微生物遺伝資源利用マニュアル(37)
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- みいか いざわ
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1 微生物遺伝資源利用マニュアル (37)( 2015) MAFF Microorganism Genetic Resources Manual No.37 (2015) ISSN もやしとその原料の腐敗 汚損菌類 佐藤豊三 農業生物資源研究所 1. はじめにもやしは主にリョクトウ ( 緑豆,mung bean, green gram, Vigna radiata (L.) Wilczek.), ケツルアズキ (black matpe,black gram, Vigna mungo (L.) Hepper.) またはダイズ ( 大豆,soybean, Glycine max (L.) Merr.) を原料として製造され, 日本を含む東アジアに一般的な生鮮食品である. もやしは安価な野菜として年間を通して中国 韓国 日本料理などによく利用されている.2008 年当時, 国内では約 150 の生産者により 38 万トン以上のリョクトウもやしが生産された ( 沖縄税関,2010). 近年, 原料豆は全てアジア諸国から輸入されており, 例えば,2009 年には 55,534 トン ( 全輸入量の約 90%) のリョクトウおよびケツルアズキが中国から, 残りの 6,258 トン ( 同約 10%) がミャンマー, タイ, マレーシアおよびインドから輸入された ( 沖縄税関,2010). 一方, 毎年数トンの原料ダイズが主に中国とアメリカ合衆国から輸入されてきた ( 青木ら, 2000). もやし製造工程で原料豆は 25 ~ 30 のもとで十分な水と湿度を与えられる. このような条件は, 植物病原細菌 菌類等の増殖にとって好適である.Cylindrocephalum sp. によるリョクトウもやしの腐敗がアメリカ合衆国から報告されており (Cody and Maloy, 1984), また, 青木ら (1986) は国内で初めて 2 種の細菌, Erwinia carotovora (=Pectobacterium carotovorum) および Pseudomonas fluorescens Biotype II とともに,4 種の菌類,Colletotrichum sp., Fusarium solani (Mart.) Sacc., Macrophomina phaseolina (Tassi) Goid. および Rhizoctonia solani J. G. Kühn がリョクトウやケツルアズキのもやしに腐敗 汚損を引き起こすことを明らかにした. 続いて, リョクトウやケツルアズキのもやしから分離した Colletotrichum gloeosporioides (Penz.) Penz. & Sacc., Fusarium oxysporum Schltdl., F. solani, M. phaseolina および Rhizopus oryzae Went & Prins. Geerl., また, ダイズもやしから分離した Alternaria alternata (Fr.) Keissl. ならびに Fusarium graminearum Schwabe を用いてマイクロ波と蒸気を併用した殺菌法が開発された ( 青木ら,2000). 他方, もやしの腐敗 汚損を抑える目的で A. alternata, C. gloeosporioides および F. oxysporum に対する allylisothiocyanate の抗菌活性が調べられた ( 古谷ら,2002). さらに, 韓国において Fusarium moniliforme J. Sheld., F. oxysporum, F. solani および Pythium deliense Meurs がダイズもやしの腐敗菌として報告された (Oh and Park, 1996; Yun and Kim, 2003). 以上のように国内外で腐敗あるいは汚損したもやしから様々な菌類が検出 分離されているが, 最近, 農業生物資源ジーンバンクに登録 保存されていたその他の国内産菌株とともに, それらの形態およびバーコード DNA に基づく同定が行われ, 腐敗防止技術の開発や後発研究に利用できる菌株が提示された (Sato et al., 2014). 