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かずまささかわ
5 years ago
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1 1. レトロウイルス : 逆転写酵素をもつ RNA ウイルスレトロウイルス島田勝 ( 忻克勤きんかつきん ) 2. 逆転写酵素は 1970 年にニワトリのラウス肉腫ウイルスとマウスのラウシャー白血病ウイルスから発見されたので逆転写酵素をもつ RNA ウイルスの総称としてレトロウイルスと呼ばれている 3. 細菌酵母昆虫の細胞内にも逆転写酵素活性をもつ retrotransposon がある 4.B 型肝炎ウイルスも逆転写酵素をもつ 5. レトロウイルスがオランダの Ellermann と Bang から 1908 年に発見されたレトロウイルスの分類 A.1. 内在ウイルス好自ウイルス AKR 白血病ウイルス好他ウイルスイエネコ 2. 外在ウイルス B. 病原性による分類 1. スプマウイルス : ヒトに対する病原性は不明 2. レンチウイルス : HIV-1( チンパンジ - 由来 ), HIV-2( サル由来 ) 3. オンコウイルス : (viral oncogene をもつと持たないウイルス ) 腫瘍ヒト白血病 1 2 型 C. 遺伝子による分類 1. 増殖制御遺伝子群をもつ complex retrovirus 2. 増殖制御遺伝子群をもたない simple retrovirus D. 宿主の種による分類 HIV, SIV, FIV, MLV レトロウイルスの分類 A.1. 内在ウイルス好自ウイルス AKR 白血病ウイルス好他ウイルスイエネコ 2. 外在ウイルス B. 病原性による分類 1. スプマウイルス : ヒトに対する病原性は不明 2. レンチウイルス : HIV-1( チンパンジ - ゆらい ), HIV-2( サル由来 ) 3. オンコウイルス : (viral oncogene をもつと持たないウイルス ) 腫瘍ヒト白血病 1 2 型 C. 遺伝子による分類 1. 増殖制御遺伝子群をもつ complex retrovirus 2. 増殖制御遺伝子群をもたない simple retrovirus D. 宿主の種による分類 HIV, SIV, FIV, MLV 1

2 オンコウイルスの種類 1. 内在性ウイルス : 生殖細胞にプロウイルスが組み込まれているもの同種宿主のすべての体細胞にプロウイルスが存在する 2. 感染性ウイルス : 白血病ウイルス - 自然界にある動物や実験室で使われる動物のなかから分離されたレトロウイルスの大部分を指す機序 : 特定の細胞遺伝子の近傍にプロウイルスを組み込み LTR による細胞の異常活性化する感染経路 : 1. 水平感染 : 動物血液唾液ヒト性行為輸血麻薬注射 2. 垂直感染 : a. 内在レトロウイルスを持つ動物はすべて生殖細胞の遺伝子としてプロウイルスの状態で垂直感染をする b. マウスの乳がんヒトの HTLV HIV--- 産道胎盤母乳レトロウイルス 1. ニワトリレトロウイルス 2. マウスレトロウイルス 3. ラットレトロウイルス 4. ハムスターレトロウイルス 5. ネコレトロウイルス 6. ヒヒレトロウイルス 7. サルレトロウイルス a. SSV, SSAV [simain sarcoma (associated) virus] b. GALV c. MPMV (Mason-Pfizer monkey virus) d. SIV (simian immunodeficiency virus) e. STLV (simian T leukemia virus) f. SFV (simian foamy virus) 8. ヒトレトロウイルス内在ウイルス a. アルギニン trna 型レトロウイルス b. グルタミン酸 trna 型レトロウイルス ( 霊長類のヒヒ培養細胞ではウイルスの誘導が成功した ) 9. ヒトレトロウイルス - 外在オンコウイルス HTLV 10. ヒトレトロウイルス - 外在レンチウイルス HIV HTLV (human T-lymphotropic virus) HTLV I->CD4 + T 細胞に感染する -> 日本アフリカ HTLV II->CD8 + T 細胞に感染する -> アメリカインデイアン感染 :1. 母乳 2. 性交 3. 血液成人 T 細胞白血病 (ATL, Adult T-cell leukemia) 病因 :HTLV I 臨床 :1. 白血病 2. リンパ腫 3. 皮膚病変 4. 水平感染率が低い経過 : 生涯発症率 3-10% 2 年以内死亡治療 : 特にない 2

AIDS :(aquired immunodeficiency syndrome) エイズ :( 後天性免疫不全症候群 ) ヒト免疫不全ウイルス (HIV) はエイズの原因ウイルスであるエイズ感染者 :4000 万人 (2003 年まで ) (15 歳以下 :250 万人 ) 世界中のエイズ感染者はほとんどHIV-1に感染している HIV-2の感染者はアフリカの一部のヒトしかない 2003

