新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 本邦南西水域の環境変化に対応した 藻場の回復 拡大技術の高度化 研究成果報告書 平成 22 年 3 月 福岡県水産海洋技術センター佐賀県玄海水産振興センター長崎県総合水産試験場 大瀬戸町漁業協同組合熊本県水産研究センター宮崎県水産試験場鹿児島県水産技術開

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1 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 本邦南西水域の環境変化に対応した 藻場の回復 拡大技術の高度化 研究成果報告書 平成 22 年 3 月 福岡県水産海洋技術センター佐賀県玄海水産振興センター長崎県総合水産試験場 大瀬戸町漁業協同組合熊本県水産研究センター宮崎県水産試験場鹿児島県水産技術開発センター 笠沙町漁業共同組合長崎大学水産学部鹿児島大学水産学部株式会社水棲生物研究所 ( 独 ) 水産総合研究センター西海区水産研究所瀬戸内海区水産研究所水産工学研究所

2 総括報告の取りまとめにあたって 海の森である藻場は 沿岸浅海域の一次生産を担う重要な場で 沿岸海洋生物の多様性の維持や海水の浄化 水産資源の育成など様々な機能を果たしている この藻場が消える磯焼けは 古来より沿岸漁業者に恐れられてきたが 今もなお抜本的な対策は見出されていない 近年 九州沿岸では 植食性魚類による海藻食害や水温の上昇 在来海藻の減少など新たな問題も発生し 事態はより複雑かつ深刻化している これらを背景に 平成 16 年度の九州知事会で 九州全県の藻場関係者による共同での取り組みが喫緊に必要と指摘され 翌 17 年度には九州各県をメンバーとする磯焼け 藻場造成分科会が立ちあげられた 本研究課題は この分科会から共同課題立案への協力が要請されたことに端を発しており 当所海区水産業研究部沿岸資源研究室が中核となって農林水産技術会議の競争資金 先端技術を活用した農林水産研究高度化事業 ( 現 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 ) に提案し 承認を得たものである 本課題の 3 年間の取り組みによって 春藻場 が新しく認識され その機能や維持機構 造成手法が示された 特に この藻場に対する魚類の影響が比較的小さいことが明らかにされ 考案された造成法の有効性が実証されたことは 魚の食害に苦しむ地先の多い九州にとって意義深い 加えて 197 年代後半以来となる藻場の一斉調査も行われ オブザーバーとして参加された大分県からも貴重なデータが提供された結果 九州全県を網羅した最新の藻場情報を盛り込んだデータベースも完成した これは 今後の温暖化の影響評価などにおいても 貴重な資料になるだろう 全 9 課題 14 機関に及ぶ関係者のご努力と熱意 また大分県のご協力に対して 深く敬意と謝意を表したい 今回 全課題関係者の熱意と総意によって 本書が取りまとめられた 今後 本課題での成果に基づいて 九州各地で藻場再建に取り組まれることと 各地での取り組みを通じてより汎用的な技術にレベルアップされることを期待したい 今後の課題として残されている 四季藻場 の回復策については 近い将来に再び共同での取り組みが実現し 全九州の知恵が結集されることにも大いに期待したい 総括機関 ( 独 ) 水産総合研究センター 西海区水産研究所所長 馬場徳寿

3 - 目次 - 1 はじめに 1 2 研究構想 2 3 用語について 3 1) 南方系海藻 熱帯 亜熱帯性海藻とは 3 2) 春藻場 四季藻場とは 4 4 研究結果 5 1) 九州沿岸における藻場の現状と変動傾向 5 1 福岡県における藻場の現状と変動傾向 5 2 佐賀県における藻場の現状と変動傾向 9 3 長崎県における藻場の現状と変動傾向 16 4 熊本県における藻場の現状と変動傾向 2 5 鹿児島県における藻場の現状と変動傾向 23 6 宮崎県における藻場の現状と変動傾向 27 2) 最新技術を利用した新たな知見 33 1 新しい画像解析法と解析例 33 2 バイオテレメトリーによる植食魚の種別行動特性 44 3 ホンダワラ類の分類と亜熱帯性種の出現傾向 5 3) 九州沿岸に現存する藻場の特性 55 1 主要海藻種の生理 生態的特性 55 2 葉上動物群の育成機能 62 3 主要磯根動物に対する餌料価値 68 4 九州東岸の代表的藻場の維持機構とそれを利用した造成手法 73 5 九州西岸の代表的藻場の維持機構とそれを利用した造成手法 82 5 藻場を再建する手法と技術 91 1) 藻場評価表とその使用方法 91 2) 造成に有効な技術 98 1 投げ込み式中層網 と ウニハードル 98 2 ウニ管理手法 11 3) 藻場造成試験の結果と効果 13 1 大瀬戸町地先での藻場造成試験 13 2 笠沙町地先での藻場回復実証試験 18 3 ムラサキウニの身入り回復効果 シラヒゲウニの身入り回復効果 今後に向けて 12 7 参考文献 121 添付資料 資料 藻場評価表とその使い方について 資料 九州沿岸藻場 海藻 DB の使い方 資料 衛星画像による藻場解析結果 資料 -7

4 執筆分担 1 吉村拓 (( 独 ) 水産総合研究センター西海区水産研究所 ) 2 吉村拓 ( 前出 ) 3 4 1) 寺田竜太 ( 鹿児島大学水産学部 ) 島袋寛盛 (( 独 ) 水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所 ) 2) 吉村拓 ( 前出 ) 中嶋泰 ( 株式会社水棲生物研究所 ) 1)-1 秋本恒基 中本崇 ( 福岡県水産海洋技術センター ) 1)-2 大津安夫 千々波行典 金丸彦一郎 ( 佐賀県玄海水産振興センター ) 1)-3 西村大介 塚原淳一郎 吉川壮太 桐山隆哉 ( 長崎県総合水産試験場 ) 1)-4 荒木希世 ( 熊本県水産研究センター ) 1)-5 猪狩忠光 吉満敏 徳永成光 田中敏博 ( 鹿児島県水産技術開発センター ) 1)-6 荒武久道 佐島圭一郎 清水博 ( 宮崎県水産試験場 ) 2)-1 中山哲厳 (( 独 ) 水産総合研究センター水産工学研究所 ) 2)-2 山口敦子 ( 長崎大学水産学部 ) 2)-3 島袋寛盛 寺田竜太 ( 前出 ) 野呂忠秀 ( 鹿児島大学水産学部 ) 3)-1 吉田吾郎 (( 独 ) 水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所 ) 3)-2 吉満敏 猪狩忠光 徳永成光 田中敏博 ( 前出 ) 3)-3 大津安夫 千々波行典 金丸彦一郎 ( 前出 ) 3)-4 荒武久道 佐島圭一郎 清水博 ( 前出 ) 3)-5 清本節夫 八谷光介 吉村拓 (( 独 ) 水産総合研究センター西海区水産研究所 ) 5 1) 中嶋泰 ( 前出 ) 2)-1 荒武久道 ( 前出 ) 中嶋泰 ( 前出 ) 2)-2 荒武久道 ( 前出 ) 中嶋泰 ( 前出 ) 3)-1 西村大介 塚原淳一郎 吉川壮太 桐山隆哉 ( 前出 3)-2 徳永成光 猪狩忠光 吉満敏 ( 前出 ) 3)-3 西村大介 塚原淳一郎 吉川壮太 桐山隆哉 ( 前出 ) 宮本昭夫 ( 大瀬戸町漁業協 同組合 ) 3)-4 徳永成光 猪狩忠光 吉満敏 ( 前出 ) 中尾雄作 ( 笠沙町漁業協同組合 ) 6 吉村拓 ( 前出 ) 添付資料 1. 中嶋泰 ( 前出 ) 2. 中嶋泰 吉村拓 ( 前出 ) 3. 中山哲厳 ( 前出 )

5 1 はじめに 磯焼け は 古くから漁業に対する深刻な環境問題と認識され これまでに様々な対策が講じられてきた しかし 磯焼けの発生 持続機構は今なお不明な場合が多く 抜本的な対策が難しい状況に変わりはない 近年 本邦南西水域の藻場では 藻食性魚類等による海藻食害の顕在化 在来海藻種数の減少 さらには亜熱帯性 ( 南方系 ) ホンダワラ類の分布拡大等が生じている これらは 太平洋沿岸と日本海沿岸を含む本邦南西水域の複数の水域で確認されており 特に九州周辺において顕著である 磯焼けとともに注目すべき現象と考えられる 磯焼けに対しては これまで藻場を人為的に造成する対処法がとられてきたが 元の状態に戻すことは困難な場合が多く成功例は限られている そもそも元に戻すという設定目標が妥当かどうか あるいは代替の藻場としてどのようなものを目指すべきなのか 科学的根拠に基づく藻場再建の目標設定法は提示されていない 南方系ホンダワラ類については種判別の不確実性もあり 漁業や環境に対する機能も不明である 藻場を必要とする漁業者にとって 現存する藻場を回復 拡大させる技術に加え 長期的な水温上昇傾向への対策という視点から 南方系種の利用技術も開発しておくことは 今後の環境変動に応じて臨機応変に対処していく上で重要であろう このような状況を背景に 農林水産省の新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 ( 旧称先端技術を活用した農林水産研究高度化事業 ) において 研究課題 本邦南西水域の環境変化に対応した藻場の回復 拡大技術の高度化 が平成 19 年度から 3 年間に渡って実施された この課題では 九州周辺の浅海水域をモデル水域とし 現場調査や室内実験 さらには衛星画像解析 バイオテレメトリー DNA 分析等の最先端技術を用いた調査研究が行われ 九州周辺の藻場の現状 残存する藻場の維持機構 亜熱帯性 ( 南方系 ) 海藻の特性や機能 植食性魚類の行動特性などに関する最新の知見が豊富に得られた これらの知見は藻場評価表として整理され 藻場再建の手法や技術とともに 今後の対策検討における目標設定や対処法を検討するための指針として提示された その一部については 野外試験によって目標選択の適正と効果も実証された 本報告書は 本課題関係者の熱意によってこれらの成果が一般向けとして取りまとめられたものである 九州周辺はもとより 本邦南西水域の藻場環境の現状理解や将来予測 そして今後の対策検討において貢献するだろう - 1 -

