大腸菌発現タンパク質を用いたトマト黄化葉巻ウイルスに対する抗血清による検出

Size: px
Start display at page:

Download "大腸菌発現タンパク質を用いたトマト黄化葉巻ウイルスに対する抗血清による検出"

Transcription

1 九州病害虫研究会 第 89 回研究発表会 2015 年 2 月 5 日 ( 木 ) 会場 KKR ホテル熊本 熊本市千葉城町 3-31 TEL: 講演要旨 ( 病害 )

2 病 01 コムギにおけるゼアラレノン蓄積性検定のための赤かび病菌の選抜 川上顕 宮坂篤 井上博喜 笹谷孝英 平八重一之農林水産省が優先的にリスク管理を進めるかび毒の一つに指定されているゼアラレノン (ZEA) は赤かび病菌がコムギに感染することで産生されることから, 生産段階における低減技術開発に必要となる ZEA 蓄積性検定法の確立が求められている そこで, 検定法に適した赤かび病菌菌株の選抜を行った 西日本各地から分離した赤かび病菌 33 菌株についてコメ培地における ZEA 産生量を調査したところ,911ppm~2ppm の産生が認められた つぎに,ZEA 産生量の多かった 15 菌株について, 分生胞子懸濁液をポット栽培した開花期の チクゴイズミ に接種し 14 日後の発病小穂率を調査したところ,100%~3% であった さらに, チクゴイズミ に強い病原力を持つ 8 菌株について, 人工気象器内でポット栽培した矮性コムギに接種し, 収穫適期以降に 16 日間の過湿処理を行い, コムギ粒への ZEA 蓄積量を調査した その結果, 菌株が最も多く ZEA を蓄積することが明らかとなった ( 九州沖縄農研 ) 病 02 収穫適期前後の散水が圃場栽培コムギのゼアラレノン蓄積に与える影響 宮坂篤 川上顕 井上博喜 笹谷孝英 平八重一之麦類赤かび病菌が産生するゼアラレノン (ZEA) のコムギにおける蓄積性検定法を開発するため, 収穫適期前後の散水が圃場栽培コムギの ZEA 蓄積に与える影響を検討した 赤かび病菌培養トウモロコシ粒を散布した圃場で栽培した チクゴイズミ, ミナミノカオリ に出穂前からスプリンクラー散水を行い, 胞子の飛散と発病を促進した 収穫適期 5 日前に散水を停止する散水停止区とそれ以降も散水を継続する散水継続区とを設けた 各試験区で適期 5 日前, 収穫適期, 適期 5 日後, 適期 10 日後に収穫し, コムギ粒の菌体量,ZEA 蓄積量を測定した その結果, 散水継続区では菌体量,ZEA 蓄積量ともに収穫時期が遅くなるにつれて増加し, 適期 10 日後が最も多かった 一方, 散水停止区では, 菌体量は収穫時期が遅くなるにつれてわずかずつ増加したが,ZEA 蓄積量はいずれの収穫時期も少なかった これらのことから, 収穫適期以降の継続した散水と赤かび病菌の増殖が ZEA の蓄積に重要であることが示唆された ( 九州沖縄農研 ) 病 03 ジャガイモ青枯病菌 phylotype Ⅳ に対するジャガイモ無菌培養物を用いた in vitro 青枯病抵抗性検定法の適用 波部一平, 岳田司各種品種 系統のジャガイモ無菌培養植物を用いた in vitro 検定法によりジャガイモ青枯病菌 phylotype Ⅰ(biovar 4) に対する抵抗性を評価した ( 波部ら,2014) 上記検定で用いた 5 品種 系統を供試して, 青枯病菌 phylotype Ⅳ(biovar N2) への in vitro 青枯病抵抗性検定を行った その結果,22 および 28 では品種 系統間に明瞭な発病程度の差は認められなかったが,24 および 26 では品種 系統間で発病程度が異なり,phylotype I に対する抵抗性の強弱 ( 波部ら,2014) と概ね一致した また, 同法により 西海 35 号 と デジマ を用いて温度条件 (22,24,26 および 28 ) と接種菌の phylotype(Ⅰ および Ⅳ) との関係を検討したところ, 接種菌株の系統にかかわらず 西海 35 号 に比べ デジマ はより低温で罹病性を示し, さらに デジマ に対して phylotype Ⅳ は phylotype I の菌株に比較してより低い温度から発病程度が高まる傾向を示したことから, ジャガイモ品種 系統の抵抗性は温度条件と phylotype により変動することが示唆された ( 長崎農技セ )

3 病 04 ガスバリアー性フィルムを用いたクロルピクリンの畦内濃度とサツマイモ立枯病に対する防除効果の範囲 1) 米本謙悟 田中昭人 三宅圭 村井恒治 小原裕三徳島県の砂地畑サツマイモ生産現場では, クロルピクリン ( 以下 CP) を 30 cm間隔,3ml/ 穴で畦内処理し 0.02 mmポリエチレンフィルム ( 以下 PE) で被覆している しかしガスバリアー性フィルム ( 以下 TIF) での被覆ではガス化した CP が高濃度に保持される ( 米本ら,2014) ため, 最適な処理方法を検討する必要がある そこで,CP 処理位置からの範囲別畦内濃度とサツマイモ立枯病に対する防除効果をフィルム別に検討した CP は畦最頂部分に 30 cm間隔,3ml/ 穴 3 カ所処理し, 畦内濃度を処理した中央点からの距離別に調べた また, 防除効果は中央点から 10 cm間隔でサツマイモ苗を定植し, 効果判定した その結果, 畦内 CP は PE で中央点から 50 cm範囲まで検出されたのに対し,tif では 100 cm範囲まで検出され, 処理 12 時間後には 50 cmの所で PE の約 2 倍の濃度であった 防除効果は PE で約 40 cm範囲まで認められたのに対し,tif では約 90 cm範囲まで認められた 以上の結果から TIF の場合, 畦内を広範囲に消毒でき, さらに CP 処理間隔を大きくできる余地があると考えられた ( 徳島農総技セ 1 ) 農環研 ) 病 05 熊本県内のトマト葉かび病菌 (Passalora fulva) の 3 種薬剤に対する感受性〇森山美穂 坂本幸栄子 古家忠 本田裕貴熊本県内の施設栽培トマトでは, 作型を問わず, 葉かび病抵抗性品種が広く栽培されている しかし, 葉かび病抵抗性遺伝子 Cf-9 を保有する品種 ( 以下 Cf-9 品種 ) で, 抵抗性を打破するレースが報告され (Enya ら,2009), 本県においても,Cf-9 品種での葉かび病の発生が問題となっている さらに, 発生した葉かび病に対する各種薬剤の感受性の低下も懸念されている そこで, 2012 年と 2014 年に, 夏秋作と促成作産地の Cf-9 品種から採集した葉かび病菌 12 菌株を用い, 系統の異なるアゾキシストロビン, トリフルミゾール, ペンチオピラドに対する感受性を培地上で検定した その結果, トリフルミゾールに対しては, 全ての菌株が 1mg/l 以上で菌糸伸長を認められた アゾキシストロビンに対しては 1 菌株が 10mg/l で菌糸伸長を認め, ペンチオピラドに対しても 3 菌株が 0.2mg/l で菌糸伸長を認めた 以上のことから, 本県には, 上述の 3 種薬剤に対する感受性低下が疑われる葉かび病菌が Cf-9 品種や作型に関係なく認められ, 産地の薬剤防除体系を再構築する必要があると考えられた ( 熊本農研セ ) 病 06 平成 26 年の夏秋トマト栽培におけるすすかび病の発生消長及び発生予察調査基準の検討 1) 福本律子 鈴木智範 田中啓二郎 山崎修一トマトすすかび病に対する統一された発生予察調査基準が定められておらず, 全国的な発生消長を比較検討するために, 早急な策定が必要である そこで, 発生予察調査基準を改善するために, 夏秋トマト主要産地である竹田市 3 圃場と九重町 2 圃場において, 本病の発生消長を調査するとともに, 新調査基準案による 1 圃場あたり 50 株の発病度と大分県調査基準による 1 圃場あたり 25 株の発病葉率を比較検討した その結果, 初発生は, 竹田市では6 月下旬から, 九重町では7 月上旬からそれぞれ認められ, いずれの産地でも8 月中旬以降に発病が進展した 新調査基準案と本県調査基準の調査結果を比較したところ, 本病の発病が増加すると新調査基準案による発病度の方が高くなる傾向は見られたが, 新調査基準案の発病度と大分県調査基準の発病葉率との関係におおむね高い相関が認められた 新調査基準案による調査では, 本病の発生初期および少発生条件下では調査時間を要するが, 発生が増加すれば大きな差異は認められず, 発生予察調査基準として有効と考えられた ( 大分農林水研農業 1) 大分豊肥振興局 )

4 病 07 フザリウム群集構造に基づくアスパラガス連作危険度判定方法の長崎県圃場における適用性 北島有美子 須賀有子 1) 大山知泰 藤友加里近年, 長崎県ではアスパラガスの連作障害が発生し, 土壌病害である立枯病も重要な問題となっている 連作障害対策としては一般に改植が行われているが, 立枯病の発生圃場については改植の要否や方法の判断基準がなく, 生産現場では苦慮している また, 浦嶋ら (2014) によって, 圃場のフザリウム群集構造における立枯病菌 (Fusarium oxysporum f.sp asparagi) のバンド割合 ( 以下,FO 割合 ) に基づいた連作危険度判定法の作成が試みられているが, FO 割合と欠株率との関係が十分に明らかではなく, 改植時の判定基準の確定には至っていない そこで, 県下 7 圃場から土壌を採取し,FO 割合と欠株率との関係について PCR-DGGE 法を用いて解析した その結果, 欠株率 5% 以上の圃場では FO 割合が 70% 以上, 欠株率 1~5% 未満の圃場では 50~60% と, 生育が悪い圃場で高い傾向が認められ,FO 割合が本病発生圃場における改植法選択のための指標の一つとなり得ることが確認された 今後, 土壌の採取時期等の検討を行い, 本県における判断基準の策定を進めたい ( 長崎防除所 1) 中央農研 ) 病 08 佐賀県におけるアスパラガス疫病の発生 渡邊幸子 古田明子 1) 稲田稔近年, 佐賀県内の半促成長期どりアスパラガス圃場において, 若茎の腐敗や改植した株の枯死等の被害が問題となっている 2014 年に現地圃場を調査したところ,4 月 ~10 月にわたって若茎の水浸状腐敗および湾曲が認められ, 腐敗は若茎の地際部あるいは先端部に多くみられた 常法により菌の分離を行ったところ, 腐敗部を中心に疫病菌が検出された 分離菌をアスパラガス若茎に接種したところ, 腐敗症状が再現され, 接種菌が再分離された 分離菌の遊走子のうは, 卵円形, 楕円形もしくは洋梨形で, 乳頭突起は顕著であった 単独菌株の培養では有性器官を形成しない雌雄異株性であり, 造卵器は球形で, 造精器は底着した 菌糸の生育は, 概ね 30 を頂点として,25~35 で良好であり,37.5 でも認められた また,Phytophthora nicotianae を特異的に検出するプライマーセットを用いた PCR(Li, Kageyama ら 2011 年 ) により, 遺伝子の増幅が認められた 以上のことから, 今回の被害はアスパラガス疫病によるものであり, 分離菌は P. nicotianae と考えられる ( 佐賀農研セ 1) 佐賀農技防 ) 病 09 作業効率が高いショウガ根茎腐敗病に対する種ショウガの温湯消毒法 難波信行ショウガ根茎腐敗病は, 汚染種ショウガ及び汚染土壌により伝染し, いったん発病すると急速に蔓延して大きな被害をもたらすショウガ栽培における最重要土壌病害である 2013 年の本研究会において, 種ショウガの種子を水温 52 で浸漬し, 約 2 分後に 50 となり, 以後 50 定温で約 8 分間の合計 10 分間浸漬する温湯処理により, 出芽 生育に影響をおよぼすことなく発病を抑制することを報告した しかし, 実用化のためには, 温湯消毒機の大型化による大量処理と作業毎に温湯消毒機の温度設定を 52 と 50 に変更する水温制御方法 (2 段温度制御 ) を見直す必要がある そこで, これまでに得られた作業条件を大型の温湯消毒機に使用した場合の適用性と水温制御方法の簡易化を検討した結果, 温度設定を 51.5 に固定 (1 段温度制御 ) し, 温湯 400L に種ショウガ約 30kg(15kg 2 コンテナ : コンテナ重は含まない ) を 10 分間浸漬する処理効率を高めた処理方法においても根茎腐敗病の発病を抑制できることが明らかとなった ( 長崎農技セ )

