さらに目的細胞への赤血球や炎症細胞等のマスキン上清をデカントにて廃棄し細胞沈渣を得た次にグ等により判定が困難となる場合が多々認められ細胞沈渣に脱イオン水 10 ml を添加し再度 800 G る 4) そのため LBC 法における従来法との内膜細で 5 分間遠心しデカントした再度得

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れれおえづか
5 years ago
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1 技術論文子宮内膜細胞診における従来法と TACASTM 法での細胞所見の比較検討則松良明 1) 中橋徳文 4) 林聖子 2) 髙田真未 2) 1) 愛媛県立医療技術大学保健科学部臨床検査学科生体情報学講座 ) 医学生物学研究所学術部診断薬グループ 3) 市立宇和島病院臨床検査科 4) 市立宇和島病院産婦人科要中川健司 3) 愛媛県伊予郡砥部町高尾田 543 旨子宮内膜細胞診における従来法標本と液状化検体細胞診法の一つである TACAS 法標本での細胞所見の比較検討を試みた子宮内膜材料 31 例を対象とし標本作製は最初に従来法標本を次に TACAS 標本を作製するスプリットサンプル法を用いた検討の結果 1 標本背景所見について TACAS 法は従来法よりも有意に背景が清明であり有意に目的細胞へのマスキングが低値であった 2 対物 10 倍 1 視野あたりの細胞集塊数では TACAS 法は従来法よりも高値であったが有意差を認めなかった 3 しかし平均細胞集塊数の症例頻度において TACAS 法が従来法と比べて同等もしくは多かった症例頻度は少ないものよりも有意に高値であった 4 細胞集塊長径では TACAS 法は従来法よりも有意に低値であった 5 しかし TACAS 法の細胞集塊長径が平均 301 μm 以上の症例頻度は従来法よりも低値であるものの有意差を認めなかった 6 核輝度では TACAS 法は従来法よりも有意に低値であった以上のことより TACAS 法は従来法に比べて核が濃染傾向にあるため重積細胞での核の詳細な観察において注意を要すると思われるが標本背景が清明で目的細胞へのマスキングの乏しい標本の作製および十分な量かつ適切な大きさの細胞集塊の塗抹が可能であるため子宮内膜細胞診での診断精度の向上につながると期待されるキーワード子宮内膜細胞診従来法液状化検体細胞診 TACAS 法細胞所見の比較塗抹処理をするものでこれにより作製されたものはじめには thin-layer 薄層標本と呼ばれている LBC 法では細胞変性や乾燥のない固定が可能でサンプリ近年液状化検体細胞診 liquid-based cytology; ングエラーによる不適正標本が減少するため細胞診 LBC は子宮頸部細胞診検査において擦過細胞をの精度検出率の向上が期待できる 2), 3) 本邦でも子スライドガラスに直接塗抹する従来の標本作製法従宮頸部細胞診での Bethesda System の導入を契機に来法に代わって欧米を中心に普及するように LBC 法が普及しつつある一方子宮内膜細胞診なった 1) 従来法は採取した細胞を人力で直接スラ内膜細胞診は子宮体癌の早期発見のスクリーニンイドガラスに塗抹するため細胞相互の重積や細胞グ検査法として国内では最も一般的に使用されて量が不均一な標本になることが多い一方 LBC 法いるが現在の標準的標本作製法は従来法であるたは採取した細胞を保存液中に回収した後限局しため子宮頸部細胞診の場合と同様目的細胞内膜範囲内に細胞の重積が少なく密度がほぼ均等に上皮細胞や腫瘍細胞の細胞変形や過剰な細胞重積平成 28 年 10 月 26 日受付平成 29 年 2 月 24 日受理医学検査 Vol.66 No

