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- さや こびき
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1 第 14 回モールの定理 ( 単純梁の場合 ) ( モールの定理とは何か?p.11) 例題 下記に示す単純梁の C 点のたわみ角 θ C と, たわみ δ C を求めよ ただし, 部材の曲げ 剛性は材軸に沿って一様で とする C D kn B 1.5m 0.5m 1.0m 解答 1 曲げモーメント図を描く,B 点の反力を求める kn kn 4 kn 曲げモーメント図を描く knm 先に得られた曲げモーメントの値を で割って上下反転した値を分布荷重とする単 純梁を考える 4.0m 1.0m 支点反力を求めるために分布荷重を集中荷重に置き換える knm 4 m 44 m m
2 力の釣り合いから下記の支点反力が得られる 9 10kNm 9 C 点で切断する ( この図では ~C 間を考えている C~B 間で考えても同じ答えになる ) 9 M* Q* 1kNm N* 1.5m C 点の断面力 (N*, Q*, M*) を求めるために, 分布荷重を集中荷重に置き換える knm 4 9 M* Q* N* 1.0m 0.5m 力の釣り合いより ΣX i =0:N*=0 ΣY i =0:Q*- Q*= ΣM i =0:M*- M*= knm 4 - knm 4 1.5m+ 1.5m- =0 = knm 4 5kNm 6 knm 4 45 =θ C 0.5m=0 0.5m= knm 4 =δ C たわみ角 θ c は Q*,C 点のたわみδ c は M* で求められたことになる 5kNm knm θ C =, δ C = 6 4
3 第 15 回モールの定理 ( 片持ち梁の場合 ) ( モールの定理とは何か?p.11) 例題 下記に示す片持ち梁の,B 点でのたわみ角 θ,θ B およびたわみ δ,δ B を求めよ た だし, 部材の曲げ剛性は材軸に沿って一様で とする kn 6kNm m B 解答 1 曲げモーメント図を描く 6kNm B 先に得られた曲げモーメントの値を で割って上下反転した値を分布荷重とし 境 界条件を反対にした片持ち梁を考える 6kNm m B B 点の断面力 (N*, Q*, M*) を求めるために, 分布荷重を集中荷重に置き換える B M* N* Q* 9kNm m 力の釣り合いより ΣY i =0:Q*- ΣM i =0:M*- 9kNm 9kNm =0 Q*= 9kNm m=0 M*= 47 =θ B 7kNm =δ B
4 点で切断する 6kNm knm M* N* m Q* 点の断面力 (N*, Q*, M*) を求めるために, 分布荷重を集中荷重に置き換える M* N* Q* m 4 m 力の釣り合いより ΣX i =0:N*=0 ΣY i =0:Q*- - =0 Q*= + = =θ ΣM i =0:M*- 4 m- =0 M*= 4 m+ = =δ θ = 9kNm, θ B =, δ = 7kNm, δ B = 48
5 モールの定理とは何か? 単純梁と片持梁の変形量 ( たわみ量とたわみ角 ) を求めるための計算方法である ここでは, どのような考え方で, この定理が成り立っているのかを解説する 1 本の梁について,x の点における梁のたわみを v(x), その点に生じている曲げモーメント M(x) の間には, Mx ( ) = v''( x ) (1.1) の関係がある 4 ここに,E はヤング係数,I は断面 次モーメントであり, また上付の (') は x に関する微分を表している また, 分布荷重 q(x) とせん断力 Q(x), 曲げモーメント M(x) の間には, 下記の関係がある 5 Q'( x) = q( x ) (1.) M'( x) = Q( x ) (1.) (1.) 式の Q(x) に (1.) 式を代入すると, 分布荷重 q(x) と曲げモーメント M(x) との間には, qx ( ) = Q'( x) = M''( x) (1.4) が成り立つことがわかる ここで, 分布荷重から曲げモーメントを求める手順を考えてみる 分布荷重を受ける梁の曲げモーメントは, 構造力学 1 でやってきたように力の釣合で求めることができる 式の上では (1.4) 式を満たすように解く必要があるが, 力の釣合だけで左辺の q(x) から右辺の M(x) が求められるのである ところで,(1.1) 式を下記のように少し書き換えてみる Mx ( ) = v''( x) (1.5) (1.4) 式と比べてみると, どちらの式も, 右辺は x で 階微分した式で, 左辺は微分していない式となっており, これら つの式は同じ形式の微分方程式であるといえる ということは, (1.4) 式を力の釣合で解いたように,(1.5) 式も解くことができることになる 具体的には, 仮想の分布荷重 q*(x)=m(x)/ を考えたときに生じる曲げモーメント M*(x) がたわみ v(x) と一致する