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1 (RPTPs) (Protein Tyrosine Kinases, PTKs) Protein Tyrosine Phosphatases, PTPs PTP(Receptor-like PTPs, RPTPs) RPTPs PTP RTKs RTKs RPTPs RTKs RPTPs RTKs RTK RTK RPTPs RPTPs RTK RPTP RPTP RPTPs RPTPs RPTPs RPTPs Ptprz Ptpro 1/13

2 Ptprz PTP RPTP R8 RPTP MAM RPTP Tonks NK (Nat Rev Mol Cell Biol. 11, , 2006) 2/13

3 Ptprz R5 N (CAH) (FN) III (TM) PTP (D1 D2) C PDZ a PTP D1 RPTP Ptprz Ptprz-A Ptprz-B Ptprz-S (6B4 proteoglycan/phosphacan/dsd-1 ) a Ptprz b Ptprz RPTP Ptprz ( c) Ptprz 2 (Ptprz) (a)ptprz Ptprz-A ( 380 kda) Ptprz-B( 250 kda) Ptprz-S ( 300 kda) (b)ptprz (c) +/+ Ptprz Ptprz -/- (d) 3/13

4 ABC(ChABC) Ptprz Ptprz pleiotrophin Ptprz pleiotrophin Ptprz pleiotrophin Ptprz pleiotrophin 3 pleiotrophin midkine Pleiotrophin midkine Ptprz PTP Ptprz Ptprz Ptprz pleiotrophin midkine (a)elisa pleiotrophin Ptprz-S Scatchard plot K d ; high = 0.25 nm, low = 3.0 nm (b) Boyden chamber pleiotrophin CHS-C C Ptprz-S anit-6b4 PG Ptprz poly-l-lysine RPTP RPTPs PTP D1 wedge( ) RPTPs wedge PTP wedge model 4/13

5 Ptprz Ptprz wedge wedge model Ptprz PTP (D2) RPTP CD45, LAR Ptprz R5 Ptprg head-to-toe dimerization model PTP PTP PTP PTP PTP 4a prey v-src Substrate-trapping mutant(da ) PTP bait PTP Substrate-trapping mutant PTP PTP Ptprz Git1 Git1 GTP Arf GAP GAP: GTP GTPase v-src Ptprz-DA 4b Git1 4b Git1 Ptprz-DA 4c in vitro Git1 Ptprz Ptprz Git1 B103 pleiotrophin Git1 30 4c Git1 pleiotorphin-ptprz Git1 Src paxillin FC; focal complex Git1 pleiotrophin 5c 5/13

6 Ptprz (a) yeast substrate-trapping system (b) yeast substrate-trapping system Git1 Met( ) v-src (c) Ptprz Git1 NIH3T3 Git1 Ptprz-B-DA B103 neuroblastoma pleiotrophin Git1 Ptprz Git1 p190 RhoGAP Magi-1 p190 RhoGAP GTP Rho GAP GAP Rho Rho (ROCK) Rhotekin Citron p140mdia - p190 RhoGAP Git1 Magi-1 guanylate kinase WW PDZ Ptprz PDZ 6/13

7 Magi-1 (adherens junction) yeast substrate-trappig system Git1,p190RhoGAP PDZ Magi-1 PDZ (PSD95, Magi-3, syntrophin ) β-catenin Na Ptprz ErbB4 Ptprz Ptprz ErbB4 PSD95 ErbB4 C PDZ Ptprz PSD95 2 PDZ ErbB4 PDZ PSD95 Magi-1 PDZ b 7/13

8 図5 Ptprz シグナル (a)リガンド分子及び受容体分子としての Ptprz の機能 (b)ptprz の基質分子 と細胞内結合分子 PDZ ドメイン含有タンパク質 の相互関係の多様性 (c)git1 及び Grlf1(p190 RhoGAP)を介した Ptprz シグナル伝達とその生理機 能についての想定図 8/13

