長大斜張橋(女神大橋)の斜ベント撤去工法と制振装置の効果に関する研究

Size: px
Start display at page:

Download "長大斜張橋(女神大橋)の斜ベント撤去工法と制振装置の効果に関する研究"

Transcription

1 NAOSITE: Nagasaki University's Ac Title Author(s) 長大斜張橋 ( 女神大橋 ) の斜ベント撤去工法と制振装置の効果に関する研究 北原, 雄一 Citation ( ) Issue Date URL Right This document is downloaded

2 長大斜張橋 ( 女神大橋 ) の斜ベント撤去工法と 制振装置の効果に関する研究 28 年 12 月 長崎大学大学院生産科学研究科 北原雄一

3 111

4 目 次 第 1 章序論 研究の背景 研究の目的と内容 斜ベントのスイング撤去工法の検証 台風による動的挙動と架設時のTMD 効果の検証 人力加振試験による動的特性の評価 常時微動計測による動的特性の評価 文の構成と概要... 5 第 2 章女神大橋の設計と架設の概要 はじめに 橋梁諸元 本橋の特徴 設計 耐風設計 制振装置 (TMD) の検討 架設 概要 大ブロック架設 主桁バランシング架設 主桁閉合 形状管理 計測項目および方法 架設精度管理基準と結果 第 3 章斜ベントのスイング撤去工法の検証 はじめに 斜ベント撤去工法の検討 斜ベントの基本諸元 撤去工法の検討 ワイヤクランプジャッキを用いた斜ベントの横移動撤去... 3

5 3.4 MCナイロン製ワイヤガイドの耐久試験 試験要領 冷却無し試験 冷却有り試験 試験結果 ワイヤ角度転向設備 ワイヤクランプジャッキを用いた実工事 ワイヤクランプジャッキ設備の概要 施工および安全管理 斜ベント撤去作業実施結果 まとめ 第 4 章架設時の 36 号台風による動的挙動の評価 はじめに 号台風来襲時の女神大橋の概要 架設状況 女神大橋の制振諸元 制振装置の設計 諸元の決定 TMDの配置 主塔動態観測の方法 号台風来襲時の主塔の動的挙動 台風の経路 主塔の風向 風速分布 主塔橋軸方向の振動計測結果 制振装置効果の確認 制振装置のチューニング確認 制振装置の最大応答倍率 P 主塔の対数減衰率の算出 制振装置非作動時応答の解析 まとめ 第 5 章完成時の人力加振試験による動的挙動の評価... 59

6 5.1 はじめに 試験概要 TMDの検討 TMDの諸元 計測点と計測機器 試験要領 人力加振実験による主塔固有振動特性の推定 TMDを考慮した動的解析 解析モデル TMDのモデル化 人力加振力のモデル化 解析手法 固有振動特性 主塔の動的応答特性 まとめ 第 6 章完成時の常時微動計測による動的挙動の評価 はじめに 計測概要 解析モデル 解析モデル 解析モデルの妥当性の評価 分割トラス要素によるケーブルの剛性行列 固有振動解析 女神大橋完成系の振動特性 斜張橋の応答特性に及ぼす支持ケーブルの局部振動の影響 数値積分法 鉛直正弦波加振による応答 ねじれ正弦波加振による応答 まとめ 第 7 章結論 謝辞... 14

7

8 第 1 章序論 1.1 研究の背景 現在, 日本国内には 314 橋の斜張橋が存在し, うち 154 橋が橋長 1m 超の長大橋である 1). 今まで国家プロジェクト規模で多くの長大橋が架設され, 本四連絡橋の完成を得て一段落の感がある. しかしながら 28 年 7 月 2) に閣議決定された国土形成計画法に基づく最初の国土形成計画全国計画では, 東京湾口道路, 伊勢湾口道路, 紀淡連絡道路, 関門海峡道路, 豊予海峡道路, 島原 天草 長島架橋道路の海峡横断プロジェクトの技術的調査を今後も継続する方針が示された 3). 長大斜張橋の計画において架設工法の決定は事業費用の大きなウェートを占めるため詳細な検討が必要である. 架設工法は大きく分けてステージング工法, 押し出し工法および片持式工法の3 方法が一般的であるが, 架設地点の地域状況, 気象等および使用可能な架設技術を基にその方法は多岐に渡る 4). 過去の長大橋架設に関する研究は本州四国連絡橋の多々羅大 5) 6) 橋, 生口橋などで多くの実績がある. ともに海上橋であることから, 大型起重機船によるブロック架設と主桁バランシング架設が採用されている. 長崎県に計画された女神大橋は日本国内第 6 位の中央径間長 48m を有する長大斜張橋である 7). 平成 4 年から平成 12 年までの間 女神大橋橋梁技術検討委員会 を設置し, 橋種, 構造形式の選定, 設計基準等の設定お 8) 9)1) よび風洞実験に基づく耐風安定性の確認等の技術決定を行ってきた. 本橋の架設地点を図 -1.1 に示し, 完成後の状況を写真 -1.1 に示す. 架設地点の特徴は, 重要港湾長崎港へ往来する航行船舶の多い法定航路が位置していることから充分な中央径間長を確保する必要が求められ, 側径間は陸上部に架かることとなった. このことで, 側径部において従来採用されていた大型起重機船での架設工法が困難となり, 大きな課題となった. 特に主桁架設のために設置が必要であった斜ベントの撤去工法については, 側径間直下に国道が位置しており, 交通管理者と工事の進捗に合わせた具体的な協議が必要であったため, 未確定となっており早急な決定が必要であった. また, 架設地点は長崎湾両岸の地形起状が最も近接した箇所であるため, 地形の影響を大きく受けた風が橋体へ作用することが予想された. このため, 架設地点の直径 12 km範囲の地形を模型で再現後, 風洞試験を実施した結果, 風の乱れが大きく, 風速分布が橋軸方向で一定でないことなどが判明した. この対策として,1 主桁にファリングを設置,2 主塔に整流板を設置,3 側径間架設時に直ベントを設置,4 架設時, 完成時で主塔に制振装置 (TMD) の設置等が決定された.( 表 -1.1) 1

9 このように架設地点の状況に応じた多くの検討すべき事項が架設工法に影響を与えるため, 過去の長大斜張橋に関する技術情報では不十分であり, 架設地点の状況に応じた検証が必要となる. 稲佐山 長崎駅 長崎公園 R34 R22 造船所 長崎県庁 R324 長崎水辺の森公園 ながさき出島道路 造船所 グラバー園 大浦天主堂 長崎湾 R499 架橋位置 法定航路 大久保山 1km 図 -1.1 架橋位置 写真 -1.1 架橋状況 2

10 表 -1.1 女神大橋架設に伴う課題と対策 架設地点の状況 課題 対策 長崎湾中央部に航行船舶の多い法定航路が位置 中央径間長を確保することで側径間が陸上部となり側径間における海上作業は困難で大型起重機船が利用不可 1 主桁側径間の 3 分割架設 2 斜ベントのスイング撤去 長崎湾両岸の地形起伏が最接近した地点での架設のため, 地形影響を大きく受けた風が橋体に作用. 直径約 12km 範囲を地形模型で再現し風洞試験実施した結果, 風の乱れが大きく, 風速分布が橋軸方向で一定でないこと等が判明 1 主桁にフェアリング設置 2 主塔に整流板設置 3 側径間に直ベント設置 4 架設時, 完成時で主塔に制振装置 (TMD) を設置 1.2 研究の目的と内容 本研究は, 長崎県の長崎湾に架設された女神大橋を研究対象とすることで, 架設地点に応じた特殊工法の検証と架設系, 完成系での動的特性の評価を目的とする. 具体的には前述した課題の対策のうち, 斜ベントのスイング撤去工法, 主塔に設置した制振装置 (TMD) の効果を検証するとともに, 実橋試験と解析による動的特性の評価を行う. これらの成果は, 今後の長大斜張橋の架設工法の選定と架設モニタリングの研究に新たな進展をもたらすものである. 以下に本研究で実施した事項の概要を述べる 斜ベントのスイング撤去工法の検証 斜ベントの設置は, 国内最大級 4,18kN 吊の大型起重機船を用いて上空から吊り込んで一括設置ができたが, 撤去の場合は主桁閉合後の作業となることから, 主桁裏面に位置する斜ベントを吊り上げて撤去することは不 11) 11) 可能であった. このため従来工法は, 多々羅大橋, 名港中央大橋等で実施されたような大型起重機船 2 基の相吊による倒し込み撤去であった. 本橋の場合, 側径間が陸上部にあるため側径間斜ベントの倒し込みを行うには, 海上部から国内最大級の起重船を用いても作業半径不足となり起重機製の使用は不可能であった. また, 陸上クレーンでの撤去も検討したが, 側径間に斜面および日交通量約 3 万台を有する国道が位置しており, 撤去材である側径間斜ベントの直下に作業ヤードが確保できないことから困難であった. 3

11 このため, ワイヤクランプジャッキによるスイング撤去工法が必要となった. スイング工法は, 過去にリフティングビームと仮ハンガーロープを 12) 13) 用いて白鳥大橋, イルティッシュ河橋梁で実績があったが, ワイヤクランプジャッキによるスイング工法は国内初であった. 撤去材のスイングには, ワイヤクランプジャッキのワイヤを途中で転向させる必要があったため, モノマーキャスト (MC) ナイロン 14) 製のワイヤガイドを作成後, 耐久性試験を実施し, ワイヤ転向箇所の緩衝材として利用可能であることを確認し, 実工事への適用を検証する 15) 台風による動的挙動と架設時の TMD 効果の検証 架設途中は完成時と比べ不安定な形状も存在するため, 品質, 工程および作業効率等の施工管理を行う上で, 架設時の制振効果を確認することは, 非常に重要なことである. しかしながら, 制振すべき形状は架設の進行によって刻々と変化する. 制振効果を確認するため, そのつど, 架設作業を中断して大型起振機等による振動実験を実施することはできない. このため, 短時間で低風域から高風域が発生する大型台風来襲時の橋体の動的挙動から, 架設時制振装置の効果検証を行うことは有効である. 架設途中の 16) 17) 大型台風来襲時の動態観測の記録は, 東神戸大橋, 明石海峡大橋, 名 18) 港東大橋であるが, この時, 動態観測を基にして架設時の制振装置の効果検証までは至っていない. 19) 本研究では, 架設地点を直撃した 36 号台風の観測資料と架設途中 2) にあった本橋 2P 主塔とTMDの動態観測結果をとりまとめRD 法によって減衰波形を求め, この減衰波形から対数減衰率を求める. さらに, 主塔を1 自由度系モデルに置き換え制振装置が作動している主塔応答の実測結果から, モーダル風外力を推定し, このモーダル風外力を用いて制振装置非作動時の主塔応答の推定を行い, 制振装置作動時の主塔応答と比較することで, 架設用に設置したTMDの制振効果を検証する 21) 人力加振試験による動的特性の評価 本橋を対象として実施した人力加振試験の結果より制振対象とした完成系主塔の卓越振動モードの固有振動数, 減衰定数を推定し, 制振装置作動時の減衰から設計減衰値を満足していることを確認する. 次に FEM モデルで得られた主塔の固有振動数と振動モードの計測結果と比較することで, 解析モデルの妥当性を検証する 25) 常時微動計測による動的特性の評価 本橋を対象として実施した常時微動計測の結果より多出力 Subspace 同 22)23)24) 定法を用いて橋梁全体の固有振動数, 固有振動モード, 減衰定数を推定し全体系 FEMモデルの妥当性を確認した. さらに, サグの影響を考慮した分割トラス要素を用いたFEMモデルでケーブルの局部振動と橋梁全体へ与える影響を評価した結果, ねじれ振動によるサグの影響を無視できない場合は支持ケーブルの局振動を分離して求める解法では不十分であることを示す 31). 4

12 1.3 文の構成と概要 本研究では, 女神大橋を研究対象として, 架設工法と動的特性の 2 つを主題に構成する. 1 斜ベント撤去工法に伴う課題と対策への考察 2 架設系, 完成系に TMD の効果検証と動的特性および分割トラス要素による動的応答解析論文の構成図を図 -1.2 に示す. 第 1 章は序論として, 本研究の背景, 目的と論文構成を述べる. 第 2 章では, 研究対象である女神大橋の設計および架設の概要を紹介し, 計画時の課題とその対策等を述べる. 第 3 章では斜ベントの撤去において, 現地状況から発生した課題を解消するため新工法を検証後, 実工事に適用し実証する. まず, モノマーキャスト (MC) ナイロン製のワイヤガイドを作成後, 実工事を想定した耐久試験を実施し, そのワイヤガイドの性能を検証する. 次にこのワイヤガイドを用いたスイング撤去工法を検証する. 第 4 章では, 架設系における主塔の動的挙動の把握と TMD の効果を検証するため, 架設途中に来襲した大型台風の観測資料と動態観測記録を基に, 主塔の対数減衰率を求める. さらに TMD 非作動時の主塔応答を推定し,TMD 作動時の主塔応答と比較する. 第 5 章では, 実橋での人力加振試験を実施し減衰定数を推定し, 主塔に設置された TMD の効果を検証する. さらに,TMD と人力加振を一体的にモデル化し, 動的応答解析を行い振動試験結果と比較し, モデル化の妥当性を確認する. 第 6 章では, 実況での常時微動計測を実施し全橋の動態特性を把握する. さらに支持ケーブルの局部振動を含めた全体振動の解析を行えるようにするため, 支持ケーブルのサグの影響に注目し支持ケ - ブルを分割することで支持ケ - ブルのサグを考慮するモデルと支持ケ - ブルを分割せずに 1 本のトラス要素としてモデル化した 2 つの解析モデルを用い, 支持ケ - ブルのサグを考慮したことによる張力変動の影響が支持ケ - ブルの局部振動および橋梁全体に与える影響を評価する. 第 7 章は結論として, 本研究によって得られた知見を総括して述べる. 5

13 架設系完成系第 1 章序論 架設工法第 2 章女神大橋の架設の概要第 3 章斜ベントのスイング撤去工法の考察 制振装置の効果と動的特性第 4 章架設時の 36 号台風による主塔の動的挙動評価と架設系制振装置の効果検証 第 5 章完成時の人力加振試験による動的特性評価と完成系制振装置の効果検証 第 6 章完成時の常時微動計測による動的特性評価 第 7 章結論 図 -1.2 論文の構成 6

14 参考文献 1) 国土交通省道路局 : 道路統計年報 ( 平成 18 年度版 ),28. 2) 国土交通省ホームページ : report/press/kokudo3_hh_6. html 3) 国土交通省ホームページ : kaiken/kaiken8/8328. html 4) W.Podolny,J.Scalzi, 九州橋梁 構造工学研究会訳 : 斜張橋の設計と施工, ) 佐藤佳裄, 朝野叡嶽 : 多々羅大橋 の架設, 石川島播磨技報 ( 橋梁特集号 ),pp11-127,21. 6) 藤原亨, 猪原茂, 森田雄三 : 生口橋の架設精度管理, 土木学会大 47 回年次学術講演概要集,Ⅵ-63,pp , ) 中瀬和敏, 有吉正敏, 北原雄一, 甲斐富岳, 今金真一, 上田浩之, 針谷清久 ; 女神大橋上部工の施工, 橋梁と基礎,Vol.39,No.12,pp.5-7,25. 8) 古川和義, 本田明弘, 今金真一 : 女神大橋架橋地点の風環境に関する地形模型風洞実験, 土木学会第 48 回年次学術講演会講演概要集,I-365,pp , ) 岩永克巳, 本田明弘, 今金真一 : 女神大橋主桁断面の耐風性について, 土木学会第 5 回年次学術講演概要集 Ⅰ-75,pp , ) Honda,S.Fukahori,S.Imagane and F.Ishioka: Aerodynamic design of cable-stayed bridge surrounded by undulated,proceedings of the 1 th International Conference on Wind Engineering,Copenhagen /Denmark, pp , ) IHI ホームページ : 12) 石川孝 : 白鳥大橋補剛桁の架設 ( スイング工法架設 ), 技報まつお,No.32,pp.89-1, ) 宮田明, 船木正志, 山本裕一, 工藤光弘, 加藤千明 : カザフタン共和国 イルティッシュ河橋梁 建設工事, 石川島播磨技報 ( 橋梁特集号 ),pp ,21. 14) 日本ポリペンコ ( 株 ) 製品カタログ : /products/mc_ny/product_cha.html 15) 北原雄一, 三好哲典, 高橋昌義, 高橋和雄 : 女神大橋斜ベントのスイング撤去工法に関する考察, 土木学会論文集 F( 登載決定 ) 16) 上田芳夫, 北沢正彦, 正田正一, 金治英貞 : 東神戸大橋主塔の対風挙動と振動実験, 阪神高速道路公団技報, 第 11 号,pp.61-74, ) 金崎智樹, 奏健作, 佐々木伸幸, 下土居秀樹 : 明石海峡大橋主塔独立時の耐風特性, 土木学会第 49 回年次学術講演会講演概要集,I-49,pp , ) 和田博久, 本荘清司, 武田勝昭, 石井孝 : 名港東大橋台風 9426 号来襲時の主塔動態観測, 土木学会第 5 回年次学術講演会講演概要集,I-76, pp , ) 気象庁ホームーページ : /yohou/typhoon/route_map/bstv23.html 2) 田村幸雄, 佐々木淳, 塚越治夫 :RD 法による構造物のランダム振動時の減衰評価, 日本建築学会構造系論文集, 第 454 号, p.29-38,

15 21) 北原雄一, 上田浩之, 渡部剛賢, 高橋和雄 : 女神大橋架設時の 36 号台風による主塔の動的挙動について, 土木学会論文集 F,Vol.163,No3,pp ,27. 22) Juang J.N.:Applied system identification,prentice-hall Inc., ) Van Overschee P.and De Moor B.:Subspace identification for linear systems: Theory, implementation and applications, Kluwer Academic Publishers, ) 片山徹 : システム同定 - 部分空間法からのアプローチ, 朝倉書店,24. 25) Qingxiong Wu, Yuichi Kitahara, Kazuo Takahasi and Baochun Chen:Dynamic Characteristics of Megami Cable-stayed Bridge - A comparison of experimental and a nalytical results -,Steel Structures, 8, pp.1-8, ) 有馬義人, 北原雄一, 高橋和雄, 中村聖三 : 主塔に設置されたTMDを考慮した女神大橋の動的応答解析, 鋼構造年次論文報告集,15,pp ,27. 27) 日野幹雄 : スペクトル解析, 朝倉書店, ) Q. Wu, K. Takahashi, T. Okabayashi and S. Nakamura : Response Characteristics of Local Vibrations in Stay Cable on an Existing Cable-stayed Bridge, Journal of Sound and Vibration, No.261, pp.43-42, ) 呉慶雄, 高橋和雄, 岡林隆敏, 中村聖三 : 天建寺 PC 斜張橋のケーブルの局部振動解析, 長崎大学工学部研究報告,Vol.31,No.56,pp.87-93,21. 3) 呉慶雄, 高橋和雄, 岡林隆敏, 中村聖三 : ガスト応答による斜張橋の支持ケーブルの局部振動, 構造工学論文集, Vol.48A, pp , ) 北原雄一, 呉慶雄, 木村剛, 高橋和雄, 中村聖三 : 分割トラス要素を用いた女神大橋の動的応答解析, 土木構造 材料論文集,23,CD-ROM,27. 8

16 第 2 章女神大橋の設計と架設の概要 2.1 はじめに この章では, 本論文の研究対象である, 女神大橋の特徴と設計, 架設に関する概要 1) を述べる. 女神大橋は長崎県の長崎港口に建設された3 径間連続鋼斜張橋で, 平成 17 年 12 月に供用開始された. 架設の目的は, 地形的要因から放射型道路網となっていることで発生している長崎市内中心部の慢性的な交通渋滞を解消するため環状型道路網を形成するものである. さらに, 長崎港の両岸に分散している港湾施設を結び, 将来は長崎自動車道と直結することで長崎港の港湾機能を強化し物流の効率化を図るものである. このため, 環状道路 ( 主要地方道 ) と臨港道路といった2つの機能をもち, 国が国土交通省運輸局の直轄事業として下部工を施工し, 長崎県が国土交通省道路局の補助事業として上部工を施工した 橋梁諸元 本橋の主要諸元は以下のとおりである. 路線名 : 主要地方道長崎南環状線, 臨港道路女神大橋線道路規格 : 第 3 種第 2 級 ( 設計速度 6Km/h) 活荷重 :B 活荷重基本風速 :V 1 =49m/s 橋長 :1,289m( 主橋梁 : 88m) 有効幅員 :( 歩道 )3m+( 車道 )2@8m+( 歩道 )3m 橋梁形式 :3 径間連続鋼斜張橋 ( 主橋梁 ) 主桁形式 : 扁平 6 角形鋼床版箱桁主塔形式 :H 型鋼製主塔ケーフ ル形式 : マルチファン形式 2 面吊り (13 段 ) 図 -2.1 に橋梁側面図, 図 -2.2 に主塔正面図, 図 -2.3 に主桁断面図を示す 本橋の特徴 本橋は, 国内 6 番目の支間長となる長大斜張橋である. 架設地点は長崎港の入り口に位置し, 国際観光船を始めとした大型船舶が航行することから, 桁下航路高を国内斜張橋としては最も高い 65m に設定している. 主桁の架設は, 側径間の桁下が国道や急斜面のため大ブロック架設が採用できず, バランシング架設工法を採用したため, 特に架設時において耐風安定性の検討は重要な項目であった. 9

17 図 -2.1 橋梁側面図 図 -2.3 主桁断面図 図 -2.2 主塔正面図 また中央径間の桁下は離島航路を始めとした多くの船舶の往来があり, フローティングクレーン (FC) を用いた主塔や主桁の大ブロック架設, および台船を用いた中央径間側主桁の直下吊り架設等において航行船舶との調整が重要であった. このような背景の下, 現地風観測, 風洞試験による耐風性の検討を進めるとともに, 学識経験者, 海事関係者および関係官公庁で構成される調査専門委員会を開催し安全性の検証を行った. 1

18 2.2 設計 耐風設計 2)3) 本橋のように可撓性に富む長大斜張橋は, 耐風安定性は重要な課題である. 本橋においては, 周辺地域の影響から架設地点周囲の地形の影響を受けることが懸念された. このため, 地形模型試験による風環境の把握を行なう ( 写真 -2.1) とともに, 完成系および架設系の橋梁本体の振動特性を把握した上で, 耐風安定性の検討を行った. (i) 設計基本風速基本風速 (V 1 ) は, 長期データのある長崎海洋気象台と現地観測データの 16 方位別風速相関より, 架設地点における 1 年再現期待値を算定し, 地形模型風洞試験結果を用いることにより設定した. また静的な設計風荷重としては, 従来の斜張橋の設計においては抗力成分のみを考慮し, 風洞試験によりバフェッティング振動が確認された場合は, その鉛直振動を考慮した照査を行っていた. しかしながら, 本橋の架設地点は後述する地形模型風洞試験結果により, 風の乱れが大きい 風速分布も橋軸方向に一定でないことが明らかになったこと, および主桁が充腹断面構造であり, トラス構造に比べ作用抗力が比較的小さく, 揚力および空力モーメントの影響が 4) 大きいことを考慮し,3 成分の空気力に対するガスト応答解析により設計を行った. なお解析にあたっては, 図 -2.4 に示す風洞試験で得られた風速分布および乱れ強さ分布を用いた. (ii) 完成系風洞試験主桁に関しては基本断面に対し部分模型試験を行った結果 5), 風速 1 写真 -2.1 地形模型試験 11

19 m/s 以下でフラッターは発生せず, 若干の渦励振が発生するのみであったため, フェアリング形状変化および主桁下面の検査車レール間隔の調整により空力的な対策を行った. 6) 主塔に対しては, 三次元弾性体模型試験を行った結果, 図 -2.5 に示すように, 面内, 面外ともに風速 3m/s 付近よりギャロッピング振動が発生することが明らかとなった. このため, 空力対策として整流板を設置した結果, 基本断面で生じたギャロッピングは発生せず, 図 -2.6 に示すように, 上段水平梁上部のみの振動である面内 2 次の渦励振のみが残る結果となったため, この振動に対してはTMDによる減衰付加により制振することとした. (iii) 架設系風洞試験架設系の風洞試験は, 主塔完成時から主桁閉合直前までの各ステップを抽出し検討を行った. このうち架設時において最も不安定である主桁最大バランシング時においては, 一様流中では風速 15m/s で片振幅約 4cm の渦励振および風速 2 m/s で片振幅約 2cm の渦励振が発生するのみであった. 図 -2.4 風洞試験結果 12

20 しかし, 現地地形を模型化した地形模型乱流試験 ( 縮尺 1/2)( 写真 -2.2) では, 照査風速 (45.8m /s) において木鉢側 ( 2 P 側 ) で 397cm, 女神側 (3P 側 ) で 613cm と非常に大きな振幅が生じる. 特に女神側においては, 地形模型試験でも現地地形の影響により風の乱れが大きくなることが確認されており, これによりバフェッティング振幅が増大したものと考えられた. 制振にあたっては, 側径間に直ベントを設置することにより, 主桁のバランシング状態を短くし, 構造的な安定を図ることとした. なお直ベントは, 現地地形条件および固有値解析による定量的な把握を行った上で設置位置を決定し, 風洞試験による効果の確認を行った. 試験結果を表 -2.1 に示す. 直ベント設置により CASE1~3のいずれにおいても主桁の鉛直変位は最大約 13cm と大幅に低減する結果となった. またその他の架設時の振動に関しては, 発散振動は全て空力的に制振しているが, 渦励振はTMDによる機械的制振を行った. (a) 面外曲げ 1 次振動 (b) 面内曲げ 1 次振動 図 -2.5 完成時主塔試験結果 ( 基本断面 ) 図 -2.6 完成時主塔試験結果 ( 対策断面 ) 13

