平成 26 年度新潟薬科大学薬学部卒業研究 Ⅱ ROCK-1 Rho-kinase の核局在メカニズム解明を 目的とした ROCK-1 一部欠損型発現プラスミドの構築 Construction of deletion mutant of ROCK1 plasmid to clarify nuclea

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1 平成 26 年度新潟薬科大学薬学部卒業研究 Ⅱ ROCK-1 Rho-kinase の核局在メカニズム解明を 目的とした ROCK-1 一部欠損型発現プラスミドの構築 Construction of deletion mutant of ROCK1 plasmid to clarify nuclear localization mechanism of ROCK1 Rho-kinase 薬品製造学研究室 6 年 09P036 小出絵梨 ( 指導教員 : 浅田真一 )

2 要旨 ROCK (Rho-associated coiled coil kinase) は Rho の標的タンパク質として同定された細胞内セリン / スレオニンキナーゼである ROCK は細胞質内に局在し 種々の機構によりストレス線維の形成を促進することで細胞運動に関与している 近年 ROCK が核内にも細胞質と同程度の濃度で存在することが報告された 一般に 核内に存在するタンパク質はその配列中に核移行シグナルと呼ばれる特徴的な配列を有しているが ROCK の配列中にそのような配列は存在しない そこで ROCK の 2 種類あるサブタイプ (ROCK1 ROCK2) のうち ROCK1 の核移行メカニズムの解析を目的としたプラスミドの構築を行った そこで本研究では発現クローンを容易に作製できる Gateway システムを用い プラスミドの構築を行った その結果 ROCK1 (1-421) /pdonr221 ROCK1 ( ) / pcdna-dest47 の構築に成功したと考えられる 今後は 他の発現クローンの構築を行い 核移行の確認を行う予定である Gateway システムで様々な欠損変異体を作製できれば ROCK1 の核移行に関与する遺伝子領域を明らかにしていくことが可能である

3 目次 1. はじめに 1 2. 実験 材料 大腸菌株 プラスミド プライマー ベクター 制限酵素 培養液 実験操作 プラスミドの作成 5 3. 結果 PCR BP 反応 LR 反応 おわりに 17 謝辞 18 引用文献 19

4 1. はじめに ROCK (Rho-associated coiled coil kinase) は Rho の標的タンパク質として同定された細胞内セリン / スレオニンキナーゼである Rho は分子量が 2 万から 3 万の低分子量 GTP 結合タンパク質であり 分子スイッチとして機能している 低分子量 GTP 結合タンパク質は 活性型と不活性型があり 不活性型は GDP 結合型として存在するが 活性型は特定の細胞外シグナルが細胞に作用することにより GTP 結合型として存在する (Fig. 1) この GTP 結合型が標識タンパク質に結合することにより 様々な生理活性を引き起こす [1] Rho は細胞増殖因子等の細胞外シグナルを受けてアクチン系の細胞骨格を制御しており ストレス線維の形成 平滑筋の収縮 細胞骨格の再構築 細胞遊走能に深く関与している [1] この他にも冠動脈攣縮 動脈硬化症 遺伝子発現制御 及び胚の発生 分化への関与が示唆されている このような Rho の生理作用の多くは ROCK を経由して発現している [1] Fig. 1 低分子 GTP 結合タンパク質 Rho の分子スイッチモデル [2] 不活性型の GDP 結合型が GDP/GTP 交換反応促進タンパク質 (GDP/GTP exchange protein: GEP) の作用により 活性型である GTP 結合型に変換され エフェクターと結合してシグナル伝達を開始する その後 GTP 活性促進タンパク質 (GTP activating protein: GAP) により GDP 結合型に変化し シグナル伝達が終了する 1

