平成22年度地球温暖化対策技術普及等推進事業,インドネシアにおける火力発電所における低品位炭利用の高効率化調査

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1 平成 22 年度地球温暖化対策技術普及等推進事業 ( 第二次 ) インドネシア共和国 火力発電所における低品位炭利用の高効率化 報告書 平成 23 年 3 月 31 日 双日株式会社 0

2 本文目次 本文目次 1 図目次 4 表目次 5 まえがき 8 第 1 章要約 序 目的と事業概要 日本とインドネシアの関係 石炭火力発電所の炭酸ガス削減の背景 スチーム チューブ ドライア (STD) によるインドネシア低品位炭乾燥 石炭性状総合評価システム (C-QUENS) による低品位炭乾燥効果試算 事業性 経済性 国間オフセットメカニズムのファイナンス検討 方法論の検討 インドネシア政府の 2 国間オフセットメカニズム対応 今後の課題 25 第 2 章プロジェクト実施国の現状 インドネシアの概況 インドネシア政府の温暖化対策 インドネシアの気候変動緩和に関する国家政策 エネルギー及び炭素の価格設定 気候政策の再構築 電力部門に於ける温暖化ガス削減政策 温暖化ガス削減の可能性とコスト インドネシアの電力事情 電力概要 電気事業の概要 国営電力会社 PT. PLN (Persero) 電力法 電力開発計画 クラッシュ ( 非石油燃料発電所開発加速 ) プログラム 電力需給 インドネシアのエネルギー政策 インドネシアの石炭事情 石炭資源 石炭生産 54 1

3 2.5.3 石炭需要 石炭輸出 石炭価格 インドネシアの CDM 現状 59 第 3 章事業内容 事業の目的 事業内容 実施内容 実施体制及び事業スケジュール 76 第 4 章低品位炭乾燥技術 スチーム チューブ ドライヤの概要 特徴 構造 実績 インドネシア褐炭乾燥試験結果 テスト概要 STD バッチ試験 STD 連続試験 スチーム チューブ ドライヤ商業設備検討 適用発電所 前提条件 商業設備概要 スチーム チューブ ドライヤ設備コスト試算 設備コスト試算 発電所使用炭種の高水分化に対する STD 乾燥システム効果検討 前提条件 商業設備概要 スチーム チューブ ドライヤ設備コスト試算 95 第 5 章スララヤ発電所の状況 スララヤ発電所の概要 燃料仕様及び現状使用石炭 現地調査結果 98 第 6 章燃料低品位炭乾燥の効果試算 石炭性状総合評価システムの概要 試算条件 試算結果 110 2

4 第 7 章 方法論の検討 方法論候補の検討 排出量削減の試算 AM0011 を基にした場合 方法論の定義 ベースライン排出量 プロジェクト排出量 リーケージ 排出量の削減 排出量削減の試算 排出量削減の試算 AM0061 を基にした場合 方法論の定義 ベースライン排出量 プロジェクト排出量 リーケージ 排出量の削減 排出量削減の試算 方法論検討結果 方法論策定の課題 151 第 8 章ファイナンス検討 国際協力銀行 (JBIC) の金融ツール 輸出金融 投資金融 事業開発等金融 ( アンタイド ローン ) 地球環境保全業務 (Green) 日本貿易保険 (NEXI) のツール 日本貿易保険の概要 地球環境保険 二国間オフセットメカニズムへのファイナンス 162 第 9 章事業性 経済性評価 163 第 10 章インドネシア政府の二国間オフセットメカニズム対応 インドネシア政府の考え ( 科学技術評価応用庁の調査結果 ) 温暖化ガス削減関係者からの聴取結果 168 第 11 章今後の課題 石炭性状総合評価システムの方法論ツール化 石炭性状総合評価システムの精度向上 高水分炭乾燥への STD 適用 171 3

5 11.4 乾燥炭の発電適用性 STD と発電所との統合に関する C-QUENS 改善 171 第 12 章要約英文 (English Summary) 175 図目次 図 STD 構造図図 STD 連続試験装置のフロー図図 石炭火力発電所への STD 適用フロー図 各発電容量と燃料石炭を STD で水分 10% に乾燥した場合の CO2 削減量図 JBIC 輸出金融スキーム図 国間オフセットメカニズムのスキーム案図 インドネシアの地図図 通常予想されるインドネシアの GHG 排出量 (CO2 換算百万トン ) 図 年までの電力部門の温暖化ガス排出量図 クリーン コール テクノロジーによる温暖化ガス削減予測図 インドネシアの電気事業の枠組図 ジャワバリ地域の電源と送電系統の概要図 インドネシアの電力供給量とピークロード図 インドネシアの電力需要予測図 インドネシアにおける原油とコンデンセート油の生産 および国内の石油消費図 エネルギー供給見通し (2005 年 2025 年 ) 図 インドネシアの石炭可採埋蔵量の炭種別割合図 インドネシアの石炭消費量予測と PLN 発電向け石炭消費予測図 インドネシアの石炭基準価格 (FOB) の推移図 インドネシアの温暖化ガス排出量 (CO2 換算百万トン ) 図 インドネシアに於ける化石燃料からの炭酸ガス発生量予測図 世界のエネルギー起源 CO2 排出量 (2008) 図 国別一人当たりのエネルギー起源 CO2 排出量 (2008) 図 インドネシアの CDM 国会委員会の構造図 インドネシアの CDM 承認手続き図 関係国別登録 78 件の国別数 [ 既存投資国別 ] 図 関係国別排出削減量予測 [ 既存投資国別 ](1,159 万トン CO2/ 年 ) 図 セクトラル スコープ別登録 72 件の割合図 セクトラル スコープ別排出削減量予測 (709 万トン CO2/ 年 ) 図 セクター別登録 61 件の割合図 セクター別排出削減量予測 (636 万トン CO2/ 年 ) 図 プロジェクト規模別登録 61 件図 STD を褐炭火力の予備乾燥用に設置した場合 (CO 2 削減と経済性検討ケース ) 図 STD 構造図図 STD バッチテスト機図 STD バッチテストフロー図図 STD バッチテスト結果 (A-Coal) 図 STD バッチテスト結果 (B-Coal) 図 STD 連続テスト機 4

6 図 STD 連続テストフロー図 STD 連続テスト結果 (A-Coal) 図 STD 連続テスト結果 (B-Coal) 図 石炭火力発電所への STD 適用フロー図 STD 乾燥システムフロー図 STD 乾燥プロットプラン (φ4.2m L32m,2Line 参考図 ) 図 C-QUENS によるプラント性能および経済性の予測スキーム図 C-QUENS による給炭量の計算スキーム図 C-QUENS による所内動力の計算スキーム図 MWe 発電プラントの石炭発熱量と給炭量 ( 乾炭消費率 ) の関係図 火炉收熱割合を考慮した場合の実績値と C-QUENS 予測値の比較図 STD 導入有無によるユニット別給炭量の比較 ( 既存燃料 ) 図 STD 導入時のユニット別送電端発電効率上昇ポイントの比較 ( 既存燃料 ) 図 STD 導入時のユニット別送電端発電効率上昇ポイントの比較 ( 既存燃料 ) 図 STD 導入有無によるユニット別給炭量の比較 (B-Coal) 図 STD 導入時のユニット別送電端発電効率上昇ポイントの比較 (B-Coal) 図 STD 導入時のユニット別送電端発電効率上昇ポイントの比較 (B-Coal) 図 各発電規模における STD 導入による石炭削減図 各発電規模における STD 導入による CO2 削減量図 ACM0011 に基く事業バウンダリー図 ACM0061 に基く事業バウンダリー図 発電量と排出係数図 単純補正 OM のためのラムダの計算図 輸出金融スキーム図 投資金融のスキーム図 事業開発等金融のスキーム図 地球環境保全制度のスキーム図 二国間オフセットメカニズムのスキーム案 表目次 表 インドネシアの温暖化ガス排出源と排出量 (CO2 換算百万トン ) 表 PLN の石炭火力発電所 表 IPP の石炭火力発電所 表 PLN の発電用石炭消費予測 表 各発電所ユニットへの STD 導入内容 表 各発電所ユニットへの STD 導入効果 ( 現状ケース ) 表 各発電所ユニットへの STD 導入効果 ( 高水分炭ケース ) 表 ラブアン発電所ユニット 1 とスララヤ発電所ユニット 2 の経済性概観 表 スララヤ発電所ユニット 7 と 8 の経済性概観 表 経済性前提条件 表 ラブアン発電所ユニット 1 とスララヤ発電所ユニット 2 の経済性計算結果 表 スララヤ発電所ユニット 7 と 8 の経済性計算結果 表 PLN 石炭火力への STD 導入効果試算結果 表 IPP 石炭火力への STD 導入効果試算結果 表 年の GHG 排出及び除去 ( 単位 :x1,000 トン ) 表 稼働中の大型石炭火力発電所リスト 表 稼働中の大型石炭火力発電所の概要 5

7 表 インドネシアの石炭火力発電所一覧表 PLN と IPP の石炭火力発電所一覧表 PLN の石炭火力発電所一覧表 IPP の石炭火力発電所一覧表 PLN の子会社表 各地域の発 送 配電 顧客サービスの概要表 新電力法の比較 ( 変更事項 ) 表 RUKN(2008 年版 ) と RUPTL の概要 (2010 年版 ) 表 第 1 次クラッシュプログラムと第 2 次クラッシュプログラムの比較表 インドネシア全体の電力開発計画表 電力設備の概要 (2009 年 ) 表 ジャワバリ地域の需給バランス表 大統領令 No.5/2006 国家エネルギー政策の目標表 エネルギーミックスの概要表 地域別石炭埋蔵量表 品質別石炭埋蔵量表 石炭生産量推移表 石炭需要推移表 大型石炭火力発電所の石炭消費量表 PLN の発電用石炭消費予測表 インドネシアの温暖化排出源と量 (CO2 換算百万トン ) 表 HBA をベースに算出された各石炭銘柄の公定価格推移表 インドネシアの温暖化排出源と量 (CO2 換算百万トン ) 表 インドネシアの CDM 関連国内制度整備の歴史表 国連 CDM 理事会登録済みインドネシアプロジェクト一覧 ( 更新日 :2011 年 3 月 2 日 ) 表 石炭サンプル特性表 石炭サンプル特性表 連続テスト結果表 石炭特性 組成分析の変化表 スララヤ発電所の必要 STD サイズ及び乾燥システムのユーティリティ消費量表 ラブアン発電所の必要 STD サイズ及び乾燥システムのユーティリティ消費量表 スララヤ発電所の STD 乾燥システム概算コスト表 ラブアン発電所の STD 乾燥システム概算コスト表 スララヤ発電所の STD 必要基数及び乾燥システムのユーティリティ消費量 ( 高水分炭への切替 ) 表 ラブアン発電所の STD 必要基数及び乾燥システムのユーティリティ消費量 ( 高水分炭への切替 ) 表 スララヤ発電所の STD 乾燥システム概算コスト ( 高水分炭への切り替え ) 表 ラブアン発電所の STD 乾燥システム概算コスト表 スララヤ発電所設備概要表 スララヤ発電所の運用状況表 スララヤ発電所の各炭種の消費量 (2010 年 ) 表 スララヤ発電所の各炭種の性状表 C-QUENS 予測値とプラント実績値の比較および誤差表 評価対象とした発電プラント表 スララヤ発電所各ユニットについてのシミュレーション用データセット表 ラブアン発電所ユニット 1 についてのシミュレーション用データセット表 スララヤ発電所各ユニットについてのシミュレーション用データセット表 ラブアン発電所ユニット 1 についてのシミュレーション用データセット表 つの発電プラントにおけるプラント性能のシミュレーション結果 6

8 表 各ユニットにおける STD 導入の効果表 つの発電プラントにおけるプラント性能のシミュレーション結果表 各ユニットにおける STD 導入の効果表 各発電規模における STD 導入の効果表 本事業の方法論策定のベールとなる既存方法論候補表 ACM0011 に基く検討課題表 排出源と排出ガス 事業バウンダリーへの包含の区別表 ACM0061 に基く検討課題表 排出源と排出ガス 事業バウンダリーへの包含の区別表 地球環境保全業務の対象事業表 9-1 各ユニットの排出権 US$20/t の場合の経済性概観表 9-2 各ユニットの排出権 US$30/t の場合の経済性概観表 9-3 水分 44% の褐炭燃料における各ユニットの排出権 US$20/t の場合の経済性概観表 9-4 経済性試算の前提条件 表 9-5 表 9-6 表 9-7 経済性検討結果 PLN 石炭火力発電所への STD 導入基数試算 IPP 石炭火力発電所への STD 導入基数試算 表 スララヤ発電所の予備検討結果表 ラブアン発電所の予備検討結果表 スララヤ発電所の予備検討結果 ( 高水分炭への切替 ) 表 ラブアン発電所の予備乾燥結果 ( 高水分炭への切替 ) 表 各ユニット現状への STD 導入の経済性概観 (CO2 クレジット US$10/t) 表 各ユニット B-Coal を STD で乾燥する場合の経済性概観 (CO2 クレジット US$10/t) 表 経済性検討結果 7

9 まえがき 本報告書は 経済産業省の平成 22 年度 地球温暖化対策技術普及等推進事業 ( 第二次 ) について双日株式会社が受託した インドネシア火力発電所における低品位炭利用の高効率化 の成果をとりまとめたものです 気候変動問題の解決に向け 我が国は 海外での温室効果ガス排出削減に貢献できる優れた技術や製品を多く持っています しかし 現在 技術や製品の普及を通じた途上国での貢献を唯一制度的に後押しする クリーン開発メカニズム( 以下 CDM という ) は 審査プロセスに長い時間がかかり不安定性が高いことに加え 我が国が得意とする省エネルギー製品 ( 自動車 家電等 ) 原子力発電 高効率石炭火力等に対する適用がほとんどなく 我が国の技術 製品を通じた貢献を後押しするには不十分です 2009 年末の第 15 回気候変動枠組み条約締約国会合 (COP15) で策定されたコペンハーゲン合意は 先進国の排出総量についての目標を各国それぞれのやり方で設定することを認めるものです 経済産業省では こうした機会を捉え 現行の CDMの下では国際的に十分に評価がなされていない技術 ( 原子力 CCS 石炭火力等 ) を広く対象に含める形で 我が国が世界に誇るクリーン技術や製品 インフラ 生産設備などの提供を行った企業の貢献を適切に評価し その貢献を我が国の排出削減量として換算することを可能とする新たな仕組みを 2 国間もしくは多国間の合意を通じて構築していくことを目指しています 本調査を通じ 我が国の優れた技術 製品を活かした 途上国との具体的な排出削減プロジェクトの発掘とその形成の促進を行うとともに 技術の普及 移転の実施や貢献の評価手法の確立 プロジェクトの実施に向けたファイナンス面その他の制度構築のあり方を検討する材料を早期に洗い出し 2 国間若しくは多国間の合意を通じた新たな枠組みの構築に役立ててゆきます 本報告が上記枠組み構築実現の一助となり 加えて我が国関係者の参考になることを希望します 平成 23 年 3 月双日株式会社 8

10 第 1 章要約 1.1 序本要約は 経済産業省の平成 22 年度 地球温暖化対策技術普及等推進事業 ( 第二次 ) について双日株式会社が受託した インドネシア火力発電所における低品位炭利用の高効率化 調査の成果をとりまとめたものです 気候変動問題の解決に向け 我が国は 海外での温室効果ガス排出削減に貢献できる優れた技術や製品を多く持っています しかし 現在 技術や製品の普及を通じた途上国での貢献を唯一制度的に後押しする クリーン開発メカニズム( 以下 CDM という ) は 審査プロセスに長い時間がかかり不安定性が高いことに加え 我が国が得意とする省エネルギー製品 ( 自動車 家電等 ) 原子力発電 高効率石炭火力等に対する適用がほとんどなく 我が国の技術 製品を通じた貢献を後押しするには不十分です 2009 年末の第 15 回気候変動枠組み条約締約国会合 (COP15) で策定されたコペンハーゲン合意は 先進国の排出総量についての目標を各国それぞれのやり方で設定することを認めるものです 経済産業省では こうした機会を捉え 現行の CDMの下では国際的に十分に評価がなされていない技術 ( 原子力 CCS 石炭火力等 ) を広く対象に含める形で 我が国が世界に誇るクリーン技術や製品 インフラ 生産設備などの提供を行った企業の貢献を適切に評価し その貢献を我が国の排出削減量として換算することを可能とする新たな仕組みを 2 国間もしくは多国間の合意を通じて構築していくことを目指しています 本調査を通じ 我が国の優れた技術 製品を活かした 途上国との具体的な排出削減プロジェクトの発掘とその形成の促進を行うとともに 技術の普及 移転の実施や貢献の評価手法の確立 プロジェクトの実施に向けたファイナンス面その他の制度構築のあり方を検討する材料を早期に洗い出し 2 国間若しくは多国間の合意を通じた新たな枠組みの構築に役立ててゆきます 本調査が上記枠組み構築実現の一助となり 加えて我が国関係者の参考になることを希望します 1.2 目的と事業概要インドネシアでは旺盛な電力需要を賄うために 自国に豊富に賦存する褐炭 ( 水分 35% 以上 発熱量 4,200kcal/kg 以下 ) や亜瀝青炭 ( 水分 20~35% 発熱量が 4,200~5,800kcal/kg) と言われる水分が高く発熱量の低い低品位炭を燃料にした火力発電所による電力供給が進んでいる 低品位炭は安価な燃料ながら 低品位炭を用いた従来型の火力発電所の発電効率は水分が少なく発熱量の高い瀝青炭 ( 水分 20% 以下 発熱量 5,800kcal/kg 以上 ) と比べ低く 発電量当たりの炭酸ガス発生量が多い 日本の優れたエネルギー技術である月島機械株式会社の蒸気間接加熱型石炭乾燥機 ( スチーム チューブ ドライヤ :STD ) は 石炭火力発電所において利用が限られる低圧蒸気を加熱源に利用することができ 低品位炭火力発電所に設置して低品位炭を予備乾燥することで燃費の改善による炭酸ガス発生の削減が期待される 図 に STD の構造を示す 9

11 低品位炭 キャリアガス 排気ガス 蒸気 図 STD 構造図 乾燥炭 ドレン また 日本の優れた石炭火力発電所診断技術である岐阜大学の 石炭性状総合評価システム (C-QUENS) は 様々な石炭火力発電所における様々な石炭の発電特性や経済性を予測することができる 本事業の概要を下記する 1)STD のインドネシア低品位炭乾燥への技術適合性を検証する 2) 低品位炭火力発電所に STD を設置した場合の燃費改善 炭酸ガス削減と経済性を C-QUENS を用いて検討する 3) インドネシアの国営電力会社 (PLN) の子会社であるインドネシア パワー社が保有するインドネシア最大の石炭火力発電所であるスララヤ発電所を対象に STD 導入プロジェクトの事業性評価 必要なファイナンス等スキームを検討する 4) 炭酸ガス削減の方法論の特定及び同方法論を用いた削減見込量の推定を行う 5)2009 年 12 月の COP15 での コペンハーゲン合意 で認められた 2 国間オフセットメカニズム の適用性も検討する 6) インドネシアの低品位炭火力発電所の燃費改善による炭酸ガス削減のために スチーム チューブ ドライヤ 設置の普及を図る 1.3 日本とインドネシアの関係インドネシアは 1997 年 7 月に発生したアジア通貨危機によって 1998 年の GDP 成長率はマイナス 13% にまで落ち込んだが 各種改革の実施と好調な国内個人消費により GDP 成長率は 2003 年から 2008 年まで 4%~6% 前後で推移した 2009 年は 世界金融 経済危機の影響を受けたものの 政府の金融安定化策 景気刺激策や堅調な国内消費により 世界的にも比較的高い 4.5% を達成した 2010 年も堅調な成長を維持し 通年で 6.1% の成長を実現した 失業率は改善されつつあるも引き続き雇用対策が課題 2008 年後半の経済危機はあったものの 完全失業率は 2009 年 2 月の 8.14% から 2010 年 8 月に 7.14% 改善している ただし 毎年 250 万人が新規に労働市場に参入すると試算されており それを吸収する雇用を創出するためには年率 6~7% の経済成長が必要とされている 1 人あたり名目 GDP は 2010 年に 3,005 ドル 10

12 と 3,000 ドルを突破した 今後も中長期的な成長が見込まれる 2010 年のインドネシアの対日輸出は 2 兆 4,629 億円 対日輸入は 1 兆 3,935 億円であり 日本の大幅な輸入超 日本のエネルギー輸入に占めるインドネシアの割合は 2009 年が液化天然ガス :20%( 第 1 位 ) 石炭:19%( 第 2 位 ) 原油:2%( 第 8 位 ) でインドネシアは日本にとって重要なエネルギー供給国である インドネシアは東南アジア最大の産油国で 1962 年に OPEC( 石油輸出国機構 ) に加盟 経済の拡大に伴いガソリンはじめとする石油消費量は急増している 2004 年に初めて 原油の輸入量が輸出量を上回る純輸入国となり 2009 年に OPEC を脱退している 将来的に新規油田開発による原油の輸出余力を回復できた場合は OPEC に再加盟する可能性がある 日本とインドネシアは経済上緊密な関係を維持している 投資については 2010 年の直接投資実現額は 億ドル ( 前年同期比 52.2% 増 ) うち 外国直接投資実現額は 億ドル ( 前年比 54.2% 増 ) 2009 年は世界的な景気後退もあり 外国投資が減少したが 2010 年は堅調な経済への注目もあり 大幅に外国投資が増加した 日本からインドネシアへの民間直接投資については 2010 年は実現ベースで 7.1 億ドル ( 前年比 54.4% 増 ) で 第 4 位であった これらの直接投資により設立されたインドネシアにおける日系企業は約 1,300 社超に上り 日系企業によるインドネシア人雇用者の数は約 32 万人と言われている インドネシアにおける在留邦人数は 2009 年 10 月現在 11,263 人 在日インドネシア人数は 2009 年末現在で 25,546 人 日本とインドネシアは 2008 年に経済連携協定 (EPA) が発効 2010 年 12 月に 首都圏投資促進特別地域 の協力覚書に署名し 両国で協力して環境整備 インフラ整備を行うことで一致した 日本は長年に亘りインドネシアに対する最大の政府開発援助 (ODA) 供与国 2009 年の日本からの援助実績は無償資金協力 34.4 億円 有償資金協力 1,139 億円 技術協力 79.9 億円 (JICA 経費実績ベース ) 日本とインドネシアは 2010 年 10 月に関係閣僚により第 1 回閣僚級経済協議 2011 年 2 月に第 1 回閣僚級戦略対話を開催している 日本とインドネシアは政治経済上緊密な関係を維持している 1.4 石炭火力発電所の炭酸ガス削減の背景 1) インドネシアの温暖化対策インドネシアの温暖効果ガス (GHG) 排出量は 森林喪失と泥炭地荒廃が主要因で 2005 年に CO2 換算で 21 億トンに達し 2030 年にはこのまま対策を打たないと 33 億トンに達すると予測されている 表 にインドネシアの温暖化ガス排出源と排出量を示す 2005 年から 2030 年にインドネシアの電力需要は 9% で増加し 2030 年には 8 倍になると予想される これは 年率 6% を超える急激な経済成長によるもので 2009 年の総発電容量は 3,000 万 KW で電化率 66% が 2019 年には 5,500 万 KW で電化率 91% に引き上げる電力開発が計画されている 過去 10 年に亘り インドネシアのエネルギー部門の GHG 排出量は急上昇している これは主に石炭火力への依存が増えたことが原因である インドネシアの電力部門からの GHG 排出量は 2005 年の CO2 換算 1 億 1 千万トンから 2030 年には 8 億 1 千万トンへと 7 倍に増加し 排出源で泥炭地を抜き森林喪失の次となる 温暖化対策では石炭火力からの CO2 を削減することが重要となる インドネシア政府は 2008 年に国家気象変動委員会 (National Council of Climate Change:DNPI) を設立して温暖化対策を進めている 政策の要点は以下である 1) 化石燃料に対して炭素税の賦課を検討 併せエネルギー補助金撤廃も検討 この政策と国際炭素マーケットの活用を組み合わせ 適切な基準に基づいた損失の無い目標設定を協議する 11

13 2) エネルギー効率改善及び例えば地熱に対する政策のような低排出技術の開発を促進するような補完的な法案の導入 3) 分野毎の目標設定 クレジットと言った新メカニズムを持つ新しく裾野の広い炭素市場メカニズムの創設を支援 新たな追加的国際公的基金の支援 インドネシアの排出減に対する適切な対価の確保 4) 財務省による気候政策分析力の強化 政府内 特に経済関係省庁間の政策協調及び気候変動政策に関連する幅の広い枠組みの見直し CO2 が 1 トン当たり 30 ドルと設定すると インドネシアの化石燃料からの排出を通常の経済活動を変えることなく 24% 程度減らすことができると試算している 表 インドネシアの温暖化ガス排出源と排出量 (CO2 換算百万トン ) 年 建物 セメント 石油 ガス 農業 運輸 電力 森林破壊 泥炭地 合計 2,051 2,534 3,259 出典 : インドネシア国家気候変動委員会 (DNPI)2010 2) インドネシアの電力事情インドネシアの総発電容量は 2009 年が 2,937 万 KW で内石炭火力が 1,180 万 KW と 4 割を占める 急伸する電力需要を満たすと共に コストのかさむ石油を燃料とする発電所への依存度を低減し 石油以外の燃料使用促進を目指し インドネシア政府は 2006 年に第 1 次 1,000 万 KW 石炭火力発電所増強計画 ( クラッシュ プログラム ) を発表 PLN( 国営電力会社 ) が 33 件の石炭火力発電所を建設中で 2013 年には全ての発電所の建設が終了し 1,000 万 KW の増強を完了する インドネシア政府は第 1 次クラッシュ プログラムに続くエネルギー政策として 2010 年 1 月に第 2 次 1,000 万 KW 発電所建設計画 ( クラッシュ プログラム ) に関する大統領令を発布 大統領令では 発電燃料を再生エネルギーと石炭 ガスに限定 また 部分的に IPP( 独立発電事業者 ) と協力することも盛り込み 2014 年までの 5 年間で約 1,000 万 KW の発電能力増強を計画 全増強分 1,067.7 万 KW のうち PLN が 万 KW 分 IPP が 万 KW 分の発電所を建設し 必要となる投資額はそれぞれ 76 億 5 百万ドル 84 億 5 千万ドルと算出 発電燃料別の内訳は 石炭が 万 KW 地熱が 万 KW ガスが 万 KW となったほか 小型水力発電所は 万 KW インドネシアは 2020 年までに温室効果ガス排出を特段の対策をとらなかった場合に比べて 26% 削減する と高い削減目標を掲げており クリーンエネルギー開発と石炭火力発電所の高効率化はその大きな役割を担うことになる 表 に PLN の石炭火力発電所 表 に IPP の石炭火力発電所の発電容量 基数と合計発電容量を 12

14 示す インドネシアの石炭火力発電所の発電設備容量は 現在稼働中の PLN 所轄分が 790 万 KW IPP が 451 万 KW 合計 1,241 万 KW 稼働中 建設中 計画中の PLN の石炭火力総発電容量は 1,484 万 KW IPP の石炭火力総発電容量は 1,643 万 KW 両方の合計は 3,127 万 KW となっている 表 PLN の石炭火力発電所 ST 稼働中 建設中 計画中 (~2014) 全発電所 発電容量 (MW) 基数 合計 (MW) 基数 合計 (MW) 基数 合計 (MW) 合計 (MW) , , , ,400 2, ,050 1, ,260 2, ,200 < , ,657 合計 31 7, , ,847 表 IPP の石炭火力発電所 IPP 稼働中 建設中 計画中 (~2019) 全発電所 発電容量 (MW) 基数 合計 (MW) 基数 合計 (MW) 基数 合計 (MW) 合計 (MW) 1, ,000 2, , , ,300 1, ,230 1, ,200 1,200 < , ,347 5,794 合計 7 4, , ,007 16,439 3) インドネシアの石炭事情エネルギー鉱物資源省の 2009 年統計によれば 石炭の総資源量は 1,049 億トン 可採埋蔵量は 211 億トンと見積もられている 資源の炭種別では瀝青炭 ( 水分 20% 以下 発熱量 5,800kca/kg 以上 ) が 12% 亜瀝青炭水分 (20~35% 発熱量 4,200~5,800kcal/kg) が 67% 褐炭 ( 水分 35% 以上 発熱量 4,200kcal/kg 以下 ) が 20% と亜瀝青炭と褐炭の低品位炭が 資源量の 87 % を占めている インドネシアの石炭生産量は 2009 年は 2 億 5,400 万トンと世界第 6 位の生産量となり アジア環太平洋地域ではオーストラリアを追い越し第 1 位の石炭産出国となった 用途のほとんどが電力用で 2025 年には 4 億トンの生産が予想されている インドネシアの国内石炭需要は 2009 年に 5,630 万トンに達し 2011 年には 7,900 万トンが見込まれている 国内需要は電力 セメント 一般産業の 3 つの分野に分けられる 電力は国内需要の 65% を占め 今後の新規建設の火力発電所計画に伴い 大幅に需要が伸びる見通しである PLN の発電所向け石炭消費予測では 2010 年の瀝青炭消費は 490 万トン 亜瀝青炭 2,770 万トン 褐炭 820 万トンが第 2 次クラッシュプログラムが完了予定の 2014 年 (PLN 総発電量 1,485 万 KW) には瀝青炭消費は 890 万トン 亜瀝青炭 4,210 万トン 褐炭 4,430 万トンと瀝青炭と亜瀝青炭は 2 倍増だが褐炭は 5 倍増で 褐炭の増加が顕著 13

15 である 表 に PLN の発電用石炭消費予測を示す 表 PLN の発電用石炭消費予測 石炭発熱量 石炭消費予測 ( 百万トン ) 合計 (kcal/kg) , , , Total 出典 : 国営電力会社 (PLN)2010 年 5 月 外貨収入源としての石炭輸出の重要性を考えると 国内発電用に輸出に向かない豊富に賦存する低品位炭 を利用することはインドネシアにとって望ましい選択肢となる 国内発電用の石炭を確保するためエネル ギー 鉱物資源大臣は 2009 年 12 月に 国内供給義務 (DMO) に関する法令を発布した 2011 年の石炭国 内供給義務は 7,897 万トンになる 2011 年のインドネシア石炭生産量見通しが 3 億 2,665 万トンと予想 されているため 国内供給比率は 24.2% となる 産業別の供給先は 国営電力 PLN 向けが 6,628 万トン IPP が 897 万トン その他が 372 万トンである 石炭年間輸出量は 2010 年に 2 億 4 千万トンに達した 前年の 2 億 148 万トンから 19%(3,868 万トン ) 増で あった 輸出先第 1 位は中国向けで 6,169 万トンとなった 前年の 3,347 万トンからほぼ倍増である 輸出先第 2 位はインド向けで 2010 年実績は 3,721 万トンとなった 2008 年の 2,295 万トン 2009 年の 3,226 万トンから増加を続けている 第 3 位は韓国で 3,540 万トン 日本は第 4 位で 2,998 万トンであ った 日本は 3,000 万トン前後で推移しているが アジア各国の需要が伸びているためインドネシア炭輸 出先に占める割合は減少を続けている 2010 年 4 月 PLN 社がインドネシア政府に対して低品位炭 (4,200kcal/kg 未満の石炭 ) の輸出を禁じるよう要請した インドネシア政府は 2014 年に低品位炭輸 出禁止令を発布する意向を示している STD を発電所に導入し 褐炭を乾燥して発熱量をアップして燃料として使うことは 燃料を瀝青炭や亜瀝 青炭から褐炭に切り替え 瀝青炭や亜瀝青炭を輸出に振り向けることを可能とする STD が国内発電燃料 の確保と低品位炭輸出制限を同時に達成することが期待される 1.5 STD によるインドネシア低品位炭乾燥 1)STD 適用性試験 STD の適用性及び実機へのスケールアップデータ採取を目的として インドネシアの東カリマンタン産 A-Coal( 水分 31.6% 発熱量 4,407kcal/kg) と B-Coal( 水分 43.6% 発熱量 3,500kacl/kg) を用いて 月島機械にて STD バッチテスト 連続テストを実施した 図 に STD 連続試験装置の概要を示す 14

16 PG PG 原料 AIR TR TR TR 排気 TI TI TI TI 3.1m 2 STD 連続機 TR TR 乾燥品 図 STD 連続試験装置のフロー図バッチテスト 連続テストの双方の結果を踏まえて A-Coal と B-Coal を STD で乾燥した場合 乾燥目標水分値約 10wt% に対して 約 5wt% まで乾燥可能であること 適正な乾燥速度が得られていること 乾燥後石炭の性状に変化が無いこと STD のチューブや胴体着等の問題もないことから STD の適用は可能であることを確認した 2)STD 商業装置と建設費 STD 乾燥テストの結果に基づき インドネシアの大型石炭火力であるスラヤヤ発電所の 2 号機 (40 万 KW) 7 号機 (60 万 KW) 8 号機 (62.5 万 KW) 及びラブアン発電所の 1 号機 (30 万 KW) を対象にして STD を適用した乾燥システムの商業設備の検討を実施した STD 乾燥システムのプロセスフォロー図と配置図を作成 STD 必要基数及び乾燥システムのユーティリティ条件と消費量を概算すると共に 設備費の検討を行った 図 に石炭火力発電所への STD 適用フローを示す 15

17 低品位炭 既設発電所プロセス 粉砕機 排気ガス バグフィルタ 空気 燃焼排ガス STD ボイラ タービン 発電機 凝縮器 微粉砕機 キャリアガス ( 大気 ) STD 乾燥システム追加 改造範囲 ドレン 低圧蒸気 石炭蒸気ボイラ供給水 ドレンキャリアガス 排気ガス空気 燃焼排ガス図 石炭火力発電所への STD 適用フロー 現在の燃料石炭の水分はスラヤヤ発電所の 2 号機 (40 万 KW) が 25.5%( 発熱量 5,025kca/kg) 7 号機 (60 万 KW) が 25.1%( 発熱量 5,096kcal/g) スララヤ 8 号機 (62.5 万 KW) とびラブアン発電所の 1 号機 (30 万 KW) は A-Coal を燃料にしているため 乾燥試験に供した A-Coal の性状である水分 31.6%( 発熱量 4,407kcal/g) を代表値とした 将来安価な高水分炭の調達を想定し 販売されており 乾燥試験に供した水分 43.6wt%( 発熱量 3,483kcal/kg) の B-Coal を燃料とした場合の其々の燃料石炭を水分 10% に乾燥する際の STD の仕様と必要台数 保全費用と設備費を積算した 表 に結果を示す 表 各発電所ユニットへの STD 発電所ユニット ラブアンUnit1 スララヤ Unit2 スララヤ Unit7 スララヤ Unit8 発電容量 (MW) 乾燥 ( 石炭水分 %) STD 必要基数 STD 建設費 (US 万ドル ) 2,170 4,260 2,160 6,390 4,130 8,480 4,260 8,480 STD 年間保全費 (US 万 $ ドル ) STD の現状最大規模は 1 基が内径 4.2m で長さ 39m 乾燥する石炭の蒸発水量が多くなると STD の台数が増す つまり 乾燥する石炭の水分が高くなれば また発電容量が大きくなれば STD の必要台数が増すことになる 1.6 C-QUENS による低品位炭乾燥効果試算石炭性状総合評価システム (Coal Quality Evaluation System: C-QUENS) は 微粉炭火力発電プラントの性能や経済性に及ぼす炭種の影響を定量的に予測するために開発されたプログラムである 現状の燃料石炭を乾燥して水分 10% にした場合ならびに将来調達が予想される更に低品位の褐炭である B-Coal( 水分 43.6%) を燃料にしたと仮定して スララヤ発電所ユニット およびラブアン発電所ユニット1 について 発電所の仕様と STD を導入した場合に必要な蒸気条件と所要動力の値を C-QUENS に入力しプラント性能をシミュレーションした 尚 C-QUENS には従来 STD の熱源蒸気となるタービンの低圧蒸気抜き出 16

18 しは想定されていたが 今回の試算では STD の熱源として使われた低圧蒸気が凝縮した水をタービンの復 水ラインに戻す熱利用の最適化を考慮して結果を修正している 1) 現状の燃料石炭を STD で乾燥した場合表 に既存燃料石炭における各発電所ユニットへの STD 導入効果試算結果を示す STD 導入により燃料中水分を減少させたことでボイラ効率が大きく上昇する また, ボイラスケール ( 発電量 ) が大きくなるほど石炭消費量は多くなるため 燃料中水分による熱損失も比例的に大きくなる したがって 発電量の多いプラントほど STD 導入によるボイラ効率上昇効果は大きくなる また 燃料石炭の水分が多いほど ボイラに持ち込まれる水分が多くなり熱損失も多く 乾燥によるボイラ効率上昇効果は大きくなる STD 乾燥システムの電力消費量増加分は 石炭乾燥による石炭の粉砕性向上による既設の微粉砕機の動力減による消費電力の削減やボイラ投入燃料の実量減による燃焼空気削減や燃焼排ガス削減によるファン動力減による消費電力の削減と相殺すると試算された また 低圧タービンから抽気した低圧蒸気が STD の熱源として潜熱を放出し凝縮した高温の水をタービンの復水ラインに戻しボイラ給水を加熱すると 低圧タービンからの復水加熱蒸気が節約できる 発電端効率はラブアン Unit1(30 万 KW 石炭水分 31.6%) で 0.67 ポイント スララヤ Unit2(40 万 KW 石炭水分 25.5%) で 0.15 ポイント スララヤ Unit7(60 万 KW 石炭水分 25.1%) で 0.85 ポイント スララヤ Unit8(62.5 万 KW 水分 31.6%) で 1.06 ポイントの上昇が試算された CO 2 発生量は 燃料石炭消費量に依存するが STD 導入によって石炭消費量は減少するため CO 2 発生量は低減する 年間の運転時間を 8,000 時間 ( 333 日 ) と仮定すると 年間の石炭消費削減量は ラブアン Unit1 で 24,800 トン スララヤ Unit2 で 5,600 トン スララヤ Unit7 で 47,200 トン スララヤ Unit8 で 72,000 トンと試算された このように 石炭消費量 送電端効率 CO 2 発生量は STD 導入により改善され 年間の CO2 削減量はラブアン Unit1 で 41,600 トン スララヤ Unit2 で 12,000 トン スララヤ Unit7 で 95,200 トン スララヤ Unit8 で 123,200 トンと試算された 17

19 表 各発電所ユニットへの STD 導入効果 ( 現状ケース ) 発電所ユニット番号 ラブアンUnit1 スララヤ Unit2 スララヤ Unit7 スララヤ Unit8 発電容量 (MW) 石炭水分 (%) 乾燥炭水分 (%) 石炭発熱量 (Kcal/Kg) 4,407 5,799 5,025 6,066 5,096 6,122 4,407 5,799 STD 導入効果 発電端効率 (%) 発電端効率向上 ( ポイント ) 石炭消費量 (t/h) 石炭削減量 (t/h) CO2 発生量 (t/h) CO2 削減量 (t/h) STD 条件 STD 必要台数 必要蒸気条件熱源蒸気温度 ( ) 熱源蒸気圧力 (MpaG) 熱源蒸気量 (t/h) x2-43.8x2 返送ドレン ( 凝縮水 ) 条件温度 ( ) 圧力 (MpaG) 流量 (t/h) x2-43.8x2 用益電力 (KW) x2-570x2 窒素ガス- 圧 0.6MpaG-(Nm3/h) x2-350x2 計装空気 - 圧 0.5MpaG-(Nm3/h) x2-180x2 建設費 (US$) - 21,700,000-21,600,000-41,300,000-42,600,000 年間保全費 (US$/y) - 250, , , ,000 経済性概算年間稼働時間 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 年間石炭削減量 (t/y) 24,800 5,600 47,200 72,000 年間 CO2 削減量 (t/y) 41,600 12,000 95, ,200 石炭調達価格 (CIF US$/t) CO2クレジット価格 (US$/t) 年間石炭費用削減 (US$/y) 1,816, ,184 3,693,872 5,272,560 年間 CO2クレジット販売価格 (US$/y) 1,248, ,000 2,856,000 3,696,000 年間利益 (US$/y) 3,064, ,184 6,549,872 8,968,560 年間運転費用 (US$/y) 450, , , ,000 STD 建設費償却年数 ) 将来調達が予想される B-Coal を STD で乾燥した場合表 に B-Coal を燃料とした場合の各発電所ユニットへの STD 導入効果試算結果を示す 発電端効率はラブアン Unit1(30 万 KW 石炭水分 43.6%) で 1.26 ポイント スララヤ Unit2(40 万 KW 石炭水分 43.6%) で 0.9 ポイント スララヤ Unit7(60 万 KW 石炭水分 43.6%) で 1.57 ポイント スララヤ Unit8(62.5 万 KW 水分 43.6%) で 1.50 ポイントの上昇が試算された 燃料石炭の水分が高い程 乾燥効果は大きいことがわかる 年間の運転時間を 8,000 時間 ( 333 日 ) と仮定すると 年間の石炭消費削減量は ラブアン Unit1 で 62,400 トン スララヤ Unit2 で 59,200 トン スララヤ Unit7 で 140,800 トン スララヤ Unit8 で 138,400 トンと試算された 年間の CO2 削減量はラブアン Unit1 で 86,400 トン スララヤ Unit2 で 80,800 トン スララヤ Unit7 で 193,600 トン スララヤ Unit8 で 190,400 トンと試算された スララヤ Unit2 が発電規模の少ないラブアン Unit1 よる削減量が少ない理由は スララヤ Unit2 のボイラ効率が低いためである 同様にスララヤ Unit8 のボイラ効率が低いためスララヤ Unit7 より削減量が少ない 18

20 表 6-2 各発電所ユニットへの STD 導入効果 ( 高水分炭ケース ) 発電所ユニット番号 ラブアンUnit1 スララヤ Unit2 スララヤ Unit7 スララヤ Nit8 発電容量 (MW) 石炭水分 (%) 乾燥炭水分 (%) 石炭発熱量 (Kcal/Kg) 3,483 5,558 3,483 5,558 3,483 5,558 3,483 5,558 STD 導入効果 発電端効率 (%) 発電端効率向上 ( ポイント ) 石炭消費量 (t/h) 石炭削減量 (t/h) CO2 発生量 (t/h) CO2 削減量 (t/h) STD 条件 STD 必要台数 必要蒸気条件熱源蒸気温度 ( ) 熱源蒸気圧力 (MpaG) 熱源蒸気量 (t/h) X2-38.9X3-41.9X4-42.3X4 返送ドレン ( 凝縮水 ) 条件温度 ( ) 圧力 (MpaG) 流量 (t/h) x2-38.9x3-41.9x4-42.3x4 用益電力 (KW) - 580x2-320x3-520x4-550x4 窒素ガス- 圧 0.6MpaG-(Nm3/h) 360x2 130x3 340x4 350x4 計装空気 - 圧 0.5MpaG-(Nm3/h) 180x2 180x3 180x4 180x4 建設費 (US$) - 42,600,000-63,900,000-84,800,000-85,200,000 年間保全費 (US$/y) - 500, ,000-1,000,000-1,000,000 経済性概算年間稼働時間 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 年間石炭削減量 (t/y) 62,400 59, , ,400 年間 CO2 削減量 (t/y) 86,400 80, , ,400 石炭調達価格 (CIF US$/t) CO2クレジット価格 (US$/t) 年間石炭費用削減 (US$/y) 3,706,560 3,516,480 8,363,520 8,220,960 年間 CO2クレジット販売価格 (US$/y) 年間利益 (US$/y) 3,706,560 3,516,480 8,363,520 8,220,960 年間運転費用 (US$/y) 700, ,000 1,200,000 1,200,000 STD 建設費償却年数 ラブアン発電所のボイラ効率を基に各発電容量と各水分の燃料石炭を STD で乾燥して水分 10% にした場合の CO2 削減効果を図 に示す 19

21 年間 CO2 削減量 ( トン ) 300, , , , ,000 50,000 石炭水分 44% 石炭水分 32% 石炭水分 26% 発電規模 (MW) 図 各発電容量と燃料石炭を STD で水分 10% に乾燥した場合の CO2 削減量 1.7 事業性 経済性スラヤヤ発電所のユニット 2(40 万 KW) ユニット 7(60 万 KW) ユニット 8(62.5 万 KW) およびラブアン発電所のユニット 1 のそれぞれについて経済性評価を行った 石炭消費量削減による年間石炭調達費削減と CO2 クレジット年間販売価格の合計から年間運転コストを引いた値で STD 建設費を割った STD 建設償却年を試算したラブアン発電所ユニット 1 とスララヤ発電所ユニット 2 の経済性概観を表 にスララヤ発電所ユニット7と 8 の経済性概観を表 に示す 発電所ユニット番号発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 石炭水分 %) STD 必要基数 STD 建設費 (US$) 表 ラブアン発電所ユニット 1 とスララヤ発電所ユニット 2 の経済性概観 ラブアン (Labuhan) ユニット スララヤ (Suralaya) ユニット ,700,000 42,600,000 21,600,000 63,900,000 CO2クレジット価格 (US/t) STD 建設費償却年数 発電所ユニット番号発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 石炭水分 %) STD 必要基数 STD 建設費 (US$) 表 スララヤ発電所ユニット 7 と 8 の経済性概観 スララヤ (Suralaya) ユニット スララヤ (Suralaya) ユニット ,300,000 84,800,000 42,600,000 85,200,000 CO2クレジット価格 (US/t) STD 建設費償却年数 経済性概観から石炭の水分が 25% で発電規模が 400MW では経済性が乏しいため これ以外のケースに関し 経済性計算前提条件の表 を用い経済計算した 表 にラブアン発電所ユニット 1 とスララ 20

22 ヤ発電所ユニット 2 の計算結果 表 にスララヤ発電所ユニット 7 と 8 の経済性計算結果を示す 表 経済性前提条件 JBIC 借入 / 自己資金 85/15 JBIC 借入年間金利 (%) 1.9 建設期間 2 年 事業期間 ( 建設期間含む ) 17 年 減価償却 ( 償却年 ) 定率法 (15 年 ) 残存簿価 (%) 為替 US$1=80 円 表 ラブアン発電所ユニット 1 とスララヤ発電所ユニット 2 の経済性計算結果 発電ユニット ラブアンUnit1 スララヤ Unit2 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 石炭調達価格 (US$/ トン ) CO2クレジット価格 (US$/ トン ) 内部利益率 (IRR%) 稼働 10 年目 稼働 15 年目 表 スララヤ発電所ユニット 7 と 8 の経済性計算結果 発電ユニット スララヤ Unit7 スララヤ Unit8 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 石炭調達価格 (US$/ トン ) CO2クレジット価格 (US$/ トン ) 内部利益率 (IRR%) 稼働 10 年目 稼働 15 年目 発電容量が 300MW の場合 現状 31.6% 水分炭の調達価格が現状の US$73.23/t の場合は CO2 クレジットが US$30/t となると 15 年目に IRR が 9.7% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の 59.4/t の場合は CO2 クレジットが US$30/t の場合に 15 年目に IRR が 10.6% となる 発電容量が 400MW の場合 ボイラ効率が低いので 更に高い水分 43.6% の褐炭を利用したとしても調達価格が現状の 59.4/t では CO2 クレジットが US$30/t で 15 年目に IRR が 8.7% に達する 発電容量が 600MW の場合 現状 25% 水分炭の調達価格が現状の US$78.26/t の場合は CO2 クレジットが US$20/t となると 15 年目に IRR が 6.3% CO2 クレジットが US$30/t となると 15 年目に IRR が 9.2% となる 43.6% 水分炭の調達価格が現状の US$59.4/t の場合は CO2 クレジットが US$20/t となると 15 年目に IRR が 10.1% CO2 クレジットが US$30/t となると 15 年目に IRR が 13.0% となる 発電容量が 625MW の場合 現状 31.6% 水分炭の調達価格が現状の US$73.23/t の場合は CO2 クレジットが US$10/t となると 15 年目に IRR が 8.5% CO2 クレジットが US$20/t となると 15 年目に IRR が 12% CO2 クレジットが US$30/t となると 15 年目に IRR が 15.3% となるとなる 44% 水分炭の調達価格が現状の US$59.4/t の場合は CO2 クレジットが US$30/t となっても 15 年目に IRR が 12.6% になるにすぎない 石炭水分が 31.6% と 43.6% の場合で水分の多い方が IRR が低くなるのは 水分が高くなると水分 10% まで乾燥するため STD 必要数が増え投資額が高くなる一方 水分が高くなると石炭価格が低下して石炭削減効 21