21 写真 -2.2 地形模型乱流試験 制振装置 (TMD) の検討 制振装置の検討に当たっては, まず完成系 架設系とも母材強度 疲労 作業時の加速度の各項目について許容振幅を計算し, その最小値を対象モードの許容振幅とした. 次に風洞試験により, 渦励振による最大振幅が許容振幅以下になる必要減衰を求め,TMDの設計に必要となる設計減衰 δdes を以下の式より算出した. δdes=α δreq-δs (1) ここに α: 振動解析や風洞試験の精度を考慮した安全率 (=1.2) δreq: 風洞試験結果の必要減衰 δs:.1( 橋体の構造減衰 ) また, 制振方式はTMDの振動数 fd により, 次のように決定した. 主に高風速域で発生する振動を対象 (fd.5hz) の場合は単振子パッシブ方式とし, 主に作業時の低風速域で発生する振動を対象 (fd.5hz の場合 ) は多段振子パッシブ方式とした. 制振装置の設置位置は対象モードの最大変位が発生する位置とした. 主桁最大張り出し時における設置状況写真を写真 -2.3 に示す. 14

22 表 -2.1 架設時地形乱流試験結果 照査風速 45.8m/s 架設系 バランシング CASE 1 ( 中央径間閉合前 ) CASE 2 ( 側径間端部閉合前 ) CASE 3 ( 最大バランシング ) η(m) η(m) η(m) η(m) m 桁中央径間端部変位 女神側 木鉢側 η(m) m m.59 m Vp(m/s) Vp(m/s) Vp(m/s) 注 ) 1. 内の数値は照査風速以下での応答振幅の最大値を示す 2.η: 実橋片振幅,Vp: 実橋換算風速 (m/s) η(m) m.55 m m.39 m Vp(m/s) m 1.25 m m.36 m Vp(m/s) Vp(m/s) η(m) η(m) m 1. m m.15 m Vp(m/s) Vp(m/s) TMD E1 TMD E3 写真 -2.3 制振装置の設置 15

23 2.3 架設 概要 架設は斜張橋の特性を生かした実績の多い工法で施工した. 以下に主塔と主桁のブロック分割を図 -2.7 と図 -2.8 に示す. 塔下部と塔付近の主桁を FC による大ブロック一括で架設した後, 桁上にクライミングクレーン ( 以下 JCC) を設置して塔上部を小ブロックで, 主桁は中央径間, 側径間を交互にケーブルを張り渡しながら架設するバランシング工法で行った. 架設順序を図 -2.9 に示し, 主桁のバランシング架設状況を写真 -2.4 に示す. 架橋地点は, 定期旅客船や大型船など船舶の航行の多い狭隘な長崎港口 単ブロック架設大ブロック架設図 -2.7 主塔ブロック分割図 11 3= =33 ブロック 大ブロック 25 ブロック 大ブロック ブロック 3 分割架設 架設 直下吊架設 架設 3 分割架設 図 -2.8 主桁ブロック分割図 16

24 に位置している 7). そのような厳しい条件下で, 大型 FC 作業ならびに航路上に台船を定点保持した主桁の直下吊上げ架設を行うため, 工事情報の一元化と第三者への周知徹底および広報のため, 海上工事期間中は 情報安全管理室 を設置して対応した 大ブロック架設 塔下部大ブロック, 斜ベント, 主桁大ブロック,JCC は製作工場など別の場所で一体に組立てて 4,18kN(4,1t) 吊大型 FC 海翔 で架設した. 架設状況を写真 -2.5 に示す. 架設地点における FC の係留は日の出から日没までに制限されたため, 各々の架設作業は昼間 1 日で終了させなければならなかった. そこで大ブロックは, 架設前日に港内の工場ドックから直接あるいは港内の埠頭岸壁で台船から FC により水切り, 架設時の姿勢にした後, 吊上げた状態のまま港内錨地へ移動, 仮泊した後, 翌朝現地まで吊曳航して架設した.FC の現地海域への入出や係留作業は定期船などが航行しない時間帯に行った. 本橋は, 桁下の航路制限高さを 65 m と国際航路基準を確保しているため,FC の吊上げ高さも相当に必要で, 一括架設作業の全てが可能な FC は 海翔 のみであった. JCC の設置 撤去作業はジブ高さ最大の 海翔 をもってしても吊上げ高さが限界で,JCC の一体組み高さを極力低く抑えるとともに玉掛け方法も工夫し, さらに大潮の満潮時に行った. 架設状況を写真 -2.6 に示す. 図 -2.9 架設順序 17

25 写真 -2.4 主桁バランシング架設 写真 -2.5 主塔下部大ブロック架設 写真 -2.6 クラインミングクレーン設置 主桁バランシング架設 中央径間は, 全断面ブロックを1 点係留で海上に定点保持した台船から, 桁上の二双式クレーンで吊上げ架設した. 側径間は, 断面を3 分割 ( 端部は5 分割 ) したブロックを塔付ジブクレーンで桁上に荷揚げし, 架設場所までトランスポータで運搬, 全旋回式トラベラクレーンでセンターブロック サイドブロックの順に架設した. 側径間の既設桁は両端をケーブルで支持された格子桁に, トラベラクレーン反力, 架設桁質量が載荷されておりそれに既設桁自重が加わり断面横断方向にたわみが生じている. この既設桁に無応力状態の架設桁を継ぎ合せることは, 断面同士の形状が異なり難しい. そこで図 -2.1 に示すように, サイドブロックのウェブ3つのうち外側 2つは自由の状態で架設し, 架設桁の3ブロックを全断面状態に一体化した後, 架設桁サイドブロックのウェブをジャッキで押し上げて仕口を合せた. 18

26 図 -2.1 側径間架設時の仕口合せ ケーブルはアンリーラーを使用してリールから繰り出し, 桁上に展開しながら塔頂クレーンでソケット部を吊上げ, 塔内サドルに定着後, 桁側の引込みに移った. 桁側引込み定着作業は, ウィンチでケーブル張力 196kN(2t ) 程度まで (1 次引込み ). ソケット先端に取り付けた 56mm の太径ワイヤーを 98kN (1t) クランプ+7,84kN(8t) センターホールジャッキで 784kN(8t) 程度まで (2 次引込み ). さらに太径ワイヤーをロッドに盛替えて, 概ね所定の張力まで引込む. この作業を左右ケーブルの片側ずつ行い, 最後に左右ケーブルを同時に引込み定着した. このようにして主桁 ケーブル架設は側径間桁 中央径間桁 側径間ケーブル 中央径間ケーブルの一連の作業をサイクルとして繰り返し, 中央径間と側径間をバランスさせながら進めて行った 主桁閉合 閉合ブロック架設に際して,2P 側の既設桁を 3mm 側径間側へセットバックしてクリアランスを確保した. 閉合ブロックは写真 -2.7 に示すように, 中央径間桁架設と同様に2P 側の二双式クレーンで吊上げ,2P 側の既設桁に連結した. この状態では, 閉合ブロックのもう一方の継手 ( 閉合継手 ) で 7mm 程度の段差が生じていた. この段差を桁上の架設機材の移動で 2mm 程度まで改善した後, セッティングビームのジャッキで調整した. 次に橋軸通りの修正 ( 約 5mm) をデッキ上面に取り付けた冶具で行った. その他に継手断面の上下 左右の隙間の不均等発生時に備え, 面内引込み設備をデッキ上面および下フランジ上面に各々 4 箇所設置した. この面内引込み設備は, 桁セットフォアー時の継手間隔調整に有効であった. 19

27 写真 -2.7 閉合ブロック架設 2.4 形状管理 計測項目および方法 図 に本橋で行った形状管理のための計測機器位置を示す. (i) 主塔倒れ計測 主塔倒れ計測は, 自動追尾型トータルステーションによるものとした. 本方式は, 塔頂と塔基部にプリズムを据付け, 既知点に設置したトータルステーションにて計測した各々の座標を倒れに換算するものである. (ii) 主桁キャンバー計測主桁張り出し架設時の精度管理は, 工場製作時の製作誤差などをケーブルのシム厚によって調整し計画通りに軌道修正しながら施工していく方法である. シム調整では主桁の局所的な変形が修正不可能であるため形状管理時においては桁の全体傾向を掴むことに主眼を置いた. 2

28 主塔倒れ計測用プリズム 女神側 木鉢側 ケーブル温度計測用ダミーケーブルケーブル振動数計測用加速度計 主桁キャンハ ー計測用連通管 2P 主塔計測用トータルステーション 主塔倒れ計測用プリズム ベント反力用歪ゲージ 主桁温度計測用熱電対 2P 計測小屋無線 LAN+PC+ 静ひずみ計 3P 計測小屋無線 LAN+PC+ 静ひずみ計 3P 主塔計測用トータルステーション 主塔温度計測用熱電対 ダミーケーブル断面 ケーブル温度計測用熱電対 計測データの受け渡し トータル ( 無線 LAN) 現地計測 ( 無線 LAN) 現地事務所ステーションハウス PC PC PC ( 有線 ) ( 無線 LAN) 主桁キャンハ ー計測用連通管 主桁温度計測用熱電対 基準点プリズム 各計測センサーよりのデータ なおキャンバーは, 主桁内部に連通管を通しプローブの水位から自動的に計測した. (iii) ケーブル張力計測 図 形状管理計測位置 ケーブル張力は, 振動法により計測を行った. ケーブルにサーボ型加速度計を取付け, アンプ フィルター A/D 変換の後, フーリエ級数変換から固有振動数を求めて張力に換算する. 過去の実績よりシム調整によりケーブル張力が影響を受けるのはおよそ3 段程度であるため, 主桁サイクル架設時のケーブル張力計測は, 上段 3 段のみとした. (iv) 温度計測温度計測は, 設計基準温度 (2 ) に温度補正する際の重要なデータである. 本橋では主塔 主桁 ケーブルの各温度を自動計測した. (v) 架設シミュレーション各架設段階の設計値 ( 形状 ケーブル張力 ) は, 有限変形理論に基づいた解体計算により行った. 各架設計測時には, 随時変化する架設機材の重量 配置をつど確認計測し計算に折込み, 必要に応じてシム調整感度, 温度感度を計算し補正必要時の基礎データとした. また, シム調整が必要となった場合は, 管理値と計測値を比較し最適シム調整厚を算出し, 短時間に調整厚を求められるようにした 架設精度管理基準と結果 (i) 管理項目と許容値管理許容値は, 実績橋梁を元に橋梁規模 構造形式 設計計算書により表 -2.2 のように設定した. 21

29 (ii) 主塔倒れ計測結果 塔倒れについては, 主塔ブロック継手部にメタルタッチ部を設けて工場仮組を現場で再現することで架設誤差を極力小さくする対策を図った結果, 表 -2.3 に示すように許容値を大きく下回る良好な結果となった. (iii) 主桁キャンバー計測結果表 -2.4, 図 に主桁閉合後の計測結果を示す. ベントの連結時, 開放時および側径間, 中央径間の閉合時には, 大きな実測値の変動が見られたが, 架設中の桁ブロックの角折れ 架設資機材の計測誤差 ケーブルの実 仮剛性差など当初懸念していた問題も少なく, 架設中 閉合後ともに精度管理目標値を超過することなく精度管理を行うことが出来た. 表 -2.2 管理項目と許容値 管理項目 主桁キャンバー 塔の倒れ ケーブル張力 許容値 δa=±(l/2,): 名港西大橋 大島大橋実績より 中央径間( 支間長 L=48m) δc=±(48,/2,)=±24mm 側径間 ( 支間長 L=2m) δc=±(2,/2,)=±1mm δa=±(h/2,) =±(17,/2,)=±85mm ±1mm 完成時の張力が設計許容張力を超えないものとする 表 -2.3 主塔倒れ計測結果 ( 面外 ) 状態 桁閉合後 ( 舗装前 ) 塔 2P 3P 計測結果 ( 誤差 ) N 柱 S 柱 1/3275 1/23944 (5.3mm) (7.1mm) 1/2125 1/27419 (.8mm) (-6.2mm) 4P 側 ( 女神 ) 側に倒れる方を + とする 22

30 表 -2.4 主桁キャンバー計測結果 状態 塔 計測結果 ( 誤差 ) 最大最小 桁閉合後 2P 側径間 +54.8mm -6.2mm ( 舗装前 ) 中央径間 +49.4mm -46.mm P 側径間 +9.3mm -57.6mm 鉛直上方を + とする 図 主桁キャンバー計測図 (iv) ケーブル張力計測結果 架設中のシム厚調整を想定し, 調整プログラムを用意していたが結局, 架設途中の現地シム調整は実施しなかった. 完成時の形状 張力を満足することが目的であり, 架設中の誤差要因について完成時に残値するものか否かを適宜判断した結果である. 閉合後 ( 舗装前 ) の最終計測状態でのケーブル張力誤差は, いずれのケーブルも, 完成状態で設計張力を超過することなく精度管理目標値を満足する結果となった. 23

31 参考文献 1) 中瀬和敏, 有吉正敏, 北原雄一, 甲斐富岳, 今金真一, 上田浩之 : 女神大橋上部工の施工, 橋梁と基礎,Vol.38,No.12,pp.2-14,25. 2) 本州四国連絡橋公団 : 本州四国連絡橋耐風設計基準 同解説, ) 本州四国連絡橋公団 : 明石海峡大橋耐風設計要領 同解説, ) 本田明弘, 深堀清二, 今金真一 : 地形乱流中における斜張橋のガスト応答に関する研究, 第 15 回風工学シンホ シ ュウム, pp , ) 岩永克己, 本田明弘, 今金真一 : 女神大橋主桁断面の耐風性について, 第 5 回土木学会全国大会講演概要集第 Ⅰ-75, pp , ) 今金真一, 藤田武彦, 本田明弘,: 女神大橋完成系主塔の耐風性について, 第 51 回土木学会全国大会講演概要集第 Ⅰ-A249, pp , ) ( 社 ) 西部海難防止協会 : 女神大橋建設工事に伴う船舶航行安全対策調査専門委員会報告書,

32 第 3 章斜ベントのスイング撤去工法の検証 3.1 はじめに 第 2 章で示したとおり, 本橋の主桁架設において航行船舶への影響を考慮する必要から, 大型起重機船を停泊させた連続の架設作業が実施できなかった. このため, 塔付主桁に配置したトラベラークレーンを用いて, えい航された台船上の主桁単ブロックを吊り上げ架設し, 左右に張り出すバランシング架設工法が採用された. この工法の場合, 通常トラベラークレーンの作業スペースとなる搭付の主桁を支えるベントが必要となる. 直ベント形式では, 設置位置が航路内となり航行船舶への影響が大きいため, 本橋では, 主塔基部から張り出す斜ベント形式とした. 斜ベントの設置は, 国内最大級 4,18kN 吊の大型起重機船を用いて上空から吊り込んで一括設置ができたが, 撤去の場合は主桁閉合後の作業となることから, 主桁裏面に位置する斜ベントを吊り上げて撤去することは不 1) 1) 可能であった. このため従来工法は, 多々羅大橋, 名港中央大橋等で実施されたような大型起重機船 2 基の相吊による倒し込み撤去であった. 本橋の場合, 側径間側が陸上部にあるため, 斜ベントの倒し込みを行うには, 海上部から国内最大級の起重船を用いても作業半径不足となり使用不可能であった. 陸上クレーンでの撤去も検討したが, 側径間に斜面および日交通量約 3 万台を有する国道が位置しており, 撤去材である斜ベントの直下に作業ヤードが確保できないことから困難であった. このようなことから, 既設桁を利用した撤去工法としてワイヤクランプジャッキによる吊り下げ撤去工法を採用した. しかしながら側径間直下の規制条件からどうしても吊り降ろしながら横移動 ( スイング ) の必要があ 2) 3) った. イルティッシュ河橋梁, 白鳥大橋等の吊橋では, リフティグビームと仮ハンガーロープ等を用いたスイング工法の実績があるが, ワイヤクランプジャッキによるスイング工法は, 本工事が初めてであった. 本章では, この女神大橋斜ベントの撤去作業を対象として, ワイヤクラ 4) ンプジャッキによるスイング撤去工法の考察を行った. まず, 撤去材のスイングには, ワイヤクランプジャッキのワイヤを途中で転向させる必要があったため, モノマーキャスト (MC) ナイロン製のワイヤガイドを作成後, 耐久性試験を実施し, ワイヤ転向箇所の緩衝材として利用可能であることを確認した. 次に実工事において, このワイヤガイドを使用したワイヤ転向設備を桁内に配置し, ワイヤクランプジャッキを用いたスイング撤去工法の有効性を実証した. 25

33 単位 :mm 3.2 斜ベント撤去工法の検討 図 -3.1 に橋梁側面図を示す. 主橋梁部は全長 88m で国内 6 番目の支間長となる 48m を有する 5). また, 中央径間海上部やや 3P 側に法定航路が位置し側径間は陸上部である. また, 港内に大型 LNG 船などを建造する造船所および大型観光船が停泊する岸壁があり, これら大型船舶の航行を考慮し 65m の桁下空間を確保している 斜ベントの基本諸元 斜ベントの設置は, 主塔下部大ブロック架設後,4,18kN 吊級の大型起重機船を使用して, 側径間側, 中央径間側と順次行った. 設置状況を写真 -3.1 に示し, 斜ベントの一般図を図 -3.2 に示す. 前述のように本橋は大型船舶の航行を考慮して桁下高さを 65m 確保していることから, 斜ベントも主斜材長が 7m を超える大型のものとなった. 斜ベント本体重量は 7,739kN で本体他の撤去部材は水平沓 157kN, 鉛直沓 322kN, 上部ペンデル沓 43kN, 上部水平沓 67kN であった. 国道 499 号 図 -3.1 女神大橋の側面図 写真 -3.1 斜ベントの設置状況 26

34 単位 :mm 図 -3.2 斜ベントの一般図 撤去工法の検討 斜ベントの撤去は従来, 写真 -3.2 に示すように大型起重機船を用いた海上作業が多い 1). 本橋の場合, 中央径間側では 21,56kN 吊級の大型機重機船を使用すれば航行船舶への影響はあるものの海上作業による斜ベント解体は可能であった. しかし, 側径間側の陸上部は 2P 側直下が山地斜面,3 P 側直下には国道が通っていため, 海上からの作業は国内最大級の大型起重機船を要しても作業半径不足となり利用不可能であった. 陸上クレーンにしても撤去材の直下に作業ヤードが確保できないため利用できなかった. このため, 既設の主桁を利用した撤去工法として, 既に他橋で多くの施工実績があるワイヤクランプジャッキを桁上に配置した撤去工法が有効と判断し, 検討を行った. ワイヤクランプジャッキの一般図を図 -3.3 に示し, その特徴を以下に示す. 27

35 写真 -3.2 名港中央大橋の大型起重機船によ る斜ベント撤去の事例 上クランプ ワイヤ 上下クランプが伸縮 下クランプ 図 -3.3 ワイヤクランプジャッキ一般図 a) 吊材に鋼棒ではなくワイヤロープを使用することで, 吊点位置が多少異なっても柔軟な対応が可能. b) 張力によってワイヤ自体が適度に伸縮するため, 張力管理が容易. 28

36 次に, ワイヤクランプジャッキを使用した主要な橋梁の工事実績を表 -3.1 に示す. この中でワイヤクランプジャッキの作業は直線方向のみであった. 本橋側径間においては, 架橋地点の地形的要因から斜ベントを直下の斜面や道路を避けて横移動をしながら橋脚上へ吊り降ろす必要があった. そこで, まず下部斜材を先行して撤去した後, 上部の三角形部分を吊り降ろしながら橋軸方向への横移動を伴う, 段階的な撤去工法を検討した. 表 -3.1 ワイヤクランプジャッキ工事実績 年. 月 橋梁名 工事概要 使用台数 S62.7 横浜ベイブリッジ 斜張橋ケーブル引込み 2 連型 4 基 H2.7 生口橋 斜張橋ケーブル引込み 4 台 H4.1 東神戸大橋 斜張橋ケーブル引込み 4 台 H4.1 東神戸大橋 塔頂クレーンジャッキダウン 4 台 H4.1 芝航路橋 斜張橋ケーブル引込み 4 台 H6.5 白鳥大橋 移動防護工吊上げ 2 台 H6.6 明石海峡大橋 ハンガー引込み 12 台 H8.1 多々羅大橋 斜張橋ケーブル引込み装置 4 台 H8.6 来島第一大橋 サドル上ストランドフリーハング引寄せ 4 台 ( 2) H8.6 来島第二 三大橋 キャットウォークワイヤ引込み 1 台 ( 16) H8.6 来島第二 三大橋 サドル上ストランドフリーハング引寄せ 4 台 ( 6) H9.6 来島大橋補剛桁 リフティングビーム走行装置引上げ 2 台 ( 2) H1.2 那珂川橋 桁吊り上げ 4 台 H13.9 藁科川橋 移動型枠ジャッキダウン 4 台 H14.8 玉光橋 桁ジャッキダウン 6 台 H16.1 内牧高架橋 移動型枠ジャッキアップ, ダウン 4 台 29

37 3.3 ワイヤクランプジャッキを用いた斜ベントの横移動撤去 中央径間と側径間の斜ベント撤去のため表 -3.2 に示すように 2P 側と 3 P 側にそれぞれ 32 基のワイヤクランプジャッキを配置した. 次に側径間斜ベントの撤去ステップを図 -3.4 を示す. 側径間斜ベント撤去の際は A,B,D に配置したワイヤクランプジャッキを使用した. まず, 斜ベントと桁の連結を解除後, メッセンジャーワイヤと D 位置のワイヤを連結し, 先行して斜ベント下部を切離し吊り降ろす. 次に, 斜ベント本体を A,B 位置のワイヤクランプジャッキを用いて鉛直降下させ, その後 D 位置のワイヤクランプジャッキで回転横移動させる. 最後に A,D 位置のワイヤクランプジャッキで水平位置を調整後, 地上の仮受け架台に降ろす. 途中, 斜ベント本体の回転横移動の際に B から D のワイヤヘ張力移動が必要となり, 桁下フランジ部でワイヤが最大 45 転向することがわかった. この時, クランプジャッキ設備から繰り出されるワイヤロープは水平力が作用した状態で送り出されるため, 下フランジにワイヤ転向設備が必要となった. 表 -3.2 ワイヤクランプジャッキ配置数量 側径間中央径間合計 2P 4 基 4 箇所 =16 基 4 基 4 箇所 =16 基 32 基 3P 4 基 4 箇所 =16 基 4 基 4 箇所 =16 基 32 基 3

38 図 -3.4 斜ベント撤去ステップ 31

39 大型起重機船および陸上クレーンの移動式重機の場合は, 自らの移動によって吊点に対してワイヤが鉛直になるよう, 追従が可能であるが, 本件では前述の地形的条件から使用不可能であった. 転向設備としては従来, 滑車などが使用される事例が多い. しかし本件の場合は既設桁内の狭隘なスペースでの作業となることから可能な限りコンパクトにする必要があり, 使用回数も1 回限りであったことから, 滑車などによる機械設備は不向きであった. そこでワイヤ転向部の摺動箇所に緩衝材としてワイヤガイドを設置するため, 写真 -3.3 に示すようなMCナイロン製のワイヤガイドを作成した. 写真 -3.3 は実工事で使用されたもので, ガイド中央部にワイヤ摺動跡が見える. MCナイロンは, ナイロン特性を向上させ, 優れた機械的強度と耐摩耗性, 耐熱性, 自己潤滑性に優れた素材であり, 車輪や歯車などでの多く使用されている. 当工事において作成したワイヤガイドは, 恒常的な使用ではなく今回限りの使用であったことから,MCナイロンの中で最も基本的 6) な素材で汎用性があり廉価であった表 -3.3 に示す物性の素材を採用した. ワイヤ摺動跡 ワイヤガイド 写真 -3.3 MC ナイロン製のワイヤガイド 32

40 表 -3.3 MCナイロン物性 試験方法 ASTM 数値 単位 比重 D 引張強度 D N/cm 2 伸び D % 引張弾性率 D N/cm 2 圧縮強度 降伏点 D N/cm 2 5% 変形 D N/cm 2 圧縮弾性率 D N/cm 2 曲げ強度 D N/cm 2 曲げ弾性率 D N/cm 2 ロックウェル硬度 D R スケール 融点 222 線膨張係数 D / 吸水率 ( 水中 平衡 ) 6. % D-57 ( 水中 24hr).8 % 3.4 MC ナイロン製ワイヤガイドの耐久試験 実工事で求められる以下の性能を確認するため MC ナイロンの耐久試験を実施し, 以下のことを確認した. a) 工事予定である 1 月の現地平均気温約 5 から 6 で使用が問題ないこと. b) 中央径間側ジャッキで斜ベントの横移動開始の際に生じるワイヤ転向角度 45 の状態でワイヤ移動量約 7m の摺動が問題ないこと. c) 斜ベントを吊下げ横移動する際, 側径間側ジャッキに生じるワイヤ張力 781kN で問題ないこと 試験要領 試験要領を図 -3.5 に示す.MC ナイロン製ワイヤガイドから 45 方向にワイヤを転向させ, この状態からジャッキで張力を導入し MC ナイロンに支圧を作用させながらワイヤをストローク長 5cm/ 回で送り出した.MC ナイロン製ワイヤガイド部の耐久性 ( 摩耗性 ) を確認するため, 写真 -3.3 に示したワイヤガイド端部の図 -3.6 に示す箇所の摩耗量を計測した. 33

