聴覚 ( 会話 暗記 講義 ロールプレイ等 北アメリカー 20%~40%) 触覚 ( 体全体 筋肉等動作を伴う学習 鉛筆たたき 歩き回り 線引等 北アメリカー 30% 以下 ) 最も成功する学習者は いずれの知覚学習をバランスよく取り入れた学習者である スタイルマッチング研究 Farr (1971)

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1 英語科教育学 <2 学期課題文献紹介 > 2011/11/28 Y. I Daniel G Tight. (2010). Perceptual Learning Style Matching and L2 Vocabulary Acquisition. Language Learning 60:4, December 2010, pp Introduction ( スペイン語 L2 学習者の語彙習得と語彙保持におけるこれまでの研究について ) 英語を第一言語とする大学院生 (N=128) による第二外国語のスペイン語の具象名詞の保持の研究 学習スタイル 視覚 ( visual ) 聴覚 ( auditory ) 触覚 ( tactile ) / 運動型 ( kinesthetic ) 指導方法 好みの学習スタイルのとマッチ型 ( More preferred/matching ) 好みの学習スタイルとのミスマッチ型 ( Less preferred / mismatching ) 混合型 ( Mixed modality ) 上記の指導法と学習スタイルを組み合わせた実験 一つの指導法につき 12 語ずつの実験 テストの実施時期 プリテスト ポストテスト :3 回 ( 即時 / 1 週間後 / 1 ヶ月後 ) ANOVA により統計分析 : 有意効果 ( p <.05 ) (1) 混合型の学習効果と保持が最も高い (2) マッチングの学習効果と保持が ミスマッチよりも高い (3) どの学習スタイルを選んでも L2 語彙習得に効果があり 指導法では混合型が一番効果があった 語彙力の重要性と直接的な語彙学習のすすめ : 会話やコミュニケーションで 文法や言語知識が使うことができても 語彙能力無しでは十分とは言えない (Richards, 2000) (1) 統語論 形態論 音韻論 語用論の観点からの重要性 (2) 発音や語順が不正確でも語彙が正確であれば理解可能 ( 逆は 理解不可能 ) (3) 語彙のミスは文法ミスより Native speaker の理解の妨げとなる (4 ) 語彙数習得の暗示的偶発的習得 ( 読書やテレビ ) には限界がある ( 未知語習得には 2000 ~5000 語が必須 ) 最も有効な直接的語彙指導のカギは学習スタイルにある Nation(2001):33~34 の対連合学習 ( paired associate learning ) が認識ならびに産出に最低必要且つ長期保持可能 Schmitt(2000) : 既知語の rebelling に有効 Skehan(1989) : one size fits all よりも個々の好みに応じた指導が有効 Background Literature 学習スタイルの個人差 ( Individual Difference ): 性格 動機 賢さ 異なる反応を含む個人差 成功者は他者とかなりの差を付ける SLA は個人差研究の理想分野 : 個人パフォーマンスの差異研究 Skehan s (1991) model of Individual Difference in SLA Aptitude Learner strategies OUTCOME Motivation *Linguistic - error I.Q., Age Learner style -proficiency Personality *nonlinguistic-affective 学習スタイルのモデル 現存する学習スタイルモデル 1 具体的理解 VS 抽象的理解 2 規律的思考 VS ランダム的思考 3 熟考観察型 VS 実験活動型 4 全体把握 VS 部分把握 5 言葉による理解 VS 絵による理解 6The Dunn and Dunn Learing-Style Model ( 環境 感情 社会学 心理学 生理学上の刺激 ) 評価 知覚学習スタイル 知覚の定義 脳の系統的情報収集 Keefe(1988) 視覚学習者 ( 色別強調表示等 北アメリカー 50%~80%

