Microsoft PowerPoint - ①【千葉様】（印刷用）健康食品における安全性.pptx

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もえりあさぶき
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1 健康食品に関するリスクコミュニケーション (H27 年 3 月 25 日大阪 ) 資料 1 健康食品における安全性について ( 独 ) 国立健康栄養研究所情報センター健康食品情報研究室千葉剛

2 健康食品による健康被害報告いわゆる健康食品の健康被害情報 ( 厚生労働省及び厚生労働科学研究を参照 ) 16 年度 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度報告件数製品数肝機能障害発疹等皮膚症状消化器症状 ( 下痢腹痛嘔吐等 ) ( 注 :24 年度は 10 月末までのデータ ) 厚生労働省には保健所を介して年間 20 件程度の報告が上がっているただし報告数が少ないため一般的な事象か特定の事象かを判断する事は難しい 2

3 PIO-NET 情報による健康食品の相談国民生活センターが 2013 年度の PIO-NET にみる消費生活相談の概要を公表 (2014 年 8 月 7 日 ) 送り付けや契約の相談がほとんどであるが健康被害の相談も多数しかし因果関係の証明は極めて困難 3

4 健康被害対象 : 回答に同意が得られた2,732 名 ( 講演会薬局病院 ) 期間方法 :2012 年 1 月 1 日 ~ 2012 年 12 月 31 日紙媒体による調査調査項目 : 利用の有無利用目的利用方法受診状況服薬状況体調不良医療関係者への相談等経験あり 3.4% 35% 30% % % % 15.0 経験なし 96.6% 10% 5% % 嘔吐頭痛腹痛下痢便秘発疹倦怠感その他 4

5 健康食品による健康被害の要因 1. 製品側企業側の問題粗悪な製品無許可無承認医薬品健康被害への誤った対応 2. 利用者の問題利用者の体調体質 3. 利用方法の問題過剰摂取複数製品医薬品との併用健康被害を起こす要因は製品だけではない 5

6 GMP マークを宣伝文句に!! 消費者のほとんどは GMP マークを知らない企業は GMP マークを宣伝文句に利用して安全性を強調 6

7 健康食品とは健康食品と呼ばれるものについては法律上の定義は無く広く健康の保持増進に資する食品として販売利用されるもの全般を指しているものですそのうち国の制度としては国が定めた安全性や有効性に関する基準等を満たした保健機能食品制度があります ( 厚生労働省ホームページより ) 医薬品と食品の明確な区別が重要保健機能食品医薬品医薬部外品を含む ( 個別承認型 ) 規格基準型特定保健用食品 ( 個別許可型 ) 疾病リスク低減表示条件付き栄養機能食品 ( 規格基準型 ) 一般食品いわゆる健康食品を含む 7

8 健康食品と医薬品を区別できていない問 : 健康食品やサプリメントは医薬品に含まれる? 28% の人が正しく理解していない含まれる 6% わからない 22% 含まれない 72% 正解 n = 900 出典 : くすりの適正使用協議会くすりに対する知識と意識に関する調査 (2014 年 7 月 23 日公表 ) 健康食品を医薬品だと思って利用している人がいる 8

9 健康食品の利用目的 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 病気の治療 6.4 病気の予防 24.3 日常的な健康の保持増進 68.1 栄養成分の補給美容ダイエットその他 0.8 健康食品の利用に関する3 万人調査 gooリサーチ結果 (No.139) 平成 18 年 11 月 2 日 ( 複数回答 )(n=23,671)9

10 病者は健康食品に治療効果を期待健康食品に期待している効果通院患者 (129 名 ) 健康維持 52% 病気の予防 28% 病気の治療 11% 栄養補給 5% 入院患者 (121 名 ) 病気の治療 38% 健康維持 28% 栄養補給 17% 病気の予防 11% 田中淳, 他 : 機能性食品 ( 健康食品 ) についての意識調査, 日病薬誌, 40, 37-39, 2004 症状の重い人ほど健康食品に治療効果を求めている 10

11 健康食品の利用目的 ( 受診別 ) 対象 : 回答に同意が得られた2,732 名 ( 講演会薬局病院 ) 期間方法 :2012 年 1 月 1 日 ~ 2012 年 12 月 31 日紙媒体による調査調査項目 : 利用の有無利用目的利用方法受診状況服薬状況体調不良医療関係者への相談等健康維持栄養補給美容疾病予防疾病治療受診なし (979 名 ) 通院中 (1154 名 ) 入院中 (599 名 ) 複数回答 11

12 受診状況別の利用実態現在利用 ( 人 ) 割合主治医に相談 ( 人 ) 割合受診なし (979 名 ) 通院中 (1154 名 ) 入院中 (599 名 ) 通院中で約 4 割入院中においても約 2 割の患者さんが健康食品を利用さらにその 7 割がその利用を主治医に話していない 12

