94 福岡医誌 101(5):94 100,2010 過活動膀胱の成因とその治療の展望 特に筋原性説を中心として 九州大学大学院医学研究院臓器機能医学部門外科学講座泌尿器科学分野 梶岡俊一, 関 成人,Nouval Shahab, 柚木貴和, 内藤誠二 はじめに膀胱平滑筋は, 他の平滑筋と異なり袋臓

Size: px
Start display at page:

Download "94 福岡医誌 101(5):94 100,2010 過活動膀胱の成因とその治療の展望 特に筋原性説を中心として 九州大学大学院医学研究院臓器機能医学部門外科学講座泌尿器科学分野 梶岡俊一, 関 成人,Nouval Shahab, 柚木貴和, 内藤誠二 はじめに膀胱平滑筋は, 他の平滑筋と異なり袋臓"

Transcription

1 九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 過活動膀胱の成因とその治療の展望 : 特に筋原性説を中心として 梶岡, 俊一九州大学大学院医学研究院臓器機能医学部門外科学講座泌尿器科学分野 関, 成人九州大学大学院医学研究院臓器機能医学部門外科学講座泌尿器科学分野 Shahab, Nouval Department of Urology, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu Universiry 柚木, 貴和九州大学大学院医学研究院臓器機能医学部門外科学講座泌尿器科学分野 他 出版情報 : 福岡醫學雜誌. 101 (5), pp , 福岡医学会バージョン :published 権利関係 :

2 94 福岡医誌 101(5):94 100,2010 過活動膀胱の成因とその治療の展望 特に筋原性説を中心として 九州大学大学院医学研究院臓器機能医学部門外科学講座泌尿器科学分野 梶岡俊一, 関 成人,Nouval Shahab, 柚木貴和, 内藤誠二 はじめに膀胱平滑筋は, 他の平滑筋と異なり袋臓器としての蓄尿と排尿という特徴的な役割を担っている. 蓄尿時には, 下部尿路では, 膀胱は弛緩し, 内および外尿道括約筋が収縮し, 排尿時には膀胱収縮, 尿道弛緩という巧妙な協調運動によって機能を発揮する. ゆえにその機能が障害された時の治療は, 特に薬物治療となると, ターゲットとなる神経や平滑筋に対して, 興奮と同時に抑制というまったく逆の作用を同時に発揮させなければならないので非常に困難である. 本総説では蓄尿 排尿の障害である過活動膀胱の発症機序の解明にあたり最新の知見, 特に再び注目を集めることとなりつつある筋原性説に焦点をあて, その治療法の実際と将来の展望について紹介する. 1. 過活動膀胱とは過活動膀胱 (overactive bladder;oab) とは, 尿意切迫感を有し, 通常は頻尿および夜間頻尿を伴い, 切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状態 とされる 1). 以前はその診断には尿流動体検査が必要であり, 泌尿器科領域の専門家だけが診る特殊な疾患と考えられてきた. しかしながら, 本邦でも 40 歳以上の成人における過活動膀胱の実数は約 830 万人にも達することが推定されており, とても専門家だけでカバーできる患者数ではないことと, 特殊な疾患ではなくむしろ日常診療の対象となる疾患であり, 一般医家による診療の機会がますます多くなることが予想されている.2002 年の国際禁制学会 (International Continence Society;ICS) 用語基準で過活動膀胱の定義が大幅に改善され, 煩雑な尿流動態検査をしなくても, 自覚症状に基づいて過活動膀胱の診断ができるようになったことから, 世界的な流れにおいても, 過活動膀胱を広く理解してもらい, 多くの諸氏に治療を望むようになってきている. 2. 社会的背景我が国は急速に高齢化社会を迎えるにあたって, 様々な準備をしていかなければならない. 中でも, 更なる医療費, 介護費の増大は避けられないなかで, 国として高齢者個々の自立した生活を目指すことを支援することは, 個人にとっては QOL の向上であり, 国や自治体にとっては医療費 介護費などの節約につながる. 自立した生活とはまず食事, 排泄が可能であるということは疑問の余地はないところである. このなかでも, 排尿ということに焦点をあててみると, 排尿機能障害として過活動膀胱の患者は上述のように我が国では 830 万人 ( 日本排尿機能学会 :2002),40 歳以上の 12.4% を有することが示され, 欧米では 16.5% とさらに高い有病率を示している. しかしながら, その疾患の特性 ( 病院へ行って尿失禁のことを話すのが恥ずかしいから, 等 ) から, 治療を受けている人は極めて少なく, その10 分の1にも満たないといわれている. 自己処理が可能である間はまだ良いが, 放置したまま, 個々の高齢化が進み, 尿失禁, 夜間頻尿などに対して, 介護が必要となってくればその時間, 人件費などの費用ははかりしれない. また排尿障害が原因で, ストレスひいてはうつ病まで合併するようになれば, さらに医療費が嵩む結果となる. Shunichi KAJIOKA, Narihito SEKI, Nouval Shahab, Takakazu YUNOKI and Seiji NAITO Department of Urology, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu Universiry Etiology of Overactive Bladder and Its Therapeutic Perspective -Focusing on a Myogenic Basis for the Overative Bladder-

3 過活動膀胱の成因とその治療の展望 95 上記のことをふまえたうえでも, 高齢化が加速度的に進む本邦にとって, 過活動膀胱の解決は急務であり, 世界的にも望まれていることである. 3. 過活動膀胱の成因 OAB において頻尿 尿失禁 ( 切迫性のもので腹圧性尿失禁を含まない ) が発症する背景には, 膀胱が蓄尿中に勝手に収縮してしまう状態, すなわち排尿筋過活動 ( 膀胱の不随意収縮 ) があると考えられている. OAB の病因は未解明であるが, この不随意収縮は過活動膀胱に共通する病態であるため, その排尿筋 ( 膀胱平滑筋 ) の機能異常が神経によるものかあるいは, それ以外の因子によるものかで, 病因に基づき, 神経因性 OAB と非神経因性 OAB に大別されるが, 過活動膀胱の中で最も患者数が多いのは, 原因が不明の特発性 (idiopathic) のタイプである. まずは, 神経因性 OAB の原因が明らかなものの発症機序 2), 非神経因性 OAB の発症因子について各々を解説するとともに, 本稿では生理学的 分子生物学的知見から分類した過活動膀胱の神経原性説と筋原性説を紹介し, 最近では神経原性説が優位に展開されている昨今で, あえてなぜ筋原性説に焦点をおいているかを解説しながら新たな局面をむかえた筋原性説を紹介する. 1 神経障害と OAB 膀胱は中枢および末梢神経の支配下にあり, さらに膀胱排尿筋および膀胱頸部平滑筋 尿道括約筋の収縮 弛緩の調和のとれた調節によって, 蓄尿と排尿がはじめて制御される. したがって, そのどの部分に障害が生じても, 排尿障害は生じることになる. 排尿中枢は脳幹部の橋 (pontine micturition centre; PMC) にあり, 膀胱から求心路 (afferent pathway),pmc からは遠心路 (efferent pathway) を介して膀胱を収縮させる仙髄副交感神経中枢へ連絡されている. よって, 神経障害性の過活動膀胱は,PMC より上位の脳障害, あるいは仙髄より上位の脊髄障害で生じることは明らかである. 大脳皮質や, 基底核など脳幹より上位の部位は全体として PMC を抑制的に制御していることが知られているので, そこが脳卒中などで障害されると PMC に対する抑制が効かなくなり, 排尿反射が容易に誘発されて, 過活動膀胱の症状を呈するようになると考えられている. 近年では, 上位からの制御が抑制的のみならずグルタミン酸経路を介しての促進, ドパミン経路を介しての抑制という双方の経路を有し, 脳梗塞で促進作用の亢進, 抑制作用の低下という過活動膀胱に対して, 脳梗塞は神経生理学的に相乗効果的に働くという報告もある 3). 脊髄障害では, 排尿反射の一次中継点は仙髄副交感神経にあることもあって, 殆どの脊髄障害で, 過活動膀胱を合併することになる. 脊髄の中枢への連絡遮断によって, 仙髄を中枢とした反射経路が新しく形成され, 後述の神経原性説でも近年最もホットな話題となっている C- 繊維求心性神経が関与してくる. 本来ならば C- 繊維求心性神経は痛覚を伝えるのみであるが, 脊髄障害時には C- 繊維求心性神経の興奮性が高まり,C- 繊維求心性神経を介した仙髄反射経路が形成されることで, 過活動膀胱の発症が成立する 4). 2 非神経因性 OAB 非神経因性の成因として, 加齢, 下部尿路閉塞, 骨盤底のぜい弱化, 特発性などがあげられている 1). 加齢による特異的な過活動膀胱の発症機序については電顕的に平滑筋細胞間の電気的接合の増加や, 節後ニューロンからの神経伝達物質の放出が加齢に伴って, アセチルコリンの放出が減少し代わって ATP の放出が増加するといった報告があるが 5), 統一した見解は得られていない. しかしながら, 加齢に伴って過活動膀胱を発症する患者数が増加してくるのは事実である. 下部尿路閉塞については, 前立腺肥大症 (Benign Prostate Hypertrophy;BPH) に過活動膀胱がよく合併していることで, 明らかに発症機序の成因と考えられる. 現在では主に3つの発症メカニズムが提唱されている.1つ目は膀胱血流の減少による遠心性神経に部分的変性が起こることによるアセチルコリンや ATP に対する感受性が亢進すること (denervation hypersensitivity) 6),2つ目は閉塞による膀胱内圧の上昇により, 平滑筋の性質が変わるということで筋肥大や変性が起きることや 7), 後述するが Rho キナーゼ等による平滑筋の Ca 2+ 感受性の変化が起きるということ 8),3つ目は閉塞膀胱では, 神経成長因子が発現し, これがC- 繊維求心性神経の亢進を

