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しのぶつねざき
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1 GUM とその関連ガイドの動き産業技術総合研究所榎原研正第 1 回不確かさ総会 018/01/ 今井秀孝 JCGM の役割と最近の活動状況 : GUM と VIM の位置付け標準化と品質管理,Vol. 71, No., -18 (018) 1. まえがき. 計量計測分野の主要な国際書の概要 3. JCGM の設置以前の状況 4. JCGM の設置とその役割 5. GUM とは? 6. VIM とは? 7. 最近の JCGM の活動 8. あとがき 1 GUM に関わる歴史的経緯概要勧告 INC-1 とGUM JCGM 書群 GUM 改定ドラフトのその後 1980: Recommendation INC-1 ( 勧告 INC-1) の作成不確かさの表現に関する作業部会 ( 事務局 : BIPM) による 1993: GUM ( 測定における不確かさの表現のガイド ) 出版勧告 INC-1 をベースに,ISO TAG4 が執筆 7 国際機関の共同出版 1997: JCGM (Joint Committee for Guides in Metrology) 発足 ( 事務局 : BIPM) GUM, VIM のメンテナンスを ISO TAG4 から引き継ぐ 007: VIM 第 3 版出版 JCGM 書としてインターネット上で公開 3 4

2 008: GUM が JCGM 書として, インターネット上で無料公開内容は同じ現在 : 幾つかの GUM 補足書周辺書が作成され,JCGM 書として順次インターネット上で公開 JCGM 101 ( モンテカルロ法 ),JCGM 10 ( 複数の出量 ),JCGM 104 ( イントロダクション ),JCGM 106 ( 適合性評価 ) 011: GUM の改定に関わる公開アンケート調査ベイズ統計を取り込んだ改定針についての意収集回答は概ね肯定的 ( : GUM 改定ドラフト (JCGM 100:01X CD) 作成意収集統計的基盤を頻度主義統計学からベイズ統計学に移することを目指した改定に強い抵抗があったため,GUM 改定は足踏み状態になっている勧告 INC-1 GUM の基盤となった重要度のい書 GUM, Introduction 中に転載されている INC-1 を,GUM で導入された用語も用いて表すと (1) 測定結果の不確かさは, 般に複数の成分から構成される各成分は, 次のいずれかの法で評価するタイプ A 評価 : 統計的法による評価タイプ B 評価 : それ以外の法による評価評価法のこの二分類と, 偶然誤差と系統誤差への誤差の二分類は必ずしも対応しない ( ただし, 多くの場合は対応する ) 5 6 () タイプ A,B いずれの評価法でも, 不確かさのきさは, 分散の推定値 u j, あるいはその平根である標準偏差の推定値 u j として評価する u j を標準不確かさと呼ぶ必要に応じて, 不確かさ成分の間の相関係数の推定値も与える (3) 不確かさの合成には, 分散に対する通常の合成法 ( 不確かさの伝播則 ) を用いる合成した不確かさは, 標準偏差として表すこれを合成標準不確かさと呼ぶ ( 従来からの誤差伝播則と同じ ) (4) 不確かさのきさを, 合成標準不確かさに定数 ( 包含係数 ) をかけた拡張不確かさで表す必要があるときには, 包含係数のきさを明記する国際委員会 JCGM JCGM: Joint Committee for Guides in Metrology ( 計量計測関連国際書作成合同委員会 ) GUM 及び VIM のメンテナンスを担当する国際委員会メンバー機関 BIPM: Bureau International des Poids et Mesures IEC: International ElectrotechnicalCommission IFCC: International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine ISO: International Organization for Standardization IUPAC: International Union for Pure and Applied Chemistry IUPAP: International Union for Pure and Applied Physics OIML: International Organization of Legal Metrology ILAC: International Laboratory Accreditation Cooperation (005 年 ~) *) 下線は, 勧告 INC-1 では定まっておらず,GUM で新たに導入された用語 **) 字は筆者 7 JCGM-WG1: GUM 担当,JCGM-WG: VIM 担当 (*) 日本からは今井秀孝氏 ( 産業技術総合研究所客員研究員, 製品評価技術基盤機構客員調査員, 元産総研理事 ) が参加 (ILAC 代表 ) 8

