クラウドを利用した車載組込みソフトウェア開発環境整備に向けて調査提言 : 経済産業省中部経済産業局発表 : 調査委員長名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター研究員武井千春 1

Size: px

Start display at page:

Download "クラウドを利用した車載組込みソフトウェア開発環境整備に向けて調査提言 : 経済産業省中部経済産業局発表 : 調査委員長名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター研究員武井千春 1"

きのこわにべ
5 years ago
Views:

1 クラウドを利用した車載組込みソフトウェア開発環境整備に向けて調査提言 : 経済産業省中部経済産業局発表 : 調査委員長名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター研究員武井千春 1

2 アジェンダ 1. 調査の狙い 2. 体制 3. 現状と課題 4. クラウド SaaSによる課題解決の可能性 5. クラウド化 SaaSの課題 6. 今後の方向性

中小規模 ET ベンダー向け車載組込みソフトウェア開発環境の整備に関する調査次世代自動車関連産業において車載組込みソフトウェアは競争力強化の強力な武器組込みソフトウェアの規模拡大ソフトウェア開発手法の高度化ツールの活用受託型から開発提案型へ ~ 組込みソフトウェアにより実現される機能 ~ ツール + クラウド SaaS 活用提供可能性競争力強化マルチメディア

3 中小規模 ET ベンダー向け車載組込みソフトウェア開発環境の整備に関する調査次世代自動車関連産業において車載組込みソフトウェアは競争力強化の強力な武器組込みソフトウェアの規模拡大ソフトウェア開発手法の高度化ツールの活用受託型から開発提案型へ ~ 組込みソフトウェアにより実現される機能 ~ ツール + クラウド SaaS 活用提供可能性競争力強化マルチメディアカーナビゲーションシステム自動車電話 ETC システムオーディオシステム駆動制御エンジン制御システム - ガソリンエンジン制御 - ディーゼルエンジン制御トランスミッション制御システム自動車ボデー制御エアコンシステムエアバッグシステムスマートエントリセキュリティシステム安全制御 VSC( ( 車両安定制御 ) システムパワーステアリング制御システム電子制御ブレーキシステムトラクション制御システム 3

4 委員委員 ( 敬称略 ) 武井千春青木利晃小川清成戸啓二片岡歩服部正人名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター研究員北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科准教授名古屋市工業研究所電子情報部情報デバイス研究室博士トヨタテクニカルディベロップメント株式会社第 4 電子技術部部長株式会社ヴィッツ組込制御開発部マネージャー東海ソフト株式会社中部技術本部エンベデッド技術部システム4 課課長 4

現状課題規模拡大業界構造の転換組込みソフトウェアプログラム行数 500 万行 ~1000 万行 5~10 倍 100 万行 2000 年当時自動車現在組込み業界の構造製品メーカプログラム行数 300 万行 ~500 万行部品メーカ部品メーカ部品メーカ受託型開か 3~5 倍発ら提案 100 万行型へ部品設計カーナビ 2000 年当時開発構造転換部品メーカ現在

5 現状課題規模拡大業界構造の転換組込みソフトウェアプログラム行数 500 万行 ~1000 万行 5~10 倍 100 万行 2000 年当時自動車現在組込み業界の構造製品メーカプログラム行数 300 万行 ~500 万行部品メーカ部品メーカ部品メーカ受託型開か 3~5 倍発ら提案 100 万行型へ部品設計カーナビ 2000 年当時開発構造転換部品メーカ現在製品メーカプログラム行数組込み製品開発 ( 応用製品 ) 500 万行受託開発 ( ソフトウェア受託開発開発サービス ) 5 倍以上ソフトウェア部品開発 ( ソフトウェア製品開発環境ツール技術開発等 ) 100 万行携帯電話 2001 年当時今後の業界構造展望部品メーカ部品メーカ共通領域製品メーカ海外部品メーカ現在 0.0% 2.0% 4.0% 6.0% 8.0% 10.0% 部品設計詳細設計 / 開発

6 ツール利用に関する問題点の背景開発環境の高度化ツールの利用が不可欠グローバルな基準で発注先の評価転換期負のスパイラルの入り口地域の特性を生かした活性化高額なものが多い費用対効果が見極めにくい使いこなす技術レベルが無いスキルが向上しないツール利用を前提とした委託に応えられない地域 ET ベンダ競争力の低下

7 車載組込みソフト開発工程で使われるツール開発工程開発ツール従来開発手法で用いるツール群車載組込みシステム開発において用いるツール群 ( 緑色 ) A 開発時利用 B 管理時使用要求分析 1OS( 基本ソフト ) 3 ライブラリ 2 ミドルウェア 4 デバイスドライバ要件管理ツール 3) 2) 見積り支援ツール設計エディタ 1 モデリングツール (UML ほか ) 7) コーディングソースコードチェッカソースコード自動生成ツール 2 設計支援ツール 5) ( 分析解析ほか ) 3 ソースコード解析管理ツール 4) コンパイル / アセンブルリンクコンパイラ / アセンブラリンカ make コマンド 4 状態遷移管理ツール 6) 6 5 統合開発環境 12) 13 構成管理ツールプロジェクト管理支援 1) ( バージョン管理等 ) ツール画面プロトタイプ作成ツール 8) デバッガ 7 テスト / デバッグ ROM 化納品後スタブ / テストドライバ自動生成ツールシミュレータ./ エミュレータ評価ボードターゲットボード ROM ライタ ( プログラマ ) 8 9) テスト支援ツール 9 11) ドライブシミュレータ 10 10) 文書管理ツール事務処理支援ツール 13) 保守開発開発支援管理 7