5 病 10 Xanthomonas campestris pv.campestris(xcc) および X.campestris pv.vesicatoria(xcv) 由来アラビノビオシダーゼ遺伝子 (HypBA2) の発現解析 古澤慧 中村正幸 藤田清貴 岩井久近年ビフィズス菌より新規のアラビノシダーゼ (HypBA2) が発見され, そのオルソログが Xanthomonas 属細菌にも認められた 本酵素の基質は, 植物細胞壁に存在するエクステンシンおよびナス科レクチン上のアラビノオリゴ糖鎖である 興味深いことに HypBA2 オルソログのプロモータ領域に HrpX が結合する PIP-box 様配列が存在した そこで,HrpX 誘導培地および接種植物を用い, 各細菌 (Xcc,Xcv) 由来の HypBA2 オルソログ発現量を定量 PCR により解析した その結果,Xcc では, 培地中での hrpx 誘導が認められなかったものの, 接種シロイヌナズナでは hrpx の上昇に伴い HypBA2 の発現が促進された 一方,Xcv では,HrpX 誘導培地中および接種マイクロトムの両方で hrpx の上昇に伴い HypBA2 の発現が促進され, また, その発現量は,Xcc に比べ非常に高かった この違いはおそらく,Xcv の PIP-box 様配列は, コンセンサス配列と一致しているのに対し,Xcc の配列は,1 塩基多いことや, さらに, 両細菌の感染方法が異なることもその原因である可能性が考えられた ( 鹿児島大農 ) 病 年に採集した台湾産カブモザイクウイルスのゲノムグループについて 吉山浩毅 八坂亮佑 大島一里 2013 年に台湾の罹病アブラナ科植物からカブモザイクウイルス (TuMV) を採集し, それら 10 分離株について単一病斑分離後, 宿主反応を調査した その結果, 台湾産分離株は Brassica/Raphanus (BR) 宿主型であった 全ゲノム構造を決定後, 既報の台湾産分離株 (2000 年以前に採集 ) を合わせて計 15 分離株について組換え解析を行うと, 既報の多くの分離株が world-b ゲノム型グループ内組換え体であったのに対し, 今回採集した多くの分離株は basal-br ゲノム型グループ内組換え体であった 組換え部位を含まないヘルパー成分プロテアーゼタンパク質, 第 3 タンパク質および核内封入体 b タンパク質遺伝子を用いて系統樹を作成したところ, 既報の多くの分離株が world-b ゲノム型グループに属したのに対して, 今回採集した多くの分離株は, basal-br ゲノム型グループに属した 以上の結果より, 分離株の解析数は少ないが, これまで日本や中国本土で報告されたように (Tomitaka and Ohshima, 2006), 台湾においても 2000 年以降集団変動が起きたと思われた ( 佐賀大農 ) 病 12 アジアにおけるカブモザイクウイルスの時間尺度と拡散経路解析 八坂亮祐 Huy Duc Nguyen 大島一里近年, インフルエンザウイルスなど幾つかの動物ウイルスについて, BEAST ソフトウェアを用いて時間尺度, そして SPREAD および Google Earth ソフトウェアを用いて拡散経路が解明され始めた 今後農作物の輸入増加が予想されることから農作物に寄生する病原体においても, これらの解明が植物防疫上重要である そこで, 日本と地理的に近いアジア諸国から分離したカブモザイクウイルス (TuMV) を用いて, それらの解析を行った 解析には組換え部位を含まないヘルパー成分プロテアーゼタンパク質, 第 3 タンパク質および核内封入体 b タンパク質遺伝子の一部領域を用いた その結果, アジア分離株の多くが含まれる world-b3 サブグループでは, TuMV の日本への侵入時期は 50 年以前と推測され, ベトナムから中国へ, 中国から台湾および日本へ拡散してきたことが示唆された ( 佐賀大農 )

6 病 13 Dot Immuno-binding Assay(DIBA) 法を活用したラナンキュラス微斑モザイクウイルスの検出法の検討 大坪早貴 菅野善明 1) 櫛間義幸 寺本敏宮崎県内で栽培されているラナンキュラスでは, ラナンキュラス微斑モザイクウイルス (RanMMV) の感染株率が高く, 主要ウイルスであることが明らかとなった ( 河野ら,2014) そこで, RanMMV の血清学的な簡易診断技術を確立するために,DIBA 法を活用した検出法の検討を行った その結果,1 次抗体と 2 次抗体を同時混合処理し, 検定時間の短縮化を図った場合でも, モザイク症状の見られる RanMMV 感染葉では検出が可能であった さらに, 当手法の実用性検討のため,2014 年 12 月に県内主要産地からサンプリングした 150 葉の検定を行ったところ, モザイク症状のない葉での検出率は低かったものの, 病徴がある葉においては, 全ての検体から RanMMV が検出された 葉での検定では, 症状の有無が検出率に影響することが認められたので, 今後はサンプリング時期や検定部位について検討をしていく ( 宮崎総農試 南九州大学 1) ) 病 14 エタノール噴霧法によるイチゴ炭疽病の発生予察手法の開発 森三紗 寺本健イチゴ炭疽病はイチゴの最重要病害であるが, 現行の 発生予察事業の調査実施基準 ( 平成 13 年 3 月 : 農林水産省植物防疫課 ) では調査基準が未設定であり, 全国統一の発生予察手法を策定するため, 農林水産省 発生予察の手法検討委託事業 に取り組んでいる その中で, 石川 (2005) のエタノール浸漬法を改変したエタノール噴霧法による潜在感染状況調査を利用した発生予察手法を検討している エタノール噴霧法による潜在感染状況と発病程度の関係性を明らかにするため,2011 年度から 2014 年度の 4 ヵ年にわたり, 県内 4 地域の計 12 圃場で本病の発病程度および潜在感染状況調査を行った 得られた結果について統計解析を行った結果,7 月の潜在感染株率と 9 月の発病株率には高い相関が認められ,7 月の潜在感染状況調査によってその後の発生状況を把握できる可能性が示唆された 以上のことから, エタノール噴霧法は本病の発生予察手法として有効であると考えられた ( 長崎農技セ ) 病 15 イチゴ育苗期における雨よけ施設, 流水育苗ポット台を使用した条件下でのイチゴ炭疽病薬剤防除間隔 寺本健 森三紗イチゴ炭疽病はイチゴの最重要病害であり, 生産現場では約 1 週間間隔で薬剤防除が実施されており, 生産者の多大なコスト, 労力を招いている 一方, 雨よけ施設 + 流水育苗ポット台灌水 + 薬剤防除の組み合わせ技術は, 本病に対する非常に高い防除効果が認められている ( 吉田ら, 2012) が, 本技術における薬剤防除間隔は明らかでない そこで, 本技術における薬剤防除間隔を明らかにするため,2013 年,2014 年に検討を行った 試験は雨よけ施設 + 流水育苗ポット台灌水条件下で薬剤防除を 1 週間,2 週間および 3 週間間隔の区を設け, 各区に感染株を設置する間接接種による方法で, 発病状況調査およびエタノール検定法による潜在感染調査を実施した その結果, 雨よけ施設 + 頭上灌水 + 無防除の区ではいずれの年も多 ~ 甚発生であったが, 雨よけ施設 + 流水育苗ポット台灌水条件下では 3 週間間隔の薬剤防除でも発病が抑えられ, 高い防除効果が認められた ( 長崎農技セ )

7 病 16 イチゴ葉のうどんこ病を抑制する蒸熱処理条件 1) 2) 3) 3) 4) 稲田稔 渡邊幸子 高山智光 前原重信 國丸謙二 柳田裕紹 田尻一裕 伏原肇 5) 6) 海老原要道飽和水蒸気を用いた蒸熱処理によるイチゴうどんこ病の防除技術を確立するため, 本病が発生した苗 ( 品種 : さがほのか ) を供試し処理条件を検討した その結果, 各処理 6 日後において, サンヨール 500 倍液散布による小葉毎の分生子形成率は 41.7%( 防除価 :27) であり, 無処理 ( 分生子形成率 :57.4%) と同程度で抑制効果が低かった それに対し蒸熱処理を 47.5~50 で 5~10 分間行った場合の分生子形成率は 20.0% 以下 ( 防除価 :64 以上 ) でありサンヨールに優る効果が認められた 特に 分間処理は葉に軽い障害を生じるものの, 分生子の形成が認められず高い効果 ( 防除価 :100) を示し, 処理苗は 2 ヶ月後の調査終了時まで発病しなかった また, 蒸熱処理の作用性を検討した結果, 乾熱のみ (48 10 分間 ) およびミストのみ ( 約 分間 ) の処理は, 分生子形成率が 55.6 および 94.4% であり効果が低いか無かったのに対し,48 10 分間の蒸熱処理は分生子の形成が認められず, 同条件の温湯処理と同等の高い効果を示した ( 佐賀農業セ 1 ) 九州沖縄セ 2 ) ( 株 )FTH 3 ) 福岡農林試 4 ) 熊本農研セ 5 ) ( 株 ) ナチュラルステップ 6 ) 三好アグリテック ( 株 )) 病 17 炭疽病抵抗性を付与したイチゴの薬剤防除回数削減の可能性 1) 國丸謙二 片山貴雄イチゴ炭疽病に抵抗性を付与した系統を用いた炭疽病防除回数削減の可能性を検証するために, 本県で育成した抵抗性系統と他品種との抵抗性程度の比較および育苗期の散布回数を削減した体系防除による防除効果の検討を行った 噴霧接種法を用いて炭疽病抵抗性系統と既存の栽培 5 品種との炭疽病抵抗性程度を比較した結果, 接種 42 日後において本系統は発病度 38.0 で, 抵抗性品種として報告のある サンチーゴ ( 発病度 30.0) と同程度に強い抵抗性を有することが認められた また本系統と県内主要品種である 福岡 S6 号 を用いて育苗期の体系防除試験を行ったところ, 本系統は防除回数を慣行防除の 3 分の 1 に削減しても発病度 34.7, 萎凋枯死率 5.6%, 無防除でも 40.3,22.2% と, 福岡 S6 号 の慣行防除 (52.8,44.4%) に比べて著しく少なくなった よって サンチーゴ と同程度の抵抗性を有する品種を用いた栽培では, 育苗期の薬剤散布回数を大幅に削減できることが示唆された ( 福岡農林試 1) 朝倉農林 ) 病 18 白紋羽病温水治療法のビワへの適用に向けた生育への影響と防除効果の検討 内川敬介 古賀敬一 1) 2) 副島康義 中村仁ナシ等で確立された 50 の温水点滴処理による, 専用機器を用いた白紋羽病治療法をビワへ適用するため, 樹体の温水への耐性を検討した 健全なポット苗を用い, 機器の温度設定を 40, 45,50,55 とし,4h,8h,12h のかん注処理を行った結果,45,8h までは生育への影響はなかったが,50,4h 以上では枯死など影響があった また, 根活性に及ぼす温水の影響を調べるため, 根のパオキシダーゼ活性を測定したところ,44.0,3h 以上で無処理の根活性の約 40~60% に根の活性が低下した ナシは 45,12h 処理でも根活性が 80% 以上を保つ (Eguchi et al.,2008) ことから, ビワはナシよりも, 高温に対する耐性が低いと考えられた ビワは浅根性であり, 上記確立された 50 の温水処理よりも低い温度によっても防除効果が期待されたため, ビワ白紋羽病罹病樹に対して,45 の温水処理を行った結果, 生育への影響もなく, 処理後の枝刺し法による白紋羽病菌の付着率は, フルアジナム剤かん注処理と比較し低くなり, 本処理法による防除効果が期待された ( 長崎農技セ果樹 1) 長崎県農林部 2) 農研機構果樹研 )