6 2 研究構想 本研究課題は 次の 3 つの中課題と 9 つの小課題によって構成された 1) 本邦南西水域の藻場の実態および変動傾向の把握 (1) 現地調査による藻場の現状と変動傾向の把握 (2) 衛星画像解析による藻場の広域変動の把握 2) 本邦南西水域の藻場の特性評価 (1) 藻場構成種の分類学的検討 (2) 残存藻場の維持機構の解明 (3) 南方系海藻の磯根資源に対する育成機能の解明 (4) 藻場の類型化と評価表の作成 3) 本邦南西水域に適した藻場の回復 拡大技術の高度化 (1) バイオテレメトリー技術等を用いた藻食性魚類の行動生態の解明 (2) 藻場の回復 拡大技術の実証 (3) 造成藻場の磯根資源に対する効果の実証 1) では 潜水観察に衛星画像解析技術も併用して できるだけ広く かつ多くの地点を目標に藻場の実態調査が行われ 主に 197 年代後半の状況 ( 西海区水産研究所, 1981; 南西海区水産研究所, 1979) との比較によってその変動状況が把握された 2) では 残存する藻場が維持される仕組みの解明 南方系 ( 亜熱帯性 ) 海藻の分類学的検討と餌料価値の検討が行われ 1) の結果も加味して漁業者が磯焼け対策における目標を容易に設定できるよう 藻場評価表がまとめられた 3) では 2) で考案された藻場拡大策の実証試験とウニ類の身入り改善に対する効果評価が行われた 以上に基づいて 現存する藻場をより周辺部に拡大させることを基本とした技術が提示された なお 磯焼け対策においては藻場の回復が目標とされる場合が一般的であるが 九州沿岸のように環境変動が比較的大きな水域では 以前と全く同じ藻場に戻すことを目標に設定することは不適当な場合があると考えられる そこで 本研究課題では新たに形成されつつあるような藻場も積極的に造成対象にするという意味を込めて 藻場の再建という用語を用いた - 2 -

7 3 用語について 1) 南方系海藻 熱帯 亜熱帯性海藻とは寺田竜太 島袋寛盛 南方系 という言葉は 自然科学 文化人類学などの学問分野でよく用いられている 多くの分野では 対象とする地点よりも従来の生育地が南方向にあるもの 暖流の影響を受ける地域で生育しているものなどを意味している しかし 南方系 とは相対的な表現であり 時によって示す範囲や対象が異なる場合が多い 広い範囲での ある特定の地域を示す用語としては不十分である 海産植物の分布変動や移入を議論する場合は その時々によって本来の分布域を的確に把握するための用語や定義が必要である 本事業で分布変動の可能性が指摘されているホンダワラ属藻類の多くは Sargassum 亜属に属する これらは一般に熱帯 亜熱帯域に分布することから 本報告書では Sargassum 亜属のホンダワラ属を原則として 熱帯 亜熱帯性海藻 と表記している しかし キレバモク S. alternato-pinnatum とコブクロモク S. crispifolium は九州を中心に分布することから 温帯性の種類として取り扱うべきと考える 本報告書では 主に温帯域に生育しているものの調査海域より南の海域を分布の中心とするホンダワラ属藻類に対して 南方系 という言葉も用いている 編集事務局コメント本報告書では 南方系 および 熱帯 亜熱帯性 の用語の取り扱いは統一しておらず 各著者の判断に委ねられている このため キレバモクを亜熱帯性種として扱う場合などもある なお 生物分布に基づく海域区分については西村 (1981) および西村 (1992) の報告がある - 3 -

8 3-2) 春藻場 四季藻場とは吉村拓 中嶋泰沿岸浅海域の海底景観は 砂泥底の広がる平面的なものから 岩礁とその上に生息する様々な生物でつくられる立体的なものまで多様である このうち 岩礁上に生育する海藻類が枝や葉を茂らせた状態が典型的な藻場の景観と言える 春藻場 四季藻場とは この藻場景観が持続する期間に着目した新しい藻場の類型区分である ( 吉村ら, 29) 春藻場は 長崎市見崎町地先に近年成立したと見られる温帯性と亜熱帯性のホンダワラ類で形成される藻場をモデルとして 本研究課題の中で名称が与えられた この藻場は 複数の多年生種で構成されるにもかかわらず それらの成熟期が終る夏以降は直立する海藻がなくなり まるで磯焼けのような景観に転ずることが最大の特徴である ( 図 3-1) つまり 藻場の景観は春を中心とする半年弱しか持続しない これに対して四季藻場とは 通常の多年生海藻による藻場 すなわち季節による若干の変動はあるものの 藻場景観が通年維持される藻場を意味し アラメ カジメ場がその代表例である 冬春 ~ 初夏夏 ~ 初冬 図 3-1 春藻場の季節変化. 長崎市見崎町地先の事例 - 4 -

9 4 研究結果 1) 九州沿岸における藻場の現状と変動傾向 1 福岡県における藻場の現状と変動傾向秋本恒基 中本崇目的九州沿岸における藻場の現状を把握するとともに 197 年代後半と比較して その変動傾向を明らかにすることを目的とした 材料および方法 197 年代に調査が行われた4 地区 9 定線のうち 藻場が現存する場所において各地区 1 定線を選択し過去の調査時期と同時期にSCUBA 潜水による定線調査を ( 株 ) ベントスの協力を得て実施した 福岡県における定線調査位置を表 4-1)-1-1に示した 表 4-1)-1-1 福岡県における定線調査位置 ( 世界測地系 ) 調査区域 玄界島 ( 本島北西 ~ 柱島 ) 大島 ( 加代鼻 ) 岩屋 ( 妙見崎 ) 糸島郡志摩町 ( ノウ瀬 ) 調査日 27 年 6 月 27 日 27 年 1 月 19 日 28 年 8 月 28 日 28 年 2 月 2 日 28 年 1 月 3 日 4 月 23 日 9 月 22 日 5 月 28 日 基点終点 経度 緯度 経度 緯度 結果 福岡県における大型藻類の出現状況を表 4-1)-1-2 に示した 玄界島における大型 海藻は過去に比べてヤナギモク ヤツマタモクで減少傾向にあった 大型ホンダワラ 類ではジョロモク ホンダワラ アカモク ノコギリモク トゲモク及びエンドウモ クが出現した 海藻現存量が大きく減少する傾向はみられなかった 表 4-1)-1-2 福岡県における大型海藻の出現状況 玄海島 ( 本島北西 ~ 柱島 ) 大島 ( 加代鼻 ) 岩屋 ( 妙見崎 ) 糸島市志摩 ( ノウ瀬 ) 海藻種 1978 年 27 年 1976 年 1977 年 27 年 28 年 1976 年 1977 年 28 年 1978 年 28 年 6 月 26 日 1 月 26 日 6 月 27 日 1 月 19 日 8 月 1 日 3 月 1-11 日 8 月 28 日 2 月 2 日 9 月 27 日 3 月 13 日 1 月 3 日 4 月 23 日 9 月 21 日 5 月 18 日 9 月 22 日 5 月 28 日ワカメ クロメ ツルアラメ アラメ ヒジキ ジョロモク ホンダワラ イソモク アカモク ヤツマタモク ノコギリモク ナラサモ トゲモク マメタワラ ヤナギモク ( オオバモク ) ウスバノコギリモク ヨレモク ウミトラノオ エンドウモク 合計 食害 - - B B(E) - - B B(E,A) - - B B(A) - - B(A) B(A) 出現状況 : 高い : 比較的高い : 低い 食害状況 A: 食害無し B: 一部食害 C: 葉の 1/3 以上食害 D: 葉の大半食害 ( 根 茎 主枝のみ残 ) E: 生長点なし 福岡県におけるアラメ類の被度分布と生息距離を図 4-1)-1-1 に示した 大島の浅 場ではウミトラノオが また水深 7m 以深でアラメ ホンダワラ類の被度が低下して - 5 -