2 聴覚 ( 会話 暗記 講義 ロールプレイ等 北アメリカー 20%~40%) 触覚 ( 体全体 筋肉等動作を伴う学習 鉛筆たたき 歩き回り 線引等 北アメリカー 30% 以下 ) 最も成功する学習者は いずれの知覚学習をバランスよく取り入れた学習者である スタイルマッチング研究 Farr (1971) による初めてのスタイルマッチング ( 視覚又は聴覚 ) 語彙実験 : 大学生 36 名 アンケートに埋め込まれた 3 つの質問に答えた後 10 ペア 2 セットの語彙学習 好きな方法で学習するとテストの成績が良い Koppelman (1999) :7 年生 240 名 22 語 知覚ごとのグループ全て 4 週間後のテストで統制群を上回る Bascome (2004) :7 年生 72 名 スタイルマッチング指導法 4 日 2 週間 2 か月のテストで好成績 Tight (2005) : 大学生 N=70 名 視覚使用と不使用グループのスコア比較 相関関係無し Pouwels(1992) : 大学生 N=79 名スワヒリ語 視覚使用効果大 聴覚使用効果小 Lee( 1992 ) : 大学生 N=159 名 好みの学習スタイルアンケート使用 ( 視覚 聴覚 混合スタイル ) 習得スタイルよりも指導法が大切 相関関係無し Garrett( 1992 ) : 高校生 N=97 名 L1 使用 視覚スタイル学習者のスコア高 聴覚スタイル学習者スコア低 概要 SLA で注目すべきは個人差個人の性格と学習成果の媒体となる学習スタイルが最も重要 多彩な集団に 1 つの指導法で教授するより 指導法とスタイルの組み合わせが学習者を成功へと導く L1L2 両方の語彙習得でこの理論が支持される Method 先行研究で明らかになったこと どの組み合わせが良いかの証拠はまだなく 触覚 運動型 混合指導法の実験が欠けている リサーチクエスチョン 1. ミッドウエスタン大学 3 学期スペイン語 L2 学習者の好む知覚学習スタイルは何か 2. L2 学習の語彙習得の事後テスト ( 直後と遅延 ) における学習スタイルによる差はあるのか 3. L2 学習の語彙習得の事後テスト ( 直後と遅延 ) における指導法による差はあるのか (a) 好きな学習スタイルでの指導 (b) あまり好きではない学習スタイルでの指導 (c) いろいろなスタイルでの指導 (d) 知覚学習スタイル以外の指導 4. 学習スタイルの好みのグループ間で L2 語彙保持テスト ( 直後と遅延 ) に差はあるのか 5. 指導 (a)~(d) によって L2 語彙保持テスト ( 直後と遅延 ) に差はあるのか 被験者 ミッドウエスタン大学 3 学期スペイン語学習者 8 クラス ( N=169 ) ボランティア中 128 名のデータの分析 ( 英語以外の母語話者 1 名 最初の 3 日間のテストを欠席者 31 名 直後テスト欠席者 1 名のデータを除く ) 語彙材料 具象名詞 36 語 ( 12 語ずつ 3 セット / 英語と同族語無し 単語の長さはセット中でバランスよく調整 うち 6 語が 2 音節 /5 語が 3 音節 /1 語が 4 音節 頻度の高い単語もセット中で調整 ) 1 セットにつき 最も一般的な 2000 語以内 2 語 2000~ 語 4000 以上 7 語入れる 統制群の動機づけのため 次時で習う語彙を使用 ( 全ての語句が未知語であることをテストで確認証明 ) 指導材料 視覚 ( visual ) 聴覚 ( auditory ) 触覚 ( tactile ) / 運動型 ( kinesthetic ) 混合型 ( mixed modality) 指導時間 教室 8 分 コンピューター室 7 分 37 秒 テスト評価 多肢選択 ( 意味の推敲 ) 訳 (L1 での説明 ) 床に教室での視覚評価 床に半円物の名がスペイン語で書いてあるリストの側に座る ( 英語でもこの物の名前

3 が書いてあるが 活動後 2 分 40 秒のみ明らかにされる ) コンピューター室での視覚評価 html document: 色や線のついた単語を 8 秒間 3 秒間英語の説明を見る教室での聴覚評価 2~3 人 1 グループで語彙について討論 スペイン語のカードを持っているメンバーの単語紹介後 裏返して英語の意味を見せながらグループで討論 監視員が 1 語を割り当ての時間内で討論しているか監視 コンピューター室での聴覚評価 ヘッドホンから語の説明を聞く (native の予備実験有 mp3 ファイルに録音 ) 8 秒間語句を聞き 3 秒間英語の意味を聞く 教室での触覚 / 運動型評価 ハンドアウト ( スペイン語と英語での説明 ) を受け取る 教室を歩き回り 壁に折って貼ってある中から対応する語を見つけ 英語での説明の脇に書く コンピューター室での触覚 / 運動型評価 Qua website:4 つのゲームマウス操作単語と説明をマッチさせる教室での混合型評価 単語を発音しながら 1. 