Microsoft Word - 「字のないはがき」 指導案

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1 第 2 学年国語科学習指導案 日 時 : 平成 24 年 10 月 22 日 ( 月 ) 第 5 校時 場 所 : 海津市立日新中学校 2 年 3 組教室 ( 南舎 3 階 ) 学 級 :2 年 3 組 31 名 授業者 : 橋本 寛明 1 題材名絆を深める 字のないはがき 2 指導の立場 (1) 題材について 字のないはがき は, 小説 随筆などの作品も多く残した放送作家, 向田邦子氏の随筆である わかりやすい言葉づかいとテンポがよい文章による わずか4ページの作品であり 一気に読ませてしまう特徴がある 繊細な目でとらえた事象を的確に表現し 読者の脳裏に視覚化して焼き付けるような描写は大きな魅力である 中学 2 年生の生徒にとっても 自分と家族とのつながりを捉える機会としてふさわしく ぜひ味あわせたい作品である 作品で描かれた父親は 戦前の日本の典型的な父親像である 日常は怖く厳しいが 照れ屋で家族思いである 優しい姿はほとんど見せないが 娘が自分の元から離れると心配でたまらなくなる そして 父が泣く姿を見て 筆者は親子のきずなの強さ 愛情の強さを温かく感じている 特に本時は 私は父が 大人の男が声を立てて泣くのを初めて見た から父の愛情あふれる姿を感じている 父の行動描写に着目させて 私の目を通した父の気持ちを読み取らせていきたいと考えている (2) 生徒の実態 2 年 3 組は 男子 14 人 女子 17 人の31 人学級である 授業中の学習姿は活気があり つぶやきあう姿が多くみられる 学力は読解力に大きく差がある そのため 前期は机列を 3 列にし 中央に支援の必要な生徒を置き 左右の生徒で教え合う方法を取っていた その結果 お互いを教え合う姿が身に付いてきた しかし 発言となると 一人の意見からつなげて話すことに苦手意識を感じる それは 読み取った場面の内容を把握することや そこから読み取った心情を表現する力の差が激しいことが原因であると考える そこで 本単元では場面を細かく区切ることで内容を把握しやすくしたり ヒントカードや当時の写真などを参考にイメージを膨らませたりして 意見をつなげられるようにしていく

2 3 研究に関わって 明日に生きる言語能力の育成 ~ 確かな言葉の力 と 豊かな言語感覚 を鍛え磨き合う国語教室の創造 ~ ねらいに迫る学び合いにするための単位時間の指導過程の工夫 1 学び合いに必然性を与える導入の工夫 生徒の学習意欲を喚起させるための工夫をすることや 生徒に主体的に活動できる明確な視点をもたせることが大切であると考える 本単元は 戦時中の疎開先での生活を舞台として 一番下の娘に苦しみ 悲しみ を味あわせてしまった父親の後悔が印象強い しかし 生徒たちにとって疎開生活の様子や食べ物のない生活などは想像しにくく なぜそんなに辛いのかイメージが持てていない そこで 疎開生活の様子や写真を踏まえて その時代の様子をより深く持てるようにする そうすることで 作品をさらに近くで感じ 読み取り表現にも深みが出てくると考える 2 生徒の考えをつなげ深める 話し合いの組織化 生徒の考えを深めるために 自分の考えと仲間の考えを比べながら聞く必要が重要となるが まずは自分の考えを持つことから始めなければならない だが (2) 生徒の実態に示した通り 自分の意思を全く示さずに 1 時間が終っていく生徒も少なくないので 分からなければ 分からないなりの意思の示し方を指導してきた それを見て 班員が教え合うようも指導してきているが 積極的に行動できる生徒はまだ少ない 本時では 学び合い1からたくさんの意見が出ると推測できるが 受容の姿勢を大切にして 自信を持って発言させたい ただし 根拠を明確にして仲間に自分の思いを正しく伝えるような読み方にこだわっていきたい また そのような発言の仕方が 生徒の 聴く ことの態度をも育て 自己の考え方をより深められると考えている また 様々な考え方を出すことができるように 仲間と考えを交流する場を意図的に設定することで 主体的に活動する意識を高め 内容をより深く追求する 教師側に発表するのではなく 仲間の顔を見て 仲間に伝えることが 主体的に学び合おうとする意識をより高められると考えている そのため 以前は発表者が前に出て発表する形式をとっていたが 現在は前後または左右の近くの壁に移動し 発表者に体を向け 聴く 形式をとっている このような形で全体交流を行うことで 聴く 力を養い 学習の定着度が向上すると考える

