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としみあいきょう
5 years ago
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1 アメーバ経営が従業員のパフォーマンスに与える影響 2013/09/07 中央大学商学部きらきらほっしー星慧荒木麻彩木村徳賢近野幹藤木瞳

2 目次問題意識アメーバ経営とは - 組織構造上の特性 - 会計情報の特性 - 時間当たり採算の理解容易性研究目的研究意義モデル構築本研究の意義今後の課題参考文献 2

3 ( 億円 ) 2500 営業損益営業損益 ,952 億円 JAL 3 ( 年 )

4 問題意識一時は経営破綻にまで陥った JAL がここまでの復活を遂げたのはなぜだろう? 4

5 問題意識再建の具体策アメーバ経営の導入により従業員のパフォーマンスが高まり政府の公的支援, 高い利益を獲得できたのではないか大規模なリストラ水野 (2012) アメーバ経営の導入過去最大の営業利益を出すには資金投入やリストラだけでは不可能では? 5

6 アメーバ経営とは組織を機能別役割別に小集団化し時間当たり採算という統一した評価基準によりアメーバ経営とは部門別に採算を求めるシステム KCCS(2004) アメーバ経営会計情報の特性組織構造上の特性

7 アメーバ経営とは組織構造上の特性製造部営業部 7

8 アメーバ経営とは会計情報の特性製造部時間当たり採算とは各アメーバが獲得した収益からそのために要した製造経費を控除して差引収益を求めそれをアメーバ構成員の総就業時間で除して算定されるもの時間当たり採算社内売上 (Revenue) R 渡辺 (2013) 製造経費 (Cost) C 利益 (Profit) P=R-C 従業員労働時間 (hour) h 時間当たり採算 (X) X=P/h 8

9 アメーバ経営とは会計情報の特性製造経費について通常の原価計算アメーバ経営の原価計算費用内訳材料費労務費経費計アメーバ経営では労務費を費用に含めない理由製造経費内訳材料費経費計従業員の労務費を時間当たり採算向上のために労務費の削減, 経営者報酬などに対する利益分配と同 ( リストラ ) 等に捉えるを考えることのないよう計算構造を考慮潮 (2008) 9

10 アメーバ経営とは時間当たり採算の理解容易性アメーバの時間当たり採算と平均賃率を比べることで会社の利益に貢献しているのかがわかる谷 (1999) 差引収益 = 社内売上 -( 製造経費 - 労務費 ) =( 社内売上 - 製造経費 )+ 労務費利益利益労務費労務費時間時間 10

11 アメーバ経営とは時間当たり採算の理解容易性時間当たり採算を上げるには収益を上げるかコストを下げるか時間を減らすという 3 つしかないため何をすればいいのかわかりやすい三矢 (2003) 社内売上製造経費時間 11

12 時間当たり採算はわかりやすい!

13 アメーバ経営時間当たり採算意識アメーバに課される利益責任により, 時間当たり採算の数値を気にかけるようになる自己のアメーバの利益ばかりを追求してしまう, 部分最適が発生してしまうのでは各部門が自分さえ良ければいいという気持ちが表れ協調性が失われること三矢 (2011) 13

14 問題意識アメーバ経営の先行研究においてアメーバ経営はフィロソフィをベースとしてはじめて利害の対立を克服する稲盛 (2006) 時間当たり採算に対する意識の向上がアメーバ経営への過剰適応を引き起こし部分最適となってしまうが経営理念の教育を行うことで全体最適を志向するようになる三矢 (2011) 経営理念を従業員に浸透させることで部分最適を防ぎ, 全体最適の方向に向かわせるのでは 14

15 問題意識 JAL についての先行研究においても JALではアメーバ経営を導入することで工夫してコストダウンを図るようになったアメーバ経営の先行研究において水野 (2012) 経営理念の重要性が言われていながら実証的研究はなされていないしかし!! 経営理念の導入がJAL 社員の意識改革という画期的効果を発揮した水野 (2012) アメーバ経営は経営理念を浸透させることが重要なのではないか 15

