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しまなつちた
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Issue 02 Eastern Economic Corridor いま注目をあつめるタイの最新投資制度第 2 回東部経済回廊 (EEC) Inside this issue EEC の概要 P02 5 年で 5 兆円超のインフラ整備計画対象地域と業種 P03 新設された EEC 特別区 10 産業が EEC 対象業種に EEC パッケージ P04 EEC 対象 10

中所得国の罠に陥らぬよう新たな戦略が求められてきたこのような中タイは産業構造の高度化による高所得国への飛躍を目指し 2016 年に新国家戦略タイランド 4.

1 Issue 02 Eastern Economic Corridor いま注目をあつめるタイの最新投資制度第 2 回東部経済回廊 (EEC) Inside this issue EEC の概要 P02 5 年で 5 兆円超のインフラ整備計画対象地域と業種 P03 新設された EEC 特別区 10 産業が EEC 対象業種に EEC パッケージ P04 EEC 対象 10 産業厚い恩典の EEC パッケージ次の 20 年に向けて EEC が牽引するタイの投資戦略域内人口が 6 億 2,000 万人を超え世界経済の牽引役となっているアセアン諸国その中でもタイは日系企業の進出の歴史が古く積極的な外資誘致政策を背景に多くの分野で産業集積が進んでいるアジア通貨危機やリーマンショックを克服し着実な成長を遂げてきているが近年は中所得国の罠に陥らぬよう新たな戦略が求められてきたこのような中タイは産業構造の高度化による高所得国への飛躍を目指し 2016 年に新国家戦略タイランド 4.0 を策定この第 4 次産業革命ともいえる政策ビジョンの中核となるのが EEC(Eastern Economic Corridor: 東部経済回廊 ) 構想だ日系企業による極めて濃密な集積が進んだ東部 3 県を特区に指定し大規模なインフラ基盤整備と先端産業誘致を目指す EEC は特定地域の開発という枠組みを超えタイランド 4.0 実現のための有望なプロジェクトとなるタイ BOI 東京事務所東京都港区赤坂福田ビルウエスト 8 階 TEL: タイ BOI 大阪事務所大阪府大阪市中央区久太郎町バンコク銀行ビル 7F TEL:

5 年で 5 兆円超のインフラ整備 EEC は 2016 年 6 月タイ国家経済社会開発庁 (NESDB) によって提案され国会の承認を得て開発が開始された国家プロジェクトだ首相を委員長とする EEC 政策推進委員会が組織されチャチュンサオ県チョンブリ県ラヨーン県の東部 3 県が対象地域に指定されたこの臨海工業地域は 80 年代から開発が始まり域内 GDP

観光産業の育成などを含む総合的な地域開発がプロジェクトの構想だ EEC の官民投資額投資対象投資額 ( バーツ ) ウタパオ国際空港マプタプット港 111 億レムチャバン港 1,500 億高速鉄道在来線複線化 643 億高速道路 353 億産業開発 5,000 億観光開発新都市住宅医療開発 4,000 億

2 5 年で 5 兆円超のインフラ整備 EEC は 2016 年 6 月タイ国家経済社会開発庁 (NESDB) によって提案され国会の承認を得て開発が開始された国家プロジェクトだ首相を委員長とする EEC 政策推進委員会が組織されチャチュンサオ県チョンブリ県ラヨーン県の東部 3 県が対象地域に指定されたこの臨海工業地域は 80 年代から開発が始まり域内 GDP はタイ全体の 15% を超えると言われている各種製造業の集積が国内で最も進んでいる地域であり特に日系の自動車産業においては完成車メーカーのみならず数多くのサプライヤーがこの地域に立地している EEC の両輪となるのは再開発を含むインフラ基盤整備と手厚い恩典を与える政府の投資促進策で加えて都市住宅開発医療機関整備観光産業の育成などを含む総合的な地域開発がプロジェクトの構想だ EEC の官民投資額投資対象投資額 ( バーツ ) ウタパオ国際空港マプタプット港 111 億レムチャバン港 1,500 億高速鉄道在来線複線化 643 億高速道路 353 億産業開発 5,000 億観光開発新都市住宅医療開発 4,000 億先行インフラ整備計画に指定されたウタパオ国際空港インフラ基盤整備では域内はもちろんタイ全土におよぶ物流交通ネットワークのアップグレードを目的とし鉄道港湾道路空港の開発が主軸となる投資促進策では域内に特区が設置され対象となる高度先 EEC 開発マップ端産業には法人所得税の最長 13 年間の免除といった従来よりも充実した恩典が付与されるこれらのプロジェクトでは当初 5 年間で約 1 兆 7,000 億バーツの投資予算が計画されている 02

動きだした巨大プロジェクト EEC の先行インフラ整備として 1 主要 3 国際空港を連結する高速鉄道の建設 2ウタパオ空港の拡張 3 MRO( 航空機整備 ) センターの設立 4レムチャバン港第 3 期開発 5マプタプット港第 3 期開発の 5 つのプロジェクトが既に進行している 2018 年 11 月には各プロジェクトの TOR( 委託事項 ) が公開され 2019 年 4

3 動きだした巨大プロジェクト EEC の先行インフラ整備として 1 主要 3 国際空港を連結する高速鉄道の建設 2ウタパオ空港の拡張 3 MRO( 航空機整備 ) センターの設立 4レムチャバン港第 3 期開発 5マプタプット港第 3 期開発の 5 つのプロジェクトが既に進行している 2018 年 11 月には各プロジェクトの TOR( 委託事項 ) が公開され 2019 年 4 月までに入札が実施されるそれぞれのインフラは 2022 年から 2025 年にかけて完工利用開始の見込みとなっている主な先行インフラ整備計画プロジェクト概要利用開始予定高速鉄道ウタパオ国際空港 MRO( 航空機整備 ) センターレムチャバン港マプタプット港出所 :E E C 政策推進委員会 ( 年 11 月 ) 注 :TEU:20 フィートコンテナ換算 (Twenty-foot Equivalent Unit) バンコクマッカサン駅がターミナルとなりドンムアン国際空港スワンナプーム国際空港ウタパオ国際空港を結ぶ高速鉄道の開発新滑走路と旅客ターミナル及び商業施設の増設旅客収容能力を 15 年間で 2,200 万人に引き上げ航空機整備センターと航空産業向け研修センターの新設コンテナ取扱量を従来の年 700 万 TEU から年 1,800 万 TEU へ自動車輸出能力を従来の年 100 万台から年 300 万台へ 1,000 ライ (160 万平米 ) の敷地に液化天然ガスのタンカー接岸港 2 ヵ所ガス積替え桟橋 3 ヵ所の増設貨物倉庫天然ガス関連事業所沈泥溜めサービス施設砂防石堤防波堤の築造 2022 年 2025 年新設された EEC 特別区に注目タイ投資委員会 ( B O I ) が付与する投資恩典は周辺国と比較しても既に充実した内容となっており EEC の指定された地域にて対象事業の投資を行う場合には更に追加恩典 ( E E C パッケージ ) が与えられる EEC パッケージが与えられる対象地域は 1 EEC 特別区 2 EEC 内の 21 ヵ所の指定工業団地 3 EEC 内のその他の工業団地の 3 つに大別される EEC 特別区は科学技術省が運営する E E C i( イノベーション特別区 ) デジタル経済社会省傘下の法人が運営する EECd( デジタルパークタイランド ) そして航空産業に特化した EEC-A( 東部航空都市 ) の 3 つがある EECi( イノベーション特別区 ) は研究開発に特化した経済エリアを創出するため世界をリードするイノベーションセンターを目指している既にラヨーン県内陸部に約 480 ヘクタールの用地を確保 1 先端農業及び食品 2バイオ燃料及びバイオ化学 3 高性能バッテリー及び近代交通 4 自動化ロボット及び人工知能 5 航空宇宙 6 医療機器といった重点産業に光を当て ARIPOLIS ( 自動化ロボット人工知能産業都市 ) BIOPOLIS( バイオ産業都市 ) FOOD INNOPOLIS( 食品産業都市 ) SPACE INNOPOLIS( 航空宇 EEC 内の 21 ヵ所指定工業団地チャチュンサオ県 (1 ヵ所 ) TFD 工業団地 2 チョンブリ県 (12 ヵ所 ) ヤマト工業団地アマタナコン工業団地 1 2 ピントン工業団地 1 5 チョンブリ工業団地 1 2 ヘマラートイースタンシーボード工業団地 2 3 ラヨーン県 (8 ヵ所 ) ヘマラートイースタンシーボード工業団地 1,4 イースタンシーボードラヨーン工業団地ヘマラートマプタプット工業団地ヘマラートラヨーン 36 工業団地アマタシティ工業団地スマートパーク工業団地 C.P. 工業団地宙産業都市 ) からなる革新都市を通じ産官学及び地域社会そして内外の研究開発機関との協力を押し進める 03

E E C d( デジタルパークタイランド ) はデジタル産業の革新と投資に焦点を当てた新しい経済特区だ IoT や人工知能の研究施設 idc( インターネットデータセンター ) だけでなく教育機関や居住エリアも含む完全なデジタルコミュニティを目指しているまさに産業界とライフスタイルがシームレスに融合するデジタル人材育成センターだ EEC-A( 東部航空都市 ) は EEC

域内の重要な航空ハブとなることが期待されている EEC 対象 10 産業タイランド 4.

