<4D F736F F D E815B83938FEE95F18F88979D8CB48D655F8D5D904B816A817C82522E646F63>

Transcription

1 社 団 法 人 電 子 情 報 通 信 学 会 THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, フェロー&マスターズ 未 来 技 術 研 究 会 資 料 INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS FM ( ) FM シンポジウム 特 別 講 演 がんばれニッポン,がんばれ 日 本 の 研 究 開 発! ~パソコンも 携 帯 メールもなかったあの 頃 の 高 い 志 を, 再 び~ 日 本 を 先 導 した 研 究 開 発 パターン 情 報 処 理 -その 過 去 現 在 と, 若 い 世 代 への 期 待 - 江 尻 正 員 つくばみらい 市 陽 光 台 4 丁 目 202 街 区 eji@gray.plala.or.jp URL: あらまし 筆 者 は, 企 業 研 究 者 として 40 数 年 という 長 い 年 月 にわたり,パターン 情 報 処 理 技 術 の 創 生 とその 応 用 に 取 組 んできた 本 稿 では, 現 在 までのこの 研 究 人 生 を 振 り 返 りつつ 我 が 国 のパターン 情 報 処 理 の 来 し 方 を 概 説 し, 併 せて, 若 い 世 代 への 期 待 を 込 めつつ, 今 後 の 研 究 開 発 にとって 何 が 重 要 かを 明 らかにしようと 試 みる キーワード 視 覚 技 術,ロボティクス, 生 産 自 動 化,オフィス 自 動 化,パターン 情 報 処 理 プロジェクト Pioneering R&D Efforts that led the Japan s Technology Innovation: Pattern Information Processing Technology -Its History, and Future Expectations toward Younger Generations- Masakazu EJIRI Yokodai, Tsukubamirai, Ibaraki , Japan eji@gray.plala.or.jp URL: Abstract As a researcher in industry, the author has long been engaged in the creation of pattern information processing technology and the promotion of its wide application. This paper first outlines the Japan s history of this technology based on his experiences working in this arena, and then tries to clarify what is important for younger generations to enhance future R&D activities in general, particularly those in the field of pattern information processing technology. Keyword Machine Vision, Robotics, Factory Automation, Office Automation, National Project 1. はじめに パターン 情 報 処 理 技 術 の 黎 明 期 から 今 日 まで, 企 業 研 究 者 としてこの 分 野 の 研 究 開 発 と 実 用 展 開 に 深 く 関 わって 来 た そういう 私 の 研 究 人 生 [1][2][3][4]を 踏 ま え, 今 回 とくに 後 続 の 方 々の 温 故 知 新 に 資 するべく, パターン 情 報 処 理 の 今 昔 について 述 べようとする もともと 産 業 応 用 を 中 心 に 据 えた 実 践 的 研 究 を 志 向 してきた 関 係 で,パターン 情 報 処 理 の 理 論 上 の 展 開, アルゴリズム 上 の 変 遷 については, を 振 り 返 って 体 系 化 できるほどの 知 識 を 持 ち 合 わせていない また, 音 声 音 響 処 理 や 医 用 衛 星 画 像 処 理 など,いくつか の 重 要 な 技 術 分 野 についても, 私 の 守 備 範 囲 を 超 える ものについては, 一 部 を 除 き 割 愛 せざるを 得 ないこと をあらかじめお 断 りしておく 本 稿 では, 私 自 身 ならびに 私 の 周 辺 での 研 究 事 例 を 中 心 に, 産 業 応 用 の 視 点 からパターン 情 報 処 理 の について 考 察 する 併 せて, 研 究 を 遂 行 する 上 で 有 用 と 思 われる 研 究 開 発 マインドに 関 して, 私 の 経 験 をも とに 幾 つかの 提 言 も 行 う 若 い 研 究 者 技 術 者 にとっ て, 今 後 研 究 開 発 を 進 める 上 での 有 益 なヒントが 多 少 とも 含 まれるであろうことを 念 じつつ, 稿 を 進 めるこ とにする 2. パターン 情 報 処 理 の 黎 明 パターン 情 報 処 理 の 草 創 時 代 の 概 略 を 図 1~ 3 に 示 す 左 欄 には 我 が 国 でのパターン 情 報 処 理 分 野 で の 主 な 成 果 を,また 右 欄 には 内 外 での 関 連 する 技 術 上 の 出 来 事 を 記 載 した 各 行 は 各 年 代 それぞれの 0~ 9 5

2 年 に 対 応 している( 以 後, 幾 つかの 図 でも 同 様 の 表 記 形 式 を 用 いる) 1940 年 代 ( 図 1)はまさに 戦 乱 期 であった 1946 年 の 米 国 での ENIAC に 端 を 発 してディジタル 電 子 計 算 機 の が 始 まったが,これは 第 2 次 世 界 大 戦 終 了 の 翌 年 の 出 来 事 であり,パターン 情 報 処 理 はまだ 完 全 に 空 白 の 時 代 でもあった 引 き 続 く 1950 年 代 ( 図 2)は 戦 後 の 復 興 期 であり, 日 本 では 電 気 試 験 所 (のちの 電 総 研, 現 産 総 研 以 後, 私 にとって 最 も 馴 染 み 深 い 名 称 である 電 総 研 と 表 記 す る)が 中 核 となって 電 子 計 算 機 の 開 発 や 文 字 認 識 技 術 の 開 拓 などが 進 められた 当 時 の 電 総 研 は, 多 くの 優 秀 な 人 材 を 擁 し, 我 が 国 の 技 術 復 興 の 中 枢 として 大 き な 実 行 力 影 響 力 を 発 揮 した 時 代 であった 一 方, 米 国 では, 泡 箱 写 真 の 解 析, 衛 星 写 真 の 解 析, 血 球 染 色 体 の 顕 微 鏡 写 真 の 解 析 など, 当 時 の 先 端 科 学 分 野 での 計 算 機 利 用 が 進 展 した ただパターン 情 報 入 力 装 置 は 未 開 拓 で,もっぱら 白 黒 写 真 をフライング スポットスキャナ(FSS)で 入 力 して 解 析 するという 具 合 に, 利 用 の 形 態 が 限 られていた 次 の 1960 年 代 ( 図 3)は,パターン 情 報 処 理 