図解 お米が消費者に届くまで - 生産 流通 価格形成についてー Ⅰ. 主食用米の流通と制度 主食用米の流通経路 お米の流通に関係するおもな法律 Ⅱ. お米の生産 主食用米の生産の仕組み 非主食用米 ( 加工用米 飼料用米 米粉用米 ) 生産の仕組み Ⅲ. 主食用米の価格形成 流通段階ごとの価格形成

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1 図解 お米がに届くまで - 生産 流通 価格形成についてー Ⅰ. 主食用米の流通と制度 主食用米の流通経路 お米の流通に関係するおもな法律 Ⅱ. お米の生産 主食用米の生産の仕組み 非主食用米 ( 加工用米 飼料用米 米粉用米 ) 生産の仕組み Ⅲ. 主食用米の価格形成 流通段階ごとの価格形成 おもな相対取引 制作公益社団法人米穀安定供給確保支援機構情報部

2 Ⅰ. 主食用米の流通と制度 おもな流通形態 / もみ / 玄米玄米玄米 / 精米精米 / ご飯 農産物検査 未検査 検査機関 1537 機関検査数量 504 万トン (2013 年産水稲 ) 水稲生産量に占める割合 59% 生産者 農業生産法人 個別経営体等 全 116 万 9 千経営体うち農家数 115 万 9 千戸 生産 集荷 集荷業者 JA JA( 農業協同組合 ) 全農 ( 全農業協同組合連合会 ) 集荷業者 全集連 ( 全主食集荷協同組合連合 その他 卸売業者 流通 販売業者 小売業者 消費 中 外食事業者 お米の流通に関係するおもな法律 食糧法 農産物検査法 米トレサビリティ法 JAS 法 法律生産流通 の生産数量目標に従って 生産調整が行われます (2017 年度まで ) 精米を年間 20 トン ( 玄米では 23 トン ) 以上出荷 販売する際にはに届け出を出す必要があります ( 生産者 集荷事業者もです ) 中 外食事業者 産地 品種 産年を表示してお米を販売する際には 農産物検査を受検し検査証明を得ることが必要になります に対して使用しお米の流通ルートを特定することができるよう 取引の記録を作成 保存することが事業者にているお米の原産地義務づけられています 表示が義務づけられています 袋詰めしてにお米を販売する際には 使用原料や精米年月日などを表示することが義務づけられています 消費 お米不足に備えるために による備蓄が行われています 食品衛生法 すべての農薬等について残留基準が設定されていて 基準を超えて残留する場合は販売等が禁止されます お米の流通量 ( 平成 20 年産 ) 単位 : 万トン 生産量 ( 水稲 ) 出荷 販売量取扱量取扱量消費量 出荷量 JA 卸売業者 生産者直接販売 中 外食業者 165 集荷業者 21 小売業者 その他

