夏花による緑化マニュアル ~ 夏期 (6~9 月 ) 観賞を可能に ~ 平成 29 年 12 月連絡先東京都農林総合研究センター園芸技術科花き研究チーム担当岡澤立夫東京都立川市富士見町 TEL: FAX:

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1 花の都シンポジウム夏花による緑化マニュアル東京都農林総合研究センター園芸技術科花卉研究チーム岡澤立夫 1

2 夏花による緑化マニュアル ~ 夏期 (6~9 月 ) 観賞を可能に ~ 平成 29 年 12 月連絡先東京都農林総合研究センター園芸技術科花き研究チーム担当岡澤立夫東京都立川市富士見町 TEL: FAX:

3 国産花きの国際競争力強化のための技術開発 ( 委託プロ ) 細部課題名夏季高温期出荷に適した花壇苗の選定と夏季高温期の活着生育不良環境要因の解明夏季高温期出荷に適した緑化植物の選定と夏季高温期の活着生育不良対策技術の開発夏季高温期出荷に適した球根植物の選定と鉢物の利用拡大に向けた開花調節技術の開発有望な花壇苗と開発した技術の生産現場への普及支援有望な苗物花きと暑熱対策技術の実用性評価研究年度担当機関東京都農林総合研究センター千葉県農林総合研究センター埼玉県農業技術研究センター東京都農業振興事務所東京都農林総合研究センター 3

4 夏花の選定方法 (2014~2017 年 ) 評価方法優 :3 点良 :1 点可 :0 点不良 :-1 点審査員市場関係者園芸研究家緑化施工デザインなど6~7 名期間 7~9 月のうち2~3 回審査風景生育調査 4

5 マニュアルに掲載した夏花種類花壇苗カラーリーフグランドカバーつる植物球根植物種数 24 品目 29 品目 4 品目 9 品目 5

頁花壇適性 C O N T E N T S 品目白花壇苗花 ( 果 ) 色ピン赤ク黄オレンジ青その紫他耐雨性耐乾性耐陰性横に大きく伸長草縦に大きく伸長 1 アゲラタム 2 アサガオ ( わい性種 ) 茶姿全体に小さく伸長 3 アンゲロニア 4 カリブラコア 5 カンナ 6 ケイトウ ( セロシア ) 7 サルビア 8 ジニア複 9 センニチコウ 10

植え付けからどのように生長するかを分類した品種間差がある場合は複数記載例えばアゲラタムは縦に伸長しやすい品種と全体にゆっくり伸長するわい性品種がある弱中強弱中強弱中強全体に大きく伸長本マニュアルの内容アゲラタム品目キク科科 Ageratum 学名 : 属花色特徴夏の暑さに強く連続開花性がある花は先端部にまとまって開花する花色品目品種の特性は白色と紫色が主流

