第 3 学年算数科学習指導案 江戸川区立清新第一小学校しっかり ( 標準 ) コース 3 年授業者齋藤睦美 1. 単元名考える力をのばそう 間の数に目をつけて 2. 単元の目標問題を解決することを通して, 本数と間の数のきまりを見つけることの大切さや関数的な見方のよさに気付く 3. 単元の評価規準ア

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1 第 3 学年算数科学習指導案 江戸川区立清新第一小学校しっかり ( 標準 ) コース 3 年授業者齋藤睦美 1. 単元名考える力をのばそう 間の数に目をつけて 2. 単元の目標問題を解決することを通して, 本数と間の数のきまりを見つけることの大切さや関数的な見方のよさに気付く 3. 単元の評価規準ア関心 意欲 態度 本数と間の数に着目して, 進んで問題を解決しようとしている 対応や変化の特徴を捉え, 本数と間の数の関係を考えている イ数学的な考え方 本数と間の数にきまりを見出し, そのきまりを使って問題を解いている 対応や変化の特徴を捉え, 本数と間の数の関係を考えることができる 4. 単元について本時の問題は, 植木算 である 等間隔に配置されたものの数とそれらの間の数を対応付けて, ものの数と間の数という 2 つの数量の関係を捉えてから乗法を適用して解決するものである ひたすら絵を描いて数えていけば求められる問題ではあるが, きまりを見つければ数が多くなっても解決できそう という課題意識, 見通しをしっかりもたせて取り組ませたい 対応や変化のきまりを見つけるためには, 表を書くとかりやすいが, 変化を調べるための表については未習である しかし, 表に整理しなくても, ものの数と間の数を対応させた図に数を書きこむことで表と同様に表せる 対応の考えを基に, 変化する 2 つの数量の関係に気付かせたい また, 言葉の式という一般化された式を活用することで, 数が大きくなっても求めることができることを体験的に感じることができる これまでに児童は, 第 1 学年から数概念の理解等において, 1 対 1 の対応や順序の考えについて学習してきている ものの個数を比べる場合, 数えなくても 1 対 1 の対応をつけて比べることができるというよさを理解してきている また, 1 列に並んだ物の順番を数えることを通して, 数を用いて順序や位置を表すことも理解している これまでは, 操作などを通して 目に見える ものの数を意識してきたが, 本時では 目に見えにくい 間の数に着目させる 間が見えるように図に描き, 描くことで気付かせたい 直線上に配置した場合は, 全体の長さ = 間の長さ 間の数 になり, 間の数は始めに植えてある 1 本を除くので, 間の数 = 花の本数 - 1 となる 花の本数が変わっても, この関係は変わらないのか 花の本数と間の数という 2 つの数量の関係のきまりを調べることに着目させ, 問題を解決させていきたい 課題解決の際には, 自ら進んで図に表し解決しようとする態度を育てていきたい その際, 課題に見通しをもって, 図を適切に用いて解決できるようにすることが大切である 5. 研究主題との関連 (1) 本時の授業で大切にしたい数学的な考え方 数学的な態度 自ら進んで自己の問題や目的 内容を明確に把握しようとする 事象の中から数学的な問題を見つけようとする 2 つの数量の関係からきまりを見つけようとする 内容を簡潔明確に表現しようとする 問題や結果を簡潔明確に記録したり, 伝えたりしようとする 内容を明確につかみ, かりやすい図や表に表そうとする