10 いる傾向にあった 大型ホンダワラ類ではホンダワラ アカモク ナラサモ トゲモク マメタワラ及びウスバノコギリモクが増加傾向にあった 現存量は浅場での減少は少ないものの 深場での低下が示唆された 北九州市岩屋 ( 妙見崎 ) 地先の調査を 28 年 4 月 23 日及び 1 月 3 日に実施した 岩屋地先の海底地形は海藻帯外縁部が約水深 12mで 岩盤を主体とする起伏に富んだ海底地形であった 1976 年調査では全水深帯でツルアラメが優先し ノコギリモク ヤナギモク及びマメタワラが疎生から点生で生育していた 28 年調査では全水深帯でツルアラメが濃生から密生域を形成し 水深 1m 以浅でアラメが密生から点生で生育していた また ヒジキ ホンダワラ アカモク ノコギリモク ナラサモ トゲモク及びウミトラノオが疎生から点生しており ジョロモク マメタワラ ヤナギモク ウスバノコギリモク エンドウモク及びヨレモクなどの多種のホンダワラ類が混生していた 海藻の現存量に大きな変化は認められなかった 糸島郡志摩町 ( ノウ瀬 ) 地先の調査を 28 年 5 月 28 日及び 9 月 22 日に実施した 海底地形は巨礫を主体とした礫質で水深 5m 付近は投石により地盤が上昇していた 海藻帯外縁は水深約 15mであった 1978 年調査時と比較するとクロメやワカメの密生域が減少する傾向がみられた また アラメは水深 4m 以浅からみられていたが水深 2m 以浅に僅かに生息していた 水深 7m 以深でホンダワラ類の生育が少なかった 海藻現存量には大きな差はみられなかった 県内の藻場面積は海域により差はみられるものの 197 年代後半と比較して 1.5% 程度の減少であった ( 秋本ら, 28a) 定線調査では亜熱帯性種の生息は確認されなかったが 本県地先では初めて 23 年 5 月 28 日実施の大島南海域 ( ヨ瀬 ) 及び 25 年 5 月 26 日実施の玄界島柱島南海域の水深約 1mの砂浜域のレキにシマウラモクの生息を確認した また 宗像市沖ノ島漁港内で 28 年 7 月 14 日には本県地先で初めてキレバモクの生息を確認した 食害の状況は一部に食害痕がみられる程度であった 現認されている食害魚はアイゴ ニザダイ メジナ イスズミで アイゴ稚魚の群れを地先で頻繁に目撃することが多くなったが 定線調査では魚類による採食の影響は軽微であった 大島地先では 2 年から他地区に先駆けてガンガゼ類の除去が実施されており 近年では他地区でも生息量と分布域の拡大傾向がみられるため同様の取り組みが実施されている また ガンガゼ類と同様にムラサキウニの除去作業に取り組む漁協も増えている ガンガゼ類は北西の季節風の影響を受けにくい 離島の南方海域に位置する水深が比較的深い隆起岩礁に多くみられていた しかし 近年では生息場所が南側の静穏域から北側の海域や浅所へも拡大する傾向もみられている また 県内の地先では西方から東方の北九州地域へ分布が拡大する傾向にあり 特に 27 年秋季の高水温が稚ウニの生残率を高めた可能性が高く 今まで目立たなかった稚ウニの生息が多くの地先で認められた ( 秋本ら, 28b) - 6 -

11 2 2 2 生息分布距離 (m) アラメ '76-8 アラメ '77-3 生息分布距離 (m) アラメ '76-8 アラメ '77-3 生息分布距 (m) アラメ '76-8 アラメ ' 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 大島における水深 5m 以浅のアラメ水平分布の被度 ( 年 ) 大島における水深 5~1m 域のアラメ水平分布の被度 ( 年 ) 大島における水深 1m 以深のアラメ水平分布の被度 ( 年 ) 生息分布距離 (m) アラメ '7-8 アラメ '8-2 生息分布距離 (m) アラメ '7-8 アラメ '8-2 生息分布距離 (m) アラメ '7-8 アラメ ' 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 大島における水深 5m 以浅のアラメ水平分布の被度 (27-28 年 ) 大島における水深 5~1m 域のアラメ水平分布の被度 (27-28 年 ) 大島における水深 1m 以深のアラメ水平分布の被度 (27-28 年 ) ツルアラメ '76-9 ツルアラメ ' ツルアラメ '76-9 ツルアラメ ' ツルアラメ '76-9 ツルアラメ '77-3 生息分布距離 (m) 9 6 生息分布距離 (m) 9 6 生息分布距離 (m) 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 岩屋における水深 5m 以浅のツルアラメ水平分布の被度 ( 年 ) 岩屋における水深 5~1m 域のツルアラメ水平分布の被度 ( 年 ) 岩屋における水深 1m 以深のツルアラメ水平分布の被度 ( 年 ) ツルアラメ '8-1 ツルアラメ ' ツルアラメ '8-1 ツルアラメ ' ツルアラメ '8-1 ツルアラメ '8-4 生息分布距離 (m) 9 6 生息分布距離 (m) 9 6 生息分布距離 (m) 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 岩屋における水深 5m 以浅のツルアラメ水平分布の被度 (28 年 ) 岩屋における水深 5~1m 域のツルアラメ水平分布の被度 (28 年 ) 岩屋における水深 1m 以深のツルアラメ水平分布の被度 (28 年 ) クロメ '78-6 クロメ ' クロメ '78-5 クロメ ' アラメ '78-5 アラメ '78-9 生息分布距離 (m) 生息分布距離 (m) 15 1 生息分布距離 (m) 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 玄界島における水深 5m 以浅のクロメ水平分布の被度 (1978 年 ) ノウ瀬における全水深帯のクロメ水平分布の被度 (1978 年 ) ノウ瀬における水深 5m 以浅のアラメ水平分布の被度 (1978 年 ) クロメ '7-6 クロメ '7-1 2 クロメ '8-5 クロメ ' アラメ '8-5 アラメ '8-9 生息分布距離 (m) 生息分布距離 (m) 15 1 生息分布距離 (m) 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 濃生密生疎生点生 玄界島における水深 5m 以浅のクロメ水平分布の被度 (27 年 ) ノウ瀬における全水深帯のクロメ水平分布の被度 (28 年 ) ノウ瀬における水深 5m 以浅のアラメ水平分布の被度 (28 年 ) 図 4-1)-1-1 アラメ類の植生被度と生息分布距離 - 7 -

12 玄界島沖の水温の経年変化を図 4-1)-1-2 に示す 196 年と 28 年を比較する と 1 月では.54 程度上昇している また 2 月では 1.6 程度上昇している 3 25 水温 ( ) 2 15 y =.113x R 2 =.38 1 y =.22x R 2 = 図 4-1)-1-2 玄界島沖水深 1mの底層水温 (196~29 年 : は 1 月,は 2 月 ) 考察今回の調査では 福岡県地先においては海藻現存量には大きな減少はみられなかったが ガンガゼ類は波浪の影響の少ない静穏域から分布を拡大する傾向にある また ムラサキウニの現存量の増加は 局所的な地先で藻場を減少させている さらに 植食性魚類により一時的にアラメやヤナギモクなどが食害を受けている場所もみられている アイゴ稚魚の群れは 藻場が減少した地先での海藻の再生産に影響をあたえる恐れもあるため 藻場再生にはウニ類の除去による適正な生息密度の維持管理に加え 積極的に複数種の幼胚を供給し 混植による魚の食害軽減策も試み 適期にこれらを組み合わせて取り組みを継続する必要がある 秋季の水温低下が遅くなる傾向と温度上昇が食害種の食圧やガンガゼ類の稚ウニの生残率を増加させるなど植食性動物の生息及び活性の維持には有利に作用し 海藻の生息条件としては不利になることから 今後も藻場の状況を注視し 適正な対応を実施することが重要である - 8 -

13 4-1)-2 佐賀県における藻場の現状と変動傾向大津安夫 千々波行典 金丸彦一郎目的佐賀県における藻場の現状を把握するとともに 昭和 53 年の調査と比較して その変動傾向を明らかにすることを目的とした 材料および方法昭和 53 年調査が行われた地点から藻場が現存する場所 ( 図 4-1)-2-1 の調査番号 2 ~4) を選択し SCUBA 潜水によるライン調査を実施した 潜水調査は 昭和 53 年調査の鎮西町波戸 ( 調査番号 2) で平成 19 年 6 月 2 21 日 1 月 3 日 玄海町仮屋 ( 調査番号 4) で平成 2 年 6 月 16 日 1 月 8 日 鎮西町馬渡島 ( 調査番号 3) で平成 21 年 9 月 15 日に実施した 図 4-1)-2-1 調査地点図 結果 鎮西町波戸( 調査番号 2 図 4-1)-2-2) 1) 海底地形底質は ほぼ全域が巨礫主体の礫で 岸から水平距離 148m 地点より沖は砂地となった 礫帯では 所々に転石がみられ 1~14m 地点間では巨礫と大礫が混在した また 5m 地点付近では岩盤が 75~9m 地点間及び 1m 地点より沖側の礫間には砂がみられた - 9 -

14 水深は 基点から 5m 地点まではごく緩やかな傾斜で漸増し 5m 地点の水深は 1.3m であった それより沖は 砂地へと移行する少し手前の 145m 地点までがやや急勾配で 1m 地点が 8.m 145m 地点が 17.m となった 145m より沖は再び緩傾斜となり 155m 地点は 17.5m であった 2) 被度観察 6 月 2 21 日調査海藻は 緑藻類 1 種 褐藻類 36 種 紅藻類 29 種の計 75 種が出現した 大型海藻はワカメ アラメ類のクロメとアラメ ホンダワラ類のジョロモク アキヨレモク フシスジモク ホンダワラ ヒジキ イソモク アカモク ノコギリモク トゲモク ヤツマタモク マメタワラ ヤナギモク ウスバノコギリモク ヨレモク ウミトラノオ エンドウモクの計 19 種が確認された これらのうちクロメ ジョロモク ノコギリモクが比較的広範囲に繁茂しており 5~4m 地点間でジョロモクが主に疎生 4m 地点よりも沖側でクロメが点生主体 ノコギリモクが疎生主体でみられた その他 ウスバノコギリモク以外の全種が 9m 地点より岸側の水深約 7m 以浅の所々に出現しており アラメ ホンダワラ マメタワラ ヤナギモクがやや多くみられた なお ウスバノコギリモクは水深 12~17m の深所でのみ確認された 測線のほぼ全域において 多種のアラメ類とホンダワラ類が良く繁茂しており 良好な混生藻場を形成していた 1 月 3 日調査海藻は 緑藻類 5 種 褐藻類 29 種 紅藻類 15 種の計 49 種が出現した 大型海藻は アラメ類のクロメとアラメ ホンダワラ類のジョロモク アキヨレモク フシスジモク ホンダワラ ヒジキ イソモク アカモク ノコギリモク トゲモク ヤツマタモク マメタワラ ヤナギモク ウスバノコギリモク ヨレモク ウミトラノオ エンドウモクの計 18 種が確認された これらのうちクロメ ホンダワラ ノコギリモク ヤツマタモクが比較的広範囲に繁茂しており クロメは疎生 ~ 点生 ホンダワラは点生 ~ 極く点生 ノコギリモクは密生 ~ 点生 ヤツマタモクは密生 ~ 極点生でみられた また 水深約 7m 以浅では ウスバノコギリモク以外の全種が観察され ジョロモク ノコギリモク ヤツマタモク ヨレモクがやや多くみられた なお ウスバノコギリモクは水深 12~17m の深所でのみ確認された 測線のほぼ全域において 多種のアラメ類とホンダワラ類が良く繁茂しており 良好な混生藻場を形成していた また アイゴなどの魚類によるものと思われる食害も観察されたが 極小規模であり大きな影響は無いものと思われた 玄海町仮屋( 調査番号 4 図 4-1)-2-3) 1) 海底地形底質は 基点より岸側と基点から水平距離 26m 地点までが岩盤で ここから沖側は砂地となっていた なお 基点より岸側 (-の方向) では 岩盤上に大礫が観察された 水深は 基点より岸側では -5m 地点が水深.2m と深いが それより岸側は浅く - 1 -

