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1 学位 ( 博士 ) 論文 三次元円弧補間運動を利用した 5 軸制御マシニングセンタの精度試験方法 Testing Method of Accuracy of Five-Axis Machining Centers Using Three Dimensional Circular Interpolation Motion 指導教員 堤正臣教授 東京農工大学大学院生物システム応用科学府生物システム応用科学専攻 平成 22 年度入学学籍番号 加藤教之

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3 Testing Method of Accuracy of Five-Axis Machining Centers Using Three Dimensional Circular Interpolation Motion Noriyuki Kato ABSTRACT This doctor thesis describes a method for evaluating the accuracy of tilting rotary table type five-axis machining centers by means of a ball bar instrument. ISO/TC39/SC2 has prescribed the test method simulating three-dimensional circular movement equivalent to cone-frustum cutting. The test conditions for evaluating the accuracy of the circular movement were discussed. The NC data for machining a cone-frustum on the five-axis machining center were analyzed in detail, and the condition that the reversal points of the movements of five axes appears individually on the trajectory was clarified. Then, a mathematical model was developed to precisely represent the pitch error of the axes of rotation of five-axis machining centers. The mathematical model was introduced to a simulator, which has been developed in our laboratory. Using the simulator, the effect of the test conditions was analyzed. From the simulation results, we found that different apex angles and center positions of the cone-frustum give different results. The test conditions such as the apex angle of cone-frustum and the sensitive directions of the ball bar instrument were investigated. The sensitivity coefficient of each axis was calculated. It is found from the analysis of the sensitivity coefficient that the trajectory due to the errors of the axis of rotation is strongly affected by the sensitive direction of the ball bar for the case of a half apex angle of 45 degrees. Finally, Geometric deviations inherent to the five-axis machine are calibrated through the actual trajectories measured by the simultaneous three-axis motion. In order to verify the effectiveness of the calibration method, the inherent geometric deviations measured on the cylindrical coordinate system were corrected through the post processing of NC data for cutting the cone-frustum. It was confirmed that the radius, center position, and roundness of the three-dimensional circular trajectory have been improved when the inherent geometric deviations were corrected.

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5 目 次 目 次 第 1 章緒 論 1.1 工業的背景 工作機械の進歩 軸制御マシニングセンタの発展と課題 軸 MC に関する検査規格及び従来の研究 工作精度試験に関する規格及び研究 ボールバーを用いた測定による検査規格及び研究 本研究の目的 本論文の構成 参考文献 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 2.1 緒 言 NC プログラムの作成 軸移動範囲に及ぼす取付け条件の影響 半頂角と軸の変位 傾き角と移動範囲 半頂角と移動範囲 中心位置と移動範囲 各軸の速度に及ぼす円すい台中心位置の影響 直進軸と旋回軸の速度変化 中心位置の影響 軸の運動の反転位置 円すい台の中心位置の影響 i -

6 目 次 2.6 軸の反転位置と中心位置との関係 結言 参考文献 第 3 章円すい台加工を模擬した3 次元円弧補間運動 3.1 緒 言 シミュレーション方法 ボールバーによる測定 シミュレーションモデル 旋回軸のピッチ誤差モデル及びパラメータの同定方法 シミュレーション結果の妥当性 半頂角 15 の円すい台中心位置の影響 半頂角 45 の円すい台中心位置の影響 半頂角 15 の場合の機構誤差の影響 摩擦トルク及び軸の追従遅れ A 軸バックラッシ及びピッチ誤差の影響 C 軸ピッチ誤差の影響 半頂角 45 の場合の軌跡及び感度方向 円弧軌跡に及ぼす機構誤差の影響 ボールバーの感度方向の影響 結 言 参考文献 第 4 章円すい台加工と等価な3 次元円弧補間運動のボールバー測定における感度解析 4.1 緒 言 ボールバーによる測定方法と感度方向 測定方法とそのシミュレーション方法 ボールバーの感度方向と軌跡 ii -

7 目 次 4.3 ボールバーの感度方向と軸の感度係数の算出 感度係数の定義 単位測定方向ベクトルの算出 各軸の単位誤差ベクトルの算出 試験条件と感度係数 半頂角と感度係数 円すい台の取付け位置と軸の感度係数 ボールバーの感度方向と直交軸の感度係数 ボールバーの感度方向と回転軸の感度係数 感度係数と軌跡形状 A 軸のピッチ誤差と軌跡形状 C 軸のピッチ誤差と軌跡形状 円すい台加工と等価な運動のボールバーによる測定条件 結 言 参考文献 第 5 章幾何偏差の測定及び補正による工具経路精度の向上 5.1 緒 言 対象とする 5 軸 MC 及び同時 3 軸制御運動の測定方法 同時 3 軸制御運動による幾何偏差の同定 幾何偏差と偏心量との関係式 実機における幾何偏差の測定 幾何偏差を同定した結果 テーブル側球の取付け誤差の影響 工具先端点補正による同時 5 軸制御運動軌跡の高精度化 幾何偏差の補正方法 円すい台の切削と等価な同時 5 軸制御運動のボールバー測定 実機による幾何偏差補正効果とその評価 iii -

8 目 次 5.5 結言 参考文献 第 6 章結 論 6.1 本論文のまとめ 今後の課題 展望 謝辞 iv -

9 第 1 章緒 論 第 1 章 緒 論 1.1 工業的背景 工作機械の進歩 私たちの生活の中にはあらゆる工業製品が存在しており, それら工業製品は私たちの生活に欠かすことのできない必需品である. 携帯電話やパソコン, 自動車や航空機などは現代の生活において無くてはならない工業製品として挙げられる. この背景には, 工作機械の進歩が密接に関係している. 工作機械とは, 日本工業規格 (Japanese Industrial Standards: JIS) において 主として金属の工作物を, 切削, 研削などによって, 又は電気, その他のエネルギーを利用して不要部を取り除き, 所要の形状に作り上げる機械. と定義されている (1). 産業機械や交通機械などの機械部品は工作機械によって作られる. また, 携帯電話やパソコンなどのプラスチック部品や, クランクシャフトなど鍛造部品の金型も工作機械によって削り出される. 工作機械は 機械をつくる機械 であり, マザーマシン とも呼ばれる. このように工作機械は, あらゆる産業の基盤となる極めて重要な生産財である. 工作機械の精度は製品の精度や品質に直結するため, 工作機械の技術がその国の工業力を左右する大きな要素となっている. 近代工作機械は英国から誕生した.1769 年に蒸気機関が発明され, 産業革命が始まった. ところが, 蒸気機関を理論どおりに製作するためには, シリンダー内面とピストンの外周を, 正確な寸法で加工することが絶対条件だった. この加工を可能にしたのが図 1.1 に示す 横中ぐり盤 で, イギリスのジョン ウィルキンソンが 1775 年に完成し, 蒸気機関づくりに大きく貢献した (2)

10 第 1 章緒 論 マザーマシンとしての工作機械は 19 世紀に入り, アメリカで更に発展した. 背景に独立戦争, 南北戦争によって必要になった兵器産業の発達がある. フライス盤 ( エリ ホイットニー,1827 年 ), 研削盤 ( ブラウン & シャープ,1868 年 ), タレット旋盤 ( ラムソン ), 自動旋盤 ( スペンサー ) など, 大量生産向けの工作機械が生まれた. 工作機械は第 2 次大戦直後, 数値制御 (Numerical Control: NC) 工作機械の出現により急成長を果たした. パルスで工作機械の各軸を制御し, 各軸に制御パルスを発生させて希望する輪郭に切削するという着想から,1952 年にマサチューセッツ工科大学で世界初の NC フライス盤が開発された. 従来オペレータがハンドルを回すなどして制御していた工具と工作物間の相対位置を, サーボ系を組み込むことで自動的に行えるようにしたものであり, 複数の軸を同時に制御することで複雑な曲面の加工が可能になる. さらに, 同じ NC プログラムを使うことで複数の同じ製品を繰り返して制作できるようになった. NC 工作機械はコンピュータ技術の進歩により, さらに発展した. 現在では, コンピュータで制御された CNC(Computerized NC) 工作機械が主流である.1981 年に, 日本国内の工作機械生産台数における NC 化率が 5 割を超え, 現在では約 9 % が NC 工作機械である. NC 工作機械には様々な種類があるが, その 1 つにマシニングセンタがある. マシニングセンタは JIS で 主として回転工具を使用し, 工具の自動交換機能を備え, 工作物の取付け替えなしに, 多種類の加工を行う数値制御工作機械 と定義されている (1). マシニングセンタにより, 工程ごとにワークを移動させる必要がなくなり, リードタイムの短縮が実現した. また, ワークを付替える際の心ずれなどがなくなるため, 加工精度の向上も実現した. 現在は, 中国が世界最大の工作機械市場となっている. 中国の経済成長にともない, 人件費が高騰している. また, 受注量の増加に対応するために短時間にいかに多くの製品を加工できるかという生産能力が重視されるようになった. さらに, 部品に高い品質が求められる様になってきたため, 品質の向上と安定化が求められだした (3)(4). このような背景から, 工作機械ユーザの自動化ニーズが高まっている. 生産能力を高めるだけでなく, 人手を削減し, ワークの着脱にともなう段取り替え時間の短縮化やスペースの有効利用を行うには 工程集約 が必要である. そのため, 近年では 5 軸制御マシニングセンタへの関心が高まっている

11 第 1 章緒 論 軸制御マシニングセンタの発展と課題 多軸制御工作機械は, 直進軸の他に旋回軸を備え, 工具と工作物の相対位置だけでなく, 相対角度も制御可能な数値制御工作機械である. 多軸制御工作機械の中でも, 直進 3 軸 ( X, Y, Z) を有する 3 軸制御マシニングセンタ ( 以下,3 軸 MC) に傾斜回転軸を付加した 5 軸制御マシニングセンタ ( 以下,5 軸 MC) は多くの生産現場で用いられようになっている. 5 軸化により自由度が増えたため, 複雑形状部品の加工が可能になる. 図 1.2 に示すインペラは, 産業用遠心圧縮機やガスタービンに用いられる回転部品である. インペラは複雑にねじれた自由曲面を有した形状であるため直進 3 軸だけでは加工できない. しかし,5 軸 MC では, 同時に 5 軸を制御することで工具干渉を起こさずに加工することができる. さらに,5 軸 MC には図 1.3 に示す利点がある (5). 工作物の取付けジグを簡素化することができる ( 図 1.3(a)). 特殊な工具やチャックが必要なくなるだけでなく, 工具突出し量を低減できるため工具剛性が上がり, びびり振動の発生が抑制されるなど, 良好な仕上げ面が得られる ( 図 1.3(b)). ボールエンドミルで加工する場合, 周速がゼロとなる工具先端を避けて加工できるため, 表面あらさを小さくできたり, 仕上げ面の模様を一様に揃えたりすることができる ( 図 1.3(c)). このように 5 軸 MC は, 多くの利点をもつ一方で, いくつかの課題を抱えており, 特に自由度が多い反面, 部品の誤差, または部品同士の誤差が累積誤差となって工作物に転写されることから, 自由度の低い工作機械よりも精度が悪くなるという問題がある. そのため, これまでは複雑な形状に対してのみ 5 軸 MC を使用していたが, 近年は前項の需要から使用率は増えてきている. 旋回軸を位置決めし固定した状態で直進軸を使った同時 3 軸運動を行う場合も多いが, 同時 5 軸運動による使用も増えてきている. 一般にロータリテーブルやトラニオン機構など回転運動する機械要素は, 直線運動機構に比べて精度や運動性能が劣るとされている. 工作機械の旋回軸には, ウォームギアやダイレクトドライブモータが用いられており, それぞれギアのかみあいやモータのコギングなどの影響で回転方向に振動することがわかっている. 同時に複数軸を制御して加工を行う場合, 直進軸と旋回軸の同期 ( 追従 ) 誤差も精度に影響を与えることがわかっている. さらに,5 軸 MC では考慮すべき幾何偏差が増加する. 幾何偏差は各軸間に存在する直角度や, 平行度, 同心度などの幾何学的な誤差であり, 工作機械製造時や組立て時に発生 - 3 -

