発行市場における引受証券会社の責任
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- つづる いさやま
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1 発行開示における引受証券会社の責任 平成 18 年度修了筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻学籍番号 戸本幸亮
2 目次 第 1 章問題の所在第 1 節近時の企業開示における問題 1. 近時の不実開示事件 2. 金融庁 日本証券業協会及び証券取引等監視委員会の対応第 2 節引受証券会社の証券取引法上の責任に係る問題点 1. 証券取引法 21 条 2. 証券取引法 21 条の変遷 3. 引受証券会社に不実開示に係る民事責任を課す理由 4. 注意義務の程度が不明確であることによる問題 捕論 課徴金制度と民事責任との関係 第 3 節検討の方法と検討課題 第 2 章米国における民事責任規定と裁判例 SEC Rule の概観第 1 節 1933 年証券法 11 条第 2 節裁判例 BarChris 判決第 3 節 SEC 規則 1.Rule Aircraft Carrier Release 第 3 章論点の検討第 1 節有価証券届出書に記載された監査証明が付された財務情報以外の記載事項について必要とされる注意義務の基準第 2 節有価証券届出書に記載された監査証明が付された財務情報について必要とされる注意義務の基準第 3 節有価証券届出書に記載された 監査証明が付されていないもののコンフォート レターによりカバーされている財務情報について必要とされる注意義務の基準第 4 節主幹事引受証券会社とその他の引受証券の責任の相違 2
3 第 5 節その他の論点 1. デュー ディリジェンスにおける証券アナリストの利用とチャイニーズ ウォールとの関係 2. 発行登録制度を利用した募集における時間的制約下での必要とされる注意義務補論ゲートキーパーが機能しない局面についての Coffee 教授の分析 総括 3
4 第 1 章問題の所在 第 1 節近時の企業開示における問題 1. 近時の不実開示事件 近年 粉飾決算に代表される 企業の不実開示事件が多く発覚し問題となっている 会社規模や知名度が大きく新聞紙上等で特に大きく取り上げられた事件では西武鉄道不実開示事件 1 カネボウ粉飾決算事件 2 3 日興コーディアルグループ粉飾決算事件等があるが 東京証券取引所マザーズ市場 大阪証券取引所ヘラクレス市場 名古屋証券取引所セントレックス市場等の所謂 新興市場においても株式上場直後に不実開示を含む不祥事が明らかになる事例も相次いでいる 4 企業の不実開示は典型的には当該企業の株主に代表される投 1 参考 東京証券取引所における当社株式の上場廃止 監査法人の起用ならびに JASDAQ 市場への上場準備についてのお知らせ 2004 年 11 月 16 日 参考 訴訟の提起に関するお知らせ 2005 年 10 月 17 日 2 参考 経営浄化委員会の調査結果について 2004 年 10 月 28 日 3 参考 : 証券取引等監視委員会 株式会社日興コーディアルグループに係る発行登録追補書類の虚偽記載に係る課徴金納付命令の勧告について 2006 年 12 月 18 日 4 新規公開に関連して新聞報道等で指摘された問題として参考金融庁 証券会社の市場仲介機能等に関する懇談会第二回会合資料 別紙 3 A 社 a 証券が 内部管理体制に不備があるので上場を延期しましょう と提案したが A 社は数ヶ月後に他の証券取引所への上場に向けて新たな主幹事を募集したところ 5 社が手を上げたとの報道 現在 上場申請のための作業中 B 社 B 社は 平成 15 年 3 月に上場したが 経営陣の内紛などで社長が 5 度も交代した その後平成 17 年 6 月に破産により上場廃止 ( 破産手続きの開始決定 ) C 社 中古マンション販売を手がける C 社は 社長が道路交通法違反で執行猶予処分を受けたことにより 業務を行う上で必要な宅地建物取引業免許の取消し事由に該当したため 主力業務が行えない状況となっていたが 引受け審査を行った c 証券はその事実を確認できず D 社 D 社は 上場後僅か 3 ヶ月で予想経常損益の赤字転落を発表 株価は最盛期の半値近くで低迷しているとの報道 F 社 上場初日に初値がつかず 公募価格を大きく割り込む売気配で終了 f 証券会社が初の主幹事を務めたが 当社の上場について証券アナリストの間では 4
5 資者に損害を及ぼすものであるため 金融庁や取引所が中心となり 企業による不実開示を防ぐべく 関係法令や 日本証券業協会規則 証券取引所規則等の改正が進められているところである 上述の状況下で 特に新興市場における不実開示問題の一つの要因として 近時 引受証券会社の引受審査機能 5 に問題が生じているのではないかという指摘がなされている 6 従 公募価格が会社の実勢や発行株数 役職員に対して交付されているストックオプションを考慮すると 公募価格が高すぎるし 上場できる段階にはないとの懐疑的な見方が支配的であったとの報道 G 社 上場直後に 100% 子会社の投資会社を設立する旨を発表したが 上場申請に際して東証や引受証券会社に提出した資料及び投資家向けの法定開示書類である有価証券届出書には投資会社を作る計画について明記されず 主幹事証券会社であった g 証券は 上場直後なのに 未経験で利益が上がるかどうかはっきりしない投資事業に 投資家から集めた資金を使うのは問題で 事前に知っていれば主幹事を断っていた として抗議したが 受け入れられなかったとの報道 H 社 上場のための公募 売出しの募集期間の最終日に 決算の内容が固まったとして 訂正届出書及び訂正目論見書を提出 5 証券取引法上 有価証券の引受けとは次のように定義されている 1 当該有価証券を取得させることを目的として 当該有価証券の全部または一部を発行者または所有者 ( 証券会社および登録金融機関を除く ) から取得することまたは 2 当該有価証券の全部または一部につき 他にこれを取得する者がいない場合に その残部を発行者または所有者から取得することを内容とする契約をすること ( 証券取引法 29 条 3 項 ) また引受人とは次のように定義されている 有価証券の募集もしくは売出しまたは私募に際し 1 当該有価証券を取得させることを目的として 当該有価証券の全部または一部を取得すること または 2 当該有価証券の全部または一部につき 他にこれを取得する者がいない場合 その残部を取得することを内容とする契約をすることのいずれかを行う者 ( 証券取引法 2 条 6 項 ) 本稿においては 引受審査 と デュー ディリジェンス (due diligence) をほぼ同義に用いる 引受審査 とはいかなるものかについては日本証券業協会が定めた 有価証券の引受審査に関する事務処理指針 ( 平成 4 年 8 月 13 日 ) においては 4 条にて以下のように定められている 引受審査とは 協会員 ( 証券会社等のこと : 筆者注 ) が有価証券の引受けを行うに際して 当該引受けの適否を判断するために行う審査をいうものとし 具体的には次に掲げるものをいう 1 開示審査 有価証券の引受けに際し 引受けの対象となる有価証券の発行者が証券取引法の規定にしたがい 有価証券届出書 発行登録書等において 資金使途 企業の内容等を適切に投資者に開示しているか否かの審査をいう 2 企業内容審査 有価証券の引受けに際し 引受けの対象となる有価証券の発行者の財務内容 資金使途 業績見通し等を調査 検討のうえ 総合的に判断して引受けを行うに当たって支障となるものはないか否かの審査をいう 5
6 来 有価証券の引受業務は大手証券会社 準大手証券会社に寡占されていたところ ベンチャー企業育成とベンチャー企業のための新興市場育成の観点から 多くの証券会社が引受業務に参入することが政策的な課題とされ 7 幾つかの新興証券会社が新規株式公開(IPO) の引受主幹事業務に参入している ところがこれらの新規参入した引受証券会社が新規株式公開に際しての引受主幹事を務めた新規公開企業の中で 上場直後に不実開示を含む不祥事が起こる事例が相次いだため 新規株式公開に際して審査を行う引受証券会社の責任が関心を集め始めた 2. 金融庁 日本証券業協会及び証券取引等監視委員会の対応 金融庁は平成 18 年 3 月から 証券会社の市場仲介機能等に関する懇談会 を開催し 発行会社に対する証券会社のチェック機能の発揮に関する様々な論点について検討を行った 同年 6 月 30 日に発表された論点整理の中では 近年の発行市場に見られる問題として 1 新興企業向け市場等に上場して間もない企業の一部に財務内容や経営状況等に問題がある事例が生じている 2 元引受け業務を行う証券会社が増加する中で 証券会社の引受審査能力に格差が生じている 3 条件設定次第では 希薄化により既存株主の利益を損なう可能性のあるエクイティ関連の私募 (MSCB 等 ) が増加している と指摘し 証券会社における有価証券の引受け等の審査を強化すべきとの観点から 審査項目 内容の見直し 審査 6 日本経済新聞 2006 年 9 月 2 日 試練の新興株市場問われる審査の質 14 面金融財政事情 2006 年 6 月 26 日 甘い引受審査はなくなるのか? 業界統一ルールづくりの行方 6-7 頁日経金融新聞 2004 年 10 月 22 日 引受中小証券に課題 1 面 7 経済産業省 ベンチャー企業のディスクロージャー機能のあり方に関する研究会報告書 (2001)16 頁 上場審査プロセスでの実質的審査の主体としての証券会社の役割は極めて重いものとなり 一方で 証券市場活性化のための資金仲介機能の向上も求められることから 引受 審査機能がより一層多様化 高度化していくことが望ましい ベンチャー企業の証券に対する引受機能が多様化 高度化されるためには 引受責任の分散化を図ることが効果的である このためには 企業による自主的情報開示の実施 ( その結果として ) 自己責任原則の徹底による投資家のリスクシェアリングや さらには会計士 弁護士のサポート機能によるリスク軽減が進展する必要がある このような環境変化のもとで 特色ある引受審査 引受機能が企業ブランドとして証券会社毎に構築され 横並び的審査 引受から脱却していくことが望まれる 現状でもこうした動きは既に生じている面もあるが ベンチャー企業の資金調達が多様化し効率化する観点では極めて重要である したがって このような動きが 企業や投資家による引受業者の選別を通じてレピュテーション ( 評判 ) の競争により加速化していくことが望まれる 6
7 体制の強化等に向けた諸施策について 日本証券業協会に検討を要請している 8 それを受けて日本証券業協会では平成 18 年 4 月 17 日に 会員における引受審査のあり方等に関するワーキング グループ を設置し さらにその下部機関として 新規公開における引受審査のあり方に関する分科会 (IPO 分科会 ) 上場会社の公募増資等における引受審査のあり方に関する分科会 (PO 分科会 ) MSCBの取扱いに関する分科会 (MSCB 分科会 ) の3つの分科会を設置し 検討を始め 有価証券の引受け等に関する規則( 公正慣習規則第 14 号 ) や 有価証券の引受審査手続きに関する事務処理指針 の見直しを進め 平成 19 年 2 月 22 日 会員における引受審査のあり方 MSCBの取扱いのあり方等について - 会員における引受審査のあり方等に関するワーキング グループ最終報告 - を発表し た 10 8 金融庁 証券会社の市場仲介機能に関する懇談会論点整理 (2006) 日本証券業協会 会員における引受審査のあり方 MSCB の取扱いのあり方等について- 会員における引受審査のあり方等に関するワーキング グループ最終報告 Hhttp:// ところで 新聞記事 金融庁 日本証券業協会の論調は 上場直後の企業不祥事の理由は新規参入の引受証券会社の引受審査の質が低いことにあるとの論調であるが これは要因の一つであるものの 他にも大きな要因はあると考えられる 他の要因がある理由としてのまず第一に 上場直後の会社の不祥事は大手証券会社が引受主幹事を務めた事例でも起こっている 第二に 企業としての成熟度が低いベンチャー企業に対して早い段階から資本市場からの資金を供給しようというのは経済産業省等が主導した政策であるが ベンチャー企業の事業計画の達成可能性の判断が困難であったり しばしば内部管理体制に欠陥があったりすることは従前から指摘されていたことであり その点につき充分に検討することなく政策を実施し 問題が顕在化するに至って引受証券会社の引受審査に問題があると安易に指摘しているだけのように思われる 米国でもベンチャー企業についてのデュー ディリジェンスの難しさは指摘されている Charles J.Johnson, Corporate Finance & The Securities Laws, Third Edition, , ASPEN (2004) 1998 年から 2000 年までのインターネット バブルの間に 新規発行への投資家の要求とハイテク分野やインターネット分野の IPO(high-tech or Internet IPO) に係る投資銀行間の激しい競争によって デュー ディリジェンスは幾らか締め出されていた 次いで しばしば そのような発行者は事業の歴史が短いもしくはほとんどなくビジネスプランの実態はテストされず 有意な売上や利益がなく 伝統的なデュー ディリジェンスのプロセスを困難にしていた at 321 SEC は新しいハイリスクのベンチャー企業について要求されるデュー ディリジェンスの水準は特に高いと引受人に警告していた SEC は一貫性がありかつ徹底的な引受人の調査は 発展段階やハイテクノロジーのプロダクツやプロセスを扱う企業の IPO にお 7
8 また 平成 19 年 2 月 16 日に証券取引等監視委員会は 証券会社について行った結果 1 主幹事会社が 新規上場 公募増資を予定している発行体の業績の見通しについて適切な審査を行っていないものと認められる事例 2 主幹事会社が 上場会社による公募増資において発行体の財政状態 経営成績について何ら引受審査を行っていない事例が認められた として 株券等の募集 売出しに際して引受けを行おうとする証券会社には 発行体の財政状態 経営成績 業績の見通し等の厳正な審査を通じて 投資者が当該募集 売出しについて適切な投資判断をなし得る状況を確保するとともに 投資者が不測の損害を被ることを未然に防止する役割が期待されているところ 証券会社がこのような引受審査を適切かつ十分に実施することが確保されるよう 適切な措置を講じる必要がある との建議を金融庁長官に対して行った 11 いて特に重要である と述べた これは 1972 年のことである! 11 証券取引等監視委員会 金融庁設置法第 21 条の規定に基づく建議について 平成 19 年 2 月 16 日 この他 証券取引等監視委員会は平成 19 年 3 月 23 日に エイチ エス証券が IPO に際して著しく不適当な引受価額で引受けを行ったとして勧告を行っている 不実開示に係る事案ではないが 引受業務の潜在的な利益相反が顕在化したものと考えられ 引受証券会社の責任を考える上で示唆的な事案といえよう 8
9 第 2 節引受証券会社の証券取引法上の責任に係る問題点 1. 証券取引法 21 条 不実開示に係る証券取引法上の引受証券会社の責任については 有価証券の発行開示に係る責任として証券取引法 21 条に規定されている 12 証券取引法 21 条は 有価証券届出書において重要な事項について虚偽の記載があり または記載すべき重要な事項もしくは誤解を生じさせないために必要な重要事実の記載が欠けている場合に 引受証券会社は有価証券の取得者に対して有価証券届出書の虚偽記載による損害を発行会社役員等と連帯して賠償する責任を負う旨を規定している 13 ただし 有価証券届出書に虚偽記載等が含まれていた場合の引受証券会社の責任は無過失責任ではなく過失責任とされており 公認会計士又は監査法人 ( 以下 監査人 とする ) の監査証明に係る財務書類 ( 以下 監査済み財務情報 とする ) 中の虚偽記載については それを知らなかったこと 監査済み財務情報以外の部分の虚偽記載については それを知らずかつ相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかったことを証明するときは上述の損害賠償責任を免れるとされている ( デュー ディリジェンスの抗弁 ) 引受証券会社に要求される注意義務の相当性の基準 (due diligence standard 以下 注意義務の相当性の基準 ) については法文上明らかにされていないため裁判例によって明ら 12 発行開示の不実記載に係る引受証券会社の民事責任を追及する際の根拠条文には証券取引法 21 条の他に 証券取引法 17 条 ( 不実の目論見書等の使用者の賠償責任 ) 民法 709 条 ( 不法行為 ) がある しかし 証券取引法 17 条が潜在的被告とする 目論見書の使用者 には目論見書等の記載内容についてデュー ディリジェンスを行わない 単なる証券仲介業者も含まれること 民法 709 条 ( 不法行為 ) は特別法である証券取引法が特段の規定をおいていない事項について争う場合に用いられるが 筆者の問題とする引受証券会社に要求される 相当な注意 の内容について検討するという観点からは別個に論じる必要は乏しいとの判断により証券取引法 21 条の責任を中心に考察を進めることとする ただし 監査人により監査証明が付された財務情報の不実開示に係る引受証券会社の責任を考えるにあたっては証券取引法 17 条との関係が重要となるため その限りで証券取引法 17 条についても検討する 13 有価証券届出書の記載事項は 企業内容等の開示に関する内閣府令 に定められているが 記載すべき事項は 過去や現在の発生事実のみならず 投資家の投資判断に影響を及ぼすような潜在的なリスクや将来情報等についても記載することが要求される そのため法令違反等の企業不祥事についてはその発生が想定でき また投資家にとって重要な情報にあたると考えられるものであれば有価証券届出書に記載する義務があったということができ 多くの企業不祥事について有価証券届出書等の不実開示の問題としてとらえることができる 9
10 かにされるべきものであろうが 14 これまで公表された裁判例において引受証券会社の払うべき注意義務の相当性の基準を明らかにした裁判例はない ( 提訴例は散見されるが 注意義務の相当性の基準について判決が示されるには至っていない ) 15 日本証券業協会は引受業務に係る規則 指針として 有価証券の引受け等に関する規則 - 公正慣習規則第 14 号 ( 平成 4 年 5 月 13 日 ) 有価証券の引受審査手続きに関する事務処理指針 ( 平成 4 年 8 月 13 日 ) を定めているが デュー ディリジェンスの対象とすべき項目や大まかな手続きを定めるのみであり 具体的な注意義務の相当性の基準を明らかにするものではない これまでに証券取引法違反行為に対する民事手続きを通じた責任追及がほとんど行われていない理由として 1そもそも不実開示などの違反行為が発見されにくいことに加え 2 原告による損害額の立証 とりわけ不実開示と因果関係のある損害およびその額の立証が困難であること 3 日本にはクラスアクション制度 16 がないことが指摘されている 17 しかし こうした状況は変わりつつあると考える まず第一に 平成 16 年証券取引法改正により証券取引法 21 条の 2 が新設され 不実開示等により損失を被った投資家によって立証することが困難であった損害額について 一定の要件の下で損害額及び因果関係を推定するとした規定が設けられたためである これにより 損害を受けた証券取引法 21 条に基づき民事責任を追及することが容易となると考える 第二に 同じく平成 16 年証券取引法改正により有価証券の新規発行時の開示書類の虚偽記載についての課徴金制度が導入されたことが挙げられる 課徴金制度自体は 行政処分であり 直接には 21 条の民事責任とは無関係であるが 課徴金賦課の手続きの中で証券取引等監視委員会と金融庁により不実開示の事実と役員等の過失が立証され また発行会社 14 ゲートキーパーとして引受証券会社と近い役割にある監査人が監査に際して要求される 正当な注意 とは 抽象的には 監査の専門家として当然に払うべき注意義務のことを意味し 民法で規定されている 善良な管理者の注意 ( 民法 644 条 ) に相当するもの もしくはそれよりやや高い程度の注意義務を指すとされている 監査人については公認会計士協会が発する監査基準委員会報告等がその基準をある程度具体化しているといえる 15 三井秀範編著 課徴金制度と民事賠償責任 金融財政事情研究会 (2005)31 頁 16 原告または被告たりうる利害関係者がクラス代表者として名乗り出て 自分自身のためだけでなく あらかじめ確定される他の利害関係者のためにも 当事者として訴訟追行をし その結果としての判決 和解等の効果が有利不利にかかわらず全てのクラス構成員に及ぶこととなる訴訟形態 アメリカでは 多数の消費者や投資家の権利をまとめてクラス代表者が訴訟をすることを認めるクラスアクションが発達し 制度化されている ( 連邦民事訴訟規則第 23 条等 ) 17 三井秀範編著 課徴金制度と民事賠償責任 金融財政事情研究会 (2005)31 頁 10
