第11回 化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウム 発表資料

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1 平成 20 年度 化学物質の環境リスクに関する国際シンポジウム 免疫 アレルギー系の制御機構 Regulatory Mechanisms of the Immune System and Allergic Diseases 東京大学医科学研究所ヒト疾患モデル研究センター岩倉洋一郎 Center for Experimental Medicine, Institute of Medical Science, University of Tokyo Yoichiro Iwakura

2 喘息 アレルギーの原因 Causes for asthma and allergic rhinitis 無害な物質に免疫反応を起こす Allergic response is induced against innocuous antigens 症候群抗原侵入経路反応 アレルギー性鼻炎 花粉 ハウスダスト 吸入 不快感 気管支喘息 ネコ上皮花粉ハウスダスト 吸入 器官収縮炎症 Immunobiology 5 th

3 I 型アレルギーの発症メカニズム Mechanism of the development of type I allergic disease 再暴露 Re-exposure アレルギー発症 Allergic response 感作 Sensitization IgE 脱顆粒 Degranulation T 細胞 (Th2) T cell(th2) B 細胞 B cell IgE 産生 IgE production 肥満細胞 Mast cell ヒスタミン ロイコトリエンなど Histamine, Leukotriene, etc

4 シックハウス症候群 Sick House Syndorome 健康障害 Health Disorder 室内空気汚染 Indoor Air Pollution 有機溶剤 Organic Solvent 防腐剤 Antiseptic Agent 揮発性有機化合物 Volatile Organic Compounds カビなど Fungi etc.. 喘息 アレルギー Asthma, Allergy 倦怠感 Fatigue めまい Dizziness 頭痛 Cephalalgia のどの痛み Throat Pain

5 化学物質の免疫システムに及ぼす影響 The effects of chemicals on the immune system 細胞毒性を有する場合 Toxicity on the immune system 免疫担当細胞の機能を撹乱 修飾するもの Modification of the immune system ( ホルムアルデヒド ダイオキシンなど ) (Formaldehyde, Dioxin etc. ) 蛋白質と結合することにより 新たな抗原性を獲得する場合 Haptens that conjugate with endogenous proteins ( ウルシオール TNCB など ) (Urushiol, TNCB etc.)

6 接触型過敏症 Contact Hypersensitivity (CHS) うるしかぶれ Lacquer poisoning 化学修飾された自己蛋白質が異物として認識され免疫応答が引き起こされる Immunobiology,5th edition より Hapten-conjugated endogenous proteins behave as new antigens

7 喘息やアレルギーは免疫の過剰反応 Asthma and allergic diseases are caused by excess immune responses 本来なら無害な物質に対する免疫の過剰な反応 Excess immune responses against intrinsically harmless molecules. 病原体に対する反応と基本的には同じ Basically same response as that is induced by pathogens. T 細胞や B 細胞 抗原提示細胞などが関与 Involvement of T-cells, B-cells, and APCs (antigen presentation cells). 化学物質の場合 蛋白質に対する反応性や免疫修飾能が問題 Protein- and immune-modification activity are related to their allergenicity. 抗原提示細胞 (APC) ランゲルハンス細胞 (LC) 樹状細胞 (DC) T 細胞 (T cell) B 細胞 (B cell)

8 免疫の仕組みは組織的 Immune system is highly organized ランゲルハンス細胞 LC T 細胞 T cell B 細胞 B cell 樹状細胞 DC 提示された抗原を認識して活性化 サイトカインを分泌して他の細胞を動員する マクロファージ Macrophage 異物を見つけて取り込み T 細胞に提示 ( 情報伝達 ) する 好中球 Neutrophil

9 サイトカインは細胞間コミュニケーションを仲介する物質 Cytokines mediate cell-cell communication 可溶性因子 Soluble Factors (Cytokines) IL-1 IL-6 IL-17 IL-23 TGF-β IFN TNF Chemokines 産生細胞が異なる Specific producer cells 独自の役割を持つ Unique functions Neutrophiles B cells 細胞接着因子 Cell Adhesion Molecules Integrin Cadhelins Macrophages 免疫応答には可溶性因子 ( サイトカイン ) や細胞接着因子を介した情報交換が必要 Cell-cell communication through cytokines and cell adhesion molecules is crucial for immune responses

10 接触型過敏症 (CHS) のメカニズム ( 感作期 ) Contact Hypersensitivity Response (sensitization phase) ランゲルハンス細胞に抗原 ( 化学物質で修飾された蛋白質など ) よるT 細胞の活性化 Antigens (Hapten-conjugated proteins etc..) T cell activation by Langerhans cells 皮膚記憶 T 細胞の形成 Skin Generation of memory T cells 皮膚樹状細胞 ( ランゲルハンス細胞 ) が抗原を認識 抗原の取り込み T Recognition and uptake of antigens by Langerhans cells リンパ節へ遊走 Homing to lymph nodes リンパ節 Lymph node サイトカイン Cytokine

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