立地する遺跡から出土した試料は原則として測定の対象としてこなかったことに言及しなかったことが批判を受ける要因になったとしている暦博としてはこの点が暦博の弥生時代の開始年代に関る重要な要件で有ることを繰り返し示していることになるではこの点に注目して行くことにする暦博論文で論拠とされ

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ためひとあさぶき
5 years ago
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1 弥生時代のはじまりは 500 年遡ることはない! - 菜畑板付遺跡は臨海遺跡 - 全邪馬連会員丸地三郎弥生時代のはじまりは紀元前 300 年頃終わりは紀元後 300 年頃 ( この間約 600 年 ) というのがこれまでの通説です最近自然科学的な年代測定法により弥生時代中期の年代が 100 年近く遡り始まりも 500 年近く早くなるという説も出てきていますこのように国営吉野ヶ里歴史公園の弥生ミュージアムの資料も記し 500 年遡る説が無視できなくなっていることを示していますご存知のように 2003 年 5 月に, 国立歴史民俗博物館 ( 通称歴博, 千葉佐倉市 ) は, 九州北部や韓国の弥生早期から前期の土器を炭素 14 年代測定法のAMS 法によって計測し, その結果, 弥生時代の始まりは, 定説より約 500 年古い紀元前 10 世紀とする新説を発表したことに起因していますこの歴博の説について疑義を呈し 500 年遡らないことを示します暦博の新説に対して学会などからは鉄器の開始時期が中国と日本の間で矛盾が生じるとの指摘や海洋リザーバー効果の影響の指摘が行われたその指摘に対して暦博はそれぞれ反論を行っている 2005 年に藤尾慎一郎氏が AMS- 炭素 14 年代測定法が明らかにした日本の鉄の歴史を発表したその主旨は弥生早期前期の鉄器資料の再検討を行なったその結果 1-2 点を除きすべて時期を特定できないことが判ったとし曲り田遺跡の鉄器も出土状況も出土状況を示す図面や写真が公開されていない弥生早期に比定する証拠が弱いと記し従って弥生早期前期には鉄器があった事にならないと発掘時及びその報告の仕方が厳正に行われなかったとして考古学者の長年の成果である弥生時代早期前期の鉄器の出土の全てを否定するという暴挙にでた 2005 年に総研大文化科学研究に藤尾慎一郎氏今村峯雄氏西本豊弘氏の共著として -AMS - 炭素 14 年代測定による高精度年代体系の構築 - を発表したこの中で歴博の測定値が従来の年代観より 500 年も古くでているのは海洋リザーバー効果の影響とみる批判が 2003 年 12 月の考古学研究 199 号誌上で西田茂によっておこなわれた西田年 7 月には田中良之も同様の指摘をおこなった田中ほか 2004 としてこの問題に対する私たち ( 歴博 ) の考え方と海洋リザーバー効果の影響をどのように認定しているのか説明しておこうと反論を開始し海洋リザーバー効果の影響の有無はその試料のδ13C δ15n の値炭素 / 窒素比を調べて総合的に判断するとして海洋リザーバー効果の影響はないとの見解を記している更に本文ではないが注 2) においてちなみに歴博では海岸に接して立地する遺跡から出土した試料は原則として測定の対象としてこなかったと海洋リザーバー効果影響の排除を断言している因みにこの注 2) はどの部分に対する注なのかと云うと三調査内容 1 年代測定の試料の種類 1 煮焦げの項の終りの部分の縄文弥生時代の場合付着炭化物の年代は土器の使用年代と同じとみなすことができる 2) に対する注であるこの注は長文でなお海洋性の魚介類を調理したものが試料である場合が考えられデータの解釈には注意が必要であると云うデータの取り扱いについて記している魚介類の炭素 14 に関する取り扱いについて詳細に説明した後に海産食料に多く依存していると思われる人びとが営んだ遺跡から出土した土器の付着炭化物は海産食料を調理する際にできた煮焦げや吹きこぼれである可能性があるので試料としては避けたほうがよいという意見もあるちなみに歴博では海岸に接して立地する遺跡から出土した試料は原則として測定の対象としてこなかったとして測定の対象としてこなかったと記し歴博の試料の取り扱いの正当性を主張している更に 2003 年 7 月までに研究グループが提示した調査内容のなかにはこの点に関して言及していなかったために西田茂氏の批判をうけることとなった西田 2003 とこの論文発表 2005 年以前の論文でこの点即ちちなみに歴博では海岸に接して p. 1

立地する遺跡から出土した試料は原則として測定の対象としてこなかったことに言及しなかったことが批判を受ける要因になったとしている暦博としてはこの点が暦博の弥生時代の開始年代に関る重要な要件で有ることを繰り返し示していることになるではこの点に注目して行くことにする暦博論文で論拠とされている試料を出土した遺跡が海岸に接して立地する遺跡で無いのか有るのか検討し

