ロシア・ウクライナの基幹産業と機械設備需要

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1 平成 20 年度 ( 財 )JKA ロシア CIS の地域開発と機械設備需要調査 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 2009 年 3 月 競輪補助事業 社団法人ロシア NIS 貿易会 ロシア NIS 経済研究所

2 序 文 ロシア CIS 諸国のいくつかの国では 過去数年 資源 素材産業の活況や消費ブームが生じ 経済が急成長を遂げてきた これらの国々では 経済発展を次のステージに進めるべく 製造業の育成 基礎インフラの近代化と刷新 科学技術 イノベーションの促進などが課題として意識されるようになった これに伴い 我が国の企業にとっても機械設備を輸出する可能性が高まっていた だが そうした矢先に発生したのが 米国のサブプライム問題を端緒とする世界的な金融 経済危機である ロシアNIS 貿易会では今年度 ( 財 )JKAの補助を賜り 同諸国のなかでもとりわけ機械設備需要が大きいと考えられるロシアとウクライナを対象に その基幹産業の動向と機械設備需要についての調査事業を実施した とくに 昨今の経済危機の影響を なるべく分析に盛り込むよう務めた 本報告書は その成果をまとめたものである 本報告書が ロシア CIS 市場に関する理解を深め 同諸国向けの機械設備輸出促進の一助となることができれば これに優る喜びはない 2009 年 3 月 社団法人ロシア NIS 貿易会 会長西岡喬 i

3 目 次 第 1 章経済危機がロシアの主要産業セクターに及ぼしている影響... V. シュヴィトコ 1 第 2 章ロシア ウクライナの自動車産業... 坂口泉 12 第 3 章ロシアの工作機械産業 市場の動向 第 4 章ロシア造船業の現状と課題... ヴァエンヌィ パラード 社 53 第 5 章ロシア産業の諸様相と機械設備需要 第 6 章危機に直面するウクライナ産業 鉄鋼業と化学工業を中心に... 服部倫卓 93 統計資料 1 ロシアの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 統計資料 2 ロシアの企業別機械生産実績 農機 荷役機械 建設機械 統計資料 3 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 ii

4 第 1 章 経済危機がロシアの主要産業セクターに及ぼしている影響 ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所主任研究員 V. シュヴィトコ 1. 産業全般の状況 2008 年の秋にロシアの金融部門を襲った金融不安が国内の金融部門に対して大きな打撃を加えたのは 周知のとおりである 9 月に勃発した資本流出の急増は 同年 5 月にすでに始まっていたロシア企業株の株価下落傾向に拍車をかける一方 金融部門における流動性不足を招いた その結果とされる2つの大きな影響 つまり1 金融市場で発生した信用危機と 2 金利の大幅な上昇は長期化し 半年経った現在でもその影響が強く感じられており 信用の回復と貸出金利の下方誘導こそがロシア金融当局の最大の課題であり 中期目標であるとされている また 銀行危機 の再来に関する懸念は依然として根強く 公的資金の投入とロシア式の金融緩和策 ( ロシア中銀は 欧米の金融当局とは対照的に 政策金利と位置付けられる商銀向けの融資の金利を10% 前後という高い水準に設定し 金利引下げ策を 資本流出を促進するものとして一貫して拒否してきたのが特徴である ) を通じてロシア中銀が流動性の不足 ( liquidity crisis ) を解消させることに成功したものの ロシアの商業銀行が抱えている不良債権の本当の規模を金融当局はもとより 商銀でも把握できない状況であり 2009 年中に 銀行危機 の新たな波が到来する可能性が懸念されている 一方 上述のプロセスと平行して 実体経済 ( 非金融部門 ) の不景気 つまり幅広い 経済危機 が2008 年の第 4 四半期以降 ロシアの経済に浸透するようになった 鉱工業部門の各セクターの生産指数は2008 年 10 月から前年同期を下回る局面に入り 鉱工業部門全体の生産指数は12 月に初めて90% 台を割り 2009 年 1 月には前年同月比 76% という15 年振りの低水準に低下した それに伴って 貨物輸送量も対前年同月比では15~20% 程度の減少を記録しており ロシアで景気の動向を表す代表的指数とされる鉄道輸送量は 工業生産の低下幅が最も大きかったい2009 月 1 月には前年同月の68% に相当する水準に落ち込み 不況の深刻さを示したと 上記のデータからでも明らかなように 2008 年末に向けて成長する勢いを失い 活動の規模を縮小せざるを得ない部門は 大きく言えば 鉱工業部門と貨物輸送部門に限定されていた その背景には 先進国にみられる景気減速と一次産品市場の低迷と価格下落があり エネルギー 金属材料 基礎化学品などのコモディティーズの輸出に大きく頼るロシア鉱工業部門の事業構造の下で 同部門の生産指数は外需の変動に敏感に反応したことが当然とみられる ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 1

5 第 1 章 表 年 12 月 ~2009 年 3 月の主要産業部門の生産指数の動向 ( 前年同期 =100) 2008 年 1~12 月 2008 年 12 月 2009 年 1 月 2009 年 2 月 2009 年 3 月 鉱工業生産 農業生産 建設業企業生産高 貨物輸送量 うち 鉄道輸送 通信サービス 商品小売販売高 家計向けサービス売上高 国内総生産 * ( 注 )* 国内総生産は 経済発展省の推計 ( 出所 ) ロシア連邦国家統計局の HP また アメリカをはじめ世界経済の景気減速と輸出価格の低迷 下落という厳しい環境におかれたロシアの企業が投資支出を大きくカットする姿勢をとり 鉄鋼業界はもちろん 建設企業も2008 年末にかけて需要不振の問題に直面し 2009 年に入ってから稼働率を低下させ 活動の規模を2008 年に記録したレベルに維持できないことが明らかになったので 建設部門も長期不振に陥ったとの意見も強く 前年同月比 20% 程度の低下を1~3 月期に記録した ( 表 1 参照 ) 一方 家計消費支出の動向をみると 所得の低下にもかかわらず2008 年第 4 四半期にも増加する傾向を示し 連邦統計局の発表では前年同期に対して名目では約 22% 1 実質ベースで8% も増加した 国内の消費需要が伸び続けるなかで 商業やサービス部門の伸び率は依然として高く 消費者は無理をしても 慣れてきた消費パターンを維持しようとしたり 物価の高騰を恐れて貯蓄を減らしていたりしていたことが窺われる しかし 2009 年第 1 四半期のデータをみると 小売部門の企業も2 月くらいから不況の影響を受けることとなり 3 月には売上高の4% の減少を記録した 家計所得の伸び悩みが対家計サービスの売上げに対して及ぼす影響も月ごとに大きくなり 最新のデータである3 月分の実績は前年同月に対して実質ベースで3% 強の減少を示した 他方 畜産業の生産が中心となっている農業部門の2008 年第 4 四半期 2009 年第 1 四半期の生産は前年同期の水準を上回り 肉類輸入の減少を背景に国内市場におけるそのシェアを高めている 以上は主要部門の生産動向の概要であるが 特定の代表的な産業の2009 年 3 月までの推移を紹介しておこう 鉱工業部門の実質生産高は上述のように 2008 年 11 月以降前年同月の実績を実質ベースで下 年第 4 四半期の4 兆 6,368 億ルーブルに対して 2008 年第 4 四半期には5 兆 6,660 億ルーブルに達した ( 連邦国家統計局の評価 ) 2 社団法人ロシア NIS 貿易会

6 経済危機がロシアの主要産業セクターに及ぼしている影響回っており 第 1 四半期の1~3 月期を通じて85% 前後で推移している ( 表 1) しかし 主要生産項目グループ別のその内訳 ( 表 2) をみると 個別のセクターを取り巻く状況の違いなどから 生産動向にもにセクターによってかなりのばらつきがあることが明らかである 表 2 産業別鉱工業生産指数 ( 対前年同期 =100) 2008 年 1~12 月期 2009 年 12 月 1 月 2 月 3 月 1~3 月期 燃料 エネルギー その他鉱業 電力 食品とタバコ 繊維 アパレル 革製品 靴類 木材加工 木製品 紙パルプ 出版 印刷 コークス 石油製品 化学品 ゴム プラスチック その他無機化合物 鉄鋼 非鉄金属 一般機械設備類 電気 電子 光学機器設備類 運輸機械 設備類 ( 出所 ) ロシア連邦国家統計局のHP この観点から表 2の中身をみると まず 次のポイントが指摘するに値すると考えられる 1 鉱工業部門の諸部門は 程度の差はあれ すべてが今回の危機の影響を受けており 不況の局面にまったくさらされていない産業は一つもない 2そうしたなか 稼働率の大幅な落ち込みを避け 価格が下落した場合でも産出量を維持し続けている産業を挙げるとすれば 石油産業 鉱石採鉱 その他鉱業である 3 産出量および設備の稼働率の動向の観点からみて最も大きな影響を受けた産業は機械製造産業 鉄鋼 非鉄金属産業並びに木材加工であるが 化学産業も相当大きなダメージを受けている 4 大半の産業の生産指数は1~2 月に底を打って3 月に入って回復に向かう兆しもみえてきているものの 経済紙の論評などを考慮して考えるならば 回復へのトレンドが今後定着する確信は持てない ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 3

7 第 1 章 2. 機械製造産業 2008 年第 4 四半期と2009 年第 1 四半期にみられた主要産業の動きに話をもどすと 現実において最も大きな打撃を受けたのは自動車産業をはじめとする機械製造産業であると言えよう 連邦統計局のデータによると 電気 電子 光学機器設備類 の前年同月比の生産指数は 2008 年 12 月に87% に低下した後 市場経済への移行が開始して以降前例のない落ち込み幅を示し 1~2 月には53% 前後を記録した 自動車生産を中心とする 輸送機械 の生産指数は1 月に前年同月比 64% というこれまでない落ち込み幅を示し 2 月に若干回復したが 前年同月比では7 割を下回っており 1~3 月期には65% ほどの水準に留まったと報道されている 自動車の生産台数をみると 乗用車の製造は60% トラックやバスの生産は70% 強も落込んでおり 2008 年末時点の見通しをはるかに上回る落ち込み幅である その原因をめぐる議論を紹介してみると まずは家計と企業が 今回の 経済危機 に関するマスコミの報道振りに強く影響され 緊急な必要のない支出を 先行きが判明する時期が来るまで先送りすることにしたという説が強い 一方 企業部門の場合 銀行ローンの借り換えが困難となったことから 業務用の自動車の更新 また所有台数拡大の予算を含む経常支出のカットを行った企業が多く それが自動車市場に及ぼした影響が大きいとされている また 家計部門の平均所得は全体として大きく落込んではいないものの 格差が去年に比べて開いていることに加えて 消費者ローンを借りる条件が厳しくなっていることの影響を受け 低価格セグメントの乗用車に対する需要が長く低迷するとの予測も述べられている 結果的には 新車の販売台数は 連邦政府が2009 年 1 月 12 日から実施した中古車輸入税の大幅な引き上げにもかかわらず 前年同期比では3~4 割ほど低下しており 2 高級車を除く乗用車の各セグメント またトラックやバスの販売台数実績がこれと同程度の低下を記録している 新車販売不振の影響を 乗用車などの生産 組み立てを行っている各企業とも強く受けている とはいえ 直面している困難や損失の規模も違えば 関連する各企業が追い込まれている苦境の深刻さも異なる 外国メーカーが設立したロシア現地生産企業の財務状況が悪化したことは確実であるが 今後の見通しに関しては関係者やマスコミなどが話題として大きく取り上げることがなく 置かれた状況の深刻さを把握できない 一方 自前のモデルを製造し 国内付加価値率の比較的高いロシアの地場自動車メーカーが直面している困難は 企業の存続にかかわるほど深刻なものである 地場メーカーは 緊急支援を受けない限り 債務の履行が不可能なほどの危機的な状況に陥る危険性が大きい とりわけ ソク グループ (SOK Group) がコントロールしていたメーカーのIzh-Avto 3 は 流動性を失って部品の調達ができなくなったため 3 月の生産活動を事実上停止した 活動再開の見通しは部品調達先のKia Motorsおよび必要な融資を提供できる商銀との交渉の成否にかかっているが Izh-Avtoの財務状況が いつ倒産するかわからないほど脆弱な状態が今後も続 年 1 月の販売実績は前年同月比 33% 減 2 月は38% 3 月は47% 減を記録したと報道されている (Kompaniya,2009, p.9) 3 ソク グループはIzh-Avtoの株を同社の役員たちに対して 1 年前の評価の5 分の1に当たる価格をつけて売ったという情報がある 4 社団法人ロシア NIS 貿易会

8 経済危機がロシアの主要産業セクターに及ぼしている影響くのが確実とみられる また 地元の自動車業界のNo.2であるGAZグループ 4 も債務履行が大問題になり 危機的状況に陥っている 生産が止まる危険性があるとして 16 億ドル規模の緊急支援を政府に強く求めている 5 そしてNo.1のAvtoVAZ は合計 250 億ルーブルに上る緊急支援 並びに900 億ルーブルに上る政府系銀行の融資の約束を獲得することに成功したが 調達している部品の代金を払う現金が不足しており 部品供給の中止が相次ぎ 強く求められている品質改善やアフタサービスの充実に手が届かない状況にある ロシア資本のその他のメーカー ( ソレルズ (Sollers) KamAZ TagAZなど ) はマスコミなどに対して自分の苦境を訴えるのを避けているが 40~50% 程度の売り上げ減少が1 年以上続いた場合 企業の存続を脅かす危機にさらされる可能性が高い 一方 公的支援の限界と妥当性については政権内でも議論が耐えない状況であり 当局はどの程度の支援を どのような条件を付けて行うべきかについて激しい論争が続いている とりわけ 公的資金の無駄使いを懸念して積極的な産業政策に対して一貫して慎重な態度をとり続けているクドリン副首相が AvtoVAZ への支援に関するコメントとして その支援に付く条件を厳しくして 融資資金を振り当てるスケジュールを遅らせる意向を述べたことが注目される さらに 政府がすでに約束している支援計画の内容は大雑把な枠組みに過ぎないもので 詳細がまだ決まっていない段階なので その実現までの道が遠く その間発生するテクニカルな問題を処理するには時間がかかることを考えると 企業の経営陣がドラスチックな緊急措置をとらない限り 政府の支援によって救われる可能性は乏しい 自動車産業以外の機械製造業に関しては 稀に軍需産業が話題になる程度で 当局やマスコミの注目を引く例が極めて少ないが テレビなど家電製品の組み立てを行う企業の声が関係省庁に上がっていることは事実である 需要が落込んでいる中で国内付加価値率を保護できる措置として LCDテレビのディスプレイなど SKD 組み立てに利用する高価な部品にかかる輸入税を 輸入禁止に近いレベルに引き上げるのを求める声が カリーニングラード州の当局や業界などからあがっている 不況がその深刻さを増すのに応じて こうした圧力が高まることは確実であるとされている 3. 鉄鋼部門 次に鉄鋼部門の企業も今回の不況の極めて強い影響を受けていることが周知のところであるが それを取り巻く環境が変わりつつあるのが注目される ロシアの鉄鋼企業は ここ数年 民間部門の中で 技術的にも比較的進んだもので 経営効率の視野からみてもロシアの資本主義の新しい発展において最前線に立っていると言われるようになり その他産業の発展との関連でも多くの期待が寄せられていた部門である 特に 1990 年代の後半に形成された エヴラズ (Evraz Group) セヴェルスターリ (Severstal-group) マグニトゴルスク製鉄所 (MMK) ノヴォリペツク製鉄所 (NLMK) メチェル (Mechel) と 2000 年代の前半に登場した比較的新しい企業グループ メタロインヴェスト (Metalloinvest) の6つの大手グループが ロシア鉄鋼業の顔となっていた これらのグルー 4 O. デリパス所有の持ち株会社 バーザヴィ エレメント がコントロールしている自動車や自動車部品メーカーのグループ 5 この点を考慮すると GAZグループが現在 GMのグループに入っているドイツのOpelの購入をめざすコンソーシアムに入る予定であるとの報道は 不思議なものに思える ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 5

9 第 1 章プは 2000 年代の半ばにはロシアの鉄鋼生産の約 85% を占めるに至って 外資を含む外部からの参入に対して効果的に対抗できる強固な業界体制を樹立したことで 国内において一目置かれる存在となった そのうえ 2000 年代の後半に入ってから 個人オーナーによってコントロールされているこれらのグループは 海外進出への志向を強め 本来なら行政権の不満を招きかねないプロセスである事業活動の海外へのシフトを実現するに当たって プーチン政権の支持とサポートを獲得することに成功したのは稀有なことであった まさにこの業界が 国際金融危機とそれに端を発した世界経済不況の第一の犠牲者となったことは 皮肉である 同業界への最初の打撃を与えたのは 2008 年後半に入って顕著になった鉄鋼品に対する外需の落ち込みと国際価格の下落であった その時から フリステンコ産業通商大臣など政府高官が同業界の将来に関する懸念を口にすることがよく報道されるようになり 売上げの半分を外需に頼っているロシアの同産業の苦境を助けるために政府が取るべき措置についての議論も始まった 6 しかし 2008 年秋に入って同産業が置かれた状況がさらに悪化した 外需縮小の上 ロシアの株価の急落による損害も重なり 資金調達の困難に マージン コールの影響が加わった その結果 ロシアの鉄鋼企業の多くは2008 年後半には売上および収益の急速な落ち込みと流動性不足に直面し これまでの戦略を推進することが不可能とわかった 危機状態への対応として 投資計画の大幅な削減と海外資産の売却が共通した危機対策の方針とされたものの その効果は限定的なものであった さらに 売上げの半分を占める国内販売に関しても年末にかけて見通しがますます悪くなり 主要な顧客であるロシア鉄道会社 自動車産業と建設業の2009 年に向けての事業計画の見直しが相次ぎ 国内の売上げも大きく低下することが確実であることが判明した その結果 ロシアの鉄鋼生産は急落して 2008 年 11 月と12 月には前年同月に対して40% 強も少ない350 万 tの水準にとどまった 2009 年 1~3 月期には 東アジア向けの輸出の増加を反映して生産量が増え 3 月には前年同月の70% に相当する460 万 tにまで回復した しかし 国内の需要が依然として低い水準で低迷しているなかで ロシアの鉄鋼企業は輸出拡大に向けて一層の努力に取り組む必要性に迫られると考えられるが いずれにしても2009 年後半にならなければ本格的な回復は望めないとされている 例えば 国内需要を重要視し そのビジネス戦略においてそれに力点を置いているセヴェルスターリが発表している予測によると 2009 年一年間の国内需要は前年に対して実質ベースで 25% も減となる その中にあって セヴェルスターリは年末に向けての見通しを慎重に考え たとえ輸出を増やすことが可能となるとみても 第 1 四半期に置かれていたような厳しい環境に当面大きな変わりはないという見方をしている 他方 国内市場において 中国 トルコなどから輸入される鉄鋼品との競争が激しくなる懸念が強まるなか 在庫調整の過程が終了せず 出荷価格の値下げを余儀なくされている鉄鋼会社が商銀の融資条件の緩和を求めるに当たって政府の協力を要請したり 財政資金を財源とする新規発注を求めたり 当局による間接的な保護強化を求める動きがより顕著になると予想されている 6 皮肉なことに 支援の必要を議論が始まった数ヶ月前に プーチン首相とメチェルのジュージン社長の間に不愉快な事件があって 首相は 2008 年 7 月に自分が主催した会議の場でメチェルに対して 問題を処理してやる と脅かした場面も印象的であった 6 社団法人ロシア NIS 貿易会

10 経済危機がロシアの主要産業セクターに及ぼしている影響 4. 化学産業 次に 化学産業に関しては まずその定義が複雑で 化学産業 の範囲をどう定めるかによって現状の評価が異なるという問題がある 2004 年までのロシア連邦国家統計局の分類で 化学 石油化学産業 企業とみなされていた企業は 1 石油化学製品 ( 石油製品 有機化合物など ) 2タイヤをはじめとするゴム製品 3 化学肥料 4その他化学品に大別された これらの企業の生産高は1990 年代後半と2000 年代前半を通じてロシアの生産の6~7% を占めていた 2005 年から統計局は産業別企業分類制度をとりやめ 産品別生産分類に切り替えており 化学産業 には亜硫酸 苛性ソーダなど基礎化学品 化学肥料 殺虫剤 合成樹脂 合成ゴム プラスチック 合成繊維 洗剤 化粧品 それに薬品の製造を含めている したがって 同じ 化学品 とはいえ 置かれている環境 市況などがまったく違う生産がその中身をなしており ひとつの産業として状況と見通しを論じることが難しい 化学産業のひとつの中核をなしているとされる化学肥料業界は 2008 年の9~11 月期に 破滅的とも言える需要の落ち込みと価格下落に直面して窮地に追い込まれているとの報道があった 同業界の主要なプレーヤーは カリ肥料の大手生産企業 ウラルカリー ( 英語名は Uralkali) と シルヴィニト (Silvinit) 窒素肥料と複合肥料を生産する企業と関連企業を統合した大手持株会社である エヴロヒム (EuroChem) フォスアグロ (PhosAgro) ウラルヒム (UralChem) ガスプロム系の シブール化学肥料(Sibur Mineral Fertilizers) アクロン (Akron) などである これらの企業からの断片的な情報によると 2008 年末の時点に化学肥料を生産する施設の稼働率は30% 台を割り 在庫の膨張が大問題となった また 鉄鋼産業とは異なり 上流 下流を統合した 垂直統合型 (vertically integrated) グループからなる業界体系ができていないため 上流 下流関係上 所有者の異なるビジネス グループに所属する企業の間の関係が複雑に絡み合っており 反独占当局の介入を必要とする価格設定をめぐる紛争が頻繁に起こるのが特徴である これらの複雑な関係を調整する目的で企業の自己管理団体としてロシア肥料生産者協会 (Russian Association of Fertilizer Producers) が設置されたが 加盟企業を取り巻く環境が厳しくなった2008 年後半には協会内の対立が激化し お互いの関係の調整が事実上不可能となり 政府の関係機関の介入を招いた こうした条件下で 政府系のエコノミストの中では 化学肥料の生産者の数が多すぎて生産能力が過剰になっているので 強制的合併と生産能力の調整が必要であるとの意見が台頭し 政府のより積極的な介入を求める声もあがりはじめている とりわけ 連邦反独占局は2008 年 12 月に カリ肥料の生産において支配的なシェアを占める2 社 ウラルカリーとシルヴィニト それに燐酸肥料用の原料の供給を支配している アパチト をその管理の下に置く国営持ち株会社を設置する案を提案したが 担当の副首相などから支持を取り付けることができなかった 一方 ウラルカリーのオーナーがウラルカリーを国営コーポレーション ロステクノロギイ (Russian Technologies) が考えていたスーパーカンパニィーに加わる案を検討しているという情報もあった 一方 2009 年に入ってから 外需をはじめ需要が回復に向かっている兆しがみえはじめ 3 月期の生産量は前年同期の83% の水準まで盛り返し 化学肥料生産者が直面してきた 最悪の時期 は終了しつつあるとの期待が述べられるようになった 少なくとも第 2 四半期には在庫の調整が終了し 生産が徐々に増加していくという予測が多くなり 複数の吸収合併を伴う同 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 7

11 第 1 章業界のドラスチックな再編は遠のいている模様である 一方 有機化合物の化学品 合成樹脂 ゴム 合成繊維などに関しては 国内市場を支配できるほどの大手企業またはグループが登場していない構造になっている 他方 化学肥料市場にみられたような需要の大幅な落ち込みがみられなかったため 関係企業の危機感はそれほど強くはなく ビジネス環境が厳しい中でも 従来通りの慣行を大きく改革する必要はないとみているようである これらのセクターに関して言えば 厳しい環境 の話は数年前から聞こえており 今回の危機で急に悪くなったわけでもないから これらの分野に重点を置く企業グループ ( レノワ シブール ロステクノロギイ など) はこれまでの方針を根本的に見直す必要はないとしている また 合成塗料 ラッカー 化学殺虫剤 医薬品 化粧品などの生産は2009 年 3 月期には前年同期の水準の96~97% で安定しており 昨年末時点の悲観的な予測に反して 危機による影響は相対的に小さいようである 逆に 国内資本の医薬品会社や化粧品メーカーは 実質ベースの売上高が前年同期より低くとどまっているにもかかわらず 2009 年にこそ国内シェアを高めるチャンスがあるとみており 今後について楽観的な展望を描いている とりわけ 国内市場の3 分の2を占めるに至った外国化粧品メーカーの製品の輸入は 2008 年第 1 四半期の実績に比べて約 25% 減ったことが通関統計から明らかになっている したがって これらのセクターでは 輸入代替生産を大きく伸ばす可能性が生じている この貴重なチャンスを失えば 同じチャンスは二度と来ないとの見方を 同業界の関係者の多くがしばしば示している 5. 建設 不動産 建設業について言えば 経済が不況に陥る懸念が高まった2008 年 10 月頃に この部門こそがその他産業より早く金融不安の影響を受け 最も大きな落ち込み幅を示すと予想されていた その背景には 以下のような理由があった 1 住宅並びにオフィス用不動産開発に従事している民間企業は 通常の場合 国内の商銀の融資に大きく依存しているので 貸し渋りが表面化した場合にはその犠牲になるのが確実とみられ 建設作業を進めるのが極めて困難になる 2 家計向けの住宅ローンの貸付に対する商銀の姿勢が慎重になり 新規ローンの貸出は大幅に落込むので 新規の住宅開発プロジェクトの実施が先送りとなり 初期の段階にあるプロジェクトについても中止されるケースが多発する 3 今回の金融不安で財務状況が著しく悪化した大手グループが 投資計画を大幅に減らすことは不可避である 4 景気の見通しが悪くなっている理由で オフィススペースなど事業用の建物の利用拡大を考えていた企業の多くはその計画の見直しに入り 不動産開発会社と締結した契約を再検討する意向を伝えたケースも報道された また 11~12 月期には 多くの不動産開発会社は債務を履行できない状況に陥っており モスクワ シティ をはじめ 投資規模や宣伝が最も大きく 世間の目からみると象徴的とも言える不動産開発プロジェクトの工事が凍結され また予算が一部削減されるといったニュースが相次ぎ 不動産開発業界が長期不況に陥ってしまう懸念が強まった 8 社団法人ロシア NIS 貿易会

12 経済危機がロシアの主要産業セクターに及ぼしている影響一方 需要サイドでは不動産価格の大幅な落ち込みを期待して購入取引を遅らせる動きがみられるようになり 流動市場においても新規取引が成立する件数が10 年振りの減少を示し 一時はゼロの水準に落ち込んでいた時期もあった その結果 建設企業に対する新規発注は当然のこと 現行の契約に基づく工事作業のファイナンシングは凍結されるケースが数多く報道された一方 信頼不足のため建設会社への銀行融資は完全にストップしたほどではないが ロルオーバーが難しくなり 順調な資金フローが途絶える状況が多くの地方で発生した こうした中で建設企業は非正規労働力の大幅な削減をはじめ合理化への措置に訴え 危機打開策を打って 2009 年に入ってコスト削減への努力を重ねてきた結果 これまで数年にわたって高騰していた建設材の価格を押し下げる効果ももたらした 2009 年 3 月現在の建設業の状況とその見通しについて 専門家が出しているコメントをまとめてみると 極めて不透明であるという判断が多い 一方では 前年比 20% 減程度の活動のスケールダウンが妥当な対応であり それだけで現行の困難を乗り越えられるという楽観論がある 他方では 建設会社の7 割ほどが事実上倒産状態にあり この産業がセクターまでに全滅の脅威にされされるという悲観論も聞こえてくる しかし 大手企業グループが 経営破たん状態に陥っている不動産開発 建設会社を買い占めようとする動きがみられることなどから 同セクターの見通しは絶望的ではないと考えている業界関係者が多く 7 最悪の時期を乗り越えれば 急速に発展 拡大できる企業がこの分野にも沢山あるという判断が窺われる 建設部門の将来は 当然のことながら この8 年ぐらい急速に発展していた不動産開発会社の今後の見通しにも大きく依存している 不動産開発業界は鉱工業部門を除けば 金融危機と景気後退の影響を最も大きく受けている経済部門である 将来への不安から 需要が2008 年第 4 四半期以降急激に落ち込んでおり 価格や賃貸料金の大幅な値下げを招いている セグメントごとにみると オフィス市場は凍結状態にあり 価格 賃貸料金が1 年間で50% 強の値下がりを記録したにもかかわらず 2009 年第 1 四半期には新規需要による大型の取引は1 件も成立しなかったと業界節で指摘されている その結果 工事完成率 50% 未満の開発プロジェクトは凍結されており 完成率 60~70% のプロジェクトの中でも建設作業を中止しているプロジェクトがある 一方 工事完成率が比較的高くても その完成に必要な資金の調達に苦慮して 商銀にリスケを要請しているデベロッパーが多く出ている スベルバンクをはじめ 大手の不動産開発会社に融資を提供していた大手銀行が 担保の価値が下がって委託保証金を増額する要請をする際 貸出先が保証金増額に失敗した場合 銀行の債権を不動産開発プロジェクトへの出資分 ( プロジェクトを実施するために設置された会社への出資分 ) に交換するケースがあると報道されている 店舗開発や倉庫開発のセグメントでは オフィスほどではないが 需要の大幅な落ち込みがみられ クライエントが求めるスペースの平均面積が狭くなる傾向が明確になっている モスクワなどの店舗用不動産の賃貸料金は10~35% 下がってきたにもかかわらず ショッピングセンターの空き面積の比率は年初に比べて上がっており モスクワでは10% に達している 一方 7 例えば 極めて広範囲の資産に対して関心を示しているグループ ナフタ モスクワ ( 支配株主はS. ケリモフ氏 ) が 債務膨張のため窮地に陥った建設会社 ( グラフストロイ ピク グループ ) を買収していることが大きな話題になっている ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 9

13 第 1 章開発した店舗を賃貸している事業所は売上高が下がり始めているとして 賃貸料のさらなる値下げがない限り 賃貸契約を更新しないと主張するものが多い とりわけ マーケットの高い成長を前提として 一部の店舗がぎりぎりの収益性であることを度外視して店舗網の拡大発展をめざしていた企業の多くが 店舗を減らす方針に転換しており 店ごとの収益性と効率を重要視する戦略に切り換えて要るところが多い 6. 小売部門 最後に 商業部門 とりわけ小売部門の企業も 今回の金融不安と景気後退に強く影響されている産業の一つとされている 商業部門企業にとっては ロシア経済の2001~2008 年の 高度成長期 は理想的な環境であった 7 年間にも及んだこの成長期は 油価の高騰に大いに助けられていた一方 国内の消費需要 とりわけこれまでは大衆の消費者の手が届いていなかった新規の財貨 サービスに対する消費需要の急速な伸びにも支えられていたと言える とりわけ 毎年のように新製品が投入される家電製品 コンピューター類 携帯電話器とサービス 携帯電子ガジェット 乗用車と関連サービスのブームがあり これらに対する家計部門と企業部門の需要は毎年 30~50% も伸びていた また モスクワとサンクトペテルブルグでの消費ブームは徐々に地方にも展開し 急速な伸びを示す大規模なローカル マーケットを誕生させた それに伴って 2000 年代初頭に未成熟の状態にあった販売業者の多くは 店舗チェーンを展開させ 需要に追い付くため店舗網を首都や地方都市に急速に拡大し 拡大する市場のできるだけ大きなシェアを確保することをめざした 短期間で数十軒 数百軒の店舗を開くには 資金調達のコストを度外視しても 国内の金融機関などからの借り入れに依存することも厭わなかった ところが 2008 年秋の金融不安が銀行の貸し渋りにつながり 数ヵ月ごとに返済期限の来る短期の銀行ローンを借り替える必要性に迫られていた大手販売業者の財務状況は 急激に悪化したと見られる とりわけ 家電量販や食品店チェーンを経営している企業が 10 月に入って仕入れ先に対する決済期限を守れなくなり 両者の関係が緊張するようになった 携帯電話オペレーター ( 主に 市場を寡占している MTS ヴイムペルコム メガフォン の大手 3 社 ) がいわゆる携帯ショップの主要なチェーンに対する自分のコントロールを確立させたのをはじめ 小売部門では吸収合併取引が数多く成立し 同産業の大規模な再編が始まったが 売上総額が減少傾向に変わりつつある現在でもその再編のプロセスは完了せず むしろこれから本格化する段階にある模様である 他方 扱い品目の構成の変更 店舗数の調整など 景気変動や外部環境の変化に対応する手段を豊富に抱えていることも 同産業の企業の特徴である おわりに それぞれの産業に特有の事情はあるが ロシア経済のこの春以降の景気を左右する要因として 最も重要視されている石油輸出価格の動向の他に 1 後も予想される企業の合理化努力が家計所得の動向に対してどのような影響を及ぼすか 2ロシアの商業銀行が非金融部門企業の収益性の低下を受け 融資を当面厳しく抑制するか 3ルーブル相場の再び強含んでいることにより ここ数ヵ月みられたロシア産業の国際競争力強化のプロセスに終止符が打たれるか 10 社団法人ロシア NIS 貿易会

14 経済危機がロシアの主要産業セクターに及ぼしている影響 4 政府支出の伸びが予期されるが 企業レベルにおいてどれだけの需要効果を生み出すか などの未確定の要因もある したがって ロシア経済 国際経済のここ半年の動きによるロシアの各産業へのインパクトを評価するのは時期尚早と思われ 2009 年の経済成長 また各産業の状況の予測が今後半年程度の期間中に一度ならず見直される可能性が高い ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 11

15 第 2 章 ロシア ウクライナの自動車産業 ロシア NIS 経済研究所次長坂口泉 1. ロシア (1) ロシア乗用車市場の全般的状況ロシアの乗用車市場は2008 年に入ってからも順調に成長していた とくに外国新車の販売が好調で 2008 年 1 月の販売台数は前年同月比で53% もの伸びを示した その後も販売の好調さは続き 上半期の外国新車の販売台数は前年同期比 47% 増の約 106 万台に達した 市場関係者の多くは 下半期も同様の状況が続くと予想していた しかし 8 月になり 変化の兆しが見え始めた 前年同月比で販売台数が落ち込むメーカーが目立ち始め 全体としても前年同月比 23% の伸びにとどまった この頃から 市場が成熟化してきているのではないかとの声が市場の一部で囁かれ始めていた そのような状況の中 2008 年 9 月半ばに世界的金融危機が勃発する 9 月こそ外国新車の販売台数はそれほど落ち込まなかったが 10 月以降販売が停滞し始め 11 月 12 月と2ヵ月連続で外国新車の販売台数は前年同月割れとなった 一方 純国産車の販売も夏頃から低迷し始め ほとんどの純国産メーカーが過剰在庫を抱え 現在危機的な状況に直面している また 外資系企業の現地工場をめぐる状況も 金融危機以降 全般的に悪化している ロシアの新車市場は 大別して 1 純国産車 2 外国新車 ( 国内で生産される外国車 + 輸入新車 ) 3 輸入中古車の3つのカテゴリーによって構成される 最も伸びが著しいのは2の外国新車で 2004 年 : 約 40 万台 2005 年 : 約 60 万台 2006 年 : 約 100 万台 2007 年 : 約 165 万台 2008 年 :208 万台とほぼ倍々ゲームで販売台数が増加し 市場の拡大を牽引してきた ( 表 1) その他 2008 年は 2009 年 1 月からの輸入関税大幅引き上げを意識した中古車の 駆け込み需要 があったため 輸入中古車の販売も若干増加した 一方 純国産車の販売は引き続き不振で 前年比 7% 減となった 厳密な意味での新車 ( 純国産の新車 + 外国新車 ) の月別の販売台数の推移は図 2のとおりであるが この図からもわかるとおり 上半期の売行きは非常に好調であったが 8 月以降急激に販売状況が悪化し 10~12 月は前年同月比でマイナスとなってしまった 2008 年秋の金融危機がロシアの乗用車市場に与えた影響の大きさがうかがえる 価格帯別の乗用車販売状況を見ると 少なくとも2008 年の通年の数字から判断する限りにお 12 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要

16 ロシア ウクライナの自動車産業いては 比較的値段の高い車の売行きが増加傾向にあるといえる 一方 1 万ドル未満の価格セグメント ( 純国産車が中心 ) のシェアは大幅に低下している その背景には 純国産車の人気の全般的低下 ならびに ユーザーの購買力の上昇といった要因の他に 新車の小売価格が全般的に上昇傾向にあるという要因もある とはいえ 売れ筋の中心は依然として2 万ドル未満の比較的安価な車で そのシェアの合計は6 割以上に達した 2008 年秋の金融危機以降は 比較的安価な車の売行きが伸びるとみられていたが 今のところそのような傾向は見受けられない たとえば 2008 年 12 月のLADAクラシック ( 約 4,500ドル ~) の販売台数は前年同月比で52% も減少した また LADAサマラ ( 約 6,500ドル~) の販売台数も40% 以上減少した さらに ルノー ロガン ( 約 1 万ドル~) 現代アクセント( 約 1 万ドル~) LADAカリーナ ( 約 8,000ドル~) の販売も不振であった 新車市場の底辺付近に位置していたユーザーの多くが 可処分所得の減少 自動車ローン取得の困難等が原因で 新車市場から退出し始めた可能性も否定できない 表 1 ロシア乗用車市場の規模 販売台数 (1,000 台 ) 販売額 (10 億ドル ) 増減率増減率 (%) (%) ロシア純国産車ロシア製外国車輸入新車輸入中古車 , , 合 計 2,790 3, ( 出所 ) エクスペルト 誌 原データは PricewaterhouseCoopers 図 1 ロシア乗用車市場の規模 販売台数 (1,000 台 ) 販売額 (10 億ドル ) 合計 :2,790 合計 :3, 合計 : ,500 1, 合計 : 輸入中古車輸入新車ロシア製外国車ロシア純国産車 ( 出所 ) 表 1をグラフ化 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 13

17 第 2 章 300 図 2 新車の月別販売台数 ( 単位 1,000 台 ) ( 注 ) 純国産新車 + 外国新車 出所が異なるので 表 1 図 1 の数字とは若干食い違う ( 出所 ) ヴェードモスチ 紙 (2) ロシア国産メーカーの生産動向ロシアの2008 年の乗用車生産量は146 万 8,432 台で 前年を13.9% も上回った 不振が続いていた純国産車の生産も約 5% 伸びた ( 表 2) また 外国車の生産も前年に引き続き好調で 30.2% の大幅な伸びを記録した ( 表 3) ただ 数字上の好調さとは裏腹に 実態はかなり厳しいものとなっている とくに 純国産メーカーをめぐる状況はきわめて厳しい 純国産メーカーの中では唯一 最大手のAvtoVAZ( ヴォルガ自動車工場 ) だけが生産量を伸ばしたのだが これは年後半に売行きが急激に落ち込んだのにもかかわらず 従来どおりの生産水準を維持した結果で 決して好調な販売に裏打ちされた増産ではない 一説によれば AvtoVAZ が抱える在庫の総数は2009 年初頭時点で約 11 万台に達していたといわれている ( コメルサント 紙 ) Izh-Avto( イジェフスク自動車工場 ) とUAZ( ウリヤノフスク自動車工場 ) はほぼ前年並みの生産量を維持することに成功したが やはり売行きが不振で過剰在庫を抱えているといわれている GAZ( ゴーリキー自動車工場 ) の大幅減産 ( 前年比 43.8% 減 ) は 主力のヴォルガの売行きが不振で年途中で生産が中止されたことと 新モデルのサイベルの売行きが不振で生産台数が伸び悩んだことに起因しているものと推測される また SeAZ ( セルプホフ自動車工場 ) の大幅減産の原因は 主力の軽乗用車 オカ の市場での人気が急落していることによるものと考えられる このままでいくと 近い将来オカの生産が打ち切られる可能性も否定できない 外国車を生産しているロシア資本の大手メーカーの中では ZMA( 小型自動車工場 ) AvtoTOR TagAZ( タガンログ自動車工場 ) の3 社において生産台数が前年を上回った ( 表 3) ソラーズ ( 旧セヴェルスターリ アフト ) 傘下のZMAは 人気が低迷していた純国産車のオカの生産を2006 年夏から完全に停止し 市場で安定した人気を誇る韓国の双竜のSUV(Rexton Kyron 等 ) およびフィアットの小型車 (Albea 等 ) の本格生産を2007 年から開始したが 2008 年もこの2ブランドの生産台数が順調に伸び 前年比で68% の増産を記録した 14 社団法人ロシア NIS 貿易会

18 ロシア ウクライナの自動車産業 AvtoTORではBMW 起亜 シボレー 中国のChery 等多数のメーカーの車が生産されているが 2007 年はとくにChery 車とシボレー (GM-DAT) 車の生産台数が大幅に伸び 前年比で実に 166.9% の増産を記録した しかし 2008 年は春に中国のChery 車の生産が中止されたことなどもあって 生産が伸び悩み前年比でわずか2% の伸びにとどまった 2008 年のブランド別の生産台数を見ると GM-DAT( シボレー ) 車の生産台数が最も多く 前年比 30.7% 増の5 万 8,012 台が生産された ( そのうちの5 万 4,159 台がシボレー ラセッティ ) 以下 BMW 車 (E60 E83 等 ):6,414 台 ( 前年比 41.9% 増 ) 起亜車:3 万 1,172 台 ( 前年比 134.6% 増 うち2 万 8,938 台は起亜シード ) GM 車 ( ハマー キャデラック等 ):6,779 台 ( 前年比 63.1% 増 ) と それぞれ生産台数を大幅に伸ばした しかし 既述のとおり春に生産が中止された関係で 2007 年には4 万台を超えていたChery 車の生産量はわずか6,081 台にとどまった なお AvtoTORは自由経済ゾーンであるカリーニングラードに所在する関係で 組み立てラインしか装備していないにもかかわらず 部品の輸入関税上の特典を享受している ( ただし 一部には ラセッティの生産ラインは塗装 溶接ラインを装備しているとの情報もある 年 2 月 20 日閲覧 ) このことを産業 商業省や経済発展省等の関係省庁が問題視しており 2008 年中にも現行の特典に制限が加えられる可能性があるといわれていたが 今のところ AvtoTOR に対し制限措置が適用されたとの情報は出ていない TagAZでは現代車 ( アクセント ソナタ等 ) が生産されている 同社ではとくに年前半の生産が好調で 上半期だけで前年比 118.2% 増の5 万 5,221 台が生産された ところが 金融危機や工場出荷価格の値上げが災いし販売が急激に落ち込んだことに加え 現代との関係が微妙になったこともあって年後半は生産が伸び悩み 通年では前年比 35.9% 増の9 万 6,567 台の生産台数にとどまった Izh-AvtoはSOK 傘下のメーカーで 純国産車も生産しているが 韓国の起亜のスペクトラ (C セグメントのセダン ) リオ ソレントの組立生産も行っている 2008 年に同工場での起亜車の生産量が減少したのは 2008 年 2 月頃から親会社のSOKがIzhAvtoの売却交渉をAvtoVAZ との間で開始したことと関係しているものと推測される AvtoVAZ 側は 資本提携をしているルノー ( および日産 ) の車をIzhAvtoで生産することを視野に入れているといわれており その関係で 起亜車の生産量が段階的に減らされているものと推察される 表 2 純国産車の生産台数 ( 単位台 ) 前年比増加率 (%) AvtoVAZ 735, , Izh-Avto 21,908 20, GAZ 39,003 21, UAZ 31,869 30, SeAZ 4,901 1, その他 1, 合計 834, , ( 出所 )ASM ホールディング ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 15

19 第 2 章 表 3 外国車の生産台数 ( 単位台 ) 前年比増加率 (%) AvtoTOR 106, , GM-AvtoVAZ 55,079 54, TagAZ 71,050 96, アフトフラモス 69,241 72, フォード ロシア 69,088 64, Izh-Avto 49,347 38, ZMA 21,800 36, ウラル自動車工場 AMUR 4, DerWay 947 6, GM 5,673 41, VW 1,198 63,488 5,200 トヨタ - 6,275 - 合計 454, , ( 出所 )ASM ホールディング (3) 経済危機後の国産メーカーの状況技術の後進性が著しい純国産メーカーは 外資との技術提携を軸に生き残りの道を模索してきたが その途上で世界的金融危機に遭遇し 現在かつてない苦境にたたされている また 外国車の生産を拡大することにより業績を伸ばしてきたロシア資本の工場も 現在 金融危機の否定的影響への対応に苦慮している 以下では それら国産メーカー ( 外国ブランド車を生産しているロシア資本の工場も含む ) の金融危機後の状況 各メーカーが打ち出している危機打開策 国家が打ち出している国内自動車産業救済策等について紹介する 1)AvtoVAZ 生産状況大量の在庫を抱えるAvtoVAZ( ヴォルガ自動車工場 ) は12 月下旬から2009 年 2 月 2 日まで工場の稼動を停止し 在庫調整を行った 工場の稼動は2 月 3 日に再開されたが その直後に部品不足の問題が表面化し 生産に支障が生じている ( この状況は今も続いている模様 ) 部品不足問題が生じた原因は 2008 年 12 月下旬にAvtoVAZ が部品サプライヤーに対し行った 部品代金の決済方式をこれまでの現金をベースにしたものから 手形を中心にしたものに変更する より具体的に言えば 今後は 部品代金の7 割は手形 ( 決済日は部品納入後半年以上先 ) で支払われ 現金決済は3 割となる という主旨の一方的な通達にある ( コメルサント 紙 ) 12 月下旬時点でAvtoVAZ に対しすでに巨額の売掛金を抱えていたサプライヤーたちはこの通達に猛反発し 比較的力の強い大手サプライヤー 7 社は売掛金の支払いが行われるまで 部品の納入を停止するという方針を決定した ( コメルサント 紙 ) その結果 AvtoVAZ は現在 慢性的な部品不足に苦しんでいるのである AvtoVAZ は2009 年 2 月の生産目標を通常の年の約半分の3 万 2,000 台に設定しているが サプライヤーとの交渉に手間取ることがあれば その数字の達成すら困難になる可能性も否定できない 16 社団法人ロシア NIS 貿易会