4 96 梶岡俊一ほか 4 名 促し, 脊髄障害時のように仙髄を中枢とする排尿反射の回路を形成するというものである 9). 以上までは神経因性, 非神経因性を問わず原因が判明しているあるいは提唱されている過活動膀胱について述べてきたが, 実際に過活動患者の大多数は, 原因が特定できない本態性 (idiopathic) である. しかしながら解剖学的に考えてみると, 神経原性あるいは筋原性に起因するはずで, 現在は C- 繊維求心性神経の亢進による神経原性説が優位となりつつあるが, ここではあえて筋原性説に焦点をあてて最新の知見も加えながら詳しく紹介する. 3 特発性過活動膀胱の神経原性説と筋原性説膀胱には, 他の平滑筋にはなく, 特徴的な自発性活動 (spontaneous activity) という周期的な電気的興奮とそれに伴う膀胱の部分的な収縮がある. これが蓄尿によって膀胱容量の増大に伴い, 平滑筋組織の進展が強くなるほど部分的な収縮が膀胱の各所で発生するようになり, それらのまとまったシグナルが求心性繊維を伝わって排尿反射を引き起こす. この一連の正常な排尿反射にいたるまでの経路に異常があると, 過活動膀胱の状態を呈することになる. 特に自発性活動の異常興奮があれば, 十分に排尿反射の引き金となることは容易に想像がつく. このメカニズムで過活動膀胱が起きることを筋原性説といい 1980 年代から提唱されていた 10). 一方, 通常は排尿反射に関与しない知覚神経の C-fiber の亢進により仙髄を中枢とする排尿反射回路が形成されて, 過活動膀胱が成立するのではないかという神経原性説は 1990 年に入ってから提唱され, 以来 C-fiber の亢進という神経原性説が優位に展開されているようである 4). 4 新たな筋原性説 2000 年代に入って, 膀胱でも, 自発活動の根源となる Kit 陽性の間質性細胞, 形態学的には Cajal の間質 ( 介在 ) 細胞 (Interstitial cells of Cajal:ICC) が存在することがわかって 11), 広義の意味での筋原性説がまた脚光を浴びることとなった. ここで,Cajal の間質 ( 介在 ) 細胞 (ICC) について少し解説を加えたい 年代, 消化管の自発性運動は受容体型チロシンキナーゼである c-kit の阻害により強く障害されることが, 偶然に発見された. これを手がかりに, これまで 筋原性 と思われていたペースメーカ活動を筋層間神経叢中に存在する Kit 陽性の間質細胞が担うことが, 一連の研究から徐々に明らかとなった. ここで ICC は受容体型チロシンキナーゼである c-kit を発現していて, 周期的なペースメーカ電位を発するものである. 膀胱においても,ICC 様細胞がレセプター型チロシンキナーゼである Kit を発現しており, 細胞間の情報伝達の経路もしくは神経筋伝達の介在細胞として働いている可能性が報告されてきた. さらに膀胱平滑筋組織に特有であるといわれてきた自発活動電位もこの ICC 様細胞が担っているという研究成果も報告されてきており 12), 現在までの知見を大きく覆す可能性もでてきている. よって, 最新の過活動膀胱の筋原性の解釈としては, 膀胱の不随意収縮が過活動膀胱を発症させているのは普遍の見解である. その不随意収縮のトリガーとなりうる spontaneous activity が膀胱進展刺激によって, 以前は平滑筋から発せられると考えられていたが, 現在では膀胱の ICC あるいは ICC 様細胞から発せられるという意見や報告が多くなってきている.ICC あるいは ICC 様細胞起源の電気的興奮が GAP 結合を通じて, 膀胱平滑筋全般に伝わって不随意収縮を引き起こすのではないかというのが, 現在最も支持を得ようとしている説である 13). この説を裏付けするように, 膀胱平滑筋組織では, 他の平滑筋組織と異なって GAP 結合が未熟であるという報告がある. 従って健常者の膀胱ではこの異常興奮が全般に伝わらずに, 不随意収縮を引き起こさないのであるが, ラットや in vitro の実験によって膀胱閉塞で GAP 結合が発達するという報告 14) があり, 異常興奮が組織全体に伝わりやすくなり, 不随意収縮を起こすのではないかという ICC と GAP 結合による新たな筋原性説を検証していくことが今後の研究の中心となることが予想される. 真の新しい筋原性説としてさらに,Rho キナーゼの亢進による Ca 2+ 感受性の増加があげられる 8).Rho

5 過活動膀胱の成因とその治療の展望 97 キナーゼは低分子 G 蛋白の RhoAによって活性化される細胞内酵素であるが, 平滑筋ではアクチン分子とミオシン分子の結合解離の繰り返しによって筋の収縮が生じる. この結合解離が発生するにはミオシン頭部のリン酸化が必須である. よって平滑筋の収縮弛緩はこのリン酸化 脱リン酸化に依存しているといっていいが, これを主に制御しているのが, カルモジュリンと結合した細胞内 Ca 2+ で, この濃度変化によってリン酸化の程度を調節し収縮 弛緩をコントロールしている. この Rho キナーゼの作用には 2つあって,Rho キナーゼによるミオシン軽鎖の直接リン酸化とミオシンの活性化作用, および脱リン酸化の抑制である. いずれにせよ Rho キナーゼが亢進 活性化されると Ca 2+ 感受性が増加するわけで, 膀胱平滑筋としてはわずかな Ca 2+ の上昇で不随意収縮を引き起こしやすい状態になるわけである. 最新の研究では, この Rho A を介した Rho キナーゼが膀胱閉塞によって活性化されるという報告が集まってきている. 膀胱閉塞がどのような機序で Rho キナーゼを活性化するのかは不明であるが, 特発性にも Rho キナーゼの活性化は十分に起こり得るし, 過活動膀胱の原因となっている可能性も考えられる. このような機序の解明は, 今後の研究に期待したいところである. 5 薬物療法の現状と展望以下に, 今まで述べてきた過活動膀胱の発症機序に基づいて現在使用されている, あるいは将来臨床応用の可能性のある治療薬を紹介する. (1) ムスカリン受容体拮抗剤 ( 抗コリン剤 )( 図 1,1) 過活動膀胱の薬物療法においては, 抗コリン剤が古くから使用されてきた. 過活動膀胱の治療は膀胱の不随意収縮をいかに抑えるかが重要なポイントとなるが, 正常異常を含め, ムスカリン受容体が遠心性経路の末梢で関与することになるので, 機序からすると調節性に困難なことが予想されるが, 現在では唯一といっていい過活動膀胱治療薬である. 事実 2008 年の本邦における過活動膀胱診療ガイドラインでも根幹をなす治療薬である. ムスカリン受容体にもサブタイプがあって現在までのところ M 1 M 5 の5つのサブタイプが報告されているが, ヒト膀胱に発現しているのは M 2 とM 3 である 15). 収縮に関与するのは主にM 3 であるが,M 2 もア 図 1 膀胱排尿筋の収縮制御機構およびその作用薬膀胱を支配する神経および,ICC と排尿平滑筋の関係を示す. また各々の番号は以下に示す薬剤の作用部位を示す.SM:Smooth muscle ICC:Intestinal cell or Cajal 1 抗コリン薬,2β 3 作動薬,3 K チャネルオープナー,4 チロシンキナーゼ阻害薬, 5ギャップ結合阻害薬,6 TRP チャネル阻害薬,6 Rho キナーゼ阻害薬

6 98 梶岡俊一ほか 4 名 デニル酸シクラーゼや Ca 2+ 依存性 Kチャネルの抑制によって, 間接的に収縮を促進している. 現在はこのM 3 に選択性の高い薬剤が主流となりつつあるが, 体の他の器官にも M 3 を介する受容器があるので, たとえば口渇, 便秘, 目のかすみといった副作用は避けられない. しかしながら, 薬物組織移行性の検討や代謝特性を変えることにより, このような副作用を軽減する努力が試みられている. (2) アドレナリン受容体作動薬 (β 3 受容体作動薬 : ミラベクロン )( 図 1,2) 膀胱において, 交感神経系のアドレナリン受容体はあまり発達していないのが通説であったが, その後の分子生物学の発展により遺伝子レベルではあるが,β 3 受容体が膀胱平滑筋で豊富に発現していることがわかった.β 3 受容体は最初に脂肪細胞で報告され, 平滑筋ではその受容体の刺激によって,β 1,β 2 受容体と同様に G 蛋白を介して,cAMP の活性化による Ca 貯蔵部位への Caの取り込みによるものと, camp に依存しないカリウムチャネルの活性化により筋弛緩作用を発揮することが報告されている. この薬剤は副作用が少なく, 循環器への影響も認められていない. また, 何より抗コリン薬と比較して, 尿閉が理論的にも, 実際にも生じないのが大きな利点となるであろう. 現在いくつかの試薬 ( ミラベクロン, GW427353,KUC-7483,MN-246) が臨床治験中であり, 今後の過活動膀胱治療薬の抗コリン薬と並んでもう1つの柱となることが期待できる 16). (3) カリウムチャネルオープナー ( 図 1,3) 平滑筋細胞膜のカリウムチャネルの活性化は膜の過分極を起こし, 電位依存性 Caチャネルの開口確率を下げることで, 細胞内カルシウムの濃度を下げ, 平滑筋の弛緩作用をもたらす. 開発当初は, 組織選択性が低く血圧低下を招いて臨床使用は困難が予想されたが, 近年では膀胱選択性の高いカリウムチャネルオープナー (ZD0947) が開発され期待されている 17). しかしながら, 今一度, 過活動膀胱の発症メカニズムを考えてみると, 膀胱平滑筋の性質の変化だけでなく, 上述のように膀胱血流の減少,C- 繊維求心性神経などの排尿機能関連神経の興奮性の亢進が考えられていることから, 血管平滑筋や, 神経のカリウムチャネルを活性化させ, 血管の弛緩や神経の興奮を抑制することも有効であると考えられるので, 非選択性のカリウムチャネルオープナーの過活動膀胱への効果を再考してみる必要がある. 事実, 臨床で唯一使用されている非選択的カリウムチャネルオープナーであるニコランジルは臨床試験で, 過活動膀胱に対して有意に効果があったという報告もある 18). (4) チロシンキナーゼ阻害剤 ( 図 1,4) 過活動膀胱は膀胱の不随意収縮に帰因するが, その収縮は膀胱特有の spontaneous activity の異常興奮によると考えられている. 最近の話題である ICC あるいは ICC 様細胞によってこの spontaneous activity が司られているとすれば, この細胞を選択的に抑えることによって, 過活動膀胱の治療とすることができる. メシル酸イマチニブ ( グリベック ) は,Kit を抑制することにより元来慢性骨髄性白血病に対する治療薬として開発されたが,ICC 由来の消化管間葉系腫瘍に対しても効果が確認されている. この点に注目し, 過活動膀胱モデル動物にグリベックを投与し膀胱内圧測定を行ったところ, 排尿圧を変化させることなく排尿筋過活動を抑制し, 排尿間隔を延長させることがわかった. この結果から Kit 阻害薬であるメシル酸イマチニブや他のチロシンキナーゼ阻害剤の過活動膀胱に対する新しい治療薬としての可能性が示唆された 12). (5)GAP 結合遮断剤 ( 図 1,5) 以前より解剖学的に膀胱平滑筋組織では,GAP 結合は乏しいといわれている 19). 従って, 膀胱平滑筋が協調性をもって, 排尿時に一気に収縮するためには末梢性遠心性神経がかなり豊富に平滑筋組織に分布していなければならない. ゆえに, 神経末端のムスカリン受容体に対する抗コリン剤が膀胱ではよく効くのは理解できるところである. 一方 GAP 結合の方に焦点をおいてみると, 正常の膀胱では未発達であるのに膀胱閉塞モデルの動物の膀胱や, 切迫性尿失禁を有する患者の膀胱では GAP 結合がよく発達している報告が集まってきている. 膀胱閉塞モデルによる末梢血管の虚血などで膀胱平滑筋が障害を受けた後のリモデリング機構で,basic fibroblast growth factor(bfgf) などの細胞増殖因子が活性化されることがわかっており,bFGFによって GAP 結合を構成している connexin 43 の発現が促進されるので, 過活動膀胱