6 頁花壇適性 C O N T E N T S 品目白花壇苗花 ( 果 ) 色ピン赤ク黄オレンジ青その紫他耐雨性耐乾性耐陰性横に大きく伸長草縦に大きく伸長 1 アゲラタム 2 アサガオ ( わい性種 ) 茶姿全体に小さく伸長 3 アンゲロニア 4 カリブラコア 5 カンナ 6 ケイトウ ( セロシア ) 7 サルビア 8 ジニア複 9 センニチコウ 10 トウガラシ黒 11 トレニア複 12 ナデシコ ( ダイアンサス ) 複 13 ニューギニアインパチェンス 14 ビンカ複 15 ベゴニア 16 ペチュニア複 17 ペンタス 18 ポーチュラカ複 19 マツバボタン 20 マリーゴールド複 21 メランポジウム 22 ユーフォルビア 23 ランタナ複 24 ルドベキア複複 : 複色草姿 : 植え付けからどのように生長するかを分類した品種間差がある場合は複数記載例えばアゲラタムは縦に伸長しやすい品種と全体にゆっくり伸長するわい性品種がある弱中強弱中強弱中強全体に大きく伸長本マニュアルの内容アゲラタム品目キク科科 Ageratum 学名 : 属花色特徴夏の暑さに強く連続開花性がある花は先端部にまとまって開花する花色品目品種の特性は白色と紫色が主流わい性種のハワイシリーズと高性種のトップブルー等がある花材の分類生産状況出荷時期活用事例花壇苗出荷時期は 2~7 月のみ記載 4~6 月出荷量少耐候性入手規格単植 :1 株でも存在感があり見栄耐雨性強いえがするため単独あるいは複ポットサイズ 3~3.5 寸判断の基準は耐乾性普通数で植える寄せ植えではメインと前ページに記載草丈 15~30cm なる耐陰性中位混植 : 単独では見栄えがしないの株張 15~25cm 栽培事例と栽培上の留意点である程度まとめて植える花径 1.5cm ( 加温は鉢上げ後グランドカバー : 草丈が低く横にアロハブルー ( 生産地 : 東京利用場面の最大温度 ) 広がる性質が強く地を覆う目的加温 :10 で植える草姿立性換気 :20 3/25 4/20 6/16 : 播種 : 鉢上げ : 出荷利用方法混植球根多肥で花つきが悪くなるため : 仮植ポットへの植え付け観賞期草丈開花期間は 20~60cm 施肥は控えめで乾燥気味に管 : 花壇への植え付け : 開花 6~9 観賞期株張月のみ記載 20~40cm 理アブラムシハダニコナ開花性連続ジラミが発生しやすい栽培上の注意点開花期間 6~9 月効果的な使用方法と留意点観賞期草丈株張はわい性種 ( ハワイシリーズ ) は花壇の最前面での利用に向く 2015 ~ 2017 年の調開花連続性に優れるため密植可能高性種 ( トップブルー等 ) 査結果 (9 月 ) をもとはボーダー的な利用法もあるが日照が少なくなると花数が少利用管理の方法に作成ただし 1 年なくなるので植栽場所に注意する開花後の花がらが残るので留意点などだけの結果も含むこまめに摘んだほうが見た目はきれい高温多湿に弱く大きくなり混んできたら切り戻すとよい 6

7 1. アサガオサンスマイル混合草丈 :20~30cm 株張 :50~100cm 和をイメージする花電灯で開花数減少ヨウトウムシに注意 7

8 2. アンゲロニアセレナシリーズセレニータシリーズなど草丈 :30~70cm 株張 :35~65cm 密植で花が少なくなる面的に利用ハダニに注意 8

9 3. ジニアプロフュージョンシリーズプチランドシリーズなど草丈 :30~50cm 株張 :40~60cm 極度の乾燥に弱い花がらは取り除いた方が良いうどんこ病や灰色かび病に注意 9

10 4. トウガラシブラックパールなど草丈 :30~80cm 株張 :40~60cm 1 株でもアクセントとなる乾燥には比較的強いが過湿に弱いアブラムシに注意 10

11 5. ニューギニアインパチェンスサンパチェンスシリーズディバインシリーズなど草丈 :25~60cm 株張 :30~50cm 乾燥に弱い花が大きい生育旺盛で日陰にも強いコガネムシに注意 11

12 6. ビンカサンダーシリーズタイタンシリーズミニナツシリーズなど草丈 :30~60cm 株張 :40~60cm 品種を選ばず夏に強い雨には弱く水はけが悪いと根腐れアブラムシに注意 12

13 6. ペンタスグラフィティーシリーズバタフライシリーズなど草丈 :40~80cm 株張 :30~60cm 夏に強く強健花がらはまめに取り切り戻しも有効ハダニコガネムシに注意 13

14 7. メランポジウムジャックポットミリオンシリーズなど草丈 :30~60cm 株張 :30~50cm 生育旺盛で夏に強い花が次々と連続して咲くハダニに注意 14

15 8. コリウスゴリラ Jr. シリーズヴェルサシリーズなど草丈 :70~80cm 株張 :50~90cm 日陰に強いが赤系は日陰で退色が目立つ生育旺盛で植える場所を選ばない病害虫に強い 15

