資料 8. 水質分析結果

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こうしょにばし
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1 資料 8. 水質分析結果

2 A8-1. 調査対象地域の地下水の水質型分類分析項目のうちナトリウムカルシウムマグネシウムカリウム重炭酸塩素硫酸の各イオン分析結果を利用してトリリニアダイアグラムによる水質類型分類を試みたこれは濃度そのものではなくその組成割合により水質を分類しようとするものであるその結果調査対象地域の地下水は浅層地下水深層地下水に係らず大半がタイプ IV の海水あるいは化石水に分類されることが判った湧水の場合は特にナトリウムイオンおよび塩素イオンが高濃度であるという顕著な傾向が見られる Cl+SO4 Ca+Mg Mg Na+K HCO3 SO4 Ca Cl 図 A8-1 トリリニアダイアグラムによる調査対象地地下水の水質分類資料 8-1

A8-2. 脱塩について 1) 脱塩の条件 a) 原水の水質今回の水質調査結果から明らかなように脱塩を行う場合の原水 ( 地下水 ) の電気伝道度は概ね 1,500~4,000μS/cm 程度であるまた塩分の主成分は塩素イオンナトリウムイオンである b) 目標処理量 50~100 m3/day 2) 脱塩技術とその適用性現在普及している主な脱塩法に多段フラッシュ法多重効用法

3 A8-2. 脱塩について 1) 脱塩の条件 a) 原水の水質今回の水質調査結果から明らかなように脱塩を行う場合の原水 ( 地下水 ) の電気伝道度は概ね 1,500~4,000μS/cm 程度であるまた塩分の主成分は塩素イオンナトリウムイオンである b) 目標処理量 50~100 m3/day 2) 脱塩技術とその適用性現在普及している主な脱塩法に多段フラッシュ法多重効用法膜処理法がある膜処理に使われる膜には下記の種類があるが本プロジェクトで地下水から除去したい主要成分は塩素イオンやナトリウムイオンであるため適用できるのは逆浸透膜となる膜の名称 MF 膜 ( 精密ろ過 ) UF 膜 ( 限外ろ過 ) NF 膜 ( ナノろ過 ) RO 膜 ( 逆浸透 ) 表 A8-1 膜処理における膜の機能膜の機能 100 nm~10 μm 程度の粒子をその孔径で分離する数 ~ 数十 nm 程度以上の粒子を孔径で分離する 1 nm 程度以上の粒子を静電効果により分離する浸透圧を越える圧力をかけることによりイオンを分離するこの他の脱塩法として電気透析法があるが右図に示すように脱塩効率が低くジブチの地下水のような高塩分濃度の原水の処理には不適なこと前述の 3 手法に比べると実績も少ないことから本検討からは除外し多段フラッシュ法多重効用法逆浸透膜法についてさらに調査したそれぞれの技術の特徴および本プロジェクトへの適用性をまとめると以下の通りである図 A8-2 電気透析法の適用水質 ( 出典 :AGC エンジニアリング ) 資料 8-2

