農業集落排水事業の現状と展開方向

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やすはるほうねん
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1 資料 3 今後の汚水処理のあり方に関する検討会第 1 回資料農業集落排水事業の概要平成 22 年 4 月農林水産省

農業集落排水事業について農村地域では農業用水路が生活排水の受入先となっており食の安全

農業振興地域において水質汚濁による農業被害の解消等を図るため農業集落排水施設の整備を実施

農業用水路等 72% 河川等 7% 農業集落排水施設等 21% 処理場 (H10 11

地域の用水管理と一体となった農業集落排水の管理汚水処理人口普及率 (%) 100 90 80

2 農業集落排水事業について農村地域では農業用水路が生活排水の受入先となっており食の安全安心の確保農業生産の安定のためには農業基盤と一体的な汚水処理施設の整備が不可欠農業振興地域において水質汚濁による農業被害の解消等を図るため農業集落排水施設の整備を実施生活排水の流入による農業用水の汚濁地域の農業用水路と密接に関連農村地域の生活雑排水の排出状況農業用水路等 72% 河川等 7% 農業集落排水施設等 21% 処理場 (H10 11 国土庁調査 ) 依然として農村地域の生活排水対策は大きく立ち後れ地域の用水管理と一体となった農業集落排水の管理汚水処理人口普及率 (%) 市町村規模別汚水処理人口普及率 (H20) 99.3% 89.5% 88.2% 83.5% 77.7% 69.3% 都市部と農村部で約 30 ポイントの格差 >100 万 >50 万 >30 万 >10 万 >5 万 <5 万人市町村人口規模集落排水浄化槽下水道汚泥引き抜き時の立ち会い用水路の維持管理 1

3 事業の効率的な実施汚水処理施設の整備に当たっては関係部局間で連絡会議を設置し十分な調整を図り各種汚水処理施設の特性経済性等を総合的に勘案し地域の実情に応じた効率的かつ適正な整備手法の選定を行い都道府県構想 ( 汚水処理整備構想図 ) を策定し連携を図りつつ効率的に実施農業集落排水事業は農業振興地域のうち集落等を単位とした集合処理が効率的な地域を対象に実施都道府県内部での連携農業集落排水事業のイメージ集落排水担当部局下水道担当部局都道府県連絡協議会浄化槽担当部局都道府県構想の例農業集落排水事業による整備範囲集落周辺の散居部家屋は浄化槽により対応 2

4 農業集落排水事業の特徴処理水の再利用農業集落の形態に適した小規模分散型の汚水処理システム処理水を農業用水として再利用している地区数の割合処理水の再利用や発生汚泥の農地還元を通じた水資源有機資源のリサイクルを推進小規模分散方式未利用 22% 総処理水約 3.5 億 m 3 再利用 78% うち再利用は約 2.7 億 m 3 ( 推計 ) 処コ汚水処理施設汚水管路コンポスト化施設 A 集落処処理水の再利用 ( 循環利用 ) (H20 年度末農村振興局調べ ) 汚泥リサイクル水田河川用水路処コ処 B 集落その他 37.2% 農地還元 45.2% 汚泥のリサイクル 62.8%(71 万 m 3 ) C 集落 9.5% 8.2% D 集落処汚泥の農地還元建設資材緑地還元 (H20 年度末農村振興局調べ ) 3

地区の施設において処理水をポンプによりため池に送水し農業用水として再利用している

5 処理水を農業用水としてリサイクル兵庫県神戸市神出町では農業用水をため池に依存しており 8 地区の農業集落排水施設のうち 5 地区の施設において処理水をポンプによりため池に送水し農業用水として再利用している生活雑排水が適正に処理されることによりため池の水質が改善されるとともに地域住民のため池への関心を高めるためいきいきため池大作戦を実施している神戸市神出町田井新々田神出西神出東神出南北古吉生広谷の 8 地区を昭和 62 年度 ~ 順次整備現在全ての施設を供用中処理水を農業用水に再利用生活雑排水の適正な処理によりため池の水質を浄化地域住民の関心を高め農村地域の振興を図るためいきいきため池大作戦を実施ため池教室ため池ウォーキング 4