3 Ⅱ. お米の生産 1. 主食用米の生産の仕組みお米の 1 人当たり消費量は 1962 年度の 118kg( 精米 1 人 1 年当たり ) をピークに毎年減少し続け 2012 年度には 56kg( 精米 1 人 1 年当たり ) とピーク時の半分以下になってしまいました このため需要に即した主食用米の生産が必要となり は食料自給率 自給力の向上を図る観点から 主食用米の代わりに加工用米 飼料用米や米粉用米などの非主食用米の作付けや 需要のある大豆 小麦などの作付けをバランスよく増やしていくこととしています また 水田にはお米を生産する機能だけではなく 湛水することでダムと同様の機能を発揮し災害防止など土保全機能を持つなど 民共通の財産として 水田を水田のまま維持していくことも必要となっています 現在のお米の生産は が食糧法に基づき 翌年の主食用米の生産量の目標 ( 生産数量目標 ) を設定します これをが都道府県別に配分し 都道府県から市町村に 市町村は地域内の農業再生協議会へ 同協議会が JA など認定方針作成者 ( ) に生産目標数量を配分し同協議会や認定方針作成者が傘下の生産者などへ配分する仕組みとなっています なお 米の生産調整参加者には 2014 年度で 10 アール当たり 7,500 円の交付金が支払われます 2. 非主食用米の生産の仕組み加工用米 飼料用米や米粉用米のような非主食用米 ( 主食用として使用 販売することは法律で禁じられている ) の作付けは に申請して認定されれば生産数量目標の対象とはなりません また 非主食用米の作付けは食料自給率向上にもつながりますので 水田機能を維持したまま主食用米の生産調整を行う上では欠かせない作目といえます なお 非主食用米の作付には 2014 年度で加工用米には 10 アール当たり 20,000 円の交付金が 飼料用米と米粉用米には収量に応じて 10 アール当たり 55,000 円から最大 105,000 円の交付金が支払われます 1. 主食用米の生産の仕組み 消費量の減少率 1 人 1 年当たり消費量 1962 年 2012 年減少率 118(kg) 56(kg) 53% ( 参考 ) 324(g) 154(g) 1 人 1 日当たり お茶碗 5 杯 お茶碗 2 杯半 消費量 米政策見直しについて ( 農林水産省パンフレットより ) 需要に応じた生産を推進するため 水田活用の直接支払交付金の充実 中食 外食等のニーズに応じた生産と安定取引の一層の推進 きめ細かい需給 価格情報 販売進捗 在庫情報の提供等の環境整備を進めます こうした中で 定着状況をみながら 5 年後を目途に 行政による生産数量目標の配分に頼らずとも が策定する需給見通し等を踏まえつつ生産者や集荷業者 団体が中心となって円滑に需要に応じた生産が行える状況になるよう 行政 生産者団体 現場が一体となって取組みます 水稲作付面積 313( 万 ha) 158( 万 ha) 50% 主食用米の生産 ( 米の生産調整参加者には 2014 年度で 10 アール当たり 7,500 円の交付金が支払われます ) ( ) 認定方針作成者 食糧法第 5 条第 1 項に基づき 農林水産大臣の認定を受けた生産調整方針を作成した生産出荷団体など ( おもに JA 生産者の団体や出荷業者の団体のほか農業法人などがあります ) 生産数量目標の範囲内で主食用米を生産した生産者などには 次のような措置が講じられます 1. 直接支払交付金 (2017 年産まで ) 7,500 円 /10 アール 2. 収入減少緩和対策対象 5 品目 ( 米 麦 大豆 てん菜 でん粉原料ジャガイモ ) の合計販売収入 (a) が当年産の標準販売収入 (b) を下回った際に 差額の 9 割相当額 {(b-a)}x0.9 が補てんされます 標生の産設数定量目標 都道府県別生産数量目 県 村別かのら生の産生数産量数目量標目の標算を定基にした 市町 道府県農業再生協議会 定道ル府ー県ル内のの検生討産と数意量見目具標申設 市町村目た道標 府地の県算域か定農ら業の再生生産協数議量会目別標のを生基産に数し量 地域農業再生協議会 標の算定 作成者ごとの 生産数量目 標を基にした 認定 方針 市町村からの生産数量目 認定方針作成者 る目地生標域産を農者基業なに再どし生のて協生 議産生会産数か量調ら目整のに標生参の産決加数す定量 生産数量目標の配分 生産者 生産法人など その他のおもな生産者等支援 生産者等に対しては食料の安定供給と農地保全のための支援が行われます (2014 年産から ) 交付単価支援措置概要 (/10アール 田) 日本型直接支払制度農地維持支払 水路の泥上げなど機能を支える共同作業 最大 3,000 円 資源向上支払ビオトープづくりなど最大 2,400 円 中山間地域等直接支払 水路の軽微な補修などの施設の長寿命化 傾斜地と平地のコストの平準化 環境保全型農業直接支援有機農業など 最大 4,400 円 急傾斜基礎単価 16,800 円 緩傾斜基礎単価 6,400 円最大 8,000 円 農業再生協議会 自治体 JA などお米の生産 集荷に関わる団体などで組織された機関で 生産調整推進のほか農業の担い手の育成なども行います

4 2. 非主食用米 ( 加工用米 飼料用米 米粉用米 ) 生産の仕組み 生産数量目標の外枠で生産されるお米には前述のように 1 加工用途 ( みそ 米菓 日本酒 ) 向けに生産される 加工用米 2 家畜 ( 豚 鶏 肉牛 ) のエサ用に生産される 飼料用米 3 小麦粉並みあるいは小麦粉より細かく粉砕することで 新しい用途の開拓が可能な米粉の原料に使用される 米粉用米 があります 作付に当たっては へ取組計画 ( 生産予定数量 面積のほか 需要先の明細など ) を申請し 承認されることが必要になります (1) 加工用米加工用米は年間 18 万トン (2012 年産 ) 程度生産されています 加工用米の流通経路は二つあり 一つは全生産出荷団体 ( 全農業協同組合連合会と全主食集荷協同組合連合会 ) を経由し全の加工業者など実需者に販売される 全流通 もう一つは 生産者などと実需者間で直接売買される 地域流通 です 最近では地域流通が増え 全体の 2/3 が地域流通となっています なお 加工用米のおもな加工用途は次のとおりで 加工原料以外には使用も販売もできません (1) 味噌などお米を原料とする調味料 (2) 米菓など (3) 清酒 焼酎その他お米を原料とする酒類 (4) 上新粉のように昔から使われてきた米粉類 (5) 具材の入った加工米飯 (6) 玄米茶や包装もちなど ( 生産段階 ) ( 加工段階 ) 認定方針作成者 生産者など J A 生産法人 生産者 連全会全合 ( 全会主農 ( 農全食 ) 業集協集荷同連 ) 協組同合組連合合 購入計画数量提示 ( 全流通 ) 需要者 ( 地域流通 ) 購入計画数量提示 ( 地域流通 ) (2) 飼料用米飼料用米は年間 18 万トン程度 (2012 年産 ) 生産されています 栽培には収穫量の多い多収性専用品種も使われますが通常の主食用品種も使われます 用途を限定した 用途限定米穀 として家畜の餌以外の用途には使用も販売もきません 飼料用米の流通経路は二つあり 一つは JA など全団体を経由し飼料会社に販売される流通 もう一つは 生産者などと地元畜産業者 地元飼料会社とが直接契約し販売される流通です ( 生産段階 ) ( 加工 需要段階 ) 生産者など ( J 認生生 A 定産産含方法者む針人 ) 作成者 合全合全連会合主 ( 全農会食業 ( 農集 ) 協全集荷同協組連 ) 同合組連 需要者飼料会社畜産農家