4 表 A8-2 脱塩処理方法の比較処理方法多段フラッシュ法多重効用法逆浸透膜法原理蒸発による分離蒸発による分離膜ろ過温度の高い原水の圧力を急激に飽和圧力以下に下げて蒸気を作るランニングコスト特徴蒸気の消費分だけ逆浸透膜より高い熱効率が大変悪く多量のエネルギーを投入する必要がある蒸発容器を多重に並べ前段の容器で作り出した蒸気の熱を次段の容器での蒸発に利用する 2 段目以降は容器内圧力を順次下げ前段より沸点を低くしている蒸気の消費分だけ逆浸透膜より高い熱効率が悪く多量のエネルギーを投入する必要がある浸透圧を越える圧力をかけることにより膜を使ってイオンを分離する蒸気法より安価逆浸透膜が原水中の析出物で目詰まりしないよう前処理する必要がある処理水の水質 < 5 mg/l < 10 mg/l < 500 mg/l 飲用への適用ミネラル添加が必要ミネラル添加が必要そのまま飲用可能電気による単独運転別途蒸気熱源利用別途蒸気熱源利用電気のみ消費電力 : (kwh/t-product) 使用薬品スケール防止消泡剤洗浄剤スケール防止剤スケール防止洗浄剤凝集剤薬品洗浄時々まれ定期的保守項目定期洗浄回転機器保守回転機器保守定期洗浄回転機器の保守 RO 膜定期交換フィルターの定期交換ろ過物の処理必要必要必要維持管理要員装置を熟知した技術者の配置が必要装置を熟知した技術者の配置が必要装置を熟知した技術者の配置が必要製品の有無有り有り有り部品調達現地には代理店がなく維持管理資機材は現地調達が極めて困難現地には代理店がなく維持管理資機材は現地調達が極めて困難現地には代理店がなく維持管理資機材は現地調達が極めて困難実施例当プロジェクトへの適用性熱源としては発電所の復水や油井からあがってくる随伴ガスや精製時に発生するオフガスが利用されるそのため中東産油国での実施例が多い下記の点から不適電源確保が困難蒸発のための熱エネルギー源がない村落自身での保守点検は困難また装置そのものがジ国にないため保守点検技術者の確保も難しい部品調達が困難日本では製塩のために考案された技術であり製塩所での使用が多いほか純水を得ることを目的とした製薬用水等にも利用される下記の点から不適電源確保が困難蒸発のための熱エネルギー源がない村落自身での保守点検は困難また装置そのものがジ国にないため保守点検技術者の確保も難しい部品調達が困難省エネルギー化が進み脱塩装置の主要な技術となって幅広く応用実施されている下記の点から不適電源確保が困難村落自身での保守点検は困難また装置そのものがジ国にないため保守点検技術者の確保も難しい部品調達が困難 3) 現地での情報 i) ジブチにおいて地方給水灌漑援助のドナー窓口的役割を果たしている UNICEF での資料 8-3

5 ヒアリング結果では対象地域に適用可能な脱塩装置はないとの見解であった ii) 地方給水における脱塩装置についてはジブチ政府から導入希望はなかった 4) 調査団の見解脱塩装置は複雑な装置である上現地には代理店もないそのため i) 交換機器予備品膜洗浄液などの維持管理資機材は現地での調達が極めて困難であること ii) 装置を熟知した技術者がほとんど見当たらないこと以上のことから維持管理が極めて困難でありその維持管理担当が MAEM-RH であっても上記の 2 点については対応ができない従って脱塩装置の適用は不可能と考える資料 8-4

6 資料 8-5 図 A8-3 既存ボーリング井戸の水質 - 電気伝導度

7 資料 8-6 図 A8-4 既存手掘り井戸の水質 - 電気伝導度

8 流紋岩 ( 新 ) 堆積層 ( 新 ) 玄武岩 ( 新 ) 玄武岩 ( 中 ) 堆積層 ( 新 ) 図 A8-5 地質と水質 ( 電気伝導度 ) 玄武岩 ( 古 ) 堆積岩 ( 古 ) 流紋岩 ( 古 ) 玄武岩 ( 中?) 資料 8-7

9 資料 8-8 図 A8-6 フッ素に関する室内水質試験結果 ( 対照 : 既存井戸一部既存資料含む )

10 資料 8-9 図 A8-7 ヒ素に関する室内水質試験結果 ( 対照 : 既存井戸 )

11 資料 8-10 図 A8-8 硝酸性窒素に関する室内水質試験結果 ( 対照 : 既存井戸 )

12 資料 8-11 図 A8-9 ナトリウムに関する室内水質試験結果 ( 対照 : 既存井戸 )

13 資料 8-12 図 A8-10 塩素に関する室内水質試験結果 ( 対照 : 既存井戸 )