また, たわみ角 θ (x) は, たわみ v(x) の 1 階微分 v'(x) であるから, 曲げモーメント M*(x) の 1 階微分であるせん断力 Q*(x) で求められることになる ただし, 上記の話は微分方程式が似ているというところから来ており, 境界条件を考慮する必要がある 詳細は省くが, 単純梁の場合には, 同じ単純梁に仮想分布荷重 q*(x) を作用させればよく, 片持梁の場合には, 自由端と固定端を入れ替えた片持梁に q*(x) を作用させれば, たわみ v(x) とたわみ角 θ (x) はそれぞれ曲げモーメント M*(x) とせん断力 Q*(x) として求められる 4 たわみ曲線と曲げモーメントの関係 (p.114),(14.1) 式 5 梁の基本釣合式 ( 構造力学 1 の一般化 )(p.117),(15.),(15.) 式 11
6 たわみ曲線と曲げモーメントの関係 梁の材軸方向に x 軸, それに直交する下向きの方向を 軸とする たわみとは, 軸方向の変位を表し, 材軸線上のたわみ曲線が v(x) で表されるとする このとき,x の断面に生じる曲げモーメント M(x) とたわみ v(x) の間には下記の関係がある Mx ( ) = v''( x) (14.1) ここに,E はヤング係数,I は断面 次モーメントを指す また, ダッシュ (') は x に関する微分を示す この式は, 梁のたわみに関する基礎式で, この式を基にして様々な式が生まれている ここでは,(14.1) 式がどのように導かれるのかを解説する 式が結構ややこしいので, 興味のある人だけ読んで下さい 梁断面中の (x,) 点にある, 長さ の要素を考える もともと平らであった梁の断面が変形後も平らであったとすると,x および (x+) 断面の傾きはたわみ曲線の微分, つまり v'(x) および v'(x+) で表されることになり, このため長さ であった要素は ' になる (x,) x x+ v(x) v(x+) (x,) 図 6. 梁のたわみと回転の関係 図 7 中の v'( x) と v'( x + ) が左向きであることに注意して, と ' の長さの変化 を式で表すと下記のようになる ' = v '( x + ) + v '( x) ひずみε は伸び ('-) を元の長さ で割った値として求められるから, 上式を書き換えて次式が得られる 114
7 ' v '( x + ) + v '( x) v '( x + ) v '( x) ε( ) = = = 微分の定義を思い出す ( あるいは Talor 展開して 以上の項を無視する ) と, 上式は ε ( ) = v''( x) (14.) となる v'(x) v'(x) ' v'(x+) v'(x+) 図 7 中立軸から距離 にある線素の変形 ヤング係数を E で表すと, 梁断面中の (x,) 点に生じる応力度は次式となる σ ( x, ) = Eε( ) = Ev''( x) (14.) 式より明らかなように, ひずみε も応力度 σ も図心を通る直線となっていることがわかる x σ(x,) d M(x) N(x) d z dz d=d dz 図 8 微小な断面 d ここで, 材軸方向の座標値が x である断面を考える 断面内の話をするため, ここで新たに z 軸を図 8 のように設定する 断面内の点 (,z) における微少な断面 d(=d dz) を考えると, その断面には応力度 σ(x,) が生じているので, 断面に垂直な方向に生じる力 dn(x,,z) は次式となる dn( x,, z) = σ ( x, ) d = σ ( x, ) d dz この値を断面にわたって積分すると x 面における軸力 N(x) が求められる (14.4) Nx ( ) = dnxz (,, ) = σ( xd, ) = σ( xddz, ) 115
8 また,z 軸まわりの曲げモーメント M(x) は力 dn(x,,z) が距離 に生じていることから dn(x,,z) を積分した値として次式で得られる (14.5) M ( x ) = dn ( x,, z ) = σ( x, ) d = σ( x, ) ddz ここで,(14.) 式を (14.4) と (14.5) 式に代入すると, N( x) = Ev ''( x) ddz (14.6) = (14.7) Mx ( ) Ev''( xddz ) となるが, 被積分関数のうち のみが積分に関係するので, それらを下記のように取り出す S = ddz( より一般的な表現では S = d) (14.8) I = ddz( より一般的な表現では I = ) (14.9) d これら S および I をそれぞれ断面 1 次モーメントおよび断面 次モーメントと呼び, 断面の形状により求められる 以上より, 断面 次モーメント (14.9) 式を用いると曲げモーメント M(x) と部材のたわみ関数 v(x) との関係式 (14.7) は次式となる Mx ( ) = v''( x) (14.1) ところで, ここで考えている変形は, 部材が材軸方向に伸びることなく, 部材が材軸に直交する方向にたわんでいるという変形である 部材が伸びていないということは, 軸力 N(x) が発生していないということであり,(14.6) 式に (14.8) 式を代入した, N( x) = ESv ''( x) が常にゼロである必要がある この式が常にゼロとなるには, 断面 1 次モーメント S がゼロでなければならない 断面 1 次モーメント S および断面 次モーメント I は断面内の座標軸の原点位置により, 異なった値が得られるが,(14.1) 式が成り立つための断面 次モーメント I の値は, 断面 1 次モーメント S の値がゼロとなる座標軸について計算されなければならないことがわかる 116