20 ロシア ウクライナの自動車産業販売状況 2008 年のAvtoVAZ の販売台数は前年の77 万台から72 万 8,000 台にまで落ち込んだ とくに国内販売が不振で 前年比 6% 減の62 万 2,000 台にとどまった 輸出の方は比較的堅調で ほぼ前年並みの10 万 6,000 台を記録した ( ヴェードモスチ 紙 ) モデル別の内訳を見ると 最も販売台数が多かったのはサマラで 全体の25.9% を占めた 以下 クラシック (LADA2105と2107) が25.3% Priora(AvtoVAZ の最新モデル : 小売販売価格は約 8,500ドル~) が21.5% カリーナが16.9% NIVA( 小売販売価格は約 7,500ドル~) が4.5% 111と112が4.2% その他特殊車両が1.7% となっている ( ヴェードモスチ 紙 ) 2007 年の販売台数との比較でいうと サマラ クラシック NIVA といった20~30 年以上前から生産されているモデルが大幅に販売を減少させたのに対し 比較的最近生産が開始されたカリーナやPrioraは大幅に販売台数を伸ばした とくに後者の売れ行きは非常に好調で 前年比で40% も販売が伸びた ( エクスペルト 誌 ) なお AvtoVAZ 車の販売不振は2009 年に入ってからも続いており 同年 1 月の販売台数は前年同月比 38% 減の2 万 9,110 台にとどまった 決算 2009 年 2 月初めにAvtoVAZ は 夏以降の販売不振 借入金の金利負担の増大 生産コストの上昇といった要因が重なり 2008 年度は2000 年以来の赤字に転落したので 株主配当を実施しない と発表した ( ヴェードモスチ 紙 ) 赤字の規模をAvtoVAZ は発表していないが 業界のアナリストたちの推測によれば 10 億ルーブル前後ではないかとされている このような財務状況であるから 2009 年中には終了する予定となっていたルノーのロガンのプラットフォームをベースとした新モデルの開発作業も 延期される可能性が高いとみられている ( ) 2)GAZ GAZ( ゴーリキー自動車工場 ) も金融危機の影響を強く受けており 深刻な財務状況下におかれている たとえば 同社の運転資金不足はきわめて深刻なレベルに達しており 2008 年 10 月には 代金の支払い猶予を要請する書簡を部品サプライヤーに送付している ( ヴェードモスチ 紙 ) 要請した支払い猶予期間はサプライヤーによって異なり 短い業者で 1~2ヵ月 長い業者では2009 年 9 月までの猶予を要請したといわれている ただ 力の強いサプライヤーの中には この要請に強い拒否反応を示しているところも少なくない たとえば 鋼板を納入しているマグニトゴルスク製鉄所やノヴォリペツク製鉄所は 2008 年 11 月以降にGAZへの鋼板の納入を停止している ( RBKデイリー 紙 ) さらにその後 マグニトゴルスク製鉄所はGAZを相手取り 約 10 億ルーブルの売掛金の支払いを求める訴訟を起こしている ( ヴェードモスチ 紙 ) このGAZの窮状の主因は 2008 年 8~9 月以降 主力製品である小型商用車 ガゼリ の販売が急激に落ち込んだことにある ガゼリの販売の6 割はローンとリース システムを利用してのものだといわれているが 銀行の貸し渋りで当該システムが機能不全に陥ったことが 販売急落の原因だといわれている その結果 GAZは10 月初旬と下旬の2 度にわたり それぞれ5 日間ラインを完全にストップさせて在庫調整を行うことを余儀なくされた さらに その後も GAZは正月休みの延長や週 3 日稼動体制への移行などの措置をとったが 売れ行きが相変わらず低迷しており (2008 年 9 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 17

21 第 2 章月時点では約 5 億ルーブルあった月間売上高が同年 11 月には2 億ルーブル未満に落ち込んだ ) 相変わらず 約 2ヵ月程度の在庫をかかえたままとなっている なお GAZの商用車部門は 2010 年までに英国 LDV 社の商用車 Maxus の本格生産 ならびに LDV 社の技術を採用した新型ガゼリ ( ガゼリ3) の生産を開始する意向を表明していたが 現在のGAZの窮状を勘案すると その目標を達成するのはほぼ不可能だと判断される GAZのもうひとつの主力モデルである乗用車 ヴォルガ ( 小売販売価格は2 万 7,000ルーブル~) の販売も不振で 10 月頃から生産が停止され 2008 年の同モデルの生産台数は前年比 48% 減の2 万 219 台にとどまった また 期待の新モデル ( 乗用車 ) のサイベルの生産台数も目標の1 万台を大きく下回る1,717 台にとどまっている サイベルはロシア市場では不人気のDセグメントカーである上に 小売価格も5 万 4,000ルーブル~と 純国産メーカーの車としては値段が高いため市場での人気は芳しくなく その将来性を不安視する声が高い GAZは販売価格を 4 万 9,000ルーブルに値下げして 2009 年中に何とか1 万 6,000 台を売りさばきたいとの意向を表明しているが この目標の達成は困難だとみなす市場関係者は少なくない ( ヴェードモスチ 紙 ) サイベルの生産ラインの年間生産能力は10 万台で 4~5 年間にわたり最低でも年間 4 万 5,000 台以上の販売を維持しないとライン建設コストとクライスラーからのライセンス取得料を回収できないといわれているので このプロジェクトの先行きは非常に厳しいと考えざるをえない ちなみに このプロジェクトの責任者であった ルースキエ マシーニィ 社 (GAZの親会社に相当する会社) のエベルハードソン社長が2009 年 2 月に辞任しているが 恐らく プロジェクトの不振の責任をとっての辞任であると推測される 政府もGAZをめぐる状況が危機的なものであることを認識しており 2008 年 12 月頃までに 政府系銀行を通し100 億ルーブルと10 億ドルのクレジットラインをGAZに対し開設した さらに 2009 年 2 月にロシア政府は GAZが提示した大幅な人員削減等を軸とした再建策を承認し 同社が発行する社債を政府系銀行経由で買い取るなどの方法で200 億ルーブル規模の追加支援を実施する意向を表明した ( ヴェードモスチ 紙 ) ちなみに 2009 年 1 月末時点のGAZの債務額の合計は約 400 億ルーブルで そのうちの約 300 億ルーブルが短期債務だといわれている ( 上掲 ヴェードモスチ 紙 ) 3) ソラーズソラーズ ( 旧セヴェルスターリ アフト ) は持ち株会社で 純国産のSUVや小型商用車の生産を行っているUAZの他 タタルスタンにZMA( もともとは純国産の軽乗用車オカの生産を行っていた ) セヴェルスターリいすゞ ソラーズ エラブガの3つの生産施設を保有している UAZの2008 年の生産台数 ( 小型商用車も含めた数字 ) は前年比 3.5% 減の7 万 2,181 台 販売台数は3.2% 増の7 万 2,300 台と比較的堅調であったが やはり 2008 年の秋以降販売台数が急激に落ち込み 2008 年末時点で約 1 万 7,000 台もの在庫を抱えるにいたった このため UAZ では2008 年 12 月 25 日から2009 年 2 月 9 日まで生産が停止された ちなみに 販売不振は2009 年に入ってからも続いており 1 月の販売台数は前年同月比 39% 減の1,773 台であった ZMAでは 韓国の双竜の大型 SUV3モデル (Actyon Rexton Kyron) の他 フィアットのBセグメントカー Albea とSUVのDobloの生産が行われている 双竜車もフィアット車も売れ行きが好調で 2008 年のZMAの生産台数は前年を68% も上回る3 万 6,624 台に達した もっとも 2008 年の秋以降は売れ行きがやや鈍化し 12 月の生産台数は前年同月比で6.7% の伸びにとどまった 18 社団法人ロシア NIS 貿易会

22 ロシア ウクライナの自動車産業その他 同じタタルスタンのセヴェルスターリいすゞでは日本のいすゞの小型トラックが ソラーズ エラブガではフィアットの小型商用車のDucatoが それぞれ生産されている ソラーズは国内資本の自動車メーカーの中では最も経営が安定しているといわれているが タタルスタン ( エラブガ ) での新工場建設や外国ブランドの商用車用の部品の現地生産計画の推進等で費用がかさみ 2008 年下半期だけで債務額が約 3 億ドルも増加し その総額は年末時点で7 億 4,000 万ドルに達した ( うち6,600 万ユーロ分が外貨建ての債務で 残りはすべてルーブル建ての債務 : ヴェードモスチ 紙 ) このため ソラーズは国家に対し100 億ルーブルの融資を申請したといわれている ( うち48 億ルーブルが債務返済用 52 億ルーブルが運転資金用 上掲 ヴェードモスチ 紙 ) 4)TagAZ TagAZ( タガンログ自動車工場 ) では現代のアクセント ソナタ サンタフェ等が生産されているが 2008 年上半期は現代からの部品供給量が大幅に伸びたこともあって 生産台数が前年同期の2 倍以上 (118.2% 増 ) に達した しかし 現代の現地工場 ( サンクトペテルブルグ郊外 ) の起工式が行われた2008 年 6 月頃から同社と現代の関係が微妙になったことや 10 月に生産モデルの価格を平均で3 万ルーブル値上げしたことが災いして 年後半は主力モデルのアクセントを中心に販売台数および生産台数が大幅に落ち込んだ たとえば 12 月の生産台数は前年同月比 67% 減の約 2,200 台にすぎなかった その結果 2008 年通年の生産台数は結局 前年比 35.9% 増の9 万 6,567 台にとどまった 現代との関係が微妙になった関係でTagAZは 脱現代 の動きを加速させており 2008 年 9 月には 中国のCheryのForaというモデルをVortex Estinaという自社ブランドで生産し販売する計画を発表した ( ヴェードモスチ 紙 ) また 2009 年 2 月には 韓国にある設計子会社が開発したTagAZ-Cという小型セダンの生産を開始するとの発表を行った ( ヴェードモスチ 紙 ) ただ どちらの計画もまだ軌道にのっておらず TagAZの救世主になりうるかどうかの判断は困難となっている 販売の急激な落ち込みに伴い TagAZでは2008 年秋頃から財務状況が急激に悪化しており 一部には給料の遅配が生じているとの情報も出始めている ( ヴェードモスチ 紙 ) また 2009 年 1 月には 資金不足が原因で 韓国および中国から輸入され保税倉庫で保管されている組立用部品の通関が切れず (2009 年 1 月下旬時点で約 4 万台分の部品が保税倉庫に保管されていた ) 現代車やChery 車の生産に支障が生じていることも判明した ( ヴェードモスチ 紙 ) 同社はこの苦境を乗り切るため 外国貿易銀行から最大 80 億ルーブルのクレジットラインを獲得すると同時に (2009 年 1 月下旬時点で そのうちの60 億ルーブルを消化していた ) 大幅な人員削減を実施することを計画しており 2008 年 11 月 18 日付の ヴェードモスチ 紙によれば その規模は最大で3,000 人に達する可能性があるとされている ( 同社の従業員数は現在 約 8,500 人 ) 5)IzhAvto IzhAvto( イジェフスク自動車工場 ) は SOKというロシアの民間の持ち株会社傘下の工場 同工場では オリジナル車 (Izh2126( オダ ファブラ )) や AvtoVAZ で生産中止となった旧 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 19

23 第 2 章式モデル (LADA ) 等の生産を主に行ってきたが それらのうちオダ ファブラおよびLADA2106の生産は2005~2006 年に相次いで中止され 現在は LADA2104の生産だけが行われている (2008 年の生産量は2 万 922 台 ) その他 2005 年からは 韓国の起亜のスペクトラ リオ ソレントの生産が行われている このうち主力はCセグメントのセダンのスペクトラ ( 小売価格は1 万 2,000ドル~) で 2008 年の販売台数は3 万 6,997 台に達した ( 同年の生産台数は3 万 2,575 台 ) ただ IzhAvtoの財務状況も決して良好とは言い難く 2008 年 12 月には社債の期限前償還に失敗している ( ヴェードモスチ 紙 ) 親会社のSOKもIzhAvtoをめぐる状況の厳しさを認識しているようで 既述のとおり 2008 年 2 月頃からAvtoVAZ との間で IzhAvtoの売却に関する交渉を開始している 金融危機の影響もあり交渉は長引いているが 一部情報によれば AvtoVAZ が保有する自動車販売会社 ラーダ セルビス ( ロシア国内に約 140のディーラー店を保有し LADA 車の総販売台数の約 25% を売り上げている会社 ) の株式の75% とIzhAvtoの株式の100% を交換することで基本合意に達したといわれている ( コメルサント 紙 ) AvtoVAZ に正式に買収された後 IzhAvtoではルノー車もしくは日産車が生産される可能性もある たとえば 2009 年 1 月にIzhAvtoが ( 社債を保有する ) 債権者に対し行った説明によれば AvtoVAZ に正式に買収された後 わが社はルノー車と日産車の生産を開始する ルノー車は 2009 年に2 万 8,000 台生産され 2013 年には生産台数は23 万台に達する 日産車の生産は2011 年から開始され 2013 年にその生産台数は13 万 5,000 台に達する とされていた ( ヴェードモスチ 紙 ) 数字に関しては誇張されたものであるとの印象が拭いきれないが 様々な情報から判断して IzhAvtoでのルノー車もしくは日産車の生産の可能性が検討されているのは事実のようである もっとも 一部には その大前提となるAvtoVAZ によるIzAvtoの買収に関する交渉が 詰めの段階で難航しているとの情報も出ているが ( コメルサント 紙 ) 6) 国による国内自動車産業救済策金融危機勃発後 ロシア政府は様々な国内自動車産業救済策を打ち出しているが 以下でそのうちのいくつかを紹介しておく 関税に関連した措置 2008 年 12 月 5 日にプーチン首相は 法人による自動車輸入の際の関税の引き上げを規定した政府決定第 903 号 いくつかの種類のモーター輸送手段のロシア連邦関税率の変更について に署名した さらに その5 日後には 自然人による中古車の輸入の際の関税の引き上げを規定した政府決定第 943 号 自然人によりロシア連邦関税境界を通過される商品の統一関税率および税金の適用に関する規定の第 11 項の変更について への署名が行われた そして 2つの政府決定とも2009 年 1 月 12 日に発効している すなわち この日から 自動車の輸入関税率が引き上げられている なお 適用期間が延長される可能性もあるが 903 号の付属文書で規定されている新関税率は9ヵ月の時限的措置だとされている 一方 943 号で規定されている新関税率に関しては 有効期間に関する言及がなされていない さらに 2009 年 2 月には 2009 年 1 月 27 日付政府決定第 37 号 輸送手段 およびそのユニットと部品の工業アセンブリーのために輸入される若干の商品のロシア連邦関税率の変更について が公布された この政府決定は 工業アセブリー措置に従い 3~5% の特恵関税率を 20 社団法人ロシア NIS 貿易会

24 ロシア ウクライナの自動車産業適用して輸入されていた自動車部品 ( ギアボックス 駆動軸 スタビライザー ラジエーター 一定の排気量のエンジン等 ) の関税率を2009 年 4 月 2 日から9ヵ月間さらに引き下げゼロにすることを規定しており 工業アセンブリー措置の枠内で生産を行っている外国企業にとっても朗報だといえる 金融支援ロシア政府は2008 年中も政府系の銀行を通し ロシア資本の自動車メーカーに対し緊急融資を行ったが 2009 年も引き続き支援を行う意向を示している たとえば 2008 年 12 月 22 日付の ヴェードモスチ 紙によれば ロシア政府は2009 年中にロシア資本の自動車メーカーへの700 億ルーブルの融資に対する国家保証を行う他 それらのメーカーが発行する社債を600 億ルーブル分引き受ける意向を有しているとされている 自動車ローンの金利負担ロシア政府は 純国産車の販売を促進することを主目的として 小売販売価格 35 万ルーブル未満の乗用車を自動車ローン利用で購入する市民に対し 補助金を出す意向を表明している 補助金は 自動車ローンの金利のうち約 8.6%( ロシア中銀の政策金利 (2008 年 12 月末時点で13%) の3 分の2) を国が負担するという形で支給されることになっている 純国産車のほとんどすべてがこの補助金の対象になる他 外国ブランド車 ( 現地生産車 ) では ルノー ロガン シュコダ ファビア 起亜スペクトラ 現代アクセント フィアットAlbea シボレー NIVA が対象になる その他 価格が35 万ルーブルを超えるが フォード フォーカスとVWのJettaも補助金の対象になる可能性があるといわれている ( コメルサント 紙 ) ただ この補助金に関しては 以下のような理由で 効果を疑問視する声が少なくない 第 1に 自動車ローンの金利が高騰傾向にあることや 自動車ローン交付の際の審査が厳格化されていること ( たとえば 頭金を30% 程度用意することが必須条件になることが多い ) を考えると 自動車ローンを組めるユーザーの数が限定される可能性が高いという点 第 2に 補助金の規模が総額約 20 億ルーブルと小さく 補助金の枠内で購入できる車の台数は最大でも7 万台前後と推測される この程度の規模では 大きな効果を期待するのは無理である もっとも 一部で言われているように 政府系の銀行が窓口となり ( ズベルバンクとVTB24 が窓口になる可能性が高いといわれている ) リーズナブルな金利と緩やかな審査にもとづき補助枠での自動車ローンの供与を行うのであれば この補助金制度は低価格車の販売促進に一定の貢献をするかもしれない 国家買付けロシア政府は 純国産車を中心に自動車の国家買付けを強化する意向も表明している たとえば 商用車の販売促進のために 約 430 億ルーブルの融資をリース会社に実施することが予定されている また 運輸省が国営リース会社を設立し 約 400 億ルーブルの規模で自動車を調達することも計画されている さらに 2009 年の自動車の国家 ( 直接 ) 買付け用の予算を当初の150 億ルーブルから275 億ルーブルに増額することも内定している ( ヴェードモスチ 紙 ) ちなみに 乗用車の国家 ( 直接 ) 買付けに関しては 保健 社会発展省が身体障害者や様々な功労者用にLADAクラシックを購入するケースが多くなっている たとえば 2008 年春に同省は1 万台以上のLADA2107を購入したし 秋の時点でも さらに1 万 7,000 台のLADAクラシ ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 21

25 第 2 章 ックを購入することを検討していた ( ヴェードモスチ 紙 ) (4) トラック生産部門すでに述べたことと一部重複するが ここではロシアのトラック生産部門の動向を整理する 2006 年と2007 年は建設ブームや農業分野での投資の活性化といった好材料が重なり ロシアのトラックの生産ならびに販売台数は大幅に伸びた 2008 年も上半期は好調だったが 9 月の世界的金融危機以降は需要が極端に落ち込み 通年の生産台数は前年比 11% 減の25 万 7,516 台にとどまった 1)GAZ まずは 純国産車メーカーのGAZから 2008 年のGAZの生産台数は前年比 16.4% 減の13 万 2,837 台だったが モデル別の内訳は総重量 2.8tのソボリが8,796 台 ( 前年比 23% 減 ) 3.5tのガゼリ ( 積載能力 1.5t) が9 万 9,595 台 (16% 減 ) 7.3tのヴァルダイ ( 積載能力 3.5~5t) が5,896 台 (6.6% 減 ) 7.85tのGAZ-3307( 積載能力 4.5t) が5,020 台 (3.6% 増 ) 8tのGAZ-3308 ( 積載能力 4t) が3,465 台 (35% 減 ) 8.18tのGAZ-3309( 積載能力 4.5t) が9,880 台 (25.4% 減 ) となっている その他 GAZは2006 年に買収した英国 LDV 社のLCV Maxus を2008 年中に185 台組立てている 2008 年の販売台数は 前年比 17% 減の13 万台強にとどまった 10 月以降の販売は壊滅的といえる状況で たとえば12 月の販売台数は前年同月比 83% 減の2,358 台にとどまった 2)KAMAZ 同社の2008 年の生産台数は前年比 3.5% 減の5 万 1,005 台で そのほとんどが総重量 14~40t のトラックであった 8~14tのトラックも生産されているが 生産台数はごく少数 2008 年の販売台数は前年比 10% 減の4 万 7,595 台にとどまった GAZ 同様に10 月以降の販売状況がとくに悪く 12 月の販売台数は前年同月比 69% 減の1,496 台にとどまった ( うち 1,130 台が国内市場 366 台が輸出 ) 3)UAZ 同社の2008 年の生産台数は前年比 1% 減の2 万 4,411 台であった 同社で生産されているトラックはすべて総重量 2.6~3tのLCVであるが 主力は4 輪駆動のUAZ-3909シリーズで 2008 年の生産台数は全体の約 7 割に相当する1 万 6,972 台であった 生産の数字もそうであるが 同社の場合は上記 2 社と比較すると販売の数字も比較的堅調で 通年の販売台数は前年比 1.1% 増の2 万 4,713 台であった また 秋以降の販売台数の落ち込みもそれほど極端ではなく 12 月の販売台数は前年同月比 6% 減の2,903 台であった 4)Ural 大型トラックを主力とする純国産メーカー 2007 年に前年比 57% という大幅な増産を記録した勢いが2008 年に入ってからも続き 年前半は生産 販売とも非常に好調であった しかし 秋以降販売が急激に落ち込んだ関係で (12 月の販売台数は前年同月比 85% 減の158 台 ) 通年の生産台数は前年比 4% 減の1 万 4,176 台にとどまった 22 社団法人ロシア NIS 貿易会

26 ロシア ウクライナの自動車産業 5) いすゞセヴェルスターリアフト (2008 年春よりSollersに改称 ) 傘下のUAZで 2006 年 7 月よりいすゞ小型トラックの生産が開始された その後 2008 年 2 月に生産拠点がUAZからタタルスタンの セヴェリスターリアフトいすゞ に移され 2008 年中に合計で9,770 台が生産された ( 調査機関 ASMホールディング が独自に算定した数字 ) なお Sollersは同じタタルスタンのSollers エラブガで2007 年末よりフィアットのLCVのDucatoの生産を開始しており 2008 年には2,097 台が生産された 6) ボルボ トラックス社同社はこれまで ロシアのシステマ社との間に設立した合弁企業で年間約 500 台のトラックを生産していた ただ 年間生産能力が500~600 台と小さく 敷地の関係で増強もできないため ボルボは2007 年からカルーガで2 番目の工場の建設を開始し 2009 年 1 月に完成させている 新工場の年間生産能力は1 万 5,000 台で 従業員数は約 1,000 人 同工場では ボルボ トラックス社のトラックの他 同じボルボ グループに属するルノー トラックス社のトラックも生産される予定になっている ( 内訳は ボルボが1 万台 ルノーが5,000 台 ) 現地生産対象モデル候補としては ボルボのFC FM FL FEの各シリーズと ルノーのPremiumとCaraxの名前が挙がっている 7)IVECO 同社は現在 ロシア側 ( チェリャビンスクの自動車工場 Ural およびガスプロム) と対等出資で設立した合弁企業 IVECO-Uralaz で大型トラックを現地生産している 生産能力は年間 3,000 台とされているが 実際の生産量は 2006 年 :195 台 2007 年 :390 台 2008 年 393 台となっている その他 2007 年 6 月にIVECOは ニジェゴロドの企業グループ サモトロールNN ( ガゼリ ソボリおよび外国メーカーの商用車をベースに救急車等を生産している会社 ) と合弁企業を設立し サモトロールNNが保有する工場の敷地内でIVECO Dailyという小型商用車を 2009 年から生産する計画を発表している 合弁の出資比率はIVECO 側が51% サモトロールNN 側が49% で プロジェクトへの投資額は5,000 万ユーロとされている 目標とする生産規模は年産 2 万 5,000 台とされている 8) 現代ロストフのTagAZで 積載能力 1.2tのポーターというトラックの生産が行われている このトラックは安さ (1 万 4,000ドル~) もあって市場での人気が高く 2007 年には1 万 197 台が生産された しかし 2008 年は TagAZの財務状況が悪化したことなどもあって 生産量は前年の約半分の5,512 台にとどまった 9)Goodwill 同社はサンクトペテルブルグ郊外のプーシキン市で米国のインターナションル社の9800iというモデルのSKDを2008 年 1 月から開始し 同年中に188 台を生産した 10) その他スヴェルドロフスク州のAMUR( ウラル自動車 モーター ) 社では インドのTATAの2.8t ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 23

27 第 2 章トラックと4tトラックが生産されている 2008 年の生産台数は 2つのタイプ合計で817 台であった また カリーニングラードのAvtoTORでは中国のYuejinの1~5tトラック等が2007 年に1,000 台以上生産されたが 2008 年の前半には生産が打ち切られ 同年の生産台数はわずか 87 台だった 2. ウクライナ (1) 業界地図 図 3 からもわかるとおり ウクライナの乗用車生産部門は一時 輸入中古車の攻勢に苦しみ 瀕死の状態にあったが ここ数年は状況が大幅に改善されていた 500 図 3 ウクライナの乗用車生産台数の推移 ( 単位 1,000 台 ) ( 出所 ) ウクライナ統計国家委員会 2008 年も リーマンショックの影響を受け 秋以降生産台数が急激に落ち込んだが 通年では5.7% の伸びを維持することに成功した ( ただし 2009 年に入り状況はさらに悪化しており 同年第 1 四半期のウクライナの乗用車の生産台数は前年同期比で83% 減となった ) 状況の急激な改善の背景には2つの要因があった ひとつは 2000 年以降に政府が次々と打ち出した一連の大胆な国内自動車メーカー保護措置である 輸入中古車の関税率が大幅に引き上げられた他 国内の自動車メーカーに税制上の特典 ( 付加価値税の免除措置等 ) が供与され そのことが乗用車の国内生産の活性化につながったのだ もうひとつは 2000 年前後に実施された主要国営乗用車メーカーの民営化である この民営化の結果 複数の大手民間資本が乗用車生産部門に流入し そのことが同部門の復活に大きく貢献した ちなみに この時に乗用車生産部門に進出した民間資本のロビー活動の結果 上記の一連の国内自動車メーカー保護措置の導入が決定したという説が有力である その真偽はともかく それら民間資本がいずれも強い政治力を有しているのはまぎれもない事実である 以下では その 政治力 にもスポットをあてながら ウクライナの乗用車生産部門を牽引してきた大手民間資本のプロフィールを紹介する 24 社団法人ロシア NIS 貿易会

28 ロシア ウクライナの自動車産業 1) ウクルアフト 国会議員のタリエル ヴァサジェ ( ティモシェンコ派 ) が事実上のオーナーだといわれる企業グループで AvtoZAZ( ザポロジエ自動車工場 ) イリイチョフスク( オデッサ州 ) の自動車組立工場 ( 現在はAvtoZAZの支部と認識されている ) 自動車部品工場 ガソリンスタンド網 ポーランドのFSO(Fabryka Samochodow Osobowych) 複数の外国メーカー( メルセデス シボレー オペル フィアット等 ) の販売店等を傘下に収めている AvtoZAZの生産台数は 2005 年 : 約 15 万台 2006 年 : 約 19 万台 2007 年 :27 万 6,813 台と順調に伸びていた ただ 2008 年は12 月の生産台数が前年同月の5 分の1 以下の5,129 台にとどまったこともあり 通年の生産台数も前年比 5.9% 減の26 万 398 台となった 同工場では かつては複数のオリジナル モデルが生産されていたが 2007 年初めにタヴリヤ ( セダン タイプ ) の生産が中止されたのを皮切りに ほとんどのオリジナル車の生産が中止され 現在は小売販売価格 4,000ドル~のスラヴタというモデルだけが生産されている ( 同モデルも2008 年末で生産が打ち切られるはずであったが 経済危機の結果 低価格車に対する需要が高まるとの経営陣の判断があり 生産が継続されることになった ) 同工場ではオリジナル車の他 シボレー (GM DAT:11モデル ) メルセデスベンツ オペル (7モデル) AvtoVAZ(3モデル ) 中国のChery(5モデル:2006 年末から生産開始 ) といった数多くの外国ブランドの車が組み立てられているが 主力はシボレー (GM DAT) ラノスで 2008 年の生産台数は13 万台を超えた 以下 シボレー アベオ :3 万 4,687 台 VAZ-21099:1 万 7,032 台 Chery -A15( アムレット ):1 万 6,410 台 シボレー ラセッティ :1 万 3,745 台 オペル アストラG:7,942 台と続いた 2) ウクルプロムインヴェスト オレンジ革命の立役者の一人ともいわれるピョートル ポロシェンコという人物 (1998 年から2005 年まで国会議員 現在は ウクライナ中央銀行の理事会の議長 ) が率いる企業グループで ルツク自動車工場 チェルカスィ バス工場 現代ウクライナ ( ウクライナにおける現代車のオフィシャル ディストリビューター ) 自動車部品工場等の自動車関連企業の他 製菓会社 ビール工場 造船所 農業関連企業等を傘下に収めている ボグダン ( という子会社が統括する自動車部門は ウクルプロムインヴェスト グループの中核を形成しており 同グループの売上高の約 44% を占めている (2005 年実績 ) 乗用車の生産は 主としてルツク自動車工場で行われているが 生産台数は2004 年 :2 万 2,029 台 2005 年 :3 万 690 台 2006 年 :4 万 290 台 2007 年 :5 万 3,919 台 2008 年 :8 万 8,316 台となっている 数年前までは生産車種はロシアのAvtoVAZ 車 (LADAクラシック) だけであったが 2005 年 10 月からは起亜車と現代車の生産も開始されている 2005 年の生産台数は起亜車が 693 台 現代車が408 台にすぎなかったが 2007 年に入ってから生産台数が急増し 同年の生産台数は順に 1 万 7,990 台と1 万 6,348 台に達した ( 同年のAvtoVAZ 車の生産台数は1 万 9,581 台であった ) 2008 年も同様の傾向が続き 起亜車の生産台数は2 万 6,318 台 現代車のそれは3 万 3,897 台に達した (2008 年のAvtoVAZ 車の生産台数は2 万 8,101 台であった ) バスをはじめとする商用車の生産は 主としてチェルカスィ バス工場で行われている 2008 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 25

29 第 2 章年の同工場でのバスの生産台数は前年比 16% 増の3,775 台であった なお 一部には 2008 年 6 月にボグダンが チェルカスィで年間生産能力 12 万 ~15 万台の新工場を完成させ 現代 起亜およびAvtoVAZ の車のCKD 方式での生産を開始したという説もある ( コメルサント ウクライナ 紙 ) その詳細および現状については情報を入手することができなかった 3) ユーロカー オレグ ボヤリン ワシーリー ゴルバリ ヴィクトル ペトレンコの3 名がオーナーだといわれているが このうち ゴルバリは政界に進出しており ヤヌコヴィチ元首相の支持者としても有名である ユーロカーは シュコダのオフィシャル ディストリビューターであるが 自社工場においてシュコダ車やVW 車の生産も行っている ユーロカーの工場は 2001 年にドイツのVWの技術支援を受けて完成した近代的な組立工場で スロバキアおよびハンガリーとの国境近くのザカルパチエ州ソロモノヴォ村の自由経済ゾーン ザカルパチエ に所在する 同工場では 2001 年末より まずシュコダの車の生産が開始され 2003 年からはVW 車の生産も開始された ( その他 少量ながらセアト車の生産も行われている ) 生産台数は 2005 年 :1 万 1,193 台 2006 年 : 2 万 1,391 台 2007 年 : 約 3 万台 2008 年 :3 万 5,892 台と順調に伸びている 同工場では上に記したVWグループの3ブランドの14モデルの生産が行われているが 2008 年のブランド別の生産台数は シュコダが3 万 73 台 ( 前年比 28.3% 増 ) VWが5,034 台 (13.3% 減 ) セアトが785 台 ( 前年の2.1 倍 ) となっている (2) 国内乗用車市場新車部門の概況ロシアで乗用車販売台数といった場合 新車販売台数 + 輸入中古車販売台数 を意味することが多いが ウクライナの場合は そこに 国内で転売された中古車の販売台数 を加えたものを乗用車販売台数と称することが多くなっている もっとも 関税率が非常に高い関係で 現在ウクライナにはほとんど中古車が輸入されていないので 同国の乗用車市場は事実上 新車 と 国内で転売される中古車 の2つの部門で構成されていると考えてよい それら2つの部門のうち まず新車部門の概況について紹介する 表 4に示すようにウクライナの乗用車市場の規模はつい最近まで順調に拡大していたが とくに新車の販売台数の伸びが著しく 2002 年には10 万台強であったものが2006 年には37 万台を突破した さらに 2007 年も新車の販売台数は予想以上に伸び通年で54 万台を突破した 2008 年も10 月までは前年同月を上回る販売を記録していた とくに1 月と2 月は好調で 前年同月を90% 以上上回る販売を記録した その結果 通年の販売台数も62 万 3,252 台と前年を14.9% 上回った 新車の販売台数が2008 年秋まで急激に伸びていた原因としては 年以降中古車の輸入関税率が大幅に引き上げられ その輸入台数が激減した 2 経済状況の好転に伴い市民の購買力が上昇した 年以降に国内乗用車メーカーに税制上の特典が与えられ乗用車の国内生産台数が増加した ( 図 3) 4 自動車ローンが急激に普及した ( 新車の販売におけるローン利用率はピーク時には50% を超えていたといわれている ) 5つい最近まで ウクライナでも住宅価格が高騰しており 住宅はとても買えないので その代りに資産価値の高い外国新車を 26 社団法人ロシア NIS 貿易会

30 ロシア ウクライナの自動車産業購入しておこう と考えるユーザーが増加していたこと 等が考えられる 2008 年のメーカー別の新車販売台数をみると ( 表 5) 1 万 5,000ドル未満の比較的安価な乗用車を中心に供給しているロシアのAvtoVAZ( ヴォルガ自動車工場 ) 大宇( 現地生産車 +GM ウズベキスタン車 ) シボレー( 現地生産車 +GM DAT 車 + ロシア製シボレー NIVA) 現代の4 社のプレゼンスが非常に高く 2008 年の新車市場におけるシェアの合計は40% を超えている その他 やはり安価な車を主力とする韓国の起亜 中国のChery 純国産車のAvtoZAZ ルーマニアのダチアのプレゼンスも高くなっている ( ただ アフトビジネス社から入手した情報によれば 2009 年に入り 価格の安さを主要な武器とする中国車やロシア車の販売は低迷している模様 ) 表 4 ウクライナ乗用車市場のカテゴリー別内訳 ( 単位 台 ) カテゴリー 新車 265, , , ,252 輸入中古車 7,074 9,042 6,189 4,954 国内転売中古車 372, , , ,446 合計 644, , ,214 1,083,652 ( 出所 )ASMホールディング 表 5 ウクライナにおけるメーカー別の乗用車 ( 新車 ) 販売台数 ( 単位 台 ) AvtoVAZ 113, , , シボレー 35,559 45,981 51, 大宇 51,504 74,684 50, 現代 9,226 22,595 45, 三菱 14,302 30,002 44, トヨタ 14,260 23,714 32,946 7.AvtoZAZ 28,225 31,839 32, シュコダ 18,125 22,020 28,435 9.Chery ,568 27, 起亜 5,123 16,185 24, 日産 7,332 12,962 21, ホンダ 4,320 8,277 16, ダチア 5,681 9,116 14, VW 6,089 10,068 13, Geely 149 4,325 13, オペル 9,243 13,315 13, フォード 5,785 9,948 11, マツダ 5,684 9,859 10, スズキ 3,720 5,806 6, スバル 4,589 5,526 6,227 その他 28,423 40,121 50,873 新車市場合計 371, , ,252 ( 出所 )ASMホールディング資料より作成 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 27

31 第 2 章このように ウクライナの新車市場では安価な車が市場の核を形成しているのだが 一方で ロシア市場同様に高価格帯セグメントに位置している日本車の人気も非常に高くなっている しかも ユーザーの購買力の上昇に伴い 日本車のプレゼンスは徐々に強化されおり 2005 年には約 12% であったシェアが 2008 年には23% に達していた さらに特筆すべきは 日本車の中でも比較的高価なモデルがよく売れているという点である とくにSUV 部門では 日本車は圧倒的な強さを発揮している 2008 年秋以降の新車販売図 4からわかるとおり ウクライナ市場での新車の販売台数は 2008 年 8 月頃から鈍化し始め 11 月 12 月の2ヵ月連続で前月割れとなった 2009 年に入り状況はさらに悪化しており 1 月は前年同月比で55% 減 (2 万 986 台 ) 2 月は78% 減 (1 万 902 台 ) となった 70 図 4 ウクライナにおける新車 ( 純国産新車 + 外国新車 ) の月別販売台数 ( 単位 1,000 台 ) ( 出所 )ASMホールディング また アフトビジネス社から入手した速報値によれば 1~3 月期の新車販売台数は前年同期比約 70% 減の約 4 万 6,000 台だったとされている ちなみに 小型商用車 ( 新車 ) の販売状況も2008 年 10 月から急激に悪化しており 2009 年 2 月は前年同月比で72% の販売減となった (874 台 ) このような急激な販売減の原因としては 1 経済危機による購買力の全般的低下 2 信用収縮に伴い自動車ローンの借り入れが困難になったこと 3 自動車ローンの金利が急上昇したこと等が考えられる グリブナの対ドルレートが大幅に下落したことも販売不振の一因になった可能性も否定できないが 2008 年秋以降多くの自動車ディーラーが 在庫一掃セール を行っていることを勘案すると その影響は比較的軽微だったと推測される すなわち 2008 年秋から現在に至るまでの販売不振の主因は 購入者サイドの購買力の急激な低下にあると考えるのが妥当かと思われる 28 社団法人ロシア NIS 貿易会

32 ロシア ウクライナの自動車産業これは ロシア市場についてもいえることだが 国内通貨のレートの大幅下落の影響が本格化するのは おそらく 2009 年夏以降になるのではなかろうか その他 後述するように ウクライナでは新車の輸入関税率が2009 年 3 月から10% から23% に引き上げられたが その影響が本格化するのも おそらく 年の後半になってからであろう つまり 年の後半には市場の状況がさらに悪化する可能性が高いと判断される 以上の状況を勘案すると 2009 年のウクライナの新車販売台数が前年よりも50% 前後もしくはそれ以上減少するのはほぼ確実のように思われる 中古車市場既述のとおり ロシアやカザフスタンの市場と異なり ウクライナの乗用車市場では輸入中古車の販売台数が非常に少なくなっている ウクライナの中古車市場の大半は国内で転売される車で占められているが 新車販売台数が伸びている関係で転売される車の数も増加しており その規模は拡大傾向にある ( 表 4) 最新の数字は入手できなかったので 以下では2007 年時点の中古車市場の状況を紹介することにする ウクライナの中古車市場では 今のところ圧倒的にドイツ車のプレゼンスが高く 2007 年のブランド別の中古車販売台数を見ると オペル ( 第 2 位 ) VW(3 位 ) BMW(5 位 ) メルセデスベンツ (6 位 ) が上位に名を連ねている また 最近では中古車市場でも日本車の人気が高まっており トヨタ (7 位 ) 三菱(9 位 ) 日産(10 位 ) の3 社がベスト10 入りしている 一方 ユーザーの購買力の上昇に伴い 旧ソ連のメーカーの人気は低下している たとえば AvtoVAZ は中古車市場でも今のところトップブランドの地位を保っているが その市場シェアは2006 年 :14.5% 2007 年 :9.0% と激減傾向にある 車の年齢 ( 車齢 ) 別の構成においても やはりユーザーの購買力の上昇の影響が見受けられ 車齢の若い車の市場シェアが急増している たとえば 2003 年時点では6% でしかなかった車齢 5 年未満の車のシェアが2007 年には約 37% にまで達している 一方 1990 年以前に生産された古い中古車の人気は低下しており 2006 年に20% 近くあったシェアが2007 年には約 15% にまで減少した ただ 車齢 8~17 年の中古車の人気は安定しており 依然として30% 以上のシェアを維持している 価格帯別の販売動向にも同じような傾向が見受けられる すなわち ユーザーの購買力の上昇に伴い低価格帯の中古車のシェアが減少し 高価格帯の中古車のシェアが増加するという傾向が顕著となっている たとえば 2006 年に9.3% だった2,000ドル未満の中古車のシェアが2007 年には5.7% にまで減少した その他 2,000~5,000ドルおよび5,000~1 万ドルの価格帯の中古車のシェアも減少した その一方で 2006 年に15.2% だった1 万 ~1 万 5,000ドルの価格帯の中古車のシェアが2007 年には19.2% に増加した他 1 万 5,000~2 万ドル 2 万 ~3 万ドル 3 万 ~5 万ドルの価格帯の車も軒並みシェアを伸ばしている (3) 保護主義の台頭 WTO 加盟に伴い ウクライナでは2008 年 5 月中旬より新車の輸入関税率が25% から10% に引き下げられたが 乗用車市場の状況が悪化し始めた2008 年秋頃から ウクライナの国内自動車メーカーのロビー活動が活発化し 保護主義の動きが目立ち始めている たとえば 11 月になり 自動車業界の代表たちが 政府に対し自動車の輸入割当制度の導入を要請していることが判明した ( コメルサント ウクライナ 紙 ) また 同じ頃に WTO 加盟後に10% ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 29

33 第 2 章に引き下げられた新車の輸入関税率を暫定的に25% にまで再び引き上げるべく 自動車業界の代表たちが積極的に政府に働きかけているとの情報も出ていた ( コメルサント ウクライナ 紙 ) どうやら このロビー活動は功を奏したようで 2008 年 12 月下旬になりウクライナ議会が 政府の要請を受け 2009 年 3 月 6 日より6ヵ月間 新車に対し23% の暫定輸入関税率を適用すること を承認したことが判明した ( コメルサント ウクライナ 紙 ) なお ウクライナ政府には この暫定関税率の適用期間を議会の承認なしに6ヵ月延長する権限が与えられており 市場の状況が改善されない場合は 23% の輸入関税率が1 年間適用される可能性が高い その他 一部情報によれば ウクライナ政府は2009 年 12 月から新車に対する物品税を2.5~10 倍に引き上げることを検討しているといわれており ( コメルサント ウクライナ 紙 ) ウクライナの国内メーカーの業績不振が長引けば 保護主義の傾向がさらに強まる可能性も排除できない 30 社団法人ロシア NIS 貿易会

34 第 3 章 ロシアの工作機械産業 市場の動向 ( 現地新聞 雑誌の論調から ) 1. ロシアの工作機械製造業 金属加工設備 誌 2007 年 No.12(46) より ロシアの工作機械製造業は世界市場における上位から転落はしたものの かつて製造した設備を修理 改良することにより しばらくは生き残りの余地がある 我が国の工作機械製造業は 深刻な危機に陥っている 製造技術 製品品質 アフターサービス面で 世界主要メーカーからの後れが広がる一方なのだ 同様のことが 永遠に後れたままであろうと思われる自動車産業にもいえる 工作機械メーカーでは競争力のある製品が少なく 僅かな製品ラインのみにとどまっている メーカーの主な収入源は古い設備 ( 平均 80%) の修理 改良で 純粋な新製品の割合は比べ物にならないほど低い 我が国の工作機械製造業の将来については見解が大きく割れており 消費者 ( 特に 優れた製品を造る能力を保持してきた一握りの機械メーカー ) は この部門が抱える解決しがたい体系的な問題に言及している 公開型株式会社 «Siloviye Mashiny»( 動力機械 )«Elektrosila»( 電力 ) 支部のラヴィリ ウルソフ部長は 我が国の工作機械製造業は死んだも同然だ «Elektrosila» の工作機械を設備更新するには 外国製品に頼るよりほかない 国内工場は信頼できない と断言する ソビエト時代の名残を引きずる工作機械メーカー側 ( ロシア連邦内の同種業者 300 社のうち ) は 楽観主義をまだ捨てておらず 国内市場に幾らかの展望を抱いている しかし ならばこれらのメーカーはまず 外国製品との熾烈な競争に耐え抜くか 極めて特殊なニッチを積極的に開拓していくかのいずれかに取り組む必要がある ロシア連邦産業エネルギー省は 自国の工作機械に見切りをつけるのは時期尚早であると見ている ロシアの機械製造業は今すぐにも立ち直るというのである というのも ロシアの機械製造業では工作機械の一新が急務となっているが ( 老朽化率 :70~80% 以上 ) これが工作機械製造業を引っ張る牽引力になっていくと考えられているのだ 官僚たちは工作機械製造業を 電力機器製造業 輸送機械製造業 燃料 エネルギー設備製造業 農業機械製造業 防衛技術産業とともに 機械製造業の中でも最も将来性ある部門に組み入れることさえしている ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 31