12 第 1 章緒 論 する. 直進 3 軸に加えて旋回 2 軸をもつ 5 軸 MC には, 直進 3 軸の真直度や直角度のほかに, 直進軸と旋回軸の回転中心との直角度や平行度, 二つの旋回軸の回転中心間の直角度や位置など, 旋回軸に関係する幾何偏差も多く存在する (6). このようにさまざまに累計した誤差が存在することから工作精度に関しては, 各工作機械メーカが競争に対抗する重要な要素の一つである. そのため,5 軸 MC には様々な工作精度改善機能が施されており, 精度を評価する規格の開発も行われてきた. 5 軸 MC の精度を向上させるには, その精度を評価する方法が必要である. 直進 3 軸までで構成される工作機械においては, 静的精度 (7)(8) や位置決め精度 (9)(1), 及び円運動試験 (11)(12) などの測定結果から, 各軸の真直度や直角度, 位置決め精度を知ることができる. しかし,5 軸 MC には様々な形態があり, それぞれが異なった幾何学的特徴をもつため, それぞれの形態に対応した精度評価方法が必要とされていた 軸 MC に関する検査規格及び従来の研究 最近, 国際標準化機構 (International Organization for Standardization : ISO) によって,5 軸 MC の運動精度の測定法が, 図 1.4(a)~(c) に示すように, 形態を旋回軸の位置構成から3 つのタイプに分けた形で規格化された. そのなかで,5 軸 MC の性能評価を行うために同時 5 軸制御による円すい台の仕上げ加工後, 円すい面の工作精度を評価する規格がある. しかし, 現在のところ, この工作精度試験の結果から, 工作機械の誤差が工作精度にどのように反映されるかが十分にわかっていないのが現状である. この仕上げ加工による精度試験は, 加工のために工作物や工具, ジグが必要となり, 加工後に形状測定が必要となるなどの欠点があった. そこで現在, ボールバーと呼ばれる測定器を使った試験方法も ISO により規格された. ボールバーは, 取り付け状態で加工運動の模擬が可能である. すなわち, 加工運動と測定が同時に行え, 複数の条件で試験できるという利点がある. 本節では, 仕上げ加工による工作精度試験, およびボールバーを使用した精度試験についての規格開発, 評価方法の研究について概要を示し, 問題点を整理することで, 本論文の目的を明確にする

13 第 1 章緒 論 工作精度試験に関する規格及び研究 工作精度試験とは, 実際に工作物を加工後, 測定器でその品質を検査するものである. 工作精度試験の代表として, 国際航空宇宙規格 (National Aerospace Standard : NAS) の NAS 979 (13) がある. NAS 979 では, 同時 5 軸制御による円すい台の仕上げ加工とその評価項目, 及び許容値 とが規定されている. アメリカのボーイング社が工作機械の受入条件として規定している ため,1969 年に制定されて以来, 今なお多くの工作機械メーカで用いられている. NAS 979 は, 工作精度の許容値が示されているだけで,5 軸 MC の各誤差が工作精度に どのように影響を及ぼすかについては言及されていない. そこで井原らによって, 理論解 析や実証実験が行われた (14). NAS 979 は, 主軸頭旋回形 5 軸 MC を対象としたもので, 現在国内で多く用いられてい るテーブル旋回形 5 軸 MC にそのまま適用することはできない. そこで, 弓座 (15) (16), 土橋 や, 松下ら (17) によって, テーブル旋回形 5 軸 MC に円すい台切削を適用した場合に適した 試験条件が明らかにされた. また, 若本 (18) らは, テーブル旋回形 5 軸 MC の検査にも適用して, 開発した工作機械で仕上げた円すい台の真円度の良さを評価している. 堤ら (19)(2) は, テーブル旋回形 5 軸 MC の工作精度試験に用いる試験片として四角すい台 を考案し, 同時 5 軸制御でその四つの側面を仕上げ加工する方法について検討した. 山本 ら (21) は, 微細溝切削による加工試験を行い, その加工結果から 5 軸 MC の回転軸中心線に 関する誤差を推定する方法について提案した. 弓座ら (22)(23) は,2 軸同期による円筒切削に より旋回軸と直進軸との同期精度を測る方法を提案した ボールバーを用いた測定による検査規格及び研究 ボールバーは,ISO23-1 (7) に規定された測定器である. 両端に精度の保証された球を持つ変位計, 主軸とテーブルとに取付けられたマグネットカップから構成される.2 球をそれぞれ主軸先端とテーブルに取付け相対距離を一定に保たせたまま, さまざまな運動を行わせることで, 工作機械の精度が測定できる. ANSI/ASME B5.54 (24) では, ボールバーを用いた同時 3 軸制御運動による測定方法が参考として示されている. これは旋回軸に対し直交 2 軸を同期運動させることにより, 旋回軸 - 5 -

14 第 1 章緒 論 の回転面と直進 2 軸によって形成される平面の平行度, 旋回軸の回転位置決め精度の二つを測定するというものである. しかし, 平行度を測定した場合に, その平行度の狂いが旋回軸と直進軸の間に存在する幾何偏差とどのような関係にあるかはわかっていない. 垣野ら (25)~(31) は,NC 工作機械の送り運動精度をボールバーで測定する方法を提案し, 現れた軌跡と機械系及び NC の不具合とを関係づけて誤差原因を診断する方法を確立した. その一連の研究の中で 5 軸制御マシニングセンタを取り上げ, 直進 2 軸と旋回 1 軸とを同期させて円弧補間運動させたときの精度測定と誤差診断を行った. とくに旋回軸に含まれる半径方向誤差, 軸方向誤差, アンギュラ誤差, 割出誤差の四つを考え, その測定方法を提案した. しかし, 旋回軸に関係するすべての誤差を検討するにはいたらなかった. 齋藤ら (32)~(38) は, 同時 4 軸や同時 5 軸制御運動を行わせ, ボールバー伸縮を読取り, 観測方程式を解くことで,5 軸 MC に存在する幾何偏差を同定する方法を提案した. これらの方法では測定回数が少ない利点があるが, 旋回軸のピッチ誤差や, 送り駆動系のバックラッシの影響が幾何偏差同定精度に影響を与えてしまうことが問題となっている. 坂本ら (39)(4) は,5 軸 MC に存在する幾何偏差について形状創成理論 (6) を基に分析し,5 軸 MC には考慮すべき幾何偏差が 13 個存在することを示した. また, ボールバーを用いて測定した軌跡から幾何偏差を推定する方法を提案している. この測定では, ボールバーの伸縮方向である感度方向を常に直交軸のうちの 1 軸に平行に保つようにして旋回軸を含む複数の軸を同時制御運動させている. 齋藤ら (41)~(45) は, テーブル旋回形 5 軸 MC を対象として, ボールバーを用いて直交 2 軸と旋回 1 軸による同時 3 軸制御運動を測定し,4 通りの測定から得られた円弧の偏心量と幾何偏差との間にある一定の関係があることを見いだした. この測定では, ボールバーの感度方向は常に旋回軸の半径 軸方向に保たれる. テーブル旋回形 5 軸 MC について, 旋回軸まわりに存在する全ての幾何偏差を推定する方法を提案し, 実験によってその有効性を確認している. 崔ら (46)~(48) は, 図 1.5 に示す旋盤形複合加工機に固有の幾何偏差を同定する方法を提案した. ボールバーを用いて同時 3 軸制御運動を行わせることで, 全ての幾何偏差を同定できることがわかっている. また, ボールバーセッティング時に発生する誤差を明らかにし, 解決方法を示した

15 第 1 章緒 論 深山ら (49)~(53) は, 図 1.6 に示すように,5 軸 MC の中でも特殊な形態である傾斜した旋回主軸頭や, 傾斜した旋回円テーブルを持つ 5 軸 MC の幾何偏差同定方法を提案している. ボールバーを用いて同時 3 軸または同時 4 軸運動を行わせることで, 各 5 軸 MC に固有の偏差が同定できることがわかっているが, シミュレーションだけを行っており, 実機の幾何偏差を同定した例はない. 井原らによってボールバーを用いて, 円すい台切削試験と同等の測定が可能であることが示され誤差要因の分析が行われた (14)(54). また, 松下ら (55) によって円すい台切削を模擬したボールバー測定から, 直進軸と旋回軸の間にある幾何偏差を同定する方法が提案されている. その他, 旋回 2 軸の同時制御運動から 5 軸 MC を評価する方法 (56) や直進軸間の直角度を計測する方法 (57) や直進軸と旋回軸の同期精度を測る方法 (22)(23)(58)(59) が提案されている. 5 軸 MC に関してボールバーを用いた研究は他にも数多くが報告されている (6)~(66). 1.3 本論文の目的 上記のように,5 軸 MC の普及はもちろん, 同時 5 軸加工の需要も拡大している中で,5 軸 MC の工作精度試験評価を行うことは, 重要なことであり,ISO による試験規格が行われた. しかし, その評価方法は, よくわかっていないことが多い. そこで, 本論文では, ボールバーを用いて 5 軸 MC である複合工作機械の誤差要因を分析 整理し, その誤差原因が工作精度にどのように影響するかを調べ,ISO 規格である円すい台の仕上げ加工を模擬した測定試験を行い, その結果を分析して複合工作機械の工作精度を評価するシステムを構築することを目的とする

16 第 1 章緒 論 1.4 本論文の構成 本論文は全 6 章で構成されており, 各章の概要は以下の通りである. 第 1 章 : 緒論本研究における工業的背景と, 従来の研究内容や 5 軸制御マシニングセンタの検査規格について示す. その問題点を示すことによって本研究の工業的な位置づけを明らかにし, 本論文における研究の目的と概要について述べている. 第 2 章 : 円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析二つの試験条件の NC プログラムについて, 円すい台の中心位置によって, 軸の移動範囲, 軸速度, 運動方向反転位置がどのように変化するかを明らかにしている. 特に, 同時 5 軸制御運動時の軸移動量及び軸速度の NC データを, テーブル中心位置と円すい台底面の中心位置との距離を変えて詳細に分析し, 中心位置によって軸の反転位置が様々に変化することを明らかにし, この結果をもとに誤差の診断を行う場合には, 事前に NC プログラムを分析しておく必要のあることを指摘している. 第 3 章 : 円すい台加工を模擬した3 次元円弧補間運動 5 軸 MC の二つの回転軸のピッチ誤差を表現する数学モデルを開発し, 円すい台切削と等価な同時 5 軸制御運動を行った. 半頂角, 円すい台の中心位置を変更して実験とシミュレーションを行ったところ, 両者が十分に一致した. さらに, ボールバーの感度方向として, 円すい面に垂直の場合と円すい台の底面に平行の場合とでシミュレーションを行い, 直進軸の摩擦トルク, 回転軸のバックラッシとピッチ誤差の影響を円軌跡から分析した. これらの結果から, 円すい台の中心位置が Y 方向に移動した場合, 円軌跡は, ボールバーの感度方向, 円すい台の半頂角に影響を受け, 特に,45 の半頂角の場合, 軌跡は回転軸の誤差に強く影響を受けることを指摘している