3 JCGM による発 ( 予定 ) 書 JCGM 書名 ISO/IEC ガイド番号内容発状況 JCGM GUM 本体 008 年 JCGM /Supplement1 GUM 補足書 1( モンテカルロ法 ) 008 年 JCGM /Supplement GUM 補足書 ( 複数の出量 ) 011 年 JCGM /Supplement3 GUM 補足書 3( モデリング ) 作成中 JCGM GUM 及び関連書の紹介 009 年 JCGM 概念原理手法作成中 JCGM 適合性評価での役割 01 年 JCGM 最二乗法の利用作成予定 JCGM /Supplement4 ベイズ統計の法作成予定 JCGM109? 試験所間較への利用作成予定 JCGM110? 事例集作成予定 JCGM111? ベイズ統計の枠組みでの伝播則作成予定 JCGM00 99 VIM 第 3 版 007 年 9 JCGM 書 ( 発ずみのもの ) 共通タイトル :Evaluation of measurement data [ 測定データの評価 ] JCGM 100: Guide to the expression of uncertainty in measurement [ 測定における不確かさの表現のガイド ] JCGM 101: Supplement 1 to the Guide to the expression of uncertainty in measurement Propagation of distributions using a Monte Carlo method [ 測定における不確かさの表現のガイド補足 1- モンテカルロ法による分布の伝播 ] JCGM 10: Supplement to the Guide to the expression of uncertainty in measurement Extension to any number of output quantities [ 測定における不確かさの表現のガイド補足 - 出量が複数ある場合への拡張 ] JCGM 104: An introduction to the Guide to the expression of uncertainty in measurement and related documents [ 測定における不確かさの表現のガイドと関連書の紹介 ] JCGM 106: The role of measurement uncertainty in conformity assessment [ 適合性評価における測定不確かさの役割 ] JCGM 00: International vocabulary of metrology Basic and general concepts and associated terms (VIM) 3rd edition [ 国際計量計測用語 - 基本及び般概念並びに関連用語 (VIM)] 10 JCGM 101( モンテカルロ法による分布の伝播 ) GUM と JCGM101 で測定結果 y 体が異なることがある GUM ( 不確かさ伝播則 ) x 1, u(x 1 ) x, u(x ) x 3, u(x 3 ) y = f (x) JCGM101 ( 分布の伝播則 ) p(x 1 ) p(x ) p(x 3 ) y = f (x) y, u c (y) p(y) u c N f ( y) = u ( xi ) = x i 1 i 分散の伝播 x i の分布形は不明でよい p(x i ) が決まれば p(y) が決まる p(y) の解析的計算は般に困難なので数値的にうモンテカルロ法 11 測定モデル :Y = f(x 1, ) 入量 X 1 の測定値 :x 1, その標準不確かさ :u(x 1 ) GUM ( を含む現在の般的考え ):y GUM = f(x 1, ) JCGM101:y MCM = モンテカルロ法 (Monte Carlo Method) で求まる Y の分布の平均値これらは般に異なる ( 次スライド ) 現在のほとんどの測定では,y GUM が用いられている JCGM は y MCM を測定結果とすることを推奨しているこれはベイズ統計の受容と関係している y MCM は, 入量の不確かさのきさに応じて変わる測定結果をどう定義するかが問われている 1

4 測定モデルが非線形のとき,y GUM と y MCM は異なる Y Y = f(x 1, ) GUM の日本語化の経緯 1996: 計測における不確かさの表現のガイド, 飯塚幸三監修, 今井秀孝他訳 ( 日本規格協会 ) GUM+VIM( 第版 ) の翻訳現在は絶版 y MCM y GUM x 1 X 1 01: 標準仕様書 TS Z 003 (01) = VIM 第 3 版の翻訳 TS Z 0033 (01) = GUM の翻訳 TS には有効期限があるため, いずれも 018 年 8 月に失効予定その後は JIS 化されず廃となる込み 018 (TS 失効後 ): GUM: TS Z 0033 が, 単本の部に収録される込み ( 日本規格協会 ) VIM: JIS Z 8103 計測用語の次期改訂の中に取り込まれる込み GUM 改定をめぐる動きタイプ A/ タイプ B 評価における確率概念の違い JCGM の考え 1. 現 GUM には, 内部的不整合がある ( タイプ A 評価とタイプ B 評価で確率の意味が異なる ). 外部的不整合がある ( 現 GUM [ 枠組みは頻度主義統計 ] と,JCGM101, 10, 106 及び VIM3 [ ベイズ統計が導入されている ] が不整合 ) 3. ベイズ統計の採用によりこれらの不整合を解消することができる GUM 周辺書へのベイズ統計の ( 部分的 ) 導入 VIM 第 3 版 (007) JCGM 101 [ モンテカルロ法を用いた分布の伝播 ] (008) JCGM 10 [ 出量が複数ある場合への拡張 ] (011) JCGM 106 [ 適合性評価における測定不確かさの役割 ] (01) 15 p(x): 相対頻度タイプ A 評価 ( 枠組みは頻度主義 ) ある測定値が得られる相対頻度を表す ( 分布の拡がりはランダムネスによる ) µ x 入量の真値 ( 不可知 ) 測定値 p(µ): 確信度タイプ B 評価 ( ベイズ的 ) 知識の状態を表す ( 分布の拡がりは知識の曖昧さによる ) x ( 推定値測定値 ) µ 入量の真値 16