17 研究目的アメーバ経営をうまく運用するには経営理念を浸透させることが重要であることを証明する 17

18 研究意義アメーバ経営と経営理念の関係を証明することでアメーバ経営導入企業により効果的な運用方法の可能性を示唆する 18

19 モデル構築 (+) (-) FB の適時性小集団化 P/h の理解容易性従業員の団結と和 P/h 意識タスクパフォーマンス向社会的組織行動顧客志向正直インタラクション

20 モデル構築フィードバックによる成果の確認情報のタイムリーさの要件を満たすことで目標や実態に関する情報が共有される仮説 1 従業員が業績のFBがタイムリーに谷三矢 (1998) 行われていると認知するほどタスクパフォーマンスが促進される個人が任されている仕事や役割を効率よく効果的に遂行する様々な行動蔡 (2007) FB のタイムリーさ (+) タスクパフォーマンス目標と実態のズレを認識するとより効率的効果的に職務を遂行する 20

21 モデル構築 (+) (-) FB の適時性小集団化 P/h の理解容易性従業員の団結と和 P/h 意識タスクパフォーマンス向社会的組織行動顧客志向正直インタラクション

22 モデル構築仮説 2 小集団化すると時間当たり採算に対する意識が高まる小集団のメンバーの方が仕事に対し積極的態度をとっている石川 (1988) 従業員が自分の所属するアメーバの時間当たり採算を意識する程度小集団化 (+) P/h 意識組織の規模が小さいと従業員の当事者意識が高まり組織に関心を持つので組織の利益指標にも意識が向く 22

23 モデル構築 (+) (-) FB の適時性小集団化 P/h の理解容易性従業員の団結と和 P/h 意識タスクパフォーマンス向社会的組織行動顧客志向正直インタラクション

24 モデル構築 P/hを上げるには収益を上げるかコストを下げるか時間を減らすという仮説 3 3従業員が時間当たり採算をわかりやすいつしかないため何をすればいいのかわかりやすい三矢 (2003) と認知しているほど時間当たり採算に対する意識が高まる P/h の理解容易性 (+) P/h 意識情報が理解容易であれば専門的な知識がない人であっても情報の意味が分かるので必要な情報に対して注意が向きやすくなる 24

25 モデル構築 (+) (-) FB の適時性小集団化 P/h の理解容易性従業員の団結と和顧客志向正直 P/h 意識インタラクションタスクパフォーマンス向社会的組織行動

26 モデル構築仮説 4 従業員の時間当たり採算に対する意識が高まるとタスクパフォーマンスを促進する P/h 意識 (+) タスクパフォーマンス会計情報をしっかりと見るのでどの項目であれば効率的に改善を行うことができるかを判断を行える 26

27 モデル構築 (+) (-) FB の適時性小集団化 P/h の理解容易性従業員の団結と和顧客志向正直 P/h 意識インタラクションタスクパフォーマンス向社会的組織行動

28 モデル構築外的な報酬を期待することなしに他者や他の人々の集団を助けようとしたりこうした人々のためになることをしようとする行動 Mussen&Eisenberg-Berg(1980) 仮説 5 従業員の時間当たり採算に対する意識が高まると向社会的組織行動を抑制する P/h 意識 (-) 向社会的組織行動時間当たり採算に対する意識の向上がアメーバ経営への過剰適応を引き起こし部分最適となってしまう三矢 (2011) 他のアメーバとの間に競争の意識が生まれたことにより自己のアメーバの利益を優先するようになり他のアメーバを支援するような行動が起こりにくくなる 28

29 モデルの構築 (+) (-) FB の適時性タスクパフォーマンス小集団化 P/h の理解容易性 P/h 意識従業員の団結と和向社会的組織行動顧客志向正直インタラクション