17 第 1 章緒 論 第 4 章 : 円すい台加工と等価な3 次元円弧補間運動のボールバー測定における感度解析ボールバーによる測定値と実際の誤差との比を測定の感度係数として定義し, 円すい台の半頂角と中心位置を変えたとき,5 軸の測定の感度係数の変化を明らかにしている. また, ボールバーの感度方向を, 円すい面に垂直にした場合と円すい台底面に平行にした場合の軌跡の違いは, 感度係数を考慮するとよく理解できることを示す. さらに, 同時 5 軸制御運動の試験条件として半頂角 15 の円すい台の中心位置を傾斜軸に直角な直進軸に平行にずらし, ボールバーの感度方向を円すい台の底面に平行にとって測定したほうがよいことを指摘している. 第 5 章 : 幾何偏差の測定及び補正による工具経路精度の向上テーブル旋回形 5 軸 MC に存在する幾何偏差について同時 3 軸運動によるボールバー測定を行い,ISO で新しく提案された直交座標系を基準とした測定方法と従来の円筒座標系を基準とした測定方法との比較を行った. その結果, 円筒座標系のほうがボールバーのテーブル側球の中心位置を補正する必要がないため測定回数が少なくすむことを明らかにした. また, 円筒座標系を基準にした方法で測定した幾何偏差とテーブル側球の中心位置の誤差を補正することで, 円すい台切削と等価な同時 5 軸制御運動の 3 次元円弧軌跡の偏心量, 直径寸法及び真円度を向上させることができることを明らかにしている. 第 6 章 : 結論 第 2 章から第 5 章までに得られた結果を要約するとともに, 今後の課題等について展望 している

18 第 1 章緒 論 Fig. 1.1 Cylinder boring machine developed by Wilkinson Fig. 1.2 Impeller - 1 -

19 第 1 章緒 論 (a) No special jigs (b) No special tools (c) Machining with the optimum cutting point Fig. 1.3 Advantages of 5-axis machining

20 第 1 章緒 論 (a) Tilting rotary table type (b) Universal head type (c) Swivel head and rotary table type Fig. 1.4 Typical three structural types of five-axis machining centers Fig. 1.5 Multi-tasking turning centers Fig. 1.6 Five-axis machining centers with an inclined rotary axis

21 第 1 章緒 論 参考文献 (1) 日本規格協会,JIS ハンドブック13 工作機械 (21). (2) L.T.C. Rolt ( 磯田浩訳 ), 工作機械の歴史 - 職人の技からオートメーションへ,(25), p , 平凡社. (3) 中山力, 木村知史, 中国で求められる工作機械低価格 そして生産効率も ", 日経ものづくり,Vol. 6, (211), pp (4) 中山力, 木村知史, 上海工作機械見本市レポート- 加工品質の高さで迫り来る中国メーカー, 日経ものづくり,Vol. 9, (21), pp (5) 堀井孝洋, やさしい 5 軸 複合,(29), ニュースダイジェスト社. (6) 稲崎一郎, 岸浪健史, 坂本重彦, 杉村延広, 竹内芳美, 田中文基, 工作機械の形状創成理論 -その基礎と応用-,(1997), p , 養賢堂. (7) ISO 23-1, Test code for machine tools Part 1: Geometric accuracy of machines operating under no-load or finishing conditions (1996). (8) JIS B6191, 工作機械 静的精度試験方法及び工作精度試験方法通則, 日本規格協会 (1999). (9) ISO 23-2, Test code for machine tools Part 2: Determination of accuracy and repeatability of positioning numerically controlled axes (1997). (1) JIS B6192, 工作機械 数値制御による位置決め精度試験方法通則, 日本規格協会 (1999). (11) ISO 23-4,Test code for machine tools Part 4: Circular tests for numerically controlled machine tools (1996). (12) JIS B6194, 工作機械 数値制御による円運動試験方法通則, 日本規格協会 (1997). (13) NAS 979, Uniform cutting tests NAS series, metal cutting equipment specifications, (1969), pp (14) 井原之敏, 田中和也, 多軸工作機械での円錐台加工試験に対応したボールバー測定法 ( 第 1 報 ): 主軸旋回形 5 軸 MC でのボールバー測定と実加工との比較, 精密工学会誌論文集,Vol. 71, No. 12 (25), pp

22 第 1 章緒 論 (15) 弓座大輔,5 軸制御マシニングセンタの運動精度試験方法に関する研究, 東京農工大学大学院修士論文 (27). (16) 土橋祐,5 軸制御マシニングセンタの 3 次元円弧補間運動軌跡に及ぼす検査条件の影響, 東京農工大学卒業論文 (211). (17) 松下哲也, 沖忠洋, 松原厚, テーブルチルト型 5 軸制御工作機械によるテーパコーン加工精度, 精密工学会誌,Vol. 74, No. 6 (28), pp (18) 若本弘幸, 若名智宏, 窪園拓真, 小型精密 5 軸加工機 V1-5X の高精度化技術と加工事例, 三菱重工技報,Vol. 45, No. 3 (28), pp (19) 木落清志郎, 四角すい台を用いた 5 軸制御マシニングセンタの工作精度試験方法の開発, 東京農工大学卒業論文 (28). (2) 堤正臣, 佐伯智之, 木落清志郎, 崔成日, 井原之敏, 四角すい台の仕上げ加工に基づく 5 軸マシニングセンタの工作精度試験方法の開発, 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 77, No. 78 (211), pp (21) 山本通, 長谷部孝男, 堤正臣, 微細溝切削による 5 軸制御マシニングセンタの工作精度試験方法の開発, 精密工学会誌,Vol. 77, No. 4 (211), pp (22) 弓座大輔, 内海敬三, 堤正臣, 佐藤隆太, 5 軸制御マシニングセンタの同期運動精度測定方法, 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 72, No. 723 (26), pp (23) Masaomi TSUTSUMI, Daisuke YUMIZA, Keizo UTSUMI, Ryuta SATO, Evaluation of Synchronous Motion in Five-axis Machining Centers With a Tilting Rotary Table, Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing, Vol. 1, No. 1 (27), pp (24) ANSI/ASME B5.54, Methods for Performance Evaluation of Computer Numerically Controlled Machining Centers, (1992) pp (25) 垣野義昭, 井原之敏, 亀井明敏, 伊勢徹, NC 工作機械の運動精度に関する研究 ( 第 1 報 ) : DBB 法による運動誤差の測定と評価, 精密工学会誌,Vol. 52, No. 7 (1986), pp (26) 垣野義昭, NC 工作機械の運動精度に関する研究 ( 第 2 報, DBB 法による運動誤差原因の診断 ), 精密工学会誌,Vol. 52, No. 1 (1986), pp

23 第 1 章緒 論 (27) 垣野義昭, 井原之敏, 中津善夫, NC 工作機械の運動精度に関する研究 ( 第 3 報 ) : サーボ系の性能が運動精度に及ぼす影響, 精密工学会誌,Vol. 53, No. 8 (1987), pp (28) 垣野義昭, 井原之敏, 中津善夫, 米谷光雄, 手嶋健夫, NC 工作機械の運動精度に関する研究 ( 第 4 報 ) : 円弧補間時の半径減少の NC 補正, 精密工学会誌,Vol. 54, No. 6 (1988), pp (29) 垣野義昭, 井原之敏, 中津善夫, 篠原章翁, NC 工作機械の運動精度に関する研究 ( 第 5 報 ) : 回転誤差原因の診断法, 精密工学会誌,Vol. 55, No. 3 (1989), pp (3) 垣野義昭, NC 工作機械の運動精度に関する研究 ( 第 6 報 )- 円弧補間送り時のスティックモーションの生成機構とその補正, 精密工学会誌,Vol. 56, No. 4 (199), pp (31) 垣野義昭, 井原之敏, 佐藤浩毅, 大坪寿, NC 工作機械の運動精度に関する研究 ( 第 7 報 ):DBB 法による 5 軸制御工作機械の運動精度の測定, 精密工学会誌, Vol. 6, No. 5 (1994), pp (32) 齋藤明徳, 宮川元成, 堤正臣, 同時 4 軸制御による 5 軸制御マシニングセンタの位置偏差および幾何偏差推定方法, 精密工学会誌,Vol. 67, No. 2 (21), pp (33) Masaomi Tsutsumi, Akinori Saito, Identification of angular and positional deviations inherent to 5-axis machining centers with a tilting-rotary table by simultaneous four-axis control movements, International Journal of Machine Tools and Manufacture, Vol. 44, No. 12 (24), pp (34) 堤正臣, 山本健, 齋藤明徳,Dassanayake, K M Muditha, 三上滋崇, 同時 5 軸制御による主軸頭旋回形 5 軸制御マシニングセンタの幾何偏差同定方法, 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 72, No. 723 (26), pp (35) 山本健, 多軸工作機械の同時 5 軸制御運動に及ぼす幾何偏差の影響, 東京農工大学大学院修士論文 (26). (36) 東山憲司,Dassanayake, K M Muditha, 堤正臣, 山本健, 同時 5 軸制御運動の実軌

24 第 1 章緒 論 跡を利用したテーブル旋回形 5 軸制御マシニングセンタの幾何偏差同定, 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 73, No. 736 (27), pp (37) 東山憲司, 同時 5 軸制御運動の実奇跡を利用したテーブル旋回形 5 軸制御マシニングセンタの幾何偏差同定, 東京農工大学卒業論文 (27). (38) Muditha DASSANAYAKE, Ken YAMAMOTO, Masaomi TSUTSUMI, Akinori SAITO, Shigetaka MIKAMI, Simultaneous Five-axis Motion for Identifying Geometric Deviations Through Simulation in Machining Centers with a Double Pivot Head, Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing, Vol. 2, No. 1 (28), pp (39) 坂本重彦, 稲崎一郎, 5 軸マシニングセンタにおける組立誤差同定法, 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 6, No. 575 (1994), pp (4) 坂本重彦, 稲崎一郎, 塚本頴彦, 市来崎哲雄, ボールバーによる五軸マシニングセンタの組立誤差同定法, 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 63, No. 65 (1997), pp (41) 牛久健太郎,5 軸制御マシニングセンタの幾何精度測定方法, 東京農工大学卒業論文 (22). (42) 齋藤明徳, 堤正臣, 牛久健太郎, 5 軸制御マシニングセンタのキャリブレーション方法に関する研究 ( 第 2 報 ) : 同時 3 軸制御運動を用いた位置偏差および角度偏差の推定, 精密工学会誌,Vol. 69, No. 2 (23), pp (43) Masaomi Tsutsumi, Akinori Saito, Identification and compensation of systematic deviations particular to 5-axis machining centers, International Journal of Machine Tools and Manufacture, Vol. 43, No. 8 (23), pp (44) 牛久健太郎, 同時 3 軸制御運動による 5 軸マシニングセンタのキャリブレーション方法, 東京農工大学大学院修士論文 (24). (45) 三上滋崇,5 軸マシニングセンタの多軸同時制御による幾何偏差評価方法, 東京農工大学大学院修士論文 (24). (46) 崔成日, 東山憲司, 堤正臣,Dassanayake, K M Muditha, 旋盤形複合加工機に存在する幾何偏差同定方法, 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 75, No. 75 (29), pp