7 過活動膀胱の成因とその治療の展望 99 では GAP 結合が発達しているのではないかと考えられている 20). 従って, 個々の細胞機能を失わずに GAP 結合のみ抑制できれば, 過活動膀胱の理想的な治療薬となる可能性がある. 現在の候補として抗マラリア薬の mefuloquine などがあげられている 21). (6) その他 ( 図 1,6,6 ) 膀胱求心性神経, 特に C- 繊維求心性神経の活動亢進を抑制できる薬剤が過活動膀胱治療薬の候補として考えられている. カプサイシンやレジニフェラトキシンといった TRP channel 受容体阻害薬の膀胱内注入, ニューロキニン受容体拮抗薬, プリン受容体阻害薬, プロスタグランディン EP-1 受容体阻害薬などが, 現在研究段階にある 21)22). また, 上述のように Rho キナーゼ阻害剤も候補の1つと考えられる. おわりに 過活動膀胱の最新の発症機序の知見を様々な方向から解説した. また過活動膀胱の治療薬の現在と未来の展望について, 発症機序の点を中心に紹介した. 参考文献 1) 過活動膀胱診療ガイドライン 改訂ダイジェスト版 日本排尿機能学会 過活動膀胱ガイドライン作成委員 会 2008 年. 2 山口 脩, 過活動膀胱の病態と薬物療法 Folia Pharmacol. Jpn 121: , Yokoyama O, Yoshiyama M, Namiki M and degroat WC : Glutamatergic and dopaminergic contributions to rat bladder hyperactivity after cerebral artery occlusion. Am J Physiol. 276 : R1900-R1907, ) Fowler CJ : Bladder afferents and their role in the overactive bladder. Urology. 59(5 Suppl 1) : (Review) 5) Yoshida M, Homma Y, Inadome A, Yono M, Seshita H, Miyamoto Y, Murakami S, Kawabe K and Ueda S : Agerelated changes in cholinergic and purinergic neurotransmission in human isolated bladder smooth muscles. Exp Gerontol. 36 : , ) Speakman MJ, Brading AF, Gilpin CJ, Dixon JS, Gilpin SA and Gosling JA : Bladder outflow obstruction-a cause of denervation supersensitivity. J Urol. 138 : , ) Seki N, Karim OM and Mostwin JL : The effect of experimental urethral obstruction and its reversal on changes in passive electrical properties of detrusor muscle. J Urol. 148 : , ) Takahashi R, Nishimura J, Hirano K, Seki N, Naito S and Kanaide H :Ca2 + sensitization in contraction of human bladder smooth muscle. J Urol. 172 : , ) Steers WD, Ciambotti J, Etzel B, Erdman S and de Groat WC : Alterations in afferent pathways from the urinary bladder of the rat in response to partial urethral obstruction. J Comp Neurol : , ) Sibley GN : A comparison of spontaneous and nerve-mediated activity in bladder muscle from man, pig and rabbit. J Physiol. 354 : , McCloskey KD : Interstitial cells in the urinary bladder-localization and Function. Neurourol Urodyn 29 : 82-87, ) Kubota Y, Hashitani H, Shirasawa N, Kojima Y, Sasaki S, Mabuchi Y, Soji T, Suzuki H and Kohri K : Altered distribution of interstitial cells in the guinea pig bladder following bladder outlet obstruction. Neurourol Urodyn. 27 : Brading AF : A myogenic basis for the overactive bladder. Urology 50 (Suppl 6A) : 57-67, 1997 (review) 14) Neuhaus J, Pfeiffer F, Wolburg H, Horn LC and Dorschner W : Alterations in connexin expression in the bladder of patients with urge symptoms. BJU Int. 96 : , Yamaguchi O, Shishido K, Tamura K, Ogawa T, Fujimura T and Ohtsuka M : Evaluation of mrnas encoding muscarinic receptor subtypes in human detrusor muscle. J Urol. 156 : , ) 梶岡俊一, 関成人 : 排尿障害治療薬 新薬展望 2010( 医薬ジャーナル )46( 増刊号 ): ) Aishima M, Tomoda T, Yunoki T, Nakano T, Seki N, Yonemitsu Y, Sueishi K, Naito S, Ito Y and Teramoto N : Actions of ZD0947, a novel ATP-sensitive K + channel opener, on membrane currents in human detrusor myocytes. Br J Pharmacol. 149 : , ) Kamiyama Y, Muto S, Nishio K et al. : Horie S1, Muto S1, Kamiyama Y1, Nishio K1, Okada H1, Ishizuka N2, Saito K Nicorandil, a KATP channel opener and nitric oxide donor, was effective in the treatment of urinary

8 100 梶岡俊一ほか 4 名 frequency - A randomised clinical trial Neurourol Urodyn Volume : 25 Issue : 6 Special Issue : Sp. Iss. SI Pages : Meeting Abstract : 92 Published : ) Sui GP, Rothery S, Dupont E, Fry CH and Severs NJ : Gap junctions and connexin expression in human suburothelial interstitial cells. BJU Int. 90 : , ) Imamura M, Negoro H, Kanematsu A, Yamamoto S, Kimura Y, Nagane K, Yamasaki T, Kanatani I, Ito N, Tabata Y and Ogawa O : Basic fibroblast growth factor causes urinary bladder overactivity through gap junction generation in the smooth muscle. Am J Physiol Renal Physiol. 297 : F46-54, Epub 2009 Apr ) Yamamoto Y and Suzuki H : Blockade by mefloquine of intercellular electrical coupling between vascular endothelial cells in the guinea-pig mesenteric arteries. J Smooth Muscle Res. 44 : , ) 柚木貴和, 関成人, 寺本憲功, 内藤誠二 :OAB の新規薬物療法, 排尿障害プラクティス Vol.15 No ( 総説 )2007. ( 参考文献のうち, 数字がゴシック体で表示されているものについては, 著者により重要なものと指定された分です.)

第6号-2/8)最前線(大矢)

第6号-2/8)最前線(大矢) 最前線 免疫疾患における創薬標的としてのカリウムチャネル 大矢 進 Susumu OHYA 京都薬科大学薬理学分野教授 異なる経路を辿る 1つは マイトジェンシグナル 1 はじめに を活性化し 細胞増殖が促進されるシグナル伝達経 路 図1A 右 であり もう1つはカスパーゼやエ 神 経 筋 の よ う な 興 奮 性 細 胞 で は カ リ ウ ム ンドヌクレアーゼ活性を上昇させ アポトーシスが K

More information

<955C8E862E656361>

<955C8E862E656361> 第 64 回東邦大学薬学部公開講座プログラムテーマ : 排尿障害とくすり 日時 : 平成 29 年 10 月 7 日 ( 土 ) 会場 : 東邦大学習志野キャンパス薬学部 C 館 C-101 講義室 13:30~13:35 開会の挨拶木村美紀 ( 薬学部社会連携委員司会進行 ) 13:35~14:35 講演 1 漏れる 話と 出にくい 話 - 今日からできる! 過活動膀胱と前立腺肥大症の対策 - 座長

More information

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関 Title 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 大西, 正俊 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2010-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/120523 Right Type Thesis or Dissertation

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 6459 8. その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May. 2017 EGFR 遺伝子変異検査 ( 院内測定 ) c-erbb/egfr [tissues] 基本情報 8C051 c-erbb/egfr JLAC10 診療報酬 分析物 識別材料測定法

More information

cover

cover Pharma Medica (2006.02) 24 巻 2 号 :41~44. 過活動膀胱 up to date 過活動膀胱の治療前立腺肥大症に合併した過活動膀胱の治療 柿崎秀宏, 谷口成実, 沼田篤, 安住誠, 芳生旭辰 前立腺肥大症に合併した過活動膀胱の治療 柿崎秀宏 谷口成実 沼田篤 安住誠 芳生旭辰 旭川医科大学泌尿器科学講座 Treatment of overactive bladder

More information

Microsoft PowerPoint - 18年10月15日舛森先生(排尿機序).pptx

Microsoft PowerPoint - 18年10月15日舛森先生(排尿機序).pptx 下部尿路機能とその異常 1 排尿機序 / 神経因性膀胱 / 尿失禁 下部尿路の構造 ( 正中矢状面 ) 泌尿器科学講座舛森直哉 下部尿路の構造 ( 正中矢状面 ) 蓄尿期 蓄尿と排尿の機序排尿サイクル 排尿期 弛緩 排尿筋 膀胱頸部 収縮 収縮 外尿道括約筋 弛緩 下部尿路の神経支配 下部尿路における神経伝達物質と受容体 下腹神経 ( 交感神経 ) 橋排尿中枢 受容体 膀胱頸部 前立腺 ( 収縮 )

More information

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ 再発した前立腺癌の増殖を制御する新たな分子メカニズムの発見乳癌治療薬が効果的 発表者筑波大学先端領域学際研究センター教授柳澤純 (junny@agbi.tsukuba.ac.jp TEL: 029-853-7320) ポイント 女性ホルモンが制御する新たな前立腺癌の増殖 細胞死メカニズムを発見 女性ホルモン及び女性ホルモン抑制剤は ERβ 及び KLF5 を通じ FOXO1 の発現量を変化することで前立腺癌の増殖

More information

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http 脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2009-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/124054 Right Type Thesis or

More information

1001-責了.indd

1001-責了.indd 1 下部尿路症状は, 外来診療で非常に頻度が高いものである. このうち過活動膀胱 ( 尿意切迫 / 頻尿, 尿失禁はなくてもよい ) は生活の質を悪化させ, 残尿 尿閉は尿路感染症, 腎後性腎不全をきたし予後を悪化させる懸念もある. 本稿では, 排尿障害の見方について概略を述べる. 1 神経症候からみた神経因性膀胱は, 下記のようにとらえるとよい 1-3) ( 図 1-1). 末梢神経 脊髄疾患による神経因性膀胱は,

More information

3 尿意切迫感 : 急に起こり抑えられない強い尿意で我慢することができないという愁訴である. 水に触れたり, 流れる音を聞いたり, 水の流れを見たりすると誘発されることが多い. 正常者が感じる排尿を我慢していて徐々に増強する強い尿意とは異なり, 予測できない突然起こる強い尿意である. 4 切迫性尿失

