土木学会論文集 B3( 海洋開発 Vol. ), 73, No. 2, I_390-I_395, 地盤の密度の違いによる開端杭の先端支持力発現機構の変化 神戸泉慧 1 菊池喜昭 2 兵動太一 3 大久保政則 4 小野澤健作 4 1 東京理科大学大学院理工学研究科土木工学専攻 ( 278-

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1 地盤の密度の違いによる開端杭の先端支持力発現機構の変化 神戸泉慧 1 菊池喜昭 2 兵動太一 3 大久保政則 4 小野澤健作 4 1 東京理科大学大学院理工学研究科土木工学専攻 ( 千葉県野田市山崎 2641) @ed.tus.ac.jp 2 フェロー会員東京理科大学教授理工学部土木工学科 ( 千葉県野田市山崎 2641) kikuchi_y@rs.tus.ac.jp 3 正会員東京理科大学助教理工学部土木工学科 ( 千葉県野田市山崎 2641) 4 東京理科大学理工学部土木工学科 ( 千葉県野田市山崎 2641) 港湾の杭基礎を用いた構造物では, 施設の大型化や構造形式の変化に伴い, 杭に大きな支持力が期待され, 杭の長尺 大径化が進んでいる. ところが, 開端杭の閉塞の問題と深度に依存する杭の支持力評価の問題が複雑に絡み合っているため, 長尺 大径化した開端杭の支持力評価方法には課題が残っている. そこで, 本研究では開端杭の閉塞メカニズムを検討するために杭先端部の肉厚とその部分の長さを変えた模型杭を相対密度の違う地盤に貫入する実験を行った. 実験結果から, 杭内部の土圧係数 Kh と杭内土の杭内壁面との摩擦係数 の積 Kh を推定し, 杭内土の鉛直土圧分布を推定した結果, 地盤の密度によらず, 内周面摩擦力は杭先端付近ほど大きく, 杭軸上方にいくほど急激に小さくなることが分かった. Key Words : Open ended piles, Relative density, Inner friction, Inner soil height, Coefficient of earth pressure 1. はじめに 港湾の施設の技術上の基準 同解説 ( 国土交通省港 湾局監修 ) 1) ( 以下, 港湾基準 ) では, 杭の先端支持力 は R=3NA p により求めている. ここに,R は杭の先端支 持力 (kn),n は杭先端と上方 4D 区間 (D: 杭径 ) の平均 N 値,A p は杭先端の断面積 (m 2 ) である. この式は閉端杭の ものであり, 先端が閉塞しない開端杭の場合には利用できない. そこで, 開端杭の設計では, 閉塞率 = R open R close なる補正係数を乗じている. すなわち, 開端杭では R= 3NA p により杭の先端支持力を求めている. ここ に,Ropen は開端杭の全先端支持力,Rclose は閉端杭の全先 端支持力である. 近年の施工技術の向上などによる施設の大型化や構 造形式の変化に伴い, 鋼管杭には大きな支持力が期待さ れるようになっている. このため大口径で長尺の鋼管杭 が多く用いられ, 杭一本の先端支持力を精度良く推定す ることが求められている. しかし, 根入れ深度が深くな るほど杭の支持力が増大する傾向にあり, 杭が大口径に なるほど閉塞率が小さくなるという一般的な傾向の 2 つ の要素が閉塞率 に混在しているため,R= 3NA p を 大径長尺杭に適用したときの閉塞率 の考え方が分かり にくくなっている. ところで, 建築学会の基準 2) では, 開端杭の先端抵抗 は杭の実質部の先端抵抗力 Rp と, 杭の内部に侵入した土 と杭内周面との間の抵抗力 RfI によるものであるとして, R open =R p +R fi のように表すことができるとしており, = R open R close = (R p +R fi ) R close を閉塞効率と呼んでいる. しかし, 開端杭の閉塞メカニズムが明確に把握できて いないため内周面摩擦による抵抗の推定が難しく, 閉塞 効率を推定する手法が実務では取り入れられていない. 開端杭の閉塞現象の見方としては, 閉塞効率のように 支持力の観点から閉塞現象を見るものと, 杭内部に土に よる栓 ( プラグ ) ができるものとして, 栓ができること によって土が杭内部に貫入しにくくなる現象をもって閉 塞とする 2 つのものがある. 本研究では, 支持力の観点か ら閉塞状況のことを判断するものを閉塞効果と呼び, 栓 を形成するという観点の現象のことを閉塞現象と呼ぶこ とにする. 本研究では, 地盤の密度条件等が異なるときに閉塞効 果と閉塞現象がどのように生じているのかを調べた. ま た, 閉塞効果の観点から, 内周面摩擦力の発現に着目し た検討を行い, 内周面摩擦力分布を推定した. I_39