25 第 1 章緒 論 (47) 崔成日, 旋盤形複合加工機の精度評価方法に関する研究, 東京農工大学大学院博士論文 (29). (48) 東山憲司, 複合加工機の幾何偏差同定に関する研究, 東京農工大学大学院修士論文 (29). (49) 深山直記,45 傾いた A 軸をもつテーブル旋回形 5 軸制御マシニングセンタの幾何偏差同定, 東京農工大学卒業論文 (28). (5) 深山直記, 佐伯智之, 崔成日, 堤正臣, テーブル旋回形 5 軸制御マシニングセンタの幾何偏差同定方法の一般化, 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 75, No. 756 (29), pp (51) 茨木創一, 垣野義昭, 赤井孝行, 高山直士, 山路伊和夫, 小川圭二, ボールバー測定を用いた 5 軸制御加工機の運動誤差原因の診断 ( 第 1 報 ) : 誤差成分の分類と改良型ボールバー装置 (DBB5) の開発, 精密工学会誌,Vol. 76, No. 3 (21), pp (52) 深山直記, 傾斜した旋回軸を持つ 5 軸制御マシニングセンタの幾何偏差測定方法, 東京農工大学大学院修士論文 (21). (53) 堤正臣, 深山直記, 崔成日, 佐伯智之, 斎藤明徳, 主軸頭テーブル旋回形 5 軸制御マシニングセンタの幾何偏差同定方法の一般化, 日本機械学会論文集 (C 編 ), Vol. 77, No. 776 (211), pp (54) Y. Ihara, "Ball bar measurement on machine tools with rotary axes", International Journal of Automation Technology, Vol. 6 No. 2, (212), pp (55) 松下哲也, 松原厚, テーパコーン DBB 測定によるテーブル旋回形 5 軸制御工作機械の幾何誤差の同定と補正, 精密工学会誌,Vol. 77, No. 6 (211), pp (56) Lei, W.T., Sung, M.P., Liu, W.L., Chuang, Y.C., Double ball bar test for the rotary axes of five-axis CNC machine tools, International Journal of Machine Tools & Manufacture, Vol. 47, No. 2 (27), pp (57) 佐伯智之, 堤正臣, 佐藤隆太, 牛尾雅樹, マシニングセンタにおける運動の直角度計測の試み, 生産加工 工作機械部門講演会 : 生産と加工に関する学術講演会,

26 第 1 章緒 論 (26), pp (58) 佐藤隆太, 横堀祐也, 堤正臣, 5 軸制御マシニングセンタにおける直進軸と旋回軸の動的同期精度, 精密工学会誌論文集,Vol. 72, No. 1 (26), pp (59) 茨木創一, 澤田昌広, 松原厚, 森雅彦, 樫原圭蔵, 垣野義昭, ボールバー法を用いた複合加工機のミリング主軸旋回軸の動的運動精度測定法, 精密工学会誌,Vol. 73, No. 5 (27), pp (6) 下嶋賢, 後藤小百合, 清水伸二, 堤正臣, DBB による 5 軸マシニングセンタの幾何偏差測定における留意点, 生産加工 工作機械部門講演会 : 生産と加工に関する学術講演会,(28), pp (61) M. Sharif Uddina, Soichi Ibaraki, Atsushi Matsubara, Tetsuya Matsushita, Prediction and compensation of machining geometric errors of five-axis machining centers with kinematic errors, Precision Engineering, Vol. 33, No. 2 (29), pp (62) 高山直士, 大田秀仁, 植田健介, 竹内芳美, 5 軸制御マシニングセンタの精度向上に関する研究 : トラニオン型とテーブル オン テーブル型の運動精度の比較, 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 76, No. 772 (21), pp (63) Min WANG, Jianzhong HU, Tao ZAN, Kinematic error separation on five-axis NC machine tool based on telescoping double ball bar, FRONTIERS OF MECHANICAL ENGINEERING IN CHINA, Vol. 5, No. 4 (21), pp (64) 高山直士, 大田秀仁, 植田健介, 竹内芳美, 5 軸制御マシニングセンタの精度向上に関する研究 ( 旋回角度範囲がアライメントの推定精度に及ぼす影響 ), 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 77, No. 777 (211), pp (65) 高山直士, 赤い孝行, 脇坂宗生, 竹内芳美, 5 軸制御マシニングセンタの精度向上に関する研究 ( 旋回軸のアライメント誤差の測定とその補正 ), 日本機械学会論文集 (C 編 ),Vol. 77, No. 782 (211), pp (66) S. Ibaraki and W. Knapp, "Indirect measurement of volumetric accuracy for three-axis and five-axis machine tools: A review", International Journal of Automation Technology, Vol.6, No.2 (212), pp

27 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 第 2 章 円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 2.1 緒言 5 軸制御マシニングセンタ ( 以下,5 軸 MC という.) の精度試験方法に関する研究が活発に行われている (1)~(9).1958 年に登場した 5 軸 MC (1) は, 航空機部品や舶用プロペラの加工専用機のように考えられ, 一般に使われることは少なかった. しかし, 最近では, 段取り時間の短縮や工程集約の観点から見直され, 広く普及するようになってきた. 5 軸 MC の精度試験に関する ISO 規格は, 現在開発が進められている. 中でも工作精度試験方法は, 最近規格が規定されたばかりである. これまで受取検査として NAS (11) に準拠した円すい台の仕上げ加工が規格として利用されてきた. この NAS 規格は, 主軸頭旋回形 5 軸 MC を対象としたもので, テーブル上に取り付けた円すい台を同時 5 軸制御で仕上げ削りし, 真円度, 円の直径などの測定条件及び方法を規定している. すなわち, 工作物である円すい台をテーブル上に水平に取り付け, 主軸頭を上下に 25.4 mm 往復させて仕上げ削りを行うことと, 真円度測定器やダイヤルゲージで真円度を測定することなどを規定している. しかし, 主軸頭旋回形以外の 5 軸 MC にこの規格を適用しようとしたとき, 円すい台の中心位置や円すい台の傾き角が規定されていないために, 試験の実施に当たってはどのように決めればよいかわかっていないのが現状であった (8,9,12,13). そこで ISO/TC39/SC2/WG3 では, この試験方法を主軸頭旋回形だけでなく, テーブル旋回形などにも適用することを決め, しかも工作精度試験規格 (14) だけではなく, 補間運動試験規格 (15) にも規定することとした. それらの規格原案の中で, 円すい台の半頂角は,15 と 45 との 2 種類とし, 傾き角はそれぞれ 1 と 3 にして, 円すい台の中心位置をテーブ

28 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 ル回転中心位置から離して取り付けることを条件としている. この条件が採用されている理由は, 半頂角を 15 よりも 45 にしたほうが Y 軸,Z 軸,A 軸の移動範囲が大きくなるという Bossori の結果 (8) に基づいて提案されたからである. 一方で松下らは, 半頂角 3 を一定とし, 傾き角を 15 と 75 とについて検討し, 傾き角が 75 のほうが軌跡に幾何偏差の影響が現れやすく, 試験として適しているとしている (9). そこで, 本章では,ISO で審議されている 半頂角 15, 傾き角 1 と 半頂角 45, 傾き角 3 の二つの条件について, 特に中心位置によって軸の移動範囲, 軸速度, 運動方向反転位置がどのように変化するかを明らかにする. 特に同時 5 軸制御運動時の軸移動量及び軸速度の NC データを, 主にテーブル中心位置と円すい台底面の中心位置との距離を変えて詳細に分析し, 軸の移動範囲, 速度及び反転位置がどのように変化するかを明らかにする. 2.2 NC プログラムの作成 本論文で対象とする 5 軸制御マシニングセンタは, 図 2.1 に示す形態のものである. 本論文では同時 5 軸制御で円すい台の仕上げ加工を模擬することを前提とし, ボールバーによる測定を考慮したシミュレーションを行なうことを想定している. そのために五つの軸の速度を調べるために最新の先端点制御や CAM ソフトを用いずに, 理論的に NC プログラムを作成 (16) することにした. それは,NC データの詳細を分析でき, 把握しやすいからである. 図 2.2 に, 回転テーブル上に円すい台を取り付け, 切削を開始する初期位置にある状態を示す. なお, 回転テーブル C 軸の初期位置は-9 であるが, 円すい台を取り付ける際は, の位置で設置していることに注意する. 図には, ボールバーを円すい台の母線に対して垂直になるように取り付けた状態も示してある. 母線に垂直にボールバーをセットする理由は,3 次元測定機で円すい台形状を測定することを想定しているからである. この図に示すように, 円すい台底面の 3 次元空間における中心座標をX T, Y T, Z T ),Y 軸回りの回転角を, 円すい台の半頂角を とし, 工具先端とテーブル上に定置した球との間の相対距離をボールバーで測定することも想定して,NC プログラムを作成することにした. この場合, ボ - 2 -

29 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 +X +Z +C Z Y X Center line of rotary axis +A Center line of tilting axis +Y Fig. 2.1 Schematic view of five-axis machining center with a tilting rotary table Spherical ball Y Spindle with chuck Center line of rotary table Ball-bar Surface of rotary table Z L(mm) Measured circle Cone-frustum Center of measured circle O T (X T, Y T, Z T ) + Center of bottom circle (X T, Y T, Z T ) O T ( ): half apex angle ( ): inclination angle D (mm): diameter of bottom circle L (mm): length of ball-bar Fig. 2.2 Definition of symbols for the cone-frustum on rotary table

30 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 ールバーの工具側球の通る円, すなわち測定円の直径 D とボールバーの基準長さ L との関係は, 次 (2.1) で表される. D=2Lcos (2.1) 本論文では, ボールバーの基準長さを L = 1 mm として主に計算を行っている. 図 2.3 に現在 ISO 規格の試験条件として提案されている二つの条件における円すい台とボールバーの取付状態を示す. 図示したように円すい台の測定円の直径は, = 15 のときの D = mm と比べて= 45 のときは D = mm と 27% も小さくなる. Ball bar Rotary table Cone frustum Measured circle Ball bar Rotary table Cone frustum Measured circle (a) =15,=1 (b) =45,=3 Fig. 2.3 Two test conditions proposed as a new test item in DIS under development そのような条件で NC プログラムを作成する専用のポストプロセッサを作成した. まずワーク座標系において工具経路を生成して工具軸ベクトルを算出し, 次に工具軸ベクトルが一定になるように工具中心が通る円経路を n 等分 ( 実際には円経路を 36 等分 ) して NC プログラムを作成した. 具体的な手順は, 次のとおりである. (a) 図 2.4(a) に示すように, 半頂角を, P O T P i = i ( i n) として円すい台がテーブル上面に垂直に置かれた状態を考える. このときの図に示す測定円上の座標値 P i (Xw i,yw i, Zw i ) 及び円すい台頂点の座標値 P top (Xw top, Yw top, Zw top ) は,とを用いて表すと, 式 (2.2) と式 (2.3) で表すことができる