30 モデル構築従業員に互いに相手を大切にし協力し合うように訴える経営理念横川 (2010) 仮説 6 従業員に団結と和を訴える経営理念が浸透すると向社会的組織行動を促進する従業員の団結と和 (+) 向社会的組織行動経営理念の教育を行うことで全体最適を志向するようになる三矢 (2011) 従業員の団結と和の経営理念が浸透することで, 外敵報酬を求めることなく助け合いを行う 30

31 モデルの構築 (+) (-) FB の適時性タスクパフォーマンス小集団化 P/h の理解容易性 P/h 意識従業員の団結と和向社会的組織行動顧客志向正直インタラクション

32 モデル構築買い手に優れた価値を創造しようとする従業員の行動を促す経営理念横川 (2010) 仮説 7 従業員に顧客志向の経営理念が浸透するとインタラクションが促進される顧客志向 (+) インタラクション部門や機能の壁を越えた組織成員間の相互作用のこと谷 (2013) 互いを内部顧客とする仕組みはアメーバ間の情報共有を生み出している谷 (1999) 顧客に対して優れた価値を提供しようと考えれば顧客 ( 内部外部 ) が何を求めているのか情報を取り入れようとしアメーバ間での情報交換は活発になる 32

33 モデル構築 (+) (-) FB の適時性小集団化 P/h の理解容易性従業員の団結と和顧客志向正直 P/h 意識インタラクションタスクパフォーマンス向社会的組織行動

34 モデル構築嘘や偽りをなくすことで従業員同士に信頼感を形成するよう訴える経営理念仮説 8 従業員に正直の経営理念が浸透すると横川 (2010) インタラクションが促進される正直 (+) インタラクション正直の経営理念が浸透することで従業員間で信頼関係が生じ相互作用が発生しやすい環境となる

35 モデル構築 (+) (-) FB の適時性小集団化 P/h の理解容易性従業員の団結と和顧客志向正直 P/h 意識インタラクションタスクパフォーマンス向社会的組織行動

36 モデル構築仮説 9 インタラクションが頻繁になると向社会外的な報酬を期待することなしに他者や他の人々の集団を助けようとしたりこうした人々のためになることをしようとする行動的組織行動が促進される Mussen&Eisenberg-Berg(1980) インタラクション (+) 向社会的組織行動インタラクションが行われることで各アメーバが互いの状況を理解できコミュニケーションが活発になるので他のアメーバに対して外的な報酬を期待することなしに援助を行うことができる

37 モデル構築 (+) (-) FB の適時性小集団化 P/h の理解容易性従業員の団結と和 P/h 意識タスクパフォーマンス向社会的組織行動顧客志向正直インタラクション

38 38

39 39

40 アメーバ経営導入企業の更なる活性!! 40

41 モデル構築モデルを実証研究するための質問票作成質問票の回答に協力してくれる企業を探す

42 参考文献石川晃弘 (1988) ユ - ゴスラビア産業における職場小集団活動の社会心理的効果 -- 電機工場の QC サ - クル調査から中央大学文学部紀要第 133 巻,pp 稲盛和夫 (2006) アメーバ経営ひとりひとりの社員が日本経済新聞社潮清孝 (2008) 京セラアメーバ経営の時間当たり採算公式と利益連鎖管理企業会計第 60 巻第 3 号,pp 蔡荏鍚 (2007) パフォーマンス論の現状と課題産業組織心理学研究第 21 巻 1 号,pp 瀬戸正則 (2007) 経営理念の組織内浸透プロセスに関する研究広島大学マネジメント研究第 7 号,pp.120. 瀬戸正則 (2009) 経営理念の組織内浸透に係わる先行研究の理論的思考広島大学マネジメント研究第 9 号,pp 谷武幸 (1999) ミニプロフィットセンターによるエンパワメント : アメーバ経営の場合国民経済雑誌第 180 巻 5 号 pp 谷武幸 (2013) アメーバ経営の概念モデルーフィロソフィとのコントロールパッケージによる組織の活性化企業会計第 65 巻 2 号,pp