23 果が低くなるためと考えられる CO2 クレジットが US$20~30/t で IRR が 10% 以上になり STD 導入が促進されると試算された 低品位炭火力発電所への STD 導入は 発電所の稼働率 石炭の水分と乾燥目標による発電効率の改善 STD の必要基数に違いが生じるため 最適経済性を基に検討する必要があることが示唆された 2019 年までに稼働する PLN と IPP の 300MW 以上の石炭火力発電所の発電容量と基数に基き 水分 32% と 44% の石炭を其々燃料とした場合 各石炭を水分 10% まで STD で乾燥した場合の年間 CO2 削減量と必要な STD 最大機種の基数を試算した結果を表 と表 に示す 表 PLN 石炭火力への STD 導入効果試算結果 PLN(~2014 年 ) 年間 CO2 削減量 ( トン ) STD 発電容量 (MW) 基数 合計発電容量 (MW) 石炭水分 32 10% 石炭水分 44 10% 基数 , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,140 8 合計 30 12,190 2,028,554 3,576, 注 : 発電所の年間稼働時間は7,920 時間 (330 日 ) を基準とした 表 IPP 石炭火力への STD 導入効果試算結果 IPP(~2019 年 ) 年間 CO2 削減量 ( トン ) STD 発電容量 (MW) 基数 合計発電量 (MW) 石炭水分 32 10% 石炭水分 44 10% 基数 1, , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,140 8 合計 18 10,645 2,045,219 3,201, 注 : 発電所の年間稼働時間は7,920 時間 (330 日 ) を基準とした 年間の CO2 削減量は水分 32% の石炭を 10% に乾燥した場合 PLN が合計 202 万トン IPP が合計 204 万トンで総計 406 万トンと試算され CO2 クレジット価格が US$10/t なら年間 4,060 万ドルになり CO2 クレジット価格が US$30/t なら 1 億 2,180 万ドルとなる 水分 44% の石炭を 10% に乾燥した場合 PLN が合計 357 万トン IPP が合計 320 万トンで総計 677 万トンと試算され CO2 クレジット価格が US$10/t なら年間 6,770 万ドルになり CO2 クレジット価格が US$30/t なら 2 億 310 万ドルとなる 必要な STD の基数は 155 基と試算され 総建設費は約 33 億ドルが予想される 22

24 1.8 2 国間オフセットメカニズムのファイナンス検討本事業は日本から技術 設備等の輸出する案件ゆえ 国際協力銀行 (JBIC) の有する輸出金融を利用することが出来る 輸出金融には 日本の輸出者に対する融資 ( サプライヤーズ クレジット ) 外国の輸入者 ( または外国の金融機関 ) に対する融資 ( バイヤーズ クレジット ( バンク ローン )) がある 図 に輸出金融スキームを示す 輸出者 ( 本邦企業 ) 輸出 輸入者 プロジェクト実施 STD 導入事業 輸出金融 融資 国際協力銀行 (JBIC) 外国の金融機関 図 JBIC 輸出金融スキーム JBIC は 通常一般の金融機関 ( 通常は申込み企業の取引先金融機関 ) と協調して必要な資金を融資する 融資金額は OECD 公的輸出信用アレンジメントに基づき決定する 原則として 融資金額は 輸出契約金額 技術提供契約金額の範囲内で 頭金部分を除いた金額となる ローカル コストは 原則 融資対象に含めることは出来ないが 頭金 ( 最大 30%) の範囲内で融資対象に含めることは可能 原則として 融資割合の上限は 6 割 金利は OECD 公的輸出信用アレンジメントに基づき決定される 原則として 成約時の市場貸出基準金利 (Commercial Interest Reference Rate: CIRR) となる 契約時金利固定 ( 円 CIRR) は償還期間 5 年以下で 1.35% 償還期間 5 年超 8.5 年以下が 1.58% 償還期間 8.5 年超で 1.87% となる 成約前固定の場合は金利固定時 CIRR+0.2% となる 2 国間オフセットメカニズムの下で インドネシアの石炭火力発電所に低品位炭の乾燥機を導入する場合のファイナンスに関し 既存の JBIC 輸出金融や環境保全事業への公的融資スキームに基づきより簡素化した制度を検討した 図 に 2 国間オフセットメカニズムのスキーム案を示す 日本政府がインドネシア政府と 2 国間オフセットメカニズム契約の枠組みに JBIC からインドネシアの金融機関経由で無く 直接 STD 導入する発電事業者にバイヤーズクレジットで融資できるようにする CO2 削減の認証は 新方法論のツールに C-QUENS を用い インドネシア内の認証機関を設置する 排出権は全量定額で日本政府が引き取り JBIC が管理して国内の排出権取引市場で国内限定で売却し 売却代金は JBIC の資金管理口座に入金される 国内排出権市場で排出権を販売することで 国内に排出権を供給する一方 社会負担の軽減を図る JBIC は排出権を担保の一部として 資金を管理し 融資の分割返済の際に排出権価格を返済額に組み入れ 融資を受けた相手先は排出権に一切タッチすることなく 炭酸ガス削減の金銭的メリットを享受する 日本政府は買取価格と国内販売価格の差損を補填することで負担が軽減できるので 全量買取価格を高めに設定して 日本の技術の導入優遇策とする 排出権全量固定価格での買取を武器に日本の優れた省エネ技術の輸出を後押しすることができる 23

25 図 国間オフセットメカニズムのスキーム案 1.9 方法論の検討 ACM0011( 既存発電所における 石炭 / 石油から天然ガスへの燃料転換のための統合方法論 ) と AM0061 ( 既存発電設備の修復 / エネルギー効率改善に関する方法論 ) の二つの方法論について スララヤ発電所 2 号機でのSTD 導入事業実施後の想定値を 同条件で試算すると 前者の年間排出削減量は123,262トン 後者はマイナス22,300トンと 大きな違いが生じた これは 発電所のエネルギー効率のベースラインの設定にあたり ACM0011は過去 3 年間の実績値の平均を用い AM0061は保守的な観点から 過去 5 年間のエネルギー効率の実績値のなかのもっとも高い値を ベースラインに設定することに起因している 現在のCDM 方法論は 環境への十全性やクレジットとしての信頼性を高めるために 非常に保守的 つまり厳格な考え方で 排出量を算定している それゆえに そもそも僅か数パーセントの削減達成をめざす 本件のような事業では 現実には削減していても その方法論が持つ基準の取り方ひとつで 削減量が認められないこともありうる 本事業は 現在使用している水分の高い石炭を乾燥させれば 単位発熱量が上がり その結果石炭の使用量が減り CO2 削減につながるという 明快な事業である しかも 発電所なので 石炭の使用量は膨大で 大量のCO2を削減することができる 二国間制度という枠組みの中では このような事業には既存方法論の柔軟な適用 あるいは より簡易な方法論の新規開発が求められていると考える 石炭性状総合評価システム は 石炭の性状と発電施設の性能から CO2の排出量をシミュレーションできる スチームドライヤーを使った乾燥前後の石炭性状データがあれば 過去の数年分のデータを準備する必要がないし 過去に使った石炭の排出係数をデフォルト値で推定するよりも正確な結果を得ることも可能になる データがそろわないことの多い途上国での事業では 有用な排出量削減算定ツールになる この総合評価システムの課題を挙げると 一つは 現在 ±10% 程度の誤差があるシミュレーション精度の 24

26 向上がある 発電所の実務上は問題が無い範囲の誤差でも 二国間の新たな制度として 排出削減量をクレジット化するためには より高い精度が望ましい 該当発電所を含めたインドネシアの発電所を広く調査し 性能 実績データを集めることで シミュレーションの精度は改善できる もう一つの課題は 石炭の炭素排出係数や 電力グリッドのCO2 排出係数など 既存の方法論の排出量計算過程で重要な指標を システムの入 / 出力項目として追加 明示できること そうすれば CDMの方法論計算方法との比較も容易になり CDMに代わる二国間制度のツールとしての評価を得易い 事業実施後の実績データをあわせて 入出力できるようになれば 計測 報告 検証までが容易になり スチームドライヤーを導入した石炭火力発電所での排出削減事業の強力なMRVツールになる この評価システムの改良に取り組むことは 二国間制度の推進にとっても重要と考える 1.10 インドネシア政府の 2 国間オフセットメカニズム対応 2 国間オフセットメカニズムに関し DNPI( 国家気候変動委員会 ) 等の関係者から聴取した結果を取り纏めて下記する 低品位炭を使用する発電における GHG 排出削減の可能性に関し STD 技術に非常に興味が示された 低品位炭の品質を国際市場で受け入れられる品位に改善し 最終的に発電効率をあげ CO2 排出を削減する乾燥技術の開発に向けた努力が評価された インドネシアの STD プロジェクトに関して CDM メカニズムの枠外の新スキームの採用について 新たなカーボントレードとしての試みと受け入れられる可能性はあるが 国連のメカニズムに反せず国際社会に受け入れられることが必須で より高いレベルの規範を備えなければならないとしている 2 国間オフセットメカニズムは GHG 削減の一つの方策と恐らくインドネシアには受け入れると思われるが インドネシアと日本双方にとって等しく利益をもたらすものでなければならない しかしインドネシアはまだ 2 国間オフセットメカニズムを受け入れる政策 スキームを構築していない このスキームは現在研究中であるが インドネシアは 2 国間オフセットメカニズムを歓迎するし 2 国間オフセットメカニズムスキームに異論はない事を強調している なぜならば これはインドネシアが他の発展途上国と国際機関の下に行われたより重要な合意に対抗するものではないためである インドネシアが他国と早急にこのスキームを導入できてない理由は 単にこれに関する排出権トレードの価格合意を含む仕組みや政策が準備中だからである 現状インドネシアが 2 国間オフセットメカニズムの導入を決定するにはまだ時間が掛るが 2 国間オフセットメカニズムプロジェクトに関する経済性調査は国家の利益となる インドネシアが知りたいのは 日本が 2 国間オフセットメカニズムスキームにより排出削減目標を明言しどのくらいのカーボンクレジットが生まれるのかである 現在 国際市場に於ける排出権市場をどのような形にするかと言った京都議定書の継続について協議を行っており そのメカニズムについては UNFCCC で協議されるだろう 日本は幾つかの理由により京都議定書へのコミットに合意していない 一方インドネシアは異なる立場にあり異なる利害がある 京都に参加している国の一つとしてインドネシアは合意事項を犯していない Annex1 諸国が non-annex 諸国に援助する事に対する約束を継続すべく Kyoto Protocol( 京都議定書 ) part2 に向き合わねばならない 未だ協議の過程にあり 効果的に適用されるような方法論を含んだ新しい排出権市場 (carbon market mechanism) の提案をする事は可能である 1.11 今後の課題 25

27 本事業を推進する上での今後の課題を要約して下記する 1) 石炭性状総合評価システムをツールとする新方法論の検討 2) 石炭性状総合評価システムの精度向上 (STD と発電所との統合に関する C-QUENS 改善を含む ) 3) 水分 50~60% の高水分炭乾燥への STD 適用性の検討 4) 乾燥炭の発電適用性の検討 ( 乾燥炭の燃焼試験を含む ) 5) 詳細 FS の実施 (PLN が STD 導入を希望する発電所を対象 ) 6)STD の普及活動 ( セミナー開催や STD 試験装置によるデモンストレーションの実施 ) 第 2 章プロジェクト実施国の現状 2.1 インドネシアの概況インドネシア共和国は大小約 17,000( うち有人島 6,000) もの島々からなる 面積約 189 万 km 2 ( 日本の約 5 倍 ) 人口約 2.31 億人 (2009 年インドネシア政府推計 ) の共和制の国家である 人口の約 60% はジャワ島に集中し 首都ジャカルタの人口は 922 万人 (2009 年インドネシア政府推計 ) ジャワ島以外にはスマトラ島 スラウェシ島 カリマンタン島 イリアンジャヤ島 バリ島 チモール島 マドゥラ島 マルク諸島などがよく知られている インドネシアの地図を図 に示す 大半はジャワ人などのマレー系住民である 人口の 89% がイスラム教徒 9% がキリスト教徒である インドネシアは赤道直下の熱帯性気候のため 乾季と雨季のふたつの季節がある おおむね 5~10 月が乾季で 11~4 月が雨季となる 乾季は湿度があまり高くならずに過ごしやすいが 雨季は午後になるとスコールのような大雨が降り 湿度も高くなる 政治体制は 大統領制 共和制で議会は国会と ( 定員は 560 名 ) と国民協議会 ( 国会議員 560 名 地方代議員 132 名の合計 692 名 ) で構成され 内閣は大統領の補佐機関で 大統領が国務大臣の任免権を有し 2009 年 7 月の大統領選挙において ユドヨノ大統領が約 60% の得票で再選し 10 月 20 日に正式に就任 2 期目のユドヨノ政権は ( イ ) 国民福祉の向上 ( ロ ) 民主主義の確立 ( ハ ) 正義の実践を今後の五カ年計画の核とし 特に 競争力のある経済発展と天然資源の活用及び人的資源の向上を政府の最優先課題と位置付けている 主要産業は石油 石炭 LNG アルミ 錫などの鉱業 米 ゴム パーム油などの農業 木材製品 セメント 肥料などの鉱業があげられる 1997 年 7 月のアジア通貨危機後 政府は IMF との合意に基づき 経済改革を断行 2005 年以降 好調な個人消費を輸出に支えられ インドネシア政府統計によれば実質経済成長率は 2005 年から 2006 年は 5% 台 2007 年は 6% 台で推移 2008 年も欧米の経済危機による輸出の伸び悩み 国際金融危機の影響がありながら 6% 台を堅持 2009 年は政府の金融安定化策 景気刺激策 堅調な国内消費により世界的にも比較的高い成長率である 4.5% を 2010 年には 6.1% を達成し上昇基調を示している 2009 年の名目 GDP は 5,613 億ドル 1 人あたり名目 GDP は 2,590 ドル 2010 年には 3,005 ドルと 3,000 ドルを突破した 今後も中長期的な成長が見込まれインドネシア政府は 1 人あたり名目 GDP は 2025 年に 12,900 ドルから 16,100 ドルと予想し高所得国の仲間入りを目指している 物価上昇率は 2005 年 17.1% 2006 年 6.6% 2007 年 6.6% 2008 年 11.1% 2009 年 2.8% となっている インドネシアは東南アジア最大の産油国で 1962 年に OPEC( 石油輸出国機構 ) に加盟 経済の拡大に伴いガソリンはじめとする石油消費量は急増している 2004 年に初めて 原油の輸入量が輸出量を上回る純 26

28 輸入国となり 2009 年に OPEC を脱退している 将来的に新規油田開発による原油の輸出余力を回復できた場合は OPEC に再加盟する可能性がある インドネシア政府統計 (2009 年 ) によると インドネシア国の総貿易額は輸出が 1,165 億ドル 輸入が 968 億ドルで貿易黒字にある 輸出品目は石油 ガス (16%) 鉱物性燃料(12%) 動物 植物油(11%) となっている また 輸入品目は石油 ガス (20%) 一般機械機器 (15%) 機械 電気部品(12%) となっている 貿易相手国 地域は 非石油 ガス部門で 2009 年の輸出先総額順は EU(14%) 日本(12%) 米国(11%) 輸入先総額順は中国 (17%) 日本(13%) シンガポール(12%) である 日本との関係は 2008 年に経済連携協定を締結 日本からの援助実績は 2009 年が無償資金協力 34 億円 有償資金協力 1,139 億円 技術協力 80 億円 ( JICA 経費実績ベース ) 主要支援国は 2007 年が日本 46.1% 豪州 14.6% 独 11.1% 米国 10.6% 和蘭 5.6% で日本が約半分を占めている 財務省貿易統計によれば 対日輸出額は 2005 年 2 兆 2,961 億円 2006 年 2 兆 8,069 億円 2007 年 3 兆 1,166 億円 2008 年 3 兆 3,780 億円 2009 年 2 兆 376 億円で 対日輸入額は 2005 年 1 兆 169 億円 2006 年 8,578 億円 2007 年 1 兆 645 億円 2008 年 1 兆 3,036 億円 2009 年 8,697 億円で対日貿易は黒字にある インドネシア政府統計によれば日本からの直接投資額は実現ベースで 2005 年 11.4 億ドル 2006 年 9.0 億ドル 2007 年 6.2 億ドル 2008 年 13.7 億ドル 2009 年 6.8 億ドルとなっている 日本とインドネシアは経済上緊密な関係を維持している 図 インドネシアの地図 2.2 インドネシア政府の温暖化対策 インドネシアの気候変動緩和に関する国家政策インドネシアにでは 経済発展 人口増加に伴いエネルギー需要の増加が続いている G20 を構成する国の中で インドネシアは 6% の GDP 伸び率を記録しており 世界でも最も急激な経済成長を遂げている中国 インドに後塵を拝するのみである この高い経済成長の結果 エネルギー消費は劇的に上昇している 財務省により発表された Green Policy Paper によれば 総エネルギー需要は年率 7% で上昇しており 27

29 輸送及び産業部門の発展 更に家庭生活の向上が反映されている 電力部門に於いては アナリストは年率 9% の規模で電力需要が増加していると述べている インドネシアでは 2004 年時点で 25GW の発電能力を有していた 現在の能力は 30.9GW に拡大しており 全体の 2/3 が Java Madura Bali に集中している 電力需要に適応するためには 2030 年までに能力を 100GW に拡大させる必要があると予測されている 発電用燃料の主力は伝統的な燃料である石油 天然ガス 石炭といった所謂化石燃料が中心であり 水力 地熱その他再生可能燃料等は 20% 以下を占めるにとどまっている 化石燃料を主力とすることは エネルギー消費の上昇は スモッグ 酸性雨 GHG( 温室効果ガス ) の上昇と言った多くの環境問題に直結している 化石燃料消費 森林伐採 土地利用変化により GHG の排出は高レベルとなり 環境変化にネガティブなインパクトを与えている この結果インドネシアの GHG 排出は世界の上位十カ国に含まれるている 気候変動は各国の発展目標に対する脅威となっており 特にアジアに於いて顕著と言える インドネシア経済については 経済的 社会的発展に対する希求と自然環境の長期保全の達成のバランスを取ることが 21 世紀の大きな課題となっている 森林伐採及び土地利用変化はインドネシアの GHG 排出の主要因で 泥炭層分解及び断続的な火災もこの中に含まれる 一方 非効率性及びより炭素含有量が多い燃料へのシフトにより インドネシアの GHG 排出の伸びは GDP の伸びはおろか燃料消費の伸びよりも大きく これが同国の長期的な問題となっている 化石燃料の中では石油が最大の GHG 排出源となっているが この十年に於いては石炭からの排出増化率が抜きんでている インドネシアの環境省によれば 2000 年の純 GHG 排出量は 1.37GtCO2e であった 最大の排出源は LUCF(land use change and forestry) で 48% 燃料消費が 21% 泥炭火災が 12% 廃棄物が 11% 農業が 5% 産業界が 3% で続いている LUFC と泥炭関連の排出量は 0.821GtCo2e で 全排出量の 60% を占めており 残りが 0.556GtCo2e となっている 表 は 2000 年の GHG 排出及び除去をまとめた物である 表 年の GHG 排出及び除去 ( 単位 :x1,000 トン ) GHG 排出の急増により地球全体の温度が上がるだけでなく 天候不順や季節ごとの温度変化の増大なども引き起こす これら気がかりな現象は世界中で予測できない規模で散見される 熱帯及び温帯に位置する諸国に於ける気候変動は 自然環境及び社会的幸福の双方に負の影響を与えている これら諸問題について 持続的な発展に対して異なった考えや取組による新しい取り決めを作らなければならない もし 今まで通りのビジネス選択をし 気候変動低減に努めなければ 様々な悲劇に見舞われ 又 将来における環境劣化の阻止及び健全な経済を維持するためにより多額のコストを払わなければならなくなるだろう 2007 年にバリで開催された第 13 回気候変動枠組条約締約国会議 (Conference of the Parties COP) に於いて UNFCCC(United Framework Convention on Climate Change) の参加者は 緩和策 適応策 ファ 28

30 イナンス 技術の四つを組み合わせる事により気候変動に打勝つことを約した この取り決めを受け インドネシアは素早い行動を可能とするために多くの機構や政策を通じ準備してきた 一つの重要な出来事は 国家気候変動委員会 (National Council of Climate Change:DNPI) を 2008 年に設立した事である DNPI 設立の目的は気候変動プログラムの全ての側面に於いて 省際 又 複数の利害関係者に及ぶ政策調整にある DNPI は大統領が率い 17 人の大臣と1 人の長官がメンバーとなっている DNPI は インドネシアに於ける気候変動対策のポイントを明確にし 推進するために 政府機関 機構 非政府機関の壁を越えた連携促進に責任を持つ 更に DNPI は インドネシアにとっての UNFCCC について 中央政府を代表して国際的な協議を行い global climate agreement に基づきインドネシアが国内の発展に寄与できるような公正な扱いを獲得するようにする Bali Action Plan in G に加え インドネシア大統領は インドネシアは 2020 年までに GHG 排出を 26% ( 単独で ) 削減し 更に先進国の協力を得て 41% 削減する事を約束している 出典 :Green Paper 2009 図 通常予想されるインドネシアの GHG 排出量 (CO2 換算百万トン ) UNFCCC の枠組みに於いては インドネシアは Annex1 の諸国でも GHG 排出を義務付けられている富裕な先進諸国でもない しかし自国のために 経済発展のための持続的な方策を取る必要がある インドネシアはエネルギー効率の改善に取り組み 全ての業種の発展のために再生可能燃料の開拓が必要である 目的は 自国の限られた資源の有効利用及び環境保全にある 又 森林伐採及び土地利用変化による炭素排出の可能性を減ずるために効果的に土地 森林を管理する必要がある 同時に生物多様性の維持 林業から得られる経済面及び環境面での恩恵 地方の貧しい地域の生活水準の向上も目指さねばならない 掛る取り組みは 低炭素開発 資源保護 最大化を加味した活発な経済発展を促進する方策の設定と連携させて 29

31 行い これにより将来の自国資源からの恩恵を現在と同程度に維持できるだろう 低炭素開発には様々な調整や改善が必要とされ 特にインドネシアの弱点と認識されている政府部局間の連携が重要である 更に低炭素開発には 現在最適とは言い難いレベルにある 堅固な技術的能力や技術開発が必要である この欠点については インドネシアは海外の開発パートナー 政府 非政府機関との連携強化を追及する 同様に重要なのは 国内外の様々なソースからの相当規模のファンドの獲得である 上記の目標を達成するのは易しい事ではない 米国に端を発し友好関係のある先進国に波及した世界規模の経済危機により 実現はより挑戦的なものになった この世界規模の経済危機を低炭素開発の努力や気候変動対策をスケールダウンするための言い訳にしてはならない 経済危機は一時的 循環的な現象であり 回復までに 2-3 年掛ることが予想されている しかし気候変動はより構造的な問題であり より長期にわたる破壊的な事象と言える もし今日の行動を延期すれば 様々なリスクを次世代にもたらす事になる 遂行にあたり 緩和策 適応法 技術開発対策にどのような資金繰りをすべきであろうか 国家予算や基金と言った公的な資金は機構設立 戦略策定 気候プログラムの拡充の重要な原資になる しかし インドネシアのような国土の広い国に於いては掛る資金は上記の活動を賄うには小さすぎる 成功のためには民間投資促進が必要だが 民間投資を許容する法的 政策的枠組みの改変を行わねばならない 民間投資は特に 小規模なプロジェクト たとえば水力発電や地熱発電のような大規模なプロジェクトのための環境負荷低減技術の開発と採用が重要である 既存の政策 法制は気候変動対策と民間投資意欲を結びつけるには最良とは言えない 一例をあげると インドネシアのエネルギー価格決定政策は再生可能燃料の開発 民間の参入を妨げている インドネシアはこの問題の改善に向けさらなる努力をせねばならない 又 インドネシアは気候変動の緩和策 適応策 技術開発の経済的帰結を確認する必要がある 国家が具体的な活動をするための改革を実現するには どのような経済政策 計画が必要であろうか ビジネスは いつもの通り 選択肢にはならない なぜならばこの動きは気候変動による危険なインパクトに対する国家の脆弱さを増すことになるからである どのように経済的な優遇策を用い潜在的な公的 民間資金を気候変動緩和及び低炭素開発に向けるために活用できるか より詳細な分析が必要とされる DNPI 及び Fiscal Policy Office は様々な分析に携わってきた これらの分析結果はより強い制度設計のもと実施される機敏な政策決定に結び付いて行く 調査の結果 気候変動に対応する適応策 緩和策のコストは高いが 何も策を取らないことのコストは更に高い 予想されるコストは開発費用がメインとなるが GDP の伸び率や総投資額を上回ることはない インドネシアは多大な適応リスク コストに直面するだろう 又 将来における低炭素開発の道筋作りにエネルギーと化石燃料を順応させるコストも高くなる これら付加された事項は 貧困撲滅 インフラ 教育 健康増進の為の資金調達活動の最上位に位置されるだろう それは近年の投資レベルをはるかに上回る事になる 気候変動に立ち向かうための資金調達の為 インドネシアは 実現可能な枠組み及び民間部門を魅了する長期優遇策を加味した 調和と統合された国家政策に基づくメカニズムとソースの組み合わせが必要となろう 気候変動は マクロの経済管理 財政政策の選択 歳入増の為の代替策 保険市場及び長期の投資オプションに影響を与えることになる 振興策 投資 開発計画 貧者への分与を刺激する財政 金融政策手段が必要となるだろう 大臣は国際的な資金 基金に連なる政策及び社会的発展に対する提案を準備している 政策の要点は下記のとおりである * 化石燃料に対して炭素税の賦課を検討 併せエネルギー補助金撤廃も検討 この政策と国際炭素マーケットの活用を組み合わせ 適切な基準に基づいた損失の無い目標設定を協議する 30

32 * エネルギー効率改善及び例えば地熱に対する政策のような低排出技術の開発を促進するような補完的な法案の導入 * 分野毎の目標設定 クレジットと言った新メカニズムを持つ新しく裾野の広い炭素市場メカニズムの創設を支援 新たな追加的国際公的基金の支援 インドネシアの排出減に対する適切な対価の確保 * 財務省による気候政策分析力の強化 政府内 特に経済関係省庁間の政策協調及び気候変動政策に関連する幅の広い枠組みの見直し エネルギー及び炭素の価格設定過去十年に亘り インドネシアのエネルギー部門の排出量 ( エネルギー消費単位当たりの GHG 排出量 ) は上昇している これは主に石炭火力への依存が増えたことが原因である 石炭使用の増加は インドネシアの輸入化石燃料に対する依存を減らすことができ そして安価な発電用燃料であることより 歓迎されてきた しかし 石炭が最も安価な発電用燃料であるという前提は 経済及び国家予算に影響を与える重要な経済的諸側面を考慮していないと言える エネルギー部門の効果的改革の要諦は 経済価格指標が市場を正しく反映したものとすることである つまり 直接 間接の助成が適用させる物の価格を歪めたり 誤った投資や消費決定を誘発しないようにすることである 現在の所 生産者にとっては炭素排出に関するコストはゼロであり 経済関連部局はあたかも排出は無制限で有るかのようにふるまっている 排出削減に対するプレッシャーはなく 排出は今後も増える事になる 炭素排出削減に向けた効率的な経済改革メカニズムは しばしの間エネルギー助成を取りやめ炭素排出に対する価格を設定する事である 助成の撤廃により 生産コストよりも需要家に資するエネルギーが使用されることになり 同時に排出減と生産性の向上が達成できる 排出権価格の設定により 高排出の活動 産品の価格は低排出の代替品の価格レベルまで上昇する この仕組みが消費者に及ぶようにする事により 高排出の活動は低排出の活動に収斂される この方策により 最も経済的に低コストの削減策が選ばれ 結果として排出低減は低いコストで達成される エネルギー助成の撤廃と排出権価格の設定は加速されるべきである しかし 炭素税の導入に必ずしも撤廃が先立つ事を意味するのではなく 撤廃を進めつつ導入されていく 炭素税の導入は電力業界 産業界に低炭素代替物へのシフトを促進する合図となり 投資決定の参考にされる先物価格の構築も促す 好ましい政策としてはまず小額の炭素税の導入を通じて炭素価格の導入を図る 排出権価格を支える炭素計測 計算システムが化石燃料燃焼に用いられれば 潜在的な市場参加者を導き出し 炭素税は 将来国際炭素市場に直接結び付く可能性のある 排出取引に置き換えられるだろう 排出権価格の導入を支えるには 規則が正しく設定される必要がある 排出権価格が導入されれば 排出権価格より安い排出低減法が経済的には好ましく 排出権価格より割高な低減法は好まれない 特定の規制やより細やかな財政政策による規制を通じて達成される排出削減が排出権価格に反映され よりコストの低い削減策が自動的に選定されるようになる 実行には政策決定者が特定の削減策を選び出す必要があるが これがあらゆる側面より考えて最も経済的である しかし低コストである事を保証する事は出来ない 農業 土地利用変更 林業部門に関する炭素量の計測が非常に困難であることより排出価格の適用手段は限られている 又 市場メカニズムが 価格のベースとなる削減法を選定する事を妨げる障害物が多数存在する エネルギー使用効率を上げる事や低炭素技術の開発を促す優遇策を提供するなどの排出権価格決定を実現するための方策に対する適切かつ力強い役割を果たし 又 炭素価格決定に基づきコストが上昇する家庭部門 産業部門のうめ合わせの為の施策や炭素価格決定を完了さ 31

33 せるような適当な役割が必要となる 炭素税は非常に信頼性 透明性のあるツールであり 失わない という目標に沿って削減を達成させるだろう このような新目標の設定はインドネシアに新たな大きい輸出機会をもたらす 最近採用された経済モデルは 国際価格を CO2 が 1 トン当たり 30 ドルと設定すると インドネシアの化石燃料からの排出を通常の経済活動を変えることなく 24% 程度減らすことができる事を示している 従い もし 10% 減の目標設定で合意されたとすると 2020 年までに年間の輸出収益を 2~30 億ドルに上昇させる 炭素排出に対する価格メカニズムは エネルギー部門に於いての排出削減策の主体となる 市場メカニズムが価格ベースに基づいて削減策を制定する事を妨害する障害物があることより エネルギー効率の改善や低排出技術の開発を促進する優遇策の設定を含む炭素税を補完する策が必要である 機構再構築効果的な政策調整が気候政策を成功に導く鍵である 気候政策の構築 インドネシアに於いてどのように気候政策と歳入を最適にバランスさせるか等に関しては 多数の省庁が検討しなければならない問題であるが 財務省 (Ministry of Finance) その中心的な役割を果たす * 気候変動に対する調整に於いて最も重要なのは 各省庁間 (Ministry of Social Affairs: 外務省, Minstry of Economic Affairs: 経済調整省, Bappenas-National Development Plannning Board-: 国家開発計画庁, DNPI: 気候変動対策委員会 ) の調整である * 主要な関連施策は その関連分野 ( 森林 農業 環境 資源エネルギー 通商 産業 運輸 公共事業 ) に連なる省庁が 引き続き主導して決定される 現実的には 複雑に入り組んだ状況の下 気候変動に関する政策の構築 調整といった物は非常に困難であるとされている 重複した そして一貫性のない政策構築 導入は気候変動に対して統一されたアプローチをする努力を阻害している インドネシアは 公表された排出目標を 目標設定や炭素基金へのアクセスを遅らせることなく達成するために より強力で効果的な政策の策定 導入 調整を行わなければならないだろう 財務省は 効果的 効率的な炭素政策に関しての財政面 予算面をつかさどるという事だけではなく 排出削減政策は国家財政にも影響をされるような大きな経済的なインパクを与える物であることより 中心的な存在として機能する 又 同省は国際的な機構変更基金へのアクセスの最大化や国内における支払チャネルとしても機能する 財務省は更に 予算を通じて気候変動に対する資金供給を割り振る役割もある 気候変動に関する政策は経済的に非常に敏感でありコスト面で効果的である 気候変動緩和に関し排出削減コストの減額が有効である 財務省は 中長期にわたる支出について安定的な予算配分を行えるようにできる インドネシアのより幅広い経済関連省庁 ( 経済調整省 国家開発計画庁 財務省 ) が 気候政策に関して省庁間の調整を行い適切な経済的アプローチを進言する そして この政策が強力な経済勢力 ( 気候変動緩和政策を導入した先進国のケースなど ) が反対した際には国益を守る 電力部門に於ける GHG 削減政策 2005 年から 2030 年にかけてインドネシアの電力需要は 8 倍になる これは 急激な経済成長によるもので 2009 年の電化率は 66% ながら 2020 年には 91% になる見込み 製造部門 サービス部門の発展がこの 32

34 急激な経済成長の源でる 部門ごとの排出化石燃料消費の増加 特に石炭の増加は 発電用の燃焼の産物である CO2 の排出を増加させる インドネシアの電力部門からの排出は 2005 年の 110MtCO2e から 2030 年には 810MtCO2 へと 7 倍に増加する これは 強力な経済発展と石炭への依存度の増加によって引き起こされる インドネシアの 2030 年時点での電力部門における排出は現在の泥炭地帯からの排出とほぼ同程度となる 出典 :UNCC 2009 図 年までの電力部門の温暖化ガス排出量 2030 年の電力需要は 2005 年の 120TWh から 970TWh に増加すると予測されている 様々な機関が需要予測をしているが 電力需要の見通しに関しては様々な経済事象を比較検討している国営電力会社 (PLN) の物が最も信頼性が高いと思われる しかしながら PLN は 2025 年以降の見通しを発表しておらず 2030 年の数値は過去の成長率から類推して算出した 電力供給に関しては 2030 年までに地熱発電による発電量を現在の 1GW から 9GW にするという野心的な計画を持っており これにより地熱発電量は全発電量の 8% を占める事になる しかしながら 国家エネルギー計画に示されているように 石炭の比率が高まれば 低排出の発電に向けた努力が相殺され 発電単位当たりの排出は 2005 年から 2030 年の間ほぼ変わらないことになる 削減の可能性とコストクリーンエネルギーや再生可能エネルギーの導入やクリーンコールテクノロジーの導入により 2030 年には最大 225MtCO2e の削減の可能性が大いにある 更に削減するには電力以外の部門での削減が必要となる 特に ビル部門 ( 例えば発熱灯から LED への変更 ) 輸送部門 セメント部門と言った需要サイドの努力で 2030 年に排出を 47MtCO2e 削減の効果を上げる事が出来よう 33

35 出典 :UNCC 2009 図 クリーン コール テクノロジーによる温暖化ガス削減予測 水力発電は最大の削減の可能性を持っている インドネシアにおける水力発電は十分とは言えず 現在は 5GW に過ぎないが 2030 年には 32GW にまで開発される可能性がある 27GW ( 年間発熱量を 70TW として ) の追加能力を備えれば 65MtCO2e の削減が可能となり tco2e 当たりのコストは 7 ドルである インドネシアは世界的に地熱大国であることが知られている 地熱を現在の計画以上に利用する事により 50MtCO2e の削減が可能となり 地熱発電量を 6GW(47TW) 増やすことにより tco2e 当たりの削減コストは 27 ドルとなる しかし 確立した技術とは言え 経済性調査を十分に行なわなければ インドネシアにおける地熱発電の探査 開発コストは割高なものになりかねない 地熱サイトで得られる技術的な情報不足による追加コストはそうでない場合に比べ 25%~75% 増えることになると専門家は見ている 大きな効力を発するのはバイオマス発電である ここで言うバイオマスとは 木材 燃料用作物 農業廃棄物から得られる燃料である バイオマス発電は 64MtCO2e の削減の可能性を持つ バイオマスが高コストで有るとの分析は 電力需要地からバイオマス燃料供給地が離れていることによる高い輸送コスト そして分析のモデルが系統連携のある (grid-connected) バイオマス発電のみに置かれている事に基づいている オフグリッド ( 系統連携を必要としない ) 需要に関するデータは限られている 同様に太陽光発電の場合もこのモデルでは系統連携システムとして考慮されており この結果規模的な可能性を限定し 比較的高いコストを導き出している もしオフグリッドが考慮されれば 太陽光発電コストは大幅に低減するといえるが これにはさらなる分析が必要となる 系統連携を前提とする現在のモデルでは tco2e あたりのコストは 80 ドルを超える見込み このような削減の可能性を現実にすること そして低炭素発電設備の開発に向けて インドネシアは様々な障壁を取り除く努力をしなければならない 幅広い範囲を網羅し詳細でだれでも利用可能なインドネシアのエネルギー資源地図の作成や支援制度は開発に対する投資意欲を刺激する インドネシアの資源に関する最新の公的情報も経済分析を含んでいないことが多い 34

36 2.3 インドネシアの電力事情 電力概要インドネシアの総発電容量は 2009 年が 2,937 万 KW で電化率は 66% 電力需要は 2002 年から 2007 年に年平均で 6.8% の成長を続けており 今後 2027 年までは 9% の成長が予想されています 国内で急伸する電力需要を満たすと共に コストのかさむ石油を燃料とする発電所への依存度を低減し 石油以外の燃料使用促進を目指し インドネシア政府は 2006 年に第 1 次 1,000 万 KW 石炭火力発電所増強計画 ( クラッシュ プログラム ) を発表 2012 年までに 1,000 万 KW の増強を計画 第 1 次プログラムでは PLN( 国営電力会社 ) が 33 件の石炭火力発電所を建設中で 2013 年には全ての発電所の建設が終了する インドネシア政府は第 1 次クラッシュ プログラムに続くエネルギー政策として 2010 年 1 月 8 日付で 第 2 次 1,000 万 KW 発電所建設計画 ( クラッシュ プログラム ) に関する大統領令を発布 大統領令では 発電燃料を再生エネルギーと石炭 ガスに限定 また 部分的に IPP( 独立電力事業者 ) と協力することも盛り込み 2014 年までの 5 年間で約 1,000 万 KW の発電能力増強を図る計画 全増強分 1,067.7 万 KW のうち PLN が 万 KW 分 IPP が 万 KW 分の発電所を建設し 必要となる投資額はそれぞれ 76 億 5 百万ドル 84 億 5 千万ドルと算出している 発電燃料別の内訳は 石炭が 万 KW 地熱が 万 KW ガスが 万 KW となったほか 小型水力発電所は 万 KW になる インドネシアは 2020 年までに温室効果ガス排出を特段の対策をとらなかった場合に比べて 26% 削減する と高い削減目標を掲げており クリーンエネルギー開発と石炭火力発電所の高効率化はその大きな役割を担うことになる 稼働中の大型石炭火力発電所を表 に その概要を表 に示す 表 稼働中の大型石炭火力発電所リスト 発電所名立地発電容量ユニット番号 スララヤ西ジャワ バンテン州 4 x 40 万 KW 3 x 60 万 KW Unit1~4 Unit5~7 ラブアン 西ジャワ バンテン州 2 x 30 万 KW Unit1 & 2 Banten 3 西ジャワ バンテン州 1 x 31.5 万 KW Unit1 インドラマユ 西ジャワ インドラマユ 1 x 33 万 KW Unit1 チラチャップ 中央ジャワ レンバン 2 x 31.5 万 KW Unit1 & 2 Jatim 1 中央ジャワ パイトン 1 x 66 万 KW Unit9 パイトン中央ジャワ パイトン 2 x 40 万 KW 2 x 65 万 KW (IPP) 2 x 61.5 万 KW (IPP) Unit1 & 2 Unit5 & 6 Unit7 & 8 タンジュン 中央ジャワ ジェパラ 3 x 66 万 KW(IPP) Unit1, 2 & 4 ジャティ B 合計 万 KW 35

37 表 稼働中の大型石炭火力発電所の概要 発電所 発電容量 年間石炭消費量 石炭水分 石炭発熱量 蒸気発生量 タービン入口 タービン入口 (MW) ( トン ) (%) (kcal/kg) (t/h) 蒸気圧 (kg/cm2) 蒸気温度 ( ) スララヤ ,538, ,025 1, スララヤ ,529, ,025 1, スララヤ ,388, ,025 1, スララヤ ,378, ,025 1, スララヤ ,657,156 25~28 4,800~5158 2, スララヤ ,274,627 25~28 4,800~5158 2, スララヤ ,335,392 25~28 4,800~5158 2, パイトン ,511,350 22~27 4,997 1, パイトン ,541,067 22~27 5,006 1, パイトン ,155,598 22~27 4,980 2, パイトン ,152,193 22~27 4,977 2, パイトン ,214,936 22~27 5, パイトン ,290,481 22~27 5, パイトン ,200 2, チラチャップ ,030,348 25~35 4,872 1, チラチャップ ,923 25~35 4,476 1, ラブアン ,114,666 25~35 3,900~4,500 1, ラブアン ~35 3,900~4,500 1, インドラマユ ~35 3,900~4,500 1, Banten ~35 3,900~4,500 1, タンジュン ジャティB ,788,780 10~17 5,612 2, タンジュン ジャティB ,831,451 10~17 5,612 2, タンジュン ジャティB スララヤの石炭消費は過去 4 年間の平均 その他は過去 3 年間の平均 東ジャワ州パイトンのパイトン複合石炭火力発電所には PLN が 1995 年に稼働開始した 40 万 KW 2 基のパイトン石炭火力発電所 PT Paiton Energy Company(PEC) が 1999 年に稼働開始した 65 万 KW 2 基のパイトン-1 石炭火力発電所 PT Jawa Power が 2000 年に稼働開始した 61.5 万 KW 2 基のパイトン-2 石炭火力発電所 PLN が第 1 次クラッシュプログラム下で開発中の 66 万 KW の Paiton Baru 石炭火力発電所がある PEC はパイトン -1 石炭火力発電所の隣接地に 81.5 万 KW のパイトン-3 石炭火力発電所を増設中 最終的にパイトン複合石炭火力発電所の発電総容量は 万 KW になる PLN の子会社 PT Indonesia Power (IP) が西ジャワのバンテン (Banten) 州メラク (Merak) に所有するスララヤ石炭火力発電所の発電設備は 40 万 KW 4 基 60 万 KW 3 基 合計 340 万 KW で 1 発電所としてはインドネシアで最大の石炭火力発電所 設計炭の水分は 24% 年間 1,170 万トンの亜瀝青炭を燃料として消費している スララヤ発電所に隣接して PLN 直轄で 62.5 万 KW の Unit8 が建設され 2011 年 7 月頃から運転を開始する予定 PT Cirebon Electric Power(CEP) が西ジャワのチレボンで 66 万 KW の石炭超臨界発電所を開発中で 年間で約 300 万トンの石炭消費量を想定し 2011 年からの商業運転開始を見込んでいる ジャワ島中部に位置する PT. Central Java Power(CJP) のタンジュン ジャティ B 石炭火力発電所では 66 万 KW 3 基が稼働中で 2012 年から 66 万 KW が 1 基追加で運転開始を見込んでいる 表 にインドネシアの石炭火力発電所一覧を示す インドネシアの石炭火力発電所の発電設備容量は 現在稼働中の PLN 所轄分が 790 万 KW 独立系発電事業 (IPP) が 451 万 KW 合計 1,241 万 KW 単基の発電設備容量での内訳は 30 万 KW 以上が 24 基で 1,187 万 KW 10~30 万 KW が 4 基で 43 万 KW 10 万 KW 以下が 10 基で 11 万 KW 現在建設中の PLN 所轄分が 677 万 KW 独立系発電事業 (IPP) が 292 万 KW 合計 969 万 KW が 2014 年までに稼働する 単基の発電設備容量での内訳は 30 万 KW 以上が 16 基で 630 万 KW 10~30 万 KW が 19 基で 230 万 KW 10 万 KW 以下が 36 基で 109 万 KW 現在計画中の PLN 所轄分が 17 万 KW 独立系発電事業(IPP) が 900 万 KW 合計 917 万 KW 36

38 が 2019 年までに稼働する 単基の発電設備容量での内訳は 30 万 KW 以上が 9 基で 466 万 KW 10~30 万 KW が 24 基で 302 万 KW 10 万 KW 以下が 92 基で 149 万 KW 稼働中 建設中 計画中の総合計は 3,127 万 KW となっている 表 インドネシアの石炭火力発電所一覧 I. PLN 所轄既存石炭火力発電所 番号 発電所名 場所 発電容量 備考 1 PLTU Sumut 1 Labuhan Angin, North Sumatra 2 x 115 MW Units 1 & 2 2 PLTU Tanjung Balai Karimun Tanjung Balai, Riau 2 x 7 MW Units 1 & 2 3 PLTU Tarahan Kec. Katibung, Lampung 2 x 100 MW Units 3 & 4 4 PLTU 1 Banten Suralaya, Banten 1 x 625 MW Unit 8 運開 2011 年 7 月 5 PLTU 2 Banten Labuan, Banten 2 x 300 MW Units 1 & 2 運開 2009 年 6 PLTU 3 Banten Lontar, Banten 1 x 315 MW Unit 1 7 PLTU Suralaya Suralaya, Banten 400MW Unit 1 運開 1985 年 PLTU Suralaya Suralaya, Banten 2 x 400MW Unit 2 & 3 運開 1989 年 PLTU Suralaya Suralaya, Banten 400MW Unit 4 運開 1997 年 PLTU Suralaya Suralaya, Banten 2 x 600MW Unit 5 & 6 運開 1997 年 PLTU Suralaya Suralaya, Banten 600MW Unit 7 運開 1998 年 8 PLTU Indramayu Indramayu, West Java 1 x 330 MW Unit 1 運開 2009 年 9 PLTU 1 Jateng Rembang, Central Java 2 x 315 MW Units 1 & 2 運開 2009 年 10 PLTU 2 Jatim Paiton, East Java 1 x 660 MW Unit 9 運開 2009 年 11 PLTU Paiton Paiton, East Java 2 x 400 MW Units 1 & 2 運開 1993 年 12 PLTU 1 NTT Ropa Ende, NTT 2 x 7 MW Units 1 & 2 13 PLTU Lati Lati Tj. Redeb, East Kalimantan 2 x 7 MW Units 1 & 2 14 PLTU Tawaeli Palu, Central Sulawesi 2 x 15 MW Units 1 & 2 15 PLTU Babel 3 Air Anyer, Babel 1 x 30 MW Unit 1 16 PLTU Sultra Kendari, South East Sulawesi 1 x 10 MW Unit 1 小計 7,902 MW 既存 IPP 石炭火力発電所 17 PLTU IPP Paiton (Private I) Paiton, East Java 2 x 615 MW Units 7 運開 1998 年 & 8 運開 1999 年 18 PLTU IPP Paiton (Private II) Paiton, East Java 2 x 650 MW Units 5 運開 1999 年 & 6 運開 2000 年 19 PLTU Tanjung Jati B Jepara, Central Java 3 x 660 MW Units 1, 2 & 4 運開 2006 年 小計 I 合計 4,510 MW 12,412 MW 37