5 タイプ A 評価 / タイプ B 評価の不整合 [ 例 ] 測定モデルが Y = X 1 + X のとき,Y の確率分布を推定する p( x 1 ) タイプA p( µ ) タイプB 横軸の意味縦軸の意味 µ 1 + x 1 x µ ( 測定値 ) ( 真値 )? µ 1 +x? ( モンテカルロ法などにより ) 確率分布を合成しようとすると, 確率変数や確率の意味の不整合が顕在化する分散の合成 ( 不確かさ伝播則 ) では, このような問題は顕在化しない ( ただし不整合がないわけではない ) 17 GUM 改定をめぐる動き ( つづき ) GUM 改定ドラフト (JCGM 100:01x CD) [014/1 月 ] タイプA 評価 ( 現在は頻度主義統計 ) をベイズ化する s n 1 s ( きくなる ) n n 3 n ( 有効 ) 由度の計算が不要となるタイプ B 評価, 不確かさの伝播則は維持する般には, 不確かさのきさは変わる ( 無視し得ることもある ) GUM 改定ドラフトの関係機関への配布意収集対象 :JCGM メンバー機関 (MOs) + 国家計量標準機関 (NMIs) 意収集期間 : 014/1 月 -015/4 月 18 意収集の結果,1000 件以上のコメントが出され, 多くは GUM 改定に否定的であった現 GUM で十分であり, 既に校正や試験の広い分野で受容されている移期間が不明確で, 経済的的時間的負担がきい既存の ISO や IEC 等の規格との隔たりがある GUM 改定ドラフトのその後批判的コメントが多かったことを受け,GUM の改定作業は時的に中断 JCGM 103( モデリング ) および JCGM 109( 試験所間較のガイド ) の作成に注するただし支持的コメントもあった適用範囲が拡張され, モデリングの範囲が広がる改定案を現 GUM の補足書のつとするとよい簡潔な解説書と手順集を作成するとよい上記コメントは, 今井秀孝 : 標準化と品質管理,Vol. 71, No., -18 (018) にもとづく 19 ただし,GUM 改定に向けた作業は継続する W. Bich, M. Cox, & C. Michotte, "Towards a new GUM - an update," Metrologia 53 (016) S149 現 GUM と改定 GUM を同居させる期間を設ける計測分野のコミュニティに改定 GUM の有用性必要性を認知してもらう活動をう 014 年版改定ドラフトをさらにどのように改訂してゆくか検討する 0

6 GUM 改訂のロードマップ案今井秀孝 : 標準化と品質管理,Vol. 71, No., -18 (018), 図 7 より抜粋 JCGM 書群 ( 予定含む ) の再構成の計画年 JCGM 100:CD 0XX; 現 GUM の改定案現在の構成 JCGM 100 (GUM 本体 ) JCGM 100 (GUM 改訂版 ) 015 年中断 CD の作成 : 018? JCGM 111:New Concept; 現 GUM + Bayesian CD:019 発 00? 補足書群 JCGM 101 ( モンテカルロ ) JCGM 10 ( 多出量 ) JCGM 103 ( モデリング ) JCGM 108 ( ベイズ統計 ) (*) CD: Committee Draft 応用解説 JCGM 104 (GUM 紹介 ) JCGM 105 ( 概念原理 ) JCGM 106 ( 適合性評価 ) JCGM 107 ( 最二乗法 ) 1 再構成案 JCGM 104 改訂版 ( 書選択の道案内 ) 不確かさに関する最近の献不確かさ評価の手法関連する統計手法 JCGM 100 ( 現 GUM) JCGM 103 ( モデリング ) JCGM 105 ( 概念原理 ) JCGM 101 ( モンテカルロ ) JCGM 110 ( 事例 ) 全体タイトル :Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement JCGM 107 ( 最二乗法 ) JCGM 10 ( 多出量 ) JCGM 111 ( ベイズ統計での伝播則 ) JCGM 108 ( ベイズ統計 ) JCGM 106 ( 適合性評価 ) JCGM 109 ( 試験所間較 ) 3 JCGM の動向今井秀孝 : JCGM の役割と最近の活動状況 : GUM と VIM の位置付け, 標準化と品質管理,Vol. 71, No., -18 (018) GUM の改定の動向 W. Bich, M. Cox, & C. Michotte, "Towards a new GUM - an update," Metrologia 53 (016) S149; 及びその中の引用献技術解説計測標準と計量管理 ( 日本計量振興協会 ), 不確かさ評価ノート (Vol. 67, No., 017 から連載 ) 第 1 回タイプ A 評価における相関の取り扱いについて (Vol. 67, No., 017, 田中 ) 第回タイプ B 評価における相関の取り扱いについて (Vol. 67, No.3, 017, 田中 ) 第 3 回分散分析の利用と F 検定 (Vol. 67, No.4, 018, 榎原 ) 不確かさ評価の事例第 3 次不確かさ事例研究会の事例が計測標準と計量管理誌に掲載中 4

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PowerPoint プレゼンテーション JAIMA セミナー (2018/09/05) これであなたも専門家 - 不確かさ編不確かさを巡るガイド規格について産業技術総合研究所榎原研正 1 1. 不確かさの規範文書勧告 INC-1, GUM 概要 2. JCGM の活動と発行文書 GUM 補完文書周辺文書 GUM 改訂の動き 3. ISO/TC69 による不確かさ関係文書 ISO 21748 ISO/TS 21749 ) GUM:

008: GUM が JCGM 書として, インターネット上で無料公開 内容は同じ 現在 : 幾つかの GUM 補足 書 周辺 書が作成され,JCGM 書として順次インターネット上で公開 JCGM 101 ( モンテカルロ法 ),JCGM 10 ( 複数の出 量 ),JCGM 104 (

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