13 主治医に相談しない理由通院中入院中に健康食品を利用している人からの回答理由人数通院している病気とは関係ない 27 主治医に聞かれない話す機会がない 25 主治医に否定される過去に否定された 21 食品だから医薬品ではない 15 言う必要がない 13 服用中の医薬品には影響しない ( 自己判断 ) 9 必要な時だけ利用している 3 その他 ( 面倒使ってて問題ない等 ) 16 13

14 康食健康食品と医薬品との併用状況健康食品の利用者 874 人中 573 人 (66%) が医薬品を併用医薬品 1 製品 2 製品 3 製品 4 製品 ( 人 ) 5 製品 2 製品以上健品3 製品製品製品製品以上

15 サプリメントと医薬品の併用実態調査事前調査によりサプリメントと医薬品を併用している人は約 2 割対象 : 回答に同意が得られた全国のサプリメントと医薬品の併用者 2,109 名期間方法 :2014 年 7 月 18 日 ~28 日インターネット調査 ( 株式会社マクロミル ) 医師薬剤師に相談 ( 人 ) 割合受診なし (601 名 ) 通院中 (1506 名 ) 入院中 (2 名 ) 通院中で約 7 割入院中は 2 名ともサプリメントの利用を医師薬剤師に話していない 15

16 注意すべき併用対象者にセントジョーンズワート (CYP3A4 1A2 を誘導 ) を利用している人が 5 名おり併用していた医薬品は以下の通りロキソニン(2C9) パキシル(2D6) チョコラBB 葉酸( 医薬品か不明 ) 2 名 1 名 1 名 1 名いずれの組み合わせも特に問題はないと思われるが 5 名とも医師薬剤師には相談していなかったその他医薬品と相互作用を起こす可能性のある素材の利用者数は以下の通りフォルスコリノコギリヤシイチョウ葉エキスエキナセア 38 名 13 名 10 名 3 名 16

17 薬のような使い方薬と併用をしない健康食品は医薬品ではありません!! 医薬品と医薬品の相互作用 + 成分として 1:1 の対応医薬品 A 医薬品 B 相互作用が明確医薬品と健康食品の相互作用医薬品 A + 健康食品健康食品 B 成分は 20 種類成分含量は不明成分として 1:20 の対応相互作用が不明 17

18 薬との相互作用 1. 効果での相互作用お薬と同じ効果の健康食品を利用することでお薬の作用が強く出てしまいますお薬と同じ作用なので患者さん本人が避けることが可能 2. 吸収における相互作用お薬の吸収を亢進 ( 抑制 ) することでお薬の作用を強く ( 弱く ) します 3. 代謝における相互作用お薬の代謝を亢進 ( 抑制 ) することでお薬の作用を弱く ( 強く ) します一般の方にはわかりにくいため医師薬剤師が気を付ける必要がある 18

19 医薬品と健康食品の相互作用 1 ( 薬の血中濃度 ) 高低有害反応の現れる範囲効果の現れる範囲効果の現れない範囲薬物代謝酵素を阻害する健康食品と併用薬物代謝酵素を誘導する健康食品と併用 19

20 医薬品と健康食品の相互作用 2 高有害範囲 ( 薬の血中濃度 ) 効果の現れる範囲低無効範囲 20

21 医薬品と健康食品の相互作用の問題点そもそも相互作用を起こすかわからない相互作用を起こすとしても実際にどのくらいの量期間摂取したら相互作用を起こすのかわからない医薬品の血中濃度に影響したとしても薬効 ( 治療効果 ) に影響するかわからない多くの人が複数の医薬品複数の健康食品を併用している医薬品と健康食品を併用させない併用する場合は必ず医師薬剤師に相談してもらう 21

22 トクホは医薬品と区別されている 1. 認知度が高い制定されて 20 年以上が経ちその認知度は約 9 割と国民に広く認知利用されている (2009 年株式会社クロスマーケティング調査 ) 2. マークがついている 3. 食品形態をしている医薬品とは明らかに形態が異なるいわゆる健康食品と異なりほとんどの消費者はトクホと医薬品の区別ができている 22

23 トクホの表示義務事項商品名許可証票 ( ) キャッチコピー ( 脂肪の吸収を抑える等 ) 許可を受けた表示内容特定保健用食品である旨一日当たりの摂取目安量摂取をする上での注意事項バランスのとれた食生活の普及啓発を図る文言 ( 食生活は主食主菜副菜を基本に食事のバランスを ) 消費者は正しく表示を見ていない 23

24 トクホの利用目的 ( 年代別 ) 年代 ( 人数 ) 健康維持体質改善疾病予防疾病治療 10 代 (7 名 ) 20 代 (53 名 ) 30 代 (83 名 ) 40 代 (117 名 ) 50 代 (127 名 ) 60 代以上 (500 名 ) 千葉剛他 : 日本栄養食糧学会誌 67(4): ,

トクホの利用目的 ( 受診別 ) 健康維持体質改善疾病予防疾病治療受診なし (799 名 ) 65.5 30.9 22.4 3.3 通院 + 入院 * (293 名 ) 66.6 34.8 37.2 12.