海産食料に多く依存する古代集落を海岸に接して立地する遺跡とするではその土地の条件とはどんなことになるのか初期水田稲作を行った人々は海を渡って来た渡来民であるか又は海を渡って水田耕作技術を獲得して戻ってきた人々であるのでそのいずれとしても船や航海の技術を持ち海図 I に親しみを持っているはずで舟船に乗り海産食料を入手することが出来る人々と考える従って海岸線から

2 立地する遺跡から出土した試料は原則として測定の対象としてこなかったことに言及しなかったことが批判を受ける要因になったとしている暦博としてはこの点が暦博の弥生時代の開始年代に関る重要な要件で有ることを繰り返し示していることになるではこの点に注目して行くことにする暦博論文で論拠とされている試料を出土した遺跡が海岸に接して立地する遺跡で無いのか有るのか検討し確認してみることとする海岸に接して立地する遺跡とはどんな条件か検討してみるこの注 2) の中でその直前に書かれている文章が明確なのでこれを主要な判断基準としたい海産食料に多く依存していると思われる人びとが営んだ遺跡から出土した土器の付着炭化物は海産食料を調理する際にできた煮焦げや吹きこぼれである可能性があるので試料としては避けたほうがよいという意見もあるこの文章から海産食料に多く依存する古代集落を海岸に接して立地する遺跡とするではその土地の条件とはどんなことになるのか初期水田稲作を行った人々は海を渡って来た渡来民であるか又は海を渡って水田耕作技術を獲得して戻ってきた人々であるのでそのいずれとしても船や航海の技術を持ち海図 I に親しみを持っているはずで舟船に乗り海産食料を入手することが出来る人々と考える従って海岸線から 1km 以内の集落又は河口から 5km 以内の川に面する集落という条件にしてみる対象として確認する遺跡については暦博論文中で弥生最古の土器の較正年代は山の寺式の底部 ( 図 5 1) 内面の煮焦げが前 930~800 年 (91.2%) 中略夜臼 Ⅰ 式土器を伴って出土した板付 34 次調査出土の粗製深鉢の外面付着炭化物は前 900~790 年 (95.4%) であったとしているので唐津市菜畑遺跡と福岡市板付遺跡の二つを代表として取り上げる図 I は ( 図 5 1) に該当する Fig.5. の図検討対象とする海岸線河川は現代の海岸線や河川では無いこの暦博の遡らせた年代 = 現在より 2800 年 ~ 3000 年前即ち紀元前 1000 年頃の海岸線と河川が対象となるまず福岡市の板付遺跡について確認する図 II は 1999 年 3 月暦博研究報告の論文藤尾慎一郎著福岡平野における弥生文化の成立過程の図に丸地が博多駅と板付遺跡に補助線などを入れたものこれを見ると地形は現在のもので点線で示されたラインは縄文海進時の海岸線として示されている一般的には縄文海進の最進時期は 6~7 千年前の時期でその後海岸線は退い p. 2

ているこの常識に基づきこの現在の地図を見てみると板付遺跡は縄文海進の海岸線から 4ｋｍ程度離れており海退した弥生時期の海岸線からは 5ｋｍ以上離れ明らかに海岸に接して立地する遺跡では無いように見えるでは 3,000 年前の海岸線を記した地図を探してみる 1994 年 12 月に第四紀研究で発表された北部九州における縄文海進以降の海岸線と地盤変動傾向

ての遺跡との共存のためにの第４章に博多遺跡群をめぐる環境変化弥生時代から近代まで博多はどう変わったか著者は磯望下山正一大庭康時池崎譲二小林茂佐伯弘次この論文ではこの海岸線の時期を見直し 14C 年代で 3,190 年前から 2,580 年前の間となると記し堆積物の厚さなどを考慮するとその年代は約 3,000 年前で数百年の誤差をもつ