11 等がその事実について認否を明らかにするということが行われれば 損害を被った投資者は不実開示の事実と役員等の過失を立証することが容易になるために 21 条に基づいて民事責任を追及することは容易になる ( 課徴金制度と民事責任の関係については 補論課徴金制度と民事責任との関係 にて後述 ) 平成 15 年民事訴訟改正で導入された訴え提起前における証拠収集制度 ( 民事訴訟法 132 条の2 等 ) や専門委員制度 ( 民事訴訟法 92 条の 2 等 ) なども立証負担の軽減に資する可能性がある 18 第三に クラスアクション制度の導入はなされなくとも 我が国も訴訟という手段が以前と比して盛んに用いられるようになってきているということがいえる 例えば 消費者契約法の施行後 これまで訴訟が提起されていなかった事案 ( 例えば 学納金返還訴訟等 ) についても波及的に訴訟が提起されている等の事実からは 証券取引法 21 条に基づく民事訴訟が提起されない理由はクラスアクション制度がないという理由だけではなく 損害を被った投資家側が損害賠償請求を起こしえる事案であるという認識を欠いていたことの方がむしろ大きな要因であるようにも思われる 近時においてはライブドア粉飾決算事件に係り インターネットを介して弁護士事務所が損害を被った投資家を集めることによる訴訟が既に提起されており 19 こうした動きが広がっていけば自ずと証券取引法 21 条を利用した訴訟事例が増えてくるのではないかと考える 2. 証券取引法 21 条の変遷 我が国の証券取引法は米国の証券規制の多くを継受しており 発行会社役員 監査人 引受証券会社の民事責任について規定した証券取引法 21 条も米国証券規制を継受したものであるが 引受証券会社の民事責任規定は証券取引法制定当初から現在まで幾度かの変遷を遂げている 1948 年に米国の占領下で制定された証券取引法は 当初は損害賠償責任を負う潜在的被告について米国の 1933 年証券法 11 条 (a) とほぼ同様の規定が設けられていた 20 しかし 18 三井秀範編著 課徴金制度と民事賠償責任 金融財政事情研究会 (2005)31 頁 19 ITJ 法律事務所が提起した集団訴訟 20 米国 1933 年証券法 11 条 (a) 登録届出書の効力が発生している部分について 重要事項に関し事実と異なる記載が行われ または登録届出書に記載しなければならない重要な事項もしくはその記載について誤解を避けるため必要な重要事項について記載が省略されている場合には 当該証券を取得した者は ( その取得に際し その者が事実と異なることまたは省略されているこ 11
12 1953 年証券取引法改正の際に1この規定が働いた事例がない 2 発行会社役員の責任追及については商法 266 条の 3( 取締役の第三者に対する責任 ) があることを理由として 発行会社のみを責任主体とすることに改められた 21 その後 幾つかの粉飾決算に伴う大型の企業倒産事件が相次いで起こったこと等を受け 1971 年証券取引法改正の際に取締役 監査役 監査法人と同じく引受証券会社の不実開示に係る民事責任についても法 21 条に再度規定が設けられた 22 尚 1971 年の証券取引法改正を受けて 翌 1972 年には野村證券を初めとする証券大手 4 社は引受部から独立した引受審査部を設置するなどの対応をとっている 引受証券会社に不実開示に係る民事責任を課す理由 引受証券会社を含め 発行会社の役員および監査人に不実開示に係る民事責任を課す理 とを知っていたことが明らかにされない限り ) 普通法または衡平法により 適法な管轄権を有する裁判書において次の各号に掲げる者に対し訴訟を提起することができる (1) 登録届出書に署名したすべての者 (2) 登録届出書の責任を問われている部分が提出されたときにおいて 発行者の取締役 ( もしくは類似の職務を行なう者 ) またはパートナーであった全ての者 (3) 登録届出書に取締役 これと類似の職務を行う者もしくはパートナーとしてまたはこれらの地位に就くことを予定されている者として 本人の同意を得て その氏名を記載されたすべての者 (4) すべての会計士 技術士 鑑定人その他職務上自己の記載に対して権威を与えることができる者であって その者によって作成または証明されたとされている登録届出書中の記載 報告書または評価書に関し 当該登録届出書の部分を作成もしくは証明した者として または当該登録届出書に関連して用いられる報告書若しくは評価書を作成もしくは証明した者として その氏名が本人の同意を得て記載されている者 (5) 当該証券に関するすべての引受人当該証券の取得者が 登録届出書の効力発生日以後に始まる最低 12 ヶ月間の損益計算書が発行者によりその証券の所有者の全般に利用できるようにされたのちに 当該証券を取得した場合には 本項にもとづく損害回復権を行使するためにはその者が登録届出書中の事実と異なる記載を信頼しまたは登録届出書を信頼してその省略が行なわれていることを知らずに当該証券を取得したという立証が行なわれなければならない ただし 前段の信頼は 登録届出書を閲覧したことについての証拠がなくても確立されることができる : 外国証券関係法令集アメリカⅠ( 改訂版 ) 日本証券経済研究所(1990) 21 神崎克郎 有価証券届出書の虚偽記載による民事責任 商事法務研究 543 号 (1970) 13 頁 22 奥村光夫 企業内容開示制度の改正について 商事法務研究 555 号 (1971)17 頁改正当時の議論について座談会 証券取引法の改正について 4 インベストメント 24 巻 5 号 (1971)49 頁 23 金子雄美 引受審査とコンフォート レター証券会社の立場から 商事法務 717 号 (1975)750 頁 12
13 由としては 民事責任の損害填補機能と違法行為抑止機能を期待してのことであるといわれている 証券取引法のような経済法においては特に違法行為抑止機能が重要であると言われている 24 違法行為抑止機能としては不実開示に係る刑事責任規定も設けられているが 刑事責任を民事責任と比較しての相違点は 1 刑事罰は 既に犯罪に手を染めてしまった者にとって そこから引き返すインセンティブを与えることができない 2 刑事責任の効果を高めるために罰則を引き上げると 犯罪者を犯罪から引き戻せる時点が早く到来してしまい 却って犯罪者を追い込む結果となってしまう 3 刑事制裁は原則として故意犯のみを対象としているため善意の者は処罰の対象とならないが 民事責任は過失責任が原則であり 過失がなければ責任を負わないので 民事責任を課すことにより 行為者に注意を払わせ 違法行為を抑止することができる といったことが指摘されている 25 次に 引受証券会社の責任が規定された理由として 1 引受証券会社は有価証券の募集 売出しにおいて 中心的地位を占め 有価証券を発行者または売出人から直接に買付 これらの者に手取金を直接に手渡す立場に立っており 有価証券の引受から高い割合の手数料利益を得るとともに引受危険を最小限にするために発行者の営業 財産状態を調査する動機を有し またその能力をもっていること 2 募集 売出し有価証券取得の決定にあたり投資者は引受証券会社の評判に信頼するのであって このような有価証券の募集 売出しにおいて重要な役割を果たす引受証券会社が有価証券届出書の虚偽記載について損害賠償責任を負うことは 投資者保護のために必要とされる ということが挙げられている 26 これはゲートキーパーとしての証券会社の機能に法的責任を付したものといえよう ( ゲートキーパー 24 黒沼悦郎 ディスクロージャーの実効性確保 金融研究 25 巻 3 号 (2006)71 頁 25 黒沼悦郎 ディスクロージャーの実効性確保 金融研究 25 巻 3 号 (2006)71 頁座談会 日米証券取引法の改正の方向 商事法務研究 542 号 (1970)12-14 頁 [ 矢沢 竹内発言 ] 26 神崎克郎 有価証券届出書の虚偽記載による民事責任 商事法務 543 号 (1970)14 頁また 同旨を述べる米国判例として Chris-Craft Industries,Inc.v.Piper Aircraft Corp.480F.2d341(1973) 自主規制は連邦証券法の要である 私たちの自主規制システムにおいて 証券発行における単特の参加者のうち引受人ほど大きな信頼を置かれている者はいない 引受人は公表される資料の正確性を確認すると最も信頼されている なぜならば引受人は証券発行と発行者の評価についての専門家であり そのようにするインセンティブを有しているからである 引受人は会社の営業状況を調査するプロセスに精通しており そうするための広範な情報源を有している 引受人は証券発行において金銭的利害関係をしばしば有しているので 発行者の強みと弱みを調査する特別な動機を有している 将来の投資家は - 関係者全員に知られている事実および特に引受人に知られている事実に基づいて- 証券の健全性および登録届出書と目論見書の正確性を調査することを引受人に期待する 13
14 責任論 ) また サンウェーブ工業や山陽特殊鋼等の倒産 粉飾事件の際に役員の責任を追及したものの 役員個人が自己の財産を配偶者名義にしていたり 会社に対する債権と相殺されてしまったりと執行ができなかった事実を踏まえて 資力のある証券会社や監査人にも連帯して賠償させようという面もあったようである ( 損害填補機能の確保 ) 27 また 間接金融における与信との対比において 間接金融においては最終的な資金の借り手である企業に関する情報を収集 分析 判断して貸付を行い 貸倒れの危険も金融機関自身が負担するから 情報の生産に誤りがあったとしても その誤りによって生じる損失は金融機関自身が甘受するが これに対し直接金融においては 証券の発行や売出しの過程を仲介する証券会社が その業務を通じて 証券やその発行者に関する情報の生産に寄与している一方で 開示された情報に不実記載があったとしても それによって生ずる損失は 証券会社が売れ残りの危険を負担することはあるにしても そのような事態にいたることは事実上なく 基本的に有価証券を取得する投資者が危険を負担するのであるから 証券会社が十分かつ正確な情報の生産をしようとする誘因は 間接金融における金融機関と比べて弱いと考えられるため 証券取引法は不実記載に関して元引受証券会社等にも損害賠償責任を課すことにより 開示される情報の信頼度を高めようとしている とする見解もある 注意義務の基準が不明確であることによる問題 証券取引法 21 条は以上のような機能の発揮を期待されてはいたものの 我が国では証券取引法 21 条に基づいて民事責任が追及された判決が示されていないことは上述したとおりであり この結果として証券取引法 21 条が要求する引受証券会社が払うべき注意義務の相当性の基準が不明確であり この点には問題がある 過失責任の下では引受証券会社による監視機能に期待するのであれば 裁判所又は規制当局が最適な監視行為を行わせるのに適当な注意義務の基準を明確にしなければ引受証券会社はどの程度の注意義務を尽くせばよいのか判断できず 結果的に本来期待する効果を 27 座談会 日米証券取引法の改正の方向 -ロス セミナーを終えて 商事法務 542 号 (1970)14 頁 [ 矢沢発言 ] 28 近藤 吉原 黒沼 新訂版証券取引法入門 商事法務 (1999) 頁 14
15 発揮しないどころか マイナスの効果をもたらすことになってしまうと考える なぜなら 既に厚い評判の資本 (reputation capital) を有している会社は証券取引法 21 条の規定がなくとも評判の資本を守るためにデュー ディリジェンスを積極的に行うインセンティブを有しているため 証券取引法 21 条等の民事責任規定は機会主義的な行動をとるインセンティブが強い評判の資本が乏しい引受証券会社に慎重にデュー ディリジェンスを行わせることが目的であると考えられる 29 一方 そのような評判の資本が乏しい引受証券会社は証券取引法が明確に定めていない注意義務の基準について過度にアグレッシブな解釈を行い 要求される注意義務の基準を緩やかに理解すると思われるためである 逆に 厚い評判資本を有する引受証券会社の方はコンプライアンスに係る強い要請から 不明確な注意義務の基準について過度に慎重な解釈を行うためにデュー ディリジェンスのコストを過度に負担することで 評判の資本の乏しい会社に対して競争力を減じてしまうという いわゆる逆選択 (adverse selection) が引受証券の業界内で起こってしまう虞があると考える そのような理由からも 証券取引法 21 条が求める 相当な注意 の程度を明確にする必要性は高いと考える 補論課徴金制度と民事責任との関係 証券取引法上の課徴金制度は 不実開示やインサイダー取引等の一部の証券取引法違反行為の抑止を図り 規制の実効性を確保するという行政目的を達成する為 証券取引法の一定の規定に違反した者に対して金銭的負担を課す行政上の措置である 近時 課徴金賦課の勧告が次々に発せられている 課徴金制度は民事責任規定の利用が低調なことの理由の1つである不実開示等の違反行為の発見困難性を部分的に緩和し 民事責任の追及も容易にする側面を持つ点で 民事責任規定の利用を活発にする可能性を有している 課徴金審判手続きは 手続きの透明性や適正手続きの保証の観点から 公益上の必要がある場合を除き 公開手続きとして行われるため ( 証券取引法 182 条 ) 不実開示による損失を被った投資者は 不実開示の事実があったことを従前と比して容易に把握することができるようになる またその場合の投資者は証券取引法違反行為によって損害を被った者として利害関係人にあたるが 利害関係人は課徴金賦課に係る審判記録の閲覧請求等を行うことが 29 Reiner H. Kraakman, Gatekeepers: The Anatomy of a Third-Party Enforcement Strategy, 2 Journal of Law, Economics, & Organization, 53 15
16 できる ( 証券取引法 185 条の 13) その結果 証券取引等監視委員会等の調査権限に基づく調査の結果や審判手続きにおける成果が 証券取引法の民事責任訴訟において利用可能となる これらの手段を通じて 違反行為発見の困難性が部分的に緩和されることとなる また 上述の情報取得の機会が十分に利用されるためには 課徴金手続きが 相当程度の利用頻度で現実的に用いられることが前提となる この点 刑事処分は対象者への影響の深刻さからきわめて悪質な事例 ( 典型的には破綻にいたる程度の不実開示 ) に適用を限定する謙抑的な運用がなされていたといわれる 他方 行政処分である課徴金制度はそのような刑事処分の謙抑性を克服するために導入されたものと思われ 刑事処分が為されていたような事案と比較すると相対的に深刻度が高くない不実開示事例においても現実的に用いられることから 記録閲覧 謄写等の不実表示発見の機会をより意味のあるものにする可能性を持つ ところで 課徴金の賦課対象には 証券取引法 21 条に挙げられた潜在的被告のうち 取締役と監査役は含まれているが 監査人と引受証券会社は含まれていない 監査人が含まれていない理由については立法担当者による解説の中でフットワークエクスプレス事件 30 [u2] などを例に挙げ 監査人等について 開示義務違反に関して刑事責任を問われている事例もあるが 被監査会社の発行する株式の所有が禁止されていること ( 公認会計士法第 24 条 第 34 条の 11) 虚偽または不当の証明については内閣総理大臣の行政処分の対象( 公認会計士等が故意に虚偽のある財務書類を虚偽のないものとして証明した場合には 2 年以内の業務の停止または登録の抹消等の対象 ) となり ( 同法第 30 条 ) 刑事罰以外に実効性確保の手段があること等から 課徴金の賦課対象とはされていない と述べられている 31 引受証券会社についても同様に業務に応じた特別の行為規制が設けられているために課徴金賦課の対象とはならなかったと述べられているが 一方で 証券会社は 投資家と直接接し その証券取引を仲介する主体であることに加えて 多様な業者の新規参入を促進する観点から参入要件が緩和されていること 金融システム改革以後 事前チェック型から事後チェック型に行政手法が転換されてきていること等から エンフォースメント手段の多様化を図ること等により その実効性の確保を図る必要は 他の市場仲介者と比べて高いと考えられる とも付言されている 平成 14 年 6 月 10 日大阪簡裁 31 三井秀範編著 課徴金制度と民事賠償責任 金融財政事情研究会 (2005)49 頁 32 三井秀範編著 課徴金制度と民事賠償責任 金融財政事情研究会 (2005)42 頁 16
17 第 3 節検討の方法と検討課題 証券取引法 21 条を中心とする引受証券会社の注意義務の相当性の基準を検討するにあたって 上述したように我が国では引受証券会社の責任を明らかにした裁判例がなく また先行研究もそれに応じて多くはないのが実体である 本稿での検討は我が国での先行研究を参照するとともに 米国での裁判例と先行研究に多くを拠ることとした 特に米国を対象とした理由は 1 我が国の証券取引法が米国の証券取引法を範として制定されたために条文および規制の体系が似通っていて 特に引受証券会社の民事責任についても証券取引法 21 条に対応する 1933 年証券法 11 条という規定もあるために参考となり易いこと 2 米国は訴訟社会と言われるように我が国で裁判例がない引受証券会社の民事責任についても複数の裁判例とそれに係る先行研究がなされていることによるものである 本稿では まず第 2 章で米国での引受証券会社の民事責任に係る証券法の規定 裁判例および SEC regulation をまとめて紹介する 次いで 第 3 章では 以下に示す論点に即して 第 2 章で紹介する米国の法状況も含めて我が国および米国での先行研究 裁判例等の整理を行い 議論がある点について検討を進める まず論点 1. および論点 2. としては 有価証券届出書に記載された監査済み財務情報以外の記載事項 (non-expertise parts of registration statement) について必要とされる注意義務の基準および有価証券届出書に記載された監査済み財務情報 (expertise parts of registration statement) について必要とされる注意義務の基準をあげることができる 証券取引法 21 条 2 項 3 号は有価証券届出書の不実記載に係る引受証券会社の責任について 記載が虚偽であり又は欠けていることを知らず かつ第 193 条の2 第 1 項に記載する財務計算に関する書類に係る部分以外の部分については 相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかったこと としており 有価証券届出書の不実記載について監査済み財務情報にかかる不実記載とそれ以外の記載事項の不実記載については異なる取扱いがされている 引受証券会社に必要とされる注意義務は両者の中で異なることが法文上明らかに しかし平成 18 年 12 月 22 日の金融審議会公認会計士制度部会報告では監査法人に対しても 非違行為に対して厳正な対処をすることが必要であり 非違行為を行った監査法人に対する課徴金制度の導入に向けて前向きな取組みが強く求められるとの見解が示されている 金融審議会公認会計士制度部会報告 公認会計士 監査法人制度の充実 強化について ( 平成 18 年 12 月 22 日 )10-11 頁 17
18 されており それぞれの場合において必要とされる注意義務の基準は如何なるものであるかが論点となる 論点 3. は 有価証券届出書に記載された 監査証明が付されていないもののコンフォート レター (comfort letter) によりカバーされている財務情報について必要とされる注意義務の基準についてである 引受証券会社と発行会社が監査済みではない財務情報の正確性等について監査人に一定の確認を得ていたにもかかわらず当該財務情報に不実記載があった場合には 引受証券会社はどのような注意を払っていれば免責されるのかが論点となる 論点 4. は 主幹事引受証券会社 (managing underwriter) とその他の引受証券会社 (participating underwriter) の責任の相違についてである 有価証券の募集に際して 通常は1 社の引受証券会社が主幹事引受証券会社 (managing underwriter) となって引受シンジケート団を組織して複数の引受証券会社で引受を行い 実務上はデューディリジェンスにおける役割は主幹事とそれ以外では大きく異なる 証券取引法 21 条は主幹事とそれ以外の引受証券会社を区別して規定していないが 両者の間で要求される注意義務の基準は異なるのか また異なるとする場合はその他の証券会社に要求される注意義務の基準とは如何なるものであるかが論点となる 論点 5. は デュー ディリジェンスにおける証券アナリストの利用と証券アナリストとのチャイニーズ ウォール (Chinese wall) の関係である 発行会社と発行会社の属する業界についての知識 分析力を有した引受証券会社のアナリスト (sell-side analysts) をデュー ディリジェンスに関与させることはデュー ディリジェンスの質を高める上で有益であるが 一方でアナリストが有価証券の引受等の投資銀行業務に関与することに係るマーケットサイドとの利益相反の問題も指摘されており この対立が論点となる 論点 6. は 発行登録制度を利用した募集における注意義務の相当性の基準である 一定の要件を充たした場合において 発行会社は継続開示資料をもって有価証券届出書に相当する開示を行ったとみなされる発行登録制度を利用した有価証券の募集を行うことができるが その際には引受証券会社のデュー ディリジェンスは発行の都度行われるデュー ディリジェンスとは異なり継続的な対応が要求される 発行登録制度を利用した有価証券の募集における注意義務の基準とは如何なるものであるかが論点となる 論点 7. はゲートキーパー責任論の再考である 引受証券会社に不実開示に係る民事責任を課す根拠となっている伝統的なゲートキーパー責任論に対して 引受人の責任の範囲 18