43 参考文献谷武幸三矢裕 (1998) NEC 埼玉におけるラインカンパニー制 : ミニプロフィットセンターの管理会計の構築に向けて國民經濟雜誌第 177 巻第 3 号, pp 廣本敏郎 (2006) 京セラのアメーバ経営ーその意義と形成過程經濟論叢第 178 巻 4 号,pp 松木智子 (2001) ミニプロフィットセンター(MPC) における管理会計情報の役割 : 分析枠組の構築第 48 巻 2 号,pp 松木智子 (2003) ミニプロフィットセンターシステムの特徴と効果 : 住友電気工業 ( 株 ) の予備的調査を通じて青森公立大学経営経済学研究第 9 号,pp 松木智子 (2006) ミニプロフィットセンター制における管理会計情報の役割 ~ 上司とミニプロフィットセンター長とのアカウンタビリティ関係 ~ 原価計算研究第 30 号,pp 三浦后美 (2013) 日本航空(JAL) とアメーバ経営社会科学論集第 139 巻,pp 水野一郎 (2012) 京セラアメーバ経営の展開 : JALの再生を中心として關西大學商學論集第 57 巻 3 号,pp

44 参考文献三矢裕 (1997) 任せる経営のためのマネジメントコントロールー京セラアメーバ経営学習院大学経済論集第 34 巻第 3,4 合併号,pp 三矢裕 (2003) アメーバ経営論ミニプロフィットセンターのメカニズム東洋経済新報社三矢裕 (2011) アメーバ経営の導入ーアステックの例アメーバ経営学ー理論と実証 pp kccs マネジメントコンサルティング横川雅人 (2010) 研究現代日本企業の経営理念 : 経営理念の上場企業実態調査を踏まえて第 37 巻,pp 渡辺岳夫 (2013) 時間当たり採算性に関する会計処理の研究ー電気機器メーカー A 社における労務費と時間の処理方法を中心としてー會計第 183 巻 6 号,pp JAL ホームページ最終閲覧日 9 月 3 日 Mussen,p.,&Eisenberg-Berg,n.(1977)Roots of caring,sharing,and helping: The development of prosocial behavior in children. Freeman. ( 菊池章夫訳思いやりの発達心理金子書房 1980) 44

45 ご清聴ありがとうございました! 45

46 変数の定義変数項目小集団化変数の定義従業員がアメーバの利益の中から, 自分の貢献を理解するのに組織の規模が適切と認知している程度 P/h の理解容易性 FB のタイムリーさ P/h 意識タスクパフォーマンスタスクパフォーマンスを行っているという従業員の認知従業員が時間当たり採算をわかりやすいと認知している程度従業員が業績の FB がタイムリーに行われていると認知している程度従業員が自分の所属するアメーバの時間当たり採算を意識する程度個人が任されている仕事や役割を効率よく効果的に遂行する様々な行動蔡 (2007) 46

47 変数の定義変数項目向社会的組織行動従業員の団結と和顧客志向正直インタラクション変数の定義向社会的組織行動を行っているという従業員の認知外的な報酬を期待することなしに他者や他の人々の集団を助けようとしたりこうした人々のためになることをしようとする行動 Mussen&Eisenberg-Berg(1980) 従業員の団結と和の経営理念を従業員が認知している程度顧客志向の経営理念を従業員が認知している程度正直の経営理念を従業員が認知している程度部門や機能の壁を越えた組織成員間の相互作用の頻度 47

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PowerPoint プレゼンテーション 2012 年 9 月 30 日 ( 日 ) 中央大学商学部渡辺ゼミナールらーめんず石沢拓也中村瑞希山口あかり渡辺真梨子問題意識仮説構築調査分析今後の課題目次 1. 問題意識 2. 会計情報の開示 ~OBM~ 3. ラインカンパニー制とは 4. 研究目的 5. 分析モデル 6. 仮説 1~6 7. 調査概要 8. 分析結果 9. ヒアリング調査より 10. 研究意義 11. 今後の課題 12.