31 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 Xwi L cos cos i Ywi = L cos sin i P = i Zw L sin (2.2) i 1 1 Xw top Yw = top P top = L (2.3) Zw top sin 1 1 (b) 次に, 図 2.4(a) に示した円すい台を Y 軸回りに β だけ傾ける. その様子を図 2.4(b) に示す. そのとき, 傾斜後の測定円上の座標値 P i ', および円すい台頂点の座標値 P top ' は, 平行移動の座標変換 O T, および傾斜 β による回転移動の座標変換 D により, 式 (2.4) と式 (2.5) のようになる. i ' ' ' T Xwi Ywi Zwi = D OT Pi ' P = 1 (2.4) P ' top ' ' ' T Xwtop Ywtop Zwtop = DOT Ptop = 1 (2.5) ここで, 座標変換を式 (2.6) と式 (2.7) で定義する. O T 1 = 1 1 X Y Z T T 1 T (2.6) D cos = sin sin 1 cos (2.7) 1 (c) 傾斜後における測定円上の座標値 P i ' と円すい台頂点の座標値 P top ' を用いて, ワーク座 標系における工具軸ベクトル T = (i, j, k) は, 式 (2.8) を用いて算出する. T = P P top top ' P' i ' P' i (2.8)

32 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 P top (Xw top, Yw top, Zw top ), O T Z Measured circle Y P i+1 ( Xw i+1, Yw i+1, Zw i+1 ) 1 P i (Xw i, Yw i, Zw i ) P Cone-frustum (a) Bottom surface of the cone frustum parallel to the XY plane i X Zw Z Cutter path Inclination angle : (b) Inclined bottom surface of the con frustum Fig. 2.4 Definition of symbols and cutter path

33 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 (d) 工具軸ベクトル T = (i, j, k) を, 式 (2.9),(2.1) に代入して A 軸の指令値 A,C 軸の指令値 C を求める. A 18 cos 1 k = (2.9) 1 j 18 sgn( i)cos ( k 1) 2 2 C = i + j (2.1) arbitrary ( k = 1) ただし, 式 (2.1) の sgn(a) は実数 a の正負を決定する関数であり式 (2.11) で定義される. sgn ( 1 ) = 1 ( a ) a (2.11) ( a ) (e) ワーク座標系における工具経路及び傾斜回転軸の指令値から, 機械座標系における直 進 3 軸の指令値を, 式 (2.12) を使って求める. X Y Z 1 ref ref ref cos Cref = sin Cref cos A sin Cref sin A ref ref cos C cos C sin C ref ref cos A sin ref A ref ref sin A cos A ref ref Xw' i Yw i' Zw' i 1 1 (2.12) (f) 工具が隣り合う 2 点 P i P i+1 間距離 L W (mm) を周速 F W (mm/min) で移動するのに要する時間 dt (min) は, 式 (2.13) となる. L W dt = (2.13) F W (g) 最後に, 機械座標系での送り速度 F (F コード ) は, 式 (2.14) を使って求める. ただし, dx (mm),dy (mm),dz(mm),da ( ),dc ( ) を, それぞれ微小線分区間における指令値 の移動距離の差分とする

34 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 F dx + dy + dz + da + dc = (2.14) dt 本論文で使用する実機は, 図 2.1 に示すようにテーブル旋回形の立て形 5 軸 MC で,Y 軸,A 軸,C 軸が工作物 (w) 側に,X 軸と Z 軸とが主軸 (C) - 工具 (t) 側にあって, これらがベッド (b) で接続された形態, すなわち,w-CAYbXZ(C)-t 形である. そのために, 以下に示す全てのデータは, 上記の計算結果と A,C 軸の指令値の正負の符号が異なる. 2.3 軸移動範囲に及ぼす取付け条件の影響 前節の方法で 5 軸 MC 用に NC プログラムを作成し, 円すい台の半頂角及び中心位置を変化させた場合に, 移動範囲がどのように変化するかを調べた. このときの測定円の直径は, 式 (2.1) のとおりとした 半頂角と軸の変位半頂角 = 15 と 45 の場合の五つの軸の変位を調べた. その結果を図 2.5 に示す. このと きの中心位置 O T は実機に合わせて A 軸中心線から上方に 2 mm 離れた位置 O T (,, 2) とした. 半頂角 = 15 の場合, 図 2.5(a) に示すように,X 軸はゼロ点から移動し, = 135 付近で極大値をとった後, 運動の向きを変えて = 225 近辺まで移動し, そこで極小値をとり, 再び向きを変えてゼロ点に戻る動きをしている.Y 軸の動きは X 軸とは異なって極大値を 2 箇所で, 極小値を 1 箇所でそれぞれとる.Z 軸と A 軸は,1 箇所 = 18 で極大値をとっている. A 軸の動きの範囲は, 小さく 2 移動しているに過ぎない.C 軸は, >の場合には, 図示したように 36 回転し, = 18 近傍で曲線の傾きが大きくなる. 半頂角 = 45 の場合は, 図 2.5(b) に示すように,= 15 と比較して,Y 軸,Z 軸,A 軸の移動範囲に顕著な変化が見られる.Y 軸で約 2 倍,Z 軸で約 8 倍も大きくなり, その移動範囲はどちらも X 軸と同じ大きさである.A 軸の動きは 6 と 3 倍大きくなっている.X 軸と C 軸は, ほとんど変化しない

35 Position of linear axis mm Angle of rotary axis deg Position of linear axis mm Angle of rotary axis deg 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 3 D= mm X Z A C Y Angle deg (a) =15,= X Z D= mm A C Y Angle deg (b) =45,=3 Fig. 2.5 Displacement of each axis (Feed direction CCW, Center position: (X T, Y T, Z T )=(,, 2 mm) )

36 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 傾き角と移動範囲 次に中心位置を (X T, Y T, Z T ) = (,, 2) と一定とし, 半頂角 が 15 と 45 の場合に傾き角 を 1~89 まで 1 ごとに変化させて指令値を作成し, 各軸の最大移動範囲を調べた. この最大移動範囲は図 2.5 に示した計算結果と同様の結果から求めた. =15 の場合, 図 2.6(a) に示すように, 各軸の運動範囲と傾き角との関係が =の前後で大きく変化しているのがわかる.<のとき,C 軸は 36 と一定であるが, 傾き角 の増加とともにその他の軸で運動範囲が増加している.>のとき,X 軸と A 軸の移動範囲は一定になる.Y 軸は, 他の直進軸よりも移動範囲は大きいが, 傾き角が大きくなるに従って小さくなる傾向にある. これに対して Z 軸の移動範囲は傾き角 の増加にともなって大きくなる.C 軸の移動範囲は, 指数関数的に減少する. この C 軸の回転角度に注目すると,C 軸は,<のときに1 回転していたのに対して,>のときは C 軸の回転角は 18 より小さくなり反転する. =45 の場合, 図 2.6(b) に示すように,<のとき X,Y,Z 軸の移動範囲は,3 近くまでは等しく,= 3 を超えると Y 軸の移動範囲が, 他の直進軸よりも大きくなることがわかる.>のときは,X 軸と A 軸とが一定になる点など, =15 の場合と同様の変化をするが,Y 軸と Z 軸の移動範囲が X 軸よりも大きく, かつ,A 軸の移動範囲が 9 にもなることがわかる. 以上述べたように,=45,=3 で,Z 方向の中心位置が Z T = 2 mm のとき, 三つの直進軸の移動範囲が等しく, かつ,A 軸の移動範囲も 6 と大きくとれることが確認できた 半頂角と移動範囲 次に式 (2.1) の条件に加えて=2/3 の条件のもとで半頂角 を大きくしていったときに, 各軸の移動範囲がどのように変化するかを調べた. その結果を図 2.7 に示す. 軸の移動範囲をみると=45 のとき X,Y,Z の三つの移動範囲が等しく, =45 を超えると,Z 軸と A 軸の移動範囲が増加する. それに対して,Y 軸は, = 45 のときに極大値をとり, =45 を超えると小さくなる.X 軸は, 半頂角が大きくなると微増するだけで大きな変化はない. 以上から, =45 の条件は, 直進 3 軸の移動範囲を等しくすることができ, かつ,Y 軸の移動範囲が最大値をとる条件であることがわかった

37 Axis travel mm(deg) Axis travel mm(deg) 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 4 3 D= mm X Y Z A C Inclination angle deg (a) = D= mm X A Y C Z Inclination angle deg (b) =45 Fig. 2.6 Influence of inclination angle on the travel of each axis (Feed direction CCW, Center position: (X T, Y T, Z T )=(,, 2 mm) )

38 X-axis travel mm Axis travel mm(deg) 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 X Y Z A C Half apex angle deg Fig. 2.7 Influence of the inclination angle of the cone frustum on the travel of each axis (The ratio of and is 3:2. Center position: (X T, Y T, Z T )=(,, 2 mm)) mm 1 mm 5 mm mm mm 1 mm 15 mm Angle deg Fig. 2.8 Influence of the center position in X-direction on X-axis travel (CCW, =15, =1, Y T = mm, Z T = 2 mm) - 3 -

39 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 中心位置と移動範囲 円すい台の底面の中心位置を変化させると軸の移動範囲がどのように変化するかを調べた. その一例として=15,= 1 のときに,X 方向に中心位置を変化させた結果を図 2.8 に示す. 図示したように移動範囲は大きく変化し,+X 方向に中心位置を移動させると, 軸の移動範囲は移動させた量に比例して大きくなる. 負の方向に中心位置を移動させると X 軸の移動範囲は小さくなり, その後再び大きくなっていく様子がわかる. そこで,X,Y,Z 方向への中心位置の移動量と軸の移動範囲との関係を調べた. その結果を図 2.9 に示す. 図示したように X 方向及び Y 方向への中心位置の移動は, 軸の移動範囲に大きな影響を及ぼし,Z 方向へ中心位置を移動させると,Y 軸と Z 軸に変化が見られ, Z T = mm に近づくにつれていずれも小さくなる.X 方向へ中心位置を移動させたとき, 図 2.9(a) に示すように,X 軸は X T = 7 mm 近傍で,Z 軸は X T = +3mm 近傍でそれぞれゼロになり,Y 軸は,X T = +3mm 近傍で極小値をとることがわかる. このことは,X の負方向に中心位置を移動させると,X 軸の移動範囲が小さくなり, 場合によっては同時 4 軸制御運動になってしまい,X の正方向に中心位置を移動させると Z 軸と Y 軸の移動範囲が小さくなり, 同時 4 軸制御運動になってしまう条件があることがわかる. このことは,X 方向へ中心位置を移動させると同時 4 軸制御運動になるか, それに近い状態になりやすいことを意味している. これらの傾向は, 松下らの結果 (9) と一致する. それに対して Y 方向へ移動させると, 図 2.9(b) に示すように Y T = mm (X T = mm, Z T = 2 mm) のとき移動範囲がもっとも小さく, 正負どちらに移動させても同様に大きくなるのがわかる. 図 2.9(c) に示す Z 方向への移動も同様で,Z T = mm のとき,Y 軸と Z 軸は極小値をとり,Z 軸は運動しないことがわかる. 次に半頂角 =45 の場合について同様に中心位置の影響を調べた. その結果を図 2.1 に示す. 図示したように,X 方向に移動させると,X 軸がゼロをとる移動量 X T の値は同じであるが,Z 軸がゼロとなる Z T の値は大きくなる.Y 方向に中心位置を移動させると, 図 2.1(b) に示すように,=15 と同様に,Y T = で X,Y,Z の三つの軸が最小値をとり, 正負どちらに中心位置を移動させても軸の移動範囲は大きくなる.Z 方向に中心位置を移動させると, 図 2.1(c) に示すように, 図 2.9(c) と同じ変化をしているのがわかる. 以上から, 軸の移動範囲は, 中心位置を移動させる方向によって大きく変化し, ほとん