8 現在使っているツール / 今後使いたいツール現在使用しているツールと今後利用したいツール要件獲得 / 要求定義ツール分析設計支援ツール数値解析ツールソースコード解析ツール自動コード生成ツール静的コードチェックツールコンパイラ / デバッガテストツール検証ツール評価ボードインサーキットエミュレータアナライザ測定機統合開発環境構成管理ツールプロジェクト管理ツール品質管理ツールドキュメント管理ツールその他 3.7% 19.6% 6.8% 20.3% 14.7% 31.3% 34.2% 28.9% 28.1% 32.8% 34.5% 10.8% 29.1% 28.1% 13.7% 26.2% 37.4% 13.0% 36.4% 12.2% 41.8% 12.0% 8.6% 16.1% 1.0% 0.0% 25.7% 14.9% 27.4% 24.2% 24.2% 29.1% 33.0% 33.0% 現在業務で使用しているツール今後業務で使用したいツール 80.2% 60.9% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 2010 年版組込みソフトウェア産業実態調査 : 技術者個人向け調査をもとに作成 8

9 利用拡大が見込まれるツール要求分析 Ⅲ 管理支援車両検証 Ⅰ 設計支援設計統合テスト / デバッグ Ⅱ 検証支援コーディング単体テスト / デバッグコンパイル / アセンブルリンク高品質開発においてツール活用が必須となる Ⅰ 設計 : 要件管理モデリングツールコード自動生成など技術者ニーズの高いツール類 Ⅱ 検証 : テスト支援検証支援シミュレータなど機能安全に対応するトレーサビリティや変更管理機能が重要視される Ⅲ 管理 : プロジェクト管理構成バージョン管理ドキュメント管理など地域における普及促進を図る体制の充実が求められる Ⅳ 体制構築 : 情報発信人材育成協働環境など 9

10 利用拡大が見込まれるツール開発工程開発ツール従来開発手法で用いるツール群車載組込みシステム開発において用いるツール群 ( 緑色 ) A 開発時利用 B 管理時使用要求分析 1OS( 基本ソフト ) 3 ライブラリ 2 ミドルウェア 4 デバイスドライバ次世代自動車の高品質開発においてツール活用が必須となるモデルベース開発形式手法等の新しい開発スタイルを想定したツール分類とすべきクラウド /SaaS について業界課題として取り組むべき要件管理ツール 3) 2) 見積り支援ツール設計コーディングコンパイル / アセンブルリンクテスト / デバッグ ROM 化納品後保守エディタソースコードチェッカソースコード自動生成ツールコンパイラ / アセンブラリンカデバッガスタブ / テストドライバ自動生成ツールシミュレータ./ エミュレータ評価ボードターゲットボード ROM ライタ ( プログラマ ) 1 2 設計支援ツール 5) ( 分析解析ほか ) 3 make コマンド 4 状態遷移管理ツール 6) 統合開発環境モデリングツール (UML ほか ) 7) ソースコード解析管理ツール 12) 13 構成管理ツールプロジェクト管理支援 1) ( バージョン管理等 ) ツール画面プロトタイプ作成ツール機能安全に対応する 7 トレーサビリティや変更管理機能が重要視される 8 9) バージョン管理のたテスト支援ツールめの共通ツールは重事業者間の共有 9 要ツールとしての需要 11) 拡大が見込まれるドライブシミュレータクラウド利用を高めるうえクラウドにて地域で 10 共有する可能性はでバージョン管理は必 10) 須であろう高い一定の制約安全性確保のなか文書管理ツール 11 で運用する方策が検 Ⅱ 検証支援討できないか 13) 次世代自動車の高品質開発においてツール活用が必須となる Ⅰ 設計支援多くの開発主体が参加することで新たな動きが生まれるようクラウドの仕組みを考えるべきドライブシミュ等のマシンパワーが必要となるツールについて大企業もニーズはあろう大学や研究機関等の公的機関がサポートすることで成立できないか地域資源 ( 大学内企業内で開発利用されているツール類 ) を活かしたツール提案ができないか 4) 8) Ⅲ 管理支援事務処理支援ツール凡例ツール活用のポイントヒアリング等で得た指摘等 Ⅳ 体制構築モデルベース開発や形式手法等の技術知識ノウハウが必要な開発手法を学ぶ環境が必要あわせてそうした環境を担う人材の確保育成も必要モデルベース開発等への対応が今後求められてくる地域を挙げた支援体制が重要ではないか組込み開発技術者向けの情報共有機能が必要中小企業が参加しやすい組込み開発に係る技術情報ノウハウを共有できる場づくりが重要ではないか民間企業が連携協働して開発できる環境整備は競争力強化に有用ツールを共有する仕組みをつくり多くの企業が試用するなかで技術を磨くことが重要自社ツールが提供できるなどモチベーションの高い企業を支援する仕組みづくりから始めてはどうか中小企業共同クラウドを業界地域が支援することで競争力強化につなげるべきではないか 10