の 揺 籃 期 と 位 置 付 けられる その 前 年 (1959)に 企 業 ( 日 立 図 1 図 2 空 白 の 時 代 有 以 前 先 端 科 学 での 応 用 泡 箱 写 真 ( 核 物 理 ) 血 球 染 色 体 ( 医 療 ) 衛 星 写 真 ( 宇 宙 ) FSS 入 力 による 白 黒 写 真 解 析 印 刷 英 数 字 読 取 装 置 (1940 年 代 ) 戦 乱 期 第 二 次 世 界 大 戦 終 結 計 算 機 ENIAC( 米 ) TRSの 発 明 ( 米 ) (1950 年 代 ) 計 算 機 初 製 品 化 ( 米 ) 復 興 期 TRS 計 算 機 ( 日 ) 印 刷 数 字 読 取 装 置 ( 米 ) Sputnik(ソ) 原 子 炉 ( 日 ) 最 初 のIC 特 許 ( 米 ) 図 3 図 4 マニピュレータ TRS 組 立 に 挑 戦 手 書 き 郵 便 番 号 読 取 当 時 のTRS 組 立 工 程 (1960 年 代 ) 揺 籃 期 気 象 衛 星 TIROS-1( 米 ) IC 製 品 化 ( 米 ) 産 業 ロボット( 米 ) 原 子 炉 商 用 発 電 ( 日 ) 新 幹 線 開 業 ( 日 ) IC 計 算 機 物 体 認 識 ( 米 ) 静 止 衛 星 ATS-1( 米 ) 産 業 ロボット 国 産 化 ( 日 ) 郵 便 番 号 制 度 発 足 ( 日 ) ARPANET 開 始 ( 米 ) (1960 年 代 ) 文 字 認 識 が 先 行 郵 便 手 書 きシート Computer Vision 台 頭 3 次 元 対 象 ( 積 み 木 ) 目 の 研 究 で 米 国 留 学 中 央 研 究 所 )に 入 社 した 私 は, 当 初 原 子 炉 制 御 の 分 野 に 携 わり, 実 験 用 原 子 炉 の 緊 急 停 止 機 構 や, 図 3 に 示 したような 遠 隔 操 作 のための 電 動 型 サーボマニピュレ ータ(1963)を 作 ったりした これはのちに,ロボテ ィクスの 源 流 ともなったものである その 後 この 制 御 技 術 の 応 用 としてトランジスタ(TRS) 組 立 工 程 ( 図 4)の 全 自 動 化 に 挑 戦 したが(1964),TRS の 位 置 認 識 の 信 頼 性 が 上 がらずにとうとう 失 敗 し, 視 覚 技 術 の 重 要 性 を 思 い 知 った そのため, 原 点 に 戻 るべく, 米 国 に 留 学 して 猫 の 目 の 研 究 を 行 った(1967) 折 しも,3 次 元 外 界 の 情 景 を 計 算 機 で 解 析 し, 情 景 中 に 含 まれている 各 物 体 の 形 状 種 類 位 置 姿 勢 や, 各 物 体 間 の 相 互 位 置 関 係 などを 理 解 させようとする 試 み が, 積 み 木 の 世 界 を 対 象 に 1960 年 半 ばに 米 国 で 始 まっ ていた この 分 野 はコンピュータビジョンとも 呼 ばれ, 人 工 知 能 の 研 究 の 一 環 として MIT,スタンフォード 大 学,SRI を 中 心 に 活 発 な 研 究 が 行 なわれていた 私 の 組 立 技 術 にも 取 り 入 れられそうな 予 感 がして, 帰 国 後 すぐ 人 工 知 能 ロボットの 研 究 に 着 手 した(1968) 同 じ 年 には 我 が 国 でも 郵 便 番 号 制 度 が 発 足 し, 東 芝 を 中 心 に 電 総 研 ( 飯 島 ら)の 技 術 も 取 り 入 れて 開 発 が 進 んで きた 手 書 き 郵 便 番 号 読 取 装 置 が 配 備 され, 実 運 用 が 開 6

3 始 された 当 時 は 学 界 でもまだパターン 情 報 処 理 への 挑 戦 はわずかであったが, 中 では 京 都 大 学 が 系 統 的 な 基 礎 研 究 を 進 めていて,1968 年 は,それまでの 音 声 文 字 認 識 機 械 翻 訳 に 加 え, 計 算 機 による 顔 認 識 への 挑 戦 を 始 めたときでもあった ここはのちに 自 然 言 語 処 理 マルチメディア 処 理 などの 広 範 な 研 究 を 展 開 し, パターン 情 報 処 理 分 野 での 中 核 的 な 存 在 として 多 くの 優 秀 な 人 材 を 輩 出 することとなった( 坂 井, 長 尾 研 究 室 など) 図 5 人 工 知 能 ロボット パターン 大 プロ 開 始 PCB 検 査 気 象 画 像 処 理 自 動 TRS 組 立 IC, LSI 組 立 指 紋 照 合 図 6 フォトマスク 検 査 エレベータ 群 制 御 ATM 開 発 稼 動 錠 剤 日 本 語 ワープロ 人 工 知 能 ロボット 視 覚 装 置 計 算 機 開 拓 期 CCD 発 明 ( 米 ) Microprocessor( 米 ) X 線 CT( 英 ) Faxサービス( 日 ) 二 足 歩 行 Wabot( 日 ) MRI( 米 )ひまわり( 日 ) SCARAロボット( 日 ) BW-CCDカメラ( 日 ) 制 御 装 置 1970 年 になって,コンピュータによって 制 御 される 視 覚 を 持 った 人 工 知 能 ロボット が 私 のところと 電 総 研 とでそれぞれ 開 発 完 成 し, 時 期 を 同 じくして 一 般 に 公 開 された 1970 年 代 はこの 人 工 知 能 ロボットを 皮 切 りに,まさにパターン 情 報 処 理 技 術 の 開 拓 期 でもあ った この 時 代 の とその 間 の 出 来 事 の 一 端 を 図 5 ~ 14 に 示 す 人 間 の 目 と 同 等 のパターン 情 報 処 理 機 能 を 計 算 機 に 付 与 できると, 外 界 の 状 況 を 把 握 し, 外 界 の 変 動 に 機 敏 に 対 応 できる 知 的 な 機 械 システムが 実 現 できる 筈 である 私 のところの 人 工 知 能 ロボット( 図 6)は,そういう 知 的 機 械 システム( 図 7)の 実 現 を 夢 見 て 企 画 されたものであった とくにロボットへの 指 令 が, 図 面 というマクロな 命 令 で 提 示 されるところに 大 きな 特 徴 があった 機 械 と 人 間 のフレンドリーなイ ンタフェースのためには, 人 間 の 扱 う 情 報 にできるだ け 近 い 形 態 でのマクロな 命 令 の 理 解 ( 図 面 理 解, 自 然 言 語 理 解, 会 話 理 解 など)が 重 要 であり,このロボッ トはその 先 駆 けとしての 意 味 合 いも 持 っていた 3. パターン 情 報 処 理 プロジェクト 翌 1971 年 からは, 我 が 国 でパターン 情 報 処 理 の 大 型 プロジェクトが 開 始 され,これを 契 機 に 数 多 くの 挑 図 8 パターン 情 報 処 理 大 型 プロジェクト 期 間 1971( 昭 和 46 年 )~1980( 昭 和 55 年 ) 10 年 間 200 億 円 プロジェクト 体 制 通 産 省 工 技 院 大 型 工 業 技 術 研 究 開 発 制 度 産 業 技 術 審 議 会 大 型 技 術 開 発 部 会 パターン 情 報 分 科 会 ( 会 長 南 雲 仁 一 ) プロジェクトリーダ 西 野 博 二 目 的 超 高 性 能 電 子 計 算 機 プロジェクトの 成 果 を ふまえ 我 が 国 の 電 子 計 算 機 産 業 の 一 層 の 高 度 化 をはかる 図 7 図 9 知 的 機 械 の 一 般 形 Desire-based 学 習 による 知 能 化 Incentive-based Instinct-based 命 令 理 解 機 能 意 思 決 定 機 能 命 令 操 作 知 識 対 象 環 境 確 認 人 間 検 出 学 習 による ロボット 熟 練 化 学 習 による 友 好 化 (HCI, HMS) 外 界 理 解 機 能 パターン 情 報 処 理 大 型 プロジェクト 部 品 材 料 半 導 体 レーザCCD 空 間 変 調 素 子 可 逆 感 光 材 料 µプロセッサ 磁 気 バブル 光 ファイル 認 識 方 式 全 般 : 電 総 研 パイロットモデル 文 字 : 東 芝 ( 印 刷 漢 字 ) 富 士 通 ( 手 書 文 字 ) 図 形 : 東 芝 ( 濃 淡 ) 三 菱 ( 色 彩 ) 物 体 : 日 立 音 声 : 日 電 サブシステム プロト 評 価 総 合 システム 技 術 研 究 組 合 国 際 会 議 (ICPR 京 都 ) 7