15 なり-1m 地点の水深は +.7m であった 基点の水深は +.9m で ここから沖側は急に深くなり 26m 地点で水深 7.2m となった 26m 地点を過ぎると緩やかに深くなり 5m 地点が水深 7.5m 1m 地点が水深 9.m 15m 終点が水深 1.5m となっていた 2) 被度観察 6 月 16 日調査海藻は 緑藻類 5 種 褐藻類 17 種 紅藻類 11 種の計 33 種が出現した 大型海藻は ワカメ アラメ類のクロメ ホンダワラ類のホンダワラ ヒジキ イソモク アカモク ノコギリモク ヤツマタモク ヨレモク ウミトラノオの計 1 種が確認された これらのうちワカメとアカモクが岩盤の全域にみられ 点生 ~ 極点生で生育していた また クロメ ホンダワラ ノコギリモクは岩盤のやや広範囲に出現しており 主に点生であったがノコギリモクでは疎生域も観察された その他 ヒジキが浅所の水深 m 付近の所々において ヨレモクが水深 2~3m の狭い範囲にそれぞれ疎生で観察された なお ホンダワラ類のヤツマタモクとウミトラノオには生殖器床がみられ 成熟個体も観察された 全体的にみると 岩盤部の全域でホンダワラ類が疎生 ~ 点生で生育しており さらに岩盤部の深所ではアラメ類が混じるガラモ場の性質が強い藻場を形成していた 小型海藻は 23 種が出現し このうち 無節サンゴモが最も多く サキブトミル イソガワラ科の 1 種 シワヤハズ サナダグサ ウミウチワ フクロノリ カニノテ属の 1 種 オバクサ エツキイワノカワ イワノカワ科の 1 種もやや多かった 1 月 8 日調査海藻は 緑藻類 2 種 褐藻類 9 種 紅藻類 7 種の計 18 種が出現した 大型海藻は アラメ類のクロメ ホンダワラ類のホンダワラ ヒジキ イソモク アカモク ノコギリモク ヤツマタモク ヨレモクの計 8 種が確認された いずれも岩盤部に生育しており 水深 m 以浅では ヒジキが密生 ~ 疎生でよく繁茂しており イソモクも点生で少量みられた また 水深 ~2m ではヤツマタモクが広範囲に ヨレモクがやや狭い範囲にそれぞれ疎生 ~ 点生 イソモクとアカモクが広範囲に点生で生育し さらに局所的であるがクロメも極点生で出現した そして水深 2m 以深では ノコギリモクが全域で疎生 ~ 点生 クロメとホンダワラが広範囲に点生で観察された 小型海藻は 1 種が出現し このうち無節サンゴモが最も多く サキブトミル カニノテ属の一種 ヘリトリカニノテ属の一種 エツキイワノカワ イワノカワ科の一種もやや多かった 鎮西町馬渡島( 調査番号 3 図 4-1)-2-4) 1) 海底地形底質は 基点より岸側が崖状に切り立つ岩盤で 基点より終点までは巨礫主体の礫帯となり所々に岩盤が出現した また岸側から 1m 地点までの礫帯では転石が散見

16 され それより沖側では礫間に砂地もみられた 基点の水深は 3.6m 基点から 4m 地点の水深 5.m までは緩やかな傾斜で深くなり そこから終点まではやや急傾斜で深くなった 5m 地点の水深は 6.7m 1m 地点が水深 14.6m 15m 地点が水深 23.m 終点 2m 地点の水深は 28.1m であった 2) 被度観察 9 月 15 日調査海藻は 緑藻類 2 種 褐藻類 15 種 紅藻類 11 種の計 28 種が出現した 大型海藻は アラメ類のクロメとアラメ ホンダワラ類のホンダワラ イソモク ノコギリモク マメタワラ ウスバノコギリモク エンドウモク エゾノネジモクの計 9 種が出現した 良く繁茂していたのはクロメで 基点から 16m 地点付近までほぼ全域に密生 ~ 極点生で出現した また 一部のクロメには子嚢斑も確認された クロメ以外では 115m 地点よりも岸側にノコギリモクが広範囲に疎生 ~ 極点生 5~16m 地点間にウスバノコギリモクが疎生 ~ 極点生 75m~155m 地点間にエンドウモクが点生 ~ 極く点生でみられた また 水深 5m 以浅ではアラメが疎生 ~ 点生 イソモクとエゾノネジモクが点生でみられた 小型海藻は 緑藻類 2 種 褐藻類 6 種 紅藻類 11 種の計 19 種が観察された なかでもカニノテ属の一種が目立ち シマオオギ サンゴモ属の一種 ヘリトリカニノテ属の一種 無節サンゴモ エツキイワノカワ イワノカワ科の一種 ユカリもやや多かった 全体的にみて 当水域にはクロメを主体とするアラメ類とノコギリモクを主体とするホンダワラ類が良く繁茂しており 混生藻場が形成されていることが示された 考察昭和 53 年時調査では 鎮西町波戸 ( 調査番号 2) において 緑藻類 4 種 褐藻類 34 種 紅藻類 42 種 合計 8 種が 鎮西町馬渡島 ( 調査番号 3) では 緑藻類 5 種 褐藻類 36 種 紅藻類 52 種 合計 93 種が出現していた これらの調査点においては 出現種類数は減少しているものの 良好な繁茂状況の藻場が維持されていた 玄海町仮屋 ( 調査番号 4) では 当時の調査ラインと異なったため 一概に判断できないが 昭和 53 年時の出現種類数は 緑藻類 5 種 褐藻類 36 種 紅藻類 41 種 合計 82 種であり 出現種類数は減少していた 繁茂状況についても 当時と比較すると減衰していると考えられた

17 波戸平成 19 年 6 月 2 日基点からの距離 (m) 基本水準面からの水深 (m) ワカメクロメアラメジョロモクアキヨレモクフシスジモクホンダワラヒジキイソモクアカモクノコギリモクトゲモクヤツマタモクマメタワラヤナギモクウスバノコギリモクヨレモクウミトラノオエンドウモクイシゲイロロ 凡例底質植生被度岩盤転石巨礫大礫小礫砂濃生密生疎生点生極く点生 波戸 平成 19 年 1 月 3 日 基点からの距離 (m) 基本水準面からの水深 (m) クロメアラメジョロモクアキヨレモクフシスジモクホンダワラヒジキイソモクアカモクノコギリモクトゲモクヤツマタモクマメタワラヤナギモクウスバノコギリモクヨレモクウミトラノオエンドウモク 凡例底質植生被度岩盤転石巨礫大礫小礫砂濃生密生疎生点生極く点生 図 4-1)-2-2 鎮西町波戸 ( 調査番号 2) の断面図上段 : 平成 19 年 6 月 2 21 日下段 : 平成 19 年 1 月 3 日

18 仮屋地区 平成 2 年 6 月 16 日 基点からの距離 (m) 基本水準面からの水深 (m) 観察枠 7 観察枠 6 観察枠 5 観察枠 4 5 観察枠 3 観察枠 2 観察枠 1 1 ワカメ クロメ ホンダワラ ヒジキ イソモク アカモク ノコギリモク ヤツマタモク ヨレモク ウミトラノオ アラメ類 ホンダワラ類 凡例 底質 岩盤 転石 巨礫 大礫 小礫 砂 植生被度 濃生 密生疎生点生 極く点生 仮屋地区 平成 2 年 1 月 8 日 基点からの距離 (m) 基本水準面からの水深 (m) 観察枠 7 観察枠 6 観察枠 5 観察枠 4 観察枠 3 観察枠 2 5 観察枠 1 1 クロメホンダワラヒジキイソモクアカモクノコギリモクヤツマタモクヨレモクアラメ類ホンダワラ類 凡例底質植生被度岩盤転石巨礫大礫小礫砂濃生密生疎生 点生 極く点生 図 4-1)-2-3 玄海町仮屋 ( 調査番号 4) の断面図上段 : 平成 2 年 6 月 16 日下段 : 平成 2 年 1 月 8 日

19 馬渡島地区 平成 21 年 9 月 15 日 基点からの距離 (m) 基本水準面からの水深 (m) クロメアラメホンダワライソモクノコギリモクマメタワラウスバノコギリモクエンドウモクエゾノネジモクアラメ類ホンダワラ類 凡例 底質 植生被度 岩盤 転石 巨礫 大礫 小礫 砂 濃生 密生 疎生 点生 極く点生 図 4-1)-2-4 鎮西町馬渡島 ( 調査番号 3) の断面図平成 21 年 9 月 15 日