9 . Ptprz Ptprz Ptprz (Ptprz -/- ) Ptprz C PSD95 PSD95 Ptprz Ptprz PSD95 Ptprz 6d,e Ptprz 10 ( 6a,b) Ptprz CA1 (LTP) 6c,f Ptprz (a,b, d, e) Hidden task a, d transfer test (b, e) Target(T) Adult Ptprz (c, f) 100 Hz, 1 CA1 LTP Src Fyn 10 CA1 LTP Ptprz Fyn p190 RhoGAP p190rhogap 9/13

10 p190rhogap Rho (ROCK) Ptprz LTP ROCK p190rhogap Ptprz p190 RhoGAP p190rhogap 7a cued memory (contextual memory) Ptprz contextual memory 7b p190rhogap Ptprz 7c Ptprz Fyn p190rhogap Rho/ROCK 5c p190rhogap (a) (b) Ptprz (c) p190rhogap Cond, Sham, 10/13

11 7. Ptprz の生理機能 ピロリ菌毒素の受容 体として Ptprz の主要な発現組織は脳神経系であるが 少ないながら末梢臓器に おいても発現が認められる 胃炎 胃潰瘍の原因として知られるヘリコバ クター ピロリ菌(Helicobacter pylori)は 培養細胞に対して空胞化を誘導す る細胞空胞化毒素 vacuolating cytotoxin, VacA というタンパク質毒素を分 泌する ヒト胃がん由来細胞株を用いた実験で VacA と共沈する成分中に Ptprz が含まれるとの報告があり 本毒素の受容体である可能性が考えられ た 実際 胃粘膜組織には受容体型 Ptprz-B が 脳組織の 10 分の1以下程 度ではあるが 発現している 図 8a,b VacA 毒素を経口投与すると野生 型マウスでは胃炎 胃潰瘍が発症するが Ptprz 欠損マウスの場合 胃粘膜 が全く損傷されないことが判明した 図 8c この結果について 当初 VacA 毒素の細胞内取り込み能の欠失によるものと想定されたが 予想外に も 毒素取り込みや細胞空胞化は Ptprz 欠損マウス由来の胃粘膜細胞内にお いても野生型と同様であることが判明した 詳細な解析の結果 VacA が Ptprz のリガンド活性を有することがわかり そのリガンド作用によって Ptprz の基質分子に対して誤ったリン酸化シグナルが発生した結果 細胞細胞外マトリックス間の接着が弱体化し 胃粘膜が損傷されたと考えられ た 図 8d 胃で主に発現している Ptprz-B にはコンドロイチン硫酸鎖によ る修飾がほとんどないことが判っており 現時点では 胃組織における Ptprz の本来の生理的役割は不明である 従って脳で発現しているプロテオ グリカン型と非プロテオグリカン型 Ptprz の機能的差異に興味がもたれる 図8 Ptprz シグナル異常と胃潰瘍 (a) 胃粘膜における Ptprz の発現 抗体染色 茶褐色 後 ヘマトキシリ ンでカウンター染色 M 胃粘膜 Sm 粘膜下層 Mp 粘膜筋板 (b) 胃組織における Ptprz 発現のウエスタン解析 (c) VacA 経口投与48時 間後の組織像 野生型マウスの胃粘膜は損傷されるが Ptprz 欠損型で は全く損傷が認められない (d)野生型由来の胃上皮初代培養細胞を VacA 刺激すると細胞剥離現象が出現する 写真は刺激 48 時間後 11/13

12 Ptprz RPTP Ptprz TACE MMP-9 PTP 9 RPTP p190 RhoGAP Ptprz Ptprz (ICR) ICR Ptprz Ptprz Ptprz TACE MMP-9 Ptpz N-CAM, Nr-CAM 12/13

13 RPTPs RPTPs ( ) 1) (1997) 48, ) (2004) (Ptprz) Helicobacter Research 8, ) (2005) (Ptprz) 77, /13

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