16 鉢サイズの違いによる植栽労力軽減効果 ( ペチュニア ) 鉢サイズが定植苗の株張と開花数に及ぼす影響鉢サイズ株張 (cm) 1 株あたり開花数 ( 輪 ) 3.5 号 34.8 a 9.2 a 4 号 38.0 a 7.4 a 5 号 53.2 b 17.6 b 鉢サイズの違いが作業労働時間と植栽密度に与える影響鉢サイズ 1 鉢あたり作業時間 ( 秒 ) a 作業全体 b の時間 ( 分秒 ) 1m 2 あたり必要な鉢数 ( 個 ) 1m 2 あたり作業時間 ( 秒 ) 3.5 号分 28 秒 (100) 4 号分 25 秒 (60) 5 号分 32 秒 (77) c d ペチュニア (3.5 号 4 号 5 号 ) 16

17 底面給水型プランター利用による灌水労力の軽減化試験区商品名メーカーサイズ (W D H) 給水給水タンク容量培地量小売希望価格 (cm) 方法 (l) (l) ( 円 ) 対照区 Nシャンティワイドプランター 65 型リッチェル上面底面 1 区うるオンプランター 65 型リッチェル底面 ,400 底面 2 区スマートガーデン菜園 600 JEJ 底面 ,160 底面 3 区ウルオプランター 60 型リッチェル底面 ,100 17

18 8/17 8/18 8/19 8/20 8/21 8/22 8/23 8/24 8/25 8/26 8/27 8/28 8/29 8/30 8/31 9/1 9/2 9/3 9/4 9/5 9/6 9/7 9/8 9/9 9/10 含水量 (g/ 土 l) 底面給水型プランター利用による灌水労力の軽減化 ( 成果 1) 900 底面 3 区底面 2 区底面 1 区対照区日付 ( 月日 ) 図各試験区における含水量の推移 ( ペンタス ) 注 ) :7mm 以上の降水があった日 : 灌水日 ( 対照区のみ 2 回実施 ) 含水量は底面 3 が最も高く, 次いで底面 1, 底面 2 の順となり, 底面給水型プランターは期間を通じての変動が少ない底面 3 で含水量が最も高かったのは, プランターが浅くセンサ測定部が供給タンクに近かったためと考えられた対照区は降水の影響を強く受け, 含水量が上下に大きく振れた

19 底面給水型プランター利用による灌水労力の軽減化 ( 成果 2) 表各試験区における灌水回数 (8/11~9/11) 試験区品目アサガオペンタス対照区 4.0 回 3.7 回底面 1 区 1.7 回 1.0 回底面 2 区 2.7 回 1.0 回底面 3 区 6.3 回 1.3 回対照区は底面 1,2 と比べ灌水回数が多い注 )8/11, 最初に実施した灌水も回数に含む灌水頻度はアサガオとペンタスで異なったが, いずれのプランターを用いてもアサガオはペンタスと比べて灌水回数が多い

8a 46.0a 底面 2 区 29.7a 20.6a 40.6a 底面 3 区 27.1a 16.7b 34.

20 底面給水型プランター利用による灌水労力の軽減化 ( 成果 3) 品目試験区株高 (cm) 株張 (cm) 開花数 ( 輪 ) アサガオペンタス対照区 16.6b 54.4b 0.7a 底面 1 区 17.2ab 81.6ab 0.8a 底面 2 区 19.2a 83.6a 0.7a 底面 3 区 13.4c 78.7ab 0.8a 対照区 29.9a 21.7a 48.4a 底面 1 区 29.7a 21.8a 46.0a 底面 2 区 29.7a 20.6a 40.6a 底面 3 区 27.1a 16.7b 34.0a 対照区底面 1 区アサガオ, ペンタスともに底面 1 と 2 で生育開花に違いがないが, アサガオでは対照区と底面 3, およびペンタスでは底面 3 の生育が底面 1 と 2 と比べ劣る底面 3 で生育が劣ったのは培地量の少なさが要因の一つとして考えられた開花数に対してはプランターの種類の影響はない

21 累計開花数 ( 輪 / 株 ) アサガオの電灯の影響差が小さい約 50lx y = x R² = 照度 (lx) 照度と累計開花数との間には相関が認められ, 照度が高いほど開花数は減少 50lx 以上で開花数が大きく低下したことから, 観賞性に影響を与えない照度は 50lx 程度 21

