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たしろうそや
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発表内容 CFRTP の被雷後の構造健全性に関する研究東京大学工学系研究科システム創成学専攻研究背景放電開始臨界電圧の測定電荷を与えたCFRPの損傷評価損傷を受けたCFRPの強度評価 CFRPの熱伝導シミュレーション損傷を受けたCFRPの挙動評価結論指導教員高橋淳教授 7966 村上裕馬研究背景 FRP 製構造体の落雷への対策日本における部門別エネルギー消費量の推移

1 発表内容 CFRTP の被雷後の構造健全性に関する研究東京大学工学系研究科システム創成学専攻研究背景放電開始臨界電圧の測定電荷を与えたCFRPの損傷評価損傷を受けたCFRPの強度評価 CFRPの熱伝導シミュレーション損傷を受けたCFRPの挙動評価結論指導教員高橋淳教授 7966 村上裕馬研究背景 FRP 製構造体の落雷への対策日本における部門別エネルギー消費量の推移運輸部門は石油への依存度が高く二酸化炭素排出量の削減が急務である軽量かつ比強度比剛性に比剛性優れたCFRP( 炭素繊維強化樹脂 ) を利用した自動車の開発が進められているリサイクル性加工性に優れたCFRTP( 炭素繊維強化熱可塑性樹脂 ) の自動車への利用が期待されている図 : 落雷を受けた風車のブレード雷保護装置としてレセプタが設置されている GFRP 製のものでも塩分の付着などにより落雷することがある大損害を引き起こす図 : 航空機に落雷後地面に再放電航空機は落雷によって構造健全性が失われると墜落する可能性がある表面の導電性を高めるために特別な加工を施している大気中 CO 濃度とエネルギー起源の CO 排出量の推移雷に対する特性を調査する必要がある参考文献 : 経済産業省資源エネルギー庁エネルギー白書大衆車の場合においても導電性を持たせることが不可欠である参考文献 : 出野勝風力発電システムの雷被害に関する研究 5 Coast to Coast AM HP

CFRP 製自動車の開発熱硬化性 CFRP と熱可塑性 CFRP の違いトヨタレクサス LFA 高速成形ボディ熱可塑性 CFRP(CFRTP) 化学反応が既に完了した樹脂固体液体固体の可逆変化が可成形終了後でも熱溶融するため再成形が可熱硬化性 CFRP(CFRTS) 化学反応 ( 架橋反応 ) により硬化させる樹脂可逆変化が不可能 ( 不可逆性樹脂 ) 成形終了後再成形不可

2 CFRP 製自動車の開発熱硬化性 CFRP と熱可塑性 CFRP の違いトヨタレクサス LFA 高速成形ボディ熱可塑性 CFRP(CFRTP) 化学反応が既に完了した樹脂固体液体固体の可逆変化が可成形終了後でも熱溶融するため再成形が可熱硬化性 CFRP(CFRTS) 化学反応 ( 架橋反応 ) により硬化させる樹脂可逆変化が不可能 ( 不可逆性樹脂 ) 成形終了後再成形不可熱硬化性 CFRPを使用 ( レーシングカーと同じ ) 年販売開始高価成形速度に問題がある熱可塑性 CFRP を使用した量産車は開発段階実用化に向けた動きが高まっている熱可塑性 CFRPを使用優れた成形速度を実現量産に向いているまだ生産段階には至らず化学反応を伴わないので成形時間が短い化学反応が必要なので成形時間が長い昇温制御が十分でないと樹脂の性能が発揮されない参考文献 : トヨタ LFA HP lfa.com/index.html 5 帝人プレスリリース参考文献 :( 社 ) 日本機械工業連合会,( 財 ) 次世代金属複合材料学会研究開発協会平成 9 年度熱可塑性樹脂複合材料の機械工業分野への適用に関する調査報告書,8 6 構造体における耐雷性の重要性構造健全性人間の安全現状の対策航空機表面の導電性 UP 風車レセプタ大衆車今はない自動車に求められる構造健全性とは人間の安全性の確保絶対条件構造健全性の確保可能な限りこれらの観点から CFRTP の構造健全性を評価することが重要である放電開始臨界電圧放電開始臨界電圧とはスパーク端子から一定の距離を保ちながら電圧を上げていき初めてスパークが確認された時の電圧低いほど雷が当たりやすい自動車そのものに雷が当たる確率に関しては変わらない雷の進展の最終段階においてどこに選択的に雷が当たるかという指標になる一方向炭素繊維熱可塑性樹脂 (UD 材 ) 炭素繊維テープ強化熱可塑性樹脂 (CTT 材 ) 炭素繊維マット強化熱可塑性樹脂 (CMT 材 ) アルミニウムを用いて実験を行う試験片スパーク端子高電圧電源装置を用いて昇圧を行う超音波溶着接合を行った試験片に関しても同様の実験を行った CFRP の導電性損傷の評価熱による影響スパークの挙動の評価を行う 7 CTT 材 CMT 材 8