11 クラウド SaaS によるツール提供の利点 ETベンダー側の視点 ( 利用者側 ) 多くのユーザーで利用することによる利点 ( プロジェクト管理バージョン構成管理など ) トレーサビリティの容易性 ( トレーサビリティツールなど ) 柔軟なマシンパワーの確保 ( シミュレータなど ) ツール自体の管理の容易性よりセキュアな環境の利用ユーザーコミュニティによるツール活用ノウハウの共有コスト圧縮の可能性 11

12 クラウド SaaS によるツール提供の利点ツールベンダー側の視点 ( 提供者 ) ユーザーへのメンテナンスの容易さビジネスチャンスの拡大教育サービスの拡大テクニカルサポートの充実グローバル市場に対するアプローチ機会の拡大クラウド事業者側の視点事業の拡大 12

13 クラウド SaaS によるツール提供の課題 ET ベンダー側の視点データ漏洩に対する不安料金設定 ( ツール利用料金 + クラウド利用料金 ) デファクトツールのクラウド化の動向が不明ツールベンダー側の視点ビジネスモデル構築の困難さ遠隔サポート体制の構築クラウド事業者側の視点より高度なセキュリティ管理が必要データ共有範囲の緻密な設定が必要 13

14 車載組込みソフト開発環境の整備に向けて < 中部地域の車載組込みソフト開発の特徴 > 自動車メーカーや一次サプライヤーと ET ベンダーが同一地域近傍に集積し適切な協力関係にある大学で開発されたツールや ET ベンダーにおいて開発され社内活用されているツールに優れたものがある 14

15 車載組込みソフト開発環境の整備に向けて < 中部地区の人材育成勉強会等の取り組み > 組込みソフトウェア技術者育成に関する取組み ( 人材育成 ) 名古屋大学大学院組込みシステム研究センターの NEP プロジェクト TOPPERS プロジェクト北陸先端科学技術大学院大学高信頼組込みシステム教育研究センター車載組込みシステムフォーラム (ASIF) 情報交換勉強会に関する取組み ( ツール利用勉強会など ) 車載組込みシステムフォーラム (ASIF) 高信頼システム情報交換会北陸 (ET ベンダーツールユーザーによる各種勉強会 26 団体程度 ) 組込みソフトウェア基盤開発に関する取組み ( ツール開発など ) TOPPERS プロジェクト名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター (ET ベンダーによるツールの開発と社内での活用 ) 15

16 車載組込みソフト開発環境の整備に向けてツール活用による ET ベンダーの競争力強化クラウドでのツール活用で中小車載 ET ベンダーの競争力強化を中部地域に高度なビジネス展開ができる ET ベンダーの集積を受託型 ET ベンダーから開発提案型 ET ベンダーへビジネススタイル転換を 16

17 車載組込みソフト開発環境の整備に向けて地域一体となったクラウド型でのツール活用環境マーケットセンター機能クラウド型ツールマーケットライブラリや過去のソースコードなど知識やノウハウを蓄積地域発ツールの発信の場シミュレーションセンター機能シミュレーションツールの提供の場クラウドコンピューティングによるマシンパワーの提供大学公設研のノウハウ活用の場サポートセンター機能ツールベンダーユーザーによるコミュニティ型サポートツールユーザー相互によるサポートも想定車載組込みソフトに関する知識ノウハウ共有の場勉強会などとの連携によりオフラインでのサポートも充実 17

18 車載組込みソフト開発環境の整備に向けてツール利用環境の整備に関するコミュニティ構築ツールベンダークラウド事業者ツールユーザー (ET ベンダー ) によるコミュニティの構築クラウドでのツール提供においてモデル的先駆的な実証フィールドとしての中部地域国公的機関の支援 + 地域の産官学連携早い変化に追随できる試み 18

日経ビジネス Center 2

日経ビジネス Center 2 Software Engineering Center Information-technology Promotion Agency, Japan ソフトウェアの品質向上のために仕様を厳密に独立行政法人情報処理推進機構ソフトウェアエンジニアリングセンター調査役新谷勝利 Center 1 日経ビジネス 2012.4.16 Center 2 SW 開発ライフサイクルの調査統計データソフトウェア産業の実態把握に関する調査

クラウドを利用した 車載組込みソフトウェア開発環境整備 に向けて 調査 提言 : 経済産業省中部経済産業局発表 : 調査委員長名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター研究員武井千春 1

クラウドを利用した車載組込みソフトウェア開発環境整備に向けて調査提言 : 経済産業省中部経済産業局発表 : 調査委員長名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター研究員武井千春 1