2 2. 実験概要 本研究では, 内径 3 cmの土槽に層厚 27 cmとなるように乾燥砂地盤を作製し, 貫入速度 5 mm/min で模型杭の静的貫入実験を行った. 地盤に用いた試料は珪砂 5 号 ( 土粒子密度 s=2.666 g/cm 3, 最大乾燥密度 dmax =1.579 g/cm 3, 最小乾燥密度 dmin =1.293 g/cm 3, 平均粒径 D5=.59 mm) で, 相対密度 Dr=,8 % の地盤を空中落下法で作製した. 使用した模型杭は図 -1のように, 杭上部の肉厚が杭先端部より薄い構造で, 杭先端部の肉厚が相対的に厚くなっている部分の長さ lを変えて杭の内周面摩擦が発現する範囲の制御を試みている. ここで用いた杭は外径 Dが 5 mmのものであり, 閉端杭と開端杭 ( 肉厚 t=1,2,3, 4 mm(t=4 mmのみttop=2 mm, 他はttop=1 mm) の4 種類, 肉厚が相対的に厚くなっている部分の長さ l=1 ~ 38 mmまで5 種類 (t=1 mmのみl=38 mmの1 種類 ) の計 16 種類 ) を用いた. また今回用いた杭の内空面積比 ( 杭の全断面積 ( 外径に対する断面積 ) に対する中空部分の断面積の比率 ) はt=1 mm,t=2 mm,t=3 mm,t=4 mmの杭のそれぞれで.922,.846,.774,.76 となっている. また, 本実験では杭内に貫入した土の挙動を知るために, 貫入 mmごとに杭の載荷を止めて杭内土長 hを計測した. 支持力理論を踏まえると, 実質部の先端抵抗力に対しては土被り圧とせん断抵抗角が, 内周面摩擦力に対しては, 杭径, せん断抵抗角, 土被り圧, ダイレータンシー特性, 壁面摩擦角, 杭径に対する土粒子径の比が支配的パラメータであると考えられる. これらのすべての相似率を同時に満足させることはできないので, 本研究における小型模型実験の結果を直接実務に適用することは難しいと考えられるが, 小型実験の結果から, 一般性を見出すことのできる現象が全くないわけではない. 本稿では, 小型模型実験の結果から, 一般性のある事象を見出そうとするものである. 摩擦角 d をそれぞれ d=3,4 として貫入量 1 mm( 杭 径の 2 倍 ) のときの杭の外周面摩擦力 R f を算出した結果, = % の場合は最大で 6.5 N,=8 % の場合は 1 N 程 度となった. 図 -2, 図 -3 の結果からも分かるように, 本 研究では外周面摩擦力の全抵抗に及ぼす影響はほとんど のケースで極めて小さいので, 実験結果の整理にあたり 外周面摩擦力による抵抗を無視した. なお, 内空面積比.922(t=1 mm) の杭を = % の地盤に貫入したケースは 外周面摩擦の全貫入抵抗に占める割合が最大で 2 割程度 となっており, 他の杭と比較すると外周面摩擦の影響が 大きいが, 今回は外周面摩擦力による抵抗を無視して整 図 -1 貫入中の模型杭の断面図 Dr=%, l=38mm Penetration resistance, R (N) D=5 mm, l=38mm, = % h t top t l D=5 z L=38 単位 :mm close ended pile 3. 実験結果 (1) 杭の先端抵抗力について図 -2, 図 -3 に, 閉端杭と内空面積比.76 ~.922(t=1 ~ 4 mm),l=38 mm の開端杭を =,8 % の地盤に貫入した際の貫入抵抗と貫入量の関係を示す. はじめに, 外周面摩擦力が貫入抵抗に及ぼす影響について検討する. ある貫入量 z における杭の外周面摩擦力 R f は,R f =(1/2) D K t z 2 のように表すことができる. ここで,D: 杭径, : 砂と杭壁面における摩擦係数, K: 静止土圧係数である. が = tan ( =(4/5) d) より求まるものとし,K=.5 を仮定すると, =,8 % の砂の内部 図 -2 貫入抵抗 R と貫入量 z の関係 (Dr= %) Dr=8%, l=38mm Penetration resistance, R (N) D=5 mm, l=38mm, =8 % close ended pile 図 -3 貫入抵抗 R と貫入量 z の関係 (Dr=8 %) I_391