41 1TON 11ST CH ジャッキ MC ナイロン 作動要領図 手順 3 ワイヤクランプ装置のストロークエンド ワイヤクランプ装置 56mm ワイヤロープ 試験架台 手順 1 ワイヤクランプ装置を開放して ジャッキを伸張させるジャッキを伸張完了後 クランプ装置締め付け 手順 4 ストロークの盛り換えを行う 荷重を開放して ワイヤクランプ装置を伸張させる CHジャッキは圧抜きを開放する 手順 2 手順 5 1TON CHジャッキを加圧すると同時にクランプ装置を荷重を保持状態で圧抜きする 盛り換え完了後 手順 1 へ 図 -3.5 MC ナイロンワイヤガイド試験要領 ワイヤ φ56mm 摩耗量計測箇所 (mm) 図 -3.6 MC ナイロンワイヤ ガイド摩耗量計測箇所なお, 張力はトン表示のジャッキゲージで視認が容易な様に 784kN(8t) とした. また, 試験素材が温度への依存性が高いことが予想されるため, 前述 a) で示した試験時期は, 実工事時の想定気温より高い3 月に実施した. なお, その試験日の平均気温は 11 であった. 34

42 (mm) 4 MC ナイロン摩耗量 (mm) ストローク回数 冷却無し冷却無し冷却有り冷却有り ( 回 ) ( 回 ) 図 -3.7 MC ナイロンワイヤガイドの耐久性 試験結果 冷却無し試験 図 -3.7 にジャッキストローク回数と摩耗量の関係を示す. 1~1 ストローク迄は, ワイヤとワイヤガイドが線接触するために支圧による変形の影響が大きく摩耗量の増大が大きい. 2 ストロークにおいて, 素手ではワイヤを触わることが出来ない状態となり, 摩擦熱によるかなりの温度上昇が確認された. 3 ストロークにおいて, 摩擦熱が更に上昇したために,MC ナイロン接触面が溶解し, 摩耗量が一気に増大したものと考えられる. なお, 摩耗量急増による危険性から 3 ストローク目 (15m 送り出しに相当 ) で冷却無し試験を中止した. この時の冷却無し試験の MC ナイロンワイヤガイドの摩耗状況を写真 -3.4 に示す. 一部にワイヤ摩擦熱による溶解の箇所が点在している 冷却有り試験 冷却無し試験により,MC ナイロンは温度依存性が高いことが確認された. このため実工事では MC ナイロンの温度依存性の影響を抑えるための冷却が不可欠と判断し, 冷却有り試験を実施した. 水道水で冷却を行った場合の MC ナイロンの摩耗量とジャッキストローク回数との関係を図 -3.7 に示す. 1~1 ストローク迄は冷却無しと同様に, ワイヤとワイヤガイドが線接触するために支圧による変形の影響が大きく摩耗量の増大が大きい. 35

43 摩耗による 溶解が点在 写真 -3.4(a) MC ナイロン摩耗状況 ( 冷却なし ) 写真 -3.4(b) MC ナイロン摩耗状況 ( 冷却なし ) 2 ストロークにおける摩擦熱による正確な温度上昇は計測値がないので不明であるが, 人が触れてやや温度の上昇を感じる程度であった. 3 ストローク辺りより線接触から面接触に移行し, 摩耗量の増加が落ち着くとともに線形的な増加傾向に移行する. 実工事の場合, 本工法での最大ストローク数は約 14 回が推測される. 図 -3.7 より約 14 回ストローク時の摩耗量は,2mm 程度と予想されることから, 実工事における MC ナイロンの摩耗量の許容値を 2mm と設定した. 36

44 3.4.4 試験結果 MC ナイロンの耐摩耗性は温度依存性が高いが, 水冷による冷却を行うことで, 実工事での採用は可能と判断した. また, 実工事の際は, 熱上昇していないワイヤが繰り出されることにより本試験ほどの悪条件にはならないと推測される. なお, 実工事の直前には実工事での機材を用いた確認試験を実施し, 本耐久性試験結果の再現性を確認した. 3.5 ワイヤ角度転向設備 耐久試験の結果を踏まえ, 実工事においては, 水タンクを配置し下フランジに設置した MC ナイロン製のワイヤガイドを毎分 1l の冷却水で水冷できるよう配管設備を設置した. 更に,MC ナイロンの形状を初期状態から面接触となるように改良を行い, 安全性を高めることとした. 写真 -3.5 に下フランジに設置したワイヤガイド転向部分を示す. 設備はアップリフト止め金具により強固に固定するものとした. 図 -3.8 に MC ナイロン製ワイヤガイド設置図を示し, 写真 -3.6 に実工事でのワイヤクランプジャッキの設置状況を示す. アップリフト止設備 MCナイロンワイヤガイド 冷却水配管設備 写真 -3.5 ワイヤガイドの転向部分 37

45 また, ワイヤが転向することでワイヤガイドに浮き上がり力 ( アップリフト ) が発生するため試験を実施した. 耐久試験と同様に 784kN(8t) まで段階的に張力を導入し, 各段階での浮き上がり力を計測した. 試験要領と計測結果を図 -3.9 および表 -3.4 に示す. この結果に基づき桁内を補強し写真 -3.5 に示すアップリフト止め設備を配置した. ワイヤローフ ワイヤクランフ シ ャッキ 主桁上フランシ 主桁 主桁下フランシ MC ナイロンカ イト 最大 45 図 -3.8 MCナイロン製ワイヤガイドの設置 写真 -3.6 ワイヤクランプジャッキの設置状況 表 -3.4 浮き上がり力試験 張力 kn(tf) 浮き上がり力 kn(tf) 98(1) 26(2.7) 196(2) 42(4.3) 294(3) 56(5.8) 392(4) 77(7.9) 49(5) 97(9.9) 588(6) 118(12.) 686(7) 138(14.1) 784(8) 154(15.8) 図 -3.9 浮き上がり力試験要領 38

46 図 -3.1 ワイヤとクランプコレット組合せ図 3.6 ワイヤクランプジャッキを用いた実工事 ワイヤクランプジャッキ設備の概要 主要資材のワイヤは G IWRC 6xWS(31) G/O 特別種 56mm を 4m を 16 本, 1m を 32 本,15m を 8 本使用した. ワイヤの端末加工は巻き始めにはO 形ソケット加工, 巻き終わりには IWRC ベケット加工および吊金具を施した. また, 実際に使用するワイヤロープ全数を事前にワイヤクランプコレットに貫通をさせワイヤ直径の誤差を確認した. 図 -3.1 にワイヤとワイヤークランプコレットの組合せ図を示す. また, 前述の表 -3.2 に示したように2P 側,3P 側ともに 32 基のワイヤクランプジャッキをコンピュータ制御による一括操作を行った 施工および安全管理 工事を実施するにあたり施工および安全の管理について以下の事項を実施した. a) 斜ベントを横移動する際のワイヤクランプジャッキの張力移行は, 制御コンピュータによる一括制御とし各ワイヤクランプのワイヤ繰出長およびワイヤ張力が計画値を超過しないよう慎重な管理を行った. b) 各ワイヤクランプのストローク差は,4cm 以上の差が発生しないよう制御コンピュータで監視するとともに, ワイヤの 5m 毎にマーキングを施しワイヤの繰出し誤差を目視で常時監視した. c) ワイヤクランプジャッキの上下クランプが同時開放しないよう鍵付のインターロックを装備し, 作業中は解除不可能とし人為的操作ミスが発生しないようにした. d) 不測の事故への安全対策として 1 格点をワイヤ 4 本の構成とし, うち 1 本が破損しても荷重保持が可能とした. また,1 吊点にワイヤクランプジャッキ 4 台を配置し, うち 1 台が破損しても荷重保持が可能とした. 更に, ワイヤクランプジャッキの油圧管を 2 系統とし, うち 1 系統が破損しても作業継続が可能な計画とした. 39

47 3.6.3 斜ベント撤去作業実施結果 まず, 主斜材の下部を切り離し撤去後, ワイヤクランプジャッキを使用して斜ベント上部を回転させ, 主塔の両足間を潜り抜け橋脚上へ吊り下ろした. 斜ベント撤去のスイングは,B 点から D 点のジャッキワイヤへスムーズに張力移行ができた. この時, ワイヤ転向角度は最大 39.2, 最大ワイヤ張力は 627kN,MC ナイロンガイドの摩耗量は 1mm 以下であり, 全て想定値以下で無事に工事が完了した. 側径間斜ベント撤去状況を写真 -3.7 から写真 -3.9 に示す. 写真 -3.7 斜ベント直下吊下げ状況 写真 -3.8 斜ベントスイング撤去状況近景 4

48 写真 -3.9 斜ベントスイング撤去状況 3.7 まとめ 本章は, 女神大橋の斜ベントを対象として, ワイヤクランプジャッキによるスイング撤去工法に関する考察を行った. 結果を以下にまとめる. (1) 材料試験により耐久性を確認した MC ナイロンをワイヤ転向設備の緩衝材として利用することで, 桁内の狭小なスペースに収まるワイヤ転向設備が製作できた. (2) ワイヤ転向設備の装備によりワイヤクランプジャッキによるスイング撤去工法を実証した. (3) ワイヤクランプジャッキによるスイング工法が可能となることで, 従来, 大型機械を使用していた箇所でワイヤクランプジャッキの適用機会が拡大すると推察され, 大型機械を使用しないことでのコスト縮減および工期の短縮も図ることもできると考える. 参考文献 1) IHI ホームページ : ihi_hp26/ kasetsu/ balancing/balancing_flow/balancing_flow_step7.html. 2) 宮田明, 船木正志, 山本裕一, 工藤光弘, 加藤千明 : カザフタン共和国 イルティッシュ河橋梁 建設工事, 石川島播磨技報 ( 橋梁特集号 ),pp ,21. 3) 石川孝 : 白鳥大橋補剛桁の架設 ( スイング工法架設 ), 技報まつお,No.32,pp.89-1, ) 北原雄一, 三好哲典, 高橋昌義, 高橋和雄 : 女神大橋斜ベントのスイング撤去工法に関する考察, 土木学会論文集 F,( 登載決定 ) 5) 中瀬和敏, 有吉正敏, 北原雄一, 甲斐富岳, 今金真一, 上田浩之 : 女神大橋上部工の施工, 橋梁と基礎,Vol.38,No.12,pp.2-14,25. 6) 日本ポリペンコ ( 株 ) 製品カタログ : /products/mc_ny/product_cha.html. 41

49 第 4 章架設時の 36 号台風による動的挙動の評価 4.1 はじめに 長大橋の耐風対策として, 代表的なものに制振装置の設置が挙げられる. 設置に際して橋梁規模, 架橋条件等に応じ, 事前に風洞実験を実施し諸条件を決定後, 制振装置の設計を行っている 1). 制振装置は完成時はもとより架設時でも, 橋体に渦励振等が発生する場合, 溶接継手部等の疲労への影響, 現場溶接作業の効率化および作業環境の改善のために採用されることがある. 架設時は設置可能箇所が限られ, 作業の進行によっては装置を移設する必要もあることからコンパクトで取り扱いが容易なTMDが多く採用される. 架設途中は完成時と比べ不安定な形状も存在するため, 品質, 工程および作業効率等の施工管理を行う上で, 架設時の制振効果を確認することは非常に重要なことである. しかしながら, 制振すべき形状は架設の進行によって刻々と変化する. 制振効果を確認するため, そのつど, 架設作業を中断して大型起振機等による振動実験を実施することはできない. このため, 短時間で低風域から高風域が発生する大型台風来襲時の橋体の動的挙動から, 架設時制振装置の効果の検証を行うことは有効であると考えた. 架設途中での大型台風来襲時の動態観測記録は, 東神戸大橋 ( 鋼斜張橋, 最大支間 485m) 2), 明石海峡大橋 ( 鋼吊橋, 最大支間 1,991m) 3), 名港東大橋 ( 鋼斜張橋, 最大支間 41m) 4) があるが, この時動態観測を基に架設時制振装置の効果の検証までは至っていない. 5) 本橋では, 事前に風洞実験を実施した結果, 架設時に橋体の渦励振の発生が予想されたため,TMDが配置された. 本章では, 架設地点を直撃した 36 号台風の観測資料と架設途中にあっ 6) た女神大橋 2P 主塔とTMDの動態観測結果をとりまとめRD 法によって減衰波形を求め, この減衰波形から対数減衰率を求める 7). さらに, 主塔を1 自由度系のモデルに置き換え制振装置が作動している主塔応答の実測結果から, モーダル風外力を推定し, このモーダル風外力を用いて制振装置非作動時の主塔応答の推定を行い, 制振装置作動時の主塔応答と比較をすることで, 架設用に設置したTMDの制振効果を検証した. 書式変更 : 箇条書きと段落番号 号台風来襲時の女神大橋の概要 架設状況 5) 女神大橋の風洞実験の結果, 完成時の耐風安定性を向上させるため塔および桁断面の開発, フェアリング, 整流板の配置, 検査車レール位置の最適化検討を行った. さらに架設時においてもTMDを設置し, 完成まで 42

50 の間, 架設時のTMDチューニング用データ収集のために, 現地の風特性, 主塔および制振装置重錘の動態観測を行った. 続いて主塔上部の単ブロックを塔付主桁大ブロックに配置した 1,568kN 吊級の塔付タワークレーンを用いて架設し継手部を現場溶接した. この工程を繰り返し主塔を完成させた 8). 本橋の架設は, 架設地点の地形的要因より主桁架設にフルバランシング工法を採用した 8).36 号台風が来襲した時は2P 主塔架設完了直後で主塔上部単ブロック架設に使用した塔付タワークレーンの撤去前であった. 塔付主桁大ブロックを支える斜ベントは設置済みであるものの主塔は完全に独立した状態であった. この時の状況を写真 -4.1 に示す. 書式変更 : 箇条書きと段落番号 女神大橋の制振諸元 台風来襲時の架設形状 ( タワークレーン付主塔独立 ) での主塔制振諸元 5) は既に風洞実験および振動解析等により検証済みであり, その結果を表 -4.1 に示す. なお, 本表に記載されている許容振幅は, 主塔の発生モード最大点の振幅である. 写真 -4.1 台風来襲時の 2P の状況 43

51 表 -4.1 台風来襲時の主塔制振諸元 制振諸元 面外振動ねじれ振動 1 次 2 次 3 次 1 次 許容振幅 (m) 振動数 (Hz) 有効質量 2,796. (kn s 2 /m) 1, ,683.6 等価質量 (kn s 2 /m 2 ) 必要減衰 δ req 主塔実振幅 max(m) 決定要因 加速度 疲労 書式変更 : 箇条書きと段落番号 4.3 制振装置の設計 諸元の決定 制振装置の基本諸元を表 -4.2 に示す. 表 -4.2 に記載している基本設計振動数は TMD 設計時の基本値であり ±1% 範囲でチューニングを行い架設状況に応じた固有振動数へ調整する. 例えば,E1 の場合.122Hz~.149Hz が調整可能な範囲となる. (i) 設計減衰 ( 対数減衰率 )δ des 1) 耐風設計基準 同解説 1976 本四公団に準じ, 独立塔の構造減衰として対数減衰率 δ s =.1 とした. 設計減衰 δ des は振動解析や風洞試験の精度を考慮して明石海峡大橋制振 3) 対策と同様に安全率を 1.2 とし, 以下の式 (1) より算出した. δ des =1.2δ req -δ s (1) ここで,δ des : 設計減衰 δ req : 必要減衰 δ s : 構造減衰なお, 必要減衰 δ req が構造減衰 δ s 以下, および共振風速が設計風速を超えるものは制振対象から除外した. (ii) 設置位置 TMD の性能を充分に発揮させるため制振対象モードで振幅値が大きい位置に極力設置するものとした. また, タワークレーン等に TMD を取り付け,TMD の移設が少なくなるよう取付け位置を検討した. 書式変更 : 箇条書きと段落番号 書式変更 : 箇条書きと段落番号 44

52 TMD諸元 表 -4.2 制振装置の諸元 制振装置 架設時 完成時 タイプ E1 E4 E3 C1 制振目的 主塔面外主塔面外主塔ねじれ主塔面内 1 次振動 2 次振動 1 次振動 2 次振動 制振方式 9) 単振子単振子単振子多段振子パッシブ方式パッシブ方式パッシブ方式パッシブ方式 (1 方向 ) (1 方向 ) (1 方向 ) 装置重量 (kn) 重錘重量 (kn) 重錘設計振幅 (m) 基本設計 振動数 fd(hz) 設置台数 1 台 2 台 4 台 4 台 (iii) TMD の種類 TMDのバネ取替え等チューニングすることで,1 台のTMDが架設進捗によって異なる複数の振動数に対応できるような設計諸元とし,TMD の種類が最小となるようにした. (iv) 制振装置の減衰定数 h d 設計減衰とTMD 重錘の振幅許容値を満足させるようTMDの振動数と減衰定数を変化させた2 質点系解析を行い 9),TMDの減衰定数をh d =.35 と決定した. この時, 主塔振幅とTMD 重錘振幅の最大応答倍率 Φは約 1.6 であった TMD の配置 架設の進捗によって必要となる TMD は変化するが, 設置, 撤去, 移設作業を最小とするため, 架設進捗によっては必要とされない TMD も現地に設置した. 台風来襲時の架設進捗における制振装置の配置を図 -4.4 に示す. なお, 図 -4.4 内 * 箇所が対象架設ステップで必要な TMD である. 書式変更 : フォント : 1 pt 書式変更 : フォント : 1 pt, 文字の倍率 : 1%, 文字間隔広く / 文字間隔狭く ( なし ) 書式変更 : フォント : 1 pt 書式変更 : フォント : 1 pt, 文字の倍率 : 1%, 文字間隔広く / 文字間隔狭く ( なし ) 書式変更 : フォント : 1 pt 書式変更 : フォント : 1 pt, 文字の倍率 : 1%, 文字間隔広く / 文字間隔狭く ( なし ) 書式変更 : フォント : 1 pt 書式変更 : フォント : 1 pt, 文字の倍率 : 1%, 文字間隔広く / 文字間隔狭く ( なし ) 書式変更 : フォント : 1 pt 書式変更 : フォント : 1 pt 書式変更 : 箇条書きと段落番号書式変更 : 箇条書きと段落番号書式変更 : 箇条書きと段落番号 45

53 書式変更 : 箇条書きと段落番号 4.4 主塔動態観測の方法 2P 主塔独立時の計測項目と計測機器, 計測内容を表 -4.3 に示す. 主塔, 主桁および制振装置重錘の各位置で計測されたセンサーの電圧信号 ( アナログ信号 ) は増幅後, デジタル信号に変換され,PC にて即時解析され最大風速, 平均風速, 平均風向, 固有振動数および最大加速度値を算出し, データ保存した. 塔頂の加速度計と TMD-E 3 の変位計設置状況を写真 -4.2 および写真 -4.3 に示す 号台風来襲時の主塔の動的挙動 TMD-C1 *TMD-E3 塔頂クレーン TMD-C1 TMD-C1 *TMD-E3 TMD-E4 *TMD-E1 書式変更 : 箇条書きと段落番号 台風の経路 TMD-E3 *TMD-E3 23 年 6 月 13 日 1hPa で発生した 36 号台風は九州西海岸沖を北上し 6 月 18 日西表島を通過後,6 月 19 日朝に長崎県に最接近し, 翌日 6 月 2 日 985hPa で温帯低気圧となった. 1) 36 号台風経路と通過時間を図 -4.5 に示す. TMD-E3 TMD-C1 *TMD-E3 *TMD-E1 *TMD-E3 TMD-E3 *TMD-E3 TMD-C1 *TMD-E3 図 -4 台風来襲時の TMD 配置図図 -4.4 台風来襲時のTMD 配置 46

54 加速度 TMD 外枠 変位計 塔頂のダイヤフラムに C ク ランプで加速度計を設置 写真 -4.2 塔頂ダイヤフラム加速度計 設置状況 写真 -4.3 塔頂 TMD-E3 重錘変位計 設置状況 表 P 主塔独立時の計測項目 機器一覧 計測項目計測機器計測内容 風向 風速風向風速計主塔頂部の風向風速 主塔加速度 サーボ型加速度計 主塔頂部の橋軸 橋軸直角振動 主塔中間部の橋軸振動 主桁加速度サーボ型加速度計主桁中央径間の鉛直 橋軸直角振動 TMD 変位変位計 TMD-E1,E3,C1 重錘挙動 図 号台風の経路 47

55 4.5.2 主塔の風向 風速分布 書式変更 : 箇条書きと段落番号 図 -4.6 に女神大橋 2P 塔頂に設置した風向 風速計による 6 月 19 日 8: ~2: 間の計測結果を示す. 台風が接近した 8:3~12:3 の約 4 時間において, 瞬間最大風速 :38.6m/s, 1 分間平均風速 : 21.1~ 26.5m/s, 橋軸直角方向 ( 南西 ) の風が観測された. 風速 ( m / s ) JCC_TMD-E1 風速 平均風速 最大風速 4 JCC_TMD-E1 風向 注 ) 風向 : 北側から吹く風 = 風向 ( d e g ) 時刻 N 橋軸 (2P 側 ) 3m/s 27 W E 橋軸 (3P 側 ) S 18 注 ) 風向 : 北側から吹く風 = 図 -4.6 女神大橋 2P における風向 風速分布 (36 号, :~2:) 48

56 4.5.3 主塔橋軸方向の振動計測結果 書式変更 : 箇条書きと段落番号 6 月 19 日 1:3~13:3 間の2P 主塔での風速, 風向と振動計測の結果 を表 -4.4 にまとめ, その時の平均風速と主塔頂部の橋軸方向変位の関係を 図 -4.7 に示す. 主塔頂部の変位は風速 23m/s 付近で最大の約 344mm( 片振幅値 ) であっ た. また, 風速が 23m/s より速くなると主塔振動は減少する傾向にある. 事前に実施した風洞実験 ( 照査風速 49m/s) では発散振動の発現はなく 表 P 主塔と風および振動計測結果一覧 時刻 最大風速平均風速平均風向主塔 J21 橋軸主塔 J21 橋軸 E1 重錘変位 (m/s) (m/s) (deg) 加速度 (Gal) 変位 (mm) (mm) 1: : : : : : : : : : : : : : : : : : : 注 1) 風向は3P 橋軸方向から吹く風を 度とする. 2) 主塔変位は計測された加速度波形の数値積分から求めた. 図 -4.7 風速と主塔頂部変位 ( 橋軸方向 ) の関係 49

57 渦励振のみ発現が確認された. 今回の計測では橋軸直角方向の風である風速以上では変位が低下しているので渦励振と判断される. しかし, 風洞実験において渦励振が発現した主塔面外 1 次振動時の風速は 1m/s 以下であったのに対し, 実測では風速 23m/s 付近とかなり乖離していた. これは, 例えば主塔と桁の相互作用の影響で構造体の重量が大きくなり振動発現風速が高くなったこと, 層流状態の風洞試験に対し, 乱流下の実測で共振点が変化した等の理由が推定される. 今後の課題として, 風洞実験と実際との差異を検証する必要がある. 特に (a) 実験モデルと実橋との拘束条件,(b) 実験時風条件と実際,(c) 実験時振動モードと実際等が重要である. 書式変更 : 箇条書きと段落番号 4.6 制振装置効果の確認 制振装置のチューニング確認 図 -4.8 に主塔変位と TMD-E1 重錘変位の計測波形を示し, 図 -4.9 に 2P 主塔橋軸方向の変位と TMD-E1,TMD-E3 の重錘変位波形の周波数分析結果を示す. 主塔変位と TMD-E1 重錘変位の波形の相似性は高く, 主塔と主塔に設置した TMD それぞれの卓越振動数もほぼ一致していることから, 制振装置は計画どおりチューニングされ, 正常に作動したことがわかる. 変位 (mm) 変位 (mm) 主塔変位 制振装置変位 時間 ( 秒 ) 観測時刻 :4~1:5 図 -4.8 主塔変位と TMD-E1 重錘変位計測波形例 5

58 変位 ( mm) P 主塔橋軸方向変位 ( 南側 J 2 1 ) 振動 数 f ( H z ) 変位 (mm ) 1 5 TMD-E1 マ.149 ス変位 振動 数 f ( H z ) 変位 ( mm) 1..5 T M D - E 3 マス変位 ( 中央径間側 ) 振動数 f ( H z ) 図 -4.9 観測波形の周波数分析結果 書式変更 : 箇条書きと段落番号 制振装置の最大応答倍率 図 -4.1 に TMD 設計時の主塔と TMD-E1 の振幅比理論値曲線図を示し, 図 に主塔変位と制振装置重錘変位の実計測関係を示す. 51

59 図 -4.1 TMD 設計時の主塔とTMD-E1の振幅比理論値曲線図 図 主塔変位と制振装置重錘変位の実計測関係 図 にて主塔と TMD の固有振動数が一致している時,TMD の振幅と構造物の振幅比は 1.5 程度で, 設計最大応答倍率が Φ=1.6 に対し, 今回計測された制振装置重錘の最大変位は主塔変位の約 1.5 倍であったことから制振装置は正常に作動していることがわかる. 52