40 Travel mm (deg) Travel mm (deg) Travel mm (deg) Travel mm (deg) Travel mm (deg) Travel mm (deg) 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 :X :Y :Z :A :C Y = mm T Z T =2 mm :X :Y :Z :A :C X = mm T Z T =2 mm :X :Y :Z :A :C X = mm T Y = mm T X T mm Y T mm Z T mm (a) X direction (b) Y direction (c) Z direction Fig. 2.9 Influence of the center position of the cone frustum on the travel range of each axis ( = 15, = 1, Feed direction CCW, L = 1 mm) :X :Y :Z :A :C Y = mm T Z T =2 mm :X :Y :Z :A :C X = mm T Z T =2 mm :X :Y :Z :A :C X = mm T Y T = mm X T mm Y T mm Z T mm (a) X direction (b) Y direction (c) Z direction Fig. 2.1 Influence of the center position of the cone frustum on the travel range of each axis ( = 45, = 3, Feed direction CCW, L = 1 mm)

41 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 ど軸が移動しない位置が存在すること, また, 中心位置を移動させる場合には,Y 方向へ移動させたほうが X 軸,Y 軸,Z 軸の移動範囲が大きくなることを確認できた. 半頂角を大きくすると軸の移動範囲が大きくなるとして,ISO では半頂角 =45, 傾き角 = 3 の条件が提案されたが, 円すい台の中心位置を Y 方向に移動させると, 移動範囲をさらに大きくできることがわかった. なお,Z の負方向へ中心位置を移動させると Z 軸の移動範囲が大きくなるが, これは, テーブル上面が A 軸中心線よりもかなり低い位置にあることを意味しており, 実際には不可能な条件である. 2.4 各軸の速度に及ぼす円すい台中心位置の影響 前節で述べた移動範囲において, 工具と工作物との相対送り速度を一定 (F = 1 mm / min ) に保って運動させたとき, 各軸の速度指令及び軸の反転位置が円すい台の半頂角及び中心位置の移動によってどのように変化するかを調べた 直進軸と旋回軸の速度変化 まず, 半頂角 15 と 45 の場合の各軸の送り速度の変化を調べた. その結果を図 2.11 に示す. 中心位置は (X T, Y T, Z T ) = (,, 2 mm) である. 図示したように,X 軸の速度変化が最も大きく, 最高で約 2 m/min と送り速度 F の 2 倍の値になっている. この X 軸の速度曲線に注目すると,X 軸の速度がゼロになって正から負及び負から正に変わる位置で X 軸の運動方向が反転しているのがわかる. その位置は,=131 及び 229 の 2 箇所である. Y 軸は,X 軸よりも最大速度が低くて複雑な変化をしており, 運動方向の反転する位置が 4 箇所あることがわかる.Z 軸は, 正弦波状の速度変化をしている. 旋回軸である C 軸は X 軸と同様の速度変化を示しており,= 18 で約 16 deg/min( 約 4.4 r/min) の最大値をとっている.A 軸は,Z 軸とほぼ同様の速度変化を示しており, 反転位置は, の位置も含めて 2 箇所である. 半頂角 15 と 45 との差異について考察すると, 図に示すように Y 軸,Z 軸,A 軸の速度変化は,15 よりも 45 のほうが大きくなり,X 軸と C 軸はわずかに小さくなっているのがわかる.Y 軸に注目すると,=18 近辺で運動の方向が 3 回変化する複雑な動きをするが,

42 Velocity of linear axes m/min Velocity of rotary axes deg/min Velocity of linear axes m/min Velocity of rotary axes deg/min 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 X Y Z A C 2 D = mm D = mm Angle deg Angle deg (a) =15,=1 (b) =45,=3 Fig Velocity changes of each axis at feed speed F=1 mm/min (Feed direction CCW, Center position: (X T, Y T, Z T )=(,, 2 mm))

43 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 45 にすると=18 により近い位置で複雑に動いていることがわかる.A 軸の速度は, 半頂角 45 のほうが, 半頂角 15 よりも 2 倍以上速くなる. 以上述べたように, 半頂角を 45 とすると, 円すい台の中心位置をずらさない場合には,Y 軸,Z 軸及び A 軸の速度は, 半頂角が 15 の場合よりも大きく変化する 中心位置の影響 円すい台の中心位置を回転テーブル中心線から移動させるとどのように速度が変化するかを調べた. 半頂角 15, 傾き角 1 の場合に, 中心位置を X 軸方向に移動させた場合の X 軸と Y 軸の速度変化を図 2.12 に示す. 図 2.12(a) に示すように X 軸の速度は, 左右対称になっており, どの曲線も= 18 で極小値又は極大値をとり, かつ,= 131 及び 229 で速度ゼロになり, 速度の正負の向きが変化する. すなわち, この角度位置が X 軸の方向反転位置であることがわかる.X 方向への移動量を正方向に大きくすると, その速度も高くなり,X T = +15 mm のとき最高 6 m/min にもなる. Y 軸の速度は, 図 2.12(b) に示すように,X 軸と同様に中心位置の移動量が大きくなると速度も大きくなり,X T =+15 mm のとき最高で 2.5 m/min にもなるが, 変化の様子は X 軸とは異なり, 左右非対称である. また, 中心位置を X 方向に +1 mm と大きく移動させるか, または負方向に移動させると速度がゼロになる点の数が少なくなる. 以上から,X 方向に中心位置を移動させると速度は速くなるが, 運動方向の変化する反転位置の数が少なくなることがわかる. 次に半頂角と中心位置の影響を,Y 軸と Z 軸について調べた. その結果を図 2.13 に示す. 図では, 半頂角 15 の結果を実線で示し, 半頂角 45 の結果を点線で表示し,+X 方向へ 5 mm 移動させた場合,+Y 方向へ 5 mm 移動させた場合と, 移動させなかった場合の結果を示してある. 図 2.13(a) に示すように,+X 方向へ移動させたときの速度曲線は, 移動させなかったときと同様の変化を示し, 半頂角が 15 の場合は, 速度の最大値が大きくなっているが, 半頂角が 45 の場合は, 速度の最大値が低くなる.+Y 方向に移動させた場合は, どちらの半頂角でも 9 及び 18 付近では速度が上がり,27 付近では速度が下がっていることがわかる. また, 速度がゼロになる角度位置が 2 箇所と少ないところも特徴である. Z 軸の速度変化は, 正弦波状になっており, 半頂角が大きいと速度変化は大きくなるこ

44 Velocity of Y-axis m/min Velocity of X-axis m/min 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 mm 5 mm 1 mm 15 mm 5 mm 1 mm 15 mm Angle deg (a) Velocity of X-axis mm 5 mm 1 mm 15 mm Angle deg (b) Velocity of Y-axis 5 mm 1 mm 15 mm Fig Influence of center position in X-direction on velocities of X-axis and Y-axis (L= 1 mm, Feed direction CCW, Center position: (Y T, Z T )=(, 2 mm))

45 Velocity of Z-axis m/min Velocity of Y-axis m/min 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 X T =,Y T =5 X T =5,Y T = X T =,Y T = =15,=1 =45,= Angle deg (a) Velocity of Y-axis X T =,Y T =5 X T =5,Y T = X T =,Y T = =15,=1 =45,= Angle deg (b) Velocity of Z-axis Fig.2.13 Influence of the center position of the cone on the velocity of each axis at feed speed F=1 mm/min (Feed direction CCW, L = 1 mm)

46 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 とがわかる. ただし, 速度の最大値は, 図示した範囲でも.8 m/min 程度であり,X 軸の速度に比べてかなり低い.X 方向と Y 方向とに中心位置を移動させたときの差異は, 速度がゼロになる運動方向が反転する角度位置である.X 方向へ移動させると,Z 軸は と 18 位置で方向反転をするが,Y 方向へ中心位置を移動させるとその位置が変化する. その反転位置は半頂角によっても異なる. なお, 結果を示していないが,X 軸の速度は, 半頂角の影響をほとんど受けない. 以上のように, 半頂角 15 と 45 ともに, 中心位置を移動させる量を大きくすると速度範囲は変化し, その変化の程度は, 移動させる方向及び軸によって異なり, 半頂角 45 の場合は, 半頂角 15 の場合よりも Y 軸,Z 軸の速度範囲が大きくなる. そこでもう一つの観点である軸の反転位置について調べることにした. 2.5 軸の運動の反転位置 実加工においては, 軸の反転 によって生じる 突起 や 段差 が加工面に転写され, 表面に特有の模様を残すことが問題になっている. これら突起や段差は, 送り機構に存在するバックラッシやロストモーションによって発生する. したがって, 軸の反転位置を事前に把握しておくことは運動軌跡の診断に役立つ 円すい台の中心位置の影響 本節では, 円すい台の中心位置によって軸の反転位置がどのように変化するかを調べた. 図 2.14 は, 円すい台の半頂角を= 15 としたときの反転位置を示す. 図には, 反転する軸と角度位置 の値を同時に示してある. 図 2.14(a) は, 円すい台の中心位置がテーブルの回転軸の中心と一致しているときの結果で, 図 2.14(b) は,Y 方向に +5 mm 移動させたときの結果である. これらの値は, 図 2.11,2.12,2.13 からも読み取ることができる. 図示した角度位置は, 計算で求めた NC データから読み取っている. なお,X 方向へ移動させたときの結果は図示していないが, それは, すでに示した図 2.12 と図 2.13 から,X 軸と Z 軸の反転位置は変化せず,Y 軸の反転位置の数が中心位置を移動させると少なくなり変化する反転位置がなくなることがわかるからである

47 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 X(f=131 ) Y(f=151 ) Y,Z,A (f=18 ) =15 =1 Y,Z,A (f= ) Y(f=147 ) X(f=149 ) Z(f=144 ) A (f=18 ) =15 =1 A (f= ) Z(f=125 ) Y(f=145 ) X(f=159 ) A (f=18 ) =15 =1 A (f= ) Y(f=29 ) X(f=229 ) X(f=253 ) Z(f=324 ) Y(f=338 ) X(f=276 ) Y(f=317 ) Z(f=35 ) (a) (X T,Y T, Z T )=(,,2) (b) (X T,Y T, Z T )=(,25,2) (c) (X T,Y T, Z T )=(,5,2) Fig.14 Reversal points of axis movements on tool path in simultaneous five-axis control (Feed direction CCW, L = 1 mm) X(f=125 ) Y(f=166 ) Y,Z,A (f=18 ) =45 =3 Y,Z,A (f= ) X(f=145 ) Y(f=158 ) Z(f=166 ) A (f=18 ) =45 =3 A (f= ) Z(f=154 ) Y(f=155 ) X(f=156 ) A (f=18 ) =45 =3 A (f= ) Y(f=195 ) X(f=235 ) X(f=26 ) Y(f=354 ) Y(f=347 ) Z(f=346 ) Z(f=334 ) X(f=283 ) (a) (X T,Y T, Z T )=(,,2) (b) (X T,Y T, Z T )=(,25,2) (c) (X T,Y T, Z T )=(,5,2) Fig Reversal points of axis movements on tool path in simultaneous five-axis control (Feed direction CCW, L = 1 mm)