19 をさらに限定するべきであるとする見解や 引受証券会社の責任を無過失責任 (strict liability) とするべきであるとする見解等が提示され議論されている 証券取引法 21 条の解釈にあたってはこのような議論はさほど重要ではないが 引受証券会社を含む発行の関係者にどのようにして不実開示防止のインセンティブを与えるか 不実開示の防止に係るコストを誰に負担させることが合理的か等といった興味深い視点で検討がされており 解釈論ではなく立法論として引受証券会社の民事責任を考える上で中心的な問題である インターネットIPOと引受証券会社の問題については 以前は盛んに議論された問題であるが 33 結果的にインターネットを介しての引受人不在での募集についてはほとんど利用されていない状況であり またそこでの議論はゲートキーパーの役割についての再検討といえるものであったので 私見としては論点 7. に含めることができると考えている 本稿においては上記の論点のうち特に論点 1.~4. について特に検討し 他の論点については確認するに留めることとする 33 梅本剛正 インターネット IPO と引受人 甲南法学 42 巻 3 4 号 (2002)125 頁 William K. Sjostrom, Jr., Going Pubic through an Internet Direct Pubic Offering: a sensible alternative for small companies? 53 Florida Law Review 529(2001) Jpseph J. Cella Ⅲ, SEC Enforcement and the Internet: Meeting thr Challenge of the Next Millennium, 52 The Business Lawyer 815 (1997) John C. Coffee, Jr., Brave New World?: The Impact of the Internet on Modern Securities Regulation, 52 The Business Lawyer 1195 (1997) 19
20 第 2 章米国における民事責任規定と裁判例 SEC Rule の概観 第 1 節 1933 年証券法 11 条 1933 年証券法は 有価証券の公募 (public offering) に係る重要な情報を全て開示させ 違反者には特別な民事責任を課し 公正な取引を促進することで 詐欺的行為から投資家を保護することを目的としており 34 我が国証券取引法の母法ともいえる法である そして証券法 11 条は 登録届出書 ( 我が国の 有価証券届出書 に相当する ) または目論見書に重要な事実についての不実表示が行われ またそれを避けるために必要な重要な事実が開示されていない場合に 引受人 (underwriter: 元引受証券会社 より広く定義されているが 35 本稿で扱う限りでは 元引受証券会社 と同義と考える ) を含む一定の者に民事責任を課す旨を規定している 証券法 11 条に責任を負うものとして列挙されている者 ( 潜在的被告 ) は1 登録届出書に署名をした全ての者 2 発行者のすべての取締役 3 発行者の取締役になる者として登録届出書に記載された者 4 会計士 技術者 評価人 その他登録届出書の一部を作成したか これに証明を与え あるいは登録届出書に関連して使用された報告書 評価書を作成したか これに証明を与えた者 5 分売に関与した引受人 6 証券法 11 条により責任を負う者 ( 上記 1~5の者 ) に対して支配を及ぼす者 である 証券法 11 条 (b) 項 (3) 号において 我が国証券取引法と同様にデュー ディリジェンスの抗弁が認められており 専門家によって作成された部分について払うべき注意義務と専門家によって作成された部分以外の部分について払うべき注意義務について異なる定めをおいている点も 36 我が国証券取引法 21 条 2 項 3 号が監査人によって監査証明が付された財 34 Louis Loss & Joel Seligman, Securities Regulation 1-H-6, Third edition, (2004) 年証券法 2 条 (a) 項 (11) 号 引受人(underwriter) とは 証券の分売 (distribution) を目的として発行者から購入する者 証券の分売に関連して発行者のために売付申込もしくは売付を行う者 当該約束 (undertaking) に参加しあるいは直接もしくは間接に関与している者 または当該約束の直接もしくは間接の引受 (underwriting) に参加しもしくは関与する者をいう ただし この用語はその利益引受人またはディーラーから受ける手数料に限られ かつその額が分売業者または売付人の通常かつ慣習的な手数料を超えない者を含まない 本号に用いられる場合 発行者 という用語は 発行者のほか直接もしくは間接に発行者を支配しもしくは発行者によって支配されている者 または発行者とともに直接もしくは間接に共通の支配下にある者を含むものとする 年証券法 11 条 (b) 項 (3) 号 ( デュー ディリジェンスの抗弁 ) (A) 登録届出書のうち 専門家の権威にもとづいて作成されたものでなく 専門家の報告または評価の副本または抜粋でもなく かつ公式の文書または記述の権威にもとづいて作成されたものでもない部分に関して 正当な調査をしたのち 届出書の記 20
21 務情報については 信頼の抗弁 (reasonable reliance) が認められる等 それ以外の部分と異なる扱いをする規定がおかれている点と相似形である 我が国証券取引法の条文と異なり また参考となる点は証券法 11 条 (c) 項に 正当な調査の内容および信じたことについての正当な根拠の内容を決定するに際しては 正当性の基準は自己の財産を管理する際に慎重な者 (prudent man) に必要とされる程度のものとする と規定し デュー ディリジェンスの抗弁を主張するにあたっての注意義務の相当性に係る判断基準を抽象的にも提示している点である 引受証券会社が発行開示において期待されている役割については裁判例の中で以下のように述べられている 自主規制は連邦証券法の要である 私たちの自主規制システムにおいて 証券発行における単独の参加者のうち引受人ほど大きな信頼を置かれている者はいない 引受人は公表される資料の正確性を確認することにおいて最も信頼されている なぜならば引受人は証券発行と発行者の評価についての専門家であり そのようにするインセンティブを有しているからである 引受人は会社の営業状況を調査するプロセスに精通しており そうするための広範な情報源を有している 引受人は証券発行において金銭的利害関係をしばしば有しているので 発行者の強みと弱みを調査する特別な動機を有している 将来の投資家は- 関 載が真実であり また当該届出書に記載しなくてはならない重要事項または誤解を避けるため必要な重要事項の省略が存しないということを 登録届出書の当該部分の効力が発生した時点において 信ずるに足る正当な根拠を有しており かつそのように信じていたこと (B) 登録届出書のうち その者の専門家としての権威のもとに作成され または専門家としてのその者の報告書もしくは評価者の副本もしくは抜粋である部分に関して (ⅰ) 正当な調査をした後 当該届出書における記載が真実であり かつ記載しなければならない重要事項もしくはその記載について誤解を避けるため必要な重要事項についての省略が存しないということを 登録届出書の当該部分が効力を発生した時点において 信ずるに足る正当な根拠をもち かつ そのように信じていたこと または (ⅱ) 登録届出書の当該部分が専門家としてのその者の記述を正確に表示せず もしくは専門家としてのその者の報告書もしくは評価書の公正な副本もしくは抜粋でなかったこと (C) 登録届出書のうち 専門家 ( その者自身による場合を除く ) の権威の下に作成され または専門家 ( その者自身による場合を除く ) の報告書もしくは評価書の副本もしくは抜粋である部分について その登録届出書中の記載が真実でなかったこと 登録届出書に記載しなければならない重要事項もしくはその記載について誤解をさけるため必要な重要事項が省略されていたこと または登録届出書の当該部分が専門家の述べているところを正当に表示していないかあるいは専門家の報告もしくは評価の正当な副本もしくは抜粋ではないことを 当該部分の効力が発生した時点において 信ずるに足る正当な根拠をもたず かつそのように信じていなかったこと 21
22 係者全員に知られている事実および特に引受人に知られている事実に基づいて - 証券の健 全性および登録届出書と目論見書の正確性を調査することを引受人に期待する 37 第 2 節裁判例 BarChris 判決 引受証券会社に要求される注意義務の基準について裁判所が初めて示した判決が BarChris 判決であり 規範的判決 (leading case) であるとされている 38 Escott v. BarChris Construction Corporation., 283 F.Supp.643(S.D.N.Y.1968) ( 事実 ) 被告である BarChris は従来から全米でボーリング場の建築事業を行っていた 米国では自動ピン立て機が 1952 年に導入されて以来ボーリング ブームが続き BarChris は業績を伸ばし そのため運転資金を必要としていた BarChris はボーリング場を建設するにあたって顧客の代金を 1 年以上の手形で受け取ることで顧客に信用を供与していた しかし 1961 年までに ボーリングの人気は衰え ボーリング場は過剰供給となってしまい BarChris の顧客は手形やその他の債務を履行できなくなってしまった結果 BarChris は資金繰りに行き詰まり 1962 年の 10 月に倒産した この裁判の原告は 1961 年 5 月に効力が発生した登録届出書に基づいて発行された転換社債の社債権者である BarChris が倒産した翌月 原告は証券法 11 条に基づいて登録届出書に虚偽記載と重要な記載漏れがあるとして 発行会社である BarChris 登録届出書の署名者 引受人 会計監査人を相手に損害賠償を求める集団訴訟 (class action) を提起した 被告は 登録届出書中に重要な虚偽記載があったことを否認するとともに もし登録届出書に重大な虚偽記載の事実があったとしても 発行会社である BarChris 以外の被告は 記 37 Chris-Craft Industries,Inc.v.Piper Aircraft Corp.480F.2d341(1973) at 米国においても未だに BarChris 判決が引受証券会社のデユー ディリジェンスを論じる上で非常に大きな存在感を有している最も重要な理由は 引受証券会社のデュー ディリジェンスについて裁判例がほとんどないためであると言われている これは証券法 11 条の被告が関連する事実を訴訟手続の中で開示することを避けるために和解を選択する傾向にあるからである Report of the Task Force on Sellers Due Diligence and Similar Defenses Under the Federal Securities Laws, 48 Business Lawyer 1185, , (1993) さらに近時において米国においての証券取引を理由とする集団訴訟はさらに減少しているとのことである 米国における証券取引を理由とする集団訴訟の減少 商事法務 1780 号 (2006)36-37 頁 22
23 載事項の正確性について合理的な調査を行った旨の抗弁を行った 裁判所は以下の事実を認定した 1 監査証明が付された 1960 年度の財務諸表は工事完成基準の誤用および関係会社間の取引の一般的取引としての処理から売上高並びに一株当たり利益が 10% 過大表示されており 貸借対照表上の流動資産の過大表示及び偶発債務の過少表示から流動比率が 実際には約 160% であったにもかかわらず 約 190% となるような虚偽記載が為されていたこと 2 監査証明が付されていない 1961 年度第 1 四半期の財務情報では売上高を約 32% 顧客からの受注高を 185% 過大表示し 偶発債務を 43% 過少表示していたこと 3 役員からの借入金を開示していなかったこと 4 当該転換社債発行に係る手取金は設備投資および運転資金に充当する旨の記載がなされていたが 実際には銀行及び役員等の借入金の返済に充当されたこと 5 顧客が振り出した手形の相当額のデフォルトについて開示されていなかったこと 6 顧客からの手形のデフォルトから顧客のボウリング場を引き取って運営を行っていたおり 将来はさらに多くのボーリング場の経営を行う見込みであることを開示していなかったこと ( 判旨 ) 1 虚偽記載の重要性本件登録届出書の虚偽記載の重要性を判定するにあたっては 当該証券が転換社債であることを重視し 転換社債のような投機的性質をもった有価証券への投資者は 主として転換の有利性 株式の潜在的な成長性に関心を持つのであってこのような者には BarChris の経営が危機的状況にあるにもかかわらず 健全に成長を続けているように投資者に誤解させる事実のみが重要であるとし 1961 年度の財務情報の虚偽記載 役員からの金銭借入れ 顧客のデフォルト 手取金の使途 BarChris 自身によるボーリング場の経営についての虚偽記載は重要であるが 1960 年度の財務諸表中の虚偽記載のうち 流動比率に係る虚偽記載を除いた 売上高及び一株当たり利益の過大表示は重要性を有しないと判示した 2デュー ディリジェンスの抗弁引受人との関係で問題とされたのは 目論見書に記載されている事項のうち 受注残高の過大表示 役員による BarChris への貸付 手取金の使途 BarChris がボーリング場を経営していること等についてである 23
24 Drexel((lead underwriter) の調査の方法は Drexel とその顧問弁護士 (counsel) が限られた資料をレビューしただけであった 彼らは他のボーリング場建設業者の年次報告書 (annual reports) と目論見書 BarChris の過去の目論見書と年次報告書 BarChris の取締役会議事録と経営会議議事録及び派生的な議事録を読んだ 彼らは BarChris の銀行と手形割引業者である James Talcott Inc にヒアリングを行い BarChris の経営状態について肯定的な回答を得た また Dun & Bradstreet( 企業情報提供会社 ) のレポートを入手した BarChris の経営陣と登録届出書について修正とレビューのミーティングを複数回行った これらのミーティングでは後に訴訟の争点になる幾つかの事項についても議論された これらの事項については問題ないという会社の説明により引受証券会社とその顧問弁護士は納得させられた 裁判所は引受証券会社とその顧問弁護士は議事録等資料 (documents) について充分なレビューをしていないと判断した 彼らは欠けていた議事録の準備を要求しなかったし ミーティングの議事録はないが 入手可能なノートがあるものについてもそれを調べなかった また顧客の債務不履行の一覧や Talcott との取引状を要求しなかった Talcott や顧客との契約書もレビューしなかった これらの資料は BarChris が直面する問題について彼らに警鐘を鳴らすであろう 重要な情報を含んでいた Drexel 以外の引受証券会社は目論見書の正確性について調査を行わなかった 彼らは主幹事引受人である Drexel に全てを任せていた Drexel は調査を 同社のパートナーである Coleman に担当させ また実際の作業をアソシエイトの Casperson に任せていた Drexel の顧問弁護士としては Ballard と Stanton が作業に従事した McLean 判事は以下のとおり述べた ある意味で引受人と会社の役員は利益相反の関係にある 会社の役員が自己の利益のために 引受人に引受をさせるための説明を引受証券会社に行うことはあり得ることである 39 証券法 11 条の目的は投資者保護である そのために引受人は目論見書の真実性について責任を負わされている もし引受人が会社の経営者による表示をそのまま受け取ることによってその責任を逃れることができるならば 証券法 11 条の連帯的賠償責任者に引受人を含むことが追加的な投資者への保護にならない 制定法の目的を達成するためには 合理的な調査 は会社から引受人に 提示されたデータ を目論見書に正確に報告する以上の 39 Escott v. BarChris Construction Corporation., 283 F.Supp.643, 696 (S.D.N.Y.1968) 24
25 努力を求めるものと解釈される必要がある このデータが引受人による会社の役員に向けられた質問によって引き出されたものか 引受人が会社役員は正直で信頼できると信じたかどうかは違いがない 引受人の参加を投資者にとって価値をあるものとするために 引受人は提示されたデータを正しいものか確認するための合理的な試みをしなければならない 引受人は会社役員または会社の顧問弁護士を単純に信頼することはできない 自己の財産を管理する慎重な者 (prudent man) は彼らを信頼しないだろう 40 全てのケースにふさわしい 検証が行われるべき明確なルールを定めることは不可能である それは程度の問題であり ケース毎に判断されるものである 本件において 引受証券会社の顧問弁護士は経営陣の表明を検証する試みをほとんど行っていない 私は不十分だと判断する 41 本件において 私は引受証券会社の顧問弁護士はPeat,Marwik( 監査人 ) が監査証明を付していない部分の正確さを合理的に調査していないと考える DrexelはPeat,Marwikの失敗に拘束される これはリーガル アドバイスのための弁護士を信頼する種類の事柄ではない 従って 弁護士は事実にかかることがら ( 非会計情報 ) を扱った Drexelは会社議事録と契約を調査することを彼らに委任した (Drexelは) 十分な調査を行うことの失敗の結果について責任を取らなければならない 42 Drexelとその顧問弁護士に単純に依存した他の引受証券会社もまた その結果に拘束される Drexelと他の引受証券会社は目論見書のそれらの部分が真実であると合理的な根拠なく信じた したがって 彼らは 1960 年度の監査された数値を除いてデュー ディリジェンスの抗弁を証明できない 43 第 3 節 SEC 規則 SEC(Securities and Exchange Commission) は 連邦証券規制の執行 規則制定権限 準司法的権限を有する独立委員会である 米国証券規制においては SEC の規則制定権に基づく規則 (Rule) のほか SEC が法律の規定に基づいてではなく 非公式な形で解答を示す通達 (Release) が重要な役割を担っている 40 Id. at Id. 42 Id. 43 Id. 25
26 1.Rule 176 Rule176 は SEC が 1981 年に制定した デュー ディリジェンスの合理性の判断する際 に考慮すべき事項を挙げる規則である Rule176- 証券法 11 条における合理的な調査と信頼に係る合理的な根拠を構成するものの判断に影響する状況ある者 ( 潜在的被告 ) の行動が証券法 11 条 (c) 項に規定された基準を充たす合理的な調査と信頼に係る合理的な根拠を構成するか否かを判断するにあたって 発行者以外の者に係る状況は以下のものを含む 1. 発行者のタイプ (The type of issuer) 2. 有価証券のタイプ (The type of security) 3. 潜在的被告のタイプ (The type of person) 4. 役員である場合 その役職 5. 取締役又はその候補者である場合 発行者とその他の関係の有無 6. 特定の者に特定の情報を提供すべき義務を負う役員 従業員 およびその他の者に対する合理的な信頼 7. 引受人である場合 引受契約のタイプ 引受人としての役割および登録に係る情報の利用可能性 8. 参照により組み込まれた事実または書類について 組み込まれるものの届出時点で その事実または書類について責任を有していたかどうか Rule176 で挙げた各々の考慮すべき事項について SECは以下のように解説を加えている 発行者のタイプ 発行者のタイプは重要である なぜなら特に注意を払うべき情報の類型と一般的な調査範囲に示唆を与えるからである 発行者が従事する事業類型の分析と発行者の業界の特性は潜在的に重要な開示事項を識別することに際して中心をな 44 Circumstances Affecting the Determination of What Constitutes Reasonable Investigation and Reasonable Grounds for Belief Under Section11 of the Securities Act, 46 Fed. Reg. at 29-30,42 26