4 図 10 図 13 パターン 情 報 処 理 大 型 プロジェクト 成 果 先 端 的 光 素 子 半 導 体 素 子 の 開 拓 多 様 かつ 強 力 な 認 識 方 式 の 開 発 総 合 システム 技 術 の 進 展 半 導 体 自 動 組 立 効 果 産 業 応 用 の 誘 発 以 後 の 情 報 処 理 システムの 強 力 な 基 盤 人 の 育 成 他 流 試 合 異 文 化 との 交 流 による 研 究 者 技 術 者 としての 大 成 d θ 産 業 発 展 に 貢 献 10 年 の 執 念 部 分 パターン 照 合 法 戦 がなされるようになった 図 8~ 10 にこの 大 型 プロ ジェクトの 概 要 を 示 す 余 談 だが,その 後 のパターン 情 報 処 理 の を 形 作 った 多 彩 な 人 材 の 多 くは,この プロジェクトによって 育 まれたと 言 っても 過 言 ではあ るまい 当 時 私 の 研 究 室 でも,3 次 元 物 体 認 識 の 研 究 によっ てこのプロジェクトに 積 極 的 に 参 画 する 一 方 で, 以 前 に 失 敗 した TRS 自 動 組 立 に 再 挑 戦 し, 最 初 の 挑 戦 から 数 え 10 年 の 執 念 を 経 て 1973 年 に 実 現 した[5] その 後 図 11 当 時 の 状 況 ビディコンしかない 計 算 機 は 高 い 遅 い メモリ 高 価 すぎる A/D 変 換 器 はない 使 いこなそう 計 算 機 は 使 うまい フレームメモリは 使 うまい 2 値 画 像 処 理 論 理 型 演 算 に 徹 しよう 2 次 元 局 部 メモリ 方 式 実 時 間 処 理 も IC, LSI など, 半 導 体 の 生 産 自 動 化 を 中 心 に 多 くの 企 業 がしのぎを 削 った 結 果,パターン 情 報 処 理 の 工 業 応 用 では 我 が 国 が 世 界 を 完 全 にリードした 時 代 となっ た このような 工 業 応 用 が 世 界 に 先 駆 けて 可 能 となっ た 背 景 には, 図 11 に 示 したように, 当 時 の 困 難 な 事 情 を 新 規 考 案 の 2 次 元 局 部 メモリ 方 式 によって 克 服 し, 実 時 間 処 理 を 可 能 としたことがある これにより 図 12 のようなパターン 情 報 処 理 による 最 初 の 目 視 検 査 自 動 化 装 置 (PCB 検 査 装 置 )や, 移 動 する 物 体 の 位 置 を 動 的 に 認 識 する 最 初 の 工 業 用 知 能 ロボット(ボルト 締 緩 ロボット)が 実 現 され,さらには 図 13 の 全 自 動 TRS 組 立 の 成 功 へとつながったわけである この 1970 年 代 の 特 徴 は, 図 14 に 示 したように 位 置 形 状 欠 陥 の 認 識 による 組 立 選 別 検 査 など, 生 産 自 動 化 (FA: Factory Automation)を 中 核 とした 工 業 応 用 への 挑 戦 であったが, 一 方 大 学 でもパターン 情 報 処 理 への 本 格 的 な 挑 戦 が 始 まった 時 代 であった たと えば 東 京 大 学 生 産 技 術 研 究 所 では,アコースティッ クエミッション, 超 音 波 イメージング,TV 信 号 処 理 などの 研 究 から 端 を 発 し, 医 用 画 像 処 理 衛 星 画 像 処 理 画 像 データベースなどへと 開 拓 が 進 み,1977 年 図 12 図 14 PCB 検 査 装 置 ボルト 締 緩 ロボット エレベータ 群 制 御 風 解 析 拡 大 縮 小 法 異 画 素 計 数 法 FA 応 用 への 挑 戦 位 置 認 識 組 立 形 状 認 識 選 別 欠 陥 認 識 検 査 汎 用 マシンビジョン 8

5 には 多 次 元 画 像 情 報 処 理 センターが 設 立 されてこの 分 野 の 研 究 が 一 層 進 展 した( 尾 上, 高 木 研 究 室 など) ま た 大 阪 大 学 では, 電 総 研 で 人 工 知 能 ロボットの 開 発 に 携 わった 研 究 者 らが 転 じて 中 心 的 な 役 割 を 果 たし,コ ンピュータビジョンについての 広 範 な 研 究 が 展 開 され た( 辻, 井 口 研 究 室 など) またこの 他 にも, 名 古 屋 大 学, 九 州 大 学, 東 京 工 業 大 学 などで 研 究 が 進 み,その 後, 多 くの 優 秀 な 人 材 が 輩 出 されることとなった この 時 代 の 応 用 研 究 としては, 生 産 自 動 化 以 外 にも, 図 示 したように, 我 が 国 最 初 の 気 象 用 静 止 衛 星 (ひま わり)の 打 ち 上 げを 目 指 してその 地 上 運 用 システムの ための 風 解 析 技 術 などの 開 発 や,エレベータに 目 を 付 けて 群 制 御 する 技 術 などが 進 展 した このようにこの 時 代 は,オフィス 自 動 化 (OA: Office Automation), 社 会 システムの 自 動 化 (SA: Social Automation)に 向 けた 検 討 も 開 始 された 意 欲 的 挑 戦 的 な 時 代 であった ま さにパターン 情 報 処 理 の 国 家 プロジェクトがこの 時 代 の 技 術 革 新 の 核 となり, 直 接 間 接 にこの 時 代 を 先 導 したものとして 理 解 でき, 評 価 できる 現 在 のロボテ ィクス,マルチメディア,ヒューマンインタフェース, バーチャルリアリティなどの 各 技 術 も,このプロジェ クトにその 萌 芽 を 見 ることができ,このパターン 情 報 図 15 動 作 周 波 数 (MHz) 図 16 10,000 1,000 プロセッサ 速 度 の 推 移 速 度 30,000 倍 100 プロジェクト 10 1 超 高 性 能 電 算 機 ミニコン 2 パターン 情 報 処 理 1 3 極 限 作 業 ロボット 4 未 来 型 分 散 情 報 処 理 RWC 年 プロセッサ 集 積 度 の 推 移 図 17 半 導 体 メモリ 容 量 1Tb 100Mb 10Mb 1Mb 100Kb 10Kb メモリ(DRAM) 容 量 の 推 移 ミニコン(コアメモリ) 容 量 250,000 倍 情 報 処 理 力 速 度 機 能 容 量 =300,000,000,000,000 倍 (300 兆 倍 ) 1Kb パターン 情 報 処 理 年 処 理 技 術 から 派 生 したと 考 えても 差 し 支 えあるまい このパターン 情 報 処 理 の 大 型 