5 ROCK は線虫 ショウジョウバエのような下等真核生物からマウス ヒトのような高等真核生物まで広く発現している 高等真核生物では ROCK1 と ROCK2 という 2 つのアイソフォームが存在し ヒトにおいて ROCK1 は第 2 染色体 (2p24) に ROCK2 は第 18 染色体 (18q11.1) に存在している [2] ROCK には N 末端部にキナーゼドメイン 中央部に Rho 結合ドメイン (RBD) を含む coiled-coil ドメイン C 末端部に cysteine-rich ドメイン (CRD) を含む pleckstrin-homology (PH) ドメインが存在する (Fig. 2) [3] RB ドメインと PH ドメインは直接キナーゼドメインに結合し 活性を抑制する [1] ROCK1 と ROCK2 は全体で 65% の相同性があり 特にキナーゼドメインでは 92% という高い相同性がある ROCK1 は全身に発現しているが ROCK2 は脳や筋肉での発現レベルが高いことがわかっている このことから ROCK1 と ROCK2 は Rho の細胞内シグナル伝達経路においてそれぞれ異なる役割を果たしている可能性が考えられる [3] Fig. 2 マウス ROCK1 および ROCK2 のドメイン構造と相同性 ( 引用文献 4 Fig. 1 より改変 ) 数字はアミノ酸の番号を 割合は ROCK1 と ROCK2 相同性を表す なお ROCK2 の RBD のアミ ノ酸番号は確定していない ROCK2 は細胞質に局在しているとされていたが 近年核にも細胞質と同程度の濃度で存在することが明らかになった [4] さらに p300 アセチルトランスフェラーゼや MLH1 (MutL homologue1) のような核内で ROCK2 と相互作用するタンパク質も報告され ROCK2 の細胞内全域に亘る機能について研究が進められている [5] 一般に 核へ移行するタンパク質は 核局在シグナル (nuclear localization signal: NLS) と呼ばれるアミノ酸配列を持つか NLS を持つタンパク質と相互作用して核へ移行することが知られている NLS の代表的なものに一次配列中に塩基性アミノ 2

6 酸のリジンとアルギニンを複数含んでいる classical NLS (cnls) モチーフが知られている cnls としてシミアンウイルス 40 (simian virus40: SV40) large T 抗原 ( 126 PKKKRKV 132 ) や アフリカツメガエルの核内タンパクに存在する配列 ( 155 KRPAATKKAGQAKKKK 169 ) Y 染色体性決定領域遺伝子 (Sex-determining region Y: SRY) の持つ ( 59 KRPMNAFIVWSRDRRK RPRRK 135 ) などが報告されている このほかに 塩基性アミノ酸に加えプロリンとチロシンも含む PY-NLS モチーフや 核内のタンパク質 及びウイルス由来のタンパク質に特異的な NLS 配列 [7] 一次配列上では分散していた塩基性アミノ酸がタンパク質として三次構造をとった時に集合して NLS の役割を果たす散在性 NLS も報告されている [8] ROCK2 は核に存在することは前述したが ROCK2 の配列中に NLS の配列や NLS と類似の配列は存在しない そこで 本研究では ROCK2 と相同性の高い ROCK1 の核移行メカニズムの解析を目的としたプラスミドの構築を行った 3

7 2. 実験 2.1. 材料 大腸菌株 形質転換には DH5α (Invitrogen,USA) を用いた プラスミド Homo sapiens ROCK1 ORF 全長を含むプラスミドである GC-Q0129 は Gene Copoeia (USA) より購入した プライマー Gateway システム及び sequencing に用いるプライマーは Invitrogen (USA) に合 成を依頼した ベクター pdonr221 (Invitrogen USA) pcdna-dest47 (Invitrogen USA) を使用した 制限酵素 StuⅠ EcoRⅠ HpaⅠ BspEⅠ PstⅠ XhoⅠ NdeⅠ SpeⅠ はタカラバイ オ ( 滋賀 ) より購入したものを使用した 培養液使用した主な培養液の組成を以下に示す LB 培地 :1% (w/v) bactotryptone,0.5% (w/v) bacto yeast extract,1% (w/v) NaCl SOC 培地 :1% (w/v) bactotryptone,0.25% (w/v) bacto yeast extract,0.025% (w/v) NaCl, 2.5 mm KCl,10 mm MgCl2,20 mm glucose TE:10 mm Tris-HCl (ph 8.0), 1 mm EDTA (ph 8.0) 4