27 す 2. 有価証券のタイプ この要素は財務状態の評価と発行者の将来見通しと関係する 例えば もし発行される有価証券が短期社債であったならば 発行者の現在と近い将来の業績が最も重要となる その一方 普通株式の発行に際してはより長期での業績が重要となる 3. 潜在的被告のタイプ この要素は議会が 11 条の潜在的被告により行われる調査の内容は被告類型毎に異なるという議会の意図を考慮する 4. 役員である場合 その役職 調査の種類は組織におけるその者の地位と責任によって異なる 5. 役員又はその候補者である場合 発行者とその他の関係の有無 この条項は合理性の基準が異なることを会議報告書にしたがって認めるものである 即ち 誠実さと能力と信頼に応じて ということである 判例法は発行者について専門性 知識や責任に係る別の関係を有している役員は記載漏れや虚偽記載について 特別な知識や追加的な責任を負わない社外役員より調査と信頼について高い基準を適用することとしている 6. 他者に対する合理的な信頼 次の方法についての信頼を許す議会の意思によるものである 調査実行の他者への委任は合理的であり許されるべきである 特にその者自身が有していない専門的な技術や能力を必要とする種類の事項についてそれが妥当する 受託者を信頼するような場合 その信頼がすべての事項について合理的であればその責任から完全に免れる 7. 引受人である場合 引受契約のタイプ 引受人としての役割および登録に係る情報の利用可能性 引受人としての投資銀行が合理的に期待される調査を行うことができない 引受人の法的定義に該当した株式を売出す株主のような statutory な引受人と伝統的な引受人 ( 引受証券会社 ) とは区別される そのようなものは実際の有価証券の分配においてほとんど役割を果たさないであろう 参加引受証券会社 (participating underwriter) は主幹事引受証券会社 (managing underwriter) と比べて有価証券の分配に係る役割は小さいが 証券法はこれらの引受証券会社に同じ基準を維持している 8. 参照により組み込まれた際の状況 参照によって組み込まれた事実や文書については SEC へ提出のときにその事実または文書について何らかの責任を有していたか 27
28 否かを判断基準とする 2. Aircraft Carrier Release 1998 年 11 月 SECは証券の募集と分配のための登録手続きを変える 4 つの重要な提言を示すAircraft Carrier Releaseを発した 45 Aircraft Carrier Releaseは 促進された募集の状況においてデュー ディリジェンスの証明の認否に係る総合的なガイダンスを裁判所に示すことを試みるものである 登録から5 日以内に発行されて販売される株式と投資不適格債の発行だけに適用されるAircraft Carrier Releaseは 引受人がデュー ディリジェンスの抗弁を証明したか否かを裁判所が判断するに際して 積極的な要素 として注目すべき以下の 6 つのデュー ディリジェンスの内容を述べている 1 発行資料に重要な虚偽記載又は記載漏れが含まれていることを示唆する事実又は状況が示す 危険信号 についての引受人による登録届出書の審査と合理的な質問がなされていること 2 発行者の役員が登録届出書を審査し 彼の知る限り重要な虚偽記載や記載漏れがな いことを役員が保証することにつき 引受人と 最低限 財務担当役員又は経理担当役員との議論があること 3 発行者の監査人からの監査基準 (SAS)72 号コンフォート レターに基づく書面を引受人が受領していること 4 不正もしくは虚偽 の記載又は重要な事実の記載漏れが登録届出書に含まれていないとする発行者の counsel opinion の引受人の書面での受領 5 虚偽の記述又は重要な事実の記載漏れが発行資料に含まれていると信じさせるようなことは 発行資料を審査する過程でなかったとする引受人の顧問が書いた意見書の発行 6 発行者又は発行者の業界を少なくとも発行前 6ヶ月フォローしたリサーチ アナリスト もしくは発行者又は発行者の業界について発行の12ヶ月前までにレポートを書いたリサーチ アナリストを雇用又は相談すること 45 Aircraft Carrier release, Fed. Sec. K. Rep. at 81,547. Available at 28
29 第 3 章論点の検討 第 1 節有価証券届出書に記載された監査証明が付された財務情報以外の記載事項につい て必要とされる注意義務の基準 証券取引法 21 条 2 項 3 号は有価証券届出書の不実記載に係る引受証券会社の責任について 記載が虚偽であり又は欠けていることを知らず かつ第 193 条の2 第 1 項に記載する財務計算に関する書類に係る部分以外の部分については 相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかったこと と定めており 有価証券届出書の監査済み財務情報に係る部分について要求される注意義務の相当性の基準とそれ以外の記載事項ついて要求される注意義務の相当性の基準は異なるものと考えられている 本節では 有価証券届出書に記載された 非財務情報について必要とされる注意義務の相当性の基準について考察する 1. 米国の状況 第 2 章で紹介したBarChris 判決でMcLean 判事が 全てのケースにあてはまる 典型的な引受人のデュー ディリジェンスの義務の範囲の厳密なルールを定義することは不可能である 46 と述べたように画一的な判断基準は米国でも示されていない しかし 裁判例や SEC 規則の中で示された 判断に際して考慮すべき要素については検討することができる (1) 発行会社の説明等についての検証 BarChris 判決の中で述べられたように ある意味で引受人と会社の役員は利益相反の関係にある 会社の役員が自己の利益のために引受証券会社に引受をさせるための説明を引受証券会社に行うことはあり得ること を前提とし 証券法 11 条 (c) 項に挙げれられた 正当な調査の内容および信じたことについての正当な根拠の内容を決定するに際しては 正当性の基準は自己の財産を管理する際に慎重な者 (prudent man) に必要とされる程度 であるとの判断基準をもってすれば 有価証券届出書の記載事項等についての会社役員の説明をそのまま受け入れることは相当な注意義務の基準を充たしたとはいえないと考えられる BarChris 判決の事案においては 引受証券会社である Drexel が調査を委託した弁護士 46 BarChris,283 F. Supp. at
30 が 会社の説明と事実が合致しないことの裏づけとなる BarChris の重要な契約書や議事録を直接検証することを怠ったために相当な注意義務を果たしたとはいえないと判断されている SECは BarChris 判決に先立つ 1963 年に 引受証券会社は経営陣の表明に信頼を置いたということでは引受証券会社に課された責任を満たすことはできないと述べていた 47 同様の判断がLeasco 判決 48で示されている Leasco 判決の中で裁判所は もちろん 引受人が社内取締役ほどに会社に対する詳しい知識を持つことは期待できないし 彼らの調査義務はより制限されたアクセスを考慮されるべきである しかしながら 彼らは会社の説明についての高い水準での調査と独立した確認を行うことを期待されている Tacitの経営陣の主張への信頼は受け入れられない 引受人は悪魔の提唱者 (devil s advocate) の役割を演じなければならない 49 しかし 全ての情報について引受証券会社が検証を行うことができる訳ではなく 発行会社のみしか知ることができない情報もある そのような場合に係る判断基準について Software Toolworks 判決 50では以下のように述べられている 証券法 11 条および 12 条 (2) 項は引受人による 合理的な 注意義務を要求している これは原告がほのめかすような 引受人に監査を要求するものではない 引受人は社内の役員のような会社についての詳しい知識を有しているとは期待できないため 彼らの調査義務は彼らの より限定されたアクセスが考慮されるべきである したがって 引受人はSECへのレターと資料を経営者の説明と同じく合理的に信頼することが許される これは引受人が経営者の主張を盲目的に信頼することを許すということではなく 引受人はその状況下でそのようにすることが合理的と認められる場合は経営者の説明を信頼することが許されるということである 例えば 合理的に確認することができるような経営者の説明を単純に信頼することは合理的ではない しかしながら発行者だけが知りえて第三者がその正確性を合理的に確認できない情報については経営者の説明を信頼することが非合理的とはならない 引受人は経営陣が会社について知っている全てのことを搾り出すことはできない 彼らはただ合理的に目論見書の中の情報の正確性について正しいかどうか確 47 In re The Richmond Corp., 41 S.E.C. 398 (1963) 48 Feit v. Leasco Data Processing Equip. Corp., 332 F. Supp. 544, 581 (E.D.N.Y. 1971) 49 Id. at In re Software Toolworks, Inc. 789 F.Sup (N.D.Cal. 1992) 30
31 かめることを試み 信頼することを必要とするだけである 51 (2) 検証の方法一義的には登録届出書は発行会社によって作成されるが 登録届出書についてどのような検証 ( デュー ディリジェンス ) を行った場合にデュー ディリジェンスの抗弁が認められるかは BarChris 判決で述べられたように一般化することは困難である しかし上述の Rule176 や Air Craft Release は注意義務の相当性の判断に影響を与える事項を挙げることを試みたものである (a)worldcom 判決以前判決の中で注意義務の相当性に判断を与える事項を具体的に示したものとして International Rectifier 判決 52の存在を挙げることができる International Rectifier 判決ではまず以下の裁判例を引用する 53 Software Toolworks, Inc., 50 F.3d at 被告は 引受証券会社が発行会社と監査人から目論見書の記載は正確であるとの書面を受領し 発行会社の顧客に事実を確認し 会社の商品の価格は下落しそうにないと小売業者に確認したことを証明した Weinberger v. Jackson, 1990 U.S.Dist.LEXIS 18934, Fed. Sec. L. Rep.(CCH) P95,693, 1990 WL at 3 (N.D.Cal. Oct.11,1990) 被告は 引受証券会社が業界資料と会社の資料を閲覧し ミーティングを行い 従業員と顧客にインタビューを行い 会社の資産を実査し 目論見書の記載事項は正確であるとの書面を受け取ったことを証明した Competitive Associates, Inc. v. International Health Sciences, Inc., 1975 U.S. Dist. LEXIS 14230, Fed. Sec. L. Rep. (CCH) P94.966, 1975 WL 349 at 18 (S.D.N.Y. Jan. 22; 1975) 被告は 引受証券会社の 調査が会社 会社の財務 経営 事業計画 業界の現状まで完璧な分析を含んでいた ことを証明した 51 Id. at In re International Rectifier Sec.Litig.,No.CV RMT,1997U.S.Dist.LEXIS23966, (C.D.Cal.1997) 53 Id. at 7 31
32 Leasco Data Processing, 332 F. Supp. at 被告は引受証券会社が 全ての入手可能な財務データのレビュー を実施したと証明した 上述の裁判例を概観したうえで International Rectifier 判決は 以下のような判断基準を示した 54 上述の判例に従って 当裁判所は引受人の注意の判断に影響を与えると考える要素は以下の通りである (1) 引受人が IR 社の財務 経営 事業に精通していたか (2) 引受人が IR 社の属する産業について知識をもっていたか (3) 引受人は IR 社の従業員にインタビューを行なったか (4) 引受人は IR 社の顧客または第三者にデータの裏づけをとるためにインタビューを行なったか (5) 引受人は IR 社と外部監査人から目論見書に含まれる情報は正確であるという書面を得ているか そして当該判決では上記基準に照らして 以下のように判示した 55 上記の要素に従えば この事件において引受人の注意は法的に合理的であるといえる 4 月 17 日の募集以前に 引受人とその他の Working Group は以下のことを行なった (1) IR 社の内部的な財務計画 契約 その他の重要な文書をレビューし IR 社の主な資産を調査した (2) 半導体産業に精通したアナリストを雇った (3) 11 人の IR 社の中上級の管理職にインタビューを行い IR 社の事業の多くの面について質問した (4) IR 社の主要な顧客 外部の品質コンサルタント 監査を行なう監査法人 IR 社の特許弁護士 IR 社の外部環境顧問にインタビューを行なった (5) IR 社の経営者から目論見書に記載された情報は正しいと証明する書面を受け取り IR 社の外部監査人から 最終の監査以後 IR 社の財務状況に重要な変化はないとするコンフォート レターを受け取った 54 Id. 55 Id. 32
33 (b)worldcom 判決 近時のWorldCom 判決 56では 上述までの注意義務の相当性の基準とは異なる判断基準をもって判示されている 57 WorldComは経営陣による大規模な粉飾決算の発覚で倒産に追い込まれた 原告は 2000 年の 5 億ドルの債券の募集と 2001 年の 11.9 億ドルの債券の募集を行った引受証券会社を証券法 11 条および 12 条 (a) 項 (2) 号に基づき訴えた 具体的には 原告は登録届出書に参照されていた監査済み財務情報と非監査財務情報にWorldComの回線費用 資本的支出 資産評価 減価償却 営業権等に不実記載があったと主張した 引受証券会社はこれらの不実記載についてデュー ディリジェンスの抗弁を主張するサマリー ジャッジメント (summary judgment) 58 を提起した 裁判所は 証券法 11 条が法文化された 1933 年当時の辞書と 1993 年の辞書における調査 (investigation) の定義を比較して 1933 年当時は調査とは through または searching inquiry を意味していたが 現在の定義では 詳細と関係について計画的な注意を伴って質問し審査をすること (to inquire and examine into with systematic attention to detail and relationship) を指すと述べた 年と 2001 年の募集は発行登録を用いており 引受人のデュー ディリジェンスは特に広範なものではなかった 彼らはWorldComの経営者とArthur Andersen(WorldComの監査人 ) と数度の会議を行い WorldComの取締役会議事録 SECへの届出資料 プレス リリース等の資料を閲覧した 60 彼らは中間財務諸表に係るコンフォート レターをArthur Andersenから受領し 重要な問題がない旨をコンフォート レターで確認していた 61 引受証券会社は上述の調査が 特に簡略式の登録届出書による募集におけるデュー ディリジェンスの抗弁の要件を充たすと主張した In re WorldCom, Inc. Securities Litigation. 346 F. Supp. 2d 628(S.D.N.Y.2004) 57 William K.Sjostrom, Jr., The Due Diligence Defense under Section 11 of The Securities Act of 1933, 44 Brandeis Law Journal 549, (2006)at 正式事実審理を経ないでなされる判決 重要な事実について genuine issue( 真正な争点 ) がなく 法律問題だけで判決できる場合に 申立てによりなされる判決 事件全体についてだけでなく 一部の争点について判決することもできる 59 In re WorldCom, Inc. Securities Litigation. at Id, at , Id. at Id. at
34 これに対し裁判所は以下のように述べ サマリー ジャッジメントを棄却している 陪審はRule176 に挙げられた事実に拘束されないリストを考慮しなければならない Rule176 に係る限りでは 社債は発行時においては投資適格債であり SSBとJ.P.Morgan ( 引受人 ) は経験豊富な従業員をデュー ディリジェンス チームにアサインさせ 引受人は発行会社のCFOとAndersen( 監査人 ) と面談を行い 引受人はWorldComと関係の深い会社であり 引受は発行登録に係るものであり 多くのアナリストと慎重調査代理人が WorldComについてフォローし レポートしていたし 発行者と引受人以外の被告は中間財務諸表に責任を負っていたし Andersenと引受人以外の被告は中間財務諸表のレビューに責任を負っていたこと等からはWorldComが 定評のある (well-established) であることに異義を差し挟むことは困難である 63 として WorldCom 社債の発行に際して引受人が行ったデュー ディリジェンスがRule176 で示した注意義務の相当性についての判断要素を充足していることを認めている しかし それを踏まえても裁判所は以下のように述べた しかしながら 原告(lead plaintiff) は引受人が 2000 年度と 2001 年度について合理的な調査を実施したかどうかの事実に疑問があると主張している 被告の主張は 発行者 監査人との対話が限られたもので 質問は大雑把で 質問に対して紋切り型の回答しか得ておらず不足であり 特定の発行者の財務状態と財政難の引受人自身の内部評価についての特定の重要な論点についての質問を怠ったということを証拠として指摘した それは WorldComの信用格付けが下げられ WorldCom 債権者のエクスポージャーを限定するように手を打ったことは WorldComが苦しい業界のなかで財務状態が悪化しつつあることを知らせていたのであり 合理的な調査は引受人の被告によるより深い質問を伴うものであったであろうというものである これらの二つの巨額の債券募集に際しては WorldComの財務状況の全般的な悪化のもとでは 少なくとも 2001 年の募集に際しては 特に徹底的な質問が慎重な引受人からなされることが当然であると原告は主張する これらの事実についての問題は陪審の審理を必要とする 64 裁判所の判断基準は Rule176 の判断要素を充足させても WorldCom の上述の状況を鑑みて 引受人はより慎重なデュー ディリジェンスを実施すべきであった可能性があり 陪審の審理を必要とし サマリー ジャッジメントを棄却した 63 Id. at Id. at
35 (3) 専門家への調査の委託我が国証券取引法 21 条は監査人により監査証明が付された財務情報について それ以外の部分と別個の取扱いをしているが 米国証券法 11 条は 専門家の権威に基づいて作成された 部分については 引受人は合理的にそれを信頼したのであれば 他の部分のようなデュー ディリジェンスを行う必要はないとしている 引受人が弁護士に対して有価証券届出書の記載事項の正確性について網羅的な調査を依頼を行った場合は 引受人は 専門家の権威に基づいて作成された 部分として 弁護士の調査の結果を信頼することで責任を逃れることができるようにも思えるが 専門家の権威に基づいて作成された 部分とするためには 登録届出書のいずれかの部分または ( 登録届出書に関して使用される ) 報告書または評価書を作成しまたは証明したものとして専門家の名前を手書きで署名した同意書を提出することをSECは要求している 65 SECは登録届出書の主要なデータ ( 業務についての記述 会社の沿革等 ) を専門化事項化することを許していない BarChris 判決においても 弁護士が作成したので登録届出書の全部が専門家事項化されているというのは 法の合理的な解釈ではない 会社のための弁護士であれ 引受人のための弁護士であれ 第 11 条の意味での専門家ではない と述べ 66 弁護士の調査方法の不十分性によるデュー ディリジェンスの失敗に引受人は拘束され 責任を負うと判旨された 専門家に調査を依頼した事項についての引受人の責任は コンフォート レターによってカバーされた非監査の財務情報に係る引受人の注意義務の相当性の基準の問題として特に重要であるが これについては後段で詳述する 2. 我が国の状況 有価証券届出書に記載された非財務情報について必要とされる引受証券会社の注意義務 の相当性の基準については 我が国においては法的な議論はほとんどされていない 裁判 例がないことがその理由であると考える 65 ルイ ロス 現代米国証券取引法 商事法務研究会 (1989)1098 頁 66 Escott v. BarChris Construction Corporation., 283 F.Supp.643, 683 (S.D.N.Y.1968) 35