3 放電開始臨界電圧の測定結果放電開始臨界電圧接合後の試験片における放電開始臨界電圧の変化 Voltage electrical discharge begins (kv) CFRTP CMT Vf% CFRTP CMT Vf% CFRTP CTT Vf5% CFRTP UD Vf5% Aluminum 6 8 distance from spark terminal(mm) 導電性が高い試験片ほど放電開始臨界電圧が低いという結果が得られた導電性の高い試験片では空気の絶縁が破れやすい性質を持つ製造の精度が高い場合には電気的性質も安定しており特徴的な差異を 9 確認できると言える Volta age electrical discharge begins (kv) CFRTP UD before jointing CFRTP UD after jointing 6 8 distance from spark terminal(mm) Voltag ge electrical discharge be egins (kv) CFRTP CMT before jointing CFRTP CMT after jointing 6 8 distance from spark terminal(mm) 接合前と比較して接合後は放電開始臨界電圧が高くなる接合面の導電性の低下が原因であると考えられる PERCUSSION WELDER による損傷評価損傷の形状 CMT 材は Vf が違っても同じ形状損傷の拡がりが円形である一定の速度圧力で電荷を与える大容量コンデンサを用いて試験片に電荷を与える電極直下の部分に樹脂がすべて消失しているためにへこんでいる領域樹脂消失領域その外側は繊維が損傷しているため見た目上は盛り上がっている領域繊維損傷領域損傷の形状について分析損傷の面積を測定電圧静電容量から発生するジュール熱を算出ジュール熱と損傷面積の関係を見る CMT 材 Vf% CTT 材 Vf5% CMT 材 Vf% UD 材 Vf5% CTT 材は試験片の一番上にあるシートの炭素繊維の方向に損傷が拡がる性質を持つ炭素繊維の連続性が分断される個所では繊維損傷が止まる連続繊維の熱伝導が止まるため UD 材は繊維方向に大きな損傷の拡がりを確認繊維と垂直方向は損傷の拡がりが小さい損傷の形状は電気的異方性熱的異方性を持っていると考えられる

4 繊維損傷面積の比較樹脂消失面積の比較繊維損傷面積の比較 5 樹脂消失面積の比較 fiber damaged area(m mm ) 5 CFRTP CMT Vf% 5 CFRTP CMT Vf% CFRTP CTT Vf5% CFRTP UD Vf5% ) resin lost area(mm CFRTP CMT Vf% CFRTP CMT Vf% CFRTP CTT Vf5% CFRTP UD Vf5% 熱量と繊維損傷面積に相関関係が見られた若干ではあるが Vf が低いほうが繊維損傷面積が大きい Vf が低い方が電気エネルギーを逃がしにくいということが原因であると考えられる樹脂消失面積はVfが高い方が大きいという結果が得られた樹脂消失の量自体には差が少なく単位体積当たりの樹脂の量が違うことが原因であると考えられる損傷深さの比較損傷を受けた CFRP の強度評価 damage depth (μ μm) Vf による損傷深さの比較 CFRTP CMT Vf% CFRTP CMT Vf% Vf の違いによって損傷の深さは有意差は見られなかった CTT 材 UD 材に関しては損傷深さの計測が非常に困難であったので今回は測定を行わなかったが定性的観測では CMT 材と比べて深さは小さかった 5 自動車のルーフに被雷した場合両支点から圧縮側の力を受ける本来は座屈強度に関する試験を行うべきであるが複合材料の場合非常に困難である損傷を受けていない側からの点曲げ試験を行う熱硬化性 CFRP(CF/EP UD 材 ) と熱可塑性 CFRP (CF/PP UD 材 ) において与える熱量を変化させて最大応力の変化を考察する 6