20 4-1)-3 長崎県における藻場の現状と変動傾向西村大介 塚原淳一郎 吉川壮太 桐山隆哉目的長崎県沿岸における藻場の現状を把握するとともに 197 年代後半の状況と比較して その変動傾向を明らかにすることを目的とした 1978 年に県内で一斉調査が実施されている場所から典型的な藻場を選定し それらにおける大型褐藻類の分布状況等を把握し 過去の調査結果との比較による変化を調べた 材料と方法長崎県における調査場所は 1978 年調査 ( 西川ら, 1981) と同じ図 4-1)-3-1 に示す 4 箇所の調査点を選定した 27 年には外海域に面した西海市大瀬戸町塚堂 ( 以下 大瀬戸 ) と長崎市南越町古里 ( 以下 南越 ) で実施し 28 年には橘湾に面した長崎市三和町宮崎 ( 以下 三和 ) と南島原市加津佐町権田 ( 以下 加津佐 ) で実施した 調査方法は 1978 年調査と同様の手法に従い 6-7 月と 9 月の年 2 回 SCUBA 潜水によるライントランセクト調査と枠取り調査を行い 大型褐藻類の出現種類や海藻の現存量 ( 藻体湿重量 ) などの季節変化を調べ 1978 年調査の結果と比較した E 129 E 13 1 西海市大瀬戸町塚堂 2 長崎市南越町古里 3 長崎市三和町宮崎 4 南島原加津佐町権田 図 4-1)-3-1 調査点位置図 N 33 結果調査結果は出現種類を表 4-1) )-3-2 に 海藻現存量を図 4-1)-3-2 に示す 1978 年調査に比べて 出現種類数は 6 月調査では 大瀬戸で半分以下に減少したが 南越では増加し 他の 2 地点では大きな変化は見られなかった しかし 9 月調査では 1978 年は 6 月に比べ増加したが 今回の調査では加津佐以外はいずれも大きく減少した 海藻の現存量は 1978 年では 6 月から 9 月にかけて多くの場所で増加したが 今回 藻体湿重量 (g/.25 m2 ) 4, 2, 4, 2, 岸側 1978 年 6 月 年 6 月 1978 年 9 月 年 9 月 沖側 岸側 沖側 岸側 沖側 岸側 沖側 大瀬戸南越三和加津佐 図 4-1)-3-2 繁茂域の枠取り調査結果

21 の調査ではいずれの地点でも減少した 今回の 9 月調査において 種類数が大きく減少した大瀬戸 南越 三和では多くのホンダワラ類で食害痕が残る付着器のみとなった個体が多数確認された 一方 種類数が減少しなかった加津佐では付着器のみとなったホンダワラ類の出現頻度は低く 他の地点に比べ食害の影響は少なかった また 1978 年と出現種類を比べると いずれの地点でも クロメ ヤナギモク ホンダワラなどが消失または衰退し 南越と加津佐ではノコギリモクを主体とした藻場に変化していた さらに大瀬戸 南越 三和では表 4-1) )-3-2 に赤字で示した南方系 表 4-1)-3-1 長崎県における大型褐藻類の出現状況 (27 年調査 ) 大瀬戸町塚堂南越町古里海藻種 1978 年 27 年 1978 年 27 年 6 月 9 月 6 月 9 月 6 月 9 月 6 月 9 月クロメ ワカメ アントクメ アカモク イソモク ウミトラノオ ジョロモク トゲモク ノコギリモク ヒジキ ホンダワラ マメタワラ ヤツマタモク ヤナギモク ヨレモク キレバモク ツクシモク トサカモク マジリモク南方系ホンダワラ類不明種 ( 成体 ) 南方系ホンダワラ類不明種 ( 幼体 ) その他ホンダワラ類不明種 ( 幼体 ) 合 計 食害 ( コンブ類 ) A,C,D - 食害 ( ホンダワラ類 ) - - B~D A - - A,B A~D 出現状況 : : 高い : 比較的高い : 低い 食害状況 コンブ類 ホンダワラ類 藻体の欠損程度 A B C D E 食害なし 葉の一部藻体の1/2 葉の大半食害以上食害食害 生長点なし 食害なし 一部食害 座のみ または藻体の1/2 生殖器床の茎や主枝の以上食害一部が食害一部が残る

22 の大型褐藻類が新たに確認され 特にキレバモクやツクシモクは 3 地点で アントク メは南越と三和で確認された なお 加津佐では南方系種の出現は確認されていない 表 4-1)-3-2 長崎県における大型褐藻類の出現状況 (28 年調査 ) 三和町宮崎加津佐町権田海藻種 1978 年 28 年 1978 年 28 年 6 月 9 月 7 月 9 月 6 月 9 月 6 月 9 月クロメ ワカメ アントクメ アカモク アキヨレモク イソモク ウスバノコギリモク ウミトラノオ エンドウモク ジョロモク トゲモク ノコギリモク ヒジキ ホンダワラ マメタワラ ヤツマタモク ヤナギモク ヨレモク キレバモク ツクシモク 合 計 食害 ( コンブ類 ) - - A,B A,B - 食害 ( ホンダワラ類 ) - - A,D B~D - - A,E A~C 出現状況 : : 高い : 比較的高い : 低い 表 4-1)-3-1 の脚注参照 考察今回の調査では 1978 年調査と比べ 藻場を構成する種において 四季藻場を主に構成するクロメやヤナギモクなどの消失 衰退が顕著に見られ 2 地点ではノコギリモク主体の藻場に変化し 3 地点では南方系種のアントクメやキレバモクなどが新たに確認され 増加する傾向にあった また 1978 年調査に比べ いずれの地点でも被度が低下し 以前は四季藻場が形成されていたものが 近年は 春藻場化 し 秋にかけて著しく衰退する傾向がみられた このような一連の大型褐藻類群落の変化には 近年の水温上昇による環境変化が影響していることが考えられる ( 桐山, 28; 桐山, 29) 水温の上昇は藻食性魚類の摂食活動を活発化させ 秋から冬の水温低下の遅れなどにより 魚類の摂食活動を長期化させた結果 海藻の生長と魚類の摂食圧のバランスが崩れ 摂食圧の方が強くなっているものと考えられた また 冬季の水温上昇は 南方系種の定着に大きく関係していると考えられる 図 4-1)-3-3 に長崎県野母崎

23 沖 1m( 沿岸定線観測 ) の水温を示す 4 月および 3 月の水温は以前に比べ高く 冬季の水温は上昇傾向にあることがこのことからも示唆される さらに このような一連の大型褐藻類群落の変化の傾向は 内湾性の強い海域に比べ 外海域に面した海域の方が顕著である傾向があり ( 塚原, 29) 今回の調査においても 比較的内湾性が強いと考えられる加津佐が 外海域に面した他地点に比べ比較的藻場が残存していたことは その傾向と一致するものであると考えられた 18 4 月線形 (4 月 ) 月線形 (8 月 ) 月線形 (11 月 ) 月線形 (3 月 ) 年 図 4-1)-3-3 長崎県野母崎沖 1m( 沿岸定線観測 ) における水温動向

24 4-1)-4 熊本県における藻場の現状と変動傾向荒木希世目的九州沿岸のうち 熊本県天草西岸域において藻場の現地調査を行い その実態を把握するとともに 197 年代後半のデータと比較することで藻場の変動傾向を明らかにすることを目的とした 材料および方法過去 (1978 年 ) に実施された調査地点 ( 西海区水産研究所, 1981) から4 地点を選定し ( 図 4-1)-4-1) 各調査地点 2 回 ( 繁茂期と衰退期 ) の調査を行った ( 図 4-1)- 4-1) (1) 調査地点及び調査日 Stn1: 天草市五和町二江 32 N E 8 45 E 28 年 5 月 26 日 28 年 1 月 6 日 Stn2: 苓北町富岡 32 N E 2 32 E 27 年 6 月 29 日 28 年 11 月 5 日 Stn3: 天草市高浜 32 N E 13 E 4 28 年 6 月 27 日 28 年 9 月 24 日 Stn4: 天草市大江 32 N E E 28 年 6 月 27 日 28 年 9 月 24 日 13 (2) 調査方法図 4-1)-4-1 調査地点調査地点ごとに 景観 ( 植生や底質等 ) を代表する場所に岸 ( 飛沫帯上部の植生がなくなるところ ) から沖合方向に等深線に垂直に交わるようにラインを1 本設定した 調査はSCUBA 潜水で行い 水深 1m 以浅については水深 1mごとに 水深 1~2mまでは水深 2mごとに1 1mの観察枠を設置し 底質や植生の分布 食害の有無等を記録した また 海藻は5 5cmの方形枠を用いて坪刈りを行い これらのサンプルは 実験室に持ち帰った後に種を同定し 湿重量等を測定した 結果調査地点ごとの結果を表 4-1)-4-1 に示した (1)Stn1: 天草市五和町二江 - 2 -