3 理した結果を載せる. 図 -2 を見ると,= % の場合はいずれの貫入量においても閉端杭の貫入抵抗のほうが開端杭のものよりも大きくなっている. 図 -3 を見ると,=8 % の場合は内空面積比.76(t=4 mm) の杭のみ z=7 mm 付近から閉端杭よりも開端杭の貫入抵抗の方が大きくなっている. これは, このサイズの模型杭の貫入実験では, 杭の貫入抵抗にある程度のばらつきが生じることが原因であると考えている. また, いずれの種類の杭であっても =8 % の方が = % の場合に比べて貫入抵抗は大きいことが分かる. (2) 杭内土長について図 -4 に杭内部の杭内土長 h と貫入量 z の結果を示す. h= z のとき完全非閉塞であり, 閉塞してくると杭内土長の増加率 h/ z が減少していく. いずれの内空面積比の杭においても, 相対密度が低い方が, 貫入深度が浅い位置で h/ z が減少していき, 杭内土長が短くなることが分かる. また内空面積比が小さな ( 肉厚が厚い ) 杭ほど, 浅い貫入で h/ z が減少していく.=8 % の場合, いずれの杭においても貫入量 z=5 mm 付近までは貫入量より杭内土長の方が大きくなっていた. 特に, 内空面積比.922(t=1 mm),.846(t=2 mm) の杭の場合はいずれの貫入深度においても貫入量より杭内土長の方が大きくなっている. これには少なくとも 2 つの要因が考えられる. 1 つは杭内に入ってから土がダイレートすること, もう 1 つは杭より下方の土のうち, 杭の内周面の外側からも多少土が貫入してくることである. (3) 閉塞について 1. でも述べたように, 本論文では開端杭の閉塞状況について, 貫入抵抗から見た閉塞効果と, 貫入によって杭内部に侵入する土の高さ h と貫入量 z の関係性から杭内土が栓 ( プラグ ) を形成したかどうかという閉塞現象の 2 つの観点から閉塞を判断している. 閉塞効果については, 閉塞率 を用いて評価する. 閉塞現象については, D=5mm Inner soil height, h (mm) 実線黒塗り : =8% 5 点線白抜き : =% 式 IFR=dh/dz で表される杭内土長増加率 IFR を用いる. IFR は IFR=1 のとき完全非閉塞,<IFR<1 のとき部分閉塞,IFR= のとき完全閉塞となる. しかし, 閉塞率 は =1 のとき完全閉塞,< <1 のとき部分閉塞, = のとき完全非閉塞となる. よって両者の関係性を明確にするために閉塞現象については IFR * =1-IFR=1-dh/dz で評価する. こうすることで,IFR * =1 のとき完全閉塞,<IFR * <1 のとき部分閉塞,IFR * = のとき完全非閉塞となる. 図 -5 は閉塞率 と貫入量 z の関係であり, 閉塞効果を示している. 図 -6 は IFR * と貫入量 z の関係であり, 杭内土長による閉塞現象を示している. 図 -5 の閉塞率 の値は, ほとんどのケースで杭の貫入量 z が7 mm を超えるとおおむね一定の値となることが分かる. ただし, 内空面積比.76(t=4 mm) の杭を = % の地盤に貫入したケースのみ, は z=17 mm 付近まで増加した. =8 % の場合の の値は 1 を超えているが, これは 3.(1) で述べたように内空面積比.76(t=4 mm) の杭の貫入抵抗が閉端杭のものよりも大きく測定されたためである. なお内空面積比.922(t=1 mm) の杭を = % の地盤に貫入したケースは外周面摩擦力の影響を考慮すると, を 2 割ほど過大評価していると考えられる. 図 -6 を見ると, 内空面積比.922(t=1 mm),.846(t=2 D=5mm =8% D 5 r =% 図 -5 閉塞率 と貫入量 z の関係 IFR * 実線黒塗り : =8% 5 点線白抜き : =% 1 15 t=1 mm, l=38 mm t=2 mm, l=38 mm t=4 mm, l=38 mm t=3 mm, l=38 mm 2 図 -4 杭内土高さ h と貫入量 z の関係 図 -6 IFR * と貫入量 z の関係 I_392

4 IFR * (%) 図 -8 相対密度 Dr と閉塞率 の関係 (%) 図 -9 相対密度 Dr と IFR * の関係 mm) の杭の場合,=8 % では IFR * はほぼ を下回って いた. これは図 -4 でも述べたように, 杭内土長の増加量 が貫入量の増加量を上回っていることを意味している. 閉塞率 および IFR * について, 相対密度による違いを より詳細に検討するために, 貫入量 z = mm における 相対密度による および IFR * の変化を図 -8 と図 -9 に示し た. また, 図 -8 と図 -9 には倉科ら 3) が本研究と同様の実 験条件で, 相対密度 =3,6 % で行った実験の結果も 示した. 図 -8 を見ると, 内空面積比が小さい ( 肉厚が厚 い ) 杭ほど が大きい傾向にある. また, 内空面積比の 大きい ( 肉厚の薄い ) 杭では, 相対密度による の違い はほとんど見られず, 内空面積比が小さくなると相対密 度の増加と共に が大きくなる傾向にある. これより, 内空面積比の小さい杭ではある程度大きな閉塞効果が得 られ, また相対密度が大きい方が閉塞効果の発現が顕著 であると考えられる. 