本マニュアルでは, もやし製造の参考資料とするため,Sato et al. (2014) に基づきリョクトウ, ケツルアズキおよびダイズもやしとその原料の腐敗 汚損菌を検出 分離 同定する手法を解説するのみならず, 実際に分離された各菌種の形態と DNA 塩基配列情報について紹介し, 該当菌株を示す. また, それら菌類の既往の研究報告に基づき, もやし製造や植物保護に対するリスクのほか, 健康に及ぼす影響について考察を加える. Toyozo Sato [National Institute of Agrobiological Sciences] Fungi isolated from rotten bean sprouts and its spoiled ingredients. MAFF Microorganism Genetic Resources Manual No.37 (2015) -1-
2 2. 腐敗 汚損菌の検出 分離方法腐敗 汚損もやし切片あるいはその原料豆を 70% エタノールに約 10 秒間浸漬後,1% 次亜塩素酸ナトリウム溶液に約 1 分間浸漬したものをブドウ糖加用ジャガイモ煎汁寒天平板培地 (PDA, Difco Laboratories, Detroit, MI, USA) に置床し,1 ~ 2 日培養する. 分離源から伸長した単菌糸をかき取り, あるいは分離源上や周辺培地上に形成された分生子などを用いて単胞子分離を行い,PDA 斜面培地に移植して純粋菌株を得る. 同定した代表菌株は農業生物資源研究所の農業生物資源ジーンバンク (MAFF) など公的菌株保存機関に寄託することが望ましい. 分離菌株の直径約 6 mm の菌叢ディスクを PDA 平板に置床し,25 暗黒下で 7-14 日間培養した後, 形成されたコロニーの表裏を観察 撮影する.Fusarium 属菌の観察には, 表面に滅菌ろ紙片を置いた Synthetic low nutrient agar(sna, Aoki & O Donnell, 1999) を, その他のカビの観察には PDA 培地を用いる. 分離菌株の PDA スラントからかき取った含菌糸寒天片を SNA または PDA 平板培地 ( 直径約 90 mm) に移植する.25 暗黒下で 7-14 日間培養した後, 子実体を形成していない菌株は 25, 点灯した近紫外線ランプ (Toshiba FL20SBLB, peak emission 352 nm) の約 20 cm 下でさらに培養を続ける. Rhizoctonia 属菌の菌糸細胞内の核を観察するには, 萩原ら (2008) に従って DAPI 染色を行い, 蛍光顕微鏡で観察する. 各菌株 30 ~ 50 個の増殖器官を光学顕微鏡の撮影装置に付随する 2 点間距離計測ソフトなどにより大きさ ( 長さ 幅 ) を測るとともに撮影する. 立体的な構造の子実体は前処理せずに低真空タイプの走査型電子顕微鏡により撮影する. 調査したデータを基に表 1 および 2 に挙げた文献や本マニュアルとの形態比較により菌株を同定する. 3. 腐敗 汚損菌の DNA 塩基配列解析および BLASTN 検索 ( 分子同定 ) まず, いずれの分離菌株についても 5.8S rrna 遺伝子を含む rrna 遺伝子の ITS1 および ITS2 領域 (ITS) の塩基配列を解析する.Colletotrichum, Aspergillus および Penicillium 属の菌株については β-tubulin-2 遺伝子 (TUB2) の部分塩基配列も以下の手順で解析する.Sato & Moriwaki (2013) に準じてゲノム DNA を抽出し, 両 DNA 領域を Sato & Moriwaki (2013) に倣って塩基配列を解析する. また,Fusarium 属の菌株については O Donnell et al. (2004) に従い histone H3 遺伝子 (HIS3) の部分塩基配列を解析する. 各 DNA 領域 遺伝子の PCR 増殖 ダイレクトシークエンス用プライマーを以下に示す. rrna (DNA) ITS1-5.8S rrna -ITS2 (ITS) ITS5: GGAAGTAAAAGTCGTAACAAGG ITS4: TCCTCCGCTTATTGATATGC β-tubulin-2 PCR 増幅用 T1: AACATGCGTGAGATTGTAAGT βt2b: ACCCTCAGTGTAGTGACCCTTGGC ダイレクトシークエンス用 ( 右図参照 ) T1: AACATGCGTGAGATTGTAAGT-3' TB5: GGTAACCAGATTGGTGCTGCCTT TBCA-2: GCACGTACTTGTTGCCGGA βt2b: ACCCTCAGTGTAGTGACCCTTGGC histone H3 H3F1: TGGCAAGGCCCCTCGCAAGC H3R1: GCGTGTCACYATCCAATCCAA -2-