60 P 主塔の対数減衰率の算出 書式変更 : 箇条書きと段落番号 前述の図 -4.8 に示した制振装置作動時の観測データは, 不規則な応答である. 起振機等で強制加振した自由減衰波形データもないことから RD 法 (Random Decrement Technique) 6) によって減衰波形を求めた. この結果を図 -4.12(a) に, この減衰波形から対数減衰率を求めた結果を図 -4.12(b) にそれぞれ示す. 求められた対数減衰率は,δ=.133 であった. この推定された対数減衰率は独立塔の設計構造減衰率 δ s =.1 を上回り振動の抑止が最も必要となる面外 1 次振動での必要減衰 δ req =.23 をも上回っていることから, 制振装置によって必要な減衰の付加がなされており, 主塔振幅がおさまっていることが確認できる. 振幅比 y(t)/y() 1. 重ね合せ回数 :4,315 回 時間 ( 秒 ) (a) 不規則波の重ね合せ結果 振幅比 Amp(i)/Amp(1) P 主塔頂部橋軸方向変位対数減衰率 δ=.133( 減衰比 h=.21) 波数 N (b) 減衰解析結果図 RD 法による減衰解析結果 53

61 主塔橋軸方向最大変位 (mm ) 桁鉛直方向最大変位 (mm ) 図 主塔変位と桁鉛直変位の関係 書式変更 : 箇条書きと段落番号 4.7 制振装置非作動時応答の解析 前節でTMDによる減衰付加が確認された. 本節では, 制振装置非作動時の状況を解析値より推定し作動時の解析値と比較し, 制振装置効果の程度を推定する. 台風来襲時の実計測データから得られた主塔の橋軸方向変位と桁の鉛直方向変位の関係を図 に示す. 主塔橋軸変位と桁鉛直変位は線形の関係にあり, また, 主塔振動も頂部振動が大きく揺れる1 次モードに近い振動であったことから, 主塔を1 自由度系のモデルに置き換えてモーダル風外力を推定した. モーダル風外力は, 制振装置が作動している場合の実測主塔応答から, 式 (2) によって求めた. F = mx & + cx& + kx (2) ここで,m:1 次モードの一般化質量 C:1 次モードの一般化減衰係数 k:1 次モードの一般化剛性 x, x&, & x : 主塔変位, 速度, および加速度この求められたモーダル風外力を用いて, 制振装置作動時および制振装置のない状態に相当する制振装置の非作動時状態の応答を推定した結果を図 に示す. 図 において実測の主塔変位と制振装置作動時の解析変位を比較すると, 解析変位は 1~2% 程度大きめとなっている. 実測変位は計測機器のスペース都合上, 塔頂より 1m 下で計測されたものであり, 54

62 塔頂変位 ( mm) 塔頂変位 ( mm) 塔頂変位 (mm) 実測変位 解析変位 ( 制振装置作動 ) -8 8 解析変位 ( 制振装置非作動 ) 時間 ( 秒 ) 観測時刻 :4~1:5 図 モーダル風外力の推定による制振効果の逆解析 有限要素法による固有振動解析から対象振動モードの塔頂部の値が計測位置の値より 1.25 倍程度大きいことを考慮すると, 実測変位と解析変位との差異は小さい. 実測振幅波形と解析振幅波形の相似性は高いことから本手法で主塔の風応答を表すことができると仮定し, 制振装置の非作動時における主塔挙動および制振装置の効果を確認した. 図 において制振装置非作動時の解析値は, 制振装置作動時の解析値と比べ 1.6~1.9 倍大きい値を示していることから制振装置の作動によって主塔の振動は抑制されている. なお, 制振装置作動時の主塔の対数減衰率は,RD 法での解析結果から δ=.133 を用いた. また, 制振装置非作動の場合の主塔減衰は設計値である δ s =.1 とし, 主塔の 1 次モードの固有振動数は, 図 -4.9 の主塔振動の観測波形を周波数分析した結果より.148Hz を用いた. 55

63 また, 台風時における主塔, 主桁および制振装置重錘の挙動の観測により以下の結果も得られた.( 図 -4.15, 図 参照 ) 図 桁の鉛直変位と主塔変位の関係 56

64 図 台風来襲時の各部挙動 主塔の橋軸方向の最大変位と主桁鉛直方向最大変位には相関があり, 主桁鉛直変位は主塔橋軸方向変位の約 1/6.3 であった. 主桁の鉛直変位は, 北側と南側がほぼ同じ値であることから曲げ振動と推察される. 書式変更 : 箇条書きと段落番号 4.8 まとめ 本章では, 鋼斜張橋架設時の耐風対策として設置された TMD の制振効果について, 大型台風来襲時の主塔の動的挙動観測データより検討を行った. 結果は, 以下のとおりであり, 鋼斜張橋架設時の制振対策として,TM D の有効性が確認された. (1) 主塔と制振装置重錘の卓越振動数は, ほぼ一致していた. また, 主塔が振動している時の制振装置重錘の変位は主塔変位の約 1.5 倍であり, 設計時の主塔変位と制振装置重錘変位の応答倍率 1.6 にほぼ等しいことから, 制振装置は設計どおり正常に作動した. (2) 主塔の不規則波形から RD 法を用いて対数減衰率を求めた結果,δ =.133 が得られた. この推定された対数減衰率は, 独立塔の設計構造減衰率 δ s =.1 を上回り, 振動の抑止が最も必要となる面外 1 次振動での必要減衰 δ req =.23 を上回っていることから, 制振装置によって必要な減衰の付加がなされていると判断できる. 57

65 (3) 主塔を1 自由度系のモデルに置き換え, モーダル風外力を推定し主塔変位の逆解析を行った結果, 主塔の変位は, 制振装置によって 1/1.6~ 1/1.9 程度に抑制されたと推定できる. (4) 今回のRD 法によって求められた減衰値には, 空気力による空力減衰も付加されていると推察されるので, この空力減衰については別途検討する必要がある. 参考文献 1) 本州四国連絡橋公団 : 耐風設計基準 同解説, ) 上田芳夫, 北沢正彦, 正田正一, 金治英貞 : 東神戸大橋主塔の対風挙動と振動実験, 阪神高速道路公団技報, 第 11 号,pp.61-74, ) 金崎智樹, 奏健作, 佐々木伸幸, 下土居秀樹 : 明石海峡大橋主塔独立時の耐風特性, 土木学会第 49 回年次学術講演会講演概要集,I-49,pp , ) 和田博久, 本荘清司, 武田勝昭, 石井孝 : 名港東大橋台風 9426 号来襲時の主塔動態観測, 土木学会第 5 回年次学術講演会講演概要集, I-76, pp , ) 古川和義, 本田明弘, 今金真一 : 女神大橋架橋地点の風環境に関する地形模型風洞実験, 土木学会第 48 回年次学術講演会講演概要集, I-365, pp , ) 田村幸雄, 佐々木淳, 塚越治夫 :RD 法による構造物のランダム振動時の減衰評価, 日本建築学会構造系論文集, 第 454 号, pp.29-38, ) 北原雄一, 上田浩之, 渡部剛賢, 高橋和雄 : 女神大橋架設時の 36 号台風による主塔の動的挙動について, 土木学会論文集 F, Vol.163,No3, pp , 27. 8) 中瀬和敏, 有吉正敏, 北原雄一, 甲斐富岳, 今金真一, 上田浩之 : 女神大橋上部工の施工橋梁と基礎, No.39, pp.2-14,25. 9) 本州四国連絡橋公団 : 明石海峡大橋耐風設計 要領 同解説,199. 1) 気象庁ホームーページ : /yohou/typhoon/route_map/bstv23.html. 58

66 第 5 章完成時の人力加振試験による動的挙動の評価 5.1 はじめに 可撓性に富んだ長大斜張橋においては, 耐風安定性は重要な課題であり, 特に架設地点周囲の地形の影響を受けることが懸念された. このため, 地形模型試験による風環境の把握を行うとともに, 完成系および架設系の橋梁本体の振動特性を把握したうえで, 耐風安定性の検討が行われてきた. 完成系風洞試験として, 主桁に関しては基本断面に対して部分模型試験を行った結果, 風速 1m/s 以下でフラッターは発生せず, 若干の渦励振が発生するのみであったため, フェアリング形状変化および主桁下面の検査者レール間隔の調整により空力的な対策が行われた. 主塔に対しては,3 次元弾性体模型試験を行った結果, 面内, 面外ともに風速 3m/s 付近でギャロッピング振動が発生することが明らかとなり, 空力対策として整流板を設置した結果, ギャロッピングは発生せず, 主塔の上段水平梁上部の振動である面内 2 次の渦励振のみが残る結果となったため, この振動に対しては制振装置 (TMD) による減衰付加により制振することとした 1). 本橋の完成に伴い, 本橋主塔に設置した TMD の効果を確認するため, 人力加振による振動実験を行い,Subspace 同定法による主塔の卓越振動数や減衰定数を推定し, 制振装置作動時の減衰が設計計画減衰値を満足しているかどうかを確認する 2). 次に, 同定された固有振動特性と比べ,FEM モデルで得られた固有振動数と振動モードの正確性を確認する. 最後に斜張橋,TMD および人力加振力をモデル化し動的応答解析を行うことにより解析的に TMD の制振効果を検証する. また, 実験値と解析値を比較することによりモデル化の妥当性を明らかにする 3). 5.2 試験概要 TMD の検討 本橋完成時の制振対策として主塔内に TMD を配置し, 減衰を付加することで振幅を許容振幅以下に抑える. 完成時の制振対象モードは主塔面内 2 次モードのみで塔頂部のモードが最大となるため, 塔頂付近に配置することとした.TMD の検討に際しては, まず振動解析により求められた振動諸元により風洞試験を実施し, 渦励振の開始風速, 質量減衰パラメーターと振幅の関係など求める. 設計の流れを図 -5.1 に示す. 許容振幅は主塔の渦励振を対象に風による静的断面力と振動による変形に伴う断面力を重ね合わせた力に対して塔柱断面力の応力度を算出した. この応力度が許容値に達する振動振幅を求め, これを許容振幅とした. 59

67 START 重錘質量の仮定 振動数 (f) の仮定 減衰定数 (h) の仮定 f,hを変化させた2 質点系解析 f:±5% h:±1% NO 設計減衰を満足? YES 重錘振幅が許容値以下? NO YES END 図 -5.1 TMD 検討の流れ また,TMDの配置場所は, 構造上高さ 2.4m 程度でありTMD 振子長が制限されるため, 設計振幅 1.2( 安全率 )=2.m 以下に抑える諸元とした TMD の諸元 完成系の女神大橋主塔には TMD が 2P 主塔および 3P 主塔に N 塔頂部, S 塔頂部付近に各 1 基, 計 4 基設置されている 1). 図 -5.2 に TMD 詳細図を示す. 6

68 フレーム スイングレバー スプリング 重錘 (a) 正面図 (X-X) 重錘支柱 スイングレバー メインヒンジ ダンパー ダンパー部軸受 スプリング スプリング部軸受 重錘固定ボルト 重錘 (b) 正面図 (Y-Y) Y フレーム X X Y ストッパー (c) 断面図 図 -5.2 TMD 詳細図 ( 単位 :mm) 61

69 次に TMD の諸元を表 -5.1 に示す. 風洞試験の結果から振動制御のための必要トータル減衰を求め, この減衰力を確保できる諸元とした. 完成系で制振対象となるモードは主塔面内 2 次 (2P,3P) モードである.3 P 主塔の制振対象諸元を表 -5.2 に,TMD が作動する主塔の対象モードを図 -5.3 に記載する. 図 -5.3 より, 面内方向の振動のみで面外には変化していないことがわかる. 表 -5.1 TMD の諸元 TMD 名タイプ TMD-C1 振り子型 台数 基 / 塔 2 装置重量 tf/ 基 6 重鐘重量 tf/ 基 3 固有振動数 Hz.9 減衰定数.35 表 P 主塔の制振対称諸元 項目 諸元 振動数 (Hz).923 許容振幅 (m).18 対象モード次数 15 必要トータル減衰 δ 次モード F=.923Hz Z Z X Y Y X (a) 面内 (b) 面外 3P 主塔図 -5.3 主塔の固有振動モード 62

70 5.2.3 計測点と計測機器 主塔の橋軸直角方向加速度の検出にはサーボ型加速度変換器を設置した TMD のダンパー変位の検出にはポテンション式変換器を設置した 主塔の振動計測項目を表 -5.3 に示す また, 計測位置を図 -5.4 に示す 表 -5.3 主塔計測項目 計測項目 N 塔頂部橋軸直角方向加速度 N 塔中間部橋軸直角方向加速度 N 塔 TMD ダンパー変位 S 塔頂部橋軸直角方向加速度 S 塔中間部橋軸直角方向加速度 検出器サーボ型加速度変換器サーボ型加速度変換器ポテンション式変換器サーボ型加速度変換器サーボ型加速度変換器 TMD 設置位置 サーボ型加速度計設置位置 図 -5.4 計測位置 ( 単位 :mm) 63

71 5.2.4 試験要領 試験対象は3P 主塔とし,TMDの非作動時と作動時の2ケースの振動実験が行われ, 減衰の大きさを比較することでTMDの制振効果を確認した. 加振方法は人力加振で,3P 主塔頂部で実施された. 加振人員は 3 人で塔の加振方法は, 加振人員が同じ動きができるように相互に肩を組み, オシレータに表示される波形に合わせて上半身を橋軸直角方向に繰り返し移動 ( 頭部変位約 25 cm程度 ) させ加振を行った. 図 -5.5 に加振方法を示し, 写真 -5.1 に加振状況を示す. 主塔の振動を計測する加速度計を主塔頂部に配置し, 橋軸直角方向加速度を計測した. 試験はTMDの非作動時, 作動時にそれぞれ3 回ずつ行われた. 計測データのサンプリング条件は, データ数 N=2,4, サンプリングレート dt=.5s および計測時間 T=12s とした.TMD 非作動時と作動時の N 塔頂部と中間部,S 塔頂部と中間部の橋軸直角方向加速の波形とT MDダンパー変位を図 -5.6, 図 -5.7 に示す 固有振動数に合わせて体重移動す 図 -5.5 加振方法 写真 -5.1 加振状況 64

72 N 塔頂部橋軸直角方向加速度 (Gal) N 塔中間部橋軸直角方向加速度 (Gal) N 塔 TMD-C1 マス変位 (mm) S 塔頂部橋軸直角方向加速度 (Gal) S 塔中間部橋軸直角方向加速度 (Gal) TIME ( s ) 図 -5.6 TMD 非作動時の加速度計測波形 65

73 6 4 N 塔頂部橋直方向加速度 (Gal) N 塔中間部橋直方向加速度 (Gal) 1-1 N 塔 J21 TMD-C1 タ ンハ ー変位 (mm) S 塔頂部橋直方向加速度 (Gal) 2-2 S 塔中間部橋直方向加速度 (Gal) TIME ( s ) 図 -5.7 TMD 作動時の加速度計測波形 66

74 オシレータはあらかじめ完成系で行われた FEM による主塔の解析値の固有振動数である.923Hz に合わせた.TMD の非作動時, 作動時ともに同じ条件で加振を行った. 加振は主塔の応答が一定になるまで行い, 加振停止前から計測を開始し, 加振停止後の主塔の自由減衰波形を計測した. 5.3 人力加振実験による主塔固有振動特性の推定 図 -5.8(a) は, 人力加振による 3 回目の制振装置の非作動時と作動時の N 塔頂部の橋軸直角方向の加速度と制振装置のダンパー変位である. 図 -5.8(b) の制振装置の作動時と非作動時の加速度波形を比較すると, 制振装置作動時のほうが早く減衰し,TMD の効果が現れている. 変位 (mm) 制振装置非作動制振装置作動 時間 ( 秒 ) (a)tmd ダンパーの変位 6 4 制振装置非作動制振装置作動 加速度 (Gal) 時間 ( 秒 ) (b)n 塔頂部の橋軸直角方向加速度 図 -5.8 人力加振で計測した波形 67

75 パワースペクトル 3x1 4 2x1 4 1x1 4 NT-TT NT-MT ST-TT ST-MT 振動数 (Hz) 図 -5.9 主塔のパワースペクトル 表 -5.6 人力加振による主塔の固有振動数と減衰定数 制振装置項目 平均値 非作動 作動 振動数 (Hz) 減衰定数 (%) 対数減衰率 振動数 (Hz) 減衰定数 (%) 対数減衰率 output-only の Subspace 同定法を用いて固有振動特性を求めるために, 図 -5.8 に示している点線の時間, 人力加振を始めて 3 秒後の自由振動の波形から同定計算を行う. まず,MEM 法によるスペクトル解析を行い, 結果を図 -5.9 に示す. 図からわかるように, 主塔の各計測点の卓越振動数は同じであり, 約.927Hz になる. 次に,Subspace 同定法を用いて, 制振装置の作動時と非作動時の計測波形から推定した固有振動数と減衰定数を表 -5.6 に示す. 同定したモード形状は H 型主塔が面外方向に変形する. 表 -5.6 より, 振動数は制振装置の非作動時, 作動時ともに平均値.927Hz となり,MEM 法による結果.927Hz とよく一致している. 減衰定数について, 制振装置作動時の対数減衰率は.3 となり, 女神大橋の設計計画値.26 を満足していることが確認できる. 68

76 5.4 TMD を考慮した動的解析 解析モデル 斜張橋の解析モデルとして 3 次元 FEMモデルを作成し, 汎用ソフト TDAPⅢ を用いて動的応答解析を行う. 主桁は, 橋軸方向の 1 本のはり要素で置き換える. 主塔および橋脚は,3 次元はり要素を用いてモデル化を行う. ケーブルについては初期軸力のみが作用するトラス部材としてモデル化を行う. 境界条件としては, 主桁端部の鉛直方向および橋軸直角成分, 回転成分を拘束し, 他の自由度は拘束しないものとする. また, 上部構造の応答特性を把握するために基礎は剛と仮定し, 橋脚基部は全自由度を固定し, ケーブルの端部はピン接合とする. 表 -5.7 に節点数および部材数を示す TMD のモデル化 TMD は質量, バネ, ダッシュポットの 3 要素からなる 1 自由度系であり, 構造物に同調させることで高い制振効果を得ることができる. これより,TMD は図 -5.1 のようにモデル化する. 表 -5.7 橋梁モデル 節点数 主 桁 131 主 塔 (1+26) 2 = 252 ケーブル定着点 56 2= 112 ( 主桁 ) TMD 固定点 2 2=4 TMD 重鐘 2 2=4 端支点 5 2=1 支持ケーブル 合計 513 部材数 主 桁 はり要素 13 主桁とケーブル定着点の連結 はり要素 112 主塔 はり要素 92 2=184 主塔とケーブルの連結 はり要素 26 2=52 支持ケーブル 弦要素 52 2=14 TMD バネ, 粘性要素 2 2= 4 合計 586 バネ k 質量 Md 主塔 ダッシュポット ( c オイルダンパー ) c TMD 固定部 ( 主塔 ) バネ 粘性要素 TMD 重鐘 ( 質量 Md) 3P 主塔頂部詳細図 図 -5.1 TMD のモデル化 69

77 主塔のTMD 設置地点に節点重量 3tf(TMD 固定部装置重量 ) 表 -5.8 TMDの諸元 をもつ節点を新たに設け, その点より橋軸直角方向にTMDの重鐘 Md k C 質量 Md をもった節点をさらに設 (t) (kn/m) (kn s/m) ける.2 つの節点はTMDのバネ定数 k 減衰係数 c をもつバネ 粘性要素で結ばれている TMDの節点は橋軸直角方向のみの自由度をもつものとする. 表 -5.8 に TMDの諸元を示す. これらの諸元は以下のようにして求める. また, こ のバネ係数 k および減衰係数 c は 1 自由度系における換算係数である. また, f d および h d は設計における値である f d =.9Hz, h d =.35 を用い た. 2 2 k = mω = M d (2πf d ) = ( kn / m) (1) c = 2hd mk = ( kn s / m) (2) W ここに, M d = : 重鐘質量 (t) 9.8 W : 重鐘重量 (kn) f d : 装置の振動数 (Hz) h d : 装置の減衰定数 k :1 質点系モデルでのバネ係数 (kn/m) c :1 質点系モデルでの減衰係数 (kn s/m) 人力加振力のモデル化 ここでは, 先述の人力加振試験の結果を基に, 斜張橋,TMDおよび人力加振力をモデル化し, 動的応答解析を行うことにより解析的にTMDの制振効果を検証する. また, 実験値と解析値を比較することによりモデル化の妥当性を明らかにする. 人力加振のモデル化は, 体重移動による人間の重心の変化が及ぼす主塔への慣性力として考える. 一定周期による加振は正弦波 ( y = α sin ωt) として扱うことができるため, 人力加振による加振力は次式で表される m& y = mαω 2 sin ωt (3) ここに, m : 全加振人員の質量,α : 重心変位, ω =2πf : 加振円振動数, f : 加振振動数 ( ) この正弦波は FEM による解析値の振動数.923Hz( 周期 1.8(s)) で頂部を加振させ,3 周期後に加振を停止した. 加振人員の平均身長は 174cm であり, これによる重心変位の比率と, 加振実験のビデオ映像から重心変位の振幅は 16cm を用いた. 平均体重は.588kN であり 3 人分の体重が 1.176kN となるので加振力は 9.7kN となる. 7

78 表 -5.9 入力波およびステップ条件 入 周期 (s) 1.8 力 周期数 3 波 最大加振力 (kn) 9.7 入力波の時間間隔 : t(s).2 積分ステップ数 1638 表 -5.1 主塔卓越モード 次数 固有振動数 (Hz) 有効質量 ( 橋軸直角方向 ) モード特性 P 3P 主塔面外 P 主塔面外 解析手法 構造物の動的応答解析には, 解析方法は直接法とした. 直接積分法には, Newmarkβ 法 ( β =.25) を用いる. 入力波および積分ステップ条件は表 -5.9 に示す. 減衰は,Rayleigh 減衰を用いた. 用いる振動モードは対象としている橋梁の 2~3 次効質量をもつ3~5 次程度の振動モードを着目振動モードとして設定するものとしている 4). 今回,3 次までの固有振動解析を行い, 橋軸直角方向への有効質量が大きく, 主塔の応答を考慮するために主塔が卓越した2つのモードを Rayleigh 減衰として与えた. 主塔の卓越モードを表 -5.1 に示す. 減衰定数は通常, 地震波における解析の場合は.2~.3 を用いる 5) が, 本解析では風による振動対策としてTMDが設置されており, このTMDの制振効果を確認するため減衰定数 h 1,h 2 は人力加振によって得られた主塔の減衰定数である.3 を与える 71

79 5.4.5 固有振動特性 FEMモデルを用いて固有振動解析を行った. 橋梁全体系のみのFEM モデルとTMD 固定部装置重量を考慮したFEMモデルの2 ケースで固有振動解析を行った. 2 ケースにおけるFEMモデルでの制振対象モードの固有振動特性を図 に示す.TMD 固定部の重量増加に伴い, 制振モードは固有振動数.925Hz から.92Hz となり, 固有振動数はわずかに減少した. 解析では TMD 固定部装置重量を考慮したFEMモデルの固有振動解析の結果を用いている. 固有振動解析の結果を図 に示す. 本解析における女神大橋のFE Mモデルにおける主塔の橋軸直角方向の固有振動数は.925Hz,TMD 固定点の質量を考慮した時に.92Hz となり,FEMによる実験対象モデルによる解析値.923Hz および実験データを用いてFFT 法および Subspace 同定法によって求めた解析値.927Hz とほぼ一致した. このことにより, 斜張橋全体系の解析モデルの妥当性が明らかにされた 主塔の動的応答特性 TMD 作動状況を確認するために,TMD 固定部とTMD 重錘質点変位を図 に示す. 本 TMDの減衰定数が大きいため両者に位相差が見受けられる. 削除 : 925Hz TMD 固定点の質量を考慮した時に.92H z となり F E M による実験対象モデルによる解析値.923Hz と FFT 法および Subspace 法による解析値.927H z とほぼ 15 次モード固有振動数 :.925Hz 15 次モード固有振動数 :.92Hz (a) 橋梁全体系のみ (b)tmd 固定部装置重量考慮 図 制振対象モード 72

80 変位 ( mm ) TMD 重鐘質点変位 TMD 固定部変位 時間 ( 秒 ) 図 変位応答 変位 ( mm ) TMD 重鐘質点変位 TMD 固定部変位 時間 ( 秒 ) 図 TMD の減衰係数 c= にした場合の変位応答 次に,TMDの減衰係数 c をとした場合いの変位応答を図 に示す. この図からTMDの重錘は固定部と逆位相で振動していることが確認できる. 減衰係数がの場合,TMDの重錘の変位が大きい結果となっている. TMD 作動時, 非作動時における人力加振実験による3P 主塔頂部の加速度応答およびTMD 作動時でのTMDのダンパーの相対変位の計測波形と直接積分法における解析波形を図 に示す. 解析波形にはうねりが見られ, 計測波形にはうねりは見受けられない. これは, 解析と計測の初期条件の相違によるものと推定される. なお, 解析では初期条件として初変位と初速度をともにとしている. 図 よりTMD 作動時はTMD 非作動時よりも最大加速応答値が小さく, 早く減衰する. 計測波形と解析波形の比較を行う. 図 から, 計測波形で人力加振による主塔の最大加速度応答はTMD 作動時, 非作動時ともに 4gal ほどになっている. これと解析波形を比較すると, 解析波形においても最大応 73