35 第 3 章 しかし現実を見てみると これは非常に容易ならぬ仮説であることが分かる 厳しい統計モスクワ国立技術大学 («STANKIN») によると 2005 年 ロシア連邦の産業は 金属切削設備 4,795 台 木材加工機械 4,277 台 鍛造プレス設備 1,503 台を生産し その総額は1 億 6,100 万ドルであったという しかし同年 我が国へは事実上この2 倍に当たる工作機械製品が輸入されており その総額は3 億 100 万ドルに上った 国内生産高と輸入高の間の開きは2001 年以降に広がってきているが これは 国内需要が主に輸入で満たされるという傾向が不動のものであることを表している 外国企業からのオファーの中では 日本製 ドイツ製 イタリア製の高品質ハイテク設備 (CNC) が優勢を占めている さらに 最近では 中国製や東欧製の安価な汎用機械加工設備 ( 非 CNC) も増えてきた 輸入業者は 価格優位性と製品品質の高さをアピールし 我が国の伝統的な市場部門から国内工場を追い出しているのだ こうした 外来者 は 経費がかさむにもかかわらず ( 輸送費 関税 ) より高度な大量生産方式 公的な融資条件 他国で実践されている国家輸出支援システムを活用し ロシアと同等の価格で製品を提供している ロシア工作機械 工具製品生産者協会 «Stankoinstrument»( 同部門の国内大規模メーカー全てが加盟 ) マーケティング部のアナトリー ナウモフ副部長によると ロシア製品の一部は品質的に見ても外国製品に負けていないという 工作機械用の部品は輸入物が供給されており 構成材料も西側の最新鋭のものを使用しているというのだ ナウモフ副部長は 6~7ケ月のうちに 当協会加盟企業がなかなかの新型工作機械を製作するだろう と述べている 確かに ロシアの工作機械メーカーは現在でも中国 カザフスタン ドイツ トルコ ウクライナへ設備を輸出している これは主に 旋盤系設備と鍛造プレス設備である ( これらの製品の一部は改良され 再びロシア向けに販売されている ) しかし 輸出は実数値で見るとマイナス成長をたどっており 我が国が半年間で新型工作機械を製造することができるといっても さほど慰めにはならない 例えば 日本の主要工作機械メーカーであるヤマザキマザックは 受注から出荷までを2ケ月半で実現しており 数年前にはさらに この期間を半月まで縮小しようという目標を掲げたほどである こうすることで 保管と未完成品にかかる経費を削減できるのだ 生き残り手段の発見ソ連では 工作機械製造の発展に大きな意義が付与されていた 我が国は 機械加工設備の需要で世界第 2 位 その生産で世界第 3 位に位置し 幅広い種類の設備 工具を大量生産していたのである 工作機械製造部門は ソ連国内の他の産業に比べ快調な発展を遂げていた ( 毎年 1~2% の成長 ) しかしその後 機械加工設備に対する国内需要を自力でカバーできなくなり 相当量の高価で質の高い工作機械を海外から輸入することになったのである ソ連の崩壊とそれに続く経済危機により 工作機械メーカーは厳しい環境に追い込まれた そしてその結果 工作機械設備 ( 木材加工設備を含む ) の生産高は1990 年に比べ10~12 分の1 に落ち込んだのである 1998 年の債務不履行では若干の回復傾向が見られたが 部門内の全体的な状況は変わらず 2001~2005 年の工作機械産業の生産高減少へとつながっていった 産業エネルギー省によると この部門では2006 年にプラス成長の兆しが認められたが 高性能で競 32 社団法人ロシア NIS 貿易会

36 ロシア工作機械産業 市場の動向争力のある設備の新型モデルの生産高は減少したという ペレストロイカ以後 工作機械製造部門は数多くの有名な工場と設計事務所を失った 例えば サンクトペテルブルグからは スヴェルドロフ記念工場 工作機械 自動機械工場 大型特殊工作機械専門設計事務所 ( 同事務所の設計に基づき コロムナ クラマトルスク ニジニノヴゴロド等の工場が稼働していた ) が消えていった しかし ある企業は機械メーカーで稼働中かあるいは自社倉庫に眠っている製造済み設備を修理 改良するという方法で またある企業は自社にとって初挑戦となる新規製品の生産に着手するといった方法で 多くの企業が生き残る道を見つけていった 例えば «SASTA» 工場 ( 旧サソヴォ自動生産ライン工場 ) は イタリア ドイツのライセンスによる道路建設機械生産で生き残りを果たした 同工場は 1999 年以降 工作機械への需要は徐々に成長し始めた 道路建設機械の生産は2004 年に独立企業として分離し «SASTA» は再び工作機械メーカーになった と述べている 工作機械の中古市場有識者の評価によると ロシアの中古市場 ( 修理 改良を施した設備 ) の購買力は 国内新型製品市場に匹敵するという 我が国には 改革前の時代に生産されたが 機械製造分野における生産量が急激に減少したため 原料加工に使用される機会を得られなかった工作機械が大量に保管されていた これらの機械を修理 改良すれば 工作機械メーカーはしばらくの間その存在を保つことが可能となる 旧設備の修理 改良には 主として 個別生産 少量生産を行なう中小規模の機械メーカーや 収益率の低い機械製造工場が引き寄せられている 工作機械の修理 改良は 新規設備の購入に比べると30% のコスト減になる 大規模な修理を施した後も工作機械の性能は低下せず さらに15 年は使用できる 大規模で経済的にも恵まれている機械製造工場は 新しい機械の購入を選択している こうした工場は労働生産性の向上を目指しているため CNCを備えた最新鋭の設備やユニット工作機械 その他の高性能設備に対する需要が増しているのだ このため通常は 価格面でも概してロシア製品と同等レベルとなっている外国製品が選ばれている 合同企業 «Energomash» 理事会のアレクセイ プレシチェフ議長は 世界の工作機械製造業では改革が行なわれたが ロシアはそれに参加しなかった 今はもう 一台のマシニングセンターが 生産性 操作回数いずれの面でも 10~20 台の旧式工作機械の代わりを務める時代となっている このため 我々のところでは旧式工作機械の修理は極力行なわない マシニングセンターを一台購入し これに全ての代わりを務めさせる方がよいのだ この方が コストをはるかに抑えられる上 修理人員も必要とならない と述べている 最近は工作機械のリースがはやりだした これによって 我が国の工作機械製造業の製品は 消費者の手に届きやすくなっている しかし リース取引の大半を分析してみると 流通の大部分が西側製品であることが分かった 西側製品の方が 品質が良いからである ニッチの開拓ロシアの工作機械製造業が 多額の投資と新技術の必要に迫られていることは明白である この両方をもたらせるのは 民間資本しかない 他の多くの国で行なわれているような研究開発への国家支援を期待することはできない 15 年もの間 産業政策なしでやってきた我が国で ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 33

37 第 3 章工作機械製造業に対し官僚ができることといえば 机上の空論で終わる不十分な開発戦略を立てることくらいなのである 工作機械メーカーの大半は投資誘致能力が低いため 投資資金を持っている巨大持株会社や金融産業グループの元に資産が集中していくプロセスにほとんどタッチできなかった 産業グループ «Rosstankom» がリャザン工作機械製造工場で «Metalloinvestu» がヴォロネジの «Tyazhmekhpresse» で それぞれ状況改善に成功したのは 数少ない例である 外国資本にとって 我が国はまだ興味をそそる存在ではない 外国にしてみれば 我が国に新企業を興す方が簡単なのだ しかし これも実現されてはいない なぜなら 外国資本は現在 自社の生産をフル稼働させてロシアに既製品を運び入れる方を好んでいるためである 2006 年以降 «Transmashkholding» の所有者イスカンデル マフムドフの支配下に入った Skoda Machine Tool は例外である 昨年 Skoda はウリヤノフスク大型汎用工作機械工場を基盤として合弁企業を設立した ここでは2008 年までに 電力機器製造や船舶建造で用いられる水平ボール盤と大型旋盤の製造現場がロシアで初めて設置される予定である 公開型株式会社 «LOMO» のマルガリータ コズロワ副社長 ( 生産 販売担当部長兼務 ) の指摘によると この他の工作機械製造工場は 極めて特殊なニッチでしか発展していく術はないという しかも この目標を達成できるのは 崩壊したソ連期の大工場を後にした者たちを基盤として設立された新企業だけであろう こうした企業は諸経費が大幅に抑えられるため より魅力的な製品価格を維持できる このような企業は 新たなニッチを見出すことができるだろう 例えば ペテルブルグの工場 «TBS» は 機関車用の車輪を加工する新型工作機械の潜在的発注者として ロシア鉄道を見出している ロシアの生産が加速している 2008 年 3 月に開かれたロシア工作機械 工具製品生産者協会の総会では 2007 年のロシア及び世界における金属加工設備の生産評価が行なわれた 世界の総生産高は701 億ドルに達し 対 2006 年比では19% 増となった (2006 年 :588 億 6,000 万ドル ) 第一位は日本とドイツで その割合は世界生産の38.7% 第 3 位は2 年連続で中国となった ロシアの生産高は4 億 1,570 万ドルで 前年より1 億 6,800 万ドルの増加であった 金属加工設備買付での2007 年の首位はやはり中国で その買付高は153 億 9,000 万ドルであった これに比べるとロシアの需要は微々たる額に見え 2007 年の買付高は総額でも6 億 100 万ドルにすぎなかった ロシアにおける2007 年の金属加工設備生産実数は7,611 台 (2006 年の6,969 台に対し9.2% 増 ) で その内訳は 工作機械が5,020 台 (2006 年には4,973 台 ) 鍛造プレス設備が2,591 台 (2006 年には1,996 台 ) であった 金属加工設備の生産高 生産台数の成長傾向は 2 年連続で認められている また 2007 年にはCNC 工作機械の生産高が46% 増となった ステルリタマク工作機製造工場 (MTE) サヴェロヴォ機械製造工場 «Krasnyi proletarii» «Sasta» リャザン工作機械製造工場 国際公開型株式会社 «Sedin» イワノヴォ重工作機械製造工場では 多機能マシニングセンターとフレキシブル生産システムの設計 開発が行なわれている また ウラジーミル工作機械製造工場 «Tekhnika» では最新鋭の自動内面研削盤 精 34 社団法人ロシア NIS 貿易会

38 ロシア工作機械産業 市場の動向密円筒研削盤の生産が サラトフ リャザン両工作機械製造工場ではCNC 歯車加工盤の生産が それぞれ行なわれている 総生産高では良好な結果が見られており 国際公開型株式会社 «Sedin» では12 億ルーブル サヴェロヴォ機械製造工場では9 億ルーブル リャザン工作機械製造工場では8 億ルーブルとなっている 全ての工場では製品の一新と 生産近代化への投資が進められている CNC 工作機械の総生産高でも良好なデータが得られており ステルリタマクMTEでは4 億 5,900 万ルーブル (81 台 ) サヴェロヴォ機械製造工場では3 億 4,500 万ルーブル (120 台 ) リャザン工作機械製造工場では2 億 3,700 万ルーブル (146 台 ) となっている 鍛造プレス機械 鋳造機械メーカーの総生産量は 対 2006 年比で126% となっている 主要メーカーの内訳は «AltaiPress» が163.8% ネリドヴォ油圧プレス工場が170.1% «Amurlitmash» が % クヴァンディク市の «Dolina» が % リャザン市の «Tyazhpressmash» が127.0% であった 製品生産高の成長を遂げている企業では 職員数も増えている また 事実上全ての工場で 3~5 種の新型製品が開発されている 工具製造業でも安定した成長が認められており 2007 年の商品総額は71 億 4,500 万ルーブル 2006 年度時期比 ( 時価基準 ) で121.3% であった 機械製造業には積極的な国家支援が必要連邦会議セルゲイ ミロノフ議長は 機械製造業界全体の革新的発展を達成しなければ 21 世紀には ロシアはしかるべき地位を得ることが困難になるだろう と見ている 議長がこれに言及したのは 2 月末にコロレフで開催された防衛産業発展への法的枠組に関する専門評議会会議の場であった 上院議長によると 近年 機械製造業は発展しているが 1990 年代の危機の影響がまだ見受けられるという 上院議長は 国は産業政策を策定しなければならないだけでなく 自らが持つ資源を機械製造へ投入する必要があると指摘した上で 従って 我が国の機械製造業発展のための積極的な国家政策が不可欠なのである と述べた ミロノフ議長の見解によると 国家発注機構がその真価をよく発揮したという 資金を惜しまず それを我が国の機械製造業全体に投下する必要がある と議長は断言している また 上院議長は ハイテク産業部門の発展を促すための革新的な法律の策定がロシアの立法者の課題の一つであるとしている これに対し 国家技術委員会イワン シラエフ議長は 現在の機械製造業はロシア社会の発展において自らが果たすべき役割からやや後れていると指摘し 控えめに言っても 尊敬に値しない と述べた しかし 4つの国家プロジェクトはいずれも 機械製造部門なしには実現し得ないものである シラエフ議長は 機械製造業の発展が第 5の国家プロジェクトになるべきであるという点に賛同した また 議長はデータを引用し ロシアでは工業製品全体における機械製品の割合が19.6% にすぎないが ポーランドでは27.8% 米国では46% ドイツでは53.6% に上っていることを示した ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 35

39 第 3 章 2. 工作機械の市場とリース プロムィシレンヌィ ヴェースニク 誌 2008 年 8 月号より 工作機械 冶工具部門の発展はロシア工業の近代化にとって最も重要な要因のひとつである 工作機械総数の90% は国産品で構成されている現時点では問題がないが その近代化は不可避的にロシアの工作機械製作部門をベースに実現しなければならない しかし質的な前進を遂げるために必要な新しい工作機の生産は市場のニーズから大きな隔たりがある その理由は何処にあるのか? 工作機械 ( 金属加工機械 ) 生産高の国別順位表でロシアは22 位となり 総生産高は約 1 億 6000 万ドル このリストでトップの日本は同じ指標値が80 倍も高い 消費でもロシアは遅れをとっている これに関しては 1 年間でほぼ130 億ドルもの工作機械を 飲み込んだ 中国に追いつくどころ話しではない ロシアでは同じ目的で支出した金額が33 分の1である 国外市場ほとんどすべての国が工作機械部門の製品生産を減少させている まれな例外は10カ国に満たないが これらの国は反対に生産を拡大している 最近の10 年間で工作機械メーカーの生産高の成長テンポが最も伸びたのはフィンランドの4.5 倍 ポルトガル2.37 倍 オランダ1.7 倍 台湾 1.65 倍である しかしこのような成長があったとしても それは絶対数にすれば極めて小幅な生産拡大に過ぎない もっと大きな意義を持ってくるのは工作機械メーカーの輸出可能性である 一般的な生産減にもかかわらず 世界の工作機械の年間輸出高は6.6% 伸びた 最大の輸出国は世界輸出の1/4を占める日本 そして1/5のドイツである 世界市場のこのセグメントでロシアは0.3% のシェアを持っている 国内工作機械製作部門の輸出ポテンシャルはソ連時代から高くなかったことを認めざるをえない たとえば1989 年に工作機械生産量の輸出割合は7.6% に過ぎなかった ここ数年で状況は大きく変わった ロシア消費者に支払い能力が無いため 輸出向け製品の割合が増え始めた ロシア連邦では生産高に占める輸出の割合は現在で約 60% となっている ロシア製機械の主要な買い手はドイツ 日本 イタリア 米国 英国 フランス カナダの企業 また新興国ではイラン 韓国 タイの企業である この消費者リストにその生産高で明らかな市場のリーダーが含まれている理由は簡単に説明できる 多量の金属を費消するロシア製工作機械が基本的に彼らの興味を引いただけである 全体としてロシアの輸出の50% がアジア諸国向けで 欧州向けは約 40% である 輸出業務のこのような伸びは誇っても良いと思えるかもしれないが しかしそれは輸出の絶対指標値が大きく伸びた場合だ その絶対指標はといえば 上に引用した数字が示すように ロシアの工作機械製作部門は世界市場で事実上 何の役割も果たしていない さらに わが国の工作機械製品輸入高は輸出を6 倍上回っている 国内市場ソ連時代も 今でも工作機械製作部門の状況を時々国民一人あたりの工作機台数で評価する 36 社団法人ロシア NIS 貿易会

40 ロシア工作機械産業 市場の動向ことがある このような評価は 筆者の考えによれば 実証的意義というより むしろプロパガンダ的な意義を持っている ソ連製工作機は大ざっぱで月並みな生産高を念頭に製作されていた もっと多く もっと安く作れというわけだ と産業グループ デュコン 機械加工部シニアマネージャーのアレクサンドル パヴロフ氏は考えている 同氏によれば 今は金属工作機に対する要求がまったく違う 以前は注意を払わなかった要因が現れた たとえば工作機の外郭寸法は小さいほうが良いとか その経済性とかだ 重要なのは加工精度 輸入機械ではこの指標値が通常で1 桁高くなる 新しい機械に対してもうひとつ要求がある 機械の汎用性だ 工作機械は電子制御システムやデジタル表示装置を取付けたり いくつかの工作機械を連結して工程ラインを形成したりすることが可能でなければならない これらの要因を過小評価したばかりに ある市場セグメントで今日 輸入工作機械がほとんどを占めている という状況をわれわれは許してしまった 現在 専門家の意見によれば ロシアの大工場いずれをとっても 工作機全体が70 80% 磨耗している 社会主義経済のもとで購入した工作機械がちょうど20-30 年の寿命に差し掛かったことにより問題がさらに深刻化している 工作機械メーカーはここ2-3 年のうちに 崩壊 が始まることを予測している 製造業者は通常の製品品質を確保できないために 有益な注文を断わるか またはその実行を中断せざるをえない といういくつかの報道がすでに流れているのは偶然ではない 数年間続いて工作機械の総数が更新されているのは ほとんど例外なく二次的な市場 すなわち防錆剤を拭き取られ 未使用で放置された工作機械 修繕された工作機械の転売市場によってである 中古市場が勢いづいた それにも理由がある 修理された工作機械は平均で同様の新品の半値となる 中古販売高は金額で現せば 現在のロシアで新しい機械の販売高と同じか 少しそれを上回る程度だか 台数で換算すれば新品より10 倍多い もちろん中古は新品機械よりも安い しかしその際には誰も品質を保証しない 修理はしばしばホースの交換と塗装に限られる それをプレセールス準備と呼んでいる とZAO( 非公開株式会社 ) 工作機械製作工場 スヴェルドロフ のイーゴリ ナシコフスキー社長は語っている 工作機械市場の規模について 売り手はかなり用心深く しかも大まかに評価している その理由はまたしても 価格が100 万ルーブル ( 過酷条件用マシニングセンタ ) から数百ルーブルまでばらつくためである 廉価な汎用機械の販売が活況になっている 万能薬としてのリース最大の問題は消費者に資金が足りないことだ とすべての市場参加者は口をそろえる 生産サイクルの長い企業のための 長期で 安く借りれる資金の問題が特に切実である 唯一の救いは 販売業者によれば リースかもしれない 工作機械の取引でリースが急速に伸びている これは買い手にとって非常に得だ というのはリースで入手した機械については利潤税の優遇措置が適用されるし またこの機械は期間短縮で減価償却される わが社はリース会社数社とパートナー関係にあるが 機械の代金を一括で支払う資金が無いわが社の潜在顧客にリース会社を紹介する リース会社も自分の顧客に ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 37

41 第 3 章わが社を薦めてくれる と アレクサンドル パヴロフ氏は語る ロシアのリース市場はまだ比較的若い それが活発に成長し始めたのは5 年前だが すでに成長が大幅に加速している ロシアリース会社協会によれば 国内リース市場の毎年の伸び率は30-40% となっている リースが中古販売にとって代わることは確実だ 入手した機械の信頼性に今ひとつ確信が持てないときに 誰も支払義務を背負い込みたくないからである 徐々に重要性を増してくるのがメンテナンスである したがって 市場で生き残ることができるのは大手のメーカーと販売会社 つまり設計や都合の良い支払計画から保証期間中および保証期間後のサービスまで多岐にわたる買い手の問題の解決に総合的なアプローチを提案できる企業となる しかし投資ツールとして リースはまだ十分に知られていない その証拠となるのが統計データで ロシアでは今日 生産固定資産への投資総額でリースの割合は8% をやや上回る程度だが 他方 先進国でこの指標値は30-40% である 格付け機関 エキスパート のデータによれば ロシアで対 GDP 比のリースの割合は0.9% だが 西側では2-5% となっている 展望専門家の意見によれば 今後約 2 年がロシアリース市場にとって正念場となる なぜならば これまでリース会社は供給不足により新しい顧客を開拓できたのだが すでに今年は市場飽和の兆候が見られるからである 大手企業がリース会社を選択するときに しばしば入札の話しが出る 競争の発達は 大部分の大口顧客がすでに何らかの形で投資を受けているという要因で説明できる 新規顧客を獲得するため リース会社はさまざまな方法を利用する たとえば地域別の拡大展開や新しい買い手グループへの接触という方法がある 多くの市場参加者は ここ数年 リース会社の顧客に中小企業が目立って増えたと指摘する これが可能になったのは ここ数年に現れたこれら企業群による経済の闇セクターからの脱却傾向だ このセグメントをターゲットとしながら リース会社は非常に良く理解しているのだが 競争は緩やかだとはいえ 比較的小さな取引で事業を成立させるには より高い処理能力 書類の定型化 取引の迅速さが前提となる しかしこれらの要因を考慮しながらも コンペテンス リージング 社やVO レステク 社の調査が示すように リース会社はいくつかの点を見逃している 第一に 小口取引の標準化を行いながら リース提供者はしばしば 多くの中小企業の会計書類はまだ十分な水準まで達しておらず これら企業の専門家たちはリースという投資手段について多くの場合 よく理解していないという事実に注意を払わない このような会社にとってリース契約書は大部分の場合 リース取引自体が躓いてしまう障害物となる 第二に このような顧客に対応するには サービス部門を設置し 比較的少額の取引を予定するたくさんの顧客に対応する能力のある専門家を養成するのが前提となる しかし多くのリース会社は取引のテクニカルな面に専念しているため ソフト面のサービスを視界に入れていない この市場のもうひとつの特徴は リース会社の地方市場進出が遅々として進まないことにある 地方市場は倍の魅力があり そこでは競争も厳しくなく また潜在需要は いくつかの評価で より高いはずなのだが しかし 今日のところ市場参加者はリース会社の地方支店網の未発達さを指摘している そのことを設備納入業者は顧客との対応のなかで強く感じている 38 社団法人ロシア NIS 貿易会

42 ロシア工作機械産業 市場の動向 他方で 調査結果が示す通り 金属工作機の多くの国内納入業者はリースのスキームを導入 する必要性を認識しており リース提供者と協力する用意のあることを表明している 3. 工作機械を買おう! プロムィシレンヌィ ヴェースニク 誌 2008 年 10 月号より 今日ロシア企業はどのような工作機械を買い また 納入業者に求めるものは何か? ロシアの工作機械製造ではトップの一社であるエクセン (EXEN) 社の専門家に 金属加工機械の市場調査の結果と 関連する問題に対する答えを聞いた エクセン社のデータによると 企業の60% が2007 年に金属加工機械を購入しており そのうちの45% が2 台以下 25% が3 台から5 台 20% がそれ以上を購入した その主なものは 汎用工作機械とNC 工作機械 ( 数値制御方式の自動工作機械 ) という旋盤機械群である 依然として中小企業が汎用工作機械を購入しており NC 工作機械を購入しているのは大企業である また 2007 年には NC 工作機械の購入指数のはっきりとした伸びが中小企業の事業部門でも見られた 購入された工作機械の量で製造国のトップとなったのは 汎用工作機械がロシア ( 販売の50% 以上 ) NC 工作機械と加工の中心は東南アジアである 東南アジアで最も需要があったのは台湾の機械である その他 納入業者国のリストの中にはドイツ スイス アメリカ合衆国や東欧の国々も入っている 購入した機械設備の納入業者名と製造業者名を挙げることができたのは 調査対象の60% のみである その際 機械設備が安ければ安いほど この質問に対して答えることができた調査対象が少ないことが明らかとなった 納入業者に対して工作機械を買う側 ( バイヤー ) が感じる不満のトップは 納入期限に遅れることである これは どこで機械が製造されるかにかかわらず 納入業者の80% にあてはまる 納入期限の遅滞と並んで バイヤーが不満を感じているのは 起動と調整作業と保証サービス供与の期日が遅れることである クライアント獲得のために最も重要な要因は 価格と質の釣り合いであると調査対象の60% が考えている 製造業者として東南アジアが選ばれるのは この傾向を裏付けている ただし 市場では中国製品に対する不信感がなくなっていない 中国製の工作機械を購入した企業の多くが 低品質と機械設備返却の量が多いことを指摘している 次に重要な要因であると考えられているのは 納入業者が質の高いサービスを行っているかという点である (20%) 2006 年 市場ではNC 工作機械を製造するロシアの業者の立場が強まった 信頼の高まりは NC 工作機械等の製造経験が蓄積されたことと 現代的水準の技術が利用されていることで説明がつく ただし (2007 年のデータはこれを裏付けているが ) 近い将来も輸入品の割合が増加する傾向は維持されるだろう ロシア企業が依然として新型機械設備を大量に購入できない主な要因は 十分な資金がないことと 現代的水準の機械設備を十分に活用できる人材がいないことである 調査対象の多くが 現代的水準の高価な機械設備を大量に購入することに対して まだ 精神的に 準備ができていないと指摘している とりわけ 多くの調査対象の見解によると 新型機械設備は生産構造に対する全く異なるアプローチと全般的な生産完成度の向上を必要とする 今のところそのような転換を実現することは難しい ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 39

43 第 3 章 4. ロシアの工作機械製造業には独自のニッチがある 金属と価格 誌 2008 年第 9 号より 工作機械製造業は 機械製造の発展を映し出す鏡である この部門の成長度合いを見れば 国の潜在的工業力の発展について大方の判断を下すことができる 残念だが ロシアの金属加工設備生産は 世界大手と比べると未だに低い水準にある だがそれでも ロシアの設備に対する需要はあるため 工作機械メーカーにも独自のニッチを占有するチャンスがある 2007 年における世界の工作機械製造業昨年 この部門では安定した成長傾向が見られ 金属加工設備の生産高が700 億米ドルを上回った 上位 5ケ国は この部門の伝統的強国である日本 ドイツ 中国 イタリア 韓国であった 韓国のメーカーからやや後れて台湾 米国 スイスと続いている アジア ( アジア太平洋地域 ) ヨーロッパ( 欧州工作機械工業連盟 CECIMO) アメリカにおける生産高は プラス成長を呈している 生産高のデータは Garden Publications, Incのリサーチによるものである 過去 2 年間の生産高成長率は ドイツで5 倍 イタリアで2.25 倍 日本で2 倍強 中国で1.2 倍であった 金属加工設備の生産では 日本が世界最強の座を守り144 億ドル ドイツはCECIMO での首位を守り続け127 億 3,000 万ドルとなっている 専門家によると 工作機械製造分野での2 大強国である日本とドイツが常に1 位争いを繰り広げていることにより 両国における金属切削設備生産高の成長 ならびに 新製品の開発がもたらされているという この両国にあと一歩のところまで迫っているのが 昨年 43% の生産高成長率をマークした中国である 自らが予測した結果 ( ランキング第 1 位 ) を成し遂げることこそできなかったが それでもその成長ぶりは目覚しいものがある 日本 ドイツ 中国の3 国で 世界の金属加工設備の半分以上が生産されている ( 約 53% 対 2006 年比 3% 減 ) イタリア ブラジル オーストリアの成長率も好調だ ロシアの成長率は 2006 年の0% に対し 2007 年には11% となった この結果 金属加工設備生産でロシアはランキング第 22 位となり 生産高は2 億 220 万米ドルとなった ただしこれは 日本のわずか80 分の1に過ぎない数字である 工作機械製造業の躍進を示す重要な指標の一つに 金属加工設備の生産高に対する輸出高の比率がある これは 国が生産した金属加工設備の水準を示すものである 2007 年の金属加工設備輸出国上位 5ケ国に変化はなく ドイツ 日本 イタリア 台湾 スイスであった 中国は第 8 位をキープしていた ロシアでの輸出の割合は 自国で生産した設備の半分強 (64%) となり 2006 年の第 25 位に対し 2007 年には第 21 位となった (18% 増 ) 国の生産力の拡大または低下を示す他の指標に 金属加工設備の消費がある この第 1 位が中国であることは言うまでもない (154 億米ドル 対 2006 年比 17% 増 ) これに 日本(76 億米ドル ) ドイツ(72 億米ドル ) 米国(62 億米ドル ) イタリア(50 億米ドル ) が続く形となっている 2007 年における国民 1 人当たりの金属加工設備消費高も興味深い この第 1 位はスイスで 国民 1 人当たり172 米ドルを上回っている これにやや後れて台湾が続いており 166 米ド 40 社団法人ロシア NIS 貿易会

44 ロシア工作機械産業 市場の動向ルとなっている また オーストリアでは100 米ドル弱 ドイツでは88 米ドル イタリアでは 87 米ドル 韓国では85 米ドルとなっている ロシアの国民 1 人当たりの金属加工設備消費高は 4.18 米ドルまで伸びたところである ( 世界ランキング第 27 位 ) 世界の工作機械製造市場における巨大メーカーには ヤマザキマザック Trumpf Gildemeister AG Amada 等がある CNC 装置の大手納入企業として他の主要メーカーの売上高を大きく超える収益を上げている Siemens Fanuc は 他を寄せつけない存在である ロシアの工作機械製造業 1990 年代 我が国の工作機械製造部門は著しい衰退に見舞われた 現時点では 外国のノウハウと国家支援なしにこの部門を建て直そうと真剣に議論することはできなくなっている しかし 専門家の見解によると 我が国の工作機械製造業も ニッチ製品の生産や ソ連時代に生産した設備の大規模修理 改良により しばらく生き残っていけるという また ロシアのメーカーは 旧設備の修理 改良から主な収入を得ており その割合が80% に上る反面 自社新製品の割合は比べ物にならないほど低いとみている専門家もいる 現在 ロシアの中古市場 ( 修理 改良を施した設備 ) の購買力は 国内新製品市場に匹敵している 2005 年 ロシア連邦の産業界では 金属切削設備 4,795 台 木材加工機械 4,277 台 鍛造プレス設備 1,503 台が生産され その総額は1 億 6,100 万ドルであった 2007 年の金属加工設備の生産高は 2 億 220 万ドルであった 2005 年に我が国が輸入した工作機械製品の額は3 億 100 万ドルであったが 2007 年にはこれが5 億 2,860 万ドルとなった これは モスクワ国立技術大学 («STANKIN») によるデータである この部門について専門家が挙げるもう一つの問題が 資金不足である これがなければ 工作機械メーカーが競争力のある新型設備を生産することも 機械メーカーが最新鋭のハイテク設備を入手することも不可能となる 資金なしでは 改良も開発もできないのだ 国の融資 金融システムは年利 14~17% での貸付を行なっているが 機械製造業の最大収益率は8~10% と評価されている 投資家は資金を危険にさらしたくないため 機械製造 工作機械製造ビジネスへの資本投下を急ごうとはしていない この部門は 国家支援や優遇融資なしではやっていけない 現在では 国の遊休資金を年利 6~7% で機械製造業に投資してはどうかとの案も出ているが これもまだ提案の域を脱していない 比較のため挙げてみると 中国では2006 年だけでも機械製造業への投資が2,000 億米ドルを上回り 工作機械製造部門における2000~2005 年の成長率は年 28% 2006 年には同 36% となっている さらに 中国では各種工作機械 設備 部品の輸入関税や手数料も引き下げられている 市場参加者 現状を語るイワン シャルショフ有限責任会社 «Stankomodernizatsiya» マネージャー今日 工作機械と設備はあらゆる方面で必要とされている これらの設備に対する需要を着々と伸ばしているのは 建設 工業生産関係である また 現在では 大企業における需要が中小企業のそれを多少下回る状態となっている 複雑な機械加工のための大規模ユニット設備が丸ごと必要となることは そう多くないのだ 企業が保有している工作機械設備の刷新については 多くを語ることはできない こんなことは行なわれていないというのが実情である 確かに 以前は各企業で計画的予防修理が行な ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 41

45 第 3 章われていたが 現在 そのような作業はほとんど行なわれていない 機械類の刷新は輸入によりまかなわれている状態である 現在 市場では 単純機械により近い汎用工作機械の需要が高まっている 小規模組織の場合 創業時に高額設備を導入するのが困難なため 単純機械を選択する そして 資金が貯まったところで マシニングセンターを購入するのである また 多くの企業 とりわけ建設企業が大規模製造を自社で行なわなくなったことも よく見受けられる傾向の一つである 建設業者は積極的に カッター プレートベンダー プレス機を買い入れている 購入対象となる設備のブランドについて言うならば 企業側は 中国製の工作機械を再度買おうとはしておらず 国内メーカーの新製品か 改良が施された製品を買う傾向にある 国内の新型工作機械メーカーに関しては 我が国でこれを行なっている企業がまだないため 言及することも推薦することも難しい それよりも 改良が施された工作機械に買い付けが集中しているのだ これは 1980 年代に製造された設備のことである これより前に製造された工作機械は 大半がスクラップ処理されており 1990 年代に入ると 我が国の設備生産は停止したからである 改良されたロシア製工作機械にも 幾つかのメリットがある こうした工作機械は アジアやヨーロッパから輸入される新型機械の2~3 分の1に価格が抑えられる上に 幾つかのアジアメーカーの製品に比べ 金属の品質が良い つまり ロシアの工作機械の方が 耐久性が高いのである 大規模な修理 ( オーバーホール ) を施したロシア製設備の耐用年数には余裕があり 我々はこれを10 年前後と評価している 工作機械に対してはこうした修理を3サイクル実施できることを考えると 国内の設備保有量にはまだ余裕があるといえるだろう 現在 一連の企業では 工作機械の改良後 1サイクル目の稼働期間が終わりを迎えようとしている 1990 年代に大規模な修理が施された設備では 次の改修が必要となっている しかし 設備の修理 改良については そのいずれをとっても問題がある 特に 同部門に人材がいないという問題だ 大幅な人員削減の後 専門人員が減りすぎてしまったのだが ロシアでは 新たな人材育成が行なわれていないのである アンドレイ メシュリャエフ有限責任会社 «Avtostsnkoprom» 工業設備部門部長工作機械製造業は工業を映し出す 鏡 であり これらの部門の発展は 相互に関連し合っている 現在 工作機械に対する需要の大幅な伸びは見られない 多くの工業企業が小規模企業へと分割され 中古設備に対する需要も多くは見られない 大企業でも保有設備を一新しようというような目立った動きはまだ見られず 中小企業にはこれを行なう力がない この部門では 資本の投資もまだ見られない ペテルブルグの大企業に関する例を挙げてみよう 私の記憶では イジョーラ工場とキーロフ工場は過去 5 年間 大きなものは何も購入しておらず レニングラード金属工場も工作機械を2 台購入しただけである これは決して多いといえるものではない ガスプロムの買い付け状況について述べるならば 同社では工作機械の一新を行なっているが 主に輸入品に頼っているようである 我が国の工作機械製造業はかろうじて 息をしている 状態だ これは かつては月に1,500 台の工作機械を生産していた «Krasnyi Proletarii» が 現在では年間 500 台しか作っていないと 42 社団法人ロシア NIS 貿易会

46 ロシア工作機械産業 市場の動向いうことから見ても分かることだろう 設備のメンテナンスサービス面でも問題がある 我が国では この市場が崩壊してしまっているのだ 修理部門は以前に解体されており 現在では専門人員がほとんど残っていない 熟練した技師を養成するには 5~10 年はかかるだろう 現在最も需要が高い設備としては ポータブル工作機械を挙げることができる ただ このような機械はソ連時代からすでに製造されていたため十分な保有台数があり それらが今日まで稼働し続けている 今後の傾向としては 値上がりを伴う設備への需要が伸び続けていくと思われる また 中国メーカーが近々 大規模な市場競争を繰り広げることになるだろう というのも 中国では工作機械製造業に対する国家支援プログラムが推進されているからである 我が国はどうかというと 機械製造業を発展させたいのであれば 国は工作機械製造業の再生から始める必要があるといえる ソビエト権力の第一歩が 工作機械製造工場の建設であったことを思い出していただきたい 工作機械は自国のものであるべきだ そうすれば 経済も発展していくことだろう ヴャチェスラフ ザベガリン有限責任会社 «Mobiprof» 統括マネージャー工作機械設備に対する需要は 成長率こそ5~10% とそれほど高くはないが 近年明らかに伸びてきている そして 小企業 大企業ともに 新型設備と中古設備の両方を買い続けている 建設部門でも需要はあり 中でも 単純工作機械への需要が見受けられる それも 非常に単純な機械への需要であると述べておきたい 建設部門の買手が好むのは エネルギー消費が最小限で 低価格 かつ使い方が簡単な機械である こうしたものであれば 非熟練労働者でも使用できるからである また ポータブル設備の需要が高いことも付け加えておきたい 需要の伸びが安定しており 消費も多い地域としては 中央地域と南部地域が挙げられる 他地域での指標は大幅に低くなっている 部門内の競争について述べるならば 国産工作機械を巡る競争はないが 輸入品を巡る競争は存在するといえる しかし 国産設備と輸入された類似品とを比較すると ロシア製工作機械は 独自の一定のニッチを占有しているといえるだろう 我が国の設備は安価で耐久性がある ヨーロッパの主要メーカーの工作機械よりも安価であり また 低価格の中国製設備よりも頑丈なのである «Info Tekhno» 社基本的な傾向として 今日 小企業は単純設備を購入するようになっている これは 高額設備を購入する資金がまだないからである しかし 3~5 年後にはこうした企業が設備更新に着手し より高価な工作機械や金属加工用マシニングセンターを購入するようになるだろう ロシアで現在人気を博している設備の製造国を幾つか挙げてみると 中国 トルコ 韓国 台湾となる 中国製のもので需要があるのは単純設備であり 中国製の自動製造ラインはほとんど販売されていない 貿易競争は熾烈である 5 年前 北西地域には大手の設備納入企業が3 社しかなかったのだが 現在では約 300 社が供給に携わっている ヨーロッパ製の工作機械は高額なため これを購入するのは 耐久性の高い設備を求め 未 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 43

47 第 3 章知のブランドを徹底的に調査した会社である しかし 多くの会社が 最初は安価な設備を買い入れている 建設部門の企業について見てみると 自社の小規模工場で使用する設備を購入する傾向がある この部門で需要が伸びているのは ロール成型 圧延 彫刻に使用する工作機械である 金属貿易会社の購入対象は 切断 アンコイル用のラインである 主に トルコ製品が販売されており ヨーロッパ製品は僅かである 5. ロシアの工作機械産業の今後の展望 金属と価格 誌 2008 年第 2 号より 世界の工作機械産業は わがロシアから見れば遥かに先に行ってしまっている この遅れは既に20 年となってしまっていると見ている専門家もいる 投資するには魅力の少ない分野となっているため ロシア国内の工作機械メーカーは生き残りに必死で 中古機械 修理品 自社改良品などをユーザーに勧めている 耐用年数はまだ残っている専門家の見積もりによれば 改革時代 ( 訳注 :1980 年代後半 ) 以前に製造された古い機械ではあるが その後加工産業において急激な生産縮小が生じたことにより耐用時間を使い切るに至っていない工作機械が大量に残っている 専門家によれば ロシアの二次市場 ( 修理 改修をした中古設備のマーケット ) は新品機械のマーケットとほぼ同規模であり この市場に残るメーカーは 既存設備の修理と改造需要によって廃業を免れている 修理品や改修品を買い付けようとする企業は大体が中小企業で 財政的にも生産サイクルからしても 近代的な新品機械が購入できるほど潤沢な資金を用意できない 工作機械メーカーによれば 中古工作機械の修理および改造は 新品を購入するのに比べれば 現在のところ三分の一のコストですみ 機械の性能はオーバーホールをしても低下せず さらに10 年から15 年は使用可能である 最終ユーザーが少量生産もしくは単品製造業者であることを考えれば このように断言されても納得してしまう モダニゼーションとレトロフィッティング中古設備の修復と販売を論じるとき この二つのことばが使われる モダニゼーションと今日呼ばれるのは 構造を変更したり 能力を上げるような方向の改造をして 少しでも機械を 良く することである 工作機械業界でモダニゼーションといえば モーター 計装システム 電装品 NCを改良することで 中古機械に限らず 新品であってもこうしたことが行われる場合がある この場合 ユーザーはより新しい ときには性能のアップした設備を手にすることになる 真の意味のモダニゼーションが行われる例としては 古い機械に能力を大幅に高めた近代的なNCシステム ( 記憶容量が大きい 補間機能が新式 IOデバイスが新しい 新しい言語をサポート 診断システムが進歩しているなど ) を搭載するといったことが挙げられる レトロフィッティングはロシア語になってから比較的日が浅い言葉である 訳せば 部分保修した機械 のことである 一般には 転売を目的とした中古設備の修復をこう呼び 買い 44 社団法人ロシア NIS 貿易会

48 ロシア工作機械産業 市場の動向手の希望により 構造の変更および性能の向上を伴うことも 伴わないこともある ここで注目すべきは レトロフィッティングに対する共通した要求といったものが国際市場には存在せず 個々の中古機業者が おのおのの戦略と利用可能な工場設備の枠内で 独自のやり方でレトロフィッティングを行っていることである 機械や機械を構成するアッセンブリーの分解や点検 中核となる機械部品の補修や交換 ( 必要な場合に行うガイドプレートの再研磨を含む ) 定められた精度が出ているかの詳細なチェックを含め 販売する工作機の完全なオーバーホールをする業者もあれば 単に再塗装とオイル交換 目に見える欠陥の修理を行うだけで 工作機械の総合的な診断はやらずに済ますところもある 後者の場合機械の値段は当然安くなるが エンドユーザーとしては品質を考えれば得をしたといえるであろうか? どちらの業者にも顧客がいるのは事実であって 性能を高めるような改造を行っている業者だけだと思ったら それは大きな間違いであることを再度指摘しておきたい 修復された工作機械にそもそもNCがついていたが それが故障のままだったのが修理によって復旧したとか もしくは NCシステムが新品に交換はされたが以前と同性能のものであるといった場合には そのような修復をモダニゼーションと呼ぶことは この語の意味を拡大したとしても適当ではない こうしたケースはレトロフィッティングと名づけるべきである 新型工作機械製造は困難世界において強力な陣地を失ったロシアの工作機械産業が 過去に製造された機械の修理と改造でまだ少しは生き延びることができるとしても 新たに競争力のある機械をつくるのは 至難の業である 専門家の評価によると 国内工作機械メーカーの収入のほとんど ( 平均して 80%) は 古い工作機械の修理と改造によるものであり 新品製造 販売の割合は比較にならないくらい少ない 工作機械メーカーは 国内市場に希望を持てる企業であっても 輸入品との厳しい戦いを生き抜くか 特殊な製品に特化してニッチ市場をひたすら目指すしかないことを理解している ロシア国産工作機の輸入品に対する立ち遅れは2001 年から顕著になり始めた このことは外国の機械の輸入により国内需要を充たすことが続いたことから明らかである 統計によれば 国産機械の輸入品に対する割合はほぼ1:2である この傾向は残念ながら今も続いている 2006 年だけでも1 万台を超える複雑 高級な工作機械がロシアに輸入されている こうした機械の大部分は 高級なハイテク機器であって 日本 ドイツ イタリアのメーカーのものである 加えて 主に中国 東欧から NCをもたない廉価な汎用機械の売り込みも盛んになっている 輸入業者は 高いコストパフォーマンスと品質を梃子として 追加コスト ( 輸送費 関税 ) をものともせず 徐々に国内メーカーをその伝統的な市場から駆逐しつつある 量産レベルの極めて高い工作機械の売り込みもある このタイプの機械はクレジットの条件が良く 多くの場合輸出国の輸出奨励システムつきである また 製造期間と納期が非常に短く 1ヵ月半というケースもいくつかある 経営の順調な大手国内機械加工企業は 能力のアップした新しい工作機械を求めている 近代的なNC 加工機 多軸自動加工機といった生産性の高い設備に対する需要は増大している 通常 結果として選ばれるのは ロシアの機械と価格がほぼ同等でありながらはるかに性能の良い輸入品である 大量の注文が期待でき 時間の余裕 (!) もあるのだから 国内工作機メーカーが生産体制を整え 遅れを取り戻すことは可能であるともいえるが 研究開発体制がほとんど失われているために 技術的な遅れから回復するにはある程度の年数が必要だ その間ユーザーは待ってくれず 輸入品を買ってしまう ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 45

49 第 3 章工作機械産業では世界的な革命が起きたにも関わらず ロシアはそれに加わらなかった 今日 1 台のマシニングセンタは生産性と工程数で 以前の工作機の10-20 台分に相当するのである 将来の見通しはあるあれこれいっても ロシア製の機械には品質の点で外国製に劣らないものがある それらは外国製の購入部品を搭載し 西欧の近代的な構造材を使用している ロシアの工作機械メーカーの何社かは特殊な製品に特化することに成功してニッチ市場に乗り出しており この分野で健闘している 製品の一部を中国 カザフスタン共和国 ドイツ トルコ ウクライナに輸出しているメーカーもある 専門家によれば それらは主に旋盤系の機械や鍛造プレス機である ロシアの工作機械メーカーの多くが これまで自社ではつくったことのない 新しい製品の製造を始めている 例えば SASTA 社 ( 旧サーソヴォ自動ライン工場 ) は道路建設機械をイタリアとドイツからライセンスを受けて製造することで生き残った サンクトペテルブルグの TBC 工場は 機関車の車輪を加工する新型工作機の将来的なクライアント-ロシア鉄道 -を捉まえることができた 成功した投資もある ウリヤノフスク強力汎用工作機工場内に合弁事業を起こしたSkoda Machine Tool 社 モスクワのクラスヌィ プロレタリー工場は競争力のある製品を製造している この企業は 軍需産業と医療産業に一連の新しいナノテクノロジーを売り込んでいる ロシア連邦産業エネルギー省は 工作機産業をあきらめるのは時期尚早であると信じている ロシアの加工産業は設備更新の必要に迫られている ( 滅耗率が70-80 % を超えている ) 同省の複数の高官は この分野の発展は牽引車となって工作機産業を引っ張るだろうと考えている 当然のことながら そのためにはこの産業分野の徹底した構造改革と並んで 国内メーカーと研究施設を政府が支援するための総合的な施策を策定し 推進しなければならない これにはいくつかの前提条件がある なかでも ロシアに輸入されている数万台に上る工作機のうち 真に先端的といえるものは 専門家に言わせると 200 台以下でしかないことである 2004 年 EUはロシアに売却を禁止する 二重用途 テクノロジーのリストを策定した これにより ロシアに超先端製品を供与してくれるところはなくなり 先進的な製造技術にアクセスすることもかなわなくなると専門家は見ている すべて こうした状況は 遅かれ早かれわが国の工作機産業が蘇るだろうということを物語っている しかし そこにいたる道程は高くもつき 容易でもない 6. 見本市は機械製造業の牽引車 ロシア新聞 2008 年 4 月 28 日号より 有識者によると 近年 我が国では産業振興が認められ 金属を多量に使用した製品 ( 機関車 列車車両 自動車 航空機 その他の機械類 ) に対する需要が増加の一途をたどっているという 例えば 公開型株式会社 ロシア鉄道 の立案による車両一新プログラムでは 2015 年までに貨車 34 万 1,500 台 客車 1 万 2,300 台 気動車 6,500 台 各種機関車 6,300 台の買付が計画されている 同部門への投資総額は 今後 7 年間で7 兆 2,000 億ルーブルとなる 46 社団法人ロシア NIS 貿易会