8 病 19 佐賀県における新規系統 Pseudomonas syringe pv. actinidiae によるキウイフルーツかいよう病の発生 野口真弓 成富毅誌 1) 白石祥子 口木文孝佐賀県では 2010 年頃からキウイフルーツかいよう病の発生を確認していたが, 著しい枝の枯死等は認められず, 病原菌は新規系統の Psa5 系統とされた ( 澤田ら,2014) 2014 年春期に県内のキウイフルーツで, 葉の斑点症状や枝枯れ等の症状が認められた 今回新たに症状が確認された圃場では, これまで Psa5 系統の菌が確認された圃場と比べ, 激しい症状が認められた そこで, 斑点症状を有する葉を採取し,PCR で検定したところ, 病原菌は海外で著しい被害が報告されている Psa3 系統のキウイフルーツかいよう病菌であることを確認した 感染樹では,5 月から 7 月にかけて病徴が顕著に確認され, 蕾や花の枯死, 葉の斑点症状, 樹液の漏出, 枝の枯死等が認められた 発病が激しい圃場では枝が著しく枯死し, キウイフルーツ生産の継続は困難な状況となった 夏期以降は, 病徴の進展はおさまり, 夏期以降に遅伸びした葉での病徴は確認されなかった 現在, 対策としては, 発病部位の切除等を行っている ( 佐賀果樹試 1) 佐賀農技防 ) 病 20 福岡県における DMI 剤低感受性ナシ赤星病菌の発生 菊原賢次 國丸謙二近年, 福岡県ではナシ赤星病が多発傾向で, 問題となっており, 基幹剤の DMI 剤に対する感受性低下が疑われた 2013 年 6 月に県内 4 ヶ所と茨城県 1 ヶ所から採取した罹病葉から, 銹胞子を採集し, カイズカイブキ苗を用いて DMI 剤感受性検定を行った結果, 本県採取菌は茨城県に比べ, ジフェノコナゾール水和剤の防除価はやや低く ( 本県 78-83, 茨城県 100), フェナリモル水和剤は低かった ( 同 3-60,91) 次に,2014 年 3 月に県内 5 ヶ所と愛知県から採取した罹病カイズカイブキから形成させた小生子を用い, ナシ苗を用いて検定した結果, 本県採取菌は愛知県に比べ, ジフェノコナゾール水和剤 ( 本県 5-53, 愛知県 67) とフェナリモル水和剤の防除価 ( 同 0-50,79) は低かった さらに, ほ場試験の結果,SDHI 剤のペンチオピラド水和剤 (95), ジチオカーバメート剤のチウラム水和剤 (90), QoI 剤のピリベンカルブ水和剤 (81) の防除価は高かったが, ジフェノコナゾール水和剤 (63) とフェナリモル水和剤 (27) は低かった 以上より, 本県で DMI 剤低感受性ナシ赤星病菌の発生が示唆された ( 福岡農林試 ) 病 21 ミズヒキ, ヌスビトハギ, クサネムおよびイヌビユに発生した白絹病 ( 新称 ) 森田昭 2009 年 ~2012 年に長崎県大村市の山野に生えているミズヒキ (2009 年 6 月 29 日確認 ), ヌスビトハギ (2011 年 6 月 23 日確認 ), クサネム (2011 年 7 月 6 日確認 ) およびイヌビユ (2012 年 6 月 20 日確認 ) の 4 種の野草が軟腐症状となって褐変枯死し, その部位にナタネ種子大の褐色球状菌核を認めた それらの褐変した部位からは白絹病菌様の糸状菌が分離され, 分離菌は馬鈴薯煎汁寒天培地上での生育適温, 菌叢色, 主軸菌糸幅, かすがい連結有などツワブキから分離された白絹病菌と一致した これらの野草からの分離菌は, すべて各宿主野草に対してツワブキの白絹病菌と同様に病原性を示し, 病徴の再現を認め, 再分離も可能であった この結果から, 軟腐症状を呈した 4 種の野草から分離された糸状菌は白絹病 (Sclerotium rolfsii Saccardo) と同定し, ミズヒキ, ヌスビトハギ, クサネムおよびイヌビユの白絹病 (Southern blight) と呼称することを提唱する

00_015_目次.indd

00_015_目次.indd 612 67 11 213 Rlstoni solncerum Difference in Virulence nd Pthogenicity of Jpnese Potto Strins of Rlstoni solncerum to Potto Vrieties nd other Host Plnts.By Ysuhiro SUGA, Mitsuo HORTA, Nruto FURUYA nd

More information

わかっていること トマトすすかび病について

わかっていること トマトすすかび病について 小型顕微鏡を用いた トマトすすかび病の ほ場での病害診断 2013 年 7 月 1 日農林水産省講堂 第 19 回農作物病害虫防除フォーラム 三重県農業研究所鈴木啓史 わかっていること トマトすすかび病について トマトすすかび病の初報告 1948 年岐阜県において初確認され 同じ頃 愛知県 静岡県 福岡県ても確認 この時点で全国的に広まっていたものと考えられている ( 山田,1951) 1996 年に宮崎県で再確認

More information

140221_葉ネギマニュアル案.pptx

140221_葉ネギマニュアル案.pptx 養液栽培における 高温性水媒伝染病害の 安全性診断マニュアル ネギ編 ネギ養液栽培における病害 管理のポイント ネギに病原性のある高温性ピシウム菌の種類 1Pythium aphanidermatum ( 根腐病 ) 2Pythium myriotylum ( 未報告 ) 高温性ピシウム菌による被害 根が暗褐色水浸状に腐敗 重要ポイント 設内に病原菌を ま い うにしましょう 苗および栽培初期の感染は被害が大きくなります

More information

リンゴ黒星病、うどんこ病防除にサルバトーレME、フルーツセイバーが有効である

リンゴ黒星病、うどんこ病防除にサルバトーレME、フルーツセイバーが有効である 平成 26 年度普及に移す農業技術 ( 第 1 回 ) [ 分類 ] 普及技術 [ 成果名 ] リンゴ黒星病 うどんこ病防除にサルバトーレ ME フルーツセイバーが有効である [ 要約 ] リンゴ黒星病 うどんこ病防除にサルバトーレ ME の 3,000 倍液またはフルーツセイバーの 2,000 倍液を散布する サルバトーレ ME は EBI 剤 フルーツセイバーは SDHI 剤である 両剤ともに薬剤耐性菌が出現しやすいため

More information

140221_ミツバマニュアル案.pptx

140221_ミツバマニュアル案.pptx 養液栽培における 高温性水媒伝染病害の 安全性診断マニュアル ミツバ編 1 ミツバ養液栽培における 病害管理のポイント ミツバに病原性のある高温性ピシウム菌の種類 1Pythium aphanidermatum( 根腐病 ) 2Pythium myriotylum ( 未報告 ) 高温性ピシウム菌による被害 根が暗褐色水浸状に腐敗 重要ポイント 設内に病原菌を まないようにしましょう 苗および栽培初期の感染は被害が大きくなります

More information

**************************************** 2017 年 4 月 29 日 日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会 耐性菌対策のための DMI 剤使用ガイドライン 一般的な耐性菌対策 1. 薬剤防除だけに頼るのではなく 圃場や施設内を発病しにくい環境条件にする 1)

**************************************** 2017 年 4 月 29 日 日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会 耐性菌対策のための DMI 剤使用ガイドライン 一般的な耐性菌対策 1. 薬剤防除だけに頼るのではなく 圃場や施設内を発病しにくい環境条件にする 1) **************************************** 2017 年 4 月 29 日 日本植物病理学会殺菌剤耐性菌研究会 耐性菌対策のための DMI 剤使用ガイドライン 一般的な耐性菌対策 1. 薬剤防除だけに頼るのではなく 圃場や施設内を発病しにくい環境条件にする 1) 可能ならば病害抵抗性品種や耐病性品種を栽培する 2) 病原菌の伝染源となる作物残渣や落葉 剪定枝あるいは周辺の雑草などは速やかに処分する

More information

TuMV 720 nm 1 RNA 9,830 1 P1 HC Pro a NIa Pro 10 P1 HC Pro 3 P36 1 6K1 CI 6 2 6K2VPgNIa Pro b NIb CP HC Pro NIb CP TuMV Y OGAWA et al.,

TuMV 720 nm 1 RNA 9,830 1 P1 HC Pro a NIa Pro 10 P1 HC Pro 3 P36 1 6K1 CI 6 2 6K2VPgNIa Pro b NIb CP HC Pro NIb CP TuMV Y OGAWA et al., 21 1980 2000 DNA I Molecular Evolution and Ecology of Turnip mosaic virus. By Kazusato OHSHIMA DNA TYLCV1 RNA Rice yellow mottle virus RYMV 1 RNA Turnip mosaic virus ; TuMV TuMV TuMV TuMV II 1 TuMV OHSHIMA

More information

76 キク品種の白さび病抵抗性と白さび病菌レース 胞子で 7 22 である 両胞子のこのような性質から 噴霧器 発病は担子胞子形成の適温に支配され 最適な条件は 7 前後で 湿度が高く葉面が濡れている状態である キク白さび病菌レースと白さび病抵抗性 キク品種 罹病葉 植物病原菌では 同じ菌であっても

76 キク品種の白さび病抵抗性と白さび病菌レース 胞子で 7 22 である 両胞子のこのような性質から 噴霧器 発病は担子胞子形成の適温に支配され 最適な条件は 7 前後で 湿度が高く葉面が濡れている状態である キク白さび病菌レースと白さび病抵抗性 キク品種 罹病葉 植物病原菌では 同じ菌であっても 760 植 物 防 疫 第 63 巻 第 2 号 09 年 キク品種の白さび病抵抗性と白さび病菌レース 宮城大学食産業学部 なかむら 宮城県農業 園芸総合研究所 は じ め しげ お いわ い たか 岩 井 孝 いたばし たける 中村 茂雄 板橋 さ さ よし 尚 き あつし 建 佐々木 厚 る その後 冬胞子は担子胞子を形成 飛散し キクで に のみ感染 増殖を繰り返して病気を拡散する 発病のた

More information

平成 29 年度全国特殊報一覧 2018/03/30 特殊報イチジクラシオディプロディア落葉病 ( 仮称 ) 平成 29 年度第 4 号 福岡県 2018/03/29 特殊報ヤマノイモジャガイモクロバネキノコバエ平成 29 年度第 3 号 神奈川県 2018/03/29 特殊報ガーベラ茎えそ病 (

平成 29 年度全国特殊報一覧 2018/03/30 特殊報イチジクラシオディプロディア落葉病 ( 仮称 ) 平成 29 年度第 4 号 福岡県 2018/03/29 特殊報ヤマノイモジャガイモクロバネキノコバエ平成 29 年度第 3 号 神奈川県 2018/03/29 特殊報ガーベラ茎えそ病 ( 2. 特殊報平成 30 年度全国特殊報一覧 2018/04/11 特殊報トマト黄化病平成 30 年度第 1 号 徳島県 2018/04/10 特殊報ビワビワキジラミ平成 30 年度第 2 号 和歌山県 2018/04/10 特殊報トルコギキョウ斑点病平成 30 年度第 1 号 和歌山県 平成 29 年度全国特殊報一覧 2018/03/30 特殊報イチジクラシオディプロディア落葉病 ( 仮称 ) 平成

More information

予報 岡病防第16号

予報 岡病防第16号 各関係機関長殿 岡病防第 1 6 号平成 28 年 9 月 1 日 岡山県病害虫防除所長 ( 公印省略 ) 病害虫発生予察情報について 病害虫発生予報第 6 号を下記のとおり発表したので送付します 平成 28 年度病害虫発生予報第 6 号 予報概評 平成 28 年 9 月 1 日岡山県 作物名病害虫名発生時期発生量 水稲穂いもちやや早並紋枯病 - やや多白葉枯病 - 並穂枯れ - やや多もみ枯細菌病

More information

( 一財 ) 沖縄美ら島財団調査研究 技術開発助成事業 実施内容及び成果に関する報告書 助成事業名 : 土着微生物を活用した沖縄産農作物の病害防除技術の開発 島根大学生物資源科学部 農林生産学科上野誠 実施内容及び成果沖縄県のマンゴー栽培では, マンゴー炭疽病の被害が大きく, 防除も困難となっている

( 一財 ) 沖縄美ら島財団調査研究 技術開発助成事業 実施内容及び成果に関する報告書 助成事業名 : 土着微生物を活用した沖縄産農作物の病害防除技術の開発 島根大学生物資源科学部 農林生産学科上野誠 実施内容及び成果沖縄県のマンゴー栽培では, マンゴー炭疽病の被害が大きく, 防除も困難となっている ( 一財 ) 沖縄美ら島財団調査研究 技術開発助成事業 実施内容及び成果に関する報告書 助成事業名 : 土着微生物を活用した沖縄産農作物の病害防除技術の開発 島根大学生物資源科学部 農林生産学科上野誠 実施内容及び成果沖縄県のマンゴー栽培では, マンゴー炭疽病の被害が大きく, 防除も困難となっている. マンゴー炭疽病の防除には, 農薬が使用されているが, 耐性菌の出現が危ぶまれている 本研究では,

More information

ハクサイ黄化病のヘソディム

ハクサイ黄化病のヘソディム ハクサイ黄化病のヘソディム 長野県野菜花き試験場環境部 長野県塩尻市宗賀床尾 1066-1 TEL: 0263-52-1148 93 象診断手順調査方法評価方法診断票対策技術留意点そのにより発病が助長されます 対他1 ハクサイ黄化病とは 病原菌 : かびによる病害で 2 種類の病原菌がいます 1. バーティシリウム ダーリエ菌 (Verticillium dahliae) 2. バーティシリウム ロンギスポラム菌