3 尿意切迫感 : 急に起こり抑えられない強い尿意で我慢することができないという愁訴である. 水に触れたり, 流れる音を聞いたり, 水の流れを見たりすると誘発されることが多い. 正常者が感じる排尿を我慢していて徐々に増強する強い尿意とは異なり, 予測できない突然起こる強い尿意である. 4 切迫性尿失 第 1 章 総論 1 定義と病態 A LUTS に関する用語 LUTS とはこれまで広く尿の貯留や排出に関係する症状を一般的に排尿症状とよんでいた. このような多岐にわたる症状を整理して定義することが実際の診療上必要となり,2002 年国際禁制学会で下部尿路機能に関する用語基準が報告された 1). このころから専門家は前述のいわゆる排尿症状を下部尿路症状 (lower urinary tract symptoms

More information

<4D F736F F D B E D F28DDC82C982E682E FE18A5182C982C282A282C42E646F63>

<4D F736F F D B E D F28DDC82C982E682E FE18A5182C982C282A282C42E646F63> 1 (No No No No54 H21.1 21.1 21.1 21.1.14..14..14..14. 薬剤科薬剤科薬剤科薬剤科薬剤薬剤薬剤薬剤によるによるによるによる排尿障害排尿障害排尿障害排尿障害についてについてについてについて排尿障害排尿障害排尿障害排尿障害は 前立腺肥大症前立腺肥大症前立腺肥大症前立腺肥大症や脳血管障害脳血管障害脳血管障害脳血管障害 パーキンソン パーキンソン パーキンソン

More information

206 年実施卒後教育プログラム ( 日泌総会 ) 領域等タイトル日時単位 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 4 日泌総会卒後 8 日泌総会卒後 9 日泌総会卒後 0 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 4 日泌総会卒後 5 日泌総会卒後 6

206 年実施卒後教育プログラム ( 日泌総会 ) 領域等タイトル日時単位 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 4 日泌総会卒後 8 日泌総会卒後 9 日泌総会卒後 0 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 4 日泌総会卒後 5 日泌総会卒後 6 領域講習 205 年実施卒後教育プログラム 領域等タイトル日時単位 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 4 日泌総会卒後 5 日泌総会卒後 6 日泌総会卒後 7 日泌総会卒後 8 日泌総会卒後 9 日泌総会卒後 0 日泌総会卒後 日泌総会卒後 2 日泌総会卒後 3 日泌総会卒後 5 日泌総会卒後 6 日泌総会卒後 7 東部総会卒後 東部総会卒後 2 中部総会卒後 中部総会卒後

More information

Microsoft PowerPoint - 2_(廣瀬宗孝).ppt

Microsoft PowerPoint - 2_(廣瀬宗孝).ppt TrkA を標的とした疼痛と腫瘍増殖 に効果のあるペプチド 福井大学医学部 器官制御医学講座麻酔 蘇生学領域 准教授 廣瀬宗孝 1 研究背景 癌による痛みはWHOの指針に沿って治療すれば 8 割の患者さんで痛みが取れ 残りの内 1 割は痛みの専門医の治療を受ければ痛みが取れる しかし最後の1 割は QOLを良好に保ったまま痛み治療を行うことは困難であるのが現状である TrkAは神経成長因子 (NGF)

More information

様式 C-19 科学研究費補助金研究成果報告書 平成 23 年 12 月 15 日現在 機関番号 :15101 研究種目 : 基盤研究 (C) 研究期間 :2008~2010 課題番号 :20591880 研究課題名 ( 和文 ) 過活動膀胱は予防可能か? 研究課題名 ( 英文 )Can we prevent overactive bladder? 研究代表者齊藤源顕 (SAITO MOTOAKI)

More information

新規 P2X4 受容体アンタゴニスト NCP-916 の鎮痛作用と薬物動態に関する検討 ( 分野名 : ライフイノベーション分野 ) ( 学籍番号 )3PS1333S ( 氏名 ) 小川亨 序論 神経障害性疼痛とは, 体性感覚神経系の損傷や疾患によって引き起こされる痛みと定義され, 自発痛やアロディ

新規 P2X4 受容体アンタゴニスト NCP-916 の鎮痛作用と薬物動態に関する検討 ( 分野名 : ライフイノベーション分野 ) ( 学籍番号 )3PS1333S ( 氏名 ) 小川亨 序論 神経障害性疼痛とは, 体性感覚神経系の損傷や疾患によって引き起こされる痛みと定義され, 自発痛やアロディ 九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 新規 P2X4 受容体アンタゴニスト NCP-916 の鎮痛作用と薬物動態に関する検討 小川, 亨 http://hdl.handle.net/2324/178378 出版情報 : 九州大学, 216, 博士 ( 創薬科学 ), 課程博士バージョン : 権利関係 : やむを得ない事由により本文ファイル非公開

More information

学位論文の要約

学位論文の要約 学位論文内容の要約 愛知学院大学 甲第 678 号論文提出者土屋範果 論文題目 骨芽細胞におけるずり応力誘発性 細胞内 Ca 2+ 濃度上昇へのグルタミン酸の関与 No. 1 愛知学院大学 Ⅰ. 緒言 矯正歯科治療時には機械刺激により骨リモデリングが誘発される 機械 刺激が骨リモデリングや骨量の制御因子の一つであることはよく知られて いるが 骨関連細胞が機械刺激を感受する分子機構は十分に明らかにされ

More information

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお 2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎においてはかゆみが診断基準の基本項目にもあげられる重要な要素となっています 執拗なかゆみの持続により 集中力の低下や不眠が生じ日常生活に悪影響を及ぼし

More information

経支配は副交感神経優位に切り替わる10) 排尿を決意すると, 副交感神経終末からアセチルコリンが放出され, 膀胱はムスカリン (M) 受容体を介した作用により収縮し, 尿が排出される7) 抗コリン薬はこのアセチルコリンのムスカリン (M) 受容体への結合を遮断することで, 膀胱の異常収縮を抑制する

経支配は副交感神経優位に切り替わる10) 排尿を決意すると, 副交感神経終末からアセチルコリンが放出され, 膀胱はムスカリン (M) 受容体を介した作用により収縮し, 尿が排出される7) 抗コリン薬はこのアセチルコリンのムスカリン (M) 受容体への結合を遮断することで, 膀胱の異常収縮を抑制する 選択的 β3 アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤 開発の背景 過活動膀胱は潜在的な排尿筋過活動状態に起因していると考えられることから, その治療には主に膀胱収縮抑制作用を有するムスカリン受容体拮抗薬が広く用いられている しかしながら, ムスカリン受容体が膀胱以外に唾液腺, 腸管および毛様体筋などにも存在し, 機能的役割も伴っているため, 口内乾燥, 便秘および霧視などの副作用を伴うことがあること,

More information

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 6 月 23 日 独立行政法人理化学研究所 独立行政法人科学技術振興機構 細胞内のカルシウムチャネルに情報伝達を邪魔する 偽結合体 を発見 - IP3 受容体に IP3 と競合して結合するタンパク質 アービット の機能を解明 - 細胞分裂 細胞死 受精 発生など 私たちの生の営みそのものに関わる情報伝達は 細胞内のカルシウムイオンの放出によって行われています

More information

-119-

-119- -119- - 日中医学協会助成事業 - 前立腺がんの造骨性骨転移のメカニズム解明 研究者氏名中国所属機関日本研究機関指導責任者共同研究者 王麗楊中国医科大学大阪大学歯学研究科教授米田俊之相野誠 要旨 近年日本の男性において急増している前立腺がんは死亡率の第 2 位にランクされている 80% 以上の前立腺癌は造骨性の骨転移を示し 患者の QOL および生存期間を著しく低下させる 前立腺がん発生のメカニズムには未だ不明な点が多く

More information

Microsoft PowerPoint クリニックで泌尿器科医が行う治療の実

Microsoft PowerPoint クリニックで泌尿器科医が行う治療の実 クリニックで泌尿器科医が行う治療の実際 77 歳男性 合併症 : 心不全 糖尿病 胃潰瘍現病歴 : 夜間の切迫性尿失禁がひどくなった近医内科で ハルナール 0.2mg は 2 年前から処方受けている検査成績 :Cre1.38 尿蛋白 2+ 尿糖 + 長谷川式認知症スケール :28/36 点と正常 静岡市かげやま医院影山慎二 前立腺は大きくない いわゆる LUTS たくさんの内服 リポバス (5) 1T/1x

More information

平成14年度研究報告

平成14年度研究報告 平成 14 年度研究報告 研究テーマ 多嚢胞性卵巣発症に関する遺伝性素因の解析 - PCO の解析 - 北海道大学大学院医学研究科 助手菅原照夫 現所属 : 北海道大学大学院医学研究科 医学部連携研究センター サマリー 多嚢胞性卵巣 (PCO) は生殖可能年齢の婦人の 5 10% に発症する内分泌疾患である 臨床症状は 月経不順 多毛 肥満 排卵障害が主な特徴であり 難治性の不妊症の主な原因である

More information

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D>

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D> PRESS RELEASE(2017/07/18) 九州大学広報室 819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp URL:http://www.kyushu-u.ac.jp 造血幹細胞の過剰鉄が血液産生を阻害する仕組みを解明 骨髄異形成症候群の新たな治療法開発に期待 - 九州大学生体防御医学研究所の中山敬一主幹教授

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 86. 線虫 C. elegans およびマウスをモデル動物とした体細胞レベルで生じる性差の解析 井上英樹 Key words: 性差, ストレス応答,DMRT 立命館大学生命科学部生命医科学科 緒言性差は雌雄の性に分かれた動物にみられ, 生殖能力の違いだけでなく形態, 行動などそれぞれの性の間でみられる様々な差異と定義される. 性差は, 形態や行動だけでなく疾患の発症リスクの男女差といった生理的なレベルの差異も含まれる.