そのほかマニュアルについて補足資料 1 耐乾性による分類耐乾性は品種よりは品目の違いによる影響が大きく同一品目では似たような傾向を示した特にイポメアカンナビンカベゴニア等は耐乾性が非常に強く夏花として有望であると考えられた調査方法 : 灌水頻度を3,8,13 日に設定し, 枯れ程度を調査

アーリースプレンダーベゴニアワッパーレッドブロンズペチュニアサフィニアマックスグレープペチュニア ( 栄養系 ) トリュフエスプレッソペンタスパナスカリピンクポーチュラカサンちゅらかローズマツバボタンハッピーアワーロジータマリーゴールドホットパックオレンジメカルドニアイエロークロサイトメランポジウム

22 そのほかマニュアルについて補足資料 1 耐乾性による分類耐乾性は品種よりは品目の違いによる影響が大きく同一品目では似たような傾向を示した特にイポメアカンナビンカベゴニア等は耐乾性が非常に強く夏花として有望であると考えられた調査方法 : 灌水頻度を3,8,13 日に設定し, 枯れ程度を調査断水してから完全枯死するまでの期間を調査これらの結果から総合的に判断品目名品種名 a 枯れ指数無灌水でも生存可 b 耐乾性能 (60 日 <) 評価アガスターシェローズミントアサガオサンスマイルアンゲロニアセレニータホワイトイポメアソーラーパワーブラックカンナトロピカルイエローケイトウ ( セロシア ) サマーラベンダーコリウスゴリラJr. ウォーターメロンサルビアボンファイヤージニア ( ヒャクニチソウ ) ザハライエローセンニチコウちなつパープルツンベルギアサニーナデシコ ( ダイアンサス ) ジョルトピンクニチニチソウ ( ビンカ ) バリアントライラックニューギニアインパチェンスサンパチェンスさくさくホワイトバーベナタピアンローズミントハゲイトウアーリースプレンダーベゴニアワッパーレッドブロンズペチュニアサフィニアマックスグレープペチュニア ( 栄養系 ) トリュフエスプレッソペンタスパナスカリピンクポーチュラカサンちゅらかローズマツバボタンハッピーアワーロジータマリーゴールドホットパックオレンジメカルドニアイエロークロサイトメランポジウムミリオンゴールドユーフォルビアグリッツ a) 灌水間隔を変えた区毎に枯れ程度を指数化 0: 枯れなし 1: 枯れ面積 1-25% 2: 枯れ面積 26-50% 3: 枯れ面積 51-99% 4: 全枯死指数の平均 (n=3-4) が 0 以上 1 未満 1 以上 2 未満 2 以上 3 未満 3 以上 4 以下で色分けした b) 耐乾性評価 :4 段階に分類した ( > > > ) 灌水間隔 13 日の指数により評価したまた無灌水時に60 日以上生存した品種は1 段階評価を上げている ( 例 : +60 日はの評価となる ) (a) (b) 品種の紹介 (a) ビンカ (b) ジニア ( 注 ) 左から 3 日おき灌水 8 日おき灌水 13 日おき灌水夏花に関する研究の紹介 22

23 ご清聴ありがとうございました

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション夏花による緑化マニュアル ~ 夏期 ( ) 観賞を可能に ~ ( 暫定版 ) 平成 28 年 12 月はじめに本マニュアルはこれまで生産や利用が少なかった夏の高温期 ( ) も景観性の高い緑化を実現することを目的にデザイナーや緑化施工管理関係者等緑化に携わる方々を対象に作成しました花材を花壇苗カラーリーフグランドカバーつる植物球根植物に分類し花色葉色草姿等から様々な利用場面に応じて必要な情報を引き出せる構成としました

夏花による緑化マニュアル ~ 夏期 (6~9 月 ) 観賞を可能に ~ 平成 29 年 12 月 連絡先 東京都農林総合研究センター園芸技術科花き研究チーム担当岡澤立夫 東京都立川市富士見町 TEL: FAX:

夏花による緑化マニュアル ~ 夏期 (6~9 月 ) 観賞を可能に ~ 平成 29 年 12 月連絡先東京都農林総合研究センター園芸技術科花き研究チーム担当岡澤立夫東京都立川市富士見町 TEL: FAX: