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1 ECM オープン研究会 ECM 導入ポイント 2: ライフサイクルを支えるドキュメントイメージング ドキュメントイメージングのポイントと落とし穴 2009 年 3 月 3 日 日本画像情報マネジメント協会 ECM 委員会委員豊田康英

2 Agenda ドキュメントイメージングの目的 ECM と ERP(IT と紙の融合 ) ドキュメントイメージング : 画像データとファイル形式 ドキュメントイメージング : インデックス ドキュメントイメージング : 認識技術 ドキュメントイメージング : 電子文書の客観点証拠能力

3 ドキュメントイメージングとは ドキュメントイメージング : 紙文書 電子文書 マイクロフィルム ( 主に紙文書 ) をイメージデータ ( 電子化文書 ) に変換すること ドキュメントイメージングの目的 : 情報共有 検索性改善 ( 目的の情報を短時間で探せ 複数人 遠隔地からの参照可能 ) 保管コスト削減 ( 運送 保管 運用コストを削減 ) 可搬性改善 ( 大量データの持ち運びや送信が可能 ) 紙文書の紛失防止 ( 紙文書の持ち運びが減る ) BCP( 事業継続性 ) 対策 ( 複製を容易に作成 退避可能 ) 存在証明 ( 電子認証機能により客観点証拠力を高める ) BCP: Business Continuity Plan

4 ECM と ERP 4 オフィスの情報資産には人間系の情報とシステムで管理された情報があります システムを活用した業務 会計管理 販売管理のデータ 在庫 購買管理 生産管理のデータ 人事 給与システム 情報システムで管理されるデータ メインフレームのレコード 構造化データ 20% 人間系の業務 ( 紙文書 電子文書など ) 申込書 契約書 請求書 報告書 PCで作成されたオフィス文書 Eメールなどの通信文 WEBコンテンツ 音楽 写真 映像 ファックス 非構造化データ 80% ERP Enterprise Resource Planning 情報を統合 ECM Enterprise Content Management

5 非構造化データの文書情報を統合管理する ECM 文書倉庫 過去の重要書類 各種契約書 顧客情報 マイクロフィルム イメージング キー入力 OCR イメージ インデックス PDF 化 メインフレーム等のデータ ファイルサーバで管理された情報 クライアント PC の重要情報 インデックス 外部入力 COLD EDM Archive ECM Enterprise Content Management デジタルマイクロ アーカイブバックアップ 発生した紙の情報 スキャナ Scan 連携 ワークフロー WEB サーバ デジタルマイクロ長期保存 Archives APL 連携 ビジネス文書としての E メール アーカイブ内部統制 コンプライアンスへの対応 APL SFA ERP 既存システムとの連携 ワークフロー マネジメント 業務プロセスの自動化による内部統制 コンプライアンスへの対応

6 IT と紙の融合 報量電子文書 情報情 情報伝達 記録媒体として紙文書と電子文書の比較 紙文書の利点 ( 現在 ) 電子文書 情報の利点 簡易な利用性 配信( 通信 ) 一覧性 情報共有 原本性 保存( スペース ) 紙はまだまだ使用される 世の中は IT 化されていく 紙と電子の共存 粘土板竹簡羊皮紙パピルスなど 紙文書は IT システムのボトルネック IT システムと紙文書の融合が必要 紙文書 紙の発明 (BC200 年 ) 約 2000 年 電子化年代紙と電子の共存

7 紙の課題例 : 個人情報漏えい 個人情報漏えいインシデントの分析 その他, 5.9% FTP, 0.0% 不明, 5.1% , 9.8% PC 本体, 10.9% USB 等可搬記録媒体, 12.5% 紙媒体, 40.4% 紙媒体 Web Net USB 等可搬記録媒体 PC 本体 FTP その他不明 Web Net, 15.4% 出典 :NPO 日本ネットワークセキュリティ協会 2007 年情報セキュリティインシデントに関する調査報告書 Ver. 1.3

8 ECM とイメージング Contents 非構造化データ 紙文書マイクロ電子文書 WEB 入力 Capture Imaging Paper, Microfilm Internet, Office Docs, etc 管理 Manage DMS/CMS e-archive Workflow 保管保存 Preserve Store ECM COLD BPM Mainframe ERP/SCM ECM の代表的な入力機能ドキュメントイメージング コンテンツの入力紙文書 マイクロ WEB オフィス文書 ドキュメントマネジメント コンテンツマネジメント ナレッジマネジメントアセットマネジメント メールアーカイブなどのマネジメントシステム ECM の特長的な機能基幹システムとの連携 基幹システム ECM ドキュメントイメージングから基幹システムの連携まで コンテンツの統合管理 ドキュメントイメージングは ECM の重要機能 8

9 ドキュメントイメージングの領域 Contents 非構造化データ 紙文書マイクロ電子文書 WEB 入力 Capture Imaging Paper, Microfilm Internet, Office Docs, etc 管理 Manage DMS/CMS e-archive Workflow 保管保存 Preserve Store ECM COLD BPM Mainframe ERP/SCM ECM の代表的な入力機能ドキュメントイメージング コンテンツの入力紙文書 マイクロ WEB オフィス文書 ドキュメントマネジメント コンテンツマネジメント ナレッジマネジメントアセットマネジメント メールアーカイブなどのマネジメントシステム ECM の特長的な機能基幹システムとの連携 基幹システム ECM ドキュメントイメージングから基幹システムの連携まで コンテンツの統合管理 ドキュメントイメージングは ECM の重要機能 9

10 ECM の代表的な機能 ドキュメントイメージング ドキュメント サービス e-archive の提唱 電子帳簿保存法 COLD 電子帳票 ホスト情報 COM CD/DVD マイクロ マイクロフィルムの活用 紙文書 JIS Z イメージング インデックス OCR ECM の代表的なイメージング機能 イメージ電子化文書 活用 保管 デジタルマイクロアーカイブ 保存 長期保存 オフィス文書 電子文書 フォーマット変換 1 JIS Z 6016: 紙文書またはマイクロフィルム文書を電子化プロセスの規定 2 JIS Z 6017: 電子化文書の長期保存方法 電子署名 タイムスタンプ JIS Z6017 2

11 ドキュメントイメージングの落とし穴 画像データとファイル形式 利用目的に合わせた画像データ形式とファイル形式を選択 JPEG2000 のトレンド インデックス作成のポイント 使えないインデックス 運用コストを考慮したインデックス作成 認識技術 認識技術を活用したインッデクス作成例 バーコード (CODE39) と QR コードの比較 電子文書の客観的証拠能力の強化 電子認証による客観的証拠能力の強化

12 画像データとファイル形式 利用目的に合わせた画像データ形式 画像データの解像度紙文書の大きさや記載される文字情報の大きさにより解像度を選択する 紙文書の電子化では一般的に 100dpi から 300dpi の解像度をよく使う dpi:dot per inch(1 インチあたりのドット数 ) 画像データの色データサイズを小さくし効率よく取り扱う場合には モノクロ ( 白黒 ) データを選択することが多い (OCR 認識処理に良く使われる ) カラーデータは 証拠能力を高めるなどの効果がある データサイズは大きくなるが ディスクの低価格化により保管 保存の仕様が増えている 利用目的に合わせたファイル形式 BMP( ビットマップ ): 原画を忠実に再現できるがファイルサイズ大 TIFF( ティフ ):OS に依存せずマルチページで使用可能 JPEG( ジェイペグ ): 非可逆圧縮で BMP の 1/10 のファイルサイズ JPEG2000( ジェイペグニセン ):JPEG より圧縮効率が高く画質も良い

13 JPEG2000 のトレンド JPEG2000 とは メリット 同サイズであれば JPEG と比べ綺麗 ブロックノイズが発生しない 可逆圧縮 / 非可逆圧縮 電子透かし を入れることができる 1 ファイルから異なる解像度の画像が可能 ( スケーラビリティ ) ROI(Region Of Interest) 処理ができる カラー画像の管理として注目されている 導入事例 デメリット 標準のブラウザには対応していない JPEG の数倍の処理能力が必要である 拡張子が 1 つに統一されていない 現行 JPEG との互換性がない アジア歴史資料センター 国立公文書館 国立国会図書館劣化した和雑誌等のイメージ DB 化 ( 平成 20 年度 ) 社会保険庁厚生年金台帳 国民年金台帳のイメージ DB 化 ( 平成 21 年度 ) 調達仕様が JPEG2000 を採用予定 官公庁関係で JPEG2000 の採用が増加傾向

14 インデックス作成のポイント 使えないインデックス トレーサビリティのないインデックス (ex. 注文書と請求書には共通のインデックスが必要 ) 部門間で統一できていないインデックス (ex. 同じ文書に部門ごとで異なるインデックスを作成 ) グループ会社間で統一できていないインデックス ( システム間で共通な情報なのにインデックスが異なっている ) 運用コストを考慮したインデックス作成の インデックス作成コスト > 効率化 ( 検索性 ) 改善コスト では NG インデックス作成作業の省力化が投資効果の鍵 ( 認識技術の活用によるインデックス作成作業の省力化 )

15 認識技術を活用したインデックス作成例 認識技術を活用するメリット 作業コスト削減 精度向上 時間短縮を図れる 1OCR 基準マーク 2 帳票書式認識 3OCR(ICR) 認識 4 知識処理 ( 郵便番号 ) 5 一次元バーコード 62 次元バーコード 7OMR( マークシート )

16 16 バーコード (CODE39) と QR コードの比較 比較項目 CODE39 バーコード QR コード 格納可能文字種 数字 英大文字 記号 数字英数字バイナリ漢字 かな 最大容量 制限なし 数字のみ : 最大 7089 文字英数字 : 最大 4296 文字バイナリ : 最大 2953バイト漢字 かな : 最大 1817 文字 汚損への耐性 ( 誤り検出 訂正 ) 誤り検出機能あり ( 訂正機能はなし ) 誤り訂正機能あり (7%~30%) 読み取り方向 0 /90 /180 /270 全方向 コード分割 ( 連結 ) 多段バーコード可能 ( 連結機能はソフトに依存 ) 複数コードの連結機能あり

17 電子文書の客観的証拠能力の強化 電子文書の課題 : 電子文書単体では客観的な証拠能力が低い 改ざん 修正 すり替え等が容易で痕跡も残らない 誰が いつ なにを の証明が難しい 電子認証による客観的証拠能力の強化 電子署名 作成者 承認者を特定 誰が なにを 電子署名が付与されたデータは紙文書同様に真正に成立した文書と見なす 電子署名法 (2001 年 9 月施行 ) タイムスタンプによる第三者証明 存在証明と非改ざん証明 いつ なにを 一般的な電子データ 電子署名による証明 電子署名とタイムスタンプによる証明 電子データ プロパティ情報 作成者 ( 自分で記入 ) 時間 ( パソコンの時間 ) 電子データ 作成者を特定 誰が 内容を特定 なにを 電子データ 存在時刻を特定 いつ 作成者を特定 誰が 内容を特定 なにを 電子データの証拠能力 UP! 存在時間を特定 = 第三者が客観的な時間を証明 有効期間の延長 = 電子署名の有効期間を延長

18 このセッションのまとめ ドキュメントイメージングの目的 情報共有 検索性改善 保管コスト削減 可搬性改善 紙文書の紛失防止 BCP( 事業継続性 ) 対策 存在証明 ドキュメントイメージングのポイント 利用目的に合わせた画像データのスペックとファイル形式を選択する 文書間 部門間 関係会社間で共通するインデックスは予め統一する インデックスは 認識技術を活用して効率よく作成する 必要に応じて電子認証により電子文書の客観的証拠能力を高める

19 ご清聴ありがとうございました 社団法人日本画像情報マネジメント協会 ECM 委員会