2 さらに目的細胞への赤血球や炎症細胞等のマスキン上清をデカントにて廃棄し細胞沈渣を得た次にグ等により判定が困難となる場合が多々認められ細胞沈渣に脱イオン水 10 ml を添加し再度 800 G る 4) そのため LBC 法における従来法との内膜細で 5 分間遠心しデカントした再度得た細胞沈渣に胞像の比較検討は重要であると共に早急に実施する対し 300 μl の脱イオン水を添加し細胞懸濁液を必要がある作製した後専用スライドである TACAS Slide に懸今回われわれは内膜細胞診での従来法標本と濁液を滴下し 10 分間静置することでスライド表面 LBC 法の中でも唯一の国産である TACASTM との電荷の差により細胞を吸着塗抹させた塗抹後 thinlayer advanced cytology assay system; TACAS 法の標本は直ちに 95%エタノールに浸漬し同施設に株式会社医学生物学研究所名古屋標本を比較検てパパニコロウ染色を行った討し若干の知見を得たので報告する 3 検討方法対象 31 例より作製された従来法標本および I 方法 TACAS 法標本を用いて下記に示す項目を顕微鏡下で測定し比較した細胞集塊は 50 個以上の細胞から 1 対象症例 2014 年 2 月 2014 年 6 月に市立宇和島病院にて構成されるものと定義した 1 標本背景所見採取された子宮内膜材料 31 例を対象とし平均年齢標本内の全視野において赤血球や粘液および好は 45.6 歳 28 歳 61 歳であった細胞診の内訳中球などの背景成分が認められなかった場合を清明は陰性 28 例疑陽性 1 例陽性 2 例であり疑陽性認められた場合を清明でないと設定し 1 症例ごとおよび陽性の全例において組織診断が施行されたに背景清明の有無を調べ頻度を算出した併せて疑陽性例の組織診断は癌肉腫陽性例では 2 例共にこれらの背景成分による内膜上皮細胞等判定に必類内膜腺癌 Grade 1 であった要な目的細胞へのマスキングの有無も調べ頻度を本研究は愛媛県立医療技術大学承認番号承認日 2013 年 7 月 8 日市立宇和島病院算出した 2 対物 10 倍 1 視野あたりの細胞集塊数承認番号承認日 2012 年 9 月 19 日およ 1 症例ごと任意に対物レンズ 10 倍視野での細胞集び株式会社医学生物学研究所承認番号 135 承認塊数を最大 10 視野計数しその平均値を算出した日 2012 年 12 月 25 日の倫理委員会の承認を得て実それぞれの平均値をもとに全平均±SD 値を算出施したまた全ての対象者にインフォームドコンしたセントがなされ同意書による承諾を得た上で細胞 3 平均細胞集塊数の症例頻度採取を行った 2 標本作製本研究を進めるにあたりスプリットサンプル法による標本作製を行った検体採取器具は子宮内膜ブラシもしくはエンドサーチを使用し子宮内膜細検討 2 で計数した細胞集塊数の 10 視野の平均値について TACAS 法が従来法よりも少数同数多数での症例の出現の有無を調べた 4 細胞集塊長径 1 症例ごと任意に対物レンズ 10 倍視野での細胞集胞を採取した後最初に従来法標本を 1 枚作製した塊の長径について最大 10 視野計測しその平均値その後直ちに 95%エタノールにて固定しパパニを算出した計測ソフトウェアは cellsens オリンコロウ染色を行った次に LBC 法標本の作製はパス株式会社東京を用いたまた集塊長径が TACAS 法を用いた従来法へ塗抹後の採取器具の先対物レンズ 10 倍の視野を超える場合は視野の両端端を保存液である TACAS GYN Vial で洗浄し採取の長さを最大長径と設定したそれぞれの平均値を器具に残った細胞を回収後株式会社医学生物学研もとに全平均±SD 値を算出した究所に送付し標本作製を行った 5 細胞集塊長径が平均 301 μm 以上の症例頻度その手順であるが TACAS GYN Vial 内の検体全量を遠心管に移し替えた後 800 G で 5 分間遠心し 218 検討 4 で測定した細胞集塊の長径について 10 視野の平均値が 301 μm 以上の症例の出現の有無を則松他従来法と TACAS 法の比較