4 E E C d( デジタルパークタイランド ) はデジタル産業の革新と投資に焦点を当てた新しい経済特区だ IoT や人工知能の研究施設 idc( インターネットデータセンター ) だけでなく教育機関や居住エリアも含む完全なデジタルコミュニティを目指しているまさに産業界とライフスタイルがシームレスに融合するデジタル人材育成センターだ EEC-A( 東部航空都市 ) は EEC デジタルパークタイランド (EECd) のイメージ図地域の航空産業の発展を目指したもので大幅な拡張計画のあるウタパオ空港周辺を特別区とする具体的には第 3 ターミナルの建設物流拠点となるカーゴセンター商業施設の新設を計画しているまた隣接地に M R O( 航空機整備 ) センターや航空研修センター (Aviation Training Center) の設立も決定しており域内の重要な航空ハブとなることが期待されている EEC 対象 10 産業タイランド 4.0 では 10 分野からなるターゲット産業を定めておりこれらの産業に対して EEC の追加恩典が与えられる具体的には既存の有望分野 ( S カーブ産業 ) である次世代自動車スマート電子機器高付加価値の観光メディカルツーリズム農業バイオテクノロジー未来のための食品の 5 業種そして次世代の有望分野 ( 新 Sカーブ産業 ) であるオートメーションおよびロボット航空ロジスティックスバイオ燃料バイオ化学デジタル経済メディカルハブの 5 業種であるこれら合計 10 分野が EEC に指定されている EEC パッケージでは従来より厚い税恩典が受けられる従来に比べ厚い税恩典が付与される EEC パッケージ ( 次ページ参照 ) は指定された投資地域に指定された事業内容で投資を行う必要がある投資地域は EEC 特別区 (EECi EECd EEC-A) が最も優遇されており次いで EEC 内の 21 ヵ所の指定工業団地 EEC 内のその他の工業団地の順となっている EEC 特別区で 8 類 ( 技術及びイノベーションの発展 : バイオテクノロジーナノテクノロジー先端材料技術デジタル技術等のターゲット技術開発事業 ) に該当する投資を行った場合 13 年間の法人所得税の免除 ( 上限額無し ) が受けられる尚 EEC パッケージの恩典を受けるには人材開発及び技術向上のための教育機関研究機関中核的研究拠点 (Center of Excellence) との協力が条件となっており利用する協力プログラムについて BOI の承認が必要となるまた EEC パッケージによる投資申請期限は 2019 年 12 月 30 日までとなっている 04

EEC パッケージによる法人所得税免除恩典投資地域投資事業内容従来の恩典 (100% 免税期間 ) EEC パッケージ 100% 免税期間 50% 免税期間追加 EEC 特別区 EECi EECd EEC-A 指定 21 工業団地 EEC 内のその他の工業団地特定産業各地区における 8 類 10 年 13 年 ( 上限額無し ) 無 A1 8 年 12 年 ( 上限額無し ) 無 A2

5 EEC パッケージによる法人所得税免除恩典投資地域投資事業内容従来の恩典 (100% 免税期間 ) EEC パッケージ 100% 免税期間 50% 免税期間追加 EEC 特別区 EECi EECd EEC-A 指定 21 工業団地 EEC 内のその他の工業団地特定産業各地区における 8 類 10 年 13 年 ( 上限額無し ) 無 A1 8 年 12 年 ( 上限額無し ) 無 A2 8 年 12 年無 A3 5 年 7 年 5 年 8 類 10 年 11 年 ( 上限額無し ) 無 A1, A2, A3 5 8 年 5 8 年 3 年 8 類 10 年 12 年 ( 上限額無し ) 無 A1 8 年 8 年 ( 上限額無し ) 5 年 A2 8 年 8 年 5 年 A3 5 年 5 年 5 年 8 類 10 年 11 年 ( 上限額無し ) 無 A1, A2, A3 5 8 年 5 8 年 3 年 8 類 10 年 11 年無 A1 8 年 8 年 ( 上限額無し ) 3 年 A2 8 年 8 年 3 年 A3 5 年 5 年 3 年投資事業分類事業分類 8 類 A1 A2 A3 事業内容技術及びイノベーションの発展 : バイオテクノロジーナノテクノロジー先端材料技術デジタル技術等のターゲット技術開発事業国の競争力を向上させるデザインや研究開発 (R&D) に主眼を置いたナレッジベースの産業国の発展に貢献するインフラ事業タイ国内の投資が少ないかまたはまだ投資が行われておらず付加価値の創出に高度技術を使用する事業既にタイ国内に生産拠点が少数あるものの国の発展にとって重要な高度技術を使用する事業 05

目次はじめに 1.EEC 開発の背景と利点 ASEAN 2.EEC 開発の特徴タイランド 4.0 を実現するための課題おわりにはじめに EEC EEC EEC4.0 5, EEC 20

目次はじめに 1.EEC 開発の背景と利点 ASEAN 2.EEC 開発の特徴タイランド 4.0 を実現するための課題おわりにはじめに EEC EEC EEC4.0 5, EEC 20 EEC( 東部経済回廊 ) 開発とその課題調査部要旨上席主任研究員大泉啓一郎 4.0 EEC 4.0 EEC 4.0 EEC20 5,000 EEC EEC 4.0 RIM 2017 Vol.17 No.67 99 目次はじめに 1.EEC 開発の背景と利点 1 2 3 ASEAN 2.EEC 開発の特徴 1 2 3 3. タイランド 4.0 を実現するための課題 1 24.0 3 おわりに