集落排水汚泥の循環利用に関する取り組み農業集落排水汚泥のコンポスト化による農地還元 (

坂本北部地区計画処理人口 :2,790 人事業工期 :H6~H14 主要工事 : 資源循環施設

川上地区 ( コンポ菜花良 ) 田瀬地区 ( 田瀬コンポ ) で汚泥肥料を製造夢コンポは

) ネギやイチゴトマトの出来が非常に良く市場で好評土が軟らかくなり良い土が作れる (

トマト収量比較 ( 試験栽培結果 ) ) 1,222 1,283 総収量 ( kg /a)

実際に汚泥肥料に触れることで匂いや品質を体感岐阜県中山間農業研究所で試験栽培を行い野菜

6 集落排水汚泥の循環利用に関する取り組み農業集落排水汚泥のコンポスト化による農地還元 ( 岐阜県中津川市 ) 事業の概要事業の効果事業名 : 農業集落排水事業地区名 : 坂本北部地区計画処理人口 :2,790 人事業工期 :H6~H14 主要工事 : 資源循環施設処理場管路一式事業費 :2,624 百万円肥料名 : 夢コンポ中津川市には上記地区の他に川上地区 ( コンポ菜花良 ) 田瀬地区 ( 田瀬コンポ ) で汚泥肥料を製造夢コンポは化学肥料と比べて遜色なく遅効性であるため元肥として土づくりに適している ( 中山間農業研究所 ) ネギやイチゴトマトの出来が非常に良く市場で好評土が軟らかくなり良い土が作れる ( 農家 ) 1,400 1,200 1, トマト収量比較 ( 試験栽培結果 ) ) 1,222 1,283 総収量 ( kg /a) 948 化成肥料コンホスト 999 可販収量 ( kg /a) 化成肥料と同等の生育収量が得られた坂本北部クリーンセンター ( 夢ひろば 21) 地元の小学生を対象とした環境教育を実施処理場の見学と汚泥肥料を使った花の鉢植えを体験実際に汚泥肥料に触れることで匂いや品質を体感岐阜県中山間農業研究所で試験栽培を行い野菜花き水稲におけるコンポストの使用方法をまとめた汚泥コンポスト利用ハンドブックを作成し配布農業集落排水汚泥をコンポスト化して農地還元し循環利用 100% 達成 5

7 農業集落排水の供用地区数と整備人口の推移地区数H16 H17 H18 H19 H20 供用地区数の推移整備人口(万人)H16 H17 H18 H19 H20 平成 20 年度末の供用地区数は 5,000 地区農業集落排水施設の整備人口は 356 万人整備人口の推移 5,100 5,000 4,900 4,800 4,700 4,600 4,500 4,400 4, , , , , ,

8 (建設費+維持管理費地域特性に応じた汚水処理施設整備の推進平成 12 年 10 月に経済比較を行う際の基礎数値を三省 ( 農林水産省国土交通省環境省 ) で統一し地方公共団体に連名で通知 ( 平成 20 年 9 月基礎数値を見直し ) コスト比較の概念図一人当たりのコストコスト比較では建設費と維持管理費のトータルで考えることが必要均衡点 ( 地域の特性により変動 ) 個別処理集合処理農村部の集落は農業集落排水事業で整備人家のまばらな周辺部は浄化槽で整備 )人口密度農村用水路中心部は下水道で整備人気のまばらな区域は個別処理が経済的人口が密集した区域は集合処理が経済的下水道農業集落排水集合処理浄化槽個別処理 7

9 汚水処理人口普及率(%汚水処理人口普及状況大都市と中小市町村で大きな格差があり特に人口 5 万人未満の市町村の汚水処理人口普及率は 69.3% にとどまっている農 :0.1% 浄 :0.6% 下 :98.6% 農 :0.6% 浄 :5.9% 下 :82.9% 農 :1.0% 浄 :7.5% 下 :79.6% 農 :2.5% 浄 :9.6% 下 :71.0% 汚水処理人口普及率全国平均 : 84.8% そ :0.2% そ :0.5% 農 :4.5% 浄 :13.5% 下 :58.9% コ :0.5% 農 :7.5% 浄 :16.9% 下 :43.8% 30 )汚 :99.3% 汚 :89.5% 汚 :88.2% 汚 :83.5% 汚 :77.7% 汚 :69.3% 人口規模汚 : 汚水処理施設全体下 : 下水道浄 : 浄化槽農 : 農業集落排水コ : コミュニティプラントそ : その他 ( 漁排林排等 ) 100 万人以上 50~100 万人 30~50 万人 10~30 万人 5~10 万人 5 万人未満 8