50 ロシア工作機械産業 市場の動向これと同様に 航空機製造 パイプライン輸送 船舶建造も 猛烈な勢いで発展していく見通しだ 国家経済のためには ロシアのメーカーがこれらを受注できるようにすることが重要である 国内メーカーがこれらを受注できれば 我が国の産業を発展へと導く大きな足がかりが得られると同時に 国内諸地域に何万もの就業場所を新たに築くことが可能となる しかし こうした計画を実現するには 国内工場の生産ラインを短期間のうちに設備更新する必要がある 専門家らの評価によると ロシアの工業企業で現在使用されている工作機械は約 250 万台で そのうち90% が国内メーカー製であるという 問題は このうちの3 分の2が 既に15 年以上稼働してきたものだという点である 稼働年数が5 年以内のものは わずか5% 程度にすぎない このため ロシアの機械製造 金属加工 修理関係業者にとっては 工作機械類の一新が焦眉の急となっている この問題を解決する方法は 国内設備メーカーに頼るか 海外から工作機械を購入するかのいずれかとなる 現在 工作機械 工具の最大手メーカーとなっているのは日本企業とドイツ企業であり その生産高は272 億ドルに上る ( 世界市場の38%) 第 3 位には イタリア企業を押しのけて参入した中国が入っている ( 生産高 100 億ドル ) 中国の工場は工作機械 設備の買付量でもトップとなっており 年間 154 億ドルをこれに費やしている これに対し ロシアメーカーの買付額は6 億ドルにとどまっている 最新の工作機械 設備を選択できるよう 消費者が市場を見極めるのを手助けするのが 定期的に開催される専門見本市である 今年 我が国では ウファ サンクトペテルブルグ ペルミ ニジニノヴゴロド ロストフナドヌー サマーラ イジェフスク モスクワで こうしたフォーラムが開催される ロシア工作機械 工具製品生産者協会 «Stankoinstrument» のゲオルギー サモドゥロフ理事の見解によると こうした展示会は 我が国の工作機械製造業の改革プロセスとその発展に 非常に大きな影響を及ぼすという 既に何年かに渡り同部門で生産高の成長が認められてきたのは こうした展示会の開催によるところが大きく その成長率は2007 年には9.2% に上った 我が国の工作機械メーカーはさらに 世界最先端の傾向を捉えたIT 技術やユニット モジュール設計技術を導入して開発した50 種類もの新型モデルを既に顧客に提案している 例えば ステルリタマク工作機製造工場 サヴェロヴォ機械製造工場 ( 展示コンプレクス «Expocenter» の見本市 «Metalloobrabotka»( 金属加工 ) の常連参加者 ) は多機能マシニングセンター ウラジーミル工作機械工場は最新鋭の自動内面研削盤 精密円筒研削盤を開発している 工具メーカーの商品生産は 2007 年には21.3% 増となった 製品のラインアップも増えている サラトフ リャザン両工作機械製造工場の専門家らは CNC( コンピュータ数値制御 ) の歯車加工盤を開発した トムスクの工具製造工場では 超硬合金設備の公称寸法 1,000 種類の生産が可能となった また セルプホフ工具製造工場では 国内初の耐摩耗性コーティング超硬合金精密フライスカッターの生産が開始されている 昨年は ネリドヴォ油圧プレス工場及び «Altaipress» 工場での鍛造プレス設備生産が約 70% 増となった ロシア全体での鍛造プレス設備生産規模は 29.8% 増であった また 我が国の昨年のダイヤモンド工具生産高は6 億 8,000 万ルーブル (184.6% 増 ) であった このような例は他にも挙げられる ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 47

51 第 3 章見本市では もう一つの重要な問題を解決することができる つまり 機械製造見本市を訪れ その期間中に主催者が行なう数多くのセミナーに参加するロシア消費者側からの工作機械メーカー製品に対する需要を形成 拡大することができるのである 例えば «Metalloobrabotka» では 最先端の材料加工技術 最新の科学技術成果 金属加工設備の展望 生産プロセス自動化システム 部門内企業の機器 工具 冶具が ロシアの機械技術製品市場に向けて紹介される ゲオルギー サモドゥロフ理事によると このフォーラムは 1984 年に始まって以来 («Expocenter» と «Stankoinstrument» は 1994 年以降 1~2 年に1 度のサイクルで同フォーラムを開催している ) ロシアの機械製造業界のあらゆる部門の近代化に大きく貢献するとともに 国内主要企業が現代的な生産技術 生産手段を選択する際の基準になってきたという «Metalloobrabotka» をモスクワで定期的に開催することにより 同部門の幅広い層の専門家らが 金属加工技術の最新成果や 新たな水準の質を獲得した設備 機器 工具に触れるまたとない機会を得ることができている また 金属加工設備の消費者である機械メーカーは 経済 商業 マーケティングに関する有益な情報をこの見本市で得ると同時に パートナーシップを拡大し 互恵契約を締結している 前回の «Metalloobrabotka-2006» は 過去最大の規模となり 展示面積も2002 年に比べ倍になった この見本市には貿易企業や主要企業製品の国内代理店が参加したこともあり ブランド総数は39ケ国 1,400 種類を上回ったが これは ヨーロッパで開催される同レベルの大規模見本市にもひけをとらない数字である このフォーラムには海外パートナーからも関心が寄せられている これについては ドイツ イタリア スイス チェコの企業 ならびに 各国の工作機械製造協会がこの最大級の見本市に参加したという事実からも明白である 興味深いことに 2006 年の見本市には ロシアでよく知られている大企業と肩を並べて ロシア市場へ自社製品を参入させようとしている新会社 代理店も参加していた これは 工作機械製品の消費者獲得競争が拡大しつつあることの現れであろう フォーラムへの参加が こうした競争に勝ち抜くための手段の一つとなっているのだ しかも 見本市の参加者が標的とするターゲット オーディエンスも増加の一途をたどっている 特に 2006 年の展示は 機械製造に携わる様々な部門から2 万人を超える専門家を集めた 中央展示施設 «Expocenter» で3 月 26~31 日に開催される記念の第 10 回 «Metalloobrabotka- 2008» も これに劣らず 専門家の関心を集めることは間違いない 今回の見本市は «Expocenter» と «Stankoinstrument» が ロシア連邦産業エネルギー省の支援のもとに ロシア連邦商工会議所とモスクワ政府の後援を得て 共同で主催する この展示会のステータスの高さは 国際見本市連盟 (UFI) ロシア展示会 見本市連盟(RUEF) のマークが証明している «Expocenter» の機械技術展示会開催室代表マリーナ ベローワの話によると 今年のロシアの見本市の骨格をなしているのは 部門内の主要企業であるイワノヴォ重工作機械製造工場 (OAO IZTS) ステルリタマク工作機製造工場 リャザン工作機械製造工場 «Krasnyi proletarii» «SASTA» サヴェロヴォ機械製造工場(OAO SMZ) ドミトロフ フライス盤工場 (DZFS) «STAN-SAMARA» «Tjazholye zuboreznye stanki»( 重歯切り盤 ) ならびに 一連のロシア貿易企業であるという 48 社団法人ロシア NIS 貿易会

52 ロシア工作機械産業 市場の動向ロシアの工作機械主要メーカーは 世界の各メーカーの製品と競合する新たな工作機械を展示する予定である 見本市を訪れれば 新世代のハイテク設備 最先端の金属切削工具 冶具 部品 機械製造企業による先進的な産業オートメーションシステム 最新のソフトウェア その他多くの製品を見ることができるだろう 今年は出品企業数が大幅に伸び 26ケ国 700 社以上という記録的な数字に達する見込みである このうち140 社余りが貿易企業と世界主要企業の代理店となっている («Abamet» «Weber Komechaniks» DVT «IRLEN Engeneering» «PERGAM» «PRIDE-TWL» «PUMORI SIZ» «ROBUR International» «SOLVER» «CFTechnologies & Engeneering» «TECHNOPOLIS» «FINVAL» AMADA BALUFF BYSTRONIC GALIKA DMG FANUK TRUMPF MAZAK 他多数 ) 展示総面積も5 万 3,000m 2 と大幅に拡大される «Metalloobrabotka-2008» のプログラムの重要行事の一つに ロシア工作機械 工具製品生産者協会 «Stankoinstrument» が主催する学術研究会議 ロシアの革新的工作機械製造 複合技術 科学 生産 がある この会議では ロシア内外の主だった専門家 学者 企業 設計事務所指導者らが2 日間に渡り報告を行い 金属加工及び工作機械製造に携わる各種部門の新理念を発表する 部門別研究の可能性 ならびに 専門技術教育 機械製造業界の専門分野別人員養成に関わる問題は ロシアの主だった大学及び研究所が機械製造業界向けに自らの開発 提案を発表する専門セクション 科学 専門教育及び生産 で取り上げられる また 展示会初のテーマセクション ロシアの工具 が設置される マリーナ ベローワの見解によると 今回の見本市では 参加者と観覧者が ロシア内外の金属切削工具及び設備生産 消費市場を評価するための情報を余すところなく得られると同時に ロシアの機械製造企業の近代化過程に取り入れるための技術 設備を選択する機会が得られるという 7. 経済の根幹としての工作機械製造 ロシア ベラルーシの新連邦国家計画承認される ロシア新聞 2008 年 7 月 24 日号より ベラルーシ政府は 先週 2012 年までの期間における工作機械製造の発展 についてのロシア ベラルーシ連邦国家計画の作成に関する提案を承認した この新たな連邦国家計画を実現することにより ロシアとベラルーシの機械製造の競争力を発展するうえで大きな前進をすることが可能となる それは 工作機械製造がその他の機械製造産業のポテンシャルを決定するからである 専門家が指摘するように ベラルーシとロシアの工作機械製造は常によい伝統に恵まれていたが ポストソビエト時代においては長い間困難な経済状態に置かれていた 1986 年から1991 年まで工作機械製造および工具製造工業省の大臣を務めた ロシアの 工作機械工具協会 理事長 ニコライ パニチェフによれば 現在では工作機械製造企業の主たる設備は75~80% ほどが老朽化している そのため 現在ではロシアとベラルーシの当事者は 両国において あらゆる機械製造のプロセスを近代化するための技術を確立しなければならないという課題に ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 49

53 第 3 章直面している ベラルーシとロシアの工作機械製造の発展計画には 2009 年から2013 年にかけて 両国の工作機械製造部門に数十億ルーブリを投資することが規定されている この計画の第一段階 ( 研究および実験 設計作業 ) における投資額は45 億ルーブリと見込まれている 我々の計画にはロシアとベラルーシのそれぞれの工作機械製造企業の役割が明記されており 研究作業を進展する基本方向は 競争力の向上 設備の規格の精度の向上 安全な労働条件の確保である とニコライ パニチェフは指摘している 彼の意見によれば 世界の工作機械のトップメーカーは最先端の製品を我々に売ろうとしないという事実に注意を向けることも必要である こうした規制は ヨーロッパ諸国の政府のレベルで機能している そのため 我々独自の先端的研究をさらなる注意をもって推し進める必要がある 最近モスクワで開催された国際見本市 «Metalloobrabotka-2008»( 金属加工-2008 ) において 最新の金属切削工具 計測工具および金属組立工具ならびに工作機械の構成ユニットおよび冶具の実物サンプルを展示した ベラルーシの工作機械製造企業 19 社が顕彰された ベラルーシ工業省の第 1 副大臣のイワン デミードビッチによれば 世界の工作機械製造業界においても権威あるこの見本市は ベラルーシの工作機械がその技術的特性によってニーズに応えるものであり 海外の市場で需要がのびていることを実証したのである 同氏のデータによれば 経営グループ ベラルーシ工作機械工具 に加入している工作機械製造企業の2007 年の生産量は1 億 3000 万ドルを越え 可比価格によるその伸び率は110.5% であった ベラルーシの工作機械製造が成長と発展の経験を十分に有していることは ロシアの工業家の認めるところである その本質は 企業の集積 生産の最適化および外国の工作機械製造会社との共同プロジェクトの発展にある ベラルーシ国内の顧客企業に対する工作機械設備納入の公開競争に参加する外国工作機械メーカーは その工作機械が複雑 精密な切削工具を要するものである場合 国内の工具製造 工作機械企業と共にこれら工具の国内生産に関与しなければならない このことによって 国内各企業の製品生産コストを引き下げ 設備を遊ばさせずに稼動させ 投資を呼び込むことが可能となっている ベラルーシにおける工作機械製造は 各企業の設備更新に極めて大きな役割を果たすことにより 長年 他の分野の量的および質的な発展を保障してきた ベラルーシ工業省のデータによれば ベラルーシの工作機械製造企業は熟練した人員を保持している ベラルーシでは 金属加工用の工作機械全てのカテゴリー 9カテゴリーに加えて木材加工用の工作機械が製造されており さまざまな分野の企業のニーズに応えることが可能となっている 工作機械そのものの生産以外に 各工作機械企業は 顧客企業の金属加工設備の大修理および更新を請け負ったり 消費物資生産に従事したりしている 工作機械製造分野のリーダー達は 2008 年はベラルーシの工作機械製造にとって転機となると強調している それは 設備更新と輸出志向とが主要な課題となっているからである ベラルーシの工作機械製造企業の主要な販売市場はロシアである もし新たな連邦国家計画が開始されれば ロシア ベラルーシ両国はそれぞれの工作機械メーカーを支援し その生産設備を稼動状態に維持してゆくことを保証することになるだろうと ベラルーシの経営グループ ベラルーシ工作機械工具 のリーダー達は考えている 実際に 現在 ベラルーシとロシアにおける工業生産が増大している中で こうした機会を活用し 両国の工作機械製造業者の努力を結集しなければならない 50 社団法人ロシア NIS 貿易会

54 8. ロシアの工作機械はジュラ紀の恐竜か? ロシアの国産工作機械の現状は安全保障上の脅威 ロシア新聞 2007 年 8 月 21 日号 ロシア工作機械産業 市場の動向 航空機製作会社や造船会社が次々に設立され 輸送機械製作が大きく発展し 膨大な国防発注がなされ 兵器輸出が伸びている現在 こうした国内機械産業に対して 生産手段を生産する手段 である工作機械をも国産化する必要があるのではないかという問題が急浮上している 第一副首相セルゲイ イワノフ自身が認めるところによれば にもかかわらず 現在 国は 工作機械製作産業に対して1ルーブルたりとも投資をしていない わが国が市場経済に移行して以来 それではわが国の工作機械製造部門はいかに発展してきたのだろうか? 率直に言うと この部門は 発展 ではなく 衰退 の道をたどってきたのである 民営化された工作機械製作工場の新しいオーナー達は 多くの場合これら工場を別目的に利用したので 娯楽センターや倉庫に改築されたこれら旧工場がかつては技術進歩の旗手であった事実など見出すことができない NC 工作機械 マシニングセンター FMS( フレキシブル自動ライン ) がまず生産高の伸びを失いし その後 単純な複合工作機械に完全に需要を奪われた 2002 年 工作機械国内生産は輸入に追い越されてしまった ロシア産業エネルギー省のデータによると ロシアの工作機械輸入依存度は2006 年では87% 1990 年には機械加工設備の生産では世界第 3 位 消費では世界第 2 位であった国が 現在 それぞれについて22 位と17 位に後退している 2006 年 金属切削機械と鍛造プレス機が約 7 千台生産されたが これは1990 年のロシア ソビエト連邦社会主義共和国における生産の7% 足らずである GDPにおける工作機械製作の割合は0.05% 以下である 労働者一人当たりの年間売上高は35 万ルーブルもない これは先進国の指標の10 分の1 以下である こうしたデータや それに劣らず印象的なデータを最近の政府委員会会議で提出したのは産業エネルギー省次官のアンドレイ レウスである 工作機械や工具はなんでも海外のメーカーから自由に購入できるのだから国産など不要ではないか という大方の見解に対して 彼は反論する 先進国は先端設備やテクノロジーを二重用途 ( すなわち軍用転換 ) 可能の技術として輸出を管理している からである アメリカ 日本 EUでは 二重用途 テクノロジーに対する輸出認認可システムによる輸出規制が機能している ロシア産業エネルギー省の専門家によれば こうした法的規制に加えて 先端的な機械加工設備がロシアに輸入された場合 メーカーの同意なしにその設備を利用 移動することを制限する特別な手段が追加的に導入され用いられるようになっている 例えば GPS 機能つきのセンサーによる位置管理システム 工作機械をインターネットに接続しないと稼動しないシステム 生産された製品に関する情報を蓄積するオープンシステムプロラムモジュールなどが実際に用いられている 二重用途 テクノロジーのリストにリストアップされている機械加工設備の大部分がわが国では生産されていないか または 同等の外国品に比べて特性の点で大幅に劣っていることを考慮に入れることが重要である そのため ロシアの国防や民間の機械工業は 二重用途 テクノロジーに分類される最先端の機械加工設備を入手する道を失う脅威にさらされるであ ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 51

55 第 3 章ろうと アンドレイ レウスは述べている 別に 工作機械を100% 国産にしろというわけではない それは現代の発展理論に反している しかし 先端技術設備のカテゴリーに属する つまり 国際リストで 二重用途 テクノロジーに属するものについては 絶対に国産化しなければならない アンドレイ レウスの観点からすれば これは 国家の安全保障上の問題 なのである わが国における工作機械の保有台数はざっと100 万台縮小している 残っているのは150 万台ほどであるが その半分は20 年かそれ以上経っている 完全な物理的滅耗に至る期間は26 年と規定されている 単純再生産を確保するためには 新しい設備の納入を数倍に増大することが必要であり そして拡大再生産のためには いまある150 万台の工作機械を新品に取換えることができたとしても 150 万の熟練機械工が明日すぐに現れるわけではない 二交代制もしくはできれば三交代制の導入を見込む必要がある所以である 本年 2006 年 8 月 ロシア産業エネルギー省は定期的に工作機械製造業者を集めて 税金や関税対策を含めた喫緊の対策を講じるようになった 昨年採択された 2015 年までのロシア工作機械 工具製造業発展戦略 は修正が必要であることは明白であるが しかし こうした対策の最初の成果は楽観主義を抱かせ得るものである ロシアの工作機械産業は スタート地点は確かに低いものの 決して悪くない推移を示している 工作機械メーカーを1 社に統合するというプランについては メーカー自身も反対ではないようであるが 自分たちだけの力ではおぼつかないだろう 専門家は この事業に 国が ゴールド株主 として また国関連の組織 機関を優先株主として引き連れて参加すべきであろうと述べている あるいは 工作機械業界に納税モラトリアムを適用することも考えられてよい こうした措置がとられれば この産業に対しても巨額を投じてもよいとする投資家が現れるであろう 52 社団法人ロシア NIS 貿易会

56 第 4 章 ロシア造船業の現状と課題 ヴァエンヌィ パラード 社 1. 全体状況 運営改革 産業部門としてのロシア造船業の構造は最終的に前世紀 年代に形成された 20 世紀 年代には巨額の国家予算が国防ならびに国家の経済安全保障のため 世界の海を掌握する手段を整備し確保する目的で軍艦建造および民間造船に支出された 船舶用機械製作および計測器製作が集中的に発展したが 安定した国の発注がこれを後押しした 80 年代末にはすでに 学術的に根拠があり 相互に関連付けられた軍艦建造プログラムと民間造船プログラムは艦隊に年間最大 45 隻の全等級の艦艇 さらに約 200 隻の民間船舶 補助船舶 フローティング型施設の引渡しを見込んでいた ソ連崩壊はこれ以後の造船業の発展に深刻な影響を与えた かつての統一ソ連造船業は 国ごとの区画に分断された ロシア造船業は旧造船工業省の傘下にあった50 造船所のうち42を継承した この際 ( 旧ソ連造船業で ) 最大の船架スペース すなわち乾式ドックを保有する ザリーフ や オケアン をはじめとして 最も設備の整った造船所はほとんどウクライナに移管した これにはソ連の空母を建造した改良式長手方向傾斜船架を有し 大型漁船専用造船を行っていた黒海造船所が含まれる このようにロシア造船業には旧レニングラード (1992 年からはサンクト ペテルブルク ) のアドミラルテイスキー造船所とバルト造船所の大規模船架が残り これらの造船所ではデッドウエイトでそれぞれ5-6 万 7-8 万トンの船が建造できるに過ぎない セヴェロドヴィンスクにある機械製造企業の湿式 (flooding) ドックでは大型海上艦船の建造が可能だが しかしそれには船舶運搬路の設備更新や船架スペース ( 旧船台 ) または進水チャンバー ( 新船台 ) の電源確保が必要となる バルト海 黒海 カスピ海沿岸の船舶修理工場分割もロシアに有利には運ばなかった この地域にある該当業種の企業 60 社のうち ロシアの所管に残ったのは20 社に満たない 最も規模が大きく 最も設備が整った船舶修理工場は黒海にある 造船業の主要な生産施設は国内の北西部に集中している ロシア造船業の伝統的中心は以前と変わらずサンクト ペテルブルク 市内およびその周辺に20を超える造船所および船舶修理工場があるが そのなかで最も規模の大きいのがバルト造船所 アドミラルテイスキー造船所群 ヴィボルグ造船所 カノネルカ船 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 53

57 第 4 章舶修理工場 クロンシュタット海浜工場で また河川船舶用造船所としては シュリッセルブルク ( ペトロクレポスチ ) のネフスキー造船 船舶修理工場 鉄筋コンクリート造船のスヴィリ造船所がある バルト海でのロシア造船業のもうひとつの中心はカリーニングラード州で ここには8つの造船および船舶修理工場がある そのうちカリーニングラード市の ヤンターリ 造船所が最大となる ムルマンスク地方には8つの船舶修理工場があるが そのうち4つは主に軍艦の修理を行っており ( ネルパ かつて船舶修理工場 No.35だった SevMorputi そして海軍の造船所 2ヶ所 ) 4つは輸送船および漁船の修理を行っている ( 原子力砕氷船のメンテナンスベースを含む ) 10を超える造船業企業がアルハンゲリスク州に集中している ロシア最大の ( そして世界でも屈指の ) 造船所 すなわち北部機械製作企業以外に ここには大規模な船舶修理工場 ズヴョズドチカ ロシア最古の造船所で船舶修理工場の クラスナヤ クズニツァ ライスキー ドック 船舶修理工場 ソロムバル造船所等が立地している 10を超える比較的小規模な河川船舶用造船所が北西部の他の州および共和国にある ( ヴォログダ州 カレリア共和国 コミ共和国 ) ヴォルガ ヴャトカ経済地区には主に河川船舶用の造船 修理企業がある ただし そのうちいくつかでは海洋船舶も建造している ここではニージュヌィ ノヴゴロドが中心地の地位を保っている この都市およびその近くにはヴォルガ河およびオカ河沿岸に 有名な クラスノエ ソルモヴォ オカ テプロホド ( 汽船 ) ゴロデツク造船所等をはじめ10を超える工場および造船所が立地している 6 造船所がヴャトカ ( 旧キーロフ ) 州とマリ エル共和国 ( 旧マリ自治共和国 ) にある 中央および中央 黒土経済地区には17の造船および船舶修理工場が立地している そのうち最も大規模なのはルィビンスクおよびヤロスラフ造船所 スリプ 工場 ( ヴォロダルスキー名称工場が旧名称に復帰した ) モスクワ造船 船舶修理工場 ヴォルガ沿岸経済地区 ( ヴォルガ中流および下流 ) で造船業の主要な中心となっているのがアストラハン ヴォルガデルタにある同市およびその周辺には海洋および河川船舶の造船 修理を行う16の造船所が立地する 加えて 造船業の企業はヴォルゴグラード (5 造船所 ) サラトフ サマラ ウリヤノフスクの各州 バシュコルトスタン共和国 タタルスタン共和国に存在する タタルスタンではカザン市郊外のゼレノドリスクにこの地区最大の造船所がある 北コーカサス地区には主に船舶修理工場が集中しており これらは海洋船舶 (7 造船所 ) 漁船および河川船舶 (9 造船所 ) の修理を行っている ここで新規の造船を行っているのは小規模のアゾフ造船所といくつかの漁船 河川船舶用の修理工場 海洋船舶の造船業はロシアの黒海沿岸には存在しない ウラル経済地区では河川船舶の造船業がカマ河流域に集中している 特にペルミにはかなり規模の大きい造船所がある ウラル山脈を越えた西シベリア経済地区にはオビ河 イルティシ河流域の河川船舶造船所群があり それらは主にチュメニ市 オムスク市 トムスク市の近くに集中している 東シベリア地区の造船 船舶修理企業はクラスノヤルスク市周辺 (6 工場 造船所 ) エニセイ河流域とバイカル湖 ( バイカル船舶修理工場 ウラン ウデ造船所 リストヴャンカ村の造船所 ) さらにレナ河上流地域 ( カチュガ ジガロフスク オセトロフスク キーレンの各造船所 ) に立地する 54 社団法人ロシア NIS 貿易会

58 ロシア造船業の現状と課題極東経済地区には造船 船舶修理業の企業が合計約 60 社存在するが これにはコムソモリスク ナ アムーレ市のアムール造船所 ( 旧レーニン コムソモール名称工場 ) ウラジオストクの ダリザヴォド ボリショイ カーメニ市の ズヴェズダ ナホトカ市のプリモリスキー造船所 ナホトカ造船所等の大型造船所が含まれる 極東造船業の約 80% の企業は太平洋沿岸にあり 主に船舶修理を営む 残り20% はレナ河とアムール河の流域に立地している このように 新ロシアの形成時点で国内には260を超える造船所および船舶修理工場が機能していた 1992 年に国営造船企業の民営化プロセスが始まった 現在 産業庁 (Rosprom) の構成内に造船局がある 同局の所管に連邦国営単一企業 37 社が存在する 更に25 社の民営化も検討されている 造船局は公開株式会社 98 社と相互関係にあり そのうち66 社で国は 連邦持ち株を保有する (42 社 ) か 特別な権利 ( 黄金株 ) を行使する (24 社 ) 形で運営機関に参加している 1990 年代末には軍艦建造技術 3 件以下を維持しながら 海軍用に決められた造船数は年間 1 隻を割り込んだ 民間造船技術の見込み件数も大幅に縮小した 経済改革の過程にあって 1999 年の造船業生産高は ( 商品生産指数として )1990 年比で大幅に落ち込み 7.1 分の1まで縮小した 年に部門企業の生産従業員数は2.5 分の1となり 46 万人から1998 年 12 月の18 万人まで削減した 生産減と従業員の削減により 1999 年には造船業の労働生産性 ( 従業員一人当たりの生産高指数 ) は1990 年比で1/3にまで低下した ここ8-10 年で企業の固定資産は事実上更新されておらず資産の部の割合は28-30% まで減少した 1999 年までに部門の投資効率指数は10 分の1に低下した 1998 年に部門企業の生産施設の稼働率は平均 16.9% だった 海洋関連活動での否定的傾向を克服する必要性 それに基づき 明確で 一貫継承され 目的に沿った政策を掲げる国が規制の役割を担いながらの安定的な発展 海洋方向からの国家安全の強化の必要性は新しい文書 すなわち2020 年までのロシア連邦海洋ドクトリン (2001 年 7 月 27 日にロシア連邦大統領が承認 ) に定められている このドクトリンでは世界の海におけるロシア海洋政策の長期的展望による戦略目的 主要課題 その解決方法およびメカニズムが定式化されている あらゆる海洋関連活動の発展という戦略課題の一貫した解決を図るため ロシア連邦政府付属海洋参事会が設立された (2001 年 9 月 1 日付ロシア連邦政府決定第 662 号 ) この主な機能は海洋資源および海洋エリアの開発 利用 船団およびその沿岸インフラの発展を可能にする新構想の実践導入を促進することにある 2. 株式会社およびコンツェルンの設立 1980 年代末には機械製作および計測器製作の下位部門を持つ巨大な多角経営コンツェルンだったこの産業部門の構造は新生ロシアにおいて本質的に変貌した 造船業の1992 年からの構造改革はまず企業所有形態の変化 ( 制度変革 ) を伴った このプロセスは市場経済の経済基盤を構築するために それまで完全な国の支援を受けていた造船企業の非国営化または民営化を目的としていた 国営の所有形態の維持は軍艦建造数の削減に比例する極めて限られた規模で決められ ロシア連邦政府または国家国有財産管理委員会の決定に ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 55

59 第 4 章より手続された 1990 年代の中頃には3つの造船企業所有形態の主要タイプが存在した すなわち : 国営非株式単一企業 ( 政府承認リストにより民営化されないもの ) 混合所有形態の国営株式会社 集団所有形態 よりまれには私有の株式会社 1998 年の年末に部門の企業数は174 社となった そのうち国営非株式単一企業の形態を維持していたのは74 社に過ぎなかった その内訳としては製造企業および統合体が34 社で 40 社は研究所および設計機関だった 2006 年に造船業の構造体は160 社を数え そのうち国営の所有形態を維持していたのは54 社 ( 製造企業 24 社 研究所および設計機関 30 社 ) となった 最大の統合体となったのはカリーニングラードから極東までの企業を統合したOAO( 公開株式会社 ) 中小トン数船舶造船コンツェルン (OAO KSMK ) OAO KSMK は2001 年 10 月 11 日付ロシア連邦政府決定第 713 号 連邦目標プログラム < 年の国防産業複合体の改革および発展 > について によりモスクワで設立された コンツェルン構成に入るのはOAO PSZ( バルト沿岸造船所 ) ヤンターリ OAO SZ( 造船所 ) ヴィムペル FGUP( 連邦国営単一企業 )CMKB( 中央海洋設計機関 ) アルマズ FGUP スレドネ ネヴァ造船所 OAO アムール造船所 FGUP ハバロフスク造船所 ZAO( 非公開株式会社 )AKB( 株式商業銀行 ) 地域間投資銀行 ( モスクワ ) 2004 年に 機械製作工場統合体 コンツェルンから企業グループ 海洋石油ガスプロジェクト (MNPグループ) が分離独立したが このグループは民間造船および軍艦建造 掘削設備 掘削ツール 海洋石油ガス生産プラットフォーム設計といったビジネスの各セグメントでプロジェクトの管理運営を行っている 造船関連でMNPグループの構成には 軍艦 特殊および民間船舶を建造する 造船企業 アルマズ ( サンクト ペテルブルク ) 商業船団用船舶を建造する クラスノエ ソルモヴォ 工場 ( ニージュヌィ ノヴゴロド ) 技術および補助船団用船舶を建造する ニジェゴロド汽船 商業船団用船舶を建造するヴォルゴグラード造船所 商業船団用船舶を建造する第 3 回インターナショナル名称造船 船舶修理工場 ( アストラハン ) が入っている 金融 製造業グループ (FPG) スコロスノイ フロート( 高速船団 ) (OAO スコロスノイ フロート FPGグループ本社はモスクワ所在 ) は1994 年に 海洋および河川高速船 水中翼船 ホバークラフト 空気胴型ホバークラフト エクラノプラン ( 地面効果翼船 ) および出力 7400MWまでの船舶用ディーゼルエンジン ディーゼル発電機の開発 製造 納入 メンテナンスのために設立された FPGグループにはOAO R.E. アレクセエフ名称水中翼船中央設計機関 OAO SZ ヴォルガ OAO レダン ZAO CKB( 中央設計機関 ) ネプチューン OAO ズヴェズダ が入っている 2003 年にサンクト ペテルブルグの大規模造船所 北部造船所とバルト造船所で所有者が交替した それらの新しい所有者 すなわち 統合製造コーポレーション (OPK) と IST 間で協定が結ばれ それによりバルト造船所は専ら民間船舶の造船に集中している OPKの戦略目的は 現代的で 世界標準に合致する デッドウエイト300,000トンまでの船舶生産品目すべての建造が可能なコンパクト造船所を作ることにある 年間能力 50 万トンの新しい造船複合施設は 北部造船所 と バルト造船所 に現在存在する設備を利用し 既存生 56 社団法人ロシア NIS 貿易会

60 ロシア造船業の現状と課題産設備の改造および改良と新設備の増築により実現する 現有インフラ 最新技術 高資格の従業員を利用しながら既存設備をベースとして大型船建造用の造船所を作ることで 新規造船所の建設と比べ 大幅にコストが削減できる 下位部門の計測器製造分野では機能的統合組織の構築が急速に進んだ 最初に設立されたのが強力な多角経営コンツェルン Electropribor その後 ロシア連邦大統領ならびに政府の決定により 2004 年から2005 年の年末にかけてこの部門にさらに4つの統合組織の設立が始まった その組織の構成には機械製作業または計測器製造業の専門企業が入った コンツェルン Granite-Electron コンツェルン 海洋水中武器 Hydropribor コンツェルン Okeanpribor コンツェルン Morinformsystema-アガート OAO コンツェルン 海洋水中武器 Hydropribor は2004 年 5 月 3 日付ロシア大統領令により 海洋水中武器の開発および製造に部門各企業のポテンシャルを結集する目的で FGUP 中央研究所 Hydropribor をベースに設立された これは垂直統合型組織で その構成内にはOAO Dvigateli 工場 ( サンクト ペテルブルク ) OAO Dag-diesel 工場 ( カスピイスク ) OAO ヴェルフヌィ ウファレイ Uralelement 工場 ( ヴェルフヌィ ウファレイ市 ) 株式会社化が完了間近な 海洋熱工学研究所 ( ロモノソフ市 ) を含んでいる OAO コンツェルン Okeanpribor はロシア海軍用に水中音響装備を開発および製造する各企業を統合している コンツェルン Morinformsystema-アガート の構成に入るのはFGUP NPO( 学術 生産統合体 ) アガート と NPO マルス OAO 中央研究所 クルス NPP( 学術 生産企業 ) カルーガ計測器製造工場 タイフーン このコンツェルンの主な活動分野は 船舶戦闘および制御集積情報システム 武器制御系等の開発 製造 メンテナンス 改良 修理および活用 3. 造船部門改革の戦略策定 造船部門改革の戦略策定に関する調査研究は1998 年に開始されたが 1997 年 11 月 1 日付ロシア連邦政府政令により 世界海洋の資源およびエリア開発を保障する先端技術を保有する造船 機械製作 計測製造部門の構造改革プロジェクト作成 をテーマとする作業を1998 年に開始するように定められていた この作業の枠内で アカデミー会員 A.N. クルィロフ名称中央研究所 ( 主幹実施機関 ) は1998 年に造船業企業のリストラ提案を準備した この際 国内北部と東部のロシア大陸棚石油ガス田 すなわちシュトックマン ルニ ピリトン アストフ開発のパイロット プロジェクトの実現を確保する2つの 中心 を維持し 発展させる構想が立てられた これら 中心 のベース企業として 北部ではPO( 生産統合体 ) Sevmachpredpriyatie ( 北部機械製作企業 ) とGMP ( 国営機械製作工場 ) ズヴョズドチカ 極東ではアムール造船所が推薦された 主に注意を向けたのは2つのパイロット プロジェクト すなわちサンクト ペテルブルクの主要造船企業のリストラ 改造 設備更新 ( サンクト ペテルブルグ造船所 プロジェクトの作成 ) それに加えて 北部( ペヴェク ) と極東地域用の船舶原子力発電設備をベースと ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 57

61 第 4 章した地下およびフローティング型の原子力発電所ユニットの開発で その後 フローティング型の発電所をアジア地域 ( インドネシア等 ) に輸出する可能性を確保するというものだった また造船業に 地域協会をはじめとして 強化された統合学術 製造組織を設立し さらにはロシア連邦政府が承認したロシア学術部門改革構想に従い 部門間の連邦科学技術センターを設立する問題を検討することが決められていた この部門は軍産複合体リーダーのひとつであり 事業展開および事業量拡大のために 使用されていない製造施設と科学技術ポテンシャルの膨大な余力を保有している しかしそのさらなる発展は 部門企業の稼働率が長期にわたり低迷したことによる多くの否定的要因により阻害されている 現在の数量では個別企業の稼働率を確保するに留まり これでは部門全体の可能性を縮小するような不可避の破壊プロセスが進展してしまう 新世代船舶の開発可能性が高まり 装備の質的に新しい発展段階へ移行するための前提が整った一連の主要国からの技術面での遅れはますます拡大している 問題排除の対策不実行 ( 惰性シナリオ ) は最大の蓋然性で 次の結果を導く 極限レベルまでの国防能力の低下 顕著な予算損失 外国運送業者への依存度上昇 ( 北極海航路および国内河川網への外国運送業者の進出 ) 最新軍用機器の開発不能 その市場喪失 売上高の毎年の潜在的損失 5 万 6 万人の雇用喪失 国内諸地域で社会的緊張が高まる懸念 構造変革 生産施設の最適化 改良および設備更新 さらに規則 基準基盤の改善に基づき大規模学術および製造統合組織で構成する新しく 競争力のあるタイプの造船業を作り出す必要がある 戦略 の主目的を達成するための主要課題は3つの方向に分類される 構造変革および部門ポテンシャルの最適化 造船業発展のための法的および規則 基準面での保障 科学技術および生産ポテンシャルの発展 部門の総合的近代化および設備更新 戦略 実現のメカニズムは第一に連邦目標プログラムの対策 ならびにこのプログラムに含まれていない最重要の社会経済対策を ロシア連邦大統領またはロシア連邦政府が承認した提案書に基づき実施し さらには関連連邦行政機関の所轄官庁目標プログラムによる対策を実施することに基礎を置いている 第二に これら資源の最適利用条件が確保されている すなわち 各種の実際資源 ( 通関料徴収 リファイナンスレート 課税水準 支援金レベル等 ) の使用を規定する各種法律 基準 規則が作成されている 目標の不完全な達成 目標指標値未達のリスクを最小限にする 戦略 実施のための鍵となる原則は次の通り : 支払能力のある需要をターゲットとする 部門の特徴 その現在の状況 外部条件 国内経済の発展傾向を考慮する 戦略 実施のプログラム範囲と部門の主要生産品開発時間の均衡をとる 戦略 実施の各段階で主要指標値を修正する 58 社団法人ロシア NIS 貿易会

62 ロシア造船業の現状と課題ロシア造船業のニッチは技術的に複雑な艦船 船舶 技術的施設で それは次の通り : 潜水艦 戦闘用海上艦艇 ( あらゆるタイプ 等級 用途 ) 補助船 海軍のフローティング機器 海洋武器および装備 氷中航行船を含む運搬船 ガス運搬船 学術調査船 漁船 砕氷船 曳航船 その他補助船 フローティング型および定置型大陸棚開発機器 戦略 は主に現行の および次に続く同様のプログラム 計画の枠内で実施を見込んでいる 造船業改革戦略の策定に関する調査結果に基づき 2007 年 9 月 6 日付ロシア産業エネルギー省命令第 354 号により 2020 年までおよびそれ以降の展望における造船業の発展戦略 が承認された 4. 造船業の再編 上記の戦略は2007 年 3 月 21 日付ロシア連邦大統領令による持ち株会社 統合造船コーポレーション (OSK) の設立として具体化した 2007 年 6 月 9 日の決定により政府委員会が設立されたが この委員会は 統合造船コーポレーション の設立過程で連邦行政機関の相互関係を調整することになる 委員会の主要課題は 国家の安全と国防能力の確保ならびに部門の学術 製造ポテンシャルの維持発展を目的とし また国営およびその他 外国発注者を含む発注者の利益に沿って 軍用および民間用機器 大陸棚開発設備の将来性ある開発 設計 製造 改良 修理 メンテナンス 利用プログラムを実現するために資源を集中する目的で 国内造船複合体の各組織を統合するための条件整備である 統合造船コーポレーション 設立の目的は持ち株会社をロシアの投資家も 外国人投資家もその株式を保有できる現代的なパブリック カンパニーに変革することにある 統合造船コーポレーション 本社は この新しいコーポレーションに直接関係のある研究所が集中するサンクト ペテルブルクを所在地とする 統合造船コーポレーション 定款資本のうちのロシア連邦持分として 連邦所有のOAO ネヴァ設計機関 ( サンクト ペテルブルク市 ) 株式の60% と2500 万ルーブルの金銭を充てている ロシア連邦政府はロシア連邦の名で 統合造船コーポレーション 子会社として次の株式会社を設立した すなわちOAO 西部造船センター ( サンクト ペテルブルク市 ) で その株式の100% はロシア連邦が所有し その定款資本へのロシア連邦寄与分として連邦所有にある OAO スヴェトルィ企業 ERA ( カリーニングラード州スヴェトルィ市 ) 株式の100% マイナス 1 株と2500 万ルーブルの金銭を充当した ; またOAO 北部造船 船舶修理センター ( セヴェロドヴィンスク市 ) で その株式の100% は連邦所有であり その定款資本へのロシア連邦寄与分として連邦所有にあるOAO 設計機関 Rubin-Sever ( セヴェロドヴィンスク市 ) の100% マイナス1 株と2500 万ルーブルの金銭を充当した ; さらにOAO 極東造船 船舶修理センター ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 59

63 第 4 章 ( ウラジオストク市 ) その株式の100% は連邦所有であり その定款資本へのロシア連邦寄与分として連邦所有にあるOAO 研究所 Bereg ( ウラジオストク市 ) の100% マイナス1 株と2500 万ルーブルの金銭を充当した ロシア連邦政府はFGUP 機械製作企業 ズヴョズドチカ ( アルハンゲリスク州セヴェロドヴィンスク市 ) の名称をFGUP 船舶修理センター ズヴョズドチカ に変更し それにFGUP 船舶修理センター ネルパ ( ムルマンスク州スネジュノゴルスク市 ) 学術 生産統合体 ヴィント ( モスクワ ) ロシア連邦国防省 第 35 船舶修理工場 ( ムルマンスク市 ) ロシア連邦国防省 第 1 造船所 ( クラスノダル州ソチ市 ) ロシア連邦国境警備庁第 5 船舶修理工場 ( クラスノダル州テムリュク市 ) ロシア連邦国防省 アストラハン船舶修理工場 ( アストラハン市 ) を併合させる形で再編した ロシア連邦政府はFGUP 北部設計機関 ( サンクト ペテルブルク市 ) 中央海洋設計機関 アルマズ ( サンクト ペテルブルク市 ) ゼレノドリスク設計機関 ( タタルスタン共和国ゼレノドリスク市 ) 海洋機器中央設計機関 ルービン ( サンクト ペテルブルク市 ) サンクト ペテルブルク海洋機械製作機関 マラキート 学術設計技術機関 オネガ ( セヴェロドヴィンスク市 ) を株式の100% を連邦所有とする公開株式会社に再編し 後にこれら各社の株式の100% マイナス1 株を 統合造船コーポレーション 定款資本へのロシア連邦寄与分として この株式会社が自社の増資と関連して発行する新株の支払いを行うという方法で充当した FGUP アドミラルテイスキー造船所 ( サンクト ペテルブルク市 ) スレドネ ネヴァ造船所 ( サンクト ペテルブルク市 ) ロシア連邦国防省 第 33 船舶修理工場 ( カリーニングラード州バルチスク市 ) は株式の100% を連邦所有とする公開株式会社に再編し 後にこれら各社の株式の100% マイナス1 株をOAO 西部造船センター 定款資本へのロシア連邦寄与分として この株式会社が自社の増資と関連して発行する新株の支払いを行うという方法で充当した FGUP 船舶修理センター ズヴョズドチカ ( セヴェロドヴィンスク市 ) 北部製造統合体 アルクチカ ( セヴェロドヴィンスク市 ) 電気化学特殊設計技術機関と実験工場 ( モスクワ ) 製造統合体 北部機械製作企業 ( セヴェロドヴィンスク市 ) は株式の100% を連邦所有とする公開株式会社に再編し 後にこれら各社の株式の100% マイナス1 株をOAO 北部造船 船舶修理センター 定款資本へのロシア連邦寄与分として この株式会社が自社の増資と関連して発行する新株の支払いを行うという方法で充当した FGUP 極東工場 ズヴェズダ ( 沿海州ボリショイ カーメニ市 ) ハバロフスク造船所 ロシア連邦国防省 第 92 労働赤色旗勲章船舶修理工場 ( ウラジオストク市 ) ロシア連邦国防省 第 178 労働赤色旗勲章船舶修理工場 ( ウラジオストク市 ) ロシア連邦国防省 第 179 舶修理工場 ( ハバロフスク市 ) ロシア連邦国防省 北東部労働赤色旗勲章装備および軍用機器修理 再利用地域センター ( カムチャッカ州ヴィリュチンスク市 ) は株式の100% を連邦所有とする公開株式会社に再編し 後にこれら各社の株式の100% マイナス1 株をOAO 極東造船 船舶修理センター 定款資本へのロシア連邦寄与分として この株式会社が自社の増資と関連して発行する新株の支払いを行うという方法で充当した 統合造船コーポレーション 定款資本へのロシア連邦寄与分として 連邦所有にあるOAO 中央設計機関 アイスベルグ ( サンクト ペテルブルク市 ) 株式の24.49% OAO R.E. ア 60 社団法人ロシア NIS 貿易会