一方, 内空面積比の大きい杭では 閉塞効果はほとんど得られず, 相対密度による閉塞効果 の差もほとんどないと考えられる. 図 -9 を見ると,IFR * も と同様に内空面積比が小さい 杭ほど値が大きくなる傾向にある. 一方で, 相対密度が 大きくなるほど IFR * の値は小さくなる傾向にある. 相対 密度による IFR * の差が最も顕著に見られるのは内空面積 比.76(t=4 mm) の杭の場合であった. 以上のように, 閉 IFR * = % : :. : : 図 -1 IFR * と閉塞率 の 関係 塞現象は相対密度の低い地盤で発現しやすく, 内空面積 比が小さい杭でより顕著に閉塞現象が見られた. 先に述べた と IFR * を併せて考えると, 閉塞現象と閉 塞効果の関係はやや複雑である. そこで, 閉塞率 と IFR * がどのような関係にあるかを確認するために, 貫入量 z= mm における両者の関係を図 -1 にまとめた. 図中の点線は と IFR * が完全に 1 対 1 で対応する場合 のものである. これを見ると, 内空面積比によらず = % の場合が最も 1 対 1 の関係に近く,=8 % の場 合が最も 1 対 1 の関係から離れており,IFR * に対して の方が大きな値をとっていることが分かる. 実験終了後 に, 杭内土を採取して質量を測定し, 乾燥密度を算出し た. その結果, 相対密度が大きい場合, 杭内土は元の地 盤から膨張していることが分かった.IFR * の値は閉塞現 象そのものだけでなく, このような体積変化の影響も受 けているが, が大きくなるにつれて の増加に比べて IFR * の増加が小さくなるのは, それだけダイレータンシ ーを抑える効果が生じているからではないかと考えられ る. いずれにしても,IFR * はあくまで見かけ上の閉塞現 象の評価パラメータであり, 地盤の条件が異なっても, 閉塞率と 1 対 1 の関係にあるわけではない. (4) 杭内部の鉛直土圧 山原の提案した仮定 4),5) を用いると, 貫入量 z=i(i は任 意の値 ) のときの杭先端から軸方向に x 上がったところ の杭内部の鉛直土圧 v は, 式 (1) のように表される. v = ( R fi,z=i + t D in ) exp (-4 K A in 4 K h h x ) - t D in (1) D in 4 K h ここで, 内周面摩擦力 R fi,z=i は, 本研究では, 実測値よ り以下の方法により推定したものである. すなわち, 開 端杭の先端抵抗 R open, z=i から開端杭の実質部抵抗 R p, z=i を 差し引いたものである. なお, 開端杭の実質部抵抗 R p, z=i は, 閉端杭の貫入実験より得られた先端抵抗 R close, z=i から I_393

5 杭先端からの距離 x Distance from the pile tip, x (mm) 杭 1 杭 2 杭 3 σ v = 土被り圧 杭内土長 h σ v = 土被り圧 σ v = μk h3 R fi /A in 1, =%, =8%, =%, =8% R fi /A in μk h2 R fi /A in μk h2 5 μk h1 μk h1 μk h1 l 1 鉛直土圧 σ v l 2 鉛直土圧 σ v 鉛直土圧 σ v 図 -11 杭軸方向の Kh の推定方法 K h 閉端杭における単位断面積あたりの先端抵抗 q close, z=i を求め, それに各開端杭の実質部の断面積 A p をかけたものか 6) ら算出している. これは, 既往の研究成果から, 模型実験レベルでは閉端杭の先端の土圧分布がほぼ等分布荷重となっていたことによるものである. また, 杭先端の内空断面積 A in, 杭先端部の内径 D in, 土の単位体積重量 t は実験条件から求まる. 砂と杭壁面における摩擦係数 については 3.(1) で既に述べた方法で計算が可能だが, 今回は杭内土と杭内壁面との摩擦係数 と杭内部の土圧係数 K h との積である K h を 1 つのパラメータとして扱うことにした. 既往の研究成果 3) から, 土圧係数 K h は杭軸方向に変化しているものと考えられ, K h についても同様に考えることができる. K h が杭軸方向に変化していることを考慮して杭内部の鉛直応力を求めるために, 図 -11 に示すような方法で計算を行った. まず, 任意の貫入深度において l =1 mm の杭の実験結果より求められた R fi,z=i を用い, 杭先端から 1 mm の高さでの v が, 杭内土表面からその位置までの土被り圧に等しくなると仮定して, 式 (1) を用いて先端から 1 mm までの K h を推定し, これを K h 1とした. 