More information

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク

ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 ポイント 脂肪幹細胞の脂肪分化誘導に伴い FABP4( 脂肪細胞型 ) FABP5( 表皮型 ) が発現亢進し 分泌されることを確認しました トランスク 平成 28 年 12 月 19 日 ヒト脂肪組織由来幹細胞における外因性脂肪酸結合タンパク (FABP)4 FABP 5 の影響 糖尿病 肥満の病態解明と脂肪幹細胞再生治療への可能性 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 泌尿器科学分野の山本徳則 ( やまもととくのり ) 准教授 後藤百万 ( ごとうももかず ) 教授と札幌医科大学内分泌内科の古橋眞人 ( ふるはしまさと ) 講師

More information

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日) 平成 28 年 5 月 26 日 肺がんに対する新たな分子標的治療を発見! 本研究成果のポイント 肺がんのうち 5% 程度を占める KRAS( 1) 遺伝子変異肺がんは, 上皮間葉移行 ( 2) 状態により上皮系と間葉系の 2 種類に分類される KRAS 遺伝子変異を有する肺がんに対し現在臨床試験中の MEK 阻害薬は, 投与後に細胞表面受容体を活性化することにより効果が減弱され, 活性化される細胞表面受容体は上皮間葉移行状態により異なる

More information

漢方薬

漢方薬 神経系 Pharmaceutical education for the general public. Advanced level text to learn medicine. 深井良祐 [ 著 ] 1 目次 第一章. 神経系とは P. 3 1-1. 神経系の仕組み P.3 1-2. 神経系の分類 P.4 第二章. 中枢神経 ( 脳で働く神経伝達物質 ) P. 6 第三章. 自律神経 ( 交感神経と副交感神経

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > platelet derived growth factor (PDGF 血小板由来成長因子)-C,

More information

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化 論文の内容の要旨 論文題目 着床期ヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸の発現調節機序及び機能の解析 指導教員武谷雄二教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 15 年 4 月入学 医学博士課程 生殖 発達 加齢医学専攻 清末美奈子 緒言 着床とは 受精卵が分割し形成された胚盤胞が子宮内膜上皮へ接着 貫通し 子 宮内膜間質を浸潤して絨毛構造を形成するまでの一連の現象をいう 胚盤胞から分化した トロフォブラストが浸潤していく過程で

More information

<4D F736F F D E7396AF8CF68A4A8D758DC081698F9790AB82CC FE18A51816A>

<4D F736F F D E7396AF8CF68A4A8D758DC081698F9790AB82CC FE18A51816A> 女性の排尿障害 総合医療センター泌尿器科 山田拓巳 女性の排尿障害には 過活動膀胱 腹圧性尿失禁および間質性膀胱炎があり 特に過活動膀胱 腹圧性尿失禁が多くを占めます 今回は この二つの疾患について 説明いたします 1. 過活動膀胱 (1) 過活動膀胱とはこれは新しい疾患概念で 2002 年に国際尿禁制学会 (International Continence Society : ICS) で提唱されました

More information

目 次 CONTENTS 1. はじめに 3 2. 下部尿路症状 4 3. 疫学 5 4. 排尿の仕組み 6 5. 下部尿路機能の分類 7 6. 蓄尿障害の疾患 病態 治療 8 1 腹圧性尿失禁 8 2 切迫性尿失禁と過活動膀胱 10 Ⅰ. 抗コリン薬 13 1 トルテロジン 13 2 ソリフェナシ

目 次 CONTENTS 1. はじめに 3 2. 下部尿路症状 4 3. 疫学 5 4. 排尿の仕組み 6 5. 下部尿路機能の分類 7 6. 蓄尿障害の疾患 病態 治療 8 1 腹圧性尿失禁 8 2 切迫性尿失禁と過活動膀胱 10 Ⅰ. 抗コリン薬 13 1 トルテロジン 13 2 ソリフェナシ 目 次 CONTENTS 1. はじめに 3 2. 下部尿路症状 4 3. 疫学 5 4. 排尿の仕組み 6 5. 下部尿路機能の分類 7 6. 蓄尿障害の疾患 病態 治療 8 1 腹圧性尿失禁 8 2 切迫性尿失禁と過活動膀胱 10 Ⅰ. 抗コリン薬 13 1 トルテロジン 13 2 ソリフェナシン 13 3 イミダフェナシン 13 4 プロピベリン 14 5 フェソテロジン 14 6 オキシブチニン経皮吸収型製剤

More information

スライド 1

スライド 1 神経系の分類 神経系は その機能の中心になる中枢神経系と 中枢と身体各部を連絡する末梢神経系とに分類される 中枢神経系は脳と脊髄よりなる 末梢神経系は 身体の運動や感覚機能を司る体性神経系と 循環 呼吸 消化などの自律機能を司る自律神経系に分類される 体性神経の求心神経は 皮膚や骨格筋 関節や各種感覚器からの情報を伝えるので 感覚神経と呼ばれる 体性神経の遠心性神経は 骨格筋を支配し運動神経と呼ばれる

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial Hyperglycemia-Induced Pathological Changes Induced by Intermittent

More information

生物 第39講~第47講 テキスト

生物 第39講~第47講 テキスト 基礎から分かる生物 興奮の伝導と伝達 1. 興奮の伝導 1 興奮の伝導 興奮が生じると, 興奮が生じた部位と隣接する静止状態の部位の間で電位の差が発生する. この電位差により, 興奮部分から隣接部へと活動電流が流れる. 活動電流が隣接部を興奮させる刺激となり, 隣接部が次々と興奮する. これによって興奮は, 興奮が発生した部位から軸索内を両方向に伝導する. 1 興奮の発生 2 隣接部に活動電流が流れる

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション パーキンソン病患者の認知 障害を正常化する薬 帯広畜産大学獣医学研究部門基礎獣医学分野教授石井利明 背景 ~ パーキンソン病 (PD) とは ~ PD の概要 (10 万人に 100 人の割合で発症 ) アルツハイマー病に次いで多い進行性神経変性疾患 発症の原因は不明 黒質線条体ドパミン (DA) 神経の傷害 PD の症状 1 運動症状 安静時振戦 : ふるえ 固縮 : 筋肉のこわばり 無動 : 動作が遅くなる

More information

http://nmoadm.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/cvdprem/topics/201108/520983.html Page 1 of 2 2011. 8. 8 New Insight from Basic Research 心不全への β 遮断薬はなぜカルベジロールなのか 同薬剤は心不全合併心室性不整脈を直接的に予防することが判明 古川哲史 = 東京医科歯科大学

More information

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 朝日通雄 恒遠啓示 副査副査 瀧内比呂也谷川允彦 副査 勝岡洋治 主論文題名 Topotecan as a molecular targeting agent which blocks the Akt and VEGF cascade in platinum-resistant ovarian cancers ( 白金製剤耐性卵巣癌における

More information

Microsoft PowerPoint - agonist

Microsoft PowerPoint - agonist 図説薬理学 Pictured Pharmacology アゴニストとアンタゴニストの関係 宮崎大学農学部獣医薬理学講座伊藤勝昭 禁 : 無断転載 Copyright: Katsuaki Ito Veterinary Pharmacology University of Miyazaki このファイルは学生が講義で聞いた内容を正確に より深く理解するために作られたもので 教科書の補助資料です ファイルの内容の無断転載を防ぐため

More information

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー ( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 米田博 藤原眞也 副査副査 黒岩敏彦千原精志郎 副査 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パーキンソン病患者における幸福感の喪失 ) 学位論文内容の要旨 目的 パーキンソン病 (PD) において 気分障害は非運動症状の中でも重要なものであり

More information

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形 AKT活性を抑制するペプチ ド阻害剤の開発 野口 昌幸 北海道大学遺伝子病制御研究所 教授 広村 信 北海道大学遺伝子病制御研究所 ポスドク 岡田 太 北海道大学遺伝子病制御研究所 助手 柳舘 拓也 株式会社ラボ 研究員 ナーゼAKTに結合するタンパク分子を検索し これまで機能の 分からなかったプロトオンコジンTCL1がAKTと結合し AKT の活性化を促す AKT活性補助因子 であることを見い出し

More information

<4D F736F F F696E74202D20358C8E313293FA E690B6914F97A EC91E58FC7205B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D20358C8E313293FA E690B6914F97A EC91E58FC7205B8CDD8AB B83685D> 前立腺肥大症 Benign Prostatic Hyperplasia: BPH BPH の病態生理の理解のために (1) 正常前立腺の zonal anatomy An Overview Urethra Transition zone Anterior fibromuscular stroma Ejaculatory duct Central zone Peripheral zone BPH の病態生理の理解のために

More information

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によ

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によ 60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によって実現されています 脳は 神経回路で知られるニューロン 脳構造の維持をつかさどるグリア細胞および血管で構成されています

More information

研究の背景社会生活を送る上では 衝動的な行動や不必要な行動を抑制できることがとても重要です ところが注意欠陥多動性障害やパーキンソン病などの精神 神経疾患をもつ患者さんの多くでは この行動抑制の能力が低下しています これまでの先行研究により 行動抑制では 脳の中の前頭前野や大脳基底核と呼ばれる領域が

研究の背景社会生活を送る上では 衝動的な行動や不必要な行動を抑制できることがとても重要です ところが注意欠陥多動性障害やパーキンソン病などの精神 神経疾患をもつ患者さんの多くでは この行動抑制の能力が低下しています これまでの先行研究により 行動抑制では 脳の中の前頭前野や大脳基底核と呼ばれる領域が 報道関係者各位 平成 30 年 11 月 8 日 国立大学法人筑波大学 国立大学法人京都大学 不適切な行動を抑制する脳のメカニズムを発見 ~ ドーパミン神経系による行動抑制 ~ 研究成果のポイント 1. 注意欠陥多動性障害やパーキンソン病などで障害が見られる不適切な行動を抑制する脳のメカニズムを発見しました 2. ドーパミン神経系に異常が見られる精神 神経疾患では行動の抑制が困難になりますが 本研究はドーパミン神経系が行動抑制に寄与するメカニズムを世界に先駆けて明らかにしました

More information

スライド 1

スライド 1 1. 血液の中に存在する脂質 脂質異常症で重要となる物質トリグリセリド ( 中性脂肪 :TG) 動脈硬化に深く関与する 脂質の種類 トリグリセリド :TG ( 中性脂肪 ) リン脂質 遊離脂肪酸 特徴 細胞の構成成分 ホルモンやビタミン 胆汁酸の原料 動脈硬化の原因となる 体や心臓を動かすエネルギーとして利用 皮下脂肪として貯蔵 動脈硬化の原因となる 細胞膜の構成成分 トリグリセリド ( 中性脂肪

More information

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 ( 平成 29 年 3 月 1 日 汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 皮膚科学の秋山真志 ( あきやままさし ) 教授 柴田章貴 ( しばたあきたか ) 客員研究者 ( 岐阜県立多治見病院皮膚科医長 ) 藤田保健衛生大学病院皮膚科の杉浦一充 ( すぎうらかずみつ 前名古屋大学大学院医学系研究科准教授

More information

<4D F736F F F696E74202D C8E323893FA E690B B408F98>

<4D F736F F F696E74202D C8E323893FA E690B B408F98> 下部尿路機能とその異常 1 排尿機序 / 神経因性膀胱 / 尿失禁 泌尿器科舛森直哉 下部尿路の形態と機能 今日の最重要ポイント -1 正常の排尿には 膀胱排尿筋の収縮 + 膀胱三角部 - 膀胱頸部 - 前立腺尿道の弛緩 + 外尿道括約筋の弛緩 が必要で かつこれらの作用が協調していなければならない基本的な神経支配大脳 - 橋排尿反射中枢 : 排尿への影響膀胱排尿筋 : 副交感神経 ( 骨盤神経 )

More information

1315 (15)

1315 (15) (14) 1315 (15) 1316 (16) 1317 (17) 1318 (18) 1319 (19) 1320 (20) 1321 (21) 1322 quinidine, disopyramide, and procainamide in isolated atrial myocytes : Mediation by 2) Inoue H, et al: Effects of pentisomide