48 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 図 2.14(a) に示すように中心位置がテーブル回転中心と一致しているときの反転位置は 6 箇所あり,= と 18 とでは三つの軸が同時に反転しているのがわかる. このことは, 工作物の表面に残された突起や段差が, どの軸で反転したときに現れたか特定しにくいことを意味している. 図示したように +25 mm Y 方向に中心位置を移動させると 8 箇所の角度位置で反転するが,147 付近では,X,Y,Z 軸が比較的近い位置で反転しており, さらに +5 mm 移動させると, それぞれの反転位置が離れた位置に現れているのがわかる. このように, 中心位置を移動させる値によって,C 軸を除く全ての軸が独立して反転するように設定でき, どの軸に起因する誤差であるかを即座に判断できることになる. 次に半頂角 45 の場合には, 図 2.15 に示すように, 中心位置がテーブル回転中心と一致しているとき, 図 2.14(a) と比べて Y 軸の反転位置が=18 に約 15 近づいている点を除けば, ほとんど変わらない. 中心位置を +25mm, Y 方向に移動させると,8 個の反転位置が独立して現れる. ところが, 中心位置を +5 mm 移動させると図 2.15(c) に示すように独立した反転位置が 8 個あり識別は可能であるが, 第 2 象限を見ると, この直交 3 軸が=155 ±1 の範囲に現れており, ほとんど重なっている. このことは, 半頂角が 15 と 45 とでは, 規格の中で試験条件としての同じ中心位置を規定すると, 軸の反転位置の現れ方が異なる条件で比較することになり, エンドミルで仕上げ加工をしたときには軸の区別が容易ではない条件になってしまうことがあることを意味している. そこで, 二つの半頂角において軸の反転角度位置が中心位置によってどのように変化するかを詳細に検討した. 2.6 軸の反転位置と中心位置との関係 中心位置と軸の反転位置との関係を詳細に調べるために,Y 軸の反転位置が四つある Y T の領域では +5 mm ずつ, それ以外は Y T を +25 mm ずつ移動させて計算した結果から反転位置を求めた. 負の方向にも移動させて計算したが, 図 2.14 及び図 2.15 に示した結果を象限において上下反対にした結果となったので, ここでは, 正の方向に移動させた結果だけを示す. なお,A 軸については, 図 2.14 及び図 2.15 に示したように と 18 で反転し, 変化がないので図示していない 図 2.16 は,Y 方向に移動させたときの中心位置と直進 3 軸の反転角度位置との関係を示 - 4 -

49 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 す. 図 2.16(a) は, 半頂角 15,L=1 mm( D= mm ) に設定した場合の結果である 図示したように Y T =22.4 mm の位置で三つの直進軸の反転位置が=147 で重なってしまい, さらに Y T =77.4 mm の位置でも=294 で重なってしまう. このことは, 軸の反転位置が全て独立し, しかも, ある程度の離れた位置に現れるようにするには, 例えば, ほぼ Y T =5 mm に中心位置を移動させるか, 又は, さらに大きく 1 mm 以上離れた位置に設定するというように, 条件を明確に設定する必要がある. 半頂角 45 頂で, ボールバー長さ L = 1 mm( D = mm ) のとき, 三つの直進軸が重なる位置は,Y T = 47.6 mm と Y T = 16.2 mm である. したがって半頂角が 45 の場合には, これら二つの位置を避けて試験条件として +25 mm 近傍, +75 mm 近傍, 及び +12 mm 以上に設定する必要がある. 次に, ボールバー長さ L=2 mm( D= mm ) と大きくしたときに反転位置がどのように変化するかを調べた. その結果を図 2.17 に示す. 図示したように, 半頂角 15 の場合には,Y T =27.3 mm 及び Y T =126.5 mm のとき, 三つの直進軸が同じ角度位置で反転し, 直進軸の反転位置が独立に現れる領域は,L=1 mm の場合よりも広く, ほぼ +35 mm から +12 mm の間, 及び +135 mm 以上になる. 半頂角 45 の場合には,Y T = mm,+63 mm 及び +16mm の位置で三つの軸の反転位置が重なることから, これらの値よりも ±1 mm 以上離れた位置であれば, 反転位置の識別が可能になると思われる. しかし, 例えば Y T =2 mm と大きく離した位置に設置すると, 直進軸の反転位置を広く分散させることができるものの, 幾つかの問題点が考えられる. 一つは, 図 2.16 に示したように X 軸の反転位置が A 軸反転位置である 18 に近づいてしまうことである. 二つ目は, 図 2.9 及び図 2.1 に示したように, 設置位置をテーブル回転中心から大きく離すと,X 軸と Y 軸の移動範囲が大きくなることから,Y T =2 mm のように大きくすると,Y 軸の移動限界を超えてしまう可能性があることである. すなわち, 図 2.5(b) に示したように, 軸の移動範囲は,Y 軸のゼロ点から大きく離れた位置から始まることから,Y 軸の移動限界を考慮する必要がある. したがって, 実際に試験を行う最適な中心位置は, 図 2.16 と図 2.17 に示すように二つの重なる位置の中間の位置が望ましいといえる. しかも, この中間の位置の範囲は, 図 2.17 に示すようにボールバーが長いほうが広くなる. 以上,NC データの解析から, 同時 5 軸制御によって 3 次元円弧補間運動を行うと一つの

50 Reversal position deg Reversal position deg Reversal position deg Reversal position deg 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 36 X Y Z (Y T =77.4 mm) 313 (Y T =16.2 mm) (Y T =22.4 mm) (Y T =47.6 mm) mm Y T (a) =15 ( =1 ) (b) =45 ( =3 ) Fig.2.16 Relationship between reversal positions and center positions in Y direction at L = 1 mm (Feed direction CCW) Y T mm 36 X Y Z (Y T =126.5 mm) (Y T =16. mm) (Y T =27.3 mm) (Y T =63. mm) Y T mm (a) =15 ( =1 ) (b) =45 ( =3 ) Fig.2.17 Relationship between reversal positions and center positions in Y direction at L = 2 mm (Feed direction CCW) Y T mm

51 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 軸だけが反転するとは限らず, いくつかの軸が同時に同じ位置で反転したり, 別個にわずかにずれた位置で反転したりすることがわかった. また, 軸の反転位置は, 円すい台の中心位置によって直交 3 軸が重なってしまう位置が存在し, このことから, 仕上げられた工作物又はボールバーを用いて測定した結果を解釈するときは, 事前に NC データを分析してどこに反転位置が現れるかを把握しておくことが必要であるといえる. 2.7 結言 本章では,ISO マシニングセンタ規格の工作精度試験及び補間運動試験として採用されることになっている二つの試験条件, 半頂角 15 ( 傾き角 1 ) と半頂角 45 ( 傾き角 3 ) において, 同時 5 軸制御運動時の軸移動及び軸速度の NC データを, 主にテーブル中心位置と円すい台底面の中心位置との距離を変えて詳細に分析し, 軸の移動範囲, 速度及び反転位置がどのように変化するかを調べ, 次の結論を得た. (1) 各軸における指令値の移動範囲は,= 45 のほうが= 15 より広くなる. (2) 円すい台の中心位置をテーブル回転中心から X 方向に離して設置すると, その位置によっては直進軸がほとんど運動しない条件が存在する. しかし,Y 方向に離して設置すると, 直進 3 軸の移動範囲が大きくなる. (3) 直進軸の速度は, 中心位置を離して設置すると変化し, その変化の程度は, 離す方向及び軸によって異なる. (4) 円すい台の中心位置を Y 方向に移動させると全ての軸を完全に独立して反転させることができるが, 中心位置によっては三つの直進軸の反転位置が重なる条件が二つ存在し, その条件は, 使用するボールバー長さにも依存する. そのほか, 軸の反転位置を分散させるという観点から, 反転位置が重なる二つの位置の中間に中心位置を移動させて試験を行うのが望ましいといえる. 次章では, 本章で明らかにした取付け条件が円すい台の形状に及ぼす影響について, シミュレーションとボールバー測定とによって明らかにし, 半頂角の違いによる測定結果の差異を明らかにする

52 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 参考文献 (1) Ibaraki, S., Sawada, M., Matsubara, A., and Matsushita, T., Machining tests to identify kinematic errors on five-axis machine tools, Precision Engineering, Vol.34, Issue 3, (21), pp (2) Uddin, M. S, Ibaraki, S., Matsubara, A., and Matsushita, T., Prediction and compensation of machining geometric errors of five-axis machining centers with kinematic errors, Precision Engineering, Vol. 33, Issue 2, (29), pp (3) Zargarbashi, S.H.H., and Mayer, J.R.R., Single setup estimation of a five-axis machine tool eight link errors by programmed end point constraint and on the fly measurement with Capball sensor, International Journal of Machine Tools and Manufacture, Vol.49, Issue 1,(29), pp (4) Lei, W.T., Paung, I.M., and Yu,. C. C., Total ballbar dynamic tests for five-axis CNC machine tools, International Journal of Machine Tools and Manufacture, Vol.49, Issue 6, (29), pp (5) 崔成日, 東山憲司, 堤正臣,Dassanayake, K.M.M., 旋盤形複合加工機に存在する幾何偏差同定方法, 日本機械学会論文集 C 編,Vol.75, No.75, (29), pp (6) 深山直記, 佐伯智之, 崔成日, 堤正臣, テーブル旋回形 5 軸制御マシニングセンタの幾何偏差同定方法の一般化, 日本機械学会論文集 C 編,Vol.75, No.756, (29), pp (7) Schwenke, H., Schmitt, R., Jatzkowski, P., and Warmann, C., On-the-fly calibration of linear and rotary axes of machine tools and CMMs using a tracking interferometer, CIRP Annals - Manufacturing Technology, Vol. 58, Issue 1, (29), pp (8) Bossoni, S., Geometric and dynamic evaluation and optimization of machining centers, Dissertation of ETH Zurich, No , (29), pp (9) 松下哲也, 沖忠洋, 松原厚, テーブルチルト型 5 軸制御工作機械によるテーパコーン加工精度, 精密工学会誌,Vol.74,No.6 (28), pp (1) 伊東誼, 水野順子, 工作機械産業の発展戦略,(29),pp , 工業調査会

53 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析 (11) NAS979, Uniform cutting tests - NAS series, metal cutting equipment specifications, (1969), pp (12) 井原之敏, 田中和也, 多軸工作機械での円錐台加工試験に対応したボールバー測定法 ( 第 1 報 )- 主軸旋回形 5 軸 MC でのボールバー測定と実加工, 精密工学会誌,Vol.71,No.12, (25), pp (13) Hong, C., Ibaraki, S., and Matsubara, A., Influence of position-dependent geometric errors of rotary axes on a machining test of the cone frustum by five-axis machine tools, Precision Engineering, Vol.35, Issue 1, (211), pp (14) ISO , Test conditions for machining centers - Part 7, Accuracy of a finished test piece (1998) (15) ISO , Test conditions for machining centers - Part 6, Accuracy of feeds, speeds and interpolations, (1998). (16) 稲崎一郎, 岸浪建史, 坂本重彦, 杉村延広, 竹内芳美, 田中文基, 工作機械の形状創成理論,(1997),pp , 養賢堂