3 調べた例 35.5% 同等は 4/31 例 12.9% 多数は 16/31 6 核輝度例 51.6% であり同等もしくは多数例 64.5% 1 症例ごと任意に集塊を 5 集塊選択し 1 集塊につ 20/31 例は少数例 35.5% 11/31 例よりも有意き対物レンズ 40 倍視野で 10 個の核を計測した計に高値であった測ソフトウェアである ImageJ 4 細胞集塊長径の比較 Figure 2 ij/ を用いて核のみ抽出し輝度ヒストグラムを計 TACAS 法 ± μm は従来法 ± 数した後平均値を求めたそれぞれの平均値をも μm よりも有意に低値であったとに全平均±SD 値を算出した 5 細胞集塊長径が平均 301 μm 以上での症例頻度の統計学的有意差の検討は Stat View system Abacus, Berkeley, CA を使用し Student s t-test もしくは比較 TACAS 法 83.9% 26/31 例は従来法 93.5% Pearson s chi-square test を用いて分析し p 値が /31 例よりも低値であったが有意な差は認め未満であった場合に有意差ありと判断したられなかった 6 核輝度の比較 Figure 3 II 結果核輝度ヒストグラムの平均値において TACAS 法 1 標本背景所見の比較標本背景が清明な頻度について TACAS 法 58.1% 18/31 例は従来法 29.0% 9/31 例よりも有意に高値であったまた目的細胞へのマスキングの頻度について TACAS 法 3.2% 1/31 例は従来法 19.4% 6/31 例よりも有意に低値であっ 500 た対物 10 倍 1 視野あたりの細胞集塊数の比較 300 Figure TACAS 法 2.9 ± 1.1 個は従来法 2.6 ± 1.0 個よりも高値であったが有意な差は認められなかっ従来法た 3 平均細胞集塊数の症例頻度の比較 TACAS 法が従来法より少数である症例数は 11/31 Figure 2 細胞集塊長径 μm * 両者の間に有意差あり p < 従来法 0.0 従来法 Figure 1 TACAS法細胞集塊数個医学検査 Vol.66 No TACAS法 TACAS法 Figure 3 核輝度 * 両者の間に有意差あり p <