8 LB 培地には 必要に応じて Ampicillin (Amp) の場合終濃度 0.01% となるように Kanamycin (Kana) の場合終濃度 0.02% となるようにそれぞれ加えた また 平板培 地として用いる場合にはさらに 1.5 % (w/v) の Agar Powder を加えた 2.2. 実験操作 プラスミドの作成 Gateway システムの利用 Gateway システムは 目的遺伝子を持つエントリークローンを構築すれば 部位特異的な組み換え反応を利用して 目的遺伝子をさまざまな Gateway 対応の発現ベクター ( ディスティネーションベクター ) に移入することが可能であり タグの導入も容易に行うことが可能といった特徴をもつ 特に 制限酵素やリガーゼを用いずに部位特異的な組み換え反応 (attb x attp attl x attr) を利用しているため 制限酵素によるクローニングの制限をうけることがない (Fig. 3) 本研究では 最終的に発現クローンを標識タグと融合させて 哺乳動物細胞に発現させることを想定しているため 発現クローンを効率的に構築することが可能な Gateway システムを用いることとした Fig. 3 Gateway システムの流れ 両端に attb 配列を付加した遺伝子を 部位特異的な組み換え反応である BP 反応と LR 反応によって 目的に合わせたベクターへ移入できる 5

9 プライマーの設計 ROCK1 の一部欠損型変異体を作製するために Gateway システムに対応するプライマーを設計した 末端に attb 配列を付加し attb1_h_rock1_ _fw attb2_h_rock1_ _rv はそれぞれ ROCK1 ORF の 1243~1263 塩基 4065 ~4042 塩基とアニーリングするように設計した また同様に 末端に attb 配列を付加し attb1_h_rock1_ _fw attb2_h_rock1_ _rv はそれぞれ ROCK1 ORF の 2800~2823 塩基 4065~4042 塩基とアニーリングするように attb1_h_rock1_1-24_fw attb2_h_rock1_ _rv はそれぞれ ROCK1 ORF の 1~24 塩基 1263~1243 塩基とアニーリングするように設計した Table 1 設計したプライマーの名称と配列 名称 attb1_h_rock1_ _fw 塩基配列 (5' 3') GGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCT ATATGAGAACTAGCTCCAATGCAGAT attb2_h_rock1_ _rv GGGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGT CGTAACTAGTTTTTCCAGATGTATT attb1_h_rock1_ _fw GGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCT CCATGAAAGATCACACTGTTAGTCGGCTT attb1_h_rock1_1-24_fw GGGGACAAGTTTGTACAAAAAAGCAGGCT CCATGTCGACTGGGGACAGTTTTGAG attb2_h_rock1_ _rv GGGGACCACTTTGTACAAGAAAGCTGGGT CATCTGCATTGGAGCTAGTTCT 6

10 PCR 今回の実験では KOD-Plus-Neo (TOYOBO) を用いて PCR を行った 氷上で 10 Buffer for KOD-Plus-Neo 5 μl 2mM dntps 5 μl 25mM MgSO4 3 μl プライマーとして 5 pmol/μl の attb1_h_rock1_ _fw attb1_h_rock1_ _rv attb1_h_rock1_ _fw attb1_h_rock1_ _rv attb1_h_rock1_1-24_fw attb1_h_rock1_ _rv のうち対応するプライマーをそれぞれ 3 μl 鋳型 DNA として GC-Q ng/50 μl KOD-Plus-Neo 1 μl dh2o 24 μl DMSO 1 μl を混和し Predenature を行った後 Denature Annealing Extension の 3 つの段階を繰り返し 45 サイクル行った (Table 2) Table 2 PCR の条件 反応 Predenature Denature Annealing Extension 温度 時間 94 2 分 秒 秒 秒 45 cycle BP 反応 ROCK1 ( ) nonstop ROCK1 (1-1263) nonstop については 1.5 ml チューブに PCR 産物 20 fmol/l pdonr 221 vector を 1 μl を加えて混和し ROCK1 ( ) nonstop については 1.5 ml チューブに PCR 産物 20 fmol/μl pdonr 221 vector を 1 μl TE Buffer (up to 8 μl ) を加えて混和し さらに氷上で溶解させた BP ClonaseⅡ enzyme mix を 2 μl 加えて 25 で 1 時間静置した ここに Proteinase K を 1 μl 加え 37 で 10 分間静置した 7