More information

M波H波解説

M波H波解説 M 波 H 波の解説第 3 版 平成 28 年 10 月 20 日 目白大学保健医療学部理学療法学科照井直人 無断引用 転載を禁ず 図 1. は 平成 24 年度の生理学実習のある班の結果である 様々な刺激強度の結果を重ね書き ( オーバー レイ ) してある 図 1. 記録例 図 2. にサンプルデータを示す 図 2. 刺激強度を変化させた時の誘発筋電図 刺激強度は上から 5.5 ma 6.5 ma

More information

共同研究チーム 個人情報につき 削除しております 1

共同研究チーム 個人情報につき 削除しております 1 2016 年 12 月 19 日 17 時 ~ 記者レクチャー @ 文部科学省 細胞死を司る カルシウム動態の制御機構を解明 - アービット (IRBIT) が小胞体ーミトコンドリア間の Ca 2+ の移動を制御 - 共同研究チーム 個人情報につき 削除しております 1 アポトーシス : プログラムされた細胞死多細胞生物にみられる細胞の死に方の一つ 不要になった細胞や損傷を受けた細胞が積極的に自滅して個体を健全な状態に保つメカニズム

More information

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明 [PRESS RELEASE] No.KPUnews290004 2018 年 1 月 24 日神戸薬科大学企画 広報課 脂肪細胞のインスリンシグナルを調節し 糖尿病 メタボリック症候群の発症を予防 する新規分子の発見 日本人男性の約 30% 女性の約 20% は肥満に該当し 肥満はまさに国民病です 内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性を引き起こし 糖尿病 メタボリック症候群の発症に繋がります 糖尿病

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 大道正英 髙橋優子 副査副査 岡 田 仁 克 辻 求 副査 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent transforming growth factor- binding protein-4 is downregulated in breast

More information

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規 論文の内容の要旨 論文題目アンジオテンシン受容体拮抗薬テルミサルタンの メタボリックシンドロームに対する効果の検討 指導教員門脇孝教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 19 年 4 月入学 医学博士課程 内科学専攻 氏名廣瀬理沙 要旨 背景 目的 わが国の死因の第二位と第三位を占める心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を引き起こす基盤となる病態として 過剰なエネルギー摂取と運動不足などの生活習慣により内臓脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満を中心に

More information

<4D F736F F F696E74202D C8E323793FA E690B628914F97A EC91E58FC729205B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D C8E323793FA E690B628914F97A EC91E58FC729205B8CDD8AB B83685D> 前立腺肥大症 Benign Prostatic Hyperplasia: BPH BPH の病態生理の理解のために (1) 正常前立腺の zonal anatomy An Overview Urethra Transition zone Anterior fibromuscular stroma Ejaculatory duct Central zone Peripheral zone BPH の病態生理の理解のために

More information

<4D F736F F D208DB D881408F9590AC8BE095F18D908F F18F6F A2E646F63>

<4D F736F F D208DB D881408F9590AC8BE095F18D908F F18F6F A2E646F63> ( 財 ) 名古屋市高齢者療養サービス事業団平成 18 年度公益事業 排尿障害からみた高齢者在宅医療の QOL 名古屋市立大学大学院腎 泌尿器科学分野佐々木昌一 早瀬麻沙 郡健二郎名古屋市立東市民病院安藤裕名城病院池内隆人名古屋市立城西病院渡辺秀輝安城更生病院岡村武彦 -1 - 目的 排尿障害には 尿失禁 頻尿 排尿困難などが含まれ 原因疾患としては 脳血管障害や脊髄障害 糖尿病などにより排尿に関係する神経が障害されることによって生じる神経因性膀胱

More information

平成 29 年 6 月 9 日 ニーマンピック病 C 型タンパク質の新しい機能の解明 リソソーム膜に特殊な領域を形成し 脂肪滴の取り込み 分解を促進する 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長門松健治 ) 分子細胞学分野の辻琢磨 ( つじたくま ) 助教 藤本豊士 ( ふじもととよし ) 教授ら

平成 29 年 6 月 9 日 ニーマンピック病 C 型タンパク質の新しい機能の解明 リソソーム膜に特殊な領域を形成し 脂肪滴の取り込み 分解を促進する 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長門松健治 ) 分子細胞学分野の辻琢磨 ( つじたくま ) 助教 藤本豊士 ( ふじもととよし ) 教授ら 平成 29 年 6 月 9 日 ニーマンピック病 C 型タンパク質の新しい機能の解明 リソソーム膜に特殊な領域を形成し 脂肪滴の取り込み 分解を促進する 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長門松健治 ) 分子細胞学分野の辻琢磨 ( つじたくま ) 助教 藤本豊士 ( ふじもととよし ) 教授らの研究グループは 出芽酵母を用いた実験により ニーマンピック病 C 型 (NPC 病 ) タンパク質の新たな機能を明らかにしました

More information

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - がんやウイルスなど身体を蝕む病原体から身を守る物質として インターフェロン が注目されています このインターフェロンのことは ご存知の方も多いと思いますが 私たちが生まれながらに持っている免疫をつかさどる物質です 免疫細胞の情報の交換やウイルス感染に強い防御を示す役割を担っています

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 第 15 回排尿検査士講習会 (Advanced コース ) 排尿障害の疫学と病態 福井大学泌尿器科横山修 下部尿路症状 (LUTS) のある人の推定数 ( 万人 ) 5,000 4,000 3,000 2,000 4500 万人 男 女 昼間頻尿 : 8 回以上夜間頻尿 : 1 回以上その他 : 週 1 回以上 Japan NBS 2003, 14: 266 1,000 0 下部尿路症状 (LUTS:

More information

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ 2012 年 12 月 5 日放送 尿路感染症 産業医科大学泌尿器科学教授松本哲朗はじめに感染症の分野では 抗菌薬に対する耐性菌の話題が大きな問題点であり 耐性菌を増やさないための感染制御と適正な抗菌薬の使用が必要です 抗菌薬は 使用すれば必ず耐性菌が出現し 増加していきます 新規抗菌薬の開発と耐性菌の増加は 永遠に続く いたちごっこ でしょう しかし 近年 抗菌薬の開発は世界的に鈍化していますので

More information

2006 PKDFCJ

2006 PKDFCJ 多発性嚢胞腎の最新情報 水を積極的に飲むと PKD の進行を抑制できる? 今日のお話は 水を積極的に飲むと PKD の進行を抑制できる? 動物実験で科学的に証明されている? 藤田保健衛生大学疾患モデル教育研究センター 1 はい PKD モデル動物である PCK ラットで科学的に証明されています 2 PKD モデル動物とは? 偶然見つけられた PKD 自然発症動物とヒトの PKD の原因となる遺伝子を人工的に操作した動物があります

More information

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する 糖鎖の新しい機能を発見 : 補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する ポイント 神経細胞上の糖脂質の糖鎖構造が正常パターンになっていないと 細胞膜の構造や機能が障害されて 外界からのシグナルに対する反応や攻撃に対する防御反応が異常になることが示された 細胞膜のタンパク質や脂質に結合している糖鎖の役割として 補体の活性のコントロールという新規の重要な機能が明らかになった 糖脂質の糖鎖が欠損すると

More information

<4D F736F F F696E74202D20358C8E313193FA E690B628914F97A EC91E58FC729205B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D20358C8E313193FA E690B628914F97A EC91E58FC729205B8CDD8AB B83685D> 前立腺肥大症 Benign Prostatic Hyperplasia: BPH BPH の病態生理の理解のために (1) 正常前立腺の zonal anatomy An Overview Urethra Transition zone Anterior fibromuscular stroma Ejaculatory duct Central zone Peripheral zone BPH の病態生理の理解のために

More information

表紙69-5,6_v10.eps

表紙69-5,6_v10.eps 2 1 6 宇佐美 眞 他 に対応する管理を行う3 4 癌と栄養代謝 悪液質 cachexia とその前段階の前悪液質 precachexia は 図2に示す体重減少と BMI の変化 サルコペニア の有無 食欲不振と代謝変化によって定義されている3 悪液質は 腫瘍の種類と存在部位により極めて多様な 病態を呈するが その病態は図3の様に 代謝変化臓器 として骨格筋減少 サルコペニア が中心におかれて理

More information

症例 80 歳女性 l 高血圧や心不全で当院通院中. 最近物忘れが始まったとのことで ドネペジルを開始した. l 1 ヶ月後のフォロー外来で 尿取りパットが必要になった とのことで長女さんと一緒に来院. l 内服薬 : ドネペジル 10mg/ 日 エナラプリル 2.5mg/ 日 フロセミド 20mg

症例 80 歳女性 l 高血圧や心不全で当院通院中. 最近物忘れが始まったとのことで ドネペジルを開始した. l 1 ヶ月後のフォロー外来で 尿取りパットが必要になった とのことで長女さんと一緒に来院. l 内服薬 : ドネペジル 10mg/ 日 エナラプリル 2.5mg/ 日 フロセミド 20mg 2016 年 4 月 1 日 女性の尿失禁 分類と診断アプローチ 東京ベイ浦安 市川医療センター総合内科作成中山由梨 監修森川大樹 分野 : その他テーマ : 診断 治療 症例 80 歳女性 l 高血圧や心不全で当院通院中. 最近物忘れが始まったとのことで ドネペジルを開始した. l 1 ヶ月後のフォロー外来で 尿取りパットが必要になった とのことで長女さんと一緒に来院. l 内服薬 : ドネペジル

More information

”Rfic“W”q.ec7

”Rfic“W”q.ec7 山形医学 2008;26(2):53-60 老齢ラット膀胱におけるアトロピン抵抗性収縮に対するプロピベリンの効果 山田晃子, 小林優子, 會田智美, 南里真人 *, 石幡明 **, 片野由美 山形大学医学部看護学科臨床看護学講座 * 大鵬薬品育薬研究所薬理部門 ** 奥羽大学薬学部病態機能学分野 ( 平成 20 年 4 月 18 日受理 ) 要 旨 背景 膀胱平滑筋収縮はコリン作動性と非アドレナリン非コリン作動性神経によって仲介されている

More information

生物時計の安定性の秘密を解明

生物時計の安定性の秘密を解明 平成 25 年 12 月 13 日 生物時計の安定性の秘密を解明 概要 名古屋大学理学研究科の北山陽子助教 近藤孝男特任教授らの研究グループは 光合 成をおこなうシアノバクテリアの生物時計機構を解析し 時計タンパク質 KaiC が 安定な 24 時 間周期のリズムを形成する分子機構を明らかにしました 生物は, 生物時計 ( 概日時計 ) を利用して様々な生理現象を 時間的に コントロールし 効 率的に生活しています