36 3. 検討 発行会社の説明 (representation) について引受証券会社が可能な限りで独自に検証を行うことが注意義務の相当性の一つの基準となるとの米国裁判例の見解は我が国においても妥当するものと考える そして米国裁判例で挙げられた引受証券会社の注意義務の相当性の判断要素となる 実施した検証の方法 (International Rectifier 判決で示された要素等 67) は 引受証券会社がデュー ディリジェンスの実務の中で通常行なうことを挙げているものと思われ 68 この点でも 通常あるべき または期待されるデュー ディリジェンスを行なったか否かが注意義務の相当性の判断要素となることは我が国においても妥当するであろう もちろん 期待されるデュー ディリジェンスは状況によっても異なり Rule176 が示した判断要素を考慮するだけでは十分ではなく 発行会社の質 ( 大きさ 営まれている各事業のタイプや安定性 それが規制されているかどうか その財政状態 その収益の経歴と見通し ) 証券のタイプ ( 証券の条件 発行の規模 さらに負債であるならば満期と信用格付けも含む ) 経営者 会計士および社外顧問のクオリティー 調査のために利用可能であった時間 ならびに経営者によって拡大された協力の程度などが含まれるであろう 69 一方 WorldCom 判決で示した基準は Rule176 で示した判断要素をほぼ完全に充足する状況であった一方で 引受人はデュー ディリジェンス一層慎重に行う必要があった可能性があるために陪審の審理が必要であるとする 厳しいものであった しかし判断要素を網羅するデュー ディリジェンスを行っていたとしても WorldCom 判決で原告が主張したように 質問の内容とそれへの回答についての検証等が形骸化していることは十分に想定されるため WorldCom 判決での判断には異論はなく 我が国でもこれに準じて考えることはできよう 67 In re International Rectifier Sec.Litig.,No.CV RMT,1997U.S.Dist.LEXIS23966, (C.D.Cal.1997) at 7 68 米国における投資銀行 ( 引受人 ) のデュー ディリジェンスの内容を紹介したものとして Charles J.Johnson, Corporate Finance & The Securities Laws, Third Edition, , Aspen (2004) 69 Report of the Task Force on Sellers Due Diligence and Similar Defenses Under the Federal Securities Laws, 48 Business Lawyer 1185, 1204 (1993) 36
37 第 2 節有価証券届出書に記載された監査証明が付された財務情報以外の記載事項につい て必要とされる注意義務の基準 証券取引法 21 条は有価証券届出書の不実記載に係る引受証券会社の責任について 記載が虚偽であり又は欠けていることを知らず かつ第 193 条の2 第 1 項に規定する財務計算に関する書類に係る部分以外の部分については 相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかったこと としており 有価証券届出書の不実記載について監査済み財務情報に係る不実記載とそれ以外の記載事項の不実記載については異なる取扱いがされている この免責事由の差異を重視すると引受証券会社は 監査済み財務情報について 監査人の監査結果を信頼するだけで免責され 記載事項の正確性を検証する注意を尽くす必要はないとも解釈でき この点については我が国でも議論があるところである 1. 米国の状況 (a)worldcom 判決以前 1933 年証券法 11 条 (b) 項 (3) 号は 登録届出書のうち 専門家が作成した部分については 引受証券会社がデュー ディリジェンスの抗弁を主張する前提として 専門家が作成した部分について 合理的な信頼の基準 (reasonable reliance standard) を満たさなければ デュー ディリジェンスの抗弁を証明できないとしている 70 BarChris 判決では 引受人がそもそも十分な調査を行わなかったことを理由にデュー ディリジェンスの抗弁が否定されたために 合理的な信頼の基準については具体的に示されなかったが その後のJohn Nuveen 判決 71において Powell 判事が以下のように述べている 証券法 11 条のもとで 引受人は 監査人によって保証された財務諸表のような 登録届出書のうち専門家によって作成された部分 については その情報がミスリーディングであると引受証券会社が 信じる合理的な根拠をもたなかった または信じなかった なら 70 監査証明が付された財務情報は expertized portion として扱われる expertized portion は登録届出書のうち 財務諸表 鑑定人の評価書 技師の報告書 問題点の合法性に関する弁護士の意見等のような部分に関してである expertized portion は狭く解釈され BarChris 判決では 弁護士が作成したので登録届出書の全部が専門家事項化されているというは 法の合理的な解釈ではない 会社のための弁護士であれ 引受人の弁護士であれ 証券法 11 条の意味での専門家ではない と述べられている 71 John Nuveen & Co. v. Sanders. 450 U.S. 1005(1981) 37
38 ば調査義務を明示的に免責される この条文により監査人 (public accountants) により証明された財務諸表を信頼することは合理的であるといえる 72 非の打ち所のない監査済み財務諸表への信頼は証券市場の適切な働き 証券取引 銀行や金融機関による融資 株主による会社の報告書についての信頼に係り非常に重要である 73 合理的な信頼の基準についてはSoftware Toolworks 判決 74で検討されている 本件は パソコンソフト 任天堂ゲームソフトの製作会社であるSoftware Toolworksがファイナンスを成功させるために登録届出書中のDeloitte & Touché( 監査人 ) による監査証明が付された財務諸表においてOEM 契約に係る不実開示等を行い これについて 危険信号 (red flag) があったにもかかわらず 引受人が監査人を信じて十分な調査を行わなかったとして投資家である原告が引受人であるMontgomery SecuritiesとPaine Webber,Incに対し証券法 11 条等に基づく損害賠償請求を行った事案である 原告の主張する 危険信号 があったとは 引受人が調査の過程で発見した ToolworksのOEM 先との契約につき 売上を 1990 年度に計上するために日付を遡及しているという趣旨のメモを指す 裁判所は 引受人はこの 危険信号 を Deloitte に提起し 他の監査法人 (accounting firms) から Toolworks の OEM 売り上げ認識は適切で日付を遡及したものではないとの保証を得ていたため この 危険信号 は信頼の抗弁を損なわないと判示した World of Wonder( 以下 WOW ) 判決 75でも合理的な信頼の基準については検討されている 本件は ハイテク玩具の会社であるWOWが 社債発行のための登録届出書に含まれる財務諸表に多くの誤りがあったとして損害を被った投資家が引受人等に対して損害賠償請求を行った事案である 裁判所は 財務諸表はDeloitte( 監査人 ) によって監査証明が付されていたために 他の被告は合理的な信頼の抗弁が認められると判示した 裁判所は Deloitteの収益認識が会計のプロフェッショナルの基準に従っていたかどうかの問題は非常に複雑であった 当事者達はこれらの問題について 100 頁以上もの対立する専門家の証言についての説明を行った このような状況においてaccountants 以外の他の被告が Deloitteによる失敗を知りえたという原告の主張は非合理的である Id. at Id. 74 In re Software Toolworks, Inc. Sec. Litig., 50 F.3d 615, 623 (9 th Cir. 1994) 75 In re Worlds of Wonder Securities Litigation 814 F. Supp. 850(N.D.Cal.1993) 76 Id. at
39 これを受けて原告は控訴し 被告はWOWの監査済み財務諸表の誤りやミスリーディングを知らなかっただけでなく 積極的にこの複雑な取引を構築し 参加したために 信頼の抗弁の基準を満たさないと主張した 裁判所はこれに対し 論点は被告がこの取引を知っていたか 参加していたかどうかではなく 取引についてのDeloitteの会計的判断を信頼することが合理的かどうかであると判示した 裁判所は 取引の内容については全てDeloitte に開示していたために Deloitteへの信頼が合理的であると判示した 77 しかし一方で 上述の判例が概ねそうであったように 近時まではほとんどの引受証券が監査証明の付された財務情報の正確性についての責任は専ら発行会社とその監査人が負うものと考えられてきたが 近時は監督当局と検察が引受証券会社もクライアントの財務諸表について turn a blind eye であることは認めないとの立場を採っているようである 78 (b)worldcom 判決しかし 近時のWorldCom 判決では上述の見解とは異なる見解が示されている ここでは 危険信号 (red flags) のコンセプトについて詳述し 専門家による部分 (expertized portion) への信頼が非合理なものであったと判示されている 裁判所は 証券法 11 条のもとで信頼の抗弁を主張する権利を得るためには 被告は 被告が専門家のオーソリティーを受けた登録届出書が真実ではないと 信じる合理的根拠がなかったことや信じていなかったこと を証明する必要がある 監査済み財務情報を前提とした登録届出書の正確性についての被告の信頼に係り被告を丸裸にする情報は それが会計詐欺や監査の失敗に関連するものであろうが無かろうが 危険信号 である 証券法 11 条のもとでの関心事は監査人の故意ではなく 登録届出書における財務諸表の正確性と完全性である 79 同様に重要なことは 危険信号を構成する要素は個別事案での事実と背景によるということである 80 引受人は登録届出書に組み込まれた監査済み財務情報における虚偽について引受人は合理的な信頼の基準を満たしていたとしてサマリー ジャッジメントを提起した 裁判所は二 77 In re Worlds of Wonder Securities Litigation 35 F. 3d 1407, 1421(9 th Cir. 1994) 78 Charles J.Johnson, Corporate Finance & The Securities Laws Third Edition, 333 SEC Litigation Release No.18038(March 17,2003)(Merrill Lynch & Co. et al.) 79 WorldCom at Id. 39
40 つの理由をもって引受人の主張を否定した 第 1に WorldComのE/R ratio 81 が競合他社と比較して明らかに低く これが財務情報の誤りを示唆する危険信号を構成するという見解である 被告である引受人は原告がこの主張をしたことに対して E/R ratioは公開情報であったにもかかわらず他の誰もworldcomの粉飾決算の存在を示唆するものと考えたとアナウンスしなかったことをもって E/R ratioが危険信号を構成しないと反論した これは多くのプロフェッショナルが参加する証券市場は公開された情報を全て織り込んだ効率的な価格形成をしているはずであるということを根拠としている ( 効率的市場仮説 : ECMH 82 ) これが意味するところは 株式市場はWorldComの低いE/R ratioを危険信号とみなしていなかったということであり もし多くのプロフェッショナルが参加し株価を形成する株式市場がWorldComのE/R ratioを危険信号とみなしていないとしたら 自己の財産の管理に慎重な者 であればWorldComのE/R ratioを危険信号とみなしたはずとはいえないであろうというものである しかし これに対して裁判所は効率的市場仮説についてほとんど検討することなく 引受人である被告は登録届出書に参照によって組み込まれる開示資料について精通することを要求されているということを議論せず もし 自己の資産の管理に慎重な者 (prudent man) であれば 1999 年度のForm 10-Kを読み 関連する発行者の競合相手についての情報に精通するが数値の正確性に疑問をもち 数値の正確性に疑問をもち そしてこれらの数値は危険信号を構成し 引受人である被告は調査義務を負うこととなろう と判示した 83 WorldCom 判決における以上の見解は John Nuveen 判決 84で示された ほぼ定義上 (almost by definition) 公認会計士により監査された財務諸表を信頼することは合理的である という見解と大きく異なる Sjostrom 氏は監査済み財務情報について引受人が払うべき注意義務の基準に係る WorldCom 判決の立場に反対を唱える 85 引受人が金融に係る事項について特別な能力を持っていることは真実であるが 会計の専門家とは考えられないし 監査を行う資格も与 81 Expense(operating expense)/revenue 比率の略 82 証券市場において情報が正しく解釈され 迅速に織り込まれて価格が形成されていることを意味する 83 Id. at John Nuveen & Co. v. Sanders. 450 U.S. 1005(1981) 85 William K.Sjostrom, Jr., The Due Diligence Defense under Section 11 of The Securities Act of 1933, 44 Brandeis Law Journal 549, (2006)at
41 えられていない とし 監査済み財務情報に係る合理的な信頼の基準は信頼を非合理なものにする 危険信号 (red flag) が存在するかどうかではなく 合理的な信頼の基準は信頼を非合理なものにする 犯罪の証拠 (smoking gun) に気づいていたか もしくは知っていたかどうかであるべきである 犯罪の証拠 (smoking gun) とは監査済み財務情報に重要なエラー又は記載モレがあると被告が結論づけるように導く もしくは導かれるべき証拠という意味である しかしながら 単に犯罪の証拠 (smoking gun) が存在していたということで 被告がそれを見たかもしくは所有していたために被告が実際に気づいていたもしくは気づいているべきであったということがない限り 被告が非合理であったとすべきではない 犯罪の証拠 (smoking gun) の例は 会計操作がされていると書かれたメモやEメール等である 原告にとって 危険信号 (red flag) を見つけることと比較して 犯罪の証拠 (smoking gun) を見つけることは明らかに困難であり 合理的な信頼の基準に反論することは相当困難になるであろう ( 中略 ) 上場企業は財務諸表を監査させるために専門家である監査人に数百万ドル支払っているこれらの専門家は専門的な規則に拘束され 証券法 11 条 GAASに準じた監査を行うためのその他の規則によってインセンティブを与えられている 犯罪の証拠が無い限り 非専門家が監査済み財務情報を信頼することは合理的である 我が国の状況 有価証券届出書の不実記載に係る引受証券会社の免責要件として 証券取引法 21 条 2 項 3 号は 記載が虚偽であり又はかけていることを知らず かつ 第 193 条の2 第 1 項に規定する財務計算に関する書類に係る部分以外については 相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかったこと と規定している 文理上からは 引受証券会社は 監査済みの財務情報について 監査人の監査結果を信頼するだけで免責され 記載事項の正確性を検証する注意を尽くす必要はないとも解釈できるが これについては以下の議論がある 1 監査結果を信頼すれば免責されるとの立場 財務証明に係る部分は相当の注意義務が免除されているが これは財務計算書類の監査は公認会計士または監査法人の分野であるので 公認会計士の監査結果を信 86 Id. at
42 頼すれば免責するのが相当と考えられるためである 87 とされ 17 条を経由して元引受証券会社は財務諸表の虚偽記載についても責任を負うとの見解に対しては 17 条は目論見書の作成に関与しない使用者としての 相当な注意 を求めるものであり 有価証券届出書の作成に深く関与する元引受証券会社の責任と同一視すべきものではないと思われる 88 ( 以下 神田説 とする ) この他 堀口教授が同様の見解を示している 89 2 監査結果を信頼するだけでは免責されないとの立場 この規定からは 公認会計士または監査法人の監査証明にかかる財務書類の虚偽記載に関しては 元引受証券会社は 虚偽記載を知らなければ 知らないことにいかに不注意があっても損害賠償の責任を負わないようにもみえる そうであるとすれば 法的責任に関する限り 元引受証券会社は 有価証券届出書または発行登録書のきわめて重要な部分である公認会計士または監査法人の監査証明にかかる財務書類についてはまったく調査をせず 発行者の表示をそのまま受け入れることが最も安全である しかし そのようなことは 募集 売出しに関与する者の相当な注意と慎重な配慮によって完全かつ正確な有価証券届出書による開示をはかろうとする証券取引法の理念に反するものである 90 / 虚偽記載のある目論見書を使用して有価証券を取得させた者は有価証券の取得者に損害賠償の責任を負う (17 条 ) その者が虚偽記載を知らずかつ相当な注意を用いたにもかかわら 87 神田秀樹監修 注解証券取引法 有斐閣 (1997)136 頁 88 神田秀樹監修 注解証券取引法 有斐閣 (1997) 頁 89 堀口亘 新訂第四版最新証券取引法 商事法務 (2003)207 頁 90 大蔵省証券局通達 2677 号 証券会社の引受業務の適正な運営について (1969) 幹事証券会社は 単に企業のための資金調達にとどまらず 証券市場および投資者全般に対する公共的責任を負担しているので 自ら企業の財務内容等を十分に把握し 必要かつ適切な措置を講ずることが肝要であ ( る ) 増資の引受け 株式の公開等に当たっては 自ら十分な調査を行うことはもちろん 要すれば当該発行会社を監査した公認会計士または監査法人からも監査内容 監査意見を形成するに至った経緯等について聴取する等各種の方法を総合的に講じて 会社の財務内容等について事前に的確に把握するとともに 必要に応じ当該会社に対し 適切な助言を行うこと が必要であるとした 大蔵省証券局通達 2211 号 投資者本位の営業姿勢の徹底について (1974) 有価証券の引受に当たっては 審査能力の一層の充実に努め 特に 引受にかかる事前審査の内容を高めることにより 払込みに至るまでの企業動向についても的確な情報の把握に努める等 引受業務の充実を図るとともに 極力 公認会計士または監査法人による監査対象事業年度後の財務状況に関する調査報告を求めること を要請した 42
43 ず知ることができなかったことを証明した場合に限り免責される 有価証券届出書または発行登録所に虚偽記載がある場合 それを基礎に作成される目論見書にも通常は虚偽記載があることになる しかし 元引受証券会社でない一般の証券会社は この目論見書の使用者として損害賠償の責任を免れるためには その虚偽記載が公認会計士または監査法人の監査証明にかかる財務書類にかかるか否かにかかわらず 虚偽記載を知らなかったことのみならず相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかったことも証明しなければならない / 目論見書の使用者にすぎない一般の証券会社でさえ記載の正確性を調査する義務を負担する これに対して元引受証券会社は 公認会計士または監査法人の監査証明にかかる財務書類については相当な注意を尽くすべき義務を負うものではないとの解釈は論理的にも不条理である 91 ( 以下 神崎説 とする ) この他 志村教授が同様の見解を示している 92 3 監査結果を信頼すれば 21 条の責任は免責されるとしても 17 条の責任 ( 目論見書の使用者として責任 ) を負うとの立場証券取引法 21 条 2 項 3 号で 引受証券会社が監査済み財務情報について相当の注意を尽くさなくとも責任を免れるのは不合理であり 引受証券会社は目論見書の使用者として証券取引法 17 条により 監査済み財務情報についても注意義務を負うと解するのが通説である 93 ( 以下 通説 とする ) 江頭教授 河本教授 近藤教授 黒沼教授がこの立場の見解を示している 神崎克郎他 証券取引法 青林書院 (2006) 頁ただし 神埼教授は監査済み財務情報について引受証券会社は証券取引法 21 条をもって責任を負うとの立場ながらも 要求される注意義務の基準についてはさほど高い基準を要求していない 神崎克郎 証券取引法上の民事責任 商法 保険法の諸問題 有斐閣 (1972)235 頁 元引受証券会社が有価証券届出書の財務諸表の重要な不実記載につき損害賠償義務を免れるためには 不実記載を知らないことのみならず 有価証券の分売を担当する一般の証券会社に要求される程度の注意を尽くしたにもかかわらず不実記載を知ることができなかったことを証明することを必要とすると解するべきではあるまいか 92 志村治美 証券取引法上の民事責任 証券取引法大系河本一郎先生還暦記念 商事法務 (1986) 頁 93 黒沼悦郎 発行開示と引受業務に関する諸問題 近年の証券規制を巡る諸問題 日本証券経済研究所 (2004)150 頁 94 江頭憲治郎 ディスクロージャーと民事責任 証券業法 (1996)29-32 頁河本一郎 証券取引法の基本問題 民事責任を中心として- 神戸法学雑誌 21 巻 3 4 号 (1972) 頁 43
