者から電話連絡が あり 間違いが発覚し すぐに薬剤を取り換えた 2 背景 要因 調剤 監査時に確認を怠った 類似の薬剤名 産婦人科で使用される薬剤である ことによる思い込みで調剤した 裏面 1 フェアストン 錠 40 3 デュファストン 錠 5 薬局 No.1 公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故 ヒヤリ ハット報告事例検索 システムより 2015 年 6 月末時点 No.2 同 機構 薬局ヒヤリ ハット報告事例検索 システムより 2015 年 6 月末時点 製造 販売元 アボット ジャパン株式会社 お問い合わせ先 くすり相談室 TEL 受付時間 9:00 17:30 土 日 祝祭日及び当社休日を除く 2 フェアストン 錠 60 日本化薬株式会社 お問い合わせ先 医薬品情報センター TEL 受付時間 9:00~18:00 土 日 祝祭日及び当社休日を除く 名称類似に関する事例 7 医療事故情報収集等事業 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 の公開データを活用 5 医療事故情報収集等事業による名称類似に関する情報提供 薬局では 誤って医薬品が交付された後の患者への影響を把握することが必ずしもできるとは限らな いことから 医薬品の取り違えによって患者に一定以上の影響を及ぼした事例が含まれる医療事故情報 収集等事業の報告書や医療安全情報などを活用することは 薬局にとっても有用と考えられる そこで 医療事故情報収集等事業が提供した情報の中で 医薬品の名称類似に関連する情報を紹介す る 医療安全情報No.4 薬剤の取り違え 2007年3月提供 6 医療安全情報No.68 薬剤の 取り違え 第2報 2012年7月提供 10 を図表1 21 図表1 22に示す 117

122 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 図表1 21 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 平成27年年報 医療安全情報No.4 薬剤の取り違え 医療事故情報収集等事業 医療安全情報 No 年3月 医療事故情報収集等事業 財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 医療 No 年3月 安全情報 医療事故情報収集等事業 医療 薬剤の取り違え 安全情報 事例1 No 年3月 当該診療科では化学療法の処方に際し パソコン内に定型化した独自の伝 薬剤の取り違え 票を使用していた タキソール200mg+パラプラチン400mg を投与 する予定であったが 誤って タキソテール+パラプラチン の伝票を出力し たことに 気 付 か ず 投 与 量 を 記 入し た た め 指 示 が タ キソテ ー ル 200mg+パラプラチン400mg となり 患者に実施した 薬剤の名称が類似していることにより 取り違えた事例が7件報告されています 集 計期間間 2004年10月1日 2006年12月31日 第3回報告書 共有すべき医 Ⅲ 療事故情報 に一部を掲載 投与すべき薬剤 取り違えた薬剤 事例2 アルマール錠 アマリール錠 抗生剤 セフメタゾン が処方された 薬剤師は セフマゾン を調剤し 監 アレロック錠 アレリックス錠 は 注射指示簿と払い出された薬剤を確認したが セフマゾン を セフメタ セフメタゾン静注用 注用セフマゾン ゾン と思い込み患者に実施した タキソール注射液 タキソテール注 査の薬剤師も気付かずに セフマゾン が病棟に払い出された 病棟看護師 タキソテール注 タキソール注射液 ファンガード点滴用 ファンギゾン ラクテックD注 ラクテック注 この医療安全情報は 医療事故情報収集等事業 厚生労働省補助事業 において収集された事例をもとに 当事業 の一環として専門家の意見に基づき 医療事故の発生予防 再発防止のために作成されたものです 当事業の趣旨 等の詳細については 当機構ホームページに掲載されている報告書および年報をご覧ください この情報の作成にあたり 作成時における正確性については万全を期しておりますが その内容を将来にわたり保証 するものではありません この情報は 医療従事者の裁量を制限したり 医療従事者に義務や責任を課したりするものではありません 薬剤の名称が類似していることによる 取り違えが報告されています 財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部 医療事故防止センター 東京都千代田区神田駿河台3-11 三井住友海上駿河台別館ビル7階 電話 直通 FAX 直通 その他にも 当事業の第7回報告書p64 65では ヒヤリ ハット事例の中から名 称の類似が原因と考えられる主な薬剤を取り上げています 6 名称類似に関する事例 7 図表1 22 医療安全情報No.68 薬剤の取り違え 第2報 医療事故情報収集等事業 医療安全情報 No 年7月 医療事故情報収集等事業 公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 医療 安全情報 医療事故情報収集等事業 医療 No 年7月 薬剤の取り違え 第2報 安全情報 事 例 担当医は他院からの紹介状を読み 男性患者にノルバスク10mgを処方する ためオーダリング画面を開いた ノルバ と入力したところ ノルバスクに 続いてノルバデックスが表示された 10mgを処方しようとしていたため 10 と記載のあったノルバデックスを間違えて選択し処方した その後 院外薬局の薬剤師は おかしい と思ったが 病院に疑義照会をせず3ヶ月分 の薬剤を調剤し 患者は内服した 患者が次の処方のため他院を受診した ところ 薬剤が違うことが分かった No 年7月 薬剤の取り違え 第2報 薬剤の取り違えを医療安全情報No 4 2007年3月 で情報提供いたしました その後 再び類似の事例が20件報告されていますので 再度 情報提供いたします 医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化 徹底について 注意喚起 の通知が 厚生労働省より出されています 集計期間 2007年1月1日 2012年5月31日 医政発第 号 薬食発第 号 平成20年12月4日付 薬剤の名称が類似していることにより 薬剤を 取り違えた事例が再び報告されています 投与すべき薬剤 取り違えた薬剤 アルマール錠 アマリール錠 ノルバスク錠 ノルバデックス錠 主たる薬効 不整脈用剤 血管拡張剤 チウラジール錠 抗甲状腺ホルモン剤 主たる薬効 糖尿病用剤 腫瘍用薬 チラーヂンS錠 甲状腺ホルモン剤 事例が発生した医療機関の取り組み ハイリスク薬などは 処方画面にアラート 機能を追加する 医師と薬剤師の連絡体制を強化する 件数 3 この医療安全情報は 医療事故情報収集等事業 厚生労働省補助事業 において収集された事例をもとに 当事業の 一環として総合評価部会の専門家の意見に基づき 医療事故の発生予防 再発防止のために作成されたものです 当事業の趣旨等の詳細については 当機構ホームページに掲載されている報告書および年報をご覧ください 3 この情報の作成にあたり 作成時における正確性については万全を期しておりますが その内容を将来にわたり保証 するものではありません この情報は 医療従事者の裁量を制限したり 医療従事者に義務や責任を課したりするものではありません 2 公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故防止事業部 アルマール錠は アロチノロール塩酸塩錠 DSP への製造販売承認を取得しています 2012年1月 報告された事例20件のうち 複数回報告された薬剤を掲載しています 東京都千代田区三崎町 東洋ビル 電話 直通 FAX 直通 118

123 6. まとめ本事業では 平成 21 年年報から毎年継続して名称類似に関するヒヤリ ハット事例の集計 分析を行っている 本年報においても 頭文字が2 文字のみ一致している組み合わせ 頭文字が3 文字以上一致している組み合わせ その他の名称類似医薬品などについて分析を行った また 患者に交付する前に取違えに気付いた事例や 薬局から報告された具体的な改善策を整理して示した さらに 関連情報として 本事業のデータベース等を活用した製薬企業による注意喚起や医療事故情報収集等事業の医療安全情報などを紹介した 名称類似に関する事例は継続して報告されている その中でも主な薬効が異なる医薬品の組み合わせや成分の異なるハイリスク薬の組み合わせは 患者に与える影響が大きくなる可能性があるため 特に注意を要する 薬局や製薬企業においては 本年報で分析した結果やその他の関連情報などを活用しながら 名称類似による医療事故の発生や再発を防止するための取り組みを続けることが重要である Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

124 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 平成27年年報 平成27年年報 事例から学ぶ ①名称類似に関する事例 事例の内容 クレメジン細粒分包2gを調剤するところ クレスチン細粒を誤って調剤した 調 剤直後に気付き 調剤し直した 背景 要因 Ⅲ クレスチン細粒は 薬局で採用されたばかりであった 箱の形状や色がクレメジン 細粒分包2gに酷似しているにもかかわらず クレメジン細粒分包2gと同じ引出 しに隣り合わせて配置されていた 調剤者はそのことを知らなかったため 特に注 1 2 意することなく クレスチン細粒をクレメジン細粒分包2gと思い込み調剤した 事例が発生した薬局の改善策 3 クレスチン細粒の配置場所を抗悪性腫瘍剤の引出しに移動した また 外箱がクレ 4 メジン細粒分包2gと酷似していることをスタッフに伝え 注意喚起を行った 5 6 名称類似に関する事例 7 クレメジン細粒分包2g 慢性腎不全用剤 クレスチン細粒 抗悪性腫瘍剤 医薬品の製造販売業者のホームページに掲載されている写真を引用した 2016年7月現在 この他にも事例が報告されています アレロック錠5をアテレック錠5と取り違えて調剤し 鑑査 交付した薬剤師も間違い に気付かないまま患者に薬を渡した 付添いのヘルパーから 前回と違う薬が入ってい る と電話があり 判明した セレキノン錠100mg 3錠分3毎食後30日分の処方せんを受け 調剤 交付した が セレキノン錠100mg 90錠のうち セレスタミン配合錠が10錠混在してい た 自宅に帰った患者本人が気付き 薬局に連絡をした この2つの医薬品の棚は上下 隣り合わせで 外見もよく似ているため 棚へ戻す際に間違いが発生していた 120

125 ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒 ( 医療用 ) をツムラ柴胡桂枝乾姜湯エキス顆粒 ( 医療用 ) と間違えた 薬剤服用歴を記載する時に気付き 直ちに患者宅へ連絡し薬を交換した 入力者は 名称が類似していたために誤入力し 調剤者は誤入力された調剤支援表に基づき調剤した 鑑査者は医薬品本体を調剤支援表と照合し 処方せんと照合しないまま鑑査を終了していた 交付者は 薬効の確認と説明のみに集中していた 名称類似に関するポイント 調剤を含め 物品取り揃え時には 人間は慣れるにつれ また急いでいる時ほど 名称をすべて読まず 包装 ( 箱サイズ デザインパターン 色使い等 ) の印象 名称の文字数( 名称の長さ ) 名称の最初の 2~3 文字 を手掛かりにパターン識別により業務を進める傾向がある 自局で採用している名称類似や外観類似の医薬品について把握し ミーティングなどの機会を通じて取り違えが生じやすい旨の注意喚起 情報共有を行う 医薬品名を指差し 名称を読み上げて ( 声出しして ) 調剤する 名称類似医薬品は 医薬品棚や引き出しに配置する際に場所を離して保管する 取り違えやすい医薬品のうちハイリスク薬などに対しては 医薬品棚の配置場所に名称類似医薬品の取り違え注意を促すラベルを貼りつけるなどの対策も有効である 取り違えの頻発が懸念される名称類似や外観類似の医薬品については 製薬企業に対して改善を申し入れるなどの対策も必要な場合がある Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

126 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 薬局ヒヤリ ハット分析表 2015 年 ❶ 名称類似に関する事例 注意を要する名称類似医薬品の組み合わせ ヒヤリ ハット事例のうち 名称類似に関する 薬剤取違え の事例が211 件報告されています ( 集 計期間 :2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) このうち 主な薬効の異なる組み合わせ及び成分の異 なるハイリスク薬を含む組み合わせは特に注意が必要です 2014 年に引き続き2015 年にも報 告された注意を要する 名称類似医薬品 の組み合わせを以下に示します 医薬品名 ( 主な薬効 ) 医薬品名 ( 主な薬効 ) アスパラカリウム無機質製剤 アスパラ-CA カルシウム剤 アテレック血圧降下剤 アレロックその他のアレルギー用薬 クラリス主としてグラム陽性菌, マイコプラズマに作用するもの クラリチンその他のアレルギー用薬 ノイロトロピン解熱鎮痛消炎剤 ノイロビタン混合ビタミン剤 ( ビタミンA D 混合製剤を除く ) ノボラピッドその他のホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) ( ハイリスク薬 ) ノボリンその他のホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) ( ハイリスク薬 ) Ⅲ 名称類似に関する事ムコスタ消化性潰瘍用剤 ムコダイン去たん剤 ユベラビタミン E 剤 ユベラ N その他の循環器官用薬 1 主な薬効 とは その医薬品の個別医薬品コード先頭 3 桁の医薬品分類を示す 2 名称類似医薬品 とは 頭文字が2 文字以上一致している医薬品の組み合わせ もしくはそれ以外で報告事例に名称が類似していることにより取違えたことが記載されている医薬品の組み合わせとした 3 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 108 頁図表 頁図表 頁図表 1-16を改変

127 参考資料 1) 日本病院薬剤師会. 処方点検や調剤時 病棟への供給時に注意を要する医薬品について 参照 ). 2) 厚生労働省医政局, 厚生労働省医薬食品局. 医政発第 号, 薬食発第 号 医療機関における医療事故防止対策の強化について. 厚生労働省 topics/bukyoku/isei/i-anzen/1/torikumi/naiyou/bousikyouka/tuuchi.html( 参照 ). 3) 厚生労働省医薬食品局. 医薬品 医療用具等安全性情報 No.202. 厚生労働省 ( 参照 ). 4) 一般財団法人日本医薬情報センター. 医薬品類似名称検索システム. jp/( 参照 ). 5) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 第 7 回報告書 参照 ). 6) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 医療安全情報 No.4 薬剤の取り違え 参照 ). 7) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 第 21 回報告書 参照 ). 8) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 第 25 回報告書 参照 ). 9) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 第 29 回報告書 参照 ). 10) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 医療安全情報 No.68 薬剤の取り違え ( 第 2 報 ) 参照 ). Ⅲ 名称類似に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

128 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 2 一般名処方に関する事例はじめに 2012 年 4 月 1 日以降 後発医薬品が存在する医薬品について 薬価基準に収載されている医薬品名に代えて 一般的名称に剤形及び含量を付加した標準的な記載 ( 以下 一般名処方 とする ) による処方せんを交付した場合に 医療機関において一般名処方加算を算定できることとなった 医療機関による一般名処方の開始に伴って 本事業に一般名処方に関する事例が報告されるようになり 医療安全の確保の観点から 平成 24 年年報では 一般名処方に関するヒヤリ ハット を分析テーマとして Ⅲ 取り上げた その後 平成 25 年年報においても継続して分析を行い 平成 26 年年報では分析テーマを 後発変更等に関するヒヤリ ハット として 一般名処方に関する事例について引き続き分析を行うとともに 一般名処方ではなく先発医薬品名で処方され 患者の希望等により先発医薬品を後発医薬品に変更して調剤する際に発生した事例についても分析を行った 本年報では 後発医薬品の使用促進の流れの中で継続して注意喚起を行うため 分析テーマを 一般名処方に関する事例 と 後発医薬品への変更に関する事例 に分けて取り上げることとした 本稿では一般名処方に関する事例について分析を行い 先発医薬品から後発医薬品に変更して調剤する際に発例 一般名処方に関する事生した事例については 3 後発医薬品への変更に関する事例 (146 頁 ) で取り上げて分析を行った

129 1. 一般名処方に関する事例の考え方 本年報では 一般名で記載された処方せんによって調剤を行う際に発生した事例や 医療機関において一般名で処方する際に発生した誤りを薬局で発見し疑義照会を行った事例を 一般名処方に関する事例とした なお本年報では 厚生労働省が作成 公表した 処方せんに記載する一般名処方の標準的な記載 1) に基づいて一般名を表記し 判別しやすいように 般 を付している 一般名は MDB 版一般名処方マスタ ( メディカルデータベース株式会社 ) を参照して表記した 2. 報告件数 1) 報告件数一般名処方に関する事例は2015 年に282 件の報告があった 一般名処方に関する事例がヒヤリ ハット事例全体に占める割合は2012 年から年々増加しており 2015 年は5.9% であった また 一般名処方に関する事例のうち 調剤 に関する事例は224 件 疑義照会 に関する事例は58 件で 疑義照会 の事例は2012 年から増加傾向にある 図表 2-1 注 報告件数 事例の概要 注 2012 年 報告件数 2013 年 2014 年 2015 年 ヒヤリ ハット事例 7,166(100.0%) 5,820(100.0%) 5,399(100.0%) 4,779(100.0%) 一般名処方に関する事例 229 (3.2%) 275 (4.7%) 288 (5.3%) 282 (5.9%) 調剤に関する事例 209 (2.9%) 243 (4.2%) 252 (4.7%) 224 (4.7%) 疑義照会に関する事例 20 (0.3%) 32 (0.5%) 36 (0.7%) 58 (1.2%) 一般名処方が開始された 2012 年 4 月以降を発生年月として報告された事例を集計した Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 2) 事例の内訳一般名処方の 調剤 に関する事例は 薬剤取違え が133 件 /224 件 (59.4%) と多く 次いで 規格 剤形間違い が40 件 /224 件 (17.9%) であった ヒヤリ ハット事例全体の 調剤 に関する事例では 数量間違い が最も多く1,054 件 /3,727 件 (28.3 %) 次いで 薬剤取違え が776 件 /3,727 件 (20.8%) であったのに比べ 一般名処方の 調剤 に関する事例では 薬剤取違え の事例の割合が多かった 一般名処方の 疑義照会 に関する事例は 薬剤削除 が22 件 /58 件 (37.9%) と最も多く 次いで 薬剤変更 が21 件 /58 件 (36.2%) であった

130 例用法変更 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 2-2 事例の内訳 事例の概要 事例の内容または 一般名処方に関する事例の報告件数 ( 参考 )2015 年の 発生場面 変更内容 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 全事例 調剤忘れ 処方せん監査間違い 秤量間違い 数量間違い ,054 分包間違い 調剤 規格 剤形間違い Ⅲ 薬剤取違え 説明文書の取違え 分包紙の情報間違い 薬袋の記載間違い 調剤 2 その他 ( 調剤 ) 充填間違い 異物混入 管理 5 期限切れ その他 ( 管理 ) 患者間違い 一説明間違い 交付交付忘れ その他 ( 交付 ) 合計 ,727 薬剤変更 般名処方に関する事疑義照会 用量変更 分量変更 薬剤削除 その他 合計 ,040 合計 ,

131 3. 一般名処方の調剤に関する事例の分析 1) 一般名処方の調剤に関する事例の概要 (1) 発生場面と実施の有無一般名処方の調剤に関する事例について 発生場面 と医薬品の交付の有無を示す 実施の有無 について集計を行った 図表 2-3 発生場面と実施の有無 ( 単位 : 件 ) 発生場面 一般名処方の調剤に関する事例 ( 参考 ) 調剤に関する事例実施あり実施なし合計実施あり実施なし合計 内服薬調剤 ,386 1,153 2,539 外用薬調剤 注射薬調剤 その他の調剤に関する場面 内服薬管理 外用薬管理 注射薬管理 その他の管理に関する場面 交付 合 計 ,843 1,884 3,727 発生場面では 内服薬調剤 が166 件 /224 件 (74.1%) と多かった この割合は 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体における内服薬調剤の割合 (68.1%) と比較してやや 多かった 実施の有無を見ると 患者に医薬品を交付したことを示す 実施あり が選択されていた事例 は97 件 /224 件 (43.3%) であり 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体における 実 施あり の割合 (49.4%) と比較するとやや少なかった Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 (2) 事例の内容と実施の有無一般名処方の調剤に関する事例を 事例の内容 で分類し 実施の有無 について示す ( 図表 2-4) 事例の内容 では 薬剤取違え が133 件 /224 件 (59.4%) と最も多く 次いで 規格 剤形間違い が40 件 /224 件 (17.9%) であった 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体では 数量間違い (28.3%) が最も多く 次いで 薬剤取違え (20.8%) が多かった このように 一般名処方の調剤に関する事例は 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体の傾向とは異なり 薬剤取違え の割合が多かった 特に 薬剤取違え について 実施の有無 を見ると 実施あり が選択されていた事例は 53 件 /133 件 (39.8%) であり 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体における 薬剤取違え の 実施あり の割合 344 件 /776 件 (44.3%) とほぼ同程度であった

132 例2) 一般名処方の 薬剤取違え に関する事例の分析 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 2-4 事例の内容と実施の有無 ( 単位 : 件 ) 発生場面 一般名処方の調剤に関する事例 ( 参考 ) 調剤に関する事例実施あり実施なし合計実施あり実施なし合計 調剤忘れ 処方せん監査間違い 秤量間違い 数量間違い ,054 分包間違い 規格 剤形間違い Ⅲ 薬剤取違え 説明文書の取違え 分包紙の情報間違い 薬袋の記載間違い その他 ( 調剤 ) 充填間違い 異物混入 期限切れ その他 ( 管理 ) 患者間違い 一説明間違い 交付忘れ その他 ( 交付 ) 合 計 ,843 1,884 3,727 般名処方に関する事一般名処方の調剤に関する事例のうち 事例の内容 の分類で特に報告件数の多かった 薬剤取違え の事例について分析を行った (1) 事例の集計 1 処方された医薬品の一般名の品目数及び報告回数一般名処方の調剤に関する事例のうち 薬剤取違え に関する事例 133 件について 処方された医薬品の一般名の品目数 及び報告回数を集計したところ97 品目 129 回の報告があった 本分析における品目数とは 一般名処方の 薬剤取違え に関する事例で 処方された医薬品 の項目に入力された医薬品のうち 報告に記載された内容から一般名処方であったと判断できる医薬品を抽出し その一般名の品目数を計上したものである 同じ一般名が複数の項目や事例に入力された場合 1 品目として計上している また 本分析における報告回数とは 処方された医薬品 の項目に入力された医薬品のうち 記述情報から一般名処方であったと判断できる医薬品を抽出し その一般名の報告回数を計上したものである 同じ一般名が2 事例で入力された場合は 報告回数は2 回となる

133 図表 2-5 処方された医薬品の一般名の品目数及び報告回数 品目数 報告回数 処方された医薬品の一般名 報告に記載された内容から一般名処方であったと判断できる医薬品を集計している 2 複数回報告された一般名 一般名処方の 薬剤取違え に関する事例で報告された 処方された医薬品 の一般名のう ち 複数回報告されたものを図表 2-6に示す 図表 2-6 複数回報告された一般名 一般名 報告回数 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg 4 般 アロプリノール錠 100mg 3 般 カルボシステイン錠 500mg 3 般 セフジトレンピボキシル錠 100mg 3 般 ゾルピデム酒石酸塩錠 10mg 3 般 アテノロール錠 50mg 2 般 アトルバスタチン錠 10mg 2 般 アムロジピン錠 5mg 2 般 アンブロキソール塩酸塩シロップ0.3% 2 般 エピナスチン塩酸塩錠 20mg 2 般 カルボシステインシロップ用 50% 2 般 カルボシステイン錠 250mg 2 般 クエン酸第一鉄ナトリウム錠 50mg( 鉄として ) 2 般 クラリスロマイシン錠 200mg 2 般 ケトプロフェンテープ30mg(10 14cm 非温感 ) 2 般 トラネキサム酸錠 250mg 2 般 ニフェジピン徐放錠 40mg(24 時間持続 ) 2 般 プランルカストシロップ用 10% 2 般 ベタキソロール塩酸塩錠 5mg 2 般 ベタメタゾン ゲンタマイシン配合軟膏 2 般 ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏 0.12% 2 般 ランソプラゾール口腔内崩壊錠 15mg 2 般 リセドロン酸 Na 錠 17.5mg 2 般 ロキソプロフェンNaテープ100mg(10 14cm 温感 ) 2 般 ロキソプロフェンNa 錠 60mg 2 般 ロサルタン50mg ヒドロクロロチアジド配合錠 2 テキスト情報から一般名で処方されたと判断できる医薬品を集計している Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

134 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 処方された医薬品の一般名別の報告回数は 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg が4 回 般 アロプリノール錠 100mg 般 カルボシステイン錠 500mg 般 セフ ジトレンピボキシル錠 100mg 般 ゾルピデム酒石酸塩錠 10mgがそれぞれ3 回と多か った (2) 事例の内容 一般名処方の 薬剤取違え に関する事例 133 件について 報告された事例に記述されてい る内容から 異なる成分の医薬品と取違えた事例 と 同じ成分の医薬品と取違えた事例 に 分類した Ⅲ 異なる成分の医薬品と取違えた事例が46 件 /133 件 (34.6%) 同じ成分の医薬品と取 違えた事例が87 件 /133 件 (65.4%) であり 同じ成分の医薬品と取違えた事例の方が 多かった ( 図表 2-7) 1 2 図表 2-7 一般名処方の薬剤取違えの内容 3 一般名処方の薬剤取違えの内容 件数 4 異なる成分の医薬品と取違えた事例 46 (34.6%) 5 同じ成分の医薬品と取違えた事例 87 (65.4%) 6 合 計 133(100.0%) 7 一1 異なる成分の医薬品と取違えた事例 一般名処方の 薬剤取違え に関する事例のうち 異なる成分の医薬品と取違えた事例は 46 件であった それらの事例を薬効の相違の観点から分析した 図表 2-8 異なる成分の医薬品と取違えた事例の内容 異なる成分の医薬品と取違えた事例の内容 件数 般名処方に関する事主な薬効が異なる組み合わせ 11 (23.9%) 主な薬効が同じ組み合わせ 35 (76.1%) 合計 46(100.0%) 異なる成分の医薬品と取違えた事例のうち 主な薬効が異なる組み合わせは11 件 主な薬効が同じ組み合わせは35 件であった 主な薬効が異なる医薬品と取違えた事例は 取違えた医薬品を使用した際の患者への影響が大きいと考えられることから 特に注意が必要である 異なる成分の医薬品と取違えた事例のうち 複数回報告された医薬品の組み合わせを図表 2-9に示す 主な薬効が異なる組み合わせは 般 ベタキソロール塩酸塩錠 5mgと 般 ベタヒスチンメシル酸塩錠 6mgの組み合わせが2 回報告されていた 主な薬効が同じ組み合わせは 般 セフジトレンピボキシル錠 100mgと 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mgの組み合わせが3 件と最も多かった また この組み合わせに類似した事例として 般 セフジトレンピボキシル細粒 10% と 般 セフカペンピボキシル塩酸塩細粒 10% 般 セフジ

135 トレンピボキシル錠 100mgと 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 75mgの組み合わせもそれぞれ1 件報告されている 主な薬効が同じ医薬品には 類似した一般名のものが多いため 取違えが発生しないよう注意を要する 図表 2-9 異なる成分の医薬品との取違え ( 複数回報告された組み合わせ ) 主な薬効が異なる組み合わせ 血圧降下剤 医薬品名医薬品名報告回数 鎮暈剤 般 ベタキソロール塩酸塩錠 5mg 般 ベタヒスチンメシル酸塩錠 6mg 2 ベタキソロール塩酸塩錠 5mg サワイ ベタヒスチンメシル酸塩錠 6mg テバ 2 主な薬効が同じ組み合わせ 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 般 セフジトレンピボキシル錠 100mg 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg メイアクト MS 錠 100mg フロモックス錠 100mg 2 セフジトレンピボキシル錠 100mg サワイ 消化性潰瘍用剤 般 ランソプラゾール口腔内崩壊錠 15mg セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg サワイ 般 ラベプラゾール Na 錠 10mg ランソプラゾール OD 錠 15mg DK ラベプラゾール Na 塩錠 10mg 明治 2 鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 般 ベタメタゾン ゲンタマイシン配合軟膏 般 ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏 0.12% リンデロン -VG 軟膏 0.12% リンデロン -V 軟膏 0.12% 1 デルモゾール G 軟膏デルモゾール軟膏 0.12% Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 次に 異なる成分の医薬品と取違えた事例について 主なものを背景 要因を含めて紹介する

136 例 般 セフジトレンピボ毎食後 5 日分の処方を フロモックス錠 100mgで調剤した 翌日事キシル錠 100mg 務員のレセプトチェックの際に 入力された一般名が処方せんと異なる Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 2-10 異なる成分の医薬品と取違えた事例 主な薬効が異なる組み合わせ 処方された医薬品の一般名 般 ビソプロロールフマル酸塩錠 2.5mg ( 不整脈用剤 ) ( 事例の内容 ) 今月よりβブロッカーのメインテート錠 2.5mg が一般名処方に変更となり 処方せんに 般 ビソプロロールフマル酸塩錠 2.5mg と記載されていた その記載を見て αβブロッカーで同じく2.5mg の規格があるアーチスト錠 2.5mg と勘違いして調剤した ピッキング から一包化まで同じ薬剤師が行っており 間違いに気付かず医薬品を患 調剤すべき医薬品メインテート錠 2.5mg 者の家族に渡した その後 間違って調剤したことに気付き 患者の家族へ連絡し回収するため患者宅を訪問したが 患者はすでに1 包服用し Ⅲ 間違えた医薬品アーチスト錠 2.5mg ( 血圧降下剤 ) ていた ( 背景 要因 ) 前日の午後に処方せんのFAXが入っていたことを翌朝に確認した 複数の処方せんを受信しており 朝から忙しい状況であった 薬効が似ている上にmg 数が同じで 用法も1 日 2 回であったことからアーチスト錠 2.5mgと勘違いした 医薬品のピッキングから一包化の鑑査まで 時間を置かずに一人で実施したため 思い込みにより間違いに気付かなかった 他の処方せんの調剤や服薬指導をしながらの作業であったため 焦りや注意力散漫があった ( 改善策 ) 一般名処方を調剤する際は 実際に調剤する医薬品名を鉛筆で書き込む 一包化調剤の際は ピッキングから一包化した医薬品の鑑査までを一人 で行わない やむを得ず一人で行う場合は 調剤と鑑査の時間を空け 7 ピッキング後の鑑査を声出し確認しながら行い 一包化後の鑑査は処方 一せんや薬剤情報提供文書と医薬品を照合しながら慎重に行う 主な薬効が同じ組み合わせ 処方された医薬品の一般名 ( 事例の内容 ) 施設入所の患者に 一般名セフジトレンピボキシル錠 100mg 3 錠 ( 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの ) 事が判明した 直ちに施設看護師に状況を確認し 目立った体調変化はないことを確認した 処方元の医療機関が休診だったため 直ちにメイ アクトMS 錠 100mgで再調剤した 処方日の2 日後に処方医へ経過 調剤すべき医薬品メイアクトMS 錠 100 mg を報告し メイアクト服用継続の指示を確認した ( 背景 要因 ) 般 セフジトレンピボキシル錠 100mgをフロモックス錠 100mg と思い込み調剤 鑑査時も確認せずそのまま渡してしまった 間違えた医薬品フロモックス錠 100mg ( 改善策 ) 成分名が似ている薬品について 調剤用 PCの薬品名に成分名を併記す ることで調剤時の注意喚起を行う 般名処方に関する事2 同じ成分の医薬品と取違えた事例 一般名処方の 薬剤取違え に関する事例のうち 同じ成分の医薬品と取違えた事例 87 件について 報告された事例に記述されていた内容を分析し 図表 2-11に示す 先発医薬品と後発医薬品の取違えが72 件 /86 件 (82.8%) と最も多かった

137 図表 2-11 同じ成分の医薬品と取違えた事例の内容 同じ成分の医薬品と取違えた事例の内容 件数 先発医薬品と後発医薬品の取違え 72 (82.8%) 先発医薬品同士の取違え 4 (4.6%) 後発医薬品同士の取違え 6 (6.9%) 同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品との取違え 5 (5.7%) 合 計 87(100.0%) 次に 同じ成分の医薬品と取違えた事例について 主な事例を背景 要因を含めて紹介する 図表 2-12 同じ成分の医薬品と取違えた事例 医薬品名 事例の内容等 1 先発医薬品と後発医薬品の取違え 処方された医薬品の一般名 般 クラリスロマイシンシロップ用 10% ( 主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの ) ( 事例の内容 ) 一般名処方でクラリスロマイシンシロップ用 10 % が出た 患者の家族の希望で先発医薬品のクラリスドライシロップ10% 小児用を渡すはずだっ たが 後発医薬品のクラリスロマイシンDS 小児 調剤すべき医薬品名クラリスドライシロップ10% 小児用 用 10% トーワ を渡した 翌日に気付き患者の家族に連絡したところ 後発医薬品であるが飲 めているので今後は後発医薬品でよいとのことで 間違えた医薬品名クラリスロマイシンDS 小児用 10% トーワ あった ( 背景 要因 ) 忙しい時間帯であり 兄弟の怪我も気になって 注意力散漫であった クラリスロマイシン以外の 薬は後発医薬品希望のため 入力も調剤も後発医 薬品になってしまった ( 改善策 ) 忙しい時間帯だからこそ 先発医薬品か後発医薬 品かの確認も声に出して行う 2 先発医薬品同士の取違え 処方された医薬品の一般名 般 リセドロン酸 Na 錠 17.5mg ( 他に分類されない代謝性医薬品 ) ( 事例の内容 ) 一般名処方でリセドロン酸 Na 錠 17.5mg が処方されており いつもベネット錠 17.5mg を渡 しているが アクトネル錠 17.5mg を調剤 交 調剤すべき医薬品名ベネット錠 17.5mg 付した 患者が薬局を出た後で間違いに気付いた 患者に電話連絡し その日のうちに患者宅に伺い 薬剤を交換した 間違えた医薬品名アクトネル錠 17.5mg ( 背景 要因 ) 一般名処方だった 焦りにより薬歴の確認不十分 であった ( 改善策 ) 調剤 鑑査時に商品名をよく確かめる 薬歴の表に 商品名を記載しておく Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

138 7 例(3) 事例が発生した背景 要因 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 医薬品名 事例の内容等 3 後発医薬品同士の取違え 処方された医薬品の一般名 般 アテノロール50mg ( 不整脈用剤 ) 調剤すべき医薬品名アテノロール錠 50mg サワイ 間違えた医薬品名 ( 事例の内容 ) 一般名処方でアテノロール50mgの処方 サワイ を出さなければならない患者に トーワ でピッキングした ( 背景 要因 ) 薬歴等の頭書きの確認不足 ピッキング頻度の多い トーワ と思い込んだ ( 改善策 ) Ⅲ アテノロール錠 50mg トーワ 薬歴の頭書き等 引継ぎ事項の要確認 メーカー違いで同規格の薬剤がある場合 特に注意する 4 同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品との取違え 1 処方された医薬品の一般名 ( 事例の内容 ) 般 テオフィリン徐放錠 200mg(12~24 一般名処方で テオフィリン徐放錠 200mg 時間持続 ) ( 気管支拡張剤 ) 調剤すべき医薬品名テオフィリン錠 200mg TYK (12~24 時間持続 ) の処方に対して テオフィリン徐放 U 錠 200mg トーワ を調剤した レセコン入力の際に間違いに気付き すぐに正しいものと交換した ( 背景 要因 ) 6 未記載 間違えた医薬品名 ( 改善策 ) テオフィリン徐放 U 錠 200mg トーワ テオドールの棚に一般名テオフィリン徐放錠 (12 一~24 時間持続 ): 後発品テオフィリン錠 ユニフ ィルの棚に一般名テオフィリン徐放錠 (24 時間 持続 ): 後発品テオフィリン徐放 U 錠というメモを 貼っておく 般名処方に関する事一般名処方の 薬剤取違え に関する事例について 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 事例が発生した背景 要因を整理し 図表 2-13に示す