More information

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ (ICD10: C91 C95 ICD O M: 9740 9749, 9800 9999) 全体のデータにおける 治癒モデルの結果が不安定であるため 治癒モデルの結果を示していない 219 10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) 52 52 53 31 29 31 26 23 25 1993 1997 1998 01 02 06 02 06 (Period 法 ) 21 17 55 54

More information

日本内科学会雑誌第98巻第12号

日本内科学会雑誌第98巻第12号 表 1. 喘息の長期管理における重症度対応段階的薬物療法 重症度 長期管理薬 : 連用 : 考慮 発作時 ステップ 1 軽症間欠型 喘息症状がやや多い時 ( 例えば 1 月に 1 ~2 回 ), 血中 喀痰中に好酸球増加のある時は下記のいずれか 1 つの投与を考慮 吸入ステロイド薬 ( 最低用量 ) テオフィリン徐放製剤 ロイコトリエン拮抗薬 抗アレルギー薬 短時間作用性吸入 β2 刺激薬または短時間作用性経口

More information

小児の難治性白血病を引き起こす MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見 ポイント 小児がんのなかでも 最も頻度が高い急性リンパ性白血病を起こす新たな原因として MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見しました MEF2D-BCL9 融合遺伝子は 治療中に再発する難治性の白血病を引き起こしますが 新しい

小児の難治性白血病を引き起こす MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見 ポイント 小児がんのなかでも 最も頻度が高い急性リンパ性白血病を起こす新たな原因として MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見しました MEF2D-BCL9 融合遺伝子は 治療中に再発する難治性の白血病を引き起こしますが 新しい 平成 28 年 8 月 9 日 小児の難治性白血病を引き起こす MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 小児科学の小島勢二 ( こじませいじ ) 名誉教授 村松秀城 ( むらまつひでき ) 助教 鈴木喬悟 ( すずききょうご ) 大学院生 名古屋大学医学部附属病院先端医療 臨床研究支援センターの奥野友介 ( おくのゆうすけ ) 特任講師らの研究グループは

More information

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析 論文題目 腸管分化に関わる microrna の探索とその発現制御解析 氏名日野公洋 1. 序論 microrna(mirna) とは細胞内在性の 21 塩基程度の機能性 RNA のことであり 部分的相補的な塩基認識を介して標的 RNA の翻訳抑制や不安定化を引き起こすことが知られている mirna は細胞分化や増殖 ガン化やアポトーシスなどに関与していることが報告されており これら以外にも様々な細胞諸現象に関与していると考えられている

More information

ALPHA ADRENERGIC MECHANISM ON THE REFLEX MICTURITION IN THE MALE DECEREBRATE DOG Tokuo Takahashi Department of Urology, Akita University School of Med

ALPHA ADRENERGIC MECHANISM ON THE REFLEX MICTURITION IN THE MALE DECEREBRATE DOG Tokuo Takahashi Department of Urology, Akita University School of Med ALPHA ADRENERGIC MECHANISM ON THE REFLEX MICTURITION IN THE MALE DECEREBRATE DOG Tokuo Takahashi Department of Urology, Akita University School of Medicine (Director: Prof. Seigi Tsuchida) We investigated

More information

シトリン欠損症説明簡単患者用

シトリン欠損症説明簡単患者用 シトリン欠損症の治療 患者さんへの解説 2016-3-11 病因 人は 健康を維持するために食物をとり 特に炭水化物 米 パンなど 蛋白質 肉 魚 豆など 脂肪 動物脂肪 植物油など は重要な栄養素です 栄養は 身体の形 成に また身体機能を維持するエネルギーとして利用されます 図1に 食物からのエ ネルギー産生経路を示していますが いずれも最終的にはクエン酸回路を介してエネル ギー ATP を産生します

More information

表紙.indd

表紙.indd 教育実践学研究 23,2018 1 Studies of Educational Psychology for Children (Adults) with Intellectual Disabilities * 鳥海順子 TORIUMI Junko 要約 : 本研究では, の動向を把握するために, 日本特殊教育学会における過去 25 年間の学会発表論文について分析を行った 具体的には, 日本特殊教育学会の1982

More information

サカナに逃げろ!と指令する神経細胞の分子メカニズムを解明 -個性的な神経細胞のでき方の理解につながり,難聴治療の創薬標的への応用に期待-

サカナに逃げろ!と指令する神経細胞の分子メカニズムを解明 -個性的な神経細胞のでき方の理解につながり,難聴治療の創薬標的への応用に期待- サカナに逃げろ! と指令する神経細胞の分子メカニズムを解明 - 個性的な神経細胞のでき方の理解につながり 難聴治療の創薬標的への応用に期待 - 概要 名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻の研究グループ ( 小田洋一教授 渡邉貴樹等 ) は 大きな音から逃げろ! とサカナに指令を送る神経細胞 マウスナー細胞がその 音の開始を伝える機能 を獲得する分子メカニズムを解明しました これまで マウスナー細胞は大きな音の開始にたった1

More information

<4D F736F F D DC58F4994C A5F88E38A D91AE F838A838A815B835895B68F FC189BB8AED93E089C82D918189CD A2E646F63>

<4D F736F F D DC58F4994C A5F88E38A D91AE F838A838A815B835895B68F FC189BB8AED93E089C82D918189CD A2E646F63> 神経ストレスが胃がんの進行を加速させるメカニズムを解明 新たな治療標的に 1. 発表者 : 早河翼 ( 東京大学医学部附属病院消化器内科助教 ) 小池和彦 ( 東京大学医学部附属病院消化器内科 / 東京大学大学院医学系研究科内科学専攻消化器内科学教授 ) 2. 発表のポイント : 胃がんが進行する過程で がん細胞が異常な神経細胞を呼び寄せ 集まった神経細胞からのストレス刺激が増えることで ストレスを受けた胃がん細胞がさらに成長するという

More information

報告にも示されている. 本研究では,S1P がもつ細胞遊走作用に着目し, ヒト T 細胞のモデルである Jurkat 細胞を用いて血小板由来 S1P の関与を明らかにすることを目的とした. 動脈硬化などの病態を想定し, 血小板と T リンパ球の細胞間クロストークにおける血小板由来 S1P の関与につ

報告にも示されている. 本研究では,S1P がもつ細胞遊走作用に着目し, ヒト T 細胞のモデルである Jurkat 細胞を用いて血小板由来 S1P の関与を明らかにすることを目的とした. 動脈硬化などの病態を想定し, 血小板と T リンパ球の細胞間クロストークにおける血小板由来 S1P の関与につ 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 伊井野潤子 論文審査担当者 主査窪田哲朗副査戸塚実, 小山高敏 論文題目 Platelet-derived sphingosine 1-phosphate induces migration of Jurkat T cells ( 血小板由来スフィンゴシン 1-リン酸は Jurkat T cell の遊走を促進する ) ( 論文内容の要旨 ) < 結言 > リゾリン脂質はさまざまな生理学的作用および病態生理学的作用に関与する脂質メディエーターである.

More information

統合失調症発症に強い影響を及ぼす遺伝子変異を,神経発達関連遺伝子のNDE1内に同定した

統合失調症発症に強い影響を及ぼす遺伝子変異を,神経発達関連遺伝子のNDE1内に同定した 平成 26 年 10 月 27 日 統合失調症発症に強い影響を及ぼす遺伝子変異を 神経発達関連遺伝子の NDE1 内に同定した 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 精神医学の尾崎紀夫 ( おざきのりお ) 教授らの研究グループは 同研究科神経情報薬理学の貝淵弘三 ( かいぶちこうぞう ) 教授らの研究グループとの共同研究により 統合失調症発症に関連していると考えられている染色体上

More information

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 奥橋佑基 論文審査担当者 主査三浦修副査水谷修紀 清水重臣 論文題目 NOTCH knockdown affects the proliferation and mtor signaling of leukemia cells ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 目的 : sirna を用いた NOTCH1 と NOTCH2 の遺伝子発現の抑制の 白血病細胞の細胞増殖と下流のシグナル伝達系に対する効果を解析した

More information

在宅医療における尿路管理

在宅医療における尿路管理 在宅における排尿管理 石山泌尿器科皮膚科 石山俊次 本日の内容 蓄尿と排尿 溜められないのか出せないのか 在宅における排尿管理の選択 尿道留置カテーテルと間欠的 ( 自己 ) 導尿 認知症と排尿 これからの排尿管理 : 排尿自立に向けて 排尿の自立とは? 膀胱機能 蓄尿と排尿 運動機能 歩行 着脱 認知機能 意志 場所 着脱 高齢者の願いと現実 どんなに歳をとっても最後まで自分の力でトイレに行き 排尿したい

More information

研究背景 糖尿病は 現在世界で4 億 2 千万人以上にものぼる患者がいますが その約 90% は 代表的な生活習慣病のひとつでもある 2 型糖尿病です 2 型糖尿病の治療薬の中でも 世界で最もよく処方されている経口投与薬メトホルミン ( 図 1) は 筋肉や脂肪組織への糖 ( グルコース ) の取り

研究背景 糖尿病は 現在世界で4 億 2 千万人以上にものぼる患者がいますが その約 90% は 代表的な生活習慣病のひとつでもある 2 型糖尿病です 2 型糖尿病の治療薬の中でも 世界で最もよく処方されている経口投与薬メトホルミン ( 図 1) は 筋肉や脂肪組織への糖 ( グルコース ) の取り 糖尿病治療薬の作用標的タンパク質を発見 ~ 新薬の開発加速に糸口 ~ 名古屋大学大学院理学研究科 ( 研究科長 : 松本邦弘 ) 脳神経回路研究ユニットのユ ( 注ヨンジェ特任准教授らの日米韓国際共同研究グループは この度 2 型糖尿病 1) の治療薬が作用する新たな標的分子を発見しました この2 型糖尿病は 糖尿病の約 9 割を占めており 代表的生活習慣病のひとつでもあります 2 型糖尿病の治療薬としては

More information

がん登録実務について

がん登録実務について 平成 28 年度東京都がん登録説明会資料 2-1 がん登録届出実務について (1) 1. 届出対象 2. 届出候補見つけ出し 3. 診断日 4. 届出票の作成例示 東京都地域がん登録室 1 1. 届出対象 1 原発部位で届出 2 入院 外来を問わず 当該腫瘍に対して 自施設を初診し 診断あるいは治療の対象 ( 経過観察を含む ) となった腫瘍を届出 3 届出対象となった腫瘍を 1 腫瘍 1 届出の形で届出

More information

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文

博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文 博士論文 考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した 診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月 広島大学大学院総合科学研究科 向井秀文 目次 はじめに第一章診断横断的なメタ認知モデルに関する研究動向 1. 診断横断的な観点から心理的症状のメカニズムを検討する重要性 2 2. 反復思考 (RNT) 研究の歴史的経緯 4 3. RNT の高まりを予測することが期待されるメタ認知モデル