64 ロシア造船業の現状と課題レクセエフ名称水中翼船中央設計機関 ( ニージュニィ ノヴゴロド市 ) 株式の14.99% を この株式会社が自社の増資と関連して発行する新株の支払いを行うという方法で充当する OAO 造船所 Severnaya Vervi ( サンクト ペテルブルク市 ) 株式の20.96% OAO クラスノエ ソルモヴォ ( ニージュニィ ノヴゴロド市 ) 株式の33.53% OAO バルト海沿岸造船所 ヤンターリ ( カリーニングラード市 ) 株式の51% をOAO 西部造船センター 定款資本に この株式会社が自社の増資と関連して発行する新株の支払いを行うという方法で充当する OAO 持ち株会社 ダリザヴォド ( ウラジオストク市 ) 株式の20% OAO ニコラエフスク ナ アムーレ造船所 ( ハバロフスク州ニコラエフスク ナ アムーレ市 ) 株式の10% OAO アムール造船所 ( ハバロフスク州コムソモリスク ナ アムーレ市 ) 株式の20% をOAO 極東造船 船舶修理センター 定款資本に この株式会社が自社の増資と関連して発行する新株の支払いを行うという方法で充当する ロシア連邦経済発展省ならびに産業エネルギー省に 連邦所有にある公開株式会社 西部造船センター 北部造船 船舶修理センター 極東造船 船舶修理センター 各々の株式の 100% マイナス1 株をロシア連邦寄与分として2009 年 1 月 1 日までに 統合造船コーポレーション 定款資本に この株式会社が自社の増資に伴って発行する新株に対して支払を行うという方法で充当するよう依頼した ロシアで4 番目の造船センターを国内南部に設立する提案がなされており このセンターもまた 統合造船コーポレーション の構成に入る可能性がある 5. 世界の海洋 鉱物資源の開発 国家プロジェクトにおける造船業の役割 (1) 連邦目標プログラム 世界の海 海は地球表面の3 分の2を占め 陸地資源を顕著に上回る資源を蓄えている また地球人口の 80% は幅 150kmの海岸地帯で生活している ロシアの大陸部の臨海国境線は約 39000kmで 世界で最長のひとつとなっている 世界の大陸棚の20% がロシアに属し 大陸棚は広大なばかりでなく 資源に富んでいる 海洋では ロシアにとっては内海でもそうだが 国家 その連合 国際機関 多国間コーポレーションのさまざまな形の経済 科学技術 人道 軍事および政治活動が集中し 海洋活動の主体間で利益が交錯している その結果 それらの間の矛盾が先鋭化する まだどの国の領土にも属さない巨大な空間が残されている世界の海では所有関係形成のプロセスが継続している 産業国家の経済発展の新しいイデオロギーが それらの生活空間 機能空間の拡大に基づいて発生する その際 大国が興味を持つ対象領域は未だ開発の及ばない地域 ( バレンツ海 カラ海 カスピ海 ) となる 学術的にも技術的にも先端にある国家のみが自国の利益を守ることができる 世界の海の資源およびそのエリアの開発 合理的利用は現在ばかりでなく 将来にも国家政策の重要な優先課題どなる このような問題の現実性は 最も将来性のある経済活動の場であり かつ政治的影響の場としての世界の海の役割が増すにつれ さらに強まってくる 公海 大陸棚 深海海底 沿岸地域はロシアにとって 経済問題を解決し 社会的に受容可能でエコロジー的に安全な生命活動の条件を確保する目的で 常に本格的な調査と開発の対象 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 61

65 第 4 章となってきた 世界の海の調査研究 その資源ポテンシャルの利用 輸送網の発展 海洋国家としてのロシアの立場を維持するための海洋エリアでのプレゼンス 臨海国境の警備 エコロジー状況及び自然のまたは技術由来の緊急事態の監視 気象観測 これらすべて そして生命活動確保のため また沿岸地域だけでなく 国全体で国民の安全な暮らしを確保するために独自の意義を持つその他の具体的問題は その最適な解決法を模索するための総合的分析を必要としている 上に掲げたすべての種類の海洋活動 およびそれぞれの活動を行う過程で得られる成果は 科学技術や製造基盤なしには考えられない そしてその基盤こそはわが国の造船業や海岸インフラであり これらはその製品のなかに隣接経済部門 ( 機械製作 冶金 電子工学等 ) の業績を統合している 造船は国の海洋政策の技術基盤となり この政策は国家安全保障の基礎のひとつ 米国 日本 ドイツ ノルウェー 韓国 中国等の海洋国家はすべて無条件にこの考え方をとっている 新しいロシア国内の ならびに国際的な条件下で 海洋活動分野では国の長期的発展 この活動自体の競争力 国内および世界市場におけるその主要な方向性 ロシアの国家安全に対する貢献という観点から この活動の高い効率に対する要求が第一義となっている ソ連邦においては 世界の海でのあらゆる活動の規模的な発展はあったとしても 本格的な学術的支援に立脚した 統一され 国内共通とされたこのプロセスの管理システムは導入されないままだった ロシア連邦の新しい海洋政策 海洋戦略 海洋活動を構築するためには 特定官庁の狭量なアプローチやその利害を克服し 自国の海洋活動における否定的現象およびプロセスを抑制しうるツールを選び 現在と未来に渡る国家安全の強化を考慮しつつ 国のすべての海洋ポテンシャルの再生 進化を確保することが必要だった 連邦目標プログラム (FCP) 世界の海 は1998 年 8 月 10 日付ロシア連邦政府決定第 919 号により承認された このプログラムの主目的は 経済発展 国の安全保障 その臨海国境警備に資するように 世界の海の資源およびエリアの調査 開発 有効利用に関する問題を総合的に解決することにある 世界の海 プログラムは全体として 年 年 2007 年以降の3 段階での実施が見込まれている 第 1 段階で中心となるのは ロシア連邦海洋活動の主要指標が制御不能に落ち込むのに歯止めを掛け 安定させるという課題だった 第 2 段階の目的はロシアの海洋活動に対する将来の長期需要を喚起するための端緒を開き それを拡大することにあった プログラム実施の第 3 段階では わが国の国内発展戦略および将来需要に従い また世界におけるわが国のポジションを考慮して 世界の海においてロシア連邦が行う海洋活動の新しい構造の形成が開始されねばならない ロシア海洋活動の軍事 政治的側面はサブ プログラム 国際法問題およびその政治的側面 ならびに 世界の海におけるロシアの軍事戦略的利益 で検討した 国際法基盤の分野で 東欧諸国の政治志向が変化し ワルシャワ条約 コメコン その他同様の国際的メカニズムの効力が停止し ソ連邦領土に15の独立国家が形成した結果として生じた根本からの地政学的変化により ロシア沿岸水域および世界の海のその他海域におけるロシ 62 社団法人ロシア NIS 貿易会

66 ロシア造船業の現状と課題アの主権および管轄権の問題が発生したが それはわが国の領海 大陸棚 排他的経済水域の規模縮小につながった 新しい条件では ロシアの軍事戦略的 経済的 科学技術的利益をより包括的に擁護する目的で世界の海のポテンシャルを開発する分野において ロシアと他の国の有効な協力関係の法的基盤が必要になっている 世界の海におけるロシアの軍事戦略的利益は 世界のプロセスに対するロシアの政治的影響の確保 わが国の安全に対する脅威の抑止およびその臨海国境の警備 ロシア連邦の国際的権威の向上 航海 操業 経済 学術活動の安全強化において海軍の主導的役割を決定している サブ プログラム 世界の海の自然調査 ここ数年 世界の海の自然調査分野でロシア海洋学の地位衰退が見られる 海洋プロセスおよび現象の調査研究は停止されたか または大幅に制限されているが これらについての知識はロシアの経済発展と安全に資するために 一般化したグローバルな そしてまた地域的な気象データを得るために必要なものだ 学術要員の流出や高齢化が起こっている 学術船団が十分に 用途に沿って使用されていない これらの問題はこのプログラムの枠内で解決する必要がある 世界の海における経済活動は5つのサブ プログラム すなわち 世界の海 北極 南極の鉱物資源 世界の海の資源およびエリア開発のための技術開発 世界の海の生物資源利用 世界の海におけるロシアの輸送網 北極の開発と利用 に反映されている 世界の海 北極 南極の鉱物資源を利用する重要性は何よりもその豊富さと多様性 ならびに国民経済の流通に乗せたときの将来性によって決まる 世界の海 ( 大陸棚および海底の深海区域 ) の地下資源はその量 性質 再生レベルにおいて同様の大陸資源を大きく上回っており 鉱物資源の大規模な潜在供給源となっている 世界の海の資源及びエリアの開発のための技術を構築することが それが解決されればプログラムが全体として またその個別のサブ プログラムが設定する総合的課題の実行に成功するような中心的問題のひとつとなっている 蓄積された科学技術の成果の使用を前提とする世界の海の資源およびエリアの開発のための技術が発展すれば 世界の海に関連するすべての総合的問題の解決に必要な革新的およびその他の対策の積極的な実現を開始できる 海洋活動の科学技術支援の分野で長期にわたって他国に遅れをとっているロシアは 世界の海における学術および生産複合施設を再編し また学術 貿易 操業 軍事各船団を近代化し 更新する根本的な措置を講じる必要がある 海上輸送網および海へのアクセスシステムの維持 および沿岸地域の発展に関するロシアの最重要問題は 先端技術を使用する条件でのみ解決できる これらの技術を開発するための大きなポテンシャルとなるのは 海の環境における活動と関連する国防部門の業績だ 同時に 将来性ある学術研究および設計業務の資金確保が十分でないことが 新技術及びより現代的なブレーク スルー技術の開発を現段階で抑制している 世界の海の生物資源利用は食糧問題解決の最も有望な方向のひとつ ロシアは今でも世界の漁業の発展傾向を決定する世界の主要国のひとつであり続けている 食品用 飼料用 工業用 医療用製品のサプライヤーとして 漁業部門はわが国の食料供給分野で顕著な位置を占めている しかしこれら種類の製品の納入量は現在 存在する需要に見合っていない ロシア経済水域の生物資源はその種類構成において高い消費者価値のある魚製品を製造す ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 63

67 第 4 章るユニークな可能性を開くものだが その資源が今や絶滅の瀬戸際にある 従って 生物資源に対する操業負荷を軽減するため 合理的漁業が行われるように厳格な監視を確保しなければならない ここ数年 世界の海におけるロシア輸送網システムの状態が著しく劣化した ロシア連邦国外 すなわちバルト沿岸諸国やウクライナの領土に最大級の港や穀物 鉱石 石炭 化学品とバラ荷 コンテナーの積換え専用特殊設備が大部分残ってしまった ( ノヴォタリンスキー イリチョフスク ユージュヌィ ヴェンツピルスとクライペダの石油積換え基地 イリチョフスク~ヴァルナとクライペダ~ムクランのフェリー便 ) さらに 北西部および南部海域で ロシアは冷凍船 砕氷クラスのタンカー バージ輸送船 大半の旅客船を失った バルト海にはタンカー船団が存在せず 黒海には乾燥貨物輸送船団が無い 海上輸送の資材 技術基盤は著しく減損した 水工港湾設備の多くがオーバーホールまたは改造を必要としており ローダー設備は交換しなければならない バルト海および黒海でロシアが港湾施設を失ったことは ロシア領内において新港の建設および稼働中の港湾の近代化により補うことができるし また補わねばならない 北極の開発と利用の問題はこの地域におけるロシア連邦の特別な国益 ( 経済的 国防上 地政学上 学術的な利益 ) とからみ またその特殊性と関連してプログラムの中で特に区分されている 北極におけるロシアの経済的利益は 現在のわが国全体の経済発展にとって決定要因となり 将来にはさらにその意義を増すような一連の最重要な有用鉱物資源がここに集中していることに条件づけられている 国防上の利益は ロシアの主要な海洋戦略核戦力が北極を基地としており また北氷洋で長く伸びた国境を防衛する必要性と関連する 北極におけるロシアの地政学上の利益はその特殊な地理的位置とこの地域で多くの国の国益が錯綜していることで説明される 学術的利益は 然るべき学術的サポートがこの地域におけるどのような活動にとっても必要になるためで また地球上で起こっているグローバルなプロセスで北極が重要な役割を担っていることによっても条件づけられる 北極におけるロシアの特別な国益とその擁護の必要性 さらに居住および経済活動条件の特殊性を考慮すると 複合的な性格を持ち この地域での各省庁 北極領行政当局の努力調整 効果的な国家規制を必要とする北極問題の解決は目標プログラムの方法を使用してのみ可能となる 南極調査の必要性は地球上の気象および天候プロセス形成にとって北極の意義がどれほどか また現行の国際法制度の枠内で この地域において長期にわたりロシア連邦の国益を確保する必要性がどれほどあるかにより決定される 南極における今後の学術調査実施は この地域でのロシアの地位の強化およびロシアの地政学上の利益の実現に主眼を置いた国家全体規模の政策の不可分の要素となっている サブ プログラム 世界の海の状況に関する統一情報システムの設立 世界の海の状況に関する統一情報システムの設立問題は 全種類の海洋活動に対して現実的で完全な情報を提供する支援を質的に新しい水準まで高める差し迫った必要性によって生じている この情報とは世界の海の資源およびエリアについての調査 開発 有効利用と関連する科学技術 経済 政治 軍事戦略 環境上の課題 およびその他の課題を解決する基礎となるものだ 既存の官庁システムおよび情報センターをベースに構築する統一システムの枠内で世界の海の諸問題に関する国の情報資源を統合するには 国の資金援助が必要で また官庁間の科学技術業務およ 64 社団法人ロシア NIS 貿易会

68 ロシア造船業の現状と課題 び組織運営上の決定事項の調整が必要となる (2) サブ プログラム 北極の開発と利用 ロシアの北極地方では経済の停滞 都市建設工事の縮小 社会インフラの衰退 調査研究業務量の急速な減少 遅れがちで不十分な燃料及び食糧供給が主要問題となっている 極限的な自然 気象条件下で特に危険度が高いのは環境に対する発生源としての否定的影響だが これは罹病率の増加や寿命短縮に現れる 沿岸北極地域の問題は世界の海の開発と利用に関する問題の一部だ これら地域の社会 経済的発展は 商品を北極に納入し 地元企業の製品を他地域に搬出する北極圏海上輸送システムが確実に機能しなければ不可能だ 南極調査問題で主要なのは ロシア南極観測 (expedition) 活動の確保で この活動の許容最小限指標リスト ( 観測隊人数 稼働中の南極ステーション 補給船 航空機支援 石油基地等 ) は然るべき根拠を持ち 許容最低水準にある 国家予算以外に このプログラムへの有意な投資形態は株式会社による予算外支出 企業の自己資金 その他予算外の資金源だ 造船業には1998 年 8 月 10 日付ロシア連邦政府決定第 919 号で承認されたFCP 世界の海 を実行するという課題が与えられている このサブ プログラムの国側発注窓口として ロシア連邦経済省造船部に代わり 1999 年 7 月 30 日付ロシア連邦政府命令第 878 号によりロシア造船局が指定されている このサブ プログラムは FCP 世界の海 と同様 年 年 2007 年以降の3 段階実施が見込まれている サブ プログラム 世界の海の資源およびエリアの開発のための技術開発 の主な目的および課題は 最新の民需転換技術を使用して世界の海の資源およびエリアの開発のための現代的機器および技術を開発し かつて海軍 民間船団及びその他官庁用として開発した機器および技術を改善 改良することにある これらの技術および機器は次の主要課題の解決に向けられる 深海掘削の技術的および工程的可能性の確保 極限条件下での作業を前提とする深海 大陸棚 海底作業および資材の技術開発 リアルタイムで物理探査情報を処理する方法の改善および装置の開発 調査 応用 経済業務を行うため 世界の海調査の最新機器および方法を使用して現在あるマップを修正し明確化する 人工衛星および宇宙ステーションを含む 海洋の主要パラメータの遠隔測定方法および装置の開発 海洋活動の安全確保のための最新の航行 水路学 及び水理気象学設備の開発 世界の海の開発業務を支援するための 度量衡および基準文書体系の制定 津波 暴風による水位上昇 海底地震 海底火山の噴火等の自然災害の影響軽減対策システムの構築主要対策リストは合計で11の プログラムによる対策 (PM) すなわち総合的な研究開発業務で構成されるが それらは15-20 件のプロジェクトを含み そのプロジェクトは次の3つの方向に分類される : ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 65

69 第 4 章 深海 大陸棚 海底作業を行うための技術および機器の開発 効率の高い世界の海の調査 その特性情報収集に関する方法および機器の開発 エコロジー監視および海での緊急時対応に関する技術および機器の開発 世界の海の資源およびエリアの開発のための技術開発 サブ プログラムの第 1 段階業務を実施する過程で次が作成 開発された : 世界の海の資源およびエリアの開発に必要な先端技術の担い手としての造船 機械製作 計測器製作各企業の改造プロジェクト (PM 1.1) 海洋学 エコロジー その他の情報の収集およびその一次処理用自動海底ステーションの模型 (PM 2.2) これは試験を通過した 世界の海の資源およびエリアの開発技術の度量衡 ( 機器較正 ) 支援システム (PM 2.3) ロシア200マイルゾーンおよび沿岸水域の危険対象物を含む 自然災害影響の監視システム構成に含まれる海中機器系のたたき台プロジェクト (PM 3.2と3.4) モジュール式装備を搭載した学術調査船の構想プロジェクト (PM 2.2) 200マイルゾーン監視システム (SNK-200) のたたき台プロジェクト (PM 3.4) 研究開発業務の主な実施者は次の通り :FGUP アカデミー会員 A.N. クルィロフ名称中央研究所 FGUP 中央研究所 クルス CKB( 中央設計機関 ) バルスドプロエクト ロシア科学アカデミー P.P. シルショフ名称海洋学研究所 FGUP D.I. メンデレエフ名称全露度量衡研究所 学術センター エコロジー 人的および自然の安全国際アカデミー サンクト ペテルブルク海洋機械製作機関 マラキート ロシア連邦経済省生産力調査評議会 FGUP 中央研究所 コメタ 等 一見するとプロジェクトおよび プログラムによる対策 は多様だが これらはすべてサブ プログラム課題の解決に集中的に向けられており その解決のためのプロジェクトは次の条件を満たしている 二重 ( 軍需と民需に共通して使用できる ) 技術のうち 本質的な科学技術的シーズが存在する 極めて限られた予算資金 (FCP 世界の海 による計画金額の6-7% レベル ) という条件で実行可能なこと資金不足は 初期投資が必要な業務に特に深刻に反映された 連邦目標プログラム (FCP) 世界の海 第 1 段階を実施した結果 巨額の投資コストが必要で ロシア大陸棚の開発と関連する業務は個別のサブ プログラムとして区分する必要のあることが示され 実際にサブ プログラム 大陸棚 の形で区分された 大陸棚 サブ プログラムには 世界の海の資源およびエリアの開発のための技術開発 サブ プログラムから次の プログラムによる対策 が分離移行された すなわち1.2( すべて ) 1.3( 大陸棚開発に関するプロジェクトすべて : 海洋大陸棚における石油 ガス その他の鉱物資源生産の総合設備構成内の鉄筋コンクリート施設設置工事に関する科学技術支援 ; 氷海条件下での海洋掘削プラットフォーム構造および計算方法の開発 ; プリラズロムノエ フィールド用の海洋耐氷定置式プラットフォーム (MLCP) 建設 ; シュトクマノフスコエ フィールド用の海洋耐氷プラットフォーム (MLP) 建設 ; ロシア領北極の大陸棚における石油ガス資源開発のための海中機器および技術から成る海底総合設備の開発 ; および2と3に示された方向からいくつかの個別プロジェクト 66 社団法人ロシア NIS 貿易会

70 ロシア造船業の現状と課題全体として対策件数は半減した 研究開発業務だけでも 第 2 段階の見積予算資金は2.6 分の 1に減らされた (1 億 270 万ルーブルから4000 万ルーブル ) それに応じてサブ プログラム全体の資金供給総額もほぼ1/2に減額された 年にサブ プログラムの第 2 段階での業務が修正され 特に プログラムによる対策リスト が根本的に見直された リスト では サハリン州 アルハンゲリスク州 沿海州 ヴォルゴグラード州といった地域行政府の提案 およびFGUP 海洋地球物理研究所 や北極研究所の提案が考慮された 業務実施の現段階で得られた成果を導入するフィージビリティを海洋設備分野の研究開発にとっては比較的安定しているコストあたりの利益指標について評価したが その数値は となった 全体として プログラムによる対策リスト (PPM) の構成で 連邦目標プログラム (FCP) が見込んでいる3つの業務方向は維持するという提案がなされた 世界の海の資源およびエリア開発のための技術開発 サブ プログラムはFCP 世界の海 にとって鍵となるものだった というのは海洋調査であれ その資源の開発または海上における国益の保護であれ 海洋関連の活動というものは 海洋設備 すなわち艦船や生産プラットフォーム無しには不可能だからだ この点を踏まえて このサブ プログラムの作成および承認時期には 実現すれば他のすべてのサブ プログラムに貢献するような海洋設備の開発が確保できるような対策が盛り込まれた これらの対策の構想を練る過程で それを直接実行するために ロシア科学アカデミー P.P. シルショフ名称海洋学研究所 等のような他省庁の機関も関与することになった 世界の海の資源およびエリアの開発のための技術開発 サブ プログラムの枠内でさまざまに異なる官庁に属する組織の努力が結集された 第 2 段階業務の根拠付け書類には 毎年の報告書と同様 知的ポテンシャルの再生に必要な すなわち研究開発 たたき台プロジェクト 模型 試験サンプルに必要なサブ プログラムの資金供給が明確に不足することが必ず強調されていた 最低限必要な予算割当額は 万ルーブルで そのうち 万ルーブルは試験実験基盤の更新 テストブースの改良 それらの最新コンピューター機器装備に充当しなければならないことが示された 予算リミットの増額はサブ プログラムの対策策定およびある種の遅れを排除する業務の促進に使う予定となっていた 2003 年に政府政令 (2003 年 12 月 11 日付議事録 No.46) により設置された独立専門家グループは FCP 世界の海 の発注者 コーディネーターが1997 年の日付で提出したプログラム データに基づき FCP 世界の海 のサブ プログラム数を大幅に削減するよう提案した 2004 年に実施されていた行政改革の過渡的な条件下で 海洋参事会や国側発注者の強硬な反対や 殆ど準備ができていた開発業務の資金供給を停止することの明らかな不合理性にもかかわらず 発注者 コーディネーターはロシア連邦政府による2004 年 11 月 17 日付決定第 649 号の承認を勝ち取った それはFCP 世界の海 のサブ プログラム 国際法問題およびその政治的側面 世界の海の生物資源の利用 世界の海の資源およびエリアの開発のための技術開発 に関する業務停止についての決定だった 2006 年には同様にして 連邦目標プログラム 世界の海 に含まれるサブ プログラム 世界の海 北極 南極の鉱物資源 世界の海におけるロシアの輸送網 年の海洋石油ガス生産 北極大陸棚における炭化水素フィールドの開発のためのハイテク装置 機械 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 67

71 第 4 章設備の開発 ( サブ プログラム 大陸棚 ) に関する業務も停止された ロシア連邦政府付属海洋参事会の2006 年 12 月 19 日付決定により ロシア連邦海洋ドクトリンならびに 2020 年までの海洋活動発展戦略 のあらゆる主要方向の実現にむけたプロジェクトをFCP 世界の海 に含めねばならないことになった (3) 連邦目標プログラム 大陸棚 1980 年代末にソ連邦政府が声明を出した軍需産業の広範囲の民需転換の枠内で 軍産複合体 なかでも国防産業の企業幹部は 軍民共通技術を含む 自分たちが保有するハイテクをわが国の北極および極東大陸棚で海洋石油ガス田の開発に使用するのが最も合理的だ という結論に至った この目的で設立された ロスシェリフ 社は後にRAO ガスプロム の構成に入った 海洋石油ガス田の開発が その複雑さにおいても 必要なコスト資源においても大変な課題だというのはわかっていた それゆえ1996 年に北極大陸棚における炭化水素フィールド開発の産業 生産基盤整備に関するロシア連邦大統領令が発行された 大統領令には特別の 海洋石油ガス生産 北極大陸棚における炭化水素フィールドの開発のためのハイテク装置 機械 設備の開発に関する連邦目標プログラム の実施が定められており このプログラムは後に 大陸棚 という名称になった FCP 大陸棚 は1996 年 12 月 7 日付ロシア連邦政府決定第 1469 号により 1996 年 5 月 23 日付ロシア連邦大統領令第 765 号の実施を裏付けるものとして承認された このプログラムの主要な目的および課題は次の通り : 海洋石油ガス生産用の国産ハイテク装置 機械 設備の開発 ロシア国防産業企業の学術および生産ポテンシャルの維持および優先的発展に基づく北極大陸棚での炭化水素フィールドの採算性のある開発 海洋設備の競争力ある産業規模の建設 セヴェロドヴィンスク市の国防部門企業の既存先端技術及び最新の生産運営管理法の使用をベースにして設備を新条件に適応させる 2001 年にFCP 大陸棚 は2001 年 12 月 18 日付ロシア連邦政令第 1674-pにより FCP 世界の海 の構成内に 個別のサブ プログラム 年の海洋石油ガス生産 北極大陸棚における炭化水素フィールドの開発のためのハイテク装置 機械 設備の開発 ( サブ プログラム 大陸棚 ) として含められた サブ プログラム 大陸棚 には他のFCPサブ プログラムから 海洋石油ガス田開発用の設備および技術の開発と関連する プログラムによる対策 が移行された 最終的に 大陸棚 は2002 年 8 月 20 日付ロシア連邦決定第 623 号によりFCP 世界の海 のサブ プログラムとして承認された サブ プログラム 大陸棚 の主な目的は次の通りだった : 世界市場で競争力のある 海洋大陸棚における炭化水素生産設備の国内産業部門による開発可能性の確保 ロシア大陸棚において炭化水素生産を行う産業施設用設備のプロジェクト開発および製造における国内企業の参加シェアを拡大する 企業の設備更新ならびに大陸棚での炭化水素生産設備の開発において 外国製機器の調達を減らすことでロシアからの交換可能通貨の流出を減らす 海洋掘削リグおよびその他オフショア施設の建設に関わる生産拡大により国内産業企業の 68 社団法人ロシア NIS 貿易会

72 ロシア造船業の現状と課題雇用を増やすこれらの目的を達成するためサブ プログラムは一連の対策を見込んでいたが それは4つの方向に統合される : 競争力のあるオフショア設備を製造する科学技術および設計上のシーズを作る オフショア設備製造のため企業の設備更新プロジェクトを作成する オフショア設備の潜在的な開発者および製作者として企業の生産施設および工程設備を改造する 大陸棚における炭化水素開発用大型施設の建設を確実にするための企業の設備更新 および初期導入施設の建設実施科学技術および設計上のシーズを作るという第 1の方向の対策は 大陸棚のフィールド開発用に開発される設備および総合設備の技術 経済特性の改善 またその設備の世界市場での競争力を確保するような新しく有望な設備製作技術の開発に向けられた 第 2の方向の対策 すなわち企業の設備更新プロジェクトは造船所の既存設備を新しい種類の製品用に改造するために 最も合理的な運営手法および設備設計を決定しなければならなかった 第 3および第 4の方向の対策は 造船企業の設備更新および改造を実現し 複雑な海洋施設 すなわち探鉱用およびガス生産用プラットフォーム フローティング石油貯蔵所 海上ターミナル 各種用途船舶をはじめとするオフショア設備の初期導入設備の製造および建設を実施しなければならなかった 計画による国家予算資金はサブ プログラム資金総額の約 2% だったことを指摘する必要がある その際 サブ プログラムが機能する最初の数年は研究開発を先行実施し 設備および装置構成の合理性および開発順序の根拠付けを行い また個別の私的企業の利益ではなく 北極大陸棚開発の国益に最大限合致するように設計検討を行うため 国家予算からより多額の資金供給がなされるものと想定していた また十分価値のある研究および設計の成果が出れば それがサブ プログラムの実現に必要な資金の予算外資金源からの誘致を拡大するし 資金誘致プロセスを早めるだろうとも想定していた 資金規模が小さく 必要な学術および設計上の支援も無いまま 企業は予算割当金を合理的に設備更新のために使うことができず この資金は主に日常の必要性のために浪費されてしまった 研究所における国家予算資金の使用は一定の肯定的効果を生んだ 特にFGUP アカデミー会員 A.N. クルィロフ名称中央研究所 では 投資 勘定項目で支出した資金で 航海 氷中 低水位プールの試験装置の改良工事を実施した この結果 プールで行える試験の種類や試験対象物のタイプ数が増え 試験結果の信憑性が向上し 結果の処理手続が改善した これにより 具体的船舶 掘削プラットフォームやターミナルの構成部材の試験が実施され 大陸棚のフィールド開発用生産プロセスおよび輸送総合設備の具体的設計が行われた これらの設備はその構成部分の試験なしに需要を喚起することができない 個別には シュトクマノフスコエ プロジェクトのFS プリラズロムノエ油田の設備とその輸送プロセス系統のFS ドラフトが準備され ヴァランディ Sea フィールド開発 ならびに メディン その他フ ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 69

73 第 4 章ィールドの設備と操業に関する技術 プロセス書類が作成され ヴァランディ積出ターミナル建設のFSが作成された しかしながら FCP 世界の海 の実施中サブ プログラムの全体的な削減の背景で 2006 年 5 月 27 日付ロシア連邦政府決定第 317 号により サブ プログラム 世界の海 北極 南極の鉱物資源 世界の海におけるロシアの輸送網 年の海洋石油ガス生産 北極大陸棚における炭化水素フィールドの開発のためのハイテク装置 機械 設備の開発 ( サブ プログラム 大陸棚 ) の実施完了が命じられた これらは1998 年 8 月 10 日付ロシア連邦政府決定第 919 号で承認された連邦目標プログラム 世界の海 の構成に入るものだった サブ プログラムの資金供給を停止した否定的結果として プログラムの目的が達成されず 大陸棚における石油ガスポテンシャル開発に費やした多くの時間 (4 年 ) が失われた (4) 北極 極東大陸棚開発プロジェクトにおける造船業の役割 ロシア連邦大陸棚の石油ガスポテンシャル調査および開発戦略 には大陸棚海域における海洋活動の5つの主要な方向が区分されている 海洋地質調査の最適化 ; 一貫したフィールド開発 その設備設置 インフラ整備 新技術 機械および機構の導入 ; 地質探鉱および操業過程でのエコロジー面での安全確保とそのテーマでの学術調査実施 ; 大陸棚所在地域の利益への配慮 ; 法律 規則基盤の改善による大陸棚開発問題での国策実行がその方向となる ロシアにおける1993 年 1 月 1 日時点での初期総埋蔵量評価では 北極海洋部が炭化水素初期総埋蔵量の85% を占め 極東海洋部が14% 内海が1% をやや上回る この際 バレンツ海 カラ海 ペチョラ湾の地下資源はロシア連邦のすべての海域における大陸棚で評価した炭化水素初期総埋蔵量の80% を超えている しかし北極海洋部の炭化水素初期総埋蔵量はまだ探鉱完了度が低く 石油については約 4% ガスについては8.7% に過ぎない ロシア大陸棚では合計 34のガス田 ガスコンデンセート田 油田が発見されている そのうち10フィールドはバレンツ海およびペチョラ湾の海域 8フィールドはカラ海の海域に存在する これらのうちガス埋蔵量が特に大きいものとしてシュトクマンスコエ ルサノフスコエ レニングラツコエが区分され 石油ではルドロフスコエ プリラズロムノエ ヴァランディ Sea メディン Sea それに他の石油コンデンセート田が区分される バレンツ海大陸棚で今後の地質探鉱に最も有望なのはフェルスマノフスカヤ デミドフスカヤ グシノゼメリスカヤの各構造 石油および遊離ガス予想埋蔵量の多くの部分はバレンツ海およびカラ海の氷結部分に集中している このように これらの海は北極海洋部全体の炭化水素可採総埋蔵量の80% 超を占め 内訳としては石油が76% ガスが82% を占める 2030 年までにわが国の石油生産全体の18% ガス生産では23% が大陸棚で実施されることになる 全露地質探鉱研究所の予測によれば 北極海洋部で2020 年までに生産される炭化水素の量は石油で 万トン ( 主にペチョラ海の埋蔵量による ) ガスで約 1500 億立米 ( バレンツ海およびカラ海の埋蔵量による ) となり 2006 年から2020 年までの採収炭化水素総量は石油 1 億 8000 万 -2 億 7500 万トン ガス8900 億立米と評価される そのためには今後 5-7 年間で海洋掘削リグおよび生産プラットフォームによる必要な業務の実施を確保せねばならない それらの操業条件を考えるとさまざまなタイプのこれら装置が 70 社団法人ロシア NIS 貿易会

74 ロシア造船業の現状と課題必要になる バレンツ海の東部 ペチョラ湾 カラ海は凍結するため それらの海域では1 年のうち2-3ヶ月が操業可能期間となる 炭化水素初期総埋蔵量の約 20% が10-50m 約 40% が 100mまでの深さに賦存し 約半分が深さ300m 以上にある これと関連して北極大陸棚で最も需要が高いのは昇降式耐水型フローティング掘削リグ 半潜水式フローティングプラットフォームとなる ソ連邦ではこれ迄にカスピ海およびベトナム大陸棚に合計 3 基のプラットフォームを建設した だが北極大陸棚の開発には今まで世界で実際に建設されたことがないようなプラットフォームが必要となる バレンツ海では2020 年までに17-19 基ほどのプラットフォーム カラ海では12-13 基が必要だ 極東地域については サハリン大陸棚の開発だけでも20-22 基の固定式プラットフォームが要求される 北極での操業には海洋耐氷石油生産プラットフォームが必要で その初号基がセヴェロドヴィンスクの北部機械製作企業で建造中だ このプラットフォームはペチョラ湾の プリラズロムノエ 油田で使用するものとして設計された 通年操業用で 総重量は90000トンを超える シュトクマンスコエ ガスコンデンセート田に使用するプラットフォームの開発業務も始まった 新世代のプラットフォーム2 基を開発せねばならないが これらは低温 高い波高 深さ500mまでという条件で操業される 建造は北部機械製作企業において 他の国内企業も参加して実施する予定となっている シュトクマンスコエ ガス田開発のFS 作業時に海洋機器中央設計機関 ルービン の専門家たちがテンションリグタイプの緊張係留式掘削プラットフォームを提案したが これには耐氷性確保に必要な構造上の対策が見込まれていた このタイプのプラットフォームは今後の設計のベースとすることができる これには掘削総合設備 一次処理用設備 居住および発電ブロックが搭載されている プラットフォームからのガス輸送は特殊パイプラインでムルマンスク地区まで行われる プラットフォームの構造設計書はこれをセヴェロドヴィンスクで建造する可能性を考えて作成された 主要設計指標は次の通り : 脚部の寸法 90x90x82m 上部構造物の重量約 40000トン 水深 320mまで 流氷厚さ1.5m 以下 一日のガス生産量約 1.3 億立米 ガスコンデンセート2000トン プラットフォームはモジュール構造となっており それにより特に各モジュールを工場で製作する可能性が開ける 工場で製作完了し 試験したプラットフォームを掘削現場に搬入すれば プラットフォームは厳しい北極の条件下で通年で井戸掘削 製品の生産と出荷を保証する プラットフォーム2-3 基をカラ海のドルギンスコエ フィールド用に建造する計画があるが ここでは賃貸された昇降式掘削リグによりすでに井戸が2 本掘られている ( 合計 7 本が必要 ) 残りの井戸は昇降式フローティング掘削リグ アルクチチェスカヤ により掘削する予定となっており そのリグの建造は ズヴョズドチカ 工場で行われている 海洋プラットフォーム構成部材およびその他大陸棚開発用設備の建造はOAO ヴィボルグ造船所 が行っている 極東では 海洋石油ガス田の開発をサハリン沖で外国企業が実施している ( サハリン1 と サハリン2 ) 従ってアムール造船所にはその基底部の建造のみが委託された この企業は 2002 年 5 月 23 日の国際入札で落札した結果 米国のExxon Neftegas Ltdと海洋石油生産プラットフォーム オルラン の設備更新および改造について契約を結んだ 工事はこの造船所の製造ベースで 韓国企業 Hyundai Heavy Inductries (HHI) と ハッチック 社 ( 米国 ) が参加して行われた 契約総額は1 億 4000 万米ドル このプラットフォームは サハリン1 プロジェクトの枠内でサハリン北東大陸棚のチャイウォ アルクトゥン ダギ オドプト石油ガス田の開発に ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 71

75 第 4 章使用される 最初の石油は2004 年 10 月に生産した プラットフォームは1983 年に建設され 1997 年まではボーフォート海で操業していた 海洋機器中央設計機関 ルービン の専門家たちは外国パートナーとともにサハリン大陸棚で油田を開発する掘削プラットフォームの概念設計の作成に参加している プラットフォーム モリクパック の改良によりピリトゥン アストフ田( サハリン2 プロジェクト 深さ約 35m) 開発の第 1 段階が首尾よく完了した後 第 2 段階について 基底支持体の構造仕様についていくつかのバリエーション ( 一体構造 多柱式バリエーション ) を検討し また設置方法 ( 重力着底 パイル ) や井戸の本数 (10-96 本 ) を検討した 多面的な検討の後に提案された設計は発注者の高い評価を得た アルクトゥン ダギ田 ( サハリン1 プロジェクト 深さ100m 超 ) 海洋耐氷プラットフォーム基底支持体の競争力のある設計が提案されている 設計は極東のロシア企業での建造を考えて行われている 極東の海洋石油ガス田はサハリンに限らない 炭化水素埋蔵量はカムチャッカ沿岸部やアナディリにも存在する これらの開発には15 基を超えるプラットフォームと多くの補給船団が必要となる これは技術的に複雑な船で 軍艦建造を専門とするロシア造船所に最も適している 大陸棚開発の別の側面は最終製品の搬出 ロシア大陸棚の厳しい気候条件下では砕氷クラスのタンカーが要求される ロシア企業の注文により サンクト ペテルブルクの アドミラルテイスキー 造船所がこのような船を建造しており その作業は順調に進んでいる ガス輸送方法の多様化のため (LNGおよびCNGタイプの) ガス運搬船 およびガスコンデンセート運搬船が必要だ ロシアの工場 特にヴィボルグ造船所はそのような注文に答えることができる バルト工場では原子力砕氷船 戦勝 50 年 の最終工事が終わり 新しい原子力砕氷船の建造が計画されている 2020 年までに新世代の原子力砕氷船 5 隻を建造する計画を立てているが そのうち1 隻は先導リーダー級で 4 隻は2 吃水線式 これらはデッドウェイト70000トン以上の船舶の先導を確保しなければならない バルト工場では生産プラットフォームおよび港湾用の砕氷船 2 隻が建設中となっている 72 社団法人ロシア NIS 貿易会

76 第 5 章 ロシア産業の諸様相と機械設備需要 ( 現地新聞 雑誌の論調から ) 1. ロシアの化学工業の現状 ヒムアグレガーティ ( 化学装置 ) 誌 2008 年 9 月号より ロシア化学企業同盟総裁ヴィクトル ペトロヴィチ イワノフ氏が 化学装置 誌記者と会談し 化学部門の展望について自身の見解を披露し 最重要問題を取り上げてその解決方法を模索した イワノフさん 貴方はロシアの産業構造のなかで化学や石油化学部門の今日の位置をどのように評価されますか? 化学工業はロシアの工業部門で基幹となるセグメントです これがうまく発展しなければ 全体として経済の長期で安定した発展はありえません 製造業の構成のなかで その生産高から 化学工業を構成する企業の比重は10.2% です この部門にはわが国工業部門の固定資産の5.4% 以上が集中しています 企業はロシア全体の外貨売上高の約 5.0% を稼いでいます 実際にすべての産業部門が化学工業製品の消費者です 輸送業 農業 それにサービス業 貿易 学術 文化と教育 国防産業などの産業です 2006 年の化学部門では自社生産の商品出荷および自力による業務提供量は実質価格で1 兆ルーブルを超えました (1 兆 412 億ルーブル ) 化学工業は経済的 国防上の意義だけでなく 社会的な意義を持っています この部門は82 万人を超える雇用を担っています 化学産業には約 1000 社の大手 中堅企業があり 学術 設計機関 試験 実験工場は100ほどあります では世界のなかでロシアの化学工業はどのような位置を占めるのですか? 生産ポテンシャルや科学技術から言えば ロシア企業は世界の化学製品の約 1.1% を生産できます 化学製品の総生産量では現在 世界で20 位 一人あたりの生産量では11 位です 化学工業は民営化が進んだ部門です 2007 年 1 月 1 日現在で 化学部門では稼働中の企業 7600 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 73

77 第 5 章社のうち87% が私的所有で 1.8% が国営 11.2% がその他の所有形態にあります そのため 第一段階 つまり 個人への生産施設の移行は 現在 完遂されたと見なすことができます 化学工業のほとんどすべてのセクターで シブール ホールディング ルクオイル ネフチェヒム タトネフチ フォスアグロ エヴロヒム アクロン アムテル などのような企業が設立されました これらはミネラル肥料の50% 超 ポリマー材料の約 40% 個別種類の合成ゴムの50から70% 普通乗用車用タイヤの83% トラック用 95% を生産しています (ZAO ルクオイル ネフチェヒム ZAO フォスアグロ-AG 鉱物 化学会社 エヴロヒム OAO アクロン OAO シブール ホールディング アムテル-フレデシュタインH.B. ) とはいえ ロシア化学工業の構造は先進諸国の現在の化学工業の構造からはまだ遠い所にあります 地方ごとの企業立地の分布は如何でしょう 何らかの偏在とか この点について問題があるとお考えですか 化学工業の企業はロシア連邦行政主体 89のうち71ですべての連邦管区に立地しています しかしそれでも原料地域 ( 西シベリア 東シベリア 極東 ) と主にわが国の欧州部にある処理加工中心地とでは開きがあります この部門が最も発展したのは4つの連邦管区 すなわち中央連邦管区 ( ロシア連邦化学工業の総生産量に対する管区の比重は24%) 南連邦管区(10.4%) 沿ヴォルガ連邦管区(43.5%) シベリア連邦管区 (11.2%) です 化学産業では生産の地域集中が広く進展しています 最大の化学工業拠点がタタルスタン共和国 バシコルトスタン共和国 アルタイ地方 沿海地方 トゥーラ チュメニ ヤロスラヴリ ニジェゴロド ヴォルゴグラード サマラ ペルミ ケメロヴォ イルクーツクの各州に形成されていて それがおおいにこれら地域の発展を促しました ロシアの化学工業が発展する重要な要因は企業の提携関係で この関係はすでに旧ソ連領土の範囲を超え ( 現在 合弁企業は中国 インド 東欧ですでに操業しているか または設立中 ) 競争力のある自らの長所を効率よく組み合わることで外国市場で発展のテンポを速めています 部門の発展動向をどう評価されますか? ロシアの化学工業はこの10 年間全体として良好なテンポで生産高を伸ばしています 1998 年のデフォルト直後にこの部門はほぼ1/4 増という空前の成長を記録しました これ以後の化学工業の成長動向は製造業全体の平均に近くなり 今もその状態が続いています 4-6% という年間生産高の伸び率は 基本的に輸出可能製品 ( 肥料 ゴム等 ) によるものです この伸び率に寄与度が高いのは天然ガスの価格で これは個々の種類の化学製品は世界市場で競争力を持つことができるということです しかし残念なことに ロシア化学工業の発展を可能にする良好な外的資源は現在までに事実上 枯渇してしまいました もっと具体的に言いますと 1998 年のわが国通過の切り下げは国産製品の価格競争力を急速に高めました まさに主要輸出商品の価格上昇が 年に現 74 社団法人ロシア NIS 貿易会

78 ロシア産業の諸様相と機械設備需要れた化学工業の成長加速の主原因だったわけです つまり この部門に特徴的だった成長は専ら市況の性格を持ち 質的な性格ではありませんでした さらに 以前から作用していた ロシア化学工業に否定的影響を与えるネガティヴ要因が深刻化しています どのような要因を貴方はネガティヴと見ておられるか もう少し詳細にご説明いただきたいのですが まず最初に もはや古くなって 最近の経済発展の傾向に適応しない化学工業の生産構造を指摘する必要があります ソ連崩壊後 ロシアはミネラル肥料 合成ゴム 石油化学製品の製造について余剰生産設備を継承しました 経済危機の時期 ロシア国内でこれら化学品の消費が急速に落ち込みました この条件下で多くのロシア製造業者にとって唯一の生き残りの道となったのは 国外市場への輸出です 現在 部門企業の総売上高のほぼ半分が輸出によって形成されています 個別セクターでこの指標値は80% を超えます ( カリウムおよびリン肥料 カプロラクタム キシレン等 ) 化学工業の今後の発展は一連の原因により抑制されています すなわち科学技術開発の水準が不十分で その成果が工業部門に導入されていること ; 技術の後進性と生産する製品の競争力の低さ ; 外国市場や国内市場での競争激化 ; 自然独占製品の価格 料金の不均衡 ; 設備の物理的磨耗や陳腐化が高い段階まで進んでいること 投資資金不足 ; 化学や石油化学製品の80% までが炭化水素原料をベースに生産されるにもかかわらず 部門はその原料 ( 天然ガスおよび液化ガス ) の不安定な供給しか受けていない その他一連の要因です イワノフさん 最近プロの世界では 一般的なグロスの指標値で部門の状況はそれほど悪くはないけれど 製品品目の削減が起こると言われていますが つまり私たちは国産技術を失い ある種の化学 石油化学製品の製造が中止されるのですか? 実際にそうです 特に懸念されるのはいくつかの種類のポリマー材料 ( ポリアミド ポリ炭酸エステル ) 特殊用途のゴム 接着剤 シール剤などです 現代の航空機器 ロケット 宇宙工学機器 原子力産業で使用されている構造用耐熱 耐エロージョン複合材の製造に欠かせないあらゆる炭素材料の製造企業も閉鎖の危機に瀕しています 小ロット生産企業の42% は極限状況にあります これには炭素繊維 ホウ素繊維 シリコンカーバイド繊維 ; 耐熱有機ガラス ; 耐熱有機ケイ素および元素有機オリゴマー ; 担体 ピグメント アンチピリン等を含みます 武器 軍事および特殊機器用の材料生産分野の状況は国益保護のための決断を必要としています 化学工業と関連するエコロジー状況も満足できません 最新レベルのエコ的安全の確保にはかなりのコストが必要です このように 化学工業の状況は最重要の社会 経済問題の解決や重要な国家プロジェクトの実現を困難にしています 伝統的なロシア的質問ですが 何をすべきか? です どうすれば状況を改善できるのでしょうか ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 75