11 LR 反応タグとして C 末端側に GFP を導入できる pcdna-dest47 用いて LR 反応を行った ROCK1 ( ) nonstop/pdonr221 はプラスミド溶液 0.53 μl pcdna-dest47 1 μl TE Buffer 6.47 μl を混和し 氷上で溶解した LR Clonase Ⅱ enzyme (Invitrogen) を 2 µl 加えて 25 で 3 時間静置し ここに Proteinase K を 1 μl 加え 37 で 10 分間静置した ROCK1 (1-1263) nonstop/pdonr221 の場合はプラスミド溶液 2.4 μl pcdna-dest47 1 μl TE Buffer 4.6 μl を混和し 以降は ROCK1 ( ) nonstop/pdonr221 と同様の手順で LR 反応を行った 形質転換氷上で溶解させたコンピテントセル DH5α 50 μl に BP 反応液または LR 反応液 1 μl を加え 軽く混和した後 30 分間氷上で静置する その後 42 の温浴で 30 秒間加温し すぐに 2 分間氷上で冷却した この液に溶解しておいた SOC 培地 250 μl を加え rpm で 1 時間振盪培養した 培養液を 1 分間遠心分離し 上清を 200 μl 捨て 残液を再懸濁した この懸濁液を LB (Amp + ) または LB (Kana + ) 平地培地にプレーティングして 37 で一晩培養させコロニーを形成させた 培養 一晩静置して形成したコロニーを爪楊枝で取り LB (Amp + ) または LB (Kana + ) 液体培地 2 ml にコロニーを懸濁して rpm で一晩振盪培養した プラスミドの精製 プラスミドは QIAprep mini Spin Column (QIAGEN) 又は Hispeed Plasmid Midi Kit (QIAGEN) を用いて精製した 制限酵素処理精製したプラスミドに EcoRⅠ PstⅠ XhoⅠの場合 10 H Buffer Spe I の場合 10 M Buffer BspEⅠの場合 10 3 Buffer をそれぞれ 1.0 μl 制限酵素 0.5 μl dh2o を加え全量 10 μl にしたものを 37 で 1 時間静置した 8

12 アガロースゲル電気泳動電気泳動に使用するゲルは 1 TAE 50 ml に 1% の Agarose-ME を溶解し固めたものを使用した 制限酵素処理後のプラスミドに 10 Loading Buffer を加えたものを泳動した その後 エチジウムブロマイド溶液 (10 mg/ml) にゲルを入れ 振盪させながら染色した Sequencing プラスミドの塩基配列決定は ファスマック ( 神奈川 ) に委託した 9

13 3. 結果 3.1. PCR ROCK1 ( ) を構築するために attb1 配列を含むプライマーである attb1_h_rock1_ _fw attb2 配列を含むプライマーである attb2_h_rock1_ _rv を用い ROCK1 ( ) を構築するために attb1 配列を含むプライマーである attb1_h_rock1_ _fw attb2 配列を含むプライマーである attb2_h_rock1_ _rv を用い ROCK1 (1-421) を構築するために attb1 配列を含むプライマーである attb1_h_rock1_1-24_fw attb2 配列を含むプライマーである attb2_h_rock1_ _rv を用いて Homo sapiens ROCK1 ORF 全長を含むプラスミドである GC-Q0129 (Gene Copoeia (USA)) を鋳型 DNA として PCR を行った (Fig. 4) PCR 産物をアガロースゲル電気泳動で確認した結果 目的とする ROCK1 ( ) ROCK1 ( ) ROCK1 (1-421) 遺伝子が増幅されていると考えた (Fig. 5) Fig. 4 PCR で用いたプライマーの位置と PCR 産物 1 attb1_hrock1 ( ) nonstop_attb2:homo sapiens ROCK1 の RBD ドメインから C 末端を発現し ストップコドンを含まない 2 attb1_hrock1 ( ) nonstop_attb2:homo sapiens ROCK1 の PH ドメインから C 末端を発現し ストップコドンを含まない 3 attb1_hrock1 (1-421) nonstop_attb2:homo sapiens ROCK1 の N 末端から Coiled-coil Domain の前までを発現し ストップコドンを含まない 10