2 数学の方法に関係した数学的な考え方 帰納的な考え方 データの間に共通してみられるルールや性質を見出そうと努める 花の本数 と 花の間の数 の関係を図や表に表して見つけようとする 見出したルールや性質が, そのデータを含む集合 ( 変数の変域全体 ) で成り立つであろうと推測する 花の数を増やしても成り立つだろうと考え, 数を変えた問題に取り組む 数学の内容に関係した数学的な考え方 関数的な考え 何を決めれば, 何が決まるかということに着目したり, 変数間の対応のルールを見つけたり, 用いたりしようとする 花の本数が決まれば, 間の数が決まることを見つけ, その関係を使って問題を解こうとする ( 2 ) 子供の考えを生かし高める指導の工夫 1 目的意識をもった課題設定 植木算 はその名の通り, 道に植えた植木に関する問題である 本時では, 学校前の通りに等間隔で花を植えていくと何 m になるかを考える問題を設定した 花壇があり フラワーロード と呼んでいる 道が遠くまで続いているので, 花が増えていく様子を想像できる 花を植えていく様子を動画で見せることで, 問題場面を想像しやすいと考える また, 植木算は構造が捉えやすく, m ごとに植えたらどうか 花を 本植えるとどうなるか と, 自ら発展的に考える児童を育てたい 2 図に描くよさを実感する 図と式が結び付くようにするための板書本時では, 課題をそのまま児童に投げかけるのではなく, 途中まで一緒に問題場面の把握を行い, 協働思考する 図に表すと場面が明確に把握でき, 説明もしやすいことを実感させることに重点を置く 3 学年では2つの数量の変化を表す表をかいたことがないので, 表に整理してかくことは重視せず, 図の中に関係を表した数字のメモができればよしとする 図と数値があれば, 把握しやすいことを実感させたい また, 式にすることで他の場合でも活用できることを実感させたい 3 協働思考の時間をつくる花を 1 本, 2 本 と増やしていきながら数を確認していき, 全員にこのあとどうなっていくのか見通しをもたせる 花の本数が少ない時点で, 2 つの数量の関係性に触れ, 問題把握の時点で全体に見通しをもたせたい 花が増えたらどうなるのか, 発展的な考え方を育てていく < 参考文献 > 算数教育学概論片桐重男著算数教育指導用語辞典第四版日本数学教育学会編著 6. 本時の主張本時で一番身に付けさせたい数学的な考え方は, 関数の考え方である ともなって変わる 2 つの数量 という関数の考え方については, 直接的には 4 学年以上で指導される しかし, 実際には 関数的な見方 として低学年から素地指導が行われている 1 学年では, 1 0 の構成において, たす数とたされる数の関係をとらえる 2 学年では, 九九について, かける数とかけられる数の関係をとらえる そして, 3 学年では, 数量を などを用いて表し, その関係を式に表すことなどを扱う を使った式 の単元である ただし,3 学年では は未知の数量を表す場合を中心に指導し, 変量を表す場合は 4 学年以降で扱うこととなっている しかし, 計算の仕方を考えるときに, 関数的見方, 考え方を扱うことができる 植木算の構造を用いて, 3 学年でも関数の考え方の体験ができると考えた

3 7. 本時の指導 ( 全 1 時間 ) 学習 T 教師の主な発問と C 予想される児童の反応過程 1. 学習課題をつかむ 学校前の船堀街道を花の道にしようと思います 1 人 1 本, 花を持っています 2 m ごと 1 本ずつに植えていきます T. 1 本植えました 何 m になりましたか C. もう 1 本植えないとだめです T. 花を 2 本植えました 何 m になりましたか C. 2 m です 留意点 教師の指導 評価 アニメーションを使い, 花を 1 本ずつ植えていく様子を視覚的に捉えられるようにする 始めの 1 本を数えないことを押さえる 花の本数と道の長さが何 m になったかを口頭で確認していく 4 本目まで絵で一緒に確認する T. もう 1 本植えました 何本になりましたか C. 3 本です T. 何 m になりましたか C. 4 m です 問題把握 15 T. もう 1 本植えました 何本で何 m になりましたか C. 4 本で 6 m になりました T. どうして 6 m になるのですか C. 2 m が 3 つだから, 2 3 で 6 m です 2m 2m 2m 2m 2m 2m 最初に 1 本以外は 花 は上方から, 2m は左方から同時に動いてくるように設定しておく 表に花の本数と全体の長さ, 間の数を整理することから, 直線上に配置せず, 本の時 ごとにした T. では,2 m ごとに 1 2 人が 1 本ずつ花を植えると何 m の花の道になるでしょう 2 m ごとに花を 1 2 本植えると, 何 m の花の道になりますか ノートに一緒に問題を書く