プロジェクトでともに 苦 労 し, 互 いに 切 磋 琢 磨 した 仲 間 たちは,その 後 も 所 属 企 業 や 研 究 機 関 などの 枠 を 超 えて 互 いに 議 論 し,30 数 年 経 った 今 も 親 交 を 保 つことができていることに 深 い 感 銘 を 覚 える この 1970 年 代 は, 半 導 体 と 計 算 機 が 大 きく 立 ち 上 が り 始 めた 時 期 でもあった この 時 代 を 含 む 現 在 までの プロセッサの 速 度 集 積 度 とメモリの 容 量 について, その 推 移 の 概 要 を 図 15~ 17 に 示 す 私 が 初 めて 人 工 知 能 ロボットを 作 った 1970 年 に 比 べると, 現 在 では 計 算 機 の 能 力 が 等 価 的 に 300 兆 倍 にも 上 昇 しているという 計 算 も 成 り 立 ち,まさに 隔 世 の 感 がある 逆 に,あの 何 もない 時 代 に,よくもこの 分 野 を 立 上 げ, 世 界 に 伍 して 切 り 拓 けたものと, 意 欲 と 志 と 執 念 の 塊 だった 私 たちの 世 代 を 大 変 誇 りに 思 う 4. オフィス 自 動 化 分 野 の 進 展 1980 年 代 の と 出 来 事 の 一 端 を 図 18~ 23 に 示 す この 時 代 はパターン 情 報 処 理 の 発 展 期 と 位 置 付 けられ, それまでに 電 総 研 で 営 々と 築 かれてきた 汎 用 画 像 処 理 ソフトパッケージ SPIDER の 実 用 化 や, 私 のところを 図 18 (1980 年 代 ) 発 展 期 チップ 当 りTRS 集 積 度 ( 万 個 ) 10,000 機 能 40,000 倍 1, パターン 情 報 処 理 年 SPIDER 完 成 魚 野 菜 オートディジタイザ 新 型 ATM 画 像 処 理 LSI ウェハ 外 観 検 査 地 図 認 識 GIS 文 書 理 解 全 文 検 索 システム C-CCDカメラ( 日 ) Space Shuttle( 米 ) PC-9801( 日 ) 新 札 発 行 ( 日 ) 筑 波 万 博 ( 日 ) 写 ルンです( 日 ) 超 新 星 ニュートリノ( 日 ) 9

6 図 19 (1980 年 代 ) 図 21 (1980 年 代 ) ウェハ 自 動 外 観 検 査 地 図 処 理 GIS Lamp Lens Sensor Memory Comparison 地 下 配 電 線 管 理 応 用 水 道 管 理 応 用 Wafer Chip Defect candidates 漁 業 情 報 応 用 含 む 幾 つかの 企 業 で 新 規 な 画 像 処 理 用 LSI の 開 発 など が 進 展 して,パターン 情 報 処 理 の 応 用 基 盤 が 整 備 され た その 影 響 もあって, 数 多 くのマシンビジョン 装 置 が 各 社 で 競 って 開 発 されるようになり, 製 造 業 を 中 心 にあらゆる 産 業 分 野 の 数 多 くの 工 程 で, 視 覚 技 術 を 用 いた 自 動 化 が 検 討 されたり 実 際 に 試 みられたりした 結 果, 本 質 的 に 困 難 な 工 程 を 除 けば,ほぼ 自 動 化 が 達 成 された このようにこの 時 代 は,FA 応 用 の 高 度 化 が 進 み,また OA への 応 用 が 大 きく 進 展 したパターン 情 報 処 理 発 展 の 時 代 であった さらには, 第 一 次 産 業 への 応 用 にも 挑 戦 され, 魚 の 水 揚 げ 時 や 野 菜 の 収 穫 時 の 選 別 用 に 利 用 する 技 術 も 開 発 された この 時 代 の FA 関 連 で 特 筆 すべきことの 一 つは, 複 雑 パターンの 異 常 検 出 問 題 の 解 決 であり,それまで 不 可 能 視 されていた 半 導 体 ウェハの 全 自 動 パターン 検 査 装 置 が 実 現 をみたことであった( 図 19) これは, 設 計 データから 刻 々と 実 時 間 で 標 準 パターンを 創 生 し, これをパイプライン 処 理 によって 参 照 しつつ 検 査 する という 新 方 式 が 開 発 されたことによる これにより, 対 象 ウェハを 光 学 的 に 連 続 スキャンするだけで 検 査 が 実 行 でき,スキャンと 同 時 進 行 で 欠 陥 を 認 識 して 致 命 的 な 傷 を 発 見 できるようになった 図 20 図 面 処 理 図 面 (1980 年 代 ) 座 標 情 報 Color x y x y 図 22 (1980 年 代 ) 自 動 現 金 取 扱 い 装 置 ATM 図 23 鑑 別 金 庫 文 書 理 解 全 文 検 索 システム (1980 年 代 ) OA 応 用 への 挑 戦 文 字 住 所 読 取 紙 幣 鑑 別 図 面 認 識 地 図 処 理 文 書 認 識 理 解 また OA 関 連 では, 図 面 入 力 が 機 械 化 されて( 図 20) 地 図 を 計 算 機 で 取 り 扱 う 技 術 が 生 まれ, 地 理 情 報 シス テム(GIS, 図 21)として 実 現 をみた ただし 図 面 入 力 技 術 そのものは, 計 算 機 援 用 設 計 の 進 展 につれ, 各 種 の 地 図 や 設 計 図 面 が 計 算 機 で 直 接 作 成 されるように なったため, 約 10 年 の 実 用 ののちその 使 命 をほぼ 終 了 した また OA 応 用 では, 銀 行 の ATM 配 備 が 進 み, 窓 口 が 自 動 化 された( 図 22) この 間, 文 書 理 解 の 研 究 も 進 10

7 図 24 処 理 時 間 / 対 象 ( 秒 ) 1, パターン 情 報 処 理 の 規 模 衛 星 画 像 地 図 図 面 文 書 家 電 品 紙 幣 郵 便 eye 1MP/S 1GP/S population brain 半 導 体 ウェハ 1TP/S 半 導 体 NTSC HDTV 画 素 数 / 対 象 図 26 (1990 年 代 ) 動 画 像 (ビデオ) 処 理 時 間 比 較 変 化 発 見 シーン 長 展 し,とくに 全 文 検 索 を 用 いた 文 書 ファイリング 技 術 が 実 現 され( 図 23), 特 許 庁 システムなどで 威 力 を 発 揮 した このような 各 種 応 用 でのパターン 情 報 処 理 の 規 模 を 図 24 に 示 す 今 後 も 処 理 画 像 の 高 精 細 化 カラー 化 動 画 化 は 必 然 の 方 向 であり,さらに 1000 倍 ほどの 性 能 向 上 がすぐにでも 欲 しい 現 実 がある 5. 