損傷を受けた CFRP の強度評価結果熱可塑性 CFRP の強度評価 5 PP EP 8 )EP PP J J 6 PP J EP J 5 PP 7J EP 7J Stress(MPa) a) Stress(MPa 5 熱硬化性 CFRP

熱量を与える時間の設定熱源の面積深さの設定.mm... 6. 8. Strain(%).5.

でピーク値に達し 5μs で半減する.s と設定 mm 最小となるように設定熱源半径.

各繊維の角度を考慮すると炭素繊維の実質の熱伝導率は θ 以上から CFRP の熱伝導率を以下に定義する板厚方向の熱伝導率の設定 () 板厚方向に十分な熱伝導性を持っている場合面内方向と同じ () 板厚方向の熱伝導性が小さい場合 PPと同じ

5 損傷を受けた CFRP の強度評価結果熱可塑性 CFRP の強度評価 5 PP EP 8 )EP PP J J 6 PP J EP J 5 PP 7J EP 7J Stress(MPa) a) Stress(MPa 5 熱硬化性 CFRP の強度評価 CFRP の熱伝導シミュレーションによる樹脂消失面積の推定 5 [mm] の試験片を設定中心に熱量を与え樹脂消失面積を推定した材料の Vf 樹脂の消失する温度板厚方向の熱伝導率試験片のサイズのパラメータを変化させる熱量を与える時間の設定熱源の面積深さの設定.mm Strain(%).5.5 Strain(%) CF/EP は損傷の大きさによって著しく最大応力が低下する CF/PP は損傷が大きくなっても最大応力の低下が小さい熱可塑性 CFRP の方が損傷を受けた後も強度を保持しやすいと言える 7 雷電流は μs でピーク値に達し 5μs で半減する.s と設定 mm 最小となるように設定熱源半径.mm 熱源深さ mm と設定 8 参考文献 : 石井勝よくわかる雷対策の基本と技術 6 CFRP の熱伝導シミュレーションの条件設定シミュレーション結果 ( 樹脂消失温度による違い ) 熱伝導率の設定炭素繊維が連続していると仮定各繊維の角度を考慮すると炭素繊維の実質の熱伝導率は θ 以上から CFRP の熱伝導率を以下に定義する板厚方向の熱伝導率の設定 () 板厚方向に十分な熱伝導性を持っている場合面内方向と同じ () 板厚方向の熱伝導性が小さい場合 PPと同じ PPの融点 :6 PPの発火点 :57 PP が消失する温度は 6~57 の間であると考えられる ) resin lost area (mm 樹脂消失温度による樹脂消失面積の比較 loss of resin at 6 loss of resin at loss of resin at 57 joule heat (J) P r: 樹脂割合 k r: 樹脂の熱伝導率 P f: 炭素繊維割合 k f: 炭素繊維の熱伝導率試験片モデル 9 樹脂消失温度によって樹脂消失領域は大きく異なる樹脂消失温度がの時実験結果とほぼ同じとなる樹脂消失温度の定量的評価が必要であると考えられる 5