4 T. 一緒に図を描いてみましょう 絵ではなく, 簡単な図で板書していく 1 本増えるごとに一緒に本数と道の長さを書いていく 本数 < 間の数 > 道の長さ _ = 2 2 2m _ _ = 4 4 2m 2m _ _ _ = 6 6 2m 2m 2m _ _ _ _ = 8 8 2m 2m 2m 2m _ _ _ _ _ = m 2m 2m 2m 2m _ _ _ _ _ _ = m 2m 2m 2m 2m 2m T. 2 本の時は何 m ですか C. 2 m です T. どうしてですか C. 2 m が 1 個だからです T. どんな式ですか C. 2 1 です 書く際にはノートのますを指定し, 後から書き込みやすく 7 本まで, 本数と全体の長さ, どうやって求めたかを協働思考していく T. かける数はどんな数ですか C. 2 m が何個あるかです C. 花と花の間の数です 自力解決 10 T. で囲ったところをよく見てみましょう 何か見えてきませんか C. 花の本数が 2 の時間の数が 1,3 の時 2,4 の時 3 C. 本数が 2, 3, 4, 間の数が 1, 2, 3 T. 12 本の時まで書いてもいいのですが C. 書くのが大変 T. では, 何か簡単に求める方法はないでしょうか きまりを見つけて考えよう きまりを見つけて考えよう 2. 自力解決をする C1. 続きを花 1 2 本まで書いて求める 答え 24m 答え 22m C2. 2 の段の答えを 1 2 個かく 2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24 答え 24m 答え 22m きまりを見つけて考えよう と課題を提示する前に, 対応していることに気付かせる 何本もある時には, 絵や図をかいて求めるのは面倒だという気持ちにさせ, 式を考えさせる 本数と間の数の関係に着目して, 進んで問題を解決しようとしている 対応や変化の特徴を捉え, 対応の考え方を基に, 間の数とものの数の関係を考えている 図 式 言葉の説明を一人一人ができるように声をかける

5 集団検討 15 適用問題 3 C3. 花が 12 本だから 2 12= 24 答え 24m C4. 花の本数に間の数をかける 花の数より 1 小さい数をかける 始めの 1 本は数えないで, あとから植えた本数をかける 2 11= 22 答え 22m C5. 最初に植えた 1 本は数えないので, 最後に引く = 24-2 = 22 答え 22m (2m) 2m 2m 3. 考えを伝え合い, きまりについて考える T. どんなきまりがありますか C1 間の長さ 間の数 = 全体の長さ C2 間の長さ 花の数より 1 小さい数 = 全体の長さ C3 間の長さ あとから植えた本数 = 全体の長さ T. 間の長さ 間の数 = 全体の長さ 4. 適用問題に取り組む T. 花の本数をかえても同じことが言えるか確かめてみましょう 問題 2 m ごとにしっかりコース 2 8 人が 1 本ずつ花を植えます 花の道は何 m できますか 式 = = 54 答え 54m C1 途中で きまり がないか考えさせる C2.12 個書く理由を考えさせる C1 C2 については 2 12=24 だから 24mになるはず という思い込みで図を描き, 答える児童がいることが考えられる 数えて確認させる C3 図をかかせて確認させる C4 どうして問題文にない 11 が式に出てくるのか, 考えさせる 12-1= = 2 ( 12 1 ) =2 11 = 22 上記についてはここでは, 取り上げない 書画カメラでノートを映し, 勧化を発表させる 発表の内容を要約して板書する C5 間が 1 つ少ないことを確認するし, どの言葉の式も同じであることを図で確認する 児童の発言から言葉の式を 1 つ選んで板書し, 共有する 児童から m の時は? 人なら? と考えが出てきたときは, 児童の考えで問題をつくる 本数と間の数にきまりを見出し, そのきまりを使って問題を解いている 対応や変化の特徴を捉え, 本数と間の数の関係を考えることができる まとめ 2 6. 学習を振り返る T. 今日学んだことの振り返りを書きましょう C. きまりがかれば花が増えても簡単に計算できる C. 図にかくとかりやすかった C. 間の数は花の数より 1 小さいことがかった C. 間の数がかるとかけ算でできる C. きまりがかると数が大きくなってもできる 本時の課題について振り返りをさせる 本時のねらいである きまりを見つけて考えよう に即した内容が書けるようにする