81 答は約 4gal を示しており, ほぼ一致する ( 表 -5.11). これにより, 人力加振における加振力は適切にモデル化することができたと考えられる. 減衰定数解析範囲 加速度応答 (gal ) 時間 ( 秒 ) TMD 非作動時 TMD 作動時 変位 ( mm ) 時間 ( 秒 ) モデル化された TMD の変位 (a) 解析波形 減衰定数解析範囲 加速度応答 (gal) 変位 ( mm ) 時間 ( 秒 ) TMD 非作動時 TMD 作動時 TMD 重鐘変位 時間 ( 秒 ) (b) 計測波形 図 解析波形と計測波形の比較 74

82 表 実験値と解析値の比較 実験値 解析値 固有振動数 (Hz) 最大加速度応答値 (gal) 減衰定数 (TMD 非作動時 ).4.3 減衰定数 (TMD 作動時 ).8.15 TMDによる減衰効果を確かめるために,TMD 作動時の主塔頂部における加速度応答解析波形より減衰定数を求める. 減衰定数を求める範囲は図 に示している破線で囲まれた解析対象範囲である. 加振終了後の自由振動で最もTMDのダンパー変位減少が大きく, うなりがない区間を解析対象範囲と定めた.TMD 非作動時における減衰定数は加振後の自由振動を解析対象範囲とした. 計測波形から求めた減衰定数と解析波形から求めた減衰定数 ( 表 -5.11) を比較すると,TMD 非作動時では, 解析値は.3 となり計測値での.4 と近い値になった.TMD 作動時では, 解析値で.15 となり, 計測値の.8 よりも大きい値となった. 削除 : まとめ (1) 人力加振試験の結果より, 多点計測による Subspace 同定法を用いて建設当初の女神大橋の固有振動特性を推定できた. (2) 制振装置の作動時の対数減衰率は設計計画値の必要トータル減衰.26 をクリアしTMDの効果が検証された. (3) 設計用 FEM 解析より求めた解析値は Subspace 同定法により同定した計測値とよく一致しており, 妥当なFEM 解析モデルを作成することができた. (4)TMDを考慮した検討において, 解析による最大加速度応答値は約 4gal となり, 計測値と一致した. これにより, 人力加振力のモデル化の妥当性を確認することができた. (5)TMDをモデル化した主塔の応答解析からTMDの効果を検証できたが, 解析値の減衰効果が大きくなる特性をもつことを示した. これは解析におけるバネ定数 k の値の妥当性は評価できたが,TMDにおける減衰係数 c の値の妥当性は未だに評価が出来ておらず, 減衰定数が実験値よりも大きくなった原因としては減衰係数 c の影響が大きいものと考えられる. これより, 減衰係数 c の再確認およびプログラムの再確認を行いTMDのモデル化の再検討が今後の課題となる. 75

83 参考文献 1) 中瀬和敏, 有吉正敏, 北原雄一, 甲斐富岳, 今金真一, 上田浩之, 針谷清久 : 女神大橋上部工の施工, 橋梁と基礎, Vol.39, No.12, pp.5-7, 25. 2) Qingxiong Wu, Yuichi Kitahara, Kazuo Takahasi and Baochun Chen:Dyn amic Characteristics of Megami Cable-stayed Bridge- A comparison of experimental and a nalytical results -,Steel Structures, 8, p p.1-8, 28. 3) 有馬義人, 北原雄一, 高橋和雄, 中村聖三 : 主塔に設置された TMD を考慮した女神大橋の動的応答解析, 鋼構造年次論文報告集,15,pp ,27. 4) 宇佐美勉, 日本鋼構造協会 : 鋼橋の耐震 制震設計ガイドライン, 技報堂出版,26 5) 日本道路協会 : 道路橋示方書 同解説 ⅴ 耐震設計編,

84 第 6 章完成時の常時微動計測による動的挙動の評価 6.1 はじめに 長大スパン橋梁が, 交通荷重, 風や地震が作用する場合に十分な安全性をもつことは重要な課題になっている. 耐震や耐風解析による評価を正確に行うためには, 構造物の動的特性 ( 固有振動数, 固有振動モードと減衰定数など ) を正確に決めなければならない. これらの特性は有限要素モデル更新, 構造物の制御, 損傷判定や健全モニタリングなどに対して基本的なデータとなる. 橋梁の振動試験は, 加振方法によって自然環境での試験 ( 常時微動試験 ), 衝撃的な外力による加振試験, 周期的な外力による加振試験 ( 起振機試験 ), 走行車両などの外力の移動による加振試験, 初期変位の急激な解放による加振試験に分類できる 1). これらのうち, 偏心回転重量式や重錘移動式の起振機を用いる起振機試験の他, 人力による加振も行われる. 大規模な機材を用いれば最も大きな加振力を得ることができるが, 実施コストも高くなる. 起振機試験と比べると, 入力加振や特別な加振なしの常時微動試験は特別な加振装置を必要とせず, 計測装置のみで完成できるという利点がある. 一定期間以上のモニタリングを実施するときにも常時微動試験がよく採用されている. 常時微動計測で得られた計測波形から構造物の固有振動特性を推定する方法は, output-only モーダル同定法と呼ばれている. 高速フーリエ変換を利用した同定法から最近土木分野へ応用する Subspace( 部分空間 ) 同定 2)3)4) 法まで発展され, 高精度な構造同定手法が進んでおり, 長大斜張橋への適用も検討されている 5)6). 本章では, まず, 女神大橋を対象として常時微動計測を実施し, 片山が 4) 提案した多出力 Subspace 同定法を用い, 女神大橋の固有振動数, 固有振 7) 動モードおよび減衰定数を推定する.MEM 法で得られた固有振動数と比べ, 本文で用いた多出力 Subspace 同定法の精度を確認する. 次に, 斜張橋全体の支持ケ-ブルの局部振動を含めた応答を評価する際には一般的に TDAPⅢ 8) 等の汎用ソフトにおいて支持ケ-ブルを弦要素 ( 幾何学的非線形を考慮したトラス要素 ) として解析を行っているが, 支持ケ -ブルの支点変位, 係数励振振動, サグの影響などを評価した厳密な解析は行えない. そのため, 支持ケーブルの局部振動を評価するために全体系の振動と支 9) 1) 11) 持ケーブルの局部振動を分離して求める解法が提案されている. この解法では, 支持ケーブルの局部振動は全体系の振動に影響を及ぼさないという仮定に基づいて, 全体系の振動解析を行い, 支持ケーブルを全体系の応答による支点変動を両端部に受ける単一ケーブルとして, 係数励振振動や強制振動を含む局部振動の解析を行っている. そのため, 全体系の振動解析において支持ケーブルの局部振動が主桁や主塔に及ぼす影響を評価できない. そこで, 支持ケーブルの局部振動を含めた全体振動の解析を行えるようにするため, これまでに支持ケ-ブルの応答評価を行える有限要素プログ 77

85 ラムを作成し, 支持ケ-ブルを分割トラス要素によってモデル化による解 12) 析の適用可能性および既存の弦要素との動的解析結果の比較を行った. その結果, 分割トラス要素によるケーブルのモデルを使って支持ケ-ブルをモデル化することの有効性を確認した. 本章では, さらに女神大橋を対象として支持ケーブルのサグの影響に注目する. 斜張橋の支持ケーブルにおいて幾何学的非線形を考慮した解析を行うためには, サグの影響を評価するために支持ケーブルを分割する必要があると考えられ, 本章では, 支持ケ-ブルを分割することで支持ケ-ブルのサグを考慮するモデルと支持ケ-ブルを分割せずに 1 本のトラス要素としてモデル化した2つの解析モデルを用い, 支持ケ-ブルのサグを考慮したことによる張力変動の影響が支持ケ-ブルの局部振動および橋梁全体に与える影響を評価する 13). 6.2 計測概要 常時微動計測は平成 17 年 11 月 1 日に実施された. 女神大橋の完成系においては, 主塔において渦励振が発生する可能性が懸念され, この振動に対して制振装置を設置することで減衰を付加し制振することとしている 14) よって, 常時微動計測は, この制振装置を固定し非作動とした場合に4 回, 制振装置を固定せず作動した場合に 1 回行われた. 図 -6.1 に計測点を示し, それぞれの加速度計に図中のように番号を付ける. 図 -6.1 に示すように, 主桁においては鉛直方向加速度を5ヶ所 ( 加速度計番号 :1,2,3, 4,6) および橋軸直角方向加速度を1ヶ所 ( 加速度計番号 :5) 計測した. また, 主塔においては3P 主塔頂部のN 塔側 ( 湾内側 ) で橋軸方向加速度 ( 加速度計番号 :7) およびS 塔側 ( 湾外側 ) で橋軸直角方向加速度 ( 加速度計番号 :8) を計測した. 表 -6.1 に計測デ-タのサンプリング条件を示す. 木鉢側 2P 3P 女神側 鉛直方向加速度計 ( 面内 ) 橋軸方向加速度計 ( 面内 ) 橋軸直角方向加速度計 ( 面外 ) N 塔側 ( 湾内側 ) S 塔側 ( 湾外側 ) 図 -6.1 計測装置位置 78

86 表 -6.1 サンプリング条件 サンプリングレート (dt).5 データ数 (N) 12 計測時間 (s) 解析モデル 解析モデル 本章では, 女神大橋全体モデルにおいて, 先に述べた分割有りモデルおよび分割無しモデルの 2 つを用いる. 主塔および主桁はともに 3 次元はり要素とし, 支持ケーブルは分割トラス要素によるモデル化をする. ただし, 支持ケーブル分割無しモデルにおいては, 支持ケーブルを 1 本の要素でモデル化しているため, 従来用いられる弦要素と同じである. 図 -6.2 に解析モデルを示す. 図 -6.2(a) は支持ケーブル分割無しモデル, 図 -6.2(b) は支持ケーブルを分割してサグを考慮する分割有りモデルである. 分割有りモデルでは, 支持ケ - ブルを図 -6.3 に示すようにサグを考慮して 8 分割し, それぞれを先に述べた分割トラス要素にモデル化する. 図 -6.3 において L はケ - ブルスパン長,f はサグである. また, 支持ケーブル分割無しモデルの節点数は 55, 部材数は 616 である. 分割有りモデルの節点数は 1,233, 部材数は 1,344 である ( 表 -6.2 参照 ). 境界条件は, 上部構造の応答特性を把握するために基礎は剛と仮定し, 主塔基部は全自由度固定, 主桁端支点 1P および 4P 水平沓は橋軸方向のみ可動, 主桁端支点 1P および 4P エンドリングは全自由度固定とした. また, ケーブルの端部はピン結合とした. 79

87 Y Z X (a) 分割無しモデル Y Z X (b) 分割有りモデル図 -2 解析モデル図 -6.2 解析モデル L f 図 -6.3 分割トラス要素を用いた ケーブルのモデル化 8

88 表 -6.2 モデルの比較 分割無し 分割有り 節点 主桁 剛体 56 2= =112 主塔 (1+26) 2=252 (1+26) 2=252 端支点 5 2=1 5 2=1 支持ケーブル =728 合 計 部材 主桁 はり要素 剛体 はり要素 56 2= =112 主塔 はり要素 92 2= =184 主塔とケーブ はり要素 26 2= =52 ルの連結 支点連結 はり要素 支持ケーブル Cable 要素 54 2= =832 合 計 Y l R P A L S B L +u v T L +e w Z l X l 図 -6.4 ケーブルの局部座標 6.4 解析モデルの妥当性の評価 分割トラス要素によるケーブルの剛性行列 ケーブルの変位を記述するために図 -6.4 にケーブルの局部座標系を示す. 部材の長さ方向に X l 軸をとり,Y l,z l 軸が直交右手座標系になるようにす 81

89 82 る.(X l,y l,z l ) 方向の変位を節点 A の時 (u i,v i,w i ) そして節点 B の時 (u j,v j,w j ) として各軸方向における相対変位 u=u j -u i,v = v j -v i,w = w j -w i とする. 要素の初期長さを L とし初期軸力を P とする. 支持ケーブルの局部振動を考慮するための分割トラス要素によるケーブルの剛性マトリクス 12) は動的な荷重下でのケーブルの変形を評価するために局部座標系で初期軸力を取り除いた式を使う. 分割トラス要素によるケーブルの局部座標系での復元力を以下に示す. ここに,P=P +(E C A C /L ) e: 変形後軸力,E C : ヤング係数,A C : 断面積, e={(l +u) 2 +v 2 +w 2 } 1/2 -L : 要素伸び,L : 軸長変形後の局部座標における軸力と変位は, 次の方程式で表される. { } [ ] { } e Cable e e X K F δ = δ (2) { } { } T j j j i i i e w v u w v u X δ δ δ δ δ δ = δ (3) 固有振動解析両解析モデルによる全体振動の固有振動モードおよび固有振動数の比較を図 -6.5 および表 -6.3 に示す. 振動モードにおいては, 鉛直対称 1 次, ねじれ対称 1 次および面外対称 1 次を示す. また, 表 -6.4 には支持ケーブルの固有振動数の比較を示す. 支持ケーブルの固有振動数に関しては, 分割無し別途支持ケーブルのみを取り出し両端をピン結合として解析値 2) より求めた. 分割有りモデルでは, 全体系の固有振動解析結果より支持ケーブルのみの振動モードを選び出したものである. 表 -6.3 より, 全体系の固有振動に関して両解析モデルの結果における差は小さい. 加えて, 表 -6.4 より, 支持ケーブルの固有振動数もよく一致した. 支持ケーブルの固有振動数がよく一致したのは, 女神大橋の支持ケーブルがマルチファン型であり, 支持ケーブル 1 本当たりの重量が小さいため全体系の振動に及ぼす影響が小さいことによると考えられる. よって, 本橋のようにマルチファン型の支持ケーブルの場合, 固有振動解析においては, 橋梁の全体固有振動解析と支持ケーブルの固有振動解析を分離して行うことができると考えられる. [ ] T e e L w P e L v P P e L u L P e L w P e L v P P e L u L P F = (1) (4) = Cable e K] [ ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) c c w vw v. sym w u L v u L u L w vw w u L w vw v v u L vw v w u L v u L u L w u L v u L u L e L L A E ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) v u L vw w u L sym w u L v u L w v v u L vw w u L v u L vw w u L v u L vw w u L w u L v u L w v w u L v u L w v e L P

90 分割無しモデル 振動モード 分割有りモデル 振動モード 鉛直対称 1 次 ねじれ対称 1 次 面外対称 1 次 図 -6.5 固有振動モードの比較 83

91 表 -6.3 全体系の固有振動数の比較 (a) ねじれ振動数 1 分割無し 2 分割有り 差 (1-2)/1 次数 振動数 (Hz) 次数 振動数 (Hz) 1(%) (b) 面内振動数 1 分割無し 2 分割有り 差 (1-2)/1 次数 振動数 (Hz) 次数 振動数 (Hz) 1(%) (c) 面外振動数 1 分割無し 2 分割有り 差 (1-2)/1 次数 振動数 (Hz) 次数 振動数 (Hz) 1(%)

92 表 -6.4 支持ケーブルの固有振動数の比較 1 解析解 2 分割有り差 Cable サグ比固有振動数固有振動数 (1-2)/1 No. (Hz) (Hz) 1(%) C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C C

93 6.4.3 女神大橋完成系の振動特性 (i) Subspace( 部分空間 ) 同定法 常時微動振動実験のように Output-only の構造同定に対して, 部分空間 (Subspace) 同定法を用いて, 女神大橋の固有振動数, 減衰定数および固有振動モードを同定する. 本文に用いた部分空間同定法は, 文献 4) に詳細な誘導があるので, ここにアルゴリズムを簡単に説明する. 線形離散時間確率システム x ( t + 1) = Ax( t) + Gw( t) y ( t) = Cx( t) + v( t) (1) n について, マトリクス A と C を同定することになる. ただし, x R は状 p r p 態ベクトル, y R は観測ベクトル, w R はプラント雑音, v R は観測 n n p n n r 雑音であり, A R, C R, G R は定数行列である. さらに,w と v は平均値 のガウス白色雑音ベクトルである. 計測した結果について,p 個計測点で nt 個計測サンプルが得られる. つまり, y1(1) y1(2) L y1( nt) y2 (1) y2 (2) L y2 ( nt) M O M y p (1) y p (2) L y p ( nt) p nt = y( 1) y(2) L y( nt) R (2) [ ] p になる. 式中, y( i) R, i = 1,2,..., nt. 4) 文献による以下のような時系列の過去 p (t) と未来 f (t) の有限次元ベクトルを作る. p( t) Y = f ( t) y( k) y( k + 1) L y( nd + k 1) y( k 1) y( k) L y( nd + k 2) M M O M = y(1) y(2) L y( nd) y( k + 1) y( k + 2) L y( nd + k) y( k + 2) y( k + 1) L y( nd + k 1) M M O M y(2k) y(2k + 1) L y( nd + 2k 1) kp nd R 2 (3) 式中, nd = nt 2 k + 1. したがって, 未来と過去の相互共分散行列 { Λ( j), j =,1,L } からハンケル行列 H kk を作る. T H = E f ( t) p ( t) kk ( ) 86

94 Λ(1) Λ(2) L Λ( k) Λ(2) Λ(3) L Λ( k + 1) kp kp = R (4) M O M Λ( k) Λ( k + 1) L Λ(2k 1) ハンケル行列 H kk の特異値分解を計算すると, T ss T H kk = USV [ ] vs = us ud T sd vd s s T s u s v (5) 式中,U と V は直交行列,S は H kk の特異値を対角に大きさの順に n 個並べたものである. ただし,S d の特異値は S s の特異値と比べ十分小さいとする. 一方, 線形離散系システムの状態方程式からハンケル行列 H kk は拡大可観測行列 O k と拡大可到達行列 P k から構成されたものである. C H CA [ ] k 1 kk = O k Ρ k = G AG L A G (6) M k 1 CA 式 (5) の特異値に基づいて, 拡大可観測行列 O k は以下のように定める. O = u s k s 1/ 2 s p nt R (7) したがって, 求めたいマトリクス A と C は下式になる. O k Ok A = (8) C = O k ( 1: p,1: n) (9) 式中, O = O ( 1: ( k 1) p,1 n) は O k の下 p 行を除いた行列, Ok = O ( p +1: kp,1: n) は k k : O k の上 p 行を除いた行列,( ) は pseudo 逆行列. 離散系システムの固有振動特性について, マトリクス A に固有値解析から求められる 15),16). = A φ λ φ (1) d 式中, λ d と φ は A の複素数固有値と複素数固有ベクトル. したがって, 構造物の固有振動特性は離散系システムの固有振動特性から得られる. 固有振動数 減衰定数 h i f i 1 = 2π = Re( Re( λ) 2 + Im( λ) 2 λ ) / Re( λ) + 2 Im( λ) 固有モード φ = C φ (11) 式中, λ = ln( λ )/ Δt, Δt は計測サンプリングレート,Re と Im は複素数の 実部と虚部である. d (ii) MEM による固有振動数の推定 MEM により計算したパワ - スペクトルを図 -6.6, 図 -6.7, および図 -6.8 に示す. 主桁に設置した 5 つの鉛直方向加速度計 (1,2,3,4,6) の計測結果から求めたパワースペクトルの卓越する振動数を主桁面内方向の固有 2 k 87

95 振動数とし, 図 -6.6 に示す. また, 主桁に設置した橋軸直角方向加速度計 (5) の計測結果から求めたパワースペクトルの卓越する振動数を主桁面外方向の固有振動数とし, 主塔に設置した 2 つの加速度計 (7,8) の計測結果から求めたパワースペクトルの卓越する振動数を主塔の固有振動数として図 -6.8 および図 -6.9 に示す. ここで使用した計測結果は, 制振装置非作動時に計測された計測 1 回目の結果である. 図 -6.6(a) より, 主径間中央の 3 点 (2,3,4) における卓越振動数はほぼ一致し, 箱桁の断面一体変形をしていると考えられる. また, 図 -6.6(b) より, 幅員中央部橋軸方向の三点 (1,3,6) の卓越振動数もほぼ一致した. また, 主径間中央の 3 点および幅員中央部橋軸方向の 3 点について卓越振動数は概ね一致した. 図 -6.6 より, 主径間中央の 3 点の卓越振動数は,1.Hz 以内では.268Hz,.558Hz,.774Hz,.952Hz である. また, 図 -6.7 より, 幅員中央部橋軸方向の 3 点について卓越振動数は 1.Hz 以内では.268Hz,.558Hz,.673Hz,.774Hz,.952Hz である. 図 -6.7 より, 主桁面外卓越振動数は,1.Hz 以内では.274Hz,.472Hz,.797Hz,.93Hz である. 図 -6.8 より, 主塔の卓越振動数は, 面外方向に対して 1.Hz 以内では.815Hz,.935Hz である. また, 面内方向においては 1.Hz 以内に卓越振動数が見られなかった. 88

96 ( 主桁中央 ) 4 ( 主桁 N 塔側 ) 2 ( 主桁 S 塔側 ).558 Hz パワー 1E-3 1E Hz.774 Hz.952 Hz 1E 振動数 (Hz) (a) 主径間中央断面の 3 点 パワー E-3 1E-4 3 (3P より 24m 地点 ) 6 (3P より 16m 地点 ) 1 (3P より 32m 地点 ).268 Hz.558 Hz.774 Hz.673 Hz.952 Hz 1E 振動数 (Hz) (b) 幅員中央部橋軸方向の 3 点 図 -6.6 主桁面内方向のパワースペクトル.1 5( 主桁面外 ) パワー 1E-3 1E Hz.472 Hz.797 Hz.93 Hz 1E 振動数 (Hz) 図 -6.7 主桁面外方向のパワースペクトル.1 7( 主塔面内 ) 8( 主塔面外 ).935 Hz パワー Hz 1E 振動数 (Hz) 図 -6.8 主塔のパワースペクトル 89

97 固有振動数 (Hz) 制振装置 非作動時 制振装置 作動時 測定回数 図 -6.9 Subspace 同定法により推定した固有振動数 (iii) Subspace 同定法による固有振動数の推定 多点計測による Subspace 同定法で推定した卓越振動数を図 -6.9 に示す. Subspace 同定法では,14 回計測した全計測デ-タを用い, それぞれの計測デ-タより求めた固有振動数の平均値を Subspace 同定法で推定した固有振動数とする. 図中に横線で示す. また,Subspace 同定法では, 固有振動数と同時に振動モ-ドおよび減衰定数を得ることができる.Subspace 同定法によって推定された振動モードは, 表 -6.8, 表 -6.9 および表 -6.1 に示す. よって, 固有振動数に関しては, 先に求めたMEMによる固有振動数と主桁面内方向, 主桁面外方向および主塔面外方向に分けて比較する. 比較結果および減衰定数は, 表 -6.5, 表 -6.6 および表 -6.7 に示す. (iv) MEM と Subspace 同定法により推定された固有振動数の比較表 -6.5, 表 -6.6 および表 -6.7 より振動数の差は, 主桁面内方向において最大で 3.2%, 主桁面外方向において最大で.5%, 主塔面外方向において.1% となった. よって, 両方法で推定した固有振動数は一致した. また, 表 -6.5, 表 -6.6 および表 -6.7 より主桁面内方向, 主桁面外方向および主塔面外方向における減衰定数は,.3~.9 となった. 減衰定数の推定においては, 常時微動のため制振装置の影響が考えられないので制振装置の作動および非作動を区別することなく平均値を求めた. すなわち, 17) 18) 対数減衰率にすると.19~.57 である. これは櫃石島橋, 大島大橋, および多々羅大橋 19) における振動実験より求められた対数減衰率 ( 櫃石島橋では.46~.8, 大島大橋では.3~.69, 多々羅大橋では.7~.213) と比較すると同程度の値である. 9

98 表 -6.5 主桁面内方向 1MEM 2Subspace 同定法 差 振動数 (Hz) 振動数 (Hz) 減衰定数 (1-2)/ 1 1(%) 表 -6.6 主桁面外 1MEM 2Subspace 同定法 差 振動数 (Hz) 振動数 (Hz) 減衰定数 (1-2)/1 1(%) 表 -6.7 主塔面外 1MEM 2Subspace 同定法 差 振動数 (Hz) 振動数 (Hz) 減衰定数 (1-2)/ 1 1(%)

99 (v) 実測値と解析値の比較 女神大橋の実測値として Subspace 同定法で求めた結果を使用する. また, 解析値としては, 前述した分割有りモデルおよび分割無しモデルの固有振動解析結果を用いる. 表 -6.8, 表 -6.9 および表 -6.1 に主桁面内振動の比較, 主桁面外振動の比較および主塔面外振動の比較を示す. 表 -6.8, 表 -6.9 および表 -6.1 より, 主桁面内振動, 主桁面外振動および主塔面外振動において解析値と実測値の固有振動モ - ドはほぼ同様な形状を示した. また, 固有振動数に関しては, 主桁面内振動において解析値と実測値の差は最大でも -1.31%, 主桁面外振動において解析値と実測値の差は最大でも -2.3%, 主塔面外振動においても解析値と実測値の差は 1.% となり概ね一致している. よって, 本章で用いた分割有りモデルおよび分割無しモデルはともに妥当であると考えられる. 表 -6.8 主桁面内振動 1 振動数 ( Hz) 実測値 固有値解析 差 振動数 (Hz) (1-2)/ (1-3)/ 振動モード 2 分割 3 分割 振動モード 無し 有り (%) (%) L/4 L/2 3L/4 tower L/4 L/2 3L/4 tower 92