次に l = mm の杭において,l =1 mm の杭の実験結果と同じ貫入深度において, 先端から 1 mm までの K h を K h1 と仮定し, それより上部においては,x= mm における v が, 杭内土表面からその位置までの土被り圧に等しくなるように K h を推定し, これを K h2 とした. このような計算を l=38 mm の杭まで順次繰り返すことによって, 最終的には l=38 mm の杭 ( 寸胴杭 ) における K h の杭軸方向分布を推定した. 図 -12 は貫入量 z= mm における, 内空面積比.846(t=2 mm),.76(t=4 mm) の寸胴杭の K h の杭軸方向分布の推定結果である. バーが各区間の K h を示すものであり, 連続したデータを直線で結んでいる. いずれのケースにおいても, 杭先端からの距離 x=1 mm までの区間における K h が最も大きく, それより上部では急激に値が小さくなっている. 今回の杭先端部の K h は x= ~ 1 mm の区間の平均値を推定したものであるが, 図 -12 のような K h の全体の変 図 -12 Kh の杭軸方向分布 実線黒塗り : =8% 点線白抜き : =% K h1 図 -13 杭先端付近の Kh1 と貫入量 z の関係 化の様子から, 実際には K h は連続的に変化し, 杭先端 では K h が大きく, 上部に向けてより急激に減少するも のと考えられる. 図 -13 は, 貫入深度ごとの各杭の杭先端付近の K h であ る K h1 の推定結果である. 貫入量で比較すると,1 ~ 2 割 の差はあるものの, いずれの相対密度においても貫入量 によらずおおむね一定の値をとっていることが分かる. また相対密度で比較すると, 貫入量 5 mm 以深では内空 面積比によらず =8 % の方が = % よりもやや大きな 値となっており,2 ~ 3.5 割程度の差があることが分かる. 図 -14 は推定した K h を用いて杭内土表面からの鉛直 土圧 v の分布を描き, 逆解析を行った結果である. これ までは杭先端における v の値が実測値と等しくなるよう に解析を行っていたが, この解析では杭内土の表面にお ける v = となるように計算を行っており, 杭先端におけ る v の値に実測値は用いていない. なお, 比較のため, 杭先端部における v の実測値 (=R fi,z=/a in) も併せて示し た. いずれのケースでも鉛直土圧 v の大部分は杭先端か ら 1 mm の範囲で発生していることから, 杭内部におけ る内周面摩擦力の主たる抵抗は杭先端付近で発揮されて いると考えられる. また内空面積比によらず, 杭先端部 における v は =8 % の方が大きいことが分かる. 杭先 端部における v の実測値と推定値を比較すると, いずれ I_394

6 Distance from the pile tip, x (mm) Distance from the pile tip, x (mm) 1 5, =%, =8% 実測値 ( =%) 実測値 ( =8%) 5 Vertical stress at soil base, v (kn/m 2 ) (a) t =2 mm 1 5, =%, =8% 実測値 ( =%) 実測値 ( =8%) Vertical stress at soil base, v (kn/m 2 ) (b) t =4 mm 図 -14 杭内土の鉛直土圧分布 のケースにおいても推定値が実測値の 1.2 ~ 1.7 倍とな っている. これは式 (1) の関数の特性により, K h の推定 のわずかな誤差によって先端支持力の推定値にこの程度 の誤差が生じることを意味しているものと考えられる. K h の推定精度と推定支持力の関係について今後議論す ることが必要であると考えている. 4. 結論 本稿では, 地盤の相対密度によって閉塞率 と IFR * が どのように変化するかを示した. と IFR * は, 内空面積 比によって相対密度との関係が変化し, また と IFR * の 関係は相対密度によって変化することが分かった. 山原の式を用いて K h および鉛直土圧分布を調べたと ころ, 相対密度によって K h にやや差が見られた. また, 相対密度によらず内周面摩擦力は杭先端付近ほど大きく, 杭軸上方にいくほど急激に小さくなることが分かった. K h の推定結果から, 杭先端における鉛直土圧の逆解 析を行ったところ, 実測値とおおむね一致した. しかし, 今回の推定で用いた仮定を大口径杭に適用しても問題な いかどうかはまだ判断が難しいところである. また山原 の仮定についても, 大口径杭になった場合は適用が難し くなってくることが予想される. 