社 会 システムへの 応 用 1990 年 代 の と 主 な 出 来 事 を 図 25 に 示 す この 時 代 は, 環 境 への 応 用 の 取 り 組 みや 動 画 への 取 り 組 み がスタートした 時 代 であり,またインタネットの 基 盤 技 術,メディア 技 術 が 大 きく 進 展 した 時 代 でもあった とくに 国 家 プロジェクト 未 来 型 分 散 情 報 処 理 環 境 の 研 究 開 発 (FRIEND 21) によって, 図 26 に 例 示 する ような 動 画 処 理 の 基 本 技 術 が 創 生 され, 例 えばサブリ ミナル 画 像 の 自 動 検 出 によって TV 放 映 前 のビデオを 検 査 する 用 途 などに 利 用 された しかしその 後, 折 か らのバブル 崩 壊 で 我 が 国 のパターン 情 報 処 理 研 究 も 必 然 的 に 影 響 を 受 け, 総 じて 混 迷 期 に 入 った 大 きな 自 然 災 害 も 起 こり, 困 惑 の 時 代 ともなった それでもそ ういう 災 害 の 監 視 や 復 興 の 面 で 技 術 が 進 み( 図 27), 図 25 河 川 水 質 保 全 動 画 手 話 認 識 普 賢 岳 映 像 監 視 神 戸 地 震 復 興 GIS 美 術 品 遺 産 新 型 郵 便 区 分 機 人 工 網 膜 チップ 高 速 ビジョンチップ (1990 年 代 ) 混 迷 期 Wafer-scale LSI 試 作 ( 日 ) WWWとHTML(スイス) J-PEG,M-PEG 普 及 Mosaic( 米 ) 国 産 大 型 ロケット( 日 ) 普 及 型 デジカメ( 日 ) 2 足 歩 行 P3( 日 ) 新 郵 便 番 号 制 度 ( 日 ) AIBO, i-mode ( 日 ) 図 27 環 境 応 用 図 28 水 質 保 全 神 戸 震 災 水 槽 新 型 郵 便 区 分 機 (1990 年 代 ) 水 質 (1990 年 代 ) 元 気 さの 定 量 化 普 賢 岳 噴 火 SA 応 用 への 挑 戦 個 人 識 別 顔 認 識 表 情 解 析 侵 入 監 視 異 常 監 視 行 動 理 解 福 祉 医 療 環 境 への 応 用 また 新 たに 美 術 品 や 遺 産 のいわゆるディジタルア ーカイブのための 技 術 も 進 んだ 新 郵 便 番 号 制 度 (7 桁 化 )に 対 応 し, 道 順 組 立 機 能 を 持 つ 新 型 郵 便 区 分 機 も 開 発 され 配 備 された( 図 28) この 時 代 は 総 じて OA から SA 応 用 に 向 けた 挑 戦 の 時 代 と 見 ることができる また 逆 に, 経 済 の 低 迷 による 困 惑 の 時 代 だったからこ そ, 果 敢 な 新 しい 挑 戦 がなされたとみることもできる そして 2000 年 代 ( 図 29)に 入 ると, 社 会 不 安 の 高 まりを 受 け,それまでの 指 紋 や 瞳 孔 や 顔 認 識 に 加 え, 11

8 図 29 (2000 年 代 ) 再 生 期 図 31 ( 総 括 ) 指 静 脈 認 証 顔 認 識 の 試 行 掌 静 脈 マウス 新 札 対 応 ATM 静 脈 認 証 ATM ASIMO( 日 ) 新 札 発 行 ( 日 ) パターン 情 報 処 理 応 用 の 概 略 経 緯 技 術 的 背 景 工 業 応 用 オフィス 応 用 社 会 応 用 1960 年 代 70 年 代 80 年 代 90 年 代 2000 年 代 知 能 ロボット マイクロプロセッサ 半 導 体 組 立 スカラロボット 画 像 処 理 LSI ボルト 締 緩 ロボット プリント 基 板 検 査 装 置 文 字 読 取 装 置 位 置 形 状 欠 陥 歩 行 ロボット RISCプロセッサ ウェハ 検 査 マシンビジョン 現 金 自 動 預 払 機 視 覚 付 き エレベータ 住 所 紙 幣 図 面 文 書 地 理 情 報 システム 新 型 郵 便 区 分 機 環 境 応 用 ( 水 質 保 全 ) 人 車 行 動 異 常 など トラフィック 応 用 医 療 福 祉 など 新 応 用 図 30 (2000 年 代 ) 図 32 ( 総 括 ) 指 静 脈 による 個 人 認 証 近 赤 外 データベース パターン 情 報 処 理 応 用 での 特 徴 工 業 応 用 ( ) オフィス 応 用 ( ) 社 会 応 用 ( ) 応 用 分 野 生 産 自 動 化 (FA) オフィス 自 動 化 (OA) 社 会 システム 自 動 化 (SA) カメラ 静 脈 抽 出 照 合 結 果 目 的 研 究 分 野 生 産 性 社 会 の 実 現 位 置 形 状 欠 陥 の 検 出 能 率 社 会 の 実 現 文 字 住 所 読 取 り 紙 幣 鑑 別 文 書 認 識 図 面 認 識 安 心 社 会 の 実 現 個 人 識 別 顔 認 識 表 情 解 析 侵 入 監 視 異 常 監 視 行 動 理 解 など SA 応 用 の 実 現 生 体 認 証 侵 入 監 視 異 常 監 視 行 動 理 解 セキュリティ 応 用 主 な 応 用 キー 技 術 画 像 処 理 の 特 徴 半 導 体 プリント 基 板 家 庭 用 電 子 機 器 窓 枠 法 パターン 照 合 特 徴 抽 出 局 部 並 列 2 値 情 報 > 濃 淡 情 報 郵 便 区 分 機 現 金 自 動 預 払 機 (ATM) 地 理 情 報 システム(GIS) ベクトル 変 換 データ 構 造 化 構 造 意 味 解 析 DSP, RISCによる 処 理 濃 淡 情 報 > 2 値 情 報 トラフィック 制 御 応 用 防 災 応 用 文 化 財 保 存 福 祉 医 療 環 境 応 用 など 実 時 間 ビデオ 解 析 VR センサー 融 合 ネットワークビジョン 技 術 個 別 並 列 埋 め 込 み 型 カラー 情 報 > 濃 淡 情 報 指 静 脈 ( 図 30)や 掌 静 脈 を 用 いた 新 しい 認 証 技 術 が 進 展 した とくに ATM などを 初 めとする 個 人 認 証 分 野 や 各 種 のセキュリティ 分 野 で 広 がりをみせている 生 体 認 証 が 一 つのキー 技 術 となり,SA 応 用 の 具 体 化 が 始 まった 時 代 といえる 6. メカトロニクスと 横 幹 連 合 以 上 に 述 べたパターン 情 報 処 理 の を 総 括 的 に 図 31,32 に 示 す 処 理 アルゴリズム, 処 理 ハードウェ ア,ソフトウェアの 進 歩 と 相 俟 って, 工 業 応 用,オフ ィス 応 用, 社 会 応 用 を 中 心 に 各 方 面 で 大 きな 進 展 を 見 せた その 広 がりを 図 33 に 例 示 する とくにパターン 情 報 処 理 の 応 用 では,ATM, 新 型 郵 便 区 分 機, 各 種 生 産 機 械,ロボットなどのように,メカトロニクス 機 器 として 実 現 される 場 合 がかなり 多 い メカトロニクス は 日 本 発 祥 の 用 語 であり,その 名 前 の 由 来 通 り, 機 械 と 電 気 の 融 合 分 野 であるが, 一 般 に 融 合 には 何 らかの 接 着 剤 中 和 剤 が 必 要 で,その 役 割 を 果 たしてきたの がパターン 情 報 処 理 を 含 む 情 報 計 測 制 御 技 術 であ った そしてこれが, 我 が 国 の 得 意 分 野 の 一 つへと 成 長 した メカトロニクス 製 品 の 位 置 付 けを, 他 の 幾 つかの 製 図 33 文 字 認 識 OCR 郵 便 区 分 機 伝 票 処 理 文 書 処 理 ワープロ 文 書 検 索 特 許 庁 社 会 保 険 庁 紙 幣 鑑 別 現 金 自 動 機 券 売 自 販 機 医 用 画 像 細 胞 染 色 体 CTMRI 医 用 X 線 超 音 波 血 液 分 析 パターン 情 報 処 理 の 拡 がり 入 出 力 機 器 プリンタ スキャナ 複 写 機 CCD 監 視 カメラ 立 体 カメラ 距 離 カメラ ロボット 産 業 用 災 害 救 助 用 火 山 監 視 海 洋 開 発 地 雷 撤 去 点 検 サービス 遺 伝 子 解 析 データマイニング 創 薬 メディア 機 器 CDDVD MD 磁 気 ディスク ディジカメ 携 帯 電 話 理 科 学 機 器 泡 箱 写 真 データ 解 析 電 子 顕 微 鏡 電 子 線 描 画 セキュリティ 指 紋 瞳 孔 印 鑑 指 静 