79 第 5 章時間がありません ロシア産の炭化水素を処理して 西側企業は私たちにどのような商品でも納入しています それではロシアの企業は何をすればいいのか 現在 2015 年までの化学および石油化学工業の発展戦略 が作成 承認されました この文書は本質的にネガティヴ要因の排除に向けた行動のベクトルを示している と私は感じますし また次のような野心的呼びかけをしています : もし今われわれがこの石油やガス価格の高騰を利用せず 石油精製や化学工業を近代化しなければ この原料の価格が低迷したときに わが国の企業は輸入品との熾烈な競争のなかで生き残ることはできない それはすなわち他の産業部門も輸入依存の状態に陥れることになる この戦略は2015 年までの時期に適用され ビジネス界と国の利益を調整する現実的可能性を与えています 効果的な発展方向の選択もリスク軽減も可能にします 何よりも発展方向の決定でのミスと関連するリスクを軽減させるのです 戦略は全体としてどのような内容ですか そこに書かれた計画や課題に従って化学工業の将来展望を予測していただけませんか? 全体として化学工業で行う革新活動を 操作の動作数が少ない 廃棄物が無い 初期原料の処理度が高いという特徴のある新水準の工程の開発と導入に集中すべきです 予定されているプロセス交替の目的は わが部門が社会の経済的 エコロジー的 福祉的需要に応える安定発展のコンセプトに移行することです 実際にすべての化学産業関連部門で 産業規模での新技術開発および導入が実施されること また物理 化学 生物学の最新の成果を統合する新しい部門間技術としてナノ化学の発展を想定しています 企業利益の再投資が追加的に伸びたことで 自社生産の商品出荷および自力による業務提供量の増大加速が予測され 原料および燃料 エネルギー資源消費率の低減により 製品 ( 商品 業務 サービス ) 生産および販売コストの削減が予測されます 年の期間に化学工業の企業について 財政 経済状態の本質的な改善も期待されます 化学工業において 製品 ( 商品 業務 サービス ) の販売利益は実質価格で2015 年までに2005 年比で9.6 倍 2010 年比で3.5 倍に増え 1 兆 962 億ルーブルに達します 製品 ( 商品 業務 サービス ) 生産の収益性は化学工業において2005 年の15.0% から2010 年には22.3% 2015 年には52.7% まで上昇します 製品 ( 商品 業務 サービス )1ルーブルあたりのコストは化学工業において2010 年に81.8 コペイカ (2005 年比で94.1%) 2015 年には65.5コペイカ (2010 年比で80.1%) となります 戦略の目的を実施するのに重要な前提となるのは 独自にまたは国の支援の下に競争力のある化学製品の生産を行う能力のある大規模な会社組織の存在 それに大企業との相互連携で行動する中小企業の広範なネットワークの存在です 今日までに大規模な会社組織が設立され 十分安定的に機能しています 2005 年のデータによれば 化学部門の大手 100 社が部門全体の販売製品の66.5% 販売利益の90% を占めています 実際に化学部門は伝統的にビッグ ビジネスの砦といったイメージができています しかしD.A. メドベージェフ大統領は最近 個別の経済課題の有効な解決手段として中小企業の意義を一度ならず 76 社団法人ロシア NIS 貿易会

80 ロシア産業の諸様相と機械設備需要強調しています アウトソーシング企業 中小規模の専門企業などは 巨大企業に 力が分散してしまうことを防ぐ 可能性を与えますし その意味で市場のニッチを埋める最適のバリエーションです このような中小規模の企業が高い機動性をもって狭い専門分野に特化することで 本質的な節約 より品質の高い結果が得られます イワノフさん 中小企業や個人事業は化学 石油化学でどのような位置にありますか? 中小企業には自分の役割があります 化学工業にとって特に切実なことは 大規模で統合された学術 生産組織の形成です というのは これが炭化水素原料の生産および処理から最重要種類製品の生産および販売まで 一貫した技術的連結の優位性を最も完璧に実現するからです 大規模な化学企業とならんで 化学産業では中小ビジネスがうまく機能し 発展しています 2005 年に化学工業では中小 5100 社が活動していました ゴムおよびプラスチック製品セクターでは5300 社です 化学工業の中小企業で月平均就業者数は74800 人 ゴムおよびプラスチック製品セクターでは83000 人です 化学工業中小企業の取引高は2005 年に575 億ルーブル ゴムおよびプラスチック製品セクターでは591 億ルーブルとなりました 2015 年までの中小企業ネットワークの拡大は その機動性および新しいアイデアを実行に移す能力により 日用化学品 塗料 ポリマー製品 その他製品の商品品目を改善し それらの品質や外観 ( 包装 ) を改善することになるでしょう これがひいては新しい雇用を創設し 課税対象基盤を拡大し 高品質で消費者の需要を得るような国産製品の生産へとつながっていくでしょう 専門家はペレストロイカの時期に部門の研究基盤や設計基盤が弱体化したことを認めています 継承性が失われ 専門に特化した研究所が閉鎖したということです 貴方はこの分野での部門の将来性について どのように評価されますか? 学術研究および技術基盤は決して枯渇したわけではありません 化学部門の生き残った学術セクターは 戦略 の実現に貢献する用意ができています 2006 年の状況で 化学および石油化学工業の学術研究ポテンシャルは53の部門研究機関で構成され それは24のFGUP( 連邦国営単一企業 ) と29の株式会社を含みます 化学および石油化学分野の研究開発はロシア連邦科学アカデミーの専門特化研究所および大学の講座機構 大規模な垂直統合組織の学術部門や個別企業の中央工場ラボが行っています 今ある困難にもかかわらず 一連の研究集団は自らの分野で 化学工業発展の現実的方向に沿って 世界的業績の水準を確保しつつ 企業に対して革新的な開発成果を提案する能力があります またその研究成果の実現は部門の一連の方法で状況を根本的に変化させ 各企業を主要国のレベルに近づけることができるものです 約 400 件の革新 投資プロジェクトを調査した結果 その半分以上 (57%) がロシア連邦の特許で保護されており 何件かは主要国のパテントを取っています プロジェクトの53% は新技術の開発に向けられており 36% は本質的に新しい化学製品の開発 11% は新しい設備の開発に向けたものです ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 77

81 第 5 章 2015 年には 戦略 実現のどのような具体的結果を期待できそうでしょうか? 化学工業にとって重要性が高く 確実な発展要因は独自の炭化水素および鉱物原料基盤です 部門発展の 戦略 を実現することで 最重要な種類の製品 高品質で社会志向的な製品の生産量を拡大し 化学品および新材料に対してますます拡大しつつある国内需要を満たし 製品品目を拡大 ( 複合材 混合物 ポリマー基材系の合金 複合ミネラル肥料 化学ファイバーおよびヤーンの品目を20-25% 拡大 ) する可能性が開けます 製品輸出量を2005 年比で2010 年には28.3% 2015 年には37 2% 拡大できます 知識集約型の高付加価値製品の割合を拡大し 化学工業の部門構成および業種構成に原料生産の比重を削減する方向に沿った質的変化を実現させることができます 2015 年に自動車タイヤ生産量の伸びは2005 年比で155.7% となり 合成ゴムおよびラテックスは175.9% プラスチックおよび合成樹脂は268.9% 工業用プラスチック製品および部品は194.9% 文化 日用製品および家庭用製品は205.9% 熱可塑性樹脂シートは396.7% ポリマーフィルムは237.4% ポリマー容器および梱包材は174.9% 熱可塑性樹脂製のパイプおよび配管部品は445.7% ガラス繊維およびその製品は214.9% となります 世界水準に相当する技術の比重を30 50% まで伸ばし 資源節約型技術で生産する工業製品の量を20-25% 拡大できます 技術規定に従ってエコロジー的安全の要求事項を満たすことができます 目的達成のための客観的前提は整っています あとは立法および運営管理上の判断がこれを可能にするように期待しています 輸出割合 知識集約型製品 世界水準技術の割合を増やすのは 部門の設備全体に根本的な変革が無ければ不可能です おそらく このように野心的な計画の実現は 化学設備製作分野で ブレークスルー があって初めて可能なのではないでしょうか? その通りです 部門全体で設備の磨耗度は限界レベルに達しています 生産の技術 エコロジー 経済水準の後進性が増大しています 他方で 世界市場では新しい 化学政策 が進められています 欧州はRECH 規制の制定により自らの化学関連法を厳格化しています 残念ながら 1000を超える国際規格のうち ロシアで国家規格として導入したのは半分に足りません これは早急の前進措置を必要としています この状況でロシア工業部門が国際規格に合致するかどうかの問題 わが国製品の競争力の問題が深刻に浮かびあがっています このように 十分リーゾナブルな価格で高品質を保証するという通常の要求に加え 最新の設備は最新の技術を保証し 環境基準 安全および労働安全の基準を遵守するものでなければなりません さらに今日 市場の条件は化学工業の企業幹部に次のような課題を鋭く突きつけています 1. 生産する製品のコスト低減 2. 納入および在庫管理 3. 開発期間および新製品上市までの期間の短縮 4. 効率が良く 経済的に根拠のある価格形成システムの構築 5. 設備修理およびメンテナンス費の削減 6. マーケティング費の効率評価 78 社団法人ロシア NIS 貿易会

82 ロシア産業の諸様相と機械設備需要 7. 企業内の距離的に離れた構成部門間での連携および情報交換確保これらの課題は 製品生産や企業経営のプロセスにハイテク技術 特に情報管理システムを導入せずには解決できません 設備の修理費 メンテナンス費の削減というのは個別に検討すべきテーマです これが化学工業の企業にとって切実なことは 固定資産の修理 メンテナンス費が一連の企業で製品原価の50% を超えてしまっているからです また老朽化して 完全に減価償却が済んだような設備の計画外修理は消費者への製品納期の遅れにもつながります 従って さまざまな指標値の測定に基づいて修理作業計画を作成し メンテナンス作業表を修正し 生産計画と設備予防保全計画を同期化するようなソフトの必要性は明白です イワノフさん この機会を利用して最も切実な質問をさせていただきます われわれの読者 つまり設備メーカーが最も関心を寄せる質問です どのような新しい生産設備の導入が計画されていますか そしてどの地域ですか 秘密をあかしてください 戦略 ではどの化学および石油化学企業でグローバルな設備更新が実施されるのでしょうか? 戦略 の優先方向のひとつはポリマー生産の発展です スタヴロポリ地方ブジョノフスク市でポリエチレン60 万トン ポリプロピレン30 万トン能力のポリマー総合設備の建設が予定されており ニージュニィ ノヴゴロド市ではPVC30 万トンの総合設備 トムスク市ではポリエチレン38 万トン能力の装置の建設が予定されている と指摘させていただきます またタタルスタンではOAO ニジュネカムスクネフチェヒム OAO カザンオルグシンテズ バシュコルトスタンではOAO サラヴァトネフテオルグシンテズ OAO ポリエフ の各企業でポリマー材料の生産が拡大されます 2. 倉庫関連設備の需要 金属と価格 誌 2008 年第 20 号より 倉庫設備市場は 近年急激な成長状況にあった 国内では物流センターと倉庫施設が積極的に建設され 倉庫の内部設備 機械に対する需要も常に増大してきたのだが... 階層重量についてロシアに現在ある倉庫は いくつかのグループに分けられる そのうちの一つは国内や外国の大手物流業者のターミナルである これは 倉庫設備市場のうちでも最も発展しているセグメントであり 主に使用されているのは Aクラスの倉庫である このグループに属する倉庫はまだ少ないため 国内の投資企業だけでなく 外国の大手デベロッパーの関心をもロシア倉庫設備市場に向けさせることになっている 次のグループは これも委託保管と物流サービスを共に提供する準大手のターミナルである 現在 倉庫市場を代表しているのは 商社と製造業者用の倉庫である このセグメントでは 倉庫用の保管棚 すなわちラックを製造するメーカーと これを使用する立場のユーザーが多数活動している 各企業の倉庫ヤードは 用途に応じて何種類かに分けられる 資機材倉庫 製造工程倉庫お ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 79

83 第 5 章よび完成製品倉庫である それぞれの倉庫にとって重要なことは 保管システムの実体となるラックを目的にあわせて正しく選ぶことである 倉庫に保管される製品の重量 寸法 品目と その保管の条件や期間に応じて ラックの構造と規模は様々である ラックの選択基準として重要なもののひとつは 最大許容重量である 階層ごとの許容重量のレベルに応じて ラックは次の3クラスに分けられている 軽量ラック-1 階層に50~75kgまでの貨物が保管可能なラック 中量ラック-1 階層に500~700kgまでの貨物が保管可能なラック 重量ラック-1 階層に4500kgまでの貨物が保管可能なラック 倉庫建設のテンポを決めるのはデベロッパーと建設業者近年倉庫の建設は かなりのテンポで発展してきた 新型の物流コンプレクス = 物流センターが導入される一方 旧型倉庫の近代化も進んでいる 今のところ 旧型倉庫面積の60パーセントが再建されたと専門家が指摘している 再建された旧型倉庫の約 20パーセントはCクラス 40パーセントはそれ以下のクラスの倉庫となっている 顕著な市場動向の一つとして 倉庫建設の現場が都市中心部から地方へ地域移転する傾向が見られる この状況は 大都市に物流センターを建設しようとする MLP Eurasia Raven Mount PLSなど大規模なマーケットプレーヤー企業の計画によって生じている 2007 年 ロシアの各地域を合わせると Aおよび Bの2クラスの近代的倉庫群は10 件以上稼動していると評価されているが 2008 年には モスクワ市とモスクワ州に限っても 更に140 万平方メートルが倉庫面積に加わることになると見られている また 各地にネットワークを有するチェーンデベロッパーは 質の高い倉庫を地方に多数開設する予定である もちろん 倉庫市場は 多くの点で土地の取引と市場の発展に依存している 倉庫市場の需要は今後も維持されるので ラック市場も継続して発展するものと予想されている この予測は 統計データによっても裏付けられている 現在ロシアでは住民 1000 人あたりの倉庫面積は約 300 平方メートルであるが ヨーロッパではこの指標は420 平方メートルである 物流サービス市場の専門家は 今後 住民に対する倉庫面積はヨーロッパの水準に達するだろうと予測している つまり 2007 年にはロシアの倉庫総面積は3860 万平方メートルであったと評価されているが 2008 年にこの指標は4230 万平方メートルになり 2010 年には倉庫面積開設の拡大テンポが年に400 万平方メートル以上となり 倉庫総面積は4660 万平方メートルに達するだろう ロジスティクス市場が最も盛んなのはモスクワ市とモスクワ州であり デベロッパーと物流企業の活動水準が最も高いため 質の高い倉庫に対する需要も非常に高く 供給の2 倍以上である サンクトペテルブルグ カザン ニジニノヴゴロド サマラ エカテリンブルグ ノヴォシビルスクなどの地方の大都市では倉庫不動産市場はモスクワ地方より3~5 年遅れているものの 大きな可能性を秘めている その他のロシアの地方では 専門家が指摘するように 倉庫不動産市場はまだ成長段階にあり 開発業者はその開発に従事する準備がまだできていない ラックメーカー現在倉庫用のラック市場には多くの企業が存在するが おおむね次の3タイプに分けられる 80 社団法人ロシア NIS 貿易会

84 ロシア産業の諸様相と機械設備需要 ラックのメインフレームとビーム ( 梁材 ) を共に製造している企業 製造設備が高価で多大な投資を必要とするため このグループに含まれる企業は少数である 専門家の評価によると ロシア市場で現在このグループの企業は DiKom Nedcon Maxstro, Sklad-Interior などを含む8 社ほどであるが 今後 5 年で12~15 社に増加する可能性がある ビームは自社で製造するが メインフレームは専門業者から購入している企業 Sherver, ТМТ-Group, LTS "Medvedj" などがある メインフレームもビームも ともに上記の2つのカテゴリーの製造業者から購入している企業 専門家の指摘によれば 倉庫用ラックの大手メーカーは モスクワ州とサンクトペテルブルグに集中している 上記の企業の他にラックのメーカーをあげると 大手では Polymetall, Contour C, Miloranなどがある 各社はそれぞれ独自の フォーマット で活動しているため 特定の製品とサービスに特化している ロシアの倉庫市場にラック類を供給している外国企業の中でトップと考えられているのは SSI Schafer, Construtor Group, Dexion, Polipalである 専門家によれば ラックメーカーを選定するにあたって 考慮すべき点がいくつかあるとのことである 西側メーカーのラックは高品質であるが 高価である また 製造した後 ロシア国内に配送するため ロシア企業よりも納期が長い ロシアのメーカーの価格は魅力的ではあるが 製品の品質は外国製品に比べてかなり劣ることがある さらに 高層構造として用いられるA+クラスの倉庫においては 安全性が特に重要な問題となることに注目する必要がある このセグメントの製品設計 製造 据付には特に厳しい基準が必要とされるため このクラスの設備の製造業者選定にあたっては 価格は二次的な要素でしかない その他 専門家が指摘するように 業者選定にあたっては 据付作業の品質と納期にも注目する必要がある ラックの製造に使用されている製造設備には国産のものもあり 輸入のものもある 国産の圧延設備でも十分に高品質のラックを製造することは可能である旨専門家は指摘しているが 棚板にローラーを組み込んだ 重力流ラック Gravity Flow Rackなどはロシアではほとんど製造されていない ラック市場 : 評価と予測倉庫用ラックに対する需要の規模と構造を規定する主な要因は もちろん倉庫建設の規模とその動向である 多数の倉庫および物流コンプレクスが稼動を開始しつつあることになっていることと関連して 近年 毎年大規模の国産ラックメーカーが新規参入しており これがロシアと外国のラックメーカー間の競争を激化させているものと専門家は見ている 専門家の評価では 2007 年の倉庫棚市場の規模は約 100 億ルーブルであり しかもここ3 年市場は平均 20パーセント成長している この部門の発展は続くだろうと専門家は考えている とりわけ 今年の8 月にロシア連邦政府が公表した計画によると 年のロジスティクス発展のために 1 兆 5000 億ルーブル以上もの額が連邦予算から拠出される予定である その中には 道路建設 インフラ 水路 空港路の修理が含まれている ただし 全般的に不利な経済状況が原因で 開発業者は 今日 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 81

85 第 5 章 ロジスティクス システムの発展を評価することにずいぶんと慎重になっているため プロジ ェクトの中には 凍結されたり 中止されるものもでてくるだろう 買うべきか それとも待つべきか? 倉庫用機械 設備市場のプレーヤーたちがこのマーケットの現状について語っているが 今回は 倉庫機械社 ( サンクトペテルブルク )PR 部長アンドレイ ゾトフ氏をお招きし 更に有限会社 Cartrrade 社( モスクワ ) マーケティング部長サンヴェル サアキャン氏にも参加していただき 対談を行った 倉庫設備市場では 2008 年当初と比較して変わったことは何ですか? サアキャン : 設備の価格が平均 5パーセント上昇しています この数字は8 月も含んでいます ゾトフ : 2008 年当初には 需要の伸びによる価格上昇が想定されていましたが 現在状況は変り 販売は落ちています 今日設備や機械を購入しているのは 主に 倉庫建設が既に80~90パーセントに達している企業 いったん開始した事業をぜひにでも完成させなければならない企業 あるいは既に事業に資金をつけることができた企業のみです 新規事業の開始は 今のところ中止されています 静観したり 他の投資方法を検討したりしているのです - 年末までに価格の変化にはどのような動向がみられるでしょうか? サアキャン : 年末までに設備の価格は5~7パーセント上昇すると見ています ゾトフ : 現在価格は安定しており 当分値上がりはないでしょう 年の市場の発展に対する予測をお願いします ゾトフ : 2009 年には販売の伸びはないと見ています 現在の経済状況では 買いたい人は買うし 考える人は待つ ということです 需要は 中古機械に移るかもしれませんし リースに移るかもしれません 貨物量が減少するため 倉庫事業はあまり活発には行われないと思います - 設備市場での競争は厳しいのですか? 市場に新規参入者は現れますか? 市場における輸入設備のシェアはどれくらいですか? サアキャン : 市場での競争は厳しいものがありますが 新規参入者はないでしょう ゾトフ : 倉庫用の機械設備部門では輸入が明らかに優勢です 今後もそれは変らないでしょう ラック部門では輸入はあまり優勢ではありません しかも 高さ5~6 メートルクラスのラックについては輸入品と国産品がほぼ拮抗しています 6 メートル以上のラックになると外国製品が明らかに優勢です なぜなのでしょうか? それは 価格と質 の釣り合いと関係があるように思います 問題は ロシアの高層型ラック市場は形成から間もないので 国内企業がこの部門に注目しだしたのは最近です 買う側の企業は 品質の保証された製品を買いたいと考えます 中層や高層のラックの場合には特にそうです 一方 同程度の品質ならば安い製品を探します だから需要は 価格と階層数によります 倉庫機械 設備部門での競争は大変厳しいものがあります この市場で活動している企業の数は 2003~2006 年に比べると何倍も増加しています その中には地方企業や全国チェーン企業もあり 金属取引業者もこの部門に関心を抱いています 82 社団法人ロシア NIS 貿易会

86 ロシア産業の諸様相と機械設備需要 -1 年間で倉庫設備に対する需要はどのように増加しましたか? 高度技術を用いた倉庫設備にはどの程度需要があるとおもわれますか? サアキャン : 今年需要は30~40パーセント伸びました 国内では主に 倉庫システム 建設資材 食品 包装を扱っている企業などが購入しました ゾトフ : ラック市場は伸びています 今年も様々な物流センターがオープンしましたし 倉庫の収容力が増加し 企業の製品品目が増えました これは 倉庫設備市場をも前進させたのです ロシアでは高度技術を利用した最新の倉庫設備の需要は まだはっきりとした形にはなっていません もちろん 自動化倉庫やロボット化倉庫システムの導入に経験のある企業もあります しかし これは高くつきますし ロシアの状況では効果的な措置ではありません ロシアで高度技術設備を導入することは 人材の点でも機械の点でもまだ準備ができていないのです - 近い将来の 御社の製造 販売戦略はどういったものですか? その理由もお願いします ゾトフ : 危機的状況の中で重要なことは 販売量を維持することです そのために私たちは発送の期間を短縮し クライアントに価格的にも取引的にも付加価値を提供するよう努めています 倉庫用機械(TDC) 社 は 今後も市場に新製品を投入し続けるつもりですし ショールーム 倉庫 機械 設備など そのために必要なものはすべて持っています 価格に関しては 一ケタ台のパーセントの値下げのところで競争がおこるでしょう 価格以外でも競争は行われ 常連のクライアントを引き止めるために 製品の支払いに関して リースなど様々な優遇措置を提供することになると思います 3. ロシアのベアリング工業には投資が必要 金属と価格 誌 2008 年第 19 号 厳しさを増す国外からの売り込みに ロシア実業界がどれだけ持ちこたえられるか 一連のロシア国内産業部門の将来は 多くの点でこのことにかかっている ベアリング製造部門の将来もその例にもれない 世界のトップメーカー 今日 ベアリングの世界市場規模は約 300 億ドルである この市場は以下のような数社の大 手メーカーによって支配されている : SKF 22% ( スウェーデン ) INA-FAG 17% ( ドイツ ) Timken 16% ( 米国 ) NSK 13% ( 日本 ) NTN 12% ( 日本 ) ちなみに ロシアのベアリングメーカーが世界市場に占める割合は全社を合わせても約 2% である ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 83

87 第 5 章ベアリング市場は事実上 地球の全地域に及んでいる そのため ベアリングメーカー各社はローカルマーケットで競うのではなく 日の当る場所を求めて世界的な規模で闘うことになる 世界のベアリングのトップメーカーのうち 上記の上位 5 社は 2003 年以来生産量を着実に伸ばしている これら5 社は2003 年に世界市場の70% を占めていたが 2005 年には80% を占めるにいたった これらの会社の工場や営業部門で働く人々の数は 1 万 5 千人 (NTN) から6 万人 (INA-FAG) を数える ちなみに ロシアの最大手メーカーであるEBC (European Bearing Corporation 欧州ベアリング株式会社 ) 系列企業は 今日 約 1 万 2 千人の従業員を抱えている ロシアのベアリング生産会社ロシア連邦統計局 ロシア連邦産業貿易省およびベアリングメーカー各社のデーターによれば ロシア ベアリング市場の2007 年第 4 四半期におけるマーケットシェアは以下のとおりである : 欧州ベアリング株式会社 (EBC)- 44% EBCの傘下には以下の企業が入る : モスクワ ベアリング ( 第 1 国立ベアリング工場 GPZ-1 ) ヴォルガ ベアリング工場 ( 第 15 国立ベアリング工場 GPZ-15 ) 航空機ベアリング工場( 第 4 国立ベアリング工場 GPZ-4 から分離) 航空機ベアリング モスクワ工場( 第 1 国立ベアリング工場 GPZ-1 から分離) サラトフ ベアリング工場( 第 3 国立ベアリング工場 GPZ-3 ) ステプノゴルスク ベアリング工場 ( 第 16 国立ベアリング工場 GPZ-16 ); サマラ ベアリング工場グループ SPZ-group - 10% サマラ ベアリング工場グループには以下の企業が入る : GPZ-9 およびGPZ-4の一部; ヴォログダ ベアリング工場 (GPZ-23)- 7%; ロストフ ベアリング工場 (GPZ-10)- 6%; クルスク ベアリング工場 (GPZ-20)- 2%; 計器ベアリング工場 - 0.8%; トムスク 国立ベアリング工場 (GPZ-5) - 0.5%; GPZ-2-0.5%; プロコピエフスク 限定生産ベアリング工場 - 0.1%; このように ロシアメーカー全社のロシア市場における合計シェアは約 70% である 金属加工機 道路建設機械の各メーカー ベアリング修理会社を含む その他の製造企業の占める割合は市場の約 14% である 海賊版 すまわち偽ブランド品 密輸品および不正輸入品が約 10% を占め 純正な輸入品は5% である ロシア経済におけるベアリング生産部門の役割はきわめて大きい 現在 この部門では約 7 万人が雇用されている この部門の輸出製品は毎年約 1 億 1 千万ドルであり しかも 輸出先にはドイツ フィンランド 米国などの先進国も含まれる そればかりか ロシアのベアリング製造業は 加工度の高い製品を生産する産業部門の一つであるとともに 国防産業にとっても重要なサプライヤーである ロシアの生産業に導入される輸入設備が増えたため 現在 ロシア国内における高品質ベア 84 社団法人ロシア NIS 貿易会

88 ロシア産業の諸様相と機械設備需要リングの需要は伸びている しかし ロシアのベアリングメーカーの自己生産力がすでに不足おり 現在の需要全体を満たすことができない 古い生産設備の40% はフル操業しておらず 現代的設備は過剰操業という状況の中で 少なくともユーザーからの需要の50% が未充足となっている それゆえ 顧客は輸入製品に切り替えざるを得ない状況にある ダンピングと商戦がベアリング部門にとって問題各社の統計資料と情報を分析してみると ロシアのベアリング生産部門が 海外から とくに中国の生産者から巨大な圧力を受けていることが分かる 中国の各メーカーは ロシア市場に安価ではあるが必ずしも品質が良いとはいえない製品を納入することによって ロシアのメーカーを市場から締め出しつつある 2004 年から2005 年までの期間のロシア経済において ダンピング輸入がベアリング生産部門におよぼした影響を分析してみると 14.2% のベアリング需要の減少が見られるなかで ロシア連邦国内市場におけるロシア国産ベアリングの生産量および販売量はその需要減少を上回るテンポで減少していることが分かる すなわち 2004 年に比べ2005 年には ベアリング生産量は23.7% 減少し 国内市場における販売量は17.9% 減少している ロシア国内市場におけるロシア国産ベアリングの比重は73.8% から70.7% まで減少した 原価上昇テンポがロシア国産ベアリングの出荷価格の上昇テンポを上回っていることは 各企業がベアリング出荷価格を抑えていることを物語っている ロシアにおけるベアリングの全需要量に占めるロシア製商品の割合は 2002 年か2005 年までに13.4% 減少しているが 中国製ベアリングの割合は 0.5% から7.9% へと7.4% だけ増加している 2007 年のデーターによれば この数字はすでに13% にまで達している 今後の商戦の成り行きは ロシアのベアリング生産会社にとって深刻な問題を引き起こすことになるかもしれない このような結果を避けるために ロシア政府は自国メーカーを保護するための対応策を適時に講じなければならない ロシアの国産メーカーにとっても 西側の外国メーカーにとっても ひときわ大きな悩みの種は中国である ここで問題なのは 中国の数十を数える合法的なベアリングメーカーというよりは むしろ偽ブランド品や低品質の製品を全世界にばら撒いている数千もの もぐり業者 である ロシアのベアリング生産部門は 今のところ 世界のトップメーカーやや中国のメーカーの影響から保護されていない状態にある 世界のトップメーカーは 先進的なテクノロジーによって達成された品質の高さで ロシアの顧客を自分たちのほうへ乗り替えさせようとしている これらのメーカーは自社製品の販売促進とロシア市場の開発のために巨額の資金を投入している 他方 中国のメーカーは低価格でロシア市場を席巻しようとしている 中国製品はロシア製に比べ平均 56% 安い 中国製ベアリングは ロシアの工場や先進的な海外メーカーの製品と見紛う偽ブランドをつけてロシア国内に持ち込まれている 成功への道世界市場におけるロシアのベアリングメーカーの商戦について語るとき 海外のメーカーは ロシアよりもずっと以前に同様な問題に向き合い 市場獲得に頭を悩ませた 深い経験をすでに持ち合わせているということを忘れてはならない トップメーカーの動向を分析してみると 特殊で複雑な顧客のニーズ ( 製品バラエティ 納期 品質 ) への対応 技術的な優位 生産費削 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 85

89 第 5 章減をもたらす規模の効果こそが ベアリング生産部門を成功へ導く重要ファクターであることが裏づけられる たとえば ベアリング製品生産上位 5 社の 生産拡大および研究 開発活動に対する投資額は ロシアの全工場の総投資額と比べても比較にならないほどに大きい Timken 社の毎年の資本投資は2 億 2 千 8 百万ドルに達し そのうち研究 開発費が8 千 3 百万ドルであるが ロシアの各メーカーは この部門の発展のための資本投資に5 千万 研究 活動に5 百万ドルを支出しているにすぎない この事実によって ロシアのベアリング生産部門に対する本格的な投資が必要とされていることだけでなく 競争力を高めるための資金投入は市場活動に参加する大手企業にとってのみ可能であることが裏づけられる しかしながら ベアリング生産部門がハイテク部門であり 現時点ではロシアのメーカーの全てが海外各企業に比べてテクノロジーおよび研究 開発活動の面で著しい遅れをとっていることを考慮するならば 生産活動を世界的レベルまで引き揚げるための資金としては 自己資金だけでは足りないことは明らかである それゆえ 必要とされる投資は ロシアのベアリングメーカー各社の資金力を上回る 本格的なものでなくてはならない ロシアにも大手メーカーが必要ロシアの経済全体の課題 戦略的な課題を世界市場においても実現できるベアリング生産部門の活性化を成功させるためには 強力な 市場プレーヤー が不可欠であることはいうまでもない 大手メーカーこそが 規模の効果によって高品質を維持するための経費を削減することができ このことによって価格の面で中国のメーカーに太刀打ちできるばかりでなく 品質の面でも海外トップメーカーと競合できるからである 大手メーカーのみがこの部門の発展に十分な資金を投入することができ ロシアの戦略的課題を実現し 高水準のテクノロジー 高品質な製品および競争力ある価格によってロシアと世界の市場において海外のメーカーとの商戦を有利に展開することができる 大手メーカーはまた より有利な条件のもとで発展するための財源をより多く誘致することができ 安定度 透明度が高く 最良のサプライヤー 納税者 雇用者であり 高品質 納期厳守 製品の多様性といったユーザーの要求に応えることができる 有名ブランドに遅れをとるなベアリング生産部門の現状 製品に対する需要および発展の見通しについて ロシア ベアリング市場の大物プレーヤーである各社の代表者から意見をきく 今回 私たちの質問に答えてくれたのは 欧州ベアリング商事会社のアンドレィ オクニコフ営業部長である 2008 年初めと比べ価格にはどの程度の変化がみられますか? 金属価格の値上がりのなかでベアリングの価格変化にはどのような傾向が見られますか? ほんの2 年前 金属のベアリング原価に占める割合は35% を下回っていたのですが 現在 この数字は平均して50% となっていることを忘れてはなりません さまざまな商品一覧表によ 86 社団法人ロシア NIS 貿易会

90 ロシア産業の諸様相と機械設備需要れば 年初めからベアリング価格は それに含まれる金属の割合と加工の複雑さに従って15% から50% 値上がりしています ベアリング価格の値上がりは金属の価格の値上がりに比例しますが 年初に値上がりしたベアリング用鋼材の価格は現在も下がっていません ロシア製のベアリング用鋼材に関して言えば 一般に その価格は世界的レベルにあります そして 外国製の代替ベアリング用鋼材もあり その価格はロシア製のものとほぼ同じで 品質ではロシア製を上回っています そのようなわけで 現在 EBC( 欧州ベアリング株式会社 ) は外国からベアリング用鋼材を買い付ける案を検討中です 傾向としては 金属価格の値上がりが止まるとともに ベアリング価格の値上がりも止まるといえます 現在 EBCは自社製品価格を年末まで据え置くことにしています この部門の商戦は激しいですか? 市場に新たな参入者が現れますか? 輸入率はどれくらいになりますか? 主だった生産会社間の商戦が激しいものであるとは言えません しかし 私たちは大量の偽ブランド品に直面しています それは主に中国製で ロシアやヨーロッパの有名ブランドがつけられています そして 正規の生産者は ほかならぬそれらの偽ブランド品との競争を強いられているのです オリジナルのベアリング製品に関していえば 市場ではむしろ不足しています 新たな市場参入者に関しては 正規の新しい会社が最近 市場に参入した例は見られませんが おなじみの偽ブランド品を売る多数の 幽霊会社 が現れては消えています しかし 世界的トップメーカーは ロシアの市場に以前から存在していました INA/FAG SKF BRENCOのような大企業は 販売量の拡大 自己の生産エリアの建設または合弁企業の設立をとおして自己のプロジェクトを展開しています アメリカのBRENCO 社などは 欧州ベアリング株式会社とともに合弁企業を設立しました 御社の製品の主な買い手はどんな部門ですか? 製品を買い付ける部門間の割合にこの一年で変化がありましたか? 需要と供給の伸び具合はどのようなものですか? ハイテク製品へのニーズはどれくらいありますか? 私たちは 事実上 全ての産業部門と取引関係にあります 鉄道輸送業 冶金工業 自動車 農業機械製作業 エネルギー部門 軍産複合体 航空機 船舶製作業 機械 工作機製作業 石油ガス採掘業 鉱業などです 今年は 自動車部門と冶金工業用のベアリングの需要が増えました 鉄道分野は 需要が絶えず伸びており 以前と同じように ベアリングの主要なユーザーです 今年は 自動車部門用のテーパー ベアリングの需要が著しく伸びました これまでこの種のベアリングの生産に携わってきた諸社が著しく生産を縮小したからです ヴォログダとミンスクのベアリング工場が テーパー ベアリングによる赤字が原因で その生産を縮小しました サマラ ベアリング工場グループ (SPZ-group) は 会社の発展計画を変更しました そして今日では もっぱらEBCとルーツク ベアリング工場 (SKFに所属) のみが コンベヤー式自動車工場へ テーパーもの を供給する役割を一手に引き受けています 今日 ハイテク製品へのニーズがとくに高いのは 工作機械製作業界です 多くの工業系企 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 87

91 第 5 章業で保有設備機器の老朽化が著しく 交換 設備更新 もしくは単なる修理を必要としています 工作機械製作企業 設備更新会社ばかりでなく 設備を稼動させている企業からもそのような製品の発注が増えています たとえば 2007 年にはそのようなベアリング製品に対する需要は35% 増加し 2008 年の前半期では 前年同期に比べ30% の伸びを示しています 2008 年後半と 2009 年の市場 ( 価格 需要 供給 ) の予測は立ちますか? ロシアと世界の経済がどうなるのか分からない現状で 何らかの予測を行なうことはきわめて困難です 今年 (2008 年 ) の第 3 四半期までに生じた需要の未充足分は (2008 年 ) 年末までに満たされるでしょう 今日の経済危機とそれに先立つ状況の中で金属価格が高騰したため ロシアの企業を含めて多くの企業が生産量を抑えているからです 鉄道用製品についても 未充足需要が残っているので 需要はあるでしょう 公開株式会社 «ロシア鉄道» の車両近代化計画に照らしてみると 需要は 伝統的な種類の製品についても 将来性のある軸箱用ベアリングについても もっぱら伸びています 近い将来 御社は ( 営業面 生産面で ) どのような方向へ向かっていくのでしょうか そしてその理由は? 現在 弊社にとって最重要課題は 高品質製品の生産に向けて工場再編を実施することです 弊社の高品質製品はスペックの面で 世界的有名ブランドに引けをとってはなりません 高品質製品の生産レベルを新たなものにすることによって 輸出を増やすことができます ( 今日 輸出は出荷総数の10% を下回っています ) この方向での初期成果はすでに出ています 2008 年 2 月 欧州ベアリング株式会社 (EBC) は 自動車コンツェルンDaimlerChrysler 社の公認サプライヤーの地位を取得しました これに先立ち ヴォルガ ベアリング工場では 発注者の要請にしたがって大規模な生産再編と全生産工程の改編が実施されました DC BPW その他の会社への納入増加計画もあり 新たなユーザーの獲得へ向けての努力もなされています そのほか 弊社の製品に対するヴォルガ自動車工場の需要も増えています 近い将来 ヴォルガ自動車工場製の車の販売量増加が見込まれるからです EBCはまた サービス業務だけでなく 構成部品の納入についてもアウトソーシングに期待をかけています これは ロシアのベアリング業界では類を見ないビジネス モデルといえます EBCの目標は ロシアに生産基地をもつグローバル カンパニーになることです そのためには大規模な投資が必要となりますが 会社は世界市場を先導する諸社と肩を並べることができ 先進国市場および ( インド 中国 ブラジルなどの ) 発展途上国市場で商戦を展開することができます 4. コンプレッサー産業 現在は輸入品が優勢 プロムィシレンヌィ ヴェースニク 誌 2008 年 9 月号より ロシアにおける輸入エアコンプレッサに対する需要は高止まり ロシア マーケットにおける輸入品の占有率は70-75% に上る 現在ロシアにおいてエアコンプレッサを製造している主な工場は10 社ほどである このうち 88 社団法人ロシア NIS 貿易会

92 ロシア産業の諸様相と機械設備需要のひとつに株式会社 ASO( トヴェーリ州ベージェツク市 ) がある この工場は 業界で初めて 売れる コンプレッサーをシリーズで製造 販売することに成功した企業である これらの製品は主としてピストン型コンプレッサで 吐出量は比較的小さく ( m3/ 分 ) 電動機駆動である 設置の方式については固定式と移動式があり 最高運転圧力は7-16 気圧である アルセナール ( サンクトペテルブルグ ) は電動機または内燃機関駆動の移動式コンプレッサを製造しており その吐出量は m3 / 分である これ以外のメーカーの製品はそれほど売れていない その原因の第一は既往に安住しようとしていることとしか言いようがない マーケットが輸入品に偏っているのは その高品質が一番の理由であるが それ以外にも同じ程度根拠の在る原因がある それは ロシアの国内メーカーはユーザーが必要とする性能範囲をカバーできないからである この分野の技術進歩ははるかに先を行っており 国産メーカーは西欧のメーカーと競争する力がない 何が重要か最も印象的なメーカーは この分野の世界的なリーダーのうちの一社 広く知られたスウェーデンのコンツェルンのアトラスコプコである この会社は 工業用から中間用途 民生用途まで あらゆる種類のコンプレッサを製造 販売している 特に評判の良いコンプレッサはスクリュー型オイル潤滑式のコンプレッサである その理由の第一は 吐出空気量の可変範囲が大きいことである ( 電動機式のものは0.3-85m3 / 分 圧力 4-20 気圧 ディーゼルエンジン式のものは それぞれ2-65m3 / 分 4-30 気圧 ) 第二の理由は エネルギー効率が良く メンテナンス間隔が長いことである ( 最大 8000 時間 ) なかでもドライブの回転数を変えられるコンプレッサーの需要がますます大きくなっている この利点は電力消費量を30-35% 抑えることができることである オイルレス コンプレッサも抜かすことはできない アトラスコプコは 品質認証 ISO クラス ゼロを世界に先駆けて取得した企業である クラス ゼロとは 吐出エアへのオイル混入がまったくないということであり これは 食品産業 化学工業 石油化学工業 半導体や電子装置製造 医療などで特に重要である ロシアではイタリア製のコンプレッサが広く見られる ABAC Fini Fiacなどの製品がもっともポピュラーである ただし これらはたいていが吐出空気量の小さいコンプレッサである いずれにしろ 例えばFIACの販売量についてみれば 昨年だけでも15% も増加している その理由としては 国内メーカーが競合するクラスとは異なる製品を品揃えに持っていること 値段が高くないこと さらにロシア国内にほぼ常時在庫を有していることが挙げられる ところで 値段といえば これこそが 国内メーカーのあるものにとっては 将来の競争に勝ち残るための有効な武器である 西側のメーカーは近代的テクノロジーの習得を望まないもののために この最後に残った藁蘂にも火をつけている エコマク ( トルコ 米国 ) のスクリュー型コンプレッサは SULLAIR( 米国 ) の高品質とトルコの低賃金組立労働が合体した好例である ここでは品質をほとんど落とさずに コストが40-50% 引き下げられている CIS 諸国かつてソ連邦構成共和国であった国々のうちの何カ国かで製造される製品も 今日では国境外で製造されているわけだから輸入品である ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 89

93 第 5 章例えば リトアニアの株式会社 SAMは 塗装 仕上げ工程などに使われる空気圧システムやエア動力工具に圧縮空気を供給する目的に使用される 吐出空気量の小さな (0.5m3/ 分 ) 移動式ピストン型コンプレッサをロシア市場に出している ポルタワ市の株式会社 PTMZ( ウクライナ ) は 主に移動式のディーゼルエンジン駆動のコンプレッサを製造しているが いまだに需要がある さて ベラルーシのレメザ工場の製品は 本当の話 一条の光線のように際立っている存在である このメーカーは イタリアとドイツから購入した部品を組立てたピストン型とスクリュー型のコンプレッサを幅広く取り揃えている 製品の出来はどれも西側の同等品に少しも引けを取らず にもかかわらず 俗に言う うれしい安さ を実現している 近年 スクリュー型のコンプレッサの需要が急伸している 運転とメンテナンスが容易で 丈夫かつエネルギー消費が少ないからである レメザ工場は ヨーロッパの品質 信頼性規格に全面的に適合したスクリュー型コンプレッサのラインナップを揃えており そのおかげでロシアにおける販売量を40%. 伸ばした さらに (EUを含む)15カ国にコンプレッサを輸出している 5. 溶接機器市場 : 需要 供給そして展望 プロムィシレンヌィ ヴェースニク 誌 2008 年 9 月号より 今日 工業先進諸国の国内総生産の半分以上が 溶接およびこれに類似した製造技術によって生み出されている 圧延鋼材は全世界の消費量の75% までが溶接構造物 建造物の生産に向けられている それゆえにこそ 既存の溶接技術がますます盛んに用いられると共に 新たな溶接技術が導入されており 溶接機器および溶接消費材市場に対する需要は大きい さまざまな傾向溶接機器と溶接業務サービスの世界市場は 市場調査会社 Frost & Sullivanの専門家の評価によれば 2020 年ころには400 億ドルにまで伸び そのうちの70% は溶接材料 30% が溶接機器によって占められるとのことである 市場分析によれば ほとんど全ての種類の溶接機器が増産傾向を示している 個々の企業に関していえば 今日 この市場セグメントをリードしているのは Messer Grisheim Kuka JGM Dalex ( 以上ドイツ ) Fronius( オーストリア ) Esab( スウェーデン ) Kemppi ( フィンランド ) などの企業であることは明らかである ここ数年のうちに レーザービーム溶接機器の生産は著しく増加するものと見込まれている 気体放電レーザーや通常の固体レーザーをはるかに凌ぐ効率の高さを利点とする強力なダイオードレーザーを溶接用として有効利用できるようになり 大きな展望が開かれたからである この機器の市場は今日でもすでに 毎年 9% の割合で拡大している レーザービーム溶接機器の需要が絶えず伸びていることは ひとえに この機器によって種々さまざまの材料を加工することができ 自動化ラインやフレキシブル生産システムへの組み込みが簡単で便利であることによる レーザー機器のより急速な普及を依然として妨げている要因は 導入コストが高いこと レーザーによる生産技術上の可能性と生産工程上のメリットについて十分な知識をユーザーが有していないこと およびレーザー溶接機の使用資格をもつ溶接技術者が不足している 90 社団法人ロシア NIS 貿易会