139 図表 2-13 事例が発生した背景 要因異なる成分名の医薬品と取違えた事例 5mgという規格に注意が向き 医薬品の名称の確認をしなかった 一般名をきちんと読まずに 汎用している軟膏を調剤した 事務員が入力時に一般名の横に記入する医薬品名は間違いなく正しいものであると思い込み 誤記入の可能性を想定していなかった 歯科で処方される抗生物質はセファクロルカプセル250mg サワイ が多いため 一般名の セフ をみてセファクロルだと思い込んだ 歯科で処方される後発医薬品を一箇所に集めているが 名称の確認をしなかった 一般名処方で似たような名称だったため間違えた デルモゾール軟膏 0.12% とデルモゾールG 軟膏の名称が似ていた バラ包装の錠剤で調剤する際 同じメーカーで容器の外観が似ていたため取違えた 同じ成分名の医薬品と取違えた事例 1 先発医薬品と後発医薬品の取違え 後発医薬品への変更の希望の確認をしなかった 薬歴を確認すべきところをしなかった 薬歴の頭書きに後発医薬品への変更希望の有無 変更する薬品名を記載しているが 見落とした 薬歴の指導内容の欄に過去の調剤した内容の記録があるが 確認しなかった 一般名処方の際は後発医薬品で調剤すると思い込んでいた 先発医薬品希望の患者だが 一般名のセンノシド錠だけは後発医薬品で調剤していた 先発医薬品で調剤するイメージが強く勘違いした 兄弟のうち片方が後発医薬品希望で もう片方が先発医薬品希望であったが 二人とも後発医薬品希望だと思い込んだ プロレナール錠は後発医薬品であると思い込んでいた 先発医薬品と後発医薬品の外観がよく似ていた パキシル錠が包装変更により 外箱の パロキセチン塩酸塩錠 の記載が大きくなったため 一見パキシル錠だと認識しにくかった 2 先発医薬品同士の取違え 焦りにより薬歴の確認が不十分であった 外用剤の一般名処方は 規格などが紛らわしい 3 後発医薬品同士の取違え 頭書きの確認不足により取り間違えた 商品名が違うが 一般名を認識していたので 名称変更の経過中と勘違いをして間違って調剤した ピッキング頻度の多い トーワ と思い込んだ 調剤前にSWと記載したが サワイ ではなく ショーワ と解釈した 4 同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品との取違え 調剤録チェックがしっかりできていなかった 実際に調剤する薬品名を鉛筆で処方せんに記載しているが それを間違えていた ロキソプロフェンナトリウムテープ100mg タイホウ が 温感 であることを見落とした Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 (4) 交付する前に発見した契機ヒヤリ ハット事例では 件数は少ないが 何らかの仕組みや個人の知識 注意が機能して 交付前に誤りを発見した契機が記載されている事例がある 図表 2-4で示したように 一般名処方の 調剤 に関する事例の 薬剤取違え の事例のうち 実施なし の事例は 80 件であ

140 例 調剤者 鑑査者 交付者各々が薬歴を確認する手順を 混雑時でも遵守する Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 った そのうち 患者に交付する前に発見した契機が記載されていた事例は27 件であった 報 告に記載されていた内容を整理し 図表 2-14に示す 交付前に発見した契機としては 鑑査 時に気付いた事例が16 件と最も多かった 図表 2-14 交付する前に発見した契機 交付する前に発見した契機 件数 誤った医薬品が入力されていることに調剤者が気付いた 2 調剤者による自己鑑査時に気付いた 3 鑑査時に気付いた 16 Ⅲ 交付する前に 交付者が薬歴を確認して気付いた 1 交付時に 患者から指摘されて気付いた 5 合 計 (5) 薬局から報告された主な改善策一般名処方に関する薬剤取違えについて薬局から報告された改善策のうち 主なものを整理して図表 2-15に示す 5 6 図表 2-15 薬局から報告された主な改善策 主な改善策 7 一1 患者の情報の確認 患者の情報を最初によく確認する 薬歴確認事項に記載してある後発医薬品変更希望について毎回確認する レセプトコンピュータに表示される患者の先発 後発医薬品希望の表示を確認する 薬歴を確認してから処方せんの入力をする 2 入力時の確認 般名処方に関する事 毎回処方入力時にコメント記載に漏れがないかチェックする 3 調剤時の確認 一般名処方の調剤時は 調剤する薬剤の成分名も確認する 処方内容を指差し 声出しして確認しながら調剤を行う ピッキング後の再確認を徹底する バーコードリーダーによる自己鑑査を徹底する 4 鑑査時の確認 湿布薬の販売名と一般名を表にまとめ 鑑査時に再確認する 5 調剤室内の表示 外用棚の商品名ラベルに成分名も加えて ピッキング時に確認できるようにした 薬品棚に注意喚起を促すシールを貼る 取違えやすいもののリストを作成し 確認する 6 医薬品の採用 名称が類似している医薬品のうちの片方の採用を止め 別の銘柄に変更する

141 4. 一般名処方の疑義照会に関する事例の分析 1) 疑義照会による変更内容と疑義があると判断した理由 一般名処方の疑義照会に関する事例について 疑義照会による 変更内容 と 疑義があると判断した理由 を集計した 図表 2-16 疑義照会による変更内容と疑義があると判断した理由 ( 単位 : 件 ) 変更内容 一般名処方の疑義照会に関する事例 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 左記以外で注判断 合計 ( 参考 ) 疑義照会に関する事例 疑義があると判断した理由 当該処方せん当該処方せんのと薬局で管理みで判断している情報で判断 左記以外で注判断 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 その他 合計 ,040 注 左記以外で判断 の 左記 とは 当該処方せんのみで判断 と 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 を示し 疑義照会の事例収集項目の 疑義があると判断した理由 の選択肢のうち 上記以外で判断 を集計した 一般名処方の疑義照会に関する事例の変更内容は 薬剤削除 が 22 件 /58 件 (37.9%) と最も多く 次いで 薬剤変更 が21 件 /58 件 (36.2%) であった 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例全体では 薬剤変更 が362 件 /1,040 件 (34.8 %) と最も多く 次いで 薬剤削除 が270 件 /1,040 件 (26.0%) であった 一般名処方の疑義照会に関する事例では 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例全体に比べ 薬剤削除 の事例の割合が多かった 疑義があると判断した理由 は 当該処方せんのみで判断 は 13 件 /58 件 (22.4%) であり 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例全体における 当該処方せんのみで判断 の事例の割合 307 件 /1,040 件 (29.5%) に比較して少なかった 一般名処方の疑義照会に関する事例においては 処方せんだけでなく薬局で管理している情報やそれ以外の情報を併せて総合的に判断することが多いことがわかる 合計 Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 2) 疑義照会による変更内容と患者に生じ得た健康被害の可能性一般名処方の疑義照会に関する事例について 変更内容 と 仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響 を集計した

142 例一般名処方の疑義照会に関する主な事例を背景 要因を含めて紹介する Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 2-17 疑義照会による変更内容と患者に生じ得た健康被害の可能性 ( 単位 : 件 ) 一般名処方の疑義照会に関する事例 ( 参考 ) 疑義照会に関する事例 仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響 仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響 変更内容 患者に健康被害が 患者に健康被害が 生じなかったが 合計生じなかったが 合計患者に健康被害が患者に健康被害が医師の意図した薬医師の意図した薬あったと推測されるあったと推測される効が得られなかっ効が得られなかっ たと推測される たと推測される 薬剤変更 用法変更 Ⅲ 用量変更 分量変更 薬剤削除 その他 合計 , 一般名処方の疑義照会に関する事例の 仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響 は 患者に健康被害があったと推測される が44 件 /58 件 (75.9%) 患者に健康被害が生じな かったが 医師の意図した薬効が得られなかったと推測される が14 件 /58 件 (24.1%) 7 一であった 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例全体ではそれぞれ64.6% 35.4% であった ことと比較すると 一般名処方の疑義照会に関する事例の 仮に変更前の処方通りに服用した場合 の影響 は 患者に健康被害があったと推測される事例の割合が多かった 3) 事例の内容 般名処方に関する事図表 2-18 一般名処方の疑義照会に関する主な事例の内容 変更内容医薬品名事例の内容等 同一成分の重複処方 事例 1 薬剤削除 処方された医薬品 般 カルボシステインシロップ5% ( 去たん剤 ) ( 事例の内容 ) 般 カルボシステインシロップ5% が処方された 手帳を見ると耳鼻科処方でムコダインDSを服用中 重複のため疑義照会し 削除となった ( 背景 要因 ) お薬手帳を持参した方だったが 病院でのチェックが漏れてしまったと考えられる ( 改善策 ) 薬局においても お薬手帳のチェックは確実に行うようにする

143 変更内容 医薬品名 事例の内容等 事例 2 処方された医薬品 般 ケトチフェンシロップ0.02% ( その他のアレルギー用 ( 事例の内容 ) 般 ケトチフェンシロップ0.02% が処方された 患者は 他の医療機関から処方されたザイザル ジキリオン ( 成分 : ケトチフェンフマル酸塩 ) エピナスチンを服用中であった 薬剤削除 薬 ) ( 背景 要因 ) 医療機関で併用薬の確認が行われなかったか ジキリオンは販 売名であるためケトチフェンフマル酸塩であることに気付かな かった可能性がある ( 改善策 ) 未記載 処方間違い 事例 3 処方された医薬品 般 ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩 1mg 錠 ( その他の循環器官用薬 ) ( 事例の内容 ) 一般名処方でジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩錠 1mgの処方だった 前回まではジヒデルゴット錠 1mgを服用だったため 疑義照会をしたところ 一般名のジヒドロエルゴタミンメシル酸塩錠 1mg( ジヒデルゴット錠 1mg) に変更となった ( 背景 要因 ) 薬剤変更 変更になった医薬品処方せんは 前回までジヒデルゴット錠 1mgの記載 今回かジヒドロエルゴタミンら一般名処方の記載に替わっていた おそらく病院のレセコン メシル酸塩錠 1mg ( 血管拡張剤 ) で薬品名の登録ミスだと思われる ( 改善策 ) 一般名処方は 類似薬品名が多くなる 過去にアマリールとア ルマールが類似名称の為の薬品名変更があったように 一般名 の変更は簡単にはできないかもしれない 国をあげての名称変 更に期待したい Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 4) 疑義があると判断する契機となった情報一般名処方の疑義照会に関する事例 58 件について 報告された事例に記述されている内容から疑義があると判断する契機となった情報を分析した 一般名処方の疑義照会に関する事例における疑義があると判断する契機となった情報は 同一 同効薬の重複が18 件 患者の疾患 病態が 16 件と多かった

144 例( 事例の内容 ) Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 2-19 疑義があると判断する契機となった情報 疑義があると判断する契機となった情報 報告回数 同一 同効薬の重複 18 患者の疾患 病態 16 患者が理解している内容と処方内容との相違 7 前回処方との相違 3 相互作用 3 添付文書上の用法 用量との相違 3 副作用歴 3 Ⅲ 患者の年齢 2 残薬の有無 2 お薬手帳の内容と処方内容との相違 1 1 患者の性別 1 2 内服薬の剤形の希望 1 3 合 計 60 4 疑義があると判断する契機となった情報が複数ある事例が含まれている 5 5. 共有すべき事例 で取り上げた事例 6 本事業では 特に重要で周知すべきと考えられる事例を 共有すべき事例 として 総合評価部会の 7 一委員による 事例のポイント を付して公表している それらの事例の中に 一般名処方に関する事例 が取り上げられているので紹介する 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2012 年 10 月事例 1 事例の内容等 一般名 : セフジトレンピボキシルのところ セフポドキシムプロキセチルのバナセファン錠 100mgで調 剤してしまった ( 背景 要因 ) 知識不足であった 似た一般名なので思い込みをしてしまった ( 薬局が考えた改善策 ) 該当薬については 薬の入っているケースに一般名を貼りつけた その他の薬に関しては 取り急ぎ 一般 名処方時 調剤者が必ず 箱などで一般名も確認をする というように決めました 般名処方に関する事事例のポイント セフェム系の抗生物質の一般名には類似したものが多く ミリ数も同じであることから 多くのヒヤリ ハットが生じている 知識不足や 注意鑑査の不足等で 引き起こす可能性が高い 薬局で採用している医薬品だけでなく 抗生物質の一般名の勉強会などを薬局の安全研修などで実施し 薬剤師 入力補助の事務員等で再確認するなどの対策が必要である

145 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2012 年 10 月事例 3 事例の内容等 ( 事例の内容 ) ロキシスロマイシン錠 150mg タナベ を調剤するところを ロキソプロフェン錠 60mg EMEC を調剤した ( 背景 要因 ) 薬品名の頭 2 文字の ロキ を見て ロキソプロフェン錠と勘違いして調剤し 別の薬剤師が鑑査の際に気がついた ( 薬局が考えた改善策 ) 処方せんの処方内容と薬品名をよく確認し調剤をする 事例のポイント ロキシスロマイシン錠 150mgを一般名とする先発医薬品はルリッド錠 150であるが 後発医薬品の中には事例のように ロキ で始まるものがいくつか存在する 事例では後発医薬品であるロキシスロマイシン錠を調剤する際にロキソプロフェン錠を調剤しそうになったヒヤリ ハット事例であるが 他の後発医薬品の販売名にもロキシマイン錠 150mgなど ロキ で始まるものがあるので 同様にロキソプロフェン錠を調剤してしまう可能性がある 一般名処方が増えてきたことによる 薬局内でのヒヤリ ハット要因になりうる医薬品群を職員で共有することが重要である 6. まとめ 2015 年に報告された事例から一般名処方に関する事例を抽出し 調剤の事例および疑義照会の事例について分析した 調剤の事例では 特に多かった 薬剤取違え の事例について 報告件数 医薬品名 医薬品の組み合わせ 薬効の組み合わせなどについて分析した また 主な事例の具体的な内容を紹介し 薬局から報告された背景 要因や改善策をまとめて示した 一般名処方は2012 年 4 月に開始された比較的新しい制度であり 後発医薬品の使用促進の流れの中で今後も拡大していくことが予想されることから 一般名処方に関するヒヤリ ハット事例について継続して注視していく必要がある 本分析にて示した内容を活用し エラーを防ぐための仕組みの構築や教育などに活用していただきたい Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

146 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報事例から学ぶ 2 一般名処方に関する事例 事例の内容今月よりβブロッカーのメインテート錠 2.5mg が一般名処方に変更となり 処方せんに 般 ビソプロロールフマル酸塩錠 2.5mg と記載されていた その記載を見て αβブロッカーで同じく2.5mgの規格があるアーチスト錠 2.5mg と勘違いして調剤した ピッキングから一包化まで同じ薬剤師が行っており 間違いに気付かず医薬品を患者の家族に渡した その後 間違って調剤したことに気付き 患者の家族へ連絡し回収するため患者宅を訪問したが 患者はすでに1 包服用していた 背景 要因前日の午後に処方せんのFAXが入っていたことを翌朝に確認した 複数の処方せんを受信しており 朝から忙しい状況であった 薬効が似ている上にmg 数が同じで 用法も1 日 2 回であったことからアーチスト錠 2.5mg と勘違いした 医薬品のピッキングから一包化の鑑査まで 時間を置かずに一人で実施したため 思い込みにより間違いに気付かなかった 他の処方せんの調剤や服薬指導をしながらの作業であったため 焦りや注意力散漫があった 事例が発生した薬局の改善策一般名処方を調剤する際は 実際に調剤する医薬品名を鉛筆で書き込む 一包化調剤の際は ピッキングから一包化した医薬品の鑑査までを一人で行わない やむを得ず一人で行う場合は 調剤と鑑査の時間を空け ピッキング後の鑑査を声出し確例認しながら行い 一包化後の鑑査は処方せんや薬剤情報提供文書と医薬品を照合しながら慎重に行う Ⅲ 一般名処方に関する事 この他にも事例が報告されています これまではロキソニンテープ50mgで処方されていたが 前回より 般 ロキソプロフェンナトリウムテープ50mg(7 10cm 温感 ) へ変更されていた 薬剤師は温感タイプがあることを認識していなかったため ロキソニンテープ50mgを2 回続けて交付した 2 回目に交付した薬剤師が 薬剤服用歴を入力している時に間違いがあることに気付いた

147 般 セフジトレンピボキシル錠 100mgの処方に対し 本来ならメイアクトMS 錠 100mgを調剤するところ フロモックス錠 100mgと入力したため フロモックス錠 100mgを調剤し交付した 処方せんと調剤録の照合時に メイアクトMS 錠 100mgを調剤すべきであったと気付き 患者に連絡して正しい医薬品と交換した * フロモックス錠 100mgは 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mgの先発医薬品である 処方せんに 般 ニフェジピン徐放錠 20mg(24 時間持続 )1 錠分 1 朝食後と記載があり 本来ニフェジピンCR 錠 20mgを調剤するところ ニフェジピンL 錠 20m gを調剤した 一般名処方に関するポイント 一般名処方は 般 成分名 で表記されるため 同効薬の名称類似は避けられないが 中でもセフェム系抗生物質の一般名は類似性が高く 規格も同じことが多いことから一層の注意が必要である 調剤する時に 販売名だけでなく一般名も確認できるように 販売名と一般名を医薬品棚の配置場所に表示するなど確認しやすい環境を整備する 鑑査する場所には 類似性の高い医薬品の販売名と一般名を対比した表を用意し 鑑査者がその都度確認できるようにするのも有効である Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

148 例 般 ランソプラゾール口腔内崩壊錠 15mg 般 ラベプラゾールNa 錠 10mg Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 薬局ヒヤリ ハット分析表 2015 年 ❷ 一般名処方に関する事例 一般名で処方された医薬品と異なる成分の医薬品を調剤した事例 ヒヤリ ハット事例のうち 一般名処方 に関する事例が 282 件報告されています ( 集計期間 : 2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) このうち 一般名で処方された医薬品と異なる成分の医薬品を 調剤した事例で複数回報告された医薬品の組み合わせを 主な薬効 とともに以下に示します 医薬品名 医薬品名 主な薬効が異なる組み合わせ 血圧降下剤 鎮暈剤 般 ベタキソロール塩酸塩錠 5mg 般 ベタヒスチンメシル酸塩錠 6mg ベタキソロール塩酸塩錠 5mg サワイ ベタヒスチンメシル酸塩錠 6mg テバ 主な薬効が同じ組み合わせ 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 般 セフジトレンピボキシル錠 100mg 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg メイアクトMS 錠 100mg フロモックス錠 100mg セフジトレンピボキシル錠 100mg サワイ セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg サワイ 消化性潰瘍用剤 Ⅲ 一般名処方に関する事ランソプラゾール OD 錠 15mg DK ラベプラゾール Na 塩錠 10mg 明治 鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 般 ベタメタゾン ゲンタマイシン配合軟膏 般 ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏 0.12% リンデロン-VG 軟膏 0.12% リンデロン-V 軟膏 0.12% デルモゾールG 軟膏 デルモゾール軟膏 0.12% 1 主な薬効 とは その医薬品の個別医薬品コード先頭 3 桁の医薬品分類を示す 2 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 131 頁図表 2-9を改変

149 参考資料 1) 厚生労働省保険局. 処方せんに記載する一般名処方の標準的な記載 ( 一般名処方マスタ ) について. 厚生労働省. shohosen_ html( 参照 ). Ⅲ 一般名処方に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

150 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 3 後発医薬品への変更に関する事例はじめに我が国の医療制度や医療提供体制が直面する課題のひとつに 限られた医療費を効率的かつ効果的に配分することがある 患者負担の軽減や医療保険財政の健全化の観点から 処方 交付される医薬品の中で 薬価が安価な後発医薬品の占める割合を増やすことが国の政策として取り組まれてきた 具体的には 経済財政改革の基本方針 2007 (2007 年 6 月 19 日閣議決定 ) 1) において 2012 年度までに後発医薬品の数量シェアを30%( 現状から倍増 ) 以上にすることとされた そこで 厚生 Ⅲ 労働省では 2007 年 10 月に策定した 後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム 2) に基づいて 後発医薬品の普及を図ってきた しかし 2013 年 3 月末の後発医薬品の数量シェアは 薬価調査の実績ベース ( 低位推計 ) 調剤メディアス ( 最近の調剤医療費 ( 電算処理分 ) の動向 ) の実績ベース ( 高位推計 ) 及び両者の按分( 中位推計 ) により試算された結果では 低位推計で24.8 % 高位推計でも26.3% にとどまり いずれも目標には到達していないことが示された このため 厚生労働省では 2013 年 4 月に 後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ 3) を策定し 後発医薬品の数量シェアを2018 年 3 月末までに60% 以上とすることを目標に掲げ 取り組みを進めてきた さらに 2015 年 6 月の閣議決定において 2017 年央に70% 以上とするとともに 2018 年度から2020 年度末までの間のなるべく早い時期に80% 以上とする 新たな数量シェア目標が定められた 2015 年 9 月の後発医薬品の数量シェアは56.2% であり 引き続き 後発医薬品の使用促進のための取り組みが続くものと予想される 後発医薬品の使用が促進される中で 本事業には一般名処方に関する事例や 患者の希望等により先発医薬品を後発医薬品に変更して調剤する際に発生したヒヤリ ハット事例が報告されている そこで 平成 24 年年報 ~ 平成 25 年年報では 一般名処方に関するヒヤリ ハット をテーマに取り上げ 分析を行った 平成 26 年年報では 分析テーマを 後発変更等に関するヒヤリ ハット として 一般名処方に関するヒヤリ ハット事例や後発医薬品への変更に関するヒヤリ ハット事例について分析を例 後発医薬品への変更に関する事行った 本年報では 分析テーマを 一般名処方に関する事例 と 後発医薬品への変更に関する事例 に分けて取り上げることとし 本稿では先発医薬品から後発医薬品への変更に関する事例について分析を行った 一般名処方に関する事例については 2 一般名処方に関する事例(124 頁 ) で取り上げて分析を行っているので 参照していただきたい

151 1. 後発医薬品への変更に関する事例の考え方本分析では 先発医薬品が処方されたが 患者の希望などにより後発医薬品に変更して調剤する際に発生したヒヤリ ハット事例を抽出するため 報告された事例の中から一般名で記載された処方せんによって調剤を行った事例を除外し 先発 後発 ジェネリック GE の語を含む事例を抽出した これらの事例のうち 調剤時に先発医薬品を後発医薬品に変更する際に誤りがあったことが記載されている事例を 後発医薬品への変更に関する事例とした 2. 報告件数 2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日に報告された後発医薬品への変更に関する事例は141 件の報告があった ヒヤリ ハット事例全体 (4,779 件 ) に占める割合は3.0% であった 参考として 2014 年に報告された後発医薬品への変更に関する事例は142 件でヒヤリ ハット事例全体に占める割合は2.6% であった 図表 3-1 後発医薬品への変更に関する事例の報告件数報告件数ヒヤリ ハット事例 4,779(100.0%) 後発医薬品への変更に関する事例 141 (3.0%) 3. 後発医薬品への変更に関する事例の分析 1) 事例の概要 (1) 発生場面と実施の有無後発医薬品への変更に関する事例について 発生場面 医薬品の交付の有無を示す 実施の有無 について集計を行った 図表 3-2 事例の発生場面と実施の有無 ( 単位 : 件 ) 発生場面 後発医薬品への変更に関する事例 ( 参考 ) 調剤に関する事例実施あり実施なし合計実施あり実施なし合計 内服薬調剤 ,386 1,153 2,539 外用薬調剤 注射薬調剤 その他の調剤に関する場面 内服薬管理 外用薬管理 注射薬管理 その他の管理に関する場面 交付 合 計 ,843 1,884 3,727 Ⅲ 後発医薬品への変更に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

152 例異物混入 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 発生場面では 内服薬調剤 が115 件 /141 件 (81.6%) と最も多かった この割合は 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体における内服薬調剤の割合 2,539 件 /3,727 件 (68.1%) と比較して多かった 実施の有無を見ると 患者に医薬品を交付したことを示す 実施あり が選択されていた事例は 75 件 /141 件 (53.2%) であった 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体における 実施 あり の割合 1,843 件 /3,727 件 (49.4%) と比較してやや多かった (2) 事例の内容と実施の有無 後発医薬品への変更に関する事例の 事例の内容 別の内訳を 実施の有無 とともに示す Ⅲ 図表 3-3 事例の内容と実施の有無 ( 単位 : 件 ) 1 事例の内容 後発医薬品への変更に関する事例 ( 参考 ) 調剤に関する事例実施あり実施なし合計実施あり実施なし合計 2 調剤忘れ 処方せん監査間違い 秤量間違い 数量間違い ,054 6 分包間違い 規格 剤形間違い 後薬剤取違え 説明文書の取違え 分包紙の情報間違い 薬袋の記載間違い その他 ( 調剤 ) 充填間違い 期限切れ 発医薬品への変更に関する事その他 ( 管理 ) 患者間違い 説明間違い 交付忘れ その他 ( 交付 ) 合計 ,843 1,884 3,

153 事例の内容 では 薬剤取違え が104 件 /141 件 (73.8%) と多かった 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体では 数量間違い が1,054 件 /3,727 件 (28.3%) 薬剤取違え が776 件 /3,727 件 (20.8%) であったのに比べ 後発医薬品への変更に関する事例では 薬剤取違え の事例の割合が大きかった 次に 特に 薬剤取違え について 医薬品の交付の有無を示す 実施の有無 をみると 実施あり が選択されていた事例は50 件 /104 件 (48.1%) であった 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体の 薬剤取違え では 実施あり の事例は344 件 /776 件 (44.3%) であり 後発医薬品への変更に関する事例では 実施あり の割合がやや大きかった 2) 後発医薬品への変更に関する 薬剤取違え の事例の分析後発医薬品への変更に関する事例のうち 事例の内容 で特に報告件数の多かった 薬剤取違え について分析を行った (1) 事例の内容後発医薬品への変更に関する事例のうち 薬剤取違え の事例 104 件について 報告された事例に記載されている内容から分類し 図表 3-4に示す 後発医薬品に変更して調剤するところ 異なる成分の医薬品と取違えた事例が14 件 /104 件 (13.5%) 同じ成分の医薬品と取違えた事例が90 件 /104 件 (86.5%) であった 異なる成分の医薬品と取違えた事例は 患者への影響が大きくなる可能性があり 注意を要する 図表 3-4 後発医薬品への変更に関する 薬剤取違え の内容後発医薬品への変更に関する 薬剤取違え の内容件数異なる成分の医薬品と取違えた事例 14 (13.5%) 同じ成分の医薬品と取違えた事例 90 (86.5%) 合計 104(100.0%) (2) 異なる成分の医薬品と取違えた事例後発医薬品への変更の 薬剤取違え に関する事例のうち 後発医薬品に変更して調剤すべきところ異なる成分の医薬品と取違えた事例 14 件について 事例に記述されていた内容から主な薬効の相違を分類した Ⅲ 後発医薬品への変更に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 図表 3-5 異なる成分の医薬品と取違えた事例の内容 後発医薬品に変更して調剤するところ異なる成分の医薬品と取違えた事例の内容 件数 主な薬効が異なる組み合わせ 1 (7.1%) 主な薬効が同じ組み合わせ 13 (92.9%) 合計 14(100.0%) 主な薬効が異なる組み合わせは1 件 /14 件 (7.1%) 主な薬効が同じ組み合わせは13 件 / 14 件 (92.9%) であった

154 例糖尿病用剤 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 次に 報告された事例のうち 処方せんに記載された医薬品 調剤すべき後発医薬品 間 違えて調剤した医薬品 の具体的な組み合わせが記載されていた事例について 図表 3-6に示す なお 調剤すべき後発医薬品 の製造販売会社名が記載されていない事例も含まれている 図表 3-6 調剤すべき後発医薬品 と 間違えて調剤した医薬品 の組み合わせ 処方せんに記載された医薬品 調剤すべき後発医薬品 間違えて調剤した医薬品 主な薬効が異なる組み合わせ血管拡張剤 その他の循環器官用薬 注シグマート錠 注ニコランジル錠 サワイ ニセルゴリン錠 5mg トーワ Ⅲ 主な薬効が同じ組み合わせ 催眠鎮静剤 抗不安剤 1 2mgセルシン錠 ジアゼパム錠 2 サワイ フルニトラゼパム錠 2mg アメル 2 ブロチゾラム錠 0.25mg 日トリアゾラム錠 0.25mg 日レンドルミン錠 0.25mg 3 医工 医工 4 5 血圧降下剤カルデナリン錠 4mg ドキサゾシン錠 4mg カンデサルタンOD 錠 4mg EE 6 カンデサルタン錠 4mg あすカルデナリン錠 4mg ドキサゾシン錠 4mg 7 か 後高脂血症用剤 リピトール錠 10mg アトルバスタチン錠 10mg ピタバスタチンCa 錠 2mg サワイ サワイ 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤 プロスタール錠 25 クロルマジノン酢酸エステル錠 25mg 日医工 メイエストン錠 25 発医薬品への変更に関する事オイグルコン錠 2.5mg 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの フロモックス錠 100mg セフゾンカプセル 100mg グリベンクラミド錠 2.5mg サワイ セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg トーワ セフジニル錠 100mg サワイ 主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの クラリシッド ドライシロップ 10% 小児用 クラリスロマイシンDS 小児用 10% タカタ グリクラジド錠 40mg サワイ セフゾンカプセル 100mg セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg サワイ アジスロマイシン小児用細粒 10% タカタ 注 医薬品の規格は報告された事例に記載がなかったため不明である

155 後発医薬品に変更して調剤するところ異なる成分の医薬品と取違えた事例について 主なものを背景 要因を含めて紹介する 図表 3-7 後発医薬品に変更して調剤するところ異なる成分の医薬品と取違えた事例医薬品名事例の内容等主な薬効が異なる組み合わせ 事例 1 調剤すべき後発医薬品 ( 事例の内容 ) ニコランジル錠 サワイ シグマート錠を後発医薬品に変更して調剤しようとして ニコランジル錠 サ ( 血管拡張剤 ) ワイ を取るところ ニセルゴリン錠 5mg トーワ を調剤した 鑑査で発見され患者には交付されなかった 間違えて調剤した医薬 ( 背景 要因 ) 品未記載ニセルゴリン錠 5mg ( 改善策 ) トーワ 未記載 ( その他の循環器官用薬 ) 主な薬効が同じ組み合わせ 事例 2 調剤すべき後発医薬品 ( 事例の内容 ) ブロチゾラム錠 0.25 レンドルミン錠 0.25mg 処方の後発医薬品変更に際して ブロチゾラム mg 日医工 錠 0.25mg 日医工 のところ トリアゾラム錠 0.25mg 日医工 ( 催眠鎮静剤 抗不安剤 ) を取り揃えた 鑑査時に間違いがわかり 調剤し直した ( 背景 要因 ) 間違えて調剤した医薬一般名が似ていたため 取違えた 引き出しが整理整頓されておらず 煩雑品な状態であった 箱の外観が似ており 確認が不十分であった トリアゾラム錠 0.25 ( 改善策 ) mg 日医工 向精神薬の配置を整理し 先発医薬品名 後発医薬品名をスタッフ全員で再 ( 催眠鎮静剤 抗不安剤 ) 確認した Ⅲ 後発医薬品への変更に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 (3) 同じ成分の医薬品と取違えた事例後発医薬品への変更の 薬剤取違え に関する事例のうち 後発医薬品に変更して調剤すべきところ同じ成分の医薬品と取違えた事例は90 件あった ( 既出 図表 3-4) これらの事例について 調剤すべき後発医薬品と間違えて調剤した医薬品の関係から 図表 3-8のように分類した 同じ成分の先発医薬品と取違えた事例が82 件 (91.1%) で大半を占めていた 図表 3-8 同じ成分の医薬品と取違えた事例の内容 後発医薬品に変更するところ同じ成分の医薬品と取違えた事例の内容 件数 同じ成分の先発医薬品を調剤した事例 82 (91.1%) 同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例 6 (6.7%) 同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品を調剤した事例 2 (2.2%) 合 計 90(100.0%)

156 例薬品 載しているが 確認しなかった Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 1 同じ成分の先発医薬品を調剤した事例 後発医薬品に変更して調剤するところ同じ成分の先発医薬品を調剤した事例 82 件における 調剤すべき後発医薬品 と 間違えて調剤した先発医薬品 の組み合わせのうち 複数回報告 されたものを図表 3-9に示す 図表 3-9 同じ成分の先発医薬品を調剤した事例のうち複数回報告された組み合わせ 調剤すべき後発医薬品 間違えて調剤した先発医薬品 報告回数 イコサペント酸エチル粒状カプセル900mg 日医工 エパデールS900 2 Ⅲ グッドミン錠 0.25mg レンドルミン錠 0.25mg 2 シルニジピン錠 10mg サワイ アテレック錠 10 2 バルサルタン錠 80mg ファイザー ディオバン錠 80mg 2 1 レバミピド錠 100mg サワイ ムコスタ錠 100mg 後発医薬品に変更して調剤するところ同じ成分の先発医薬品を調剤した事例について 主なものを背景 要因を含めて紹介する 5 6 図表 3-10 後発医薬品に変更して調剤するところ同じ成分の先発医薬品を調剤した事例 医薬品名事例の内容等 7 事例 1 後 調剤すべき後発医薬品ケトプロフェンテープ40 mg 東光 ( 事例の内容 ) モーラステープL40mgの処方があった 後発医薬品への変更希望であったためケトプロフェンテープ40mg 東光 をピッキングしなけ ( 鎮痛, 鎮痒, 収斂, 消炎剤 ) ればならないところを モーラステープL40mgでピッキングした ( 背景 要因 ) 間違えて調剤した先発医 薬歴の頭書きに後発医薬品への変更希望の有無 変更する医薬品名を記 モーラステープL40mg ( 改善策 ) ( 鎮痛, 鎮痒, 収斂, 消炎剤 ) 薬歴の頭書きに記載してある情報を必ず確認する 発医薬品への変更に関する事 事例 2 調剤すべき後発医薬品 ( 事例の内容 ) ゾルピデム酒石酸塩錠 10 処方せんに記載されているマイスリー錠 10mgを後発医薬品に変更 mg ファイザー し ゾルピデム酒石酸塩錠 10mg ファイザー を交付している患者に ( 催眠鎮静剤 抗不安剤 ) マイスリー錠 10mgを交付した 発注業務の際に 他の薬剤師が在庫数が合わないことに気付き 間違いがわかった 用法が寝る前であり 間違えて調剤した先発医まだ内服していなかったため 急いで患者宅に伺い交換した 薬品 ( 背景 要因 ) マイスリー錠 10mg 処方薬が多い患者で 処方薬の中で唯一の後発医薬品変更であったが ( 催眠鎮静剤 抗不安剤 ) 他に後発医薬品変更がないため思い込みで見逃した ( 改善策 ) 鑑査する前に色ペンでしっかりジェネリック変更であることをコピーに記載をしてから鑑査を始める

157 2 同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例 後発医薬品に変更して調剤するところ同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例 6 件につい て 事例に記述されていた内容から 異なる製造販売会社の同じ規格 剤形の医薬品を調剤し た事例 と 異なる製造販売会社の異なる規格 剤形の医薬品を調剤した事例 に分類した 図表 3-11 同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例の内容 後発医薬品に変更して調剤するところ同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例の内容 件数 異なる製造販売会社の同じ規格 剤形の医薬品を調剤した事例 3 異なる製造販売会社の異なる規格 剤形の医薬品を調剤した事例 3 合計 6 次に 後発医薬品に変更して調剤するところ同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例のうち 処方せんに記載されていた医薬品 調剤すべき後発医薬品 間違えて調剤した後発医薬品 の具体的な組み合わせが記載されていた事例について 医薬品の組み合わせを整理して図表 3-12に示す 図表 3-12 同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例の医薬品の組み合わせ 処方せんに記載されていた医薬品 調剤すべき後発医薬品 間違えて調剤した後発医薬品 異なる製造販売会社の同じ規格 剤形の医薬品を調剤した事例 鎮痛, 鎮痒, 収斂, 消炎剤 モーラステープL40mg モーラステープL40mg ロキソニンテープ100mg ケトプロフェンテープ40mg ケトプロフェンテープ40mg 東光 テイコク ケトプロフェンテープ40mg レイナノンテープ40mg 東光 ロキソプロフェンNaテープロキソプロフェンNaテープ 100mg 三和 100mg 科研 異なる製造販売会社の異なる規格 剤形の医薬品を調剤した事例去たん剤アンブロキソール塩酸塩錠 15 アンブロキソール塩酸塩徐放ムコソルバン錠 15mg mg 日医工 OD 錠 45mg ZE Ⅲ 後発医薬品への変更に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 後発医薬品に変更して調剤するところ同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例について 主なものを背景 要因を含めて紹介する

158 例注ユニコン錠 200の後発医薬品 テオフィリン徐放錠 200mg サワイ Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 3-13 後発医薬品に変更して調剤するところ同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例 医薬品名 事例の内容等 異なる製造販売会社の同じ規格 剤形の医薬品を調剤した事例 調剤すべき後発医薬 ( 事例の内容 ) 品ケトプロフェンテープ 40mg 東光 モーラステープL40mgが処方されケトプロフェンテープ40mg 東光 を調剤している患者に ケトプロフェンテープ40mg テイコク を調剤して交付した 交付した薬剤師が間違いに気付き患者に連絡したところ 患 ( 鎮痛, 鎮痒, 収斂, 者は製薬会社が異なっていても構わないとのことだったので 取り替えずに 消炎剤 ) ケトプロフェンテープ40mg テイコク を使用することとなった Ⅲ ( 背景 要因 ) 間違えて調剤した医モーラステープL40mgの後発医薬品を2 社採用している 使用頻度が高 薬品 い 東光 よりも テイコク の方が手前の取りやすい場所にあった 屋号 1 2 ケトプロフェンテープの確認が出来ていなかった 40mg テイコク ( 改善策 ) ( 鎮痛, 鎮痒, 収斂, テイコク の採用は中止する 貼付剤の棚を 使用頻度が高い順に取りや 3 消炎剤 ) すくなるよう変更する 同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品を調剤した事例後発医薬品への変更の 薬剤取違え に関する事例のうち 後発医薬品に変更して調剤すると ころ同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品を調剤した事例は2 件であった ( 既出 図表 7 後3-8) これらの事例の 調剤すべき後発医薬品 と 間違えて調剤した医薬品 の組み合わ せを図表 3-14に示す 図表 3-14 同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品の組み合わせ 調剤すべき後発医薬品 間違えて調剤した後発医薬品 気管支拡張剤 テオフィリン徐放製剤 (24 時間持続 ) テオフィリン徐放製剤 (12~24 時間持続 ) 発医薬品への変更に関する事糖尿病用剤 注メトグルコ錠 250mgの後発医薬品 1 日最高投与量 2,250mg メトホルミン塩酸塩錠 250mg トーワ 1 日最高投与量 750mg 注 事例には先発医薬品名が記載されていたが調剤すべき後発医薬品の販売名は記載されていなかった ユニコン錠 200を後発医薬品に変更して調剤するところ テオフィリン徐放錠 200mg サワイ を調剤した事例が報告された テオフィリン徐放製剤には 12~24 時間持続の製剤と 24 時間持続の製剤があり 用法 用量が異なるため注意を要する また メトグルコ錠 250mgを後発医薬品に変更して調剤するところ メトホルミン塩酸塩錠 250mg トーワ を調剤した事例が報告された メトホルミン製剤には 成人に対する1 日最高投与量が2,250mg のものと750mgのものがあり それぞれに後発医薬品が存在する

159 後発医薬品に変更して調剤するところ同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品を調剤した事例 2 件の内容を紹介する 図表 3-15 同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品を調剤した事例医薬品名事例の内容等 事例 1 調剤すべき医薬品 ( 事例の内容 ) ユニコン錠 200の後発ユニコン錠 200が処方されている患者がジェネリック薬を希望した テ医薬品オフィリン徐放錠 200mg サワイ を用意し5 月から調剤して渡して ( 気管支拡張剤 ) いた 12 月 調剤者がテオドールが処方されている患者にも同じ薬が処方されていることを思い出し 添付文書を確認したところ 1 日 2 回製剤 間違えて調剤した後発と判明した 医薬品 ( 背景 要因 ) テオフィリン徐放錠同じテオフィリン製剤での思い込みと確認ミス 200mg サワイ ( 改善策 ) ( 気管支拡張剤 ) ジェネリック薬希望で新規発注するときの手順を改善する 事例 2 調剤すべき医薬品 ( 事例の内容 ) メトグルコ錠 250mg メトグルコ錠 250mgの処方をメトホルミン塩酸塩錠 250mg トーの後発医薬品ワ に変更して調剤した メトホルミン塩酸塩錠 250mg トーワ は ( 糖尿病用剤 ) グリコラン錠 250mgの後発医薬品であり メトグルコ錠 250mgの後発医薬品ではなかった 保険の確認の際に間違いがわかった 間違えて調剤した後発 ( 背景 要因 ) 医薬品同じ成分の先発医薬品と後発医薬品の中に効能効果 用法 用量等に違いメトホルミン塩酸塩錠があるものがあるため確認しなければならなかったが 確認しなかった 250mg トーワ ( 改善策 ) ( 糖尿病用剤 ) 先発医薬品と後発医薬品の効能効果 用法 用量等の違いについて改めて勉強し 薬局全員で共有する 後発医薬品を新規採用する際にも 先発医薬品と後発医薬品の効能効果 用法 用量等の違いについて確認したうえで採用する Ⅲ 後発医薬品への変更に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

160 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 (4) 薬剤取違えが発生した背景 要因報告された事例の記載内容から 後発医薬品への変更時に薬剤取違えが発生した背景 要因を整理して示す 図表 3-16 薬剤取違えが発生した背景 要因異なる成分の医薬品と取違えた事例 同じ25mg 錠であり 泌尿器科から処方される薬であったため確認不足であった カンデサルタンとカルデナリンの名称が類似していた PTP 名称が似ていたため セルシン2mg 処方においてフルニトラゼパムで調剤した 引き出しが整理整頓されておらず 煩雑な状態であった Ⅲ 箱の外観も似ており 確認が不十分であった 繁忙時間帯であったため 注意力が散漫になり単純なミスが起こった 1 違う処方で使用した軟膏が調剤台に出たままになっており それを使用して調剤した 以前より注意喚起の札がついていたが 忙しくて確認を怠ってしまった 2 同じ成分の医薬品と取違えた事例 3 同じ成分の先発医薬品を調剤した事例 4 受付時 ジェネリック医薬品であることを確認し鉛筆書きした段階でジェネリック医薬品で調剤して 5 あると思い込んだ 6 処方薬が多い患者で 処方薬の中で唯一のジェネリック変更であったが 他にジェネリック変更がないため思い込みで見逃してしまった 7 後 鑑査時 正しい薬が出されていると思い込みよく確認せず患者に渡した 処方せんのみを確認して調剤したため 患者が後発医薬品への変更を希望していることを見逃した 混雑しており アンケートの確認をしなかった 薬歴の頭書きにジェネリック医薬品への変更希望の有無 変更する医薬品名を記載しているが 確認しなかった 後発医薬品変更の可否を受付で確認した後 その意思のカードを調剤籠に入れて処方せん監査 調剤 一包化 鑑査という流れになるようにルール決めがあったが カードを確認しないまま処方せん監例査を始め その後もカードが確認されることはなかった 後発医薬品へ変更することを調剤者に伝えていなかった 焦りがあり 後発医薬品のアムロジピンを調剤したつもりが 名称が似ている先発医薬品のアムロジンを調剤した 先発医薬品と後発医薬品で錠剤のシートの色が似ていた 先発医薬品 後発医薬品が調剤棚の隣に並んで配置しているため 取違えた 発医薬品への変更に関する事 同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例 ジェネリック医薬品を2 社採用していて 使用頻度が高い 東光 よりも テイコク の方が手前の取りやすい場所にあった 同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品を調剤した事例 先発医薬品と後発医薬品に効能効果 用法 用量等に違いがあるという点をチェックすることはわかっていながらも 勉強不足 知識不足のためにチェックできなかった

161 (5) 交付する前に発見した契機ヒヤリ ハット事例では 件数は少ないが 何らかの仕組みや個人の知識 注意が機能して 患者に薬剤を交付する前に間違いを発見した契機が記載されている事例がある 図表 3-3で示したように 後発医薬品への変更の 薬剤取違え に関する事例のうち 実施なしの事例は54 件であった そのうち 交付する前に発見した契機が記載されていた事例が18 件あり 鑑査で発見した事例が13 件と最も多かった 図表 3-17 交付する前に発見した契機交付する前に発見した契機件数誤った医薬品が入力されていることに調剤者が気付いた 1 調剤者による自己鑑査時に気付いた 2 鑑査時に気付いた 13 交付する前に 交付者が患者アンケート確認して気付いた 1 交付時に 患者から指摘されて気付いた 1 合計 18 (6) 薬局から報告された主な改善策後発医薬品への変更に関する薬剤取違えについて薬局から報告された改善策のうち 主なものを整理して図表 3-18に示す 図表 3-18 薬局から報告された主な改善策薬局から報告された主な改善策 1 患者の希望確認 薬歴の頭書きに記載してある情報を必ず確認する 後発医薬品変更を希望していることが目立つよう 薬歴に付箋を付ける 新規の患者にアンケートを取る場合には 後発医薬品の希望を先に確認し 確認をした薬剤師が調剤を行うように徹底する 2 調剤 鑑査時 処方せんと過去の履歴を見比べて 落ち着いて調剤を行う 後発品に変更する際は 鉛筆で 先発医薬品名を横線で消す 3 交付時 必ず薬歴やお薬手帳を確認のうえ 患者本人に調剤した医薬品を見せてから交付する 交付時に患者と一緒に後発医薬品で調剤されているか確認する 4その他 後発医薬品は先発医薬品と似たような包装が多いため 先発医薬品と後発医薬品をどちらも採用している医薬品に関しては より一層注意するように周知徹底した Ⅲ 後発医薬品への変更に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

162 7 例希望していたためトリアゾラム錠 0.25mg テバ を調剤するところ ハルシオン0.25mg 錠で調剤 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 4. 共有すべき事例 で取り上げた後発医薬品への変更に関する事例 本事業では 特に重要で周知すべきと考えられる事例を 共有すべき事例 として 総合評価部会の 委員による 事例のポイント を付して公表している その事例の中に 後発医薬品への変更に関する 事例が取り上げられているので紹介する 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2015 年 6 月事例 1 事例の内容等 ( 事例の内容 ) 今回からニフェジピンに替わり カルデナリン錠 4mgが処方された 患者は後発医薬品を希望していたため Ⅲ ドキサゾシン錠 4mgを調剤すべきところ カンデサルタン錠 4mg あすか で調剤した 調剤薬鑑査時 に間違いに気付き 正しい薬を渡した ( 背景 要因 ) カルデナリン錠 4mgの一般名を カンデサルタンと思い込んでしまった 処方せんを見間違い 商品名の確認も不十分であった ( 薬局が考えた改善策 ) 処方監査をしっかりとする 基本的な手順を守る 事例のポイント 先発医薬品から後発医薬品に変更する場合には 処方せんに記載された 先発医薬品名 と薬局で選択す る 後発医薬品名 を間違えずに調剤する必要がある 後 他の薬剤でも起こりうる間違いであり 注意が必要であろう 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2015 年 12 月事例 4 事例の内容等 ( 事例の内容 ) 処方せんにハルシオン0.25mg 錠 1 錠分 1 就寝前 28 日分と記載があった 患者は後発医薬品への変更を 発医薬品への変更に関する事した 鑑査時にも気付かず 患者に交付した その日のうちに患者家族がいつもの薬と違うことに気付き 薬局に連絡し 今回の間違いがわかった ( 背景 要因 ) 忙しい時間帯で焦りがあり 注意力が散漫であったことから 調剤者 鑑査者ともに患者が後発医薬品への変更を希望しているかどうかの確認を怠った ( 薬局が考えた改善策 ) 調剤者は 後発医薬品への変更の希望の有無を確認してから調剤する 鑑査者も同様に 確認した後に鑑査をする その他の情報 事例の発生時間帯 10:00~11:59 事例のポイント 調剤業務に取り掛かる前に 後発医薬品への変更の希望の有無を確認するという手順を徹底することが大切である 併せて鑑査時の鑑査項目の一つとして手順化することが大切である

163 5. まとめ後発医薬品への変更に関する事例を抽出し 特に報告件数の多かった 薬剤取違え の事例について 処方された医薬品と間違えた医薬品の組み合わせ等について分析し 具体的な事例 薬局から報告された改善策 共有すべき事例などを紹介した 薬剤取違え の事例のうち 異なる成分の医薬品と取違えた事例が14 件 /104 件 (13.5%) 同じ成分の医薬品と取違えた事例が90 件 /104 件 (86.5%) であった 異なる成分の医薬品と取違えた事例 14 件のうち1 件は主な薬効が異なる組み合わせであった 異なる成分の薬剤との取違えは 患者に影響を与える可能性があるため 特に注意が必要である また 同じ成分の医薬品と取違えた事例では 同じ成分の先発医薬品と取違えた事例が82 件 (91.1%) で大半を占めていたが その他に同じ成分の他の後発医薬品を調剤した事例や同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品を調剤した事例が報告されていた 後発医薬品使用促進の流れから 後発医薬品へ変更して調剤する件数が多くなると予想される 本分析にて示した内容を参考にし 薬局における適切な調剤に活用していただきたい Ⅲ 後発医薬品への変更に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

164 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報事例から学ぶ 3 後発医薬品への変更に関する事例 事例の内容レンドルミン錠 0.25mg を後発医薬品へ変更する際に ブロチゾラム錠 0.25 mg 日医工 に変更するところ トリアゾラム錠 0.25mg 日医工 と取り違えた 鑑査時に間違いがわかり 調剤し直した 背景 要因一般名が似ていたため 取り違えた 引き出しが整理整頓されておらず 煩雑な状態であった 箱の外観も似ており 確認が不十分であった 事例が発生した薬局の改善策向精神薬の配置を整理し 先発医薬品に対応する後発医薬品をスタッフ全員で再確認した この他にも事例が報告されています < 異なる成分の医薬品と取違えた事例 > 今回からニフェジピンの替わりにカルデナリン錠 4mgが処方された 患者は後発医薬品を希望していたため ドキサゾシン錠 4mgを調剤すべきところ カンデサルタン錠 4mg あすか を調剤した 鑑査時に間違いに気付き 正しい薬を渡した 後発医薬品に変更を希望する患者に セフゾンの後発医薬品であるセフジニル錠 100 mg サワイ を調剤するところ フロモックスの後発医薬品であるセフカペンピボキ例シル錠 100mg サワイ を調剤した Ⅲ 後発医薬品への変更に関する事 軟膏の混合処方で デルモベート軟膏の後発医薬品であるグリジール軟膏 0.05% を調剤するところ デルモゾールDP 軟膏 0.064% を調剤した < 同じ成分の先発医薬品と取違えた事例 > プレミネント配合錠 LDが処方された 入力は 後発医薬品のロサルヒド配合錠 LD トーワ と正しく行われたが 先発医薬品のプレミネント配合錠 LDを調剤し交付した < 同じ成分の他の後発医薬品 ( 異なる製造会社の異なる規格 剤形 ) と取違えた事例 > 後発医薬品を希望している患者にムコソルバン錠 15mgが処方された アンブロキソール塩酸塩錠 15mg 日医工 を調剤するところ アンブロキソール塩酸塩徐放 OD 錠 45mg ZE を調剤した

165 < 同じ成分だが先発 後発の関係ではない医薬品と取違えた事例 > 後発医薬品を希望する患者に メトグルコ錠 250mgが処方された メトホルミン塩酸塩錠 250mgMTに変更するところ メトホルミン塩酸塩錠 250mg トーワ を調剤して交付した 後発医薬品への変更に関するポイント 異なる成分で名称が類似している医薬品同士 同じ成分で複数のメーカーを採用している医薬品同士 同じブランド名の普通錠とOD 錠など 間違いやすい組み合わせはさまざまであるため 医薬品棚や引き出しはわかりやすく整理し 取違えにくい配置や注意喚起の表示などを工夫することが重要である 先発医薬品と後発医薬品に分けて医薬品棚に配置するのも 1つの対策である 先発医薬品から後発医薬品への変更は 今後さらに進むと考えられるため 定期的に薬局内の業務手順書 ( 調剤内規 ) を見直し 職場内で共有し徹底することが重要である Ⅲ 後発医薬品への変更に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

166 例リピトール錠 10mg アトルバスタチン錠 10mg ピタバスタチン Ca 錠 2mg サワイ サワイ Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 薬局ヒヤリ ハット分析表 2015 年 ❸ 後発医薬品への変更に関する事例 処方せんに記載された医薬品と異なる成分の医薬品を調剤した事例 ヒヤリ ハット事例のうち 後発医薬品への変更に関する事例が141 件報告されています ( 集計 期間 :2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) このうち 先発医薬品を後発医薬品に変更して調剤する ところ 異なる成分の医薬品を調剤した事例で報告された医薬品の組み合わせを 主な薬効 ととも に以下に示します 処方せんに記載された医薬品 調剤すべき後発医薬品 間違えて調剤した医薬品 主な薬効が異なる組み合わせ血管拡張剤 その他の循環器官用薬 注注ニセルゴリン錠 5mg シグマート錠ニコランジル錠 サワイ トーワ 主な薬効が同じ組み合わせ 催眠鎮静剤, 抗不安剤 2mgセルシン錠ジアゼパム錠 2 サワイ フルニトラゼパム錠 2mg アメル レンドルミン錠 0.25mg ブロチゾラム錠 0.25mg トリアゾラム錠 0.25mg 日医工 日医工 血圧降下剤カルデナリン錠 4mg ドキサゾシン錠 4mg カンデサルタン OD 錠 4mg EE カルデナリン錠 4mg ドキサゾシン錠 4mg カンデサルタン錠 4mg あすか 高脂血症用剤 Ⅲ 後発医薬品への変更に関する事卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤 プロスタール錠 25 糖尿病用剤 クロルマジノン酢酸エステル錠 25mg 日医工 オイグルコン錠 2.5mg グリベンクラミド錠 2.5 mg サワイ 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの フロモックス錠 100mg セフゾンカプセル 100mg セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg トーワ セフジニル錠 100mg サワイ 主としてグラム陽性菌, マイコプラズマに作用するもの クラリシッド ドライシロップ 10% 小児用 クラリスロマイシン DS 小児用 10% タカタ メイエストン錠 25 グリクラジド錠 40mg サワイ セフゾンカプセル 100mg セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg サワイ アジスロマイシン小児用細粒 10% タカタ 注医薬品の規格は 報告された事例に記載がなかったため不明である 1 主な薬効 とは その医薬品の個別医薬品コード先頭 3 桁の医薬品分類を示す 2 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 150 頁図表 3-6を改変

167 参考資料 1) 内閣府. 経済財政改革の基本方針 2007~ 美しい国 へのシナリオ~ kantei.go.jp/jp/singi/keizai/kakugi/070619kettei.pdf( 参照 ). 2) 厚生労働省医政局. 後発医薬品の安心使用促進アクションプログラムについて. 厚生労働省 参照 ). 3) 厚生労働省医政局. 後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ について. 厚生労働省 参照 ). Ⅲ 後発医薬品への変更に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

168 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 4 ハイリスク薬に関する事例はじめに薬剤師には 医薬品の安全かつ適正な使用を確保するための役割が求められており 副作用や患者の健康被害の防止にむけた取り組みが重要である 特に安全管理が必要な医薬品 すなわちハイリスク薬を服用する患者に対しては 患者の服用状況や副作用の有無等について確認し 必要な薬学的管理及び指導を行うことが求められる 本事業では ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット事例について 平成 21 年年報からテーマとして Ⅲ 取り上げ 分析を行ってきた ハイリスク薬に関するヒヤリ ハット事例は継続的に報告されていることや ハイリスク薬に関する医療事故を防止することは医療安全を確保する上で重要であることから 本年報においてもテーマとして取り上げることとした また 平成 21 年年報から 個別薬剤に関するヒヤリ ハット のテーマにおいて 毎年一つの治療領域のハイリスク薬を取り上げて分析を行ってきた 本年報では ハイリスク薬に関する事例 のテーマの中で ハイリスク薬に関する事例を概観し 報告された医薬品名や報告件数 疑義照会の内容などを紹介するとともに 個別のハイリスク薬についても併せて分析を行うこととする 免疫抑制剤は 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン ( 第 2 版 ) 1) において ハイリスク薬に位置づけられている 本事業には 免疫抑制剤に関するヒヤリ ハット事例が報告されており その中には 休薬期間が必要なメトトレキサート製剤の調剤を間違えた事例や疑義照会を行った事例も含まれている そこで 免疫抑制剤について 今後も多く処方 調剤される機会が見込まれること 調剤のエラーにより医療事故につながる可能性があることなどから 個別のハイリスク薬として取り上げることとした なかでも メトトレキサート製剤は 用法 用量を誤ると骨髄抑制により患者に重大な影響を与える可能性があるため 特に注意が必要であり 本事業および医療事故情例報収集等事業に報告された事例を取り上げて分析を行った ハイリスク薬に関する事

169 1. ハイリスク薬の考え方本年報においてハイリスク薬とは Ⅰ-4 集計 分析の考え方 2 ハイリスク薬の考え方 (71 頁 ) のとおり 個々の生活環境や療養状況に応じた適切な服薬管理や服薬支援を行うことを必要とする 安全管理が必要な医薬品とし 2011 年 4 月に日本薬剤師会がまとめた 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン ( 第 2 版 ) 1) において Ⅱ. 投与時に特に注意が必要と考えられる以下の治療領域の薬剤 に列挙されている治療領域の薬剤を参考として設定した なお同ガイドラインではハイリスク薬の販売名までは定義されていないため 関連情報を参考とし ハイリスク薬を設定した 2. ハイリスク薬に関する事例の分析 1) 報告件数 2015 年 1 月 1 日から12 月 31 日までに報告されたヒヤリ ハット事例 4,779 件のうちハイリスク薬に関する事例は743 件 (15.5%) であった 参考として 前年の2014 年に報告されたヒヤリ ハット事例のうちハイリスク薬に関する事例の占める割合は14.7% であり ほぼ同程度の割合であった また ハイリスク薬に関する事例 743 件のうち 調剤に関する事例は590 件 (79.4%) 疑義照会に関する事例は153 件 (20.6%) であった なお ハイリスク薬の報告件数などの集計にあたっては 販売名からハイリスク薬であることが判断できる事例を集計した 図表 4-1 報告件数 報告件数 ヒヤリ ハット事例 4,779(100.0%) ハイリスク薬に関する事例 743 (15.5%) ハイリスク薬の調剤に関する事例 590 (12.3%) ハイリスク薬の疑義照会に関する事例 153 (3.2%) Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 2) ハイリスク薬の調剤に関する事例の分析 (1) 事例の内容と実施の有無ハイリスク薬の調剤に関する事例について 事例の内容 と医薬品の交付の有無を示す 実施の有無 について集計を行った 患者に医薬品を交付したことを示す 実施あり が選択されていた事例は292 件 /590 件 (49.5%) であり 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体における 実施あり の件数 1, 843 件 /3,727 件 (49.4%) と比較して同程度であった また 事例の内容 では 590 件の事例のうち 数量間違い が181 件 (30.7%) と最も多く 次いで 規格 剤形間違い が 120 件 (20.3%) 薬剤取違え が 105 件 (

170 例交付 説明間違い 交付忘れ Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 %) と多かった 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体では 3,727 件中 数量間違い が1, 054 件 (28.3%) 薬剤取違え が776 件 (20.8%) 規格 剤形間違い が587 件 (15.7%) などであった 図表 4-2 事例の内容と実施の有無 ( 単位 : 件 ) 発生ハイリスク薬の調剤に関する事例 ( 参考 ) 調剤に関する事例事例の内容場面実施あり実施なし合計実施あり実施なし合計 調剤忘れ 処方せん監査間違い Ⅲ 秤量間違い 数量間違い ,054 分包間違い 調剤 規格 剤形間違い 薬剤取違え 説明文書の取違え 分包紙の情報間違い 薬袋の記載間違い その他 ( 調剤 ) 充填間違い ハ異物混入 管理期限切れ その他 ( 管理 ) 患者間違い イリスク薬に関する事その他 ( 交付 ) 合計 ,843 1,884 3,

171 (2) 医薬品別報告回数 ハイリスク薬の調剤に関する事例において報告された医薬品のうち 報告回数が多かった医薬品は図表 4-3の通りであった 特に2014 年に引き続き2015 年においても報告回数上位 30 位以内であった医薬品については 2014 年の順位を備考欄に記載した 図表 4-3 ハイリスク薬の調剤に関する事例の医薬品別報告回数 ( 報告回数上位 30 位以内 ) 順位 販売名 ハイリスク薬の治療領域 報告回数 備考 (2014 年の順位 ) 1 デパス錠 0.5mg 精神神経用剤 メトグルコ錠 250mg 糖尿病用剤 ワーファリン錠 1mg 血液凝固阻止剤 プレドニン錠 5mg 免疫抑制剤 バイアスピリン錠 100mg 血液凝固阻止剤 アマリール1mg 錠 糖尿病用剤 プラビックス錠 75mg 血液凝固阻止剤 12-8 エクア錠 50mg 糖尿病用剤 11-8 ワーファリン錠 0.5mg 血液凝固阻止剤 ノボラピッド注フレックスペン 膵臓ホルモン剤 ジャヌビア錠 50mg 糖尿病用剤 ノボラピッド30ミックス注フレックスペン 膵臓ホルモン剤 プレドニゾロン錠 1mg( 旭化成 ) 免疫抑制剤 メトグルコ錠 500mg 糖尿病用剤 アマリール0.5mg 錠 糖尿病用剤 エチゾラム錠 0.5mg SW 精神神経用剤 7-15 テオドール錠 100mg テオフィリン製剤 7-15 デカドロン錠 0.5mg 免疫抑制剤 7-15 ノボラピッド注フレックスタッチ 膵臓ホルモン剤 リーゼ錠 5mg 精神神経用剤 シュアポスト錠 0.5mg 糖尿病用剤 6-21 テネリア錠 20mg 糖尿病用剤 6-21 デパス錠 1mg 精神神経用剤 6-21 ネシーナ錠 25mg 糖尿病用剤 メインテート錠 2.5mg 不整脈用剤 グリメピリド錠 1mg サワイ 糖尿病用剤 5-26 サインバルタカプセル20mg 精神神経用剤 5-26 ジェイゾロフト錠 25mg 精神神経用剤 5-26 セイブル錠 50mg 糖尿病用剤 5-26 セロクエル25mg 錠 精神神経用剤 5-26 プラザキサカプセル110mg 血液凝固阻止剤 プレドニゾロン錠 タケダ 5mg 免疫抑制剤 ラミクタール錠 100mg 抗てんかん剤 5-26 リボトリール錠 0.5mg 抗てんかん剤 5 - Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 外用薬を除く

172 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報報告回数上位 30 位以内の医薬品のうち 2014 年の ハイリスク薬の調剤に関する事例の分析 における集計 分析においても 同様に報告回数上位 30 位以内であった医薬品は19 品目あった そのうち 2015 年の集計で報告回数が20 回以上であったデパス錠 0.5mg メトグルコ錠 250mg ワーファリン錠 1mg プレドニン錠 5mgは 2014 年の集計においても報告回数が多かった 特にワーファリン錠 1mgは 2009 年から2015 年にかけて報告回数が上位 3 位以内であった また 2014 年では報告回数上位 30 位以内ではなかったが 2015 年では上位 30 位以内であった医薬品が 15 品目あった 一方で 2014 年では掲載されていたデパケンR 錠 200mg エリキュース錠 2.5mg Ⅲ など 2015 年では報告件数が減少した医薬品もあった 1 (3) 報告回数上位 10 位以内のハイリスク薬別 事例の内容と実施の有無 2 報告回数上位 10 位以内のハイリスク薬の調剤に関する事例について 事例の内容 と医薬 3 品の交付の有無を示す 実施の有無 について集計を行った 4 報告回数上位 10 位以内の医薬品のうち 患者に医薬品を交付したことを示す 実施あり が選択されていた割合は ワーファリン錠 0.5mgの9 件 /11 件 (81.8%) が最も高く 続 5 いてプラビックス錠 75mgが8 件 /12 件 (66.7%) ワーファリン錠 1mgが14 件 / 6 23 件 (60.9%) であった 7 ハ事例の内容については 数量間違い の報告回数が多かった医薬品が多かった 数量間違い の他に 規格 剤形間違い の報告回数が多かった医薬品として デパス錠 0.5mg メトグルコ錠 250mg ワーファリン錠 1mg ノボラピッド注フレックスペンがあった また 薬剤取違え の報告回数が多かった医薬品として デパス錠 0.5mg プレドニン錠 5mg バイアスピリン錠 100mg アマリール1mg 錠があった 例イリスク薬に関する事

173 図表 4-4 報告回数上位 10 位以内のハイリスク薬別 事例の内容と医薬品の交付の有無 ( 単位 : 件 ) 事例の内容 医薬品名実施の有無 デパス錠 0.5mg メトグルコ錠 250mg ワーファリン錠 1mg プレドニン錠 5mg バイアスピリン錠 100mg ありなしありなしありなしありなしありなし 調剤忘れ 処方せん監査間違い 数量間違い 分包間違い 規格 剤形間違い 薬剤取違え 分包紙の情報間違い 薬袋の記載間違い その他 ( 調剤 ) 充填間違い 患者間違い 交付忘れ その他 ( 交付 ) 事例の内容 合計 医薬品名実施の有無 アマリール 1mg 錠 プラビックス錠 75mg エクア錠 50mg ワーファリン錠 0.5mg ノボラピッド注フレックスペン ありなしありなしありなしありなしありなし 調剤忘れ 処方せん監査間違い 数量間違い 分包間違い 規格 剤形間違い 薬剤取違え 分包紙の情報間違い 薬袋の記載間違い その他 ( 調剤 ) 充填間違い 患者間違い 交付忘れ その他 ( 交付 ) 合計 Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

174 例ス25 注ミリオペン ( 改善策 ) Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 (4) 誤って調剤したハイリスク薬が交付された主な事例 ハイリスク薬に関する事例のうち 患者に交付したことを示す 実施あり が選択されていた 主な事例の内容を背景 要因を含めて次に示す 図表 4-5 誤って調剤したハイリスク薬が交付された主な事例 事例の内容 医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等 事例 1 数量間違い 関連医薬品 ( 事例の内容 ) Ⅲ ジプレキサ錠 5mg ジプレキサ錠 5mgを28 錠のところ 20 錠交付した ( 精神神経用剤 ) ( 背景 要因 ) ジプレキサ錠 5mgのシートが大きいため 10 錠シートのとこ ろ14 錠シートであると勘違いした そのため 28 錠 (10 錠 シート2 枚 +8 錠 ) のところ 14 錠シート2 枚だと勘違いし 20 錠交付した ( 改善策 ) 薬品棚に10 錠シートであることを表示し 10 錠シートである 4 5 ことを目視してからでないと薬品を取ることができないようにした 6 事例 2 規格 剤形 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) 7 ハ間違い ヒューマログミックス25 注カート ( 膵臓ホルモン剤 ) 間違えた医薬品ヒューマログミック ヒューマログミックス25 注カートを交付するところ ヒューマログミックス25 注ミリオペンを交付した ( 背景 要因 ) 処方頻度の多いペン型を調剤した カート型を使用している患者が少なかったため ペン型と思い込んでしまった 薬袋に薬を入れる際に違和感はあったが 気付かなかった ( 膵臓ホルモン剤 ) 医薬品名を最後まで見る 薬局に在庫のある医薬品を把握する イリスク薬に関する事 事例 3 規格 剤形間違い 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) シュアポスト錠シュアポスト錠 0.5mg 処方のところ 0.25mgで患者に渡 0.5mg した ( 糖尿病用剤 ) ( 背景 要因 ) 今回 0.25mgから0.5mgに増量になったが 入力時に前回 間違えた医薬品の入力からデータを引っ張ってきてそのまま入力し 確認しなかシュアポスト錠った 処方せん監査 調剤 鑑査時にも確認しなかった 交付時 0.25mg には 患者本人ではなく家族が取りに来たため 前回から変更が ( 糖尿病用剤 ) あったことを確認できなかった ( 改善策 ) 入力時には 処方せんの医薬品の規格 1 日量にマルをする 処方せん監査時には 入力された指示にマルをする 鑑査時には QRコードの読めない処方せんの場合 薬袋に記載された医薬品の規格にマルをする

175 事例の内容 事例 4 薬剤取違え 事例 5 薬剤取違え 医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) ノボリン30R 注フ ノボリン30R 注フレックスペンの処方に対して ノボラピッド レックスペン 注フレックスペンを調剤した 当該患者は施設入所者で 看護師 ( 膵臓ホルモン剤 ) が注射して暫くした時点で気分不良となったため 看護師がイン スリンを確認したところ調剤の間違いがわかった 間違えた医薬品 ( 背景 要因 ) ノボラピッド注フレ施設入所者の処方に対して 内服薬は調剤者と別の薬剤師が鑑査ックスペンを行っていたが 外用剤および注射剤に関しては鑑査者が保管庫 ( 膵臓ホルモン剤 ) ( 冷蔵庫 ) から取り出し そのまま薬袋に入れていたため ダブルチェックが行われなかった ( 改善策 ) 調剤業務を見直し 外用剤と注射剤も鑑査を行うこととした 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) クレメジン細粒分包クレメジン細粒分包 2gを調剤するところ クレスチン細粒を調 2g 剤した 調剤終了直後に間違いに気付き 調剤し直した ( 解毒剤 ) ( 背景 要因 ) クレスチン細粒は 最近採用になった 両薬剤は箱の形状や色が 間違えた医薬品似ているが 同じ引出しに隣り合わせで配置していた 調剤者は クレスチン細粒調剤するまでこの配置を知らなかったため 特に注意せずに調剤 ( その他の腫瘍用薬 ) した ( 改善策 ) クレスチン細粒の配置場所を抗悪性腫瘍剤の引出しに移動した また 両薬剤の箱の外観が似ていることについて スタッフに注意喚起を行った Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

176 例 分量変更 の割合が多かった Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 3) ハイリスク薬の疑義照会に関する事例の分析 (1) 疑義照会による変更内容と患者に生じ得た健康被害の可能性 ハイリスク薬の疑義照会に関する事例について 変更内容 と 仮に変更前の処方の通りに 服用した場合の影響 について集計を行った 図表 4-6 疑義照会による変更内容と患者に生じ得た健康被害の可能性 ( 単位 : 件 ) ハイリスク薬の疑義照会に関する事例 ( 参考 ) 疑義照会に関する事例 仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響 仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響 Ⅲ 変更内容患者に健康被害患者に健康被害が生じなかった患者に健康被害合計が生じなかった患者に健康被害合計が 医師の意図が 医師の意図があったと推測があったと推測した薬効が得らした薬効が得らされるされるれなかったと推れなかったと推 1 測される測される 2 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 その他 ハ合計 ,040 変更内容では 薬剤変更 が 42 件 /153 件 (27.5%) と最も多く 次に 分量変更 が30 件 /153 件 (19.6%) と多かった 報告事例全体における疑義照会に関する事例で は 薬剤変更 が362 件 /1,040 件 (34.8%) 薬剤削除 が 270 件 /1,040 件 (26.0%) であったのと比較して ハイリスク薬の事例ではこれらの変更内容の割合が少なく また 仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響を見ると 患者に健康被害があったと 推測される と報告された割合は ハイリスク薬に関する事例では107 件 /153 件 (69.9 %) 疑義照会に関する事例全体では 672 件 /1,040 件 (64.6%) であった 変更内容 別にみると ハイリスク薬に関する事例および疑義照会に関する事例全体のどちらにおいても 薬剤変更 薬剤削除 の事例は 仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響が 患者に健 康被害があったと推測される と報告された事例の割合が多かった イリスク薬に関する事

177 (2) 医薬品別報告回数 ハイリスク薬の疑義照会に関する事例において報告された医薬品のうち 報告回数が多かった医薬品を図表 4-7に示す 特に2014 年に引き続き2015 年においても報告回数上位 10 位以内であった医薬品については 2014 年の順位を備考欄に記載した 図表 4-7 ハイリスク薬の疑義照会に関する事例の医薬品別報告回数 ( 報告回数上位 10 品目 ) 順位 販売名 ハイリスク薬の治療領域 報告回数 備考 (2014 年の順位 ) 1 ワーファリン錠 1mg 血液凝固阻止剤 デパス錠 0.5mg 精神神経用剤 7-3 サインバルタカプセル20mg 精神神経用剤 6-3 セレスタミン配合錠 免疫抑制剤 バイアスピリン錠 100mg 血液凝固阻止剤 5-5 メトグルコ錠 250mg 糖尿病用剤 5-7 エリキュース錠 2.5mg 血液凝固阻止剤 4-7 プラビックス錠 75mg 血液凝固阻止剤 リウマトレックスカプセル2mg 免疫抑制剤 4-10 アマリール1mg 錠 糖尿病用剤 エクア錠 50mg 糖尿病用剤 3-10 ジャヌビア錠 50mg 糖尿病用剤 プレドニン錠 5mg 免疫抑制剤 3-10 ワーファリン錠 0.5mg 血液凝固阻止剤 3 - 外用剤を除く 報告回数上位 10 品目までの医薬品のうち 2014 年の ハイリスク薬の疑義照会に関する事例の分析 における集計においても報告回数上位 10 品目以内であった医薬品は5 品目あった このうちワーファリン錠 1mgは 2015 年の報告回数が10 回と最も多く 2010 年 ~ 2014 年においても最も報告回数が多かった Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

178 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 (3) 事例の内容ハイリスク薬の疑義照会に関する事例について 疑義照会による変更内容ごとに 主な事例の内容等を疑義照会の契機となった情報とともに示す 図表 4-8 ハイリスク薬の疑義照会に関する主な事例疑義照会の契機医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等となった情報薬剤変更の事例 事例 1 患者が理解して 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) Ⅲ いる内容と処方アモキサンカプセル転院後初受診時にアモキサンカプセル25mgが処方された 内容との相違 25mg 服薬指導時に患者より 今までは抗生物質を服用しており ( 精神神経用剤 ) 薬が変わる話はなかった と話があった 疑義照会を行った 1 ところ サワシリンカプセル250に処方変更となった 2 変更になった医薬 ( 背景 要因 ) 品処方医は紹介状に記載のあったアモキシシリンカプセル 3 サワシリンカプセル 125mg NP を処方するつもりであったが 医療機関 ではアモキシシリンカプセル125mg NP が非採用で 5 6 るもの ) ( 改善策 ) 処方にはアレビアチンがあり 服薬指導時も今後の治療に関 7 ハして不安を訴えていたため アモキサンの処方間違いに気づかなかった可能性もある 患者はお薬手帳を利用しておらず 病院への紹介状と患者の記憶から疑義照会に至ったが お薬手帳の活用が有効と考える 事例 2 同一 同効薬 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) 例の重複エクア錠 50mg リオベル配合錠 LD 1 錠朝食前服用中の患者に エクア錠 ( 糖尿病用剤 ) 50mg 1 錠朝食後が追加された リオベル配合錠はDP P-4 阻害薬含有の配合剤で DPP-4 阻害薬のエクア錠 変更になった医薬と薬効が重複するため疑義照会した結果 ボグリボース錠品 0.2mg MEEK 3 錠に変更となった ボグリボース錠 0. ( 背景 要因 ) 2mg MEEK 配合剤の成分を十分理解していなかった可能性がある ( 糖尿病用剤 ) ( 改善策 ) どの薬効の医薬品でも 配合剤を服用している患者に追加薬が出た場合には 同系統の薬が出ていないかを十分に確認してから調剤を行う ( 主としてグラム陽あったため 名称が類似しているアモキサンカプセル 25mg 性 陰性菌に作用すを選択した イリスク薬に関する事

179 疑義照会の契機となった情報 分量変更の事例 事例 3 検査値 (PT -INR 値 ) 薬剤削除の事例 事例 4 同一 同効薬の重複 医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) ワーファリン錠 1mg 処方せんとともに 採血の結果も預かった 処方せんの内容は ( 血液凝固阻止剤 ) 前回と変更なしであった ( ワーファリン3.5mg/day) 検査値を確認したところ PT-INR 値が4.3 と前回と比べ高値であったため 患者に ワーファリンの量を変更するような話はなかったか と尋ねた 前回と同じであるように聞いた と返答があった ( 背景 要因 ) 患者からPT-INR 値を聞くことができたので 処方ミスに気付くことができた ( 改善策 ) 検査値を把握できたときは 処方せん監査時に分量などに疑問がある場合必ず医療機関に問い合わせする 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) バイアスピリン錠バイアスピリン錠 100mgが処方されたが お薬手帳を確 100mg 認したところ他院にてタケルダ配合錠が処方されていた 疑 ( その他の血液 体義照会をしてバイアスピリン錠 100mgが削除となった 液用薬 ) ( 背景 要因 ) 医療機関では 患者が提出したお薬手帳を確認していなかった 医師の話では タケルダ配合錠は配合剤なので見落としたとの事であった ( 改善策 ) 併用薬の確認を徹底する Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 4) ハイリスク薬に関する薬学的管理指導の取り組み薬剤師には 医薬品の適正使用や効果的な薬物治療への関与に加えて 薬の副作用や患者への健康被害の防止に向けて 具体的かつ積極的な取り組みが求められる 特にハイリスク薬を使用する患者に対しては 患者個々の状況に応じた服薬管理を行うことが必要であり 薬を安全かつ適正に使用するための対応が重要である 日本薬剤師会は ハイリスク薬の薬学的管理指導を実施する上で必要な 薬局 薬剤師が行うべき標準的な業務を示す指針として 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン ( 第 2 版 ) 1) を公表しているので 以下に紹介する

180 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 1. 患者情報 臨床所見及び使用薬剤に関する十分な情報と知識に基づいて 患者の薬学的管理を行う 薬学的管理における用法 用量の評価のために 処方せん上からは得ることのできない次の情報を患者等から収集することが望ましい (ⅰ) 体重 (ⅱ) 身長 (ⅲ) 腎機能検査値 ( 血清クレアチニン値等 ) (ⅳ) 肝機能検査値 (AST A LT 等 ) 等 (ⅰ)~(ⅳ) や処方せんから得られる情報と併せて 可能な薬剤に関しては薬物動態学的評価を実施し その情報も参考にする 2. 以下の情報等を患者に説明する際には 患者の理解を深めるために 必要に応じて薬剤情報提供文書等を編集し活用する また 最も重要な情報は反復させて患者の理解度を確認する ( ア ) 薬剤の効果 : どういう効果があるか いつごろ効果が期待できるか ( イ ) 副作用 : どのような副作用が起こりうるか いつ頃から どのように自覚されるか ( ウ ) 服薬手順 : どのように いつ いつまで服用するか 食事との関係 最大用量 服用を継続する意義 ( エ ) 注意事項 : 保管方法 残薬の取り扱い 自己判断による服薬や管理の危険性 ( オ ) 再診の予定 : いつ再診するか 予定より早く受診するのはどのような時か 3. 指導内容等を正確に記録する 特に検査値やバイタルサインの情報を得られた時は 副作用発現の可能性の有無について 薬学的な視点から検討を行う 副作用の有無の確認を行った場合 副作用が認められなかった時も 副作用確認 異常なし と記録する 4. 問題点を明確にし 記録に基づいた薬力学的及び薬物動態学的視点からの見解及び情報を 主治医等に必要に応じて適切に提供する 5. 応需処方せんの医療機関以外の処方薬や一般用医薬品 退院時の服薬に関する注意事項などの情報収集にも努め 応需処方せんに限定されない包括的な薬学的管理に努める 6. ハイリスク薬 とされる薬剤には TDM 対象薬剤が多く含まれており 必要に応じて医療機関と連携を取り 血中薬物濃度測定の確認等を行うことが望ましい 例Ⅲ ハイリスク薬に関する事

181 2. 免疫抑制剤に関する事例の分析免疫抑制剤は 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン ( 第 2 版 ) 1) において ハイリスク薬に位置づけられている 本事業には 免疫抑制剤に関するヒヤリ ハット事例が報告されており その中には 休薬期間が必要なメトトレキサート製剤の調剤を間違えた事例や投与日数について疑義照会をした事例も含まれている メトトレキサート製剤の過剰投与は 骨髄抑制により患者に重大な影響を与える可能性があり 特に注意が必要である 本分析では 免疫抑制剤について 今後も多く処方 調剤される機会が見込まれること 処方や調剤のエラーにより医療事故につながる可能性があることなどから 個別のハイリスク薬として取り上げることとした 1) 報告件数報告された事例の中から免疫抑制剤に関する事例を抽出するため 2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日に報告されたヒヤリ ハット事例の事例収集項目のうち 処方された医薬品 間違えた医薬品 関連医薬品 ( 以上 調剤 の事例 ) 及び 処方された医薬品 変更になった医薬品 ( 以上 疑義照会 の事例 ) に入力された医薬品名が 本年報の ハイリスク薬の考え方 (71 頁 ) における 免疫抑制剤 に該当する事例を抽出したところ 75 件あった 図表 4-9 免疫抑制剤に関する事例の報告件数 報告件数 ヒヤリ ハット事例 4,779(100.0%) ハイリスク薬に関する事例 743 (15.5%) 免疫抑制剤に関する事例 75 (1.6%) 免疫抑制剤に関する事例 75 件のうち 調剤 が 60 件 (80.0%) 疑義照会 が 15 件 (20.0%) であった ( 図表 4-10) 調剤 の事例のうち 数量間違い が26 件と最も多く 次いで 薬剤取違え が9 件などであった ヒヤリ ハット事例全体においても 数量間違い 薬 剤取違え の順に件数が多かった 疑義照会 の事例の 変更内容 の内訳では 薬剤変更 と 分量変更 がそれぞれ4 件と多 かった Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

182 例用法変更 1 (1.3%) 82 (1.7%) Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 4-10 免疫抑制剤に関する事例の内訳 事例の概要 事例の内容又は変更内容 合計 ( 参考 ) ヒヤリ ハット事例全体 調剤忘れ 0 (0.0%) 170 (3.6%) 処方せん監査間違い 3 (4.0%) 187 (3.9%) 秤量間違い 0 (0.0%) 29 (0.6%) 数量間違い 26 (34.7%) 1,054 (22.1%) 分包間違い 3 (4.0%) 101 (2.1%) 規格 剤形間違い 4 (5.3%) 587 (12.3%) Ⅲ 薬剤取違え 9 (12.0%) 776 (16.2%) 説明文書の取違え 0 (0.0%) 3 (0.1%) 分包紙の情報間違い 2 (2.7%) 37 (0.8%) 1 薬袋の記載間違い 5 (6.7%) 223 (4.7%) 調剤 2 その他 ( 調剤 ) 6 (8.0%) 393 (8.2%) 3 充填間違い 1 (1.3%) 30 (0.6%) 4 異物混入 0 (0.0%) 7 (0.1%) 5 期限切れ 0 (0.0%) 4 (0.1%) その他 ( 管理 ) 0 (0.0%) 3 (0.1%) 6 患者間違い 1 (1.3%) 34 (0.7%) 7 ハ説明間違い 0 (0.0%) 8 (0.2%) 交付忘れ 0 (0.0%) 54 (1.1%) その他 ( 交付 ) 0 (0.0%) 27 (0.6%) 小計 60 3,727 薬剤変更 4 (5.3%) 362 (7.6%) イリスク薬に関する事疑義照会 特定保険医療材料 医薬品の販売 用量変更 2 (2.7%) 56 (1.2%) 分量変更 4 (5.3%) 158 (3.3%) 薬剤削除 3 (4.0%) 270 (5.6%) その他 1 (1.3%) 112 (2.3%) 小計 15 1,040 0 (0.0%) 9 (0.2%) 0 (0.0%) 3 (0.1%) 合計 75 (100.0%) 4,779 (100.0%) 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が にならないことがある

183 2) 免疫抑制剤の調剤に関する事例の分析 (1) 免疫抑制剤の調剤に関する事例の発生場面と実施の有無 免疫抑制剤の調剤に関する事例について 発生場面 と医薬品の交付の有無を示す 実施の 有無 について集計を行った 図表 4-11 免疫抑制剤の調剤に関する事例の発生場面と実施の有無 ( 単位 : 件 ) 発生場面 免疫抑制剤の調剤に関する事例 ( 参考 ) 調剤に関する事例実施あり実施なし合計実施あり実施なし合計 内服薬調剤 ,386 1,153 2,539 外用薬調剤 注射薬調剤 その他の調剤に関する場面 内服薬管理 外用薬管理 注射薬管理 その他の管理に関する場面 交付 合 計 ,843 1,884 3,727 発生場面は 内服薬調剤 が51 件 /60 件 (85.0%) で最も多かった 実施の有無では 患者に医薬品を交付したことを示す 実施あり が24 件 /60 件 (40.0 %) 実施なし が36 件 /60 件 (60.0%) であった このうち 内服薬調剤 では 実 施あり が23 件 /51 件 (45.1%) であり 内服薬調剤に関するヒヤリ ハット事例全体 の 実施あり の1,386 件 /2,539 件 (54.6%) と比較して 実施あり の割合が少 なかった Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 (2) 免疫抑制剤の調剤に関する事例の内訳と実施の有無免疫抑制剤の調剤に関する事例の 事例の内容 別の内訳を 患者に医薬品を交付したことを示す 実施の有無 とともに図表 4-12に示す

184 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報図表 4-12 免疫抑制剤の調剤に関する事例の内容と実施の有無 ( 単位 : 件 ) 免疫抑制剤の調剤に関する事例 ( 参考 ) 調剤に関する事例事例の内容実施あり実施なし合計実施あり実施なし合計調剤忘れ 処方せん監査間 違い秤量間違い 数量間違い ,054 分包間違い 規格 剤形間違 Ⅲ い薬剤取違え 説明文書の取違 え 2 分包紙の情報間 違い 3 薬袋の記載間違 い 5 その他 ( 調剤 ) 充填間違い 異物混入 ハ期限切れ その他 ( 管理 ) 患者間違い 説明間違い 交付忘れ 例その他 ( 交付 ) イリスク薬に関する事合計 ,843 1,884 3,727 免疫抑制剤の調剤に関する事例 60 件のうち 報告件数が最も多かった 数量間違い について 医薬品の交付の有無を示す 実施の有無 は 実施あり が8 件 /26 件 (30.8%) であった 調剤に関するヒヤリ ハット事例全体における 数量間違い の事例では 実施あり が491 件 /1,054 件 (46.6%) であったのと比較すると 免疫抑制剤の 数量間違い の事例では 実施あり の割合が少なかった 3) 免疫抑制剤の疑義照会に関する事例の分析 (1) 疑義照会による変更内容と疑義があると判断した理由免疫抑制剤の疑義照会に関する事例 15 件について 疑義照会による 変更内容 と 疑義があると判断した理由 を集計した

185 図表 4-13 疑義照会による変更内容と疑義があると判断した理由 ( 単位 : 件 ) 変更内容 免疫抑制剤の疑義照会に関する事例 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 左記以外注で判断 合計 ( 参考 ) 疑義照会に関する事例 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 左記以外注で判断 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 その他 合計 ,040 注 左記以外で判断 の 左記 とは 当該処方せんのみで判断 と 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 を示し 疑義照会の事例収集項目の 疑義があると判断した理由 選択肢のうちの 上記以外で判断 を集計した 免疫抑制剤の疑義照会に関する事例の変更内容は 薬剤変更 と 分量変更 が4 件で最も多かった 疑義があると判断した理由は 当該処方せんのみで判断 が5 件 /15 件 (33.3 %) であり 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例全体における 当該処方せんのみで判断 は 307 件 /1,040 件 (29.5%) であった 免疫抑制剤の疑義照会に関する事例では 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例全体と同様に 処方せん以外に薬局で管理している情報等も併せて判断した事例が多かった (2) 疑義照会による変更内容と患者に生じ得た健康被害の可能性疑義照会による 変更内容 と 仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響 を整理して図表 4-14に示す 合計 Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

186 例(3) 処方された医薬品のブランド名 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 図表 4-14 疑義照会に関する事例の変更内容と患者に生じ得た健康被害の可能性 ( 単位 : 件 ) 免疫抑制剤の疑義照会に関する事例 ( 参考 ) 疑義照会に関する事例 仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響 仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響 変更内容 患者に健康被害が 患者に健康被害が 患者に健康被害があったと推測される 生じなかったが 医師の意図した薬効が得られなかったと推測される 合計 患者に健康被害があったと推測される 生じなかったが 医師の意図した薬効が得られなかったと推測される 合計 薬剤変更 用法変更 Ⅲ 用量変更 分量変更 薬剤削除 その他 合計 , 仮に変更前の処方通りに服用した場合の患者の健康への影響度は 患者に健康被害があったと推測される が12 件 /15 件 (80.0%) 患者に健康被害が生じなかったが 医師の意 図した薬効が得られなかったと推測される が3 件 /15 件 (20.0%) であった 疑義照会 7 ハに関するヒヤリ ハット事例全体では それぞれ672 件 /1,040 件 (64.6%) 368 件 /1,040 件 (35.4%) であったことから 免疫抑制剤の疑義照会に関する事例における 患者の健康への影響度の内訳は 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例全体と比較して 患者に 健康被害があったと推測される の割合が多かった 免疫抑制剤の疑義照会に関する事例で処方された医薬品のブランド名を集計した結果を図表 4-15に示す 免疫抑制剤の疑義照会に関する事例における医薬品の報告回数では セレスタミン が 6 回 と最も多く 次いで リウマトレックス が4 回と多かった イリスク薬に関する事図表 4-15 免疫抑制剤の疑義照会に関する事例で処方された医薬品のブランド名 ブランド名 報告回数 セレスタミン 6 リウマトレックス 4 プレドニゾロン 2 プレドニン 2 ベタセレミン

187 4) メトトレキサート製剤に関連した事例の分析免疫抑制剤であるメトトレキサート製剤は休薬期間が必要な医薬品であり 誤って連日投与となった場合 骨髄抑制を発症し患者に重大な影響を与える可能性がある 本事業には メトトレキサート製剤の休薬期間に関連した事例が報告されており 以前に 共有すべき事例 でも取り上げているが 2015 年にも類似事例が報告されている そこで メトトレキサート製剤に関連した事例について集計し 報告された事例の内容から分析を行った (1) 報告件数報告された事例の中からメトトレキサート製剤に関連した事例を抽出するため 2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日に報告されたヒヤリ ハット事例の事例収集項目のうち 処方された医薬品 間違えた医薬品 関連医薬品 ( 以上 調剤 の事例 ) 及び 処方された医薬品 変更になった医薬品 ( 以上 疑義照会 の事例 ) に入力された医薬品名の個別医薬品コード ( 通称 :YJコード ) がメトトレキサート ( ) に該当する事例を検索したところ 11 件あった 図表 4-16 メトトレキサート製剤に関連した事例の報告件数報告件数ヒヤリ ハット事例 4,779(100.0%) ハイリスク薬に関する事例 743 (15.5%) 免疫抑制剤に関する事例 75 (1.6%) メトトレキサート製剤に関連した事例 11 (0.2%) (2) 事例の概要メトトレキサート製剤に関連した事例 11 件のうち 調剤の事例は7 件 疑義照会の事例は4 件であった 調剤の事例は 事例の内容 疑義照会の事例は 変更内容 別に分類し 図表 4-17に示す 調剤の事例では 数量間違い が5 件と最も多かった 疑義照会の事例の変更内容は 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 がそれぞれ1 件であった Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 図表 4-17 メトトレキサート製剤に関連した事例の報告内訳 事例の概要事例の内容または変更内容件数 数量間違い 5 調剤 疑義照会 薬剤取違え 1 薬袋の記載間違い 1 薬剤変更 1 用法変更 1 用量変更 1 分量変更 1 合 計

188 例図表 4-19 メトトレキサート製剤の1シートあたりのカプセル ( または錠 ) 数 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 (3) メトトレキサート製剤の数量間違いに関する事例 1 事例の内容 メトトレキサート製剤の調剤に関する事例で最も多かった 数量間違い の事例の内容を以下 に示す 5 件のうち2 件は 事例の内容に 特殊なシート に関する記載があった 図表 4-18 メトトレキサート製剤の数量間違いの事例 No. 医薬品名 事例の内容 1 リウマトレックスカプセル2mg リウマトレックスカプセル2mgを20カプセル渡すところ 10カプセル渡した 特殊なシートであった Ⅲ リウマトレックスカプセル2mgを4 日分 2 リウマトレックスカプセル2mg のところ3 日分と入力した 3 1 メトトレキサートカプセル2mg サンド 1 日 2カプセル10 日分のところ 10カプセル渡した メトトレキサート錠 2mg タナベ 6 錠 2 4 メトトレキサート錠 2mg タナベ シート4 枚のところ 特殊なシートのため 3 1シート4 錠 6 枚と思い込んだ 4 5 メトレート錠 2mg 16 錠のところ18 錠渡した 製剤の1シートあたりの数 図表 4-18の事例 4は メトトレキサート錠 2mg タナベ 6 錠シートを4 錠シートだと 7 ハ思い込んだことから 数量間違いが発生した事例であった 抗リウマチ剤として使用されるメト トレキサート製剤には 1シートあたりの数が異なる様々な製剤が存在するため 注意が必要で ある そこで 販売されている製剤の1シートあたりのカプセル ( または錠 ) 数を図表 4-19 に示す イリスク薬に関する事1 シートあたりの数医薬品名 2カプセル 3カプセル 4カプセル 6カプセルまたは6 錠 メトトレキサートカプセル2mg サワイ メトトレキサートカプセル2mg サンド メトトレキサートカプセル2mg サワイ メトトレキサートカプセル2mg サンド リウマトレックスカプセル2mg メトトレキサートカプセル2mg サワイ メトトレキサートカプセル2mg サンド トレキサメットカプセル2mg メトトレキサートカプセル2mg SN メトトレキサート錠 2mg タナベ

189 (4) メトトレキサート製剤に関連した疑義照会の事例 メトトレキサート製剤に関連した疑義照会の事例は4 件報告されており 変更内容は 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 がそれぞれ1 件ずつであった 4 件の事例について 報告に記載されていた内容から 処方された内容 疑義照会の契機となった情報 変更後の処方内容を整理して以下に示す 図表 4-20 メトトレキサート製剤に関連した疑義照会の事例 No. 変更内容処方された内容 1 用量変更 リウマトレックスカプセル 2mg3 カプセル分 2 28 日分朝夕食後服用 ( 朝 2- 夕 1) と記載されていた リウマトレックスカプセ ル2mg 6カプセル1 日 2 分量変更 1 回朝食後金曜日 土曜日の服用 6 日分 の処方があった 3 薬剤変更 4 用法変更 リウマトレックス フォリアミンが新規処方された 処方内容はリウマトレックスカプセル 2mg3 カプセル分 2 4 日分週 1 回木曜日朝食後 2 カプセル夕食後 1 カプセル服用 フォリアミン錠 5mg1 錠分 1 4 日分週 1 回金曜日朝食後服用と記載あり 疑義照会の契機となった情報 リウマトレックスカプセル 2mg は休薬期間が設けられている医薬品であり 他剤は 28 日処方であった 前回までは リウマトレックスカプセル 2mg を金曜日に 3 カプセル 土曜日に 2 カプセル服用している患者であった 患者に肝炎治療経験の有無を確認したところ B 型肝炎の既往歴あり 医師には伝えていないとの申し出があった 関節リウマチ治療におけるメトトレキサート診療ガイドラインでは 葉酸製剤は 5mg/ 週以内をメトトレキサート最終投与後 24~ 48 時間後に投与する とされており 金曜日の夕食後以降に服用するのが妥当と考えた 変更後の処方内容 リウマトレックスカプセル 2mg3 カプセル分 2 4 日分朝夕食後服用 ( 朝 2- 夕 1) 週 1 回土曜日 に変更となった 処方医の意図が土曜日の増量であることがわかり リウマトレックスカプセル 2 mg 3 カプセル 1 日 1 回朝食後金曜日 土曜日に分量変更となった アザルフィジン E N 錠 500mg に変更になった フォリアミン錠 5mg は週 1 回土曜日朝食後服用に変更となった Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 事例 1は 28 日分処方されていたが 適切な疑義照会によって連日投与を防止することができた事例である メトトレキサート製剤の休薬期間については特に注意を要するため 次項の (5) メトトレキサート製剤の休薬期間に関する事例 で詳述する 事例 2は 誤って1 日量 6カプセルで処方されていたが 疑義照会によって本来処方すべき量に変更された事例である 事例 1 事例 2では 疑義照会をしなければ過剰投与によって患者に大きな影響が出ていた可能性があり 疑義照会が重要な役割を果たしている 事例 3は B 型肝炎の既往歴のある患者にリウマトレックスカプセル2mgが処方されたが 疑義照会によって薬剤変更となった事例である リウマトレックスカプセル2mgの添付文書の 使用上の注意 2. 重要な基本的注意 には (16)B 型又はC 型肝炎ウイルスキャリアの患者に対する本剤の投与により 重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており 死亡例が認められている また本剤投与終了後にB 型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎等の発現も報告されている 本剤投与に先立って 肝炎ウイルス感染の有無を確認すること B 型肝炎ウイルス

190 7 例セル2mg 3カプセル分 2 28 日分朝夕食後服用 ( 朝 2- 夕 1) Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 キャリアの患者及び既往感染者 (HBs 抗原陰性 かつHBc 抗体又はHBs 抗体陽性 ) 又はC 型肝炎ウイルスキャリアの患者に対し本剤を投与する場合 投与期間中及び投与終了後は継続し て肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど B 型又はC 型肝炎ウイルス増 殖の徴候や症状の発現に注意すること と記載されている 2) 事例 4は リウマトレックスカプセル2mgと共に処方されたフォリアミン錠 5mgについて 関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX) 診療ガイドライン 3) に基づいて疑義 照会を行い 用法変更となった事例である 同ガイドラインでは 関節リウマチの治療における メトトレキサートの適応 禁忌 用法 用量 葉酸の投与法等が示されている このように 添 付文書とともにガイドラインを活用して疑義照会を行うことで より適切な薬物療法を患者に提 Ⅲ 供することができる (5) メトトレキサート製剤の休薬期間に関する事例 事例の内容メトトレキサート製剤に関する事例のうち 休薬期間について疑義照会を行い 用量が変更になった事例が1 件あった ( 既出 図表 4-20 No.1) メトトレキサート製剤は休薬期間が必要であり 誤って連日投与となった場合 骨髄抑制を発症し患者に重大な影響を与える可能性がある 処方に疑問がある場合は適切に疑義照会を行うことは 薬剤師に求められる重要な役割である 報告された事例の内容を以下に示す ハ図表 4-21 メトトレキサート製剤の休薬期間に関する事例 処方された医薬品名 事例の内容等 リウマトレックス ( 事例の内容 ) カプセル2mg 60 歳代男性 整形外科の処方せんに Rp4. リウマトレックスカプ と記載されていた リウマトレックスカプセル2mgは休薬期間が設 けられている医薬品であり 他剤は28 日処方であることから 処方 医に疑義照会を行った リウマトレックスカプセル2mg 3カプセ ル分 2 4 日分朝夕食後服用 ( 朝 2- 夕 1) 週 1 回土曜日 に変更と なった ( 背景 要因 ) 記載なし ( 改善策 ) リウマトレックス等休薬期間が設けられている医薬品の場合 用法に 週〇回 曜日に服用等 服用時点を明確に記載することで 薬剤師も 処方監査し易くなる また保険薬局でも 休薬期間の設定がある医薬品 の一覧を作成するなどして 薬局全体で情報を共有しておく必要がある イリスク薬に関する事2 休薬期間に関する 共有すべき事例 本事業では 特に重要で周知すべきと考えられる事例を 共有すべき事例 として 総合評価部会の委員による 事例のポイント を付して公表している 以前に公表した 共有すべき事例

191 で メトトレキサートの休薬期間についての疑義照会に関する事例を取り上げているので 改めて紹介する 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2013 年 4 月事例 7 事例の内容等 ( 事例の内容 ) リウマトレックスカプセル2mg 2カプセル分 1 夕食後 28 日分と処方されていたため疑義照会をした 処方のコメントには火曜日服用の指示があった 処方医より 4 日分に処方を訂正すると指示があった ( 背景 要因 ) 未記載 ( 薬局が考えた改善策 ) 未記載その他の情報 リウマトレックスカプセル2mgの用法及び用量 ( 添付文書から抜粋 ) 関節リウマチ通常 1 週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし 1 週間単位の投与量を1 回又は2~3 回に分割して経口投与する 分割して投与する場合 初日から2 日目にかけて12 時間間隔で投与する 1 回又は2 回分割投与の場合は残りの6 日間 3 回分割投与の場合は残りの5 日間は休薬する これを1 週間ごとに繰り返す 関節症状を伴う若年性特発性関節炎通常 1 週間単位の投与量をメトトレキサートとして4~10mg/m 2 とし 1 週間単位の投与量を1 回又は2~3 回に分割して経口投与する 分割して投与する場合 初日から2 日目にかけて12 時間間隔で投与する 1 回又は2 回分割投与の場合は残りの6 日間 3 回分割投与の場合は残りの5 日間は休薬する これを1 週間ごとに繰り返す 事例のポイント リウマトレックスカプセル2mg( メトトレキサート ) は 医師も処方せんへの記載を間違いやすい 週 1 日服用で4 週分を処方するつもりで 処方を28 日分と書いてしまったものと思われる なお この医薬品は患者への服薬指導も重要で 定められた服薬パターンで服用しないと重篤な副作用が生じる危険性もある 正しく服用するためには 服用日 休薬日を具体的な日付として示すことが重要となる Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 3 医療事故情報収集等事業に報告された事例本財団が運営する医療事故情報収集等事業は 医療機関から医療事故情報やヒヤリ ハット事例を収集 分析し 報告書や医療安全情報の作成 公表 事例データベースの公開などを行っている 同事業には 誤った処方について疑義照会が行われず 結果的に患者に大きな影響を与えた事例なども報告されているため 薬局にとっても事例を共有することは有用と考えられる 医療事故情報収集等事業では 医療安全情報 No.2 抗リウマチ剤( メトトレキサート ) の過剰投与に伴う骨髄抑制 (2007 年 1 月公表 ) 4) およびNo.45 抗リウマチ剤( メトトレキサート ) の過剰投与に伴う骨髄抑制 ( 第 2 報 ) (2010 年 8 月公表 ) 5) を提供し メトトレキサートは休薬期間が必要であることの情報提供を行っている また その後も第 41 回報告書 (2015 年 6 月公表 ) において 再発 類似事例の発生状況 で 抗リウマチ剤 ( メトトレキサート ) の過剰投与に伴う骨髄抑制 6) について取り上げている 患者に一定以上の影響を及

192 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 平成27年年報 ぼした事例が含まれる医療事故情報収集等事業の分析結果や医療安全情報などを活用すること は 薬局にとっても有用と考えられる そこで 医療事故情報収集等事業が提供した医療安全情報No.2及びNo.45を紹介する 図表4 22 医療安全情報No.2 抗リウマチ剤 メトトレキサート の過剰投与に伴う骨髄抑制 図表4 23 医療安全情報No.45 抗リウマチ剤 メトトレキサート の過剰投与に伴う骨髄抑制 第2報 Ⅲ ハイリスク薬に関する事例 7 188

193 また 医療事故情報収集等事業の公開データ検索 7) では 医療安全の推進を目的として報告 された事例を公開している 公開された事例のうち メトトレキサートの休薬期間に関する医療事故情報で 保険薬局が関わった事例を紹介する 図表 4-24 医療事故情報収集等事業に報告された事例 No. 事故の内容背景 要因改善策 1 2 ステロイドの増量をし 1 週間後に経過観察するため 1 週間の処方とした 患者にもその旨説明した オーダリングシステム上 ステロイド以外の内服を処方する際 リウマトレックスカプセル 2mg 分 2( 朝 夕 ) 食後週 2 回 ( 木 金 )7 日分と 本来であれば 2 日分でよいところ 7 日分と入力した いつもの保険薬局で処方薬を受けとり 7 日間内服後再診した 患者から 7 日間内服したと告げられ 血液検査施行した データ上異常なく 予防のためロイコボリンの処方を行った 関節リウマチの症状改善の図れない患者が 初診にて本院を受診した 関節リウマチに対してコントロール不良のため 初めて リウマトレックスカプセル の投与を開始することとなった 次回来院予定の 3 週間後までの処方を入力するにあたり 毎週火曜日のみ 3 週間分 ( 実日数 3 日分 ) と入力するべきところ コンピュータの処方入力で曜日指定を入力し忘れたため 週に 1 回 3 日分の投与が 21 日間連日投与の処方入力となった 外来診療が混雑していたため 処方せんの確認も不十分なまま 患者には週 1 回の投与であることを口頭で簡単に説明したのみで処方せんを発行した 保険薬局でも処方の間違いに気付かず リウマトレックスカプセル 21 日分が調剤され また 薬剤師による口頭での内服方法の説明もなかったため 患者は処方通りに リウマトレックスカプセル を連日服用した しかし 倦怠感 食欲不振 歯肉出血等の出現により 投与開始 18 日目に患者の自己判断で内服を中止した 主治医は 初診から 3 週間後の来院時に初めて処方間違いに気づいた この時 口腔粘膜障害 胃腸障害 肝機能障害 骨髄抑制 ( 血小板減少 白血球減少 ) を来していたため 緊急入院の措置をとり ロイコボリンの投与により治療を行った その後 症状改善し退院となった 処方入力後の確認を怠った 院内での処方監査なく院外に発行されるシステムであった 週 2 日内服と入力しても 1 週間分入力できてしまうシステムであった 保険薬局の処方せん確認不足 ( ステロイド増量に気を取られ他の処方の確認を怠った ) 包装シートの記載をしていない 薬剤師の知識不足 患者の思い込み 外来の混雑 ( 当日予約患者 50 人以上あったところに加えて 予約外の新患が数名来院しており 診察予定時間より 1~2 時間遅延していた ) のため 一人の患者に取れる診療時間が少なく 確認や説明に十分な時間が取れなかった 週 1~2 日の投与方法しかない薬剤であるにもかかわらず 曜日を指定せずに連日投与の入力が可能な処方システムであり また連日投与の警告が出なかったこと ( 但し 一日の投与量の過剰は警告が出る ) 保険薬局にて第三者の薬剤師が処方せんを確認するはずであるのに 疑義照会がなく そのまま薬剤を処方された 処方時 薬剤師が飲み方や副作用についての説明をするであろうと思っていたこと 及びコンピュータの警告システムという二重のセーフティー機構があることで 処方間違いを発見してくれることを過信していたため 医師の確認が不十分になった コンピューターシステムを改善する 特定の薬に関して 院内の監査を実施し院外へ発行する 事例の共有 対策を周知する 診療科医師により リウマトレックスに関する処方説明文書を新たに作成した 処方オーダシステムで リウマトレックスの処方日数を制限するようにした 当該薬局への確認 及び再発防止を依頼した ( 医療機関では 薬剤科が窓口となり 疑義照会しやすい環境を作っている ) Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

194 7 例関節リウマチにて当院外来通院 オーダリングの際に曜日指定を 薬剤のオーダリングシステムを Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 No. 事故の内容 背景 要因 改善策 定期外来受診の際に小児科外来において メソトレキセートを 3 日分 ( 週 1 日のみ内服を3 週分 ) 処方するところ 21 日分 ( 連日内服 ) 処方した 保険薬局から医師に対して疑義照会はなかった 患児は処方せん通りに内服を続け 10 日間連日で内服した 受診から2 週間経った頃から口内炎が出現した 主治医は患児の母から口内炎が出現していることを電話で相談を受け メソトレキセートを中止するよ これまで通常 2 週間分 ( 週 1 日内服のため2 日分 ) 処方を行っていたが今回は3 週間分 ( 週 1 日内服のため3 日分 ) の処方に変更した 電子カルテ上で前回の処方を参考にして処方する際 投与期間を21 日分に一括指定したため他に処方されている内服薬と同じ日数の21 日分がメソトレキセートにも適用された メソトレキセートは3 日分と変更すべきであったが 21 日分 薬品をリウマトレックスカプセルに変更 : リウマトレックスカプセル処方時に リウマトレックスカプセル2mg 連日投与禁止 週 5~6 日の休薬期間が必要です という警告メッセージが表示されるようにした 服用する曜日を入力: 曜日を入力することで 日数が多くなった場合にも 連日投与を防止することができる うに指示した 同日夕方に主治としたままこれを正しく変更 Ⅲ 医は処方したメソトレキセートせずに処方した が連日投与されていることに気付き すぐに母親に電話した 通常 2 週間分の処方 :( 粉砕 ) メソトレキセート錠 2.5mg その後 患児は発熱と口内炎が 6mg 分 2( 朝 夕 ) 食後 2 1 悪化し当科を受診し入院となっ日分 3 た 入院時の血液検査にて白血 今回の3 週間分処方 :( 粉砕 ) 2 球減少 血小板減少 CRP 高メソトレキセート錠 2.5mg 値を認めた 骨髄抑制と重症感 6 m g 分 2( 朝 夕 ) 食後 3 染症と考え直ちに治療を開始し 21 日分 4 た 入院翌日 内服状況を確認 週に 1 回月曜日のみ内服 としたところ 処方された翌日かいう形での処方を行っていな 5 6 ら10 日間連日内服し 以後は毎週月曜日に内服していたことが判明した すぐに採血を行い かった 休薬期間が必要です という警告が出ない設定であるメソ メソトレキセートの血中濃度をトレキセートを処方していた 測定したところ0.04 であった メソトレキセートを21 日間 ハため 骨髄抑制はメソトレキセートの過量投与によるものと考え メソトレキセートの排泄を促進するため大量輸液とロイコボリン投与を行った その後 患児は回復し退院した 連日で内服するという明らかに過量と思われる処方せんであるにもかかわらず 保険薬局から処方医に対して疑義照会がなされなかった 普段内服薬を管理している母親の体調が悪かったため 不慣れな父親が内服させていた 中の患者であった リウマトレックスを6mg/ 週から8mg / 週に増量する際に 8mg/ 週ではなく8mg/ 日の処方を医師が発行した 保険薬局で記 しなくてもオーダが可能になっていること 改善し 適切な曜日指定を行わないとリウマトレックスの処方ができないようにした 4 載通りの処方がなされ 患者は約 2 週間にわたり8mg/ 日の 内服を行った 口内炎 体調不 良にて近医を受診し そこで内 服中止を指示された 口内炎は 自然軽快し体調も回復した 明 らかな肝障害や顆粒球減少など の副作用は生じなかった イリスク薬に関する事

195 No. 事故の内容背景 要因改善策 5 他院より紹介され本院の膠原病リウマチアレルギー内科に初診となった 主訴は 両手足のしびれ 疼痛 腫脹である 本院では PSL AZP SAS P を処方し経過観察 その後 AZP は中止した 症状が改善しないため 院外処方として MTX6mg を処方 患者には初めて飲む薬であり 口頭で副作用や飲み方 ( 週 1 回服用 ) について説明した 処方薬剤登録の際 コメントに 週 1 回 曜日内服 の記載を忘れた その後 保険薬局では 薬剤師が手渡す時に 初めて出た薬です 飲み方わかりますか? と言い 服用方法を説明しようとすると患者が 担当のドクターから聞いているから大丈夫 と言ったため 処方せんに記載されている服用量を説明し渡した また 薬のシートに服用日 服用量を記載するようになっているが記載はしなかった 患者は 週 1 回と思わず 7 日間毎日服用し 半月後 口腔内びらんによる経口摂取不良で予約外受診し 事態が判明した 緊急入院とした 軽度肝障害 軽度血球減少があったが ロイコボリンレスキュー 補液等を行い 症状が改善し 10 日目に退院した 患者に処方されていた薬剤 1) アザルフィジン E N 錠 500mg 1 回 1 錠 (1 日 2 錠 )1 日 2 回朝夕食後 50 日分 2) アルファロールカプセル 0.5μg1 回 1C(1 日 1C) 1 日 1 回朝食後 50 日分 3) ルプラック錠 4mg 1 回 0.5 錠 (1 日 0.5 錠 )1 日 1 回朝食後 50 日分 4) プレドニン錠 5mg 1 回 1 錠 (1 日 2 錠 )1 日 2 回朝夕食後 50 日分 5) リウマトレックスカプセル2mg 朝 2C 夕 1C(1 日 3C)1 日 2 回朝夕食後 7 日分 6) カロナール錠 回 2 錠 (1 日 6 錠 )1 日 3 回朝昼夕食後 20 日分 処方入力時のコメント入力がフリーコメントとなっており 繁忙な外来では忘れる 保険薬局薬剤師のMTXに対する知識不足 コミュニケーション不足 保険薬局薬剤師は リウマトレックスを調剤して手渡すとき 初めて出た薬であることを理解していたと思われるが リウマトレックスに休薬期間があることを理解していたかは不明である 保険薬局薬剤師が服用方法を説明しようとした際 患者は 担当のドクターから聞いているから大丈夫 と言ったが 薬剤師が 週 1 回と言われましたか と患者に尋ねた形跡はなかった 保険薬局薬剤師は 患者に渡したリウマトレックスの新包装シートに 月日 を記載していないことから リウマトレックスに休薬期間があることを十分理解せず 患者に注意喚起していなかった可能性が高いと思われる コメント入力を忘れずに記載する 入力の際 薬によって 処方の際注意 と出てくるが 何を注意するのかが出てこないのでポップアップで注意事項を出す 用法を選ぶと週 1 回 曜日と自動で出るように改善する 保険薬局薬剤師教育は限界があるが 今回は リウマトレックスのシートに服用する月日 曜日は必ず記載するように依頼した Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 4 患者に向けた情報提供メトトレキサート製剤を適正に服用するためには 患者の理解が必要であり 患者への情報提供や教育が重要である 日本リウマチ学会は 医師のみならず 患者にも本剤の有効性と安全性を理解してもらい より安全に服用してもらうことを目的として 患者教育のための冊子 メトトレキサートを服用する患者さんへ 8) を作成した この冊子には 休薬期間についても示されているので紹介する ( 図 4-25)

196 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 平成27年年報 図表4 25 メトトレキサートを服用する患者さんへ 8 一部を抜粋 Ⅲ ハイリスク薬に関する事例 7 また 製薬企業では服薬指導用ツールを作成し 適切な服用のため注意を促している 例として 先 発医薬品であるリウマトレックスカプセル2mgの指導せん9 を紹介する 図表4 26 表面には 服薬スケジュール欄と服薬に関する注意点 裏面には重篤な副作用に至る可能性のある前駆症状が記載 されている 薬局においては これらのツールを活用して患者にわかりやすく説明を行い 理解を促す のも一つの方法である 2016年度からかかりつけ薬剤師の制度が開始され 薬剤師にはこれまで以上に服薬情報の一元的 継続的把握やきめ細やかな薬学的管理が求められている リウマトレックス製剤の初回処方の際はもと より 継続的に服用している患者についても 服薬状況や副作用の有無を確認しながら繰り返し情報提 供を行うことが重要である 192

197 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 図表4 26 Ⅲ 平成27年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 リウマトレックスカプセル2mgの指導せん9 Ⅲ 3 まとめ 本稿は ハイリスク薬に関する事例 として ハイリスク薬全体のヒヤリ ハット事例と個別薬剤 として免疫抑制剤を取り上げて集計 分析を行った さらに 免疫抑制剤の中でも休薬期間を必要とす るメトトレキサート製剤について取り上げた ハイリスク薬全体のヒヤリ ハット事例については 調剤の事例と疑義照会の事例それぞれについて 医薬品別報告回数などを集計し 調剤の事例では実施の有無について 疑義照会の事例では患者に生じ 得た健康被害の可能性について分析を行った さらに ハイリスク薬は 患者に対する薬学的な管理 指導を行う上でも特に注意すべき医薬品であることから 日本薬剤師会の 薬局におけるハイリスク薬 の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン を紹介した 次に ハイリスク薬の一つである免疫抑制剤に関するヒヤリ ハット事例について 事例の概要 発 生場面 事例の内容又は変更内容 実施の有無 などを集計し 特に 疑義照会 の事例について疑 義の内容などを分析した さらに 免疫抑制剤の中でも 特に休薬期間について注意が必要なメトトレ キサート製剤に関する事例を紹介し 共有すべき事例 や医療事故情報収集等事業に報告された事例 も併せて掲載した また メトトレキサート製剤の適正な服用を目的とした患者教育用の情報を紹介し た 本年報の分析内容や関連する情報を活用し 医療機関で発生したエラーの発見や薬局におけるエラー の発生予防 および患者に対する適切な指導に努め ハイリスク薬による医療事故を防ぐ取り組みを継 続していくことが重要である 193 ハイリスク薬に関する事例 7

198 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報事例から学ぶ 4ハイリスク薬に関する事例 -メトトレキサート製剤- 事例の内容整形外科の処方せんに リウマトレックスカプセル2mg 3カプセル朝夕食後 ( 朝 2- 夕 1)28 日分と記載があった リウマトレックスカプセル2mgは休薬期間が設けられている医薬品であり 他の処方薬は28 日分であることから 処方医に疑義照会を行った リウマトレックスカプセル2mg 3カプセル4 日分朝夕食後 ( 朝 2- 夕 1) 週 1 回土曜日に変更となった 背景 要因未記載 事例が発生した薬局の改善策リウマトレックスなどの休薬期間が設けられている医薬品の場合 処方せんに 週〇回 曜日に服用 などと服用時点を明確に記載することで 薬剤師も処方監査しやすくなる また保険薬局では 休薬期間の設定がある医薬品の一覧を作成するなどの対策をし 薬局全体で情報を共有しておく必要がある < 参考 > リウマトレックスカプセル2mgの添付文書 ( 一部抜粋 ) 効能 効果 用法 用量 関節リウマチ 通常 1 週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mg とし 1 週間単位の投与量を1 回又は2 3 回に分割して経例口投与する 分割して投与する場合 初日から2 日目にかけて12 時間間隔で投与する 1 回又は2 回分割投与の場合は残りの6 日間 3 回分割投与の場合は残りの5 日間は休薬する これを1 週間ごとに繰り返す なお 患者の年齢 症状 忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが 1 週間単位の投与量として16mgを超えないようにする Ⅲ ハイリスク薬に関する事 この他にも事例が報告されています 紹介状なしで他院から移ってきた外来患者に リウマトレックスカプセル2mgとフォリアミン錠が連日投与で処方された 処方医はリウマチの専門医ではなく 持参したお薬手帳には 週 1 回投与 の旨が記載されていなかったため 連日投与の印象を与えていた 製薬会社のMRから情報提供を受けたうえで 疑義照会の際に処方医に情報提供を行い 週 1 回投与に変更となった

199 リウマチ専門医に通院している患者にリウマトレックスカプセル2mgが継続処方されていたが 今回用法が変更になり 金曜日朝 2カプセル 夕 1カプセル 土曜日朝 1カプセル ( 週 3 回 ) となった 薬剤服用歴で確認したところ 3 年半にわたり 金 土 朝夕 1カプセルずつ ( 週 4 回 ) と処方され そのまま調剤 交付していた 当時は週 4 回の服用に疑問を持たなかったが 数日前 薬局内の医療安全研修会でリウマトレックス2mgを取り上げて学んだことで気付いた 処方医がリウマチ専門医であったこともあり 長年にわたり疑問に思うこともなく疑義照会せずに調剤していたが 本来なら初回処方時に疑義照会すべき事例であったことが判明した メトトレキサート製剤 に関するポイント 抗リウマチ剤のメトトレキサート製剤は 通常 1 週間単位の投与量を1 回又は2~ 3 回に分割して12 時間おきに投与し 残りの5 日間又は6 日間は休薬することになっているが 連日処方や連日服用の報告が続いている 関節リウマチの治療に使用されるメトトレキサート製剤は 比較的処方頻度の高い医薬品であるが 骨髄抑制 間質性肺炎 免疫抑制作用による感染症の誘発 B 型肝炎ウイルスの活性化などの重篤な副作用に注意が必要な医薬品である ハイリスク薬であり 休薬期間がある医薬品であることを認識し 慎重に処方監査を行い 疑義があれば直ちに疑義照会を行うことが重要である 患者が医師の処方設計通りに正しく服用できるよう また患者が重篤な副作用の初期症状を見逃さないよう 薬学的管理に基づいた指導を行うことが薬剤師に求められている Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

200 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 薬局ヒヤリ ハット分析表 2015 年 ❹ ハイリスク薬に関する事例 メトトレキサート製剤に関連した疑義照会の事例 ヒヤリ ハット事例のうちメトトレキサート製剤に関連した疑義照会の事例が4 件報告されていま す ( 集計期間 :2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) 変更疑義照会の契機となった処方された内容内容情報 変更後の処方内容 用量 リウマトレックスカプセル リウマトレックスカプセル リウマトレックスカプセル 変更 2 m g 3 カプセル分 2 2mgは休薬期間が設けら 2mg3カプセル分 日分朝夕食後服用 ( 朝 2- 夕 1) と記載されていた れている医薬品であり 他剤は28 日処方であった 日分朝夕食後服用 ( 朝 2- 夕 1) 週 1 回土曜日 に変更となった 分量変更 リウマトレックスカプセル2mg 6カプセル1 日 1 回朝食後金曜日 土曜 前回までは リウマトレックスカプセル2mgを金曜日に3カプセル 土曜日に 処方医の意図が土曜日の増量であることがわかり リウマトレックスカプセル2 日の服用 6 日分 の処方 2カプセル服用している患 mg 3カプセル1 日 1 回 があった 者であった 朝食後 金曜日 土曜日に 分量変更となった 薬剤変更 リウマトレックス フォリアミンが新規処方された 患者に肝炎治療経験の有無を確認したところB 型肝炎 アザルフィジン E N 錠 500mg に変更になった の既往歴あり 医師には伝えていないとの申し出があった 用法変更 処方内容はリウマトレックスカプセル2mg3カプセル分 2 4 日分週 1 回木曜日朝食後 2カプセル夕食 関節リウマチ治療におけるメトトレキサート診療ガイドラインでは 葉酸製剤は 5mg/ 週以内をメトトレ フォリアミン錠 5mgは週 1 回土曜日朝食後服用に変更となった Ⅲ ハイリスク薬に関する事後 1 カプセル服用 フォリアミン錠 5mg1 錠分 1 4 日分週 1 回金曜日朝食後服用と記載あり キサート最終投与後 24~ 48 時間後に投与する とされており 金曜日の夕食後以降に服用するのが妥当と考えた 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 185 頁図表 4-20 を改変

201 参考資料 1) 公益社団法人日本薬剤師会. 薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン ( 第 2 版 ). guideline_2nd.pdf( 参照 ). 2) リウマトレックスカプセル2mg 添付文書. ファイザー株式会社.2016 年 2 月改訂 ( 第 19 版 ). 3) 関節リウマチ治療におけるメトトレキサート (MTX) 診療ガイドライン 2011 年版. 日本リウマチ学会 MTX 診療ガイドライン策定小委員会編集. med0064/g /0001 ( 参照 ). 4) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 医療安全情報 No.2 抗リウマチ剤 ( メトトレキサート ) の過剰投与に伴う骨髄抑制 med-safe_2.pdf( 参照 ). 5) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 医療安全情報 No.45 抗リウマチ剤 ( メトトレキサート ) の過剰投与に伴う骨髄抑制 ( 第 2 報 ) 参照 ). 6) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 第 41 回報告書 参照 ). 7) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 公開データ検索. med-safe.jp/mpsearch/searchreport.action( 参照 ). 8) 一般社団法人日本リウマチ学会. メトトレキサートを服用される患者さんへ. ryumachi-jp.com/info/mtx.html( 参照 ). 9) ファイザー株式会社. 服薬指導ツール ( リウマトレックス ). rheumatrex/tools/index.html( 参照 ). Ⅲ ハイリスク薬に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

202 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 5 疑義照会に関する事例はじめに薬剤師は 患者から処方せんを応需した際 処方内容を監査し 処方内容に疑問がある場合は 医師に疑義照会し疑問を解消してから適切に調剤 交付を行う 具体的な疑義の内容としては 用法 用量 併用薬 副作用歴 禁忌投与 重複投与などに関するものが挙げられる 本事業では 調剤の事例だけでなく疑義照会の事例についても報告の対象としており 薬局でエラーを発見し 疑義照会により処方内容を修正することの重要性を情報発信してきた Ⅲ 疑義照会は医薬品の適正使用において薬剤師の担う重要な業務であり また 事例が継続的に報告されており かつ増加傾向であることから 平成 21 年年報から継続して疑義照会に関する事例を取り上げている 薬局で発見された疑義照会の事例 及び疑義照会はしていないが処方内容を確認した事例を分析し 情報提供することは 薬局においても有用であるとともに 処方せんを作成している医療機関においても有用な情報を提供することができると考えられる 疑義照会による薬剤の変更内容には 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 などがある 平成 21 年年報から 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例全体の集計 分析とともに これらの変更内容の中から毎年 1つのテーマを取り上げており 本年報では 薬剤削除 について集計 分析を行った また 疑義照会を行った事例が多く報告される一方で 処方内容に誤りがあったが 疑義照会されることなく患者に交付された事例も継続的に報告されている これらの事例についても 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例 として集計 分析した 例 疑義照会に関する事

203 1. 疑義照会の事例の分析 1) 疑義照会の事例全体に関する分析 (1) 報告件数 ヒヤリ ハット事例のうち 事例の概要について 疑義照会 が選択されていた事例を疑義照会の事例としている 2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日に報告された疑義照会の事例は1, 040 件あり ヒヤリ ハット全体の21.8% であった 2011 年以降の報告件数を図表 5-1に示す 疑義照会の事例の報告件数は 年々増加している 図表 5-1 報告件数 ヒヤリ ハット事例 疑義照会の事例 報告件数 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 8,082 (100.0%) 601 (7.4%) 7,16 (100.0%) 730 (10.2%) 5,820 (100.0%) 782 (13.4%) 5,399 (100.0%) 789 (14.6%) 4,779 (100.0%) 1,040 (21.8%) (2) 疑義があると判断した理由薬剤師が処方に関して疑義があると判断した過程には 処方せんを見て記載内容に疑義があると判断した場合や 前回の処方記録と照合して疑義があると判断した場合 薬剤服用歴 ( 薬歴 ) の情報や患者へのインタビューの中で得られた情報により処方せんの内容に疑義があると判断した場合などがある そこで 疑義照会の事例について 疑義があると判断した理由 及び変更内容について分析した 図表 5-2 疑義があると判断した理由 Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 疑義照会の事例の報告件数 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 197 (32.8%) 276 (45.9%) 128 (21.3%) 601 (100.0%) 198 (27.1%) 381 (52.2%) 151 (20.7%) 730 (100.0%) 245 (31.3%) 401 (51.3%) 136 (17.4%) 782 (100.0%) 264 (33.5%) 372 (47.1%) 153 (19.4%) 789 (100.0%) 307 (29.5%) 491 (47.2%) 242 (23.3%) 1,040 (100.0%)

204 例その他 (22.8%) (4.5%) (6.4%) (7.2%) (10.8%) Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 疑義があると判断した理由 として 当該処方せんのみで判断 を選択した事例は307 件 /1,040 件 (29.5%) であった 一方 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 を選択した事例が491 件 /1,040 件 (47.2%) 上記以外で判断 を選択した事例が 242 件 /1,040 件 (23.3%) あり 合わせて733 件 /1,040 件 (70.5%) であ った 薬剤師は 当該処方せんのみでなく 様々な情報を総合して疑義があると判断しているこ とが示唆される (3) 疑義照会による処方変更内容 1 疑義照会による 変更内容 Ⅲ 疑義照会の結果 処方の誤りが修正された場合は 薬剤の削除や変更 用法や用量の変更など が行われる そこで 報告された事例の疑義照会による処方変更内容を図表 5-3に示す 1 図表 5-3 疑義照会による処方変更内容 2 疑義照会の事例の報告件数変更内容 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 薬剤変更 (30.3%) (35.5%) (34.6%) (34.5%) (34.8%) 用法変更 6 (8.3%) (9.2%) (10.1%) (10.1%) (7.9%) 用量変更 疑(5.5%) (4.5%) (3.8%) (4.8%) (5.4%) 分量変更 (12.0%) (14.0%) (15.3%) (16.3%) (15.2%) 薬剤削除 (21.1%) (32.3%) (29.7%) (27.0%) (26.0%) 義照会に関する事合計 601 (100.0%) 730 (100.0%) 782 (100.0%) 789 (100.0%) 1,040 (100.0%) 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が にならないことがある 疑義照会の結果行われた処方変更内容は 薬剤変更 が362 件 /1,040 件 (34.8%) と最も多く 次いで 薬剤削除 が270 件 /1,040 件 (26.0%) であり 2011 年から同様の傾向を示している

205 2 変更内容 と 疑義があると判断した理由 疑義照会による処方の 変更内容 ごとに 疑義があると判断した理由 を集計し 図表 5-4に示す 図表 5-4 変更内容 と 疑義があると判断した理由 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 変更内容 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 変更内容 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 薬剤変更 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 61 (33.5%) 87 (47.8%) 34 (18.7%) 182 (100.0%) 63 (24.3%) 148 (57.1%) 48 (18.5%) 259 (100.0%) 70 (25.8%) 155 (57.2%) 46 (17.0%) 271 (100.0%) 用法変更 81 (29.8%) 131 (48.2%) 60 (22.1%) 272 (100.0%) 86 (23.8%) 201 (55.5%) 75 (20.7%) 362 (100.0%) 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 31 (62.0%) 13 (26.0%) 6 (12.0%) 50 (100.0%) 43 (64.2%) 5 (22.4%) 9 (13.4%) 67 (100.0%) 51 (64.6%) 18 (22.8%) 10 (12.7%) 79 (100.0%) 55 (68.8%) 15 (18.8%) 10 (12.5%) 80 (100.0%) 58 (70.7%) 11 (13.4%) 13 (15.9%) 82 (100.0%) Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 疑義があると判断した理由 当該処方せんのみで判断 変更内容 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 上記以外で判断 合計 用量変更 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 13 (39.4%) 8 (24.2%) 12 (36.4%) 33 (100.0%) 16 (48.5%) 7 (21.2%) 10 (30.3%) 33 (100.0%) 21 (70.0%) 7 (23.3%) 2 (6.7%) 30 (100.0%) 21 (55.3%) 9 (23.7%) 8 (21.1%) 38 (100.0%) 34 (60.7%) 11 (19.6%) 11 (19.6%) 56 (100.0%)

206 例当該処方せんと薬局で管理している Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 変更内容 分量変更 疑義があると判断した理由 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 当該処方せんのみで判断 (50.0%) (38.2%) (47.5%) (46.5%) (43.7%) 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 28 (38.9%) 52 (51.0%) 52 (43.3%) 58 (45.0%) 64 (40.5%) 上記以外で判断 (11.1%) (10.8%) (9.2%) (8.5%) (15.8%) 合計 (100.0%) (100.0%) (100.0%) (100.0%) (100.0%) Ⅲ 変更内容 薬剤削除 疑義があると判断した理由 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 当該処方せんのみで判断 (7.9%) (11.9%) (14.2%) (15.0%) (12.2%) 2 3 当該処方せんと薬局で管理している 情報で判断 (67.7%) (60.2%) (61.2%) (62.0%) (54.8%) 上記以外で判断 (24.4%) (28.0%) (24.6%) (23.0%) (33.0%) 5 6 合計 (100.0%) (100.0%) (100.0%) (100.0%) (100.0%) 7 疑変更内容 その他 疑義があると判断した理由 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 当該処方せんのみで判断 (33.6%) (27.3%) (26.0%) (26.3%) (24.1%) 情報で判断 (39.4%) (51.5%) (54.0%) (47.4%) (50.0%) 義照会に関する事上記以外で判断 合計 37 (27.0%) 137 (100.0%) 7 (21.2%) 33 (100.0%) 10 (20.0%) 50 (100.0%) 15 (26.3%) 57 (100.0%) 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が にならないことがある 29 (25.9%) 112 (100.0%)

207 薬剤変更 の事例 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 が多く 疑義照会の事例全体の内訳と同じ傾向であった 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 の割合は 2014 年と比較すると増加していた 用法変更 の事例 当該処方せんのみで判断 が多く 疑義照会の事例全体の内訳と比較しても多かった 2014 年と比較するとその割合は同程度であった 用量変更 の事例 当該処方せんのみで判断 が多く 疑義照会の事例全体の内訳と比較しても多かった 2014 年と比較するとその割合は増加していた 分量変更 の事例 当該処方せんのみで判断 が多く 疑義照会の事例全体の内訳と比較しても多かった 2014 年と比較するとその割合は減少していた 薬剤削除 の事例 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 が多く 疑義照会の事例全体の内訳と比較しても多かった 2014 年と比較するとその割合は減少していた Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

208 7 例が98 件 /158 件 (62.0%) であった Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 (4) 患者に生じ得た健康被害の可能性 処方内容に誤りがあり その誤りが発見されず疑義照会がなされなかった場合 患者に健康被 害が及ぶ可能性がある そこで 疑義照会の事例について 仮に変更前の処方通りに服用した場 合の影響について集計 分析した 図表 5-5 変更内容と患者に生じ得た健康被害の可能性 ( 単位 : 件 ) 仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響 変更内容患者に健康被害が生じなかっ患者に健康被害があったと合計たが 医師の意図した薬効が推測される得られなかったと推測される Ⅲ 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 その他 合計 , 疑義照会の事例のうち 仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響 として 患者に健康被 害があったと推測される が選択された事例が672 件 /1,040 件 (64.6%) 患者に健康 疑被害が生じなかったが 医師の意図した薬効が得られなかったと推測される が選択された事例が 368 件 /1,040 件 (35.4%) であった 患者に健康被害があったと推測される が選択された事例が多かった変更内容は 薬剤削除 が212 件 /270 件 (78.5%) 薬剤変更 が241 件 /362 件 (66.6%) 分量変更 義照会に関する事

209 2) 疑義照会の結果 薬剤削除 となった事例に関する分析 疑義照会による薬剤の変更内容には 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 などがある 平成 21 年年報から 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例全体の集計 分析ととも に これらの変更内容の中から毎年 1つのテーマを取り上げており 本年報では 薬剤削除 につ いて集計 分析を行った 疑義照会の事例のうち 薬剤削除の事例は270 件 (26.0%) であった ( 既出 図表 5-3) (1) 処方された医薬品名及び主な薬効 疑義照会により薬剤が削除された事例には 本来処方するつもりではなかった または処方す べきでない医薬品を医師が誤って処方した事例や 薬局で新たに判明した事実が疑義照会によっ て医師に伝えられることによって初めて医薬品を削除する根拠が得られた事例などがある 薬 剤削除 の事例において 疑義の対象となった医薬品名を入力する項目である 処方された医薬 品 の医薬品名とその主な薬効を集計 分析した 処方された医薬品 のうち 複数回報告さ れたものを主な薬効とともに示す 図表 5-6 複数回報告された 処方された医薬品 及び主な薬効 医薬品名 主な薬効 報告回数 レバミピド錠 100mg EMEC 消化性潰瘍用剤 9 ムコスタ錠 100mg 消化性潰瘍用剤 7 カロナール錠 200 解熱鎮痛消炎剤 6 PL 配合顆粒 総合感冒剤 5 ロキソニン錠 60mg 解熱鎮痛消炎剤 5 セレコックス錠 100mg 解熱鎮痛消炎剤 4 デパス錠 0.5mg 精神神経用剤 4 エディロールカプセル0.75μg ビタミンA 及びD 剤 3 セレスタミン配合錠 副腎ホルモン剤 3 テルネリン錠 1mg 鎮けい剤 3 ネキシウムカプセル20mg 消化性潰瘍用剤 3 ブロプレス錠 8 血圧降下剤 3 レバミピド錠 100mg 明治 消化性潰瘍用剤 3 アクトネル錠 17.5mg 他に分類されない代謝性医薬品 2 アムロジピン錠 5mg ケミファ 血管拡張剤 2 インデラル錠 10mg 不整脈用剤 2 エバスチンOD 錠 10mg タイヨー その他のアレルギー用薬 2 オノンドライシロップ10% その他のアレルギー用薬 2 コリオパン錠 10mg 鎮けい剤 2 ザイザルシロップ0.05% その他のアレルギー用薬 2 ザイロリック錠 100 痛風治療剤 2 Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

210 例ワーファリン錠 1mg 血液凝固阻止剤 2 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 医薬品名 主な薬効 報告回数 ジスロマック錠 250mg 主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの 2 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg 主としてグラム陽性 陰性菌に作用する サワイ もの 2 テルギンGドライシロップ0.1% 抗ヒスタミン剤 2 ネオマレルミン錠 2mg 抗ヒスタミン剤 2 バイアスピリン錠 100mg その他の血液 体液用薬 2 プロレナール錠 5μg その他の血液 体液用薬 2 Ⅲ ベガモックス点眼液 0.5% 眼科用剤 2 ホクナリンテープ1mg 気管支拡張剤 2 ホクナリンテープ2mg 気管支拡張剤 2 1 ミカルディス錠 20mg 血圧降下剤 2 2 ムコダインDS50% 去たん剤 2 3 ムコダイン錠 250mg 去たん剤 2 メコバラミン錠 500 トーワ ビタミンB 剤 ( ビタミンB1 剤を除く ) 2 4 メチクール錠 500μg ビタミンB 剤 ( ビタミンB1 剤を除く ) 2 5 メチコバール錠 500μg ビタミンB 剤 ( ビタミンB1 剤を除く ) 2 6 モーラステープ20mg 鎮痛 鎮痒 収斂 消炎剤 2 7 疑リリカカプセル25mg その他の中枢神経系用薬 2 レミカットカプセル1mg その他のアレルギー用薬 2 ロキソプロフェンナトリウム錠 60mg CH 解熱鎮痛消炎剤 2 ロゼレム錠 8mg その他の中枢神経系用薬 2 義照会に関する事疑義照会の薬剤削除に関する事例において 複数回報告された 処方された医薬品 の医薬品名をみると レバミピド錠 100mg EMEC が9 回 ムコスタ錠 100mgが7 回 カロナール錠 200が6 回 PL 配合顆粒 ロキソニン錠 60mgがそれぞれ5 回と報告回数が多かった

211 (2) 薬剤削除の事例の発生要因 薬剤削除の事例について 発生要因 ( 複数回答可 ) を集計した 図表 5-7 発生要因及び件数 発生要因 薬剤削除となった事例 疑義照会の事例 確認を怠った 110 (32.7%) 419 (28.7%) 報告が遅れた ( 怠った ) 1 (0.3%) 3 (0.2%) 記録などに不備があった 16 (4.8%) 64 (4.4%) 連携ができていなかった 29 (8.6%) 77 (5.3%) 患者への説明が不十分であった ( 怠った ) 5 (1.5%) 19 (1.3%) 判断を誤った 3 (0.9%) 36 (2.5%) 知識が不足していた 8 (2.4%) 113 (7.7%) 技術 手技が未熟だった 3 (0.9%) 24 (1.6%) 勤務状況が繁忙だった 1 (0.3%) 82 (5.6%) 通常とは異なる身体的条件下にあった 1 (0.3%) 2 (0.1%) 通常とは異なる心理的条件下にあった 0 (0.0%) 1 (0.1%) その他 ( ヒューマンファクター ) 15 (4.5%) 83 (5.7%) コンピュータシステム 11 (3.3%) 70 (4.8%) 医薬品 10 (3.0%) 50 (3.4%) 施設 設備 1 (0.3%) 6 (0.4%) 諸物品 0 (0.0%) 0 (0.0%) 患者側 25 (7.4%) 64 (4.4%) その他 ( 環境 設備機器 ) 5 (1.5%) 24 (1.6%) 教育 訓練 6 (1.8%) 37 (2.5%) 仕組み 6 (1.8%) 24 (1.6%) ルールの不備 3 (0.9%) 11 (0.8%) その他 77 (22.9%) 251 (17.2%) 合計 336(100.0%) 1,460 (100.0%) 発生要因は複数回答が可能である 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が100.0 にならないことがある Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 発生要因としては 確認を怠った が110 件 /336 件 (32.7%) 連携ができていなかった が29 件 /336 件 (8.6%) 患者側 が25 件 /336 件 (7.4%) と多かった 疑義照会の事例全体では 確認を怠った が 419 件 /1,460 件 (28.7%) 知識が不足していた が113 件 /1,460 件 (7.7%) その他 ( ヒューマンファクター ) が 83 件 /1,460 件 (5.7%) 勤務状況が繁忙だった が82 件 /1,460 件 (5.6%) などであった

212 7 例た Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 (3) 薬剤削除の主な事例の内容 主な事例の内容や発生要因 処方された医薬品名等を以下に示す 図表 5-8 主な事例の内容 発生要因 医薬品名 事例の内容等 事例 1 確認を怠った 処方された医薬品セルニルトン錠 ( 事例の内容 ) 今回 セルニルトン錠の処方があった 入院中にセルニルトン錠を服用したところ 蕁麻疹の出現により中止になったことを聴取した 処方医に問 Ⅲ い合わせたところ セルニルトン錠は処方中止と なった ( 背景 要因 ) 入院中にセルニルトン錠の服用で蕁麻疹が出て中止となった記録を 今回の処方医が確認できていなかった ( 改善策 ) 未記載 5 6 ジスロマック錠 250mg ジスロマック錠 250mg 2 錠分 1 夕食後 14 事例 2 知識が不足していた 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) 日分の処方を受け付けた しかし 3 日前にもジ 疑スロマックが処方されていたため疑義照会を行っ た結果 ジスロマック錠 250mgは削除となっ た ( 背景 要因 ) 医師がジスロマックの用法について知らなかっ ( 改善策 ) 疑義照会の際 医師にジスロマックの用法 用量 について説明した 義照会に関する事 事例 3 患者側 処方された医薬品ザイザルシロップ0.05% ( 事例の内容 ) 皮膚科からザイザルシロップ0.05% の処方があった お薬手帳によると 他の医療機関からアレロック顆粒が継続して処方されており 現在も服用している事を患者に確認した 皮膚科に問い合わせた結果 ザイザルシロップ0.05% が削除となった ( 背景 要因 ) 患者がお薬手帳を医療機関で見せていなかった 医療機関側も確認していなかった ( 改善策 ) 患者に医療機関に受診した際にお薬手帳を提出してもらう 医療機関側からも声かけが必要である

213 (4) 疑義があると判断する契機となった情報 疑義があると判断した理由 の項目で 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 ま たは 上記以外で判断 が選択した事例では 処方せん以外の何らかの情報が契機となって疑義 照会が行われた内容が報告されている 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 と 上 記以外で判断 が選択されていた事例 237 件について 報告された 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 疑義があると判断する契機となった情報を抽出し 図表 5-9に示す 図表 5-9 疑義があると判断する契機となった情報 疑義があると判断する契機となった情報 件数 同一 同効薬の重複 87 薬局で管理している情報と処方内容との相違 22 患者の疾患 病態 17 薬局で管理している情報 副作用歴 残薬の有無 5 処方歴の有無 4 医薬品の相互作用 3 患者が理解している内容と処方内容との相違 12 副作用歴 11 同一 同効薬の重複 7 患者との会話 残薬の有無 6 43 患者の疾患 病態 5 授乳婦 1 医薬品の相互作用 1 同一 同効薬の重複 33 お薬手帳 医薬品の相互作用 3 38 お薬手帳の内容と処方内容との相違 2 患者アンケート 授乳婦 2 2 合 計 232 疑義があると判断する契機となった情報が複数含まれる事例がある Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 疑義があると判断する契機となった情報のうち 薬局で管理している情報 によって疑義照会に至った事例の件数が149 件と最も多かった 次いで 患者との会話 がと43 件 お薬手帳 が38 件などであった また 同一 同効薬の重複 が契機となった事例は 薬局で管理している情報 患者との会話 お薬手帳 を併せると127 件であった 薬剤削除 に特徴的な事例として 残薬の有無 が契機となった事例が 11 件報告された 11 件はいずれも残薬があるために疑義照会をして処方が削除となった事例であった 残薬が発生した要因としては 自己調節をしていたこと 症状が変わらないので自己判断で内服を中止したこと 頓服薬が処方されたが該当する症状が出現しなかったこと 食事は1 日 2 回だがボグリボース

214 スピリンが削除となった Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 が1 日 3 回で処方されていたことなどが記載されていた 疑義があると判断する契機となった情報が記載されていた主な事例の内容や疑義があると判断し た理由 処方された医薬品名を併せて次に示す 図表 5-10 疑義があると判断する契機となった情報が記載されていた主な事例 契機となった情報 医薬品名 事例の内容等 事例 1 同一 同効薬の重複 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) ムコダイン錠 250mg 定時処方でムコダイン錠 250mg 3 錠 / 日服 Ⅲ 用中の患者が風邪で受診し ムコダイン錠 250 mg 3 錠 / 日が処方された 処方量に問題はな かったが 1 回量を500mg(250mgを 錠 ) にして服用するのか判断がつかず 疑義照会した 重複のため 風邪で処方されたムコダイン錠 250mgが削除となった ( 背景 要因 ) 定時処方の内容を確認していなかった ( 改善策 ) 臨時処方が出た場合には 定時処方や他科での処 6 方の内容を確認する 7 疑 事例 2 同一 同効薬の重複 処方された医薬品バイアスピリン錠 100mg ( 事例の内容 ) 患者にバイアスピリン錠 100mgが処方されたが お薬手帳を確認したところ他院にてタケルダ配合錠が処方されていた 疑義照会をしてバイア 例( 背景 要因 ) 処方医は 患者が提出したお薬手帳をしっかり確認していなかった 処方医の話では タケルダ配合錠は配合剤のため成分の重複を見落としたとの事であった ( 改善策 ) 併用薬の確認を徹底する 義照会に関する事

215 契機となった情報 医薬品名 事例の内容等 事例 3 薬局で管理している情報と処方内容との相違 処方された医薬品ブロプレス錠 8 ( 事例の内容 ) 前回の処方を交付した数日後に カリウムの数値が高くなっているため ブロプレス錠 8を抜いて再度一包化し直す指示があり 一包化し直して渡した 今回の処方でブロプレス錠 8が処方されていたため疑義照会を行ったところ ブロプレス錠 8は削除となった ( 背景 要因 ) 前回処方後にブロプレス錠 8が中止になっていたことを確認しないまま 前回処方と同じ内容を処方したと考える ( 改善策 ) 今までの経過や薬歴の記載事項の確認を確実に行う 事例 4 患者の疾患 病態 処方された医薬品アーチスト錠 1.25mg ( 事例の内容 ) 喘息患者に禁忌であるアーチスト錠 1.25mg が処方されたため疑義照会したところ 削除となった ( 背景 要因 ) 心臓疾患のみに目が行き アーチスト錠に禁忌疾患があることを見落としていたと思われる ( 改善策 ) β 遮断作用がある薬が処方された場合には 既往症をよく確認してから調剤 交付を行う 事例 5 患者の疾患 病態 処方された医薬品セレスタミン配合錠 ( 事例の内容 ) 前立腺肥大症でユリーフを服用中の患者に 花粉症でセレスタミン配合錠が追加で処方された セレスタミン配合錠は前立腺肥大症の患者に禁忌のため疑義照会し 削除となった ( 背景 要因 ) 患者が治療中の疾患について 処方医の確認が十分でなかったと推測される ( 改善策 ) 疾病禁忌の薬剤を把握し 処方されている場合には今後も疑義照会を行う Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

216 例するかも確認する Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 契機となった情報 医薬品名 事例の内容等 事例 6 残薬の有無 処方された医薬品ボグリボース錠 0.2mg サワイ ( 事例の内容 ) 食事が1 日 2 回のため 1 日 3 回で処方されているボグリボース錠 0.2mg サワイ が1か月分たまっていることが 聞き取りからわかった 疑義照会により削除となった ( 背景 要因 ) 未記載 ( 改善策 ) Ⅲ 未記載 (5) 薬局から報告された主な改善策 疑義照会の事例は 薬剤師が処方に関して疑義があると判断し 医療機関に問い合わせを行ったことで処方が修正され 医療事故を未然に防ぐことができた事例が多く含まれている これらの事例において 薬局から報告された改善策は他の薬局においても参考になると思われるため 主なものを整理して図表 5-11に示す 5 6 図表 5-11 薬局から報告された主な改善策 1 患者インタビュー 7 疑 調剤前の患者インタビュー時に併用薬の確認を徹底する 患者の症状を確認し 処方内容が妥当かどうかを確認する 2 薬剤服用歴等の確認 薬歴に記載されている患者の疾患名と禁忌となる医薬品の確認を徹底する 医薬品の追加 変更があった際には 医薬品同士の禁忌 相互作用だけではなく 禁忌疾患に該当 義照会に関する事3 コンピュータシステム 併用禁忌や警告がある場合には 入力時にその情報がポップアップされるようにする 緑内障など抗コリン薬が禁忌の患者に レセコンで抗コリン薬を入力した際にエラーが出るように設定する 4 記載の徹底 副作用が発生した場合には 薬歴やお薬手帳に必ず記載する 5 患者への指導 診察時に毎回お薬手帳を医師に見せるよう患者に伝える 副作用が疑われる時には医師 薬剤師に報告するよう 患者に啓発活動を行う (6) 共有すべき事例 で取り上げた事例本事業では 特に重要で周知すべきと考えられる事例を 共有すべき事例 として 総合評価部会の委員による 事例のポイント を付して公表している 共有すべき事例で取り上げた事例の中から 疑義照会により薬剤削除となった事例を紹介する

217 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2013 年 11 月事例 4 事例の内容等 ( 事例の内容 ) 当該患者に 般 ロキソプロフェンNa 錠 60mg( 他 3 剤 ) が処方された レセプトコンピュータに入力する際にロキソプロフェンNa 錠 60mgにチェックがかかり さらに薬歴の患者情報を見ると ロキソニン錠 60mgで悪心 の記録があったため疑義照会し 般 ロキソプロフェンNa 錠 60mgが削除となった ( 背景 要因 ) レセプトコンピュータにおいて患者の体質の欄に 副作用のあった薬についてチェックがかかるように設定しておいたため 入力をした事務員でも気付けた また その理由についてもきちんと薬歴に記載があったため あいまいな疑義照会とならずに済んだ ( 薬局が考えた改善策 ) 未記載事例のポイント レセプトコンピュータによるチェックが役に立った事例である 副作用歴などの重要な患者情報に関しては このような複数のステップの複数の情報源によるダブルチェックが望ましい 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2014 年 5 月事例 4 事例の内容等 ( 事例の内容 ) プラビックス錠 75mg バイアスピリン錠 100mgの併用からコンプラビン配合錠への処方切り替えと思われる処方だったが プラビックス錠 75mgがそのまま処方されていた 薬剤師が気付き 疑義照会を行いプラビックス錠 75mgが処方削除となった ( 背景 要因 ) 電子カルテからのオーダリング処方のため 前回データがそのまま残ってしまったと思われる ( 薬局が考えた改善策 ) 未記載その他の情報コンプラビン配合錠の成分 : クロピドグレル硫酸塩 アスピリン事例のポイント 配合剤でのヒヤリ ハット事例である 配合剤の場合 名称から何と何の合剤であるか判別できない 新発売の配合剤が処方された時には 特に留意が必要である 元の処方の2 種類の医薬品が 配合剤処方時に合剤 1 剤にならなければならないにもかかわらず 処方医が消し忘れる事例もある また相互作用などもしっかりと元の医薬品から推測する事も重要である Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

218 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報共有すべき事例 ( 事例番号 : )2014 年 7 月事例 6 事例の内容等 ( 事例の内容 ) 妊娠後期の患者にブルフェン錠 200 ドンペリドン錠 10mg 日医工 が処方された 妊婦に禁忌のため疑義照会を行った 両薬剤とも削除となった ( 背景 要因 ) 妊婦に禁忌となる薬剤であることを把握せずに処方した ( 薬局が考えた改善策 ) 未記載事例のポイント 妊婦を禁忌としている医薬品が少なくない Ⅲ 通常は 受診の際に医師による確認がなされているはずであるが 本事例のような医薬品が処方されることがある 本事例のような医薬品が女性に処方された際には 処方せんを受け付けた時点で必ず妊娠の有無を確認す 1 ることが望まれる 疑例義照会に関する事

219 2. 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例の分析 1) 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例の考え方疑義照会に関する事例では 処方医に疑義照会した結果 処方が変更された事例などを取り上げて分析しているが その他に 疑義照会を行うべきであったが行わなかった事例も報告されている これは 調剤における監査のエラーであることから 事例収集項目の事例の概要は 疑義照会 ではなく 調剤 が選択され その内容は 処方せん監査間違い が選択される これらの事例の中には疑義照会と密接に関連する事例が含まれているため 疑義照会はしていないが その後 疑義が生じ処方医に確認した事例 や 疑義照会の必要はないと判断したために疑義照会をしなかったが 調剤後に疑義照会すべきであったことがわかった事例 などを 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例 として事例を抽出し 分析を行った 図表 5-12 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例の考え方 疑義照会 の事例処方せん監査 疑義ありと判断 疑義照会 処方変更 調剤 鑑査 交付 調剤( 処方せん監査間違い ) の事例処方せん監査 疑義なしと判断 調剤 鑑査 交付疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例 疑義照会はしていないが その後 疑義が生じ処方医に確認した事例 疑義照会の必要はないと判断したために疑義照会をしなかったが 調剤後に疑義照会すべきであったことがわかった事例 2) 報告件数 (1) 報告件数 2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日までに報告されたヒヤリ ハット事例のうち 事例の概要 が 調剤 で 事例の内容が 処方せん監査間違い を選択したヒヤリ ハット事例を抽出した これらの事例のうち 事例の内容 背景 要因 改善策 の内容に疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じたことが記載されている事例を本分析の対象とした 処方せん監査間違い の事例 186 件中 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例は150 件 (80.6%) であった Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 図表 5-13 報告件数 報告件数 ヒヤリ ハット事例 4,779(100.0%) 調剤に関する事例 3,727 (78.0%) 処方せん監査間違いに関する事例 186 (3.9%) 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例 150 (3.1%)

220 7 例た医薬品を集計し そのうち複数回報告された医薬品名および主な薬効を図表 5-15に示す Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 (2) 発生場面と実施の有無 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例を 発生場面 と医薬品の交付の有無を示 す 実施の有無 について集計を行った 図表 5-14 発生場面と実施の有無 ( 単位 : 件 ) 実施の有無 発生場面 実施あり 実施なし 合計 内服薬調剤 外用薬調剤 Ⅲ 注射薬調剤 その他の調剤に関する場面 合 計 発生場面別に見ると 150 件中 内服薬調剤 が133 件 (88.7%) 外用薬調剤 が 11 件 (7.3%) 注射薬調剤 が4 件 (2.7%) その他の調剤に関する場面 が2 件 (1. 3%) であり 内服薬調剤 が特に多かった 患者に医薬品を交付したことを示す 実施の有無 は 実施あり が 135 件 /150 件 (90.0%) であった 発生場面ごとの 実施あり は 内服薬調剤 では 120 件 /133 件 (90.2%) 外用薬調剤 では 11 件 /11 件 (100.0%) であった 疑3) 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例の分析 (1) 事例で報告された関連医薬品 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例のうち 関連医薬品 の項目に記載され 義照会に関する事図表 5-15 複数回報告された医薬品名及び主な薬効 医薬品名主な薬効報告回数 ベルソムラ錠 15mg その他の中枢神経系用薬 3 アムロジピン OD 錠 2.5mg アメル 血管拡張剤 2 アムロジピン錠 2.5mg サンド 血管拡張剤 2 アムロジピン錠 5mg サンド 血管拡張剤 2 オノンドライシロップ 10% その他のアレルギー用薬 2 ガスター D 錠 10mg 消化性潰瘍用剤 2 カルボシステイン錠 250mg トーワ 去たん剤 2 クエン酸第一鉄 Na 錠 50mg サワイ 無機質製剤 2 クラリス錠 200 主としてグラム陽性菌 マイコプラズマに作用するもの グルベス配合錠糖尿病用剤 2 サイトテック錠 100 消化性潰瘍用剤

221 医薬品名 主な薬効 報告回数 セレコックス錠 100mg 解熱鎮痛消炎剤 2 タケプロンOD 錠 15 消化性潰瘍用剤 2 タリオン錠 10mg その他のアレルギー用薬 2 ネキシウムカプセル10mg 消化性潰瘍用剤 2 ネキシウムカプセル20mg 消化性潰瘍用剤 2 ノボラピッド30ミックス注フレックスペン その他のホルモン剤 ( 抗ホルモン剤を含む ) 2 ベルソムラ錠 20mg その他の中枢神経系用薬 2 ホクナリンテープ1mg 気管支拡張剤 2 ミカムロ配合錠 AP 血圧降下剤 2 メイアクトMS 錠 100mg 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 2 レバミピド錠 100mg EMEC 消化性潰瘍用剤 2 ワイドシリン細粒 20% 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 2 複数回報告された医薬品名では ベルソムラ錠 15mgが3 回と報告回数が多かった また ハイリスク薬では グルベス配合錠 ノボラピッド30ミックス注フレックスペンがそれぞれ2 回報告されていた (2) 疑義照会をすべきであった内容 報告された事例の 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 疑義照会をすべきであ ったと考えられた内容を整理し 図表 5-16に示す 図表 5-16 疑義照会をすべきであった内容 疑義照会をすべきであった内容 主な事例の内容 患者が持参した処方せんの医薬品を渡したが 処方せんが別人 患者氏名 のものであった 患者が同姓の他患者の処方せんを持参したが 気付かず調剤した 併用薬の確認を怠り 糖尿病の患者にクエチアピンを渡した 患者の病態 糖尿病患者であることに気付かず 追加処方になったセロクエ ル錠をそのまま交付した クラビットによる副作用( 薬疹 ) 歴がある患者に レボフロキ患者サシン錠が処方され そのまま調剤した 関連患者の副作用歴 ペニシリン系抗生物質で蕁麻疹の出たことがある患者にオーグ メンチン配合錠が処方されたが 鑑査不十分のまま渡した 患者の年齢 ペリアクチンが新生児に禁忌であることを見落として交付した 妊娠末期の患者に 妊娠末期の婦人に禁忌であるロキソニン錠 妊婦 授乳婦 を交付した レバミピドを交付後 患者が授乳婦であることに気付き 処方 医に連絡して処方が取消しとなった Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

222 例った背景 要因を整理し 図表 5-17に示す Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 疑義照会をすべきであった内容 主な事例の内容 相互作用 内科でベルソムラ錠 15mg 服用中の患者に 耳鼻科から禁忌薬のクラリスが処方され 調剤した 同一成分 同効薬の重複 定期薬にオメプラゾールが処方されている患者に対し 臨時でファモチジンが処方されたが そのまま交付した 用法 グルベス配合錠の用法が毎食後となっていたが 気付かなかった 14カプセルまでの投与制限がある新薬が処方されたが 制限 用量 に気付かなかった レンドルミンは30 日までという日数制限があることは理解し ていたが 36 日分処方されたことに気付かなかった Ⅲ 添付文書にて1 日 20mgまでのベルソムラ錠 20mgを2 錠医薬品 14 日で交付した 関連 医師はブルフェン錠 日 3 錠で処方するつもりであっ たが 間違えて処方せんにブルフェン錠 200と記載した 薬分量歴より前回はブルフェン錠 日 3 錠であったことに鑑査者 交付者は気付いたが 疑義照会せずそのまま交付した スピリーバ2.5μgレスピマット60 吸入を1 日 1 回 1 回 1 吸入で調剤し 交付後に通常用量が1 日 1 回 1 回 2 吸入であることに気付いた 5 通常 2 週に1 度の服用だが 処方医が服用日を書き間違えた投与日 6 ことに気付かなかった 7 定期処方のうち降圧剤の処方がないことを医療機関に確認しな処方漏れ 疑かった (3) 疑義照会を行わなかった背景 要因 報告された事例の 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 疑義照会が行われなか 義照会に関する事図表 5-17 疑義照会を行わなかった背景 要因 疑義照会を行わなかった背景 要因業務手順の不履行確認不足 主な事例の内容 前回と同じ処方内容であったため お薬手帳に記載されている医薬品との併用の可否について確認しなかった 患者を待たせていたことから 用法 用量の確認をしなかった 処方変更の際に用量の確認をしなかった 繁忙時であったため 副作用歴を確認しなかった 処方内容に疑問を持ったが 忙しい時間帯であったため 疑義照会しなかった 入力時 画面に日数制限エラーが表示されていたが 確認しなかった 処方せん監査の際に前回の処方内容との比較が十分に行われていなかった 薬歴へ禁忌の記載はされていたが 繁忙な時間帯だったため鑑査が甘くなった 患者にはメコバラミンが処方されていたが長期処方のため お薬手帳の最終記載ページから数ページ前に記載されており 重複に気付かなかった 処方せんのコメント 日付チェックが不十分であった 処方医薬品の多さもあり交付時の患者への確認が不十分であった

223 疑義照会を行わな主な事例の内容かった背景 要因 医療機関 Aを受診した8 日後に医療機関 Bを受診して同効薬が処方され 継続処方だと思い 交付した しかし 継続処方ではなかった 熟練の医師からの処方であったため 間違いはないであろうと思い込んだ 手書き処方せんで 処方量と処方日数の区切りに /( スラッシュ ) が入っていると思わず 処方日数が5 日分のところ 15 日分だと思い込んだ 思い込み ジェニナックの処方は分 1であるとの思い込みから 分 2で処方されていることに気付かなかった 同じ内容で処方が2 回出ていたため 疑義照会済みであると思い込んだ 胃薬は飲み合わせの問題がない 重篤な副作用は起こりにくいという思い込みから併用薬の確認をしなかった ゾルピデムは躁うつ病に伴う不眠症に適応がない事を知らなかった リボトリール細粒は規格が複数存在することを知らなかった 知識不足 処方された医薬品が新薬であると認識できず 制限日数(14 日分 ) を越えて処方されていることに気付かなかった ニザチジンがアシノンの一般名であることを知らず 重複に気付かなかった 紙薬歴であるため ページが変わる時に毎回分かりやすい位置に副作用歴を記載していたが 記載漏れがあった レセプトコンピュータの副作用チェックシステムが医薬品の販売名を入力すその他るタイプであり クラビット錠は入力していたが レボフロキサシン錠としては入力していなかったため チェックがかからなかった 施設に入所している患者に対しては初回アンケートを実施していなかった (4) 誤りに気付いた契機報告された事例の 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から誤りに気付いた契機を整理し 図表 5-18に示す 図表 5-18 誤りに気付いた契機 Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 誤りに気付いた契機交付後の確認薬剤服用歴記載時患者 家族からの問い合わせ等 主な事例の内容 交付した薬剤師本人が薬歴を確認して副作用歴に気付いた 交付後の処方内容を確認した際に 用法が 朝 1 日 1 回入浴後 とおかしいことに気付いた 調剤録の確認中にPPIとH 2 受容体拮抗剤が重複していることに気付いた 薬歴を記載しようとした時に 処方せんには3 錠分 2と書かれていたところ2 錠分 2と見間違って調剤したことに気付いた ペニシリン系抗生物質で蕁麻疹の出たことがある患者にオーグメンチン配合錠が処方されていたことに薬歴記載時に気付いた 薬歴記入の際にグルベス配合錠の用法が毎食後となっていたことに気付いた 処方通りに調剤 鑑査して患者へ交付した 10 日後に 以前の薬の量と違っていると患者から問い合わせがあった 処方せんのQRコードの入力では1 日 3 回両眼点眼の用法となっていたが 交付後に患者から電話があり 治療は左眼のみであることがわかった 内服後に具合が悪くなったと患者から問い合わせがあった

224 例クエチアピン錠 25mg ア 併用薬の確認を怠ったために 糖尿病の患者にクエチアピン錠 25mg Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 誤りに気付いた契機 主な事例の内容 医療機関からの連絡 ファムビル錠 250mg6 錠分 2の処方を交付した2 日後 処方医から4 錠分 2の間違いであったと連絡があった 他の薬局からの連絡 処方せんに記載されている用量が多かったがそのまま交付し 後日他の薬局から指摘があった 13 日後に患者が再び来局した際に 薬歴を見てムコサールドライシロップ 1.5% が重複していたことがわかった 前々回はツムラ人参湯エキス顆粒( 医療用 ) が処方され 前回はツムラ人参養 次回来局時の確認 栄湯エキス顆粒 ( 医療用 ) が処方されており 処方変更になったと思って ツ ムラ人参養栄湯エキス顆粒 ( 医療用 ) を調剤した 今回ツムラ人参湯エキス顆 Ⅲ 粒 ( 医療用 ) が再び処方されたので疑義照会したところ 前回のツムラ人参養 栄湯エキス顆粒 ( 医療用 ) が間違いであったことがわかった 1 その他 新薬で投与制限があることに気付かず処方通り交付したが 偶然訪れた製薬企業のMRから投与制限の話が出て間違いがわかった 2 3 4) 主な事例の内容 (1) ハイリスク薬の疑義照会を行わなかった事例疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例の中から 誤ったハイリスク薬が処方され 交付された事例を紹介する 7 疑図表 5-19 ハイリスク薬の疑義照会を行わなかった事例 医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等 事例 1 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) メル ( 精神神経用剤 ) アメル ( 禁忌薬 ) を渡した 幸い すぐに患者に連絡がつき 服用に至らなかった 後日 問い合わせを行い医薬品が変更になった ( 背景 要因 ) 患者がお薬手帳を持参せず 臨時処方であったため症状の聞き取りや薬 の説明等に時間がかかり 併用薬の確認を怠った 単純なミスであった ( 改善策 ) 新しい薬が出た時は初回量 併用薬との相互作用の確認を必ず行う 患 者へお薬手帳の活用を勧める 義照会に関する事

225 医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等 事例 2 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) テグレトール錠 200mg テグレトール錠 200mgを2 錠分 2で服用している患者に テグレト ( 抗てんかん剤 ) ール錠 100mg3 錠分 3が追加となった 増量後は1 日 700mgとなるが 問題ないと判断した 交付時 患者の代理人に 増量になるとテグレトール錠 100mg は聞いていない と言われたが 増量の旨を伝えて交付した 交付後 ( 抗てんかん剤 ) 別の薬剤師が薬歴を確認している際に 増量になるとは聞いていない の記録が気になり 処方医に問い合わせたところ テグレトール錠 100mg3 錠分 3のみを処方し 増量はなく減量したかったことがわかった すぐに患者に連絡し 正しい量になるように医薬品を回収した ( 背景 要因 ) 代理人から 増量になるとは聞いていない と聞いた時点で疑義照会が必要であったが 代理人であったため信用性が低いと思った ( 改善策 ) 交付時 患者本人だけでなく代理人を含めて 処方内容と患者の理解に乖離がある場合には必ず疑義照会する (2) 軽微な治療 が選択されていた事例疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例の中から 患者への薬の交付の有無を示す 実施の有無 を 実施あり 治療の程度 を 軽微な治療 と選択されていた事例を紹介する 図表 5-20 軽微な治療 が選択されていた事例医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等 事例 1 処方された医薬品 ( 事例の内容 ) ベルソムラ錠 15mg 内科から処方されているベルソムラ錠 15mgを服用中の患者に 耳鼻 ( その他の中枢神経系用薬 ) 科からクラリス錠 200が処方され 調剤した 患者は服用後にめまい ふらつき 嘔吐の症状が出現したため 薬局に連絡をした 調べたところ クラリス錠 200 両剤の組み合わせは併用禁忌であると分かった 患者は内科で点滴を受 ( 主としてグラム陽性菌 マけ 安静のあと回復した イコプラズマに作用するも ( 背景 要因 ) の ) ファックスで耳鼻科からの処方せんが送られてきたため 薬剤師は薬歴を確認して調剤した 患者の家族が薬を取に来た際にお薬手帳の提出があり 併用薬を薬剤師は記録したが この時点で併用禁忌に気付かなかった ( 改善策 ) 併用薬を薬歴に記録するとともに 併用禁忌薬の検索を徹底する Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

226 例 新しい薬が出た時は初回量 併用薬との相互作用の確認を必ず行う Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 医薬品名 ( 主な薬効 ) 事例の内容等 事例 2 処方された医薬品メイアクトMS 錠 100mg ( 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの ) ( 事例の内容 ) 患者は過去にトミロンで副作用があったが 気付かずに同じセフェム系抗生物質のメイアクトMS 錠 100mgを調剤した 内服後に具合が悪くなったと患者から問い合わせがあったため 処方医と連絡をとり患者 は総合病院へ運ばれた 症状はすぐ回復し 担当医師からは医薬品によ るものではないと診断された ( 背景 要因 ) 当薬局は紙薬歴であり ページが変わる時に毎回わかりやすい位置に副 Ⅲ 作用歴を記載していたが 数か月前から記載漏れがあり わかりづらくなっていた ( 改善策 ) 副作用情報の管理を徹底し 薬歴のページが変わる際には特に注意する ) 薬局から報告された主な改善策薬局から報告された主な改善策を図表 5-21に示す 4 図表 5-21 薬局から報告された主な改善策 患者への確認 薬剤師の主観でなく 患者からの情報を優先して判断を行う 一度聞いた話でも再度聞き取りをし そうであろうとは思わずしっかり確認する 7 患者本人に確認できない場合 自己判断せずにキーパーソンや処方医に確認する 疑 妊婦 授乳婦かどうかの確認を患者アンケートで行う 2 薬歴等の確認 薬歴の体質 副作用欄を必ず確認する 併用薬を薬歴に記録するとともに 併用禁忌薬があるかどうかの確認を徹底する 臨時薬が処方された時は 処方監査の時点から定期薬との併用の確認を徹底する レセプトコンピュータに警告サインが出た場合には 必ず添付文書を確認する 義照会に関する事3 薬歴の記載 禁忌事項は赤字で記載する 患者は耳が遠く 聴こえていなくても返事をする可能性があるため 薬歴に耳が遠いことを記載して注意喚起した 4 コンピュータシステム レセプトコンピュータにおいて アミティーザは食後に服用する注意喚起が印字されるようにした 5 調剤室内の表示 年齢別に投与量が異なる医薬品の一覧表を棚に貼り 繁忙時でも確認する 年齢により服用投与量が変わる医薬品の棚に添付文書の用法 用量の部分を切り取ったものを貼り 確認しやすくした 新薬の投与日数制限に関して 鑑査台に新薬の一覧表を設置した 食事に影響を受ける医薬品について 医薬品箱に札を付けて注意喚起する エパルレスタット錠の箱の外側に 食前 と注意を書いたシールを貼り食前投与の注意を促す アミティーザの箱に 食後服用 の注意喚起の札を付けた ザジテンシロップのラベルに てんかん禁忌 と赤字で記載した

227 6) 共有すべき事例 で取り上げた事例本事業では 特に重要で周知すべきと考えられる事例を 共有すべき事例 として 総合評価部会の委員による 事例のポイント を付して公表している 共有すべき事例 で取り上げられた事例の中から 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例を紹介する 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2015 年 4 月事例 2 事例の内容等 ( 事例の内容 ) 処方せんには アムロジピン錠 2.5mg サンド 1 錠分 1 朝食後 56 日と印字されていた 処方通りに調剤 鑑査して患者に交付した 10 日後に患者本人から 以前の薬の量と違っていることについて 来局して確認があった 処方した医療機関に疑義照会をしたところ カルテでは変更がなく アムロジピン錠 5mg サンド で記載されていたことがわかり 間違いがわかった ( 背景 要因 ) 薬局の前にある医療機関からの処方せんであり 電子カルテによる自動オーダリングでなく 医師の指示が出ると処方せんに印字されるシステムになっている 日頃から処方せんの入力間違いが多く その都度 疑義照会をして対応している 当薬局でも医療事務がレセプトコンピュータの入力を行っているが その医療機関の処方せんの印字で 前回と変更がある場合には患者へインタビューした後に疑義照会の是非を判断するよう職員間で申し合せているが 守られていなかった 薬剤師の処方薬を交付する時の確認が最後の砦であるが 血圧の状況確認や PPIの処方中止についての話が中心となりに 肝心の降圧剤の規格の変更に気付かなかった ( 薬局が考えた改善策 ) 処方せん受付時や処方入力時に用量の変更に気付いたら 必ず疑義照会することを徹底する 医療機関側にも 処方入力の確認がなされているか確認をする 事例のポイント 薬局内における疑義照会の方法が徹底されなかった事例である 応需する処方せんの形式 ( 手書きや電子 ) などによって 発行医療機関への疑義照会など その手順などをルール化して徹底することが必要である Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 7) 医療事故情報収集等事業に報告された事例医療事故情報収集等事業に報告された事例には 患者に何らかの影響を及ぼした事例が含まれることから これらの事例を薬局においても共有し 同種の医療事故が起こらないように注意することは 医療安全を推進するために有用であると考えられる 医療機関から同事業に報告された医療事故事例のうち 保険薬局で疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例を紹介する これらの事例は同事業の 公開データ検索 1) で公開され 第 44 回報告書 (2016 年 3 月公表 ) の 再発 類似事例の発生状況 において 併用禁忌の薬剤の投与 ( 医療安全情報 No.61) について 2) (161 頁 ) で紹介されている