5 (3) 米粉用米米粉用米は年間 3.5 万トン程度 (2012 年産 ) 生産されています 栽培には収穫量の多い多収性専用品種も使われますが通常の主食用品種も使われます 用途を限定した 用途限定米穀 として 同じ米粉でも上新粉など従来からある米粉には使用 販売はできず 小麦粉などの穀物代替となる新規用途の原料のみに使用 販売が限定されています ( 生産段階 ) ( 加工 需要段階 ) 生産者など ( J 認生生 A 定産産含方法者む針人 ) 作成者 合会 ( 全集連 ) 全 ( 全農主 ) 食集荷協同組合連 全農業協同組合連合会 製パン 製菓 製麺業者など 需要者 製粉会社 米粉販売 注 ) 生産者などが自社製粉や委託製粉をすることで米粉を直接製パン業者などに販売したり 米粉を直接に販売することもあります

6 Ⅲ. 主食用米の価格形成 平成 16 年 4 月に食糧法が改正され お米の流通は原則自由となりました お米の各流通過程における価格形成を大別すると 1 生産者価格の決定 2 卸仕入価格の決定 ( 全農等と米穀卸売業者の相対による取引 ( 米穀卸売業者と産地との直接取引もある ) 3 小売仕入価格の決定 ( 米穀卸売業者と小売業業者 ( スーパーマーケット 生協など ) との相対取引 ) となります 流通事業者における取引は当事者間の相対によることが基本となります 主食用米の流通段階ごとの価格形成 1 生産者価格の形成 2 卸仕入価格の形成 3 小売仕入価格の形 生産 JA など全農など 仮渡金支払い 精算 ( 追加払い ) 生産者 / 生産農業法人等 販売委託 販売代金支払 販売基準価格の決定 卸売業者の仕入価格の形成 相対取引 卸売業者の仕入価格の形成 相対取引 卸売業者 卸売価格の決定 小売業者の仕入価格の形成 取引交渉 小売業者 小売価格の決定 小売価格で販売 1. 業者間取引市場 ( コラム ) おもな民間取引市場 1) 卸売業者間の取引お米の卸売業者を会員とする日本コメ市場株式会社と株式会社クリスタルライスが仲介し 会員間で行われるお米の取引です 参考 HP) 日本コメ市場 ( 株 ) 会員業者 1)2 者契約収穫後に 売り手と買い手の 2 者で数量 価格 取引期限をセットで契約します 売り手は全農業協同組合連合会や全主食集荷協同組合連合会という全団体 都道府県の JA など出荷団体や出荷業者 生産者や生産法人などです 買い手はおもに米卸売業者です 相対取引のおもな方法 2)3 者契約収穫後に 売り手 買い手と需要者 ( スーパーマーケットや外食事業者など ) の 3 者で数量 価格 取引期限をセットで契約します 3) 事前契約売り手の生産者などが翌年の作付計画を立案する際に買い手の米卸売業者などとの 2 者間や実需者を交えた 3 者間で契約をいます 相対取引のなかでも より買い手のニーズに合った契約が行えることが特徴です ただし お米の生産は気象条件に左右されやすいので 価格は予定として契約を行い 10 月の作柄を見てから協議の上 実際の売買が行われます 4 月末までに契約 2) 専門小売業者間の取引お米の専門小売業者 ( お米屋さん ) を会員とする日本米穀小売商業組合連合会 ( 日米連 ) が仲介し 会員間で行われるお米の取引です 参考 HP) 日本米穀小売商業組合連合会 3) 株式会社加工用米取引センターによる取引お米の生産者 卸売業者や商社などを会員とする企業が仲介し 会員間で行われるお米の取引です 加工用米と主食用米の取引が行われます 参考 HP) 株式会社加工用米センター 売り依頼 買い依頼 取引所 会員業者 数量 価格 取引期限など 数量 価格 取引期限など 10 月頃協議の上 11 月以降販売 2. 先物取引市場 需要者 大阪堂島商品取引所が開設しています 将来の一定期日 (1~6 か月後 ) に一定量のお米を売買することを約束し 将来の売買価格を現時点で決めてしまう取引です 買い手と売り手の需要と供給を反映した価格 ( 均衡価格 ) が形成されることが特徴です 参考 HP( 農林水産省へのリンク ) 米の相対取引価格 取引所 大阪堂島商品取引所 売り依頼 買い依頼 参考 HP) 大阪堂島商品取引所 j