94 ロシア産業の諸様相と機械設備需要こと などである 電子ビーム溶接の利用も 厚さ200~300 mmの金属を1 回のパスで溶接できるという独自性ゆえに 広がりを見せるであろうことは言うまでもない この種の溶接法は近年 幾分伸び悩みを見せてはいるが 多くの場合において 依然としてもっとも合理的な接合方法であることに変わりはない この溶接方法に対して自動車メーカーおよび航空宇宙機メーカー側からの関心があいかわらず高いことは 電子ビーム溶接が引き続き発展していくだろうという楽天的予測が十分成り立つ根拠となっている このほか 専門家も語るように 局所真空中で電子ビーム溶接を行なえば 溶接製品の寸法を著しく大きくすることができるが このことも電子ビーム溶接のもう一つの利点となるだろう 抵抗溶接用機器の展望は きわめて明るい この機器は今日すでに市場において普及率第 2 位を堅持しており 年平均の生産増加率は4.5% に及ぶ この溶接機器の主要なユーザーである自動車産業が安定して発展していること ほかの溶接方法と比べ 生産工程の生産技術そのものの経済性が高いこと および溶接作業コストが低いことが この市場セグメントの今後の拡大を促す要因となっている ところで 市場において支配的地位を占めているのは 言うまでもなくアーク溶接用の機器である アーク溶接機器の生産量は今後とも増え続けると考えられるが 被覆溶接棒を用いた手作業によるアーク溶接用機の割合の削減に際してフラックス入りおよびフラックスなしの溶接ワイヤによる溶接機が用いられることがその主要因となるであろう 今のところ 意図された市場再分割が現在の販売規模に著しく反映されているとはいえない しかしながら 生産量ではなく 別の世界的な指標である 溶接時の溶着金属質量を判断基準とするならば 手作業による溶接が今後削減されることはいっそう明らかとなるだろう ウクライナ国立パトン溶接研究所の長年にわたる観測結果によれば 工業先進諸国においては 手作業によるアーク溶接の溶着金属の割合は わずか20 年間で事実上 3 分の1に下がり 現在 20~30% となっている アーク溶接の長所と短所を考慮するならば 近い将来 手作業によるアーク溶接の ( 溶着金属量にもとづく ) 利用率は 工業国においては15~25% のレベルに落ち着くと考えられる根拠が十分にあるが 全体としては 主として先進諸国が要因となって 利用率の低下が見られることになるだろう 自動化に対するニーズこの10 年の間にロシアにおける溶接を用いた生産活動においては 全世界同様 半自動溶接技術がより広く用いられるようになった ガスシールド溶接は多種多様性を特徴とし 圧倒的多数の金属や合金のために たとえば低合金鋼 ステンレス鋼 アルミニウムとその合金 銅 チタンなどのために用いられる 今日 機械製作企業および金属加工企業 たとえば 公開株式会社 " ウラルマシ " 公開株式会社" 鉄道機械製作ウラル工場 " 非公開株式会社" クルガンスタリモスト " 生産公団" ウラルマシザヴォード " その他多くの企業においては 重要な建設物の大半が 機械送りの 溶極式電極によるガスシールドアーク溶接法によって製作されている このような溶接法は70 年も前に知られていたが まさに今日 もっとも積極的に生産に導入されつつある これは 何よりもまず 近代的生産技術工程における自動化の発展によるものである そして 今や半自動溶接の地位は インバータ電源 監視制御プログラムセット コンピュータ接続用追加オプション等を備えた高知能複合機である これら全ては製造作業への ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 91

95 第 5 章調整を簡素化するためのものである このような条件下においては 溶接工はもっぱら溶接工程そのものに全神経を集中する 現代的生産活動において使用される溶接機器は ほんの10 年前に生産された溶接機器と比べてさえも著しく異なる たとえば 溶接用電源の内側を見てみると 回路基板からなる複雑な構造を呈しており それはむしろコンピュータに似ている そこには ハイテクモデルのコンピュータに用いられるCPUなどのコンピュータソフトの構成要素が内蔵されている このような機器構成が必要とされるのは 溶接機はたんに溶接パラメータを制御するだけでなく 実際には 溶接棒融解 溶滴形成および溶滴の溶融池への移行などのプロセスをも管理できるものでなければならないからである このような逐次的動作は短時間内において何回も (1 秒間に 100 回まで ) 繰り返される 高価なインバータ装置を使用することによって 労働の生産性を高め 最終製品における溶接継目の不良率を下げるという重要な目標を追求できるようになる インバータ半自動溶接機生産におけるトップメーカーとしては EWM( ドイツ ) Kemppi ( フィンランド ) Lincoln Electric( 合衆国 ) などの企業の名をあげることができる わがロシアのメーカーについても言及したいところであるが 市場のニーズを満たすだけの数量の半自動溶接機を大量生産することに特化した企業は 今のところロシアには存在しない このようなタイプの装置は比較的小規模の会社 国防企業や軍需工場で生産されているが そのような企業においては 溶接機器が主要製品であるとはいえない 92 社団法人ロシア NIS 貿易会

96 第 6 章 危機に直面するウクライナ産業 鉄鋼業と化学工業を中心に ロシア NIS 経済研究所次長服部倫卓 はじめに ウクライナは2007 年の時点で世界第 8 位の鉄鋼生産国であり なおかつ世界第 3 位の鉄鋼輸出国である そして 2000 年代に入ってから ウクライナ経済はその鉄鋼業を原動力として 目を見張る成長を続けてきた ところが ここに来て異変が起きている 2008 年秋 ウクライナの鉄鋼業は大幅な減産に見舞われた ドル箱の鉄鋼業の不振は 当然のことながら ウクライナ国家全体を揺るがしかねない大問題である 現に 国際通貨基金 (IMF) は11 月にウクライナに対する164 億ドルの緊急融資を決定しており この国の窮状を象徴する出来事となった 本稿では 世界金融 経済危機の打撃を受けているウクライナの産業につき 鉄鋼業と化学工業を中心に 報告する 1. 経済 産業の全般的状況 表 1に 経済危機が頭をもたげ始めた2008 年夏から直近までのウクライナの主要経済指標をまとめた 各指標が 2008 年の年末にかけて月を追うごとに悪化し 2009 年に入っても改善されていないことが見て取れるであろう 図 1では ウクライナの主要鉱工業製品をピックアップして 2007 年 1 月から2009 年 3 月までに各月の生産量がどのように推移してきたかをまとめた (2009 年 3 月の数字は予測値 ) 全体として言えることは やはり最大の基幹産業である鉄鋼業の落ち込みが先行し その他のセクターはそれに続くような形で減産に陥りつつあるということである ただ 11 月頃になると鉄鋼関連の指標の下落幅は横這いとなり むしろ自動車の不振が際立ってきた感がある 当然のことながら 表 1に見るように ( 図 1には該当品目がないが ) 食品や軽工業といった生活必需品を生産する部門は 落ち込みがそれほど劇的でない もうひとつ 下落幅が比較的小さいのが 石炭 天然ガスなどのエネルギー資源の採掘である これは 操業上の特質に加え 国内に常に需要があり なおかつ国営企業が担っている部分が小さくないからであろう ただし 石炭に関して言えば 発電用の一般炭の生産が安定しているのに比べ 鉄鋼業向けの原料炭は厳しい状況にある ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 93

97 第 6 章 表 1 ウクライナの主要経済指標 2008 年 2009 年 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 国内総生産 ( 前年同期比増減率 %) 鉱工業生産 ( 前年同月比増減率 %) 鉱業 エネルギー資源 エネルギー資源以外 製造業 食品 飲料 タバコ 軽工業 コークス 石油製品 化学工業 冶金 完成金属製品 機械 輸出総額 (100 万ドル ) 7,617 6,724 6,705 5,674 3,723 4,061 2,440 2,694 輸入総額 (100 万ドル ) 8,823 8,157 8,415 7,584 5,269 4,779 2,042 3,799 消費者物価 ( 前月比上昇率 %)* 卸売物価 ( 前月比上昇率 %)* 為替レート ( 月末 1 ドル当たりグリブナ ) ( 注 )* はデフレを意味する ( 出所 ) ウクライナ統計国家委員会 図 1 ウクライナの主要鉱工業品目の月別生産量の推移 (2007 年 1 月 ~2009 年 3 月 ) 6,000 石炭 (1,000t) 5,000 4,000 3,000 2,000 1, 社団法人ロシア NIS 貿易会

98 危機に直面するウクライナ産業 8,000 非焼結鉄鉱石 選鉱 (1,000t) 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1, ,500 コークス 半成コークス (1,000t) 2,000 1,500 1, ,400 石油精製 (1,000t) 1,200 1, 窒素肥料 (1,000t) ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 95

99 第 6 章 3,500 銑鉄 (1,000t) 3,000 2,500 2,000 1,500 1, ,500 粗鋼 (1,000t) 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1, ,500 完成鋼材 (1,000t) 2,000 1,500 1, 鋼管 (1,000t) 社団法人ロシア NIS 貿易会

100 危機に直面するウクライナ産業 乗用車 (1,000 台 ) ,200 バス ( 台 ) 1, 図 年 10 月の主要国の粗鋼生産 フランス 16.1 カナダ 9.5 韓国スペインインドブラジル 日本 -7.7 ドイツ メキシコイタリア台湾米国中国トルコ ロシア ウクライナ ( 前年同月比増減率 %) ( 出所 ) 世界鉄鋼協会 ( をもとに作成 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 97

101 第 6 章 図 3 鉄鋼の月平均輸出価格の推移 (CIS 産 黒海 バルト海諸港 FOB 1t 当たりドル ) 1,300 1,200 1,100 1, 年 2007 年 2008 年 インゴット鉄筋銑鉄 ( 出所 ) をもとに作成 2. ウクライナ鉄鋼業の危機 壊滅的な減産ここに衝撃的な数字がある 世界鉄鋼協会が発表した 2008 年 10 月の主要国による粗鋼生産量のデータだ ( 図 2) 世界の主要鉄鋼生産国のなかで ウクライナの減産率だけが飛び抜けて大きいのだ 2008 年 10 月のウクライナの粗鋼生産量は 前年同月比 48.7% もの減少であった つまりは 今般の世界経済危機が鉄鋼セクターにも及ぶなかで その最大の被害国となっているのが 他ならぬウクライナということになる 2008 年通年のウクライナの鉄鋼生産量も 銑鉄 :3,100 万 t( 前年比 13.2% 減 ) 粗鋼:3,790 万 t( 同 13.3% 減 ) 完成鋼材:2,050 万 t( 同 16.3% 減 ) 鋼管:253 万 t( 同 9.6% 減 ) と 軒並み前年割れとなった 上半期が 絶好調 であったにもかかわらず これだけ低調な数字になるということは いかに下半期の状況が壊滅的であったかをうかがわせる 2008 年前半の時点ではほぼフル稼働に近かった各ミルで 生産休止の動きが広がった 年末までには ウクライナにある高炉 43 基のうち 半数程度が休止する事態となった ウクライナ鉄鋼業の構造的な問題さて それではウクライナの鉄鋼業はなぜこれほどまでに急激な落ち込みに見舞われているのか 以下では主に 現地の2つのレポート ウクライナからの視点 : 鉄のバブルははじけたのか? と ウクライナの鉄鋼業: 危機か それとも一時的な落ち込みか? に依拠しながら この問題を考えてみたい その際に押さえておかなければならないのは 鉄鋼の国際価格の推移である ウクライナの主な輸出品目の価格の推移を 図 3にまとめた むろん 中国特需 世界的な資源高などを受け 過去数年 鉄鋼の価格が上昇基調にあった 98 社団法人ロシア NIS 貿易会

102 危機に直面するウクライナ産業ことは事実である しかし 2008 年に入ってからの急騰振りは 異常なものであった 夏までには主要鋼材の価格が1t 当たり1,000ドル超という 歴史的な高値に達した この時期 鉄鉱石 コークス 天然ガスなど ウクライナの鉄鋼メーカーが使用する原燃料の価格も同じように急騰していた しかし アジア 中東を中心に需要がきわめて旺盛だったため 各社はコストの上昇を容易に価格に転嫁することができた 投機資金も絡み トレーダーが商品を買い占める動きすら生じた これにより 2008 年夏までに 鉄鋼製品が歴史的な高値を記録したのである 価格が高騰するなかで 世界の そしてウクライナの鉄鋼メーカーの大半は スポット契約で仕事をしていた スポット契約は 毎週のように価格が上昇していくなかでは 大幅な増収を可能とする ウクライナ鉄鋼各社の2008 年上半期の売上および純益は軒並み 前年同期比 1.5 ~2 倍に達した しかし このような異常な状況が長続きするはずはない 夏を過ぎる頃には 市場の潮目が変わり 今度は販売減と価格下落の負の連鎖が始まる その最大の要因となったのは 言うまでもなく 米国のサブプライムローン問題に端を発する世界的な金融危機と不況である ただ それ以外にも ウクライナの鉄鋼セクターにとっては以下のような要因が このタイミングでの減産の原因になったと指摘されている イスラム諸国が9 月 1 日からラマダンに入ったこと 北京オリンピックの閉幕で需要が一服したこと 7~9 月は需要減退期なので その時期に各社が一部設備の改修に入ったこと 生産コストがより低いロシア 中国の鉄鋼メーカーがウクライナ市場での競争力を高め ウクライナ メーカーを圧迫していること ( とくに ロシアからの輸入が顕著に増加 ) ウクライナ国内の鉄道輸送料金の度重なる値上げ 通貨グリブナの変動 付加価値税還付処理の遅れ ウクライナ内政の混迷の影響 上掲の諸要因には ウクライナ固有の問題もあるが 世界共通の問題も見られる にもかかわらず ウクライナがひときわ大きなダメージを受けるのはなぜか 管見によれば 2つの原因が考えられる 第 1に ウクライナ鉄鋼業は輸出依存度がきわめて高いことである ウクライナで生産された鋼材のうち 約 7~8 割が輸出に向けられていると言われている したがって 国際市況の乱高下に翻弄される度合いは 他国よりも大きいはずだ 第 2に ウクライナの輸出は半製品が中心で 付加価値の低い構造となっていることである スポットで半製品を輸出するというビジネスは 景気の良い時はいいが いったん市況が悪化すると 脆弱性を露呈するということではないかと思われる こうした次第で 2008 年 8~9 月に金属トレーダーの倉庫は 5~7 月頃に超高値で買った金属で満杯になっていた 反動により 9 月になって生産が一気に落ち込んだ ウクライナ メーカーの7 月の平均稼働率が94% だったのに対し 9 月末には63% に 10 月中旬には50~ 55% に落ち込んだ しかも 秋以降は利益率が事実上ゼロとなっている 図 3に見るように 6~7 月をピークに その後ウクライナの鉄鋼輸出価格は一気に下落し 現時点ではピーク時の3 分の1 程度の水準にすぎない 2 年ほど前の水準に戻っただけという見方もできなくはないが いったんバブルを経験したあとだけに厳しい調整となるし この間 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 99

103 第 6 章 ( とくにウクライナ企業にとっては ) 生産コストが急上昇していることも考慮しなければならない ちなみに ウクライナ国内での販売価格は ここまで大きく落ちてはいないが 国内市場はそもそも狭隘である 参考までに ウクライナ鉄鋼業の技術的 品質的後進性を物語るデータを 2つ紹介しておこう 図 4は 日本 ロシア ウクライナという3 国の鉄鋼生産の製鋼方法を比較したものである ( 日本とロシアは2006 年 ウクライナは2007 年 ) にわかには信じがたいことであるが ウクライナではいまだに前時代の遺物である平炉が幅を利かせている また 日本 ロシア ウクライナは実は世界 3 大鉄鋼輸出国なのだが 図 5はその3 国の鉄鋼輸出構造の違いを示している ( 各国通関統計にもとづいて作成 日本は2007 年 ロシアとウクライナは2006 年 ) ウクライナが銑鉄 半製品等の付加価値の低い商品に特化していることが見て取れるであろう 図 4 製法別粗鋼生産 ( 構成比 %) 100% % 電炉転炉平炉 % 0.0 日本 ロシア ウクライナ 30,000 図 5 世界 3 大鉄鋼輸出国の輸出構造比較 ( 第 72 類の輸出 単位は 100 万ドル ) 3,908 5,145 ステンレス鋼 20,000 10, ,475 12,718 4, ,663 ステンレス以外の合金鋼フラットロール製品 棒 形鋼 線 1,050 5,933 10,025 2,135 5,630 銑鉄 フェロアロイ くず鉄 半製品 0 日本ロシアウクライナ 100 社団法人ロシア NIS 貿易会

104 危機に直面するウクライナ産業危機打開策壊滅的な減産 操業停止は 多くの問題を引き起こす 近代化計画の凍結 投資コストの増大 国際市場 国内市場 ( 輸入の増大により ) での競争の激化 生産の原価割れ ウクライナ鉄鋼業の国際競争力喪失 社会 環境対策支出の削減 解雇 賃金削減 鉱石 石炭をはじめとする他部門への危機の波及 等々である 鉄鋼産業が苦境に陥ったことを受け 2008 年 10 月 6 日にウクライナの鉱山 鉄鋼関連の労組 業界団体 企業 産業政策省 経済省 ドニエプロペトロフスク市およびドネツク市の代表者が大会を開催した 大会は ユーシチェンコ大統領 ティモシェンコ首相 国会議員宛てのアピールを採択して閉幕した アピールの内容は 概略以下のとおり 110 月 1 日から年末までは 鉄道輸送料金および燃料 エネルギー料金の引き上げを凍結する 2 天然ガス料金への割増を廃止する 3 年末までに 天然ガスおよび電力の付加価値税をゼロにする 410 月 1 日から2009 年 3 月 31 日まで 未完成建設および完成品在庫への課税を停止する 5 環境汚染課徴金の分配を見直し 70% を企業に残して当該目的に使用する 6 ウ 鉄鉱石生産者の価格政策を 世界市場での価格形成方式にリンクさせる 当初 ティモシェンコ内閣の対応は鈍く 鉄道輸送料金の10% 引き下げに同意し 省エネ設備輸入に対する優遇策を導入した程度だった ようやく 11 月 10 日に政府と鉱山 冶金部門のオーナー 経営者たちが 相互協力に関するメモランダムに調印した その骨子は まず政府側は 鉱山 冶金企業に優遇融資を提供し ( 国際金融機関から調達する融資の一部を回すという ) 付加価値税の還付手続きを迅速化する ティモシェンコ首相は鉱山 冶金企業向けの天然ガス価格を 輸入原価 + 輸送費と同等にすることも約束した それと引き換えに 企業側は労働者の雇用や社会保障水準を守ることなどを約束した ただ その後もぎくしゃくした動きが続き 政府と鉄鋼業界が一体になって危機に対処しているという雰囲気は見て取れなかった たとえば 政府による価格規制を強めるという方向性については 企業側から反発の声が挙がっている 11 月下旬にはティモシェンコ首相が 鉄鋼メーカーが天然ガスの消費量を減らしてコークスのそれを増やすというコミットをしたにもかかわらず それを履行していないとして 企業側を批判する場面もあった 結局 メモランダムに盛り込まれた鉄鋼業支援策を具体化するための立法が 2008 年中には成立しなかったため メモランダムの条項は現時点でほとんど実行されていない模様である 他方 鉄鋼メーカー側が メモランダムに反し 2009 年に鋼材の国内販売価格を引き上げようとしているという観測もあり これが現実になれば政府との関係がさらに険悪化するという指摘もある ウクライナの鉄鋼業界関係者は 価格が再び上向き それに伴って増産に転じるのは 早くて2009 年の夏から秋にかけてと見ている ただ 危機はあと2~5 年続くという さらに悲観的な見方もある 生産の低迷が長期化すれば 当然のことながら 各社による近代化プログラム向けの投資は削減されざるをえない 2008 年危機以前は アルチェフスク冶金コンビナートが2010 年までに 20 億ドルを投資 メトインヴェストがアゾフスターリ エナキエヴォ冶金工場 その他の企業に75 億ドルを投資 ザポロジスターリは2006~2012 年に10 億ドルの投資 といったプロジェクトが知られていた しかし 融資の条件が悪化したことで 各社は見直しを急いでいる 今後は 設備投資をするとしても これまで表明していた生産能力の拡張ではなく 現状維持のためということになるのかもしれない ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 101

105 第 6 章実際 その後 投資縮小の動きはさらに広がっていった ウクライナ最大の鉄鋼メーカーであるアルセロールミタル クリヴォイログは クリヴォイログ酸化鉱石採鉱 選鉱コンビナートの民営化への参加 黒海沿岸での港湾の建設 一連のマンガン鉱石鉱床の開発を共同で進めるべく 2008 年 6 月にドンバス工業連合とコンソーシアムを結成していた しかし 市況の急変を受け 計画の凍結を2008 年暮れに発表している 多くのウクライナの鉄鋼メーカーは 2009 年の生産計画すら立てられない状況にあるという ウクルプロムヴネシエクスペルチーザ という機関の予測によれば ウクライナの粗鋼生産は 2008 年の3,700 万 t 強から 2009 年には3,100 万 ~3,300 万 tレベルに低下するとされている これに対し イリイッチ記念マリウポリ冶金コンビナートのボイコ社長は 10~20% といった減産予測は甘すぎると指摘している 2009 年のウクライナの粗鋼生産は 2008 年に比べて少なくとも25~30% 低下するというのが 同社長の予測である 危機が長引くようだと 体力の弱いウクライナの鉄鋼メーカーは 世界の大手資本による M&Aの対象になる可能性もある その際に 企業価値が高いのは 垂直統合 を実現している企業 つまり自前の鉄鉱石 石炭 コークスの生産基盤をもつ鉄鋼メーカーである それに対し 資源基盤のないメーカーは 不利な条件での身売りとなるかもしれない 表 2~4に ウクライナのメーカー別の鉄鋼生産量の推移を示すことにする なお メーカー別の生産量は インターファクス鉱山金属レポート の各号で報じられた数字をまとめたもので 一部は概数 速報値 または算出値となっている 表 2 ウクライナの企業別の銑鉄生産量 (1,000t) 前年 =100 シェア % ウクライナ全体 29,459 30,978 30,746 32,929 35,650 30, アルセロールミタル クリヴォイログ 6,034 6,334 6,154 6,801 7,208 5, アゾフスターリ 4,389 4,794 4,947 5,064 5,443 4, イリイッチ記念マリウポリ冶金コンビナート 4,971 5,170 5,238 5,433 5,429 4, アルチェフスク冶金コンビナート 2,638 2,895 2,924 2,962 3,318 3, ザポロジスターリ 3,250 3,355 3,542 3,535 3,564 3, ジェルジンスキー冶金コンビナート 2,891 3,038 2,879 3,212 3,450 3, エナキエヴォ冶金工場 2,058 3,284 1,946 2,201 2,449 2, マケエフカ冶金コンビナート ,295 1,844 1, ペトロフスキー記念冶金工場 1,317 1,144 1,493 1,467 1,574 1, ドネツク冶金工場 1,112 1, , 社団法人ロシア NIS 貿易会

106 表 3 ウクライナの企業別の粗鋼生産量 危機に直面するウクライナ産業 (1,000t) 前年 シェア =100 % ウクライナ全体 37,533 39,391 39,276 41,552 43,646 37, アルセロールミタル クリヴォイログ 7,077 7,130 6,955 7,575 8,103 6, イリイッチ記念マリウポリ冶金コンビナート 6,460 6,900 6,950 6,984 6,954 5, アゾフスターリ 5,340 5,740 5,910 6,012 6,329 5, アルチェフスク冶金コンビナート 3,490 3,770 3,720 3,715 3,948 4, ザポロジスターリ 4,350 4,450 4,380 4,400 4,459 3, ジェルジンスキー冶金コンビナート 3,170 3,230 3,628 3,780 3, エナキエヴォ冶金コンビナート 2,266 2,460 2,250 2,546 2,785 2, マケエフカ冶金コンビナート 1,040 1,029 1,566 1,761 1, ペトロフスキー記念冶金工場 1,020 1,250 1,329 1,353 1, ドネツク電気冶金工場 920 1,026 1, ドネツク冶金工場 , ドニエプロスペツスターリ 表 4 ウクライナの企業別の完成鋼材生産量 (1,000t) 前年 シェア =100 % ウクライナ全体 29,100 30,160 32,180 34,500 36,168 31, アルセロールミタル クリヴォイログ 3,275 6,130 6,044 6,858 7,119 5, アゾフスターリ 4,660 5,160 5,260 5,272 5,621 5, イリイッチ記念マリウポリ冶金コンビナート 5,010 5,360 5,537 5,388 5,467 4, アルチェフスク冶金コンビナート 2,780 2,910 2,880 3,261 3,563 3, ザポロジスターリ 3,620 3,560 3,600 3,613 3,727 3, ジェルジンスキー冶金コンビナート 2,840 2,860 2,910 3,164 3,180 2, エナキエヴォ冶金 611 2,310 2,180 2,600 2,800 2, ドネツク電気冶金工場 , ペトロフスキー記念冶金工場 949 1,090 1,222 1, マケエフカ冶金コンビナート , ドネツク冶金工場 ドニエプロスペツスターリ ドネツク金属圧延工場 構造的な危機に直面する化学工業 ウクライナにとって化学工業は 鉄鋼業に次ぐ 稼ぎ頭 であると言える 近年 化学品 ( プラスチック ゴムおよび同製品を含む ) はウクライナの輸出総額の10% あまりをコンスタントに占めてきた そして 化学品のなかでも 最大の輸出品目となっているのが 窒素肥料である 2008 年夏までは 国際的な穀物需給の逼迫を背景に 世界の肥料需要は旺盛であり ウクライナの窒素肥料の輸出も好調だった 窒素肥料の前段に当たるアンモニアの国際価格は 2007 年には平均で200~250ドルであったが 2008 年半ばには850ドルに達した この時期 ウクラ ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 103

107 第 6 章イナの肥料メーカーは 原料の天然ガスを1,000m 3 当たり250ドルで買っても 製品 1t 当たり 400ドルもの利益を挙げることができたという しかし 9 月以降の経済危機で 様相は一変した 世界の需要は一気に冷え込み 価格も大幅な下落に転じている 2008 年 11 月にノヴィツキー産業政策相が語ったところによると 窒素肥料の国際価格は 第 3 四半期に比べると3 分の1の水準に落ち込んでおり これはウクライナ企業にとって生産原価に等しいレベルだったという この時点でウクライナは 9.5 万 tのアンモニア 19 万 tの尿素を在庫として抱えていた 当然 窒素肥料の生産量もじりじりと低下していき ( 前掲の図 1 参照 ) 年末までには多くの工場で設備が停止される事態となっていった 事態を憂慮したティモシェンコ内閣は 11 月 17 日に化学企業の経営者との会合を開催した その結果 内閣と各企業は 化学工業セクターの正常化に向けたメモランダムに調印した また ティモシェンコ首相の顧問グループの長であるV. ガイドゥク氏をヘッドに 関係閣僚などを加えた 化学工業安定化グループ を立ち上げた このメモランダムの内容は 1 週間前の11 月 10 日に内閣が鉄鋼業界と結んだメモランダムのそれと 同趣旨である ( ガイドゥク氏をまとめ役とするグループを設置した点も同じ ) 企業側は 既存の雇用および給与を維持することを約束する それに対し政府側は 以下のような支援策を提供する すなわち 利益が設備投資に向けられることを条件に 化学企業に適用される利潤税の税率を25% から20% に引き下げる 政府はまた 化学企業の輸出に関連する付加価値税の還付を5 日以内に実行するとともに 化学企業向けのガス輸送料金および電力料金を凍結する 政府はさらに 農業企業向けの追加融資など 肥料の国内消費拡大に向けた措置を講ずる というものである ただし このメモランダムについては 政府の取り組みをPRするための見せかけのものにすぎないという 厳しい評価を下す専門家も少なくない ところで ウクライナの化学工業は 鉄鋼業と同じく 外需依存度が高い 窒素肥料を例にとると 2007 年には284 万 tが生産され ( 有効成分換算 ) そのうち実に216 万 tが輸出されているのである 別の角度から見れば ウクライナは穀物生産国としての条件に恵まれていながら 現状ではそのポテンシャルがフルに発揮されておらず 国内の肥料消費が低水準にとどまっているということにもなる 2008 年秋以降の外需の不振を受け ウクライナの肥料メーカーは国内需要の発掘に乗り出し 値引き合戦まで繰り広げたと言われている しかし 在庫を圧縮できるほどの 思うような販売増にはつながらなかった 内需へのシフトという方向自体は正しいが 実際に国内の肥料消費が拡大するためには 政府が農業を支援し また農地売買を解禁して民間の活力を導入することが必要と指摘されている さて ある意味で世界経済危機以上に ウクライナの化学工業にとって重大な問題がある 言うまでもなく ロシアのガスプロムによる天然ガスの大幅値上げである 2009 年のガスプロムによるウクライナ向けの供給に関しては 2008 年中に交渉がまとまらず ガスプロムが年明けからウクライナ向けの供給を停止する事態となった 結局 ヨーロッパ価格に連動する方式がとられることになったのは 周知のとおりである ウクライナの化学企業の場合 商品の原価に占める天然ガス コストの割合が 60~70% にも及ぶとされている ガスプロムが2~3 年前からウクライナ向けのガス供給価格を欧州市場並みに引き上げる動きを見せ始めたことを受け 一時ウクライナのオリガルヒたちは化学工業からの撤退も検討したとされる ただ この間の国際的な肥料価格の高騰は ガス価格の値上 104 社団法人ロシア NIS 貿易会

108 危機に直面するウクライナ産業がりを補って余りあるものだったので 撤退シナリオは遠のいていた それが今回は 世界経済危機による需要減 価格下落と ガスプロムの値上げ要求に同時に直面しているのだから 事態は深刻だ 他の産業セクターであれば 燃料をガスから他のエネルギー源に切り替えるといったこともできないわけではない だが 化学工業の場合は原料自体がガスなので いわば逃げ場がない格好である ロシアからの天然ガス供給条件如何によっては ウクライナの化学工業は 存亡の危機に直面することにもなりかねない 4. ウクライナ経済危機の深層 このように 現象や数字だけを見ると ウクライナは2008 年夏から秋にかけて深刻化した世界経済危機の打撃を受ける形で 経済難に陥ったかのようである しかし これに異論を唱える論者がいる エクスペルト ウクライナ 誌のI. ラヴリネンコ記者は ウクライナの危機は 少なくとも1 年前には始まっていた と喝破する 図 6 ウクライナ経済危機 : 経過と展望 2007 年 8~9 月前倒し議会選挙の実施 2007 年 10 月 ~2008 年 3 月 2008 年 4~6 月 2008 年 7~8 月 2008 年 9 月 2008 年 10~12 月 ( 予測 ) 2009 年 1~6 月 ( 予測 ) 2009 年 7~12 月 ( 予測 ) ティモシェンコ内閣の組閣 財政歳出の急増 積極的な社会政策 賃金と支出の急増 株式市場のピーク 生産減退の始まり 中央銀行のインフレ対策 グリブナの切り上げ 外国投資の記録的な流入 輸入の急増 銀行システムにおける流動性不足 大都市における不動産価格の頭打ち 記録的な穀物収穫 政治危機の深刻化 為替の公式レートと市場レートの乖離の拡大 消費ブーム 株価の急落 多くの産業セクターでの減産 政治危機の一層の深刻化 冶金生産が減産 企業および国が外国から借り入れるのが不可能に グリブナ安の進展 株式市場の崩壊 消費ブーム 全面的な政治危機 デフォルト信憑性帯びる 建設および鉱工業生産の大幅な落ち込み 輸出の縮小 輸入のテンポが若干縮小 株式の暴落には歯止めがかかる 議会選挙の実施 財政歳出の削減 いくつかの金融機関の破綻 ( 身売り ) 失業の増大 商業 運輸の伸びに急ブレーキ 輸出 輸入の低下 一連の民間債券がデフォルトになる可能性あり インフレの収束 緩やかな通貨切下げ コストの高い対外借入 M&A の活発化 新たな政治危機 黒字予算 貿易収支の急激な改善 経済構造の修正 緩やかな輸出の伸び 農業の落ち込み インフレの再燃 株価上昇 預金 債券の利率低下 ( 出所 )А. Блинов, Антикризисные судороги, Эксперт Украина, 42 (185), 27 октября ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 105

109 第 6 章ラヴリネンコ氏によれば ウクライナの多くのセクターは 国際的な要因により危機に陥ったのではなく すぐれて国内的な要因により限界に直面していたのである それらの問題が 2008 年上半期の金属 肥料の高騰と 対外借入の急増 良好な穀物収穫で 2008 年秋に先送りされたにすぎない 資源の投機的高騰で ウクライナ経済はいわば からかわれていた のである 政治家は人気取り政策を競い合い あらゆる手段で国民の消費を刺激し その一方で生産能力の発展には注意を向けなかった 結果 1 年遅れた危機は 深刻さを増しただけだった 2007 年秋に不況に陥ったら もっと簡単に切り抜けられたはずで 所得の落ち込みも 債務の額も こんなに大きくはなかった このように ラヴリネンコ記者は主張している 図 6は やはり エクスペルト ウクライナ 誌に掲載された ウクライナ経済危機のクロニクルである これを見ても 経済危機には少なくとも1 年にわたる伏線があり しかもウクライナ政府の大衆迎合的な政策など 国内に起因する原因が少なくなかったことを読み取ることができる ウクライナの経済危機がひときわ深刻なのは 基本的には バブルの崩壊により もともと抱えていた構造的な問題が露わになったからだと言える だが それだけではない ウクライナの場合 経済危機が エネルギー危機 政治危機と同時進行しており いわば トリプル複合危機 とも言うべき状況に陥っている点が見逃せない 経済危機からの脱却の道筋が見えてこないことに加えて 2009 年末には大統領選挙も予定されているので 経済 政治の情勢が複雑に絡み合って流動的な状況が続くと予想される 日系企業によるウクライナ向けの機械設備輸出も それらの帰趨を見極めたうえでのことにならざるをえないであろう 106 社団法人ロシア NIS 貿易会

110 統計資料 1 ロシアの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 はじめに ロシアの鉱工業および農林水産業の品目別生産高の最新データを 表にまとめて掲載する 鉱工業のデータは ロシアの新しい産業分類に従って整理されており 農林水産業のデータは末尾に掲載されている 出典は基本的に 1990~2007 年がロシア連邦国家統計局 2008 年版ロシア統計年鑑 2008 年が同 2008 年のロシアの社会 経済情勢 のネット版である 鉱工業については 統計年鑑 にある品目をほぼすべて採録してある 統計年鑑 の対象品目でありながら 社会 経済情勢 にはデータが掲載されていない ( あるいは統計の取り方が微妙に異なる ) 品目もあり そうした品目については2008 年は空欄 ( ) となっている 2008 年の生産高は速報値であり 一部は概数となっているの 2008 年の前年比伸び率は 社会 経済情勢 に掲載されている数字であり 小幅な不整合も一部見られるが そのまま掲載した 鉱業 : エネルギー資源採掘石炭 (100 万 t) 褐炭以外の石炭 原料炭 無煙炭 褐炭 原油 ガスコンデンセート (100 万 t) 原油 ガスコンデンセート 天然ガス全体 (10 億 m 3 ) 天然ガス 随伴ガス ガス加工工場の乾湿ガス (10 億 m 3 ) 鉱業 : エネルギー資源以外鉄鉱石 (100 万 t) 金採掘 ( 前年 =100) 酸性土処理のための石灰 (100 万 t) 非鉱石建材 (100 万 m3) 食塩 ( 採掘されたもの 100 万 t) 前年 =100 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 107

111 統計資料 食品 飲料 タバコ精肉 ( 一級半製品を含む 1,000t) 6,484 2,370 1,193 1,284 1,456 1,677 1,776 1,857 2,185 2,561 2, 牛肉 2,934 1, 羊肉 豚肉 1, 鶏肉 1, ,141 1,423 1,718 2, その他 肉半製品 (1,000t) 1, ,093 1,254 1, ソーセージ類 (1,000t) 2,283 1,293 1,052 1,224 1,468 1,700 1,865 2,014 2,198 2,411 2, 食用魚製品 (100 万 t) ドライフルーツ (t) 2, ,030 急速冷凍野菜 (t) 3, ,099 1,424 1,304 4,669 12,764 11,613 8,669 17,420 植物油 (1,000t) 1, ,375 1,281 1,197 1,598 1,895 2,193 2,755 2,735 2, マーガリン製品 (1,000t) 全乳製品 ( 牛乳換算 100 万 t) 動物性油 (1,000t) チーズ (1,000t) 缶詰 (100 万標準個 ) 8,206 2,428 3,223 4,247 5,606 7,204 8,225 9,406 10,871 12,596 野菜 1, トマト , 果物 ジャム 果物ジュース 1, ,419 2,506 3,964 4,864 5,386 6,612 7,865 肉 乳製品 魚 海産物 2, 小麦粉 (100 万 t) 挽き割 (1,000t) 2,854 1, ,030 1,113 1, 菓子類 (1,000t) 2,869 1,372 1,628 1,793 1,958 2,167 2,233 2,416 2,557 2,739 2, うち 砂糖菓子 1, ,008 1,087 1,170 1,257 パン パン製品 (100 万 t) 砂糖 (1,000t) 3,758 3,155 6,077 6,590 6,167 5,841 4,828 5,600 5,833 6,112 5, うち テンサイからつくられるもの 2,630 2,064 1,563 1,616 1,623 1,901 2,236 2,503 3,188 3,230 3, 角砂糖 (1,000t) 1, マカロニ製品 (1,000t) 1, ,036 1,014 1, 全アルコール製品の純アルコール換算 (100 万 dal) ウォッカ リキュール (100 万 dal) ワイン (100 万 dal) フルーツワイン (100 万 dal) スパークリングワイン (100 万 dal) コニャック (1,000dal) 5, ,749 2,056 2,661 3,533 3,912 4,512 6,442 8,060 ビール (100 万 dal) ,001 1,147 1, ミネラルウォーター (100 万 dal) ソフトドリンク (100 万 dal) クワス 巻タバコ シガレット (10 億本 ) シガレット 前年 = 社団法人ロシア NIS 貿易会

112 ロシアの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 繊維 衣服織物 (100 万 m 2 ) 8,449 1,774 2,329 2,625 2,783 2,869 2,690 2,739 2,804 2,700 2, 綿織物 5,624 1,240 1,822 2,094 2,264 2,329 2,149 2,225 2,222 2,108 1, 毛織物 麻織物 絹織物 1, 絨毯 (100 万 m 2 ) 靴下類 (100 万足 ) メリヤス製品 (100 万枚 ) 外套 (100 万着 ) ジャンパー (100 万着 ) スーツ (100 万着 ) ワンピース (100 万着 ) シャツ (100 万枚 ) 子供用外套 (100 万着 ) 子供用天然革外套 (100 万着 ) 子供用人造革外套 (100 万着 ) 1, 子供用スーツ (100 万着 ) 子供用ジャンパー (100 万着 ) 子供用ワンピース (100 万着 ) 子供用シャツ (100 万枚 ) 子供用靴下類 (100 万足 ) 子供用メリヤス製品 (100 万枚 ) スポーツリュック (1,000 個 ) 3, 寝袋 (1,000 個 ) テント (1,000 個 ) 皮革 同製品 履物硬質皮革製品 (100 万 dm 2 ) 1, クロム革製品 (100 万 dm 2 ) 4, ,030 1,182 1,459 1,534 1,491 2,014 2,489 2, ロシア革製品 (100 万 dm 2 ) 靴 (100 万足 ) cm 以下のもの スポーツシューズ (100 万足 ) フェルト靴 (100 万足 ) ゴム製靴 (100 万足 ) 木材 木製品製造業 製材 (100 万 m 3 ) パーティクルボード (1,000 標準 m 3 ) 5,568 2,206 2,335 2,545 2,744 3,204 3,638 3,930 4,717 5,501 5, ファイバーボード (100 万標準 m 2 ) 合板 (1,000m 3 ) 1, ,484 1,590 1,821 1,978 2,246 2,556 2,614 2,777 2, 庭用の小屋 (1,000 棟 ) 窓ブロック (1,000m 2 ) 5,665 3,474 3,510 3,372 3,226 3,116 2,816 2,888 2,745 2, ドア ブロック (1,000m 2 ) 7,030 4,216 4,348 4,423 4,590 4,992 5,388 7,811 9,650 12, 前年 =100 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 109

113 統計資料 前年 =100 紙 パルプ 出版 印刷パルプ (1,000t) 7,525 4,197 4,960 5,272 5,579 5,764 5,922 6,001 6,008 5,973 紙 (1,000t) 5,240 2,773 3,326 3,442 3,552 3,682 3,903 4,001 4,038 4,084 3, 新聞用紙 1,722 1,458 1,694 1,732 1,714 1,814 1,978 1,984 1,993 1,979 1, 板紙 (1,000t) 3,085 1,301 1,985 2,225 2,428 2,696 2,924 3,125 3,396 3,498 3, 壁紙 (100 万標準反 ) 学校用ノート (100 万冊 ) 2, ,681 1,537 1,485 1,506 1, , 新聞 ( 標準的号の部数 10 億部 ) 本 パンフレット ( 全紙 100 万枚 ) 雑誌 ( 全紙 100 万枚 ) 1,925 2,448 2,471 3,275 3,291 2,882 4,148 7,322 7, コークス 石油製品 コークス ( 湿度 6% に換算 100 万 t) 原油処理量 (100 万 t) ガソリン (100 万 t) 自動車用ガソリン ディーゼル燃料 (100 万 t) 重油 (100 万 t) 化学工業 硫酸 (100 万 t) ソーダ灰 (1,000t) 3,240 1,823 2,201 2,339 2,385 2,386 2,576 2,582 2,938 2,939 2, 苛性ソーダ (1,000t) 2,258 1,156 1,241 1,197 1,146 1,113 1,188 1,245 1,267 1,297 1, 農薬 (100% 成分換算 1,000t) 合成樹脂 プラスチック (1,000t) 3,258 1,804 2,576 2,771 2,922 3,118 3,304 3,418 3,773 4,464 4, ポリスチロール スチロール共重合体 ポリ塩化ビニール樹脂 塩化ビニール共重合体 ポリエチレン ,012 1,038 1,069 1,049 1,074 1,246 1, ポリプロピレン プラスチックのうち 熱可塑性 (1,000t) 1,641 1,131 1,755 1,815 1,938 2,023 2,110 1,880 1,980 2,308 2, メタノール蒸留物 (1,000t) 2,508 1,523 1,914 2,129 2,269 2,894 2,911 2,943 3,158 3,534 3, スチロール (1,000t) ベンゾール (1,000t) 1, ,056 1,168 1,183 1,152 1,204 1, エチレン (1,000t) 2,318 1,596 1,889 1,944 1,996 2,097 2,155 2,101 2,147 2,121 2, 塗料 (1,000t) 2, 合成石鹸 (1,000t) 歯磨き粉 (100 万個 ) 化学肥料 (100% 成分換算 1,000t) 15,979 9,639 12,213 13,026 13,562 14,053 15,800 16,625 16,207 17,300 16, 窒素肥料 7,186 4,879 5,818 5,890 5,968 5,995 6,591 6,725 6,830 7,203 6, 燐酸肥料 4,943 1,929 2,379 2,391 2,513 2,593 2,802 2,766 2,766 2,807 2, カリ肥料 3,848 2,831 4,016 4,745 5,080 5,465 6,405 7,131 6,610 7,277 6, 化学繊維 糸 (1,000t) 人造繊維 糸 繊維 糸 コール天 技術製品用の糸 合成繊維 糸 繊維 糸 コール天 技術製品用の糸 社団法人ロシア NIS 貿易会

114 ロシアの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 抗生物質 (t) 4,672 1,582 1, ビタミン (t) 4,327 1, サリチル酸剤 (t) 5, スルファニルアミド剤誘導薬 (t) 2, 心臓 脈管治療薬 (100 万錠 ) (100 万包 ) 腫瘍治療薬 (100 万瓶 ) (100 万包 ) 精神 神経治療薬 (100 万包 ) 糖尿病治療薬 (1,000 瓶 ) (1,000 包 ) 3, ,951 1, ,040 1,959 抗細菌治療薬 (100 万服用量 ) 眼病治療薬 (100 万包 ) 内分泌 消化器等の治療薬 (100 万錠 ) (100 万包 ) 鎮痛剤 解熱剤 炎症抑制剤 (100 万錠 ) (100 万包 ) 代用血漿剤 (100 万錠 ) (100 万包 ) 結核予防剤 (100 万錠 ) (100 万包 ) ゴム プラスチック製品タイヤ (100 万本 ) トラック バス用 乗用車用 農機用 オートバイ用 プラスチック製品 (1,000t) 熱可塑性プラスチック製パイプ 部品 (1,000t) ガラス強化プラスチック 同製品 (1,000t) 下層経糸なしのリノリウム (1,000m 2 ) 3,122 8,787 7,832 3,916 3,405 4,677 断熱下層経糸に巻かれたリノリウム (100 万 m 2 ) その他の非金属鉱物製品セメント (100 万 t) 鉄筋コンクリート製品 (100 万 m 3 ) 壁材 ( 標準レンガ換算 10 億個 ) レンガ 大型壁ブロック ( 標準レンガ換算 100 万個 ) 6,734 2,424 1,309 1,146 1,178 1,147 1,145 1,072 1,102 1,221 1, 屋根葺き用 絶縁用建材 (100 万 m 2 ) 1, 石綿セメント板 (100 万標準枚 ) 4,966 1,666 1,800 1,722 1,895 1,932 1,969 1,938 2,007 1,844 1, 石綿セメントパイプ (1,000 標準 km) 壁用タイル (100 万 m 2 ) 床用タイル (100 万 m 2 ) 正面化粧タイル (100 万 m 2 ) 衛生陶器 (1,000 個 ) 6,365 4,407 5,518 5,983 6,398 6,954 7,628 7,742 8,989 9,931 窓ガラス (100 万 m 2 ) 陶器食器 (100 万個 ) 前年 =100 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 111

