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1 県民としての自覚と誇りについて / / 本会議憲法意識の啓蒙について ( かのう ) 日本国憲法は昭和 21 年に公布され, ことしで 62 年目を迎えました 戦後生まれの私は, 憲法を当たり前に受け入れていました 自衛隊の海外派遣のときなど,9 条の解釈をめぐって熱い議論が行われています まさに憲法改正の是非を問う時代が来ています そんな中, 日本国憲法の改正手続に関する法律, 通称国民投票法が平成 22 年 5 月に施行されようとしています これは, 私たちが憲法改正に関して最終的な意思決定するための手続を定めた重要な法律であります 国会の発議に基づき,60 日から 180 日以内に国民投票が行われることになっており, その投票方法も, 賛成, 反対の文字に丸をつけるだけの投票なのです しかし, 今の世の中, 憲法すら知らない, 興味がないというのが正直なところではないでしょうか そのような状況の中, 国会で発議されると, マスコミ等の偏った報道, おもしろおかしく演出された内容に踊らされ, 憲法を正しく理解, 認識しないまま国民投票に臨んでしまうのではないでしょうか きちんと憲法の中身を熟知した上で投票していただくためには, 今から憲法についての正しい理解と中身の勉強をしていく必要があると思います 私は, 個人的に憲法改正をすべきと考えていますが, ここで問うのは, 改正する, しないではなく, 個々人がきちんと日本国憲法を把握し, 真剣に取り組む中で, 責任持って個人で判断し, 投票する, しないを決めていただきたいのです そこで, 知事に伺います 県は, 全国に先駆けて, 学校, 企業, 社会の各方面において, 県民の憲法意識を啓蒙する場を設けるべきではないでしょうか 例えば, 県内の中 高生には, 憲法条文をわかりやすくした憲法読本を県からプレゼントする また, 県民の自覚を持たせ, 憲法意識を啓蒙するためにも, 例えば, 県庁 2 階の県民情報センターに憲法コーナーの常設展を設置することを提案しますが, これらのことについてどのように考え, 具体的に行動していくのか, 伺います ( 知事 ) 戦後, 我が国は, 憲法の精神のもと, 国民の懸命な努力によって今日の平和と繁栄を築いてまいりましたが,9 条の解釈を初め, 私学助成やプライバシー権など, 制定時には予想をしていなかった問題が生じてきており, 近年, 憲法改正についてさまざまな議論がなされているところであります このような中, 来年 5 月には, いわゆる国民投票法が施行され, 国民が直接投票により憲法改正の判断を行うことになりますので, 議員御指摘のとおり, 国民一人一人が責任を持って判断できるよう, 憲法に対する理解を深めておく

2 ことが必要であります そのためには, 子供のころから, 憲法に関する知識をしっかりと身につけてもらうことが大変重要であります 現在, 小 中学校では, 教科書に基づき, 日常の具体的な事例を取り上げたり, 資料集を活用したりするなどして, 基本的人権の理念, 国民主権や平和主義などの憲法の基本的原則について学習しているところであります また, 高等学校では, 憲法の成立過程や基本的原則について, 国民生活とのかかわりなどを含め, より認識を深めますとともに, ほぼ憲法全文の内容について学習をしているところであります 議員御提案の憲法読本についてでございますが, 憲法に関する図書はこれまでに数多く出版されており, その中には, 子供たちにもわかりやすいものが多々ございますので, 新しいものをつくり, 配布するのではなくて, それらを有効に活用することについて, 教育委員会とも協議し, 検討してまいりたいと考えております 一方, 国民や県民への啓蒙活動につきましては,5 月 1 日から7 日までの憲法週間を中心に, 講演会や無料法律相談の実施, 憲法フェスティバルやタウンミーティングの開催など, さまざまな取り組みが行われているところであります 県といたしましても, 来年の国民投票法の施行を契機に, 多くの人々が憲法に親しみ, 憲法について議論することがますます重要になってきていると考えておりますので, 議員からの御提案も踏まえて, 