14 Fig.5 PCR 産物の電気泳動 作製した ROCK1 ( ) (1) は理論上約 1.2 kbp ROCK1 ( ) (2) は理論上約 0.8 kbp ROCK1 (1-421) (3) は理論上約 1.2 kbp であり それぞれの長さにバンドを確認することができた M:100 bp DNA Ladder 11

15 3.2. BP 反応 ROCK1 ( ) /pdonr221 ROCK1 ( ) /pdonr221 ROCK1 (1-421) /pdonr221 エントリークローンの構築をするために PCR 産物 ROCK1 ( ) ROCK1 ( ) ROCK1 (1-421) と ドナーベクター pdonr221 を用いて BP 反応を行った (Fig. 6) 作製したプラスミドを BspEⅠ 及び PstⅠで制限酵素処理を行った 目的のプラスミドが構築できている場合それぞれの全長である 3.8 kbp 3.3 kbp 3.8 kbp の断片が予想された (Fig.7A,7B,7C) アガロースゲル電気泳動の結果 理論上のサイズである 3.8 kbp 3.3 kbp 3.8 kbp がそれぞれ確認された (Fig. 7A,7B,7C) Fig. 6 BP 反応 PCR 産物とドナーベクター pdonr221 を用いて BP 反応を行った 12

16 A D B E C F Fig. 7 BP 反応産物の制限酵素による切断部位作製したプラスミド (A) を BspEⅠで制限酵素処理を行った 目的のプラスミドが構築されている場合 全長である 3.8 kbp の断片が確認される アガロース電気泳動の結果 理論上の断片サイズである 3.8 kbp がサンプル 1 3 より確認された (D) 作製したプラスミド (B) を BspEⅠで制限酵素処理を行った 目的のプラスミドが構築されている場合 全長である 3.3 kbp の断片が確認される アガロース電気泳動の結果 理論上の断片サイズである 3.3 kbp が全てのサンプルより確認された (E) 作製したプラスミド (C) を PstⅠで制限酵素処理を行った 目的のプラスミドが構築されている場合 全長である 3.8 kbp の断片が確認される アガロース電気泳動の結果 理論上の断片サイズである 3.8 kbp がサンプル 1 2 より確認された (F) M:1 kbp DNA Ladder 13

17 構築したプラスミドを sequencing した結果 ROCK1( ) /pdonr221 ROCK1 (1-421) /pdonr221 については変異が見られなかったため BP 反応により目的のプラスミドの構築ができたと判断した 一方で ROCK1 ( ) /pdonr221 については C N 末端側に変異は見られなかったが 間の配列の一塩基が読み取れなかった そのため 読み取れなかった配列を確認するために h_rock1_ _fw h_rock1_ _rv を設計し 再度 sequencing を行ったが うまく読み取ることができなかった 14

18 3.3. LR 反応構築した ROCK1 ( ) /pdonr221 ROCK1 (1-421) /pdonr221 と ディスティネーションベクター pcdna-dest47 を用いて LR 反応 (Fig. 8) を行い ROCK1 ( ) /pcdna-dest47 ROCK1 (1-421) /pcdna-dest47 の構築を行った ROCK1 ( ) /pcdna-dest47 ROCK1 (1-421) /pcdna-dest47 プラスミドを XhoⅠ SpeⅠ 又は EcoRⅠ PstⅠで制限酵素処理を行った 目的のプラスミドが構築できている場合それぞれの全長である 6.9 kbp または 7.3 kbp 2cut では 1.5 kbp 5.4 kbp または 1.8 kbp 5.6 kbp の断片が予想された (Fig. 9A,9B) アガロースゲル電気泳動の結果 ROCK1 ( ) /pcdna-dest47 は理論上のサイズである 6.9 kbp 1.5 kbp 5.4 kbp が確認された (Fig. 9A) しかし ROCK1 (1-421) /pcdna-dest47 については 理論上の断片が確認されなかった (Fig. 9B) Fig.8 LR 反応 ROCK1 ( ) /pcdna-dest47 ROCK1 (1-421) /pcdna-dest47 の構築を行うため 作製したエントリークローンをディスティネーションベクター pcdna-dest47 に組み込ませ LR 反応を行った 15