More information

月中旬以降の天候によって塊茎腐敗による被害が増加する事例も多い 平成 28 年度は疫病の発生面積率は19.9% と例年に比べてやや少なかったものの 塊茎腐敗の発生面積率は 14.8% と例年に比べてやや多かったとされる ( 平成 現在 北海道病害虫防除所調べ ) かつては 疫病には

月中旬以降の天候によって塊茎腐敗による被害が増加する事例も多い 平成 28 年度は疫病の発生面積率は19.9% と例年に比べてやや少なかったものの 塊茎腐敗の発生面積率は 14.8% と例年に比べてやや多かったとされる ( 平成 現在 北海道病害虫防除所調べ ) かつては 疫病には ばれいしょの疫病による塊茎腐敗の発生生態と防除について 北海道立総合研究機構 農業研究本部中央農業試験場病虫部クリーン病害虫グループ 西脇 由恵 Yoshie Nishiwaki 1. はじめに北海道のばれいしょ栽培は作付面積 51,000ha 収穫量 1,897,000tで国内全収穫量のおよそ80% を占め ( 平成 28 年農林水産統計 ) 用途も生食用はもちろんのこと 加工用 澱粉原料用 種子用など多岐にわたり

More information

Taro-sokuzitaiou_14nennousi.jtd

Taro-sokuzitaiou_14nennousi.jtd キュウリホモプシス根腐病対策試験 試験成績書 ( 平成 14 年度即時対応試験成績書 ) 平成 15 年 3 月 福島県農林水産技術会議 福島県農業試験場 目次 Ⅰ はじめに Ⅱ 試験成績 1 露地夏秋キュウリにおけるホモプシス根腐病の発生状況 2 キュウリホモプシス根腐病防除対策試験 (1) カボチャ台木による防除 (2) 薬剤 資材等による防除 Ⅲ 摘要 試験担当者 病理昆虫部主専研 ( 兼 )

More information

714 植 物 防 疫 第 63 巻 第 11 号 2009 年 岡山県で発生した Rhizobium radiobacter Ti による ブドウ根頭がんしゅ病 岡山県農業総合センター農業試験場 は じ め かわ ぐち あきら 川 口 章 12 月のサンプルから AT06 1 AT06 8 株 を

714 植 物 防 疫 第 63 巻 第 11 号 2009 年 岡山県で発生した Rhizobium radiobacter Ti による ブドウ根頭がんしゅ病 岡山県農業総合センター農業試験場 は じ め かわ ぐち あきら 川 口 章 12 月のサンプルから AT06 1 AT06 8 株 を 714 植 物 防 疫 第 63 巻 第 11 号 2009 年 岡山県で発生した Rhizobium radiobacter Ti による ブドウ根頭がんしゅ病 岡山県農業総合センター農業試験場 は じ め かわ ぐち あきら 川 口 章 12 月のサンプルから AT06 1 AT06 8 株 を選抜し に 以下の試験に供試した ブドウ根頭がんしゅ病は土壌伝染性の細菌病であり II 保菌苗木の流通によって病原細菌が広範囲に伝搬され

More information

イチゴ炭疽病のヘソディム

イチゴ炭疽病のヘソディム イチゴ炭疽病のヘソディム 左 : 本圃の発病下 : 育苗圃の発病 三重県農業研究所 515-2316 三重県松阪市嬉野川北町 530 TEL : 0598-42-6357 155 象診断手順調査方法評炭疽病菌の分生子対価方法対策技術診断票留意点そのイチゴ炭疽病について 1 イチゴ炭疽病とは現在 病原菌の再分類が行われていますが 糸状菌の一種である Glomerella cingulata 種複合体および

More information

平成19年度事業計画書

平成19年度事業計画書 2 難防除病害虫特別対策事業 (1) アスパラガス病害虫総合防除対策の実証 ア背景および目的本県におけるアスパラガスの栽培面積は 県内全域でここ数年急速に延び 重要品目となっている 近年の主流である雨よけハウスによる半促成長期どり栽培では 収穫量は以前の栽培方法に比べ増加している その反面 斑点病や褐斑病などの斑点性病害 アザミウマ類 ハスモンヨトウなどの重要害虫の発生に加え コナジラミ類の発生が増加している

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 豊かな稔りに 日本の農業を応援します 平成 29 年 4 月 14 日発行 IBJ* 防除情報 第 70 号 (*IshiharaBioscienceJapan= 石原バイオサイエンスの略 ) 向こう 1 ヶ月の主要病害虫発生予報の発表はありませんでした ご説明します 今回の特集では 4 月 11 日付で適用拡大になりましたプロパティフロアブルの適用作物である ピーマン うどんこ病菌 うり科 うどんこ病菌の違いや生活環

More information

イチゴ小葉における炭疽病による赤色小斑の発生 誌名 愛媛県農林水産研究所企画環境部 農業研究部研究報告 IN 7 著者 巻 / 号 奈尾, 雅浩 7 号 掲載ページ p - 発行年月 年 月 農林水産省農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター Tukub Bu-Ad Cp upp C, Auu, Fy d Fh Rh Cu イチゴ 小葉における炭痘病による赤色小斑の発生 が確認されている小葉に汚斑症状を生じている

More information

付図・表

付図・表 付図 表 コムギ縞萎縮病による病徴について 1. コムギ縞萎縮病の発病様式と発生分布 1 2. コムギ縞萎縮病の病徴 (1) 調査時期 3 (2) 達観での病徴 4 (3) 縞萎縮病の病徴 6 (4) 類似病害 ( 萎縮病 ) による病徴 8 3. 品種によるコムギ縞萎縮病の病徴の違い 10 1. コムギ縞萎縮病の発病様式と発生分布 コムギ縞萎縮病 ( 以下 縞萎縮病 と略す ) は Wheat yellow

More information

DNA 抽出条件かき取った花粉 1~3 粒程度を 3 μl の抽出液 (10 mm Tris/HCl [ph8.0] 10 mm EDTA 0.01% SDS 0.2 mg/ml Proteinase K) に懸濁し 37 C 60 min そして 95 C 10 min の処理を行うことで DNA

DNA 抽出条件かき取った花粉 1~3 粒程度を 3 μl の抽出液 (10 mm Tris/HCl [ph8.0] 10 mm EDTA 0.01% SDS 0.2 mg/ml Proteinase K) に懸濁し 37 C 60 min そして 95 C 10 min の処理を行うことで DNA 組換えイネ花粉の飛散試験 交雑試験 1. 飛散試験 目的 隔離圃場内の試験区で栽培している組換えイネ S-C 系統 及び AS-D 系統の開花時における花粉の飛散状況を確認するため 方法 (1) H23 年度は 7 月末からの低温の影響を受け例年の開花時期よりも遅れ 試験に用いた組換えイネの開花が最初に確認されたのは S-C 系統 及び AS-D 系統ともに 8 月 13 日であった そこで予め準備しておいた花粉トラップ

More information

Xanthomonas arboricola A G Xanthomonas Vitis vinifera X. campestris pv. viticola bacterial canker NAYUDU, 1972 Xanthomonas arboric

Xanthomonas arboricola A G Xanthomonas Vitis vinifera X. campestris pv. viticola bacterial canker NAYUDU, 1972 Xanthomonas arboric 24 66 1 2012 Xanthomonas arboricola 2008 6 A G Xanthomonas Vitis viniferax. campestrispv. viticola bacterial canker NAYUDU, 1972 Xanthomonas arboricola Xanthomonas PARKINSON 2009 Table 1 I 3 A B C D 3

More information

大腸菌発現タンパク質を用いたトマト黄化葉巻ウイルスに対する抗血清による検出

大腸菌発現タンパク質を用いたトマト黄化葉巻ウイルスに対する抗血清による検出 九州病害虫研究会 第 90 回研究発表会 共催 日本植物病理学会九州部会 日本応用動物昆虫学会九州支部 2015 年 11 月 11 日 ( 水 ) 会場ホテルセントヒル長崎 講演要旨 ( 病害 ) 病害 01 罹病スイセンから得られたカブモザイクウイルス分子系統グループの新種ウイルス様配列 三苫真一郎 野見山玲衣 大島一里我々の最近の研究の目的の一つは, カブモザイクウイルス分子系統グループにおいて新種や中間型ウイルス種を探すことであり,

More information

バンカーシート 利用マニュアル 2017年版(第一版)

バンカーシート 利用マニュアル 2017年版(第一版) 施設野菜の微小害虫と天敵カブリダニ 施設野菜での微小害虫問題 中央農業研究センター 石原産業 ( 株 ) 施設のイチゴではハダニ類が多発し 問題となる 施設のキュウリ ナス サヤインゲンでも アザミウマ類やコナジラミ類などの被害や媒介ウイルス病が問題となる これらの害虫は薬剤抵抗性が発達しやすく 農薬での防除は難しい カブリダニ類は有力な天敵であるが 放飼時期の見極めや農薬との併用などが難しく これらの施設作物では利用が進んでいない

More information

<4D F736F F D D836789A989BB97748AAA956182CC8CBB8FF382C691CE8DF42E646F63>

<4D F736F F D D836789A989BB97748AAA956182CC8CBB8FF382C691CE8DF42E646F63> トマト黄化葉巻病の現状と対策 野菜茶業研究所果菜研究部虫害研究室本多健一郎 1. トマト黄化葉巻病コナジラミ類によって媒介されるウイルス病で 発病初期は新葉が葉縁から退緑しながら葉巻症状となり 後に葉脈間が黄化し縮葉となる 病勢が進行すると 頂部が叢生し株全体が萎縮する なお 発病前に着果した果実は正常に発育するが 発病後は開花しても結実しないことが多い トマト黄化葉巻の病原ウイルス (TYLCV)

More information

北病防第 平成 23 年 142 号 2 月 18 日 関係総合振興局産業振興部長 関係振興局産業振興部長 様 様 技術普及課長 病害虫防除所長 水稲いもち病防除の徹底について 水稲の重要病害であるいもち病は 平成 20 年以降 3 年連続して多発生し 平成 22 年の 葉いもち と 穂いもち の発

北病防第 平成 23 年 142 号 2 月 18 日 関係総合振興局産業振興部長 関係振興局産業振興部長 様 様 技術普及課長 病害虫防除所長 水稲いもち病防除の徹底について 水稲の重要病害であるいもち病は 平成 20 年以降 3 年連続して多発生し 平成 22 年の 葉いもち と 穂いもち の発 北病防第 平成 23 年 142 号 2 月 18 日 関係総合振興局産業振興部長 関係振興局産業振興部長 様 様 技術普及課長 病害虫防除所長 水稲いもち病防除の徹底について 水稲の重要病害であるいもち病は 平成 2 年以降 3 年連続して多発生し 平成 22 年の 葉いもち と 穂いもち の発生面積率は過去 3 年で最も高 くなるなど 被害が拡大しており 道産米の安定的な生産はもとより流通への

More information

圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ

圃場試験場所 : 県農業研究センター 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC 試験作物名オクラ品種名アーリーファ 作物残留試験 ( C-N ) 圃場試験明細書 1/6 圃場試験明細書 1. 分析対象物質 およびその代謝物 2. 被験物質 (1) 名称 液剤 (2) 有効成分名および含有率 :10% (3) ロット番号 ABC0123 3. 試験作物名オクラ品種名アーリーファイブ 4. 圃場試験場所 試験圃場名 試験圃場所在地 県農業研究センター 番圃場 号ハウス 県 市 町 - 5. 試験担当者氏名 6. 土性埴壌土

More information

る ( 久保田ら 2009) ことから 未知の伝染経路がある可能性は残るものの 本ウイルスの基本的な対策は 無病苗の育成と導入による発生防止 ハサミ等の消毒による蔓延防止 土壌中のウイルスを失活させることによるほ場内伝染環の遮断ということになる 3. 重要な残さの分解無病苗の育成と導入 ハサミ等の消

る ( 久保田ら 2009) ことから 未知の伝染経路がある可能性は残るものの 本ウイルスの基本的な対策は 無病苗の育成と導入による発生防止 ハサミ等の消毒による蔓延防止 土壌中のウイルスを失活させることによるほ場内伝染環の遮断ということになる 3. 重要な残さの分解無病苗の育成と導入 ハサミ等の消 キュウリ緑斑モザイク病防除対策としての残さ分解促進技術 宮崎県総合農業試験場 黒木 修一 Shuichi Kurogi 1. はじめにキュウリ緑斑モザイク病は キュウリ緑斑モザイクウイルス ( Kyuri green mottle mosaic virus, KGMMV) によって引き起こされる キュウリの主要産地である宮崎県にとっては 最も警戒している病害であり 毎年のように県内数カ所で発生し 発生ほ場では大きな被害が発生している

More information

untitled

untitled 千葉農林総研研報 (CAFRCRes.Bul.) 4:1-6(2012) 一季成り性種子繁殖型イチゴ品種 千葉 F-1 号 の栽培法第 1 報花成誘導処理に感応する発育ステージ 深尾聡 石川正美 前田ふみ 大泉利勝 キーワード : イチゴ, 種子繁殖, 栽培, 花成誘導 Ⅰ 緒 イチゴの促成栽培は, ランナーにより増殖した苗を用いることが一般的であり, 種子により増殖した苗を使用する事例は, 夏秋どり栽培で導入されているオランダの四季成り性品種で一部認められるのみである.