9 梁の基本釣合式 ( 構造力学 1 の一般化 ) 曲げモーメント M, せん断力 Q, 軸力 N と分布荷重 ( 材軸方向 p(x), 直交方向 q(x)) の間には下記の関係がある N'( x) = p( x) (15.1) Q'( x) = q( x) (15.) M'( x) = Q( x) (15.) M''( x) = q( x) (15.4) ここに p(x) および q(x) は, 梁に作用する材軸方向および材軸に直交する方向の分布荷重である q(x) x p(x) 図 9 分布荷重を受ける梁の力の釣合式 ここからは, 少しややこしい話になるので, 興味のある人だけ読んで下さい 材軸方向に x 座標, それに直交する梁の下方向に 座標をとる 材軸方向の分布荷重 p(x) および材軸に直交する方向の分布荷重 q(x) の正の方向は, それぞれ x, 座標の正の方向に合わせる 任意の位置 x から微小な長さ の要素を取り出し力の釣合を考える x の位置にある断面に生じる断面力を N(x),M(x),Q(x) とすると,(x+) の位置では N(x+),M(x+),Q(x+) となる 分布荷重は微小要素の中でも変化すると考えられるが, その変化は微小であると考え, x の位置に作用する分布荷重 p(x) および q(x) に微小要素の長さ をかけた集中荷重 p(x) および q(x) として要素の中心 (x+/ の位置 ) に作用しているものと考える Q(x) q(x) M(x+) N(x) M(x) p(x) Q(x+) N(x+) x x x+ 図 40 微小要素における力の釣合 この要素の力の釣合式を作ると, 117
10 Σ Xi = 0: N( x + ) + p( x) N( x) = 0 (15.5) Σ Yi = 0: Q( x + ) + q( x) Q( x) = 0 (15.6) Σ Mi = 0: M( x) + Q( x) + Q( x + ) M( x + ) = 0 (15.7) (15.5) 式より Nx ( + ) Nx ( ) = px ( ) (15.8) (15.6) 式より Qx ( + ) Qx ( ) = qx ( ) (15.9) (15.7) 式より Mx ( + ) Mx ( ) 1 = ( Qx ( ) + Qx ( + )) (15.10) これらの式の左辺は, 微分の定義を思い出すと, それぞれ N'(x),Q'(x),M'(x) となる あるいは,Talor 展開し が十分小さいと考えると, 例えば (15.8) 式の左辺は ( + ) ( ) 1 ( ) 1 ( ) = { Nx ( ) L Nx ( )} Nx Nx dnx dnx 1 dnx ( ) 1 dnx ( ) dnx ( ) 1 dnx ( ) = { + + L} = + + L dn( x) = N'( x) となる また,(15.10) の右辺は, 上記と同様に Talor 展開すると 1 1 dq( x) ( Qx ( ) + Qx ( + )) = { Qx ( ) + Qx ( ) + + L} 1 dq( x) 1 = { Q( x) + + L} = Q( x) + dq( x) + L Q( x) となる 以上より,(15.8)~(15.10) 式は, N'( x) = p( x) (15.1) Q'( x) = q( x) (15.) M'( x) = Q( x) (15.) と求められる また,(15.) 式の両辺を x で微分した後,(15.) 式を代入することで (15.4) 式が得られる 118
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土質力学 Ⅰ 及び演習 (B 班 : 小高担当 ) 配付資料 N.11 (6.1.1) モールの応力円 (1) モールの応力円を使う上での3つの約束 1 垂直応力は圧縮を正とし, 軸の右側を正の方向とする 反時計まわりのモーメントを起こさせるせん断応力 の組を正とする 3 物体内で着目する面が,θ だけ回転すると, モールの応力円上では θ 回転する 1とは物理的な実際の作用面とモールの応力円上との回転の方向を一致させるために都合の良い約束である
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