農業集落排水施設におけるコスト縮減に向けた取組農村地域に適した低コスト化技術の開発工場製品を活用した低コスト施工方法

工場製品を用いたプレハブ化工法を開発し施工の簡略化工期短縮等によるコスト縮減を実現 H21 年度から実用化コスト削減 15%

今後の整備の重点が中山間地域等の小規模な集落へ移行することが予想されることから高度な浄化機能を確保しつつ管理も容易で低コストな

10 農業集落排水施設におけるコスト縮減に向けた取組農村地域に適した低コスト化技術の開発工場製品を活用した低コスト施工方法農業集落排水処理施設の工事費のうち約 4 割を占めるコンクリート構造物部分について従来の現場打ち工法に換えて工場製品を用いたプレハブ化工法を開発し施工の簡略化工期短縮等によるコスト縮減を実現 H21 年度から実用化コスト削減 15% 程度工期短縮 50% 程度施工状況低コストな FRP 製の小規模処理施設今後の整備の重点が中山間地域等の小規模な集落へ移行することが予想されることから高度な浄化機能を確保しつつ管理も容易で低コストな FRP 製の処理施設を民間企業と共同開発開発目標コスト削減 30% ( 100 人規模の場合 ) 処理能力 :51 人 ~700 人程度処理性能 : BOD:20mg/L 以下 SS:50mg/L 以下完成 9

11 農山漁村地域整備交付金 (H22 年度予算 :1,500 億円 ) の概要参考農林水にまたがる広範かつ多様なメニューを包括しており地方は自らの計画に基づく総合的な整備が実施可能事業効果を高めるため地方の創意工夫による効果促進事業が実施可能 ( 全体事業費の一定割合以内 ) 地方の裁量による予算の弾力的かつ機動的な運用が可能制度の概要 (1) 都道府県又は市町村は農山漁村地域整備の目標等を記載した農山漁村地域整備計画を策定しこれに基づき事業を実施 (2) 以下の事業を総合的に実施することが可能 1 農業農村基盤整備事業農業用用排水施設整備ほ場整備農地防災農業集落排水施設整備集落基盤整備中山間総合整備畜産環境総合整備 2 森林基盤整備事業路網整備県有林の間伐等の森林整備予防治山水土保全治山山地災害総合減災対策治山共生保安林整備統合保安林管理道整備 3 水産基盤整備事業漁港施設整備漁場造成水域環境保全漁港漁村環境整備漁場保全の森づくり 4 海岸保全施設整備事業海岸保全施設整備海岸環境整備津波高潮危機管理対策 5 効果促進事業農山漁村地域整備計画の目標を達成するため上記事業 1~4と一体となって事業効果を高めるために必要な事業 ( 全体事業費の20% 以内 ) (3) 国から都道府県に交付金を交付し都道府県は自らの裁量により地区毎に配分また都道府県の裁量で地区間の融通施設間の融通が可能 [ 事業実施主体等 ] 交付先 : 都道府県市町村実施主体 : 都道府県市町村土地改良区森林組合森林整備法人漁協等補助率 : 既存事業の補助率等 10

農山漁村地域整備交付金実施要領平成 22 年 4 月 1 日 21 生畜第 2045 号 21 農振第 2454 号 21 林整計第 336 号 21 水港第 2724 号 ( 最終改正 ) 平成 30 年 3 月 30 日 29 生畜第 1501 号 29 農振第 2962 号 29 林整計第

農山漁村地域整備交付金実施要領平成 22 年 4 月 1 日 21 生畜第 2045 号 21 農振第 2454 号 21 林整計第 336 号 21 水港第 2724 号 ( 最終改正 ) 平成 30 年 3 月 30 日 29 生畜第 1501 号 29 農振第 2962 号 29 林整計第農山漁村地域整備交付金実施要領平成 22 年 4 月 1 日 21 生畜第 2045 号 21 農振第 2454 号 21 林整計第 336 号 21 水港第 2724 号 ( 最終改正 ) 平成 30 年 3 月 30 日 29 生畜第 1501 号 29 農振第 2962 号 29 林整計第 579 号 29 水港第 3354 号第 1 趣旨農山漁村地域整備交付金の実施については農山漁村地域整備交付金実施要綱