3 ているこの常識に基づきこの現在の地図を見てみると板付遺跡は縄文海進の海岸線から 4ｋｍ程度離れており海退した弥生時期の海岸線からは 5ｋｍ以上離れ明らかに海岸に接して立地する遺跡では無いように見えるでは 3,000 年前の海岸線を記した地図を探してみる 1994 年 12 月に第四紀研究で発表された北部九州における縄文海進以降の海岸線と地盤変動傾向当時九州大学理学部の下山正一著に明瞭な地図情報が記されている下山氏はこの海岸線は縄文海進の最も海進の進んだ時期のもので博多湾のその時期は４千 900 年前だとしているこの海岸線図は歴博の図Ⅱの海岸線とほぼ重なる図 III 続いてこの海岸線について述べている論文がある財九州大学出版社 1998 年発行の福岡平野の古環境と遺跡立地環境としての遺跡との共存のためにの第４章に博多遺跡群をめぐる環境変化弥生時代から近代まで博多はどう変わったか著者は磯望下山正一大庭康時池崎譲二小林茂佐伯弘次この論文ではこの海岸線の時期を見直し 14C 年代で 3,190 年前から 2,580 年前の間となると記し堆積物の厚さなどを考慮するとその年代は約 3,000 年前で数百年の誤差をもつものと判断されたと結論づけている博多付近では地殻変動があっ図 Ⅳ たようで縄文時代の海面高さは他の地域と異なる動きをしており注意が必要だった同じ論文中に博多駅東北側の地図図Ⅳ があり 3,000 年前の汀線と共に 5 世紀初めの汀線を記載している青色のラインは丸地が元のラインをなぞったもの赤い楕円 2 つと青色の文字 5 世紀の汀線の案内と矢印も追記 3,000 年前の汀線黒い太い線と 5 世紀初頭の汀線が近い処にある信頼できる 14C 年代の測定結果と遺跡群の発掘結果から判明した 2 つの汀線を見ると 3,000 年前以降 1,500 年ほどの間は海岸線の移動が極めて少なかったことを示している不思議なことに思えるが地質学の教える処では九州の北部日本海側の地盤は全般に沈降傾向にあること又砂の堆積が著しく砂丘を作り海岸線が徐々に海側に移る現象があるとしている沈降スピードと砂の堆積のバランスが時代ごとの汀線を作っているとのこと p. 3

又博多付近の平地の周辺には警固けご断層などの断層がいくつもあり地殻変動の痕跡が見られる地域一般的には 7,000 年前から 6,000 年前に起こったはずの縄文海進のピークが博多湾では 3,000

岸線までの距離を検討してみる板付遺跡は御笠川に面して立地している右の図Ⅴは日本列島の弥生時代と日韓交渉北部九州福岡平野周辺を中心に久住猛雄著の中の図で那珂古川と記してある川は御笠川のこと

5ｋｍ程度になる板付遺跡は海産食糧に依存した生活をしていた地域になる同様に那珂遺跡雀居遺跡なども海産食料に依存していたものと言える次に唐津市菜畑遺跡について検討する発掘地点図Ⅶ 図Ⅵ 末蘆館

になるこの現場から西ノ浜の海岸線までは現在直線距離で約 900ｍ菜畑遺跡は現在の地形でも 1ｋｍ以内の臨海地区と言える 3000 年前の海岸線を調べてみたが直接確認できるものが見つからなかったため

4 又博多付近の平地の周辺には警固けご断層などの断層がいくつもあり地殻変動の痕跡が見られる地域一般的には 7,000 年前から 6,000 年前に起こったはずの縄文海進のピークが博多湾では 3,000 年前にあることはその時期の前に大きな地殻変動が発生したことが考えられる暦博の図が示した縄文海進の海岸線こそが 3,000 年前の海岸線汀線であることが判明した処で板付遺跡から海岸線までの距離を検討してみる板付遺跡は御笠川に面して立地している右の図Ⅴは日本列島の弥生時代と日韓交渉北部九州福岡平野周辺を中心に久住猛雄著の中の図で那珂古川と記してある川は御笠川のこと川に面していると言える板付遺跡と博多駅の距離を計測すると 4 ｋｍとなる板付遺跡から御笠川の当時図Ⅴ の河口までの距離は 4.5ｋｍ程度になる板付遺跡は海産食糧に依存した生活をしていた地域になる同様に那珂遺跡雀居遺跡なども海産食料に依存していたものと言える次に唐津市菜畑遺跡について検討する発掘地点図Ⅶ 図Ⅵ 末蘆館菜畑遺跡図Ⅵ Ⅶは国土地理院の地図より菜畑遺跡の出土物などは唐津市立の末蘆館に展示されているが実際の発掘現場は約 350ｍ北側にある図Ⅵ参照その発掘現場は図Ⅶの国土地理院の地図では記号の位置になるこの現場から西ノ浜の海岸線までは現在直線距離で約 900ｍ菜畑遺跡は現在の地形でも 1ｋｍ以内の臨海地区と言える 3000 年前の海岸線を調べてみたが直接確認できるものが見つからなかったため地形図を調べてみた 2014 年 3 月に佐賀教育委員会の発行した中原遺跡Ⅷと云う文化財調査報告書がありその中で遺跡の位置と環境を確認するために唐津付近の地形を調べ報告している図Ⅷ 旧海岸線砂丘列地形分類図図 Ⅷはオリジナルのモノクロの図に丸地が色を付けコメントを入れたもの p. 4 ここでも縄文海進の海岸

線と現在の海岸線が近い古砂丘は縄文海進後に砂が堆積したもので縄文時代中に堆積したもの新砂丘はそれ以降に砂が堆積したものと考えられており弥生時代古墳時代の遺跡は発掘されないなお有名