14 資料 8-13 図 A8-11 水質調査既存井戸位置図

15 表 A8-3 水質試験結果一覧表 Sample No. Date Region Village Well Name Latitude Londitude. Well Type ph EC (μs/cm) TDS S /2/7 Dikhil Kouta Bouya Kouta Bouya Dug < S /2/7 Dikhil Sissalou Abdoulkader Hassan Med Dug < S /2/7 Dikhil unknown JICA Drilled < 0.01 < S /2/7 Dikhil Kontali Kontali Dug < 0.01 < S /2/7 Dikhil Chekheti Chekheti Dug < < 0.01 < S /2/7 Dikhil Dikhil 11 (Halou) ONEAD Drilled < 0.01 < S /2/7 Dikhil Cheick Mandaytou ONEAD Drilled < 0.01 < < S /2/8 Dikhil Daguirou Daguirou Spring < 0.01 < S /2/8 Dikhil Yoboki Yoboki Dug S /2/8 Dikhil Kouhou Lyeta Kouhou Lyeta (JICA) Drilled < S /2/8 Dikhil Koudi Kouda Koudi Kouda Hanle Drilled S /2/8 Dikhil Liliya Bouri Liliya Bouri Hanle Drilled S /2/8 Dikhil Agna Hanle Bako Bouyi Dug < S /2/8 Dikhil Tewoo Tewoo (Unicef) Dug S /2/9 Dikhil Galamo Galamo Drilled < S /2/9 Dikhil Ab aitou Ab aitou Dug < 0.01 < S /2/9 Dikhil Lobleh Guedi Dhadhine Drilled < 0.01 < S /2/9 Dikhil Dikhil ONED-F Drilled < 0.01 < < S /2/9 Dikhil Bondara Bondara Dug < 0.01 < S /2/11 Arta Petit Bara Petit Bara Drilled < 0.01 < < S /2/11 Arta PK-51 PK Drilled < 0.01 < S /2/11 Arta Hilbahey USA Drilled < 0.01 < S /2/13 Ali-Sabieh Ham Boucta Chinse Well Drilled S /2/14 Ali-Sabieh Assamo Dawane Bah Dug < 0.01 < S /2/14 Ali-Sabieh Assamo Hospital Drilled < 0.01 < S /2/14 Ali-Sabieh Doussgoudmoune DoussAgoudmoune Dug < 0.01 < S /2/14 Ali-Sabieh Ali Adde Puit zone Dug < 0.01 < S /2/14 Ali-Sabieh Ali Adde UNHCR Drilled < 0.01 < S /2/15 Ali-Sabieh Galileh Puit Galileh Dug < 0.01 < S /2/15 Ali-Sabieh ONED ONED Drilled < < < S /2/15 Ali-Sabieh Aour Aoussa Aour Aoussa Drilled < S /2/15 Ali-Sabieh Fuabtrer Iljano Fuabtrer Iljano Dug S /2/15 Ali-Sabieh Molid Molid Dug S /2/17 Ali-Sabieh Holl-Holl P.Communaute Dug < 0.01 < S /2/17 Ali-Sabieh Holl-Holl Osdan Doubleh Drilled < 0.01 < S /2/17 Ali-Sabieh Hindi Hind F1 (New) Drilled < 0.01 < S /2/18 Djibouti PK-20 PK-20-RIIGA Drilled < 0.01 < S /2/18 Dikhil Yoboki Allouli Spring < Bicarbonat es HCO3- Chlorures Cl- Residu Sec Fer Fe Arsenic As Sodium Na+ Calcium Ca2+ Potassium K+ Magnesium Mg2+ Carbonates Nitrates NO3 Fluoride Sulphate SO42- JW-1 Dikhil Unda Yaggouri (2) Unda Yaggouri (2) Drilled JW /11/3 Dikhil Sabbalou Sabbalou Drilled < JW /9/29 Dikhil Zina Male Zina Male Drilled < JW /8/12 Dikhil Daguiro (2) Daguiro (2) Drilled < JW /10/27 Dikhil Sek Sabir Sek Sabir Drilled <0.1 < JW /11/5 Dikhil Assa Koma Assa Koma Drilled < JW /11/1 Dikhil Mindil Mindil Drilled <0.1 < JW /10/23 Dikhil Afka Arraba Afka Arraba Drilled < JW /10/4 Ali-Sabieh Hambocta Hambocta Drilled < JW /10/7 Ali-Sabieh Guelile Guelile Drilled < JW /8/20 Ali-Sabieh Midgarra Midgarra Drilled < JW /8/17 Ali-Sabieh Ouarabalei Ouarabalei Drilled < < JW-13 Arta Hilbahey Hilbahey Drilled JW /8/4 Arta Petit Para Petit Para Drilled < < JW /8/3 Arta PK30 PK30 Drilled < Sample No. S : Existing Water Source, JW : JICA Study 資料 8-14