3 4 単元指導計画 ( 別紙 ) 過 時 ねらい 学習活動 評価基準 程 数 1 本文中の語句の辞書的な意味と 文脈上の意味 国語辞典の早引き大会をし 意欲 辞書的な意味 との違いを辞書で調べ 正確にとらえることが的に辞典を使いこなすようにする と文章上の意味 できる また 本文を読み 自分の考えや感想 気になったり不思議に思ったりを, 辞書で調べ を明確にすることができる した箇所に線を引きながら朗読して理解しようと ていき 感想を書く している 新出漢字の読み方を部首から想 新出漢字を理 像できるようにヒントを出す 解しながら 教 科書を朗読して いる 2 日常生活の父や手紙の中の父を比べることで 第一のまとまりから 父親の言動 教科書から表 手紙の中では筆者を心配する不器用な親の愛について筆者はどう思っているか現を書き出し 情に気付くことができる 分かる表現に線を引く 根拠付けができ 見つけた表現をノートに書き出ている し 根拠付けをする 〇班交流をして意見を広める 3 父は何も言わなかった や 声を上げて泣い〇一人読みから見つけた表現をノ 本文にある表 本 た などの表現に着目することを通して 父のートに書き出す 現を用いて 家 時 家族を思いやる深い愛情に気付き 子を思う父〇見つけた表現をノートに書き出族に対する父の の姿を見た私の深い感動を読み取ることがでし根拠付けをする 深い愛情が分か きる 〇班交流をしながら意見を広める ることをまとめ ている 4 三十一年たった今 手紙は無くなってしまって〇手紙は無くなったが なぜ覚えて 問いかけに対 も親からもらった いるのかを考え ノートに書き出して根拠をもっ す て書けている 〇班内で交流し 多くの理由から自 分の思いを一本化する 愛情は今でも心の中から無く ならないことに気付くことができる 5 忘れられない思い出について 順序立てて文章〇メモを活用しながら 文章の構成 構成メモを活

4 にすることができる を考える 用している 〇正しい原稿用紙の使い方でまと 原稿用紙を正める しく使えている 5 本時の展開 ( 別紙 ) 確認

5 5 本時のねらい 父は何も言わなかった や 声を上げて泣いた などの表現に着目することを通して 父の家族を思いやる深い 愛情に気付き 子を思う父の姿を見た私の深い感動を読み取ることができる 6 本時の展開 展開 学習活動 評価規準 指導援助 つかむ 1 本時の課題を確認する 妹の帰りを待っている父に対する私の心情を読み取ろう 前時までに学習した内容を振り返り 2 一人読みをしてノートにまとめる (P110:L14~P111:L2) 本時への見通しをも 小さいのに手をつけるとしかる父も この日は何も言わなかった たせる 今までなら怒っていたのに何も言われなかったからよかった 焦点を絞る 今までなら怒っていたのに どうしてだろう もしかして私たちが妹を安心させたい 喜ばせたいという気持ちを分かってくれたのだろうか 父の行動が書かれているところに線を引き焦点をしぼるっ はだしで外へ飛び出した て読み取る あの厳格な父が急に何も履かずに飛び出すなんて 驚いた 全体で交流する はだしで飛び出すなんてよほど心配していたのだな 靴を履く時間さえ惜しいほど 早く会いたかったのだな 読み取る場所が分からない生徒にはヒ 声を上げて泣いた ントカードを出し あの父が泣くなんて驚きだ て そこから読み取 人が通る表であの父が泣くなんて信じられない らせる なりふり構わず泣くなんて 父はよほど妹を心配していたのだな 3 声をあげて泣く父の姿から 親の深い愛情を読み取る このような父の姿を見て 私はどう思ったのだろう 普段の父の行動と対比させてもよい こんなところで泣くなんて という今までの父の姿に対する驚きを感じている妹が帰ってくるとき 妹のことでこんなにも泣いてくれるなんて という感動を感じている の父の行動すべてか 私たちはとても愛されているのだなと父の愛情を感じている ら考えさせる まとめる 4 本時の課題のまとめを書く 父は妹をとても愛 はだしで飛び出したり 声を上げて泣いたりと 普段の父では想像もでき しているのだなとい ない姿を見てとても驚いたが そこまでしてしまうほど妹のことが心配で う私の心情を書いて 心配で仕方がなかったのだと思う そんな父の姿を見て 私は 父は妹を いる とても愛しているのだなと思った 価値づける 5 まとめを交流し 学習した事柄を一般化する