More information

スライド 1

スライド 1 豊かな稔りに 日本の農業を応援します 平成 29 年 7 月 14 日発行 IBJ* 防除情報 第 73 号 (*IshiharaBioscienceJapan= 石原バイオサイエンスの略 ) 農水省は 7 月 12 日に向こう 1 ヶ月の主要病害虫発生予報を発表しました その中から主な作物を対象に 発生が 多い と発表された病害虫とその地域及び防除農薬 ( 弊社の推奨農薬 ) を一表にまとめましたので

More information

シンポジウム 表題 PDF

シンポジウム 表題 PDF 平成 27 年度日本植物病理学会九州部会 第 39 回シンポジウム要旨集 1) 病害診断の現場から 長崎県の事例 PCR-DGGE 法によるアスパラガス立枯病の圃場診断の試みー p1-6 長崎県病害虫防除所 北島有美子 2) 病害診断の現場から 熊本県の事例 普及組織と連携した病害診断の現状と課題 p7-16 熊本県農林水産部生産局農業技術課農業技術支援室戸田世嗣熊本県農業研究センター生産環境研究所病害虫研究室予察指導係

More information

<95BD90AC E937894C581408E8E8CB18CA48B8690AC89CA8FEE95F1>

<95BD90AC E937894C581408E8E8CB18CA48B8690AC89CA8FEE95F1> [ 成果情報名 ] メッシュ農業気象でチャの摘採期を予測する茶園管理支援ソフト [ 要約 ] 共同茶工場で利用されているソフトにメッシュ農業気象で 基準地域メッシュ毎 ( 一番茶 ) または茶園毎 ( 二 三番茶 ) に摘採期予測と結果を地図表示する機能を組み込んだ茶園管理支援ソフトを開発した [ キーワード ] 茶園管理 摘採期 メッシュ農業気象 予測 [ 担当 ] 静岡農林技研 茶業研セ 栽培育種科

More information

<4D F736F F D EED8E F590AB95618A5182C682BB82CC91CE8DF482C982C282A282C42E646F63>

<4D F736F F D EED8E F590AB95618A5182C682BB82CC91CE8DF482C982C282A282C42E646F63> 種子伝染性病害とその対策について 葉根菜研究部病害研究室白川隆 野菜などに発生する病害が種子伝染する場合 汚染種子はこれまでは発生が無かった地域に新たな病害の発生をもたらす また 従来から発生していた病害であってもレースなどの新たな病原性分化型が種子を介して侵入し 作付けされていた抵抗性品種が罹病化することも考えられる 一方 近年 国際的な種子流通量が増加しており 国内生産向けの野菜種子の多くが海外で生産されて輸入されている

More information

190号.indb

190号.indb 北海道におけるマメ類菌核病および灰色かび病の防除とトップジン M 水和剤 清水基滋 Motoshige Shimizu はじめに 北海道における豆類の作付面積は ダイズ22,700ha ( 全国作付面積の16.4%) アズキ23,800ha( 同 72.8%) インゲンマメ9,350ha( 同 89.9%) と全国生産量の大きな割合を占めており 道内では畑作地帯はもとより転換畑においても重要な作物となっている

More information

水稲いもち病当面の対策                   

水稲いもち病当面の対策                    水稲いもち病当面の対策 平成 22 年 9 月 8 日北海道病害虫防除所 1 はじめに水稲の重要病害であるいもち病は 道内においては 平成 12 年と 13 年に多発生して以降 ほぼ少発生で推移してきました しかし平成 2 年にふたたび多発生し 平成 21 年も葉いもちおよび穂いもちとも 被害が拡大したところです 平成 22 年においても いもち病の感染源となる保菌した稲わらやもみ殻が 育苗ハウスおよび水田周辺に多く残っていたこと

More information

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt

Microsoft PowerPoint - 4_河邊先生_改.ppt 組換え酵素を用いた配列部位 特異的逐次遺伝子導入方法 Accumulative gene integration system using recombinase 工学研究院化学工学部門河邉佳典 2009 年 2 月 27 日 < 研究背景 > 1 染色体上での遺伝子増幅の有用性 動物細胞での場合 新鮮培地 空気 + 炭酸ガス 使用済み培地 医薬品タンパク質を生産する遺伝子を導入 目的遺伝子の多重化

More information

等 ) ジカルボキシイミド ( イプロジオン プロシミドン ) 等 上市後数年間で耐性菌が発生 防除効果が大幅に低下した事例のある殺菌剤を高リスクとしている DMI( トリアゾール等 ) アニリノピリミジン ( シプロジニル メパニピリム ) のように 一部の条件で防除効果が低下 または限定的に防除

等 ) ジカルボキシイミド ( イプロジオン プロシミドン ) 等 上市後数年間で耐性菌が発生 防除効果が大幅に低下した事例のある殺菌剤を高リスクとしている DMI( トリアゾール等 ) アニリノピリミジン ( シプロジニル メパニピリム ) のように 一部の条件で防除効果が低下 または限定的に防除 殺菌剤の耐性菌発生リスク評価 Japan FRAC 代表田辺憲太郎 Kentaro Tanabe 1. はじめに近年開発 上市の農業用殺菌剤は 耐性菌発生リスク ( 以下 耐性リスクと略 ) が中 高の特異的作用機構剤が多く 今後もこの傾向は継続する 耐性菌対策のためにはなるべく多くの系統が併存することが望ましいが 新規作用機構剤の開発は容易でないため 既存剤の実用的な防除効果の維持が必要であり リーズナブルな耐性管理は重要性を増してくる

More information

3. 生物的方法 ある種の微生物や 病原力を脱落させた病原菌に 植物の防御能力を高める作用があり ます また 病原力を弱めたウイルス ( 弱毒ウイルス ) を前もって接種しておくと その 後の同一あるいは近縁ウイルスの感染率を低下させることが可能です それらのうち 農 薬登録されているものを表 2-

3. 生物的方法 ある種の微生物や 病原力を脱落させた病原菌に 植物の防御能力を高める作用があり ます また 病原力を弱めたウイルス ( 弱毒ウイルス ) を前もって接種しておくと その 後の同一あるいは近縁ウイルスの感染率を低下させることが可能です それらのうち 農 薬登録されているものを表 2- 第二章病気を防ぐには (3) 素因 ( 作物 宿主 ) を制御する方法 植物の抵抗力 自然免疫力を高めると 素因 ( 病気にかかりやすい性質 ) が小さくなり感染 発病を抑制することができます 植物自身の力を利用して病害を防除する方法は 殺菌剤で病原菌を撲滅する方法に比べ有用生物や環境に対する負の影響が少ないと考えられ 今後 活用していくことが望まれる技術です 植物の抵抗力を高める方法には 化学的方法

More information

大腸菌発現タンパク質を用いたトマト黄化葉巻ウイルスに対する抗血清による検出

大腸菌発現タンパク質を用いたトマト黄化葉巻ウイルスに対する抗血清による検出 九州病害虫研究会 第 95 回研究発表会 2018 年 2 月 1 日 ( 木 ) 会場菊南温泉ユウベルホテル 861-5517 熊本市北区鶴羽田町 3 丁目 10 番 1 号 TEL:096-344-5600 講演要旨 ( 病害 ) 1 病 01 タマネギ定植後の本圃でのべと病菌による第一次伝染 渡邊幸子 菖蒲信一郎 稲田稔 タマネギべと病は, 罹病したタマネギ収穫残渣 ( 以下, べと病残渣 )

More information

研究背景 青枯病菌 (Ralstonia solanacearum) β- プロテオバクテリアに属する土壌細菌 (Burkholderiaceae) であり遍在する 広い宿主域を有し主要農作物を含む 50 科 200 種もの植物に感染する 植物感染域により 5 つのレースに細分される : レース 1

研究背景 青枯病菌 (Ralstonia solanacearum) β- プロテオバクテリアに属する土壌細菌 (Burkholderiaceae) であり遍在する 広い宿主域を有し主要農作物を含む 50 科 200 種もの植物に感染する 植物感染域により 5 つのレースに細分される : レース 1 Development of Vaccine preventing bacterial wilt caused by Ralstonia solanacearum 青枯病ワクチンの開発と その有効利用 広島大学大学院先端物質科学研究科教授山田隆 Takashi Yamada Graduate School of Advanced Sciences of Matter, Hiroshima University

More information

2018/08/06 注意報サツマイモシロイチモジヨトウ平成 30 年度第 3 号 徳島県 2018/08/03 注意報水稲斑点米カメムシ類平成 30 年度第 1 号 宮城県 2018/08/03 注意報りんご なしナミハダニ平成 30 年度第 2 号 宮城県 2018/08/01 注意報ネギシロイ

2018/08/06 注意報サツマイモシロイチモジヨトウ平成 30 年度第 3 号 徳島県 2018/08/03 注意報水稲斑点米カメムシ類平成 30 年度第 1 号 宮城県 2018/08/03 注意報りんご なしナミハダニ平成 30 年度第 2 号 宮城県 2018/08/01 注意報ネギシロイ 1. 注意報 警報平成 30 年度全国注意報 警報一覧 都道府県 2018/10/30 注意報パパイヤ グアバパパイヤコナカイガラムシ ( 仮称 ) 第 4 号 沖縄県 2018/10/16 注意報野菜類ヨトウムシ類 タバコガ類平成 30 年度第 4 号 長崎県 2018/10/12 注意報野菜 花き類シロイチモジヨトウ平成 30 年度第 3 号 愛媛県 2018/10/12 注意報カンキツ カキ

More information

メラレウカ苗生産技術の検討 供試品種は レッドジェム, レボリューションゴールド を用い, 挿し木を行う前日に枝を採取し, 直ちに水につけ持ち帰り, 挿し穂の基部径を 0.8~1.2mm,1.8~2.2mm,2.8~3.3mm で切り分けた後, 長さ約 8cm, 基部から 3cm の葉を除いた状態に

メラレウカ苗生産技術の検討 供試品種は レッドジェム, レボリューションゴールド を用い, 挿し木を行う前日に枝を採取し, 直ちに水につけ持ち帰り, 挿し穂の基部径を 0.8~1.2mm,1.8~2.2mm,2.8~3.3mm で切り分けた後, 長さ約 8cm, 基部から 3cm の葉を除いた状態に メラレウカ苗生産技術の検討 成松克史 Investigation of cultivation method for cutting seedlings of Melareuca bracteata NARIMATSU Katsushi 要旨メラレウカの苗生産における繁殖方法は主に挿し木によるが, 効率的な挿し木方法についての報告はない. そこで, 挿し穂の調製方法や挿し木の時期について検討した結果,

More information

untitled

untitled 小ギクの一斉機械収穫 調整システムの開発 農林水産省 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 (2008~2010 年度 ) 研究成果概要集 中核機関共同機関 奈良県農業総合センター農研機構 近畿中国四国農研センター兵庫県立農林水産技術総合センター 沖縄県農業研究センター香川県産業技術センター みのる産業株式会社 2011 年 3 月 小ギクの一斉機械収穫 調整システムの開発 農林水産省 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業

More information

< F2D315F F95815F82E882F182B28D9590AF F9C2E6A746463>

< F2D315F F95815F82E882F182B28D9590AF F9C2E6A746463> [ 果樹部門平成 29 年度普及する技術 ] 事項名リンゴ黒星病菌の EBI 剤に対する薬剤感受性低下に対応したりんご病害の防除体系 平成 28 年に黒星病が津軽地域で多発して大きな問題となり その主要因が黒星病菌のE BI 剤に対する薬剤感受性低下であることが明らかになったので 本剤を防除体系から削 ね ら い除する また 落花 15 日後頃 を廃止し 落花 10 日後頃 及び 落花 20 日後頃

More information

ネギ 防除法

ネギ  防除法 主要病害虫発生消長 1 月 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 病春まきさび病 害 黒斑病 秋まき さび病 黒斑病 虫アブラムシ類ネギハモグリバエ 害 ネギアザミウマ 作型 ; 栽培期 ; 収穫期 病害虫発生消長 ; 発生期 ; 発生盛期 べと病 1. 雨よけ栽培を行う 2. 発生初期から次の薬剤のいずれ 秋及び春の2 回発生するが 特に 4~5 月に かを散布する 降雨日が多いと発生しアミスター