More information

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を 解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を進展させるしくみを解明 難治がんである悪性黒色腫の新規分子標的治療法の開発に期待 ポイント 難治がんの一つである悪性黒色腫

More information

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 Poly I:C により一部の樹状細胞にネクローシス様の細胞死が誘導されること さらにこの細胞死がシグナル伝達経路の活性化により制御されていることが分かりました

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Insulin-like growth factor ( 以下 IGF)

More information

抗ヒスタミン薬の比較では 抗ヒスタミン薬は どれが優れているのでしょう? あるいはどの薬が良く効くのでしょうか? 我が国で市販されている主たる第二世代の抗ヒスタミン薬の臨床治験成績に基づき 慢性蕁麻疹に対する投与 2 週間後の効果を比較検討すると いずれの薬剤も高い効果を示し 中でもエピナスチンなら

抗ヒスタミン薬の比較では 抗ヒスタミン薬は どれが優れているのでしょう? あるいはどの薬が良く効くのでしょうか? 我が国で市販されている主たる第二世代の抗ヒスタミン薬の臨床治験成績に基づき 慢性蕁麻疹に対する投与 2 週間後の効果を比較検討すると いずれの薬剤も高い効果を示し 中でもエピナスチンなら 2011 年 3 月 3 日放送第 26 回日本臨床皮膚科医会総会 3 主催セミナー 5より 皮膚科診療における抗ヒスタミン薬の限界と可能性 広島大学大学院皮膚科教授秀道弘はじめに皮膚科診療において 痒みを伴う疾患の数は多く 本邦における皮膚科患者数の上位 20 疾患のうち 9 疾患が痒みを伴い それらの疾患患者数は全体の 56.6% に該当します 中でも蕁麻疹 アトピー性皮膚炎は患者数が多く その病態ではヒスタミンが重要な役割を果たします

More information

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す 日本標準商品分類番号 872491 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制することが示されたが 血管新生に対するカリジノゲナーゼの影響を評価した報告はない そこで今回 網膜血管新生に対するカリジノゲナーゼの役割を同定するため

More information

過活動膀胱とは 尿意切迫感 があり 頻尿 夜間頻尿 や 時に 切迫性尿失禁 がある状態を過活動膀胱といいます 過活動膀胱は 膀胱が勝手に縮んだり 過敏な働きをするために起こります 尿意切迫感 頻尿 夜間頻尿 切迫性尿失禁 それまで何もなかったのに 突然トイレに行きたくなり がまんが難しい症状 日中

過活動膀胱とは 尿意切迫感 があり 頻尿 夜間頻尿 や 時に 切迫性尿失禁 がある状態を過活動膀胱といいます 過活動膀胱は 膀胱が勝手に縮んだり 過敏な働きをするために起こります 尿意切迫感 頻尿 夜間頻尿 切迫性尿失禁 それまで何もなかったのに 突然トイレに行きたくなり がまんが難しい症状 日中 過活動膀胱 前立腺肥大症の患者さんへ 排尿日誌をつけましょう お名前 監修 : 獨協医科大学排泄機能センター ( 泌尿器科 ) 教授山西友典 過活動膀胱とは 尿意切迫感 があり 頻尿 夜間頻尿 や 時に 切迫性尿失禁 がある状態を過活動膀胱といいます 過活動膀胱は 膀胱が勝手に縮んだり 過敏な働きをするために起こります 尿意切迫感 頻尿 夜間頻尿 切迫性尿失禁 それまで何もなかったのに 突然トイレに行きたくなり

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 酵素 : タンパク質の触媒 タンパク質 Protein 酵素 Enzyme 触媒 Catalyst 触媒 Cataylst: 特定の化学反応の反応速度を速める物質 自身は反応の前後で変化しない 酵素 Enzyme: タンパク質の触媒 触媒作用を持つタンパク質 第 3 回 : タンパク質はアミノ酸からなるポリペプチドである 第 4 回 : タンパク質は様々な立体構造を持つ 第 5 回 : タンパク質の立体構造と酵素活性の関係

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 75. 哺乳類のゴルジ体ストレス応答の分子機構の解明 吉田秀郎 Key words: ゴルジ体, 小胞体, 転写, ストレス応答, 細胞小器官 兵庫県立大学大学院生命理学研究科生体物質化学 Ⅱ 講座 緒言細胞内には様々な細胞小器官が存在して細胞の機能を分担しているが, その存在量は細胞の需要に応じて厳密に制御されており, 必要な時に必要な細胞小器官が必要な量だけ増強される.

More information

Microsoft Word - A22.docx

Microsoft Word - A22.docx 以下の記載は 表題の診療ガイドラインから漢方製剤に関する記述を抽出したものです 診療において漢方製剤を使用される場合には 必ず ガイドライン全体をお読みになり その位置づけを正しく理解された上で行ってください A-22 過活動膀胱診療ガイドライン [ 第 2 版 ] 日本排尿機能学会過活動膀胱診療ガイドライン作成委員会 ( 委員長 : 武田正之山梨大学大学院総合研究部泌尿器科学講座教授 ) リッチヒルメディカル

More information

研究成果報告書

研究成果報告書 様式 C-19 科学研究費補助金研究成果報告書 平成 22 年 3 月 28 日現在 研究種目 : 若手研究 (B) 研究期間 :2007~2008 課題番号 :19791098 研究課題名 ( 和文 ) 男性ホルモンが膀胱機能に及ぼす影響 ~ 血管を中心とした検討 研究課題名 ( 英文 ) The effect that a androgen gives to a bladder function.

More information

<4D F736F F D EA95948F4390B3817A938C91E F838A838A815B835895B68F F08BD682A082E8816A5F8C6F8CFB939C F

<4D F736F F D EA95948F4390B3817A938C91E F838A838A815B835895B68F F08BD682A082E8816A5F8C6F8CFB939C F [PRESS RELEASE] 2011 年 4 月 26 日東京大学医学部附属病院 経口糖尿病薬の副作用による浮腫発症のメカニズムを同定 経口糖尿病薬として知られるチアゾリジン誘導体は 細胞核内の受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ (PPAR) に結合し 代謝に関連する遺伝子の転写を調節してインスリン作用を増強させます この働きによってインスリン抵抗性が改善し血糖値も下がるため

More information

第四問 : パーキンソン病で問題となる運動障害の症状について 以下の ( 言葉を記入してください ) に当てはまる 症状 特徴 手や足がふるえる パーキンソン病において最初に気づくことの多い症状 筋肉がこわばる( 筋肉が固くなる ) 関節を動かすと 歯車のように カクカク と軋む 全ての動きが遅くな

第四問 : パーキンソン病で問題となる運動障害の症状について 以下の ( 言葉を記入してください ) に当てはまる 症状 特徴 手や足がふるえる パーキンソン病において最初に気づくことの多い症状 筋肉がこわばる( 筋肉が固くなる ) 関節を動かすと 歯車のように カクカク と軋む 全ての動きが遅くな パーキンソン病 ( テスト ) テストは難しめに作成しています テキストや講義 解答と照らし合わせて復習していただけれ ばと思います なお 採点を目的としていないので点数は設定していません また 記述式の解答は答えが一つとは限りません 私の答案よりも良い解答があることは十分に 考えられますので 参考解答として認識していただければと思います 第一章. パーキンソン病とは第一問 : 次のパーキンソン病に関する基礎知識について正しいものには

More information

研究の背景 ヒトは他の動物に比べて脳が発達していることが特徴であり, 脳の発達のおかげでヒトは特有の能力の獲得が可能になったと考えられています この脳の発達に大きく関わりがあると考えられているのが, 本研究で扱っている大脳皮質の表面に存在するシワ = 脳回 です 大脳皮質は脳の中でも高次脳機能に関わ

研究の背景 ヒトは他の動物に比べて脳が発達していることが特徴であり, 脳の発達のおかげでヒトは特有の能力の獲得が可能になったと考えられています この脳の発達に大きく関わりがあると考えられているのが, 本研究で扱っている大脳皮質の表面に存在するシワ = 脳回 です 大脳皮質は脳の中でも高次脳機能に関わ News Release 各報道機関担当記者殿 平成 29 年 11 月 8 日 脳の表面にシワを作るシグナルを発見 脳の高機能化の理解に手がかり 本研究成果のポイント ヒトの脳の表面に存在するシワ ( 脳回 )( 注 1, 図 1) は高度な脳機能の発達にとても重要だと考えられていますが, 医学研究で用いられているマウスの脳には脳回がないため, 脳回に関する研究は困難でした 本研究では, 解析が困難だった脳回が作られる仕組みを,

More information

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります 2015 年 3 月 4 日放送 淋菌 クラミジア感染症の現状と問題点 産業医科大学泌尿器科講師濵砂良一主な性感染症淋菌感染症およびクラミジア感染症は 性感染症の一つであり 性感染症のなかで最も頻度の高い疾患です 性感染症とは 主に性的な行為によって病原体が感染する疾患であり この淋菌 クラミジア感染症の他に 梅毒 性器ヘルペス 尖圭コンジローマ HIV 感染症など数多くの疾患が含まれます これらの疾患の一部は

More information

モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の特性と

モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の特性と Epidermal growth factor receptor(egfr) p53 免疫染色を用いた尿細胞診の良悪性鑑別 総合病院土浦協同病院病理部 池田聡 背景膀胱や腎盂に出来る尿路上皮癌の頻度は近年増加している この尿路上皮癌の診断や経過観察において尿細胞診は最も重要な手段の 1 つである この検査は 患者への負担が小さく繰り返しの検査が容易であることから尿細胞診の診断価値は非常に高く 検査の頻度は年々増加している

More information

心房細動1章[ ].indd

心房細動1章[ ].indd 1 心房細動は, 循環器医のみならず一般臨床医も遭遇することの多い不整脈で, 明らかな基礎疾患を持たない例にも発症し, その有病率は加齢とともに増加する. 動悸などにより QOL が低下するのみならず, しばしば心機能低下, 血栓塞栓症を引き起こす原因となり, 日常診療上最も重要な不整脈のひとつである. 1 [A] 米国の一般人口における心房細動の有病率については,4 つの疫学調査をまとめた Feinberg

More information

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で ( 様式甲 5) 氏 名 髙井雅聡 ( ふりがな ) ( たかいまさあき ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Crosstalk between PI3K and Ras pathways via 学位論文題名 Protein Phosphatase 2A in human

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション ALS 筋萎縮性側索硬化症 三小田一成 村山皓紀 森將一郎 ALS(Amyotrophic lateral sclerosis) とは ALS とは運動ニューロンが変性し 重篤な筋肉の萎縮と筋力の低下を示す疾患 厚生労働省の定める難病に指定されている 発病率は人口 10 万人あたり 1~2 人 男性が 1.2~1.5 倍多く 国内に約 1 万人の患者がいる アイスバケツチャレンジ wikipedia

More information