100 表 -6.9 主桁面外振動 実測値固有値解析差 1 振 振動数 (Hz) (1-2)/ (1-3)/ 動数 (Hz) 振動モード 2 分割 無し 3 分割 有り 振動モード 1 1 (%) 1 1 (%) L/4 L/2 3L/4 tower L/4 L/2 3L/4 tower L/4 L/2 3L/4 tower 表 -6.1 主塔面外振動 実測値固有値解析差 1 振動 数 ( H z ) 振動モード 振動数 (Hz) 2 分割 3 分割 無し 有り 振動モード (1-2)/ 1 1 (%) (1-3)/ 1 1 (%) L/4 L/2 3L/4 tower 93

101 6.5 斜張橋の応答特性に及ぼす支持ケーブルの局部振動の影響 女神大橋の全体系の固有振動数と支持ケーブルの 1 次固有振動数の関係より支持ケーブルに局部振動が発生する可能性がある支持ケーブルを図 -6.1, 表 にまとめる. 図 -6.1, 表 より, 全体系の鉛直対称 1 次振動発生時に支持ケーブル C1,C2,C22,C23 および C25 において分数調和共振が発生する可能性がある. また, 全体系のねじれ対称 1 次振動発生時に支持ケーブル C7 および C19 において副不安定領域の係数励振振動が発生する可能性ある. 加えて, 支持ケーブル C12 および C15 において分数調和共振が発生する可能性がある. よって, 起振機実験を想定して両解析モデルにおける鉛直対称 1 次振動数とねじれ対称 1 次振動数と同一の加振振動数で正弦波加振した場合の応答を求める. 加振点は, 鉛直正弦波加振の場合, 主桁中央径間中央の中央断面の中点とし, ねじれ正弦波加振の場合には,5kN の起振機 2 台を 1 m 離して置き逆位相で加振する. 加振力の振幅は, 鉛直正弦波加振の場合 5kN, ねじれ正弦波加振の場合 5kN m で行う. これらの加振力は, 起振機による振動実験を想定しており, 主桁の応答は微小振動の応答を示す. 風によるガスト応答やレベル Ⅱ 地震動による応 主不安定領域 C7C19 副不安定領域 C25 C1 C23 C12 C15 分数調和共振 全体系の固有振動数 C22 C2 分割有りモデルねじれ対称 1 次 (.698Hz) 鉛直対称 1 次 ( 分割有り.266Hz) ( 分割無し.267Hz) ねじれ対称 1 次 (.674Hz) 支持ケーブルの 1 次振動数支持ケーブルの 1 次振動数の 2 倍支持ケーブルの 1 次振動数の.5 倍 分割無しモデル振動数 (Hz) 図 -6.1 支持ケーブルと全体系の固有振動数の関係 表 全体モードの加振によって係数励振振動および分数調波共振が発生する可能性があるケーブル 対象モード鉛直対称 1 次振動ねじれ対称 1 次振動 分数調波共振の発生可能性があるケーブル 副不安定領域に対応するケーブル 主不安定領域に対応するケーブル C1,C2,C22, なし C23,C25 C12,C15 C7,C19 なし 94

102 答を想定したものではない. ここで, 支持ケーブルの変位は, 分割有りモデルにおいては支持ケーブル中点の値, 分割無しモデルにおいては全体振動解析から別途支持ケーブルの応答を求めた値を用いた 数値積分法 解析法は時間積分に Newmark の β 法 ( β =.25) を用い, 時間間隔 ΔT =.2s, 継続時間 T=4s として数値解析を行う. 本章では, 斜張橋の支持ケ-ブルの減衰を正しく評価するために, 要素ごとの減衰を評価するための Rayleigh 減衰を用いる. 要素ごとの減衰をとる Rayleigh 減衰のマトリクスは以下のように示すことができる. ( ) N k k=1 k k j hi k 2 j [ C ] = α [ M ] + β [ K ] (5) k k k k f ( f j h j fi ) k ( f ) ( f ) 2 4 fi α = π, k i k k k k k k k h j f j h i f i β k = (6) k 2 k 2 π ( f ) ( ) j f i ここに,[M] k : 要素 k の質量マトリクス,[K] k : 要素 k の剛性マトリクス,N: 要素数,f 1 k,h 1 k : 要素 k の 1 次固有振動数および減衰定数 f 2 k,h 2 k : 要素 k の 2 次固有振動数および減衰定数. 表 に本章で用いた Rayleigh 減衰のパラメ - タ - を示す. 表 減衰パラメーター 主塔主桁支持ケーブル f 1 (Hz) f 2 (Hz) h 1 h 2 鉛直, ねじれ鉛直, ねじれ 1 次振動数 2 次振動数.2.2 ケーブルのケーブルの 1 次振動数 2 次振動数

103 6.5.2 鉛直正弦波加振による応答 図 に支持ケーブルの鉛直方向最大変位を示す. 図 より, 支持ケーブル C1,C2,C22,C23 および C25 において鉛直方向最大変位が大きくなっている. これは, 支持ケーブルの固有振動数と全体系の固有振動数が.5:1 となり分数調和共振が発生しているためである. 両解析モデルにおいて支持ケーブル C1 における鉛直方向最大変位を比 鉛直方向最大変位 (m) 分数調和共振分割有り (.266Hz) 分割無し (.267Hz) C1 C2 C23 C25 C22 分割有り分割無し 固有振動数 (Hz) 図 支持ケーブルの鉛直方向最大変位.4 分割有り.4 分割無し 鉛直方向変位 (m) 鉛直方向変位 (m) 時間 (sec) 時間 (sec) ((a) 分割ありモデル (b) 分割なしモデル 図 支持ケーブル C1 の鉛直方向の時刻歴 鉛直方向変位 (m) 分割有り 時間 (sec) 鉛直方向変位 (m) 分割無し 時間 (sec) (a) 分割ありモデル (b) 分割なしモデル 図 主桁定着点の鉛直方向の時刻歴 96

104 軸力 N (kn) 8 分割有り 6 分割無し 橋軸方向座標 (m) 鉛直方向座標 (m) 分割有り分割無し 軸力 N (kn) 図 主桁軸力 N 図 主塔軸力 N 較すると, 分割有りモデルを基準とした場合, 両解析モデルの差は 8.4% となり概ね一致した. また, 分数調和共振が発生している支持ケーブル C1 鉛直方向変位の時刻歴を図 に示し, 支持ケーブル C1 の主桁定着点の鉛直方向変位の時刻歴を図 に示す. 図 より鉛直方向変位の時刻歴を比較すると支持ケーブル C1 において分割有りモデルの方が最大変位が大きくなるが, ほぼ同じ大きさの応答を示している. 図 より主桁定着点においては, 両解析モデルの結果がよく一致した応答を示した. 次に, 図 -6.14, 図 に主桁および主塔の軸力 Nを示す. 両解析モデルの応答結果は同様な応答形状となり, 軸力 Nが最大となる点において応答結果を比較すると, 主桁において-1.9%, 主塔において -4.5% の差となりほぼ一致した. よって, 鉛直正弦波加振においては, 主桁および主塔の断面力に与える支持ケーブルの振動特性の影響は小さく, また, 支持ケーブルの局部振動を分離して求める解法によっても支持ケーブルの局部振動を求めることができる ねじれ正弦波加振による応答 図 に支持ケーブルの橋軸直角方向最大変位を示す. 図 より, 支持ケーブル C7 および C19 において橋軸直角方向最大変位が大きくなっている. これは, 支持ケーブルの固有振動数と全体系の固有振動数が 1:1 となり副不安定領域における係数励振振動が発生しているためである. 両解析モデルにおいて支持ケーブル C7 における橋軸直角方向最大変位を比較すると, 分割有りモデルを基準とした場合, 両解析モデルの差は 31.4% となり大きな違いが見られた. また, 副不安定領域における係数励振振動が発生している支持ケーブル C7 および支持ケーブル C7 の主桁定着点の橋軸直角方向変位の時刻歴を図 に示す. 97

105 図 より分割有りモデルが分割無しモデルよりも大きな応答変位を示している. また, 主桁定着点においては, 分割有りモデルではうねりを伴った応答を示しているが, 分割無しモデルでは, 一定時間経過すると定常状態に達している. これは分割無しモデルでは支持ケーブルの局部振動が主塔および主桁に影響しないと仮定して, 支持ケーブルの応答のみを別途取り出して求める分離モデル法を用いているためであると考えられる. 次に, 図 および図 に主桁および主塔の軸力 Nを示す. 主桁の軸力 Nに関して, 分割有りモデルに比べて分割無しモデルでは, 非常に小さい値となった. また, 主塔の軸力 Nに関しては, ほぼ同程度な応答を示したが大きな差が見られる箇所もあった. 主桁および主塔の軸力 Nにおいてそれぞれが最大となる点において両解析モデルの応答結果を比較すると, 分割有りモデルを基準とした場合, 主桁では 94.5%( 約 18 倍 ) および主塔では-13.9% と大きな違いが見られた. よって, ねじれ正弦波加振においては, 主桁および主塔の断面力に与える支持ケーブルの振動特性の影響が大きく, 支持ケーブルの局部振動を分 橋軸直角方向最大変位 (m) 副不安定領域副不安定領域分割無し (.674Hz) 分割有り (.698Hz) C7 C19 分割有り分割無し 固有振動数 (Hz) 図 支持ケーブルの橋軸直角方向最大変位 橋軸直角方向変位 (m) 分割有り分割無し 時間 (sec) 橋軸直角方向変位 (m) 分割有り分割無し 時間 (sec) (a) 支持ケーブル C7 (b) 主桁定着点 図 橋軸直角方向変位の時刻歴 98

106 軸力 N (kn) 橋軸方向座標 (m) 分割有り分割無し 図 主桁軸力 N 鉛直方向座標 (m) 分割有り分割無し 軸力 N (kn) 図 主塔軸力 N 離して求める解法によっては支持ケーブルの局部振動を求めることができない. つまり, 分割無しモデルでは, 支持ケーブルを 1 本のトラス要素としてモデル化しているため, 支持ケーブルのサグを考慮したことによる張力変動を考慮できない. 鉛直正弦波加振では, 左右の支持ケーブルが同じ方向に動くので, 左右の支持ケーブルにおいて作用する張力は同じである. このため, 支持ケーブルの変動張力の影響は少ない. しかし, ねじれ正弦波加振では, 左右の支持ケーブルの動きが逆のため左右の支持ケーブルの張力の差が効いてくるためと考えられる. 6.6 まとめ 本章で得られた結果を以下にまとめる. 1) 常時微動計測結果より, 多点計測による Subspace 同定法を用いて建設当初の女神大橋の固有振動特性を推定できた 99

107 2) 常時微動計測結果より得られた実測値および FEM 解析より得られた解析値はよく一致し, 本研究に用いた FEM 解析モデルが妥当であると考えられる. 3) 支持ケーブルがマルチファン型のように, 支持ケーブル 1 本当たりの重量が小さい場合, 固有振動解析においては, 橋梁の全体固有振動解析と支持ケーブルの固有振動解析を分離して行うことができる. 4) これまで, 斜張橋の支持ケーブルの局部振動を扱う場合, 支持ケーブルの局部振動を分離して求める解法が用いられているが, この方法では支持ケーブルの特性が全体系の振動に及ぼす影響が無視されている. このため, ねじれ振動のように, サグの影響を無視できない場合, 支持ケーブルの局部振動を分離して求める解法では不十分である. 参考文献 1) 土木学会構造工学委員会 : 橋梁振動モニタリングのガイドライン, 丸善,2. 2) Juang J.N.:Applied system identification,prentice-hall Inc, ) Van Overschee P., De Moor B. : Subspace identification for linear systems: Theory, implementation and applications, Kluwer Academic Publishers, ) 片山徹 : システム同定 - 部分空間法からのアプローチ, 朝倉書店,24. 5) Chang C.C., Chang T.Y.P., Zhang Q.W.:Ambient vibration of long-span cable-stayed bridge, Journal of Bridge Engineering, ASCE, Vol.6, No.1,pp.46 53,21. 6) Ren W.X., Peng X.L., Lin Y.Q.:Experimental and Analytical Studies on Dynamic Characteristics of a Large Span Cable-Stayed Bridges, Engineering Structures,Vol.27,No.4,pp ,25. 7) 日野幹雄 : スペクトル解析, 朝倉書店, ) ( 株 ) アーク情報システム :TDAPⅢ 機能説明書,23.9 9) Q. Wu, K. Takahashi, T. Okabayashi and S. Nakamura : Response Characteristics of Local Vibrations in Stay Cable on an Existing Cable-stayed Bridge, Journal of Sound and Vibration, No.261, pp.43-42, 23 1) 呉慶雄, 高橋和雄, 岡林隆敏, 中村聖三 : 天建寺 PC 斜張橋のケーブルの局部振動解析, 長崎大学工学部研究報告, Vol.31, No.56, pp.87-93, ) 呉慶雄, 高橋和雄, 岡林隆敏, 中村聖三 : ガスト応答による斜張橋の支持ケーブルの局部振動, 構造工学論文集, Vol.48A, pp , ) 木村剛, 呉慶雄, 高橋和雄, 中村聖三 : ケーブル要素と弦要素を用いた斜張橋の動的応答の比較に関する研究, 土木学会第 6 回年次学術講演会講演概要集, 第 1 部門, pp , ) 北原雄一, 呉慶雄, 木村剛, 高橋和雄, 中村聖三 : 分割トラス要素を用いた女神大橋の動的応答解析, 土木構造 材料論文集,23,CD-ROM,27. 14) 中瀬和敏, 有吉正敏, 北原雄一, 甲斐富岳, 今金真一, 上田浩之, 針谷清久 : 女神大橋上部工の施工, 橋梁と基礎, Vol.39, No.12, pp.5-7, ) 岡林隆敏, 奥松俊博, 中宮義貴 : 常時微動に基づく AR モデルによる構造物振動数の高精度自動推定, 土木学会論文集,Vol.759/I-67,pp , 24. 1

108 16) 古川毅, 岡林隆敏, 木村啓作, 奥松俊博 :ARMA 過程で表現された既設橋梁振動モデルによる交通振動予測, 土木学会論文集, Vol.787/I-71, pp.91-14,25. 17) 岡内功, 宮田利雄, 辰巳正明, 佐々木伸幸 : 大振幅加振による長大斜張橋の実橋振動実験, 土木学会論文集, No.455/I-21, pp.75-84, ) 長崎県, 長崎県道路公社 : 大島大橋工事誌, 2. 19) 真辺保仁, 佐々木伸幸, 山口和範 : 多々羅大橋の実橋振動実験, 橋梁と基礎, Vol.33,No.5, pp.27-3,

109 第 7 章結論 本研究は, 実橋の女神大橋を研究対象とすることで, 長大斜張橋における架設地点に応じた特殊工法の検証と, 実橋試験と解析による架設系, 完成系での制振装置の効果検証と動的特性の評価を行った. その結果, 撤去材直下に作業スペースが確保できない場合の斜ベントスイング工法を確立した. また, 架設系, 完成系で制振装置の効果を検証した. これらの成果は, 本橋架設地点のような特徴を有する箇所における長大斜張橋の架設工法と架設モニタリングに対して有用な情報を示した. 各章で得られた結果と課題を以下に示す. 第 1 章では, 本研究の背景と研究テーマと既往の研究を述べるとともに, 本論文の目的, 概要内容についてまとめた. 第 2 章では, 研究対象とした女神大橋の基本諸元, 架橋地点の状況ならびに架設計画の概要について紹介した. 第 3 章では, 架設地点に応じた架設工法の検討として, 斜ベントの撤去工法で国内で初めて採用したワイヤクランプジャッキを用いたスイング工法について検討した. ワイヤ転向箇所に耐久試験で材料の耐久性を確認したワイヤガイドを配置することでスイング工法の有効性を実証し, ワイヤクランプジャッキの新たな使用工法を示した. このことで, 今後大型重機が使用できない箇所においてワイヤクランプジャッキの使用機会の拡大が推測されるとともに, 大型重機を使用しないことによる架設工費の縮減が期待できることを示した. 第 4 章では, 架設時に来襲した大型台風時の主塔の挙動観測データより主塔の動的挙動の把握と架設系制振装置の有効性を確認するため, 制振装置の重錘変位が, 主塔の変位に対する設計応答倍率にほぼ等しいことから正常な制振装置の作動を確認した. また, 主塔の不規則波形より対数減衰率を算出し制振が必要な振動に対し必要な減衰が付加されていることを確認した. 架設途中は橋体形状の進捗に合わせて制振装置を盛り替え使用していくが, そのつど, 制振装置の効果検証に振動実験等を行う時間は少ない. このため, 短時間で低風域から高風域が発生する大型台風による挙動から制振装置の効果を検証することは有効であることを示した. 第 5 章では, 主塔の人力加振試験の結果より, 完成系で制振対象とした主塔の固有振動数, 減衰定数を推定し, 制振装置作動時の減衰から設計減衰値を満足していることを確認した. また,FEM モデルで得られた主塔の固有振動数と振動モードの計測結果と比較することで, 解析モデルの妥当性を確認した. さらに, 制振装置と橋体を一体でモデル化した動的応答解析を行い, 制振装置の有効性を確認した. 第 6 章では, 常時微動計測結果より橋梁全体の固有振動数, 固有振動モード, 減衰定数を推定し全体系 FEM モデルの妥当性を確認した. さらに分割トラス要素を用いた FEM モデルでケーブルの局部振動と橋梁全体へ与える影響を評価した結果, ねじれ振動によるサグの影響を無視できない場合は支持ケーブルの局部振動を分離して求める解法では不十分であることを示した. 第 7 章では, 各章で得られた知見をまとめ, 本研究の総括を行った. 12

110 以上, 本研究では女神大橋を通して長大斜張橋の新たな架設工法や動的特性に関する様々な知見が得られたが, その一方で今後解決すべき課題も明らかになった. まず, 大型台風時の主塔の不規則波形より RD 法を用いて対数減衰率を算出したが, この減衰値には, 空気力による空力減衰も付加されているので, この空力減衰は別途検討する必要がある. 次に, 制振装置と橋体の一体モデル化においては, 減衰定数が加振試験値より大きくなった. この原因としては制振装置の振動の立ち上がりが遅いことによるものと考えられるため, メカニズムのモデル化などが必要と考えられる. また, 本研究を進める中, 架設時のデータ保存と管理の難しいさ, 重要さを特に感じた. 本研究においても過去の施工データの確保と整理に多くの時間を要した. 大型工事は完成まで長期間を要し, 非常に多くの関係会社が, それぞれの契約期間の中で工事を分業し担当していく. このため各業務が完工された時, 業務中のデータが保存されていない場合も生じる. この対策として, 工事中の施工データを一括して管理, 保存する担当者を当初から完成まで継続的に配置していくことが必要である. 本研究の成果が, 今後の長大斜張橋の架設計画に寄与することを願うとともに, これら諸課題が今後の研究, 実業務の中で解決されていくことを望む. 13

111 謝辞 本論文を作成するにあたり, 長崎大学工学部高橋和雄教授には研究全般にわたって, 温かいご指導をいただきました. また, 岡林隆敏教授, 松田浩教授, 中村聖三准教授にそれぞれのご専門の立場より適切なご助言をいただきました. さらに, 奥松俊博助教, 福州大学の呉慶雄助教授にはご助言, ご支援をいただき感謝申し上げます. また, 三菱重工鉄構エンジニアリング 上田浩之氏, 三好哲典氏,MHI ソリューションズテクノロジーズ 渡部剛賢氏, 大滝ジャッキ 高橋昌義氏には共同研究者として多大なご協力をいただきました. 木村剛君, 有馬義人君はじめとする長崎大学工学部社会開発工学科の学生諸君, 同じ博士後期課程の犬束洋志氏, 中忠資氏, 吉村光弘氏, 其田智洋氏, 江頭克礎氏, オスマン トゥンチュ チェティンカヤ氏には多方面でご支援, ご激励をいただきました. さらに長崎県土木部道路建設課, 長崎県女神大橋建設事務所, ならびに女神大橋建設 JV の皆様には数々のご配慮いただき大変お世話になりました. ここに記して, 改めて感謝申し上げます. 14

国土技術政策総合研究所 研究資料

国土技術政策総合研究所 研究資料 3. 解析モデルの作成汎用ソフトFEMAP(Ver.9.0) を用いて, ダムおよび基礎岩盤の有限要素メッシュを8 節点要素により作成した また, 貯水池の基本寸法および分割数を規定し,UNIVERSE 2) により差分メッシュを作成した 3.1 メッシュサイズと時間刻みの設定基準解析結果の精度を確保するために, 堤体 基礎岩盤 貯水池を有限要素でモデル化する際に, 要素メッシュの最大サイズならびに解析時間刻みは,

More information

<4D F736F F D208E9197BF DDA89D78E8E8CB182CC8FDA8DD78C7689E6816A2E646F6378>

<4D F736F F D208E9197BF DDA89D78E8E8CB182CC8FDA8DD78C7689E6816A2E646F6378> 資料 - 載荷試験の詳細計画 第 回伊達橋補修検討委員会資料 平成 年 月 日 . 載荷試験の詳細計画 表 -. 部位 格点形式 溶接継ぎ手形式の階層化 ( 横桁と垂直材 下弦材との接合部応力 ). 疲労の観点からの原因究明および今後の亀裂の進展性の把握を目的とする計測 () 載荷試験の目的載荷試験は 以下の項目を把握 検証するために実施するものである (A) 横桁と垂直材 下弦材との接合部応力垂直材側の溶接止端部に応力を生じさせていると考えられる横桁の面外応力を把握するため

More information

国土技術政策総合研究所資料

国土技術政策総合研究所資料 5. 鉄筋コンクリート橋脚の耐震補強設計における考え方 5.1 平成 24 年の道路橋示方書における鉄筋コンクリート橋脚に関する規定の改定のねらい H24 道示 Ⅴの改定においては, 橋の耐震性能と部材に求められる限界状態の関係をより明確にすることによる耐震設計の説明性の向上を図るとともに, 次の2 点に対応するために, 耐震性能に応じた限界状態に相当する変位を直接的に算出する方法に見直した 1)

More information

構造力学Ⅰ第12回

構造力学Ⅰ第12回 第 回材の座屈 (0 章 ) p.5~ ( 復習 ) モールの定理 ( 手順 ) 座屈とは 荷重により梁に生じた曲げモーメントをで除して仮想荷重と考える 座屈荷重 偏心荷重 ( 曲げと軸力 ) 断面の核 この仮想荷重に対するある点でのせん断力 たわみ角に相当する曲げモーメント たわみに相当する ( 例 ) 単純梁の支点のたわみ角 : は 図 を仮想荷重と考えたときの 点の支点反力 B は 図 を仮想荷重と考えたときのB

More information

道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月

道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月 道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月 目次 本資料の利用にあたって 1 矩形断面の橋軸方向の水平耐力及び水平変位の計算例 2 矩形断面 (D51 SD490 使用 ) 橋軸方向の水平耐力及び水平変位の計算例 8 矩形断面の橋軸直角方向の水平耐力及び水平変位の計算例

More information

<4D F736F F F696E74202D D D4F93AE89F097E D F4390B32E B93C782DD8EE682E

<4D F736F F F696E74202D D D4F93AE89F097E D F4390B32E B93C782DD8EE682E DYMO を用いた動的解析例 単柱式鉄筋コンクリート橋脚の動的耐震設計例 解説のポイント DYMOを使った動的解析による耐震性能照査の流れ 構造のモデル化におけるポイント 固有振動解析 動的解析条件 動的解析結果 ( 各種応答 ) の見方 安全性の照査 形状寸法あるいは支承諸元の変更始め 橋梁構造のモデル作成 固有振動解析による橋梁の固有振動特性の把握 動的解析条件の設定 動的解析の実施及び解析結果の評価

More information

Slide 1

Slide 1 Release Note Release Date : Jun. 2015 Product Ver. : igen 2015 (v845) DESIGN OF General Structures Integrated Design System for Building and General Structures Enhancements Analysis & Design 3 (1) 64ビットソルバー及び

More information

技術解説_有田.indd

技術解説_有田.indd Acceleration / G 2 18 16 14 12 1 8 6 4 2 Damping : 1. Period / s XY.1.1 1. 6533 283 3333 423 155 15 (X) 26.12 Hz 15 12 (Y) 28.32 Hz (Z) 43.98 Hz GS Yuasa Technical Report 211 年 6 月 第8巻 水平方向 X_3G 1.7e+7

More information

耳桁の剛性の考慮分配係数の計算条件は 主桁本数 n 格子剛度 zです 通常の並列鋼桁橋では 主桁はすべて同じ断面を使います しかし 分配の効率を上げる場合 耳桁 ( 幅員端側の桁 ) の断面を大きくすることがあります 最近の桁橋では 上下線を別橋梁とすることがあり また 防音壁などの敷設が片側に有る

耳桁の剛性の考慮分配係数の計算条件は 主桁本数 n 格子剛度 zです 通常の並列鋼桁橋では 主桁はすべて同じ断面を使います しかし 分配の効率を上げる場合 耳桁 ( 幅員端側の桁 ) の断面を大きくすることがあります 最近の桁橋では 上下線を別橋梁とすることがあり また 防音壁などの敷設が片側に有る 格子桁の分配係数の計算 ( デモ版 ) 理論と解析の背景主桁を並列した鋼単純桁の設計では 幅員方向の横桁の剛性を考えて 複数の主桁が協力して活荷重を分担する効果を計算します これを 単純な (1,0) 分配に対して格子分配と言います レオンハルト (F.Leonhardt,1909-1999) が 1950 年初頭に発表した論文が元になっていて 理論仮定 記号などの使い方は その論文を踏襲して設計に応用しています

More information

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E631308FCD2E646F63>

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E631308FCD2E646F63> 第 1 章モールの定理による静定梁のたわみ 1-1 第 1 章モールの定理による静定梁のたわみ ポイント : モールの定理を用いて 静定梁のたわみを求める 断面力の釣合と梁の微分方程式は良く似ている 前章では 梁の微分方程式を直接積分する方法で 静定梁の断面力と変形状態を求めた 本章では 梁の微分方程式と断面力による力の釣合式が類似していることを利用して 微分方程式を直接解析的に解くのではなく 力の釣合より梁のたわみを求める方法を学ぶ

More information

Microsoft PowerPoint - 概論スライド3.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 概論スライド3.ppt [互換モード] 建設系構造物の振動 風による橋の振動を中心にして 講義の内容 建設系構造物の振動 振動事例 振動制御 構造物の振動あれこれ 振動とは 例 : ふり子の運動 おもりの動き おもり 時間 つり合い位置 振動 : 状態のつり合い位置まわりの往復運動 振動の形状は加わる力により決まる 波動 : 媒介をある状態 ( 波 ) が伝わる現象 例 : 水面の波紋 ( 津波 ), 地震動, 音, 電波 振動が問題となる背景

More information

Microsoft PowerPoint 発表資料(PC) ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint 発表資料(PC) ppt [互換モード] 空港エプロン PC 舗装版の補強構造に関する研究 空港研究部空港施設研究室坪川将丈, 水上純一, 江崎徹 ( 現 九州地整 ), 小林雄二 ( 株 ) ピーエス三菱吉松慎哉, 青山敏幸, 野中聡 1 研究の背景 目的 東京国際空港西側旅客エプロン15 番 16 番スポットのPC 舗装部において, 雨水の混入, 繰返し荷重の作用等により泥化したグラウト材のポンピング現象が発生ング現象 ( 航空機翼程度の高さにまで達する

More information

阿波しらさぎ大橋(東環状大橋)の設計・製作・施工

阿波しらさぎ大橋(東環状大橋)の設計・製作・施工 論文 報告 阿波しらさぎ大橋 ( 東環状大橋 ) の設計 製作 施工 ~ ケーブルイグレット橋の工事報告 ~ A Design, Fabrication and Construction of AWASHIRASAGIOOHASHI 福嶋貴生 *1 Takao FUKUSHIMA 井上岳大 *2 Takehiro INOUE 岩田幸三 *3 Kozo IWATA 本工事は, 徳島外環状道路の吉野川河口部に位置する阿波しらさぎ大橋のうち,

More information

Microsoft PowerPoint - 口頭発表_折り畳み自転車

Microsoft PowerPoint - 口頭発表_折り畳み自転車 1 公道走行を再現した振動試験による折り畳み自転車の破損状況 ~ 公道での繰り返し走行を再現した結果 ~ 2 公道走行を想定した試験用路面について 九州支所製品安全技術課清水寛治 目次 1. 折り畳み自転車のフレームはどのように破損するのか公道の走行振動を再現する自転車用ロードシミュレータについて繰り返し走行を想定した折り畳み自転車の破損部の特徴 ~ 公道による振動を繰り返し再現した結果 ~ 2.