4 8.1 ± 2.6 は従来法 ± 3.1 よりも有意に低値あり暗調であることを示していた含まれる蛋白成分や粘液および好中球などの背景成分を適度に廃棄することにより従来法よりは清明な背景を保持しつつかつ目的細胞へのマスキング III 考察の乏しい標本の作製を可能にしていると考えられた内膜細胞診の正確な診断には十分な細胞集塊の最近欧米において LBC 法は子宮頸部細胞診の主塗抹量や適切な大きさの細胞集塊の塗抹が必要であ要技術となっており国によってはほぼ 100%を占る対物 10 倍 1 視野あたりの細胞集塊数についてめているその理由として米国では 1980 年代後半 TACAS 法 Figure 5A, C は従来法 Figure 5B, D より子宮頸部細胞診の偽陰性の問題がクローズアッよりも有意差は認められないものの高値であったプされ高い精度管理のための新しい技術の導入がさらに平均細胞集塊数について TACAS 法が従来法期待されたからである偽陰性の原因の多くはサと比べて同等もしくは多数であった症例の頻度はンプリングエラーでありそれらは偽陰性の 67 少数のものよりも有意に高値であった本研究での 90%を占める 5) 特に従来法では採取細胞の 20 標本作製法が先に従来法標本を作製した後採取 30%程度しか塗抹されず残存する細胞は採取器具器具に残存する細胞を用いて TACAS 法標本の作製と共に処分される 6) 加えて従来法においては血を行うスプリットサンプル法であることを鑑みる液粘液細胞片や炎症細胞などと乾燥によって正と上述の結果から TACAS 法では十分量の細胞集確な診断が妨げられスクリーニングエラーの原因塊が塗抹されていると考えられたとして報告された 7) 子宮内膜細胞診の従来法標本細胞集塊長径の比較では TACAS 法は従来法よりにおいても子宮頸部の場合と同様サンプリングも有意に低値であった上記の結果の理由としてエラーやスクリーニングエラーが起こる本研究に TACAS 法での標本作製工程での種々の細胞に対すおいてわれわれは従来法と比較した LBC 法の一つる操作に注目したまず保存液中で採取器具の洗である TACAS 法の有用性を検討した浄による細胞の回収細胞沈渣収集のための 2 回の清明な背景や目的細胞へのマスキングのない標本遠心操作さらに細胞懸濁液作製や専用スライドは正確な診断のために必要であるしかしながらへの懸濁液の滴下時でのピペットによる細胞攪拌等内膜細胞診では不正性器出血が主訴であることが大での操作である従来法では採取器具に付着した細半であるため過剰な血液成分が目的細胞への被覆胞をスライドガラスに塗抹するという 1 回の工程のを起こし正確な診断を損なう可能性がある 4) 標みであるが TACAS 法では工程の都度アーティ本背景所見に関して背景清明および目的細胞へのファクトが細胞集塊へ加わることが推測されるそマスキングの頻度について TACAS 法 Figure 4A, の結果細胞集塊は従来法よりも断片化や小型化 C は従来法 Figure 4B, D よりも有意に清明な状し易い傾向となったものと考えられた原田ら 10)も態であるとともにマスキングの頻度が低かった子宮内膜細胞診での従来法と TACAS 法と原理およ上記の結果の理由として保存液である TACAS GYN び標本作製工程が類似しているシュアパス法日本 Vial はアルコール濃度が約 20 30%と低濃度であるベクトンディッキンソン社東京での比較検討にことと標本作製過程での 2 回の遠心操作に注目しおいて増殖期内膜や分泌期内膜での内膜組織構築た川西ら 8 ) は LBC 法での保存液についてアルを保った大型集塊の出現数について従来法に有意コール濃度が 25 30%と低濃度の保存液では浸透圧に多く認められその理由として種々の標本作製の作用により赤血球は完全に溶血すると報告してい工程での細胞集塊へのアーティファクトの影響のたるまた尾崎 9)は集細胞に遠心を用いる LBC 法でめと述べているしかしながら細胞集塊長径が平は炎症細胞などの背景物の割合を低下させて上皮均 301 μm 以上での細胞集塊出現頻度の比較では細胞を優位に出現させる効果があると述べている TACAS 法 Figure 5A, C は従来法 Figure 5B, D それらのことより TACAS 法では保存液内で赤血球よりも低値であるものの有意な差を認めなかったを溶血し次に 2 回の遠心操作において上清に以上のことより TACAS 法では適切な大きさの細胞 220 則松他従来法と TACAS 法の比較

先に従来法標本 B, D を作製した後採取器具に残存する細胞を用いるスプリットサンプル法であることにも関わらず TACAS

5 A B C D Figure 4 TACAS 法標本 A, C は従来法標本 B, D よりも背景が清明な状態であるとともにマスキングの頻度が低かったパパニコロウ染色 A B 正常内膜 10 C D 類内膜腺癌 Grade 1 10 Figure 5 A B C D TACAS 法標本 A, C の作製が先に従来法標本 B, D を作製した後採取器具に残存する細胞を用いるスプリットサンプル法であることにも関わらず TACAS 法では診断に十分量の細胞集塊および適切な大きさの細胞集塊が塗抹されていたパパニコロウ染色 A B 正常内膜 2 C D 類内膜腺癌 Grade 1 4 医学検査 Vol.66 No

A B C D Figure 6 TACAS 法標本 A, C は従来法標本 B, D よりも核が濃染傾向にあったパパニコロウ染色 A B 正常内膜 60 C D 類内膜腺癌 Grade 1 60 集塊が塗抹されると考えられたおよび細胞集塊の平坦化のため核ヘマトキシリン次に核輝度ヒストグラムの比較では TACAS 法 Figure 6A, C は従来法 Figure 6B, D