115 統計資料 前年 =100 冶金 完成金属製品基礎品目銑鉄 (100 万 t) 粗鋼 (100 万 t) 完成鋼材 (100 万 t) 鋼管 (100 万 t) (100 万 m) 2, ,022 1,023 1,052 1,169 1,268 特定の品目 (1,000t) 転炉鋼 28,387 23,317 34,303 34,595 36,718 38,596 39,446 39,266 41,687 41,200 38, 電気鋼 13,361 6,619 8,711 8,884 8,997 10,036 11,572 13,604 16,269 19,543 20, 連鋳機から得られた鋳造物 20,666 18,900 29,406 30,016 32,729 36,220 39,843 43,716 48,482 51,514 48, 鋼板 27,846 15,979 20,233 19,329 20,903 22,723 23,042 23,941 24,883 25,441 23, 冷延板 7,216 4,968 6,404 6,304 6,836 7,697 7,926 7,878 8,363 8,228 7, ステンレス鋼鋼材 低合金鋼鋼材 8,883 3,187 3,534 3,850 4,122 5,219 5,485 6,213 7,281 9,363 9, 熱処理で強化した鋼材 5,692 2,474 2,289 2,288 2,410 2,528 2,600 2,637 3,078 3,219 3, 広軌鉄道レール 1,414 1, 強化鉄筋形鋼 薄板 ブリキ 1,520 1,251 1,401 1,414 1,694 2,067 2,170 2,365 3,045 3,274 3, ブリキ カーヴド セクション 1, 冷間引抜条鋼ミル 2, 精密形鋼 冷延リボン 1, コンクリート強化用低合金ワイヤ 特殊継ぎ目石油用鋼管 高強度石油用鋼管 重合体で覆われた大経口溶接鋼管 ,149 成型鋼管 非鉄金属 ( 前年 =100) アルミニウム新地金 精錬銅 ニッケル 鉛 ( 再生を含む ) 亜鉛 非鉄金属圧延材 アルミ圧延材 銅圧延材 機械 設備ディーゼルエンジン (1,000 器 ) タービン (100 万 kw) 遠心ポンプ (1,000 器 ) ころがり軸受 (100 万個 ) 電動走行クレーン ( 台 ) 2, 自動車走行クレーン (1,000 台 ) 積載 5t 以上塔型クレーン ( 台 ) 2, 特殊石油装置 (1,000t) 車輪走行トラクター (1,000 台 ) ミニトラクター (1,000 台 ) トラクター牽引プラウ (1,000 台 ) 社団法人ロシア NIS 貿易会

116 ロシアの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 トラクター牽引種蒔機 (1,000 台 ) 耕耘機 (1,000 台 ) 穀物収穫コンバイン (1,000 台 ) 飼料収穫コンバイン (1,000 台 ) 刈取り機 (1,000 台 ) 農業用万能積込み機 (1,000 台 ) 化学肥料注入機 ( 台 ) 21, 飼料用粉砕機 (1,000 台 ) 搾乳装置 ( 台 ) 30, ,365 牛飼育場自働給水器 (1,000 台 ) 3, 工作機械 (1,000 台 ) NC 工作機械 ( 台 ) 16, 鍛造プレス機械 (1,000 台 ) 自動 半自動機械製造鍛造ライン ( 本 ) 掘削用コンバイン ( 台 ) 鉱山用積荷機械 ( 台 ) 2, タービン掘削機 (1,000ブロック) エクスカベーター (1,000 台 ) ブルドーザー (1,000 台 ) 地ならし機 (1,000 台 ) キャタピラ走行トラクター (1,000 台 ) 紡績機 ( 台 ) 1, 織機 ( 台 ) 18,341 1, 家庭用ミシン (1,000 台 ) 1, ジグザグ タイプ 1, 洗濯機 (1,000 台 ) 5,419 1, ,039 1,369 1,330 1,452 1,582 2,016 2,713 2, 全自動 半自動洗濯機 1, ,210 1,936 全自動洗濯機 ,013 1,783 電子レンジ (1,000 台 ) ,765 2,539 電気掃除機 (1,000 台 ) 4,470 1, 電動肉挽き器 (1,000 台 ) 電気ポット (1,000 台 ) 3, 小型電気こんろ (1,000 台 ) 4,840 1, , ,068 1,274 1,525 1,493 1, 電気オーブン (1,000 台 ) 電気ジューサー (1,000 台 ) 電気アイロン (1,000 台 ) 8,743 1,954 1,098 1,201 1, 家庭用冷蔵庫 冷凍庫 (1,000 台 ) 3,774 1,789 1,327 1,719 1,938 2,218 2,589 2,778 2,995 3,539 3, 冷凍庫 冷蔵庫 3,615 1,531 1,151 1,542 1,733 2,004 2,370 2,519 2,701 3,176 2ドア 3ドア ,154 1,309 1,511 1,837 1,933 2,118 2, 前年 =100 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 113

117 統計資料 電気 電子機器 工学機器パーソナルコンピュータ (1,000 台 ) ,329 タービン用発電機 (100 万 kw) KW 以上の交流発電機 ( 台 ) 3,875 1,241 1,527 2,281 1,226 1,718 2,108 2,113 2,332 2,247 大型電気機械 (1,000 台 ) ~355mm 交流モーター (1,000 個 ) 2, (100 万 kw) 耐爆性電気モーター (1,000 台 ) (1,000KW) 1, 電話通信ケーブル (1,000km) 卓上電灯 (1,000 台 ) 2, シャンデリア (1,000 台 ) 9,152 2,091 1, ,117 フロア電気スタンド (1,000 台 ) 突出しランプ台 (1,000 台 ) 3, 家庭用電池 バッテリー (100 万個 ) ラジオ受信機 (1,000 台 ) 5, テレビ (1,000 台 ) 4,717 1,005 1,116 1,024 1,980 2,383 4,691 6,278 4,601 6,823 5, カラーテレビ 2, ,094 1,002 1,962 2,376 4,691 6,277 4,601 6,823 5, ビデオデッキ (1,000 台 ) 麻酔 呼吸機器 (1,000 台 ) 使い捨て注射器 (100 万本 ) ,738 1,717 1,669 1,436 1,415 1,250 1, 心電計 (1,000 台 ) 電子ペースメーカー (1,000 個 ) カメラ (1,000 台 ) 1, 時計 (100 万個 ) 腕時計 輸送機器 トロリーバス ( 台 ) 2, トラック (1,000 台 ) ディーゼルトラック 乗用車 (1,000 台 ) 1, , ,012 1,110 1,069 1,178 1,294 1, バス (1,000 台 ) トレーラー セミトレーラー (1,000 台 ) ディーゼル機関車 ( セクション ) 貨車 (1,000 台 ) 客車 ( 台 ) 1, ,025 1,211 1,221 1,557 1,823 2, 地下鉄客車 ( 台 ) オートバイ (1,000 台 ) サイドカー 大人用自転車 (1,000 台 ) 3, ,048 1,513 折りたたみ式 ティーン用自転車 (1,000 台 ) 子供用自転車 (1,000 台 ) 3, 前年 = 社団法人ロシア NIS 貿易会

118 ロシアの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 前年 =100 その他の生産机 (1,000 卓 ) 12,063 3,805 3,597 3,860 3,960 4,003 3,787 3,872 4,216 4,816 5, 椅子 (100 万脚 ) 戸棚 (1,000 台 ) 9,457 4,344 2,709 2,775 2,885 3,149 3,903 4,244 4,662 5,156 5, 長椅子 ソファー (1,000 台 ) 木製ベッド (1,000 台 ) 3, ,065 1,209 1, 寝台兼用肘掛け椅子 (1,000 台 ) ソファーベッド (1,000 台 ) 3, 全家具生産のうち 家具セット (1,000セット) 3,643 2, ,282 1,496 スキー板 (1,000 組 ) 6, ,076 1, 子供用 2, ホッケー用スティック (1,000 本 ) 5, バドミントン用ラケット (1,000 本 ) 2, 織物下層経糸に巻かれたリノリウム (100 万 m 2 ) 電力 発電量 (10 億 kwh) 1, ,015 1, 火力 水力 原子力 林業木材伐採量 (100 万 m 3 ) 産業用材伐採量 (100 万 m 3 ) 漁業 魚 海産物水揚高 (1,000t) 7,879 3,936 3,776 3,621 3,258 3,285 2,965 3,212 3,264 3,417 3, 前年 =100 農業穀物 ( 精選後重量 100 万 t) 亜麻繊維 (1,000t) 砂糖用てんさい (100 万 t) 採油用種子 (100 万 t) ひまわり (100 万 t) 大豆 (1,000t) ジャガイモ (100 万 t) 野菜 (100 万 t) 飼料用とうもろこし (100 万 t) 飼料用根菜 (100 万 t) 多年草干草 (100 万 t) 一年草干草 (100 万 t) 自然牧草地干草 (100 万 t) 食肉 ( 処理後重量 1,000t) 9,671 7,550 4,728 4,451 4,694 4,936 4,994 4,914 5,189 5,706 牛乳 (100 万 t) 卵 (10 億個 ) 羊毛 (1,000t) はちみつ (1,000t) ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 115

119 統計資料 2 ロシアの企業別機械生産実績 農機 荷役機械 建設機械 はじめに ロシア機械生産者同盟は ロシア連邦の企業によるトラクター 農業 林業 公営事業 道路建設 荷役 昇降機械の生産と出荷 という機関誌を発行している その2009 年 2 月号に これらの品目の企業別の生産データが掲載されている 貴重なデータなので 以下のとおり紹介する 車輪型トラクター (Тракторы на колесном ходу) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 6,897 11, エラブガ自動車工場 ОАО «ПО «Елабужский автомобильный завод» 2,517 4, SAREKS ОАО «САРЭКС» 791 3, ウラジーミル モーター トラクター工場 ООО «Владимирский моторо-тракторный завод» 1,085 1, ペテルブルグ トラクター工場 ЗАО «Петербургский тракторный завод» リペツク トラクター ОАО «Липецкий трактор» クラアス ООО «Клаас» アグロテフマシ ЗАО «Агротехмаш» ウラルヴァゴンザヴォード ОАО «Уралвагонзавод» オムスクトラクター ООО «Завод «Омсктрактор» その他の企業 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要

120 ロシアの企業別機械生産実績 キャタピラ型トラクター (Тракторы на гусеничном ходу) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 7,554 7, チェリャビンスク トラクター工場 ООО «Челябинский тракторный завод-уралтрак» 3,155 3, ヴォルゴグラード トラクター工場 ОАО «ТК Волгоградский тракторный завод» 2,630 2, プロムトラクトル ОАО «Промтрактор» オネガ トラクター工場 ООО «Онежский тракторный завод» アルタイ トラクター ООО «Алтайский трактор» アバカン実験機械工場 ОАО «Абаканский опытно-механический завод» クラアス ООО «Клаас» 穀物収穫コンバイン (Зерноуборочные комбайны) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 7,270 8, ロストセリマシ ОАО «Ростсельмаш» 5,212 5, クラスノヤルスク コンバイン工場 ОАО «ПО «Красноярский завод комбайнов» 1,637 1, クラアス ООО «Клаас» ブリャンスクセリマシ ОАО «Брянсксельмаш» 飼料収穫コンバイン (Кормоуборочные комбайны) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 ロストセリマシ ОАО «Ростсельмаш» ブリャンスクセリマシ ОАО «Брянсксельмаш» キロヴェツ ランドテフニク ЗАО «Кировец-Ландтехник» テクスチリマシ ОАО «Текстильмаш» マイコプ減圧器工場 ОАО «Майкопский редукторный завод «Зарем» トゥーラ コンバイン工場 ОАО «Тульский комбайновый завод» ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 117

121 統計資料 2 播種機 (Сеялки) ( 台 ) 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 7,314 8, シブザヴォードアグロ ООО «СибзаводАгро» 2,617 3, シブセリマシ シベリア農工商会 ОАО «НПО «Сибсельмаш» и ОАО «Сибирский агропромышленный дом» 1,867 2, ベリンスクセリマシ ラジオザヴォード ЗАО «Белинсксельмаш» и ОАО «Радиозавод» 1,381 1, ミレロヴォセリマシ ОАО «Миллеровосельмаш» エヴロテフニカ セリマシ 企業ロシア語 ЗАО «Евротехника» и ООО «Сельмаш» г. Сызрань ストレラ ГУП «ПО «Стрела» ベルアグロマシ セルヴィス ОАО «Белагромаш-Сервис» レムマシ ОАО «Реммаш» STs SEUS-Agro ЗАО «СЦ СЭУС-Агро» その他の企業 耕運機 (Культиваторы) ( 台 ) 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 8,151 9, グリャジ耕運機工場 ОАО «Грязинский культиваторный завод» 1,724 2, BDM アグロ ООО «БДМ-Агро» 2,516 2, クラスヌィ アクサイ コルムマシ ЗАО «Красный Аксай» и ОАО «Корммаш» 1,632 1, シブセリマシ スペツテフニカ ОАО «Завод «Сибсельмаш-спецтехника» ベリンスクセリマシ ЗАО «Белинсксельмаш» スヴェトログラードアグロマシ アグロプロムテフニカ 企業ロシア語 ОАО «Светлоградагромаш» и ОАО «Агропромтехника» セリマシ ООО «Сельмаш» г. Сызрань タトアグロヒムセルヴィス ОАО «Татагрохимсервис» コルナグ ЗАО «Колнаг» ASM ザプチャスチ ОАО «АСМ-Запчасть» ベルアグロマシ セルヴィス ОАО «Белагромаш-Сервис» シブザヴォードアグロ ООО «СибзаводАгро» その他の企業 社団法人ロシア NIS 貿易会

122 ロシアの企業別機械生産実績 刈取り機 (Косилки) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 3,430 3, コルムマシ ОАО «Корммаш», Компания «Klever» メタリスト 2000 工場 ЗАО «Завод Металлист 2000» 1, ベジェツクセリマシ ОАО «Бежецксельмаш» サロフコルムマシ リャザン コンバイン工場 ОАО «Сасовкорммаш» и ОАО «Рязанский комбайновый завод» ネファズ ОАО «Нефаз» テクスチリマシ ОАО «Текстильмаш» エクスペリメンタリヌィ ザヴォード ООО «НПО «Экспериментальный завод» アムールドルマシ ОАО «Амурдормаш» その他の企業 農業用万能積み込み機 (Погрузчики универсальные) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 4,285 4, コルムマシ サリスクセリマシ ОАО «Корммаш» и ОАО «Сальсксельмаш» 4,344 4, ユルガ機械工場 ООО «Юргинский машиностроительный завод» ベルアグロマシ セルヴィス ОАО «Белагромаш-Сервис» その他の企業 木材搬出機械 (Машины для трелевки леса) ( 台 ) 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 オネガ トラクター工場 ООО «Онежский тракторный завод» アルタイスキー トラクトル ОАО «Алтайский трактор» クラスノヤルスク林業機械工場 企業ロシア語 ОАО «Красноярский завод лесного машиностроения» アルタイレスマシ ОАО «Алтайлесмаш» アバカン実験機械工場 ОАО«Абаканский опытно-механический завод» ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 119

123 統計資料 2 都市公営事業用機械 (Машины для городского коммунального хозяйства) ( 台 ) 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 12,255 12, アルザマス公営事業機械工場 複合道路機械工場 スモレンスク自動車ユニット工場ムツェンスク公営事業機械工場 企業ロシア語 ОАО «Арзамасский завод коммунального машиностроения» ОАО «Завод комплексные дорожные машины» и ЗАО «Смоленский автоагрегатный завод» ОАО «Мценский завод коммунального машиностроения» 4,251 4, ,867 2, ,261 1, クルガンマシザヴォード ОАО «Курганмашзавод» 1,036 1, リャシスク自動車修理工場 ОАО «Ряжский авторемонтный завод» 1,021 1, エラブガ自動車工場 ОАО «ПО «Елабужский автомобильный завод» ポジテフニカ ОАО «Пожтехника» サンクトペテルブルグ市の諸企業 Предприятия г. Санкт-Петербурга トスノ機械工場 ОАО «Тосненский механический завод» 公営エネルギー工場 ОАО «Завод коммунальной энергетики» メトロヴァゴンマシ ОАО «Метровагонмаш» ケメロヴォ実験修理機械工場 ОАО «Кемеровский ОРМЗ» プラミャ ООО «Пламя» その他の企業 ブルドーザー 鋼管敷設機械 (Бульдозеры и Трубоукладчики) ( 台 ) 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 4,650 4, チェリャビンスク トラクター工場 企業ロシア語 ОАО «Челябинский тракторный завод - Уралтрак» 2,541 2, ヴォルゴグラード トラクター工場 ОАО «ТК Волгоградский тракторный завод» 1,020 1, プロムトラクトル ОАО «Промтрактор» ドルマシ ЗАО «Дормаш» ペテルブルグ トラクター工場 ЗАО «Петербургский тракторный завод» 地均し機 (Автогрейдеры) ( 台 ) 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 1,302 1, ブリャンスキー アルセナル ОАО «Брянский Арсенал» チェリャビンスク建設 道路機械 企業ロシア語 ЗАО «Челябинский строительно-дорожных машин» ドルマシ ЗАО «Дормаш» 社団法人ロシア NIS 貿易会

124 ロシアの企業別機械生産実績 エクスカベータ (Экскаваторы) ( 台 ) 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 6,272 5, トヴェリ エクスカベータ エクスマシ ОАО «Тверской экскаватор» и ЗАО «ЭКСМАШ» 2,633 2, エラブガ自動車工場 ОАО «ПО «Елабужский автомобильный завод» ドネツク機械工場 ドネスク エクスカベーター ОАО «Донецкий машиностроительный завод» и ОАО «Донецкий экскаватор» コヴロヴェツ エクスカベータ工場 ООО «Экскаваторный завод «Ковровец» ウラルヴァゴンザヴォード ОАО «Уралвагонзавод» サルエクス ОАО «САРЭКС» ズラトウスト エクスカベータ工場 ОАО «Златоусский экскаваторный завод» クラネクス ОАО «Машиностроительная компания «КРАНЭКС» ドミトロフ エクスカベータ工場 ФГУП «Дмитровский экскаваторный завод» オムスク輸送機械工場 企業ロシア語 ГУП «Омский завод транспортного машиностроения» IZ-KARTEK ООО «ИЗ-КАРТЭК» ヴォロネジ エクスカベータ工場 ООО «НПП «Воронежский завод экскаваторов» その他の企業 フォークリフト (Погрузчики строительные) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 1,533 1, ЗАО «Челябинский завод строительно チェリャビンスク建設 道路機械 дорожных машин» カリーニン記念機械工場 ОАО «Машиностроительный завод им.калинина» ウラルヴァゴンザヴォード и ОАО «Уралвагонзавод» オリョール フォークリフト ドルマシ ЗАО «Орел-Погрузчик» и ЗАО «Дормаш» エラブガ自動車工場 ОАО «ПО «Елабужский автомобильный завод» ペテルブルグ トラクター工場 ЗАО «Петербургский тракторный завод» ドネツク エクスカベータ ОАО «Донецкий экскаватор» その他の企業 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 121

125 統計資料 2 電動走行クレーン (Краны мостовые электрические) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 レメンストロイツキー クレーン工場 ООО «Лемменс-Троицкий крановый завод» ウズロヴァヤ機械工場 ЗАО «Узловский машиностроительный завод» マグニトゴルスク クレーン工場 ОАО «Магнитогорский крановый завод» ザーパドウラルクラン ООО «Западуралкран» クラスノグヴァルジェイスキー クレーン工場 スホイログ クレーン工場 ОАО «Красногвардейский крановый завод» и ООО «Сухоложский крановый завод» ウリュピンスク クレーン工場 ОАО «Урюпинский крановый завод» コムソモリスクナアムーレ昇降 運輸設備工場 ОАО «Комсомольский на-амуре завод подъемно-транспортного оборудования» ブレヤ クラン ОАО «Бурея-Кран» フトルメト ОАО «Втормет» 金属加工工場 ОАО «55 металлообрабатывающий завод» ブリャンスク金属構造 付属設備工場 ОАО «Брянский завод металлоконструкций и технологической оснастки» シブチャジマシ ЗАО «Сибтяжмаш» バルトクラン ОАО «Балткран» その他の企業 塔型クレーン (Краны башенные) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 ニャゼペトロフスク クレーン工場 ОАО «Нязепетровский краностроительный завод» ルジェフ クレーン工場 ОАО «Ржевский краностроительный завод» ストロムマシーナ ОАО «Строммашина» オジンツォヴォ機械工場 ООО «Одинцовский машиностроительный завод» ストロイテフニカ ООО «Стройтехника» メハニーチェスキー ザヴォード ОАО «Механический завод» ウフタ機械工場 ОАО «Ухтинский механический завод» バルトクラン ОАО «Балткран» 社団法人ロシア NIS 貿易会

126 ロシアの企業別機械生産実績 ベルトコンベア (Конвейеры ленточные) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 ベーラヤホルニツァ機械工場 ОАО «Белохолуницкий машстройзавод» ドロブマシ ОАО «Дробмаш» リャシスク自動車修理工場 ОАО «Ряжский авторемонтный завод» エレヴァトルメリマシ ОАО «Элеватормельмаш» チャジマシ ОАО «Тяжмаш» その他の企業 エレベーター (Лифты) ( 台 ) 企業ロシア語 前年 =100 構成比 % ロシア全体の生産量 23,950 21, シチェルビンカ エレベーター工場 ОАО «Щербинский лифтостроительный завод» 10,700 11, カラチャロヴォ機械工場 ОАО «Карачаровский механический завод» 10,604 7, オーティス エレベーター ООО «ОТИС Лифт» 2,406 3, シブリフト Компания «Сиблифт» TAT MEL-LIFT «ТАТ МЭЛ-ЛИФТ» その他の企業 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 123

127 統計資料 3 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 はじめにウクライナの鉱工業の品目別生産高の最新データを取りまとめ 掲載する 付随して 農林水産業の品目別生産高のデータも掲載することにする 鉱工業のデータは基本的に 現在ウクライナが利用しているNACE という国際的な産業分類に従って整理されており 農林水産業のデータは末尾に掲載されている 目次は右記のとおりである 出典は ウクライナ統計国家委員会の刊行物およびウェブサイトである 残念ながら 2008 年については多くの品目が未発表であり そうした品目については2008 年はブランク ( ) となっている 2008 年の生産高は速報値であり 一部は概数となっているので ご注意願いたい 124 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要

128 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 (1) ウクライナの鉱工業部門別生産指数の推移 ( 前年 =100) 鉱工業全体 鉱業 エネルギー資源採掘 エネルギー資源以外 製造業 食品 飲料 タバコ 軽工業 繊維 縫製 皮革 同製品 製靴 木材加工 同製品 紙パルプ 出版 印刷 コークス 石油製品 化学工業 化学生産 ゴム プラスチック製品 その他の非金属鉱物製品 冶金 完成金属製品 機械 機械 設備 電気 電子機器 光学機器 輸送機器 電力 ガス 水の生産と供給 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 125

129 統計資料 3 (2) 鉱業 単位 石炭 1,000t 59,750 59,359 60,395 61,671 58,921 59,312 コークス炭 1,000t 26,344 26,179 23,166 23,051 21,534 無煙炭 1,000t 13,044 15,853 16,204 13,852 11,714 石炭集塊 1,000t 泥炭 ( 焼結されていないもの ) 1,000t 泥炭集塊 1,000t 原油 100 万 t 随伴ガス 100 万 m ガスコンデンセート 100 万 t 天然ガス 10 億 m 非焼結鉄鉱石 精鉱 100 万 t 鉱石 100 万 t 精鉱 100 万 t 焼結鉄鉱石 精鉱 100 万 t 大理石 1,000m ,079 花崗岩 1,000m 砂岩 1,000m その他の記念碑 建設用石材 1,000m 石膏 1,000t 石灰岩 100 万 t 白亜 1,000t 1,319 1,621 4,352 5,012 5,572 砂 100 万 m 砂利 100 万 m カオリン 1,000t 1,176 1,468 1,566 1,777 2,386 岩塩 1,000t 3,863 4,393 4,811 5,996 5, 社団法人ロシア NIS 貿易会

130 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 (3) 食品 飲料 タバコ 単位 牛肉 羊肉 1,000t 冷凍牛肉 羊肉 1,000t 豚肉 1,000t 冷凍豚肉 1,000t 鶏肉 1,000t 冷凍鶏肉 1,000t ソーセージ製品 1,000t 植物油 1,000t 1,257 1,343 1,382 2,078 2,230 1,817 牛乳 1,000t バター 1,000t チーズ 1,000t 乳酸製品 1,000t 穀物の挽き割り 1,000t 飼料 1,000t 3,341 3,287 4,161 4,816 4,945 パン製品 1,000t 2,335 2,307 2,264 2,159 2,034 砂糖 1,000t 2,486 2,147 2,139 2,592 1,867 チョコレートその他のカカオ製品 1,000t 果実 野菜ジュース ネクター 1,000t コニャック 1,000dal 1,624 2,000 2,394 2,763 3,577 ウォッカ 1,000dal 26,707 40,231 35,019 35,493 37,206 リキュール 果実酒 1,000dal 5,719 7,478 23,176 23,827 25, 度以上の非変性エチルアルコール 1,000dal 24,115 22,791 29,039 33,684 31,740 変性エチルアルコール 1,000dal 1, ,346 1,559 1,856 シャンパン ワイン 1,000dal 3,345 4,029 4,413 4,504 5,434 シャンパン 以外のスパークリングワイン 1,000dal ワイン 1,000dal 15,308 15,407 16,430 17,097 19,466 炭酸入りワイン 1,000dal りんご酒 1,000dal 2,349 1,275 5,801 4,760 2,828 ベルモット酒 1,000dal 6, ビール 100 万 dal ミネラルウォーター ( 非炭酸 ) 1,000dal 6,453 7,720 14,373 15,370 32,324 ミネラルウォーター ( 炭酸 ) 1,000dal 79,281 77, , , ,000 ノンアルコールりんご酒 100 万 dal たばこ 10 億本 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 127

131 統計資料 3 (4) 繊維 縫製 皮革 単位 織物 100 万 m 毛織物 100 万 m 亜麻織物 100 万 m 綿織物 100 万 m 化繊織物 100 万 m 特殊織物 100 万 m 靴下類 100 万足 セーター ジャンパー プルオーバー等 1,000 着 6,324 5,029 4,964 4,753 3,849 2,805 ニット上着 1,000 着 3,803 4,666 4,452 5,926 4,174 3,712 下着 100 万着 靴 100 万足 (5) 木材加工 同製品 単位 木材 ( 厚さ6mm 以上に切られたもの ) 1,000m 3 2,197 2,414 2,409 2,385 2,524 角材 板材等 1,000m 2 1,171 1,781 2,338 2,306 2,756 ベニヤ合板 1,000m パーティクルボード 1,000m ,150 1,329 1,641 木製の窓 ドア その枠 1,000m 2 1,056 1,503 2,353 3,108 3,691 (6) 紙 パルプ 単位 印刷用紙 1,000t 生活 衛生用紙 1,000t 特殊紙 タバコ用紙 1,000t 紙箱 100 万 m ノート 100 万冊 社団法人ロシア NIS 貿易会

132 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 (7) コークス 石油製品 単位 コークス 半成コークス 100 万 t コールタール 1,000t 1,015 1, 原油処理量 100 万 t ガソリン 100 万 t ディーゼル燃料 ( 軽油 ) 100 万 t 重油 100 万 t 潤滑油 1,000t 液化プロパン ブタン 1,000t 石油パラフィン 1,000t アスファルト 1,000t (8) 化学品 1 単位 人造染料 t 4,954 5,717 1,708 2,773 4,599 硫酸 1,000t 1,133 1,425 1,606 1,493 1,637 苛性ソーダ 1,000t 合成アンモニア 1,000t 4,775 4,779 5,214 5,147 5,139 窒素肥料 1,000t 2,470 2,407 2,633 2,566 2,839 2,672 カリ肥料 1,000t プラスチック 1,000t ポリエチレン 1,000t ポリスチロール 1,000t ポリビニルフロリド 1,000t 各種ポリマー 1,000t ポリプロピレン 1,000t ポリ酢酸ビニール 1,000t ポリアクリル 1,000t ポリアミド 1,000t カルバミド メラミン樹脂 1,000t その他の樹脂 1,000t 熱可塑性樹脂 1,000t 殺虫剤その他の農業化学品 t 1,915 1,814 1,862 1,960 2,177 化学繊維 t 30,672 36,590 40,054 35,923 40,172 タイヤ 1,000t 6,594 7,940 7,531 7,093 7,411 6,631 乗用車用 1,000t 5,402 トラック バス用 1,000t 901 1, ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 129

133 統計資料 3 (9) 化学品 2 単位 抗生物質の薬剤 t その他の薬剤 t 22,268 26,884 28,162 27,279 免疫血清 t レントゲン検査のための対比薬剤 t 界面活性剤 ( 石鹸を除く ) t 2,038 2,980 2,526 2,264 石鹸その他の界面活性剤 t 66,854 61,998 60,124 54,364 小売用の界面活性剤 t 2,271 2,310 2,338 1,073 小売用の手洗い 洗浄剤 1,000t つや出し剤 t 2,348 1,877 1,147 1,224 食器洗剤 t 2,089 6,683 8,034 7,631 歯磨き粉 t 香水 芳香剤 t 唇 目用の化粧品 t マニキュア ペディキュア剤 t 922 1,169 1, ,062 スキンケア用化粧品 t 3,013 3,846 6,430 5,920 5,045 シャンプー 1,000dal 1,377 1,509 1,650 1,592 1,594 ヘアスプレー t ヘアケア剤 t 2,211 2,291 3,210 2,980 2,821 髭剃り用ローション クリーム t デオドラント t 入浴剤 t 714 1,524 3,286 2,366 2,599 接着剤 ゼラチン t 12,158 13,778 16,114 21,339 芳香油 t 調整された化学油 t 2,960 2,845 4,299 4,981 潤滑物質 t 24,503 48,003 52,379 19,346 水圧伝送 ブレーキシステム用液体 t 16,599 14,875 20,747 19,845 繊維 皮革 製紙産業用物質 t 冶金 機械 化学工業用物質 t 35,065 34,465 34,454 34, 社団法人ロシア NIS 貿易会

134 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 (10) その他の非金属鉱物製品 板ガラス ( 鋳造 圧延または吹かれたか伸ばされたもの ) 大判厚板ガラス つや消しガラス 表面研磨ガラス 単位 万 m ,000m 安全ガラス 1,000m ガラス製多層絶縁製品 1,000m ,709 2,238 ビン (0.5l 容器換算 ) 100 万個 922 1, ,045 飲料 食品用ガラス容器 100 万個 1,216 1,604 1,950 2,196 2,417 薬品用ガラス容器 100 万個 その他のガラス容器 100 万個 食器 100 万個 陶器タイル 100 万 m セメント 100 万 t 石灰 1,000t 4,962 5,302 5,342 5,450 5,688 5,125 ブロック セメント製レンガ 人工石 ( レンガ換算 ) 100 万個 1,514 1,667 1,834 1,969 2,221 レンガ 100 万個 1,563 1,829 1,890 2,054 2,311 建設用組み立て資材 1,000m 3 2,492 2,763 3,204 3,732 4,585 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 131

135 統計資料 3 (11) 冶金 完成金属製品 単位 銑鉄 100 万 t フェロアロイ 1,000t 1,706 2,020 1,721 1,843 2,010 粗鋼 ( 連続鋳造によって得られたもので 半製品を除く ) 100 万 t 鉄鋼半製品 ( 連続鋳造によって得られたもの ) 100 万 t 完成鋼材 100 万 t ステンレス鋼薄板 (600mm 以下の冷延板を除く ) 1,000t 熱延薄板 ( ステンレス鋼を除く ) 1,000t 9,353 10,326 10,490 10,192 10,767 線材 1,000t 2,488 2,581 2,171 2,748 2,764 棒鋼 1,000t 5,826 5,876 5,535 5,819 6,377 高さ 80mm 以上の形鋼 1,000t 2,598 2,346 2,206 1,439 2,255 鉄道レール 1,000t 鋼管 1,000t 2,136 2,127 2,399 2,761 2,803 2,533 継目無鋼管 1,000t 1,007 1,003 1,190 1,334 1,321 溶鍛接鋼管 1,000t 1,129 1,125 1,209 1,428 1,482 非合金鉄の棒鋼 1,000t 非合金鉄の棒 形鋼 1,000t mm 以下の非合金鉄冷延薄板 1,000t 冷延薄板 非合金鉄からつくられた被覆なしの棒 形鋼 1,000t 非合金鉄のプロフィル鋼板 1,000t 冷延薄板 非合金鉄からつくられた亜鉛めっきの棒 形鋼 1,000t 冷間ロール成型形鋼 1,000t 条鋼 1,000t 鉄骨構造 1,000t l タンク 1,000t 圧力ボンベ タンク 1,000t 集中暖房ボイラー 1,000 台 社団法人ロシア NIS 貿易会

136 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 (12) 機械 設備 1 単位 ディーゼルエンジン 台 タービン 台 160 1, 水圧 空気圧動力装置 1,000 台 液体ポンプ 1,000 台 1,824 1,894 1,684 1,627 1,799 空気 真空ポンプ 1,000 台 ,220 1,314 バルブ コック t 11,995 16,416 17,350 18,839 19,695 ころがり軸受 t 22,502 30,080 24,387 21,863 24,139 ローラーチェーン t 1,496 2,091 2,356 2,019 1,892 ベアリングユニット t ギヤボックス 歯車駆動装置 t 1,500 1,752 2,767 3,067 3,711 はずみ車 滑車 t スリーブ マフ サイレントブロック t 電動ホイスト 巻き上げ機 台 ウインチ キャプスタン 台 1,182 2,157 1,545 1,352 1,859 ジャッキその他の輸送手段昇降機 台 橋形クレーン ( 支柱固定式 ) 台 その他のクレーン 台 塔型クレーン 台 フォークリフト 台 1,126 2,764 2,657 1,571 1,630 電動エレベーター 台 ,253 コンベア 貨物エレベーター 台 3,074 4,324 5,203 5,679 6,550 炉 コンバータ 圧延設備用貨物積載装置 台 農業用貨物積載装置 台 1,052 1,324 1,536 2,354 3,277 熱交換装置 1,000 台 気体液化装置 台 ,972 2,450 エアコンディショナー 1,000 台 業務用冷蔵 冷凍設備 1,000 台 旋盤 グラインダ ボール盤 フライス盤 台 旋盤 台 ボール盤 フライス盤 台 金属最終仕上機械 台 数値制御成型機 台 手動制御成型機 台 鍛造プレス機械 台 線材引き伸ばし 加工機械 台 木材加工機械 台 3,743 4,165 3,722 3,554 3,160 溶接 はんだづけ機械 1,000 台 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 133

137 統計資料 3 (13) 機械 設備 2 単位 冶金産業用機械 設備 台 14,327 14,382 11,403 10,462 12,766 コンバータおよびその他の鋳造機械 台 鋳型 取瓶 台 13,686 12,581 10,957 10,197 12,398 圧力鋳造機械 台 16 地下連続稼動エレベーター コンベア 台 17,850 10,273 26,645 18,211 13,205 コールカッター 開削機 台 , ボーリング機械 台 1,047 2,601 3,203 3,456 3,145 ランマー ロードローラー 台 バケット1 個の積込機 台 エクスカベーター 台 ,044 スクレーパーその他の土地作業機械 台 1,618 1, 鉱物加工処理機械 台 ,567 1,430 1,749 コンクリート モルタル ミキサー 台 1,567 2,530 2,861 6,248 10,286 非有機物を瀝青と混合する機械 台 土 石 鉱石を加工処理する機械 台 737 1,129 1,388 1,156 1,083 牛乳処理 加工機械 台 ,125 1, 穀物 製粉機械 台 1,418 1,409 1,009 3,445 1,153 飲料生産用機械 台 パン焼きオーブン 台 136 3,926 2,644 3,213 7,203 製パン用機械設備 台 9,302 7,426 6,689 4,848 3,552 菓子製造用機械設備 台 ,079 1,793 製糖用機械設備 台 1,447 1,644 1,863 2,669 ビール醸造用機械設備 台 食肉加工用機械設備 台 1, ,605 7,016 果実 木の実 野菜加工用機械設備 台 その他の食品 飲料生産用機械設備 台 ,641 1,211 1,437 採油用機械設備 台 930 2,133 1,199 1,944 1, 社団法人ロシア NIS 貿易会

138 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 (14) 農業機械 単位 トラクター 台 4,556 5,806 5,543 3,703 5,282 6,339 掘り起こし用鋤 台 4,285 5,192 3,058 2,542 3,025 ディスクハロー 台 2,090 4,101 4,520 4,421 5,751 歯杆ハロー 台 9,985 17,341 20,381 13,820 10,978 耕運機 台 7,667 8,941 7,988 11,508 7,888 播種機 台 7,983 9,932 11,315 8,968 7,065 植付機 台 施肥機 台 ,135 1,159 2,296 芝刈機 台 刈取機 台 1,542 3,069 3,802 3,206 3,106 穀物コンバイン 台 ジャガイモ コンバイン 台 甜菜コンバイン 台 携帯型噴霧器 1,000 台 トラクター噴霧器 台 農業用トレーラー セミトレーラー 台 ,035 1,115 畜産用機械 1,000 台 養鶏用機械 台 9,651 6,052 16,574 16,941 12,759 穀物精選機械 台 1,255 1,779 2,371 3,912 1,638 プラウヘッド 台 7,653 2,251 8,136 4,548 1,366 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 135

139 統計資料 3 (15) 電気機械 電子機器 計算機 単位 直流発動機 発電機 1,000 台 交流発動機 発電機 1,000 台 873 1, 変圧器 1,000 台 8,426 7,991 7,890 13,124 19,534 19,534 リアクター 1,000 台 1,276 2,138 3,834 7,774 3,721 高圧電気機械 1,000 台 低圧電気機械 1,000 台 82,889 80,630 69,520 78,492 75,856 高圧電気装置 1,000 台 低圧電気装置 1,000 台 絶縁電線 t 7,893 9,648 10,891 12,015 15,384 同軸ケーブル 電線 t ,000W 以下のケーブル 電線 1,000km ,000W 以上のケーブル 電線 1,000km 内燃機関用の鉛バッテリー 1,000 台 1,906 2,107 2,645 2,883 3,196 その他の鉛バッテリー 1,000 台 アルカリ バッテリー 1,000 台 電気ランプ 100 万個 ポータブル電気照明器具 1,000 個 卓上 床置き電気照明器具 1,000 個 吊り下げ 天井 壁電気照明器具 1,000 個 1,547 2,282 2,209 2,379 2,741 投射照明器具 1,000 個 電子警報装置 1,000 個 ,622 1,917 2,832 直流コンデンサー 1,000 個 6,000 4,706 3,751 2,317 2,705 電気抵抗器 1,000 個 ,326 14,824 17,548 印刷回路 1,000 個 2,083 4,582 3,930 9,261 8,732 半導体使用機器 1,000 個 47,158 18,304 28,706 32,058 25,612 集積回路 1,000 個 5,755 6,079 5,546 12,744 18,805 電話機 1,000 台 電話 電報交換器 1,000 個 搬送周波数電信装置 1,000 台 その他の電信装置 1,000 台 キャッシュレジスター 台 34,479 27,870 32,331 25,527 アナログまたはハイブリッドの計算機 台 6, デジタル計算機 台 1,318 コンピュータ 台 28,541 27,379 40,354 32,010 自動データ処理装置 台 1,282 2,354 2, 社団法人ロシア NIS 貿易会

140 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 (16) 家電製品 単位 家庭用冷蔵庫 冷凍庫 1,000 台 洗濯機 1,000 台 掃除機 1,000 台 扇風機 1,000 台 ,478 1,947 2,210 ミキサー ジューサー 1,000 台 アイロン 1,000 台 電気湯沸し器 1,000 台 1,992 2,389 2,674 2,241 2,005 電気暖房装置 1,000 台 電子レンジ 1,000 台 ラジオ 1,000 台 テレビ 1,000 台 音声増幅装置 1,000 台 704 2,925 2, ,045 (17) 医療機器 器具 光学機器 単位 電気診断機器 ( 心電計を除く ) 台 831 2,951 1,581 2,619 2,462 歯科器具 装置 1,000 台 注射器 注射針 カテーテル カニューレ等の医療器具 100 万個 眼科器具 装置 1,000 台 輸血用器具 装置 100 万個 内科 呼吸器科機器 1,000 個 ,020 1,006 整形外科器具 1,000 個 910 1,074 1,130 1,248 1,167 プラスチック製入歯 100 万個 その他の材質の入歯 1,000 個 補聴器 1,000 個 医療用家具 1,000 個 眼鏡レンズ 1,000 枚 6,702 6,281 7,569 5,325 5,778 眼鏡 1,000 個 眼鏡用フレーム 1,000 個 双眼鏡 1,000 個 望遠鏡等 1,000 台 貴金属製の腕時計 懐中時計 1,000 個 貴金属製でない腕時計 懐中時計 1,000 個 目覚まし時計 1,000 個 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 137

141 統計資料 3 (18) 計測 制御装置 単位 地質 海洋 水利 気象用器具 装置 1,000 台 線規模計測装置 1,000 台 電離放射線計測装置台 982 1, ,043 8,153 記録装置なしの万能計測機器 1,000 台 記録装置なしの電圧 電流 抵抗計測器 1,000 台 遠隔通信パラメーター計測器台 1,161 1,732 1,325 1,537 1,829 物理的 化学的量測定器 1,000 台 3,948 5,132 5,613 7,104 8,136 液体消費 水準計測管理装置 ( 電動 ) 台 528 2,343 1,049 3,789 9,718 液体消費 水準計測管理装置 ( 非電動 ) 1,000 台 圧力計 1,000 台 液体 気体計測管理装置台 4,380 9,672 8,326 9,593 10,863 ガス 煙分析器 1,000 台 1,183 1,618 1,163 1,036 1,368 顕微鏡 解析装置台 246 ガスメーター 1,000 個 液体メーター 1,000 個 1,291 1,346 1,365 1,464 1,185 電気メーター 1,000 個 638 1, ,094 1,317 回転メーター 商品カウンター タクシーメーター等 1,000 個 温度計 1,000 個 ,205 1,650 自動水圧 気圧制御装置 1,000 台 社団法人ロシア NIS 貿易会

142 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 (19) 輸送機器 単位 自動車 オートバイ用エンジン 1,000 台 乗用車 1,000 台 排気量 1,500cm 3 以下 1,000 台 排気量 1,500cm 3 以上 1,000 台 ディーゼル車 1,000 台 トラック 1,000 台 ディーゼル車 1,000 台 ガソリン車 1,000 台 バス 台 2,558 2,598 4,655 7,660 9,127 10,042 トロリーバス 台 特殊車両 台 ,195 1,206 2,147 クレーン車 台 トレーラー 1,000 台 貨物船 貨客船 隻 技術船 補助船隻 ゴムボート 1,000 隻 モーター オールのボート 隻 ,326 鉄道客車 台 鉄道貨車 1,000 台 バイク 台 自転車 1,000 台 身障者用車椅子 1,000 台 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 139

143 統計資料 3 (20) 家具 雑貨 単位 椅子 1,000 個 4,486 6,159 7,230 7,897 9,832 オフィス 商店用家具 1,000 個 1,103 1,672 1,520 1,885 2,096 住宅用木材家具 1,000 個 1,045 1,237 1,665 1,771 1,940 キッチン家具 1,000 個 マットレス 1,000 個 人形 1,000 体 動物の人形 1,000 体 傘 1000 本 ボタン 100 万個 スライドファスナー 1,000m 3,854 4,323 4,103 3,354 リノリウム 1,000m 2 5,403 8,502 9,098 9,175 9,206 (21) 電力 ガス 水の生産 単位 電力 10 億 kwh 火力 10 億 kwh 原子力 10 億 kwh 水力 10 億 kwh 石炭ガス 水性ガス 発生炉ガス等 100 万 m 3 50,863 53,544 53,037 57,851 63,047 熱エネルギー生産 100 万 kcal 社団法人ロシア NIS 貿易会

144 ウクライナの鉱工業 農林水産業の品目別生産高 (22) 農林水産業 単位 穀物 ( 精選後重量 ) 1,000t 20,234 41,809 38,016 34,258 29,295 53,290 秋まき作物 1,000t 3,658 19,386 19,744 14,444 小麦 1,000t 2,866 16,361 17,683 12,880 ライ麦 1,000t 620 1,589 1, 大麦 1,000t 172 1,436 1, 春まき作物 1,000t 16,576 22,423 18,272 19,814 小麦 1,000t 733 1,159 1,016 1,067 大麦 1,000t 6,662 9,649 7,967 10,359 燕麦 1,000t 941 1, とうもろこし 1,000t 6,875 8,867 7,167 6,426 キビ 1,000t ソバ 1,000t 米 1,000t 豆類 1,000t 甜菜 1,000t 13,392 16,600 15,468 22,421 16,978 13,438 大豆 1,000t ヒマワリの種 ( 精選後重量 ) 1,000t 4,254 3,050 4,706 5,324 4,174 6,526 ジャガイモ 1,000t 18,453 20,755 19,462 19,467 19,102 19,545 野菜 1,000t 6,538 6,964 7,295 8,058 6,835 7,965 果実 1,000t 1,697 1,635 1,690 1,114 1,470 1,504 葡萄 1,000t 食肉 ( 処理前重量 ) 1,000t 1,725 1,600 1,597 1,723 1,912 牛乳 100 万 t 13,661 13,710 13,714 13,287 12,262 11,762 卵 100 万個 11,477 11,955 13,046 14,235 14,063 14,931 羊毛 1,000t 3,353 3,202 3,195 3,277 3,449 3,747 木材伐採量 1,000m 3 14,266 15,432 15,244 15,849 16,884 魚 海産物漁獲高 1,000t ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 141

145 統計資料 3 本報告書は 財団法人 JKAから 競輪収益の一部である機械工業振興資金の補助を受けて作成したものである 競輪補助事業 平成 20 年度財団法人 JKA ロシア CIS の地域開発と機械設備需要調査報告書 ロシア ウクライナの基幹産業と機械設備需要 編集 発行 社団法人 ロシアNIS 貿易会 ロシアNIS 経済研究所 東京都中央区新川 金山ビル電話 (03) 年 3 月発行 製作 印刷 カントー 禁無断転載 142 社団法人ロシア NIS 貿易会

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