3 なお最近では, プライマー情報などとともに生菌株あるいは抽出ゲノム DNA を提供して塩基配列解析を専門業者に委託しても比較的安価にデータが得られる. このマニュアルに記述した菌株の塩基配列データは, 農業生物資源研究所農業生物資源ジーンバンクの Web 菌株カタログの各菌株詳細ページ ( または DDBJ/EMBL/GenBank のデータベースに掲載されている ( アクセションは表 1, 2 参照 ). 塩基配列データは形態による同定結果を確認するため NCBI のウェブサイトにある Standard Nucleotide BLAST を利用して類似度 ( 相同性 ) 検索を行う. それぞれの BLASTN 検索において % の類似度を示す信頼度の高いアクセションとその菌種名が形態による同定結果と一致しているか確認する. 一致しない場合は, 形態同定を見直すか BLASTN 検索の結果を再検討する. 4. 腐敗 汚損の特徴と原料の産地腐敗 汚損したリョクトウもやしの写真は図 1-A, 図 2-A, 図 5-A, 図 7-A, 図 8-A, 図 9-A, 図 10-A, 図 15-A, 図 17-A, 図 18-A に示した. これらは全て中国産の原料豆から生じたものである. 図 3-A に挙げた帯状褐変はタイ国産のケツルアズキに発生した腐敗である. 腐敗 汚損したダイズ原料とそのもやしは図 19-A, 図 21-A, 図 22-A, 図 23-A に掲げた. アメリカ合衆国から原料供給会社が試験輸入した 2 例 ( 図 21-A, 図 22-A) のほかは全て中国産の原料である, 次項で各腐敗 汚損の特徴は分離菌の記載とともに説明する. 5. リョクトウ ケツルアズキから分離される菌類 ( カビ ) これまで 15 属 18 種の菌類が国内のリョクトウ (V. radiata) またはケツルアズキ (V. mungo) もやしと その原料から分離されている. 各種の形態を以下に記述し,BLASTN 検索の結果などを表 1 に示す. Alternaria alternata (Fr.) Keissl. : 暗褐色 ~ 黒色に腐敗した幼根 ( 図 1-A) から分離される. 培養コロニーの表側は綿毛状灰オリーブ色 ~ 褐色, 裏面は表面より暗色 ( 図 1-B, C). 分生子は連鎖し倒棍棒形で縦横, しばしば斜めの隔壁をもち, 淡褐色ないし褐色, 表面は細かいいぼ状突起に覆われる, 大きさ ( 平均 )µm, くちばし状突起は長さ ( 平均 14.4)µm( 図 1-D). Alternaria sp. : 分生子は A. alternata のものに似ており, 大きさ ( 平均 ) µm, くちばし状突起は長さ ( 平均 6.4)µm ( 図 1-E). 図 1. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 褐変した幼根, B-D: A の根から分離された Alternaria alternata (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C) および分生子 (D),E: Alternaria sp. (MAFF ) の分生子. Arthrinium arundinis (Corda) Dyko & B. Sutton : 白色菌糸の絡んだ淡褐色の胚軸および幼根から分離される ( 図 2-A). 培養コロニーの表側はまばらな白色気生菌糸があり, クリーム色 ~ 淡黄色, 裏面は表面より暗色 ( 図 2-B, C). 分生子柄は円筒形, 無色, 表面平滑, 幅 0.5 µm 長さ 4-14 (-34)µm. 分生子は無隔壁, レンズ形, 表面平滑, 暗褐色で周縁部はクリーム色, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 2-D, E). -3-
4 図 2. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 白色菌糸が絡んだ褐変腐敗もやし,B-E: 腐敗もやし A から分離された Arthrinium arundinis (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C),D: 分生子母細胞 ( 左側の p), 分生子柄 ( 右側の p) と未熟分生子,E: 成熟分生子. Aspergillus flavus Link : 培養コロニーの表側は黄緑色粉末状を呈する ( 図 3-A). 頂のうは放射状に密生す るフィアライド ( 分生子形成細胞 ) を持ち, 分生子柄は円筒形で表面は粗く無色, 幅 12 µm( 図 3-B, C). 