25 トクホの利用目的 ( 受診別 ) 健康維持体質改善疾病予防疾病治療受診なし (799 名 ) 通院 + 入院 * (293 名 ) * 通院 :290 名入院 :3 名通院中入院中患者の内トクホの利用を主治医に話している方は 32 名 (10.9%) 残りの 9 割は言う必要がない通院している病気とは関係ないとして主治医に話していない 25

26 トクホ利用者の医薬品服用状況人数割合トクホと同じ効果の医薬品を常用 ( 人 ) 割合常用している常用していないトクホの利用の約 3 割が医薬品も服用しておりさらにその約 2 割が医薬品と同じ目的で利用している 26

27 本当に病気 ( 薬 ) とは関係ない? 1 糖尿病患者さんが血糖低下薬とが入った中性脂肪の上昇を抑えるコーラ ( 難消化性デキストリン ) を飲んだ場合低血糖を起こす可能性があります貧血のため鉄剤を摂取している患者さんが中性脂肪の上昇を抑えるお茶 ( カテキン ) を飲んだ場合鉄の吸収を阻害する可能性があります関係のない様に思えても実は相互作用を起こす可能性もあるため薬との併用は避けてもらうかもしくは医師薬剤師に相談してもらう 27

28 本当に病気 ( 薬 ) とは関係ない? 2 ヘルシアコーヒー ( 花王 ) の場合ヘルシアコーヒーには酸化されたヒドロキシヒドロキノンを低減したクロロゲン酸類が使用されており内皮機能の改善を介して血圧低下作用を示すことを認めており元々は血圧の気になる方のためのリズムライフコーヒーとしてトクホの許可を得ている ( ただしリズムライフコーヒーとしては未発売 ) 花王ホームページより転載 28

29 トクホによる健康被害の実態これまでに行政に対してトクホが原因とされる重篤な健康被害は報告されていないその理由として考えられること製品としてヒトでの安全性が調べられているほとんどの製品が通常の食品の形態をしているため極度の過剰摂取が出来ない 29

30 トクホによる健康被害の実例去痰目的に総合感冒薬 ( カフェイン 75 mg/ 日 ) を 10 年間服用していた 49 歳男性が肥満解消目的にヘルシア緑茶 ( 花王 ) を 2~4 L/ 日 ( カフェイン 460~920 mg/ 日 ) 2 週間摂取したところ四肢の筋力低下を呈しカフェインの大量摂取による低カリウム性ミオパチーと診断された臨床神経学 ;53(3): (2013) ヘルシア緑茶 ( 花王 ):1 日の摂取目安量 350 ml 摂取目安量の約 6~11 倍を毎日摂取 + 総合感冒薬製品ではなく使い方 ( 過剰摂取 + 医薬品との併用 ) が問題 30

31 トクホの現状と機能性表示食品制度が出来て既に20 年以上が経ちその認知度は90% 以上利用経験者も約 50% と広く普及しているにも関わらずトクホの特徴を正しく理解し適切に利用できている人は一部である新しい機能性表示食品においては消費者の理解は 0 からのスタートであり適切に活用されない可能性が高いどんなに良い製品を作っても健康被害は必ず起こる 31

32 アレルギーに注意する特定原材料特にアレルギーを起こしやすいとされる食品のうち発症数重篤度から表示が義務化された 7 品目えびかに卵乳小麦そば落花生特定原材料に準ずるもの可能な限り表示することが推奨された 20 品目あわびいかいくらオレンジさけさば牛肉豚肉鶏肉りんごももキウイフルーツバナナ大豆くるみまつたけやまいもゼラチンカシューナッツごま健康食品素材プロポリスローヤルゼリーサイリウム松樹皮抽出物ユーカリサフランコンドロイチン硫酸レッドクローバー小麦ふすまキトサンカゼインペプチドなど多数 32

33 新しいタイプのアレルギー従来の食物アレルギー食物新しいタイプの食物アレルギー環境抗原 ( 花粉ラテックス等 ) 抗体産生交差反応食物 ( 様々な症状 ) 野菜果実 ( 主に口腔症状 ) ( 例 ) スギヒノキトマトブタクサメロンスイカバナナ等 33

34 健康被害を最小限にするために 1. 製造販売者の責任品質のしっかりしたものを製造販売する表示を見やすく ( 機能性だけを前面に出さない ) 被害情報の収集報告行う 2. 利用者の責任本当に必要かを考え最低限の利用に止める治療目的に用いない医薬品と併用しない 3. 医師薬剤師の役割患者がどの製品を利用しているか把握する場合によってはやめさせる 4. アドバイザリースタッフ等の役割消費者の状態利用状況にあったアドバイスをする 34

35 国立健康栄養研究所の取り組み健康食品に関する科学的根拠に基づく情報を提供 35

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