44 3. 検討 引受証券会社が 監査済みの財務諸表について 監査人の意見を信頼するだけで免責されるとの見解は 投資者保護の観点から妥当ではないと考える 引受証券会社は発行会社の事業や組織体制 財務情報等について幅広くデュー ディリジェンスを行うため 財務情報に虚偽があった場合に それに気づき易い立場であることは確かであるために 引受証券会社にある程度の責任を課すことは 引受証券会社にとっても過度には大きな負担とならず かつ投資者保護上資するものと思われる これは引受人も監査済み財務情報について turn a blind eye であってはならないという米国での見解 95にも沿うものである [ 神田説への反対 ] 監査済み財務情報の正確性についても一定の責任を負うとした場合にも 一方で専門家である監査人への信頼も当然に認められるべきであるから 米国と同じく 合理的な信頼の基準 (reasonable reliance) を経由し 信頼を損なう注意義務の相当性の基準をどのようなものに定めるかが問題となる 上述した米国の判断基準によって分類すれば 1 WorldCom 判決以前で要求された程度の 危険信号 (red flag) の有無 2WorldCom 判決で要求された程度の 危険信号 の有無 3Sjostrom 氏がいうところの 犯罪の証拠 (smoking gun) の3 基準となる (1と3は実質的にはそれほど異なるものではない可能性がある ) 筆者としては まず2WorldCom 判決での 危険信号 は引受証券会社への負担が重すぎると考える 監査人が会計の専門家であるように 引受証券会社は金融の専門家であり 金融の専門家に対して WorldCom 判決が示したような高い基準で財務情報の正確性についての 危険信号 を察知することを法的に要求することは行き過ぎであろう そのような高い基準の注意義務を引受証券会社に要求した場合 引受証券会社はデュー ディリジェンスに多額のコストを要することとなるであろうが ( 引受証券会社の追加的なコスト負担は結局発行会社と投資家に転化される ) それにより追加される投資家保護の利益の程度とは釣り合うものではないと考えられる ( この点においては 後述するその他の証券会社が主幹事引受証券会社と同様のデュー ディリジェンスを行なうべきとすることが 河本一郎 関要監修 新訂版逐条解説証券取引法 商事法務 (2002)144 頁近藤光男他 新訂版証券取引法入門 商事法務 (1999) 頁石田眞得 証券会社の引受審査 六甲台論集 43 巻 1 号 (1996)22-23 頁 95 SEC Litigation Release No.18038(March 17,2003)(Merrill Lynch & Co. et al.) 44
45 合理的でないとする論拠と同様のことがいえると考える ) 以上から1WorldCom 判決以前の程度の 危険信号 の有無 または3Sjostrom 氏がいうところの 犯罪の証拠 のどちらかが妥当であると思われる そしてその基準に対応するために 引受証券会社は一定のコスト的制約の下で 監査人の存在を前提とした独自のデュー ディリジェンス手続きを発展させていくことが妥当であるように考える このような意味で引受証券会社が監査済み財務情報の正確性について責任を負担すべきと考えるが 我が国の証券取引法からそのような解釈を導きだすのは困難であると考える まず 17 条を経由して引受証券会社が監査証明の付された財務諸表について責任を負うとの見解は その論理には若干疑義がある 第 1に 証券取引法 17 条ではその他の引き受け証券会社のみならず単なる証券仲介業者も潜在的被告に含まれるが 単なる証券仲介業者が引受証券会社以上のデュー ディリジェンスを行うべきであるとはいえず 監査証明が付された財務情報について証券仲介業者が責任を負うとは到底いえそうもない そのように考えると 17 条をもって監査証明が付された財務情報の不実開示について引受証券会社に責任を負わせようとする場合は 目論見書の使用者の類型毎 ( 主幹事引受証券会社 その他の証券会社 分売のみを担う仲介業者等の類型が考えられる ) に責任の程度を考える必要があるということとなる 96 しかし 類型毎に責任の程度を考えるとしても 17 条の目論見書の使用者の想定する潜在的被告には目論見書を使用して分売する引受証券会社が当然含まれる前提で立法されたはずであり その上で 21 条は監査証明が付された財務情報について引受証券会社の責任を軽減していることを鑑みるに 目論見書の使用者の責任として立法された 17 条が 21 条より重い責任を引受証券会社に課すということは考え難い 第 2に 引受証券会社でない 単なる証券仲介業者から取得した投資家は その投資家に対して目論見書を使用して分売を行ってはいない引受証券会社に対して 17 条をもっては損害賠償を請求できないのではないかと考えられる [ 通説への反対 ] 以上の問題は既に 1971 年改正の段階で雑誌 インベストメント誌上で議論されている 97 この議論の結論めいたくだりでは 監査証明が付された財務情報の不実開示についての引受証券会社の責任は 17 条を経由するものではなく 21 条 2 項 3 号は 17 条の趣旨から考 96 梅本剛正 現代の証券市場と規制 商事法務 (2005)262 頁 Therese H. Maynard, The Affirmative Defense of Reasonable Care under Section 12(2) of the Securities Act of 1933, 69 Notre Dame Law Review 57(1933) 97 座談会 証券取引法の改正について [4] インベストメント 24 巻 5 号 (1971)61-69 頁 45
46 えて 全く注意をしなくてもいいという意味ではないと解釈する 98 のがよいとするものであった ただ この見解についても証券取引法 21 条 2 項 3 号は文理上 そのようには読み難いという事実もあるし いかに民事罰とはいえ 引受証券会社に大きな責任を生じさせる法文をこのように拡大的に解釈することは妥当でないと考える [ 神崎説への反対 ] 筆者としては解釈論で対応するよりも 21 条に不備があることを前提として 引き受け証券会社は監査済み財務情報の不実開示についても監査人への合理的な信頼 (reasonable reliance) の根拠を欠いていた場合に限っては損害を被った投資家に対して民事責任を負うことを明示するという法改正することで対応が図られることが望ましいと考える 99 第 3 節有価証券届出書に記載された 監査証明が付されていないもののコンフォート レ ターによりカバーされている財務情報について必要とされる注意義務の基準 監査証明を受けた財務書類についての問題は上述したとおりであるが 有価証券届出書には監査証明を受けた財務書類以外にも 監査証明を受けていない財務書類 100が掲載され またその他の財務情報も記載される (non-expertise parts of registration statement) 非監査財務情報の虚偽記載については 引受証券会社は公認会計士または監査法人を合理的に信頼することで免責される旨が条文上設けられていないため 非監査財務情報の正確性について引受証券会社は自ら直接検証する責任を負うこととなる ところが引受証券会社は一般的に 監査人と同じ作業をする人員を擁しておらずまた能力 経験もない そこで当該問題に対応するために 引受証券会社の依頼に基づいて監査人が財務情報について調査を行って 監査人から事務幹事証券会社への書簡 ( いわゆる コンフォート レター ) 座談会 証券取引法の改正について [4] インベストメント 24 巻 5 号 (1971)68 頁 条 2 項 3 号を改正すべきとの見解として梅本剛正 現代の証券市場と規制 商事法務 (2005) 頁 100 証券取引所が定める規則にしたがって作成された四半期財務諸表や 期末日より 3 ヶ月を経過せず未だ監査証明が付されていない財務諸表 中間財務諸表等がこれにあたる 101 日本公認会計士協会 監査 保証実務委員会報告第 68 号監査人から事務幹事証券会社への書簡について 平成 18 年 9 月 25 日 2. 書簡の意義 / 新規証券の発行等に係る引受契約を発行会社と締結した証券会社は 引受責任を果たすための手続の一つとして 事務幹事証券会社 ( 元引受証券会社のうちも元引受けに係る事務を行い 発行会社の財務情報の調査を直接実施する証券会社をいう ) を窓口として 発行会社が作成する有価証券届出書等に記載された財務情報の妥当性等を確かめるとともに それらの財務情報のその後の変動状況を把握する必要がある その際に 発行会社及び事務幹事証券会社は 発行会社の監査人にその調査を依頼することが通 46
47 を引受証券会社に対して提示するという対応が行われるようになり 実務として定着した 102 コンフォート レターによりカバーされた財務情報に係る引受証券会社の注意義務の基準を考える上で論点となるのは監査人との責任分担の問題である すなわち コンフォート レターによりカバーされた財務情報の正確性については引受証券会社としては監査人に大きな役割を担って欲しい期待がある一方で 監査人としては法に定められた監査手続きを踏んでいない中で 監査済み財務情報と同様の責任を負うことはできないという中で 両者は利益相反の関係にあるということもいえる 1. 米国の状況 監査人による監査証明を受けていない財務情報についてコンフォート レターを受け取ったとしても その財務情報は expertized portion に該当しないため 引受人は財務情報に不実記載があった場合に 合理的な信頼 (reasonable reliance) の抗弁を主張することはできないとされている 103 ただし コンフォート レターを受け取ったということは 引 例となっている / このように 書簡とは 発行会社による新規証券の発行等に際して 発行会社及び事務幹事証券会社からの依頼に基づき 監査人が届出書等に記載された発行会社の財務情報及びその後の変動につき調査した結果を 事務幹事証券会社に報告するために監査人が作成する文書である 102 コンフォート レターの作成は法律の要請に基づくものではない 米国においても同様である コンフォート レターの主な記載内容は以下のとおりである 1 監査済みの財務諸表等に関する監査報告書について それらの作成日現在の状況において訂正を必要とする事項が打切日現在において生じていないこと 2 届出書に記載された財務諸表等以外の財務情報のうち 事務幹事証券会社から依頼された調査事項についての監査人の調査手続きと調査結果 3 事後の変動を把握するための認識期間 ( 通常は最近事業年度の貸借対照表日の翌日から打切日の間 ) または認識期日 ( 通常は打切日 ) において特定の財務項目 ( 売上高 利益および純資産額 ) が比較すべき期間 ( 通常 売上高および利益について認識期間に対応する前年度の同期間 ) または期日 ( 通常 純資産額については最近事業年度の貸借対照表日 ) において減少した事実の有無 4 重要な後発事象の有無 103 In re WorldCom, Inc. Securities Litigation. 346 F. Supp. 2d (S.D.N.Y.2004) (quoting William F. Alderman, Potential Libilities in Initial Public offering, in How To Prepare an Initial Public Offering 2004,at (PLI 2004) 引受人は中間財務諸表に係る会計士のコンフォート レターを信頼の抗弁の意味で信頼することは許されない コンフォート レターは 他の誰にも専門家としての保証を受けない登録届出書の一部を保証 しない 47
48 受人の注意義務の相当性についての重要な判断要素であると Aircraft Carrier Release 104 や International Rectifier 判決 105 で述べられている 2. 我が国の状況 日本公認会計士協会が発する監査委員会報告第 68 号はコンフォート レターに係る発行会社 事務幹事証券会社 監査人の責任について以下のように述べている 3. 発行会社の開示責任発行会社の新規証券の発行等に当たり 届出書等の記載内容が正確であり 必要な開示がすべて行われていることについての責任は 第一義的には発行会社にある / 発行会社は 投資者の投資判断に資するように 最新で正確な情報を提供しなければならないため 事務幹事証券会社を窓口とする元引受証券会社の調査 さらには監査人の調査に積極的に協力する必要がある 4. 事務幹事証券会社の責任元引受証券会社は 発行会社から提供された情報が正確であり かつ網羅されていることを確認する引受責任を有している このため 事務幹事証券会社は 届出書類等に記載された財務情報の妥当性等を確かめるとともに それらの財務情報のその後の変動状況を把握することなどにより 投資者の保護のために必要な手段を講ずる必要がある / 監査人からの書簡は あくまで元引受証券会社の調査の一部として事務幹事証券会社によって利用されるものである 書簡の作成に際して事務幹事証券会社から依頼された調査事項並びに調査手続の範囲及び方法が十分なものであったかどうかについての責任は 調査を実施し書簡を作成した監査人にはなく 調査を依頼した事務幹事証券会社にある ( 注 : 下線筆者 ) 5. 書簡に関する監査人の責任監査人の調査は 届出書等に記載されている財務情報が その基礎となる会計記録等と合致しているかどうかを確かめるために実施されるものであって それらの妥当性 正確性について保証するものではない また 届出書等に記載されている日後に 104 本稿第 2 章第 3 節 2. で紹介 105 In re International Rectifier Sec.Litig.,No.CV RMT,1997U.S.Dist.LEXIS23966, (C.D.Cal.1997), at 7 48
49 おける発行会社の財務内容等の変動について 著しい悪化が生じていないことを保証するものでもない / 書簡に関する監査人の責任は 例えば 監査人が 事務幹事証券会社の依頼により引き受けた調査手続を実施せずに虚偽の内容の書簡を作成した場合 調査事項について誤謬 錯誤等を発見したにもかかわらずそれを報告しなかった場合 あるいは 書簡の作成を承諾したにもかかわらずその作成を怠った場合等において生じるものである / 監査人が事務幹事証券会社から依頼された調査事項の一部又は全部について 調査手続実施上の過重な負担がかかること又は実施結果に関して過重な責任を負うことになると判断した場合は 9. 書簡作成に当たっての基本的留意事項 の趣旨を斟酌して 実施可能な調査手続及び書簡に記載する内容について できるだけ早い時期に事務幹事証券会社及び発行会社との間で合意を得ておかなければならない 尚 この合意が得られず その結果として監査人が過重な負担又は責任を負うことになると判断した場合は 当該事項に関する調査の引受けを断る必要がある このような場合においては 当該事項に関する調査を引き受けることができない旨を直ちに事務幹事証券会社に伝えなければならない このように日本公認会計士協会はコンフォート レターについての監査人の責任が限定されたものであることを前提としてコンフォート レターを作成することとしている ( 近年 監査人を巻き込んだ粉飾決算事件で監査人の責任が問われる機会が多くなっているためか 監査人の責任を限定しようとする監査人側の姿勢はコンフォート レターに留まらず これまで一般的に行われてきた引受証券会社のデュー ディリジェンスの中での監査人に対する主に書面での質問に対しても相当に限定的な範囲でしか回答をしないという様子に至っている 106 米国でも監査人が責任を回避する目的で引受証券会社からの質問に対して限定的にしか回答しないということ状況がある 107 ) 106 近時 デュー ディリジェンスにおける引受証券会社と監査人の連携に係る問題は金融庁 証券会社の市場仲介機能等に関する懇談会論点整理 ( 平成 18 年 6 月 30 日 )14 頁でも指摘されている 107 Charles J.Johnson.Jr./Joseph Mclaughlin, Corporate Finance & The Securities Law Third Edition, Aspen 347 (2004) 発行者の監査法人は発行者の財務報告だけでなく発行者のビジネスの全ての面について幅広い知識を有しているため 財務諸表に関係するものだけでなく 全てのレビュー セッションに会計士が出席することはとても有用であるが 会計士はコスト面だけでなく 責任のためにしばしばこの提案を断る 49
50 3. 検討 コンフォート レターは監査済み財務情報に不実開示が含まれていないことを前提に 監査済み財務情報等と同様の会計処理で作成された財務情報等 ( 監査証明の付されていない財務諸表等 ) に記載された財務数値の正確性を一定の手続きの下で確認するに留まるものであるため 監査済み財務情報に不実開示があった場合は 引受証券会社がコンフォート レターでの確認箇所や確認手続きについて適切な指示をした場合でも 不実開示を発見できない可能性が高い ( 継続的に採用している会計処理の妥当性を検証する手続き等はコンフォート レター作成の手続きに含まれていない ) 引受証券会社は 監査済み財務情報に対する信頼を前提に 監査証明が付されていない財務情報の検証を行っているともいえる ところが一方で上述の監査委員会報告 68 号をみると 監査人側としてはコンフォート レターの作成 あくまで元引受証券会社の調査の一部として事務幹事証券会社によって利用されるものである 書簡の作成に際して事務幹事証券会社から依頼された調査事項並びに調査手続の範囲及び方法が十分なものであったかどうかについての責任は 調査を実施し書簡を作成した監査人にはなく 調査を依頼した事務幹事証券会社にある としている これらを勘案すると 監査証明が付されていない財務情報については 会計処理の妥当性等のある程度複雑な問題については 引受証券会社も監査人もどちらも注意義務を尽くす必要がない ( もしくはそのように認識されている ) と考えられる これを前提とすれば 会計処理の妥当性等のある程度複雑な問題についてはゲートキーパー不在の状態であることとなる これだけでは投資家保護上 問題がありそうである しかし転じて考えるに 会計処理等の事項は継続的に行われるものであるため 監査証明が付されていない財務情報について 不適切な会計処理があった場合は監査済み財務情報についても同様に不適切な会計処理があることとなり 不実開示により損害を被った投資家はそこから監査人に対して責任追及ができるために投資家保護の実際上はあまり問題がないように思われる 監査済み財務情報が対象とした事業年度以後に新しい会計処理が採用された場合は上述のような形での投資家保護は達成できないが 新しい会計処理を監査済み財務情報が対象とした事業年度以後に採用したか否かについて引受証券会社が発行会社と監査人に確認し 新しい会計処理を採用した事実があった場合に限って付加的な調査を引受証券会社が自ら調査すること又はコンフォート レターの中で調査の対象とすることを追加的に依頼することは 引受証券会社にとっても過大な注意義務とはいえないと 50
51 思われることから そのような注意義務を引受証券会社に課すことは妥当であると考える 第 4 節主幹事引受証券会社とその他の引受証券の責任の相違 有価証券の募集に際して 通常は1 社の引受証券会社が主幹事引受証券会社 (managing underwriter) となってその他の証券会社 (participating underwriter) と引受シンジケート団を組織して複数の引受証券会社で引受を行う 実施するデュー ディリジェンスの内容は 主幹事引受証券会社とその他の引受証券会社とでは大きく異なり 通常のその他の引受証券会社は引受審査資料として会社情報資料と有価証券届出書を発行会社から入手し 108 主幹事引受証券会社に対して主に書面で質問のやり取りを行ない検証するというものであり その他の引受証券会社の行なうデュー ディリジェンスは主幹事引受証券会社のデュー ディリジェンスと比して深度の浅いものである 証券取引法 21 条は主幹事とそれ以外の引受証券会社を区別して規定していないが 両者の間で要求される注意義務の基準は異なるのか また異なるとする場合はその他の証券会社に要求される注意義務の基準とは如何なるものであるかが論点となる 1. 米国の状況 第 2 章で紹介した BarChris 事件では 引受シンジケート団は 8 社の証券会社から構成されたが Drexel 以外の証券会社はデュー ディリジェンスを全く行わなかった BarChris 判決では Drexel が注意義務の基準を充たしていないとし Drexel とその顧問弁護士に単純に依存した他の引受証券会社もまた その結果に拘束される Drexel と他の引受証券会社は目論見書のそれらの部分が真実であると合理的な根拠なく信じた したがって 彼らは 1960 年度の監査された数値を除いてデュー ディリジェンスの抗弁を証明できない と述べ 主幹事証券会社が相当な調査を行ったと単純に信頼したその他の証券会社については相当な注意を尽くしたかを判断する必要がないとした しかしながら その後にその他の証券会社がデュー ディリジェンスの抗弁を証明した裁判例も示された 108 我が国で実務上交わされている引受審査資料については 日本証券業協会 有価証券の引受審査手続きに関する事務処理指針 ( 平成 4 年 8 月 13 日 ) 参照 51