More information

2. 青枯病 Ralstonia solanacearum 生態 ナスの青枯病の項参照 (1) 発病のおそれがあるほ場では栽培を避ける やむをえず栽培する場合は土壌消毒を行う (2) 抵抗性品種を選んで栽培する 詳しくは 指導資料 Ⅵ ナス トマト キュウリの主要品種の病害虫抵抗性 の項参照 青枯病

2. 青枯病 Ralstonia solanacearum 生態 ナスの青枯病の項参照 (1) 発病のおそれがあるほ場では栽培を避ける やむをえず栽培する場合は土壌消毒を行う (2) 抵抗性品種を選んで栽培する 詳しくは 指導資料 Ⅵ ナス トマト キュウリの主要品種の病害虫抵抗性 の項参照 青枯病 1. モザイク病タバコモザイクウイルス ( T M V ) キュウリモザイクウイルス ( C M V ) ジャガイモ X ウイルス ( P V X ) 生態 主な病原ウイルスにはタバコモザイクウイルス ( T M V ) キュウリモザイクウイルス ( C M V ) ジャガイモ X ウイルス ( P V X ) があり 一般には T M V と C M V が多い T M V は種子 土壌 汁液で伝染し

More information

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計-

共同住宅の空き家について分析-平成25年住宅・土地統計調査(速報集計結果)からの推計- 共同住宅の空き家について分析 - 平成 25 年住宅 土地統計調査 ( 速報集計結果 ) からの推計 - 総務省統計局では昨年 10 月 1 日 平成 25 年住宅 土地統計調査を実施し 速報集計結果を7 月 29 日に公表しました その結果 空き家数は 820 万戸と過去最高となり 全国の住宅の 13.5% を占めていることが分かりました ( 図表 1) 空き家については 少子高齢化の進展や人口移動の変化などにより

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 86. 線虫 C. elegans およびマウスをモデル動物とした体細胞レベルで生じる性差の解析 井上英樹 Key words: 性差, ストレス応答,DMRT 立命館大学生命科学部生命医科学科 緒言性差は雌雄の性に分かれた動物にみられ, 生殖能力の違いだけでなく形態, 行動などそれぞれの性の間でみられる様々な差異と定義される. 性差は, 形態や行動だけでなく疾患の発症リスクの男女差といった生理的なレベルの差異も含まれる.

More information

Microsoft PowerPoint - 第2章-1 [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 第2章-1 [互換モード] 第 2 章病原体の感染源を撲滅または減らす防除法 (1) 耕種的 ( 生態的 ) 方法 a) 宿主の撲滅ーーー ( ) の除去 ( ) の防除 b) 輪作 : 土壌病害 ( 連作障害または忌地病 ) の防除に有効病原体の宿主範囲 土壌の性質 輪作体系 輪作期間 堆肥や植物残渣 ( 有機物 ) の処理法が輪作成否のポイントとなる 植物残渣や堆肥等の有機物投入は土壌病害の防除につながるか有害性有機物からの毒性物質が植物根からの分泌物を増加させる

More information

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性 2012 年 1 月 4 日放送 抗菌薬の PK-PD 愛知医科大学大学院感染制御学教授三鴨廣繁抗菌薬の PK-PD とは薬物動態を解析することにより抗菌薬の有効性と安全性を評価する考え方は アミノ配糖体系薬などの副作用を回避するための薬物血中濃度モニタリング (TDM) の分野で発達してきました 近年では 耐性菌の増加 コンプロマイズド ホストの増加 新規抗菌薬の開発の停滞などもあり 現存の抗菌薬をいかに科学的に使用するかが重要な課題となっており

More information

講演にあたっての注意事項 その他 講演は Windows Microsoft PowerPoint 2000 以上で作成したスライドを液晶プロジェクターで投影しながら行って頂きます ( パソコンは 予め会場に設置したものを用います ご自身のパソコンは接続できませんのでご注意下さい ) 講演ファイルは

講演にあたっての注意事項 その他 講演は Windows Microsoft PowerPoint 2000 以上で作成したスライドを液晶プロジェクターで投影しながら行って頂きます ( パソコンは 予め会場に設置したものを用います ご自身のパソコンは接続できませんのでご注意下さい ) 講演ファイルは 九州病害虫研究会 第 92 回研究発表会 プログラム 共催 日本植物病理学会九州部会 日本応用動物昆虫学会九州支部 2016 年 11 月 9 日 ( 水 ) 会場グランデはがくれ 840-0815 佐賀市天神 2 丁目 1 番 36 号 TEL: 0952-25-2212 発表会場および進行予定 虫害講演 15 分 (1 鈴 10 分 2 鈴 12 分 ) 質疑 3 分 ( 終鈴 15 分 ) 病害講演

More information

白紋羽病の病徴 果樹の地上部にこんな症状が出ていたら要注意 春先の発芽が遅れ 花芽分化が多く 開花時期が早まる 徒長枝の本数が少ない または伸長が悪い 梅雨明け後期に 葉が萎れたようになる 秋期に葉の黄化や 落葉が早くなる 果実の肥大が悪く 熟期が早まる 徒長枝の伸長が悪い 菌 糸 束 秋期の葉の早

白紋羽病の病徴 果樹の地上部にこんな症状が出ていたら要注意 春先の発芽が遅れ 花芽分化が多く 開花時期が早まる 徒長枝の本数が少ない または伸長が悪い 梅雨明け後期に 葉が萎れたようになる 秋期に葉の黄化や 落葉が早くなる 果実の肥大が悪く 熟期が早まる 徒長枝の伸長が悪い 菌 糸 束 秋期の葉の早 豊かな稔りに 日本の農業を応援します 平成30年11月7日発行 IBJ 防除情報 * 第88号 (*IshiharaBioscienceJapan=石原バイオサイエンスの略) ご説明 します 果樹の休眠期がフロンサイドの防除適期です 果樹白紋羽病 白紋羽病とは 白紋羽病は果樹の樹勢が急激に衰え枯死に至るため 収量減により果樹栽培に 多大な影響を与える病害です 白紋羽病は土壌伝染性の病害で 根を侵すため

More information

NEWS RELEASE 東京都港区芝 年 3 月 24 日 ハイカカオチョコレート共存下におけるビフィズス菌 BB536 の増殖促進作用が示されました ~ 日本農芸化学会 2017 年度大会 (3/17~

NEWS RELEASE 東京都港区芝 年 3 月 24 日 ハイカカオチョコレート共存下におけるビフィズス菌 BB536 の増殖促進作用が示されました ~ 日本農芸化学会 2017 年度大会 (3/17~ NEWS RELEASE 東京都港区芝 5-33- 8-8403 http://www.morinaga.co.jp 207 年 3 月 24 日 ハイカカオチョコレート共存下におけるビフィズス菌 BB536 の増殖促進作用が示されました ~ 日本農芸化学会 207 年度大会 (3/7~20) にて発表 ~ 森永製菓株式会社 ( 東京都港区芝 代表取締役社長 新井徹 ) では 近年高まる健康需要を受けて

More information

190号.indb

190号.indb 水稲におけるいもち剤の現状とトップジン M の位置付けについて 武田敏幸 Toshiyuki Takeda はじめに いもち病は我が国の稲作において最も重要な病害である 苗いもち 葉いもち ( 写真 1) 穂いもち( 写真 2) と稲作の全ての段階で被害が発生する 一般に冷害年に大発生し 稲作に大きな被害を与えてきた その防除には 戦後直ぐには有機水銀剤が使用されたが 米への残留が問題となり 非水銀系殺菌剤の開発が行われた

More information

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム 平成 30 年度医科学専攻共通科目 共通基礎科目実習 ( 旧コア実習 ) 概要 1 ). 大学院生が所属する教育研究分野における実習により単位認定可能な実習項目 ( コア実習項目 ) 1. 組換え DNA 技術実習 2. 生体物質の調製と解析実習 3. 薬理学実習 4. ウイルス学実習 5. 免疫学実習 6. 顕微鏡試料作成法実習 7. ゲノム医学実習 8. 共焦点レーザー顕微鏡実習 2 ). 実習を担当する教育研究分野においてのみ単位認定可能な実習項目

More information

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 -

Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 - Ⅰ 収穫量及び作柄概況 - 7 - 参考)((600 収穫量収穫量)1 水稲 ( 子実用 ) 平成 24 水稲の収穫量 ( 子実用 ) は36 万 8,700t で 前に比べ1 万 5,100t(4%) 増加した これは パイプラインの復旧等により作付面積が前に比べ1,800ha(3%) 増加したことに加え 10a 当たり収量が前を8kg(1%) 上回ったためである 作柄は 作況指数が 104で 10a

More information

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) 研究課題別中間評価報告書 1. 研究課題名 テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト (2013 年 5 月 ~ 2018 年 5 月 ) 2. 研究代表者 2.1. 日本側研究代表者 : 山内章 ( 名古屋大学大学

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) 研究課題別中間評価報告書 1. 研究課題名 テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト (2013 年 5 月 ~ 2018 年 5 月 ) 2. 研究代表者 2.1. 日本側研究代表者 : 山内章 ( 名古屋大学大学 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) 研究課題別中間評価報告書 1. 研究課題名 テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト (2013 年 5 月 ~ 2018 年 5 月 ) 2. 研究代表者 2.1. 日本側研究代表者 : 山内章 ( 名古屋大学大学院生命農学研究科教授 ) 2.2. 相手側研究代表者 :Eliud K. Kireger( ケニア農畜産業研究機構

More information

農林水産省農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業 ( 実用技術開発ステージ 23025) 根部エンドファイト活用によるアスパラガス連作障害回避技術体系の開発 (2011 年 ~ 2013 年 ) 成果集

農林水産省農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業 ( 実用技術開発ステージ 23025) 根部エンドファイト活用によるアスパラガス連作障害回避技術体系の開発 (2011 年 ~ 2013 年 ) 成果集 アスパラガスの連作障害回避のための 改植マニュアル 第1版 農研機構は 独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネームです 農林水産省農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業 ( 実用技術開発ステージ 23025) 根部エンドファイト活用によるアスパラガス連作障害回避技術体系の開発 (2011 年 ~ 2013 年 ) 成果集 はじめに アスパラガスは多年生作物で 栽培開始後一定の年次が経過すると

More information

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析 論文題目 腸管分化に関わる microrna の探索とその発現制御解析 氏名日野公洋 1. 序論 microrna(mirna) とは細胞内在性の 21 塩基程度の機能性 RNA のことであり 部分的相補的な塩基認識を介して標的 RNA の翻訳抑制や不安定化を引き起こすことが知られている mirna は細胞分化や増殖 ガン化やアポトーシスなどに関与していることが報告されており これら以外にも様々な細胞諸現象に関与していると考えられている

More information

ファイトプラズマ病を一網打尽に検出できる遺伝子診断キットの開発 根絶事業により途上国農業生産への貢献が期待 1. 発表者 : 難波成任 ( 東京大学大学院農学生命科学研究科生産 環境生物学専攻教授 ) 2. 発表のポイント : イネ ココヤシ バナナなどの重要作物や 花き 野菜 樹木など 1,000

ファイトプラズマ病を一網打尽に検出できる遺伝子診断キットの開発 根絶事業により途上国農業生産への貢献が期待 1. 発表者 : 難波成任 ( 東京大学大学院農学生命科学研究科生産 環境生物学専攻教授 ) 2. 発表のポイント : イネ ココヤシ バナナなどの重要作物や 花き 野菜 樹木など 1,000 ファイトプラズマ病を一網打尽に検出できる遺伝子診断キットの開発 根絶事業により途上国農業生産への貢献が期待 1. 発表者 : 難波成任 ( 東京大学大学院農学生命科学研究科生産 環境生物学専攻教授 ) 2. 発表のポイント : イネ ココヤシ バナナなどの重要作物や 花き 野菜 樹木など 1,000 種以上の植物 に感染し枯らす世界中のあらゆるファイトプラズマの高感度遺伝子診断キットを開発しまし た

More information

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す 日本標準商品分類番号 872491 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制することが示されたが 血管新生に対するカリジノゲナーゼの影響を評価した報告はない そこで今回 網膜血管新生に対するカリジノゲナーゼの役割を同定するため

More information

2 ブドウの病害虫

2 ブドウの病害虫 1 黒とう病 ( ブドウ ) 1 病原菌は巻きづるやり病枝で越冬し 展葉初期から感染を始める 2 伝染源の除去と初期防除に重点をおく 1 巻きづる及びり病枝を除去する ( 休眠期ならびに 5 から 6 月 ) 2 新梢がおそ伸びしないよう施肥 せん定に考慮する 4 月 有機硫黄剤 M3 ( 開花前 ) ジチアノン剤 M9 5 月中旬 ~ 下旬 ( 開花期 ~ 落花期 ) ベンゾイミダゾール系チオファネート系