39 II. PLN 所轄建設中石炭火力発電所番号発電所名場所発電容量備考 1 PLTU 3 Banten Lontar, Banten 2 x 315 MW Unit 2 & 3 運開 2011 年 2 PLTU Pelabuhan Ratu Pelabuhan Ratu, West Java 3 x 350 MW 運開 2011 年 3 PLTU Bima Bima, NTB 2 x 10 MW 運開 2011 年 4 PLTU Indramayu Indramayu, West Java 2 x 330 MW Unit 2 & Unit 3 運開 2011 年 5 PLTU Tanjung Jati B Jepara, Central Java 1 x 660 MW Unit 3 運開 2012 年 6 PLTU 2 Jateng Adipala, Central Java 1 x 600 MW 運開 2014 年 7 PLTU 1 Jatim Pacitan, East Java 2 x 315 MW 運開 2011 年 8 PLTU 3 Jatim Tanjung Awar-Awar, Tuban, East Java 2 x 300 MW 運開 2013 年 9 PLTU NAD Meulaboh, Nangroe Aceh Darusalam 2 x 110 MW 運開 2012 年 10 PLTU Sumut 2 Pangkalan Susu, North Sumatra 2 x 200 MW Units I & 2 11 PLTU 1 Riau Bengkalis, Riau 2 x 7 MW 運開 2012 年 12 PLTU 2 Riau Selat Panjang, Riau 2 x 5 MW 運開 2012 年 13 PLTU 3 Babel Air Anyer, Babel 1 x 30 MW Unit 2 運開 2011 年 14 PLTU 4 Babel Belitung, Babel 2 x 16.5 MW 運開 2011 年 15 PLTU Sumbar Teluk Sirih, West Sumatra 2 x 112 MW 運開 2012 年 16 PLTU Lampung Tarahan Baru, Lampung 2 x 110 MW 運開 2012 年 17 PLTU 1 Kalbar Parit Baru, West Kalimantan 2 x 50 MW 運開 2012 年 18 PLTU 2 Kalbar Pantai Kura-Kura 2 x 27.5 MW 運開 2012 年 19 PLTU 1 Kalteng Pulau Pisang, Central Kalimantan 2 x 60 MW 再入札 20 PLTU Kalsel Asem-Asem, South Kalimantan 2 x 65 MW 運開 2011 年 21 PLTU 2 Sulut Amurang, North Sulawesi 2 x 25 MW 運開 2011 年 22 PLTU Gorontalo Gorontalo, North Sulawesi 2 x 25 MW 運開 2011 年 23 PLTU Sultra Kendari, South East Sulawesi 1x10 MW Unit 2 運開 2011 年 24 PLTU Tidore Tidore, North Maluku 2 x 7 MW 運開 2011 年 25 PLTU 1 Papua Timika, Papua 2 x 7 MW 再入札 26 PLTU 2 Papua Jayapura, Papua 2 x 10 MW 運開 2011 年 27 PLTU Maluku Ambon, Maluku 2 x 15 MW 再入札 28 PLTU Sulsel Barru, South Sulawesi 2 x 50 MW 運開 2011 年 29 PLTU 2 NTB Lombok, NTB 2 x 25 MW 運開 2011 年 30 PLTU 2 NTT Kupang, NTT 2 x 15 MW 運開 2011 年 小計 6,774 MW 建設中 IPP 石炭火力発電所 31 PLTU IPP Cankang-Bangka Bangka, Babel 1 x 5.0 MW 確定運開 2011 年 32 PLTU IPP Pangkalan Bun Pangkalan Bun, Central Kalimantan 2 x 7 MW 確定運開 2011 年 33 PLTU IPP Simpang Belimbing Simpang Belimbing, South Sumatra 2 x MW 確定運開 2011 年 34 PLTU IPP Molotabu Molotabu 2 x 10 MW 確定運開 2012 年 35 PLTU IPP Sulsel 1 Jeneponto, South Sulawesi 2 x 100 MW 確定運開 2013 年 36 PLTU IPP Banjarsari Banjarsari, 2 x 100 MW 確定運開 2013 年 37 PLTU IPP Gorontalo Gorontalo, North Sulawesi 2 x 6 MW 確定運開 2013 年 38 PLTU IPP Kalianda Kalianda, Lampung 2 x 6 MW 確定運開 2013 年 39 PLTU IPP Ketapang Ketapang, West Kalimantan 2 x 7 MW 確定運開 2013 年 40 PLTU IPP Lampung Tengah Lampung 2 x 6 MW 確定運開 2013 年 41 PLTU IPP Pontianak -2 Pontianak, West Kalimantan 2 x 25 MW 確定運開 2013 年 42 PLTU IPP Rengat Indragiri Hulu, Riau 2 x 7 MW 確定運開 2013 年 38

40 III. PLN 所轄計画中石炭火力発電所番号発電所名場所発電容量備考 1 PLTU Prabumulih, mine mouth Prabumulih, South Sumatra 2 x 7 MW 2 PLTU Lubuk Sepuh Jambi 2 x 7 MW 3 PLTU Tapaktuan Nangroe Aceh Darusalam 2x7 MW 4 PLTU Sinabang Nangroe Aceh Darusalam 2 x 3 MW 5 PLTU Sabang Nangroe Aceh Darusalam 2 x 4 MW 6 PLTU Singkil Nangroe Aceh Darusalam 2 x 3 MW 7 PLTU Natuna Natuna, Riau 2 x 7 MW 8 PLTU Dabo Singkep Riau 2 x 7 MW 9 PLTU Tanjung Uban Riau 2 x 7 MW 10 PLTU Mentawai Mentawai, West Sumatra 2 x 3 MW 11 PLTU Mentok Mentok, Babel 2 x 7 MW 12 PLTU Sintang Sintang, West Kalimantan 3 x 7 MW 13 PLTU Sanggau Sanggau, West Kalimantan 2 x 7 MW 14 PLTU Ipuh Ipuh, West Sumatra 2 x 3 MW 15 PLTU Nangga Pinoh West Kalimantan 2 x 3 MW 小計 171 MW 建設中 IPP 石炭火力発電所 16 PLTU IPP Bali Timur Karangasem, Bali 2x100 MW 入札中運開 2015 年 17 PLTU IPP Central Java Pemalang, Central Java 2 x 1,000 MW 入札中運開 2013 年 18 PLTU IPP Madura Pamekasan, Madura 2 x 200 MW 運開 2014 年 19 PLTU IPP Banten Banten 1 x 660 MW 運開 2016 年 20 PLTU IPP Andai (FTP2) Andai, West Papua 2 x 7 MW 運開 2013 年 21 PLTU IPP Bangka Baru I Bangka 2 x 30 MW 運開 2014 年 22 PLTU IPP Bangka Baru II Bangka 2 x 7 MW 運開 2013 年 23 PLTU IPP Bangka Baru III Bangka 2 x 30 MW 運開 2019 年 24 PLTU IPP Baturaja Baturaja, South Sumatra 2 x 10 MW 運開 2013 年 25 PLTU IPP Biak (FTP2) Biak, Papua 2 x 7 MW 運開 2014 年 26 PLTU IPP Embalut Kutai Kartanegara, East Kalimantan 1 x 50 MW 拡張運開 2012 年 27 PLTU IPP Jambi Jambi, Sumatra 2 x 400 MW 運開 2018 年 28 PLTU IPP Jayapura (FTP2) Jayapura, Papua 2 x 15 MW 運開 2019 年 29 PLTU IPP Kalsel - 1 (FTP2) South Kalimantan 2 x 100 MW 運開 2014 年 30 PLTU IPP Kalteng - 1 Central Kalimantan 2 x 100 MW 運開 2016 年 31 PLTU IPP Kaltim - 1 East Kalimantan 1 x 50 MW 運開 2012 年 32 PLTU IPP Kaltim - 2 (FTP2) East Kalimantan 2 x 100 MW 運開 2014 年 33 PLTU IPP Kaltim (infrastructure) East Kalimantan 2 x 100 MW 運開 2018 年 34 PLTU IPP Kaltim (mine mouth) East Kalimantan 2 x 22.5 MW 運開 2012 年 35 PLTU IPP Kendari Baru I (FTP2) Kendari, South East Sulawesi 2 x 25 MW 運開 2013 年 36 PLTU IPP Kendari Baru II Kendari, South East Sulawesi 2 x 25 MW 運開 2017 年 37 PLTU IPP Kolaka (FTP2) Kolaka, South East Sulawesi 2 x 10 MW 運開 2012 年 38 PLTU IPP Kuala Kurun Palangkaraya, Central Sulawesi 2 x 3 MW 運開 2012 年 39 PLTU IPP Kupang Kupang, NTT 2 x 15 MW 運開 2017 年 40 PLTU IPP Larantuka (FTP2) Larantuka, NTT 2 x 4 MW 運開 2014 年 41 PLTU IPP Lombok Lombok, NTB 2 x 25 MW 運開 2013 年 42 PLTU IPP Lombok Baru I Lombok, NTB 2 x 25 MW 運開 2018 年 43 PLTU IPP Luwuk (FTP2) Luwuk, Central Sulawesi 2 x 10 MW 運開 2012 年 39

41 表 PLN と IPP の石炭火力発電所一覧 PLN(~2014 年 ) IPP(~2018 年 ) 発電容量 (MW) 基数 合計 (MW) 基数 合計 (MW) 1, , , , , , , , , , , ,200 合計 30 12, ,645 表 PLN の石炭火力発電所一覧 PLN 発電容量 (MW) 基数 稼働中合計 (MW) 基数 建設中合計 (MW) , , , , 合計 17 7, ,830 40

42 表 IPP の石炭火力発電所一覧 IPP 稼働中 建設中 計画中 発電容量 (MW) 基数 合計 (MW) 基数 合計 (MW) 基数 合計 (MW) 1, , , , , ,200 合計 7 4, , , 電気事業の概要図 に インドネシアの電気事業の枠組を示す 国家エネルギー審議会 (DEN) 国家開発企画庁 (BAPPENAS) 国家開発政策等の策定 調整 エネルギー 鉱物資源省 (MEMR) 規制 監督 所有 管理 国有企業国務大臣府 予算の承認 財務省 (MOF) 原子力開発庁 (BATAN) 原子力規制庁 (BAPETEN) 特定地域供給 原子力の研究 開発 原子力規制業務 協同組合 中小企業担当国務大臣府 (SMEs) 指導 調整 PLN ハ タン, PLN タラカン等 インドネシア パワー社, シ ャワハ リ発電会社, 電力卸売 国有電力会社 (PT PLN) サポート 村落共同組合 (KUD) 需要家 需要家 需要家 図 インドネシアの電気事業の枠組 41

43 2.3.3 国営電力会社 PT. PLN (Persero) PLN は 1972 年に国営企業から公社となり 1994 年に国有電力会社 PT. PLN (Persero) として 政府 100% 保有の株式会社に移行した 構造改革により発電部門の分社化や給電 配電部門の業務分離を実施してきたが 基本的には垂直統合型の事業形態となっている 事業規模が大きいジャワ バリ地域では 1995 年に発電部門を分離し 2 つの発電子会社を設立した ジャワ バリ地域とスマトラ島では 発電 送電 配電事業の分離を行ったが その他の地域では支店による垂直統合的な事業運営を行っている 例外的に Batam 島と Tarakan 島では子会社を設立して特定地域での電力供給を行っている 表 PLN の子会社 会社名 事業内容 設立 PLNの株式保有率 PT Indonesia Power 発電および関連事業 2000 年 9 月 100% (PJBⅠ 1995 年 10 月 ) PT PJB 発電および関連事業 2000 年 9 月 100% (PJBⅡ 1995 年 10 月 ) PT PLN Batam バダム島での電力供給 2000 年 10 月 100% PT Indonesia Comnets Plus 通信 2000 年 10 月 100% PT PLN Enjyuniring エンジニアリング 2002 年 10 月 99.30% PT PLN Tarakan タカラン島での電力供給 2003 年 12 月 100% PT Geo Dipa Energy 発電 ( 地熱 ) 2002 年 7 月 33% 表 各地域の発 送 配電 顧客サービスの概要 ジャワ島 バリ島 スマトラ島 その他の地域 発電 インドネシア パワー社 北スマトラ島 9 地域支店 ジャワ バリ発電会社 南スマトラ島 送電 給電 ジャワ バリ送電 給電センター スマトラ送電 給電センター PT PLNバタム 配電 顧客サービス 5 配電事務所 7 地域支店 PT PLNタラカン 電力法 2002 年に制定された電力法が 2004 年 12 月に廃止となった以降 新たな電力法の審議が進められていたが 2009 年 9 月 8 日に電力法が国会を通過した 新電力法は 2002 年電力法の前の 1985 年の電力法 (No.15/1985) を踏襲しているが 電力供給は国が責任を持つとしつつも 地方分権政策に配慮して地方政府にも一定の権限を与えている 手続き関係では 従来はエネルギー鉱物資源大臣 あるいは大統領の権限であった国家電力総合開発計画 (RUKN) の策定 電気料金改定に際しては国会 ( 地方決裁分は地方議会 ) の承認が必要になった また 電力供給事業の詳細 電気事業電気料金の設定方法などは今後発令される政令で規定されることになる 旧電力法と比較すると以下のとおりとなる 電力開発計画事業責任 表 新電力法の比較 ( 変更事項 ) 電力法 No.15/1985( 旧電力法 ) 電力法 No.30/2009( 新電力法 ) 中央政府が国家電力総合計画 中央政府が国会の承認のもとで RUKN を策定 地方政府は (RUKN) を策定する RUKN を基に地方電力総合計画 (RUKD) を策定 中央政府の管理下で PLN が実 中央政府の管理下ではあるが 中央政府と地方政府が分 施する 担する 42

44 事業認可 国の認可 国の認可 ( ただし グリッドが州を跨らなければ州 県を跨らなければ県 実態はほとんど国の認可となる ) 事業の実施 PLN が実施するが 例外的に PLN のグリッドの届かない地域で協同組合等が実施できる PLN の他に 公営企業 ( 県の企業局のようなもの ) 民間企業 協同組合 市民団体が実施できる ただし PLN 事業は優先する 地方電化 中央政府の責任として原則 PLN が実施する 公営企業 民間企業 協同組合などが実施できない時は PLN に実施を義務付ける 電気料金 全国一律 国 ( 大統領 ) の認可 中央政府は国会の承認のもとで電気料金を定める 地方政府は 地方議会の承認のもとで当該地域の電気料金を定めることができる すなわち 地方毎に異なる電気料金の設定が可能となった ( 注 1) 電力開発計画 1) 概要国家電力総合計画 (RUKN) と電力供給事業計画 (RUPTL) がある RUKN がエネルギー政策を踏まえた総合的電力開発計画であるのに対し RUPTL は個別プロジェクトを反映した PLN の電力供給事業計画である RUKN の改定を受けて RUPTL が策定される これらは毎年改定されることになっているが 策定されない年もある 2008 年には 10 月に RUKN 12 月に RUPTL が改定された 2009 年に電力法が改定され RUKN は国会の承認が必要となった このため RUKN は国会の審議を受けており改定されずに現在まで来ている 一方で RUPTL は PLN の施設計画であり 毎年作成されているが RUKN が改定されないために RUPTL も公表ができない状況にあった しかし 2010 年 9 月には 2008 年の RUKN を参照する形で RUPTL2010 版が公表された 最近の RUKN と RUPTL の概要を以下に示す 表 RUKN(2008 年版 ) と RUPTL の概要 (2010 年版 ) RUKN( 電力総合計画 ) RUPTL( 電力供給事業計画 ) 策定機関 エネルギー鉱物資源省 (MEMR) 国有電力会社 (PLN) 計画の概要 国が定める電力総合計画 需要予測 RUKN に基づいて PLN が定める電力供給計画 期間 1 次エネルギー 電力計画 所要資 は 10 年間 金など 期間は 20 年間 更新 定期的 ( 毎年 ) 改定する ただし RUKN の改定後 (RUKN に基づいて作成 ) 前回は 2006 年 6 月 最近の改定 2008 年 10 月 13 日 ( 実際の公表は 2008 年 12 月 23 日 ) まもなく改定となる予定 (2010 年 2 月 13 日現在 ) 2008 年 12 月 17 日 ( 実際の公表は 2009 年 1 月 19 日 ) 2010 年 6 月 17 日 ( 実際の公表は 2010 年 9 月 6 日 ) 2)2010 年版 RUPTL の特徴 (1) 需要予測は RUKN と同じように大きめの値を取っている 2019 年までの 10 年間で年平均で 9.2%( ジャワバリ地域では 8.9%) の電力需要の伸びを予測している 2019 年の電力需要は 327TWhとなり 2009 年の 133TWhの 2.45 倍となる 43

45 (2) 地方電化も積極的に進める方針であり 2009 年の電化率 66% を 2019 年には 91% に引き上げるとしている (3) このため 10 年間で 5,500 万 KW の新規の電源開発が必要となる (2009 年の設備容量 3,000 万 KW の 1. 8 倍に相当する ) 電源種別では 第 2 クラッシュプログラムに従い 再生可能エネルギーの開発を進める 再生可能エネルギーである地熱 水力はコストが高いが導入する方針である 特に地熱開発は 6GW と全体の 10% 以上の開発計画としており ほとんどを IPP としている (4)10 年間の投資額 (PLN+IPP) は 971 億ドル ( 年間平均 97 億ドル ) となる クラッシュプログラム ( 非石油燃料発電所開発加速プログラム ) 逼迫する電力需給状況を改善するため非石油燃料発電所開発を加速するプログラムである 第 1 次クラッシュプログラムは 2006 年に大統領令により公布され 現在も建設が続いている 2009 年までの計画であったが 2009 年は Labuan 発電所の 1 号機 (300MW) が運転を開始しただけでほとんどの発電所は 2010~ 2012 年に運転を開始するとしている この第 1 次クラッシュプログラムに引き続き 第 2 クラッシュプログラムが策定された 電源開発規模は 10,000MW と同じであるが 第 2 クラッシュプログラムは 1) 再生可能エネルギーの開発に重点を置くことと 2)IPP を導入する計画にしたことに特徴がある プログラム策定の背景 電源種別 開発方法は異なり 両者を比較すると表 のようになる 表 第 1 次クラッシュプログラムと第 2 次クラッシュプログラムの比較 第 1 クラッシュプログラム 第 2 クラッシュプログラム 開発計画年 開発方式 PLN 100% PLN 50.4%(47.8%)() は見直し後 IPP 49.6%(52.2%) 電源開発量 約 10,000MW 10,153MW(9,522MW) ( 内訳 ) ジャワバリ 6,900MW ( 内訳 ) ジャワバリ 5,770MW(4,515MW) ジャワバリ以外 3,100MW ジャワバリ以外 4,383MW(5,007MW) 背景 ( 目的 ) 緊急電源開発 ( ジャワバリ中心 ) 脱石油政策 緊急電源開発 電源の多様化 再生可能エネルギーの導入 電源種別 石炭 100% 再生可能エネルギー :51% (54%) 内訳地熱 39%(42%) 水力 12%(13%) 化石燃料 :49% (46%) 内訳石炭 33%(36%) ガス 16%(10%) 法的根拠 大統領令 (No.71 /2006) 大統領令 (No.4/2010) エネ鉱物資源大臣令 (No.2/2010) エネ鉱物資源大臣令 (No.15/2010) で見直し 開発所要 電源 :80 億 US$ 電源 :160 億 US$ 資金 送電設備 : 4 億 US$ PLN は 2010 年 9 月 電力供給事業計画 (RUPTL) を公表した 第 1 次クラッシュプログラムと第 2 次クラ 44

46 ッシュプログラムのプロジェクトを含む 2010 年から 2019 年までの新規電源開発計画 ( インドネシア全国 ) である 概要を表 に示す インドネシア全体で 10 年間の開発量は 5,500 万 KW と現在の発電容量 (3,000 万 KW) の1.8 倍程度となる 開発主体では PLN は 3,200 万 KW(57.6%) IPP は2,350 万 KW(42.4%) となる 電源別では 石炭火力が最も多く 3,270 万 KW(58.8%) 次にガス火力で 700 万 KW(12.6%) 地熱発電 600 万 KW(10.8%) 水力発電 530 万 KW(9.5%) と続く 表 インドネシア全体の電力開発計画 出典 :RUPTL 電力需給電力設備の概要を表 に ジャワバリ地域の電源と送電系統の概要を図 に示す 表 電力設備の概要 (2009 年 ) 全国 ジャワバリ地域 発電設備容量 30,320MW PLN 25,158MW (83%) 22,906MW( 発電可能 21,784MW) PLN 18,871MW (82%) IPP 4,647MW (15%) その他 515MW ( 2%) IPP 4,035MW (18%) 発電量 (PLN) 151,572MWh PLN 発電 115,403MWh (76%) 134,582MWh PLN 発電 104,284MWh (77%) 購入 36,169MWh (24%) 購入 30,298MWh (23%) 電化率 ( 家屋 ) 65.8% 出典 :MEMR 資料 45

47 図 ジャワバリ地域の電源と送電系統の概要 インドネシアの電力需要実績とジャワバリ地域のピークロードを図 に示す 最近の 7 年間では 6% 程度の伸びを示している 一方で ジャワバリ地域のピークロードは 4% 程度にとどまっている 図 にインドネシアの電力供給とピークロードを示す 図 インドネシアの電力供給量とピークロード 46

48 RUPTL では 今後 10 年間の電力需要の伸びを 9% 程度と想定し 供給予備率を 35-40% 程度と比較的大き く設定し発電計画を立てている 需要予測を図 に 需給バランスを表 に示す ただし 供給する発電所には進捗が遅れている発電所もあり 今後も電力需給は厳しい状況が想定される 図 インドネシアの電力需要予測 47

49 表 ジャワバリ地域の需給バランス 2.4 インドネシアのエネルギー政策インドネシアはこれまで原油の生産国として知られ OPEC( 石油輸出国機構 ) 加盟国として日本の産業の発展に多大な貢献をしてきた しかし インドネシアの原油生産は 1996 年の 1,380,000 BPD を生産ピークに 1997 年以降減少する一方で国内消費が増加し 2004 年より石油の純輸入国に転じ 2009 年に OPEC を脱退にするに至った 図 に インドネシアにおける原油とコンデンセート油の生産 および国内の石油消費を示す 48

50 Production vs Consumption of Oil/Condensate in Indonesia Million barrel Consumption 6% /year Production Realization Consumption 3% /year Realistic Production Pesimistic Production Pesimistic Production Realistic Production High Consumption Exact Consumption 出典 : エネルギー鉱物資源省 図 インドネシアにおける原油とコンデンセート油の生産 および国内の石油消費 インドネシア政府は国産原油 ( 低硫黄 ) や天然ガスを輸出に回し 国内需要については中東原油や製品輸入で賄ってきた 原油生産量が伸び悩む一方 国内消費の増加により 2004 年に石油の純輸入国に転じた インドネシア政府はこの事実を重く受け止め 石油代替エネルギー開発をエネルギー政策の柱にしている インドネシアでは石炭資源が豊富で 1,049 億トンの総資源量が確認されている エネルギー鉱物資源省によると 2005 年から 2025 年の中長期の一次エネルギー供給は 年率 6.2% で増加するものと予想されている とりわけ石炭需要が大きく 年率 11% の割合で増加するものと予想され 2025 年には現状の 20% から 50% に増大するものと見られている 石油価格の高騰とエネルギー使用に伴う環境影響への関心から より環境にやさしいエネルギーが 国家のエネルギーミックスに重要であると期待されおり 国家エネルギー政策に関する大統領令 No.5/2006 により新エネルギーの導入が検討され 中長期のエネルギー供給の目標設定が示された この目標値によると 2005 年から 2025 年までのエネルギー消費伸び率は 年率 5.5% と低めに設定されている この見通しが示すように 政策の目的は 国内の石油消費を現状の 52% から 2025 年に 20% 未満まで低下させることにある 代替燃料として 石炭 33% ガス 30% 石炭液化油 2% バイオ燃料 5% 地熱 5% そして残り 5% を原子力 水力 太陽光 風力 炭層メタン 水素で賄うこととしている この国家エネルギー政策に関する大統領令 No.5/2006 の目標を表 に示す 49

51 表 大統領令 No.5/2006 国家エネルギー政策の目標 (1) エネルギー法の発布 (2)2025 年の目標エネルギー弾性値 1 未満 1 人当たりエネルギー消費 105BM 電化率 95% (3)2025 年のエネルギーミ石油 :20% 未満ックスガス :30% 以上石炭 :33% 以上地熱 :5% 以上バイオ燃料 :5% 以上新エネ 再生可能エネルギー :5% 以上石炭液化油 :2% 国内エネルギー資源と国家エネルギー需要を合致させ 同時に石油輸入を削減する エネルギー利用計画は 特に産業 輸送 電力 民生および商業部門に対して設定する (4) インフラ整備ガスパイプライン石油産業における製油 貯蔵 ターミナル石炭産業における輸送およびターミナル施設送電線エネルギー価格の決定構造 図 に 国家エネルギー政策に関する大統領令 No.5/2006 に規定される 2005 年から 2025 年のエネルギー供給見通しを示す この見通しが示すように 政策の目的は国内の石油消費を現状の 52% から 2025 年に 20% 未満に低下させることにある 代替燃料として 石炭 33% ガス 30% 石炭液化油 2% バイオ燃料 5% 地熱 5% そして残り 5% を原子力 水力 太陽光 風力炭層メタン もしくは水素で賄うこととしている インドネシア政府は石油の割合を減らして天然ガス 石炭 NRE に切り替える国内エネルギーミックスの転換を行っている まだ不充分ではあるが エネルギーミックスの転換により CO 2 排出量の大きな削減が期待される 50

52 図 エネルギー供給見通し (2005 年 2025 年 ) この国家エネルギー政策は 国内需要に見合ったエネルギー安定供給を確保する観点を踏まえて 2025 年までのエネルギーミックス青写真として示されており 以下に概略を示す 表 エネルギーミックスの概要 (1) 具体的な使命国内エネルギー供給の確保エネルギー資源の付加価値増加持続的エネルギー管理と環境保護の両立低所得層および発展途上地域へのエネルギー供給エネルギー分野におけるファイナンス 技術 人的資源の国力の発展 (2) 国家エネルギー管理の ( 供給面 ) 主政策エネルギー下流部門での強化エネルギー生産の最適化エネルギー資源の転換 ( 需要面 ) エネルギー利用効率の向上エネルギー利用の多様化エネルギー価格の経済的価格への移行促進低所得家庭への助成金制度持続的発展のためのマクロレベルの環境保護 マイクロレベルの環境コスト吸収 51

53 (3) 国家エネルギー管理の消費者のエネルギーへのアクセス改善のためのインフラ整備補助的な政策環境保護官民の協力地方分権研究開発の促進調整機能の権限委譲 (4) 戦略経済原則に基づいたエネルギー価格メカニズムの策定エネルギー安定供給と環境保護の両立エネルギー産業発展のための民間投資促進 2004 年 1 月 29 日にエネルギー鉱物資源大臣によって承認 公布されたインドネシア国家石炭政策 ( ) によると 国家エネルギー政策の柱としての石炭の重要性の確認と開発のためのインフラ整備の必要性が示されている インフラ整備には石炭輸送のための道路 鉄道 河川交通 コールターミナルが含まれる 石炭開発に関連し環境問題が懸念され 開発への地域社会の参加と持続可能な環境調和型の石炭開発プログラムが求められている 石炭の役割が輸出のみではなく 国内エネルギー資源の柱として見直され 石油代替としての石炭の液化プロジェクトや高効率発電を含む低品位炭の高度利用が求められている 2.5 インドネシアの石炭事情 石炭資源エネルギー鉱物資源省の 2009 年統計によれば 石炭の総資源量は 1,049 億トンで そのほとんどはスマトラ島とカリマンタン島に賦存している 可採埋蔵量は 211 億トンと見積もられている 石炭の埋蔵量を地域別で分類したものが表 である インドネシアでは石炭は 水分 20% 以下 ( 発熱量 5,800kca/kg 以上 ) が瀝青炭 水分 20~35%( 発熱量 4,200~5,800kcal/kg) が亜瀝青炭 水分 35% 以上 ( 発熱量 4,200kcal/kg 以下 ) が褐炭と区分されている 資源の炭種別では瀝青炭が 12% 亜瀝青炭が 67% 褐炭が 20% と亜瀝青炭と褐炭の低品位炭が 資源量の 87 % を占めている 可採埋蔵量の炭種別では瀝青炭が 11% 亜瀝青炭が 60% 褐炭が 29% と亜瀝青炭と褐炭等の低品位炭が 資源量の 89 % を占めている 図 にインドネシアの石炭可採埋蔵量の炭種別割合を示す これを発熱量で分類したものが表 である インドネシアの低品位炭の一般的な特性は 環境的側面から言えば必ずしも低品質ということにはならず 相対的に瀝青炭に比べて灰分と硫黄分が低いのが特徴となっている 従い 輸出先のインドや米国のように自国の環境基準を達成するために混炭用として使用している場合もある 表 に示すように 石炭のほとんどは カリマンタンとスマトラに埋蔵されている カリマンタンの石炭埋蔵量は全体の 42% となっており石炭の種類は亜瀝青炭及び瀝青炭が中心となっている 一方スマトラでは 南スマトラのみでインドネシア石炭埋蔵量の 59% が埋蔵されている しかし 南スマトラの埋蔵炭量の 98 % は 低品炭に分類されている 低品位炭には水分が多く含まれ 通常の石炭より発熱量 52

54 は低い また 自然発火性もあり 必ずしも長距離輸送に適していない こうした性質から低品位炭は 最近まで開発から取り残されてきた 瀝青炭亜瀝青炭褐炭 28% 11% 61% 出典 : インドネシア地質局 2009 図 インドネシアの石炭可採埋蔵量の炭種別割合 表 地域別石炭埋蔵量 Resources Probable Reserves ( 資源量 ) ( 確認埋蔵量 ) 島名 ( 百万トン ) Hypothetic Inferred Indicate Measured % ( 百万トン ) % total ( 仮想 ) ( 推定 ) ( 示唆 ) ( 測定 ) スマトラ 20,154 13,949 10,634 7,699 52, , ジャワ カリマンタン 14,377 18,051 5,137 14,53 37, , スラワシ パプワ Total 34,625 32,218 15,804 7,734 90, , 出典 :Indonesian Coal Book 2010/2011 品質 発熱量 (kcal/kg) 表 品質別石炭埋蔵量 Resources Probable Reserves ( 資源量 ) ( 確認埋蔵量 ) ( 百万トン ) total % ( 百万トン ) % Hypothetic Inferred Indicate Measured ( 仮想 ) ( 推定 ) ( 示唆 ) ( 測定 ) 低 <5,100 5,058 6,586 3,721 5,816 21, , 中 5,100-6,100 27,773 18,961 11,008 11,995 69, , 高 6,100-7,100 1,695 6,173 1,063 4,040 12, 超高 >7, , Total 34,629 32,218 15,804 22, , , 出典 :Indonesian Coal Book 2010/

55 2.5.2 石炭生産 インドネシアの石炭生産量は 1995 年には 4,200 万トンであったが 2009 年には 2 億 5,400 万トンへと 急速に増加し 世界第 6 位の生産量となり アジア環太平洋地域ではオーストラリアを追い越し第 1 位の 石炭産出国となった 用途のほとんどが電力用である 生産された石炭の 80 % は亜瀝青炭に分類され 一般に灰分 硫黄分 窒素分が低いのが特徴である 表 に 2009 年までの生産実績と 2025 年まで の生産見込みを示す インドネシアの亜瀝青炭は 低灰分で低硫黄の環境に優しい特性が評価され アジ ア諸国 米国 そして欧州で発電と産業燃料の用途に広く使用されている インドネシアの石炭は 35 カ国以上に輸出されてきた 表 石炭生産量推移 (100 万トン ) 実績予測 輸出 国内 Total 出典 :Indonesia Coal Book 2010/ 石炭需要 インドネシアの国内石炭需要は 2005 年に4,100 万トン 2009 年には 5,630 万トンに達し 2011 年には 7,900 万トンが見込まれている 国内需要は電力 セメント 一般産業の 3 つの分野に分けられる 電力は国内需要の 65% を占め 今後の新規建設の火力発電所計画に伴い 大幅に需要が伸びる見通しである 表 にインドネシアの石炭需要の推移を示す 表 石炭需要推移 (100 万トン ) 実績 予測 発電 セメント その他 Total 出典 :Indonesia Coal Book 2010/2011 インドネシアの総発電容量は 2009 年が 2,937 万 KW で電化率は 66% 電力需要は 2002 年から 2007 年に年平均で 6.8% の成長を続けており 今後 2027 年までは 9% の成長が予想されている 国内で急伸する電力需要を満たすと共に コストのかさむ石油を燃料とする発電所への依存度を低減し 石油以外の燃料使 54

56 用促進を目指し インドネシア政府は 2006 年に第 1 次 1,000 万 KW 石炭火力発電所増強計画 ( クラッシュ プログラム ) を発表 2012 年までに 1,000 万 KW の増強を完了するため PLN( 国営電力会社 ) が 33 件の石炭火力発電所を建設中で 2013 年には全ての発電所の建設が終了する見通 表 にインドネシアの大型 ( 単基発電設備容量 30 万 KW) 石炭火力発電所の石炭消費を示す 表 大型石炭火力発電所の石炭消費量 年 発電所 ユニット 発電容量 (MW) ( トン ) ,610,570 1,747,675 1,477,464 1,505,040 1,452, ,683,203 1,509,227 1,658,186 1,517,108 1,279, ,441,909 1,689,176 1,436,167 1,268,339 1,109,313 スララヤ ,450,541 1,443,024 1,745, ,098 1,286, ,221, , ,021 2,304,190 2,164, ,330,565 2,548,545 2,322,150 1,921,392 2,250, ,426,090 2,576,286 2,323,546 2,149,443 2,201,594 タンジュン ジャティ B 1 & 2 2x660 2,363,978 3,720,000 3,604,812 1&2 2x400 2,506,026 2,792,723 パイトン 5&6 2x650 5,113,446 4,437,332 11,400,000 11,573,000 12,642,135 7&8 2x615 4,395,998 4,273,017 インドネシア政府は第 1 次クラッシュ プログラムに続くエネルギー政策として 2010 年 1 月 8 日付で 第 2 次 1,000 万 KW 発電所建設計画 ( クラッシュ プログラム ) に関する大統領令を発布 大統領令では 発電燃料を再生エネルギーと石炭 ガスに限定 また 部分的に IPP( 独立電力事業者 ) と協力すること も盛り込み 2014 年までの 5 年間で約 1,000 万 KW の発電能力増強を図る計画 全増強分 1,067.7 万 KW のうち PLN が 万 KW 分 IPP が 万 KW 分の発電所を建設し 必要となる投資額はそれぞれ 76 億 5 百万ドル 84 億 5 千万ドルと算出している 発電燃料別の内訳は 石炭が 万 KW 地熱が 万 KW ガスが 万 KW となったほか 小型水力発電所は 万 KW になる 表 に PLN の発 電用石炭消費量予測ならびに図 にインドネシアの石炭消費量予測と PLN 発電向け石炭消費予測を 示す 2010 年の瀝青炭消費は 490 万トン 亜瀝青炭 2,770 万トン 褐炭 820 万トンがクラッシュプログ ラムが完了予定の 2014 年 (PLN 総発電量 1,485 万 KW) には瀝青炭消費は 890 万トン 亜瀝青炭 4,210 万 トン 褐炭 4,430 万トンと瀝青炭と亜瀝青炭は 2 倍増だが褐炭は 5 倍増で 褐炭の増加が著しい 表 PLN の発電用石炭消費予測 (100 万トン ) 石炭発熱量 (kcal/kg) 予測 , , , Total 出典 :PLN Presentation 31 May,

57 12,000 10,000 石炭消費量 ( 万トン ) 8,000 6,000 4,000 瀝青炭 亜瀝青炭 褐炭 2, 出典 :PLN 2010 年 5 月 31 日図 インドネシアの石炭消費量予測と PLN 発電向け石炭消費予測外貨収入源としての石炭輸出の重要性を考えると 国内発電用に輸出に向かない低品位炭を利用することはインドネシアにとって望ましい選択肢になる エネルギー 鉱物資源大臣は 2009 年 12 月 31 日付けで 国内供給義務 (DMO) に関する法令に署名 DMO が発効となった 各石炭サプライヤーは DMO の義務を遵守しない場合 減産等の制裁措置を受けることになる しかしながら 国内需要の伸び以上に石炭の供給数量は増加しており 当該法令が輸出量を制限することになるとは考え難い また DMO と同時に発効となると見込まれていた最低基準価格の設定については 2010 年 9 月 23 日付で発効となった エネルギー鉱物資源省によると 2011 年の石炭国内供給義務は 7,897 万トンになる 2010 年の 6,500 万トンから 21.5% 増大する インドネシア石炭生産量見通しが 3 億 2,665 万トンと予想されているため 国内供給比率は 24.2% となる 産業別の供給先は 国営電力 PLN 向けが 6,628 万トン IPP が 897 万トン その他が 372 万トンである 石炭輸出過去数年間 輸出量の伸び率は平均して 15 % 以上であり 今後も成長が続くものと考えられる 輸出量は 2005 年に年間 1 億トンを超え 2009 年には年間 2 億トンに達した インドネシア炭の主な輸出相手国は 2008 年までは日本であったが 2009 年は中国が第 1 位 (3,347 万トン ) インドが第 2 位 (3,226 万トン ) 日本が第 3 位 (2,500 万トン ) 韓国が第 4 位 (1,800 万トン ) 台湾が第 5 位 (1,700 万トン ) となっている 2010 年のインドネシア石炭輸出実績は 2 億 4,016 万トンとなり 前年の 2 億 148 万トンから 19%(3,868 万トン ) 増であった 輸出先第 1 位は中国向けで 6,169 万トンとなった 前年の 3,347 万トンからほぼ倍増である 輸出先第二位はインド向けで 2010 年実績は 3,721 万トンとなった 2008 年の 2,295 56

58 万トン 2009 年の 3,226 万トンから増加を続けている 第 3 位は韓国で 3,540 万トン 日本は第 4 位で 2,998 万トンであった 日本は 3,000 万トン前後で推移しているが アジア各国の需要が伸びているためインドネシア炭輸出先に占める割合は減少を続けている 2010 年 4 月 PLN 社がインドネシア政府に対して低品位炭 (4,200kcal/kg 未満の石炭 ) の輸出を禁じるよう要請した PLN 社の石炭所要は 表 の PLN の発電用石炭消費量予測に示すように 2010 年 : 4,080 万トン 2011 年 :5,940 万トン 2012 年 :7,800 万トン 2013 年 :8,750 万トン 2014 年 :9,530 万トンであり インドネシアの生産量の伸び ( 特に低品位炭 ) を考えると PLN 社 又はインドネシア国内で低品位炭の供給量を吸収するのは少なくとも短期的には実質不可能であるため この話も非現実的と言える 一方 インドネシア政府は 2014 年に低品位炭輸出禁止令を発布する意向を示している この低品位炭輸出禁止令が石炭探査と開発に影響を及ぼす可能性がある 即ち 可採埋蔵量 100 億トンにも達する 3,000~3,600 kcal/kg の低品位炭を現在開発している石炭企業 8 社が存在し 内 3 社が褐炭の生産を開始している この輸出禁止令が実施されれれば 炭鉱開発も資金調達の困難性により 途中で断念される可能性がある 輸出禁止令は 2014 年から実施されることになるが 実施される前からインドネシア石炭開発事業の資金調達の道が閉ざされる可能性があるため影響は大きい 開始した石炭開発事業が途中でストップしてしまう可能性も示唆されている 政府は 2009 年に 石炭事業者に対して 低品位炭を開発すればローヤルティ割引が与えられるという方針を示した これは低品位炭の価格自体が比較的安いからである 1 年間経過して 低品位炭鉱への投資金額が膨大になってきた今 政府はアップグレードしないと輸出は禁止すると方針を変更 低品位炭を脱水してカロリーアップして輸出商品にする改質技術の商業プロセスが確立していない現状では低品位炭開発業者には受け入れられない施策となっている 石炭価格 2010 年 9 月 23 日付で石炭基準価格 (HBA) に関するエネルギー鉱物資源大臣令が発効となった 内容は 国際マーケットの指標であるインドネシア石炭指数 (ICI) オーストラリアのニューカッスル港の積み出し価格 米マグローヒル カンパニーズのエネルギー市場情報部門プラッツ 英国に拠点を置く石炭電子取引市場運営グローバルコールの 4 つ基準価格を加味した公式をベースに石炭基準価格 (FOB) が月次ベースで決定され スポット契約の場合は船積み月の石炭基準価格 ターム契約の場合は契約直近 3 カ月の石炭基準価格平均に基づいた価格となる また ターム契約の場合は契約締結後 2 カ月以内に最初の配船を行い 全ての船積みは契約締結後 1 年以内に完了する必要がある この石炭最低基準価格は 単純に石炭サプライヤーが政府に納める Royalty の最低額を定めるものではなく 売買契約書そのものに最低基準価格規制を盛り込む必要があると読むことができる しかしながら基準価格が純粋に Royalty の最低額を示すものになる可能性もあるとのこと 今後の動向が注目される 図 に石炭基準価格 ( 発熱量 6,322kcal/kg) の推移を示す 表 石炭基準価格をベースに算出された各石炭銘柄の公定価格推移を示す 石炭基準価格 ( 発熱量 6,322kcal/kg) は豪州の同じ品質の瀝青炭 FOB 価格とほぼ同じでアジアの石炭市場価格と連動していることが判る 当初水分は 42% 以上の石炭に関し公示価格が示されたが 2010 年 4 月から水分 43.4% と 50% の低品位炭が追加された これは 水分 50% の石炭が販売されていることを示し 水分 40~50% の低品位炭の市場が存在することを示している 57

59 US$/ton 図 インドネシアの石炭基準価格 (FOB) の推移 58

60 表 HBA をベースに算出された各石炭銘柄の公定価格推移 発熱量 全水分 全硫黄 灰分 公定価格 (US$/t) 石炭銘柄 (kcal/kg GAR) (%, ar) (%) (%) 2010 年 2 月 2010 年 3 月 2010 年 7 月 2011 年 1 月 2011 年 3 月 1 Gunung Bayan Ⅰ 7, Prima Coal 6, Pinang , Indominco IM East 5, Melawan Coal 5, EnviroCoal 5, Jorong J-1 4, EcoCoal 4, Gunung Bayan Ⅱ 7, Maruda Thermal Coal 6, Trubaindo HCV HS 6, Trubaindo HCV LS 6, Tanjung Formation Coal 6, Pinang 6000 NAR 6, Arutmin Satui 10 6, Arutmin Senakin 6, Arutmin A6250 6, Mandiri A 6, Wahana Coal 6, Indominco IM West/6500 6, TAJ Coal 6, Mandiri B 6, Trubaindo MCV LS 6, SKB Coal 6, Baramarta Coal 6, Arutmin A6100 6, Insani Coal 6, BCS Coal 6, Indominco IM West/6350 6, Pinang , Indominco IMM MCVHS 5, Multi Coal Low 5, Bangun Coal 5, Multi Coal Middle 5, Pinang , Arutmin A5900 5, Multi Coal High 5, KCM Coal 5, TSA Coal 5, Tanito Coal/ISC 5, Tanito Coal 5, Pinang , Arutmin A5700 5, BSS Coal 5, Lanna Hartia Coal 5, Pinang , Berau Mah 5, Berau MahB 5, Kideco Coal 5, Berau Agathis 5, Lanna Hartia Coal 5, Berau Sungkai 5, Berau Sungkai High S 5, Arutmin A5000 5, Warukin Formation Coal 4, Bas Gumay Coal 4, PIC Coal 4, Borneo BIB , Borneo BIB , BIB Coal 3, Intitirta Coal 3, PLN , LIM , インドネシアの CDM 現状インドネシアの温室効果ガス排出量は 森林喪失と泥炭地荒廃等による二酸化炭素排出を合わせると 中国 米国 ブラジルに次ぐ世界第 4 位 ( 出典 : ワールド リソース インスティトュート ) であり 経済成長に伴うエネルギー需要の増加及び原油価格の高騰を受けた石炭消費量の拡大により エネルギー 産 59

61 業分野からの排出量が増加している したがって 将来的な温室効果ガスの排出抑制に向けた 森林面積の減少抑制や再生可能エネルギーの開発 省エネルギーの推進などが急務となっている また 温暖化の影響とみられる年間降雨パターンの変化も顕著となっている 特に赤道以南の地域では 乾期の長期化と降雨量の低下 集中豪雨の増加等 気候変動リスクが高まると予測されており 将来の気候変動に伴う災害の深刻化 発生頻度の増加は 経済活動の停滞や貧困の増加等の経済的 社会的損失を招き 同国の持続的な開発を脅かす重要なリスク要因となることが懸念されている 表 にインドネシアの温暖化排出源と量ならびに図 インドネシアの温暖化ガス排出量を示す 表 インドネシアの温暖化排出源と量 (CO2 換算百万トン ) 年 ビル セメント 石油 ガス 農業 運輸 電力 森林破壊 泥炭地 合計 2,051 2,534 3,259 出典 : インドネシア国家気候変動委員会 (DNPI) 泥炭地森林破壊電力運輸農業石油 ガスセメントビル 出典 : インドネシア国家気候変動委員会 (DNPI)2010 図 インドネシアの温暖化ガス排出量 (CO2 換算百万トン ) インドネシアの国家気候変動委員会 (DNPI) は 同国が排出する温室効果ガスは 2005 年に CO2 換算で 21 60

62 億トンに達し 世界第 3 位であるとの研究結果を発表している 排出量の 85% は土地利用の変化によるものです 41% が泥炭地の破壊と劣化によるもの 37% が森林の減少 劣化 火災によるものです 森林の減少と劣化の面積は 合計で年間 180 万 ha と報告している 現在の成長率を続けると 2020 年には 25 億トンに 2030 年には 33 億トンに達する恐れがあると推測している 泥炭地や森林の管理を改善することによって 排出量を減らすことが可能であることも示している このように インドネシアは森林伐採および森林や熱帯泥炭地の劣化に由来する排出が世界最大となっている 年間 100 万ヘクタールを上回るペースで森林が消失している また森林面積が世界で 3 番目に大きく 世界の熱帯泥炭地の 2 分の 1 を占めている 17,000 の島を持つインドネシアは生物多様性が非常に豊かであり 種の多様性では世界でも 5 本の指に入る 森林とそれに伴う生物多様性がいくつもの脅威にさらされていることから 生物多様性保全のための施策の優先順位決定においては 常にインドネシアは世界的に優先されるべき場所として指定されている 2009 年のインドネシアの 1 次エネルギー源は石炭が 70% を占め 今後石炭火力の稼働が開始することから 更に増加することが予想される 図 はインドネシアの化石燃料から発生している炭酸ガス量の予測を示すが 2008 年の発生量は約 4 億 3 千万トンで その内 3 億トン程度が石炭由来である インドネシアでは石炭火力発電からの炭酸ガスを削減することが全体の炭酸ガス削減に大きく貢献する CO2 発生 ( 億トン ) 年 出典 : エネルギー鉱物資源省石油ガス技術開発研究センター (LEMIGAS)2008 図 インドネシアに於ける化石燃料からの炭酸ガス発生量予測 図 に 2008 年の世界のエネルギー起源 CO2 排出量ならびに図 に 2008 年の国別一人当たりのエネルギー起源 CO2 排出量を示す 世界のエネルギー起源 CO2 排出量に占めるインドネシアの割合は 1.3% にすぎない これは国別一人当たりのエネルギー起源 CO2 排出量がインドネシアは年間 1.7 トンで世界の 19 位だが インドネシアの人口は 2.31 億人で経済成長に伴う旺盛なエネルギー消費により 2025 年に日本並みの年間 9 トン程度になれば エネルギー起源の CO2 発生量は年間 20 億トンを超えると予想される 61

63 図 世界のエネルギー起源 CO2 排出量 (2008) 図 国別一人当たりのエネルギー起源 CO2 排出量 (2008) 62

64 表 に CDM を取り巻くインドネシアの国内制度整備の歴史を表に示す 表 インドネシアの CDM 関連国内制度整備の歴史 1994 年 08 月 国連気候変動枠組条約批准 ( 署名 :1992 年 発効 :1994 年 ) 1996 年 共同実施活動 (AIJ) 開始 2001 年 09 月 CDM 国家戦略研究 ( エネルギーセクター ) が完成 2002 年 06 月 エネルギーセクター CDM 国家チームを設置 2003 年 03 月 CDM 国家戦略研究 ( 森林セクター ) が完成 2003 年 04 月 気候変動対策委員会 (National Commission for Climate Change; Komisi Nasiomal Perubahan Iklim) 設置 2004 年 12 月 京都議定書批准 ( 署名 :1998 年 発効 2005 年 ) 2008 年 07 月 国家気候変動協議会 (National Council for Climate Change; DNPI) 設置 2009 年 01 月 DNPI フォーカルポイントを変更 2009 年 10 月 DNPI が DNA の事務局に指定される 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム インドネシアでは CDM 国家委員会 (National Commission for CDM; Komisi Nasional Mekanisme Pembangunan Bersih / KN-MPB) が DNA として指定されている 同委員会は事務局と技術チームを含む委員会メンバーによって構成されている 必要に応じて 専門家グループおよび関係者間による特別会合を設置できる 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 図 インドネシアの CDM 国会委員会の構造 63