52 Gap Store 判決 109では以下のように判示され その他の引受証券会社の主幹事引受証券会社への信頼が合理的であるとされた 業界の慣行に従えば その他の証券会社(participating underwriters) は証券法 11 条の責任から免責されるための証券取引法上の要請について主幹事証券会社に依存している これは非合理的なことではない なぜなら もし各々の引受証券会社が登録届出書の正確性の調査と検証を行ったら混乱が広がってしまうであろう 引受証券会社は有価証券をマーケットに販売しようとするだけではなく 書面での調査 デュー ディリジェンス ミーティングの開催 その他一般的な全ての調査を行う その他の証券会社がこれらのうちの一つにでも取り組んだのであれば それはコストが大きく主幹事証券会社が引き受けるべき作業の不適切な重複となるであろう /( 中略 ). 投資家を保護するという立法の趣旨は主幹事引受証券会社が十分な調査を行うことでほとんど達成される しかし その他の証券会社による独立した質問が追加的になされれば追加的に記載ミスを掘り返したとしても改善の利益は調査が増加したことによる支出と混乱と釣り合うものではないであろう そのような完璧な目論見書の追求は努力に値しないであろう 110 これに対してSECはその他の引受証券会社も限定された形でデュー ディリジェンスを行なうべきとする以下のreleaseを発表している 111 証券法 11 条は法文上 主幹事引受人 ( 主幹事 ) と引受シ団のメンバーとしての引受人 ( 参加引受人 ) を区別していない 条文は 全ての引受人 と述べているのみである これには専門家としての引受人のサービスを行なわず 発行者のために証券を分売する役員や引受人も含まれるであろう これはそれらの役員はプロの引受人のようなデューディリジェンスを行なう義務を有するということになる 参加引受人の合理的調査は主幹事引受人ほど重い負担ではないであろうし 合理的調査をするにおいて参加引受人は主幹事による調査と同じ調査をすることは必要とされない 参加引受人は調査を行なうことを主幹事引受人に委託することができる 参加引受人は主幹事を 調査を行うことについての代理人として委任できるが 重要なことは主幹事への委任と主幹事の調査結果への信頼は 全ての状況を考慮して合理的 である必要があると理解することである このことは 参加引受人は登録届出書の記載の 109 In re Gap Store Sec. Litig., 79 F.R.D. 283 (N.D.Cal. 1978) 110 Id. at New High Risk Ventures, Securities Act Releases No.5275 (July 26,1972) 52
53 正確性について確認する作業から開放されるが もし参加引受人が主幹事引受人であれば行なったであろう調査を主幹事が行なうことを確かめなければならないということである 参加引受人は主幹事の調査プログラムを確かめ 実際の調査の遂行が十分であるかを確かめるべきである 参加引受人の主幹事へのチェックは登録届出書の記載の正確性について保証を加えるために重要である 証券法 11 条はその状況において相当な調査を行った者各々について証券法 11 条が定める重い民事責任から免責するデュー ディリジェンスの抗弁を設けている しかし議会はその他のも証券法 11 条に服させ デュー ディリジェンスの抗弁を与えているが 検証のプロセスにおけるその他の証券会社の役割を鑑みた規定をおいていない しかし その他の証券会社は調査の実施を委任することが許されるが 登録届出書の正確性を確かめる何らかの手段を講じなければならない このために その他の証券会社は少なくとも主幹事が相当な調査を行ったことを確認するべきである 年制定された Rule176 でも注意義務の相当性の判断に影響を与える事項として 引受人である場合 引受契約のタイプ 引受人としての役割および登録に係る情報の利用可能性 が挙げられており ここでも引受人の役割に応じて要求される注意義務の基準が異なることが確認されている 2. 我が国の状況 我が国においては 主幹事証券会社とその他の証券会社の役割 義務の違いについて これまで明確にされていなかったが 平成 19 年 2 月 22 日に日本証券業協会が発表した 会員における引受審査のあり方 MSCBの取扱いのあり方等について 会員における引受審査のあり方等に関するワーキング グループ最終報告 の中で以下のように述べられた 証券取引法上の責任に関しては 主幹事証券会社とその他の引受証券会社との間で軽重が設けられているものではないが 実質的な責任は引受シェアにより分担されることが一般的であり 主幹事は大多数の引受シェアを確保していることや 実務上 審査期間 審査資料 審査方法 発行会社との関係等において 審査の深度には自ずと差が生じざるを得ず また 上記における発行会社の負担にも配慮すると その他の引受証券会社の審査 112 Id. at 6 53
54 手続きは主幹事証券会社を通じて取得する情報に基づき 重要項目に絞った確認とならざるを得ないと考えられる そのため その他の引受証券会社が行う引受審査は 原則として 主幹事証券会社を通じて取得する情報に基づき行うことを規則上明確化すべきとの結論に至った ただし 例外的に その他の引受証券会社が主幹事証券会社から受領する情報以外に さらに情報の必要性を認めた場合には 審査品質の向上の観点から その他の引受証券会社が直接発行会社に対して確認を行うことが必要となる場合も想定されるため それを完全に排除すべきではないとの結論に至った 114 その他の引受証券会社が行うデュー ディリジェンスは通常 引受審査資料として会社情報資料と有価証券届出書を発行会社から入手し 主幹事引受証券会社に対して主に書面で質問のやり取りを行ない検証するというものであると上述したが 必ずしも全ての引受証券会社が主幹事証券会社に質問を行うという作業を行ってはいない 3. 検討 その他の引受証券会社が主幹事引受証券会社と同様のデュー ディリジェンスを実施することは無駄にコストを増大させるだけであるため その他の引受証券会社に要求される注意義務は 主幹事引受証券会社が行ったデュー ディリジェンスの内容を確認することによって達成されるという米国の見解には賛成である そのためには 主幹事引受証券会社へ質問を行うということの他に 引受シンジケート団が一同に介してのセッションという方法でも達成できるように思われる 第五節その他の論点 1. デュー ディリジェンスにおける証券アナリストの利用とチャイニーズ ウォールと の関係 発行会社と発行会社の属する業界についての知識 分析力を有した引受証券会社のアナ リスト (sell-side analysts) をデュー ディリジェンスに関与させることはデュー ディリジ 114 日本証券業協会 会員における引受審査のあり方 MSCB の取扱いのあり方等について - 会員における引受審査のあり方等に関するワーキング グループ最終報告 頁 54
55 ェンスの質を高める上で有益であるが 一方でアナリストが有価証券の引受等の投資銀行業務に関与することに係るマーケットサイドとの利益相反の問題も指摘されており この対立が論点となる Aircraft Carrier Releaseにおいて SECは引受の過程におけるリサーチ アナリストの重要な役割に焦点をあてて 次のように述べる 通常 発行者又は発行者の業界をフォローするアナリストは典型的に発行者のリスクと発行者のビジネスの見通しの測定に着手し アナリストは発行者と発行者の業界に関する公にされた入手可能な情報に精通し 吟味し アナリストは発行者又はその競合相手と継続的に接触する それらは促進された調査過程を助け 情報を積み上げることとなる 115 Aircraft Release は 多くの会社が維持しているアナリストと引受人との間の チャイニーズ ウォール を否定し 暗にアナリストの拡大的利用を奨励することを認めている これらの 壁 は 発行者の重要な非公開情報に係る ガン ジャンピング の申し立てを避けるために 募集に先立ってアナリストの分析の発表に係る規制のために設けられているものである この release はこのジレンマについて入り混じったシグナルを与えている release は 私達はデュー ディリジェンスの実施においてアナリストの補助的な役割を認めているが 一方で同じ証券会社で働き 同じ発行者から利益を分かつアナリストと引受人の間の規制による壁の維持の賢明さも認めている この release はアナリストから引受チームへの情報のフローについて検討する 会社におけるアナリストと引受人の間の 一方通行の 壁から成る仕組みを提案するものであって 他の方向への重要な未公開情報の開示を提案するものではない しかしながら この release は実務業務や 一方通行 の壁の維持の実際的な困難 ( 実際 募集を提案していることを知っているということが重要な非公開情報を構成する可能性がある ) 一方通行 の壁の完全性を立証するに際して直面するであろう困難さについて詳しく述べていない 日本証券業協会が定める 有価証券の引受け等に関する規則 公正慣習規則第 14 号 ( 平成 4 年 5 月 13 日 ) の 3 条 2 項は 引受幹事証券会社となる会員は 引受審査業務の重要性に鑑み 証券アナリストの調査結果の活用を図るとともに 引受審査機能の向上及び引受審査体制の組織的独立性の確保に努めなければならない としている 一方 同じ日本証券業協会が発した アナリスト レポートの取扱い等について ( 理事会決議 平成 18 年 at 13 55
56 月 1 日改訂 ) は引受部門及び投資銀行部門の提案業務への関与の禁止を定めている 116 しかし営業活動ではなく 引受審査部という自主規制的セクションでアナリストを活用することは利益相反の問題とはならないのではないか これについて アナリスト レポートの取扱い等について では特段禁止していない チャイニーズ ウォールは投資銀行部門とマーケット部門を切り分ける壁とされるが それ以前に 営業セクションである引受部門と引受審査部門の間に切り分けがなされていれば アナリストを引受審査に活用することには問題がないように思われる 2. 発行登録制度を利用した募集における時間的制約下での必要とされる注意義務 発行登録制度は 参照方式の利用用件を満たしている者が一定期間の発行予定額 有価 証券の種類その他一定事項を記載した発行登録書を提出しておけば 実際に有価証券を発 行しようとする時に届出をせずに 発行条件等の証券情報だけを記載した発行登録追補書 類を提出すれば有価証券の募集を行うことができる制度である 発行登録者である発行会 社が発行登録追補書類を提出した場合は 発行会社はその提出日またはその翌日から当該 発行登録に係る有価証券を募集または売出しにより取得させ または売り付けることがで きるようになる 117 このような有価証券の発行は 発行会社にとって機動的な資金調達を 可能にする一方で 引受人は従来どおりのデュー ディリジェンスを行うことは困難である 継続開示書類を有価証券届出書に組み込む発行方式について 米国でデュー ディリジェン 116 日本証券業協会 アナリスト レポートの取扱い等について ( 理事会決議 )(18 年 5 月 1 日 )5 頁 協会員は 引受部門及び投資銀行部門からのアナリストの独立性の確保に十分に留意するものとし 当該協会員の役職員が次に掲げる行為及びこれに類する行為を行うことのないようにしなければならない 1 アナリストが 引受部門又は投資銀行部門の業務に関して行う企業等への提案活動に関与すること 2 引受部門又は投資銀行部門の業務に従事する役職員が 当該部門の業務に関して行う企業等への提案活動にアナリスト又は外部アナリストを関与させようとすること又は関与させること 3 アナリストが 企業等又は当該協会委員が行う投資家への説明等 ( 引受部門又は投資銀行部門の業務又は取引に関し企業等が行うもの及び引受部門又は投資銀行部門がその開催に関与するものに限る 以下同じ ) に関与すること 4 引受部門又は投資銀行部門の業務に従事する役職員が 企業等又は当該協会員が行う投資家への説明会等にアナリスト又は外部アナリストを関与させようとすること又は関与させること 117 取扱通達 23 の
57 スとの関係で懸念された事項は以下のとおりである 登録届出書の従来的な準備の場合と異なり 登録届出書への組込が可能とされることは その準備時間の減少をもたらす 2 取引所法報告書の情報を登録届出書のために利用することとなるが 当該情報は 証券引受人の助言を介さずに準備されることとなる 3 証券引受人が開示の質を問題とする場合に 発行会社は 事前に提出されている書類を訂正することをいやがる 4 募集以前に準備された書類が登録届出書に参照方式で組み込まれることになり 証券引受人との関係で当該遅れた情報につき証券法 11 条の責任が問題となる こうしたデュー ディリジェンスの制約の中は 発行会社が機動的資金調達を行うことによる利益と質の高いデュー ディリジェンスによる投資家保護の利益の対立と捉えることもできる 119 このことは 従来のゲートキーパー責任論に基づく不実開示に係る民事責任の賦課について根本的な疑問を投げかけたと評価されている 120 補論ゲートキーパーが機能しない局面についての Coffee 教授の分析 監査人や引受証券会社がゲートキーパーとして違反行為を抑止できるのは 長期に亘って評判資本 (reputation capital) を蓄積しており また将来に亘っても評判資本を維持するインセンティブがあるために 1 個の顧客から受け取る報酬のために不実開示を見逃し 評判資本を損なうような行動はとらないはずであるという考えに基づくものである Arther Andersen( BIG5 と呼ばれた世界的な会計事務所 ) は 2300 もの顧客を有しており評判資本を維持する強いインセンティブがあったはずであるにもかかわらず Enron 事件 WorldCom 事件ではゲートキーパーとして有効に機能しなかったといえる この理由をCoffee 教授は2つの仮説から説明を試みている 121 第 1 の仮説は 一般的抑 118 Securities Act Release No.6335, at SEC Act Release 6383, 24 SEC Dock. 1262, 1296 n. 101 (1982) 裁判所は 成熟した会社の略式募集に関しての会計士の調査が 最初の公募に関して同様な意味で合理的であるとは期待しないであろう 120 野田耕志 開示規制における証券引受人の ゲートキーパー責任 商事法務 1636 号 (2002)82 頁 121 John C. Coffee Jr., What Caused Enron?: A capsule Social and Economic History of the 1990 s 25 (2003) 57
58 止不能説 (general deterrence) である これはゲートキーパー不履行 ( 不実開示の看過等 ) に対する民事責任等の期待法的コストが減少していたために ゲートキーパー不履行に対して生じる利益の方を選択してしまったという仮説である 第 2の仮説は バブル説 (bubble) である これは 投資家が慎重な判断を行わなくなるバブル期においてゲートキーパーが重要であるとみられなくなり 顧客 ( 発行会社 ) に対する影響力および評判資本の価値がそれぞれ低い状態にあったという仮説である Coffee 教授は 評判資本を長期的に維持することよりも 評判資本をリスクにさらして短期的に利益を得ることがゲートキーパーにとって利益になると考えられてきたと述べる 122 一般的抑止不能説が説明することが原因であるとすれば法的なエンフォースメントを強化することで解決が図られるし バブル説が説明することが原因であるとすれば バブルがはじけた後に ゲートキーパーは重要性を回復するであろうと述べる 123 これらの仮説は我が国の状況に照らして議論する余地が大きいと思われ 今後我が国でも議論が進むことが期待されよう 122 Id. at Id. at 41 58
59 総括 本稿では 米国の裁判例 SEC 規則を含む証券規制を概観しながら 証券取引法 21 条に定める引受証券会社の責任について考察してきた 論点 1. 有価証券届出書に記載された監査証明が付された財務情報以外の記載事項について引受証券会社が必要とされる注意義務は 引受証券会社は発行会社等からの説明について可能な限り独自に検証を行うことを前提に 検証のために必要なデュー ディリジェンスの作業を実施したか否かが判断基準となっており 我が国においても同様の基準で判断されることが妥当と考える 論点 2. 有価証券届出書に記載された監査証明が付された財務情報について引受証券会社が必要とされる注意義務は 法文上は明らかではないが 専門家である監査人に対する合理的な信頼を免責要件とし 監査人に対する信頼が合理的であるか否かを引受証券会社は検証する必要があり そのような意味での注意義務を負うことが妥当と考えた 監査済み財務情報についても引受証券会社は注意義務を負うことが通説である一方 現在の証券取引法 21 条 2 項 3 号は法文上そのようになっていない点で不備があり 合理的な信頼の免責要件を盛り込んで監査証明が付された財務情報について引受証券会社が注意義務を負うとの内容に改正することが妥当であろうと考える 論点 3. コンフォート レターによりカバーされている財務情報について必要とされる注意義務の基準は 引受証券会社が監査済み財務情報と比して大きな責任を有しているであろうことは法文上からも米国裁判例の判示からも明らかであるが 引受証券会社がその注意義務を全うすることは実はさほど困難なことではないとの考えに至った 論点 4. 主幹事引受証券会社とその他の引受証券会社の責任については 法文上は区別がなくとも その他の引受証券会社は主幹事と同様のデュー ディリジェンスを行うまでは要求されず しかし主幹事が行ったデュー ディリジェンスが適切に行われたかを確認することは必要であるとすることが妥当と考える 尚 本稿では近時に新しい判断を示した重要な米国裁判例として WorldCom 判決を扱ったが WorldCom 事件は歴史に残る大スキャンダル事件であったため 裁判所が 見せしめ 的に過度に厳しい判断となった可能性があるとも考える 今後の米国における裁判で引受人が必要とされる注意義務の基準として WorldCom 基準 が適用されるのか否か 注目したい 59
60 主要な参考文献 William K.Sjostrom, Jr., The Due Diligence Defense under Section 11 of The Securities Act of 1933, 44 Brandeis Law Journal 549(2006) 黒沼悦郎 ディスクロージャーの実効性確保 金融研究 25 巻 3 号 (2006) 神崎克郎他 証券取引法 青林書院 (2006) 梅本剛正 引受人の役割と責任 現代の証券市場と規制 商事法務 (2005) Charles J.Johnson,Jr./Joseph McLaughlin, Corporate Finance & The Securities Law, Third Edition, Aspen (2004) 黒沼悦郎 発行開示と引受業務に関する諸問題 近年の証券規制を巡る諸問題 日本証券経済研究所 (2004) 黒沼悦郎 アメリカ証券取引法 [ 第 2 版 ] 弘文堂(2004) 野田耕志 アメリカにおける証券引受人の機能と責任 法学 68 巻 1-2 号 (2004) 野田耕志 証券取引法の視点からのコーポレートガバナンス PRI Discussion Paper Series (No.04A-20)(2004) Available at John C. Coffee Jr., What Caused Enron?: A capsule Social and Economic History of the 1990 s, Columbia Law and Economics Working Paper No (2003). Available at SSRN: Johon C.Coffee, Jr, GateKeeper Failure and Reform:The Challenge of Fashioning Relevant Reforms, Columbia Law and Economics Working Paper No.237 (2003). Available at SSRN: Cadwalader, Wickersham & Taft LLP, Underwriter Due Diligence In Securities Offerings, New York Law Journal (May 27 th 1999) Available at Stephen Choi, MARKET LESSONS FOR GATEKEEPERS, 92 Northwestern Univ Law Review (1998) 神田秀樹監修 注解証券取引法 有斐閣 (1997) 石田眞得 証券会社の引受審査 - 証券取引法 21 条 2 項 3 号の 相当な注意 を中心として- 六甲台論集 43 巻 1 号 (1996) Report of the Task Force on Sellers Due Diligence and Similar Defenses 60
61 Under the Federal Securities Laws, 48 Business Lawyer 1185 (1993) 黒沼悦郎 証券市場における情報開示に基く民事責任 (1)~(5) 法学協会雑誌 105 巻 12 号 106 巻 号 (1988~89) 志村治美 証券取引法上の民事責任 証券取引法体系河本一郎先生還暦記念 商事法務 (1986) Reinier H.Kraakman, Gatekeepers:The Anatomy of a Third-Party Enforcement Strategy, 2 Journal of Law Economics, and Organization 53 (1986) 61