More information

病害虫発生予察情報(11月予報)

病害虫発生予察情報(11月予報) 1 予報概況 作物名 イチゴ 病害虫発生予察情報 (2 月予報 ) 病害虫名 うどんこ病 灰色かび病 アブラムシ類 予報 ( 県平均平年値 ) 発生量 : やや少 ( 発病株率 0.9%) 発生量 : やや多 ( 発病株率 0.9%) 発生量 : やや多 ( 寄生株率 1.2%) 平成 29 年 1 月 25 日 静岡県病害虫防除所長 予報の根拠 1 月中旬発生量 : やや多 (+) 1 月中旬発生量

More information

長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ

長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むことと しています また 種子法 では規定されていなかった 6 つの項目 ( 下表の網掛け部分 ) について

More information

<4D F736F F D F5F8F4390B3816A95788E6D8CDC8CCE82CC90858EBF8AC28BAB82CC95CF89BB8F4390B B7924A90EC816A2E646F63>

<4D F736F F D F5F8F4390B3816A95788E6D8CDC8CCE82CC90858EBF8AC28BAB82CC95CF89BB8F4390B B7924A90EC816A2E646F63> 富士五湖の水質環境の変化 長谷川裕弥, 吉沢一家 Change of the Water quality environment of Fuji Five Lakes Yuya Hasegawa, Kazuya Yoshizawa キーワード : 富士五湖, 透明度, 水質変動, クロロフィル a, リン, 窒素 富士五湖の水質調査は1973 年より 山梨県により公共用水域調査として継続して行われている

More information

(Taro-09\221S\225\ \221S\225\266\217\274\226{.jtd)

(Taro-09\221S\225\ \221S\225\266\217\274\226{.jtd) 9 管内二農場における牛ウイルス性下痢 粘膜病対策の検討 湘南家畜保健衛生所 松本哲阿部美樹 小嶋信雄稲垣靖子 はじめに 牛ウイルス性下痢 粘膜病 ( 以下 BVD-MD) は 牛ウイルス性下痢ウイルス ( 以下 BVDウイルス ) によって引き起こされる BVDウイルスはフラビウイルス科ペスチウイルス属のウイルス で 遺伝子型は 1 型と 2 型があり 近年では 2 型の発生事例が増加している [1,2]

More information

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる 化粧品用コラーゲンの原料 現在は 魚由来が中心 かつては ウシの皮膚由来がほとんど BSE 等病原体混入の危険 人に感染する病原体をもたない アレルギーの問題は未解決 ( むしろ問題は大きくなったかもしれない ) アレルギーを引き起こす可能性 医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では

More information

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について ( 別添 ) 最終的に宿主に導入された DNA が 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物の DNA のみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準に係る留意事項 最終的に宿主に導入されたDNAが 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物のDNAのみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準

More information

「公印省略」

「公印省略」 公印省略 3 農林試第 566 号の 8 平成 3 年 11 月 3 日各関係機関団体の長各病害虫防除員殿 平成 3 年度病害虫発生予報第 9 号 (1 月 について 福岡県農林業総合試験場長 ( 福岡県病害虫防除所 このことについて 病害虫発生予報第 9 号を発表したので送付します 予報第 9 号 病害虫防除所の業務紹介 ~ 重要病害虫侵入の早期発見のために ~ 病害虫防除所では 国内未発生または国内でも限られた場所で発生している重要病害虫が県内に侵入した際に

More information

<4D F736F F D A6D92E894C5817A966B945F8CA C E482AB82B382E282A9816A81698DC58F4994C5816A2E646F63>

<4D F736F F D A6D92E894C5817A966B945F8CA C E482AB82B382E282A9816A81698DC58F4994C5816A2E646F63> プレスリリース 解禁 TV ラジオはレクチャー後放送可 新聞は 11 月 26 日朝刊から掲載可 平成 23 年 11 月 25 日北海道農業研究センター 低アミロース 低タンパク含有率で食味が安定した 良食味水稲新品種 ゆきさやか を育成 ポイント アミロース含有率とタンパク質含有率の両方が低い 北海道向けの極良食味の水稲新品種 ゆきさやか を育成しました ゆきさやか のアミロース含有率は温度による変動が少なく

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 植物 DA の抽出と増幅 1 背景 植物種子から DA 抽出する際 有機溶媒や酵素を用いた処理 遠心分離装置を使った操作など 煩雑で時間のかかる工程が用いられてきた カ技ネ術カの 検体採取 簡易 DA 抽出キット version2( 抽出キット ) と高速増幅用 DA Polymerase ( 増幅キット ) を組合わせる事で 遺伝子検査時間を短縮可能! 抽出キット * 抽出 DA を 増幅キット

More information

冷蔵貯蔵中のぶどう「シャインマスカット」に発生する灰色かび病防除に、オンリーワンフロアブルの7月中~下旬散布が有効である

冷蔵貯蔵中のぶどう「シャインマスカット」に発生する灰色かび病防除に、オンリーワンフロアブルの7月中~下旬散布が有効である 平成 27 年度普及に移す農業技術 ( 第 2 回 ) [ 分類 ] 普及技術 [ 成果名 ] 冷蔵貯蔵中のぶどう シャインマスカット に発生する灰色かび病防除に オンリーワンフロアブルの 7 月中 ~ 下旬散布が有効である [ 要約 ] 冷蔵貯蔵中のぶどう シャインマスカット に発生する果粒腐敗の原因は 主に灰色かび病菌によるものである 生育期間中の 7 月中 ~ 下旬にオンリーワンフロアブル 2,000

More information

豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹

豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹 豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 2.1.1 名称豚丹毒菌多摩 96 株 ( 血清型 2 型 ) 又はこれと同等と認められた株 2.1.2 性状感受性豚に接種すると

More information

KASEAA 51(10)

KASEAA 51(10) 解説 昆虫ウイルスを利用した 害虫防除資材の現状と展望 1 693 1 * ** * ** 694 1 2 695 1 2 2 3 696 2 * ** * ** 697 し AgMNPV を使った技術が受け入れやすかった 2 公的普及事業が積極的に行われた 3 AgMNPV の病 原性が高く宿主間の水平伝播率が高いため少ない散布回 数で十分な効果を上げられた 4 ダイズの経済的被害 許容水準が高く

More information

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典

化を明らかにすることにより 自閉症発症のリスクに関わるメカニズムを明らかにすることが期待されます 本研究成果は 本年 京都において開催される Neuro2013 において 6 月 22 日に発表されます (P ) お問い合わせ先 東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野教授大隅典 報道機関各位 2013 年 6 月 19 日 日本神経科学学会 東北大学大学院医学系研究科 マウスの超音波発声に対する遺伝および環境要因の相互作用 : 父親の加齢や体外受精が自閉症のリスクとなるメカニズム解明への手がかり 概要 近年 先進国では自閉症の発症率の増加が社会的問題となっています これまでの疫学研究により 父親の高齢化や体外受精 (IVF) はその子供における自閉症の発症率を増大させることが報告されています

More information

5月の病害虫発生予想と防除のポイント

5月の病害虫発生予想と防除のポイント 1 月の病害虫発生予想と防除のポイント 鹿児島県経済連 肥料農薬課鹿児島県病害虫防除所から発表された病害虫発生予報第 10 号 (1 月 ) を基に, 防除のポイントを下記に取りまとめましたので, 防除指導の参考にしてください Ⅰ. 野菜 発生量は平年比較, 発生予想の下段 ( 根拠 ) の (+) は多発要因,(-) は少発要因を示す キュウリべと病褐斑病うどんこ病 やや少 12 月の発生 : 少

More information

独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構 果樹研究所編 2013 年改訂版白紋羽病温水治療マニュアル 温水を使って安全 簡単に白紋羽病を防ぐ 目 次 1. 温水治療とは (1) はじめに... 1 (2) 温水治療の概要 温水治療の処理手順 (1) 点滴器具の準備と設置... 3

独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構 果樹研究所編 2013 年改訂版白紋羽病温水治療マニュアル 温水を使って安全 簡単に白紋羽病を防ぐ 目 次 1. 温水治療とは (1) はじめに... 1 (2) 温水治療の概要 温水治療の処理手順 (1) 点滴器具の準備と設置... 3 独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構 果樹研究所編 2013 年改訂版白紋羽病温水治療マニュアル 温水を使って安全 簡単に白紋羽病を防ぐ 目 次 1. 温水治療とは (1) はじめに... 1 (2) 温水治療の概要... 1 2. 温水治療の処理手順 (1) 点滴器具の準備と設置... 3 (2) 点滴器具の被覆... 3 (3) 温水の送水と地温の確認... 4 (4) 処理の終了...

More information

Bull. Mie Pref. For. Res. Inst. (5), 培養期間別発生量の調査先と同様の培地組成の菌床を作製し, 温度 20, 湿度 70% の条件下で培養した. 培養 3 ヵ月,4 ヵ月,5 ヵ月後に菌床の側面 4 面にカッターナイフで切り目を入れ, 温度 24,

Bull. Mie Pref. For. Res. Inst. (5), 培養期間別発生量の調査先と同様の培地組成の菌床を作製し, 温度 20, 湿度 70% の条件下で培養した. 培養 3 ヵ月,4 ヵ月,5 ヵ月後に菌床の側面 4 面にカッターナイフで切り目を入れ, 温度 24, 三重県林業研報 (5), 2013 資料 アラゲキクラゲ (Auricularia polytricha) の菌床栽培法 Cultivation of Auricularia polytricha using medium sawdust blocks 西井孝文 1) Takafumi NISHII 1) 要旨 : アラゲキクラゲ菌床栽培において, 菌糸体の蔓延した菌床を用いて培養, 発生条件が子実体発生量に及ぼす影響について検討を行った.

More information

厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)

厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業) 厚生労働科学研究費補助金 ( 循環器疾患 糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業 ) 分担研究報告書 健康寿命の全国推移の算定 評価に関する研究 評価方法の作成と適用の試み 研究分担者橋本修二藤田保健衛生大学医学部衛生学講座 教授 研究要旨健康寿命の推移について 平均寿命の増加分を上回る健康寿命の増加 ( 健康日本 21( 第二次 ) の目標 ) の達成状況の評価方法を開発 提案することを目的とした 本年度は

More information

< F2D C18EEA95F182518D C834D E838D836F836C834C836D F E6A7464>

< F2D C18EEA95F182518D C834D E838D836F836C834C836D F E6A7464> 特殊報 9 病第 1 5 号 関係各位 平成 29 年 8 月 4 日 京都府病害虫防除所長 ( 公印省略 ) 病害虫発生予察情報について 下記のとおり発表しましたので 送付します 病害虫発生予察特殊報第 2 号 病害虫名チビクロバネキノコバエ Bradysia agrestis Sasakawa (Synonym: Bradysia difformis Frey 5の項参照 ) 作物名ネギ発生地域山城地域の一部

More information

スライド 1

スライド 1 イネ科植物の耐病性メカニズムとその応用 東京農業大学生物応用化学科 須恵 雅之 イネ科植物の耐病性メカニズムとその応用 コムギにおける耐病性化合物 : 生合成と遺伝子 コムギおよびオオムギの耐病性化合物を発現するイネの作出を目指して コムギにおける耐病性化合物 : 生合成と遺伝子 植物の病害に対する抵抗性 分類その 1 物理的抵抗性 細胞壁の強化など 化学的抵抗性 有毒な化合物の蓄積など 分類その

More information

■リアルタイムPCR実践編

■リアルタイムPCR実践編 リアルタイム PCR 実践編 - SYBR Green I によるリアルタイム RT-PCR - 1. プライマー設計 (1)Perfect Real Time サポートシステムを利用し 設計済みのものを購入する ヒト マウス ラットの RefSeq 配列の大部分については Perfect Real Time サポートシステムが利用できます 目的の遺伝子を検索して購入してください (2) カスタム設計サービスを利用する

More information

<82BD82A294EC82C697CE94EC82CC B835796DA>

<82BD82A294EC82C697CE94EC82CC B835796DA> 窒素による環境負荷 窒素は肥料やたい肥などに含まれており 作物を育てる重要な養分ですが 環境負荷物質の一つでもあります 窒素は土壌中で微生物の働きによって硝酸態窒素の形に変わり 雨などで地下に浸透して井戸水や河川に流入します 地下水における硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の環境基準は 10 mg/l 以下と定められています 自然環境における窒素の動き 硝酸態窒素による環境負荷を減らすためには 土づくりのためにたい肥を施用し

More information

スライド 1

スライド 1 DNA を用いた微生物 分析の現場での活用 平成 18 年 10 月 5 日 B 会場 15:30~15:50 三井農林 ( 株 ) 食品総合研究所微生物分析サービス 衛生管理手法の変化 従来の方法 公定法に基づく微生物検査 一般性菌数 大腸菌群の判定など 実際は HACCP や cgmp の導入 大規模 大量生産 流通の多様化 迅速化 安全性追求意識の高まり より正確正確で迅速迅速かつ簡便簡便な微生物検査方法が必要

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 23(2009) 149. サルエイズウイルスのヒトへの感染伝播を規定する宿主制御因子の解明 武内寛明 Key words: エイズウイルス, 異種間感染, 感染症, 人畜共通感染症, 新興感染症 東京大学医科学研究所感染症国際研究センター微生物学分野 緒言ヒト後天性免疫不全症候群 ( ヒトエイズ ) は, ヒト免疫不全ウイルス (HIV) によって引き起こされる慢性持続感染症である.