物 ( スペイン語と使用説明のラベル ) を見る 2. 意味のあるやり方で使う 評価材料 学習スタイル Learning Style Survey(LSS) による 30 項目 ( 視覚 聴覚 触覚 / 運動型に 10 項目ずつ対応 ) 語彙評価 語彙の形と概念が正しく連想できるものを選ぶ 選出の優順位 (1) Active Recall : L2 の形を産出できる語 (2) Passive recall : L2 の意味を産出できる語 (3) Active Recognition : 多くの中から L2 単語を選べる語 (4) Passive Recognition : L2 の意味を選べる語 データ分析 学習スタイルの分析 学習スタイルの合計 40p (1 つの項目につき 0~4 点, 1 つの指導につき 10 項目 ) どのスタイルを好むかは他のスタイルとの差が 3 点以上の場合で決定 差のない場合は混合型へ 語彙分析 訳タスクで 答えは 1 つのみ 特に Active recall タスクは難しい 些細なスペルミスは無視 訳タスクで正しく答えられたら 2p 多肢選択タスク 訳タスクで間違えた項目のみ採点( 産出できれば正しく認識できる ) 正しく答えられたら 1p テストスコア 2 つのタスクの点数が足される 1 つのセットの最高点 24 点 (12 語 2 タスク ) 総点はプリテストからポストテストで得られたスコアを計算 統計分析 ( SPSS Version 11.0 ) RQ1 各スタイル選択者数の合計 RQ2,3,4,5 ANOVA between- 学習スタイル ANOVA within- 指導法 results タスク別語彙スコア Test Translation Multiple Total Pretest Immediate posttest Week posttest Month posttest リサーチクエスチョン1 視覚 38 名 (38%) 聴覚 21 名 (16%) 触覚/ 運動 12 名 (9%) 混合 46 名 (36%) リサーチクエスチョン 3 ワードセットによりスコアに差 直後ポストテストは知覚スタイル指導を受けた参加者すべて高得点 指導法では好む指導法を受けた場合わずかにスコアが高い 混合指導法のスコアが最も高い それぞれの指導形態と統制群の間に有意差指導形態間にも有意差

4 リサーチクエスチョン 2 Learning style More preferred Less preferred Mixed preferred None Visual immediate week post month post Auditory immediate week post month post T/K immediate week post month post Mixed immediate week post month post Total immediate week post month post リサーチクエスチョン 4 学習スタイルのポストテストの保持スコアに差はなく ANOVA において語彙保持に関するスタイルに主効果無し リサーチクエスチョン 5 混合指導形態が常に高い効果をあげている 続いて好むスタイル 好まないスタイルの順 指導形態と語彙保持力に大きな主効果有 Discussion 様々な指導形態の組み合わせが実のある語彙習得と保持につながる 全体平均スコア 事前テスト 17% 事後 ( 直後 ) テスト 59% 事後 (1 カ月 ) テスト 49% 以上 : かなりの語彙の保持 直後テスト後は 忘れ曲線 ( 初め減尐が尐なく 後に弱まる ) 効果が尐なかった 好まない指導法 による訳タスク ( タスク時間 15 分 30 秒 ) 正答率 62% 直後テスト 正答率 60% 1 カ月後テスト Laufer らの 語彙タスク困難さの順位 通りに The Active Recall( 訳 ) が The Active Recognition( 多肢 ) のスコアを常に下回った 学習者に困難なタスクと簡単なタスクの両方を課すことが保持力の強化につながるといえる リサーチクエスチョン1 1 位 視覚スタイルを好む :38%( 混合型スタイル中 15%) 2 位 聴覚スタイルを好む :( 混合型スタイル中 16%) 3 位 触覚 / 運動スタイルを好む :9%( 混合型スタイル中 5%) 北アメリカの一般的数値や Tight の実験と同じ傾向だがその他数多くの実験結果は一定でない 年齢 職業 教育レベルによる個人差が存在するため 特に大人には様々な知覚インプットを与えるなど 相対的に合うスタイル を考慮することが有効である スタイルを統一するために実験 比較がさらに必要である リサーチクエスチョン 2 3 回の事後テストにおいて語彙習得の差はどの学習スタイルも小さく 学習スタイルによる効果違いは統計的にも見られない よってどの知覚学習スタイルも語彙習得に等しく有効であり 好き嫌いを特別に考慮する必要はない つまり 様々なスタイルを合わせた混合型指導法に利点があるのではないか 今後この指導法の研究が必要である

5 リサーチクエスチョン 3 好みの学習形態によって大きな差が表れた 3 回の事後テストにおいて いろいろなスタイルでの指導法 が常に高得点であり 好きなスタイルでの指導法 好きではないスタイル 今回の指導法を用いない指導法 と続く 統制群と実験群の間の結果に大きな違いも出た 事後テスト (1 週間 /1 カ月 ) において 好きなスタイル が視覚の場合高得点 この結果は 学習時に五感を多く使用する大切さー ( 最も優れた指導法は ) 人間のすべての能力を使って情報を得ること (Mayer,2001) から説明可能 学習する物と意味的に関連づいた動作が学びを促進する Dual-coding perspective : the auditory/verbal channel and the visual/pictorial channel ex) words and pictures 嗅覚 味覚 触角にも記憶システムが存在する 触覚 / 運動スタイルに情報を受け取り記憶を強化する活動が含まれるため これがいろいろなスタイルでの指導の利点となる リサーチクエスチョン 4 5 学習スタイルの好みのグループ間で L2 語彙保持テスト ( 直後と遅延 ) に差はほとんどみられなかった 混合型指導が L2 語彙保持テスト ( 直後と遅延 ) において他の指導法よりも高い保持力を示した つまり単一の指導法では記憶が保持できない また参加者は 教室で混合型で学習したことが学習に役に立ったと述べた ターゲットとなる語彙の認識 産出のためには混合型学習法がよい Conclusions 今回の実験はアメリカ人の大人の知覚学習スタイルに関する先行研究を確証するものとなった 最も一般的な好みのスタイルは視覚 聴覚 触覚 / 運動の順であり 多くの参加者は2つ以上のスタイルを好んだ スタイルと いくつかの指導法で得られたスコアには主効果はみられず どのスタイルにおいても持続的語彙習得が可能だった Limitation 実験結果の一般化や解釈には注意を払わなければならない スタイルは 24 はあるといわれているが 今回は一般的な学習モデルの要素である理由から知覚スタイルのみを実験し他のスタイルは考慮しなかった 語彙の統制についてはここでは直接述べられていないが 多くの要因について配慮されなければならない たとえばセットになっている語や音声的に類似点があるもののほうが簡単に保持されやすい Future Research 他の学習スタイルの好みや提示する語彙についてもコロケーションを考慮したするなどの検討が必要である また 実験で行う諸活動についても様々なタイプの活動を取り入れ 記憶保持との関連を調査していく必要がある Pedagogical Implications 教室内の限られた時間の中でいかに実のある語彙を保持するかが課題であるが 生徒の個性を見極め 個性に応じた様々な語彙習得活動を学習者自らが選べる指導法が成功へと導く この点においても 混合型の指導法が今後も語彙習得に多大な貢献をするものと思われる 考察個人差は学習の成果に大きな影響を与える 同じ指導をしてもテストの点数には大きな差が表れる この実験では 個人差と指導法との組み合わせによる働きに注目していた 教室内では教師と生徒の指導や反応 関係性など様々な要因で良い効果やまた逆の効果も生まれるが どのような指導を行うのが一般的に良いのかをさぐるという視点において 示唆を与えてくれる研究であった 混合型の指導法が一番効果があり 様々な指導を組み合わせた学習スタイルを教室で実現するためには整備されたカリキュラムが必要だが 個人差が注目される教育現場においては 大変希望のもてる研究結果であり 今後大いに試されるべきだと思う

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