分生子は無隔壁で球形ないし亜球形, 淡黄色, 大きさ ( 平均 4.1)µm ( 図 3-C). Aspergillus niger Tiegh. : 培養コロニーの表側は黒褐色 ~ 黒色粉末状を呈する ( 図 3-D). 分生子柄は長く 円筒形無色, 表面平滑, 幅 14µm 長さ 200µm 以上, 分生子頭は亜球形で直径 47-90µm. 分生子は無隔壁 で球形, 細かいいぼに覆われる, 淡褐色 ~ 褐色, 直径 ( 平均 4.1)µm ( 図 3-E). 図 3. 腐敗 汚損リョクトウもやしの分離菌 A-C: Aspergillus flavus (MAFF ),A: 分生子頭 (PDA 平板上 ),B: 頂のう ( 位相差顕微鏡像 ),C: 分生子柄 (p) と分生子,D, E: Aspergillus niger (MAFF ),D: 分生子頭 (PDA 平板上 ),E: 分生子柄 (p) と分生子 (A, D: 実体顕微鏡像 ). Chaetomium sp. : 培養コロニーの表側は淡橙色 ~ 黄色でベルベット状の気生菌糸に被われ, 裏面はチョコレート褐色で周縁が黄褐色を呈する ( 図 4-A, B). 子のう殻は球形ないし亜球形, 暗色, 周囲に湾曲した付属糸を持ち, 大きさ ( 平均 )µm( 図 4-C). 子のう胞子は子のう殻の口孔外に連なって押し出され, 無隔壁でレモン形ないし楕円形, 灰緑色, 大きさ ( 平均 )µm( 図 4-D). 図 4. 腐敗 汚損リョクトウもやしから分離された菌類 A-D: Chaetomium sp. (MAFF ), PDA 培養コロニー表面 (A) と裏面 (B),C: 子のう殻 ( 実体顕微鏡像 ),D: 子のう胞子. -4-
5 Colletotrichum chlorophyti S. Chandra & Tandon : 褐色斑の生じた胚軸 ( 図 5-A) から分離される. 培養コロニーの表側は灰色の気生菌糸で密に被われ, 裏面も灰色を呈する ( 図 5-B, C). 分生子層には褐色の剛毛があり ( 図 5-D), 分生子は鎌型で単細胞, 無色, 油滴を含み, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 5-E). 図 5. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 褐色斑の生じた胚軸, B-E: Colletotrichum chlorophyti (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C),D: 分生子層の剛毛,E: 分生子. Colletotrichum nymphaeae (Pass.) Aa : 褐色斑の生じた胚軸 ( 図 6-A) から分離される. 培養コロニーの表側は白色 ~ 淡灰色綿毛状の気生菌糸で被われ, 中央部に黄橙色 ~ 橙色の分生子塊が生じる. 裏面は淡橙色を帯びた淡灰色を呈する ( 図 6-B ~ D). 分生子層には剛毛がなく, 分生子は長楕円形ないし紡錘形で単細胞, 無色, 油滴を含み, 大きさ ( 平均 )µm( 図 6-E). 図 6. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 褐色斑の生じた胚軸,B-E: Colletotrichum nymphaeae (MAFF ),B: A から分離平板に生育したカビ, PDA 培養コロニー表面 (C) と裏面 (D),E: 分生子. Fusarium equiseti (Corda) Sacc. : 胚軸が帯状に褐変したケツルアズキ ( 図 7-A) から分離される. 培養コロニーの表側は白色 ~ 淡橙色のまばらな気生菌糸に被われ, 裏面は表よりやや濃色を呈する ( 図 7-B, C). 図 7. 腐敗 汚損ケツルアズキもやし (A) とその分離菌 A: 帯状褐変を呈した胚軸, B-F: A から分離された Fusarium equiseti (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C),D: モノフィアライド,E: 大分生子,F: 厚壁胞子. -5-