25 1978 年の調査地点が海岸工事で埋め立てられていたため 現在の海岸線で最も近い場所に基点を移して調査を実施した 沖合約 2.5km の水深 23m 付近から水深 7m 地点までクロメが 水深 1~7m では ヤツマタモク アカモク ヨレモク アキヨレモクが 1m 以浅では ヒジキを主体とする藻場が形成されていた 28 年 1 月の調査で ツクシモクの出現を確認した 周辺海域 ( 補足調査地点 ) にはヤナギモク エンドウモクも出現しており 1978 年と比較すると ホンダワラ類には大きな変化は見られなかった 大型褐藻類が カジメからクロメに変わっているが 過去の標本が現存しないため 当時 誤同定であった可能性については確認できなかった 魚類による食害痕はあるが 磯焼け状態ではなかった (2)Stn2: 苓北町富岡海底の傾斜や底質 ( 巨礫 ~ 大礫 ) には 大きな変化はみられず ホンダワラ類では ウミトラノオ ヨレモク ヤツマタモク ノコギリモク等が分布していた 1978 年の調査時と比べると大きな変化は見られないが 11 月の衰退期の調査では 6 月に比べると出現種数が減少し また出現したヤツマタモクも主枝や葉の欠損があり 秋季に著しく藻場が衰退する傾向が見られた 魚類による摂食痕はあるもののウニ類の密度も低く 食害による影響は少ないと判断された (3)Stn3: 天草市高浜 1978 年の調査地が漁港の拡張工事により漁港に変わっていたため 約 4km 北側に基点を設けて調査を実施した 水深 12~16m ではアントクメ主体 5~1m ではノコギリモク主体の藻場が形成されていた 出現種を 1978 年と比較すると大きな変化は見られなかったが 出現種数が少ない地点であった 魚類による食害痕はあるが 磯焼け状態ではなかった (4)Stn4: 天草市大江海底の傾斜や底質に変化はみられず 1978 年と同様にアントクメ主体の藻場が形成されていた また 南方系といわれるホンダワラ類 ( フタエモク キレバモク ) と稀産種であるウスバモクが少々混在している状況が確認された 11 月の調査では アントクメは基部のみが確認されたのみで 秋季の著しい藻場の衰退がみられた なお 魚類による食害を受けてはいるものの 磯焼け状態ではなかった 考察天草有明から天草西海にかけての海域は 197 年代と比較して大型藻類の優占種に大きな変化はないと判断された 天草有明から天草西北部にはクロメやホンダワラ類の藻場が 天草西南部にはアントクメとホンダワラ類の混成藻場が形成されていた しかしながら 種数の減少や 秋季の著しい衰退 藻場面積の減少や道路や漁港の拡張工事による海岸線の変化による藻場分布の変化などがみられる場所もあ

26 った 今回 熊本県内で初めて南方系のホンダワラ類 ( キレバモク ツクシモク フタエモク ) の分布を確認した 熊本県水産研究センターが所有する 197 年代の標本を再同定したところ 当時不明種とされていた標本からキレバモク (1978 年有明町島子 ) とツクシモク (1978 年上天草市湯島 天草市牛深 ) が見つかった したがって 天草有明から天草西海域においては 少なくとも 197 年代から南方系ホンダワラ類が分布していたものと判断される 現在 熊本県天草西岸の藻場においては 大きな植生の変化は見られず 南方系ホンダワラ類も在来の温帯性のホンダワラ類の群落の中に点在する程度であった しかしながら 近年の海水温の上昇 特に秋季から冬季にかけての水温上昇は ホンダワラ類の分布拡大や植食性魚類の行動の変化による磯焼けの進行など 将来 藻場に大きな影響を与える可能性も考えられることから 当該海域の藻類の種組成の変化や生態系の変化については 今後も注視していく必要がある 表 4-1)-4-1 調査地点における大型褐藻類の出現状況 (1978 年は 西海区水産研究所 (1981) から引用 天草市五和苓北町富岡天草市高浜天草市大江種名 1978 年 28 年 1978 年 27 年 1978 年 28 年 1978 年 27 年 5 月 8 月 5 月 1 月 5 月 8 月 6 月 11 月 5 月 1 月 6 月 9 月 5 月 8 月 6 月 11 月アントクメ カジメ クロメ ワカメ ヒジキ マメタワラ ヤツマタモク アカモク ノコギリモク ヨレモク ヨレモクモドキ アキヨレモク ホンダワラ ヤナギモク ウミトラノオ イソモク タマナシモク コブクロモク タマハハキモク エンドウモク シダモク ナガシマモク トゲモク ジョロモク 不明 キレバモク ツクシモク フタエモク 合 計 9 9 8(14) 4(9) 食 害 - - B B - - A A - - B A - - B A 出現状況 : : 高い : 比較的高い : 低い : 補足調査地点で出現 食害状況 : A: 食害無し B: 一部食害 注 1) ヤナギモクは 原著ではオオバモクと記載 注 2)1978 年の天草市五和のナガシマモクは 紀伊半島東岸にのみ分布が報告されているため (Yoshida1983) 誤同定の可能性がある

27 4-1)-5 鹿児島県における藻場の現状と変動傾向猪狩忠光 吉満敏 徳永成光 田中敏博目的鹿児島県沿岸における藻場の現状を把握するとともに 197 年代後半に行われた沿岸海域藻場調査 ( 西海区水産研究所, 1981) と比較して その変動傾向を明らかにすることを目的とした また 南さつま市笠沙町地先では 沿岸海域藻場調査による 1978 年の調査定線 8( 以下 1978 調査定線 8 ) の 崎ノ山 に隣接して 構成種が異なる藻場を形成する地点 小浦 があったことから その要因について考察した 材料および方法 197 年代に調査が行われた地点から藻場が現存する場所を選択し SCUBA 潜水によるライン調査を27 年 6 月 ~28 年 12 月に実施した 調査地点は 南さつま市笠沙町 崎ノ山 (1978 調査定線 8) 同 小浦 ( 新規 ) いちき串木野市 羽島 (1978 調査定線 6 本調査地点は 旧調査定線付近が埋め立てにより変化し藻場も消失してしまったため 西側へ3m 移動しライン方向も南北から西東へ変更して調査を行った ) 阿久根市 牛ノ浜 (1978 調査定線 5) 志布志市志布志町 夏井 (1976 調査定線 21) で 調査回数は2 回 / 年とし 時期は前回調査にほぼ合わせた 結果 調査結果を表 4-1)-5-1 に示す 表 4-1) 年代後半と 2 年代後半における 主要な出現大型海藻種のリスト : 出現 +: 出現せず ;A: 食害なし B: 食害一部あり ( 葉の 1/3 未満 ) 太字斜体は南方系種 (Sargassum 亜属 ) 笠沙町崎ノ山 串木野羽島 笠沙町小浦 海藻種 1978 年 27 年 1978 年 27 年 27 年 5 月 8 月 5 月 9 月 4 月 8 月 6 月 1 月 5 月 9 月 イソモク ウミトラノオ キレバモク コナフキモク コブクロモク トサカモク フタエモク マメタワラ ヤツマタモク ホンダワラsp ワカメ 合 計 食 害 - - B A - - A A A A 阿久根市牛ノ浜 志布志町夏井 海藻種 1978 年 28 年 1976 年 28 年 5 月 8 月 6 月 9 月 6 月 12 月 5 6 月 12 月 イソモク + + ウミトラノオ ヒジキ コブクロモク トサカモク フタエモク マメタワラ ヤツマタモク ノコギリモク トゲモク ヨレモク ヨレモクモドキ ツクシモク ヘラモク エンドウモク エンドウモク近似 ヒュウガモク近似 マジリモク ホンダワラsp アントクメ ワカメ 合 計 食 害 - - A B - - A A

28 鹿児島県南さつま市笠沙町 崎ノ山 (1978 調査定線 8 27 年調査 ) では 砂上の小礫から大礫に着生したフタエモク中心の藻場であり 距岸 127m 水深約 2.5m までガラモ場が形成されていた ( 南方系ホンダワラ藻場 ) 1978 年の調査では ヤツマタモクやマメタワラを優占種とするガラモ場として記録されているが 今回の調査では南方系ホンダワラであるフタエモクが優占種となっていた なお 秋期調査では 大型藻類は全く確認されなかった 同町 小浦 (27 年調査 ) では 砂上の小礫から大礫に着生したウミトラノオが距岸 5m から 65m の水深 1.2m~1.6m まで ヤツマタモク マメタワラが距岸 65m から 78m の水深約 1.6m でガラモ場を形成していた ( 温帯性藻場 ) いちき串木野市 羽島 (1978 調査定線 6 の西側 3m 27 年調査 ) では 距岸 15m から 123m にかけてトサカモク フタエモク ( 浅場 ) キレバモク ヤツマタモク ( 深場 ) が大礫から岩にガラモ場を形成していた ( 温帯性 南方系混在藻場 ) なお本調査地点は 旧調査定線付近が埋め立てにより変化し 藻場も消失してしまったため 西側へ 3m 移動し ライン方向も南北から西東へ変更して調査を行った 藻場の構成種としては 1978 年当時と大きな変化はなく 温帯性種から南方系種までが一部ゾーニングしながら混在して出現した しかし 秋調査ではキレバモクを除くホンダワラ類の藻体を確認できなかった 阿久根市 牛ノ浜 (1978 調査定線 5 28 年調査 ) では 6 月には水深 3m 付近にヨレモクモドキ主体の藻場 水深 6~13m にアントクメ単独あるいはノコギリモク コブクロモク ツクシモク等が藻場を形成していた ( 温帯性 南方系混在藻場 ) 9 月では 水深 1m 付近にノコギリモクとエンドウモク ( 幼芽 ) が 水深 5m 以深には基部のみが残るアントクメが多く見られた 種構成は 1978 年当時とほぼ同一で 大きな変化は認められなかった また 岸側にはナガウニ ムラサキウニ ガンガゼが多く 磯焼け状態であった なお 港湾整備によって 岸側約 1m が埋め立てられていた 志布志市志布志町 夏井 (1976 調査定線 年調査 ) では 5 6 月には浅所にイソモク ウミトラノオ 水深 3m 前後にトサカモク ヨレモクモドキの藻場 水深 9~12m にかけてマジリモク また水深 12m 周辺にはツクシモクの藻場が形成されていた ( 温帯性 南方系混在藻場 ) 12 月には 水深.5m 以浅にイソモク ( 幼芽 ) トサカモク ( 幼芽 ) が見られた また 水深 8m 以浅にはナガウニ ムラサキウニ ガンガゼ タワシウニが多く見られ ウニが密集しているところでは磯焼け状態であった なお 港湾整備によって 岸側約 1m が埋め立てられていた 考察鹿児島県南さつま市笠沙町 崎ノ山 の今回の調査では 南方系ホンダワラであるフタエモクが主な構成種となっており 秋期調査では大型藻類は全く確認されず 春藻場の特徴が見られた また 今回の調査では 1978 年の調査で記録されていないサンゴ群落の発達が認められ 海藻植生の変化と併せ 温暖化の影響による生物相の変化が強く示唆された ( 田中, 26a) なお 本海域周辺ではパッチ状に高密度のガンガ