県の広報紙や, ホームページ, 県民情報センターなどを活用し, 憲法に関する県民の認識や議論が深まるよう努めてまいります 北方領土 拉致被害者救出問題について ( かのう ) この問題は, 国家的な問題であると同時に, 我が茨城県にとって密接な問題であります 北方領土について言えば, 光圀公や斉昭公の功績はもちろんですが, 現在の常陸太田市出身の有名な北方探険家木村謙次が,1798 年に大日本恵登呂府という標柱を択捉島に立てています 間宮林蔵が樺太に行くのはそれから 10 年後の 1808 年です 茨城県は, これら2 人の探検家に代表されるように, 古くから北方に関心を持っていた県民でありますし, 案外知られていませんが,3 月 31 日現在, 県内には, 元島民が 78 人, その二世が 157 人, そして, お孫さん 89 人が生活されております また, 拉致問題については, 人権に関する講演会開催や各種広報などの啓発

3 事業を行い, 国への要望活動を行っているようですが, 北方領土問題もこの拉致被害者の問題も含めて, 県の行うさまざまな活動がパフォーマンスにしか映らない, 感じない, 本気でやる気がないように思うのは私だけでしょうか そこで, 知事に伺います 過去の経緯を見れば, 茨城県は, 北海道や新潟県に劣らず, 領土問題, 拉致問題, いずれも他県に先駆けて運動の先頭に立たなければならないのではないでしょうか ここは, 知事みずからが北方領土や北朝鮮に乗り込み, 抗議するくらいの意気込みがほしいと思いますが, いかがでしょうか 若い世代に正しい理解をさせる意味でも, 根室への修学旅行の企画や, 支援活動予算を確保しての支援活動強化や, 連携を大々的に行うことなど, 県民への積極的なアピール活動を実施して, 全国に県の取り組みが鳴り響くようにすべきと考えます まずは, 拉致被害者に比べて余り取り上げられない特定失踪者も含めて, 県庁内で常設展を開催してはいかがと提案しますが, 所見を伺います ( 知事 ) これらの問題は重要な外交問題でありますので, 北方領土問題につきましては, 内閣府北方対策本部を中心に, 拉致問題につきましては, 拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律に基づき, 地方公共団体は, 国と連携して, 国民世論の啓発に努めることとなっております 本県におきましては, 議長に会長になっていただいております北方領土の返還を求める茨城県民協議会や, 救う会いばらきなどの関係団体と連携して, 北方領土返還要求茨城県民大会の開催, 拉致被害者及び特定失踪者の写真パネルの展示を初め, 北方領土問題や拉致問題を啓発するためのチラシや小冊子の配布, あるいはポスターの掲示などにより, 県民への広報, 啓発に努めますとともに, 他県では余り行われなくなったと聞いておりますが, 返還を求める県民の生の声を, はがきでロシア大使館へ伝える全県的な運動を 20 年近く継続して行っております また, 全国知事会や, 昨年発足しました北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会, さらには, 北関東磐越 5 県知事会議を通して, 北方領土や拉致問題の早期解決について, 国等への要望活動を積極的に行ってきたところであります 今後とも, 北方領土及びいわゆる特定失踪者を含めた拉致被害者問題につきましては, 広報, 啓発事業を引き続き実施しますとともに, 御提案の県民情報センター内での展示を行うことなどにより, 県民世論の喚起を図ってまいりたいと存じます なお, 常設展とすることについては, 先ほどの憲法問題を初め, 福祉や医療, 教育, 産業など, 広報すべき県政の重要課題がたくさんありますので, 困難で