65 CDM 国家委員会メンバーは以下の役割を担う プロジェクト実施者から提出されたプロジェクト設計書 (Project Design Document:PDD) を認証する ( 技術チームによる評価に基づき 必要な場合はステークフォルダーフォーラムにて検討される ) 関係書類の承認および結果の通知 プロジェクトのモニタリングと評価 UNFCCC 事務局への年次報告を行う ステークフォルダーフォーラム等の開催 関係機関 もしくは国家委員会メンバーからの提案で 技術チームのメンバーの変更をする 事務局の役割は CDM 国家委員会の役割を遂行する補助し 以下の役割を担う 提出された PDD の承認手続を促進する CDM 国家委員会の業務管理を行う PDD の評価結果により 必要な場合にはプロジェクト関係者へ公的な提案を行う 提案されたプロジェクトの関係者を特定する 技術チームのメンバー候補リストを作成する 専門家リストを作成し その専門知識等の情報を更新する 技術チームは以下の役割を担う 提案されたプロジェクトを持続可能な開発の基準 指標に基づいて評価し 専門家グループやその他関係者から情報を得る 事務局を通して CDM 国家委員会メンバーに評価レポートを提出する 専門家グループは必要に応じて CDM 国家委員会は専門家グループから支援を受けることができ 以下の役割を担う 要望があれば 事務局を通じ 技術チームを支援する 国家委員会から要望があれば 事務局を通じて提案プロジェクトについて追加評価をする 国家委員会から要望があれば 事務局を通じて技術チームの評価に再度評価を与える 64

66 ステークフォルダー フォーラムは CDM 国家委員会が必要に応じて ステークフォルダー フォーラムもしくはステークフォルダー特別フォーラムを開催することができ 以下の役割を担う 提案された CDM プロジェクトに関する情報を共有し コメントや指摘に対応するための情報会合である CDM 国家委員会からの要望があれば プロジェクト提案に関する情報を提供する CDM 承認基基準は持続可能な開発の基準 指標は環境 経済 社会 技術の4つに分けられており プロジェクトは以下の全ての指標を満たさなければならない 環境 経済 社会の分野は CDM プロジェクトによる影響が予想される地域において評価を行う 技術分野は国レベルでの評価を行う 1) 評価の基準はプロジェクトから直接影響を受ける地域の基準を用いる (1) 地域の生態系機能の維持 (2) 国および地方レベルの環境基準を満たす (3) 遺伝子 種および生態系の生物多様性が維持され いかなる遺伝子汚染も引き起こさない (4) 既存の土地利用計画に反しない 2) 地域住民の健康と安全 (1) 健康被害を及ぼさない (2) 職業健康安全法規に反しない (3) 事故の防止 管理のための 適切な行動の手続の文書化 (4) 経済評価基準は管轄行政区分の基準を用いる 影響が境界を越えた場合は全ての影響を受けた区分が対象となる 3) 地域住民の福祉 (1) 地域住民の収入が減少しない (2) 地域住民の収入がプロジェクト実施により減少する場合 これに対する適切な措置が講じられる (3) 当該地域の公共サービスの質を低下させない (4) 利害対立がある場合は 現行の規則に則った合意がなされる 65

67 (5) 社会評価基準は管轄行政区分の基準を用いる 影響が境界を越えた場合は全ての影響を受けた区分が対象となる 4) プロジェクトへの地域住民の参加 (1) 地域住民がプロジェクト実施者からプロジェクトに関して説明 相談を受ける (2) 地域住民からのプロジェクトに関するコメントおよび苦情が検討され 回答される 5) 地域住民社会の保全 (1) 地域住民間のいかなる対立も惹起 (2) 技術評価基準は国家基準を用いる 6) 技術移転 (1) 知識および実施技術情報の移転に関して 外国への依存が高まらない (2) 実験的あるいは旧式の技術でない (3) 地域技術の利用およびキャパシティビルディングの強化インドネシアにおける CDM プロジェクト承認手続を図 に示す 66

68 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 図 インドネシアの CDM 承認手続き CDM 承認手続きを下記する 1) プロジェクト実施者は以下の申請書類を作成する 国家承認申請書(National Approval Application Form) プロジェクト設計書(PDD) 環境影響評価報告書( 必要な場合 ) 公聴会の記録森林省からの推薦状 ( 植林 再植林プロジェクトの場合のみ ) プロジェクトを正当化するためのその他の書類 2) 事務局は申請書類を受理し 不備がないかどうか確認する 事務局長は申請書を CDM 国家委員会のウェブサイトに掲載し 公衆やステークフォルダーからのコメントを受け付ける それらのコメントもウェブサイトに掲載する 67

69 3) 事務局長は PDD を CDM 国家委員会調整会合に提出する 会合は 1 日以内で開催される 4)CDM 国家委員会の要求がある場合 事務局長は専門家グループを指定する 専門家グループは 5 日以内に評価を実施する 5)CDM 国家委員会は持続可能な開発基準と指標に基づき PDD を評価するための技術チームのメンバーを指名する 6) 必要に応じて 提案プロジェクトと同じセクターの技術チームメンバーは申請書類をセクター別技術チーム会合に提出することができる 7) 技術チームが必要とし 国家委員会が認める場合 事務局長は技術チームを支援する専門家を指名する 必要に応じて 不足しているデータについての記述を添付し CDM 国家委員会に提出する 8) 技術チームは PDD の評価報告書を事務局に提出する 評価報告書は CDM 国家委員会のウェブサイトに掲載される 9) 国家委員会はウェブサイトを通じて伝えられた もしくは事務局に直接送られた PDD の評価書とステークフォルダーのコメントが記載された報告書を受け取る 全ての情報を考慮した後 国家委員会は提案書が妥当かどうか決定する 決定会議は 1 日以内 10) ステークフォルダー間で提案書に対して意見の相違があった場合 国家委員会はステークフォルダーフォーラムを 1 日開催できる フォーラムでは 参加者の希望や批判などに応じる 11) 技術チーム 専門家グループによって作成された報告書に従って PDD のデータが不完全な場合 プロジェクト実施者は PDD を編成し改訂し 事務局に再提出する (3 ヶ月以内 ) 事務局は再提出された提案書を同じ手順で処理するが 技術チーム 専門家グループは新しく追加されたデータのみを再評価する PDD は 1 度のみ 改訂し再提出できる 12) 事務局はプロジェクト実施者に国家委員会の承認レターを与える 13) 提案プロジェクトが基準を満たさない場合 プロジェクト計画を修正したあとに再提出できる 2011 年 3 月 2 日時点の国連 CDM 理事会登録済みのインドネシアがホスト国のプロジ ェクトは 登録件数は合計 61 件で 排出削減量予測は合計 6,359,080 トン ( CO2/ 年 ) 68

70 で CER が発行されたプロジェクトは 8 件で CER は 1,232,468 トン (CO2/ 年 ) とな っている 表 に国連登録済みのインドネシア CDM プロジェクトの一覧を示す 表 国連 CDM 理事会登録済みインドネシアプロジェクト一覧 ( 更新日 :2011 年 3 月 2 日 ) プロジェクト名登録年月日セクトラル スコープセクター規模投資国方法論 トゥバンにおける Semen Gresik セメント工場における化石燃料からバイオマスへの一部置換 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 排出削減量予測 ( トン CO2/ 年 ) 2011 年 02 月 25 日 04: 製造業セメント大イギリス ACM ,977 CER 数 CER 発行状況 発行年月日 Parluasan 水力発電所 2011 年 02 月 12 日 01: エネルギー産業 水力発電 小 ドイツ AMS-I.D. 21,628 Kumai 地区 Sabut Mas Abadi パーム工場における有機廃棄物 (EFB) と有機廃棄液 (POME) の混合肥料化 2011 年 02 月 12 日 13: 廃棄物処理 メタン回避 小 日本 AMS-III.F. 16,275 伊藤忠商事 インドネシア ランプン Ketapangタピオカ澱粉工場における廃水処理のための嫌気リアクターの利用によるメタン回避 Bumi Sawindo Permai 社コンポスト化プロジェクト Jembo IIにおける24MWガス燃焼プロジェクトブリトゥン島エネルギーバイオマス発電所 Kamojang 地熱 ランテバラ小規模水力発電プロジェクト ワヤン ウィンドゥ 2 号機地熱発電プロジェクト インドネシア スマトラPT Pinago Utama Sugihwarasパーム油工場におけるメタン回収 利用インドネシアBekasi Power 社 CCPPプロジェクト Rohul Sawit Industri 社によるコンポスト化プロジェクト Merbaujayaコンポスト化プロジェクト 2011 年 01 月 21 日 01: エネルギー産業 13: 廃棄物処理 バイオガス 小 AMS-I.D. AMS-III.H. 53, 年 12 月 22 日 13: 廃棄物処理メタン回避小スイス AMS-III.F. 27, 年 12 月 17 日 01: エネルギー産業 2010 年 12 月 16 日 01: エネルギー産業 2010 年 12 月 16 日 01: エネルギー産業 廃ガス 廃熱利用バイオマス利用その他再生可能エネルギー 大イギリス AM ,038 小 AMS-I.D. 39,148 大イギリス ACM , 年 12 月 10 日 01: エネルギー産業水力発電小日本 AMS-I.D. 9,737 中国電力 2010 年 12 月 02 日 01: エネルギー産業 2010 年 11 月 09 日 01: エネルギー産業 13: 廃棄物処理 2010 年 11 月 05 日 01: エネルギー産業 その他再生可能エネルギー 大イギリス ACM ,832 バイオガス 小 デンマーク AMS-I.C. AMS-III.H. 廃ガス 廃熱利用 54,312 大イギリス AM , 年 10 月 29 日 13: 廃棄物処理メタン回避小イギリス AMS-III.F. 45, 年 06 月 07 日 13: 廃棄物処理メタン回避小スイス AMS-III.F. 32,378 NHRコンポスト化プロジェクト 2010 年 06 月 05 日 13: 廃棄物処理 メタン回避 小 スイス AMS-III.F. 38,264 クアラ タンジュンにおけるインドネシアアサハンアルミニウム (PT. INALUM) によるPTのPFC 排出削減 2010 年 06 月 02 日 09: 金属工業 PFC 削減 大 スイス AM ,041 インドネシア共和国ランプン州 BAJ Pakuan Agung 工場におけるタピオカ澱粉排水からのバイオガス抽出 有効利用プロジェクトインドネシア ジャンビにおける廃水処理におけるメタン回収 (ID08-WWP-11) ジョグジャカルタ特別州ピユンガン埋立処分場メタンガス回収プロジェクト Lahendong II-20 MW 地熱発電プロジェクト ID08-WWP-14 インドネシア リアウ州における廃水メタン回収プロジェクト ID08-WWP-09, インドネシアアチェにおける廃水メタン回収プロジェクト AIN08-W-07, インドネシア北スマトラ州における廃水メタン回収プロジェクト AIN08-W-06, インドネシア北スマトラ州における廃水メタン回収プロジェクト ID08-WWP-10, インドネシア西スマトラ州における廃水メタン回収プロジェクト AIN08-W-03, インドネシア北スマトラ州における廃水メタン回収プロジェクト 2010 年 02 月 22 日 01: エネルギー産業 13: 廃棄物処理 バイオガス小日本 AMS-I.D. AMS-III.H 年 02 月 18 日 13: 廃棄物処理バイオガス小オランダ AMS-III.H. 15, 年 01 月 01 日 13: 廃棄物処理 2009 年 12 月 19 日 01: エネルギー産業 メタン回収 利用 その他再生可能エネルギー 63,114 住友商事 大日本 ACM ,231 清水建設 大オランダ ACM , 年 11 月 26 日 13: 廃棄物処理バイオガス小オランダ AMS-III.H. 47, 年 11 月 13 日 13: 廃棄物処理バイオガス小オランダ AMS-III.H. 16, 年 11 月 13 日 13: 廃棄物処理バイオガス小オランダ AMS-III.H. 10, 年 11 月 13 日 13: 廃棄物処理バイオガス小オランダ AMS-III.H. 19, 年 11 月 12 日 13: 廃棄物処理バイオガス小オランダ AMS-III.H. 21, 年 11 月 12 日 13: 廃棄物処理バイオガス小オランダ AMS-III.H. 38,424 備考 69

71 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 図 関係国別登録 78 件の国別数 [ 既存投資国別 ]( ユニラテラルプロジェクト以 外のプロジェクトにおける関係国別件数 ) 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 図 関係国別排出削減量予測 [ 既存投資国別 ](1,159 万トン CO2/ 年 ) 70

72 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 図 セクトラル スコープ別登録 72 件の割合 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 図 セクトラル スコープ別排出削減量予測 (709 万トン CO2/ 年 ) 71

73 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 図 セクター別登録 61 件の割合 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 図 セクター別排出削減量予測 (636 万トン CO2/ 年 ) 72

74 出典 : 社団法人海外環境協力センター京都メカニス ムプラットフォーム 図 プロジェクト規模別登録 61 件 国際協力機構 (JICA) は 2010 年 6 月 23 日 インドネシア共和国との間で 気候変動対策プログラム ローン (III) を対象として 271 億 9,500 万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました 本円借款は インドネシア政府による 気候変動対策に関する諸改革を実現するため (1) 気候変動に係る主要課題 (2020 年までに CO2 排出量の 26% 削減を目指す国家行動計画の大統領令化 気候変動対策の実施等に係る資金確保策の整備 測定 報告 検証 (MRV) の基礎となる国家温室効果ガスインベントリーの作成等 ) (2) 緩和 ( 森林保全 管理 泥炭地保全 再生エネルギーの開発 エネルギー効率化の推進等 ) (3) 適応 ( 気象予測モデルの改善 統合的水資源管理の強化等 ) といった重点課題に関する 政策アクション を設定の上 これらの達成を評価して借款を供与する 政策 制度支援型借款 気候変動分野においてこうした支援を行う世界初のケースとして 2008 年度と 2009 年度に供与された第一期 第二期の気候変動対策プログラム ローンに続く第三期の支援 尚 本円借款は日本とインドネシアの政策協議に基づき形成されましたが 気候変動という課題のグローバル性に鑑み 国際的な連携 協調案件として 第一期から協調融資に参加しているフランス開発庁 (Agence Francaise de Developpement) に加え 2010 年からは世界銀行 (World Bank) も政策対話に参加し 協調融資に参画することになった JICA では 温室効果ガスの排出抑制に向けた支援及び気候変動への適応の分野において 円借款を通じた政策制度改善をはじめ 温室効果ガスのインベントリー作成のための技術支援など インドネシアの能力向上に向けた支援を積極的に行い 日本が国際社会で主導的な役割を果たすことに貢献していく方針 73

75 第 3 章事業内容 ( 実施計画書 ) 3.1 事業の目的気候変動問題の解決に向け 日本は 海外での温室効果ガス排出削減に貢献できる優れた技術や製品を多く持っている しかし 現在 技術や製品の普及を通じた途上国での貢献を唯一制度的に後押しする クリーン開発メカニズム ( 以下 CDM という ) は 審査プロセスに長い時間がかかり不安定性が高いことに加え 我が国が得意とする省エネルギー製品 ( 自動車 家電等 ) 原子力発電 高効率石炭火力等に対する適用がほとんどなく 我が国の技術 製品を通じた貢献を後押しするには不十分である 2009 年末の第 15 回気候変動枠組み条約締約国会合 (COP15) で策定されたコペンハーゲン合意は 先進国の排出総量についての目標を各国それぞれのやり方で設定することを認めるものである 経済産業省では こうした機会を捉え 現行の CDMの下では国際的に十分に評価がなされていない技術 ( 原子力 CCS 石炭火力等 ) を広く対象に含める形で 我が国が世界に誇るクリーン技術や製品 インフラ 生産設備などの提供を行った企業の貢献を適切に評価し その貢献を我が国の排出削減量として換算することを可能とする新たな仕組みを 2 国間もしくは多国間の合意を通じて構築していくことを目指す このため 本調査を通じ 我が国の優れた技術 製品を活かした 途上国との具体的な排出削減プロジェクトの発掘とその形成の促進を行うとともに 技術の普及 移転の実施や貢献の評価手法の確立 プロジェクトの実施に向けたファイナンス面その他の制度構築のあり方を検討する材料を早期に洗い出し 2 国間若しくは多国間の合意を通じた新たな枠組みの構築に役立てていく 3.2 事業内容インドネシアでは旺盛な電力需要を賄うために 自国に豊富に賦存する褐炭 ( 水分 30% 以上 発熱量 4,500kcal/kg 以下 ) や亜瀝青炭 ( 水分 20~30% 発熱量が 4,500~6,000kcal/kg) と言われる水分が高く発熱量の低い低品位炭を燃料にした火力発電所による電力供給が進んでいます 低品位炭は安価な燃料ですが 低品位炭を用いた従来型の火力発電所の発電効率は水分が少なく発熱量の高い瀝青炭 ( 水分 20% 以下 発熱量 6,000kcal/kg 以上 ) と比べ低く 発電量当たりの炭酸ガス発生が高いのが欠点です 日本の優れたエネルギー技術である月島機械株式会社の蒸気間接加熱型石炭乾燥機 ( スチーム チューブ ドライヤ ) は 石炭火力発電所の低圧蒸気を加熱源に利用することができ 低品位炭火力発電所に設置して低品位炭を予備乾燥することで燃費の改善による炭酸ガス発生の削減が示唆されています また 日本の優れた石炭火力発電所診断技術である岐阜大学の 石炭性状総合評価システム は 様々な石炭火力発電所における様々な石炭の発電特性や経済性を予測することができます スチーム チューブ ドライヤ のインドネシア低品位炭乾燥への技術適合性を検証し 低品位炭火力発電所に スチーム チューブ ドライヤ を設置した場合の燃費改善 炭酸ガス削減と経済性を 石炭性状総合評価システム を用いて検討します これにより インドネシアの国営電力会社 (PLN) の子会社であるインドネシア パワー社が保有するインドネシア最大の石炭火力発電所であるスララヤ発電所を対象に スチーム チューブ ドライヤ 導入プロジェクトの事業性評価 必要なファイナンス等スキームを検討すると共に 炭酸ガス削減の方法論の特定及び同方法論を用いた削減見込量の推定を行います 更に 2009 年 12 月の COP15 での コペンハーゲン合意 で認められた 2 国間オフセットメカニズム の適用性も検討します この結果に基づき インドネシアの低品位炭火力発電所の燃費改善による炭酸ガス削減のために スチーム チューブ ドライヤ 設置の普及を図ります 月島機械が技術を保有し実績のある スチーム チューブ ドライヤ をインドネシアの石炭火力発電の半分以上を担う国営電力会社 (PLN) の低品位炭火力発電所の燃料低品位炭乾燥への技術適合性を検証し 低品位炭火力発電所に スチーム チューブ ドライヤ を設置した場合の燃費改善 炭酸ガス削減効果と経済性を 石炭性状総合評価システム を用いて検討します これにより PLN の子会社であるインドネシア パワー社が保有するインドネシア最大の石炭火力発電所であるスララヤ発電所を対象に スチーム チューブ ドライヤ 導入プロジェクトの事業性評価 必要なファイナンス等スキームを検討すると共に 炭酸ガス削減の方法論の特定及び同方法論を用いた削減見込量の推定を行います 74

76 更に 2009 年 12 月の COP15 での コペンハーゲン合意 で認められた 2 国間オフセットメカニズム の適用性も検討します この結果に基づき PLN の大型 (30 万 KW 以上 ) 低品位炭火力発電所に スチーム チューブ ドライヤ を設置した場合の燃費改善による炭酸ガス削減量を検討し スチーム チューブ ドライヤ の普及可能性を検証します 図 STD を褐炭火力の予備乾燥用に設置した場合 (CO 2 削減と経済性検討ケース ) 石炭火力発電設備 スチーム チューブ ドライヤ 100kg/cm 2 石炭 180 排ガス ボイラ 空気 電力 0.05kg/cm 2 復水 粉砕機 空気 3.3 実施内容 1)PLN の大型 (30 万 KW 以上 ) 低品位炭火力発電所の仕様と燃料石炭の性状調査以下の既存大型低品位炭火力発電所の仕様と燃料石炭の性状を調査します (1) 西ジャワ : スララヤ発電所 (40 万 KW 2 基 60 万 KW 3 基 合計 340 万 KW) (2) 東ジャワ : パイトン発電所 (40 万 KW 2 基 合計 80 万 KW) また 計画と建設中の大型低品位炭火力発電所の仕様と燃料石炭の性状を調査します 2) インドネシア褐炭の スチーム チューブ ドライヤ による乾燥可能性評価スララヤ発電所で燃料として仕様される代表的な褐炭であるアルトミン社のエコ コール ( 水分 35% 発熱量 4,200kcal/kg) 試料約 500kg を入手し 月島機械 ( 株 ) 市川事業所の スチーム チューブ ドライヤ 試験装置を用い 乾燥性能を評価します 3) スララヤ低品位炭火力発電所での燃料予備乾燥効果検討スララヤ発電所の 40 万 KW と 60 万 KW のボイラーに スチーム チューブ ドライヤ を設置することをベースに装置を設計し 発電所に設置して燃料の予備乾燥を行った場合の発電効率改善による燃費改善 炭酸ガス削減を岐阜大学の 石炭性状総合評価システム を用いて検討します 4) 事業性評価スララヤ発電所への スチーム チューブ ドライヤ 設置費用を試算すると共に発電所の燃料石炭購入価格を調査し 燃料石炭予備乾燥による発電効率改善に起因する燃料や用益費用の削減や炭酸ガス削減に起因する収益を検討して事業性を評価すると共に実現に必要なファイナンスその他の投資環境を検討します 5) 炭酸ガス削減の方法論の特定と削減見込量の検討当該プロジェクトにおける排出削減量の計測 ( 排出量の計測に関する方法論や活用する国際標準 ベースラインの設定を含む削減量計測の考え方 第三者機関による検証の可能性など ) に関する方法論を特定し 75

77 ます 同方法論を用いた削減見込量 その他当該プロジェクトを通じて得られる経済効果を検討します 更に 2009 年 12 月の COP15 での コペンハーゲン合意 で認められた 2 国間オフセットメカニズム の適用性を検討します 6)PLN の大型 (30 万 KW 以上 ) の低品位炭火力発電所への普及検討スララヤ発電所での検討結果に基づき PLN の大型 (30 万 KW 以上 ) 低品位炭火力発電所に スチーム チューブ ドライヤ を設置した場合の燃費改善による炭酸ガス削減量を検討し スチーム チューブ ドライヤ の普及可能性を検証します 3.4 実施体制及び事業スケジュール 実施体制 経済産業省 双日 エネルキ ー 金属部門 環境 新エネルキ ー事業部 再委託 月島機械 企画 開発本部 研究開発部 事業スケジュール 現地調査発電所仕様と石炭性状調査褐炭試料入手と乾燥試験装置設計 設備費検討経済性評価方法論の特定と削減量の検討 2 国間オフセットメカニス ム適用検討報告書作成 平成 22 年度 第 4 章低品位炭乾燥技術 4.1 スチーム チューブ ドライヤの概要 特徴乾燥機には大きく分けて熱風を直接原料に接触させて乾燥させるタイプ ( 直接加熱乾燥 ) と 蒸気等の熱媒で加熱された金属壁を介した伝熱で原料を加熱し 乾燥させるタイプ ( 間接加熱乾燥 ) の 2 種類がある スチームチューブドライヤ (STD) は 間接加熱乾燥機に該当する STD 本体の基本となる部分は 胴体 ( シェル ) と加熱管 ( チューブ ) からなるシェル & チューブ型熱交換器であり 蒸気にて加熱されたチューブ表面で原料を加熱乾燥する間接加熱乾燥に該当し 次のような特徴を持っている 76

78 1) 大量処理が可能 : 単位容積当たりの伝熱量は回転乾燥機では最大である これは加熱管が多数配置されているためで ロータリーキルンと比較して 単位容積当たりの伝熱面積が約 3~4 倍となる 更に構造がシンプルで 伝熱面積の拡張が比較的容易なため大型化しやすく 粉体乾燥の分野の大量処理に適用される 2) 運転が容易 : 処理量の変化 原料水分の変動に対しては STDへ供給する加熱源温度の調整 ( 蒸気圧の調整 ) にて 外部より容易に運転調整が可能である 3) 省エネルギー : 加熱源として蒸気を用いた間接加熱型乾燥機のため 蒸気ドレンも熱水のまま既存のプロセスへの利用が可能で 熱効率が高い ( 一般に直接加熱型は 50~60% に対して間接加熱型は 80~90% である ) : また 同じ間接加熱型でディスク型乾燥機と比較した場合 粉粒体との摩擦による動力が小さいので 伝熱面積あたりの駆動馬力が小さくなり ランニングコストも少なくてすむ ; スチームチューブドライヤ : 0.1~0.3 kw/m 2 ; ディスク型乾燥機 : 0.5~1.0 kw/m 2 4) 排気量が少ない : 間接加熱型のため キャリアガスは蒸発水分の排気に必要な量だけ供給すればよい そのため 直接加熱型の排気量 =100 としたとき 間接加熱型は排気量 =20~30 と少なくすることができる したがって 排ガス処理装置 脱臭設備をコンパクトにすることができる 5) 外気遮断が可能 : 特殊シール構造の採用により内部からのガス漏れや外気の流入がないため 溶媒分として有機溶剤の乾燥にも対応でき その回収が容易で 不活性ガスの使用量もわずかである 構造 STD の構造は大きく分けて原料供給部 乾燥機本体 製品排出部の 3 箇所からなっている 1) 原料供給部原料を乾燥機本体に供給する部分であり 主にスクリュコンベアを採用する 2) 乾燥機胴体本体には回転する円筒の全長にわたってチューブが同心円状に 1~5 列並んでいる その本体全体を回転支持させるための 2 本のタイヤ ローラーを備え 駆動モータの回転力はガースギヤ ピニオンを介して本体を回転させている 加熱管には蒸気等の熱媒が入り 原料供給部から送られてきた原料は回転する円筒で掻き上げ 攪拌されながら加熱管表面にて伝導伝熱を受ける 本体は出口側に傾斜しているので 乾燥品は回転とともに後段の排出側に向かって搬送される また蒸発した液分は少量のキャリアガス ( 同伴ガス ) とともに系外に排出される キャリアガスの向きとしては 乾燥原料の性状乾燥特性の違いにより STD の排出側から原料供給側への方向へ流す場合 ( 向流式 ) と STD の原料供給側から排出側へ流す場合 ( 並流式 ) の 2 種類がある 本体の排出側端部には蒸気の供給部 及び熱交換後の蒸気ドレンの排出部を設けている 77

79 3) 製品排出部 乾燥された製品をスクリュコンベアまたはシュートによって乾燥機から排出する部分である 低品位炭 キャリアガス 排気ガス 蒸気 図 STD 構造図 乾燥炭 ドレン 実績スチームチューブドライヤは加熱管からの間接加熱 大型化構造という特徴を生かすことで 大容量処理の石炭をはじめとする鉱石類 付加価値の比較的高い合成樹脂パウダーの乾燥 一部の汚泥 コーン副製品等の粒状物などの乾燥に適用される 1) 鉱石類 無機物プロセス上 大容量処理が必要で 摩耗性 腐食性を持つためそれに応じた構造的な対応も要求される また 天然物が故に水分 原料性状の変動へのタフさも必要となる a) 製鉄所の原料炭 ; コークス用石炭の炉前の事前乾燥 b) 発電所の一般炭 ; 発電ボイラー用石炭の事前乾燥 c) 製錬所の銅鉱石 ; 銅製錬炉前の事前乾燥 d) 金属ダスト ; 転炉 高炉から飛散ダストの事前乾燥 2) 樹脂間接加熱乾燥でかつ溶剤回収が容易であるため 可燃性溶剤を含んだ下記に代表される樹脂用乾燥機として適用される a) テレフタル酸 (TPA) パウダー ; ポリエステル繊維 ペットボトル b) ポリアセタール (POM) パウダー ; 電子部品 事務機器 自動車部品 c) ポリカーボネイト (PC) パウダー ; コンパクトディスク 電子機器部品 d) 高密度ポリエチレン (HDPE) パウダー ; フィルム コンテナ 包装材料 78

80 3) その他 a) 上水 食品汚泥 b) 異性化糖工場のコーン副製品 c) ビール粕 ウイスキー粕 ( 食用油 飼料製造 ) 4.2 インドネシア褐炭乾燥試験結果 テスト概要 STD の適用性 及び実機へのスケールアップデータ採取を目的として インドネシア産の低品位炭を用いて STD バッチテスト 連続テストを行った 結果を以下に記載する STD バッチテスト (1) 目的低品位炭の基礎乾燥特性把握を目的として 小型の STD バッチテスト機を用いた乾燥テストを実施した (2) 試験場所実施場所 : 月島機械 ( 株 ) 市川研究所実験者 : 月島機械 ( 株 ) 野口 木村 (3) テスト機概要 STD バッチテスタ :φ320 L 伝熱面積 0.3m 2 PG TR 1 図 STD バッチテスト機 スチーム 0.3m2 STD バッチテスト機 TR 5 TR 3 TR 4 PG TR 2 排気 N2 ドレン 図 STD バッチテストフロー図 79

81 (4) テスト概要 1) 石炭サンプル A-Coal 及び B-Coal を対象にテストを実施した 2) テスト条件サンプル投入量 : 6L 加熱源 : 0.39MPaG 飽和蒸気 (150 ) キャリアガス : N 2 ガス 表 石炭サンプル特性 石炭名称 A-Coal B-Coal 炭種 褐炭 褐炭 産地 インドネシア インドネシア 全水分 32wt% 44wt% 3) テスト方法 (a) テスト装置を所定の条件に合わせ ヒートアップした (b) 所定量の原料をテスト機に供給した (c) 経時的にサンプリング及び データ採取を行った (d) 所定時間経過後 テスト装置を停止し 乾品を排出 内部状況を確認した (5) テスト結果 1)A-Coal STD のバッチテストより 以下の結果が得られた : 石炭水分として約 10wt% 程度までが 定率乾燥区間である : 石炭水分として約 5wt% 程度まで 乾燥可能である :32wt% から 10wt% までの乾燥速度は 以下の通り 1) 総括伝熱係数 (U 値 ) : 53~85kcal/m 2 /h/ 2) 蒸発速度 : 4.9~9.5kg/h/m 2 乾燥テスト後の状態として テスト機内のチューブ 胴体に対して 伝熱を阻害するような顕著な付着もなく 良好な状態である 石炭水分 [wt%w.b] 石炭水分 40 品温 時間 [min.] 図 STD バッチテスト結果 (A-Coal) 80 温度 [ ] 80

82 2)B-Coal STD のバッチテストより 以下の結果が得られた : 石炭水分として約 10wt% 程度までが 定率乾燥区間である : 石炭水分として約 5wt% 程度まで 乾燥可能である :44wt%W.B から 10wt% までの乾燥速度は 以下の通り 1) 総括伝熱係数 (U 値 ) : 44~85kcal/m 2 /h/ 2) 蒸発速度 : 4.1~8.9kg/h/m 2 乾燥テスト後の状態として テスト機内のチューブ 胴体に対して 伝熱を阻害するような顕著な付着もなく 良好な状態である 石炭水分 [wt%w.b] 石炭水分 品温 温度 [ ] 時間 [min.] 図 STD バッチテスト結果 (B-Coal) 81

83 4.2.3 STD 連続テスト (1) 目的実機に近い連続状態での乾燥データの把握 長時間連続運転での確認項目 ( 付着性 搬送性 ダスト 乾燥炭の性状等 ) の調査の為 STD 連続テスト機を用いた乾燥テストを実施した また 乾燥による発熱量 組成等の変化の有無を確認する為 各種分析を実施した (2) テスト実施場所 実施場所 : 月島機械 ( 株 ) 市川研究所 実験者 : 月島機械 ( 株 ) 野口 木村 (3) テスト機概要 テスト機 :φ450 L3000 伝面 :3.1m 2 有効容量 : 約 110L 図 STD 連続テスト機 (4) テスト概要 1) 石炭サンプル A-Coal 及び B-Coal を対象にテストを実施した 表 石炭サンプル特性 石炭名称 A-Coal B-Coal 炭種 褐炭 褐炭 産地 インドネシア インドネシア 湿炭水分 32wt% 44wt% PG PG 原料 AIR TR TR TR 排気 TI TI TI TI 3.1m 2 STD 連続機 TR TR 乾燥品 図 STD 連続テストフロー 82

84 2) テスト条件 キャリアガス :Air( 大気 ) 3) テスト方法 (a) テスト装置を所定の条件に合わせ ヒートアップした (b) 原料をテスト機に連続定量供給し 乾品を乾燥機出口側より排出した (c) 経時的にサンプリング及び データ採取を行った (d) 所定時間経過後 テスト装置を停止し 乾品を排出 内部状況を確認した (5) テスト結果 STD の連続テスト機を用いることで 以下の結果が得られた また 供給量及び各水分結果を表 に示す 表 連続テスト結果 加熱源加熱源入口出口ダスト Run 供給量炭種蒸気圧力温度水分水分水分 No. [kg/h] [MPaG] [ ] [wt%] [wt%] [wt%] 1 A-Coal B-Coal A-Coal : テスト設備の供給量の都合上 乾燥炭の水分は 23wt% までの乾燥結果となった しかし バッチテストの結果からも判明している通りに 連続テスト機でも供給量を更に低減させれば目標水分値 10wt% までの乾燥は充分に可能と思われる * 本テスト結果から得られた乾燥速度から 本連続テスト機において 目標水分である 10wt% まで乾燥させる場合の石炭供給量は 約 70kg/h となる : 水分範囲として 32wt% から 23wt% までの乾燥速度は 以下の通り 1) 総括伝熱係数 (U 値 ) : 44kcal/m 2 /h/ 2) 蒸発速度 : 5.2kg/h/m 2 : 乾燥テスト後の状態として テスト機内のチューブ 胴体に対して 伝熱を阻害するような顕著な付着もなく 良好な状態である : 連続テスト中も特に搬送性不良等の問題もない : 乾燥に伴い排気ガス中に同伴されバグフィルタで捕集されるダストの水分は 5.4wt% であり 乾燥炭よりも十分に乾燥されている 83

85 石炭水分 [wt% W.B.] 石炭水分 品温 温度 [ ] 累計伝面 [m2] 図 STD 連続テスト結果 (A-Coal) 2B-Coal : テスト設備の供給量の都合上 乾燥炭の水分は 15wt% までの乾燥結果となった しかし バッチテストの結果からも判明している通りに 連続テスト機でも供給量を更に低減させれば目標水分値 10wt% までの乾燥は充分に可能と思われる * 本テスト結果から得られた乾燥速度から 本連続テスト機において 目標水分である 10wt% まで乾燥させる場合の石炭供給量は 約 45kg/h となる : 水分範囲として 44wt% から 15wt% までの乾燥速度は 以下の通り 1) 総括伝熱係数 (U 値 ) : 33kcal/m 2 /h/ 2) 蒸発速度 : 5.3kg/h/m 2 : 乾燥テスト後の状態として テスト機内のチューブ 胴体に対して 伝熱を阻害するような顕著な付着もなく 良好な状態である : 連続テスト中も特に搬送性不良等の問題もない : 乾燥に伴い排気ガス中に同伴されバグフィルタで捕集されるダストの水分は 5.6wt% であり 乾燥炭よりも十分に乾燥されている 84

86 石炭水分 [wt% W.B] 石炭水分 品温 累計伝面 [m2] 図 STD 連続テスト結果 (B-Coal) 温度 [ ] 3) 乾燥前後の石炭特性 組成分析の変化 STD における乾燥前後の石炭特性 組成の変化を以下表 にまとめた : 発電所の効率改善に大きな影響を及ぼす発熱量 ( 無水ベース ) では乾燥の前後で A-Coal では 6,343kcal/kg( 乾炭基準 ) 6,388kcal/kg( 乾炭基準 ) とほぼ同等であり 有用成分の減少などは見られていない B-Coal も 6,176kcal/kg( 乾炭基準 ) 6,290kcal/kg( 乾炭基準 ) とほぼ同等であり 有用成分の減少などは見られていない : 到着ベース水分での発熱量を比較すると 当然であるが STD による乾燥に伴い A-Coal では 4,407kcal/kg( 湿炭基準 ) から 4,983kcal/kg( 湿炭基準 ) に増大しており 発電所の効率改善が見込める結果となっている B-Coal でも同様に 3,483kcal/kg( 湿炭基準 ) から 5,359kcal/kg( 湿炭基準 ) に増大している : その他の元素分析等に関しても 2 炭種とも乾燥の前後で大きな差異はみられない : 粒度分布については STD 内での回転 撹拌 混合に伴い 乾燥後に粉化している状況が確認できるが ハンドリング等に支障にきたすレベルまでの粉化は起きていない 尚 上記の結果は STD による石炭乾燥方法の場合 乾燥炭の温度が約 100 以下の低温域で行われることで 石炭の熱分解等の反応が起きないことが理由と想定される 85

87 HGI - 気乾 JIS M 8801 工業分析固定炭素 元素分析粒度分布表 石炭特性 組成分析の変化 A-Coal B-Coal 項目単位基準分析方法未乾燥品乾燥品未乾燥品乾燥品全水分 wt% 到着 JIS M 8820 発熱量 kcal/kg 無水 6,443 6,388 6,176 6,290 到着 4,407 4,983 3,483 5,359 JIS M 8814 ( 気乾 ) による分析値をベースに算術 水分 灰分 wt% 気乾揮発分 JIS M 8812 灰分 炭素 水素 JIS M 8819 窒素無水 wt% 燃焼性硫黄 酸素 JIS M 8813 全硫黄 灰中硫黄灰 JIS M 8819 塩素 mg/kg 無水 イオンクロマト法 >9.5mm mm mm mm mm wt% mm mm <0.297mm 計 (6)STD の適用性についてバッチテスト 連続テストの双方の結果を踏まえて 乾燥炭の目標水分値約 10wt% に対して 約 5wt% まで乾燥可能であること 適正な乾燥速度が得られていること STD のチューブや胴体着等の問題もないことから STD の適用は十分に可能である 4.3 スチーム チューブ ドライヤ商業設備検討 適用発電所前述の低品位炭乾燥テストの結果に基づき インドネシア最大規模の石炭火力であるスラヤヤ発電所の 2 号機 (400MW) 7 号機 (600MW) 8 号機 (625MW) 及びラブアン発電所の 1 号機 (300MW) を対象にして STD を適 86

88 用した乾燥システムの商業設備の検討を実施した 前提条件スラヤヤ発電所 ラプアン発電所のそれぞれについて STD 商業設備を検討するに際し STD 熱源の蒸気条件として 下図 に示すように低圧蒸気の一部を抽気すること 及び蒸気ドレンはボイラ供給水へ返送することを想定し計算した 低品位炭 既設発電所プロセス 粉砕機 バグフィルタ 排気ガス 空気 燃焼排ガス STD 微粉砕機 ボイラ タービン 発電機 凝縮器 STD 乾燥システム追加 改造範囲 キャリアガス ( 大気 ) ドレン 低圧蒸気 石炭蒸気ボイラ供給水 ドレンキャリアガス 排気ガス空気 燃焼排ガス図 石炭火力発電所への STD 適用フロー 商業設備概要 STD 乾燥システムの PFD 配置参考図を図 に示す また STD 必要基数及び乾燥システムのユーティリティ消費量を概算した結果を表 表 に示す 87

89 88

90 図 STD 乾燥システムフロー 図 STD 乾燥プロットプラン (φ4.2m L32m,2Line 参考図 ) 89

91 表 スララヤ発電所の必要 STD サイズ 及び乾燥システムのユーティリティ消費量 SURALAYA POWER Unit No. 2 ( 乾燥あり ) 7 ( 乾燥あり ) 8 ( 乾燥あり ) 発電量 (gross) [MW] 石炭水分 [wt%] 乾燥炭水分 [wt%] STD 必要基数 Φ4200 クラス [ 基 ] STD 乾燥システム必要蒸気条件 温度 [ ] 圧力 [MPaG] 流量 [t/h] unit unit STD 乾燥システムからの返送ドレン条件 温度 [ ] 圧力 [MPaG] 流量 [t/h] unit unit STD 乾燥システムのユーティリティ消費量 1) 電力 [kw] Line 570 2Line 窒素 2) 0.6MPaG 3) 計装空気 0.5MPaG [Nm3/h] unit 350 2unit [Nm3/h] Line 180 2Line 1) 図 STD 乾燥システムフローに記載している範囲での消費電力量 2) 用途 : バグフィルタのパルスジェット 3) 用途 : コントロールバルブ 90

92 表 ラブアン発電所の必要 STD サイズ 及び乾燥システムのユーティリティ消費量 LABUAN POWER Unit No. 1 ( 乾燥あり ) 発電量 (gross) [MW] 300 石炭水分 [wt%] 31.6 乾燥炭水分 [wt%] 10 STD 必要基数 Φ4200 クラス [ 基 ] 1 STD 乾燥システム必要蒸気条件 温度 [ ] 177 圧力 [MPaG] 0.83 流量 [t/h] 46.1 STD 乾燥システムからの返送ドレン条件 温度 [ ] 136 圧力 [MPaG] 0.83 流量 [t/h] 46.1 STD 乾燥システムのユーティリティ消費量 1) 電力 [kw] 620 窒素 2) 0.6MPaG 3) 計装空気 0.5MPaG [Nm3/h] 360 [Nm3/h] 180 1) 図 STD 乾燥システムフローに記載している範囲での消費電力量 2) 用途 : バグフィルタのパルスジェット 3) 用途 : コントロールバルブ 4.4 スチーム チューブ ドライヤ設備コスト試算 設備コスト試算スラヤヤ発電所 ラプアン発電所のそれぞれについての STD 乾燥システムの概算コストを表 表 に示す 1) スラヤヤ発電所 2 号機 (400MW) STD 乾燥システムの導入に必要な設備費は 2,160 万米ドルと見積もられた 2) スラヤヤ発電所 7 号機 (600MW) STD 乾燥システムの導入に必要な設備費は 4,130 万米ドルと見積もられた 91

93 3) スラヤヤ発電所 8 号機 (625MW) STD 乾燥システムの導入に必要な設備費は 4,260 万米ドルと見積もられた 4) ラブアン発電所 1 号機 (300MW) STD 乾燥システムの導入に必要な設備費は 2,170 万米ドルと見積もれた 表 スララヤ発電所の STD 乾燥システム概算コスト SURALAYA POWER Unit No. 2 ( 乾燥あり ) 7 ( 乾燥あり ) 8 ( 乾燥あり ) 備考 発電量 (gross) [MW] 石炭水分 [wt%] 乾燥炭水分 [wt%] STD 熱源蒸気圧力 [MPaG] 0.82MPaG Steam 1.04MPaG Steam 1.00MPaG Steam STD 必要基数 Φ4200 クラス [ 基 ] STD 乾燥システムの概算コスト 設備費 1) [ 百万 US$] 建設費を含む 日常メンテナンス費 [ 百万 US$/ 年 ] ) 図 STD 乾燥システムフローに記載している範囲での設備費 建設費を含む US$1= 80 円とする 表 ラブアン発電所の STD 乾燥システム概算コスト LABUAN POWER Unit No. 1 ( 乾燥あり ) 発電量 (gross) [MW] 300 備考 石炭水分 [wt%] 31.6 乾燥炭水分 [wt%] 10 STD 熱源蒸気圧力 [MPaG] 0.83MPaG Steam 92

94 STD 必要基数 Φ4200 クラス [ 基 ] 1 STD 乾燥システムの概算コスト 設備費 1) [ 百万 US$] 21.7 建設費を含む 日常 メンテナンス費 [ 百万 US$/ 年 ] 0.5 1) 図 STD 乾燥システムフローに記載している範囲での設備費 建設費を含む US$1= 80 円とする 4.5 発電所使用炭種の高水分化に対する STD 乾燥システムの効果検討 前提条件スラヤヤ発電所の 2 号機 (400MW) 7 号機 (600MW) 8 号機 (625MW) 及びラブアン発電所の 1 号機 (300MW) を対象にして 現行の使用石炭 ( 水分 25~32wt)% から 将来安価な水分 43.6wt% の石炭に変更された場合の STD の仕様と必要台数を検討した 商業設備概要スラヤヤ発電所 ラプアン発電所のそれぞれについての STD 必要基数及び乾燥システムのユーティリティ消費量を概算した結果を表 表 に示す 表 スララヤ発電所の STD 必要基数及び乾燥システムの ユーティリティ消費量 ( 高水分炭への切替 ) SURALAYA POWER Unit No ( 乾燥あり ) ( 乾燥あり ) ( 乾燥あり ) 発電量 (gross) [MW] 石炭水分 [wt%] 43.6 乾燥炭水分 [wt%] STD 必要基数 Φ4200 クラス [ 基 ] STD 乾燥システム必要蒸気条件 温度 [ ] 圧力 [MPaG] 流量 [t/h] unit unit unit STD 乾燥システムからの返送ドレン条件 93

95 温度 [ ] 圧力 [MPaG] 流量 [t/h] unit unit unit STD 乾燥システムのユーティリティ消費量 1) 電力 [kw] 320 3Line 520 4Line 550 4Line 窒素 2) 0.6MPaG 3) 計装空気 0.5MPaG [Nm3/h] 130 3unit 340 4unit 350 4unit [Nm3/h] 180 3Line 180 4Line 180 4Line 1) 図 STD 乾燥システムフローに記載している範囲での消費電力量 2) 用途 : バグフィルタのパルスジェット 3) 用途 : コントロールバルブ 表 ラブアン発電所の STD 必要基数及び乾燥システムの ユーティリティ消費量 ( 高水分炭への切替 ) LABUAN POWER Unit No. 1 ( 乾燥あり ) 発電量 (gross) [MW] 300 石炭水分 [wt%] 43.6 乾燥炭水分 [wt%] 10 STD 必要基数 Φ4200 クラス [ 基 ] 2 STD 乾燥システム必要蒸気条件 温度 [ ] 177 圧力 [MPaG] 0.83 流量 [t/h] unit STD 乾燥システムからの返送ドレン条件 温度 [ ] 134 圧力 [MPaG] 0.83 流量 [t/h] unit STD 乾燥システムのユーティリティ消費量 1) 電力 [kw] 580 2Line 2) 窒素 [Nm3/h] 360 2unit 94

96 0.6MPaG 3) 計装空気 0.5MPaG [Nm3/h] 180 2Line 1) 図 STD 乾燥システムフローに記載している範囲での消費電力量 2) 用途 : バグフィルタのパルスジェット 3) 用途 : コントロールバルブ スチーム チューブ ドライヤ設備コスト試算 STD 乾燥システムの概算コストを表 表 に示す 1) スラヤヤ発電所 2 号機 (400MW) STD 乾燥システムの導入に必要な設備費は 6,390 万米ドルと試算された 2) スラヤヤ発電所 5 号機 (600MW) STD 乾燥システムの導入に必要な設備費は 8,480 万米ドルと試算された 3) スラヤヤ発電所 8 号機 (625MW) STD 乾燥システムの導入に必要な設備費は 8,520 万米ドルと試算された 4) ラブアン発電所 1 号機 (300MW) STD 乾燥システムの導入に必要な設備費は 4,260 万米ドルと試算された 表 スララヤ発電所の STD 乾燥システム概算コスト ( 高水分炭への切り替え ) SURALAYA POWER Unit No. 2 ( 乾燥あり ) 7 ( 乾燥あり ) 8 ( 乾燥あり ) 備考 発電量 (gross) [MW] 石炭水分 [wt%] 43.6 乾燥炭水分 [wt%] STD 熱源蒸気圧力 [MPaG] 0.82MPaG Steam 1.04MPaG Steam 1.00MPaG Steam STD 必要基数 [ 基 ] Φ4200 クラス STD 乾燥システムの概算コスト 1) 設備費 [ 百万 US$] 建設費を含む 95