6 シミュレーション結果 ( 材料による違い ) シミュレーション結果 ( 板厚方向の熱伝導率による違い ) resin lost area (m mm ) Vf による補正前 PP.5 CFRTP Vf% CFRTP Vf%.5.5 joule heat (J) resin lost area(mm m ) Vfによる補正後 PP resin CFRP(Vf%) CFRP(Vf%) 板厚方向の熱伝導率を変化させた場合の樹脂消失面積 resin lost area(mm m ) CFRP(isotropic) CFRP(iso in plane) Vf による補正を行う前は樹脂消失面積にはあまり差が見られなかった Vf による補正を行うと Vf が高い方が樹脂消失面積が大きいという結果が得られた樹脂消失面積は Vf が与える影響が大きいと推測される板厚方向の熱伝導率が低いほど樹脂消失面積は大きくなる板厚方向の熱伝導率は損傷深さに影響を与えると考えられるシミュレーション結果 ( 試験片のサイズによる違い ) 試験片のサイズによる樹脂消失面積損傷を受けた場合のスパークの挙動円孔なしの試験片円孔付き試験片小さい試験片のモデル [mm] ) resin lost area(mm ) CFRP(small) CFRP(large) アースありアースなし CFRPとPPの場合について検証を行う接合後の挙動についても検証を行う試験片のサイズは繊維損傷面積への影響が軽微である試験の際には任意のサイズを設定することが出来ると考えられる 6

損傷を受けた場合のスパークの挙動 PP と CFRP の比較 ( アースあり )

7 損傷を受けた場合のスパークの挙動 PP と CFRP の比較 ( アースあり ) 損傷を受けた場合のスパークの挙動評価円孔付き PP と円孔付き CFRP の比較 ( アースあり ) PP で遮蔽した場合 CFRP で遮蔽した場合円孔付き PP で遮蔽した場合円孔付き CFRP で遮蔽した場合導電性のない PP で遮蔽した場合スパークは迂回して導体に当たる CFRP で遮蔽した場合はスパークが導体に到達しない円孔付き試験片の場合においても円孔なしの場合と同じ挙動を示す 5 6 損傷を受けた場合のスパークの挙動評価アースされているかどうかによる比較損傷を受けた場合のスパークの挙動評価アースされているかどうかによる比較 ( 円孔付き CFRP) アースされている CFRP で遮蔽アースされていない CFRP で遮蔽アースされている円孔付き CFRP アースされていない円孔付き CFRP アースされている場合はスパークが導体に到達しないのに対しアースされていない場合は CFRP に当たった後再放電が起きる円孔付き CFRP の場合においてもアースの有無によってスパークの挙動が異なる 7 8 7

損傷を受けた場合のスパークの挙動評価接合した CFRP( アースあり ) 結論 CFRTP の雷に対する特性を調べる実験を行い以下に示す結論が得られた放電開始臨界電圧は導電性の高さにある程度依存する CFRP 試験片に電荷を与えた時の損傷の進展は電気的異方性熱的異方性に大きく依存する熱可塑性 CFRPは損傷を受けても強度低下が起きにくいという特長がある熱伝導解析の結果

8 損傷を受けた場合のスパークの挙動評価接合した CFRP( アースあり ) 結論 CFRTP の雷に対する特性を調べる実験を行い以下に示す結論が得られた放電開始臨界電圧は導電性の高さにある程度依存する CFRP 試験片に電荷を与えた時の損傷の進展は電気的異方性熱的異方性に大きく依存する熱可塑性 CFRPは損傷を受けても強度低下が起きにくいという特長がある熱伝導解析の結果熱量と樹脂消失面積は強い相関関係がある樹脂損傷面積は繊維体積含有率板厚方向の熱伝導率に依存し板の寸法は影響がない CFRPはアースされていれば効率よく電荷を流すので乗員への安全性が言える接合の方法により導電性が失われた場合は電荷を逃がしきれずに危険性が増す可能性がある溶着接合を行った試験片で遮蔽接合後は接合部の導電性によってスパークの挙動が異なる接合の際に導電性を確保することが必要であると考えられる 9 ご清聴ありがとうございました END 8

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<4D F736F F F696E74202D CC95E28F4390AB82C98AD682B782E98AEE CA48B862E > 発表構成 CFRTP の補修性に関する基礎的研究 Fundamental Research on Repair of Carbon Fiber Reinforced Thermoplastics 指導教員 : 高橋淳教授東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻安全評価工学研究室 37 86346 金正将 1. 研究背景. 材料作成試験方法 3. フレッシュ材の試験結果 4. 補修及び補修材の試験結果