4 はないかと考えているところであります また, 修学旅行につきましては, それぞれの学校が, 平和教育や自然体験など, その目的に応じ, 行き先を決めることになっておりますので, 今後は, 教育委員会とも協議し, 各学校に対し, 北方領土に関する資料を配布するなど, 情報の提供に努めてまいりたいと存じます 選挙権の行使について ( かのう ) 国民投票法の施行を機に, 一般選挙における投票行動も促していくべきです 普通選挙権は, 国家のかなめとなる市民の権利ですが, 同時に, 権利を保持し, 国を成立させるため, 常日ごろから選挙権を行使する責務を負うと考えます しかし, 本県の投票率は恥ずかしいくらい低い状況です 県民はもっと危機感を持って, 投票は日本人としての責務であるとの自覚を持たなくてはなりません 県では, 平成 15 年から,5 年未来選挙メッセージという取り組みを毎年行っていると聞きました この取り組みは, 選挙制度を学んだばかりの中学 3 年生が5 年後の自分にメッセージを書くというもので, ことし初めて届きます それによって投票を促すということで, 大変おもしろいと思います ことし初めて, 約 1 万 8,000 人の成人がメッセージを受け取ったところで, 効果のほどは今度の選挙結果を待たなければなりませんが, 今回は大いに期待したいところです 投票率の向上には, このように県民の自覚を促すとともに, 実際の投票に結びつける施策が必要です 例えば, 投票所の段差, 投票所までの移動手段, 投票方法など, 多くのバリアにより実際の投票行動に結びつかない場合があります また, 立候補者の政策や活動などの情報が少ないため, だれに投票していいかわからない人も大勢います これは, 公職選挙法による立候補者の選挙活動や広報活動が過度に制限されているからです 独自のテレビがない茨城では, 立候補者が県民に十分な情報を発信できるように, いばらきブロードバンドネットワークを活用してのインターネットテレビによる政見放送などが不可欠であります また, 住所地にこだわらない駅前投票, 自宅での電子投票なども有効であり, これらを可能にするよう, 法改正を国に強く働きかけるべきと考えます 県は, 県民の自覚が投票行動に直結するように, 投票に関するあらゆるバリアフリーを進めるべきです ついては, どのように取り組むのか, 選挙管理委員会委員長の所見を伺います ( 選挙管理委員会委員長 ) 選挙は, 国民が政治に参加する最も重要かつ基本的

5 な機会であるため, 県選挙管理委員会としましては, これまで, 選挙の都度, 選挙期日の周知や投票の呼びかけなどについてさまざまな啓発活動に取り組んできたところであります 一方, 未来の有権者である子供たちに対しても, 義務教育の段階から, 政治や選挙について関心を持ち, 参政権の重要さについて理解することも大切であるという考えから, 選挙教育用ガイドブックを作成し, これまで, 県内の小学 6 年生及び中学 3 年生の延べ 34 万人に対し配布して, 公民等の授業において活用いただいております また, 議員から御紹介がありましたとおり,5 年未来の選挙メッセージにつきましては, 応募者本人から, 選挙の大切さを再認識したなどの意見をいただいたりしておりますが, 県選挙管理委員会としても, 若い有権者に直接働きかける有効な啓発方法の一つであると考えております 今後は, これらの取り組みが投票行動にどのように結びついていくかを検証した上で, 県民の皆様の政治意識の向上が図られるような啓発に努めてまいりたいと思っております 投票に関するバリアフリーにつきましては, これまでも, 市町村選挙管理委員会に対しまして, 投票所にスロープを設置するなど, 高齢者や体に障害を持つ有権者への配慮, 期日前投票所の駅前などへの設置などを積極的に助言しているところでございます 議員御提案のインターネットテレビの活用や電子投票の導入などにつきましては, 有権者の投票への動機づけ, あるいは利便性の向上につながる非常に有効な方法であると思いますが, 情報の改ざんに対する対策など, 解決しなければならない技術的な課題やシステム構築費など, 新たに生ずることとなる費用の問題などもありますことから, 法改正も含め, 都道府県選挙管理委員会で組織する選挙制度調査研究会などの場において, 今後, 研究してまいりたいと思っております いずれにいたしましても, 今後とも, 市町村選挙管理委員会などと連携しながら, 効果的な啓発活動に努め, 県民一人一人の選挙権を行使するという自覚を促すとともに, 投票に関するバリアを取り除くことで, 投票しやすい環境づくりに取り組み, 本県における各種選挙の投票率の向上を図っていきたいと思っております