3 AIDS :(aquired immunodeficiency syndrome) エイズ :( 後天性免疫不全症候群 ) ヒト免疫不全ウイルス (HIV) はエイズの原因ウイルスであるエイズ感染者 :4000 万人 (2003 年まで ) (15 歳以下 :250 万人 ) 世界中のエイズ感染者はほとんどHIV-1に感染している HIV-2の感染者はアフリカの一部のヒトしかない 2003 年エイズ感染者 :300 万人 HIV-1 HIV-2 SIV カリニ肺炎からエイズ発見へ 1981 年 6 月 5 日発行の米国厚生省の CDC(Centers for Disease Control and Prevention: 疾病管理予防センター ) 発行の MMWR( 罹病および死亡週報 ) という雑誌にロサンゼルスの若い男性同性愛者 5 名がカリニ肺炎という肺炎を起こしたと報告されたのが後にエイズと名づけられる病気の最初の報告ですこの肺炎は通常ある程度免疫力が低下していないとかかることはないつまり元気な成人ならまずかからないものですその後も男性同性愛者でカポジ肉腫という珍しい癌にかかる患者の報告などが続きこれらの患者には男性同性愛者または両性愛者で免疫力の低下という共通点が見られましたそこで初期には男性同性愛者特有の病気ではないかと疑われたこともありましたがその後静脈注射による麻薬の使用者や血友病患者輸血を受けたことのある男女異性愛者の男女などにも同様の症例が見られることがわかり 1982 年 9 月に後天性免疫不全を基礎とする疾患としてエイズ ( 後天性免疫不全症候群 ) の定義が確立しましたさらに疫学調査の結果この疾患は感染症ではないかと強く疑われるようになりました HIV の命名研究者たちが原因究明をする中 1983 年にフランスのパスツール研究所のウイルス学者モンタニエ博士らがレトロウイルスの一種を分離し後にこのウイルスはエイズを引き起こすウイルスとして HIV( ヒト免疫不全ウイルス ) と命名されましたこれが 1986 年のことですしかしその後の研究で保存されていた古い血液をさかのぼって調べた結果 1970 年代の人間の血清からも HIV 抗体が発見されていますのでそれよりも前にエイズという病気自体は存在したと考えられています世界中 HIV 感染者の分布 3

4 HIV の感染確率と感染の現況 (WHO 1992 年 ) 危険行為確率世界の HIV 感染者に占める割合輸血母子間性行為経膣経肛門静注薬物濫用針刺し事故など ( 医療従事者 ) >90% 30% 0.1~1% 0.5~1% <0.5% 3~5% 5~10% 70~80% (60~70%) (5~10%) 5~10% <0.01% レトロウイルスの構造 1) ゲノム : 二本プラス鎖 RNA 2) タンパク質 : Gag: 内部構造蛋白 (p17, p24) Pol: 酵素逆転写酵素 Env: 表面蛋白 HIV の出芽 ( 電顕 ) LTR gag pol env LTR gag pro pol env (A) n そのままウイルス粒子の中に遺伝子 RNA として入り込む gag pro pol 蛋白質をつくる mrna となるスプライスされて env 蛋白質をつくる mrna となる 4

CA (p24): core capsid 3. NC (p7, p6): nucleocapsid, binds RNA, binds Vpr Pol 1.

RT, Rnase H, IN (p55): trverse transcription, Rnase H activity DNA provirus integration Env

5 HIV 遺伝子 Gag 1.MA (p17): membrane anchoring; env interaction; nuclear transjport of viral core. 2. CA (p24): core capsid 3. NC (p7, p6): nucleocapsid, binds RNA, binds Vpr Pol 1. Protease (p15): gag/pol cleavage and maturation 2. RT, Rnase H, IN (p55): trverse transcription, Rnase H activity DNA provirus integration Env (gp120, gp41): external viral glycoproteins bind to CD4 and secondary receptors Rev (p19): RNA transport, stability and utilization factor (phosphoprotein) Nef (p27-p25): CD4 and class I downreguation Vif, Vpr, Vpu,Vpx レトロウイルスの生活環 5

6 食道カンジダ症 6

7 カリニ肺炎尖圭 ( せんけい ) コンジローム ( ヒト乳頭腫ウイルス ) HIV 脳炎カンボジ肉腫 7

8 HIV の検査 1.HIV 抗体の検査 : ゼラチン粒子凝集法, ELISA, 間接蛍光抗体法,Karpsa 法, Western blot. 2.HIV 抗原の検査 :EIA,IFA. 3. ウイルス分離 4.PCR 法エイズの予防チェックポイント 1.p632 問題 HIVのライフサイクルについて述べよ 3.HIV 感染症の一般的臨床経過を免疫およびウイルス学的検査所見と関連させて述べよ 4.HIV 感染症の診断について検査法を述べよ 5.HIV 感染症の治療法を述べよ女性用コンドームの正しい使い方 8

9 エイズワクチンの種類 1. peptide vaccine 2. Protein vaccine 3. DNA vaccine 4. recombinant d-adeno-virus vector vaccine 5. Recombinant Vaccinia vector vaccine 6. nef-del-hiv live vaccine 7. SIV-HIV chimera vaccine 8. AAV vector vaccine 医療事故の場合抗 HIV 薬 9

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 23(2009) 149. サルエイズウイルスのヒトへの感染伝播を規定する宿主制御因子の解明武内寛明 Key words: エイズウイルス, 異種間感染, 感染症, 人畜共通感染症, 新興感染症東京大学医科学研究所感染症国際研究センター微生物学分野緒言ヒト後天性免疫不全症候群 ( ヒトエイズ ) は, ヒト免疫不全ウイルス (HIV) によって引き起こされる慢性持続感染症である.