29 27 年 2 月 27 年 1 月 26 年 12 月 26 年 11 月 26 年 1 月 26 年 9 月 26 年 8 月 26 年 7 月 26 年 6 月 26 年 5 月 26 年 4 月 26 年 3 月 26 年 2 月 26 年 1 月 25 年 12 月 25 年 11 月 25 年 1 月 25 年 9 月 25 年 8 月 25 年 7 月 25 年 6 月 25 年 5 月 25 年 4 月 25 年 3 月 25 年 2 月 25 年 1 月 24 年 12 月 24 年 11 月 24 年 1 月 24 年 9 月 24 年 8 月 24 年 7 月 24 年 6 月 24 年 5 月 24 年 4 月 24 年 3 月 24 年 2 月 24 年 1 月 23 年 12 月 23 年 11 月 23 年 1 月 23 年 9 月 23 年 8 月 23 年 7 月 23 年 6 月 23 年 5 月 23 年 4 月 23 年 3 月 23 年 2 月 23 年 1 月 22 年 12 月 22 年 11 月 22 年 1 月 ゼの蝟集が見られ それらの場所では海藻群落が確認されなかったことから 藻場制限要因としてガンガゼによる食圧が考えられた 一方 28 年までは ホンダワラ類には魚類による摂食痕が確認されたが 藻場を消失させるまでには至っていなかった ( 田中, 26b) ところが 29 年には藻場は形成されず ホンダワラ類の伸長期 ( 冬季 ~ 春季 ) の魚類による食害に起因すると推測された 同町 小浦 は 197 年代には調査されていない地点であるが 崎ノ山 の南方系藻場に隣接する温帯性藻場として比較のため調査を行った 1978 年当時の 小浦 は 崎ノ山 と同様ヤツマタモク マメタワラで構成されるガラモ場であり 当時から植生がほとんど変化していないと考えられる 近接する 崎ノ山 と 小浦 の海藻植生が異なって来たのは 2 年あたりからとされており ( 田中ら, 24) その要因としては水温の違いが大きく関与していることが考えられた 22 年からの崎ノ山および小浦の水温変化を図 4-1)-5-1 に示すが 両海域の夏期水温はほぼ同じであるのに対し 冬季水温は小浦の方が崎ノ山に対し 1~2 ほど低く推移している この冬季水温の違いが 小浦での温帯性ホンダワラ藻場維持と 崎ノ山での南方系ホンダワラ群落への遷移を招いた要因の一つであると推測された また 小浦では 29 年にも藻場は形成され 冬季の水温が低いことによって 魚類の来遊を防ぎ食害を抑えていると推測されている ( 猪狩ら, 29) 35. sakiyama koura 図 4-1)-5-1 鹿児島県崎ノ山と小浦における水温観測結果図 -1 sakiyama-koura TEMP いちき串木野市 羽島 では 秋調査でキレバモクを除くホンダワラ類の藻体を確認できず 夏から秋にかけて藻体を維持できないという温暖化の影響が示唆された 阿久根市 牛ノ浜 では 種構成は 1978 年調査時とほぼ同一で 大きな変化は認められなかった 志布志市志布志町 夏井 では 今回定線上に新たにトサカモク マジリモクといった比較的暖かい環境を好むホンダワラ類が確認された

30 調査地点近隣海域の表層水温の推移を図 4-1)-5-2 に示す 全ての地点で上昇傾向がみられ 特に南方系ホンダワラが新たに確認された笠沙 ( 図では隣接海域の加世田沖で示した ) および志布志では 1 以上の上昇を示しており それが藻場構成種に反映されていると考えられた また 今回調査した地点では 藻場は春のみに形成され それ以外にはほとんど大型海藻が見られない いわゆる 春藻場 の様を呈していた 25. 阿久根沖表層水温の推移 25. 加世田沖表層水温の推移 平均水温 ( ) y =.313x 平均水温 ( ) y =.579x 年度 年度 25. 串木野沖表層水温の推移 25. 志布志湾表層水温の推移 平均水温 ( ) y =.123x 平均水温 ( ) y =.433x 年度 年度 図 4-1) ~27 年の調査地点近隣海域の表層水温の推移 * 加世田は笠沙の隣接海域 * 鹿児島県環境保健センター 公共用水域の水質測定結果 月の表層水温の平均値

31 4-1)-6 宮崎県における藻場の現状と変動傾向荒武久道 佐島圭一郎 清水博目的宮崎県沿岸の現地調査を行い 藻場の現状を把握するとともに 過去の状況 ( 百合野ら, 1979) と比較することで藻場の変動傾向を明らかにすることを目的とした 材料および方法 1976 年に実施された調査地点 ( 百合野ら, 1979) のうちから選定した6 地点において 春季 ( 繁茂期 ) と秋季 ( 衰退期 ) にライン調査を行った ( 図 4-1)-6-1 表 4-1)- 6-1) ライン調査は原則として 76 年調査時と同じ地点で行うこととし 状況に応じてその地先の現状をよく反映する場所に位置を変更した 測線は 飛沫帯付近の植生がなくなるところから沖方向に延長し 深所の植生がみられなくなるところまでとした 観察はSCUBA 潜水で行い 原則として水深 1mごとに1 1mの観察枠を設置し 底質 表 4-1)-6-1 調査ラインの位置と調査実施日 測線 No. 市町 地名 基点終点調査日緯度経度緯度経度春季秋季 4 門川町庵川 /1/22 27/1/26 5 都農町都農漁港外 /2/19 実施せず 6 宮崎市小内海 /7/2 28/11/28 8 串間市宮之浦漁港外 /5/29 28/12/19 9 串間市都井西 /6/21 27/1/24 1 串間市一里崎東南 /6/22 27/1/23 (L1) a (L2) (L3) L4 L5 串間市 L1 * L6 L8 * (L7) a L9 * 5 km 図 4-1)-6-1 測線の位置 L に続く数字は '76 年調査時の番号を反映する. ( ): 調査を実施しなかった測線を示す. *: 藻場等の現状を反映するために測線の位置を大きく変更した箇所. 破線矢印は変更前 ( 76 年 ) の位置を 実線矢印は変更後 ( 本調査 ) の位置をそれぞれ示す

32 や植生の分布 食害の有無等を記録した 大型海藻については 測線上からはずれた周辺に出現をみとめたものは 測線上のものと区別して記録した 大型海藻の出現状況は 1 測線ごとの全観察枠数に占める種ごとの出現枠数と最大被度によって高い (2/3 以上の観察枠に出現し かつ最大被度が75% より大きい ) 比較的高い (2/3 以上の観察枠に出現し かつ最大被度が5% より大きく75% 以下 ) 低い(1 観察枠以上で出現するが 高い にも 比較的高い にも該当しないもの ) に区分して整理した 過去の大型海藻の出現状況は 垂直断面模式図 ( 宮崎県水産試験場, 1976) から水深 1mごとに出現種と被度を読み取った 本調査結果と過去の調査結果 ( 宮崎県水産試験場, 1976; 百合野ら, 1979) について 藻場形成範囲 構成種 被度等を総合的に比較し 藻場の現状と変動傾向の判定を行った 結果 春季の調査結果を表 4-1)-6-2 に 秋季調査の結果を表 4-1)-6-3 に 藻場の現状の 判定結果を表 4-1)-6-4 に示した 表 4-1)-6-2 宮崎県における大型海藻の春季の出現 ラインNo. L4 L5 L6 L8 L9 L1 市町名 門川町 都農町 宮崎市 串間市 串間市 串間市 庵川 都農漁港外 小内海 宮之浦都井東 毛久保都井西 永田崎一里崎 地区名 漁港外 東南 調査年 月 ワカメ カジメ クロメ ホンダワラ属 キレバモク ツクシモク フタエモク ホンダワラ ヒジキ 出 オオバノコギリモク 現 コナフキモク せ イソモク ず シマウラモク トゲモク タマナシモク ヒラネジモク ヤツマタモク マメタワラ ヤナギモク * ウミトラノオヨレモクモドキ 食害 - A B - A - A - A~B 出現状況 : 高い (2/3 以上で出現かつ濃生部あり ) : 比較的高い (2/3 以上で出現かつ密生部あり ) : 低い : 調査ラインの周辺で出現 食害 コンブ類 A: なし B: 葉状部の一部 C: 葉状部の1/2 以上 D: 葉状部の大半 E: 成長点なし ガラモ類 A: なし B: 藻体の一部 C: 藻体の1/2 以上 D: 藻体の大半 E: 生殖器床の一部 *: オオバモクと記載されている ( 百合野ら1979) ものを改めた