本論文の結果を踏まえ, 今後はより大型の実験を行い, と IFR * がどのような値をとるかの検討や, 内周面摩擦 力の発現メカニズムについてのより詳細な検討を行う必 要がある. 謝辞 : 本研究の一部は,( 一社 ) 日本鉄鋼連盟の助成金に よるものである. ここに謝意を示します. 参考文献 1) 国土交通省港湾局監修 : 港湾の施設の技術上の基準 同解説 ( 下巻 ),p.589,27. 2) 日本建築学会 : 建築基礎構造設計指針,486p.,23. 3) 倉科孝, 菊池喜昭, 兵動太一,Janaka J.Kumara, 中野彰子, 原宏幸 : 地盤の密度の違いが開端杭の先端支持力発現機構に及ぼす影響, 土木学会論文集 B3( 海洋開発 )Vol.72,pp. I_39-I_395,216. 4) 山原浩 : 鋼管ぐいの閉塞効果と支持力機構 ( その 1), 日本建築学会論文報告集第 96 号,pp.28-35, ) 山原浩 : 鋼管ぐいの閉塞効果と支持力機構 ( その 2), 日本建築学会論文報告集第 97 号,pp.34-41, ) Kikuchi, Y.: Mechanism of inner friction of an open-ended pile, Proceedings of 3rd IPA International Workshop, Press-in Engineering 211, pp.65-83, 211. (2.2 受付 ) VARIATIONS OF THE MECHANISM OF THE END BEARING CAPACITY DEVELOPMENT OF THE OPEN ENDED PILES DUE TO RELATIVE DENSITY Mizue KANBE, Yoshiaki KIKUCHI, Taichi HYODO, Masanori OKUBO and Kensaku ONOZAWA Deep embedded and large diameter steel pipe piles have been popularly used in the port facilities nowadays for supporting large vertical load, because of growing size of port facility or changing structural types. Estimation of bearing capacity of large diameter and deep embedded piles are complex problems such as bearing capacity is increased because of deep embedment and bearing capacity is decreased because of decrement of plugging effect by using large diameter piles. In this report, focusing on pile plugging phenomena, pile plugging mechanism was investigated under the sandy ground with different relative density. Open ended model pile penetration experiments were conducted and plugging ratios and incremental filling ratios of each experiment was compared and the effect of relative density of the ground to these parameters. Finally, product of coefficient of lateral earth pressure and friction coefficient inside of the pile was estimated. Then inner friction force distribution was estimated. As a result, inner friction around the toe of the pile is large and it rapidly decreases along with upward of the pile under different relative densities. I_395

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