More information

Microsoft PowerPoint - 橋工学スライド.ppt

Microsoft PowerPoint - 橋工学スライド.ppt 橋工学 : 授業の目的 橋の設計 施工に関する基本的な考え方を学習する. 特に, 道路橋の上部工 ( 鋼製橋桁 ) の設計について学習することに主眼をおく. 橋工学 : 達成目標 1. 橋の基本的機能と構成を説明できること. 2. 道路橋の設計における基本的な考え方と手順を説明できること. 3. 単純な道路橋上部工 ( 鋼製橋桁 ) について具体的な設計作業が行えること. 橋工学 : 関連する学習教育目標

More information

<8D5C91A28C768E5A8F91836C C768E5A8F A2E786C73>

<8D5C91A28C768E5A8F91836C C768E5A8F A2E786C73> スカイセイフティネット構造計算書 スカイテック株式会社 1. 標準寸法 2. 設計条件 (1) 荷重 通常の使用では スカイセーフティネットに人や物は乗せないことを原則とするが 仮定の荷重としてアスファルト ルーフィング1 巻 30kgが1スパンに1 個乗ったとした場合を考える ネットの自重は12kgf/1 枚 これに単管 (2.73kgf/m) を1m 辺り2 本考える 従ってネット自重は合計で

More information

Microsoft Word - 4_構造特性係数の設定方法に関する検討.doc

Microsoft Word - 4_構造特性係数の設定方法に関する検討.doc 第 4 章 構造特性係数の設定方法に関する検討 4. はじめに 平成 年度 年度の時刻歴応答解析を実施した結果 課題として以下の点が指摘 された * ) 脆性壁の評価法の問題 時刻歴応答解析により 初期剛性が高く脆性的な壁については現在の構造特性係数 Ds 評価が危険であることが判明した 脆性壁では.5 倍程度必要保有耐力が大きくなる * ) 併用構造の Ds の設定の問題 異なる荷重変形関係を持つ壁の

More information

270 長大橋の風による振動とその制振対策規則性の強い振動. 風琴振動ともいう. ガスト応答特定の発現領域をもたない, 自然風の風速変動に起因する不規則性の強い振動をいう パフェッティングとも呼ばれる. 発散振動ある風速に達すると振幅が急激に大きくなる振動をいう. ギヤロツピング 気流に直角なたわみ

270 長大橋の風による振動とその制振対策規則性の強い振動. 風琴振動ともいう. ガスト応答特定の発現領域をもたない, 自然風の風速変動に起因する不規則性の強い振動をいう パフェッティングとも呼ばれる. 発散振動ある風速に達すると振幅が急激に大きくなる振動をいう. ギヤロツピング 気流に直角なたわみ ながれ 21 (2002) 269 273. 269 総合講座ながれより 長大橋の風による振動とその制振対策 Aerodynamic Response of Large Span B!idges and ItsStabilizations 石川島播磨重工業 ( 株 ) 技術開発本部 総合開発センター松田一俊 KazutoshiMATSUDA 1 はじめに 現在, 長大橋と呼ばれる中央支間が比較的長い橋梁は,

More information

平成 23 年度 JAXA 航空プログラム公募型研究報告会資料集 (23 年度採用分 ) 21 計測ひずみによる CFRP 翼構造の荷重 応力同定と損傷モニタリング 東北大学福永久雄 ひずみ応答の計測データ 静的分布荷重同定動的分布荷重同定 ひずみゲージ応力 ひずみ分布の予測 or PZT センサ損

平成 23 年度 JAXA 航空プログラム公募型研究報告会資料集 (23 年度採用分 ) 21 計測ひずみによる CFRP 翼構造の荷重 応力同定と損傷モニタリング 東北大学福永久雄 ひずみ応答の計測データ 静的分布荷重同定動的分布荷重同定 ひずみゲージ応力 ひずみ分布の予測 or PZT センサ損 平成 3 年度 JAXA 航空プログラム公募型研究報告会資料集 (3 年度採用分 1 計測ひずみによる CFRP 翼構造の荷重 応力同定と損傷モニタリング 東北大学福永久雄 ひずみ応答の計測データ 静的分布荷重同定動的分布荷重同定 ひずみゲージ応力 ひずみ分布の予測 or PZT センサ損傷発生位置の推定発表内容 (1 荷重同定 1:11 点衝撃荷重同定 ( 荷重同定 : 分布荷重同定 (3 今後の予定

More information

横浜市環境科学研究所

横浜市環境科学研究所 周期時系列の統計解析 単回帰分析 io 8 年 3 日 周期時系列に季節調整を行わないで単回帰分析を適用すると, 回帰係数には周期成分の影響が加わる. ここでは, 周期時系列をコサイン関数モデルで近似し単回帰分析によりモデルの回帰係数を求め, 周期成分の影響を検討した. また, その結果を気温時系列に当てはめ, 課題等について考察した. 気温時系列とコサイン関数モデル第 報の結果を利用するので, その一部を再掲する.

More information

屋根ブレース偏心接合の研究開発

屋根ブレース偏心接合の研究開発 論文 報告 屋根ブレース偏心接合の研究開発 ~BT 接合ピースを用いた大梁 小梁 屋根ブレース接合部 ~ Research and Development of Eccentric Joints in Roof Brace 戸成建人 * Tatsuto TONARI 谷ヶ﨑庄二 * Shoji YAGASAKI 池谷研一 * Kenichi IKETANI 中澤潤 * Jun NAKAZAWA 川田工業システム建築の鉄骨生産ラインの特徴を活かして製作コストを低減するために,

More information

第 2 章 構造解析 8

第 2 章 構造解析 8 第 2 章 構造解析 8 2.1. 目的 FITSAT-1 の外郭構造が, 打ち上げ時の加速度等によって発生する局所的な応力, 及び温度変化によってビスに発生する引っ張り応力に対して, 十分な強度を有することを明らかにする. 解析には SolidWorks2011 を用いた. 2.2. 適用文書 (1)JMX-2011303B: JEM 搭載用小型衛星放出機構を利用する小型衛星への構造 フラクチャコントロール計画書

More information

Microsoft Word - 建築研究資料143-1章以外

Microsoft Word - 建築研究資料143-1章以外 4. ブレース接合部 本章では, ブレース接合部について,4 つの部位のディテールを紹介し, それぞれ問題となる点や改善策等を示す. (1) ブレースねらい点とガセットプレートの形状 (H 形柱, 弱軸方向 ) 対象部位の概要 H 形柱弱軸方向にガセットプレートタイプでブレースが取り付く場合, ブレースの傾きやねらい点に応じてガセットプレートの形状等を適切に設計する. 検討対象とする接合部ディテール

More information

を 0.1% から 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% まで増大する正負交番繰り返し それぞれ 3 回の加力サイクルとした 加力図および加力サイクルは図に示すとおりである その荷重 - 変位曲線結果を図 4a から 4c に示す R6-1,2,3 は歪度が 1.0% までは安定した履歴を示した

を 0.1% から 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% まで増大する正負交番繰り返し それぞれ 3 回の加力サイクルとした 加力図および加力サイクルは図に示すとおりである その荷重 - 変位曲線結果を図 4a から 4c に示す R6-1,2,3 は歪度が 1.0% までは安定した履歴を示した エネルギー吸収を向上させた木造用座屈拘束ブレースの開発 Development of Buckling Restrained Braces for Wooden Frames with Large Energy Dissapation 吉田競人栗山好夫 YOSHIDA Keito, KURIYAMA Yoshio 1. 地震などの水平力に抵抗するための方法は 種々提案されているところであるが 大きく分類すると三種類に分類される

More information

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E631318FCD2E646F63>

<4D F736F F D208D5C91A297CD8A7793FC96E591E631318FCD2E646F63> 11-1 第 11 章不静定梁のたわみ ポイント : 基本的な不静定梁のたわみ 梁部材の断面力とたわみ 本章では 不静定構造物として 最も単純でしかも最も大切な両端固定梁の応力解析を行う ここでは 梁の微分方程式を用いて解くわけであるが 前章とは異なり 不静定構造物であるため力の釣合から先に断面力を決定することができない そのため 梁のたわみ曲線と同時に断面力を求めることになる この両端固定梁のたわみ曲線や断面力分布は

More information

Microsoft PowerPoint - 01_内田 先生.pptx

Microsoft PowerPoint - 01_内田 先生.pptx 平成 24 年度 SCOPE 研究開発助成成果報告会 ( 平成 22 年度採択 ) 塩害劣化した RC スラブの一例 非破壊評価を援用した港湾コンクリート構造物の塩害劣化予測手法の開発 かぶりコンクリートのはく落 大阪大学大学院鎌田敏郎佐賀大学大学院 内田慎哉 の腐食によりコンクリート表面に発生したひび割れ ( 腐食ひび割れ ) コンクリート構造物の合理的な維持管理 ( 理想 ) 開発した手法 点検

More information

本日話す内容

本日話す内容 6CAE 材料モデルの VV 山梨大学工学部土木環境工学科吉田純司 本日話す内容 1. ゴム材料の免震構造への応用 積層ゴム支承とは ゴムと鋼板を積層状に剛結 ゴム層の体積変形を制限 水平方向 鉛直方向 柔 剛 加速度の低減 構造物の支持 土木における免震 2. 高減衰積層ゴム支承の 力学特性の概要 高減衰ゴムを用いた支承の復元力特性 荷重 [kn] 15 1 5-5 -1-15 -3-2 -1 1

More information

Microsoft PowerPoint - H24 aragane.pptx

Microsoft PowerPoint - H24 aragane.pptx 海上人工島の経年品質変化 研究背景 目的 解析条件 ( 境界条件 構成モデル 施工履歴 材料パラメータ ) 実測値と解析値の比較 ( 沈下量 ) 将来の不等沈下予測 ケーススタディー ( 埋土施工前に地盤改良を行う : 一面に海上 SD を打設 ) 研究背景 目的 解析条件 ( 境界条件 構成モデル 施工履歴 材料パラメータ ) 実測値と解析値の比較 ( 沈下量 ) 将来の不等沈下予測 ケーススタディー

More information

計算例 5t超え~10t以下用_(補強リブ無しのタイプ)

計算例 5t超え~10t以下用_(補強リブ無しのタイプ) 1 標準吊金具の計算事例 5t 超え ~10t 以下用 ( 補強リブ無しのタイプ ) 015 年 1 月 修正 1:015.03.31 ( 社 ) 鋼管杭 鋼矢板技術協会製品技術委員会 1. 検討条件 (1) 吊金具形状 寸法 ( 材料 : 引張強度 490 N/mm 級 ) 00 30 φ 65 90 30 150 150 60 15 () 鋼管仕様 外径 板厚 長さ L 質量 (mm) (mm)

More information

杭の事前打ち込み解析

杭の事前打ち込み解析 杭の事前打ち込み解析 株式会社シーズエンジニアリング はじめに杭の事前打込み解析 ( : Pile Driving Prediction) は, ハンマー打撃時の杭の挙動と地盤抵抗をシミュレートする解析方法である 打ち込み工法の妥当性を検討する方法で, 杭施工に最適なハンマー, 杭の肉厚 材質等の仕様等を決めることができる < 特徴 > 杭施工に最適なハンマーを選定することができる 杭の肉厚 材質等の仕様を選定することができる

More information

4) 横桁の照査位置 P.27 修正事項 横桁 No07~No18 ( 少主桁のNo01からNo06は格子計算による 断面力が発生しないので省略 ) 照査点 No 溶接部名称 継手名称 等級 1 横桁腹板上 主桁腹板 すみ肉 F H 2 横桁腹板下 主桁腹板 すみ肉 F H ただし 上記の 2 つ照

4) 横桁の照査位置 P.27 修正事項 横桁 No07~No18 ( 少主桁のNo01からNo06は格子計算による 断面力が発生しないので省略 ) 照査点 No 溶接部名称 継手名称 等級 1 横桁腹板上 主桁腹板 すみ肉 F H 2 横桁腹板下 主桁腹板 すみ肉 F H ただし 上記の 2 つ照 鋼道路橋の疲労設計資料 4. 疲労設計計算例 の横桁計算の修正 横桁の主桁への連結部の溶接にて 腹板部にすみ肉溶接を フランジ部に完全溶込溶接を採用した設計事例を掲載していますが 溶接部の応力計算の方法を修正いたします 異なる種類の溶接を混在させた場合には 母材の全断面を効とした場合に比べ 各部位の応力の分担が変わるわるため 溶接部の断面を用いて断面性能を計算し 応力を計算しました 詳細については

More information

Microsoft PowerPoint - 知財報告会H20kobayakawa.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 知財報告会H20kobayakawa.ppt [互換モード] 亀裂の変形特性を考慮した数値解析による岩盤物性評価法 地球工学研究所地圏科学領域小早川博亮 1 岩盤構造物の安定性評価 ( 斜面の例 ) 代表要素 代表要素の応力ひずみ関係 変形: 弾性体の場合 :E,ν 強度: モールクーロン破壊規準 :c,φ Rock Mech. Rock Engng. (2007) 40 (4), 363 382 原位置試験 せん断試験, 平板載荷試験 原位置三軸試験 室内試験

More information

第6章 実験モード解析

第6章 実験モード解析 第 6 章実験モード解析 6. 実験モード解析とは 6. 有限自由度系の実験モード解析 6.3 連続体の実験モード解析 6. 実験モード解析とは 実験モード解析とは加振実験によって測定された外力と応答を用いてモードパラメータ ( 固有振動数, モード減衰比, 正規固有モードなど ) を求める ( 同定する ) 方法である. 力計 試験体 変位計 / 加速度計 実験モード解析の概念 時間領域データを利用する方法

More information

PowerPoint Presentation

PowerPoint Presentation Non-linea factue mechanics き裂先端付近の塑性変形 塑性域 R 破壊進行領域応カ特異場 Ω R R Hutchinson, Rice and Rosengen 全ひずみ塑性理論に基づいた解析 現段階のひずみは 除荷がないとすると現段階の応力で一義的に決まる 単純引張り時の応カーひずみ関係 ( 構成方程式 ): ( ) ( ) n () y y y ここで α,n 定数, /

More information

新日本技研 ( 株 ) 技術報告 弾性横桁で支持された床版の断面力式 仙台支店 設計部高橋眞太郎 本社 顧問倉方慶夫 元本社 顧問高尾孝二 要旨 橋梁形式は 公共事業費抑制の要求を受けてコスト縮減を図ることができる合理化形式の採用が多くなっている この流れを受けて鈑桁形式では少数鈑桁橋

新日本技研 ( 株 ) 技術報告 弾性横桁で支持された床版の断面力式 仙台支店 設計部高橋眞太郎 本社 顧問倉方慶夫 元本社 顧問高尾孝二 要旨 橋梁形式は 公共事業費抑制の要求を受けてコスト縮減を図ることができる合理化形式の採用が多くなっている この流れを受けて鈑桁形式では少数鈑桁橋 新日本技研 ( 株 技術報告 - 弾性横桁で支持された床版の断面力式 仙台支店 設計部高橋眞太郎 本社 顧問倉方慶夫 元本社 顧問高尾孝二 要旨 橋梁形式は 公共事業費抑制の要求を受けてコスト縮減を図ることができる合理化形式の採用が多くなっている この流れを受けて鈑桁形式では少数鈑桁橋の採用が多くなっている この形式はおよそ 年前に 日本道路公団が欧州の少数鈑桁橋を参考にPC 床版を有する少数鈑桁橋の検討を始め

More information

強化プラスチック裏込め材の 耐荷実験 実験報告書 平成 26 年 6 月 5 日 ( 株 ) アスモ建築事務所石橋一彦建築構造研究室千葉工業大学名誉教授石橋一彦

強化プラスチック裏込め材の 耐荷実験 実験報告書 平成 26 年 6 月 5 日 ( 株 ) アスモ建築事務所石橋一彦建築構造研究室千葉工業大学名誉教授石橋一彦 強化プラスチック裏込め材の 耐荷実験 実験報告書 平成 26 年 6 月 5 日 ( 株 ) アスモ建築事務所石橋一彦建築構造研究室千葉工業大学名誉教授石橋一彦 1. 実験目的 大和建工株式会社の依頼を受け 地下建設土留め工事の矢板と腹起こしの間に施工する 強 化プラスチック製の裏込め材 の耐荷試験を行って 設計荷重を保証できることを証明する 2. 試験体 試験体の実測に基づく形状を次に示す 実験に供する試験体は3

More information

<4D F736F F D20819C938C8B9E B A F89CB90DD8CB48D65816A8F4390B394C52E646F63>

<4D F736F F D20819C938C8B9E B A F89CB90DD8CB48D65816A8F4390B394C52E646F63> 3. 東京ゲートブリッジの工事報告 側径間トラスの大型起重機船 3 隻相吊りによる大ブロック一括架設 技術委員会架設小委員会小玉芳文 1. はじめに東京ゲートブリッジは中央防波堤外側埋立地から東京都江東区若洲を結ぶ東京港臨海道路 Ⅱ 期事業で計画されている海上部に架かる橋梁である ( 図 -1) この事業による効果として 現在混雑している青海縦貫道路の交通量が約 3 割低減でき 中央防波堤外側埋立地から新木場までの移動時間が約

More information

周期時系列の統計解析 (3) 移動平均とフーリエ変換 nino 2017 年 12 月 18 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ( ノイズ ) の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分の振幅

周期時系列の統計解析 (3) 移動平均とフーリエ変換 nino 2017 年 12 月 18 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ( ノイズ ) の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分の振幅 周期時系列の統計解析 3 移動平均とフーリエ変換 io 07 年 月 8 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ノイズ の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分のがどのように変化するのか等について検討する. また, 気温の実測値に移動平均を適用した結果についてフーリエ変換も併用して考察する. 単純移動平均の計算式移動平均には,

More information

耐雪型歩道柵 (P 種 )H=1.1m ランク 3 ( 基礎ブロック ) 平成年月日

耐雪型歩道柵 (P 種 )H=1.1m ランク 3 ( 基礎ブロック ) 平成年月日 耐雪型歩道柵 (P 種 )H=1.1m ランク 3 ( 基礎ブロック ) 平成年月日 目 次 1. 目的 1 2. 耐雪型の設置計画 1 3. 構造諸元 1 4. 許容応力度 1 4-1 使用部材の許容応力度 ( SS400,STK410 相当 1 4-2 無筋コンクリートの引張応力度 1 4-3 地盤の耐荷力 1 5. 設計荷重 2 5-1 鉛直力 ( 沈降力 ) 2 5-2) 水平力 ( クリープ力

More information

Microsoft Word - KSスラブ 論文.doc

Microsoft Word - KSスラブ 論文.doc トラス筋を用いた軽量スラブ (KS スラブ ) 所属名 : 極東工業 ( 株 ) 発表者 : 牛尾亮太 1. はじめに都市再開発にともなうペデストリアンデッキ用床版, 歩道橋, 水路蓋といった比較的小さい荷重が作用する場所への適用を前提として, 軽量スラブ ( 以下 KS スラブ ) の開発 1) を行った.KS スラブは高流動コンクリートを使用した上下面の薄肉コンクリート版とトラス筋を結合した構造である.