228 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報図表 5-22 医療事故情報収集等事業に報告された事例 事例 1 イムランとフェブリクの併用禁忌について疑義照会が行われなかった事例 事故の内容 院外の医師が クローン病のためイムラン錠 50mgを処方している患者に対し フェブリク錠 10mgを追加処方した 患者の血小板が4ヶ月で16 万から7 万に低下したため 翌月になり 院外医師から当院血液内科に汎血球減少の精査目的で紹介された 紹介を受けた血液内科医が服用中の処方内容を確認したところ 併用禁忌薬を服用したことによる骨髄抑制の副作用であることが判明した 事故の背景要因の概要 患者の処方は 次の通り 1. ガスター D 錠 20mg 1 錠朝食後 2. バクタ配合顆粒 1g 朝食後 Ⅲ 3. ペンタサ3000mg 分 3 毎食後 4. イムラン錠 50mg 1.5 錠朝食後 5. ガスロンN 錠 2mg 2 錠分 フェブリク錠 10mg 1 錠朝食後院外の医師は イムランとフェブリクが併用禁忌であることを把握していなかった イムランとフェブリク 2 は同一処方せんに記載されていたが 保険薬局の薬剤師も気付かず 疑義照会を行わなかった フェブリク 3 は比較的新しい薬であり 処方する医師や調剤する薬剤師に禁忌薬についての十分な情報提供がされていない可能性がある 4 改善策 5 当院において 以前にも腎移植後にイムランを服用している患者にフェブリクが処方されるという同様の事 6 例を経験している その際にも保険薬局が関わっているが 疑義照会は実施されていない 当院では 併用禁忌薬を処方した際に 併用禁忌であることを知らせるアラートが出る仕組みとした アラート表示が出て 7 も医師はそのまま処方することが可能であるが 院内の薬局の部門システムには 併用禁忌薬がある処方せ 疑んを確認してから発行するシステムがある しかし 他の施設では 併用禁忌であることの認識が低い可能性もあり メーカーからの情報提供は必須と考える 事例 2 ワーファリンとケアラムの併用禁忌について疑義照会が行われなかった事例 事故の内容 例他院でワーファリンを処方され内服中 ( 大動脈弁置換術後 ) だったが 関節リウマチによる関節炎が再燃したため 外来でケアラム錠 25mgを処方した 保険薬局で処方薬が交付され 患者は併用禁忌であるワーファリン (1.5mg) とケアラム (25mg) を内服した 約 1ヶ月後に発語障害 見当識障害 (JCS: 1-3) 貧血を認め 本院 ERセンターに救急搬送され 急性硬膜下血腫と診断され緊急入院となった P T-INRの延長を認め ケアラムによるワーファリン過剰作用によるものと考えられ ケアラム ワーファリンの投与を中止して ビタミンK FFP MAPなどの輸血にて対応し PT-INR 値をモニタリングしながら頭部 CT MRIで保存的に経過観察を行った 血腫の拡大はなく意識レベルは徐々に改善し ADLも改善したが 軽度の高次脳機能障害を疑う所見があるため リハビリを開始した また 弁置換術後の抗凝固療法の継続も必要なため 膠原病 リウマチ内科を主科として脳神経外科や循環器内科が併診し ケアラムの血中濃度が低値となったことを確認し ワーファリン再開し慎重に経過観察中である 事故の背景要因の概要 外来主治医は本患者が他院でワーファリンを処方され内服中であったこと ケアラムとワーファリンは相互作用で重篤な出血をきたす報告があり併用禁忌であることの知識は持っていたとのことであった また 本院のオーダリングシステムではブルーレターで通知があった薬剤については 警告文書 のアラート機能が働くことになっており ケアラム を処方入力時にも ケアラム錠はワルファリンとの相互作用による出血死亡例が報告されブルーレターが出ています との警告文書が表示されていたが 多忙な外来業務 ( 予約受診が多かったうえ 新患患者もあり ケアレスミスを起こしやすい環境だった ) で ワーニングを乗り越えて処方した また 他院で処方されていたワーファリン処方も同一の保険薬局であったが 疑義照会はなく調剤され チェック機能が働かなかった 義照会に関する事

229 改善策 ワーファリン内服中であることが判明した時点で電子カルテのアレルギー禁忌薬欄にケアラムを入力し処方できないようにする 外来にブルーレター イエローレターの情報をポスター掲示する ケアラム処方時に患者 家族にもワルファリンとの併用禁忌の説明文書を渡し 患者 家族もチェックに参加できるようにする 多忙な外来業務においては早めにサポート体制の強化を診療科全体で実施する 保険薬局と本事例の背景要因と対策を情報共有するとともに 保険薬局での監査システム機能の強化も依頼する 本事例はリスクマネージャー会議および安全管理委員会にて警鐘事例として提示 再発防止策を周知した ( 医療事故情報収集等事業ホームページ 公開データ検索 1) より 事例検索して引用 ) 3. まとめ平成 21 年年報 ~ 平成 26 年年報に引き続き 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例を分析した 本年報では 疑義照会の事例および疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例について分析した 疑義照会の事例では 疑義照会の結果 薬剤削除となった事例を中心に分析を行った 事例の発生要因として 確認を怠った 連携ができていなかった 患者側 が多かったこと 疑義があると判断する契機となった情報として 薬局で管理している情報 患者との会話 お薬手帳 から 同一 同効薬の重複 について疑義照会をした事例の報告が多かったことを示した 薬剤服用歴やお薬手帳など 処方せん以外の情報も活用して処方監査するとともに 患者にお薬手帳の使用の意義を説明し 医療機関や薬局での重要な情報源となることについて理解を促すことが重要である さらに 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例について 疑義照会をすべきであった内容 疑義照会を行わなかった背景 要因 誤りに気付いた契機を分析した さらに ヒヤリ ハット事例の具体的な事例や 医療事故情報収集等事業に報告された事例を紹介した 薬剤師法第 24 条では 薬剤師は 処方せん中に疑わしい点があるときは その処方せんを交付した医師 歯科医師又は獣医師に問い合わせて その疑わしい点を確かめた後でなければ これによって調剤してはならない と規定されており 疑義照会は薬剤師の重要な業務である さらに 厚生労働省が2015 年 10 月に示した 患者のための薬局ビジョン において かかりつけ薬剤師は 医師の処方内容をチェックし適切に調剤を行うが 処方せんに疑義がある場合は 処方医に対して疑義照会を行うことをはじめとして 患者とのやりとりを通じて入手した情報をもとに 必要に応じ 処方医に対して処方提案を実施することが必要であるとされている 安全で有効な薬物療法の実施における薬剤師の役割はきわめて大きく 適切な疑義照会を実施するために本分析を活用していただきたい Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

230 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報事例から学ぶ 5 疑義照会に関する事例 事例の内容今回 セルニルトン錠の処方があった 患者から 以前入院中にセルニルトン錠を服用したところ蕁麻疹が出たため 服薬中止になったことを聴取した 処方医に問い合わせたところ セルニルトン錠は処方中止となった 背景 要因入院中にセルニルトン錠の服用で蕁麻疹が出現し服薬中止となった記録を 外来の処方医が確認できていなかった 事例が発生した薬局の改善策未記載 この他にも事例が報告されています 糖尿病と前立腺肥大の疾患を持つ患者が 手足のしびれを訴えたため 糖尿病性神経障害の治療としてサインバルタカプセル20mgが処方された 患者は特に夜間頻尿に悩んでいる様子であったため サインバルタによる頻尿の症状悪化の可能性を考慮し 医師に疑義照会したところ 処方削除となった * サインバルタカプセル20mgの添付文書 使用上の注意 1. 慎重投与 (1) 前立腺肥大症等排尿困難のある患者 [ ノルアドレナリン再取り込み阻害作用により症状が悪化することがある ] 例Ⅲ 疑義照会に関する事 当薬局に新規に訪れた患者にバイアスピリン錠 100mgが処方されたが お薬手帳を確認したところ他院からタケルダ配合錠が処方されていた 疑義照会し バイアスピリン錠 100mgが削除となった * タケルダ配合錠はアスピリン / ランソプラゾール配合錠である 1ヶ月前にアミティーザカプセル24μgが処方された その17 日後の受診時には特に問題がなく 継続で処方が出ていた 今回 患者本人から 下痢症状がひどくなり服用を中止していたため 残薬があることを聴取した 患者は受診時に処方医にその旨を相談したが 処方せんの変更はなく定期薬と同じ日数が処方されていた 処方医に疑義照会したところ アミティーザカプセル24μgは処方削除になった

231 疑義照会を行った事例が多く報告される一方で 処方内容に誤りがあったが 疑義照会されることなく交付された事例も報告されています 内科から処方されたベルソムラ錠 15mgを服用している患者に 耳鼻科からクラリス錠 200が処方され 薬剤師は調剤し交付した 患者は服用後にめまい ふらつき 嘔吐の症状が出現したため 薬局に連絡をした 調べたところ 両剤の組み合わせは併用禁忌であると分かった 患者は内科で点滴を受け 安静のあと回復した 疑義照会に関するポイント 患者のための薬局ビジョン が昨年厚生労働省から示され 薬局が患者の服薬情報の一元的継続的管理指導を実施していく中で 疑義照会はさらにも増して重要な業務と位置づけられた 患者の副作用歴 他院で処方された併用薬や健康食品などを確認することで得られた情報から 適切な疑義照会を実施する 患者の疾患歴や副作用歴等から禁忌薬および注意を必要とする医薬品を確認し 処方医に情報提供するとことで 患者の不利益を回避し 適切な処方提案を行うことが重要である 最近は配合剤の販売が増え その後発医薬品も発売されてきている 配合剤の処方は 成分の重複や併用禁忌を見落としやすく 処方した医師も把握できていない場合がある 次々に新医薬品が発売されるが 初めて取り扱う医薬品の禁忌などの情報を認識しないまま調剤を行うと 適切な処方監査が行えず 医療事故につながる可能性がある 医薬品情報は常に更新し 適切な疑義照会ができるよう自己研鑽することが重要である Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

232 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 薬局ヒヤリ ハット分析表 2015 年 ❺ 疑義照会に関する事例 ( 薬剤削除 ) 疑義があると判断する契機となった情報 ヒヤリ ハット事例のうち 疑義照会 に関する事例が 1,040 件報告され このうち 変更内 容が 薬剤削除 であった事例が270 件ありました ( 集計期間 :2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) 疑義があると判断した理由 の項目で 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 または 上 記以外で判断 が選択されていた事例に記載されていた 疑義があると判断する契機となった情報 の内容を以下に示します 疑義があると判断する契機となった情報 件数 同一 同効薬の重複 87 薬局で管理している情報と処方内容との相違 22 患者の疾患 病態 17 薬局で管理して副作用歴 11 いる情報残薬の有無 処方歴の有無 4 医薬品の相互作用 3 患者が理解している内容と処方内容との相違 12 副作用歴 11 同一 同効薬の重複 7 患者との会話 残薬の有無 6 43 患者の疾患 病態 5 Ⅲ 疑義照会に関する事授乳婦 1 医薬品の相互作用 1 同一 同効薬の重複 33 お薬手帳 医薬品の相互作用 3 38 お薬手帳の内容と処方内容との相違 2 患者アンケート 授乳婦 2 2 合 計 疑義照会に関するヒヤリ ハット事例は 医療機関で発生した処方の誤りを薬局で発見した事例を含む 2 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 209 頁図表

233 薬局ヒヤリ ハット分析表 2015 年 ❺ 疑義照会に関する事例疑義照会を行わなかった事例 ヒヤリ ハット事例のうち 疑義照会を行わなかったがその後疑義が生じた事例が150 件報告されています ( 集計期間 :2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) 報告された事例に記載されていた疑義照会をすべきであった内容を以下に示します 疑義照会をすべきであった内容 患者関連 医薬品関連 患者氏名 患者の病態 患者の副作用歴 患者の年齢 妊婦 授乳婦 相互作用 同一成分 同効薬の重複用法 用量 分量 投与日 処方漏れ 主な事例の内容 患者が持参した処方せんの医薬品を渡したが 処方せんが別人のものであった 患者が同姓の他患者の処方せんを持参したが 気付かず調剤した 併用薬の確認を怠り 糖尿病の患者にクエチアピンを渡した 糖尿病患者であることに気付かず 追加処方になったセロクエル錠をそのまま交付した クラビットによる副作用( 薬疹 ) 歴がある患者に レボフロキサシン錠が処方され そのまま調剤した ペニシリン系抗生物質で蕁麻疹の出たことがある患者にオーグメンチン配合錠が処方されたが 鑑査不十分のまま渡した ペリアクチンが新生児に禁忌であることを見落として交付した 妊娠末期の患者に 妊娠末期の婦人に禁忌であるロキソニン錠を交付した レバミピドを交付後 患者が授乳婦であることに気付き 処方医に連絡して処方が取消しとなった 内科でベルソムラ錠 15mg 服用中の患者に 耳鼻科から禁忌薬のクラリスが処方され 調剤した 定期薬にオメプラゾールが処方されている患者に対し 臨時でファモチジンが処方されたが そのまま交付した グルベス配合錠の用法が毎食後となっていたが 気付かなかった 14カプセルまでの投与制限がある新薬が処方されたが 制限に気付かなかった レンドルミンは30 日までという日数制限があることは理解していたが 36 日分処方されたことに気付かなかった 添付文書にて1 日 20mgまでのベルソムラ錠 20mgを2 錠 14 日で交付した 医師はブルフェン錠 日 3 錠で処方するつもりであったが 間違えて処方せんにブルフェン錠 200と記載した 薬歴より前回はブルフェン錠 日 3 錠であったことに鑑査者 交付者は気付いたが 疑義照会せずそのまま交付した スピリーバ2.5μg レスピマット60 吸入を1 日 1 回 1 回 1 吸入で調剤し 交付後に通常用量が1 日 1 回 1 回 2 吸入であることに気付いた 通常 2 週に1 度の服用だが 処方医が服用日を書き間違えたことに気付かなかった 定期処方のうち降圧剤の処方がないことを医療機関に確認しなかった Ⅲ 疑義照会に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 217 頁図表

234 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報参考資料 1) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 公開データ検索. med-safe.jp/mpsearch/searchreport.action( 参照 ). 2) 公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業. 第 44 回報告書 参照 ). Ⅲ 疑例義照会に関する事

235 6 共有すべき事例 の再発 類似事例 はじめに本事業では 報告されたヒヤリ ハット事例の中から 特に 広く医療安全対策に有用な情報として共有することが必要であると思われる事例を 総合評価部会委員によって 共有すべき事例 として選定し 委員からの意見 事例のポイント を付してホームページに掲載している しかし 一度注意喚起したことによって同種の事例の発生がなくなることは容易ではないことから 基本的で重要と考えられる内容を繰り返し情報提供することが必要であると思われる そこで 平成 23 年年報 ~ 平成 26 年年報では それまでに提供してきた 共有すべき事例 を整理し それらの再発 類似事例を紹介して注意喚起を行った 本年報においても 引き続き 共有すべき事例 の再発 類似事例について分析を行った 本年報では 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 に関する 共有すべき事例 を取り上げ 2015 年に報告された再発 類似事例の内容を紹介するとともに 関連する医薬品について整理して掲載した 1. 共有すべき事例 の選定状況 2009 年 ~2015 年に提供した 共有すべき事例 は315 件であった 共有すべき事例 に選定された事例の概要と発生場面について集計し 図表 6-1に示す 図表 6-1 共有すべき事例 の選定状況(2009 年 ~2015 年 ) 事例の概要 発生場面 件数 内服薬調剤 130 (41.3%) 調剤 外用薬調剤 18 (5.7%) 注射薬調剤 6 (1.9%) 調剤 その他の調剤に関する場面 11 (3.5%) 管理 内服薬管理 9 (2.9%) 外用薬管理 2 (0.6%) 交付 交付 21 (6.7%) 疑義照会 116 (36.8%) 特定保険医療材料 0 (0.0%) 医薬品の販売 2 (0.6%) 合計 315(100.0%) Ⅲ 共有すべき事例 の再発 類平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析似事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 また これらの 共有すべき事例 の内容を 調剤や医薬品の販売に関する事例の 事例の内容 や 疑義照会に関する事例の 変更内容 ごとに集計し 図表 6-2に示す 2009 年 ~2015 年に取り上げられた 共有すべき事例 全 315 件のうち 疑義照会 薬剤変更 の事例が47 件 (

236 例その他の調規格 剤形間違い 剤に関する場面薬剤取違え Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 %) 調剤 内服薬調剤 薬剤取違え の事例が38 件 (12.1%) と多かった 2015 年に取り上げられた事例では 疑義照会 - 薬剤変更 が13 件と最も多く その他に 調 剤 - 内服薬調剤 - 数量間違い 調剤 - 内服薬調剤 - 薬剤取違え がそれぞれ6 件と多かった 図表 6-2 共有すべき事例 の内容と選定件数 ( 単位 : 件 ) 事例の内容 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 合計 調剤忘れ 処方せん監査間違い 秤量間違い Ⅲ 数量間違い 内服薬調剤 分包間違い 規格 剤形間違い 薬剤取違え 分包紙の情報間違い 薬袋の記載間違い その他 調剤忘れ 処方せん監査間違い 数量間違い 外用薬調剤 規格 剤形間違い 薬剤取違え 調剤 その他 規格 剤形間違い 注射薬調剤 薬剤取違え 薬袋の記載間違い 数量間違い 共有すべき事例 の再発 類似事内服薬管理 外用薬管理 交付 その他 充填間違い 異物混入 充填間違い 期限切れ 患者間違い 説明間違い 交付忘れ その他

237 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 事例の内容 疑義照会 医薬品の販売 合 Ⅲ 平成27年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 合計 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 その他 説明間違い その他 計 Ⅲ また 2015年における 共有すべき事例 の選定状況を 2015年に報告されたヒヤリ ハッ 1 ト事例全体と比較し 図表6 3に示す 2015年に報告されたヒヤリ ハット事例全体では 調剤の事例の割合は78 0 疑義照会の 2 事例の割合は21 8 であったが 選定された 共有すべき事例 の割合は それぞれ53 6 3 46 4 であり 報告されたヒヤリ ハット事例全体と比較して疑義照会の事例の割合が多かった 4 図表6 3 5 2015年における 共有すべき事例 の選定状況 疑義照会 参考 ヒヤリ ハット事例全体 特定保険 医療材料 疑義照会 1, 調剤 調剤 3, 2 共有すべき事例 の再発 類似事例 1 再発 類似事例の考え方 共有すべき事例 のタイトルは 疑義照会 薬剤変更に関する事例 のように 事例収集項 目の内容別に示している 同じタイトルが付されている事例であっても その具体的内容は様々で ある 例えば 疑義照会 薬剤変更に関する事例 には 禁忌薬剤が処方されたため疑義照会 し薬剤変更になった事例 前回処方と比較して処方内容の誤りを疑い疑義照会し薬剤変更になっ た事例 などの事例が含まれている 本分析では 共有すべき事例 を公表後に報告された事例 の中で 事例の内容や背景 要因の中で記述されている内容のうち 特に注目する点が類似してい る事例を再発 類似事例として取り上げることとした 共有すべき事例 の再発 類似事例 共有すべき事例 6

238 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 2) 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 に関する再発 類似事例 2009 年 ~2014 年に取り上げた 共有すべき事例 のうち 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 に関する事例は 疑義照会 薬剤変更 に関する事例として1 件選定されている 小児における処方量は体重によって設定されている医薬品が多いが 年齢によって処方量や内服する剤形が異なる医薬品もあり 注意が必要である さらに 年齢による処方量や剤形の区分は 医薬品によって異なっているため 処方および調剤にあたっては正確な知識を要する このように 年齢は重要な処方せん監査項目の1つであるため 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 に関する 共有すべき事例 について 2015 年に報告された事例の中から再発 類似事例を集計 分析することとした Ⅲ (1) 共有すべき事例 年に公表した 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 に関する 共有 2 すべき事例 を示す 3 4 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 に関する 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2014 年 2 月事例 4 5 事例の内容等 6 ( 事例の内容 ) 7 10 歳の子供の処方 タミフル20mgと剤形や用法などの指示もない手書きの処方せん 用法がなく 用量も不適切であるため疑義照会したところ イナビル吸入粉末剤 20mgの処方の間違いとのことだった 10 歳以上が1 回 2キットであるため 用量も間違いであることが判明 その場で適正な用量を伝え 用量も変更となった ( 背景 要因 ) 当薬局ではインフルエンザの場合 主にイナビル吸入粉末剤 20mgの処方が多いため適正用量などもすぐに提案することができた ( 薬局が考えた改善策 ) 同様の事例を防ぐため今まで通り注意を払う 例事例のポイント 共有すべき事例 の再発 類似事 インフルエンザが流行している時期の月曜午前でもあり 医師も患者が立て込む中で 不適切な処方をした可能性がある シーズンや時間帯などによっては 医師が多忙であるなど 様々な理由により不適切な処方をし得るとの考えを常に持って調剤にあたる姿勢が重要である (2)2015 年に報告された再発 類似事例 1 報告された医薬品 2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日に 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 に関する事例は23 件あった 23 件の事例について 処方された医薬品のブランド名 成分名 剤形 添付文書上の用法 用量などを整理して図表 6-4に示す ホクナリンに関する事例の報告回数が6 回と最も多く 次いでアレロックに関する事例が4 回と多かった

239 図表 6-4 報告された医薬品及び年齢別処方量 ブランド名 ( 成分名 ) 剤形 ( 規格 ) テープホクナリン (0.5mg 1mg ( ツロブテロール ) 2mg) ( ツロブテロール塩酸塩 ) ドライシロップ (0.1%) アレロック ( オロパタジン塩酸塩 ) ザイザル ( レボセチリジン塩酸塩 ) 顆粒 (0.5%) 錠 OD 錠 (2.5mg 5mg) シロップ (0.05%) 小児の年齢別用法 用量 0.5 歳 ~ 3 歳未満 1 回 0.5mg 1 日 1 回 3 歳 ~ 9 歳未満 1 回 1mg 1 日 1 回 9 歳 ~ 1 回 2mg 1 日 1 回 - 2 歳 ~ 7 歳未満 1 回 0.02mg/kg( 製剤量 20m g/kg) 1 日 2 回 ( 適宜増減可 ) 1 回 2.5mg( 製剤量 0.5g) 1 日 2 回 7 歳 ~ 1 回 5mg( 製剤量 1g) 1 日 2 回 7 歳 ~ 1 回 5mg 1 日 2 回 0.5 歳 ~ 1 歳未満 1 歳 ~ 7 歳未満 7 歳 ~15 歳未満 1 回 1.25mg( 製剤量 2.5mL) 1 日 1 回 1 回 1.25mg( 製剤量 2.5mL) 1 日 2 回 1 回 2.5mg( 製剤量 5mL) 1 日 2 回 錠 (5mg) 7 歳 ~15 歳未満 1 回 2.5mg 1 日 2 回 細粒 1 回 4mg( 製剤量 0.5g1 包 ) キプレス 1 歳 ~ 6 歳未満 (4mg/0.5g/ 包 ) 1 日 1 回 2 ( モンテルカスト ) チュアブル錠 (5mg) 6 歳 ~ 1 回 5mg 1 日 1 回 クラリチン ( ロラタジン ) ジルテック ( セチリジン塩酸塩 ) ドライシロップ (1%) 錠 レディタブ錠 (10mg) ドライシロップ (1.25%) 3 歳 ~ 7 歳未満 1 回 5mg( 製剤量 0.5g) 1 日 1 回 7 歳 ~ 1 回 10mg( 製剤量 1g) 1 日 1 回 7 歳 ~ 1 回 10mg 1 日 1 回 2 歳 ~ 7 歳未満 7 歳 ~15 歳未満 1 回 2.5mg( 製剤量 0.2g) 1 日 2 回 1 回 5mg( 製剤量 0.4g) 1 日 2 回 報告回数 Ⅲ 共有すべき事例 の再発 類平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析似事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 錠 (5mg) 7 歳 ~15 歳未満 1 回 5mg 1 日 2 回 0.5 歳 ~ 2 歳未満 1 回 15mg( 製剤量 0.3g) 1 日 2 回 アレグラ ( フェキソフェナジン塩酸塩 ) ドライシロップ (5%) 2 歳 ~ 7 歳未満 7 歳 ~12 歳未満 12 歳 ~ 1 回 30mg( 製剤量 0.6g) 1 日 2 回 1 回 30mg( 製剤量 0.6g) 1 日 2 回 ( 適宜増減可 ) 1 回 60mg( 製剤量 1.2g) 1 日 2 回 ( 適宜増減可 ) 1 錠 OD 錠 (30mg 60mg) 7 歳 ~12 歳未満 1 回 30mg 1 日 2 回 ( 適宜増減可 ) 12 歳 ~ 1 回 60mg 1 日 2 回 ( 適宜増減可 )

240 例は3 歳から9 歳未満に使用するため 処方医に問い合わせた その結果 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 ブランド名報告剤形 ( 規格 ) 小児の年齢別用法 用量 ( 成分名 ) 回数 1 歳未満 体重 症状などを考慮して適宜投与量を決定 1 歳 ~ 3 歳未満 1 回 0.2mg( 製剤量 0.2g) 1 日 2 回 1 回 0.25mg( 製剤量 0.25g) 3 歳 ~ 5 歳未満テルギンG ドライシロップ (0.1 1 日 2 回 ( クレマスチン ) %) 1 回 0.35mg( 製剤量 0.35g) 5 歳 ~ 8 歳未満 1 日 2 回 1 8 歳 ~11 歳未満 1 回 0.5mg( 製剤量 0.5g) 1 日 2 回 11 歳 ~15 歳未満 1 回 0.65mg( 製剤量 0.65g) 1 日 2 回 プラコデ 2 歳未満成人量 の1/10 成人量 ( ジヒドロコデイ 2 歳 ~ 5 歳未満成人量 の1/5 散 :1 日 3gをンリン酸塩 ) 3 回に分割 (dl-メチルエ散 シロップ ( 配合剤 ) 5 歳 ~ 8 歳未満成人量 の1/3 シロップ :1 日フェドリン塩酸塩 ) 8 歳 ~12 歳未満成人量 の1/2 10mLを3 回 ( クロルフェニラに分割ミンマレイン酸塩 ) 12 歳 ~15 歳未満成人量 の2/3 1 2 再発 類似事例の紹介 2015 年に報告された 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 に関する主な 事例の内容等を紹介する 図表 6-5 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 の再発 類似事例 医薬品名 事例の内容等 事例 1 処方された医薬品ホクナリンテープ1mg ( 事例の内容 ) 今回 1 歳児にホクナリンテープ1mgが処方された 通常 1mg 0.5 歳から3 歳未満に使用できるホクナリンテープ0.5mg に変更 となった ( 背景 要因 ) ホクナリンテープ処方時に規格の確認を怠った可能性が考えられる ( 改善策 ) 未記載 Ⅲ 共有すべき事例 の再発 類似事 事例 2 処方された医薬品アレロックOD 錠 5mg ( 事例の内容 ) 6 歳の男児にアレロックOD 錠 5mg2 錠分 2 朝夕食後 4 日分の処方があり疑義照会した 処方医よりアレロック顆粒 0.5%1g 分 2 朝夕食後 4 日分に処方を訂正する指示を受けた ( 背景 要因 ) 未記載 ( 改善策 ) 未記載

241 医薬品名 事例 3 処方された医薬品ザイザルシロップ0.05% 事例 4 処方された医薬品キプレス錠 10mg 事例 5 処方された医薬品ジルテックドライシロップ 1.25% 事例の内容等 ( 事例の内容 ) 7ヶ月女児 ザイザルシロップが5mL 分 2 朝夕食後で処方された 疑義照会したところ2.5mL 分 1 夕食後に変更となった ( 背景 要因 ) 事例発生日は検診があり 医療機関は忙しかった 兄弟にはザイザルシロップ0.05%5mL 分 2 朝夕食後の処方があり 続けて入力したために間違えたようである ( 改善策 ) 未記載 ( 事例の内容 ) 患者が処方せんを持って来局する前に処方せんのFAXが届いた 7 歳の患者にキプレス錠 10mgが処方されており 通常はキプレスチュアブル錠 5mgが処方されるため疑義照会を行ったところ そのままの処方で大丈夫との返答があった 患者の家族が来局したため話を聞いたところ いつも行っている小児科 Aが休診だったため 以前受診していた医療機関 Bを受診した いつもキプレスをもらっていることを処方医に伝えたが 規格は伝えなかった とのことであった お薬手帳を持っていなかったため 家でキプレスの規格を確認してもらったところ5mgだったとのことで 再度処方医に疑義照会した キプレス錠 10mgからシングレアチュアブル錠 5mgに変更となった ( 背景 要因 ) 医療機関 Bでは 10mgはキプレス錠 5mgはシングレアチュブル錠を採用している 疑義照会時には処方医に年齢と規格のことを伝えたが 患者よりキプレスと聞いている処方医は採用品のキプレスでいいと思ったのかもしれない ( 改善策 ) 疑義照会時に 病院の採用状況の説明も行い より詳細に問い合わせをするべきであった また 今後も疑義照会の返答によって 疑義が解消されない場合は 患者からの話をよく聞くようにし 再度問い合わせをする ( 事例の内容 ) 蕁麻疹にて受診した患者にジルテックドライシロップ1.25%0.2 g 分 2 朝食後 就寝前 2 日分が処方された 薬歴にて患者情報を確認したところ 患者は2 歳であり ジルテックドライシロップ1.25% 通常の用量は1 回量が0.2g であった 疑義照会にて用量を確認したところ 1 日量 0.2gから0.4gに変更となった ( 背景 要因 ) お盆明けで間もないことと近隣の小児科が定休日であったことから 当該医療機関 薬局ともに混雑していた そのため 処方医は1 回量と1 日量を間違えて処方した ( 改善策 ) 処方間違いの可能性も念頭に置き 混雑している際は特に念入りに確認する Ⅲ 共有すべき事例 の再発 類平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析似事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

242 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 3 事例の背景 要因 疑義照会の事例では 医療機関で処方された内容に疑義が生じているため 医療機関側の背景 要因を薬局で推測して報告されている事例が多く 情報が十分でない事例も含まれている 薬局 で把握できる範囲で報告された医療機関における主な背景 要因を図表 6-6に示す 図表 6-6 主な背景 要因 医療機関における主な背景 要因 1 医薬品に関する認識不足 年齢による用量を勘違いしたと思われる 処方元の医薬品の適応の認識不足 Ⅲ ホクナリンテープ処方時に規格の確認を怠った可能性が考えられる 2 患者の年齢の認識不足 歳になっているのに気付かずに処方した 3 入力時の間違い 処方元医療機関の処方せん入力( レセコン使用 ) 時の選択間違い 単位間違い 4 多忙 当日は検診があり 医療機関は忙しかった お盆明けで間もないことと近くの小児科が定休日であったことから 医院 薬局ともに混雑していた 4 薬局から報告された改善策 報告された事例に挙げられた主な改善策を 医療機関における処方の際の改善策と薬局におけ る確認等に関する改善策に整理して示す 図表 6-7 薬局から報告された主な改善策 医療機関における改善策 複数規格ある医薬品は規格をよく確認し選択する 処方せん印刷後 再度規格 内容の確認をする 薬局における改善策 共有すべき事例 の再発 類似事 小児における投与量においては 年齢を分けて投与量を設定している医薬品があり 線引きされる年齢の投与量には気をつけることと 継続来局の小児が年を重ねていることも頭に入れておく必要がある その都度 用法及び用量をしっかり確認する 年齢 体重等の適応の確認を行っていく 小児は年齢 体重を確認し 処方量が妥当かどうかその都度チェックする 処方薬の処方歴確認を徹底することと 新規処方の場合の用量チェックを怠らない 医院からの処方間違いの可能性も考え 混雑している際は特に念入りに確認をする

243 3. まとめ 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 については 医薬品によって区分される年齢が異なるため 注意が必要である また 小児の処方の監査においては 患者の体重とともに年齢についても確認する必要があると考えられる 本年報で紹介した 共有すべき事例 やその再発 類似事例を活用するとともに 過去に提供した 共有すべき事例 やその中の 事例のポイント を 薬局において今一度ご確認いただき 活用していただきたい Ⅲ 共有すべき事例 の再発 類平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析似事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

244 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報事例から学ぶ 6 共有すべき事例の再発 類似事例 - 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 に関する事例 - 事例の内容 7ヶ月の女児に ザイザルシロップ0.05%5mL 分 2 朝夕食後が処方された 疑義照会したところ 2.5mL 分 1 夕食後に変更となった 背景 要因検診のため 医療機関は忙しかった 患者の2 歳になる兄にも ザイザルシロップ 0.05%5mL 分 2 朝夕食後の処方が出ており 続けて入力したために間違えたようである 事例が発生した薬局の改善策未記載 < 参考 >ザイザルシロップ0.05% の添付文書 ( 一部抜粋 ) 用法 用量 小児 通常 6ヵ月以上 1 歳未満の小児には1 回 2.5mL( レボセチリジン塩酸塩として1.25 mg) を1 日 1 回経口投与する 通常 1 歳以上 7 歳未満の小児には1 回 2.5mL( レボセチリジン塩酸塩として1.25mg) を1 日 2 回 朝食後及び就寝前に経口投与する 通常 7 歳以上 15 歳未満の小児には1 回 5mL( レボセチリジン塩酸塩として2.5mg) を1 日 2 回 朝食後及び就寝前に経口投与する この他にも事例が報告されています 例 生後 11か月の乳児に ホクナリンテープ1mg1 日 1 枚が処方された 通常 0.5~ 3 歳未満は1 日 1 回 0.5mg であるため疑義照会すべきところだが 気付かずそのまま交付した その後 交付者が薬剤服用歴に記載中に気付いた 処方医に確認したところ 処方間違いであったことが判明した 処方医が患者の家族へ電話し 手持ちのホクナリンテープ1mgを半分に切って1 日 0.5 枚で使用するように指導した すでに1 mg1 枚で使用していたが 患者に副作用などは見られなかった Ⅲ 共有すべき事例 の再発 類似事 6 歳の小児に ジルテックドライシロップ1.25%1 日 0.8g( 成分量 10mg) 分 2の処方が出た 成分量で1 日 10mgは 添付文書上 7 歳以上の分量に該当するため疑義照会を行い 1 日 0.4g( 成分量 5mg) 分 2へ変更となった

245 4 歳の小児の処方せんに キプレスチュアブル錠 5mg1 日 1 回就寝前と書かれていた 処方医に疑義照会したところ キプレス細粒 4mgに変更になった < 参考 >キプレスチュアブル錠 5mgの添付文書 ( 一部抜粋 ) 用法 用量 通常 6 歳以上の小児にはモンテルカストとして5mgを1 日 1 回就寝前に経口投与する 使用上の注意 5. 小児等への投与 (1)1 歳以上 6 歳未満の小児に対してはモンテルカスト細粒 4 mgを1 日 1 回就寝前に投与すること 小児の用法 用量については 平成 27 年年報 235 頁図表 6-4に年齢別処方量を掲載しています 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品に関するポイント 小児用量は体重から算出することが多いが 年齢 で区別されている医薬品があることを知っておく必要がある 体内動態の違いから成人と小児の服用回数が異なるものがある 1 日量が適切でも 服用回数が異なることで1 回量が過量となり副作用発現につながる危険性がある 小児は体調の変化を言葉に表せず発見が遅れる可能性もあるため 特に注意が必要である 調剤や鑑査時に確認できるように 医薬品ごとに小児用量を記載した一覧表を作成し見やすい場所に配置するのも有効である 製薬企業が作成した一覧表もあり 有効に活用していただきたい 小児の場合は兄弟で受診することがあり 処方医も思い込みが発生しやすい状況である 薬局での調剤も同様であり 業務手順書を遵守することが重要である 交付後 家庭において正しく服薬するためには 患者ごと 医薬品ごとに識別できるように薬袋や薬包紙に工夫する配慮が必要である Ⅲ 共有すべき事例 の再発 類平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析似事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