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法第 20 条は, 有期契約労働者の労働条件が期間の定めがあることにより無期契約労働者の労働条件と相違する場合, その相違は, 職務の内容 ( 労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度をいう 以下同じ ), 当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して, 有期契約労働者にとって不合
Q45. 有期契約労働者が正社員と同じ待遇を要求する 1 問題の所在有期契約労働者の労働条件は個別労働契約, 就業規則等により決定されるべきものですので, 正社員と同じ待遇を要求することは認められないのが原則です しかし, 有期契約労働者が正社員と同じ仕事に従事し, 同じ責任を負担しているにもかかわらず, 単に有期契約というだけの理由で労働条件が低くなっているような場合には, 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止
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03-08_会計監査(収益認識に関するインダストリー別③)小売業-ポイント制度、商品券
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第 3 問答案用紙 問題 1 1 新株予約権 2 75,000 3 75,000 4 0 5 3,000 6 70,000 7 7,000 8 42,000 金額がマイナスの場合には, その金額の前に を付すこと 9 2,074,000 会計基準の新設及び改正並びに商法の改正により, 以前よりも純資産の部に直接計上される 項目や純資産の部の変動要因が増加している そこで, ディスクロージャーの透明性の確保
求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする
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制定 : 平成 24 年 5 月 30 日平成 23 年度第 4 回理事会決議施行 : 平成 24 年 6 月 1 日 個人情報管理規程 ( 定款第 65 条第 2 項 ) 制定平成 24 年 5 月 30 日 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 定款第 66 条第 2 項の規定に基づき 公益社団法人岐阜県山林協会 ( 以下 この法人 という ) が定める 個人情報保護に関する基本方針 に従い 個人情報の適正な取扱いに関してこの法人の役職員が遵守すべき事項を定め
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社会福祉法人春栄会個人情報保護規程 ( 目的 ) 第 1 条社会福祉法人春栄会 ( 以下 本会 という ) は 基本理念のもと 個人情報の適正な取り扱いに関して 個人情報の保護に関する法律 及びその他の関連法令等を遵守し 個人情報保護に努める ( 利用目的の特定 ) 第 2 条本会が個人情報を取り扱う際は その利用目的をできる限り特定する 2 本会が取得した個人情報の利用目的を変更する場合には 変更前の利用目的と変更後の利用目的とが相当の関連性を有する合理的な範囲内になければならない
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別紙 2 改訂前 Ⅱ 保険監督上の評価項目略 Ⅱ-2-7 商品開発に係る内部管理態勢略 Ⅱ-2-7-2 主な着眼点 (1)~(4) 略 (5) 関連部門との連携 1~3 略 4 関連部門は 販売量拡大や収益追及を重視する 例えば営業推進部門や収益部門から不当な影響を受けることなく 商品に伴うリスク 販売上の留意点等の商品の課題に対する検討を行っているか また 検討内容等について 取締役会等又はとりまとめ部門等
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内部統制ガイドラインについて 資料 内部統制ガイドライン ( 案 ) のフレーム (Ⅲ)( 再掲 ) Ⅲ 内部統制体制の整備 1 全庁的な体制の整備 2 内部統制の PDCA サイクル 内部統制推進部局 各部局 方針の策定 公表 主要リスクを基に団体における取組の方針を設定 全庁的な体制や作業のよりどころとなる決まりを決定し 文書化 議会や住民等に対する説明責任として公表 統制環境 全庁的な体制の整備
( 内部規程 ) 第 5 条当社は 番号法 個人情報保護法 これらの法律に関する政省令及びこれらの法令に関して所管官庁が策定するガイドライン等を遵守し 特定個人情報等を適正に取り扱うため この規程を定める 2 当社は 特定個人情報等の取扱いにかかる事務フロー及び各種安全管理措置等を明確にするため 特
特定個人情報等取扱規程 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 株式会社ニックス ( 以下 当社 という ) の事業遂行上取り扱う個人番号及び特定個人情報 ( 以下 特定個人情報等 という ) を適切に保護するために必要な基本的事項を定めたものである ( 適用範囲 ) 第 2 条この規程は 当社の役員及び社員に対して適用する また 特定個人情報等を取り扱う業務を外部に委託する場合の委託先
個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9
個人情報保護規程 株式会社守破離 代表取締役佐藤治郎 目次 第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章個人情報の利用目的の特定等 ( 第 4 条 - 第 6 条 ) 第 3 章個人情報の取得の制限等 ( 第 7 条 - 第 8 条 ) 第 4 章個人データの安全管理 ( 第 9 条 ) 第 5 章個人データの第三者提供 ( 第 10 条 ) 第 6 章保有個人データの開示 訂正
IFRS基礎講座 IAS第37号 引当金、偶発負債及び偶発資産
IFRS 基礎講座 IAS 第 37 号 引当金 偶発負債及び偶発資産 のモジュールを始めます パート 1 では 引当金とその認識要件について解説します パート 2 では 引当金の測定を中心に解説します パート 3 では 偶発負債と偶発資産について解説します 引当金とは 時期または金額が不確実な負債をいいます 引当金は 決済時に必要とされる将来の支出の時期や金額が 不確実であるという点で 時期や金額が
14個人情報の取扱いに関する規程
個人情報の取扱いに関する規程 第 1 条 ( 目的 ) 第 1 章総則 この規程は 東レ福祉会 ( 以下 本会 という ) における福祉事業に係わる個人情報の適法かつ適正な取扱いの確保に関する基本的事項を定めることにより 個人の権利 利益を保護することを目的とする 第 2 条 ( 定義 ) この規程における各用語の定義は 個人情報の保護に関する法律 ( 以下 個人情報保護法 という ) および個人情報保護委員会の個人情報保護に関するガイドラインによるものとする
民法 ( 債権関係 ) の改正における経過措置に関して 現段階で検討中の基本的な方針 及び経過措置案の骨子は 概ね以下のとおりである ( 定型約款に関するものを除く ) 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置 民法総則 ( 時効を除く ) における改正後の規定 ( 部会資
民法 ( 債権関係 ) 部会資料 85 民法 ( 債権関係 ) の改正に関する要綱案の取りまとめに向けた検討 (18) 目次 第 1 民法総則 ( 時効を除く ) の規定の改正に関する経過措置... 1 第 2 時効の規定の改正に関する経過措置... 1 第 3 債権総則の規定の改正に関する経過措置... 2 第 4 契約総則 各則の規定の改正に関する経過措置... 4 i 民法 ( 債権関係 )
EDINET 提出書類 株式会社三栄建築設計 (E0405 訂正有価証券報告書 表紙 提出書類 有価証券報告書の訂正報告書 根拠条文 金融商品取引法第 24 条の 2 第 1 項 提出先 関東財務局長 提出日 2019 年 1 月 16 日 事業年度 第 25 期 ( 自 2017 年 9 月 1
表紙 提出書類 有価証券報告書の訂正報告書 根拠条文 金融商品取引法第 24 条の 2 第 1 項 提出先 関東財務局長 提出日 2019 年 1 月 16 日 事業年度 第 25 期 ( 自 2017 年 9 月 1 日至 2018 年 8 月 31 日 ) 会社名 株式会社三栄建築設計 英訳名 SANEI ARCHITECTURE PLANNING CO.,LTD. 代表者の役職氏名 代表取締役専務小池学
版 知る前契約 計画 に関する FAQ 集 2015 年 9 月 16 日 有価証券の取引等の規制に関する内閣府令が改正され いわゆる 知る前契約 計画 に係るインサイダー取引規制の適用除外の範囲が拡大されています 日本取引所自主規制法人に寄せられる 知る前契約 計画 に関する主な
2016.2.4 版 知る前契約 計画 に関する FAQ 集 2015 年 9 月 16 日 有価証券の取引等の規制に関する内閣府令が改正され いわゆる 知る前契約 計画 に係るインサイダー取引規制の適用除外の範囲が拡大されています 日本取引所自主規制法人に寄せられる 知る前契約 計画 に関する主な質問及びそれに対する回答をとりまとめました なお 掲載している質問に対する回答は 知る前契約 計画 に関する考え方のポイントを一般論として示したものであり
1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一
ディスカッション ペーパー のれんはなお償却しなくてよいか のれんの会計処理及び開示 に対する意見 平成 26 年 9 月 30 日 日本公認会計士協会 日本公認会計士協会は 企業会計基準委員会 (ASBJ) 欧州財務報告諮問グループ (EFRAG) 及びイタリアの会計基準設定主体 (OIC) のリサーチ グループによるリサーチ活動に敬意を表すとともに ディスカッション ペーパー のれんはなお償却しなくてよいか
に含まれるノウハウ コンセプト アイディアその他の知的財産権は すべて乙に帰属するに同意する 2 乙は 本契約第 5 条の秘密保持契約および第 6 条の競業避止義務に違反しない限度で 本件成果物 自他およびこれに含まれるノウハウ コンセプトまたはアイディア等を 甲以外の第三者に対する本件業務と同一ま
コンサルティング契約書 ケース設定 : 委託者であるクライアント A 株式会社が 一定の事項に関する専門的なアドバイスや相談を求め これに対して受託者であるコンサルタント B 株式会社が応じる場合を想定しています 東京都 A 株式会社 ( 以下 甲 という ) と東京都 B 株式会社 ( 以下 乙 という ) とは 〇〇に関するコンサルティング業務の提供に関し 以下のとおり契約を締結する 前文にあたる部分は
「資産除去債務に関する会計基準(案)」及び
企業会計基準委員会御中 平成 20 年 2 月 4 日 株式会社プロネクサス プロネクサス総合研究所 資産除去債務に関する会計基準 ( 案 ) 及び 資産除去債務に関する会計基準の適用指針 ( 案 ) に対する意見 平成 19 年 12 月 27 日に公表されました標記会計基準 ( 案 ) ならびに適用指針 ( 案 ) につい て 当研究所内に設置されている ディスクロージャー基本問題研究会 で取りまとめた意見等を提出致しますので
個人情報管理規程
個人情報管理規程 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条 この規程は エレクタ株式会社 ( 以下 会社 という ) が取り扱う個人情報の適 切な保護のために必要な要件を定め 従業者が その業務内容に応じた適切な個 人情報保護を行うことを目的とする ( 定義 ) 第 2 条 本規程における用語の定義は 次の各号に定めるところによる (1) 個人情報生存する個人に関する情報であって 当該情報に含まれる氏名
5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的
仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) について 1 条例制定の趣旨 債権 とは 仙台市が保有する金銭の給付を目的とする権利のことで 市税や国民健康保険料 使用料 手数料 返還金 貸付金など様々なものを含みます そして 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理を 債権管理 といい 具体的には 納付通知書の送付や台帳への記録 収納状況の管理 滞納になった場合の督促や催告 滞納処分 強制執行 徴収の緩和措置等の手続きを指します
<4D F736F F D20335F395F31392E31312E323895BD8BCF925089BF82C982E682E98EE688F88EC08E7B82CC82BD82DF82CC8BC696B191CC90A CC90AE94F
平均単価による取引実施のための業務体制等の整備について 平成 15 年 12 月 17 日理事会決議平成 16 年 3 月 24 日一部改正平成 18 年 10 月 25 日一部改正平成 19 年 11 月 28 日一部改正 投資一任契約に係る業務を行う会員が平均単価による約定 決済を行う取引 ( 約定日 受渡日が同一の取引につき 銘柄毎 売買別に 単価の異なる複数の約定を合算し 平均単価を単価として取引報告及び決済を行う取引をいう
Microsoft Word - 内部統制システム構築の基本方針.doc
内部統制システム構築の基本方針 1. 目的 当社は 健全で持続的な発展をするために内部統制システムを構築及び運用 ( 以下 構築 という ) することが経営上の重要な課題であると考え 会社法及び会社法施行規則並びに金融商品取引法の規定に従い 次のとおり 内部統制システム構築の基本方針 ( 以下 本方針 という ) を決定し 当社及び子会社の業務の有効性 効率性及び適正性を確保し 企業価値の維持 増大につなげます
1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消された
1 A 所有の土地について A が B に B が C に売り渡し A から B へ B から C へそれぞれ所有権移転登記がなされた C が移転登記を受ける際に AB 間の売買契約が B の詐欺に基づくものであることを知らなかった場合で 当該登記の後に A により AB 間の売買契約が取り消されたとき C は A に対して土地の所有権の取得を対抗できる (96-51) 2 A が B の欺罔行為によって
改正犯罪収益移転防止法_パンフ.indd
平成 25 年 4 月 1 日から 改正犯罪収益移転防止法 が施行されます ~ 取引時の確認事項が追加されます ~ 改正犯罪収益移転防止法では 今までの本人特定事項の確認に加えまして 取引目的 職業 事業内容 法人の実質的支配者の確認が必要となりました ( 取引時確認 ) ファイナンス リース契約の締結など法令で 定められた取引を行う場合に取引時確認を行います 経営者 企業 官公庁などの取引担当者におかれましては
預金を確保しつつ 資金調達手段も確保する 収益性を示す指標として 営業利益率を採用し 営業利益率の目安となる数値を公表する 株主の皆様への還元については 持続的な成長による配当可能利益の増加により株主還元を増大することを基本とする 具体的な株主還元方針は 持続的な成長と企業価値向上を実現するための投
ミスミグループコーポレートガバナンス基本方針 本基本方針は ミスミグループ ( 以下 当社グループ という ) のコーポレートガバナンスに関する基本的な考え方を定めるものである 1. コーポレートガバナンスの原則 (1) 当社グループのコーポレートガバナンスは 当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資することを目的とする (2) 当社グループは 戦略的経営の追求 経営者人材の育成及びグローバルの事業成長を通じて中長期的な企業価値の向上を図る
直しも行う これらの事務については 稟議規程 文書管理規程 契約書取扱規程は管理本部長が所管 情報管理規程 情報セキュリティ管理規程はコンプライアンス推進部長が所管し 運用状況の検証 見直しの経過等 適宜取締役会に報告する なお 業務を効率的に推進するために 業務システムの合理化や IT 化をさらに
平成 28 年 6 月 22 日 各 位 会社名トランスコスモス株式会社 ( 登記社名 : トランス コスモス株式会社 ) 代表者名代表取締役社長兼 COO 奥田昌孝 ( コード番号 9715 東証第一部 ) 問合せ先上席常務取締役 CFO 本田仁志 TEL 03-4363-1111( 代表 ) 内部統制システム構築の基本方針の一部改定に関する決議のお知らせ 当社は 平成 28 年 6 月 22 日開催の第
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学校法人長谷川学園旭美容専門学校個人情報保護規定 第 1 章総則第 1 条 ( 目的 ) 本規定は 学校法人長谷川学園 ( 以下 当校 という ) における個人情報の適法かつ適正な取扱いの確保に関する必要な事項を定めることにより 個人の権利 利益を保護することを目的とする 第 2 条 ( 定義 ) 本規定における用語の定義は次のとおりとする (1) 個人情報生存する個人に関する情報であって 当該情報に含まれる氏名
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代理店賠償責任の 法的性質とその問題点 弁護士法人たくみ法律事務所 本日の概要 1. 代理店 ( 募集人 ) の法律上の責任について 法律上の責任とは? 2. 民事上の責任について 保険契約者 募集人 ( 代理店 ) 保険会社との関係 保険業法上の募集行為規制 改正保険業法について 裁判例等 3. 代理店賠償責任保険について 代理店賠償責任保険とは 約款上の問題点等 4. 参考 2 1. 代理店の法律上の責任について
その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の
企業会計基準適用指針第 3 号その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理 目次 平成 14 年 2 月 21 日改正平成 17 年 12 月 27 日企業会計基準委員会 目的 1 適用指針 2 範囲 2 会計処理 3 適用時期 7 議決 8 結論の背景 9 検討の経緯 9 会計処理 10 項 - 1 - 目的 1. 本適用指針は その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の会計処理を定めるものである
_第16回公益通報者保護専門調査会_資料2
資料 2 第 16 回公益通報者保護専門調査会 不利益取扱いが通報を理由とすることの立証責任の緩和 平成 30 年 6 月 28 日 消費者庁 第 1 問題の所在 1. 関連する現行法の規定等 公益通報者保護法 ( 平成十六年法律第百二十二号 )< 下線は引用者 > 第三条公益通報者が次の各号に掲げる場合においてそれぞれ当該各号に定める公益通報をしたことを理由として前条第一項第一号に掲げる事業者が行った解雇は
<4D F736F F D208CC2906C8FEE95F182C98AD682B782E98AEE967B95FB906A93992E646F63>
個人情報に関する基本情報 社会福祉法人東京雄心会 ( 以下 法人 という ) は 利用者等の個人情報を適切に取り扱うことは 介護サービスに携わるものの重大な責務と考えます 法人が保有する利用者等の個人情報に関し適性かつ適切な取り扱いに努力するとともに 広く社会からの信頼を得るために 自主的なルールおよび体制を確立し 個人情報に関連する法令その他関係法令及び厚生労働省のガイドラインを遵守し 個人情報の保護を図ることを目的とします
Microsoft Word - 【口座開設】個人情報保護方針&個人情報の取扱い
個人情報保護方針 代表取締役社長小山卓也 当社は お客様の個人情報及び個人番号 ( 以下 個人情報等 といいます ) に対する取組み方針とし て 次のとおり 個人情報保護方針を策定し 公表いたします 1. 関係法令等の遵守当社は 個人情報等の適正な取扱いに関する関係諸法令 個人情報保護委員会 金融庁が定めた金融分野における個人情報保護に関するガイドライン及び同ガイドラインの安全管理措置等についての実務指針
個人情報保護規程例 本文
認可地縁団体高尾台町会 個人情報保護規程 第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 個人情報が個人の人格尊重の理念のもとに慎重に取り扱われるべきものであることに鑑み 認可地縁団体高尾台町会 ( 以下 本町会 という ) が保有する個人情報の適正な取り扱いの確保に関し必要な事項を定めることにより 本町会の事業の適正かつ円滑な運営を図りつつ 個人の権利利益を保護することを目的とする ( 定義
資料1 プロ・アマ区分について
資料 1 プロ アマ区分について 中間整理における指摘 行為規制についてプロ アマの区分を設け 区分内容に応じた行為規制とすることにより プロ間の市場の自由度を高め その活性化を図るべきである 投資家保護と規制緩和を両立させるためには 一義的にプロとされる範囲について明確な基準が必要である一方 アマとされる投資家であっても その選択に応じてプロとなることについて投資家保護上の問題がなければ プロとして取り扱われる選択肢を