33 表 4-1)-6-3 宮崎県における大型海藻の秋季の出現 ラインNo. L4 L5 L6 L8 L9 L1 市町名 門川町 都農町 宮崎市 串間市 串間市 串間市 庵川 都農漁港外 小内海 宮之浦都井東 毛久保都井西 永田崎一里崎 地区名 漁港外 東南 調査年 月 ワカメ カジメ クロメ ホンダワラ属 キレバモク ツクシモク フタエモクホンダワラ ヒジキ 実 出 出 オオバノコギリモク 施 現 現 コナフキモク せ せ せ イソモク ず ず ず シマウラモクトゲモク タマナシモク ヒラネジモク ヤツマタモク マメタワラ ヤナギモク * ウミトラノオ ヨレモクモドキ 食害 - A A - A - A - A~C 出現状況 : 高い (2/3 以上で出現かつ濃生部あり ) : 比較的高い (2/3 以上で出現かつ密生部あり ) : 低い : 調査ラインの周辺で出現 食害 コンブ類 A: なし B: 葉状部の一部 C: 葉状部の1/2 以上 D: 葉状部の大半 E: 成長点なし ガラモ類 A: なし B: 藻体の一部 C: 藻体の1/2 以上 D: 藻体の大半 E: 生殖器床の一部 *: オオバモクと記載されている ( 百合野ら1979) ものを改めた 表 4-1)-6-4 宮崎県における藻場の現状の判定結果 測線 No. 市町 地名 判定結果 藻場形成範囲 主要構成種の変化 4 門川町庵川 概ね維持 カジメからクロメへ ヤツマタモクからヨレモクモドキへ変化 5 都農町都農漁港外 磯焼けの継続 - 6 宮崎市小内海 概ね維持 変化無し 8 串間市都井東 ~ 宮之浦漁港 大規模な衰退後 小規模で維持 保留 9 串間市毛久保 ~ 都井西 大規模な衰退後 小規模で維持 ヤツマタモクからタマナシモクへ変化 1 串間市永田崎 ~ 一里崎東南 磯焼けの持続と藻場の回復 維持が混在 保留 1)L4( 門川町庵川 ) 春季調査 : 大型海藻では クロメと 5 種のホンダワラ類が出現し D.L.+.5m 付 近からヒジキ帯 ヒジキとイソモクの混生帯 ヨレモクモドキとトゲモクの混生 帯 ヨレモクモドキ帯 ヨレモクモドキとクロメの混生帯 クロメ帯の順で層が形 成され 底質が砂地になる D.L.-6m 付近まで藻場の形成が認められた ヨレモクモ ドキは全長 6~1 cm程度 ヒジキは 3 cm程度でいずれも未成熟であったが トゲ モクは 6~9 cm イソモク 3 cm程度 ヤツマタモクは 15~2 cmであり いずれ も成熟後期から終期であった 秋季調査 : 大型海藻では クロメと 7 種のホンダワラ類が出現し 浅所側からヒ ジキ帯 ヒジキとイソモクの混生帯 ヨレモクモドキとトゲモクの混生帯 ヨレモ クモドキ帯 ヨレモクモドキとクロメの混生帯 クロメ帯の順で層が形成されてい

34 た ヨレモクモドキは全長 25cm未満 ヒジキは16cm未満の幼体であったが トゲモクは5cm未満 イソモク3cm未満 ヤツマタモクは15cm未満 マメタワラは1 cm未満 ウミトラノオは2cm未満であり 大型の藻体が認められた 藻場の現状の判定 :1976 年と比較すると カジメからクロメへの種の変化と浅所側でのコンブ目の消失が認められるが 春季のホンダワラ類では主要構成種がヤツマタモクからヨレモクモドキへ変化したが 1976 年に記録されていないトゲモク ヒジキ イソモクの出現もあって 生育水深帯は拡大し ホンダワラ類全体での着生被度は増大し 大型藻類を総合した藻場としては概ね維持されていると判定した 2)L5( 都農町都農漁港外 ) 春季調査 : 大型海藻は出現しなかったが アミジグサ類やムカデノリ類等の小型海藻は豊富に出現した 秋季調査 : 春季調査において大型海藻がみられなかったため 秋季調査は実施しなかった 藻場の現状と変動傾向の判定 : 過去の調査 ( 百合野ら, 1979) に記載されているオオバモクは ヤナギモクと改めた ( 吉田, 1998) かつてはクロメ オオバノコギリモク ヤナギモクによる混生藻場が形成されていた海域だが 本調査において大型海藻はみられず 磯焼けが継続していると判定した 3)L6( 宮崎市小内海 ) 春季調査 : フタエモクは基点からの距離 7~177m D.L.+.5~-4.4mの範囲で分布が認められ 分布の中心は基点からの距離 26~129m D.L.-.1~-2.3mであった フタエモク群落以深は有節 無節サンゴモやイワノカワ科 イシサンゴ類やソフトコーラル類が生育していた 秋季調査 : 調査ライン上に出現した海藻のほとんどは有節サンゴモ 無節サンゴモ イワノカワ科などの小型海藻であり 大型海藻は基点からの距離 24~95m D.L.±~-1.9mの範囲で全長 1~2cmのフタエモクと思われるホンダワラ属幼体が認められたのみであった 藻場の現状と変動傾向の判定 : 本調査結果と1976 年の調査結果ではほぼ同等の範囲 水深帯にフタエモク藻場が形成されていたことから 当地先では藻場は維持されていると判定した なお1976 年の秋季調査でホンダワラ属が記載されていないのは この時期のフタエモク幼体はごく小さいので 有節サンゴモ等に隠れて発見されなかった可能性がある 4)L8( 串間市宮之浦漁港外 旧都井東 ) 春季調査 :1976 年の調査が行われた場所 ( 都井東 ) では 大型海藻は全く認められない磯焼け状態にあったため 本調査は北西に約 2.5km離れた宮之浦漁港外に形成されているタマナシモク藻場において行った タマナシモクは基点からの距離 ~22m D.L.+.4~-9.4mの範囲で分布していた 特に基点からの距離 ~26m までは径 1m 以上の大きな群落が連続して形成される濃密な藻場が形成されてい - 3 -

35 た 秋季調査 : 最大全長 25cmのタマナシモクが春季調査時と同様の沖出し距離 水深帯に分布していた 藻場の現状と変動傾向の判定 :1976 年にホンダワラが藻場を形成していた都井東では磯焼け状態にあり 本調査を行った宮之浦漁港外には比較的良好なタマナシモク藻場が形成されていたことから 当地先では全体的には磯焼けが持続しているが部分的には藻場が維持されていると考えられた 1976 年の調査結果に記載される ホンダワラ が Sargassum fulvellum を指すものか ホンダワラ属不明種を指すものか明らかでないため 構成種の変化については判定を保留した 5)L9( 串間市都井西 旧毛久保 ) 春季調査 :1976 年にヤツマタモク主体の藻場が形成されていた毛久保では 大型海藻はほとんどみられない磯焼け状態にあったため 本調査は南東に約 2.5km離れた都井西のタマナシモク藻場において行った タマナシモクがおおよそD.L.+.5 ~-4mの範囲に断続的に分布していた他 おおよそD.L.-5~-6mの範囲にはホンダワラ属幼体が点在していた それ以深にはフタエオオギ シマオオギ シワヤハズなどの小型海藻帯が認められた タマナシモク生育水深帯には カギケノリやカニノテ等の小型海藻が優占するギャップの形成も認められた 秋季調査 : タマナシモクの成体は既に流失しており 幼体がおおよそD.L.±~ -3mの範囲に分布していた タマナシモク分布範囲形成されるギャップでは モサズキ属 フクリンアミジ等の小型海藻が優先しており 6 月調査時にあったカギケノリ群落は認められなかった 藻場の現状と変動傾向の判定 :1976 年に都井西から毛久保港外にまでヤツマタモク主体の藻場が形成されていたが 現在では 都井西に断続的なタマナシモク藻場が形成されているのみであることから 当地先では全体的には磯焼け状態が持続しており 構成種が変化した藻場が部分的に維持されていると判断した 6)L1( 串間市一里崎東南 旧永田崎 ) 春季調査 :1976 年の調査が行われた永田崎では 大型海藻がほとんどみられない磯焼け状態にあったため 本調査は北西に約 2.5km離れた一里崎東南において行った 測線上及び周辺には11 種類のホンダワラ類 (1 不明種含む ) が出現し D.L.+1m 付近の浅所からヒラネジモク帯 ヒラネジモク タマナシモク ヤツマタモクの混生帯 タマナシモク ヨレモクモドキ帯の形成と 大型海藻群落の下限付近にわずかに小型海藻帯の形成が認められた 秋季調査 :7 種のホンダワラ類が出現し 春季と同様な層の形成が認められた 出現したホンダワラ類のうちヒラネジモク以外は幼体であった ヒラネジモクには 全ての水深帯において被食痕が認められ 被食の程度は沖側の深所で高かった 藻場の現状と変動傾向の判定 :1976 年に広大な永田崎周辺では磯焼け状態にあったこと 本調査を行った一里崎東南の藻場は1976 年時点から維持されていると考え

36 られることと本城漁港外に近年ヨレモクモドキ藻場が形成されるようになってきたこと ( 荒武ら, 27) から 当海域全体としては磯焼けが継続しているが 衰退後回復傾向にある場所と 維持されている場所が混在していると判断した 主要構成種については1976 年が ホンダワラ であることから 4) で述べた様な理由により判定を保留した 考察今回調査を行った6 地点のうち 1976 年とほぼ同等に藻場が維持されていたと判断されたのは 門川町庵川と宮崎市小内海の2 箇所 ( 表 4-1)-6-4) にとどまり 宮崎県沿岸全域でみた場合 藻場は衰退傾向にあると考えられた 藻場の衰退や磯焼けの継続が認められた場所は 都農町都農漁港外 串間市都井東 毛久保 永田崎であるように 特に外洋に面した場所で顕著であった これに対し 1976 年とほぼ同等に藻場が維持されていた門川町庵川と 小規模ながらも良好な藻場が維持されていた串間市一里崎東南は内湾的な場所であった 内湾的な場所は 外洋に面した場所よりも 冬季の水温が低く 植食動物の食圧が低く制限されていることにより 内湾的な場所では藻場が維持されている可能性がある (4-3)-4 参照 ) 外洋に面した場所でも 宮崎市小内海のフタエモクや 串間市都井周辺のタマナシモクのように藻場を形成している種があった フタエモクは春藻場を形成する種であることから 小内海の藻場が残存している要因は 4-3)-5に述べられている春藻場の維持機構によって維持されていると考えられた タマナシモクは 浅所や比高の高い岩礁上面等の相対的に流動が大きい場所に 極めて密な群落を形成することで植食動物の食圧を回避し さらに 付着器からの高い再生能力をもつ ( 荒武ら, 29) ことで被食に対して高い耐性を持っていると考えられる種であることから 外洋域においても藻場を形成 維持できていると考えられた

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