246 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 薬局ヒヤリ ハット分析表 2015 年 ❻ 共有すべき事例 の再発 類似事例 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品 ヒヤリ ハット事例のうち 小児において年齢別に処方量や剤形が異なる医薬品に関する事例 が 23 件報告されています ( 集計期間 :2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) 特に注意を要する医薬品 を以下に示します ブランド名 ( 成分名 ) 剤形 ( 規格 ) 小児の年齢別用法 用量 気管支拡張剤 テープ 0.5 歳 ~ 3 歳未満 1 回 0.5mg 1 日 1 回ホクナリン (0.5mg 1mg 3 歳 ~ 9 歳未満 1 回 1mg 1 日 1 回 ( ツロブテロール ) 2mg) 9 歳 ~ 1 回 2mg 1 日 1 回 その他のアレルギー用薬 0.5 歳 ~ 2 歳未満 1 回 15mg( 製剤量 0.3g)1 日 2 回 2 歳 ~ 7 歳未満 1 回 30mg( 製剤量 0.6g)1 日 2 回 ドライシロップ 1 回 30mg( 製剤量 0.6g)1 日 2 回アレグラ (5%) 7 歳 ~12 歳未満 ( 適宜増減可 ) ( フェキソフェナジン塩酸塩 ) 1 回 60mg( 製剤量 1.2g)1 日 2 回 12 歳 ~ ( 適宜増減可 ) 錠 OD 錠 7 歳 ~12 歳未満 1 回 30mg 1 日 2 回 ( 適宜増減可 ) (30mg 60mg) 12 歳 ~ 1 回 60mg 1 日 2 回 ( 適宜増減可 ) 2 歳 ~ 7 歳未満 1 回 2.5mg( 製剤量 0.5g)1 日 2 回アレロック顆粒 (0.5%) 7 歳 ~ 1 回 5mg( 製剤量 1g)1 日 2 回 ( オロパタジン塩酸塩 ) 錠 OD 錠 7 歳 ~ 1 回 5mg 1 日 2 回 (2.5mg 5mg) 細粒 (4mg/0.5g/ 1 歳 ~ 6 歳未満 1 回 4mg( 製剤量 0.5g1 包 )1 日 1 回キプレス包 ) ( モンテルカスト ) チュアブル錠 6 歳 ~ 1 回 5mg 1 日 1 回 (5mg) ドライシロップ 3 歳 ~ 7 歳未満 1 回 5mg( 製剤量 0.5g)1 日 1 回 クラリチン (1%) 7 歳 ~ 1 回 10mg( 製剤量 1g)1 日 1 回 ( ロラタジン ) 錠 レディタブ錠 (10mg) 7 歳 ~ 1 回 10mg 1 日 1 回 Ⅲ 共有すべき事例 の再発 類似事ザイザル ( レボセチリジン塩酸塩 ) ジルテック ( セチリジン塩酸塩 ) 0.5 歳 ~ 1 歳未満 1 回 1.25mg( 製剤量 2.5mL)1 日 1 回シロップ 1 歳 ~ 7 歳未満 1 回 1.25mg( 製剤量 2.5mL)1 日 2 回 (0.05%) 7 歳 ~15 歳未満 1 回 2.5mg( 製剤量 5mL)1 日 2 回 錠 (5mg) 7 歳 ~15 歳未満 1 回 2.5mg 1 日 2 回 2 歳 ~ 7 歳未満 1 回 2.5mg( 製剤量 0.2g)1 日 2 回 ドライシロップ (1.25%) 7 歳 ~15 歳未満 1 回 5mg( 製剤量 0.4g)1 日 2 回 錠 (5mg) 7 歳 ~15 歳未満 1 回 5mg 1 日 2 回 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 235 頁図表 6-4 を改変

247 参考資料 1) ホクナリンテープ0.5mg/1mg/2mg 添付文書. マイランEPD 合同会社.2015 年 11 月改訂 ( 第 14 版 ). 2) ホクナリン錠 1mg/ ホクナリンドライシロップ0.1% 小児用添付文書. マイランEPD 合同会社.2015 年 11 月改訂 ( 第 6 版 ). 3) アレロック顆粒 0.5% 添付文書. 協和発酵キリン株式会社.2015 年 11 月改訂 ( 第 4 版 ). 4) アレロック錠 2.5/ アレロック錠 5 添付文書. 協和発酵キリン株式会社.2015 年 11 月改訂 ( 第 18 版 ). 5) アレロックOD 錠 2.5/ アレロックOD 錠 5 添付文書. 協和発酵キリン株式会社.2015 年 11 月改訂 ( 第 7 版 ). 5) ザイザルシロップ0.05% 添付文書. グラクソ スミスクライン株式会社.2015 年 3 月改訂 ( 第 2 版 ). 6) ザイザル錠 5mg 添付文書. グラクソ スミスクライン株式会社.2015 年 2 月改訂 ( 第 5 版 ). 7) キプレス細粒 4mg 添付文書. 杏林製薬株式会社.2016 年 9 月改訂 ( 第 18 版 ). 8) キプレスチュアブル錠 5mg 添付文書. 杏林製薬株式会社.2016 年 9 月改訂 ( 第 23 版 ). 9) クラリチンドライシロップ1% 添付文書. バイエル薬品株式会社.2015 年 11 月改訂 ( 第 8 版 ). 10) クラリチン錠 10mg/ クラリチンレディタブ錠 10mg 添付文書. バイエル薬品株式会社 年 11 月改訂 ( 第 15 版 ). 11) ジルテックドライシロップ1.25% 添付文書. グラクソ スミスクライン株式会社.2015 年 2 月改訂 ( 第 24 版 ). 12) ジルテック錠 5/ ジルテック錠 10 添付文書. グラクソ スミスクライン株式会社.2015 年 2 月改訂 ( 第 24 版 ). 13) アレグラドライシロップ5% 添付文書. サノフィ株式会社.2015 年 10 月改訂 ( 第 2 版 ). 14) アレグラ錠 30mg/ アレグラ錠 60mg/ アレグラOD 錠 60mg 添付文書. サノフィ株式会社.2013 年 5 月改訂 ( 第 16 版 ). 15) テルギンGドライシロップ0.1% 添付文書. 高田製薬株式会社.2016 年 6 月改訂 ( 第 11 版 ). 16) プラコデ配合散添付文書. 小林化工株式会社.2014 年 1 月改訂 ( 第 11 版 ). 17) プラコデ配合シロップ添付文書. 小林化工株式会社.2014 年 1 月改訂 ( 第 13 版 ). Ⅲ 共有すべき事例 の再発 類平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析似事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

248 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 7 腎機能が低下した患者に関する事例はじめにわが国では 高齢化に伴い成人の8 人に1 人が慢性腎臓病 (CKD) 患者といわれており 1) 慢性透析患者も2013 年末で31 万人を超え CKDはまさに国民病といえる 医療機関では腎臓専門診療科以外の診療科においても 腎機能が低下している患者が増加しており 本事業に報告されるヒヤリ ハット事例においても腎機能が低下した患者に関する事例が散見されるようになってきた CKD 患者は 多くの種類の医薬品を服用していることが多く その上薬剤性の腎障害や腎機能低下 Ⅲ による副作用が出現しやすい状態であるため 腎機能が低下した患者の薬物治療に対する薬剤師の関わりが大いに期待されている そこで 本年報の分析テーマとして 腎機能が低下した患者に関する事例を取り上げることとした 薬剤師が腎機能が低下した患者の薬物治療に関わるには 腎機能を考慮した処方せん監査の実施や 患者やお薬手帳などから腎機能低下に関連する情報を収集する力が求められることから 本年報では腎機能が低下した患者に関するヒヤリ ハット事例の報告の中でも 特に疑義照会に関する事例を取り上げて分析することとした 例 腎機能が低下した患者に関する事

249 1. 報告件数報告された事例の中から腎機能が低下した患者に関する事例を抽出するため 2015 年 1 月 1 日 ~ 12 月 31 日に報告されたヒヤリ ハット事例のうち 事例の内容 背景 要因 改善策 の項目に 腎 透析 のキーワードを含む事例を検索したところ 41 件あり そのうち腎機能が低下した患者に関する事例は38 件でヒヤリ ハット事例全体の0.8% であった 図表 7-1 報告件数 報告件数 ヒヤリ ハット事例 4,779(100.0%) 腎機能が低下した患者の事例 38 (0.8%) 腎機能が低下した患者に関するヒヤリ ハット事例 38 件のうち 事例の概要において 調剤 が選 択された事例は4 件 疑義照会 が選択された事例は34 件であった 図表 7-2 事例の概要別の報告件数 事例の概要 報告件数 調剤 4 (10.5%) 疑義照会 34 (89.5%) 合計 38(100.0%) 2. 腎機能が低下した患者に関する疑義照会の事例の分析薬剤師が腎機能が低下した患者の薬物治療に関わるには 腎機能を考慮した処方せん監査の実施や 患者やお薬手帳などから腎機能低下に関連する情報を収集する力が求められることから 本分析テーマでは 特に 疑義照会 の事例の34 件について分析することとした 2015 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日に報告されたヒヤリ ハット事例のうち 疑義照会 の報告件数は1,040 件であり 腎機能が低下した患者の 疑義照会 の報告件数は34 件であった 腎機能が低下した患者の 疑義照会 の報告件数は 疑義照会の事例全体の3.3% を占めていた Ⅲ 腎機能が低下した患者に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

250 例患者の状態 報告件数 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 1) 患者の年齢 腎機能が低下した患者に関する疑義照会の事例の 患者の年齢 を図表 7-3に示す 図表 7-3 患者の年齢 患者の年齢 報告件数 0~ 10 歳 0 (0.0%) 11~ 20 歳 0 (0.0%) 21~ 30 歳 0 (0.0%) 31~ 40 歳 0 (0.0%) Ⅲ 41~ 50 歳 1 (2.9%) 51~ 60 歳 2 (5.9%) 61~ 70 歳 11 (32.4%) 1 71~ 80 歳 10 (29.4%) 2 81~ 90 歳 8 (23.5%) 3 91~100 歳 2 (5.9%) 4 合計 34(100.0%) 5 6 患者の年齢は 61~70 歳 が11 件と最も多く 次いで 71~80 歳 が10 件 81 ~90 歳 が8 件あり 40 歳以下の報告事例はなかった 61 歳 ~90 歳 に分布が集中して 7 腎おり 腎機能が低下した患者の事例の85.3% を占める 2) 患者の状態 腎機能が低下した患者に関する疑義照会の事例を 透析患者と透析患者以外に分けて図表 7-4 に示す 図表 7-4 患者の状態 機能が低下した患者に関する事透析患者 17 (50.0%) 透析患者以外 17 (50.0%) 合計 34(100.0%) 3) 疑義照会による処方変更内容疑義照会の結果 処方の誤りが修正された場合は 薬剤の削除や変更 用法や用量の変更などが行われる そこで 報告された事例の疑義照会による処方変更内容について集計した 腎機能が低下した患者に関する疑義照会の事例 34 件のうち 2 種類の医薬品の疑義照会が行われた事例が1 件あり その変更内容が 薬剤削除 と 分量変更 であったため 処方変更内容の集計は35 件となった また 事例の内容 を精査すると 薬剤変更 と 薬剤削除 が選択された事例の中に 分量変更 に該当する事例が含まれていたため 分量変更 として集計 分析した

251 図表 7-5 疑義照会による処方変更内容 変更内容腎機能が低下した患者の事例 ( 参考 ) 疑義照会の事例 薬剤変更 3 (8.6%) 362 (34.8%) 用法変更 0 (0.0%) 82 (7.9%) 用量変更 0 (0.0%) 56 (5.4%) 分量変更 21 (60.0%) 158 (15.2%) 薬剤削除 11 (31.4%) 270 (26.0%) その他 0 (0.0%) 112 (10.8%) 合計 35(100.0%) 1,040(100.0%) 割合については 小数点第 2 位を四捨五入したものであり 合計が100.0 にならないことがある 1つの事例の中に2 種類の医薬品の疑義照会が行われた事例が1 件あるため 合計は35 件となる 疑義照会の結果行われた変更内容の結果を集計すると 分量変更 が21 件 /35 件 (60%) と最も多く 次いで 薬剤削除 が11 件 /35 件 (31.4%) 薬剤変更 が3 件 /35 件 (8. 6%) であり 他の変更内容の事例はなかった 腎機能が低下した患者では 分量変更 と 薬剤削除 を合わせると32 件 /35 件となり 変更内容の91.4% を占めていた 4) 患者に生じ得た健康被害の可能性処方内容にエラーがあり エラーが発見されず疑義照会がなされなかった場合 患者に健康被害が及ぶ可能性がある そこで 腎機能が低下した患者の事例について 仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響について集計 分析した 図表 7-6 変更内容 変更内容と患者に生じ得た健康被害の可能性 仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響 患者に健康被害があったと推測される 腎機能が低下した患者の事例 ( 参考 ) 疑義照会の事例 患者に健康被害が生じなかったが 医師の意図した薬効が得られなかったと推測される 腎機能が低下した患者の事例 ( 参考 ) 疑義照会の事例 薬剤変更 用法変更 用量変更 分量変更 薬剤削除 その他 合計 Ⅲ 腎機能が低下した患者に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 腎機能が低下した患者の事例のうち 仮に変更前の処方通りに服用した場合の影響 として 患者に健康被害があったと推測される が選択された事例が35 件 /35 件 (100%) であった 腎機能が低下した患者の事例では エラーが発見されず疑義照会がなされなかった場合 薬剤師は

252 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報患者に健康被害が及ぶ可能性があると考えていることがわかる 腎機能が低下した患者に関しては 薬剤師が行う疑義照会の意義は大きいことが示唆された 5) 疑義があると判断した理由薬剤師が処方に関して疑義があると判断した過程には 処方せんを見て記載内容に疑義があると判断した場合や 前回の処方記録と照合して疑義があると判断した場合 薬剤服用歴 ( 薬歴 ) の情報や患者へのインタビューの中で得られた情報により処方せんの内容に疑義があると判断した場合などがある そこで 腎機能が低下した患者の事例について 疑義があると判断した理由 及び変更内容について分析した Ⅲ 図表 7-7 疑義があると判断した理由疑義があると判断した理由腎機能が低下した患者の事例 ( 参考 ) 疑義照会の事例 当該処方せんのみで判断 2 (8.6%) (29.5%) 当該処方せんと薬局で管理している 情報で判断 (65.7%) (47.2%) 上記以外で判断 5 (25.7%) (23.3%) 35 1,040 6 合計 (100.0%) (100.0%) 7 腎 疑義があると判断した理由 として 当該処方せんと薬局で管理している情報で判断 を選択した事例が23 件 /35 件 (65.7%) 上記以外で判断 を選択した事例が9 件 /35 件 (25.7 %) あり 合わせて32 件 /35 件 (91.4%) であった このことから 腎機能が低下した患者に関する事例では 当該処方せんだけではなく 様々な情報を収集した上で疑義があると判断していることが示唆される 例6) 処方された医薬品名及び主な薬効腎機能が低下した患者の事例において 疑義の対象となった医薬品名を入力する項目である 処方された医薬品 の医薬品名とその主な薬効を集計 分析した 処方された医薬品 の医薬品名を主な薬効とともに示す 機能が低下した患者に関する事

253 図表 7-8 処方された医薬品名及び主な薬効 医薬品名 主な薬効 リリカカプセル 25mg その他の中枢神経系用薬 4 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 3 般 ファモチジン口腔内崩壊錠 20mg 消化性潰瘍用剤 2 ザイロリック錠 100 痛風治療剤 2 バルトレックス錠 500 抗ウイルス剤 2 ファムビル錠 250mg 抗ウイルス剤 2 般 ジクロフェナク Na 錠 25mg 解熱鎮痛消炎剤 1 般 セフジニルカプセル 100mg 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 1 アズロキサ顆粒 2.5% 消化性潰瘍用剤 1 アダラート CR 錠 20mg 血管拡張剤 1 アムロジピン錠 5mg NikP 血管拡張剤 1 インデラル錠 10mg 不整脈用剤 1 カルタン OD 錠 500mg その他の循環器官用薬 1 カロナール錠 200 解熱鎮痛消炎剤 1 クラビット錠 250mg 合成抗菌剤 1 クリノリル錠 50 解熱鎮痛消炎剤 1 ザルティア錠 5mg その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬 1 シナール配合錠混合ビタミン剤 ( ビタミン A D 混合製剤を除く ) 1 シプロキサン錠 200mg 合成抗菌剤 1 セフポドキシムプロキセチル錠 100mg サワイ 報告回数 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 1 セレコックス錠 200mg 解熱鎮痛消炎剤 1 デパケン R 錠 100mg 抗てんかん剤 1 フェロ グラデュメット錠 105mg 無機質製剤 1 フロモックス錠 100mg 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの 1 ベシケア OD 錠 5mg その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬 1 ミカムロ配合錠 AP 血圧降下剤 1 ミカムロ配合錠 BP 血圧降下剤 1 ミカルディス錠 40mg 血圧降下剤 1 ムコスタ錠 100mg 消化性潰瘍用剤 1 ユリーフ錠 4mg その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬 1 ユリノーム錠 25mg 痛風治療剤 1 リリカカプセル 75mg その他の中枢神経系用薬 1 Ⅲ 腎機能が低下した患者に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

254 例 事例 2 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 腎機能が低下した患者の事例において 複数回報告された 処方された医薬品 の報告回数は リリカカプセル25mgが4 回 般 セフカペンピボキシル塩酸塩 100mgと同成分であるフ ロモックス錠 100mgを合わせて4 回 般 ファモチジン口腔内崩壊錠 20mg ザイロリッ ク錠 100mg バルトレックス錠 500 ファムビル錠 250mgがそれぞれ2 回であった また 主な薬効は 主としてグラム陽性 陰性菌に作用するもの の報告回数が6 回と最も多く 次いで その他の中枢神経系用薬 が5 回 解熱鎮痛消炎剤 抗ウイルス剤 消化性潰瘍用剤 がそれぞれ4 回報告されていた 7) 主な事例の内容 Ⅲ 主な事例の内容や発生要因 処方された医薬品名等を次に示す 図表 7-9 主な事例の内容 1 発生要因 医薬品名 事例の内容等 2 事例 医療側の要因 処方された医薬品ファムビル錠 250mg ( 事例の内容 ) 70 歳代女性 帯状疱疹で皮膚科よりファムビル錠 250mg 6 錠 / 日の処方があった お薬手帳を確認するとカリメートを服用していたため 腎機能低下を疑い 患者家族に確認すると 数日前の血液検査値をもっており 血清クレアチニン値 1.46mg/dL であった 高齢ではあるがCockcroft-Gault 7 式により推算すると Ccr24mL/min 程度と腎機能低 腎下が疑われた 添付文書に従い医療機関へ減量を提案した ファムビル錠 250mg2 錠分 1 夕食後へ分量変更となった ( 背景 要因 ) 医療機関側の確認不足 ( 改善策 ) 腎排泄型薬剤が処方された場合は 常に患者の腎機能低下を 疑う 確認を怠った 処方された医薬品 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg ムコスタ錠 100mg ( 事例の内容 ) 70 歳代男性の耳鼻咽喉科の処方せん 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg3 錠 ムコスタ錠 100mg3 錠分 3 毎食後服用 5 日分が処方された 患者情報収集時に 他の医療機関 ( 診療所 ) で腎機能が低下していると言われ 気になっている と申し出があった 患者は 具体的な検査値等は覚えていなかったため 本人の了解を得て 当該診療所に腎機能を問い合わせた クレアチニンと体重から計算したところ Ccr は42mL/ 分であった 日本腎臓学会 CKD 診療ガイドでは セフカペンピボキシル塩酸塩錠の用量 用法は1 日 200mg 分 2とされているため 処方医に用量 用法の変更を提案の上 疑義照会を行った 結果 般 セフカペンピボキシル塩酸塩錠 100mg2 錠 ムコスタ錠 100 mg2 錠分 2 朝夕食後服用 5 日分に変更 ( 減量 ) となった 機能が低下した患者に関する事

255 ( 背景 要因 ) 処方時に腎機能の低下について確認できなかったことが 今 回の事例の原因の一つと考えられる ( 改善策 ) 患者から情報を収集する際に 保険薬局でも腎機能や肝機能 の確認を行うことが必要な場合もあること ( 特に高齢者 ) を 念頭に置いて調剤を行う 事例 3 知識が不足していた 処方された医薬品セララ錠 25mg ミカムロ配合錠 BP ( 事例の内容 ) 慢性腎不全に処方される球形吸着炭 マイラン 服用中の患者 血圧が高いとのことで処方が変更となり中等度以上の腎機能障害のある患者に禁忌のセララ錠 25mgが処方されたため疑義照会した ミカムロ配合錠 BP セララ錠 25mg レザルタス配合錠 HD カルデナリン錠 2mgに変更になった ( 背景 要因 ) 慢性腎不全患者に投与できる降圧剤を医師が把握していなかったことが考えられる ( 改善策 ) セララ錠が処方される場合には 処方内容や患者が提示する検査値で腎機能をできるだけ確認する 必要に応じ疑義照会する 8) 疑義があると判断する契機となった情報 事例報告項目の 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述から 疑義があると判断する契機 となった情報を検索し その内容を整理して図表 7-10に示す 図表 7-10 疑義があると判断する契機となった情報 報告件数 疑義があると判断する契機となった情報 透析患者 透析患者以外 合計 薬剤服用歴 ( 薬歴 ) 本人 家族 病院からの情報 お薬手帳 処方せん 合計 Ⅲ 腎機能が低下した患者に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 疑義があると判断する契機となった情報のうち 薬剤服用歴 ( 薬歴 ) によって疑義照会に至った事例の件数が18 件と最も多かった 次いで 本人 家族 病院からの情報 が8 件 お薬手帳 が5 件であった 患者の状態別でみると 透析患者以外では 薬剤服用歴 ( 薬歴 ) 本人 家族 病院からの情報 お薬手帳 が それぞれ5 件と同数であったが 透析患者では 薬剤服用歴 ( 薬歴 ) が 13 件 / 17 件と多かった 事例報告項目の 事例の内容 背景 要因 改善策 の記述の中に 疑義があると判断する契

256 例 透析患者への新規処方および臨時処方は 添付文書やCKD 診療ガイドラインで用法 用量を確認 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 機となった情報として医薬品が記載されていた事例を検索し 医薬品名と主な薬効を次に示す 図表 7-11 疑義があると判断する契機となった医薬品名と主な薬効 医薬品名 主な薬効 報告件数 アーガメイト20% ゼリー 25g その他の循環器官用薬 2 注カリメート その他の循環器官用薬 1 クレメジン細粒分包 2g 解毒剤 1 注ケイキサレート その他の循環器官用薬 1 注球形吸着炭 マイラン 解毒剤 1 Ⅲ 合計 6 注 医薬品の規格 剤形は 報告された事例に記載がなかったため不明である ) 薬局から報告された主な改善策疑義照会の事例は 薬剤師が処方に関して疑義があると判断し 医療機関に問い合わせを行ったことで処方が修正され 医療事故を未然に防ぐことができた事例が多く含まれている これらの事例において 薬局から報告された改善策は他の薬局においても参考になると思われるため 主なものを整理して図表 7-12に示す 6 図表 7-12 薬局から報告された主な改善策 7 1 患者や医療機関からの情報収集 腎 必要であれば 処方元ではない他の関連する病院にも疑義照会するとともに情報提供する 加齢により腎機能が低下していることが多いため 特に高齢者の処方に対しては 患者などから腎 機能の情報を収集する 2 薬歴等の確認 患者の腎機能低下が予測できる併用薬がないか確認の上 調剤を行う 処方せん監査時および調剤時に腎排泄型の薬剤を認めた場合は 患者の腎機能の低下がないかどう かを確認する してから調剤を行う 機能が低下した患者に関する事3 コンピュータシステム カルタンなど腎機能が低下した患者に処方する医薬品や病名を電子薬歴に登録しておくことで 注意喚起の表示が出るようにする 4 処方監査 調剤 鑑査時の工夫 透析患者への投与において注意が必要な医薬品のリストを 薬局内で作成する 5 患者への指導 患者に 受診時にはお薬手帳を持参するように指導する 服薬の危険性や問題点を解決してから調剤を行うことの重要性を 患者にも説明する

257 3. 共有すべき事例 で取り上げた事例本事業では 特に重要で周知すべきと考えられる事例を 共有すべき事例 として 総合評価部会の委員による 事例のポイント を付して公表している 共有すべき事例で取り上げた事例の中から 腎機能が低下した患者に関する事例を紹介する 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2014 年 7 月事例 5 事例の内容等 ( 事例の内容 ) 以前より患者はCKD( 慢性腎臓病 ) のため 近くの総合病院の腎臓内科に受診中であった ここ数日間 腕の腫れ 痛みがあり近医の外来を受診した 前回ロキソニンが処方されたが患者の腎機能を考慮し 疑義照会を行い処方削除になった しかし今回 同症状にて同医院よりセレコックス錠 100mg2 錠分 2 7 日分の処方があった 処方せんを患者が受け取る際 心配であれば腎臓内科の主治医か調剤薬局の薬剤師に相談してほしい と言われたとの事だった 患者が処方せんと一緒に検査値表を持参して来局したため調べたところ CRE3.67mg/dLであった セレコックスは重篤な腎障害患者に対して禁忌である為 腎臓内科の主治医に相談した 痛み止めを使う場合 使うとしたらカロナールを頓用すべきとの回答を得て 処方医に対して疑義照会を行った その後 腎臓内科の主治医と処方医が話し合った結果 処方削除となった ( 背景 要因 ) 未記載 ( 薬局が考えた改善策 ) 最新のガイドラインを把握した上で 薬局にて患者の検査値を把握する事の出来る環境の整備が必要である 事例のポイント CKD( 慢性腎臓病 ) は新たな国民病とも言われている 腎機能に影響を与える薬剤が処方された場合は 臨床検査値の確認が一層重要となると考えられる 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2015 年 8 月事例 5 事例の内容等 ( 事例の内容 ) 80 歳代男性の泌尿器科の処方せんを受け付けた 処方せんには シプロキサン錠 200mg3 錠分 3 14 日分毎食後服用と記載があった 薬歴の記録によると 内科からクレメジン細粒分包 2gが処方されており 腎機能の低下が考えられた 患者に 腎機能が低下している場合は今回の処方量では過量の可能性があるので 医師に問い合わせた上で調剤を行う と説明した 患者は了解したが 患者の家族が いつも待たされるのに これ以上待てない と 帰ろうとした 再度 その危険性について説明し 患者の家族が納得したので 処方医に疑義照会した 処方医には 腎機能低下者へのシプロキサン錠の投与では 血中濃度半減期の延長 尿中排泄率の低下が報告されており 処方量では過量投与となる可能性があり 副作用発現の危険性が高まることを説明した その上で 日本腎臓学会 CKD 診療ガイドラインで推奨されている クレアチニンクリアランス 30の場合には 1 回 100~200mg24 時間毎の投与 を提案した 処方医より シプロキサン錠 200mg1 錠分 1 14 日分朝食後服用に変更すると回答があった ( 背景 要因 ) 処方医がシプロキサン錠 200mgを処方する際 腎機能低下時の用量 用法変更について注意しなかったことが発生要因の一つと考えられる また 患者又はその家族に疑義照会を行うことの説明をした際に 待てない 等の申し出に対して 薬剤師として毅然とした態度で臨まなければ 最終的に患者自身が健康被害を受ける可能性がある Ⅲ 腎機能が低下した患者に関す平成 27 年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析る事例薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業

258 Ⅲ 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業平成 27 年年報 ( 薬局が考えた改善策 ) 処方薬から患者に腎機能低下が考えられるかどうか必ず確認してから調剤を行う 患者の希望だけを聞くのではなく 服薬の危険性や問題点を解決してから調剤を行うことの重要性をしっかり説明することが薬剤師には求められる 事例のポイント 薬剤師の疑義照会による待ち時間の延長や 服薬指導を煩わしく思う患者や家族がいることは遺憾ながら事実であるが 患者の命を守る立場から行動することは医療職としての基本であり この事例は称賛に値する 不平や不満を言う患者とのコミュニケーションスキルを身に付けていくことも 必要である 共有すべき事例 ( 事例番号 : )2015 年 9 月事例 2 Ⅲ 事例の内容等 ( 事例の内容 ) 1 70 歳代男性の内科の処方せんを受け付けた 処方せんには 般 ファモチジン口腔内崩壊錠 20mg 2 錠分 2 91 日分朝夕食後服用 ( 一包化 ) と記載があった 患者情報収集時に 患者から 今日は血液検査 2 を受けたが結果は捨てた 腎機能が悪くなっており 小冊子の 慢性腎臓病と生活習慣病の密接な関係 を 3 よく読むよう言われた と話があった 般 ファモチジン口腔内崩壊錠 20mgは腎機能低下者に対して処方量の調節の必要があることを患者に伝えた後 処方医に処方量の確認のため疑義照会した 現在のクレ 4 アチニンクリアランスは45.1mL/ 分であることから 般 ファモチジン口腔内崩壊錠 20mg1 錠 5 分 1 91 日分夕食後服用 ( 一包化 : 飲み忘れを防ぐため夕食後服用とする ) に変更すると回答があった 6 ( 背景 要因 ) 患者が手にしていた小冊子から 腎機能の悪化を推測した事例である 腎機能検査の結果が処方内容に反映 7 されていなかった 腎( 薬局が考えた改善策 ) 患者から直接得た情報だけでなく 態度や持ち物等からも体調変化が推測される場合にはそのことを考慮した上で処方内容を確認し 調剤を行うことが大切である 事例のポイント 患者への聞き取り等から 腎機能低下を推測し 過量投与を防いだ事例である 最近では処方せんに検査値が記載される場合も増えてきているが たとえ明記されていなくても聞き取りの中から患者の状態を把握し 薬学的に判断することは重要である 例 検査値等を考慮した上で医薬品の処方量を提案することは 薬剤師の重要な業務の一つだと思われる 機能が低下した患者に関する事4. 医療事故情報収集等事業に報告された事例医療事故情報収集等事業に報告された事例には 患者に何らかの影響を及ぼした事例が含まれることから これらの事例を薬局においても共有し 同種の医療事故が起こらないように注意することは 医療安全を推進するために有用であると考えられる 医療機関から同事業に報告された医療事故事例のうち 腎機能が低下した患者に関する事例を紹介する この事例は同事業の 公開データ検索 2) で公開され 第 29 回報告書 (2012 年 6 月公表 ) の 個別テーマの検討状況 において 医薬品添付文書上 禁忌 の疾患や症状の患者へ薬剤を投与した事例 3) (127 頁 ) で紹介されている

259 薬局ヒヤリ ハット事例収集 分析事業 図表7 13 Ⅲ 平成27年年報 薬局ヒヤリ ハット事例の分析 医療事故情報収集等事業に報告された事例 腎不全患者にザイザルが10mg投与された事例 事故の内容 糖尿病性腎症による慢性腎不全で 当院腎臓内科へ紹介となり 外来でフォローしていた 翌年3週間程度 の入院を要し その間ジルテック 1日10mg を服用 退院時にはドライシロップが処方された 翌月 透析導入目的で再入院となった際 退院時処方を持参薬として持ち込まれ その後院内処方へと切り替わる 際に ジルテック から ザイザル へ変更した 薬剤の性質上用量を半減しなければならなかったが そ のまま10mg 添付文書で1日最大10mg を処方した また 本来透析中の患者には禁忌とされてい る薬剤であったが 薬剤師もその認識が希薄であったため 疑義照会は行われておらず継続して服用した 入院後19日目に透析時にシャント穿刺部の感染を認めたものの 外来透析可能として退院 翌日40度の 発熱でER受診となり 感染による敗血症及び高度の白血球減少症と診断され 緊急入院となった なお 白血球減少の原因が敗血症によるものか薬剤の副作用によるものかは不明である 事故の背景要因の概要 Ⅲ 変更後の薬剤が透析患者に禁忌であることの認識が希薄であった 透析により除去できると思った 改善策 腎不全患者への適切な薬剤量の確認を行う 薬剤部での会議で事例報告 注意喚起を行う 医療事故情報収集等事業ホームページ 公開データ検索 2 より 事例検索して引用 られているので紹介する 6 医療安全情報No 86 禁忌薬剤の投与 No 年1月 医療事故情報収集等事業 公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 安全情報 医療 2014年1月 事例1 安全情報 パーキンソン病の患者の術後にせん妄があったため 医師はセレネースの筋肉注射を 指示し 看護師が投与した セレネース注の添付文書上 禁忌事項に パーキンソン病の 患者 と記載があったが 医師および看護師はそのことを知らなかった セレネースを 投与後 患者はパーキンソン病による筋強剛が悪化した セレネース注 抗精神病剤 の添付文書の 禁忌 に パーキンソン病の患者 錐体外路症状 が悪化するおそれがある と記載されています No 年1月 事例2 禁忌薬剤の投与 腎不全の患者に大腸ポリープ切除術の前処置として 医師はビジクリア配合錠を処方した ビジクリア配合錠の添付文書上 禁忌事項に 重篤な腎機能障害のある患者 と記載があっ たが 医師はそのことを知らなかった ビジクリア配合錠を内服した翌日 急性高リン血症 低カルシウム血症によるテタニー症状をきたした ビジクリア配合錠 経口腸管洗浄剤 の添付文書の 禁忌 に 透析患者を含む重篤な腎機能 障害のある患者 急性リン酸腎症のある患者 と記載されています 患者の疾患や病態を把握していたが 医療用医薬品の添付文書上 禁忌 次の患者 には投与しないこと として記載のある薬剤を投与した事例が8件報告されています 集計期間 2010年1月1日 2013年11月30日 第29回報告書 個別のテーマ の検討状況 P127 に一部を掲載 事例が発生した医療機関の取り組み 患 者 の 疾 患 や 病 態を把 握して い た が 添 付 文書上 禁忌 として記載のあることを知らず 薬剤を投与した事例が報告されています 腎不全 1 No.86 禁忌薬剤の投与 医療事故情報収集等事業 投与した薬剤 主たる薬効 患者に新しく薬剤を投与する際は 添付文書の禁忌事項を把握して 処方する 総合評価部会の意見 件数 経口血糖降下剤 1 ザイザル錠 アレルギー性疾患治療剤 1 ティーエスワン配合剤 2 代謝拮抗剤 1 ビジクリア配合錠 経口腸管洗浄剤 1 グリコラン錠 医療 パーキンソン病 セレネース注 抗精神病剤 2 消化管穿孔疑い バリエネマHD75 ディスポーザブル注腸造影剤 1 血友病 ネオラミン マルチV 注射用 3 高カロリー輸液用総合ビタミン剤 1 定型化した指示による投薬などの処置は 患者の疾患を確認して 実施しましょう ビジクリア配合錠の添付文書は 禁忌に 高血圧症の高齢者 が 追加改訂されています 2012年2月 添付文書は改訂されますので 定期的に確認しましょう この医療安全情報は 医療事故情報収集等事業 厚生労働省補助事業 において収集された事例をもとに 当事業の 一環として総合評価部会の専門家の意見に基づき 医療事故の発生予防 再発防止のために作成されたものです 当事業の趣旨等の詳細については 当機構ホームページに掲載されている報告書および年報をご覧ください この情報の作成にあたり 作成時における正確性については万全を期しておりますが その内容を将来にわたり保証 するものではありません この情報は 医療従事者の裁量を制限したり 医療従事者に義務や責任を課したりするものではありません 公益財団法人 日本医療機能評価機構 1 添付文書上の疾患名又は病態はこの他 腎機能障害 軽度障害も含む 透析患者 腹膜透析を含む 重篤な腎障害のある患者などの記載があります 2 ティーエスワン配合剤は 配合カプセル 配合顆粒 配合OD錠のいずれが投与されたか不明です 3 ネオラミン マルチV 注射用の添付文書の 禁忌 に 血友病患者[パンテノール含有のため ] と記載されています 医療事故防止事業部 東京都千代田区三崎町 東洋ビル 電話 直通 FAX 直通 腎機能が低下した患者に関する事例 医療事故情報収集等事業 医療安全情報 重度の腎障害 4 5 4 疾患名又は病態 2 3 医療事故情報収集等事業が提供した医療安全情報でも腎機能が低下した患者に関する事例が取り上げ 図表7 14 1

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