6 A B C D Figure 6 TACAS 法標本 A, C は従来法標本 B, D よりも核が濃染傾向にあったパパニコロウ染色 A B 正常内膜 60 C D 類内膜腺癌 Grade 1 60 集塊が塗抹されると考えられたおよび細胞集塊の平坦化のため核ヘマトキシリン次に核輝度ヒストグラムの比較では TACAS 法 Figure 6A, C は従来法 Figure 6B, D よりも有意に低値であったことは TACAS 法では核の染色性が従来法よりも暗調であり言い換えれば濃染傾向にあるの淡染化が起こると推測される TACAS 法は上述のシュアパス法と同じ塗抹原理のため従来法よりも核が濃染傾向であったと考えられた土田ら 11)は尿細胞診での腫瘍細胞の核面積について従来法 67.4 ± 12.8 μm は TACAS 法 40.3 ± 土田らは尿細胞診での腫瘍細胞の核所見につい 6.9 μm 則松ら 4)は類内膜腺癌 grade 1 での核面積て TACAS 法では従来法よりも核が濃染傾向でで従来法 56.6 ± 7.5 μm はシュアパス法 37.3 ± あったと述べているこの理由について細胞塗抹 6.5 μm と TACAS 法やシュアパス法は従来法より原理の違いが考えられた白波瀬は沈降法と電荷も有意に小型であったと報告しているまた深津吸着を原理とするシュアパス法では液体中に浮遊すら 13)は口腔領域における従来法と TACAS 法の比較る細胞がそのまま自然沈降しスライドガラスに電において TACAS 法は従来法よりも円形度が高く荷吸着されるそのため細胞や細胞集塊は従来法細胞の収縮が見られ LBC 法の固定液中の細胞は表よりもさらに立体的に塗抹され球状が保たれたま面張力により丸みを帯びる傾向があると指摘してまの核はヘマトキシリン染色性が濃く見える一方いるこれらのことより TACAS 法では従来法より同じ LBC でもフィルター転写法を原理とするシンプも細胞の球状化が保たれているため小型化するこレップ法ホロジックジャパン社東京ではスラとが推測されその結果核ヘマトキシリンの濃染イドガラスに細胞を圧着転写させるため細胞およ傾向を示したと考えられた 11 ) 12 ) び細胞集塊の平坦化が起こりその結果核のヘマ内膜細胞診では細胞集塊の出現が通常でありトキシリン染色性は淡くなると指摘している従来 TACAS 法は重積した細胞の核の詳細な観察が従来法では採取した細胞を人力で直接スライドガラスに法よりも困難な場合もあり注意を要すると思われ塗抹するため細胞へ圧力がかかることに加え乾燥るが土田ら 11)は細胞重積した尿の腫瘍細胞での核が起こりその結果シンプレップ法と同様細胞の詳細な観察は辺縁部分では可能であったと述べ 222 則松他従来法と TACAS 法の比較

7 ているそれらのことより細胞重積した内膜細胞集塊でも同様に辺縁部分の核の観察は可能であると考えられた IV 結語子宮内膜検体の標本作製においてわれわれは従来法と比較した TACAS 法の有用性を検討したその結果従来法よりも標本背景が清明で目的細胞へのマスキングの乏しい標本の作製および十分な量かつ大きさの細胞集塊の塗抹が可能であるため診断精度の向上に繋がると期待されるしかしながら今回の検討では正常例がほとんどであったため今後は本検討の結果をもとに悪性例での比較検討を行う必要があると思われた文献 1) Strander B et al.: Liquid-based cytology versus conventional Papanicolaou smear in an organized screening program: A prospective randomized study, Cancer, 2007; 111: ) Monsonego J et al.: Liquid-based cytology for primary cervical cancer screening: A multi-centre study, Br J Cancer, 2001; 84: 医学検査 Vol.66 No ) Beerman H et al.: Superior performance of liquid-based versus conventional cytology in a population-based cervical cancer screening program, Gynecol Oncol, 2009; 112: ) 則松良明無排卵周期に伴う endometrial glandular and stromal breakdown の細胞像従来法と LBC 法の比較日臨細胞誌 2013; 52: ) Gay JD et al.: False negative results in cervical cytologic studies, Acta Cytil, 1985; 29: ) Goodman A, Hutchinson M: Cell surplus on sampling devices after routine cervical cytologic smears: A study of residual cell populations, J Reprod Med, 1996; 41: ) van der Graaf Y et al.: Screening errors in cervical cytological screenings, Acta Cytol, 1987; 31: ) 川西なみ紀他 BD 液状化検体細胞診用保存液における血液の影響に関する基礎的検討医学検査 2015; 64: ) 尾崎聡細胞診の精度向上を目指して直接塗抹法 LBC 法の基本と要点を整理する症例から学ぶ細胞診のポイント婦人科子宮頸部 Medical Technology, 2014; 42: ) 原田美香他子宮内膜細胞診における従来法標本と LBC 法標本の比較検討愛媛臨検技会誌 2013; 32: ) 土田秀他液状化細胞診を用いた尿細胞診の検体処理法の検討日臨細胞誌 2013; 52: ) 白波瀬浩幸細胞診の精度向上を目指して直接塗抹法 LBC 法の基本と要点を整理する症例から学ぶ細胞診のポイント呼吸器 Medical Technology, 2014; 42: ) 深津晶他スプリットサンプル法の口腔領域への応用検査と技術 2013; 41: 本論文に関連し開示すべき COI 状態にある企業等はありません 223