脈 顔 表 情 DNA パターン 情 報 処 理 行 動 認 識 人 体 計 測 アニメ 制 作 訓 練 機 異 常 監 視 マルチメディア 知 的 インタフェース 文 化 財 遺 産 VR 衛 星 画 像 気 象 海 象 土 地 利 用 工 場 自 動 化 マシンビジョン 半 導 体 製 造 PCB 検 査 液 晶 生 産 VTR 組 立 印 刷 製 版 交 通 物 流 交 通 流 車 番 認 識 車 庫 管 理 ナビゲータ ITS 物 流 自 動 倉 庫 エレベータ 地 理 情 報 土 地 行 政 防 衛 復 旧 計 画 施 設 管 理 水 道 電 力 ガス 電 話 顧 客 管 理 その 他 水 産 業 農 業 牧 畜 業 環 境 福 祉 芸 術 MEMS ナノ 品 とともに 図 34,35 に 示 す 多 くのメカトロニクス 製 品 ではセンサー 数 がアクチュエータ 数 を 上 回 っている 設 計 時 に 意 識 したかどうかは 別 としても, 何 らかの セ ンサー 融 合 技 術 が 採 用 されていると 見 ることができ る その 根 底 には,1 総 合 判 断 力 の 付 与 でシステム 知 能 が 向 上 する,2 冗 長 性 が 付 与 されシステム 信 頼 性 が 向 上 する,3 直 接 には 計 測 できない 量 の 間 接 計 測 でシ ステムに 新 機 能 特 徴 を 付 与 できる,というセンサー 融 合 への 期 待 があったはずである 機 械 システムの 12

9 図 34 メカトロニクス 製 品 図 37 横 幹 連 合 の 活 動 価 格 / 重 量 ( 円 /グラム) Gold Mechanical Mechatronics ロボット タービン ATM 掃 除 機 プリンタ Meat Grain 自 動 車 郵 便 区 分 機 電 子 部 品 数 / 機 械 部 品 数 Electronic ビデオカメラ WS PC 冷 蔵 庫 磁 気 ディスク 光 ディスク 100 基 本 理 念 コトつくり による 科 学 技 術 創 造 立 国 を 提 言 多 分 野 の 知 の 結 集 による 産 業 界 の 課 題 解 決 活 動 の 例 政 策 提 言 プログラム 横 幹 技 術 の 役 割 と 振 興 の 実 施 第 3 次 科 学 技 術 基 本 計 画 への 提 言 シンポジウムフォーラム 開 催 横 幹 コンファレンス 知 のダイナミックデザイン 開 催 コトつくり 長 野 宣 言 の 採 択 発 表 知 の 統 合 に 向 けた 学 問 の 深 化 とその 推 進 横 断 型 基 幹 科 学 技 術 を 活 用 した 社 会 問 題 解 決 知 の 統 合 を 推 進 定 着 させるための 人 材 育 成 新 しい 形 の 産 学 連 携 プロジェクトの 提 唱 と 実 践 図 35 センサー 数 ( 個 ) センサーアクチュエータ 融 合 10 4 歩 行 ビデオカメラ 訓 練 機 光 ディスク 郵 便 区 分 機 10 3 磁 気 ディスク 新 幹 線 車 両 工 業 用 10 2 ロボット ATM 自 動 車 2 足 歩 行 ロボット 10 4 足 歩 行 ロボット 洗 濯 機 冷 蔵 庫 1 掃 除 機 アクチュエータ 数 ( 個 ) 知 能 化 にとって,センサー 融 合 は,パターン 情 報 処 理 の 高 度 化 につれて 今 後 ますます 重 要 になってくるよう に 思 われる このような 技 術 進 展 の 背 景 で, 従 来 の 機 械 電 気 土 木 といった 縦 型 の 技 術 だけでなく,モデリングシ ミュレーションデザイン 統 計 感 性 科 学 ヒュー マンインタフェース 人 間 工 学 マネジメントといっ たような 横 型 の 技 術 の 重 要 性 が 指 摘 され, 将 来 の 基 幹 科 学 技 術 として 認 識 されるようになった 縦 型 技 術 分 図 36 横 幹 連 合 の 活 動 NPO 法 人 横 断 型 基 幹 科 学 技 術 研 究 団 体 連 合 Transdisciplinary Federation of Science and Technology, 43 学 会 の 連 合 組 織 ( 吉 川 弘 之 会 長 ) 計 測 自 動 制 御 学 会 OR 学 会 精 密 工 学 会 応 用 数 理 学 会 経 営 工 学 会 計 算 工 学 会 シミュレーション 学 会 信 頼 性 学 会 生 物 工 学 会 デザイン 学 会 統 計 学 会 人 間 工 学 会 品 質 管 理 学 会 ロボット 学 会 HI 学 会 プロジェク トマネジメント 学 会 など 沿 革 学 会 連 合 懇 談 会 発 足 設 立 準 備 委 員 会 発 足 任 意 団 体 横 幹 連 合 発 足 特 定 非 営 利 活 動 法 人 化 野 を 横 断 して 知 の 統 合 を 図 り,それを 学 問 にまで 高 めようとする 動 きである 今 までこれらの 横 型 技 術 を 管 掌 してきた 43 の 諸 学 会 が 共 同 して 横 幹 連 合 ( 正 式 名 称 : 特 定 非 営 利 活 動 法 人 横 断 型 基 幹 科 学 技 術 研 究 団 体 連 合 )を 立 上 げ, 活 動 を 開 始 している その 概 要 を 図 36,37 に 示 す 多 分 野 の 知 を 結 集 し 統 合 して, 社 会 や 産 業 界 の 難 題 に 立 ち 向 かおうという 新 しい 息 吹 で もある 詳 細 な 内 容 や 活 動 状 況 は, 図 36 に 記 した 横 幹 連 合 のホームページに 掲 載 されている 7. 未 来 への 提 言 来 るべき 2010 年 代 は, 果 たしてどんな 社 会 になるの だろうか 不 安 要 因 ばかりが 目 につく 昨 今 ではあるが, 後 世 において 図 38 にどのような 記 載 がなされるのか, 楽 しみでもある 図 38 (2010 年 代 ) ここに 何 を 書 き 込 むか 何 が 書 き 込 まれるか 新 展 開 期 を 創 ろう そのとき は 動 いた! 今 までのパターン 情 報 処 理 の では, 技 術 の 難 し さから 対 象 単 体 の 認 識 問 題, 複 数 対 象 とその 関 係 の 記 述 など, 情 景 の 解 析 問 題, 復 元 問 題 に 話 題 が 集 中 しが ちではあったが, 図 39 に 示 すように, 今 後 はおそらく, より 高 速 に,より 高 精 度 に,より 高 能 率 にといったよ うな 基 本 底 流 の 中 で ものづくりコトつくり の 基 盤 技 術 としての 重 要 性 が 増 すであろう その 一 方 で 新 13

10 図 39 パターン 情 報 処 理 での 重 要 課 題 大 きな 方 向 基 本 的 な 流 れ ものづくり コトつくり パターン 理 解 の 目 的 What is it? What are they? の 基 盤 What are their relations? higher speed higher resolution higher reliability higher efficiency higher visibility What is happening? What is likely to happen? Dynamics, Semantics の 重 視 しい 方 向 として, 実 在 する 対 象 の 認 識 問 題 から, 現 在 発 生 している 事 象 の 認 識 問 題,さらには 将 来 発 生 する と 思 われる 事 象 の 推 定 問 題 へと,パターン 情 報 処 理 の 新 展 開 が 期 待 される What is likely to happen? の 認 識 技 術 が 実 現 できるかどうか, 夢 は 広 がる 画 像 を 含 む 他 の 多 くのセンサー 技 術 との 融 合 が 実 現 の 鍵 となる 今 後 は 安 心 社 会 の 実 現 が 最 大 の 課 題 となるであろ うし,パターン 情 報 処 理 としては 異 常 の 認 識 問 題, 深 い 理 解 問 題 が 注 目 され, 社 会 支 援 のためのさまざまな 技 術 が 生 まれてくるものと 思 う( 図 40) パターン 情 報 処 理 技 術 は, 現 在 人 類 が 直 面 している 様 々な 困 難 の 解 決 に, 直 接 貢 献 できるほどの 実 力 はまだ 有 してはい ないが, 将 来 での 何 らかの 貢 献 に 向 けて, 若 い 俊 英 た ちを 中 心 に 組 織 の 枠 を 超 えて 積 極 的 に 議 論 していける ような 下 地 環 境 を 作 る 必 要 があるのではないか 過 去 に 私 たちが 経 験 した 大 型 プロジェクトは,そういう 意 味 でも 大 きな 効 果 があったように 思 える これからのパターン 情 報 処 理 研 究 で 重 要 なことは, 高 い 志 のもと, 応 用 への 執 念, 他 分 野 との 協 調,シス テム 思 考 の 3 つが 重 要 であるように 思 う( 図 41) 単 に 面 白 そうだからやる,という 姿 勢 ではなく,やって いればそのうち 将 来 方 向 が 見 えてくるだろうというよ うな 消 極 的 な 姿 勢 でもなく, 将 来 社 会 にとって 本 質 的 に 意 味 のある 仕 事 を, 着 眼 大 局 着 手 多 局 (ただし 造 語 元 々は 着 眼 大 局 着 手 小 局 で, 将 棋 の 升 田 幸 三 棋 士 が 色 紙 への 揮 毫 の 際 に 愛 用 した 言 葉 研 究 開 発 にお いては 着 手 小 局 では 不 十 分 )の 精 神 で( 図 42),スピ ード 感 をもって 推 し 進 める 気 概 が 重 要 であろう( 図 43) また, 自 信 を 持 ち, 使 命 感 を 持 ち, 責 任 感 を 持 って 突 き 進 み( 図 44), 研 究 者 技 術 者 としてのプロフェ 図 40 図 42 パターン 情 報 処 理 での 重 要 課 題 大 きな 方 向 FA OA SA 社 会 の 知 能 化 自 動 化 安 心 社 会 の 実 現 異 常 識 別 がキー 技 術!? 社 会 支 援 型 ロボティクス!? 人 類 が 直 面 する 技 術 課 題 の 解 決 環 境 福 祉 保 健 平 和 教 育 国 際 テロ 大 量 破 壊 兵 器 の 拡 散 地 震 台 風 など 大 規 模 災 害 事 故 情 報 セキュリティへの 脅 威 SARS 鳥 インフルエンザなど 新 興 感 染 症 機 械 は 何 と 理 解 できる? パターン 情 報 処 理 で 重 要 なこと 研 究 計 画 上 の 秘 訣 本 質 的 に 重 要 な 技 術 であるか 時 代 に( 数 年 後 の 時 代 に)マッチしそうか 研 究 遂 行 上 の 秘 訣 着 眼 大 局 着 手 多 局 ( 注 : 造 語 ) 80 点 でいい 半 年 で 実 現 しよう 毎 週 新 機 能 を 増 やす 次 の 一 手 更 なる 一 手 を 今 の 時 点 で 図 41 図 43 パターン 情 報 処 理 で 重 要 なこと 応 用 への 執 念 役 に 立 とう と 考 えよう 他 分 野 との 協 調 他 分 野 のこと を 考 えよう システム 的 思 考 パターン 情 報 処 理 だけの 専 門 家 に ならない 十 年 の 執 念 長 過 ぎない 将 来 での 応 用 マーケット 志 向 の 体 験 サンプル 画 像 だけで 満 足 するな 医 用 福 祉 環 境 省 庁 企 業 他 大 学 との 連 携 他 の 学 問 との 融 合 統 合 を 残 そう 手 法 だけではダメ 必 ず 別 法 がある 製 品 コンセプトとその 具 体 化 研 究 開 発 上 で 大 事 なこと 人 生 の 目 標 は 他 人 から 尊 敬 されることでは 決 してない でも 他 人 から 尊 敬 されない 人 生 もまた 淋 しい 努 力 することはつねに 重 要 迫 力 ある 技 術 者 風 格 ある 技 術 者 スピード 着 手 の 早 さ 感 性 を 大 事 に 直 感 を 実 行 の 速 さ 大 切 にして 成 果 の 見 事 さ 第 一 歩 を 素 早 く 信 頼 性 不 屈 の 志 ( 主 観 ) 漲 る 自 信 ( 主 観 ) 周 囲 ( 顧 客 )の 絶 賛 ( 客 観 ) 安 心 技 術 14

11 図 44 図 47 研 究 開 発 上 で 大 事 なこと 何 でもやればできる 3 年 やればトップレベル 危 機 感 ではRA 研 究 しか 出 来 ぬ 使 命 感 でLD 研 究 が 可 能 やらなかったことの 責 任 助 かったと 言 われる 人 生 自 信 を 持 とう 使 命 感 を 持 とう 責 任 を 持 とう 研 究 開 発 上 で 大 事 なこと 世 界 に 向 けての 活 動 ICPR 96: Vienna 国 際 活 動 は 個 人 ブランドを 創 生 する 最 大 の 舞 台 国 際 活 動 では どこかに 必 ずいる もう 一 人 の 自 分 が 強 敵 競 争 と 協 調 の 調 和 人 間 到 処 有 青 山 の 心 境 が 重 要 ICPR 98: Brisbane 図 45 研 究 開 発 上 で 大 事 なこと プロを 目 指 そう 図 46 自 分 の 分 野 の 状 況 をきちんと 把 握 し その 分 野 の 発 展 に 尽 きない 興 味 を 持 ち 常 に 改 革 を 目 指 して 歩 み 続 ける 人 花 にもプロらしさがある? 研 究 開 発 上 で 大 事 なこと プロの 要 件 1 定 量 的 にものが 言 える 人 2 任 せなさいと 言 える 人 3 正 しく 前 を 向 いて 歩 く 人 4 匂 いを 嗅 ぎ 分 ける 人 5 何 にでも 興 味 を 持 ち かつ 感 動 する 人 6 次 に 何 を 知 るべきかがわかる 人 7 自 らが 燃 え また 周 りを 燃 えさせる 人 8 夢 を 持 ち 仕 事 を 楽 しむ 人 9 10 年 の 執 念 が 持 てる 人 10 未 知 の 分 野 に 跳 び 込 める 人 ッショナルを 目 指 して 欲 しい( 図 45, 46) [6][7][8] ある 技 術 の 重 要 性 が 予 見 されたとき,それをやって 失 敗 した 責 任 よりも,それをやらずに 看 過 したことによ る 責 任 の 方 が 罪 は 重 い あの 人 が,あの 時,こういう 研 究 を 仕 掛 けてくれたので, 今 われわれは 助 かってい る,と 後 世 の 研 究 者 技 術 者 に 言 わしめるようにでも なれば,まさに 研 究 者 冥 利 に 尽 きることであろう また, 研 究 の 過 程 ではときどきの 海 外 への 発 信 を 怠 らず,それによってまずは 自 己 のブランド 力 [4]を 磨 き, ゆくゆくは, 未 来 社 会, 国 際 社 会 に 大 きく 貢 献 して 欲 しいものである( 図 47) [9][10] 私 の 研 究 者 人 生 で, 世 の 中 に 私 と 同 じ 人 間 が 少 なく とももう 一 人 はいる,との 実 感 を 持 ったことが 数 回 あ った 風 貌 は 違 うだろうが, 頭 の 中 の 構 造 がまったく 同 じ 奴 である 同 じ 頃 に 同 じようなことを 発 想 し,し かもその 人 の 方 が 自 分 よりは 一 枚 上 である そういう, どこにいるかは 分 からないもう 一 人 の 自 分 が,まさに 研 究 開 発 上 での 強 敵 である ゆめゆめ 油 断 をしてはな らない 一 方 でそういう 熾 烈 な 戦 いをしつつ, 他 方 で 協 力 し て 研 究 開 発 を 進 めるのが, 今 後 の 研 究 開 発 での 極 意 で あろうか 競 争 と 協 調 の 調 和 が 重 要 で, 組 織 と 組 織, 国 と 国 との 熾 烈 な 競 争 の 中 にあっても, 磨 き 上 げた 個 人 ブランドは 協 調 のシンボルともなって, 豊 かな 研 究 者 人 生 の 基 本 となるはずである 我 が 国 の 研 究 者 の 間 に,そういう 熾 烈 な 競 争 をしているのだという 自 覚 と 実 感 とを 持 っている 人 が, 昔 と 比 べて 減 ってきている のではないかと 危 惧 しているが, 単 なる 杞 憂 であれば 幸 いである 8. おわりに パターン 情 報 処 理 技 術 の 初 期 から 最 近 まで,その 研 究 開 発 に 邁 進 してきた 一 人 として,とくに 応 用 の 立 場 からこの 技 術 の 概 要 を 述 べた 多 分 に 自 己 中 心 的 な 記 述 にならざるを 得 なかったことをお 許 し 願 いたい 少 しでも 読 者 の 役 に 立 つことを 念 じつつ, 図 48 に 最 終 メ ッセージを 掲 げて 本 稿 を 閉 じることにする 研 究 開 発 では, 夢 を 持 つだけでは 駄 目 で,きちんとした 志 を 持 ち,ときには 悪 夢 をみることも 重 要 である 悪 夢 も 夢 も 夢 は 夢,である 悪 夢 こそが,より 実 践 的 な 課 題 を 提 示 してくれるし, 何 が 重 要 かを 語 ってくれるはずで ある 次 世 代 を 担 う 若 い 研 究 者 技 術 者 たちの 今 後 の 一 層 の 健 闘 を 心 より 祈 る 15

12 図 48 おわりに パターン 情 報 処 理 志 を 持 ち 夢 に 挑 戦 しよう ときには 悪 夢 も 見 よう 挑 戦 こそが 人 生 を 豊 かにする 失 敗 もまた 人 生 を 豊 かにする 人 生 は 未 知 との 出 会 い 感 動 との 出 会 いの 舞 台 である 参 考 文 献 悪 夢 も 夢 も 夢 は 夢 [1] 江 尻, 私 の 研 究 遍, 信 号 処 理 技 術 ライブラ リー 私 の 研 究 遍 第 1 巻 ( 谷 萩 編 ), pp , コロナ 社, 東 京, [2] 江 尻, 実 用 こそが 我 が 命 私 の 視 覚 情 報 処 理 人 生, MIRU2005 ダイジェスト, pp.8-15, [3] M.Ejiri, Evolution of Real-time Image Processing in Practical Applications, Proc. IAPR Workshop on MVA, pp , Tokyo, Japan, Nov [4] 江 尻, 越 えよ 燃 えよ 嵐 の 中 に 出 でよ, 信 学 技 報 PRMU , [5] 江 尻 : 半 導 体 組 立 装 置 の 開 発 経 緯, 映 像 情 報 メディア 学 会 誌, vol.51, no.9, pp , [6] 江 尻, 技 術 の 散 歩 道 若 い 研 究 者 の 諸 君 へ, O plus E, Vol.20, No.2, [7] 江 尻, 技 術 の 散 歩 道 技 術 者 の 迫 力, O plus E, Vol.20, No.3, [8] 江 尻, 技 術 の 散 歩 道 プロとは 何 か, O plus E, Vol.20, No.12, [9] 江 尻, 技 術 の 散 歩 道 国 際 会 議 に 思 う, O plus E, Vol.20, No.4, [10] 江 尻, 技 術 の 散 歩 道 国 際 組 織 での 活 動 経 験 か ら, O plus E, Vol.22, No.4, 筆 者 紹 介 1937 年 福 井 県 生 まれ 1959 年, 大 阪 大 学 工 学 部 機 械 工 学 科 卒 業 同 年,( 株 ) 日 立 製 作 所 入 社 以 来, 同 社 中 央 研 究 所 にて 制 御 工 学,ロボティクス,パターン 認 識, 画 像 処 理, 人 工 知 能 などの 研 究 に 従 事 工 学 博 士 パターン 情 報 処 理 技 術 の 開 拓 とその 応 用 システムの 実 現 に 貢 献 この 間,イリノイ 大 学 ( ), 日 立 サンフランシスコ 研 究 所 ( )での 研 究 活 動 のほか, 東 大 東 工 大 早 大 名 大 日 大 徳 島 大 電 通 大 福 井 大 北 陸 先 端 大 などの 非 常 勤 講 師 や 客 員 教 授 を 併 任 2003 年, 日 立 製 作 所 技 師 長 ( 同 社 中 央 研 究 所 と 機 械 研 究 所 を 兼 務 )を 最 後 に 現 役 退 任 この 間, 機 械 振 興 協 会 賞 (1975), 科 学 技 術 庁 研 究 功 績 者 顕 彰 (1976), 日 本 産 業 技 術 大 賞 内 閣 総 理 大 臣 賞 (1978), 電 子 情 報 通 信 学 会 論 文 賞 (1988), 発 明 協 会 発 明 奨 励 賞 (1992)などを 受 賞 また 最 近 では,ロボッ ト 分 野 での 技 術 開 発 への 貢 献 により, 米 国 ロボット 産 業 会 から Joseph F. Engelberger 賞 (2005)を 受 賞 アメリカ 電 気 電 子 学 会 IEEE のフェロー(1989-), 国 際 パターン 認 識 連 盟 IAPR のフェロー(1996-), 電 子 情 報 通 信 学 会 のフェロー(2000-),および 日 本 ロボット 学 会 のフェロー(2004-) とくに 国 際 パターン 認 識 連 盟 では,その 副 会 長 ( )や 日 本 代 表 理 事 ( )などを,また 日 本 ロボット 学 会 ではその 副 会 長 ( ), 会 長 ( )などを 任 著 書 には ロボット 工 学 とその 応 用 ( 電 子 情 報 通 信 学 会 ), 工 業 用 画 像 処 理 人 工 知 能 マシンビジョン (いずれも 昭 晃 堂 ), Machine Vision ( Gordon & Breach 社 )などがある 現 役 退 任 後 の 現 在 は, 悠 々 自 適 を 心 掛 けながらも, 要 請 に 応 じてときには 産 業 技 術 の 研 究 開 発 コンサル タントとして 活 動 し,また, 国 際 パターン 認 識 連 盟 IAPR の 諮 問 委 員 会 のチェアマン,2008 年 開 催 予 定 の IAPR 主 催 第 19 回 パターン 認 識 国 際 会 議 ICPR-2008(タンパ, 米 国 フロリダ 州 )のジェネラルチェアマン, 特 定 非 営 利 活 動 法 人 横 断 型 基 幹 科 学 技 術 研 究 団 体 連 合 ( 略 称 : 横 幹 連 合 )の 副 会 長, 科 学 技 術 振 興 機 構 知 財 委 員 会 の 専 門 委 員, 電 子 情 報 通 信 学 会 フェロー&マスターズ 未 来 技 術 研 究 会 の 副 委 員 長 ( 次 期 委 員 長 を 予 定 )などを 務 めている 16