97 メンテナンス費 [ 百万 US$/ 年 ] ) 図 STD 乾燥システムフローに記載している範囲での設備費 建設費を含む US$1= 80 円とする 表 ラブアン発電所の STD 乾燥システム概算コスト LABUAN POWER Unit No. 1 ( 乾燥あり ) 備考 発電量 (gross) [MW] 300 石炭水分 [wt%] 43.6 乾燥炭水分 [wt%] 10 STD 熱源蒸気圧力 [MPaG] 0.83MPaG Steam STD 必要基数 Φ4200 クラス [ 基 ] 2 STD 乾燥システムの概算コスト 設備費 1) [ 百万 US$] 42.6 建設費を含む メンテナンス費 [ 百万 US$] 0.5 1) 図 STD 乾燥システムフローに記載している範囲での設備費 建設費を含む US$1= 80 円とする 第 5 章スララヤ発電所の状況 5.1 インドネシアスララヤ発電所の概要スララヤ (Suralaya) 発電所は インドネシア共和国のジャワ島西部のベンデン州メラク (Merak) にあるインドネシア パワー社 (PT. Indonesia Power) の発電所である 400MW 4 基 + 600MW 3 基 総発電容量 3,400MW の発電所で 1 発電所としてはインドネシアで最大規模の石炭火力発電所である また PLN HOLDING 直轄の UNIT8(625MW) が 2011 年 6~7 月から本格稼働の予定である 表 に発電所の設備概要を示す 建設は 3 期に分けて実施されており 400MW の UNIT 1 及び 2 が第 1 期として 1985~1986 年に 400MW の UNIT 3 及び 4 が第 2 期として 1989 年に そして 600MW の UNIT 5~7 が 1997 年に運開している 環境装置は 電気集塵器のみで脱硫 脱硝設備なしで規制値を満たしている 96

98 表 スララヤ発電所設備概要項目 UNIT 1 UNIT 2 UNIT 3 UNIT 4 UNIT 5 UNIT 6 UNIT 7 UNIT8 建設開始 1980 年 1984 年 1994 年 2007 運開 1985 年 4 月 1986 年 3 月 1989 年 2 月 1989 年 11 月 1997 年 6 月 1997 年 9 月 1997 年 12 月 - 蒸気条件 ( タービン入口 ) ボイラ 主蒸気圧力 MPa MPa 16.67MPa 主蒸気温度 再熱蒸気温度 型式 亜臨界圧自然循環形 亜臨界圧自然循環形 Tower-type Radiant Boiler (RBT) Carolina-type Radiant Boiler (RBC) 蒸発量 1,200 t/h 2,000 t/h 2,129t/h 使用燃料石炭 ( 又は重油 ) 石炭石炭 通風方式平衡通風方式平衡通風方式 製造者 Babcock & Wilcox Canada Babcock & Wilcox Canada +PTBWI Babcock & Wilcox Canada+PTBWI 中国メーカー タービン 定格出力 400 MW 600 MW 625MW 回転数 3,000 rpm 3,000 rpm 3,000rpm 製造者三菱重工業 ( 株 ) 三菱重工業 ( 株 ) 中国メーカー 環境装置 脱硫装置 - - 脱硝装置 - - 脱塵装置電気集塵器電気集塵器注記 1. PTBWI は P.T. Babcock & Wilcox Indonesia 97

99 5.2 燃料仕様及び現状使用石炭スララヤ発電所の石炭消費量は 3 万 5 千トン / 日 年間 1,200 万トン No1~4 (400MW) で使用している石炭は PTBA( 国営石炭会社 ) の亜瀝青炭で水分 25~30% No5~7 (600MW) は PTBA, アダロ, ブラウ, キデコの 4 炭鉱からの石炭を混合利用している 表 に 2006 年から 2010 年の石炭使用量実績を示す 表 に 2010 年の各炭種の消費量を示す 表 に各炭種の性状を示す 表 スララヤ発電所の運用状況 年 平均 発電所 ユニット 発電容量 (MW) ( トン ) ,610,570 1,747,675 1,477,464 1,505,040 1,452,372 1,558, ,683,203 1,509,227 1,658,186 1,517,108 1,279,014 1,529, ,441,909 1,689,176 1,436,167 1,268,339 1,109,313 1,388,981 スララヤ ,450,541 1,443,024 1,745, ,098 1,286,578 1,378, ,221, , ,021 2,304,190 2,164,187 1,657, ,330,565 2,548,545 2,322,150 1,921,392 2,250,484 2,274, ,426,090 2,576,286 2,323,546 2,149,443 2,201,594 2,335,392 合計 3,400 13,164,771 12,448,421 11,623,643 11,631,610 11,743,542 12,122,397 表 スララヤ発電所の各炭種の消費量 (2010 年 ) PTBA 炭 Kideco 炭 Berau 炭 Adaro 炭 合計 石炭消費量 ( 万トン ) ,175 石炭調達価格 (US$/ トン ) 石炭調達価格は2011 年 1 月の価格 表 スララヤ発電所の各炭種の性状 CHARACTERICTIES OF COAL UNIT BERAU PT.BA ADARO KIDECO a) Procimate 1. Gross Calorific Value Kcal/kg 5,017 5,158 5,038 4, Total Moisture % wt Sulphur Content % wt Ash Content % wt Size > 50 mm % wt Size < 2,38 mm % wt b) Ultimate 1.Total Moisture % wt Sulphur Content % wt Hardgrove Grindability Index % wt Gross Calorific Value Kcal/kg 5,017 5,158 5,038 4, Ash Content % wt Size > 50 mm % wt Size < 2,38 mm % wt Ash Fusion Temperature 0 C 1,160 1,500 1,180 1, 現地調査結果 スララヤ発電所 2011 年 2 月 8 日にスララヤ発電所を訪問し 今回の F/S 調査概要 STD の技術 メリット等 98

100 のプレゼンを行い ディスカッションを実施した また 発電所のボイラ廻り 石炭ハンドリング設備 石炭ヤード オペ室の視察を行った スララヤ発電所の運転課長からは主に下記の質問 コメントがあり 適宜回答した (1) 乾燥設備の配置スペースへの懸念 既設 No1~7 には余裕スペース (30m 70m) がない コールヤードには充分なスペースが見受けられ コールヤードの配置図を入手 (2) 燃焼排ガスを STD の熱源として利用できないか 伝達効率 構造上 不可 (3) 燃焼排ガスを利用した乾燥機 ( 流動層 ) と比較してどうか 流動層のような直接加熱式の乾燥機の場合は燃焼排ガスを使えるが 以下の理由で STD の方が優位性があると説明 * 直接加熱式では 必要交換熱量上 大量の排気ガスが必要であり それを循環させる排気ファンの動力など ランニングコストが高くなる * 高温のガスが直接石炭に接するので 発火等の危険性が高いこと * 石炭は天然物が故に粒径等のバラツキがあり 流動層では安定操業が難しいこと (4) 定修期間を 8000h から最大で 12000h に伸ばしている STD は対応できるか 1 年間のノーメンテナンス運転の実績はあるので 対応は可能である (5) 発電所のメンテナンス期間のボトルネックとなる機器は タービン関係 (6) スララヤ発電所は 1985 年から稼働しているが メンテナンスに力を入れており 現在でも設計通りの 100% 運転がほぼできている (7) 貯炭場での石炭の自然発火は過去に 1 2 回程度は発生したことがある そこから得た対策は 主に以下 * ヤードで積んでいる石炭内部に空気が入らないように石炭をプレスする * 日に 2~3 回のヤード巡回監視 自然発火が起こるとしても 積んだ石炭の端側だけなので 監視も容易で 消火対応も可能 (8) 乾燥機に導入に対してのスララヤ発電所運転課長の所感 導入については 本社のエンジニアリングチームが技術 運転性 コスト リスクマネージメントの観点で判断することだが 連続安全運転性が特に重要な項目となる インドネシア パワー訪問 2011 年 2 月 9 日にインドネシア パワーを訪問し 今回の F/S 調査概要 STD の技術 メリット等のプレゼンを行い ディスカッションを実施した 客先からは主に下記の質問 コメントがあり 適宜回答した (1) 抽気蒸気を STD 熱源に適用するとタービンのバランスが崩れるリスクあり 今後 ユーティリティ蒸気の適用を含め 発電所の詳細データをもらって検討をする (2) 本発電所は政府の管轄なので STD 導入 ( 改造 ) にはいくつかの機関の許可が必要で煩雑 今後 要調査する 99

101 (3) 摩耗 腐食は心配ないのか 摩耗 腐食に強いステンレス材を用いて リスクを低減している (4)STD の通常のメンテナンス箇所 期間は 特にタイヤ ローラー廻りの確認で 期間は約 1~1.5 年程度 第 6 章燃料低品位炭乾燥の効果試算 6.1 石炭性状総合評価システムの概要石炭性状総合評価システム (Coal Quality Evaluation System: C-QUENS) は 微粉炭火力発電プラントの性能や経済性に及ぼす炭種の影響を定量的に予測するために開発されたプログラムである わが国では, ひとつの発電所で年間 30 炭種以上を使用することも珍しくはなく 様々な石炭の性状がプラント性能や経済性に影響を与えることは経験的に把握されていたが その定量化および予測法の開発が従来から望まれていた C-QUENS は,1995 年から開発が始まった 国内の主要な微粉炭火力発電プラント ( 発電量 156MWe~1000MWe の 10 プラント ) の実データを収集し 石炭性状との関連を究明することで 2000 年には発電プラント全体 ( 石炭受入から灰処理まで ) を定量的に予測できるようになった 今では微量元素 (Hg, B, Se, As) の分配挙動や排水中の濃度変化の予測までもが可能となっており 現在でも電力会社の継続的な協力と支援により高度化を果たしている 図 に C-QUENS によるプラント性能および経済性の予測スキームを示す 入力項目は大きく分けると, ボイラ仕様 ( 火炉幾何形状, バーナータイプ ), 石炭性状 大気条件 ボイラ運転条件 石炭 薬品価格の5 項目であり C-QUENS でのシミュレーションにおいては 3 項 7) に示されたデータを入力した これらの値を入力すると 図 に示した各種プラント性能が予測される 各項目は, すべて石炭性状と関連づけられた予測式によって計算される これらの予測式は 上述した 10 プラントのデータから導き出されたものであり 十分な検証を重ねた信頼ある予測式で平均誤差は ±10% 程度である ( 後述 ) 例えば, 石炭供給量 ( 給炭量 ) の予測および所内動力の予測はそれぞれ, 図 6-1-2, 図 に示す手順で計算される 図 に示した給炭量の計算手順においては,C-QUENS 独自の計算法が組み込まれている すなわち, 給炭量は発熱量や水分, 燃焼時の未燃損失, ボイラ内での収熱割合等に影響されるため, 図 に示すように 石炭の発熱量と給炭量は相関を示さないことが多い C-QUENS の給炭量の予測では 炭種による火炉収熱の差異を考慮することで, 図 に示すような高い予測精度を得ている 表 には,3 つの微粉炭火力プラントを例として,C-QUENS 予測値とプラント実績値の比較および誤差を主要なプラント項目について示す リークエア量の見積が困難なファン動力関係の誤差が特に大きい傾向にあるが, 発電効率の予測精度に影響を与えるほどの誤差ではなく, 実用での精度は十分である 以上の手順で炭種別のプラント性能を精度良く予測できれば, 経済性評価は容易であり ( 図 6-1-1), 最終的には, 送電電力量あたりの発電単価あるいは送電電力量あたりの石炭単価 100

102 として比較可能である このように様々な微粉炭火力プラントの炭種影響をシミュレーション可能な C-QUENS は, これまで炭種の選定や混炭方法の提案など, 主に石炭の運用面で活用されてきたが,ST Dで低品位炭を事前乾燥した時のプラント性能の変化をシミュレーションすることももちろん可能である INPUT ボイラ仕様石炭分析値 INPUT 大気温度ボイラ運転条件 プラント性能予測式 1 石炭使用量予測 2 ファン風量 電流 動力予測 3 ミル電流 動力予測 4EP 電流 動力予測 5 未燃分予測 6 灰発生量予測 7NOx 濃度予測 8 アンモニア使用量予測 9SOx 濃度予測 10 石灰石量 石膏量予測 11AH 入出空気 ガス温度予測 12 ボイラ効率予測 13 発電 送電電力量予測 14 排水処理薬品量予測 内部計算 INPUT 利用率石炭単価薬品単価 OUTPUT 1 燃料費 2 灰処理費 3 脱硝費用 4 脱硫費用 5 排水処理費 13 発電 送電電力量予測値 OUTPUT 炭種別発電単価 ( /kwh) 図 C-QUENS によるプラント性能および経済性の予測スキーム 101

103 INPUT INPUT 石炭分析値 大気温度ボイラ運転条件 石炭分析値 大気温度ボイラ運転条件 石炭使用量 (t/h) 燃焼空気 / 排ガス量 =F( 理論燃焼空気量 IGI BOI) 1 給炭量初期値予測式から仮の給炭量を予測 2 必要空気量予測 3 排ガス量予測 4 未燃分予測 5 灰発生量予測 6 火炉出口温度予測 7 火炉収熱割合予測 8 補正熱量計算 PAF 空気量 =F( 石炭使用量 ) FDF 空気量 =F( 理論必要空気量 ) IDF ガス量 =F( 理論湿り排ガス量 ) BUF ガス量 =F(IDF ガス量 理論 SO2 濃度 ) GRF ガス量 =F( 石炭使用量 ) PAF 電力 =F(PAF 空気量 ファン力率 ) FDF 電力 =F(FDF 空気量 ファン力率 ) IDF 電力 =F(IDF ガス量 ファン力率 ) BUF 電力 =F(BUF ガス量 ファン力率 ) GRF 電力 =F(GRF ガス量 ファン力率 ) ミル電力 =F(IGI ミルモーター力率 ) EP 電力 =F( 灰電気抵抗値 荷電率 ) 所内動力予測 9 給炭量予測 送電電力量予測値 図 C-QUENS による給炭量の計算スキーム 図 C-QUENS による所内動力の計算スキーム 102

104 y = E-05x E-01 R 2 = 4.614E-01 石炭消費率 ( 乾炭, t/mwh) 高位発熱量測定値 (kcal/kg, ad) 図 MWe 発電プラントの石炭発熱量と給炭量 ( 乾炭消費率 ) の関係 給炭量予測値 ( 湿炭, t/h) 給炭量実績値 ( 湿炭, t/h) 図 火炉收熱割合を考慮した場合の実績値と C-QUENS 予測値の比較 103

105 表 C-QUENS 予測値とプラント実績値の比較および誤差 予測 実績 誤差 % 予測 実績 誤差 % 予測 実績 誤差 % 炭種 A B C 発電量 700MW 700MW+ 外部抽出気 350MW 1. 計算条件発電機出力 (MW) Eco 出口 O2 wet(a) Eco 出口 O2 wet(b) 外部抽気量 t/h 空気 排煙量 FDF 動翼開度予測 ( 平均 %) 効率関係灰中未燃分 (%)* ボイラ効率高位基準 (%) 発電端効率高位基準 (%) ND ND ND ND ND ND 給炭量 (t/hr,ar) AH 入口ガス温度 ( ) AH 出口ガス温度 ( ) 所要動力 FDF 合計 (kw) IDF 合計 (kw) BUF 合計 (kw) PAF 合計 (kw) ミル電流動力合計 (kw) 電気集塵機 2 台分 (kw) 環境 予測平均 NOx(ppm,6%O2) 脱硫入口 SOx 予測 (ppm, dry- 生 O2) 試算条件表 に示すインドネシア パワー社スララヤ発電所のユニット ラブアン発電所のユニット 1 を対象に, スチーム チューブ ドライヤ (STD) を導入した場合のプラント性能をシミュレーションし, そのメリットを発電効率,CO 2 排出量の観点で評価を行った 表 評価対象とした発電プラント 発電ユニットの名称 発電量 (MWe) スララヤ発電所ユニット2 400 スララヤ発電所ユニット7 600 スララヤ発電所ユニット8 625 ラブアン発電所ユニット1 300 各発電ユニットについて収集した石炭性状, ボイラーの規格, 運転条件, プラント構成, ファンなど補機の消費電力実績値を参考に, 仮想の微粉炭火力プラントを C-QUENS に構築し, さらに STD の計算ルーチンを組み込んだ 表 表 表 および表 は, 各発電ユニットの概要とシミュレーションに用いた石炭性状を示す 表 は現状の燃料石炭を乾燥して水分 10% にした場合のスララヤ発電所ユニット 2 と 7 および, 予定される燃料石炭を乾燥して水分 10% にした場合の 104

106 スララヤ 8 について, 表 はラブアン発電所ユニット1について示してある 将来調達が予想される更に低品位の褐炭である B-Coal( 水分 44%) を燃料にしたと仮定し 表 は B-Coal を乾燥して水分 10% にした場合のスララヤ発電所ユニット 2 と 7 および 8 について, 表 はラブアン発電所ユニット1について示してある 表中には,STD を導入した場合に必要な蒸気条件と所要動力も示されている これらの表の値を C-QUENS に入力し, プラント性能をシミュレーションした 105

107 表 スララヤ発電所各ユニットについてのシミュレーション用データセット SURALAYA POWER Unit No. Power Generation(gross) 2 (Existing) 2 (With Drying) 7 (Existing) 7 (With Drying) 8 (Existing) 8 (With Drying) [MW] Coal Consumption Dried Coal Moisture ST Dryer Heat Source [t/y] 1,279,014-2,201, [wt%] No 10% No 10% No 10% [MPaG] No 0.82MPaG Steam No 1.04MPaG Steam No 1.00MPaG Steam Coal Properties Coal Bland [-] C-Coal D-Coal A-Coal Specific heat(dry Solid) [kcal/kg/ ] Total Moisture [wt% ar] HGI [-] CV(HHV) [kcal/kg ar] 5,025 5,096 4,407 Ash [wt% ar] V.M. [wt% ar] Fixed carbon [wt% ar] C [wt% dry basis] H [wt% dry basis] N [wt% dry basis] O [wt% dry basis] S [wt% dry basis] F [wt% dry basis] Cl [wt% dry basis] ppm SiO2 [wt% in Ash] Al2O3 [wt% in Ash] TiO2 [wt% in Ash] Fe2O3 [wt% in Ash] CaO [wt% in Ash] MgO [wt% in Ash] Na2O [wt% in Ash] K2O [wt% in Ash] P2O5 [wt% in Ash] MnO [wt% in Ash] V2O5 [wt% in Ash] SO3 [wt% in Ash] Coal Cost(CIF) [US$] Generated Steam at boiler Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] 1,236 1,264 1,856 1,867 1,917 1,945 Gross Efficiency [%] Coal Consumption [t/h] CO 2 Emission [t/h] ST Dryer Unit No. [-] - φ4.2m 1unit - φ4.2m 2unit - φ4.2m 2unit Required Steam for ST Dryer system Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] unit unit Drain from ST Dryer system Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] unit unit Utility Consumption for additional whole ST Dryer system Electricity (*1) [kw] Line Line Nitrogen 0.6MPaG [Nm3/h] unit unit Instrument air 0.5M PaG [Nm3/h] Line Line 106

108 表 ラブアン発電所ユニット 1 についてのシミュレーション用データセット LABUAN POWER Unit No. Power Generation(gross) Power Generation(net) Coal Consumption Dried Coal Moisture ST Dryer Heat Source 1 (Existing) 1 (With Drying) [MW] [MW] [t/y] [wt%] No 10% [MPaG] No 0.83MPaG Steam Coal Properties Coal Bland [-] A-Coal Specific heat(dry Solid) [kcal/kg/ ] 0.25 Total Moisture [wt% ar] 31.6 HGI [-] 49 CV(HHV) [kcal/kg ar] 4,407 Ash [wt% ar] 2.4 V.M. [wt% ar] 34.3 Fixed carbon [wt% ar] 32.1 C [wt% dry basis] H [wt% dry basis] 4.88 N [wt% dry basis] 0.79 O [wt% dry basis] S [wt% dry basis] 0.15 F [wt% dry basis] - Cl [wt% dry basis] 48ppm SiO2 [wt% in Ash] Al2O3 [wt% in Ash] TiO2 [wt% in Ash] 0.92 Fe2O3 [wt% in Ash] CaO [wt% in Ash] 1.46 MgO [wt% in Ash] 1.18 Na2O [wt% in Ash] 0.12 K2O [wt% in Ash] 0.49 P2O5 [wt% in Ash] 0.04 MnO [wt% in Ash] 0.19 V2O5 [wt% in Ash] 0.04 SO3 [wt% in Ash] 0.46 Coal Cost(CIF) Generated Steam at boiler [US$] 64.9 Temperature [ ] 538 Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] Gross Efficiency Coal Consumption CO 2 Emission [%] [t/h] [t/h] ST Dryer Unit No. [-] - φ4.2m 1unit Required Steam for ST Dryer system Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] Drain from ST Dryer system Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] Utility Consumption for additional whole ST Dryer system Electricity (*1) [kw] Nitrogen 0.6MPaG [Nm3/h] Instrument air 0.5M PaG [Nm3/h]

109 表 スララヤ発電所各ユニットについてのシミュレーション用データセット SURALAYA POWER Unit No. Power Generation(gross) Power Generation(net) Coal Consumption Dried Coal Moisture ST Dryer Heat Source 2 (Existing) 2 (With Drying) 7 (Existing) 7 (With Drying) 8 (Existing) 8 (With Drying) [MW] [MW] [t/y] [wt%] No 10% No 10% No 10% [MPaG] No 0.82MPaG Steam No 1.04MPaG Steam No 1.00MPaG Steam Coal Properties Coal Bland [-] B-Coal B-Coal B-Coal Specific heat(dry Solid) [kcal/kg/ ] 0.25 Total Moisture [wt% ar] HGI [-] 44 CV(HHV) [kcal/kg ar] 3,483 Ash [wt% ar] 2.1 V.M. [wt% ar] 27.4 Fixed carbon [wt% ar] 26.9 C [wt% dry basis] H [wt% dry basis] 4.45 N [wt% dry basis] 0.81 O [wt% dry basis] S [wt% dry basis] 0.02 F [wt% dry basis] - Cl [wt% dry basis] 36ppm SiO2 [wt% in Ash] Al2O3 [wt% in Ash] 4.13 TiO2 [wt% in Ash] 0.07 Fe2O3 [wt% in Ash] CaO [wt% in Ash] MgO [wt% in Ash] 1.73 Na2O [wt% in Ash] 0.04 K2O [wt% in Ash] 0.24 P2O5 [wt% in Ash] 0.01 MnO [wt% in Ash] 0.56 V2O5 [wt% in Ash] 0.01 SO3 [wt% in Ash] Coal Cost(CIF) [US$] Generated Steam at boiler Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] 1,236 1,307 1,856 1,938 1,917 1,998 Gross Efficiency [%] Coal Consumption [t/h] CO 2 Emission [t/h] ST Dryer Unit No. [-] - φ4.2m 3unit - φ4.2m 4unit - φ4.2m 4unit Required Steam for ST Dryer system Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] unit unit unit Drain from ST Dryer system Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] unit unit unit Utility Consumption for additional whole ST Dryer system Electricity (*1) [kw] Line Line Line Nitrogen 0.6MPaG [Nm3/h] Line unit unit Instrument air 0.5M PaG [Nm3/h] Line Line Line 108

110 表 ラブアン発電所ユニット 1 についてのシミュレーション用データセット LABUAN POWER Unit No. Power Generation(gross) Power Generation(net) Coal Consumption Dried Coal Moisture ST Dryer Heat Source 1 (Existing) 1 (With Drying) [MW] [MW] [t/y] - - [wt%] No 10% [MPaG] No 0.83MPaG Steam Coal Properties Coal Bland [-] B-Coal Specific heat(dry Solid) [kcal/kg/ ] 0.25 Total Moisture [wt% ar] HGI [-] 44 CV(HHV) [kcal/kg ar] 3,483 Ash [wt% ar] 2.1 V.M. [wt% ar] 27.4 Fixed carbon [wt% ar] 26.9 C [wt% dry basis] H [wt% dry basis] 4.45 N [wt% dry basis] 0.81 O [wt% dry basis] S [wt% dry basis] 0.02 F [wt% dry basis] - Cl [wt% dry basis] 36ppm SiO2 [wt% in Ash] Al2O3 [wt% in Ash] 4.13 TiO2 [wt% in Ash] 0.07 Fe2O3 [wt% in Ash] CaO [wt% in Ash] MgO [wt% in Ash] 1.73 Na2O [wt% in Ash] 0.04 K2O [wt% in Ash] 0.24 P2O5 [wt% in Ash] 0.01 MnO [wt% in Ash] 0.56 V2O5 [wt% in Ash] 0.01 SO3 [wt% in Ash] Coal Cost(CIF) [US$] 59.4 Generated Steam at boiler Temperature [ ] 538 Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] Gross Efficiency [%] Coal Consumption [t/h] CO 2 Emission [t/h] ST Dryer Unit No. [-] - φ4.2m 2unit Required Steam for ST Dryer system Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] unit Drain from ST Dryer system Temperature [ ] Pressure [MPaG] Flow Rate [t/h] unit Utility Consumption for additional whole ST Dryer system Electricity (*1) [kw] Line Nitrogen 0.6MPaG [Nm3/h] unit Instrument air 0.5M PaG [Nm3/h] Line 109

111 6.3 試算結果表 と表 に示した発電量 300 MW~625 MW の合計 4 つのユニットについて, 現状のプラント性能と STD を導入した場合のプラント性能の変化を C-QUENS によりシミュレーションした 結果を表 にまとめた 表中,Existing は現状のプラント性能について, Drying は STD を導入した場合のプラント性能についての試算結果である STD 導入の場合, 低圧タービン蒸気入口から STD に必要な蒸気を抽気すると仮定した すなわち, 抽気に必要な蒸気量に相当する給炭量が増すことになる また,STD のユーティリティー用に電力が必要なため, これを所内動力として勘案し, 発電効率に反映させた 表 において, 第一に重要な項目は給炭量 (t/h, ar) である 例えば, スララヤユニット 2 では, 現状の給炭量 t/h に対し,STD 導入により t/h に減少している これは, ボイラ効率 ( 入熱に対しボイラ内で回収される熱の割合 ) の上昇が主な要因である スララヤユニット 2 のボイラ効率をみると, 現状 88.11% に対し STD 導入時は 90.17% に増加していることがわかる ボイラ効率は, 主に燃料中水分による熱損失が支配的であり, STD 導入により燃料中水分を減少させたことでボイラ効率が大きく上昇したことは合理的である また, ボイラスケール ( 発電量 ) が大きくなるほど給炭量は多くなるため, 燃料中水分による熱損失も比例的に大きくなる したがって, 発電量の多いプラントほど,STD 導入によるボイラ効率上昇効果は大きくなり,400 MW で 2.06 ポイント,600 MW で 2.09 ポイント,625 MW で 3.55 ポイントのボイラ効率の上昇が試算された 表 において, 第二に重要な項目は, 送電端発電効率である 送電端発電効率は, 入熱に対する送電出熱の割合であり,STD 導入によって上昇することがわかる 前述のように, STD 導入では蒸気と所要電力が必要になるが, 送電端効率はこれらをすべて考慮した値である STD 導入による送電端効率の上昇は, やはりボイラ効率の上昇が主要因となっている 表 において, 第三に重要な項目は,CO 2 発生量である CO 2 発生量は, 給炭量と燃焼率に依存するが,STD 導入によって給炭量は減少するため,CO 2 発生量は低減する このように, 給炭量, 送電端効率,CO 2 発生量は STD 導入により改善されることが試算された ただし, ラブアン発電所ユニット1(300MW) は, ボイラ効率がもともと低いため,STD を導入しても送電端効率はほんのわずか減少した これはボイラ効率の改善分と STD 導入による蒸気 所要電力の増加分が均衡していることが要因となっている 表 には, 重要な 3 つの項目について,STD 導入効果としてまとめた また, 図 から図 には各ユニットにおける STD 導入効果を比較した これらの図表では,CO 2 削減効果を ton/h で表示しているが, プラント利用率を 85%( 年間稼働 7,446 時間 ) として年間削減量に換算すると, 次のようになる スララヤ発電所ユニット2: = 4691 ton-co 2 /year スララヤ発電所ユニット7: = ton-co 2 /year スララヤ発電所ユニット8: = ton-co 2 /year ラブアン発電所ユニット1: = 1266 ton-co 2 /year ボイラスケールが大きく, かつ発電効率の良いスララヤ発電所ユニット 7 と 8 は, 特に STD 導入による CO 2 削減効果が大きいことがわかる 110

112 表 つの発電プラントにおけるプラント性能のシミュレーション結果 Suralaya2 (Existing) Suralaya2 (Drying) Suralaya7 (Existing) Suralaya7 (Drying) Suralaya8 (Existing) Suralaya8 (Drying) Labuan 1 (Existing) Labuan 1 (Drying) 1. ボイラ運転条件外部抽気量 (t/h) 発電機出力 (MW) Eco 出口 O2 dry(a) Eco 出口 O2 dry(b) 大気温度 (FDF 入口温度 ) 海水温度 石炭性状 (boiler feed coal) 全水分 (%, ad) 高位発熱量 exit) 高位発熱量 exit) 水分 (%, ad) 灰分 (%, ad) 揮発分 (%, ad) 固定炭素 (%, ad) 燃料比 (-) 炭素 (%, ad) 水素 (%, ad) 窒素 (%, ad) 酸素 (%, ad) 燃焼性硫黄 (%, ad) 全硫黄 (%, ad) 石炭 空気 排煙量給炭量 exit) 給炭量 (t/h, ar) 理論空気量 (dry-m3n/kg-coal, ar) 理論乾ガス量 (dry-m3n/kg-coal, ar) ボイラ空気比 必要空気量 (wet-m3n/kg-coal,ad) ボイラ出口実湿カ ス量 (km3n/h) GAH 出口実湿カ ス量 (km3n/h) EP 出口 実湿カ ス量 (km3n/h) IDF 出口 実湿カ ス量 (km3n/h) 煙突入口実湿カ ス量 (km3n/h) 所要動力 STDの電力消費量 (kw) FDF 合計 (kw) IDF 合計 (kw) PAF 合計 (kw) ミル動力合計 (kw) 電気集塵機 2 台分 (kw) 所内消費電力量 ( 抽気分を含む )(MWh) 所内率 % 効率発電電力量 / 発電電力相当量 (MWh) 送電電力量 MWh 未燃率 (%) 灰中未燃分 (%) 入出熱法発電端効率高位基準 (%) 入出熱法発電端効率低位基準 (%) 入出熱法送電端効率高位基準 (%) 入出熱法送電端効率低位基準 (%) ボイラ効率高位基準 (%) ボイラ効率低位基準 (%) 環境 CO2 発生量 (ton/h) NOx 濃度 (ppm,6%o2) SOx 濃度 (ppm, dry- 生 O2) 灰発生量 (t/d) STDの効果送電端効率上昇ポイント (%, HHV) base 0.04 base 0.16 base 0.44 base 送電端効率上昇ポイント (%, LHV) base 0.04 base 0.17 base 0.48 base CO2 低減量 (ton/h) base 0.6 base 2.1 base 6.4 base

113 表 各ユニットにおける STD 導入の効果 発電ユニット スララヤ Unit 2 スララヤ Unit 7 スララヤ Unit 8 ラブアンUnit 1 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 送電端効率 (HHV) アップ 石炭削減量 ( トン / 時 ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) 2,657 9,543 29, CO2 削減量 ( トン / 時 ) CO2 削減量 ( トン / 年 ) 5,073 18,565 50,880 1,360 スララヤユニット 2 の年稼働時間は 2006 年から 2010 年の 5 年間の石炭消費量を時間単位 の石炭消費試算量で除して得た 8,053 時間を使用した スララヤユニット 7 の年稼働時間 は 2006 年から 2010 年の 5 年間の石炭消費量を時間単位の石炭消費試算量で除して得た 8,675 時間を使用した スララヤユニット 8 とラブアンユニット 1 の年稼働時間は 333 日 (8,000h) と仮定した inlet, t/h 図 STD 導入有無によるユニット別給炭量の比較 ( 既存燃料 ) 112

114 送電端効率 (HHV) 上昇ポイント 図 STD 導入時のユニット別送電端発電効率上昇ポイントの比較 ( 既存燃料 ) 7 6 CO2 減少量, t/h 図 STD 導入時のユニット別送電端発電効率上昇ポイントの比較 ( 既存燃料 ) 表 と表 に示した発電量 300 MW~625 MW の合計 4 つのユニットについて,B-Coal を燃料とした場合のプラント性能と STD を導入した場合のプラント性能の変化を C-QUENS によりシミュレーションした 結果を表 にまとめた 表中,Existing は現状のプラント性能について,Drying は STD を導入した場合のプラント性能についての試算結果である 表 に示した結果と同様に STD 導入により燃料中水分を減少させたことでボイラ効率が大きく上昇する B-Coal は水分が 44% と高いため STD での乾燥効果は更に大きくなる 113

115 また 表 に示した結果と同様にボイラスケール ( 発電量 ) が大きくなるほど給炭量は多くなるため, 燃料中水分による熱損失も比例的に大きくなる したがって, 発電量の多いプラントほど,STD 導入によるボイラ効率上昇効果は大きくなる 送電端発電効率は, 入熱に対する送電出熱の割合であり,STD 導入によって上昇し 300MW で 0.39 ポイント 400 MW で 0.81 ポイント,600 MW で 1.01 ポイント,625 MW で 1.10 ポイントと全ての発電ユニットについて効率の上昇が試算された 前述のように,STD 導入では蒸気と所要電力が必要になるが, 送電端効率はこれらをすべて考慮した値である STD 導入による送電端効率の上昇は, やはりボイラ効率の上昇が主要因となっている CO 2 発生量は, 給炭量と燃焼率に依存するが,STD 導入によって給炭量は減少するため,CO 2 発生量は低減する このように 水分の高い B-Coal の場合は 給炭量, 送電端効率,CO 2 発生量は STD 導入により大幅に改善されることが試算された 表 には, 重要な 3 つの項目について,STD 導入効果としてまとめた また, 図 から図 には各ユニットにおける B-Coal を燃料とした場合の STD 導入効果を比較した これらの図表では,CO 2 削減効果を ton/h で表示しているが, プラント利用率を 85%( 年間稼働 7,446 時間 ) として年間削減量に換算すると, 次のようになる スララヤ発電所ユニット2: = 65,524 ton-co 2 /year スララヤ発電所ユニット7: = 114,668 ton-co 2 /year スララヤ発電所ユニット8: = 128,071 ton-co 2 /year ラブアン発電所ユニット1: = 30,528 ton-co 2 /year ボイラスケールが大きく, かつ発電効率の良いスララヤ発電所ユニット 7 と 8 は, 特に STD 導入による CO 2 削減効果が大きいことがわかる 114

116 PKN B-Coal 褐炭 表 つの発電プラントにおけるプラント性能のシミュレーション結果 Suralaya 2 (Existing) Suralaya 2 (Drying) Suralaya 7 (Existing) Suralaya 7 (Drying) Suralaya 8 (Existing) Suralaya 8 (Drying) Labuan 1 (Existing) Labuan 1 (Drying) 1. ボイラ運転条件外部抽気量 (t/h) 発電機出力 (MW) Eco 出口 O2 dry(a) Eco 出口 O2 dry(b) 大気温度 (FDF 入口温度 ) 海水温度 石炭性状 (boiler feed coal) 全水分 (%, ad) 高位発熱量 exit) 高位発熱量 exit) 水分 (%, ad) 灰分 (%, ad) 揮発分 (%, ad) 固定炭素 (%, ad) 燃料比 (-) 炭素 (%, ad) 水素 (%, ad) 窒素 (%, ad) 酸素 (%, ad) 燃焼性硫黄 (%, ad) 全硫黄 (%, ad) 石炭 空気 排煙量給炭量 exit) 給炭量 (t/h, ar) 理論空気量 (dry-m3n/kg-coal, ar) 理論乾ガス量 (dry-m3n/kg-coal, ar) ボイラ空気比 必要空気量 (wet-m3n/kg-coal,ad) ボイラ出口実湿カ ス量 (km3n/h) GAH 出口実湿カ ス量 (km3n/h) EP 出口 実湿カ ス量 (km3n/h) IDF 出口 実湿カ ス量 (km3n/h) 煙突入口実湿カ ス量 (km3n/h) 所要動力 STDの電力消費量 (kw) FDF 合計 (kw) IDF 合計 (kw) PAF 合計 (kw) ミル動力合計 (kw) 電気集塵機 2 台分 (kw) 所内消費電力量 ( 抽気分を含む )(MWh) 所内率 % 効率発電電力量 / 発電電力相当量 (MWh) 送電電力量 MWh 未燃率 (%) 灰中未燃分 (%) 入出熱法発電端効率高位基準 (%) 入出熱法発電端効率低位基準 (%) 入出熱法送電端効率高位基準 (%) 入出熱法送電端効率低位基準 (%) ボイラ効率高位基準 (%) ボイラ効率低位基準 (%) 環境 CO2 発生量 (ton/h) NOx 濃度 (ppm,6%o2) SOx 濃度 (ppm, dry- 生 O2) 灰発生量 (t/d) STDの効果石炭削減量 (t/h, ar) base 6.42 base base base 2.97 送電端効率上昇ポイント (%, HHV) base 0.81 base 1.01 base 1.10 base 0.39 送電端効率上昇ポイント (%, LHV) base 0.92 base 1.14 base 1.23 base 0.44 CO2 低減量 (ton/h) base 8.8 base 15.4 base 17.2 base

117 表 各ユニットにおける STD 導入の効果 発電ユニットスララヤ Unit 2 スララヤ Unit 7 スララヤ Unit 8 ラブアン Unit 1 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 送電端効率 (HHV) アップ 石炭削減量 ( トン / 時 ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) 51,360 89,440 99,840 23,760 CO2 削減量 ( トン / 時 ) CO2 削減量 ( トン / 年 ) 70, , ,600 32,800 年間稼働 8,000 時間 スララヤユニット とラブアンユニット 1 の年稼働時間は 333 日 (8,000h) と仮定 した 450 inlet, t/h 図 STD 導入有無によるユニット別給炭量の比較 (B-Coal) 送電端効率 (HHV) 上昇ポイント 図 STD 導入時のユニット別送電端発電効率上昇ポイントの比較 (B-Coal) 116

118 CO2 減少量, t/h 図 STD 導入時のユニット別送電端発電効率上昇ポイントの比較 (B-Coal) 各発電規模における各種水分の石炭を STD で水分 10% に乾燥した場合の石炭削減と CO2 削減の関係を表 に示す 表 各発電規模における STD 導入の効果 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 25% 10%) 石炭削減量 ( トン / 時 ) CO2 削減量 ( トン / 時 ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) 2,640 8,480 14,960 20,640 CO2 削減量 ( トン / 年 ) 5,040 16,480 28,160 40,000 石炭乾燥 ( 水分 32% 10%) 石炭削減量 ( トン / 時 ) CO2 削減量 ( トン / 時 ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) ,040 21,840 32,880 44,080 CO2 削減量 ( トン / 年 ) 1,360 18,720 37,120 55,840 74,880 石炭乾燥 ( 水分 44% 10%) 石炭削減量 ( トン / 時 ) CO2 削減量 ( トン / 時 ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) 23,760 51,120 80, , ,960 CO2 削減量 ( トン / 年 ) 32,720 70, , , ,200 年間稼働時間は8,000 時間 (333 日 ) と仮定 117

119 年間石炭削減量 ( トン ) 160, , , ,000 80,000 60,000 40,000 20,000 石炭水分 44% 石炭水分 32% 石炭水分 26% 図 各発電規模における STD 導入による石炭削減 250,000 年間 CO2 削減量 ( トン ) 200, , ,000 50,000 石炭水分 44% 石炭水分 32% 石炭水分 26% 図 各発電規模における STD 導入による CO2 削減量 118

120 第 7 章方法論の検討 7.1 方法論候補の検討本事業では スララヤ石炭火力発電所において 燃料である低品位の石炭 ( 褐炭 亜瀝青炭 ) を ボイラーの余熱を使って乾燥させる この結果 石炭の単位重量あたりの発熱量が高くなり その使用量が少なくなることで炭酸ガス排出量の削減をはかる 国連 CDM 理事会で承認された方法論のなかには 現時点で このような事業にそのまま適用できるものはない 本事業は 電力グリッドに接続する発電所で 炭素強度の高い燃料から低い燃料への 燃料転換 あるいは 乾燥設備の導入で 石炭の発熱量を向上させる エネルギー効率の改善 による排出削減事業と捉えることができる 国連 CDM 理事会に登録されたエネルギー供給分野の方法論は 全部で 67 あるが 1 上記のいずれかに該当し 本事業のための方法論策定のベースになりうる方法論候補は表 のように4つある 表 本事業の方法論策定のベールとなる既存方法論候補 方法論 No とタイトル燃料転換 1 ACM0011 既存発電所における 石炭 / 石油から天然ガスへの燃料転換のための統合方法論エネルギー効率の改善 2 AM0061 既存発電設備の修理 / エネルギー効率改善 3 AM0062 タービンの更新による発電設備のエネルギー効率改善 4 ACM0013 低 GHG 強度技術を利用したグリッド接続されている新規の化石燃料型発電設備に関する総合方法論 適用条件など 3 年以上稼動している既存の発電所 天然ガスのみが使用されること コジェネレーションやエネルギー効率改善事業には適用できない 化石燃料を燃焼する発電所に適用 修復/ 効率改善により 部分的 / 全体的な燃料を転換する事業にも適用できるが 燃料転換部分の排出削減は評価対象外 蒸気タービン/ ガスタービンを改善してエネルギー効率を改善する事業に適用 燃料転換を含む事業には適用されない 新規の発電所で より効率的な発電技術を利用する事業に適用 119

121 1 かつて登録され その後他の方法論に統合されたものも含んだ数 AM0062 はタービンを中心とした効率改善を ACM0013 は新規の発電所を対象にした方法論のため ベースラインの設定方法やプロジェクト排出量の算定方法が 他の二つと比べて大きく異なる よって 本調査では ACM0011 と AM0061 をベースとして それぞれを本事業の内容に合わせて適宜改良した方法論を検討してみる さらに 石炭性状総合評価システム での分析結果を含めて 二国間制度での方法論 MRV 策定の課題についてまとめる 7.2 方法論の詳細検討と排出削減量の試算 -ACM0011 を基にした場合 - ACM0011 は 既存発電所における石炭 石油から天然ガスへの発電用燃料転換のための統合方法論 である タイトルに示されるように 発電所で燃料として使っている石炭 / 石油を より炭素強度の低い天然ガスへ切り替える事業に適用される方法論となっている 適用条件と関連する本事業の内容 適用の可否と検討課題を表 にまとめる 表 ACM0011 に基く検討課題 適用条件石炭 / 石油から天然ガスへの燃料転換であること 少なくとも 3 年以上 石炭 / 石油を使った ベースランとなる事業を実施している既存の発電所であること 事業実施発電所は 電力グリッドのみ 又は受手消費者のみに電力を供給していること 事業実施発電所では 起動用等の補助燃料以外には 天然ガスのみが利用されること 補助燃料の割合は 全消費燃料の 1% を超えないこと 事業実施前には 石炭 / 石油のみが使用され 天然ガスは使用されていなかったこと 当該国 地域で 石炭 / 石油が発電用に入手可能であること 法律等によって 発電のために 石炭 / 石油の使用が制限されていたり 天然ガスや特定の燃料の使用が求められて 該当する本事業の内容低品位炭から これを乾燥させて単位発熱量を高くした石炭への燃料転換 スララヤ発電所 (2 号機 ) は 1986 年から操業している スララヤ発電所では グリッド接続しているが 発電電力の一部をグリッド接続せずに 自家消費している 該当発電施設には 事業実施後は乾燥させた石炭だけを使用する 低品位炭のみしか使用していない 石炭 石油とも入手可能である インドネシアでは 該当する法律はない 適用の可否と課題天然ガス使用ゆえに検討している項目の取り扱いを変更 適用可能 総発電量から自家消費部分を 切り分けて取り扱う必要がある 適用可能 適用可能 適用可能 適用可能 120

122 いないこと 事業実施発電所の売電先である受手消費者や電力グリッドが 法律等によって 異なる種類の燃料で発電された電力の購入を制約されていないこと つまり プロジェクトのクレジット期間中は より GHG 排出原単位の高い燃料を利用して発電される電力の購入を禁止されていないこと 燃料転換を除き 発電設備の主要な改修 修繕 ( 例えば 既存技術の活用中止や 新設ガスタービン 新設コンバインドサイクルガス発電等の新技術の導入 ) を行わないこと プロジェクトによって発電容量が大幅に変わらないこと ( 即ち プロジェクト実施前より発電容量が ±5% 以上の幅で変化しないこと ) 最も起こりうるベースラインシナリオが 事業実施発電所で石炭 / 石油のような高炭素強度燃料が使われ続けること CDM( 排出クレジット取引 ) による利益が無い場合には 更に GHG 排出原単位が高い燃料を利用していたであろう未開発地域の発電設備でないこと コジェネレーションのための燃料転換や効率改善のための事業でないこと インドネシアでは 該当する法律はない また 現時点では そのような法律制定の予定もない 導入するスチームチューブドライヤーは 低品位の石炭を乾燥させる燃料転換のための設備であり 既存設備の効率そのものを改善するものではない 発電機やボイラーの性能そのものは変わらないので 発電容量は変わらない 最も起こりうるベースラインシナリオは 低品位の石炭を使い続けることである スララヤ発電所は インドネシア最大の火力発電所であり Jamali グリッドに接続している ボイラーやタービンなど発電施設の効率を改善する事業ではない 適用可能 適用可能 適用可能 適用可能 適用可能 燃料転換という位置づけ ACM0011 が参照するツールは 化石燃料の 追加性の証明と評価 か ベースラインの特定と追加性の証明の統合ツール のどちらかひとつと 化石燃料の燃焼による事業 もしくはリーケージ CO2 排出計算ツール 電力システムの排出係数計算ツール の 3 つである 以下 ACM0011 にそって 方法論の詳細検討と排出削減量の試算を進める 定義 事業実施発電所(PAPP ;Project Activity Power Plant ). 本事業を実施するスララヤ発電所 なお 排出削減量の試算においては スララヤ発電所の発電施設のうち 2 号機を対象にしている 121

123 電力グリッド 電力グリッドとは 多くの消費者と発電所が接続されている 電力を供給するシステム システムに接続されている発電所は ディスパッチセンターにより 統制されている スララヤ発電所は インドネシアのジャワ島を中心とする Jamali 電力グリッドに接続している 事業バウンダリー バウンダリーは事業を実施するスララヤ発電所と 接続するJamali 電力グリッドとなる 事業バウンダリーと 排出源と排出ガスを以下の図 と表 に示す 図 ACM0011 に基く事業バウンダリー Upstream Emissions CO 2 Coal with more moisture PAPP Electricity Grid Electricity Other Power Plants CO 2 Baseline scenario Project scenario Upstream Emissions CO 2 Coal with less moisture PAPP Electricity Grid Electricity Other Power Plants CO 2 122

124 表 排出源と排出ガス 事業バウンダリーへの包含の区別 排出源ガス種包含 / 除外正当性 / 説明 ベースライン 事業活動 事業実施発電所における発電のための 低品位の水分の多い石炭 ( 褐炭 亜瀝青炭 ) の燃焼による排出電力グリッドに接続する発電所での燃料の燃焼による排出事業実施発電所における発電のための 乾燥させた石炭の燃焼による排出事業実施発電所の運営のための予備燃料や購入電力による排出 CO 2 包含 主な排出源 CH 4 除外 軽微な排出源 N 2 O 除外 軽微な排出源 CO 2 包含 主な排出源 CH 4 除外 軽微な排出源 N 2 O 除外 軽微な排出源 CO 2 包含 主な排出源 CH 4 除外 軽微な排出源 N 2 O 除外 軽微な排出源 CO 2 包含 主な排出源 CH 4 除外 軽微な排出源 N 2 O 除外 軽微な排出源 123