8 Technical Article Comparison of cytological findings between thinlayer advanced cytology assay system (TACAS TM ) methods and conventional methods in endometrial cytology Yoshiaki NORIMATSU 1) Seiko HAYASHI 2) Mami TAKADA 2) Kenji NAKAGAWA 3) Norifumi NAKAHASHI 4) 1) Medical Technology, Faculty of Health Sciences, Ehime Prefectural University of Health Sciences (543, Takooda, Tobe-cho, Iyo-gun, Ehime , Japan) 2) Marketing & Technical Support Department, IVD Group, Medical & Biological Laboratories Co., Ltd. 3) Clinical Laboratory Department, Uwajima City Hospital 4) Obstetrics and Gynecology, Uwajima City Hospital Summary The endometrial cytological findings of TACAS methods and conventional methods are compared. A split sample method was used. Thirty-one endometrial material samples each were prepared by the conventional and TACAS methods. The results are as follows: (1) In terms of preparation background, the TACAS method showed a significantly cleaner background than the conventional preparation method, and the masking of endometrial cells was significantly minimal. (2) In terms of the number of cells, the TACAS method showed a larger number than the conventional preparation method, but the difference was not statistically significant. (3) In comparison with the conventional preparation method, the TACAS method showed a significantly higher or the same frequency of average cell clumps. (4) In terms of the number of cell clumps with long axes, the TACAS method showed a significantly smaller number than the conventional preparation method. (5) The frequency of cell clumps with axes longer than 301 μm is lower in the TACAS method than in the conventional preparation method, but this difference was not statistically significant. (6) The nuclear brightness in the TACAS method is significantly lower than that in the conventional preparation method. From the above-mentioned results, the following became obvious. (1) The detailed observation of nuclei in overlapping cells is necessary because the TACAS method results in deeply stained nuclei compared with the conventional preparation method. (2) However, the preparation with a clean background and without the masking of endometrial cells can be carried out. (3) The preparation of sufficient number and size of cell clumps that are smeared can also be carried out. (4) Therefore, it is expected that the application of the TACAS method in endometrial cytological diagnosis leads to the improvement of diagnostic precision. Key words: endometrial cytology, conventional methods, liquid based cytology, TACAS method, comparison of cytologic findings (Received: October 26, 2016; Accepted: February 24, 2017) 224 則松他従来法と TACAS 法の比較

ThinPrep説明資料～LBC(Liquid Based Cytology)～

ThinPrep説明資料～LBC(Liquid Based Cytology)～液状化検体細胞診 (LBC) ~ 子宮頸部膣細胞診を中心に ~ 2013 年 5 月 11 日オリンパス株式会社ライフサイエンス営業企画部本日の内容液状化検体細胞診 (LBC) って何? - 用語定義 etc. 現状は? どうしてLBCなのか? - 歴史的背景 - 従来法の問題点 -LBCの特長細胞像の特徴 - 従来法との違い液状化検体細胞診とは...( 用語 ) 従来の細胞診 (