19 A C b B D Fig. 9 LR 反応産物の制限酵素による切断部位作製したプラスミド (A) を XhoⅠ SpeⅠで制限酵素処理を行った 目的のプラスミドが構築されている場合 1 ヵ所で切断する XhoⅠで処理したサンプルでは全長である 6.9 kbp の断片が確認され 2 ヵ所で切断する SpeⅠで処理したサンプルでは 1.5 kbp と 5.4 kbp の断片が確 認される アガロース電気泳動の結果 目的のサイズの断片が全てのサンプルより確認された (C) 作製したプラスミド (B) を EcoRⅠ PstⅠで制限酵素処理を行った 目的のプラスミドが構築されている場合 1 ヵ所で切断する EcoRⅠで処理したサンプルでは全長である 7.3 kbp の断片が確認され 2 ヵ所で切断する PstⅠで処理したサンプルでは 1.8 kbp と 5.6 kbp の断片が確認される アガロース電気泳動の結果 目的のサイズの断片が確認されなかった (D) 16

20 4. おわりに設計したプライマーから作製した PCR 産物を用いて電気泳動した結果 目的の ROCK1 ( ) ROCK1 ( ) ROCK1 (1-421) が得られた その後 BP 反応によりできた生成物の sequencing を行ったところ ROCK1 ( ) /pdonr221 ROCK1 (1-421) /pdonr221 については変異が見られず 読み取れていたので エントリークローンを構築することに成功したと考えられる 構築したエントリークローン ROCK1 ( ) /pdonr221 ROCK1 (1-421) /pdonr221 を用いて C 末端に GFP タグが組み込まれたディスティネーションベクター pcdna-dest47 で LR 反応を行ったところ 発現クローン ROCK1 ( ) /pcdna-dest47 を構築することに成功したと考えられる その発現クローンを用いて核移行について調べる予定である また ROCK1 (1-421) /pcdna-dest47 については再度発現クローンの構築を試みる予定である 今後 Gateway システムを利用して他の ROCK1 欠損変異体を作製し その結果を比較することで ROCK1 の核移行に関わる領域の特定が可能になるのではないかと考えられる 17

21 謝辞 本卒業研究の終わりに 随時有益なご助言とご指導を賜りました新潟薬科大学薬学部薬品製造学研究室北川幸己教授に心より感謝申し上げます 本卒業研究を進めるにあたり 直接のご指導とご鞭撻を賜りました新潟薬科大学薬学部薬品製造学研究室浅田真一助教に深く感謝申し上げます 本卒業研究を進めるにあたり 実験操作の丁寧なご指導を賜りました新潟薬科大学薬学部薬品製造学研究室大学院生吉原博夢氏 頓所さやか氏に深く感謝申し上げます 本卒業研究を進めるにあたり 実験操作の丁寧なご指導を賜りました新潟薬科大学薬学部薬品製造学研究室卒業生平岡詩織氏に深く感謝申し上げます 本卒業研究を進めるにあたり 実験操作にご協力頂きました新潟薬科大学薬学部薬品製造学研究室捧翔哉氏に深く感謝申し上げます 最後に 本卒業研究を進めるにあたり 多大なるご協力をいただきました研究室の皆様に感謝申し上げます 18

22 引用文献 1. Kawano Y., Yoshimura T., Kaibuchi K., Folia Pharmacol.Jpn., 120, (2002). 2. Hattori S., シグナル伝達がわかる, (2001). 3. Tahara S., Shimomura H., YAKUGAKUZASSHI, 127(3), (2007). 4. Tanaka T., Nishimura D., Wu RC. Amano M. Iso T.et al., J. Biol. Chem., 281, (2006). 5. 山田優希, 平成 23 年度新潟薬科大学薬学部卒業論文 Ⅱ, (2011) 6. Ishizaki T., Folia Pharmacol. Jpn.121, (2003) 7. Maclane L.M., Corbett A.H., IUBMB Life, 61, (2009). 8. Hatayama M., Tomizawa T., Sakai-Kato K., Patrice B.,Kose S., Imamoto N., Yokoyama S., Utsunomiya-Tate N., Mikoshiba K., Kigawa T., Aruga J., Hum. Mol. Genet., 17, 22, (2008) 19

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