125 7.2.2 ベースライン排出量事業実施発電所での発電では 水分の多い石炭 ( 褐炭 亜瀝青炭 ) つまり 炭素強度が高い石炭を 乾燥させた水分の少ない石炭 つまり 炭素強度の低い石炭に置き換える これに加えて 事業実施によって発電量が増加した場合は 電力グリッド内の他の発電所からの電力を置き換えることになる ACM0011 では ベースラインの設定において 事業実施発電所の発電量 (= 電力グリッドへの電力供給量 ) に応じて 以下の 3 つのケースを区別して考えている また スララヤ発電所では 発電した電力の一部を自家消費しているが この消費電力量が総発電量の 5% 程度に達しているので ここから発生する排出量も ベースラインの計算に含めて考える これは ACM0011 のベースラインの算定式に追加する部分となる ( 以下の等式で下線を引いた部分 ) ケース A 事業実施発電所での発電量 (= 電力グリッドへの電力供給量 )(EG PJ,y ) が 事業実施以前の過去の最大年間発電量 (= 同最大電力供給量 )(EG MAX ) を超える場合 ベースライン排出量は以下の式で計算される BE y = EG AVR EF BL,plant,y + (EG MAX EG AVR ) min (EF BL,plant,y ; EF grid,y ) + (EG PJ,y EG MAX ) EF grid,y + EC aux,y EF BL,plant-gross,y (1) ケース B 事業実施発電所での発電量 (= 電力グリッドへの電力供給量 ) (EG PJ,y ) が 事業実施以前の過去の年間平均発電量 (= 同平均電力供給量 ) (EG AVR ) より大きく かつ 過去の最大年間発電量 (= 同最大電力供給量 ) よりは小さい場合 ベースライン排出量は以下の式で計算される BE y = EG AVR EF BL,plant,y + (EG PJ,y EG AVR ) min (EF BL,plant,y ; EF grid,y ) + EC aux,y EF BL,plant-gross,y (2) ケース C 事業実施発電所での発電量 (= 電力グリッドへの電力供給量 )(EG PJ,y ) が 事業実施以前の過去の平均年間発電量 (EG AVR ) (= 同平均電力供給量 ) よりも小さい場合 ベースライン排出量は以下の式で計算される BE y = EG PJ,y EF BL,plant,y + EC aux,y EF BL,plant-gross,y (3) ここで BE y EG PJ,y EG AVR EG MAX = 年 y のベースライン排出量 (tco 2 /yr) = 年 y に事業実施発電所から電力グリッドに供給された電力量 (MWh/yr) = 事業実施以前の直近の 3 年間に 事業実施発電所から電力グリッドに供給された平均年間電力量 (MWh/yr) = 事業実施以前に 事業実施発電所から電力グリッドに供給された最大年間 124

126 EF BL,plant,y EF BL, plant-gross,,y EF grid,y EC aux,y 電力量 (MWh/yr) = 年 y に水分の多い石炭を使用した場合の 事業実施発電所のベースライン排出係数 発電単位あたりの二酸化炭素排出量 (tco 2 /MWh) グリッド接続した電力部分の排出量の計算に使用 = 年 y に 水分の多い石炭を使用した場合の 事業実施発電所のベースライン排出係数 発電単位あたりの二酸化炭素排出量 (tco 2 /MWh) 自家消費した電力部分の排出量の計算に使用 = 事業実施発電所が接続する電力グリッドの排出係数 (tco 2 /MWh) = 事業実施発電所で電力グリッドに供給せず 自家消費した年間電力量 (MWh/yr) また 事業実施以前に 事業実施発電所から電力グリッドに供給された年間最大電力量は 次のように計算できる EG MAX = CAP MAX T MAX (4) ここで EG MAX CAP max T max = 事業実施以前に 事業実施発電所から電力グリッドに供給された年間最大電力量 (MWh/yr) = 事業実施以前の事業実施発電所の最大発電容量 (MW) = 事業実施以前の事業実施発電所の最大負荷での年間最大運転時間 (hours) また 事業実施前に 事業実施発電所から電力グリッドに供給された平均年間電力量は以下の式で計算される 3 EGPAPP, x = 1 EG = x AVR (5) 3 3 EGPAPP, total, x = 1 EG, = x AVR total (5) 3 ここで EG AVR EG AVR,total EG PAPP,x = 事業実施以前の直近の 3 年間に 事業実施発電所から電力グリッドに供給された平均年間電力量 (MWh/yr) = 事業実施以前の直近の 3 年間に 事業実施発電所で発電した平均年間総発電量 (MWh/yr) = 年 x に事業実施発電所から電力グリッドに供給された電力量 (MWh/yr) 125

127 EG PAPP,total,x = 年 x に事業実施発電所での発電量 (MWh/yr) X = 事業実施以前の直近の 3 年間の各年 事業実施以前の事業実施発電所の排出係数は つぎのように計算される EF 1000 EFFF, BL = (6) 3.6 η BL, plant, y * PAPP EF BL, plant gross, y = * η EF FF, BL PAPP gross (6) ここで EF BL,plant,y EF BL,plant-gross,y EF FF,BL η PAPP η PAPP--gross = 年 y において 水分の多い石炭が使用された場合の事業実施発電所のベースライン排出係数 発電単位あたりの二酸化炭素排出量 (tco 2 /MWh) 電力グリッド接続した電力部分の排出量の計算に使用 = 年 y において 水分の多い石炭が使用された場合の 事業実施発電所のベースライン排出係数 発電単位あたりの二酸化炭素排出量 (tco 2 /MWh) 自家消費した電力部分の排出量の計算に使用 = 事業実施前の事業実施発電所で使っていた 水分の多い石炭の二酸化炭素排出係数 (tco 2 /TJ) = 事業実施発電所のエネルギー効率 電力グリッドに接続した電力部分を対象にした効率 = 事業実施発電所のエネルギー効率 電力グリッドと自家消費した電力部分の合計電力を対象にした効率 事業実施前の 事業実施発電所のエネルギー効率 (η PAPP,hist ) は 燃料消費と発電量のデータをもとに 直近の 3 年間の平均効率として 次の式で求められる x= 1 3 PAPP, x x= 1 η PAPP, hist = * (7) i EG FC x= 1 3 i, x NCV i, x PAPP, total, x x= 1 η PAPP gross, hist = * (7) 3 i EG FC i, x NCV i, x 126

128 ここで η PAPP,hist η PAPP -gross,hist FC i,x NCV i,x EG PAPP,x EG PAPP total,x x i = 事業実施前の事業実施発電所のエネルギー効率 電力グリッドに接続した部分を対象にした効率 = 事業実施前の事業実施発電所のエネルギー効率 電力グリッド供給と自家消費の総電力を対象にした効率 = 年 x に事業実施発電所で 燃焼した化石燃料 i の量 (t/year) = 年 x における化石燃料 i の低位発熱量 x (TJ/t) = 年 x における事業実施発電所から電力グリッドに供給された電力量 (MWh/yr) = 年 x における事業実施発電所で発電された総電力量 (MWh/yr) = 事業実施前の 直近の 3 年間 = 年 x における 化石燃料の種類 年 y における事業実施発電所のエネルギー効率 (η PAPP,y ) (η PAPP gross,y ) は 以下に示される 1000 EGPJ, y η PAPP, y = * (8) 3.6 FC i y NCV PAPP,, i, y i η 1000 = 3.6 PAPP, gross, y * FC i y NCV PAPP,, i i EG PJ, total, y, y (8) ここで η PAPP,y η PAPP gross,y FC PAPP,i,y NCV i,y EG PJ,y EG PJ,total,y = 年 y の事業実施発電所のエネルギー効率 電力グリッドに接続した部分の効率 = 年 y の事業実施発電所のエネルギー効率 電力グリッドに接続した部分と 自家消費した部分の総効率 = 年 y の事業実施発電所で発電のために燃焼した化石燃料 i の量 = 年 y の化石燃料 i の低位発熱量 (TJ/t) = 年 y に事業実施発電所から電力グリッドに供給された電力量 (MWh/yr) = 年 y に事業実施発電所で発電した総電力量 (MWh/yr) 127

129 7.2.3 プロジェクト排出量 ACM0011 ではプロジェクト事業排出量を 次の式で求めている PE y =PE FC,i,y + (EC PJ, aux,y EF grid,y ) ただし PE y PE FC,j,y EC PJ,aux,y EF grid,y = 年 y のプロジェクト事業排出量 = 年 y の事業実施発電所における 乾燥させた水分の少ない石炭の燃焼による排出量 (tco 2 ) = 年 y の事業実施発電所における自家消費した電力量 (MWh) = 年 y の電力グリッドの排出係数 (tco2/mwh) スララヤ発電所では 発電量の一部を 電力グリッドに接続しないで 直接自家消費しているので 上記等式の自家消費分の排出量の計算には 電力グリッドの排出係数ではなく 事業実施発電所の排出係数を当てはめることになる つまり 自家消費による排出も 事業実施発電所における燃料の燃焼による排出量の一部と考えることができる 化石燃料の燃焼によるプロジェクト / リーケージ CO2 排出量の計算ツール 最新版を用いて考えると CO2 排出量は 燃焼する燃料の量と その燃料の CO2 排出係数に基づいて以下の式で計算される PE y =PE FC,j y = FC i, j, y COEFi, i y (9) ここで PE y PE FC,j,y FC i j,y COEF i,y i = 年 y のプロジェクト事業排出量 = 年 y の事業実施発電所における 乾燥後の水分の少ない石炭の燃焼による排出量 (tco 2 ) = 年 y のプロセスj における乾燥後の水分の少ない石炭 i の燃焼量 (t/yr) = 年 y の化石燃料 ( 乾燥後の水分の少ない石炭 )i のCO 2 排出係数 (tco 2 /t) = 年 y のプロセスj における化石燃料 CO2 の排出率 (COEF ) は 燃料 i の低位発熱量と CO2 排出係数をもとに 次の式で計算 i,y される COEF i,y = NCV i,y x EF CO2,i,y (10) ここで COEF i,y = 年 y の燃料 i のCO2 排出率 (tco 2 / t) NCV i,y = 年 y の燃料 I の低位発熱量の加重平均 (GJ/ t) EF CO2,i,y = 年 y の燃料 i のCO2 排出係数の加重平均 (tco 2 /GJ) 128

130 i = 年 y のプロセス j で燃焼する化石燃料 リーケージ リーケージは 事業バウンダリーの外での燃料の抽出 加工 運搬 分配等の過程で発生 する ACM0011では 次の式でリーケージを計算するとしている LE y = LE CH4,y + LE LNG,CO2,y (11) ここで LE y = 年 y のリーケージ (tco 2 e) LE CH4,y = 年 y の上流工程でのCH4 排出量 (tco 2 e) LE LNG,CO2,y = 年 y の天然ガスからLNGへの液化 運送 ガス化に伴うリーケージ (tco 2 e) 上記のCH4やCO2は ACM0011では 主に天然ガスを使用することで発生するものである 本事業では 天然ガスを使わないのでその発生量は相対的に少ない また 事業の前後で石炭の採掘 運搬等のプロセスも変わらないので 排出削減量を計算するときのリーケージはゼロとみなすことができる 排出量の削減年 yにおける事業活動による排出削減量は ベースラインによって異なる 排出削減量は以下の式で計算できる ER y = BE y PE y ここで ER y = 年 y の排出削減量 (tco 2 e/yr) BE y = 年 y のベースライン排出量 (tco 2 e/yr) PE y = 年 y の事業排出量 (tco 2 e/yr) (12) 排出量削減の試算削減量の試算のため 次の条件を仮定する 事業実施発電所から電力グリッドへの電力供給量は 2,600,000MWh これとは別に自家消費電力量が電力供給量の約 5% にあたる 135,256MWh 過去 3 年の電力供給量実績 (EG AVR ) を上回るが 最大値 (EG MAX ) は超えない ベースラインの設定におけるケース B に相当 乾燥後の石炭の使用量(FC i,j,y ) は 1,300,000t 乾燥後の石炭の高位発熱量は分析結果から 6,000kcal/kg 程度なので 事業実施後の石炭は 亜瀝青炭と瀝青炭の間の性状と仮定 低位発熱量 (NCV coal,y ) は IPCC のデフォルト値 瀝青炭 :0.0258GJ/t と同亜瀝青炭 : GJ/t の平均をとって GJ/t 同 129

131 様に CO2 排出係数 (EF CO2,i,y ) は デフォルト値 瀝青炭 :94.6tCO2/GJ と同亜瀝青炭 : 96.1 tco2/gj の平均として tco2/gj を適用 データと変数 データ / 変数 EG PAPP,x 単位 MWh/yr 説明 過去 3 年の各年の事業実施発電所から電力グリッドに供給された電力量 情報源 PT Indonesia Power 値 ,596,960 2,540,690 2,080,320 等式 (5) より EG AVR = 2,405,990 データ / 変数 EG PAPP,total,x 単位 MWh/yr 説明 過去 3 年の各年に事業実施発電所で発電した電力量 情報源 PT Indonesia Power 値 ,782,000 2,727,170 2,084,290 よって EG AVR,total = 2,531,153 データ / 変数 FC i,x 単位 t 説明 過去 3 年の各年の 事業実施発電所での石炭消費量 情報源 PT Indonesia Power 値 ,509,228 1,658,187 1,517,109 データ / 変数 NCV i,x 単位 TJ/t 説明 過去 3 年の各年の事業実施発電所で燃焼した石炭の単位発熱量 情報源 PT Indonesia Power 値

132 データ / 変数 EF FF,BL 単位 tco 2 /TJ 説明事業実施前の 事業実施発電所で使っていた水分の多い石炭の二酸化炭素排出係数情報源 IPCC デフォルト値 ( 亜瀝青炭 ) 値 96.1 データ / 変数 η PAPP,y 単位 - 説明 次の二つのうち 大きな値 η PAPP,hist 事業実施前の事業実施発電所のエネルギー効率 過去 3 年間の実績値 電力グリッドへ接続する電力量を対象としたネットのエネルギー効率 η PAPP,y 事業実施後の事業実施発電所のエネルギー効率 電力量 2,600,000MWh 燃料使用量 1,300,000t 燃料低位発熱量 TJ/t( 亜瀝青炭と瀝青炭の平均をとった推定値 ) を使って算出 情報源等式 (7) よりη PAPP,hist =29.96 等式 (8) よりη PAPP,y = 値 よって 等式 (6) より 事業実施後の年 y の事業実施発電所のベースライン排出係数 EF BL,plant,y = tco2/mwh データ / 変数 η PAPP-gross,,hist 単位 - 説明 次の二つのうち 大きな値 η PAPP, gross,hist 事業実施前の事業実施発電所のエネルギー効率 過去 3 年間の実績値 総発電量を対象としたグロスのエネルギー効率 η PAPP,gross,y 事業実施後の事業実施発電所のエネルギー効率 電力量 2,735,256MWh 燃料使用量 1,300,000t 燃料低位発熱量 TJ/t( 亜瀝青炭と瀝青炭の平均をとった推定値 ) を使って算出 情報源等式 (7) よりη PAPP,gross,hist = 等式 (8) よりη PAPP,gross,y = 値 よって等式 (6) より 事業実施後の年 y の事業実施発電所のベースライン排出 131

133 係数 EF BL,plant--grpss,y = tco2/mwh データ / 変数 EF BL,grid,y 単位 tco2/mwh 説明年 y において 事業実施発電所の接続する電力グリッドの排出係数情報源インドネシア国家 CDM 委員会より Jamali グリッド規定値コンバインドマージン 0.891) ビルドマージン の最小値値 (Ex-ante) データ / 変数 CAP max 単位 MW 説明事業実施前の事業実施発電所の最大発電容量情報源 PT Indonesia Power 値 データ / 変数 T max 単位 Hours 説明 事業実施前の事業実施発電所の運転時間 情報源 PT Indonesia Power 運転記録 過去の平均 値 ,584 8,059 8,473 等式 (4) より EG MAX = 2,990,384 MWh 等式 (12) より ER = BE PE y y y ={EG AVR EF BL,plant,y + (EG PJ,y EG AVR ) min (EF BL,plant,y ; EF grid,y ) + EC aux,y EF BL,plant-gross,y } - FC NCVi, y x EF CO2,i, y i i, j, y ={ 2,405, (2,600,000-2,405,990) , } - ( 1,300, ) = 2,893,692 tco2-2,770,430 tco2 = 123,262 tco2 よって ACM0011 ベースの排出削減量は 123,262tCO2( 年間 ) と試算できる 132

134 7.3 方法論の詳細検討と排出削減量の試算 ( 参考 )-AM0061 を基にした場合 - 今回の調査では 時間の制約から AM0061 の適用条件である過去 5 年分のデータの一部が入手できなかった よって 本報告書ではデータのそろった 3 年分のデータのみを使い あくまで参考情報として排出削減量を試算した ACM0061 は 既存発電設備の修復 / エネルギー効率改善に関する方法論 である タイトルに示されるように 経年稼動により機能の低下した発電所施設のリハビリ事業や エネルギー効率向上事業を対象とする方法論である 適用条件と対象となる本事業の内容 適用の可否と検討課題を表 にまとめる 表 ACM0061 に基く検討課題 適用条件対象発電所施設は 電力グリッドに電力を供給していること 新規の発電装置の導入 運転を含めないこと 事業実施後の施設全体の発電能力 ( 容量 ) の増加が 実施前と比べて 15% を越えないこと 事業実施発電所は 過去 10 年以上稼動していて 過去 5 年分のデータが入手可能であること エネルギー効率の改善とともに 燃料転換を含む事業にも適用可能だが 燃料転換による排出削減量はクレジットに含めない 資本投資を必要とする改修 / エネルギー効率改善の手法のみを含み 通常の保守点検 維持管理の手法を事業に含めることができない 最も起こりうるベースラインシナリオが 該当する発電施設を現状のまま 使用し続けること 該当する本事業の内容 Jamali 電力グリッドに接続して 電力を供給している 新規の発電装置の導入 運転は含んでいない ボイラーやタービンの能力を変化させる事業ではない 発電施設全体の効率も 1~2 ポイントの改善である スララヤ発電所 1984 年から稼動している 石炭乾燥施設を導入し 熱量の低い低品位炭を 乾燥させて 熱量の高い石炭に転換処理している 通常の保守点検 維持管理の手法は含んでいない 現状のままが 最も起こりうるベースラインシナリオである 適用の可否と課題適用可能 適用可能 適用可能 適用可能 ただし 今回の調査では 3 年分のデータで試算 適用可能と判断 ( 今後定まる二国間制度の内容による ) 適用可能 適用可能 また インドネシアにおける火力発電所の平均稼動年数は 30 年程度といわれる スララヤ発電所の2 号機は1986 年 4 月から 6 号機は1997 年 9 月からそれぞれ稼動している つまり 2 号機の残存稼動年数は 2010 年末時点で2 号機が6 年 6 号機が18 年となる AMC0061 が参照するツールは ベースラインの特定と追加性の証明の統合ツール 電力システムの排出係数計算ツール 化石燃料の燃焼による事業 もしくはリーケージ CO2 排出計算ツール の 3 つである 以下 ACM0061 にそって 方法論の検討と 排出削減量の試算を進める 133

135 7.3.1 定義 事業実施発電所 (PAPP ;Project Activity Power Plant ). 本事業を実施するスララヤ発電所 排出削減量の試算においては スララヤ発電所の発電施設のうち 2 号機を対象にしている 電力グリッド 電力グリッドとは 多くの消費者と発電所が接続されている 電力を供給するシステム システムに接続されている発電所は ディスパッチセンターにより 統制されている スララヤ発電所は インドネシアのジャワ島のJamali 電力グリッドに接続している 事業バウンダリー バウンダリーは事業実施発電所であるスララヤ発電所と 接続するJamali 電力グリッドとなる 事業バウンダリーと 排出源と排出ガスを以下の図 と表 に示す 図 ACM0061 に基く事業バウンダリー Upstream Emissions CO 2 Coal with more moisture PAPP Electricity Grid Electricity Other Power Plants CO 2 Baseline scenario Project scenario Upstream Emissions CO 2 Coal with less moisture PAPP higher efficiency Electricity Grid Electricity Other Power Plants Auxiliary fuel/ electricity CO 2 ベースライン 事業活動 表 排出源と排出ガス 事業バウンダリーへの包含の区別 排出源 ガス種 包含 / 除外 正当性 / 説明 事業実施発電所での 発電の CO 2 包含 主な排出源 ための 低品位の水分の多い CH 石炭 ( 褐炭 亜瀝青炭 ) の燃 4 除外軽微な排出源焼による排出 N 2 O 除外軽微な排出源 電力グリッドに接続する他の CO 2 包含 主な排出源 発電所での化石燃料の燃焼に CH 4 除外 軽微な排出源 よる排出 N 2 O 除外 軽微な排出源 事業実施発電所での 発電のための より水分の少ない石炭の燃焼による排出 CO 2 包含 主な排出源 CH 4 除外 軽微な排出源 N 2 O 除外軽微な排出源 134

136 7.3.2 ベースライン排出量事業実施発電所での効率の高い発電は ベースラインである同発電所での効率の低い発電に取って代わる これに加えて 事業実施によって発電量が増加した場合は ベースライン確認過程で特定された電力グリッドの電力と あるいは プロジェクト事業が無ければ建設されたであろう他の発電所からの電力を置き換えることになる それゆえ ベースライン排出量は 事業実施発電所での発電量に応じて異なる排出係数を用いて計算することになる 以下に 3 つのケースを示す また スララヤ発電所では 発電した電力の一部をグリッドに接続しないで自家消費しているが この消費電力量が総発電量の 5% 程度に達しているので ここで発生する排出量も ベースラインの計算に含めて考える これは AM0061 のベースラインの算定式に追加する部分となる ( 以下の等式で下線を引いた部分 ) ケース A 事業実施発電所での発電量 (= 電力グリッドへの電力供給量 ) (EL PJ,adj,y ) が 事業実施以前の過去の最大年間発電量 (= 同最大電力供給量 )(EL BL, MAX ) を超える場合 ベースライン排出量は次の式で計算される BE y = EL BL,AVR EF BL,plant,y + (EL BL,MAX EL BL,AVR ) min(ef BL,plant,y, EF BL,non-plant,y ) + ( EL PJ,adj,y EL BL,MAX ) EF BL,non-plant,y + EL aux, y EF BL,plant-gross,y (1) ケース B 事業実施発電所での発電量 (= 電力グリッドへの電力供給量 ) (EL PJ,adj,y ) が 事業実施以前の過去の年間平均発電量 (= 同平均電力供給量 ) (EL BL,AVR ) より大きく かつ 過去の最大年間発電量 (= 同最大電力供給量 ) よりは小さい場合 ベースライン排出量は次の式で計算される BE y = EL BL,AVR EF BL,plant,y + (EL PJ,adj,y EL BL,AVR ) min(ef BL,plant,y EF BL,non-plant,y ) + EL aux, y EF BL,plant-gross,y (2) ケース C 事業実施発電所での発電量 (= 電力グリッドへの電力供給量 )(EL PJ,adj,y ) が 事業実施以前の過去の平均年間発電量 (EL BL,AVR ) (= 同平均電力供給量 ) よりも小さい場合 ベースライン排出量は次の式で計算される BE y = EL PJ,adj,y EF BL,plant,y + EL aux, y EF BL,plant-gross,y (3) ここで BE y = クレジット期間中の年 y における ベースライン排出量 (tco 2 ) EL PJ,adj,y = クレジット期間中の年 y に 事業実施発電所から電力グリッドに供給された電力量 (MWh)( ベースラインの計算のために補正された電力供給量 ) EL MAX = 事業実施以前に事業実施発電所から事業実施以前の発電能力で 電力グリッドに供給された最大年間電力量 (MWh) EL AVR = 事業実施以前の直近の 5 年間に 事業実施発電所から電力グリッドに供給された平均年間電力量 (MWh) = クレジット期間中の年 y の事業実施発電所の排出係数 (tco 2 /MWh) 電力 EF BL,plant,y 135

137 EF BL,plant-gross,y EF non-plant,y y EL aux,y グリッドに接続した部分の電力に適用 = クレジット期間中の年 y の事業実施発電所の排出係数 (tco 2 /MWh) 自家消費した部分の電力に適用 = 事業実施発電所のベースライン計算時に クレジット期間中の年 y の事業実施発電所の発電量が 過去の平均発電量を越えた場合に用いる保守的な排出係数 (tco 2 /MWh) = クレジット期間中のある一年 = クレジット期間中の年 y における 事業実施発電所で電力グリッドに供給せず 自家消費した年間電力 (MWh) 図 発電量と排出係数 Annual electricity generation (MWh) Baseline maximum CaseAz) EL PJ adj 3 EF BL,non-plant,y Baseline average Case C EL PJ adj 1 CaseB EL PJ dj 2 min (EF BL,non-plant,y EF BL,plant,y) EF BL,plant,y Year 補正電力供給量の計算 クレジット期間中の年 y における 事業実施発電所から電力グリッドへの電力供給量の計算では 将来における新たなエネルギー効率改善対策による排出削減が含まれないように考慮する 保守性の観点から 事業実施後のモニタリングデータの中の最小の効率に基づいた割引率を適用して 以下の式のように ベースライン排出量計算のための電力量を補正する EL PJ,adj,y = EL PJ,y η η PJ,min, y PJ,y (4) ここで EL PJ,adj,y EL PJ,y η PJ,min,y η PJ,y = ベースライン計算のために補正した クレジット期間中の年 y における 電力グリッドへの事業実施発電所からの総電力供給量 (MWh) = クレジット期間中の年 y における 電力グリッドへの事業実施発電所からの総電力供給量 (MWh) = 事業実施後のある期間 (1~y-1 年 ) にモニタリングされた 事業実施発電所における最小のエネルギー効率 = クレジット期間中の年 y における 事業実施発電所のエネルギー効率 136

138 最小エネルギー効率の算出 ηpj 1, min, y = min(ηpj, 1,...,ηPJ,y ) (5) ここで η PJ,min,y η PJ,i η PJ,y-i y = 事業実施後のある期間 (1~y-1 年 ) にモニタリングされた 事業実施発電所の最小のエネルギー効率 = 事業実施後のある期間 (1~y-1 年 ) の各年にモニタリングされた 事業実施発電所のエネルギー効率 = クレジット期間中の各年 年間最大電力供給量の計算 事業実施以前の事業実施発電所の電力グリッドへの年間最大電力供給量は 次の式で求める EL = CAP T BL, MAX BL BL (6) ここで EL BL,MAX CAP BL T BL = 事業実施以前の事業実施発電所の発電能力 ( 容量 ) での 電力グリッドへの年間最大電力供給量 (MWh) = 事業実施以前の事業実施発電所の発電能力 ( 容量 )(MW) = 事業実施以前の事業実施発電所の発電能力 ( 容量 ) での 年間最大稼働時間 (hours) 年間最大稼働時間の計算 T BL = 8,760 5 x=1 HMR 5 x (7) ここで T BL HMR x = 事業実施以前の事業実施発電所の発電能力 ( 容量 ) での 年間最大稼働時間 (hours) = 事業実施以前の直近の 5 年の間の年 x における 修理 点検によって事業実施発電所が稼動しなかった時間 (hours) 年間平均電力供給量の計算 EL BL,AVR = 5 x=1 EL 5 x (8) ここで EL x x = 事業実施以前の年 x に事業実施発電所から電力グリッドに供給された年間 電力量 (MWh) = 事業実施以前の直近の 5 年間の各 1 年 137

139 事業実施発電所のベースライン排出係数の計算 EF BL,plant,y x = 1 i = min ηbl,adj x= 5 ( EFi, x Fi,x NCVi, x ) ( Fi,x NCVi,x ) 1 i ; 1000 η BL,adj ( EFi,y Fi,y NCVi,y ) i ( Fi,y NCVi,y ) i (9) ここで EF BL,plant,y η BL,adj EF i,x NCV i,x F i,x EF i,y NCV i,y F i,y i x y = 事業実施発電所のベースライン排出係数 (tco 2 /MWh) = 事業実施以前の事業実施発電所の補正エネルギー効率 = 事業実施以前の年 x における 事業実施発電所で使用した水分の多い石炭の単位発熱量あたりの CO 2 排出係数 (tco 2 /TJ) = 事業実施以前の年 x における 事業実施発電所で使用した水分の多い石炭の単位発熱量 (TJ/t) = 事業実施以前の年 x における 事業実施発電所で使用した水分の多い石炭の量 (t) = 事業実施後のクレジット期間の年 y における 事業実施発電所で使用した乾燥させた水分の少ない石炭の単位発熱量あたりの CO 2 排出係数 (tco 2 /TJ) = 事業実施後のクレジット期間の年 y における 事業実施発電所で使用した乾燥させた水分の少ない石炭の単位発熱量 (TJ/ t) = 事業実施後のクレジット期間の年 y における 事業実施発電所で使用した乾燥させた水分の少ない石炭の量 (t) = 事業実施発電所で使用される燃料の種類 = 事業実施以前の直近の 5 年間の各 1 年 = 事業実施後のクレジット期間中のある1 年 事業実施発電所の補正エネルギー効率の計算 追加性のないエネルギー効率改善対策は排出削減にならないので 事業実施発電所のベースラインエネルギー効率は ベースライン排出量の計算時には 補正されなければならない 追加性のない対策とは 追加性の評価で定義され 過去 5 年の定期メンテナンスを含む エネルギー効率は次の式のように補正される η BL, adj = η BL,optm + η + η (10) reg non add ここで η BL,adj η BL,optm η reg η non-add = 事業実施以前の事業実施発電所の補正後エネルギー効率 = 事業実施以前の事業実施発電所の最適エネルギー効率 = 事業実施以前の 5 年間に施された定期メンテナンスによるエネルギー効率の改善 = 追加性のあるエネルギー改善対策と同時に実施された 追加性のない改善 138

140 対策によって達成されたエネルギー効率の改善 本事業では 追加性のない改善対策はとらないので 定期メンテナンスによる効率改善の部分だけを 考慮する 電力グリッドに供給する電力の排出係数の計算 発電能力や発電量が増加した結果 電力グリッドへの供給電力が 過去の平均供給量 (EL BL,AVR ) を越えた場合 どの排出源の電力が代替されるかには不確実性がある この不確実性に保守的に対応するために 事業参加者は 次の 3 つの選択肢から一番小さな排出係数を使用する必要がある < 第 1 クレジット期間 > 選択肢 1: 電力システムのための排出係数の算出方法 に準拠し 事業実施発電所が接続する電力グリッドのビルドマージン排出係数 選択肢 2: 電力システムのための排出係数の算出方法 に準拠し 事業実施発電所が接続する電力グリッドの 50 対 50 の割合でオペレーティングマージンとビルドマージンをあわせた コンバインドマージン排出係数 選択肢 3: 最も起こりうるベースラインシナリオの特定と追加性の証明手続き によって特定された最も起こりうるベースラインシナリオの排出係数 EF BL, non plant, y = COEF η BL BL (11) ここで EF BL,non-plant,y = 電力グリッドへの供給電力が 過去の平均供給量 (EL BL,AVR ) を越えたケースの ベースライン排出量の算定に使用する保守的な排出係数 (tco 2 /MWh) COEF BL η BL = 最も起こりうるベースラインシナリオで特定された燃料の排出係数 (tco2e/tj) = 最も起こりうるベースラインシナリオで特定されたエネルギー効率 事前評価に基づき 事業の有効化段階で 上記は選択される さらに 次期のクレジット期間の開始時に 電力システムの排出係数の計算ツール に記載されたとおり 選択肢 1( ビルドマージン ) か選択肢 2( コンバインドマージン ) が選ばれ 次のステップによって排出係数が算出される ステップ1. 電力グリッドを特定するステップ2. 非グリッド接続発電所を含めるかどうかを選ぶ ( オプション ) ステップ3. オペレーティングマージンを決定する方法を選ぶステップ4. 選んだ方法に基づき オペレーティングマージンを算出するステップ5. ビルドマージンに含まれる発電施設を特定するステップ6. ビルドマージン排出係数を計算する 139

141 ステップ 7. コンバインド排出係数を計算する ステップ 1. 電力グリッドの特定 本事業は Jamali グリッドに接続している ステップ2. 独立した発電所を含めるかどうかの選択本事業は Jamali グリッドにだけ接続し 特定消費者には電力供給していない よって グリッド接続のみの場合の オペレーションマージン ビルドマージンの計算方法を選択する ステップ 3. オペレーティングマージン決定方法の選択 オペレーティングマージン排出係数 (EF grid,om,y ) は 以下の方法のなかの一つに基づいて計算する 方法 (a) 単純オペレーティングマージン ( 単純 OM) 方法 (b) 補正単純オペレーティングマージン ( 補正単純 OM) 方法 (c) ディスパッチデータ分析オペレーティングマージン ( ディスパッチOM) 方法 (d) 平均オペレーティングマージン ( 平均 OM) ただし 方法(a) 単純 OMは 全電力グリッド発電量のなかの低コスト / 常時稼動電源の占める割合が 50% 以下の場合に適用できる ステップ2で示された電力事業に 非グリッド接続発電所が含まれていると 選択方法(d) ディスパッチOMは使えない 単純 OM 補正単純 OM 平均 OMでは 以下の二つの中から選んで計算する < 事前選択 > 事前選択 を選んだ場合 有効化時点で一旦排出係数を選ぶと クレジット期間中は モニタリングも再計算もする必要はない 国内審査機関へCDM-PDDを提出する時点での最新データをもとに グリッド接続する発電所の過去 3 年間の発電の平均を使って排出係数を計算する < 事後選択 > 事後選択 を選択した場合 排出係数は プロジェクト事業が実施される年度ごとに 更新する 各年度が終わってから6ヶ月後以降に該当年度のデータが入手できる場合は 該当年度の1 年度前のデータを使う 各年度が終わってから18ヶ月後以降に該当年度のデータが入手できる場合は 該当年度の2 年度前のデータを使う クレジット期間中は 同じデータセットを使わなければならない 選んだデータセットは CDM-PDDに記載し クレジット期間中は変更することができない オペレーティングマージンを計算するためのグループに含め CDM 事業として登録した発電所は グループに含めた基準が適用できる限り クレジット期間中は継続してそのグループに含めなければならない ステップ 4 : 選択した方法によるオペレーティングマージン排出係数の計算 (a) 単純 OM 排出係数単純 OM 排出係数は 低コスト / 常時稼動の発電施設を除いた 該当電力グリッド接続するすべての発 140

142 電施設の排出係数の それぞれのグリッドへの電力供給量に基づいた加重平均で求められる 次の二つの計算方法のオプションがある オプションA: それぞれの発電施設の電力供給量とCO2 排出係数 あるいはオプションB: 電力グリッドに接続するすべての発電施設の合計電力供給量と合計燃料消費量オプションBが使えるのは 以下の条件の場合 オプションAのデータがそろわないとき かつ 原子力発電所と再生可能エネルギー発電所が 低コスト/ 常時稼動発電施設とみなされ そのグリッドへの電力供給量が把握でき かつ 非グリッド接続発電所が 計算過程に含まれていない < オプション A: それぞれの発電所の電力供給量と CO2 排出係数で計算 > EF grid EGm, y EFEL, m, y m, OMsimple, y = (12) EG m m, y ここで EF grid,omsimple,y EG m,y EF EL,m,y m y = 年 y の単純 OM 排出係数 (tco2/mwh) = 年 y の発電所 m の電力グリッドへの供給電力量 (MWh) = 年 y の発電所 mのco2 排出係数 (tco2/mwh) = 年 y における 低コスト / 常時稼動発電施設を除く 電力グリッドに供給しているすべての発電施設 = ステップ 3 で選択されたデータセットの年度 [ 各発電所の CO2 排出係数の決定 ] 各発電所の排出係数は次の方法で決定される < オプション A1: 発電所の燃料消費量と発電量がわかる場合 > EF EL, m, y FC NCV EF i, m, y i, y CO2, i, y i = (13) EG m, y ここで EF EL,m,y FC i,m,y NCV i,y EF CO2,i,y EG m,y = 年 yの発電所 m のCO 2 排出係数 (tco 2 /MWh) = 年 y の発電所 m の燃料 i の消費量 (t) = 年 yの燃料 iの低位発熱量 (GJ/t) = 年 y の燃料 i の CO2 排出係数 (tco 2 /GJ) = 年 y の発電所 m の電力グリッドへの供給電力量 (MWh) 141

143 m i y = 年 y における低コスト / 常時稼動発電施設を除く 電力グリッドに供給しているすべての発電施設 = 年 y の 発電所 m で 燃焼された全ての燃料 = ステップ 3 で選択されたデータセットの年度 < オプション A2: 発電所の発電量と燃料種類だけがわかる場合 > EF EL, m, y ここで EF EL,m,y EFCO2, m, i, y 3.6 = (14) η m, y = 年 y の発電所 m の CO 2 排出係数 (tco 2 /MWh) EF CO2,m,i,y = 年 y の発電所 m の燃料 i の平均 CO2 排出係数 (tco 2 /GJ) η m,y = 年 y の発電所 m の平均エネルギー変換効率 (%) m i y = 年 y における低コスト / 常時稼動発電所 / 発電施設を除く 電力グリッドに供給しているすべての発電所 = 年 y の発電所 m の燃焼された全ての燃料 = ステップ 3 で選択されたデータセットの年度 < オプション A3: 発電所の発電量だけがわかる場合 > 保守的アプローチとして 排出係数はゼロ tco 2 /MWh とする <オプションB: 電力グリッド内の合計燃料消費量と合計発電量で計算 > このオプションでは 単純 OM 排出係数は 低コスト / 常時稼動発電施設を除く 電力グリッドに接 続する全ての発電所からの電力供給量の合計と 消費燃料の合計を使って計算する ( FCi, y NCVi, y EFCO2, i, y ) i EFgrid, OMsimple, y = (15) EG ここで EF grid,omsimple,y y = 年 y の単純 OM 排出係数 (tco 2 /MWh) FC i,y NCV i,y EF CO2,i,y EG y i y = 年 y の電力グリッド内発電施設の 燃料 i の消費量 (t) = 年 y の燃料 iの低位発熱量 (GJ/t) = 年 y の 燃料 i の CO2 排出係数 (tco2/gj) = 年 y における低コスト / 常時稼動発電施設を除く 電力グリッド内の全ての発電所からの電力供給量 (MWh) = 年 y に発電所 m で燃焼された全ての燃料 = ステップ 3 で選択されたデータセットの年度 142

144 このオプションを選択したときは輸入電力も ひとつの発電所とみなす 選択方法 (b) 補正単純 OM 補正単純 OM は 単純 OM の変形であり 輸入電力を含むすべての発電源は 低コスト / 常時稼動発電施 設 k と その他の発電所 m に分けられる EF grid, OM adj, y ) ここで EF grid,om-adj,y EGm, y EF m y EGk y EL,,, EFEL, k, y m k = ( 1 λ y + λ y EG EG (16) m m, y = 年 y の補正単純 OM 排出係数 (tco 2 /MWh) k k, y λ y EG m,y EG k,y EF EL,m,y EF EL,k,y m k y = 年 y の低コスト / 常時稼動発電源が稼動していた時間の割合 = 年 y の 電力グリッド内に接続する 低コスト / 常時稼動発電施設以外の発電所 m からの電力供給量 (MWh) = 年 y の 電力グリッド内に接続する 低コスト / 常時稼動発電施設 k からの電力供給量 (MWh) = 年 y の発電所 m の CO 2 排出係数 (tco 2 /MWh) = 年 y の発電施設 k の CO 2 排出係数 (tco 2 /MWh) = 年 y における 低コスト / 常時稼動発電施設を除く 電力グリッドに接続する全ての発電所 = 年 y における 電力グリッドに接続する全ての低コスト / 常時稼動発電施設 = ステップ 3 で選択されたデータセットの年度 以下の注意点がある EF EL,m,y EF EL,k,y EG m,y と EG k,y は 上述の単純 OMのオプションAにおけるEF EL,m,y と EG m,y と同じ手順で決めなければならない OM 排出係数にグリッド非接続発電所が含まれている場合は 発電所 m として取り扱う 輸入電力は 低コスト/ 常時稼動発電施設 k として取り扱う 変数 λ y (%) は年 yにおける 低コスト / 常時稼動発電源の稼働時間 /8760 下図を参考に λ y を以下の手順で計算する 143

145 Note: Step (ii) is not shown in the figure; it deals with organizing data by source. 図 単純補正 OM のためのラムダの計算 ステップ (i) : 負荷持続曲線を描く 年 yの各時間の負荷データを高い順から低い順に並べ替えて 8760 時間に対してプロットする ステップ (ii) : 各発電所 / 発電ユニットからデータを集め 合計年間発電量 (i.e. Σ k EG k, y ) を計算する. ステップ (iii) : 低コスト / 常時稼動発電施設からの合計発電量 (MW x hours) (i.e. Σ k EG k,y ) になるように 負荷持続曲線の下に水平線を描く ステップ (iv): 低コスト / 常時稼動発電源がマージンとなる時間数を求める 負荷持続曲線と水平線の交点から右の部分がマージンとなる時間数になる 負荷持続曲線と水平線が交わらない場合は 低コスト / 常時稼動発電源がマージンにならないと結論できる λ y は電力グリッドに接続する発電所のみを考慮する 選択方法 (c) ディスパッチ OM ディスパッチ OM は 最も正確な排出係数を求めることができるが インドネシアの場合, 計算に必要な 個々の発電所のデータの入手が困難である 本事業では 他の方法を採用することを想定するため 本 144

146 報告書ではこの選択方法による排出係数の説明は割愛する 選択方法 (d) 平均 OM 平均 OM 排出係数は 低コスト / 常時稼動発電源を含む グリッド接続するすべての発電所の平均排出 係数として求める 上述の単純 OM で説明した方法によって計算する ステップ 5: ビルドマージンに含むべき 発電施設の特定 ビルドマージン計算のために選ぶ発電施設のグループは 次の二つのうち 発電量が大きなグループと する (a) 直近に建設された 5 つの発電所からなるグループ あるいは (b) 合計電力容量が グリッド全体電力容量の 20% になる発電所のグループ ただし 発電施設は 電力グリッドに電力供給を始めたときに建設されたとみなす CDM 事業として既に登録されている発電所は ビルドマージン計算のためのグループから除外する のが原則 しかし CDM 事業に登録されてなくても 建設後 10 年以上経ている発電施設はグループから除外す る CDM 事業に登録され 建設後 10 年以上経過していても ディスパッチ機関から監督を受けている発 電所は グループに含める 改修によって容量の増加した発電所は グループに含めない 計算のためのデータセット ( 事前 事後 ) については 次の二つの選択肢のなかの一つの方法を プロジェクト実施者が選ぶことができる 選択肢 1: 第一クレジット期間は 事前 基準で計算する DOEにCDM-PDDを提出した時点で すでに建設されていた発電所の排出係数の最新のデータセットを使う 第二クレジット期間は DOEに更新を申請する時点での最新のデータセットを使い ビルドマージンを計算する 第三クレジット期間は 第二クレジット期間に使用した排出係数を使う この方法では 排出係数のモニタリングは必要としない 選択肢 2: 第一クレジット期間は 事後 基準として ビルドマージン排出係数を毎年更新する CDMに登録される年度までに建設された発電施設を含める その発電施設のデータが CDM 登録年度分まで入手できない場合は 入手可能な最新年度分までを使う 第二クレジット期間は 上記選択肢 1で示した 事前 の方法を採用し 第三クレジット期間は 第二クレジット期間用に計算された排出係数を使う ステップ 6:BM 排出係数の計算 BM 排出係数は データの入手可能な直近の年 yの 全ての発電施設 mの排出係数をそれぞれの発電量に基づき 加重平均してもとめる EF grid EGm, y EFEL, m, y m, BM, y = (17) EG m m, y 145

147 ここで EF grid,bm,y = 年 y のビルドマージン排出係数 (tco2/mwh) EG m,y = 年 y に発電施設 m で発電され 電力グリッドに供給された電力量 (MW) EF EL,m,y = 年 y の電施設 m のCO2 排出係数 (tco2/mwh) m = ビルドマージンの計算に含まれる発電施設 y = 直近の電力データが入手可能な年度 各発電施設のCO2 排出係数は 上述のステップ4( 単純 OM) のオプションA1 A2かA3で示した方法で計算する ステップ 7:CM 排出係数の計算 EF grid,cm,y = EF grid,om,y w OM + EF grid,bm,y w BM (18) ここで EF grid,cm,y = 年 y のコンバインドマージン排出係数 (tco2/mwh) EF grid,bm,y = 年 y のビルドマージン排出係数 (tco2/mwh) EF grid,om,y = 年 y のオペレーティングマージン排出係数 (tco2/mwh) w OM = オペレーティングマージンの重み付け w BM = ビルドマージンの重み付け 重み付けのデフォルト値は w OM = 0.5 w BM = 0.5 となる なお 現在 インドネシア国家 CDM 委員会は Jamali グリッドの排出係数 ( 事前 ) として 0.891tCO2/t をデフォルト値としている プロジェクト排出量 AM0061 では プロジェクト排出量を次の式で求める PE = PE + PE + EL EF y ここで PE y PE FC,elec,y PE FC,aux,y EL aux,grid,y EF grid,y y FC,elec,y FC,aux,y aux,grid,y grid,y (19) = クレジット期間の年 y における プロジェクト事業排出量 (tco2) = クレジット期間の年 y における 発電のための化石燃料の燃焼によるプロジェクト事業排出量 (tco2) = クレジット期間の年 y における 補助的活動とバックアップのための化石燃料の燃焼によるプロジェクト事業排出量 (tco2) = クレジット期間の年 y における 補助的活動とバックアップのために使用したグリッド電力 (MWh) = 事業実施発電所が接続する電力グリッドの排出係数 (tco 2 /MWh) = クレジット期間内の年 y 146

148 スララヤ発電所では 発電した電力の一部を グリッド接続せずに自家消費している また 発電以外の補助活動とバックアップのための燃料消費は軽微であり 無視できる つまり プロジェクト排出量は スララヤ発電所での発電のための化石燃料の燃焼による排出量だけを考えればよい 化石燃料の燃焼によるプロジェクト/ リーケージ CO2 排出量の計算ツール 最新版から CO2 排出量は 燃焼する燃料の量と その燃料の CO2 排出係数に基づき 上記等式 (19) は以下のように表すことができる PE y = PE FC, j,y = FC i, j, y COEFi, y (20) ここで PE y PE FC,j,y FC i,j,y COEF i,y i i = 年 y のプロジェクト事業排出量 = 年 y の事業実施発電所における 乾燥後の水分の少ない石炭の燃焼による排出量 (tco 2 ) = 年 y のプロセスj における 乾燥後の水分の少ない石炭 i の燃焼量 (t/yr) = 年 y の化石燃料 ( 乾燥後の水分の少ない石炭 )i の CO 2 排出係数 (tco 2 /t) = 年 y のプロセス j における化石燃料 CO2 の排出率 (COEF ) は 燃料 i の低位発熱量と CO2 排出係数をもとに 次の式で計算される i,y COEF i,y = NCV i,y x EF CO2,i,y (21) ここで COEF i,y = 年 y の燃料 i のCO2 排出率 (tco 2 / t) NCV i,y = 年 y の燃料 i の低位発熱量の加重平均 (GJ/ t) EF CO2,i,y = 年 y の燃料 i のCO2 排出係数の加重平均 (tco 2 /GJ) i = 年 yのプロセスで燃焼する化石燃料 j リーケージ AM0061 では リーケージをゼロとみなしている 排出量の削減年 y における事業活動による排出削減量は ベースラインによって異なる 排出削減量は以下の式で計算できる ER y = BE y PE y ここで ER y = 年 y の排出削減量 (tco 2 e/yr) BE y = 年 y のベースライン排出量 (tco 2 e/yr) PE y = 年 y の事業排出量 (tco 2 e/yr) (22) 排出量削減の試算 ( 参考 ) 削減量の試算のため 次の条件を仮定する 事業実施発電所から電力グリッドへの電力供給量は 2,600,000MWh これとは別に事業実施発電所での自家消費電力量が 総発電量の約 5% にあたる 135,256MWh 過去 3 年の電力供給量実績 (EL BL,AVR ) を上回るが 最大値 (EL BL,MAX ) は超えない ベースラインの設定におけるケース B に相当 147