400ｍ以内になるなお暦博が挙げている試料の一つが出土した梅白遺跡も海に近く現在の地形でも海から川に沿って２ｋｍ以内で川に面しておりこちらの方も海岸に接して立地する遺跡になる結論古代の地形図

更に当初の発表で名前の上がった糸島の曲り田遺跡のいずれを確認しても古地形図などでは最初に定義した海岸に接して立地する遺跡の条件に合致する従って暦博の使った試料は海洋リザーバー現象の影響を受ける可能性が高く

5 線と現在の海岸線が近い古砂丘は縄文海進後に砂が堆積したもので縄文時代中に堆積したもの新砂丘はそれ以降に砂が堆積したものと考えられており弥生時代古墳時代の遺跡は発掘されないなお有名な唐津の虹の松原はこの新砂丘上にあり 17 世紀に植林されたもの従って 3,000 年前の海岸線は古砂丘列と新砂丘列の境にあったものと推定される菜畑遺跡から海岸までは古砂丘を越えることになるが地図から読むと距離は 400ｍ以内になるなお暦博が挙げている試料の一つが出土した梅白遺跡も海に近く現在の地形でも海から川に沿って２ｋｍ以内で川に面しておりこちらの方も海岸に接して立地する遺跡になる結論古代の地形図地質図の示す海岸線からの距離を調べてみると板付遺跡も菜畑遺跡も海産食料に多く依存していると思われる人びとが営んだ遺跡で海岸に接して立地する遺跡であることが判明したその外暦博が挙げた試料の出土遺跡の福岡の雀居遺跡那珂君休遺跡も更に当初の発表で名前の上がった糸島の曲り田遺跡のいずれを確認しても古地形図などでは最初に定義した海岸に接して立地する遺跡の条件に合致する従って暦博の使った試料は海洋リザーバー現象の影響を受ける可能性が高く測定の対象としてはいけない試料と言える測定に使用してはならない試料を炭素 14 年代測定法のＡＭＳ法によって計測しその結果である弥生時代の始まりは定説より約 500 年古い紀元前 10 世紀とする新説は直ちに破棄されるべき説である弥生時代のはじまりは 500 年遡らない以上 p. 5

6 引用文献は文中に記したなお焦点となった下記論文の注 2) は重要な意味を持つため論文のタイトルと注 2) の全文を改めてここに示すこととする弥生時代の開始年代 AMS - 炭素 14 年代測定による高精度年代体系の構築学術創成研究グループ藤尾慎一郎今村峯雄西本豊弘注 2) なお海洋性の魚介類を調理したものが試料である場合が考えられデータの解釈には注意が必要である魚介類は海水中のプランクトンを捕食することによって炭素を取り入れる一般に海水中の炭素 14 濃度は大気中に比べると低いことが知られているが ( 食物連鎖の底辺にあるプランクトンはこの海水中の生物なのである ) 大気と接している厚さが 70mほどの海洋表層水は大気と炭素 ( 二酸化炭素 ) のやりとりをしており炭素 14 濃度の差はそれほどではないしかし表層水と中層水深層水は容易に混ざらないので大気と接していない中層水と深層水は古い炭素を有し炭素 14 濃度がさらに低いまた深層水は 2000 年以上の長時間をかけて大洋底を移動し高緯度地帯において上昇して表層水と混ざることが知られているため高緯度地帯の表層水中の炭素 14 濃度は低くオホーツク海では 1000 年も古く出るというデータがある日本海においてはこのようなデータがないため未知数だが海産食料に多く依存していると思われる人びとが営んだ遺跡から出土した土器の付着炭化物は海産食料を調理する際にできた煮焦げや吹きこぼれである可能性があるので試料としては避けたほうがよいという意見もあるちなみに歴博では海岸に接して立地する遺跡から出土した試料は原則として測定の対象としてこなかった 2003 年 7 月までに研究グループが提示した調査内容のなかにはこの点に関して言及していなかったために西田茂氏の批判をうけることとなった西田 2003 しかし後述するように歴博が 2003 年 5 月に示した 11 点のデータには三つの理由から海洋リザーバー効果の影響はみられないことを反論した藤尾今村 2004 これについては後述する p. 6

０９００１６７　立命館大学様‐災害１０号／★トップ‐目次

０９００１６７　立命館大学様‐災害１０号／★トップ‐目次２２西山第2表被害程度昭仁小松原琢被害状況と被害程度被害状況気象庁震度階級大建造物の倒壊が明らかに認められるものもしくは倒壊数が多いもの中小規模な建造物に倒壊はあるが大規模な建造物に倒壊が認められないもの小建造物に破損が認められるもの史料記述の信憑性震度 5 強 6 弱程度震度 4 5 弱程度震度階級については以下の文献を参照した宇佐美龍夫歴史地震事始