54 第 2 章円すい台仕上げ加工試験用 NC データの解析

55 第 3 章円すい台加工を模擬した 3 次元円弧補間運動軌跡の解析 第 3 章 円すい台加工を模擬した 3 次元円弧補間運動軌跡の解析 3.1 緒言 前章で説明したように,5 軸制御マシニングセンタ ( 以下,5 軸 MC という.) の工作精度検査は,1969 年制定の米国航空宇宙規格 NAS 979 (1) に規定されている円すい台の仕上げ切削試験方法に基づいて行われている. この試験方法は, 主軸頭旋回形 5 軸 MC を対象としたものであるが, 最近, 普及し始めたテーブル旋回形 5 軸 MC の検査にも適用され, 仕上げた円すい台の真円度の良さが競争になっている (2). しかし, 円すい台の仕上げ加工を行うためには, 工作物や工具, テーブル上に取り付けるジグなどが必要なだけでなく, 形状測定のために真円度測定器や 3 次元測定機が必要になり, 試験の準備から結果を得るまでに時間がかかる. これを解決するために, 円すい台を仕上げ削りする代わりに, ボールバーを使って測定する方法が提案 (3) された. ISO/TC39/SC2/WG3 は, ボールバーを用いた方法を ISO/DIS ( 補間運動試験規格草案 ) (4) に規定することを決め, 草案をほぼ固めたところである. この規格草案の中では, すでに前章と筆者が報告 (5) したように, 半頂角が 15 及び 45 の 2 種類の円すい台を想定して測定することを検査事項として定めている. しかも, この WG3 は, ボールバーを利用したときにボールバーの軸と球を磁力で支えるソケットとが干渉しないようにするために, ボールバーの軸を仮想円すい台の円すい面に垂直に保持することを条件として決めた. 円すい台を想定したボールバーによる測定とその結果の応用については, 松下ら (6)(7) によって精力的に研究され, 半頂角 3 の円すい台を想定した 3 次元円弧補間運動の軌跡から幾何誤差を推定するには, 傾斜角を 15 よりも 75 としたほうが適していると報告している.Hong ら (8) も同じ条件で, 円すい台の円弧形状に及ぼす幾何偏差の影響を解析している. 著者ら (5) は,ISO で審議

56 第 3 章円すい台加工を模擬した 3 次元円弧補間運動軌跡の解析 されている 半頂角 15, 傾き角 1 と 半頂角 45, 傾き角 3 の二つの条件に対する NC データの解析を行い, 半頂角 45 の条件は, 半頂角 15 の条件と比べて Y 軸,Z 軸及び A 軸の移動範囲が大きくなるだけでなく, 中心位置をずらすとその移動範囲が一層大きくなり, かつ, 全ての軸の運動方向反転位置を独立させて出現させることができることを明らかにした. しかし, 半頂角 15 と 45 の条件で測定したときの軌跡の差異やボールバーの感度方向に関しては検討されてこなかった. さらに旋回軸に特有のバックラッシやピッチ誤差の影響が軌跡にどのように現れるかなどについても検討されてこなかった. そこで本章では, すでに開発したシミュレーションモデル (9)(1) に新規に旋回軸ピッチ誤差の詳細モデルを組み込み, 円すい台を模擬した 3 次元円弧補間運動のシミュレーションを行い, 測定結果と比較し, シミュレーションモデルの妥当性を明らかにする. 次に, そのシミュレーションモデルを用いて, 直進軸の摩擦トルクと追従遅れの影響, 二つの旋回軸のバックラッシとピッチ誤差の影響についてシミュレーションし, 円すい台の半頂角, 取付位置, 及びボールバーの感度方向による軌跡形状の特徴を明らかにする. 3.2 シミュレーション方法 ボールバーによる測定 本章でも, 構造形態が w-acybxz-t で表されるテーブル旋回形の 5 軸 MC を用いて円すい台仕上げ削りと同じ運動を行うことを前提 (5) とし, シミュレーションと測定とで同じ NC データを使用する. この NC データは, すでに報告したように CAM ソフトを用いずに形状創成理論 (11) に基づいて作成している. 仮想の円すい台とボールバー ( 分解能,.1m, 測定範囲 ±1.mm) (12) の取付け状態を図 3.1 に示す. 図示したように円すい台の半頂角を, 傾き角をとし, 長さ L のボールバーを取り付ける. この状態で,3 次元円弧補間運動をさせたときのテーブル側球の中心 O T (X T, Y T,Z T ) と主軸端に取り付けられた球の中心との間の距離変化をボールバーの伸縮量として

57 第 3 章円すい台加工を模擬した 3 次元円弧補間運動軌跡の解析 Spindle Imaginary cone frustum Measurement circle ( R=7.7 mm ) L Center of bottom circle O T (X T, Y T, Z T ) Center line of rotary table Z Sensitive direction Ball bar Y Rotary table Center offset (a) Ball bar axis perpendicular to the conical surface Spindle Imaginary cone frustum Sensitive direction Measurement circle ( R=L ) Center of bottom circle O T (X T, Y T, Z T ) Center line of rotary table Z Rotary table Y Ball bar Center offset Interference of the magnetic socket and shaft of ball bar (b)ball bar axis parallel to the bottom surface Fig. 3.1 Two sensitive directions of ball bar for measuring the conical movement (Half apex angle = 45,ball bar length L=1 mm)

58 第 3 章円すい台加工を模擬した 3 次元円弧補間運動軌跡の解析 測定する. ここで, その伸縮方向を測定の感度方向 (4) と定義する. 図 3.1(a) は, ボールバーを円すい面に垂直に取り付けた状態を表し, 図 3.1(b) は, ボールバーを円すい台底面に平行に取り付けた状態を表している. 実験に使用した 5 軸 MC は, 直交 3 軸仕様の MC のテーブル上に 2 軸のテーブルを搭載した構造をしている. そのためにテーブルを傾斜させる軸である A 軸の中心線からテーブル側球中心までの距離 Z T が 155 mm と高い. 測定は, ワーク座標系における工具の送り速度を 1 mm/min と一定とし,3 次元円弧補間運動を 2 周行わせ, 得られたデータから最初の 18 と最後の 18 の部分を取り除くことによって運動開始時及び終了時の影響が入らないようにしている. なお, 測定とシミュレーションでは, ボールバーを円すい台底面の中心位置 O T (X T, Y T, Z T ) から円すい面に垂直に取り付けた場合及びその底面に平行に取り付けた場合について, 半頂角 を 15 と 45 とに変えて行っている. それぞれ円すい台の傾き角 は 1 と 3 としている. 半頂角 5 の場合には問題にならないが, 半頂角 45 の場合には, 図 3.1(b) に示すように底面に平行にボールバーを取り付けるとボールバーが干渉を起こし実際には測定はできない シミュレーションモデル シミュレーションに用いた直進軸及び旋回軸のブロック線図を図 3.2 に示す. このモデルは, すでに筆者らが開発したもので (9)(1) 1 自由度系の数学モデルを用いている. 主な特徴は, 直進軸では外乱 F( 摩擦トルク ) を考慮し, 旋回軸ではテーブル駆動機構のバックラッシとピッチ誤差とを考慮しているところである. 直進 2 軸を用いて円運動を行なうと, 摩擦の影響によって軸の反転位置で象限突起を生じるように, 同時 5 軸運動においても同様の現象が生じることから摩擦トルク F を考慮している. また, このモデルは, 直進軸, 旋回軸のいずれも速度が速くなれば, 追従遅れを生じるようになっている (1). 直進軸は, ボールねじを介して AC サーボモータの回転運動 ( 回転角度 m ) を直進運動に変換し, 旋回軸は, ウォーム歯車を介して減速比 R でテーブルを駆動している. なお, 図示したブロック線図で用いている記号 J は, 機構の総慣性モーメント,C は粘性係数,l はボールねじのリード,R はウォーム歯車の減速比,K PP は位置ループ比例ゲイン,K VP は速度ループ比例ゲイン,T i は速度ループ積分時間,F は摩擦トルク,G は Z 軸だけに生じる重力による負荷トルクである

59 第 3 章円すい台加工を模擬した 3 次元円弧補間運動軌跡の解析 AC servo motor and amp. Linear table Velocity loop Position loop Ball Screw (a) Block diagram of linear feed drive system (G: Z-axis only) AC servo motor and amp. Rotary table Velocity loop Position loop Backlash (b) Block diagram of rotary feed drive system K PP is the positional loop proportion gain, K VP is the velocity loop proportion gain, and T i is the velocity loop integration time. J is the total moment of inertia of the mechanism, C is the viscous damping factor, and l is the lead of the ball screw. Here, R is the reduction ratio of the worm gear used for the A and C axes. Fig. 3.2 Simulation models of linear and rotary axes

60 第 3 章円すい台加工を模擬した 3 次元円弧補間運動軌跡の解析 旋回軸のピッチ誤差モデル及びパラメータの同定方法 本論文では, より詳細なシミュレーションを行うために旋回軸のピッチ誤差モデルを検討した. すでに著者の一人が報告 (13) したように, 旋回軸のピッチ誤差は, 同時 3 軸制御運動の接線方向の運動によって測定できることから,C 軸と X, Y 軸, 及び A 軸と Y,Z 軸とを, それぞれ同時制御して測定した. 得られた曲線を高速フーリエ変換 ( 以下,FFT という.) し, 同時 3 軸制御運動の軌跡を高次成分まで表示できるようモデル化した. その式 (3.1) に示す. R R all n i1 W i sin N i R all (3.1) m i ここで,R all は, モータ回転角から旋回軸の回転角までの減速比, m はモータ回転角度, m はモータ回転角速度,W i は i 番目のピッチ誤差の振幅,N i は i 番目のピッチ誤差の 1 回転当たりの山の数, i は i 番目のピッチ誤差の位相角である. 実機の誤差を的確に表現するためには, 式 (3.1) のパラメータをできるだけ実機のピッチ誤差曲線に合うようにする必要がある. その曲線適合の方法は, 次のようにして行った. (1) 軸は から 9,C 軸は から 36 まで等速で回転させ, その回転に同期するようにそれぞれ Y,Z 軸, 及び X,Y 軸に円弧補間運動をさせ, ボールバーを用いて旋回軸に対する接線方向の誤差を測定する. 得られた波形を FFT 解析して振幅の大きい n 個の N i を取得する. この同時 3 軸制御運動で得られる軌跡は, 時計回り (CW) と反時計回り (CCW) とで振幅及び位相角が異なることから,A 軸と C 軸の二つの旋回軸について CW と CCW 方向の測定を行う. 円すい台の加工を模擬したシミュレーションを行うとき, すでに報告 (5) したように A 軸は往復運動し,C 軸は, 半頂角 が傾き角 よりも大きい場合は, 一方向に回転するだけであるが, 両方向のデータを解析し, それぞれパラメータを同定した. A 軸と C 軸の CW 及び CCW 方向の軌跡を FFT 解析した結果を図 3.3 に示す.A 軸のピッチ誤差成分には, ウォームホイールの歯数に比例する 6 山の整数倍成分とそれ以外の成分が存在していることがわかる. そこで A 軸の数学モデルは,6 山を基本とし, その整数倍の成分と,36 山の前後に現れる 328 山と 388 山の成分を用いてモデル

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