More information

実橋観測結果に基づく長大橋耐風設計法の再評価

実橋観測結果に基づく長大橋耐風設計法の再評価 本州四国連絡橋における観測結果を反映した経済的に 長大橋を実現するための耐風設計法に関する研究 Study on wind-resistant design method for economically realization of long-span bridges based on full-scale measurement of Honshu-Shikoku Bridges 216 年 3

More information

Super Build/FA1出力サンプル

Super Build/FA1出力サンプル *** Super Build/FA1 *** [ 計算例 7] ** UNION SYSTEM ** 3.44 2012/01/24 20:40 PAGE- 1 基本事項 計算条件 工 事 名 : 計算例 7 ( 耐震補強マニュアル設計例 2) 略 称 : 計算例 7 日 付 :2012/01/24 担 当 者 :UNION SYSTEM Inc. せん断による変形の考慮 : する 剛域の考慮 伸縮しない材(Aを1000

More information

(2) 軌条設備軌条設備は 2 主箱桁のウェブ直下付近に軌条レールがくるよう4 軌条配置され その敷設延長は約 160mとなる ( 図 -4) 軌条設備を設置する際は 添接部遊間を一番内側の軌条から1mm 7mm 16mm 22mmとし 全体的に曲線形状となるよう角度を付けながら設置した ( 写真

(2) 軌条設備軌条設備は 2 主箱桁のウェブ直下付近に軌条レールがくるよう4 軌条配置され その敷設延長は約 160mとなる ( 図 -4) 軌条設備を設置する際は 添接部遊間を一番内側の軌条から1mm 7mm 16mm 22mmとし 全体的に曲線形状となるよう角度を付けながら設置した ( 写真 報告 曲線送出し工法による桁の架設 釈迦内こ線橋 Erection of a Girder with Curved Launching Erection Method - Shakanai Overpass - *1 田中栄貴 Hideki TANAKA 堀井 Satoshi HORII *2 敏 *3 池田浩 Yutaka IKEDA *4 稲田博史 Hiroshi INADA 要旨 大館西道路は

More information

西松建設技報

西松建設技報 Development and application of a prediction and analysis system for tunnel deformation PAS-Def * Masayuki Yamashita *** Takuya Sugimoto *** Kaoru Maeda ** Izumi Takemura *** Kouji Yoshinaga PAS-Def DRISS

More information

IT1815.xls

IT1815.xls 提出番号 No.IT1815 提出先御中 ハンドホール 1800 1800 1500 - 強度計算書 - 国土交通省大臣官房官庁営繕部監修平成 5 年度版 電気設備工事監理指針 より 受領印欄 提出平成年月日 株式会社インテック 1 1. 設計条件奥行き ( 短辺方向 ) X 1800 mm 横幅 Y 1800 mm 側壁高 Z 1500 mm 部材厚 床版 t 1 180 mm 底版 t 150

More information

第1章 単 位

第1章  単  位 H. Hamano,. 長柱の座屈 - 長柱の座屈 長い柱は圧縮荷重によって折れてしまう場合がある. この現象を座屈といい, 座屈するときの荷重を座屈荷重という.. 換算長 長さ の柱に荷重が作用する場合, その支持方法によって, 柱の理論上の長さ L が異なる. 長柱の計算は, この L を用いて行うと都合がよい. この L を換算長 ( あるいは有効長さという ) という. 座屈荷重は一般に,

More information

スライド 1

スライド 1 第 3 章 鉄筋コンクリート工学の復習 鉄筋によるコンクリートの補強 ( 圧縮 ) 鉄筋で補強したコンクリート柱の圧縮を考えてみよう 鉄筋とコンクリートの付着は十分で, コンクリートと鉄筋は全く同じように動くものとする ( 平面保持の仮定 ) l Δl 長さの柱に荷重を載荷したときの縮み量をとする 鉄筋及びコンクリートの圧縮ひずみは同じ量なのでで表す = Δl l 鉄筋及びコンクリートの応力はそれぞれの弾性定数を用いて次式で与えられる

More information

0302

0302 防振ゴム 総合カタログ 建築音響用 目次ボールダンパー YB-100 YB-200 YB-300 YB-400 4 5 6 7 丸型防振ゴム YMD YMD YMD YMDH YMDK 8 9 10 11 12 13 YMDG YH CH YC シールハンガー ( 吊り形防振ゴム ) 14 15 16 遮音ふさぎ材 17 YGS ストッパーゴム 18 YT 防振パッド 19 YGB ゴムブッシュ

More information

Microsoft PowerPoint - 構造力学Ⅰ第03回.pptx

Microsoft PowerPoint - 構造力学Ⅰ第03回.pptx 分布荷重の合力 ( 効果 ) 前回の復習 ( 第 回 ) p. 分布荷重は平行な力が連続して分布していると考えられる 例 : 三角形分布 l dx P=ql/ q l qx q l 大きさ P dx x 位置 Px 0 x x 0 l ql 0 : 面積に等しい 0 l l 重心に等しいモーメントの釣合より ( バリノンの定理 ) l qx l qx ql q 3 l ql l xdx x0 xdx

More information

Microsoft PowerPoint - fuseitei_6

Microsoft PowerPoint - fuseitei_6 不静定力学 Ⅱ 骨組の崩壊荷重の計算 不静定力学 Ⅱ では, 最後の問題となりますが, 骨組の崩壊荷重の計算法について学びます 1 参考書 松本慎也著 よくわかる構造力学の基本, 秀和システム このスライドの説明には, 主にこの参考書の説明を引用しています 2 崩壊荷重 構造物に作用する荷重が徐々に増大すると, 構造物内に発生する応力は増加し, やがて, 構造物は荷重に耐えられなくなる そのときの荷重を崩壊荷重あるいは終局荷重という

More information

PowerPoint Presentation

PowerPoint Presentation H8 年度有限要素法 1 構造強度設計 1. 塑性崩壊 1.3 疲労設計 ( 一部修正版 ) H8-1/6 早川 (R : 夏学期の復習部分 ) 1. 塑性崩壊とその評価法 ( 極限解析 ) R 塑性崩壊 : 構造物として使用に耐えないほどの過度の塑性変形 全断面降伏 前提 : 弾完全塑性材モデル E ひずみ硬化ありひずみ硬化なし : 降伏強さ E : ヤング率 ε 図 1.3 弾完全塑性材モデルの応力

More information

建電協Template

建電協Template 電気通信施設に用いる電気通信機器の耐震要求性能 ( 案 ) 1. 適用本件耐震要求性能は河川管理 道路管理 災害対策のために国土交通省が整備している電気通信施設に用いる電気通信機器に適用し 具体的な適用範囲は以下のとおりとする (1) 地上高さ 30m 以下の建築物に設置する電気通信設備 (2) 地上高さ 60m 以下の自立型通信用鉄塔及び建家屋上及び塔屋に設置する地上高さ 60m 以下の通信用鉄塔に設置する電気通信設備

More information

<4D F736F F D20837E836A837D E82CC88D98FED E12E646F63>

<4D F736F F D20837E836A837D E82CC88D98FED E12E646F63> 振動分析計 VA-12 を用いた精密診断事例 リオン株式会社 振動分析計 VA-12 を用いた精密診断事例を紹介します 振動分析計 VA-12 は 振動計と高機能 FFT アナライザが一体となったハンディタイプの測定器です 振動計として使用する場合は加速度 速度 変位の同時計測 FFT アナライザとして使用する場合は 3200 ライン分解能 20kHz の連続リアルタイム分析が可能です また カラー液晶に日本語表示がされます

More information

1. 研究背景 目的 2. 使用機器 3. 橋梁点検システム 4. 選定橋梁 5. 安全対策 橋梁点検フロー 6. 計測結果 計測条件 7. まとめ - 2 -

1. 研究背景 目的 2. 使用機器 3. 橋梁点検システム 4. 選定橋梁 5. 安全対策 橋梁点検フロー 6. 計測結果 計測条件 7. まとめ - 2 - ひび割れ計測機と飛行ロボットによる橋梁点検支援システムに関する研究 大阪市立大学大学院教授プロジェクトリーダー 山口隆司大阪市立大学大学院学生堂ノ本翔平菱田伸鉄工業 ( 株 ) 菱田聡クモノスコーポレーション ( 株 ) 藤田誠二近畿地方整備局道路部, 近畿技術事務所, 大阪国道事務所 - 1 - 1. 研究背景 目的 2. 使用機器 3. 橋梁点検システム 4. 選定橋梁 5. 安全対策 橋梁点検フロー

More information

Microsoft Word - 技術資料Vol.2.docx

Microsoft Word - 技術資料Vol.2.docx 技術資料 Vol.2 Civil Engineering & Consultants 株式会社クレアテック東京都千代田区西神田 2 丁目 5-8 共和 15 番館 6 階 TEL:03-6268-9108 / FAX:03-6268-9109 http://www.createc-jp.com/ ( 株 ) クレアテック技術資料 Vol.2 P.1 解析種別キーワード解析の目的解析の概要 3 次元静的線形解析

More information

<4D F736F F D208E9197BF A082C68E7B8D A815B82CC8D5C91A28AEE8F C4816A2E646F63>

<4D F736F F D208E9197BF A082C68E7B8D A815B82CC8D5C91A28AEE8F C4816A2E646F63> 資料 9 液化石油ガス法施行規則関係技術基準 (KHK0739) 地上設置式バルク貯槽に係るあと施工アンカーの構造等 ( 案 ) 地盤面上に設置するバルク貯槽を基礎と固定する方法として あと施工アンカーにより行う 場合の構造 設計 施工等は次の基準によるものとする 1. あと施工アンカーの構造及び種類あと施工アンカーとは アンカー本体又はアンカー筋の一端をコンクリート製の基礎に埋め込み バルク貯槽の支柱やサドル等に定着することで

More information

複合構造レポート 09 FRP 部材の接合および鋼と FRP の接着接合に関する先端技術 目次 第 1 部 FRP 部材接合の設計思想と強度評価 第 1 章 FRP 構造物の接合部 FRP 材料 FRP 構造物における各種接合方法の分類と典型的な部位 接合方法

複合構造レポート 09 FRP 部材の接合および鋼と FRP の接着接合に関する先端技術 目次 第 1 部 FRP 部材接合の設計思想と強度評価 第 1 章 FRP 構造物の接合部 FRP 材料 FRP 構造物における各種接合方法の分類と典型的な部位 接合方法 複合構造レポート 09 FRP 部材の接合および鋼と FRP の接着接合に関する先端技術 目次 第 1 部 FRP 部材接合の設計思想と強度評価 第 1 章 FRP 構造物の接合部 3 1.1 FRP 材料 3 1.2 FRP 構造物における各種接合方法の分類と典型的な部位 3 1.2.1 接合方法の種類 3 1.2.2 FRP 構造物における接合部 9 1.3 国内外における FRP 接合部の設計思想

More information

Microsoft Word - 第5章.doc

Microsoft Word - 第5章.doc 第 5 章表面ひび割れ幅法 5-1 解析対象 ( 表面ひび割れ幅法 ) 表面ひび割れ幅法は 図 5-1 に示すように コンクリート表面より生じるひび割れを対象とした解析方法である. すなわち コンクリートの弾性係数が断面で一様に変化し 特に方向性を持たない表面にひび割れを解析の対象とする. スラブ状構造物の場合には地盤を拘束体とみなし また壁状構造物の場合にはフーチングを拘束体として それぞれ外部拘束係数を定める.

More information

Autodesk Inventor Skill Builders Autodesk Inventor 2010 構造解析の精度改良 メッシュリファインメントによる収束計算 予想作業時間:15 分 対象のバージョン:Inventor 2010 もしくはそれ以降のバージョン シミュレーションを設定する際

Autodesk Inventor Skill Builders Autodesk Inventor 2010 構造解析の精度改良 メッシュリファインメントによる収束計算 予想作業時間:15 分 対象のバージョン:Inventor 2010 もしくはそれ以降のバージョン シミュレーションを設定する際 Autodesk Inventor Skill Builders Autodesk Inventor 2010 構造解析の精度改良 メッシュリファインメントによる収束計算 予想作業時間:15 分 対象のバージョン:Inventor 2010 もしくはそれ以降のバージョン シミュレーションを設定する際に 収束判定に関するデフォルトの設定をそのまま使うか 修正をします 応力解析ソルバーでは計算の終了を判断するときにこの設定を使います

More information

7090Gスヘ?ック140523_7090-1Fスヘ?ック.qxp

7090Gスヘ?ック140523_7090-1Fスヘ?ック.qxp t k 主要諸元 1 k フック巻上限界 1 k 仕様とアタッチメント 1 クローラクレーン k 全体図 2 k ブーム構成 3 k ジブ構成 4 k 作動範囲図 5 k 定格総荷重 6 k 主ブーム定格総荷重表 7 k 補助シーブ定格総荷重表 8,9 k ジブ定格総荷重表 10,11 k 主ブーム定格総荷重表 (26.8t カウンタウエイト / カーボディウエイトなし )( オプション ) 12

More information

図 維持管理の流れと診断の位置付け 1) 22 22

図 維持管理の流れと診断の位置付け 1) 22 22 第 2 章. 調査 診断技術 2.1 維持管理における調査 診断の位置付け (1) 土木構造物の維持管理コンクリート部材や鋼部材で構成される土木構造物は 立地環境や作用外力の影響により経年とともに性能が低下する場合が多い このため あらかじめ設定された予定供用年数までは構造物に要求される性能を満足するように適切に維持管理を行うことが必要となる 土木構造物の要求性能とは 構造物の供用目的や重要度等を考慮して設定するものである

More information

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷

Kumamoto University Center for Multimedia and Information Technologies Lab. 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI 宮崎県美郷 熊本大学アプリケーション実験 ~ 実環境における無線 LAN 受信電波強度を用いた位置推定手法の検討 ~ InKIAI プロジェクト @ 宮崎県美郷町 熊本大学副島慶人川村諒 1 実験の目的 従来 信号の受信電波強度 (RSSI:RecevedSgnal StrengthIndcator) により 対象の位置を推定する手法として 無線 LAN の AP(AccessPont) から受信する信号の減衰量をもとに位置を推定する手法が多く検討されている

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 材料実験演習 第 6 回 2015.05.17 スケジュール 回 月 / 日 標題 内容 授業種別 時限 講義 演習 6,7 5 月 17 日 8 5 月 24 日 5 月 31 日 9,10 6 月 7 日 11 6 月 14 日 講義 曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート(RC) 梁の挙動その1 構造力学の基本事項その2 RC 梁の特徴演習 曲げを受ける梁の挙動 実験 鉄筋コンクリート梁の載荷実験レポート

More information

ブレースの配置と耐力

ブレースの配置と耐力 システム天井新耐震基準 平成 20 年 10 月制定平成 23 年 9 月改定 1 はじめに 平成 13 年芸予地震 平成 15 年十勝沖地震 および平成 17 年宮城沖地震において 天井の脱落被害が発生し 大規 模空間の天井の崩落対策についての技術的助言 1) 2) 3) が国土交通省から出されたことを契機に 各方面で天井の耐震性に関する研究や実験が行われてきました ロックウール工業会においては

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション SALOME-MECA を使用した RC 構造物の弾塑性解析 終局耐力と弾塑性有限要素法解析との比較 森村設計信高未咲 共同研究者岐阜工業高等専門学校柴田良一教授 研究背景 2011 年に起きた東北地方太平洋沖地震により多くの建築物への被害がみられた RC 構造の公共建築物で倒壊まではいかないものの大きな被害を負った報告もあるこれら公共建築物は災害時においても機能することが求められている今後発生が懸念されている大地震を控え

More information

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X ( 第 週ラプラス変換 教科書 p.34~ 目標ラプラス変換の定義と意味を理解する フーリエ変換や Z 変換と並ぶ 信号解析やシステム設計における重要なツール ラプラス変換は波動現象や電気回路など様々な分野で 微分方程式を解くために利用されてきた ラプラス変換を用いることで微分方程式は代数方程式に変換される また 工学上使われる主要な関数のラプラス変換は簡単な形の関数で表されるので これを ラプラス変換表

More information

<4D F736F F D2097CD8A7793FC96E582BD82ED82DD8A E6318FCD2E646F63>

<4D F736F F D2097CD8A7793FC96E582BD82ED82DD8A E6318FCD2E646F63> - 第 章たわみ角法の基本式 ポイント : たわみ角法の基本式を理解する たわみ角法の基本式を梁の微分方程式より求める 本章では たわみ角法の基本式を導くことにする 基本式の誘導法は各種あるが ここでは 梁の微分方程式を解いて基本式を求める方法を採用する この本で使用する座標系は 右手 右ネジの法則に従った座標を用いる また ひとつの部材では 図 - に示すように部材の左端の 点を原点とし 軸線を

More information

国土技術政策総合研究所 研究資料

国土技術政策総合研究所 研究資料 3 章 PC 橋と PRC 橋の概略比較設計本章では コンクリート桁橋で一般的と考えられる支間長 80mの3 径間連続ラーメン箱桁橋をモデルケースとし PC 構造と PRC 構造それぞれで概略設計を行うことにより それぞれの構造の特性と性能に及ぼす影響や 特に疲労損傷のリスクに対する比較分析を行った なお PC 構造は従来の道路橋示方書 1) に従った設計とし PRC 構造は土木学会コンクリート標準示方書

More information

Microsoft PowerPoint - 1章 [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 1章 [互換モード] 1. 直線運動 キーワード 速さ ( 等速直線運動, 変位 ) 加速度 ( 等加速度直線運動 ) 重力加速度 ( 自由落下 ) 力学 I 内容 1. 直線運動 2. ベクトル 3. 平面運動 4. 運動の法則 5. 摩擦力と抵抗 6. 振動 7. 仕事とエネルギー 8. 運動量と力積, 衝突 9. 角運動量 3 章以降は, 運動の向きを考えなければならない 1. 直線運動 キーワード 速さ ( 等速直線運動,

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 材料実験演習 第 6 回 2017.05.16 スケジュール 回 月 / 日 標題 内容 授業種別 時限 実験レポート評価 講義 演習 6,7 5 月 16 日 8 5 月 23 日 5 月 30 日 講義 曲げモーメントを受ける鉄筋コンクリート(RC) 梁の挙動その1 構造力学の基本事項その2 RC 梁の特徴演習 曲げを受ける梁の挙動 実験 鉄筋コンクリート梁の載荷実験レポート 鉄筋コンクリート梁実験レポート作成

More information

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 となるように半固定抵抗器を調整する ( ゼロ点調整のため ) 図 1 非反転増幅器 2010 年度版物理工学実験法

More information

< B837B B835E82C982A882AF82E991CF905593AE90AB8CFC8FE382C98AD682B782E988EA8D6C8E40>

< B837B B835E82C982A882AF82E991CF905593AE90AB8CFC8FE382C98AD682B782E988EA8D6C8E40> 1 / 4 SANYO DENKI TECHNICAL REPORT No.10 November-2000 一般論文 日置洋 Hiroshi Hioki 清水明 Akira Shimizu 石井秀幸 Hideyuki Ishii 小野寺悟 Satoru Onodera 1. まえがき サーボモータを使用する機械の小型軽量化と高応答化への要求に伴い サーボモータは振動の大きな環境で使用される用途が多くなってきた

More information

第 4 週コンボリューションその 2, 正弦波による分解 教科書 p. 16~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問 1. 以下の図にならって,1 と 2 の δ 関数を図示せよ δ (t) 2

第 4 週コンボリューションその 2, 正弦波による分解 教科書 p. 16~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問 1. 以下の図にならって,1 と 2 の δ 関数を図示せよ δ (t) 2 第 4 週コンボリューションその, 正弦波による分解 教科書 p. 6~ 目標コンボリューションの演習. 正弦波による信号の分解の考え方の理解. 正弦波の複素表現を学ぶ. 演習問題 問. 以下の図にならって, と の δ 関数を図示せよ. - - - δ () δ ( ) - - - 図 δ 関数の図示の例 δ ( ) δ ( ) δ ( ) δ ( ) δ ( ) - - - - - - - -

More information

Microsoft Word - 1B2011.doc

Microsoft Word - 1B2011.doc 第 14 回モールの定理 ( 単純梁の場合 ) ( モールの定理とは何か?p.11) 例題 下記に示す単純梁の C 点のたわみ角 θ C と, たわみ δ C を求めよ ただし, 部材の曲げ 剛性は材軸に沿って一様で とする C D kn B 1.5m 0.5m 1.0m 解答 1 曲げモーメント図を描く,B 点の反力を求める kn kn 4 kn 曲げモーメント図を描く knm 先に得られた曲げモーメントの値を

More information

風力発電インデックスの算出方法について 1. 風力発電インデックスについて風力発電インデックスは 気象庁 GPV(RSM) 1 局地気象モデル 2 (ANEMOS:LAWEPS-1 次領域モデル ) マスコンモデル 3 により 1km メッシュの地上高 70m における 24 時間の毎時風速を予測し

風力発電インデックスの算出方法について 1. 風力発電インデックスについて風力発電インデックスは 気象庁 GPV(RSM) 1 局地気象モデル 2 (ANEMOS:LAWEPS-1 次領域モデル ) マスコンモデル 3 により 1km メッシュの地上高 70m における 24 時間の毎時風速を予測し 風力発電インデックスの算出方法について 1. 風力発電インデックスについて風力発電インデックスは 気象庁 GPV(RSM) 1 局地気象モデル 2 (ANEMOS:LAWEPS-1 次領域モデル ) マスコンモデル 3 により 1km メッシュの地上高 70m における 24 時間の毎時風速を予測し 2000kW 定格風車の設備利用率として表示させたものです 数値は風車の定格出力 (2000kW)

More information

長崎通信 No.85

長崎通信 No.85 NAOSITE: Nagasaki University's Ac Title 長崎通信 No.85 Author(s) Citation 長崎通信 No.85; 1986 Issue Date 1986-11-13 URL http://hdl.handle.net/10069/36432 Right 長崎の証言の会 This document is downloaded http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp

More information

05設計編-標準_目次.indd

05設計編-標準_目次.indd 2012 年制定 コンクリート標準示方書 [ 設計編 : 本編 ] 目 次 1 章 総 則 1 1.1 適用の範囲 1 1.2 設計の基本 2 1.3 用語の定義 4 1.4 記 号 7 2 章 要求性能 13 2.1 一 般 13 2.2 耐久性 13 2.3 安全性 14 2.4 使用性 14 2.5 復旧性 14 2.6 環境性 15 3 章 構造計画 16 3.1 一 般 16 3.2 要求性能に関する検討

More information

ジャイロスコープの実験

ジャイロスコープの実験 振動実験 2018 年版 目的 : 機械及び電気工学実験における 機械振動の測定 では 1 自由度振動系に関して自由振動より固有振動数および減衰比を 強制振動より振幅倍率と位相差の周波数変化を求めた 本実験では

More information

SPACEstJ User's Manual

SPACEstJ User's Manual 6-1 第 6 章部材の断面力計算 ポイント : 部材断面力の計算 両端の変位より両端外力を計算する 本章では 両端の変位を用いて部材両端の材端力を求め 断面内の応力との釣合より 断面力を求める方法を学ぶ ここでは 部材荷重は等分布荷重を考慮しているため 基本応力と節点荷重による断面力を重ね合わせて 実際の部材断面力を求める 6.1 はじめに キーワード 部材断面力の計算部材座標系の変位等分布荷重による基本応力

More information

1. 空港における融雪 除雪対策の必要性 除雪作業状況 H12 除雪出動日数除雪出動回数 H13 H14 H15 H16 例 : 新千歳空港の除雪出動状況 2. 検討の方針 冬季の道路交通安全確保方策 ロードヒーティング 2

1. 空港における融雪 除雪対策の必要性 除雪作業状況 H12 除雪出動日数除雪出動回数 H13 H14 H15 H16 例 : 新千歳空港の除雪出動状況 2. 検討の方針 冬季の道路交通安全確保方策 ロードヒーティング 2 寒冷地空港における定時性向上のための融雪装置導入に関する舗装構造の検討 国土技術政策総合研究所空港研究部空港施設研究室水上純一 研究内容 1. 空港における融雪 除雪対策の必要性 2. 検討の方針 3. 検討内容 ( 各種実施試験 ) 4.. まとめ 1 1. 空港における融雪 除雪対策の必要性 除雪作業状況 35 3 25 2 15 1 5 H12 除雪出動日数除雪出動回数 H13 H14 H15

More information

θ T [N] φ T os φ mg T sin φ mg tn φ T sin φ mg tn φ θ 0 sin θ tn θ θ sin φ tn φ φ θ φ mg θ f J mg f π J mg π J J 4π f mg 4π f () () /8

θ T [N] φ T os φ mg T sin φ mg tn φ T sin φ mg tn φ θ 0 sin θ tn θ θ sin φ tn φ φ θ φ mg θ f J mg f π J mg π J J 4π f mg 4π f () () /8 [N/m] m[g] mẍ x (N) x. f[hz] f π ω π m ω πf[rd/s] m ω 4π f [Nm/rd] J[gm ] J θ θ (gm ) θ. f[hz] f π ω π J J ω 4π f /8 θ T [N] φ T os φ mg T sin φ mg tn φ T sin φ mg tn φ θ 0 sin θ tn θ θ sin φ tn φ φ θ

More information

<4D F736F F D208E9197BF B5497F48CB488F682CC908492E8816A2E646F6378>

<4D F736F F D208E9197BF B5497F48CB488F682CC908492E8816A2E646F6378> 資料 -3 亀裂原因の推定 第 5 回伊達橋補修検討委員会資料 平成 28 年 3 月 11 日 Ⅱ. 亀裂原因の推定 1. 亀裂原因の推定 1-1. 亀裂の発生状況 亀裂発生箇所を図 -1.1 表 -1.1 亀裂の位置を写真 -1.1 代表的な亀裂発生箇所を写真 -1.2~ 写真 -1.6 に 示す 亀裂は 横桁フランジと垂直材の接合部 (1234) 下弦材とニーブレース 下横構ガセットの接合 部

More information

会社の経営努力による費用の縮減内容について 資料 -7 運用指針 第 2 条 3 供用までの期間を短縮したことによる費用の縮減 フネヒキミハル 磐越自動車道 コオリヤマヒカ シ ( 船引三春 IC~ 郡山東 IC) の早期 4 車線化

会社の経営努力による費用の縮減内容について 資料 -7 運用指針 第 2 条 3 供用までの期間を短縮したことによる費用の縮減 フネヒキミハル 磐越自動車道 コオリヤマヒカ シ ( 船引三春 IC~ 郡山東 IC) の早期 4 車線化 会社の経営努力による費用の縮減内容について 資料 -7 運用指針 第 2 条 3 供用までの期間を短縮したことによる費用の縮減 フネヒキミハル 磐越自動車道 コオリヤマヒカ シ ( 船引三春 IC~ 郡山東 IC) の早期 4 車線化 フネヒキミハル コオリヤマヒカ シ 磐越自動車道 ( 船引三春 IC~ 郡山東 IC) の早期供用 当初計画 西田橋当該箇所はJRおよび国道を跨ぐ橋梁のⅡ 期線工事において

More information

強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着

強度のメカニズム コンクリートは 骨材同士をセメントペーストで結合したものです したがって コンクリート強度は セメントペーストの接着力に支配されます セメントペーストの接着力は 水セメント比 (W/C 質量比 ) によって決められます 水セメント比が小さいほど 高濃度のセメントペーストとなり 接着 コンクリートの強度 コンクリートの最も重要な特性は強度です ここでは まず コンクリート強度の基本的特性について解説し 次に 呼び強度および配合強度がどのように設定されるか について説明します 強度のメカニズム 強度の影響要因 強度性状 構造物の強度と供試体強度 配合 ( 調合 ) 強度と呼び強度の算定 材料強度のばらつき 配合強度の設定 呼び強度の割増し 構造体強度補正値 舞鶴市および周辺部における構造体強度補正値

More information

パソコンシミュレータの現状

パソコンシミュレータの現状 第 2 章微分 偏微分, 写像 豊橋技術科学大学森謙一郎 2. 連続関数と微分 工学において物理現象を支配する方程式は微分方程式で表されていることが多く, 有限要素法も微分方程式を解く数値解析法であり, 定式化においては微分 積分が一般的に用いられており. 数学の基礎知識が必要になる. 図 2. に示すように, 微分は連続な関数 f() の傾きを求めることであり, 微小な に対して傾きを表し, を無限に

More information

明治十四年の政変の真相 (1)

明治十四年の政変の真相 (1) NAOSITE: Nagasaki University's Ac Title 明 治 十 四 年 の 政 変 の 真 相 (1) Author(s) 木 曽, 朗 生 Citation 架 橋, 6, pp.31-210 Issue Date 2005-03 URL http://hdl.handle.net/10069/28543 Right This document is downloaded

More information