More information

病害会場 (1階 有明・不知火)

病害会場 (1階 有明・不知火) 病害会場 (3 階ザ テラスルーム ) 午前の部 9:30~11:45 1 宮崎県における稲こうじ病に対する銅剤の散布適期および出穂期の異なる品種と発病の関係 日高春美 1 寺本敏 1 松浦明 1 黒木修一 1 押川純二 1 松浦聡司 2 森山あゆみ 1 9:30 ( 宮崎総農試, 2) 現西諸県農林振興局 ) 2 気温上昇条件下におけるイネ紋枯病の発病程度の推定について 9:45 井上博喜 川上顕

More information

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採

スプレーストック採花時期 採花物調査の結果を表 2 に示した スプレーストックは主軸だけでなく 主軸の下部から発生する側枝も採花できるため 主軸と側枝を分けて調査を行った 主軸と側枝では 側枝の方が先に採花が始まった 側枝について 1 区は春彼岸前に採花が終了した 3 区 4 区は春彼岸の期間中に採 課題春彼岸に出荷可能な切花の作型試験 担当者木下実香 目的切花の需要期のひとつである春彼岸 (3 月下旬 ) に向けて 無加温ハウスで出荷 可能な切花品目 作型を検討する 供試品種一本立ちストックアイアンシリーズ ( サカタのタネ ) ( ホワイト イエロー ピンク マリン ) スプレーストックカルテットシリーズ ( サカタのタネ ) ( ホワイト イエロー 2 ローズ ブルー) キンギョソウアスリートシリーズ

More information

目 次 1. はじめに 1 2. 組成および性状 2 3. 効能 効果 2 4. 特徴 2 5. 使用方法 2 6. 即時効果 持続効果および累積効果 3 7. 抗菌スペクトル 5 サラヤ株式会社スクラビイン S4% 液製品情報 2/ PDF

目 次 1. はじめに 1 2. 組成および性状 2 3. 効能 効果 2 4. 特徴 2 5. 使用方法 2 6. 即時効果 持続効果および累積効果 3 7. 抗菌スペクトル 5 サラヤ株式会社スクラビイン S4% 液製品情報 2/ PDF サラヤ株式会社スクラビイン S4% 液製品情報 1/8 52-0198-01-4PDF 目 次 1. はじめに 1 2. 組成および性状 2 3. 効能 効果 2 4. 特徴 2 5. 使用方法 2 6. 即時効果 持続効果および累積効果 3 7. 抗菌スペクトル 5 サラヤ株式会社スクラビイン S4% 液製品情報 2/8 52-0198-01-4PDF 1. はじめに 医療関連感染の原因となる微生物の多くは

More information

いちごじゃのめ病 さやえんどう実えんどうピーマンすいか メロン きゅうり うどんこ病 ~ 5,000 陥没病 黒星病 ~ 5,000 うどんこ病 かぼちゃ種子重量のフザリウム立枯病 0.3% にがうり うどんこ病うり類 ( 漬物用 ) つる枯病 炭疽病 ~ 5,000 トマト葉かび病ミニトマトすすか

いちごじゃのめ病 さやえんどう実えんどうピーマンすいか メロン きゅうり うどんこ病 ~ 5,000 陥没病 黒星病 ~ 5,000 うどんこ病 かぼちゃ種子重量のフザリウム立枯病 0.3% にがうり うどんこ病うり類 ( 漬物用 ) つる枯病 炭疽病 ~ 5,000 トマト葉かび病ミニトマトすすか 殺菌剤 登録番号第 16300 号種類名トリフルミゾール水和剤 triflumizole (TRIFMINE WP) 性状類白色水和性粉末 45μm 以下有効年限 4 年有効成分トリフルミゾール 30.0% 毒性普通物 ( 毒劇物に該当しないものを指していう通称 ) 包装 (100g 25 袋 ) 4 箱 500g 20 袋 特長 1. 日本曹達が開発した DMI 剤です 2. 予防効果に加えて治療効果も有するので

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 資料 3 漁港のストックマネジメント ( 長寿命化 ) について 漁港施設のストックと管理の現状 1 漁港施設 ( 外郭施設及び係留施設 ) は 1950 年 ( 漁港法制定 ) から 2005 年までに累計延長約 5,0 00km 整備総額 10 兆円を上回る規模に達している 既存の漁港施設は 高度経済成長期に建設されたものが多く 今後耐用年数の経過により更新時期を迎えるものが増加することが予想される

More information

Microsoft Word - 最終:【広報課】Dectin-2発表資料0519.doc

Microsoft Word - 最終:【広報課】Dectin-2発表資料0519.doc 平成 22 年 5 月 21 日 東京大学医科学研究所 真菌に対する感染防御のしくみを解明 ( 新規治療法の開発や機能性食品の開発に有用 ) JST 課題解決型基礎研究の一環として 東京大学医科学研究所の岩倉洋一郎教授らは 真菌に対する感染防御機構を明らかにしました カンジダなどの真菌は常在菌として健康な人の皮膚や粘膜などに存在し 健康に害を及ぼすことはありません 一方で 免疫力が低下した人に対しては命を脅かす重篤な病態を引き起こすことがあります

More information

Microsoft Word - 研究報告書(崇城大-岡).doc

Microsoft Word - 研究報告書(崇城大-岡).doc 崇城 大学 生物生命学部 崇城大学 1999 年 九州大学農芸化学科卒業 生物生命学部 2004 年 同大学院生物資源環境科学府 応用微生物工学科 博士課程修了 准教授 2004 年 産業技術総合研究所 糖鎖工学研究センター研究員 岡 拓二 2008 年 崇城大学生物生命学部助教 2010 年 崇城大学生物生命学部准教授 糸状菌のガラクトフラノース含有糖鎖生合成に関わる 新規糖転移酵素遺伝子の機能解析

More information

ばれいしょ「長系134号」

ばれいしょ「長系134号」 (3) 長崎県農林技術開発センター ( ばれいしょ 西海 37 号 ) 地方番号 西海 37 号 長系 132 号 愛系 151 T04051-14 西海 35 号 西海 33 号 2. 特性の概要出芽期は ニシユタカ に比べ 春作で 4 日早く 秋作では 9 日早い 茎長は春秋作とも ニシユタカ より長く 熟性は中晩生である 皮色 肉色とも黄色 は春作 秋作とも 14% 前後で高い 上いも重は春作で

More information

<4D F736F F D208CC D882CC8DCD947C8B5A8F708E77906A2E646F63>

<4D F736F F D208CC D882CC8DCD947C8B5A8F708E77906A2E646F63> イチゴの品種 の栽培技術指針 奈良県農業総合センター 2010 年 9 月 目次 ページ 1. 育成経過 2 1) 育種目標 2) 来歴 2. 特性 3 1) 栄養体の形態的特性 2) 生態的特性 3) 果実特性 4) 収量性 5) 病害抵抗性 3. 栽培管理の要点 5 1) 適応作型 2) 育苗期 3) 定植期から収穫期 4. の栽培暦 6 1) 促成 12 月どり栽培の体系 2) 主な作業とその要点

More information

Title ミョウガ根茎腐敗病の防除 Author(s) 外間, 数男 Citation 沖縄農業, 30(1): Issue Date URL Rights 沖縄農業研究会

Title ミョウガ根茎腐敗病の防除 Author(s) 外間, 数男 Citation 沖縄農業, 30(1): Issue Date URL   Rights 沖縄農業研究会 Title ミョウガ根茎腐敗病の防除 Author(s) 外間, 数男 Citation 沖縄農業, 30(1): 72-78 Issue Date 1995-07 URL http://hdl.handle.net/20.500.12001/ Rights 沖縄農業研究会 KazuoHoKAMA ミョウガ根茎腐敗病の防除外間数男 ( 沖縄県立農業大学校 ) Controlofrhizomerotdiseaseofthemiogaplant

More information

<4D F736F F F696E74202D2082AD82DC82E082C6945F8BC A E815B E382E D758B608E9197BF8CF68A4A A205B8CD

<4D F736F F F696E74202D2082AD82DC82E082C6945F8BC A E815B E382E D758B608E9197BF8CF68A4A A205B8CD くまもと農業アカデミー 8/27/2013 植物病理学の基礎知識 東海大学農学部吉田政博 1. 植物病理学の定義 1. 植物病理学 Plant pathology とは? 植物の病気に関してその原因と経過を明らかにし, 防除の方法を研究する学問 = 植物の健康と生産性に関する科学 農作物 植物の保護 食料の安定生産 地球環境の保護 2. 植物の病気 (Disease) とは? 健康でない状態 ( 正常ではない

More information

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について

「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」の一部改正について 食安基発 0627 第 3 号 平成 26 年 6 月 27 日 各検疫所長殿 医薬食品局食品安全部基準審査課長 ( 公印省略 ) 最終的に宿主に導入されたDNAが 当該宿主と分類学上同一の種に属する微生物のDNAのみである場合又は組換え体が自然界に存在する微生物と同等の遺伝子構成である場合のいずれかに該当することが明らかであると判断する基準に係る留意事項について 食品 添加物等の規格基準 ( 昭和

More information

(2) 新系統の発生状況平成 28 年 4~10 月にかけて府内 19 地点のネギ キャベツ及びタマネギほ場から採集したネギアザミウマの次世代を一頭飼育法 ( 十川ら, 2013) により調べた結果 南丹市以南の16 地点で新系統 ( 産雄性生殖系統 ) を確認した 山城地域では 産雄性生殖系統が優

(2) 新系統の発生状況平成 28 年 4~10 月にかけて府内 19 地点のネギ キャベツ及びタマネギほ場から採集したネギアザミウマの次世代を一頭飼育法 ( 十川ら, 2013) により調べた結果 南丹市以南の16 地点で新系統 ( 産雄性生殖系統 ) を確認した 山城地域では 産雄性生殖系統が優 (従来の系統(新系統防除所ニュース発行平成 29 年 3 月 27 日 平成 29 年第 4 号京都府病害虫防除所 ネギアザミウマ系統調査及び殺虫剤感受性検定の結果について 京都府内のネギ栽培地域では ネギアザミウマの多発生が続いています 本種はネギの葉を直接加害するだけでなく ネギえそ条斑病を媒介することによりネギの商品価値を低下させます 一方 本種には従来とは異なる新しい系統が存在し 殺虫剤の殺虫効果が異なると言われています

More information

生育が安定する ベンチの高さはランナーを伸長させる分必要になるが 150cm程度が作業 性の点ではよい 給液装置は2タンク式の液肥混入型を用いるのが一般的であるがコスト が高い 1タンク式など安価な給液装置もある ドリップチューブ クリプトモス混合培地 防根シ ト (ユニチカ製 ラブシート20701FD 給水シート (ユニチカ製 ラブマットU 防水シート (積水化成製 セルペットシート 約150cm

More information

平成 30 年産米づくりのポイント ~ 水稲種子の消毒時の注意点について ~ JA 全農ちば営農支援部今年も水稲栽培に向けた準備の時期がやって来ます イネばか苗病や細菌性の苗立枯病など種子伝染性の病害の発生を防ぐためには 薬剤による種子消毒を中心とした対策が必要不可欠のため しっかりとした対策を実施

平成 30 年産米づくりのポイント ~ 水稲種子の消毒時の注意点について ~ JA 全農ちば営農支援部今年も水稲栽培に向けた準備の時期がやって来ます イネばか苗病や細菌性の苗立枯病など種子伝染性の病害の発生を防ぐためには 薬剤による種子消毒を中心とした対策が必要不可欠のため しっかりとした対策を実施 今月の情報 1 平成 30 年産米づくりのポイント ~ 水稲種子の消毒時の注意点について ~ 2 園芸野菜病害虫防除情報 3 育苗期のサツマイモ病害虫防除 2 月の気象について ( 気象庁 2/1 発表長期予報 (1 か月 ) から ) 12 月中ごろまでは例年より気温が低い予報 作物の生育も停滞すると思われます降雨の際は 雪に変わる可能性にも注意 ( 長期予報 (1 か月 ) は毎週木曜日に発表されます

More information