149 乾燥後の石炭の使用量(FC i,j,y ) は 1,300,000t 乾燥後の石炭の高位発熱量は分析結果より 6,000kcal/kg 程度になるので 事業実施後の石炭は 亜瀝青炭と瀝青炭の間の性状と仮定し 低位発熱量 (NCV coal,y ) は IPCC のデフォルト値 瀝青炭 : GJ/t と同亜瀝青 : GJ/t の平均をとり GJ/t 同様に CO2 排出係数 (EF CO2,i,y ) は デフォルト値 瀝青炭 :94.6tCO2/GJ と同亜瀝青炭 :96.1 tco2/gj の平均として tco2/gj を適用 データと変数 データ / 変数 CAP BL 単位 : MW 説明事業実施前の事業実施発電所の最大発電容量情報源 PT Indonesia Power 値 データ / 変数 CAP design 単位 : MW 説明事業実施発電所の発電容量 ( 銘版 ) 情報源 PT Indonesia Power 値 400 データ / 変数 HMR x 単位 : Hours 説明 事業実施前の3(5) 年間において 事業実施発電所で メンテナンスや修理で 稼動しなかった時間数 情報源 PT Indonesia Power 値 , 備考 等式 (7) (6) よりT BL =8,038 hours, EL BL MAX = 2,986,280 MWh データ / 変数 EL x 単位 : MWh/year 説明 過去 3(5) 年間の事業実施発電所から電力グリッドに供給された電力量 情報源 PT Indonesia Power 値 ,596,960 2,540,690 2,080,320 等式 (8) より EL BL AVR = 2,405,990 MWh 148

150 データ / 変数 EL PAPP,total,x 単位 : MWh/yr 説明 過去 3(5) 年間に事業実施発電所で発電した総電力量 情報源 PT Indonesia Power 値 ,781,960 2,670,690 2,184,336 備考 よって EL AVR,total = 2,545,662 データ / 変数 EF i,x 単位 : tco 2 /TJ 説明事業実施前の 事業実施発電所の水分の多い石炭のCO2 排出係数情報源 IPCCの亜瀝青炭デフォルト値値 94.6 データ / 変数 NCV i,x 単位 : GJ/t 説明 事業実施前の 事業実施発電所の水分の多い石炭の低位発熱量 情報源 PT Indonesia Power より実績値 値 データ / 変数 F i,x 単位 : t/year 説明 事業実施前の 事業実施発電所の水分の多い石炭の使用量 情報源 PT Indonesia Power より実績値 値 ,509,228 1,658,187 1,517,109 データ / 変数 η BL,optm 単位 : - 説明事業実施前の 事業実施発電所の最適エネルギー効率保守的アプローチから 過去 3(5) 年間のエネルギー効率の最大値情報源 PT Indonesia Power 2007 年度の電力供給量と燃料消費量の実績値と発熱量より計算値 33.6% 149

151 データ / 変数 η reg 単位 : - 説明事業実施前 3(5) 年間の 定期メンテナンスによってもたらされたエネルギー効率の改善 情報源 PT Indonesia Power 値 0 ( 仮定 ) データ / 変数 η non-add 単位 : - 説明プロジェクト事業といっしょに実施された追加性のない対策活動によってもたらされたエネルギー効率の改善情報源 PT Indonesia Power 値 0 ( 仮定 ) データ / 変数 η BL,adj 単位 : - 説明定期メンテナンスによる効率改善部分と 追加性の無い対策活動によってもたらされた改善部分を考慮し 事業実施前の 事業実施発電所の最適エネルギー効率 (η BLoptm ) を補正したもの情報源等式 (10) より値 33.6% データ / 変数 EF CO2,i,y 単位 : tco2/tj 説明事業実施後の 事業実施発電所の燃料のCO 2 排出係数情報源 IPCC 亜瀝青炭と瀝青炭のデフォルト値の平均と仮定値 データ / 変数 EF BL,plant,y 単位 : tco2/mwh 説明事業実施発電所のベースラインCO 2 排出係数情報源等式 (9) より値 データ / 変数 EF BL,non-plant,y 単位 : tco2/mwh 説明年 y における 事業実施発電所の接続する電力グリッドの排出係数情報源インドネシア国家 CDM 委員会より Jamali グリッドの規定値 コンバインドマージン ビルドマージン 最も起こりうるベースラインシナリオにおける排出係数

152 上記 3 つの値の最小値 値 (Ex-ante) 等式 (22) より ER y = BE y PE y ={EL BI,AVR EF BL,plant,y + (EL PJ,adj,y EL BL,AVR ) min (EF BL,plant,y ; EF non-plant,y ) + EL aux,y EF BL,plant-gross,y } FC NCV EF i i, j, y i, y CO2, i, y i, y = 2,405, (2,600,000-2,405,990) , } - ( 1,300, ) = 2,748,094 tco2-2,770,394 tco2 = 22,300 tco2 よって AM0061 ベースの排出削減量は 22,300tCO2 と試算できる 7.4 方法論の検討結果 方法論策定の課題 ACM0011と AM0061の二つの方法論について スララヤ発電所 2 号機での排出削減量を 同じ条件 ( 年間電力供給量 2,600,000MWh 年間石炭使用量 130,000トン ) で試算すると 前者の排出削減量は123,262トン 後者はマイナス22,300トンと 大きな違いが生じた これは 発電所のエネルギー効率の設定にあたり ACM0011は過去 3 年間の実績の平均値を用い ( 本調査では 29.96%) AM0061はより保守的に 過去 5 年間のエネルギー効率の実績値のなかの最も高い値 ( 同 33.60%) を ベースラインの計算に適用していることが主因である 現在のCDM 方法論は 環境への十全性やクレジットとしての信頼性を高めるために 非常に保守的 つまり厳格な考え方で 排出量を算定している それゆえに そもそも僅か数パーセントの削減をめざす本件のような事業では 現実には削減していても その方法論が持つ基準の取り方ひとつで 削減量が認められないこともありうる 国内クレジット制度では 高効率の照明設備への更新事業等 省エネ効果 すなわち省 CO2 効果が明らかということで 比較的簡易な考え方で 排出削減を認めている方法論もある 本事業は 現在使用している水分の高い石炭を乾燥させれば 単位発熱量が上がり その結果石炭の使用量が減り CO2も減るという明快な削減事業である しかも 火力発電所なので石炭の使用量は膨大で CO2の削減量も大きい 二国間制度という枠組みの中では このような事業には既存方法論の柔軟な適用 あるいは より簡易な方法論の新規開発が求められていると考える 石炭性状総合評価システム を使った試算では 上記方法論の試算と同程度の時間(8,400 時間 ) 発電所を稼動させた場合 削減量が5,040トンとなる結果がでている このシステムは 石炭の性状と発電施設の性能から CO2の排出量をシミュレーションできる スチームドライヤーを使った乾燥前後の石炭性状データがあれば 過去の数年分のデータを準備する必要がないし 過去に使った石炭の排出係数をデフォルト値で推定するよりも正確な結果を得ることも可能になる データがそろわないことの多い途上国での事業では 有用な排出量削減算定ツールになる この総合評価システムの課題を挙げると 一つは 現在 ±10% 程度の誤差があるシミュレーション精度の向上がある 発電所の実務上は問題が無い範囲の誤差でも 二国間の新たな制度として 排出削減量 151

153 をクレジット化するためには より高い精度が望ましい 該当発電所を含めたインドネシアの発電所を広く調査し 性能 実績データを集めることで シミュレーションの精度は改善できる もう一つの課題は 石炭の炭素排出係数や 電力グリッドのCO2 排出係数など 既存の方法論の排出量計算過程で重要な指標を システムの入 / 出力項目として追加 明示できること そうすれば CDMの方法論計算方法との比較も容易になり CDMに代わる二国間制度のツールとしての評価を得易い 事業実施後の実績データをあわせて 入出力できるようになれば 計測 報告 検証までが容易になり スチームドライヤーを導入した石炭火力発電所での排出削減事業の強力なMRVツールになる この評価システムの改良に取り組むことは 二国間制度の推進にとっても重要と考える 第 8 章ファイナンス検討 二国間オフセットメカニズムに係るインドネシアの石炭火力発電所の低品位炭を事前に乾燥して熱効率を向上することによる燃費改善とそれによる炭酸ガス発生を削減するための低品位炭乾燥機導入に係るファイナンスを検討した まず CDM 事業に関する既存の金融ツールを確認し これを基礎に低品位炭乾燥機導入に係るファイナンスを検討した 8.1 国際協力銀行 (JBIC) の金融ツール CDM/JI 事業に対して 国際協力銀行の有する輸出金融 投資金融 事業開発等の金融ツールを利用することが出来る 輸出金融 CDM/JI 事業の関連で 我が国から技術 設備等の輸出を行う場合には 輸出金融の利用が可能 輸出金融には 日本の輸出者に対する融資 ( サプライヤーズ クレジット ) 外国の輸入者( または外国の金融機関 ) に対する融資 ( バイヤーズ クレジット ( バンク ローン )) がある 図 に輸出金融スキームを示す 輸出者 ( 本邦企業 ) 輸出金融 輸出 輸入者 融資 プロジェクト実施 CDM/JI 事業 国際協力銀行 外国の金融機関 図 輸出金融スキーム JBIC は 通常一般の金融機関 ( 通常は申込み企業の取引先金融機関 ) と協調して必要な資金を融資する 融資金額は OECD 公的輸出信用アレンジメントに基づき決定する 原則として 融資金額は 輸出契約金額 技術提供契約金額の範囲内で 頭金部分を除いた金額となる ローカル コストは 原則 融資対象に含めることは出来ないが 頭金 ( 最大 30%) の範囲内で融資対象に含めることは可能 原則として 152

154 融資割合の上限は 6 割 金利は OECD 公的輸出信用アレンジメントに基づき決定される 原則として 成約時の市場貸出基準金利 (Commercial Interest Reference Rate: CIRR) となる 契約時金利固定 ( 円 CIRR) は償還期間 5 年以下で 1.35% 償還期間 5 年超 8.5 年以下が 1.58% 償還期間 8.5 年超で 1.87% となる 成約前固定の場合は金利固定時 CIRR+0.2% となる 注 :CIRR は OECD 輸出信用アレンジメント ( 公的信用の供与による貿易歪曲効果を排除し 健全な貿易の発展を図る目的で策定された紳士協定 ) の参加国が 輸出信用において供与可能な最低金利 当金利は 通貨毎に各国の国債流通利回りを基準に定められている 融資期間と返済方法は OECD 公的輸出信用アレンジメントに基づき決定致される 融資期間は 仕向国 設備等の内容 契約金額などによって異なる 返済方法は 原則として分割返済となる 元本均等半年賦が一般的な条件になる 担保と保証は 借入人または保証人の信用力等を個別案件毎に審査のうえ JBIC が判断して決定する 輸出金融の概要 1) 融資方法輸出金融における JBIC からの融資方法は下記 2 通り (1)JBIC が輸入者に直接貸し付ける Buyers Credit( B-cre ) (2) 現地金融機関に貸し付け 当該金融機関が輸入者に転貸する Bank Loan 2) 融資要件 ( 条件 ) (1) 融資比率 輸出契約金額及び技術提供契約金額の 85% を融資金額の上限とし 融資金額の 6 割を JBIC 4 割を民間金融機関が拠出 民間金融機関は 自行のポーションにつき NEXI の B-cre 保険 ( 貿易代金貸付保険 ) を付保するのが通常 (2) 日本製品のポーション 入金額の 30% 以上が日本製品 (3 割ルール ) かつ主機が日本製であることが条件 OECD ガイドラインでは OECD 加盟国が自国から輸出することを想定したものであるため 現状 第三国で日系企業が製造した製品は原則輸出金融適用対象外とされている (3) 償還期間 / 返済方法 輸出先 輸出する製品によって償還期間は異なる (OECD ガイドライン及びベルンユニオンに準拠 ) 例 ) プラント輸出 通常 10 年償還 ( 原子力 再生可能エネルギー 水セクターについては最大 18 年 ) 償還期間の起算点も輸出する製品によって異なり プラント輸出では Commissioning 責任を本邦企業が負っているか否かによってさらに細かく区分がなされる 起算点の区分は下記の通り 本邦企業が Commissioning 責任を負っていない場合 1MS(Major Shipment おおよそ過半数の船積終了時点) 2LMS(Last Major Shipment 80-90% の船積終了時点 ) 本邦企業が Commissioning 責任を負っている場合 1Commissioning( 通常 完工証明が出る時点 ) のいずれかで決まるのが一般的 通常 元本均等返済半年賦だが PJ からのキャッシュフローが均等でない等の説明が付く場合は 元本の不均等返済 金利の年賦も許容されることがある (4) 融資金額 Contract Price(Foreign portion) の 153

155 185% 限度で輸出金融融資対象額とし 2 残りの 15% は頭金とする OECD ガイドライン上 頭金については 起算点までに頭金の支払が行われれば良いとなっているもの の JBIC の B-cre の場合は First Disbursement が行われる前の入金もしくは Disbursement 毎のプ ロラタで行われるのが望ましい Local Portion( 現地通貨建て本邦企業と現地企業間契約 ) については Foreign Portion の輸出契約 金額の最大 30% については融資対象金額となる (JBIC からの融資通貨はメジャー通貨 為替については 案件毎に別途協議の上決定 ) (5) 金利 / リスクプレミアム 円建てでの B-Cre の場合 JBIC 融資分 協融行融資分共に CIRR + RP での固定金利 ( 成約時固定の場合 ) 入札時に金利を固定する場合は CIRR + 20bp がヘ ースとなる CIRR は 各年限の各国国債 rate に 100bp を載せた rate 外貨建て( 円以外のメジャー通貨 ) での B-cre の場合 JBIC 融資分については CIRR +RP での固定金利市中行融資部分については L +αbp の変動金利 RP は JBIC のカントリーカテゴリーに基づき カントリーリスク 金額 期間等を鑑みて算出 投資金融本邦企業 日系企業等が CDM/JI 事業を行う場合には 投資金融の利用が可能 投資金融には 日本の投資者に対するもの 日系合弁企業またはこれに出資 貸付を行う外国の政府 銀行等に対するものがある なお CDM/JI 事業を対象とする投資金融には優遇金利の適用が可能 図 に投資金融のスキームを示す 本邦企業 国際協力銀行 投資金融 貸付貸付 出資プロジェクト実施プロジェクト実施日系合弁企業等 CDM/JI 事業 出資 合弁パートナー 貸付 出資 外国政府等 外国の銀行 図 投資金融のスキーム JBIC は 一般の金融機関 ( 通常はお申込み企業の取引先金融機関 ) と協調して必要な資金を融資する 融資金額は 海外投資に関する契約金額の範囲内で 当該投資に充てるために必要な資金もしくは海外において行う事業に必要な長期資金を対象とします 融資は 資金需要が発生した時期に資金交付され 154

156 る 民間金融機関の補完の観点から 原則として所要資金の一定割合を上限として融資対象とし 民間金融機関と協調して融資を行う 通貨は 円以外の通貨 ( 原則 米ドル ユーロ ) による貸付も可能で 円の場合は原則各貸出時固定金利 その他の通貨の場合は原則変動金利となる 金利については 円貨の場合 1.30% 外貨の場合 LIBOR+0.25% 融資割合の上限は 6~7 割 融資期間は 原則として 投下資本の回収期間等を勘案して決められる 最長期限は設けておらず 据置き期間の設定を含め事業の収益性に応じた柔軟な返済スケジュールの設定が可能で 通常 1 年を超え 10 年程度 返済方法は 原則として分割返済 担保 保証等の種類 内容については JBIC の判断で決まる 投資金融のまとめ 1) 融資方法投資金融における融資方法は下記 3 通り (1) 現地の日系合弁企業への直接貸し (2) 現地合弁企業への出資や融資を行うことを目的とした外国政府や外国の金融機関への融資 (3) 現地の日系合弁企業へ日本企業が行う出資 融資のバックファイナンス 2) 融資要件 ( 条件 ) (1) 融資比率融資金額の 6 割を JBIC 4 割を民間金融機関が拠出 ( 海外直接融資且つ資源対象の場合は カントリーリスクや案件の重要性に応じて JBIC の融資比率が上がる場合もある ) (2) 一般投資金融と資源投資金融 一般投資金融日本企業が 25% 以上出資している現地 ( 合弁 ) 事業体への融資 資源投資金融一般投資金融の要件に加え 日本にとって重要資源の開発及び取得の促進が目的である事業体への融資 (3) 融資方法 1 現地事業体への直接融資 直接融資を行う場合 JBIC がカントリーリスクを取るカントリーリスク特約を付帯できる ( 金利が高くなる ) 2 現地事業体へ出資する本邦企業へのバックファイナンス ( 転貸 ) (4) 金利金利体系は以下 3 段階に分かれる 1 優遇 1:Libor flat 2 優遇 2:Libor bp 3 一般 :Libor + 25bp 資源投資金融 権益取得案件 ( エネルギー資源及び鉱物資源 ) 優遇 1 適用権益取得案件 ( 上記以外 ( 木材 植林等 )) 優遇 2 適用大企業向け国内貸付 ( バックファイナンス ) 原則 一般一般投資金融 非権益取得案件 ( 資源以外 ) 原則 一般 155

157 一般投資金融の金利については 現在民業圧迫の観点から 間接融資の場合 借入人の Credit に応 じた金利を適用する方向に変わってきている ( 融資期間と同期間の社債 coupon rate 等を参考に算出 最小の金利水準に合わせる ) 事業開発等金融 ( アンタイド ローン ) 本邦の協力を得て外国の政府 政府機関等が行う CDM/JI 事業から 本邦企業等が排出削減量 ( クレジット ) を取得する場合に 当該 CDM/JI 事業のベース事業に対して事業開発等金融 ( アンタイド ローン ) を供与することが出来る また外国の政府 政府機関等が CDM/JI 関連のインフラ整備を行う場合や 政府系金融機関等を通じて CDM/JI に関連する現地企業を育成する場合等において 事業開発等金融 ( アンタイド ローン ) を活用して CDM/JI 事業の周辺環境整備を支援することが出来る 図 に事業開発等金融のスキームを示す CDM/JI 事業 排出削減量取得 本邦企業 輸出投資 CDM/JI 事業 輸出金融投資金融国際協力銀行事業開発等金融事業開発等金融 ( アンタイド ローン ) ( アンタイド ローン ) 図 事業開発等金融のスキーム 周辺環境整備 地球環境保全業務 (GREEN) JBIC は 2010 年 ( 平成 22 年 )3 月 31 日に 株式会社日本政策金融公庫法の一部を改正する法律 ( 以下 日本公庫法改正法 ) が施行されたことを受け 今後 途上国における 高度な環境技術を活用した太陽光発電やエネルギー効率の高い発電所の整備 省エネ設備の導入等の高い地球環境保全効果を有する案件に対して 民間資金の動員を図りつつ 融資 保証及び出資を通じた支援の拡充を開始 日本公庫法改正法は 株式会社日本政策金融公庫の目的及び JBIC の業務の範囲に 地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とする海外における事業を促進することを追加するもの JBIC は 従来から環境分野の支援に取り組んできたが これまでの支援は日本企業による投資や機器輸出が確定している等 日本の産業の国際競争力の維持 向上を直接的な目的とするものに限定され 地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的とするだけでは支援対象とならなかった 日本公庫法改正法の施行により 国際的にも高く評価される日本の先進技術の世界への普及にも留意しつつ 温室効果ガスの大幅な削減が見込まれる案件等に対して地球環境保全効果に着目した支援を行うことが可能となった ( 地球環境保全業務 Global action for Reconciling Economic growth and Environmental preservation 通称 GREEN ) GREEN を通じて 日本の優れた環境技術が一層活用され 日本経済の活性化につながることも期待される 地球環境保全業務の対象は 地球温暖化の防止等の地球環境の保全を目的として 以下 2 要件を満たす事業 (1) 温室効果ガス排出量削減効果が大きいなど 地球環境保全効果が高い事業 156

158 (2)JBIC が求める地球環境保全効果について 事業主体がその効果を 測定 (Measurement) し JBIC に対して効果を 報告 (Reporting) し JBIC 若しくは JBIC が指定する第三者による効果の 検証 (Verification) を受け入れる事業 GREEN の実施にあたっては 民間資金の動員を図りつつ 事業開発等金融 及び 出資 の手法により融資 保証及び出資を行う 具体的な支援例は以下 (1) 民間金融機関との協調融資 保証太陽光発電やエネルギー効率の高い発電所の整備等の温室効果ガス排出量削減効果の高い案件に対して 民間金融機関との協調融資又は民間金融機関の融資に対する保証を行うもの (2) 国際金融機関等との協調融資国際金融機関等が 高い温室効果ガス排出量削減効果を有する途上国の案件に対して融資を行う際に JBIC が当該国際金融機関等と協調融資を行うもの ( この場合も JBIC は民間金融機関と協調して融資参加するもの ) (3) 外国企業や国際機関等が設立したファンドに対する出資地球環境保全に関する国際的取り組みを踏まえ 外国企業や国際機関等が温室効果ガス排出量削減を目的として設立したファンドに対して出資するもの 表 に地球環境保全業務の対象事業一覧を示す 157

159 表 地球環境保全業務の対象事業 JBIC は 2010 年 8 月 3 日 インドネシアのジャカルタにおいて インドネシア共和国の環境に配慮した経済成長に向けた協力のあり方につき 同国政府と第 1 回会合を開催し 今後に向けた協力の一環として 同国のインフラ金融公社である PT SARANA MULTI INFRASTRUKTUR (PERSERO)(SMI) との間で JBIC の地球環境保全業務 (GREEN) 適用を想定した環境配慮型プロジェクト推進のための覚書を締結した 本協議会は 2010 年 2 月に合意した 相互協力促進に向けた財務政策対話の枠組みに基づき 電力セクタ 158

160 ーを中心として事務レベル分科会で議論を重ねてきた結果を踏まえ 今般 インドネシア政府と JBIC との間で開催された 本協議会では インドネシアの経済成長と環境保全の両立を基本コンセプトとして 石炭 再生可能エネルギー 天然ガスなどのインドネシアの国内資源を 日本の高い環境技術を活用しながら 同国内の電源開発に効率的に利用していくための方策について意見交換を行った JBIC は これら分野における上流開発から 輸送インフラ開発 資源を有効利用するための高効率発電プラントの導入に至るまで サプライチェーン全体をパッケージとして開発を進めていく重要性について提言するとともに 日本企業の技術活用も視野に入れた具体的な案件形成に向けて 今後の分科会を通じた協議を協力して一層進めることを表明した これに対し インドネシア側からは 環境に配慮した形での経済成長実現は同国の今後の重要課題であり JBIC 及び日本企業との協力関係強化について高い期待感が示され 引き続き財務政策対話の下で 案件の具体化に向けた協議を進めていくことが確認された また 今般 SMI との間で締結した覚書では こうした協力の一環として 環境配慮型プロジェクト推進のためのファンド創設も含む 資金供給メカニズム構築に向けた具体的協議を行うことにつき インドネシア政府と JBIC との間で合意が得られたことを受け 本合意の実現に向けた相互の情報 意見交換及び検討の促進について取り決めている JBIC は今後も こうした協議を通じて 両国間の緊密な経済関係の一層の進化 発展に貢献していくとともに 具体的な案件形成において 我が国の新成長戦略に掲げられたアジア戦略及び環境 エネルギー大国戦略を踏まえつつ 日本企業の技術の活用及び環境配慮型インフラ事業に係る日本企業の海外展開支援に努めて行く意向 8.2 独立行政法人日本貿易保険 (NEXI) のツール 貿易保険の概要貿易保険は 貿易保険法などに基づいて独立行政法人日本貿易保険 (NEXI) が運営する保険制度の一つ 貿易保険には 各約款に基づき 貿易一般保険 知的財産等ライセンス保険 ( 注 1*) 貿易代金貸付保険 限度額設定型貿易保険 中小企業輸出代金保険 輸出手形保険 輸出保証保険 前払輸入保険 海外投資保険 海外事業資金貸付保険 および資源エネルギー総合保険 ( 注 2**) および地球環境保険 ( 注 3***) の 12 系統 (9 約款 ) の貿易保険があり 政府が再保険して信用力を補完 ( 注 1*) 知的財産等ライセンス保険は 貿易一般保険の特約方式 ( 注 2**) 資源エネルギー総合保険は 海外投資保険および海外事業資金貸付保険の特約として 2007 年 4 月に創設 ( 注 3***) 地球環境保険は 貿易一般保険 貿易代金貸付保険 海外事業資金貸付保険および海外投資保険の特約として 2009 年 3 月に創設 プラント輸出等では 売買契約が成立した後にも不測の事態が発生して 船積みが不可能になったり 輸出代金の回収が不能になったりするようなリスクが考えられます そのような非常事態に備えるための保険が貿易保険です こうした非常事態の事故率は予測が困難で 民間の保険会社では扱いきれない場合があるため NEXI が引受けているものです 貿易一般保険 は 貿易保険法に規定されている普通輸出保険 輸出代金保険および仲介貿易保険が一つにまとめられたもので 相手国における為替管理の強化 輸入制限 禁止 戦争 革命 内乱 テロなどの非常危険 (Emergency Risk Country Risk) や 相手先の倒産 債務不履行などの信用危険 (Credit Risk Commercial Risk) により 船積みができなくなったり 輸出代金や技術提供の対価の回収が不能になったりすることなどにより生じた損害を填補する保険です 填補される範囲は (1) 輸出不能 (2) 代金 対価 貸付金回収不能 および (3) 増加費用です 増加費用とは 戦争などの非常危険により 航路 到着地等の変更が生じ 輸出契約を履行するための運賃や保険料を新たに負担することになったことにより受ける損失のことです 船積前 船積後 非常 159

161 危険 信用危険についていくつかの組み合わせがあり 非常危険と信用危険とを切り離した契約も可能です 填補事由としては 非常危険と信用危険で 14 項目が掲げられています 貿易一般保険を利用するには 事前に ( 保険申込み前に ) 海外商社名簿 にバイヤーを登録する必要があります これは保険契約の引受に海外商社名簿の 格付 が使用されるからです 貿易保険は国際情勢の判断と国際的な信用調査機関の信用調査により 一定以上の格付にある企業を対象に保険を引受けています この 海外商社名簿 に記載のない企業については 信用調査書を添付して 格付 を申請する必要があります 同時に保険利用者も登録することになります 最近は大企業でも倒産や整理対象となるケースもあるので 登録後でも格付が変更され保険料率が変わることがありますから 注意を要します 保険契約の方法には 個々の案件毎に NEXI と契約する 個別保険 と 日本機械輸出組合などの輸出組合が日本貿易保険と所定の特約を結び その組合員が取引する特定貨物について付保する 組合別商品別包括保険 や企業ごとに特約を結ぶ 企業別包括保険 ( 企業総合保険 ) があります 保険申込は 輸出契約等を締結してから 1 ヵ月以内 個別保険の場合は船積前までに関係書類を添付して申込みます バイヤーの格付や相手国による引受基準があります なお 政府の規制緩和策の一環として 2005 年 4 月から民間保険会社の貿易保険業務への参入が認められ 日本および外資の民間損害保険会社等が取引信用保険の取扱いを開始しています 地球環境保険我が国の省エネ 新エネ技術の移転等により温室効果ガスの排出低減に貢献する取組みの一環として 2009 年 1 月 30 日 ( 金 ) より 海外事業資金貸付保険及び海外投資保険について 地球環境保険 ( 引受枠 :2 兆円 (10 年間 )) の引受を開始しているが 貿易一般保険及び貿易代金貸付保険について 同保険の引受を開始している 貸付契約のうち 温室効果ガス排出低減が見込まれる案件に係るものに対する貿易代金貸付保険については 貿易代金貸付保険約款第 3 条第 1 号から第 9 号までに該当する事由の場合の保険金額を保険価額に 100 分の 100 を乗じた金額としている この規定は 2009 年 3 月 6 日から実施されている 1) 商品内容 (1) 対象となる保険種貿易一般保険 ( 包括保険 ( 機械設備 企業総合 ) 個別保険) 貿易代金貸付保険 海外事業資金貸付保険 海外投資保険 (2) 保険料非常料率 信用料率とも 現行料率に同じ ( 非常付保率の引上げ分に対する保険料が必要となります ) (3) 付保率 非常危険:100%( 現行 97.5%) 信用危険: 現行付保率に同じ ( 現行最高 95%) (4) 付保対象温室効果ガスの排出削減に資する設備 機器の輸出及びプロジェクトとして 一定の要件を満たすものが対象となります 海外事業資金貸付保険 海外投資保険及び貿易代金貸付保険の対象となるプロジェクトは 省エネ 新エネ ( 注 ) 原子力 ウラン開発 CDM CCS 植林の7 分野に係るプロジェクトです なお 省エネについては 別紙 1に掲げられる設備 機器の導入を主たる内容とする事業に限ります 160

162 ( 注 ) 新エネルギーは 太陽光発電 太陽熱利用 バイオマス発電 熱利用 燃料製造 廃棄物発電 熱利用 燃料製造 燃料電池 天然ガスコジェネ クリーンエネルギー自動車 水力発電 地熱発電を指します 貿易一般保険及び貿易代金貸付保険につきましては 別紙の設備 機器が対象となります 2) 実施体制等 (1) 貿易一般保険 ( エビレスの場合を除く ) 及び貿易代金貸付保険につきましては 保険申込時に 付保対象となる設備 機器であることを確認するための資料の提出する必要がある ( 海外事業資金貸付保険 海外投資保険及び貿易代金貸付保険 ( プロジェクトを対象とする場合 ) については 従来と同様の申込方法にて引受を行う予定 ) (2) なお 上記資料につきましては 構造図 写真のほか 輸出契約書に設備 機器の型番の記載がある場合は その型番に対応するカタログ 機器リストなど 資料内容のみから対象設備 機器であることが確認できるものに限ります 3) 地球環境保険特約の対象となる貸付契約 (1) 省エネルギー事業 ( エネルギー消費効率の低減に資すると見込まれる次の設備 機器の導入を主たる内容とする事業をいう ) に係る貸付契約高効率石炭火力発電 ( 超々臨界圧発電 (USC)) 設備 高効率変圧器 高効率複合工作機械 高性能機械組立設備 高効率工業炉 高性能工業炉 天然ガス利用工業炉 石油ガスコジェネレーション設備 コンバインドサイクル発電設備 熱供給型動力発生装置 高効率空調設備 高効率型電動熱源機 高効率給湯設備 低燃費 低騒音小型旅客機 ハイブリッド自動車 排熱回収設備 高炉省エネ設備 高効率セメント生産設備 (2) 新エネルギー事業 ( 太陽光発電事業 太陽熱利用事業 風力発電事業 バイオマス発電 熱利用 燃料製造事業 廃棄物発電 熱利用 燃料製造事業 燃料電池事業 天然ガスコジェネレーション事業 クリーンエネルギー自動車に係る事業 水力発電事業 地熱発電事業をいう ) に係る貸付契約 (3) 原子力発電事業に係る貸付契約 (4) ウラン開発事業に係る貸付契約 (5) 植林事業に係る貸付契約 (6)CDM( クリーン開発メカニズム ) 事業及びJI( 共同実施 ) 事業 ( いずれも当該事業として日本政府に申請されたものに限る ) に係る貸付契約 (7)CCS( 二酸化炭素回収 貯留 ) 事業に係る貸付契約 図 に地球環境保全制度のスキームを示す 161

163 図 地球環境保全制度のスキーム 8.3 二国間オフセットメカニズムへのファイナンス二国間オフセットメカニズムの下で インドネシアの石炭火力発電所に低品位炭の乾燥機を導入する場合のファイナンスに関し 既存の CDM 事業や環境保全事業への公的融資スキームに基づきより簡素化した制度を検討した 日本政府がインドネシア政府と 2 国間オフセットメカニズム契約の枠組みに JBIC からインドネシアの金融機関経由で無く 直接 STD 導入する発電事業者にバイヤーズクレジットで融資できるようにする CO2 削減の認証は 新方法論のツールに C-QUENS を用い インドネシア内の認証機関を設置する 排出権は全量定額で日本政府が引き取り JBIC が管理して国内の排出権取引市場で国内限定で売却し 売却代金は JBIC の資金管理口座に入金される 国内排出権市場で排出権を販売することで 国内に排出権を供給する一方 社会負担の軽減を図る JBIC は排出権を担保の一部として 資金を管理し 融資の分割返済の際に排出権価格を返済額に組み入れ 融資を受けた相手先は排出権に一切タッチすることなく 炭酸ガス削減の金銭的メリットを享受する 日本政府は買取価格と国内販売価格の差損を補填することで 全量買取価格を高めに設定して 日本の技術の導入優遇策とする 排出権全量固定価格での買取を武器に日本の優れた省エネ技術の輸出を後押しすることができる 162

164 図 国間オフセットメカニズムのスキーム案 第 9 章事業性 経済性評価スラヤヤ発電所のユニット 2(40 万 KW) ユニット 7(60 万 KW) ユニット 8(62.5 万 KW) およびラブアン発電所のユニット 1 のそれぞれについて経済性評価を行った 表 9-1 に各ユニットの排出権 US$20/t の場合の経済性概観を示す 表 9-2 に各ユニットの排出権 US$30/t の場合の経済性概観を示す 表 9-1 各ユニットの排出権 US$20/t の場合の経済性概観 発電ユニット ラブアンUnit1 スララヤ Unit 2 スララヤ Unit 7 スララヤ Unit 8 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 石炭調達価格 (US$/ トン ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) 800 2,657 9,543 29,920 石炭調達費削減 (US$/ 年 ) 51, , ,835 1,941,808 CO2 削減量 ( トン / 年 ) 1,360 5,077 18,565 50,880 CO2クレジット単価 (US$/ トン ) CO2クレジット (US$/ 年 ) 27, , ,300 1,017,600 年間利益 (US$/ 年 ) 79, ,136 1,118,135 2,959,408 STD 台数 STD 建設費 (US$) 21,700,000 21,600,000 41,300,000 42,600,000 償却年数 年間稼働時間はスララヤ Unit2が8,053 時間 (2005 年 ~2010 年の石炭消費量平均を利用して 年間稼働時間はスララヤ Unit7が8,675 時間 (2005 年 ~2010 年の石炭消費量平均を利用して 稼働時間はスララヤ Unit8とラブアン Unit1は8,000 時間と仮定 163

165 表 9-2 各ユニットの排出権 US$30/t の場合の経済性概観 発電ユニット ラブアンUnit1 スララヤ Unit 2 スララヤ Unit 7 スララヤ Unit 8 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 石炭調達価格 (US$/ トン ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) 800 2,657 9,543 29,920 石炭調達費削減 (US$/ 年 ) 51, , ,835 1,941,808 CO2 削減量 ( トン / 年 ) 1,360 5,077 18,565 50,880 CO2クレジット単価 (US$/ トン ) CO2クレジット (US$/ 年 ) 40, , ,950 1,526,400 年間利益 (US$/ 年 ) 92, ,906 1,303,785 3,468,208 STD 台数 STD 建設費 (US$) 21,700,000 21,600,000 41,300,000 42,600,000 償却年数 年間稼働時間はスララヤ Unit2が8,053 時間 (2005 年 ~2010 年の石炭消費量平均を利用して 年間稼働時間はスララヤ Unit7が8,675 時間 (2005 年 ~2010 年の石炭消費量平均を利用して 稼働時間はスララヤ Unit8とラブアン Unit1は8,000 時間と仮定 表 9-2 から CO2 排出権価格を US$30/t と見込ん場合に STD 建設費の償却年数が燃料石炭の水分が 32% で発電規模が 62.5 万 KW のスララヤ発電所ユニット 8 のみが 15 年以内に収まり 水分が 30% 以下の石炭を燃料とする場合や 32% の石炭水分でも発電規模が 30 万 KW では STD 導入の経済性は乏しい PLN は現在 石炭会社との長期契約で 燃料用として調達する石炭の発熱量は 4,200-4,800kcal/kg( 水分 25% ~35%) となっているが 現在開発が進む発熱量 3,500kcal/kg( 水分 44%) 程度の褐炭についても輸出だけではなく国内 25% の出荷義務が有り 今後 PLN が調達する一方 IPP でも利用が進み 水分 44% 程度の褐炭の需要がこれから伸びて行く スラヤヤ発電所のユニット 2(40 万 KW) ユニット 7(60 万 KW) ユニット 8(62.5 万 KW) およびラブアン発電所のユニット 1 のそれぞれについて水分 44% の褐炭を燃料とした場合の 各ユニットの排出権 US$20/t の場合の経済性概観を表 9-3 に示す 表 9-3 水分 44% の褐炭燃料における各ユニットの排出権 US$20/t の場合の経済性概観 発電ユニット ラブアンUnit1 スララヤ Unit 2 スララヤ Unit 7 スララヤ Unit 8 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 石炭調達価格 (US$/ トン ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) 23,760 51,360 89,440 99,840 石炭調達費削減 (US$/ 年 ) 1,411,344 3,050,784 5,312,736 5,930,496 CO2 削減量 ( トン / 年 ) 32,800 70, , ,600 CO2クレジット単価 (US$/ トン ) CO2クレジット (US$/ 年 ) 656,000 1,408,000 2,464,000 2,752,000 年間利益 (US$/ 年 ) 2,067,344 4,458,784 7,776,736 8,682,496 STD 台数 STD 建設費 (US$) 42,600,000 63,900,000 84,800,000 85,200,000 償却年数 年間稼働 8,000 時間 表 9-3 から燃料石炭の水分が 44% で発電容量が 400MW 600MW と 625MW が STD 導入の可能性が示唆されたため 表 9-4 に経済性検討の前提条件を示す PLN が STD を導入する場合 石炭調達コスト削減と CO2 クレジットが STD 建設の投資に見合うかを検証する経済性改善の評価を前提として検討を行った 164

166 結果を表 9-5 に示す 表 9-4 経済性試算の前提条件 発電ユニット スララヤ Unit2 スララヤ Unit7 スララヤ Unit8 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 石炭調達価格 (US$/ トン ) 60/80 年間稼働時間 8,000 石炭削減量 ( トン / 年 ) 51,360 89,449 99,840 CO2クレジット価格 (US$/ トン ) 20/30 CO2 削減量 ( トン / 年 ) 70, , ,600 STD 建設費 ( 投資額 )(US$) 63,900,000 84,800,000 85,200,000 JBIC 借入 / 自己資金 85/15 JBIC 借入年間金利 (%) 1.9(LIBOR ) 建設期間 2 年 プロジェクト期間 ( 建設期間含む ) 17 年 減価償却 ( 償却年数 ) 定率法 (15 年 ) 残存簿価 (%) 運転コスト 年間補修費 建設費 0.4% 年間運転人件費 US$3,000/ 人 x12 人 その他年間経費 建設費 0.4% 表 9-5 経済性検討結果 発電ユニット スララヤ Unit2 スララヤ Unit7 スララヤ Unit8 石炭調達価格 (US$/ トン ) CO2クレジット価格 (US$/ トン ) 内部利益率 (IRR%) 稼働 10 年目 稼働 15 年目 発電容量が 400MW の場合 44% 水分炭の調達価格が現状の US$60/t の場合は CO2 クレジットが US$30/t となると 15 年目に IRR が 1% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の US$60/t より 3 割アップして CO2 クレジットが US$20/t の場合に 15 年目に IRR が 2% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の US$60/t より 3 割アップして CO2 クレジットが US$30/t の場合に 15 年目に IRR が 4% となる 発電容量が 400MW の場合は 市場で取引されている更に水分の高い水分 50% 程度の燃料に切り替えた場合に経済性が発現すると考えられるが燃料石炭の調達価格が低下すると経済性が乏しくなる 発電容量が 600MW の場合 44% 水分炭の調達価格が現状の US$60/t の場合は CO2 クレジットが US$30/t となると 15 年目に IRR が 5% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の US$60/t の場合より 3 割アップして CO2 クレジットが US$20/t の場合に 15 年目に IRR が 6% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の US$60/t より 3 割アップして CO2 クレジットが US$30/t の場合に 15 年目に IRR が 6% となる 発電容量が 600MW の場合は 市場で取引されている更に水分の高い水分 50% 程度の燃料に切り替えた場合に更に経済性が改善されると考えられるが燃料石炭の調達価格が低下すると経済性が乏しくなる 発電容量が 625MW の場合 44% 水分炭の調達価格が現状の US$60/t の場合は CO2 クレジットが US$30/t となると 10 年目に IRR が 2% となり 15 年目に IRR が 7% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の US$60/t 165

167 の場合より 3 割アップして CO2 クレジットが US$20/t の場合に 10 年目に IRR が 3% 15 年目に IRR が 8% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の US$60/t より 3 割アップして CO2 クレジットが US$30/t の場合に 15 年目に IRR が 10% となる 発電容量が 625MW の場合は 市場で取引されている更に水分の高い水分 50% 程度の燃料に切り替えた場合に更に経済性が改善されると考えられる STD の導入に関しては PLN の経済性に関する考え方にも依るが 高水分炭の調達能力拡大の観点から 15 年目から利益が発生すれば良いとすれば 発電規模は 300MW 以上で燃料石炭の水分は 40% 以上 ( 現在価格が付いて流通している低品位炭の最大水分は 50%) CO2 クレジット価格は US$20 以上が必要となる 2014 年までに稼働する PLN の 300MW 以上の石炭火力発電所の発電容量と基数に基き 水分 44% の石炭を水分 10% まで STD で乾燥した場合の CO2 削減量と必要な STD 最大機種 ( 内径 4.2m 長さ 30~39m) の基数を表 9-6 に示す STD 導入基数は 78 基と試算され 総建設費は約 16 億 5,000 万ドルが予想される CO2 削減量は 70 万トンと試算される 更に水分の高い低品位炭を燃料として調達する場合は STD 基数は増加し CO2 削減量も増加する 表 9-6 PLN 石炭火力発電所への STD 導入基数試算 PLN(~2014 年 ) CO2 削減量 ( トン / 年 ) STD 発電容量 (MW) 基数 合計発電容量 (MW) 石炭水分 44 10% 基数 , , , , , ,400 70, ,050 51, , ,205 38, ,200 32,720 8 合計 30 12, , 年までに稼働する IPP( 独立発電事業者 ) の 300MW 以上の石炭火力発電所の発電容量と基数に基き 水分 44% の石炭を水分 10% まで STD で乾燥した場合の CO2 削減量と必要な STD 最大機種 ( 内径 4.2m 長さ 30~39m) の基数を表 9-7 に示す STD 導入基数は 77 基と試算され 総建設費は約 16 億 5,000 万ドルが予想される CO2 削減量は 110 万トンと試算される 更に水分の高い低品位炭を燃料として調達する場合は STD 基数は増加し CO2 削減量も増加する 166

168 表 9-7 IPP の石炭火力発電所への STD 導入基数試算 IPP(~2018 年 ) CO2 削減量 ( トン / 年 ) STD 発電容量 (MW) 基数 合計発電量 (MW) 石炭水分 44 10% 基数 1, , , , , , , , , , , ,200 32,720 8 合計 18 10,645 1,108, STD 最大機種の導入可能性が 155 基と試算され インドネシアの STD 工場を建設してコストダウンすれば STD 導入の経済性が改善して発電事業者の STD 導入意欲が更に増すと考えられる 第 10 章インドネシア政府の二国間オフセットメカニズム対応 10.1 インドネシア政府の考え ( 科学技術評価応用庁の調査結果 ) 日本政府が提案する二国間オフセットメカニズム (Bilateral Offset Mechanism:BOM) に準拠する新たな炭素削減プロジェクトは 2012 年で終了する京都議定書の下 代替案の一つであり 国連の関与なしの二国間で CO2 排出量や GHG 削減量を計測 確定できる仕組みである 既存の京都議定書の CDM は 厳密な選別や手続き条件等を定める為に国連の承認を得るには 2 年以上の歳月を要すが BOM は CDM とは異なるものであり 日本政府や産業界に取りより使いやすい新しいシステムの一つに見える しかしアナリストによれば 産業界に取って機能しやすいとしても 完成されたシステムとして国連に承認されておらず 又 詳細も合意されていないことより もう少し進展を見守る必要があるとインドネシア政府関係者は見ている 富裕な国々が貧しい国々に排出削減の投資を行うことにより自身の温暖化ガス排出をオフセットするという新制度が国連が取り仕切る CDM の終焉の時期に至り議論を呼んでいる 日本の経済産業省は 世界中で 15 の排出削減プロジェクトへの資金提供の FS を実施中 日本企業が 10 社参加しており 高効率の石炭火力発電所及び原子力発電所をインドネシアとベトナムで 炭素吸収 貯蔵プロジェクトがインドネシアで開発される 様々な分野で 2011 年には更に 30~40 の調査が計画されている 2010 年に生まれたこの排出削減策は日本と発展途上国が 2 国間で二酸化炭素オフセットプロジェクトについて協議する事を認めることになる 現在の CDM システムに於いては プロジェクトを登録するのに パートナー国 特定の機関及び国連の審査を必要とするため 2 年以上の期間が必要となる 現在のプログラムでカバーされる若しくは許される技術は 石炭火力発電所 原子力発電所 鉄鋼業界 そして現下の ( 国連のツールの一つである ) Reducing Emission from Deforestation and Forest Degradation プログラムに基づく森林プロジェクトと言った物に役立たない傾向にある 中国はクレジットのまとめ売りをしており 2009 年のシェアは 72% であった 現在の京都議定書は世界の二酸化炭素排出量のわずか 27% を占めるに過ぎない これは 中国や米国と言った大量に二酸化炭素を排出する国家を枠組みに入れていないからである 日本は 1997 年の状況を反映する議定書に固執するよりも 2010 年の状況を映し出す新しい仕組みの構築が望ましいと考えている 又 新しい仕組みは国際的に拘束される仕組みよりも各々の国家が独自に目標設定のできるよりソフトな取り決めであり 167

