はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

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2 はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また 会社の税金に関する判断は 会社だけにとどまらず 経営者の個人の税金にも関係します 税金の問題は複雑で 税制は毎年改正されるため 経営者や経理担当者が常に適切な判断をすることは簡単ではありません そのような場合には 専門家である税理士に相談して アドバイスを受けることによって 適切な経営判断をすることができます ただし相談する場合でも 早い時期に正しい情報を伝えなければ 税理士も正しい判断ができません 税理士の立場からの声として もっと早く相談してくれれば 相談された内容と事実が違う ということもよく耳にします 日頃から税理士とのコミュニケーションをとっておくことも重要でしょう この冊子では 設立時 日常経営 相続や事業承継といった 会社の様々な局面で発生する課題 起こりがちな間違いに対する 税理士のアドバイス 適切な経営判断をするための留意点を事例でまとめました この冊子を通じて 会社経営者や経理担当者の皆さんが 税金に関する経営判断の重要性をご認識いただき 今後の経営に役立てていただければ幸いです 1

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5 1. POINT! 1 個人事業と法人 ( 株式会社 ) の主な違いは 以下のとおりです 4

6 12 政府管掌健康保険とは 自社または業種別等の健康保険組合がない 中小企業の従業員を対象と して 全国健康保険協会が運営する健康保険 愛称は 協会けんぽ という 2 個人事業では 事業主に個人の所得税が課税されます 所得税の税率は 5 % から45% まで ( その他 住民税 事業税等も課税されます ) で 所得が高くなるほど 税率も高くなります 法人の場合 社長の給与には個人所得税が課税され 法人の所得には法人税が課税されます 法人税の税率は 中小企業の場合 所得 800 万円までの部分は15%( 平成 30 年 4 月 1 日以後開始事業年度は19%) 800 万円超の部分は23.4%( 平成 30 年 4 月 1 日以後開始事業年度は23.2%) です ( その他 法人住民税 法人事業税 地方法人特別税等も課税されます ) その他 個人事業と法人の税金計算には違いがありますが 一般的に 利益が大きくなれば 法人のほうが税務面で有利となることが多いでしょう

7 POINT! 1 法人の設立登記をする際には 以下の事項を決めなければなりません ( 法人の種類には 株式会社の他 合同会社等の形態もありますが 以下では株式会社を前提にしています ) 6

8 2 法人設立時の決定事項は その後の経営上 いずれも重要です そのうち資本金については 会社法では最低金額は定めていませんが 資本金の額によって 税金面で以下のような違いがあります 1 資本金 1,000 万円未満の法人は 最長で設立事業年度と翌事業年度について 消費税の申告義務が免除されますが 資本金 1,000 万円以上の場合 設立事業年度から消費税の申告が必要となります 2 資本金等 ( 資本金と資本剰余金の合計 ) が 1,000 万円以下か 1,000 万円超かによって 法人住民税の均等割 ( 所得に関わらず課税される税金 ) の額が違います 資本金の額を決める際には 対外的な信用 手元資金の他 このような税金面の違いも考えるべきでしょう また 役員や株主は 法人の意思決定機関であると同時に 一定の責任も負担することになります 共同経営等の場合を除けば 中小企業の場合 設立当初は親族にしておき ある程度軌道に乗ってから 友人や取引先に加わってもらうほうが無難でしょう

9 POINT! 新規に法人を設立し 設立時の資本金が1,000 万円以上の場合 初年度から消費税の申告をする必要があります 一方 資本金 1,000 万円未満の場合 申告 納税義務が免除されます この場合 納税が免除され 8

10 るだけでなく 受け取った消費税より支払った消費税のほうが多くても 還付を受けることはできません ただし 自ら課税事業者となることを選択して届け出た場合 申告義務が発生して 還付を受けることが可能です この場合 消費税課税事業者選択届出書 ( 以下 届出書 ) を設立事業年度末までに提出しなければなりません 設立初年度は赤字になったり 設備投資が多額になることにより 消費税が還付になることも少なくないでしょう 届出書の提出期限は事業年度末なので 決算が確定してからでは遅く 事前に業績のチェックをして 届出をするかどうかの判断をしなければなりません なお この届出書を提出すると 売上に関係なく 最低 3 年間は免税事業者になることができないので 1 年間だけでなく 最低 3 年間の見込みも考慮して判断する必要があります 2 届出書以外に 設立初年度から申告義務がある法人が 小規模事業者に認められている 簡易課税制度 を選択する場合にも 設立事業年度末日までに 消費税簡易課税制度選択届出書 を提出する必要があります なお これらの提出期限は 新規開業の場合は事業年度末日までですが 既存の法人の場合 適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで とされています したがって 決算前に翌事業年度の計画や見込を検討しておく必要があります

11 POINT! 1 会社は決算の結果としての利益に基づいて所得を計算し 法人税を納税します 利益が増加した場合は法人税も増加し 逆に赤字になった場合は法人税は発生しません 会社は毎年同じように利益が出るわけではないので 利益が多額になった場合に節税対策を検討して 利益が低くなる年度に利益を繰り延べることにより 会社の内部留保 財務体質を強化することができます 10

12 節税対策の基本は 翌期に予定していた支出の前倒し 決算処理での調整といった 利益の繰延べ といえます よく 納税するくらいなら使ったほうがよい という社長がいますが 必要のない支出は 結果的に会社の資金繰りにはマイナスの影響を与えるということを認識しなければなりません また節税対策は 会計や税法のルールに沿って考えなければならないことはいうまでもありません 2 節税対策は タイミングでみると 決算期末までにしなければならない対策と申告期限まで可能な対策に分けて考えることができます 決算期末までにしなければならない対策は 資金の増減を伴うものがほとんどです 逆に決算後から申告期限までにできる対策もありますが 選択肢は限られてしまいます 月次決算をタイムリーに行い 正確な決算予測を早めに試算することで 効果的な節税対策が可能となります 4. 11

13 POINT! 1 役員に対する給与 ( 役員報酬 役員賞与等 ) は 以下の三つに分類され それぞれの要件を満たすもの以外は 支給した法人の損金に算入することができません 12

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の 営 ViewPoint 法人税における 特別償却 と 特別控除 久住透部東京室 法人が特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供した一定の場合 通常の減価償却のほかに認められる 特別償却 の制度や 一定の金額を法人税額から控除する 特別控除 ( 税額控除 ) の制度の適用を受けることができます 今回は 法人税における特別償却および特別控除について それぞれの概要と選択のポイントを解説します 特別償却や特別控除の効果は

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