169 ICA(International Consultation and Analysis) に基づく MRV(Monitoring, Reporting, and Verification) システムに合意するだろう 日本政府は BOM と呼ばれる新しい仕組みを創造しており 日本のエネルギー高効率利用技術を発展途上国に移転する事により CDM のメリットを取るというもので 日本とパートナー国双方がクレジットを分かち合う 現在 CDM は多くの弱点を持っている 例えばプロジェクトを登録し CER を発行するのに 2 年以上掛る 又 登録手続きには私企業にとっては高額であるといえる この長期を要するプロセスの代わりに 日本は BOM を志向する事を決めており CDM ガイドラインに従うもののその枠外で行動する 日本は積極的に BOM を推進している 日本は国連に対し新たなポスト京都メカニズムとして BOM を認めるよう要求する書面を提出した 2010 年 12 月に行われた COP16 により採択された Cancun Agreement により 国連に認知された組織は GHG 削減を促進する新たなプログラムに関する意見を書面で提出できるようになる 書面に記された通り 日本は提案が新しいメカニズムとして承認される事を望んでおり これにより民間投資の利用を活発化し 二酸化炭素除去技術の移転 人材開発を促進する 発展途上国の 特にアジアに於いて GHG 排出は経済成長により増加し続ける CDM は GHG 削減努力を後押しする事にある程度の役割を果たしたといえるが 発展途上国の削減活動を更に進めていくには発展途上国を支える多国間及び2 国間に於けるメカニズムが有効である CDM はリフォームが必要である 電力部門における低炭素技術開発及び能力の引き上げは 気候変動緩和に大きく貢献するだろう そして日本は発展途上国の低炭素排出の国家政策をサポートし続ける この努力は先進国の産業界による最も適切な技術投入に対する投資やノウハウのシェアを促進する事になり 更に発展途上国にはサポートを獲得するより大きいチャンスをもたらす 日本政府及び産業界は国家間の協調を強めるべく 数カ国の先進国とともに新しい BOM 策定の経済性調査を行ってきている 最大の環境基準を確保し 各国間の異なった状況を勘案する事がこのプロセスにはきわめて重要である 新しいメカニズムに於いて 企業を跨るプログラムを含むプロジェクトベースのメカニズムは それぞれのプロジェクトに対する貢献をフェアに見積もるようにしなければならず これが参加へのインセンティブとなる 日本はプロジェクトベースの BOM を筆頭として AWG/LCA の活動の成果にもとづき作られる新しいフレイムワークに沿って認識される様々なメカニズムを推進する 日本は新しい 2 国間及び多国間のオフセットスキームの開発を検討しており 又 パイロットプロジェクトやダブルカウントを防ぐ方法を含む MRV の対策の経済性調査を行う 日本は自身が得意とする技術を用い気候変動緩和策がサポートされなかったこと等の失敗を避けるべく 自身の経験より新しいメカニズムの構築を目指しており これによりまだ利用されていない策を商業的に実行できることにも繋がる 新しいメカニズムは最高レベルの仕組みが求められ それにより国際社会に受け入れらて行くだろう 10.2 温暖化ガス対策関係者への聴取結果今回聴取した政府高官は DNPI( 国家気候変動委員会 ) Ministry of Environment( 環境省 ) Ministry of Forestry( 森林省 ) Bpenas( 国家開発計画庁 ) BPPT( 科学技術評価応用庁 ), Minsitry of Foreign Affairs( 外務省 ) のキーパーソンである 聴取ではインドネシアにおける政策の構築及び気候変動対策のポイント等についての協議の形で行われた DNPI は 気候変動プログラムのあらゆる局面について省庁間 株主間の壁を越えた政策調整の主体となるべく 2008 年 7 月に設立された DNPI は直接大統領が率い 17 人の大臣と 1 人の局長をメンバーとする DNPI の責務は インドネシアにおける気候変動対策に関する戦略 論点を作り上げるべく 政府機関 政府組織 非政府組織の枠を超えた協調体制を推し進めていく事にある 更に インドネシアに於ける UNFCCC( 気候変動枠組条約 ) の重要なポイントである 同国が国土開発に関して気候変動条約から公正な取り扱いを受けるようにするべく インドネシア政府を代表して国際的な協議の場に臨む 168

170 大統領の気候変動特命全権大使である NCC-INDONESIA の Mr. Rachmat Witoela とのインタビューはジャカルタの BUMNビルの 18 階にある彼の事務所で行われた 彼のスタッフであるMrs. Moekti H. Soejahmoen ( 彼のスペシャルアシスタント ) Dr. Ir.Amanda Katili( スペシャルアシスタント ) Mr. Dicky Edwin Hendarto(Carbon Trade Mechanism Div. のコーディネータ ) が同席した NCCC の Chief-Working Group on Forestry である Dr. Doddy Sukadri および State Ministry of Environment の Director, Climate Change mpact Control である Mrs. Sulistyowati NCC の Chief-Working Group on Technology Transfer であり又 BPPT の senior resarcher である Mr. Sidik Budoyo とのインタビューはそれぞれの皆さんのオフィスで行われた Mr.Rachmat Witoelar は現在 国連気候変動枠組条約に基づく協議機関である COP の President でもある ( 注 : このレポート作成当時 ) 彼は国際協議に於いて 熱望されている Bali Roadmap を守護すると期待されている BPPT のチームによる STD 技術及び低品位炭を使用する発電における GHG 排出削減の可能性についてのプレゼンが終わった後 Mr. Rachmat Witoelar が最初に述べた事は この技術に非常に感銘を受けたという事である 彼は 低品位炭の品質を国際市場で受け入れられる品位に改善し 最終的に発電効率をあげ CO2 排出を削減される 乾燥技術の開発に向けた努力を評価している 次に彼は インドネシアの STD プロジェクトに関して CDM メカニズムの枠外の新スキームの採用の争点について 新たなカーボントレードとしての試みと受け入れられる可能性はあるが まず国際社会に受け入れられなければならない としている Mr. Rachmat がこの微妙な問題に答える時に非常に慎重になっている様に見受けられる 彼は大統領の気候変動に関する特命全権大使だけでなく COP の議長でもあることより 気候変動国連プログラムにコミットする必要があり 全ての意思決定にあたって国連の利益を考慮する必要があるためであろう 近年日本が推進している BOM は GHG 削減の一つの方策と恐らくインドネシアには受け入れると思われるが インドネシアと日本双方にとって等しく利益をもたらすものでなければならない 心に止めておくべき事は インドネシアはまだ BOM を受け入れる政策 スキームを構築していないことである 新しいメカニズムを受け入れるには詳細な協議が必要であり そのために多くの事が準備され 例証し 誰がカーボンプライスを決定し 誰が日本で交渉するかを考えねばならない この件は 関連政府機関で慎重に協議されねばならず DNPI は交渉をリードする国民の声となる 今回の聴取で分かった事は インタビューした政府高官は共通の考え 意見を分かち合っていると言う事である 彼らは インドネシアがこのスキームを受け入れる余地があると語っている しかし 新しいメカニズムは国連のメカニズムに反するもので有ってはならない 新しいスキームやモデルは 確立されたシステムとして国連に承認され国際社会で受け入れられるレベルでなければならない この新しいオフセットメカニズムはより高いレベルの規範を備えなければならない この件に関連する技術開発には二つの側面がある まず エネルギー市場で望まれる品位に合うように石炭の品質を改善し 環境に優しいエネルギーにする事 次に BOM と呼ばれる新しいカーボンクレジットについてインドネシアと日本が新たな協調 協業をする事 このスキームは現在研究中であるが インドネシアは BOM を歓迎するし BOM スキームに異論はない事を強調しておく なぜならば これはインドネシアが他の発展途上国と国際機関の下に行われたより重要な合意に対抗するものではないためである 言い換えれば インドネシアは UNFCCC 機構のリーダーであり carbon trade scheme cooperation の分野関しての政策導入にぶれずに役割を果たさなければならない 様々な観点より BOM スキームは CDM の基本に反しないもので有る限り受け入れられる インドネシアが他国と早急にこのスキームを導入できてない理由は 単にこれに関する排出権トレードの価格合意を含む仕組みや政策が準備中だからである DNPI はインドネシア共和国大統領の下 気候変動問題に対する国家の代弁者であり 下記の二つのグループに分かれている 169

171 *Mr. Rahmat Witular が直接管轄するに対するワーキンググループ *17 の省庁と共に技術的遂行に関するワーキンググループ DNPI は現在 UNFCCC の検討に注力している 日本とロシアが撤退を表明している中 2012 以降の京都議定書の継続を維持する事のコミットメントと言ったより広範囲の国際レベルの業務範囲に関わっている インドネシアは UNFCCC と個別の取り組みを議論しておらず climate change politics を守っている UNFCCC ではインドネシアは主導的役割を果たしている より広範囲の国際会議では 発展途上国が最低でも 5 年以上の長期のコミットメントを要求している事が中心的な議題である Non-Annex 諸国の関心は Qatar Protocol 若しくは Seoul Protocol に関してであり 南アフリカ会議で協議されている 日本の BOM を含む他のスキームへの言及は CDM スキームにコンフリクトを起こすものでなければ受け入れられるだろう 現状インドネシアが BOM の導入を決定するにはまだ時間が掛るが BOM プロジェクトに関する経済性調査が行えないと言う事では無い いずれにしても経済性調査は国家の利益となる 方法論の開発は CDM で認められているものに反するものではない 例外は石炭の改質 (coal to coal) でこれはまだ方法論がまだ確立されていない 調査を通じ 新しい方法論は将来新たな規範を確実なものにする 今の所 インドネシアと日本の協調はまだまだである 経済性調査が終了して行く中で形が見えていくだろう 2010 年時点で凡そ 10 の経済性調査が行われており様々な分野で 2011 年には更に 30~40 の調査が計画されている DNPI の学識無しには調査がおかしなものに成りかねず METI( 経済産業省 ) とのミーティングに於いても DNPI に一元化して取り行うべきとのアドバイスがなされた 日本側の調整役はインドネシアの日本大使館が行っている 恐らく日本は環境省 経済産業省そして恐らく財務省が関わっているものと思われる 基本的にインドネシアは インドネシアと日本の二国間協定により取り行われる BOM スキームの可能性を否定しない インドネシアが知りたいのは 日本が BOM スキームにより排出削減目標を明言しどのくらいのカーボンクレジットが生まれるのかである 現在 国際市場に於ける排出権市場をどのような形にするかと言った京都議定書の継続について協議を行っており そのメカニズムについては UNFCCC で協議されるだろう 日本は幾つかの理由により京都議定書へのコミットに合意していない 一方インドネシアは異なる立場にあり異なる利害がある 京都に参加している国の一つとしてインドネシアは合意事項を犯していない Annex1 諸国が non-annex 諸国に援助する事に対する約束を継続すべく Kyoto Protocol( 京都議定書 ) part2 に向き合わねばならない 未だ協議の過程にあり 効果的に適用されるような方法論を含んだ新しい排出権市場 (carbon market mechanism) の提案をする事は可能である 第 11 章今後の課題 11.1 石炭性状総合評価システムの方法論ツール化石炭性状総合評価システムは 現在の使用している石炭の性状と その発電施設の状況 ( 計器読み取り ) から CO2の排出量をシミュレーションできるので 過去の数年分のデータを準備する必要は無い データがそろわないことの多い途上国の石炭火力発電所でのCO2 排出削減事業には 有用なベースライン策定のツールになりうると考える このツールを使った検証を積み重ねデータを集め 既存方法論との試算結果と比べることで ツールとしての運用方法や方法論上の基準の設定方法が定まり 二国間制度のもとで 普及していくことが期待されある 11.2 石炭性状総合評価システムの精度向上石炭性状総合評価システム (C-QUENS) は 微粉炭火力発電プラントの性能や経済性に及ぼす炭種の影 170

172 響を定量的に予測するために開発されたプログラムである 国内の主要な微粉炭火力発電プラント ( 発電量 16 万 KW~100 万 KW の 10 プラント ) の実データを収集し C-QUENS の精度向上を図ってきた 現在でも電力会社の継続的な協力と支援により高度化を果たしている C-QUENS でのシミュレーションにおいては発電性能と石炭性状と関連づけられた予測式によって計算される これらの予測式は 上述した 10 プラントのデータから導き出されたものであり 十分な検証を重ねた信頼ある予測式で平均誤差は ± 10% 程度である 日本の石炭火力発電所は超臨界や超々臨界圧のボイラを利用しており C-QUENS は日本の経験を基礎にしている 一方 インドネシアは亜臨界圧のボイラが主流で 今後超臨界圧ボイラーが採用され始めることから インドネシアの発電所への C-QUENS 適用精度向上のために褐炭や亜瀝青炭を燃料としたインドネシアの発電所の実データを収集し高度化を図る必要がある 11.3 高水分炭乾燥への STD 適用石炭の水分が高ければ高い程 STD での事前乾燥は発電所の燃費改善と CO2 削減の効果が高くなる また 燃費向上により石炭調達コスト削減も大きくなり 経済性改善の効果も高い 現在 インドネシアで採掘され流通している褐炭の最大水分は 50%( 発熱量 3,000kcal/kg) である 資源的には水分 60% の褐炭が埋蔵され 開発が進められている 水分 50~60% の褐炭についても STD の適用性を検討する必要がある 11.4 乾燥炭の発電適用性 STD を発電所に導入し 燃料石炭を事前に乾燥する際に 乾燥炭のハンドリング上の問題点やボイラの設計炭と異なる性状の燃料を燃焼した場合の問題点の有無等 実用上の課題を抽出して対策を解明したり問題の無いことを確認する必要がある 11.5 STD と発電所との統合に関する C-QUENS 改善 C-QUENS は 微粉炭火力発電プラントの燃料石炭の銘柄変更や混炭を評価するために開発され タービン蒸気を抽気して STD の熱源に利用する新たな予測式を今回付け加えた STD 導入の効果を C-QUENS で試算した結果は予備検討の結果を下回った 表 表 表 表 にスララヤ発電所のユニット とラブアン発電所のユニット 1 の予備検討結果を示す 表 スララヤ発電所の予備検討結果 スララヤ発電所ユニット番号 2 ( 既設 ) 2 ( 乾燥あり ) 7 ( 既設 ) 7 ( 乾燥あり ) 8 ( 既設 ) 8 ( 乾燥あり ) 発電量 (gross) [MW] 石炭水分 [wt%] 乾燥炭水分 [wt%] 発電端効率 [%] 発電端効率向上 ポイント 基準 0.15 基準 0.85 基準 1.06 石炭消費量 [t/h] 石炭削減量 [t/h] 基準 0.7 基準 5.9 基準

173 CO2 排出量 [t/h] CO2 削減 [t/h] 基準 1.5 基準 11.9 基準 15.4 表 ラブアン発電所の予備検討結果 1 1 ラブアン発電所ユニット番号 ( 既設 ) ( 乾燥あり ) 発電量 (gross) [MW] 石炭水分 [wt%] 31.6 乾燥炭水分 [wt%] - 10 発電端効率 [%] 発電端効率向上ポイント比較基準 0.67 石炭消費量 [t/h] 石炭削減量 [t/h] 比較基準 3.1 CO2 排出量 [t/h] CO2 削減 [t/h] 比較基準 5.2 表 スララヤ発電所の予備検討結果 ( 高水分炭への切替 ) スララヤ発電所ユニット番号 2 ( 既設 ) 2 ( 乾燥あり ) 7 ( 既設 ) 7 ( 乾燥あり ) 8 ( 既設 ) 8 ( 乾燥あり ) 発電量 (gross) [MW] 石炭水分 [wt%] 43.6 乾燥炭水分 [wt%] 発電端効率 [%] 発電端効率向上 ポイント 基準 0.9 基準 1.57 基準 1.5 石炭消費量 [t/h] 石炭削減量 [t/h] 基準 7.4 基準 17.6 基準 17.3 CO2 排出量 [t/h] CO2 削減量 [t/h] 基準 10.1 基準 24.2 基準 23.8 表 ラブアン発電所の予備検討結果 ( 高水分炭への切替 ) 1 1 ラブアン発電所ユニット番号 ( 既設 ) ( 乾燥あり ) 発電量 (gross) [MW] 石炭水分 [wt%]

174 乾燥炭水分 [wt%] - 10 発電端効率 [%] 発電端効率向上 ポイント 基準 1.26 石炭消費量 [t/h] 石炭削減量 [t/h] 基準 7.8 CO2 排出量 [t/h] CO2 削減量 [t/h] 基準 10.8 予備検討では STD 乾燥システムの電力消費量増加分は 石炭乾燥による石炭の粉砕性向上による既設の微粉砕機の動力減による消費電力の削減やボイラ投入燃料の実量減による燃焼空気削減や燃焼排ガス削減によるファン動力減による消費電力の削減と相殺すると想定 C-QUENS の計算結果でも STD の電力消費量は STD 導入による電力削減分をほぼ相殺している STD の熱源となるタービンからの抽気蒸気を発生させるために追加で必要な石炭増量分が改善効果に大きく影響する 抽気とドレン注入場所を反映した予備検討結果に基づくスララヤ発電所のユニット およびラブワン発電所ユニット 1 の経済性概観を表 と表 に示す 表 各ユニット現状への STD 導入の経済性概観 (CO2 クレジット US$10/t) 発電ユニット ラブアンUnit1 スララヤ Unit 2 スララヤ Unit 7 スララヤ Unit 8 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 石炭調達価格 (US$/ トン ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) 24,800 5,600 47,200 72,000 石炭調達費削減 (US$/ 年 ) 1,609, ,184 3,693,872 4,672,800 CO2 削減量 ( トン / 年 ) 41,600 12,000 95, ,200 CO2クレジット単価 (US$/ トン ) CO2クレジット (US$/ 年 ) 416, , ,000 1,232,000 年間利益 (US$/ 年 ) 2,025, ,184 4,645,872 5,904,800 STD 台数 STD 建設費 (US$) 21,700,000 21,600,000 41,300,000 42,600,000 償却年数 年間稼働 8,000 時間 173

175 表 各ユニット B-Coal を STD で乾燥する場合の経済性概観 (CO2 クレジット US$10/t) 発電ユニット ラブアンUnit1 スララヤ Unit 2 スララヤ Unit 7 スララヤ Unit 8 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 石炭調達価格 (US$/ トン ) 石炭削減量 ( トン / 年 ) 62,400 59, , ,400 石炭調達費削減 (US$/ 年 ) 3,706,560 3,516,480 8,363,520 8,220,960 CO2 削減量 ( トン / 年 ) 86,400 80, , ,400 CO2クレジット単価 (US$/ トン ) CO2クレジット (US$/ 年 ) 864, ,000 1,936,000 1,904,000 年間利益 (US$/ 年 ) 4,570,560 4,324,480 10,299,520 10,124,960 STD 台数 STD 建設費 (US$) 42,600,000 63,900,000 84,800,000 85,200,000 償却年数 年間稼働 8,000 時間 第 9 章の経済性計算前提条件の表 9-4 を用い経済計算した結果を表 に示す 表 経済性検討結果 発電ユニット ラブアンUnit1 スララヤ Unit2 スララヤ Unit7 スララヤ Unit8 発電容量 (MW) 石炭乾燥 ( 水分 %) 石炭調達価格 (US$/ トン ) CO2クレジット価格 (US$/ トン ) 内部利益率 (IRR%) 稼働 10 年目 稼働 15 年目 発電容量が 300MW の場合 現状 32% 水分炭の調達価格が現状の US$64.9/t の場合は CO2 クレジットが US$20/t となると 15 年目に IRR が 6% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の 59.4/t の場合は CO2 クレジットが US$20/t の場合に 15 年目に IRR が 8% となる 発電容量が 400MW の場合 発電効率が低いので現状 32% 水分炭の調達価格が現状の US$64.9/t の場合は CO2 クレジットを US$20/t としても経済性が無い 更に高い水分の褐炭を利用したとすると 44% 水分炭の調達価格が現状の 59.4/t の場合は CO2 クレジットが US$20/t の場合に 15 年目に IRR が 1% となる 発電容量が 600MW の場合 現状 25% 水分炭の調達価格が現状の US$78.26/t の場合は CO2 クレジットが US$10/t となると 15 年目に IRR が 6% CO2 クレジットが US$20/t となると 15 年目に IRR が 9% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の US$59.4/t の場合は CO2 クレジットが US$10/t となると 15 年目に IRR が 6% CO2 クレジットが US$20/t となると 15 年目に IRR が 11% となる 石炭水分が 25% と 44% の場合で IRR の違いが認められないのは 水分が高くなると水分 10% まで乾燥するため STD 必要数が増え投資額が高くなる一方 水分が高くなると石炭価格が低下して石炭削減効果が低くなるためと考えられる 発電容量が 625MW の場合 現状 32% 水分炭の調達価格が現状の US$64.9/t の場合は CO2 クレジットが US$10/t となると 15 年目に IRR が 10% CO2 クレジットが US$20/t となると 15 年目に IRR が 14% となる 44% 水分炭の調達価格が現状の US$59.4/t の場合は CO2 クレジットが US$10/t となると 15 年目に IRR が 6% CO2 クレジットが US$20/t となると 15 年目に IRR が 10% となる 石炭水分が 32% と 44% の場合で水分 44% の方が IRR が低くなるのは 水分が高くなると水分 10% まで乾燥するため STD 必要数が増え投資額が高くなる一方 水分が高くなると石炭価格が低下して石炭削減効果が低くなるためと考えられる 174

176 低品位炭火力発電所への STD 導入は 石炭の水分を乾燥目標により発電効率の改善 STD の必要基数に 違いが生じるため 最適経済性を基に検討する必要があることが示唆された 第 12 章要約英文 (English Summary) 1. Introduction The study on Efficient Utilization of Low Rank Coal introduction to Power Plant in Indonesia was conducted by Sojitz Corporation assigned by Ministry of Economy, Trade and Industry (METI). Thought there are many excellent industrial technologies and products in Japan have the potential to contribute to reduce GHG emission, the CDM framework under the Kyoto Protocol, was expected to promote such technologies and products to overseas, is found that it is not a driving forth to bring such technologies to developing countries. Bilateral carbon offset Mechanism will be a supplemental mechanism to the CDM, which will give more flexibility to the CDM as well as give Japanese enterprises opportunities to promote clean technologies to developing countries. It is expected that this study will contribute the formulation of the project as well as to give data to relative parties in order to develop the framework of bilateral carbon offset mechanism. 2. Outline of Study Many power plants use lignite (moisture over 35%, calorific value under 4,200kcal/kg) and sub-bituminous coal (moisture 20-35%, calorific value 4,200 5,800kcal/kg) as fuel in Indonesia, because lignite and sub-bituminous coal are huge abundant resources in Indonesia. The price of low rank coal such as lignite and/or sub-bituminous coal is lower than bituminous coal (moisture under 20%, calorific value over 5,800kcal/kg) but CO2 emission volume per kwh is higher. By adopting Steam Tube Dryer (STD), indirect steam heating coal dryer developed by Japanese machinery manufacture Tsukishima Kikai Co., Ltd. (TSK), power plants that use low rank coal will be able to reduce their CO2 emissions. Figure 2-1 shows the component drawing of TSK s STD. Low Rank Coal Carrier Gas Exhaust Gas Stem Fig.2-1 TSK STD Drawing Dried Coal Drain 175

177 Coal Quality Evaluation System( C-QUENS ) developed by Gifu University, Japanese National University, was used in this study to clarify the potential of reduction of CO2 emission by reducing low rank coal moisture in advance by utilizing STD that is a high efficiency coal drying technology combined with power plant on the utilization of heat. The object of this study is to confirm i) an applicability of coal drying technology for Indonesia low rank coal, ii) potential of CO2 reduction by reducing low rank coal moisture, iii) economics and finance scheme on pre-drying of low rank coal, iv) development of methodology of CO2 reduction by pre-drying of low rank coal, v) bilateral carbon offset mechanism, vi) promotion of STD in Indonesian market. 3. Relationship between Japan and Indonesia In the year of 2010, the export amount from Indonesia to Japan and from Japan to Indonesia were 2,462.9 billion and 1,393.5 billon Japanese yen, so the trade between Japan and Indonesia is an excess of export from Indonesia to Japan. Indonesia is one of the most important countries for Japan for energy security. Indonesia is accounted for 20% of LNG (rank 1 st ), 19% of coal (rank 2 nd ) and 2% of oil in Japanese import. Indonesia is the biggest oil producer in SE Asia and was a member of OPEC since 1962 but in 2004, Indonesia became a net importer of oil and then left OPEC in 2009 because of the exponential growth of oil consumption in line with economic development and population growth. In the year of 2010, the direct investment from Japan to Indonesia was 710 million US dollar that was forth ranking in the World. There are over 1,300 Japanese private enterprises being incorporated in Indonesia and hold over 320,000 Indonesian workers by the direct investment until now. Japan has been the biggest official development aid provider to Indonesia over the years and free financial aid, loan assistance and technical aid were 3,440 million, 113,900 million and 7,990 million Japanese yen in The economic partnership agreement (EPA) between Japanese and Indonesia became effective in 2008 and Japan has good relationship with Indonesia in politically and economically. 4. Background of CO2 reduction in Coal Power Plant 1) Mitigation of GHG in Indonesia The green house gas (GHG) emission achieved 2.1 billion ton per year in 2005 mainly reason of forest loss and peat land devastation and is expected to achieve 3.3 billion ton per year in 2030 in the case of no countermeasure. Table 4-1 shows the source and amount of GHG emission in Indonesia. The power consumption is expected to increase at 9% per annum until 2030 in line with rapid economic growth by increase of GDP at over 6% per annum in Indonesia. In 2009, Indonesia had 30 gig watts (GW) of installed power generation capacity and national electrification ratio was 66% and Indonesia plans to achieve 55GW of installed power generation capacity and 91% of electrification ratio in The installed power generation capacity is expected to be required 100 GW in The faster growing of GHG emission over the last decade is due to the increase of coal power generation in Indonesia. The CO2 emission in power sector is expected to increase from 110 million ton per year in 2005 to 810 million ton per year in 2030 that will be higher than that of peat land devastation. The reduction of CO2 emission from coal power plant becomes important against global warming. Indonesia established the National Council of Climate Change (DNPI) in 2008 to combat global warning and the strategies proposed are follows. Work towards the implementation of a carbon tax/levy on fossil fuel combustion, in parallel with removal over time of energy subsidies. Couple this policy with access to international carbon markets, by negotiating a no-lose target with appropriate parameters. Introduce complementary measures to incentivize energy efficiency and deployment of low-emissions technology, exemplified by a specific geothermal policy strategy. 176

178 Support the creation of new, broad-based carbon market mechanisms like sectoral targets and crediting. Support new and additional sources of international public financing. Ensure adequate returns for Indonesia s emissions reductions. Strengthen capacity for climate policy analysis at the Ministry of Finance. Support policy coordination across government especially among the economics ministries; and advocate a review of the broader regulatory framework that relates to climate change policy. Table 4-1 Source and Amount of GHG emission in Indonesia (million ton-co2) Year Building Cement Oil&Gas Agriculture Transportation Power Forest Peat ,050 Total 2,051 2,534 3,259 2) Overview of Power Generation in Indonesia Total installed power generation capacity was 29,370MW and coal power capacity was 11,180MW of which share was 40% in Indonesian planned to build 10GW coal power plant (1 st Crash Program) in This program was not only for supplying power demand, but also avoiding costly oil fired power generation. At present PLN (state owned power company) is building 33 coal power plants and all construction work will be completed in Indonesia issued 2 nd crush program in January, 2010 for building additional 10GW power plant, consisting of LNG, Coal and Renewable. 2 nd crush program is planned to be completed until Additional 10,677MW consists of PLN s 6,415MW and IPP s 4,262MW and investment cost is calculated USD 7,605MM and USD8, 450MM respectively. Coal fired 4,294MW, geothermal 3,583MW, LNG 1,626MW and micro-hydro 1,174MW are to be build. Indonesia committed target 26% GHG reduction by 2020, Clean energy and high efficiency coal fired power plant will be key to fulfill the target. Table 4-2 and 4-3 show the installed, constructing and planning coal power plant of PLN and IPP in Indonesia. Table 4-2 Coal fired power plant of PNL 177

179 PLN Operation Construction Planning(~2014) Capacity Unit Capacity(MW) Unit No. Total(MW) UnitNo. Total(MW) Unit No. Total(MW) Total(MW) , , , ,400 2, ,050 1, ,260 2, ,200 < , ,657 Total 31 7, , ,847 Table 4-3 Coal fired power plant of IPP IPP Operation Construction Planning(~2019) Capacity Unit Capacity(MW) Unit No. Total(MW) Unit No. Total(MW) Unit No. Total(MW) Total(MW) 1, ,000 2, , , ,300 1, ,230 1, ,200 1,200 < , ,347 5,794 Total 7 4, , ,007 16,439 3) Overview of Coal Production in Indonesia Indonesian coal resources is billion ton and minable coal reserves is 21.1 billion ton in the end of Coal resources consist of 12% of bituminous coal (moisture under 20%, C.V. over 5,800kcal/kg), 67% of sub-bituminous coal (moisture 20-35%, C.V. 4,200-5,800kcal/kg) and 20% of lignite (moisture over 35%, C.V. under 4,200kcal/kg) is 20%. Total share of Low Rank Coal such as sub-bituminous and lignite is 87% of all coal deposit. In 2009, Indonesia became No. 6 coal producer in the world and No. 1 coal producer in Asia-Pacific area. Domestic coal demand is mainly made by 3 sectors, power, cement and other industries. The coal demand for power generation occupied 65% of total demand. The coal consumption of PLN in 2010 was 4.9million ton of bituminous, 27.7million ton of sub-bituminous and 8.2million ton of lignite. In the finishing year of 2 nd crush program, PLN s consumption of coal will achieve 8.8million ton of bituminous, 42.1million ton of sub-bituminous and 44.3million ton of lignite. Table 4-4 PNL coal fired plant consumption Calorific Value Expected Coal Consumption (million ton) Total (kcal/kg) , , , Total Source : PLN May,

180 Considering coal export as a way of the foreign currency revenue source, it is preferable that abundant and un-exportable low rank coal is to be used in domestically. In December 2009, in order to ensure coal supply to domestic market, Minister of Mines and Energy issued circular for Domestic Market Obligation (DMO). DMO 2011 is 78,970thousand ton the number is 24.2% total production domestically. In 2010, annual export amount from Indonesia reached 240million ton. The 1st destination of export is China, 2nd is India, 3rd is South Korea and Japan is 4th country. In April 2011, PLN requested Indonesian government to prohibit the export of low rank coal (under 4,200kcal/kg). In consequence, Indonesian government indicates willingness to go forth the regulation for export by Introducing STD to Power plant and drying low rank coal, it can be improved calorie and upgraded. This will allow switching to distinguish fuel use coal from export coal. Then STD contributes to fuel ensuring and export control for low rank coal. 5. Steam Tube Dryer (STD) for Indonesian low rank coal 1)STD for drying application test STD batch and continuous tests were executed at Tsukishima Kikai, for acquiring of STD application and scale-up data using A-Coal (Moisture content ; 31.6% and Calorific value ; 4,407kcal/kg(ar)) and B-Coal (Moisture content ; 43.6% and Calorific values ; 3,500kacl/kg(ar)) from Indonesia. Figure 5-1 shows the outline of the STD continuous test machine. 179

181 Steam PG PG TR TR Bag Filter TR Air Wet Coal Exhaust gas TI TI TI TI 3.1m 2 STD TR Dust TR Dried Coal Drain Figure 5-1 Flow sheet for of STD continuous test According to results of STD batch and continuous tests with A-Coal and B-Coal, it was confirmed that STD is highly applicable to dry for these low rank coals. As STD can dry them to approx. 5wt% against target moisture approx.10wt%, STD can achieve the appropriate drying speed without coal properties change after drying and adhesion of coal on tube and shell surfaces of STD. 2) Commercial plant and construction cost of STD The commercial plant of STD system is studies for No.2 unit (400MW), No.7 unit (600MW) and No.8 unit (625MW) of Sularaya power plant and No.1 unit (300MW) of Labuan power plant, based on drying test result. The process flow, layout drawing of STD system were shown as follows. Additionally, the required number of STD unit, utility condition/consumption and construction cost of STD were roughly estimated. Figure 5-2 shows the STD application flow for coal power plant. 180

182 Low Rank Coal Existing power plant flow Crusher Exhaust gas Bag Filter Air Exhaust combustion gas STD Figure 5-2 STD application flow for coal power plant Pulverizer Boiler Condenser Turbine Generator STD Drying system Carrier gas (Air) Low Pressure Steam Drain Coal Steam Carrier gas Exhaust gas Boiler feed water Drain Air Exhaust combustion gas Figure 5-2 STD application flow for coal power plant Existing coal moisture contents used for Suralaya power plant are 25.5% (Calorific value;5,025kca/kg(ar)) in No.2 unit (400MW) and 25.1% (Calorific value :5,096kcal/kg (ar)) in No.7 unit (600MW). Because No.8 unit (625MW) in Suralaya and the No.1 unit (300MkW) in Labuan use fuel coal as A-Coal, moisture content of A-Coal : 31.6% (Calorific value ;4,407kcal/kg(ar)) at drying test is representative value. In the future, the cheaper and higher moisture coal would be procured as fuel coal. Accordingly, B-Coal (43.6wt% Calorific value ;3,483kcal/kg(ar)) available for procurement and using drying test is adopted for fuel coal. Specification, the required unit number, the maintenance cost, and construction cost of STD were estimated by drying of coal moisture content; 10%. Table 5-1 shows these results. Table 5-1 Required STD unit numbers at each case. Coal Power Plant Unit No. Labuhan Unit1 Suralaya Unit2 Suralaya Unit7 Suralaya Unit8 Power Generation Capacity (MW) Drying (Coal Moisture %) Required STD Unit Number STD Construction Cost (US million $) STD Maintenance Cost (US million $/y) If the moisture content of coal is increased and/or the power plant capacity grows, the required number of STD unit will increase by evaporation volume rise. 6. Impacts of the STD system on plant performances (Process simulation by C-QUENS) Coal Quality Evaluation System (C-QUENS) is a process simulator for pulverized coal fired power plants that can estimate various plant performances such as the thermal efficiency, consumption power, and the combustion characteristics for any coals. For Suralaya power station and Labuhan power station, the plant performances with and without the STD system were predicted by the C-QUENS for some current coals used and B-Coal which will be used in feature. The numerous specifications of each power plant were inputted into the C-QUENS as boundary conditions, and new process lines for process steam of the STD system were added on the C-QUENS. The unit No.2, No.7, No.8 in Suralaya power station and the unit No.1 in Labuan power station were completely built in the C-QUENS, and effects of drying coal (moisture = 10%) were estimated. 181

183 1) Drying case of some current coals used Table 6-1 summarizes the results of effectiveness of the STD system for each power plant. When the STD system was added to power plants, it estimated that the thermal efficiency of the boiler was significantly increased due to the decrease of the amount of moisture generated from coal combustion. Therefore, the gross thermal efficiency was increased, while the coal feed rate and CO2 emission were decreased for all units as listed in Table 6-1. In the simulation, the necessary steam and electricity of the STD were precisely concerned in the simulation for each unit. If the STD system is installed to the power plant, drying coal having low moisture (10%) decreases auxiliary electricity of power plants such as mills power and fans power (PAF, FDF, and IDF). These electricity saving was just corresponded to the electricity consumption of the STD for all simulation cases. To reduce the necessary steam power of the STD, the efficiency heat recovery and exchange system were employed. In this system, the necessary bleeding steam from the low pressure turbine of the power plants can save in the range from 20% to 50%. All cases considered, an impact of boiler scales on the gross thermal efficiency was strong, for example, the largest power plant (Suralaya No.8 unit, 625 MW) has much advantage in the thermal efficiency, reduction of coal consumption, and CO2 emission. By the STD system installation, the improved gross thermal efficiency in Labuan No.1 unit (300MW, raw coal moisture = 31.6%), in Suralaya No.2 unit (400MW, raw coal moisture = 25.5%), in Suralaya No.7 unit (600MW, raw coal moisture = 25.1%), and in Suralaya No.8 unit (625MW, raw coal moisture = 31.6%) was 0.67, 0.15, 0.85, and 1.06 point, respectively. The improved point in Suralaya No.2 unit was lower than that of other units, because the original gross thermal efficiency in Suralaya No.2 unit was lower than that of other unit. In the case of annual operation 8,000 hours (333 days per year), the reduction of coal consumption in Labuan No.1 unit, in Suralaya No.2 unit, in Suralaya No.7 unit and in Suralaya No.8 unit was 24,800 ton, 5,600 ton, 47,200 ton and 72,000 ton, respectively. At once, the reduction of CO2 emission in Labuan No.1 unit, in Suralaya No.2 unit, in Suralaya No.7 unit and in Suralaya No.8 unit was 41,600 ton, 12,000 ton, 95,200 ton and 123,200 ton, respectively. In conclusion, installation of the STD system in power plants give advantages in the reduction of coal consumption, the improvement of gross thermal, and the reduction of CO2 emission. 182

184 Table 6-1 Impacts of the STD system installation to each power plant (for current coals used) Power Plant Unit No. Lahuhan Unit1 Suralaya Unit2 Suralaya Unit7 Suralaya Unit8 Capacity (MW) Coal Moisture(%) Dried Coal Moisture(%) Coal Calorific Value (Kcal/Kg) 4,407 5,799 5,025 6,066 5,096 6,122 4,407 5,799 STD's Effects Transmission End Efficiency (%) Generating Efficiency Up (Point) Coal Consumption (t/h) Coal Consumption Reduction (t/h) CO2 Emission (t/h) CO2 Emission Reduction (t/h) STD Operation Conditions Required STD Unit Number Required Steam Conditions Temperature( ) Pressure(MpaG) Quantity (t/h) x2-43.8x2 Returning Flocculated Water Temperature ( ) Pressure (MpaG) Flow (t/h) x2-43.8x2 Utilities Power (KW) x2-570x2 N2-Pressure 0.6MpaG-(Nm3/h) x2-350x2 Instrument Air -Press. 0.5MpaG-(Nm3/h) x2-180x2 Construction Cost (US$) - 21,700,000-21,600,000-41,300,000-42,600,000 Annual Maintenance Cost(US$/y) - 250, , , ,000 Economical Evaluation Annual Operation Hours 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 Annual Coal Consumption (t/y) 24,800 5,600 47,200 72,000 Annual CO2 Emission Reduction (t/y) 41,600 12,000 95, ,200 Coal Cost (CIF US$/t) CO2 Credit (US$/T) Annual Coal Consumption Reduction (US$/y) 1,816, ,184 3,693,872 5,272,560 Annual CO2 Credit Amount (US$/y) 1,248, ,000 2,856,000 0 Annual Benefit (US$/y) 3,064, ,184 6,549,872 5,272,560 Annual Operation Cost (US$/y) 450, , , ,000 Year of Depreciation ) Drying case of a high moisture content coal (B-Coal) It predicts that B-Coal having high moisture content will be used some coal fired power stations in near future. Therefore, the simulation was performed for B-Coal (moisture = 43.6%) under the same calculation conditions as the above simulations. Table 6-2 summarizes the simulation results for B-Coal which show great advantages in effective terms of plant characteristics. By the STD system installation, the improved gross thermal efficiency in Labuan No.1 unit (300MW), in Suralaya No.2 unit (400MW), in Suralaya No.7 unit (600MW), and in Suralaya No.8 unit (625MW) was 1.26, 0.90, 1.57, and 1.50 point, respectively. In the case of annual operation 8,000 hours (333 days per year), the reduction of coal consumption in Labuan No.1 unit, in Suralaya No.2 unit, in Suralaya No.7 unit and in Suralaya No.8 unit was 62,400 ton, 59,200 ton, 140,800 ton and 138,400 ton, respectively. At once, the reduction of CO2 emission in Labuan No.1 unit, in Suralaya No.2 unit, in Suralaya No.7 unit and in Suralaya No.8 unit was 86,400 ton, 80,800 ton, 193,600 ton and 190,400 ton, respectively. In these case studies, it found that the impacts of the STD were increased with an increase in moisture content in coals. 183

185 Table 6-1 Impacts of the STD system installation to each power plant (for high moisture content coal) Power Plant Unit No. Lahuhan Unit1 Suralaya Unit2 Suralaya Unit7 Suralaya Unit8 Capacity (MW) Coal Moisture(%) Dried Coal Moisture(%) Coal Calorific Value (Kcal/Kg) 3,483 5,558 3,483 5,558 3,483 5,558 3,483 5,558 STD's Effects Transmission End Efficiency (%) Generating Efficiency Up (Point) Coal Consumption (t/h) Coal Consumption Reduction (t/h) CO2 Emission (t/h) CO2 Emission Reduction (t/h) STD Operation Conditions Required STD Unit Number Required Steam Conditions Temperature( ) Pressure(MpaG) Quantity (t/h) X2-38.9X3-41.9X4-42.3X4 Returning Flocculated Water Temperature ( ) Pressure (MpaG) Flow (t/h) x2-38.9x3-41.9x4-42.3x4 Utilities Power (KW) - 580x2-320x3-520x4-550x4 N2-Pressure 0.6MpaG-(Nm3/h) 360x2 130x3 340x4 350x4 Instrument Air -Press. 0.5MpaG-(Nm3/h) 180x2 180x3 180x4 180x4 Construction Cost (US$) - 42,600,000-63,900,000-84,800,000-85,200,000 Annual Maintenance Cost(US$/y) - 500, ,000-1,000,000-1,000,000 Economical Evaluation Annual Operation Hours 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 Annual Coal Consumption (t/y) 62,400 59, , ,400 Annual CO2 Emission Reduction (t/y) 86,400 80, , ,400 Coal Cost (CIF US$/t) CO2 Credit (US$/T) Annual Coal Consumption Reduction (US$/y) 3,706,560 3,516,480 8,363,520 8,220,960 Annual CO2 Credit Amount (US$/y) Annual Benefit (US$/y) 3,706,560 3,516,480 8,363,520 8,220,960 Annual Operation Cost (US$/y) 700, ,000 1,200,000 1,200,000 Year of Depreciation Figure 6-1 depicts relation between electricity generation of the power plants and the reduction of CO2 emission as a parameter of moisture content in a coal for Labuan power plant. Where, moisture content after drying was assumed 10% in the simulation. It found that an increase in electricity generation and moisture content were decreased the amount of CO2 emission. 184

186 300,000 Annual CO2 Reduction (t/y) 250, , , ,000 50, Coal Moisture 44% Coal Moisture 32% Coal Moisture 26% Coal Power Plant (MW) Fig. 6-1 Effect of boiler scale and moisture content on the reduction of CO2 emission by the STD system installation. 7. Economic Evaluation This evaluation has been made for No.2 unit (400MW), No.7 unit (600MW) and No.8 unit (625MW) of Suralaya and No.1 unit (300MW) of Labuhan respectively. Table 7-1 and 7-2 show assumptions of each case. Those tables contain annual reductions of coal purchase cost and depreciation period of STD. Power Plant Unit No. Capacity (MW) Coal Moisture (%) STD Unit Number STD Cost(US$) Table 7-1 Economic overview of Labuhan No.1 unit and Suralaya No.2 unit Labuhan Unit Suralaya Unit ,700,000 42,600,000 21,600,000 63,900,000 CO2 Credit(US$/t) Depreciation Years Table 7-2 Economic overview of Suralaya No.7 unit and No.8 unit Power Plant Unit No. Suralaya Unit7 Suralaya Unit8 Capacity (MW) Coal Moisture (%) STD Unit Number STD Cost(US$) 41,300,000 84,800,000 42,600,000 85,200,000 CO2 Credit(US$/t) Depreciation Years Moisture content 25.5% and 400MW capacity case is economically insufficient. Therefore, Table 7-4 and 7-5 shows the recalculation results by using the initial condition as Table

187 Table 7-3 Precondition for Economical Evaluation JBIC Loan/Own Fund 85/15 JBIC Loan Interest (%/y) 1.9 Construction Period 2 years Project Period including construction 17 years Deprasiation (Year) Constant Persentage Method (15) Termianl Value(%) Currency Exchange US$1=\80 Table 7-4 Economic evaluation results of Labuhan No.1 unit and Suralaya No.2 unit Coal Power Unit Labuhan Unit1 Suralaya Unit2 Power Capacity(MW) Drying (Coal Moisture %) Coal Cost (CIF US$/t) CO2 Credit (US$/t) IRR (%) 10 years after operation yeard after operation Table 7-5 Economic evaluation results of Suralaya No.7 unit and No.8 unit Coal Power Unit Suralaya Unit7 Suralaya Unit8 Power Capacity(MW) Drying (Coal Moisture %) Coal Cost (CIF US$/t) CO2 Credit (US$/t) IRR (%) 10 years after operation yeard after operation *300MW at 15th year; IRR 9.7% (coal: moisture content 31.6% and purchase cost US$73.23/t, CO2 credit price: US$30/t) IRR 10.6% (coal: moisture content 44% and purchase cost US$59.4/t, CO2 credit price: US$30/t) *400MW at 15th year; IRR 8.7% (coal: moisture content 43.6% and purchase cost US$59.4/t, CO2 credit price: US$30/t) *600MW at 15th year; IRR 6.3% (coal: moisture content 25% and purchase cost US$78.26/t, CO2 credit price: US$20/t) IRR 9.2% (coal: moisture content 25% and purchase cost US$78.26/t, CO2 credit price: US$30/t) IRR 10.1% (coal: moisture content 43.6% and purchase cost US$59.4/t, CO2 credit price: US$20/t) IRR 13.0% (coal: moisture content 43.6% and purchase cost US$59.4/t, CO2 credit price: US$30/t). *625MW at 15th year; IRR 8.5% (coal: moisture content 31.6% and purchase cost US$73.23/t, CO2 credit price: US$10/t) IRR 12% (coal: moisture content 31.6% and purchase cost US$73.23/t, CO2 credit price: US$20/t) IRR 15.3% (coal: moisture content 31.6% and purchase cost US$73.23/t, CO2 credit price: US$20/t) 186

188 The IRR reaches 12% only if the case of CO2 credit price is US$30/t, 44% moisture content and US$59.4/t purchase cost. The result indicated that higher moisture content 43.6% case is lower IRR than 31.6% moisture content due to a lot of STD facilities. In order to be performable facility, a high moisture content coal needed to be dried less than 10% moisture content and reduce a coal purchase cost. In US$20-30/t CO2 credit price case, IRR is grater than 10% and STD s contribution to the power plant performance is significant. By this result, an introduction of STD for low rank coal is required to be optimized economical calculation, because of difference of power plant availability factor, efficiency and number of STD. Assuming the coal moisture content is 32%, 44% and 10%, table 7-6 and 7-7 show the estimation of maximum number of STD and annual CO2 reduction for the PNL and IPP coal fired power plant which will be under operation by Table 7-6 Estimation of maximum number of STD and annual CO2 reduction for PNL coal fired power plant PLN(~2014 年 ) Annual CO2 Reduction (ton) STD Unit Capacity(MW) Unit No. Total Capacity(MW) Coal Moisture 32 10% Coal Moisture 44 10% Unit No , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,140 8 Total 30 12,190 2,028,554 3,576, Note: in the case of annual operation 7,920 hours (330 days) Table 7-7 Estimation of maximum number of STD and annual CO2 reduction for IPP coal fired power plant IPP(~2019 年 ) Annual CO2 Reduction (ton) STD Unit Capacity(MW) Unit No. Total Capacity(MW) Coal Moisture 32 10% Coal Moisture 44 10% Unit No. 1, , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,140 8 Total 18 10,645 2,045,219 3,201, Note: in the case of annual operation 7,920 hours (330 days) In the case of 10% dried coal from 32% moisture content, estimated CO2 reduction is 2,020kton of PLN, 2,040kton of IPP and 4,060kton of total. Annual CO2 credit revenue is 40,600 thousand US$ with CO2 credit 10US$/t and 121,800 thousand US$ with CO2 credit 30US$/t. In the case of 10% dried coal from 44% moisture content, estimated CO2 reduction is 3,570kton of PNL, 3,200kton of IPP and 6,770kton of total. Annual CO2 credit revenue is 67,700 thousand US$ with CO2 credit 10US$/t and 231,000 thousand US$ with CO2 credit 30US$/t. Maximum number of STD is 155 and total project cost is 3,300 million US$. The cost down of STD by manufacturing STD in Indonesia will reduce investment cost and this will accelerate the introduction of STD. 8. Finance Scheme This project requires import of equipment and technologies from Japan therefore JBIC s finance is considerable. Most likely supplier s Credit will be extended. 187

189 Export Implementation Exporter (Japanese) Importer Project of STD introduction Export Finance JBIC Loan Foreign Financial Institute Figure 8-1 JBIC Supplier s Credit The loan conditions will be decided under the OECD guideline In principle, maximum credit amount is 60% of the total project cost and interest rate is fixed based on the CIRR and repayment period. New finance scheme, in order to expedite bilateral offset credit, is desired to be introduced. Offset credit with off-take agreement made between the project owner and Japanese government will be a security for the loan and the offset credit will be sold to Japanese market by the government. Also new finance scheme will allow the lender to make a repayment in kind (repayment by offset credit ).The ECA finance is support for the export from Japan but this new finance scheme has the potential to create export as it is, as well. Figure 8-2 2Draft scheme of Bilateral Carbon Offset Mechanism 188

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社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加 私たちの社会的責任 宣言 ~ 協働の力 で新しい公共を実現する~ 平成 22 年 5 月 12 日社会的責任に関する円卓会議 社会的責任に関する円卓会議 ( 以下 本円卓会議 という ) は 経済 社会 文化 生活など 様々な分野における多様な担い手が対等 平等に意見交換し 政府だけでは解決できない諸課題を 協働の力 で解決するための道筋を見出していく会議体として 平成 21 年 3 月に設立されました

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