6 大分生子形成細胞はモノフィアイライドで倒卵形ないし倒棍棒形 ( 図 7-D). 大分生子は先端が口吻状に 突出し湾曲した鎌形で基部に脚胞をもち,4-6 隔壁, 無色, 大きさ ( 平均 ) µm ( 図 7-E). 厚壁胞子も形成され,0-1 隔壁をもち連鎖する ( 図 7-F). Fusarium oxysporum Schltdl. : 褐変した初生葉 ( 図 8-A) から分離される. 培養コロニーの表側は白色綿毛状の気生菌糸で密に被われ, 裏面は中央部が濃紫色 ~ 淡紫色で周縁部は白色を呈する ( 図 8-B, C). 小分生子柄は短く枝分かれしない ( 図 8-D). 小分生子は楕円形, 円筒形, 卵形ないしボート形で隔壁はなく無色. 大きさ ( 平均 )µm( 図 8-D, F). 厚壁胞子は菌糸先端あるいは菌糸の細胞間に形成され, 表面平滑で無色 ( 図 8-E). 大分生子はわずかに湾曲した鎌形で主に 3 隔壁をもち無色, 大きさ ( 平均 )µm( 図 8-F). 図 8. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 初生葉の褐変,B-F: A から分離された Fusarium oxysporum (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C),D: 小分生子柄 (p) および小分生子 ( 位相差顕微鏡像 ),E: 厚壁胞子,F: 大分生子 (a) と小分生子. Fusarium sp. : 大分生子は先端が尖りわずかに湾曲した鎌形ないしボート形で 3 隔壁をもち, 無色, 大きさ ( 平均 )µm. Geotrichum candidum Link : 部分的に褐色の斑点が生じた胚軸と幼根 ( 図 9-A) や原料豆から分離される. 培養コロニーの表側は白色の気生菌糸で被われ, 裏面は白色 ~クリーム色を呈し ( 図 9-B, C), 強いフルーツ臭を発する. 一次菌糸は二又あるいは三又状に分枝しながら伸張し, 無色で表面平滑, 太さは 8-10( 平均 8.7)µm( 図 9-D). 分生子形成様式は菌糸の隔壁部で切れてそのまま分散する分節型で, 分生子は短い円筒形ないし広楕円形, 無色, 表面平滑, 大きさ 4-11 (-15.2) ( 平均 )µm ( 図 9-E). 図 9. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 褐変した胚軸と幼根,B-E: A から分離された Geotrichum candidum (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C),D: 二又分枝を呈する菌糸, E: 菌糸の分節により形成された分生子. -6-
7 Macrophomina phaseolina (Tassi) Goid. : 暗褐色 ~ 黒色に腐敗したもやし ( 図 10-A) や原料豆からしばしば分離される. 培養コロニーは 35 前後の高温で生育が早く, 表側は淡灰色の気生菌糸で密に被われ, 裏面は黒色を呈する ( 図 10-B, C). 分生子殻は黒色亜球形で直径は 250µm 以下. 微小菌核は亜球形ないし広楕円形で直径は 150µm 以下 ( 図 10-D). 分生子は隔壁がなく, 真直か時にやや湾曲し無色円筒形ないし長紡錘形, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 10-E). 図 10. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 黒変した胚軸,B-E: A より分離された Macrophomina phaseolina (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C),D: 分生子殻および微小菌核 (m),e: 分生子. Phoma sp. : 培養コロニーの表側は淡灰色 ~ 白色の気生菌糸で被われ, 裏面は中央部が淡灰色を帯び, 白色 ~クリーム色を呈する ( 図 11-A, B). 分生子殻は亜球形で暗褐色の細胞で縁取られた一つの口孔をもつ ( 図 11-C). 分生子はレモン形ないし広楕円形で, 無色, 表面平滑, 大きさ ( 平均 ) µm( 図 11-D). 図 11. 腐敗 汚損リョクトウもやしの分離菌 A-D: Phoma sp. (MAFF ), PDA 培養コロニー表面 (A) と裏面 (B),C: 分生子殻,D: 分生子 ( 位相差顕微鏡像 ). Phomopsis phaseoli (Desm.) Sacc. var. phaseoli (Diaporthe phaseolorum (Cooke & Ellis) Sacc. var. phaseolorum) : 培養コロニーの表側は淡褐色 ~ 白色の気生菌糸で密に被われ, 黒い粒点 ( 分生子殻 ) が散在する. 裏面は淡褐色 ~ベージュ色を呈する ( 図 12-A, B). 分生子殻は子座上に密集して形成され, 黒色で口孔より分生子粘塊を逸出する ( 図 12-C).α 型分生子は隔壁がなく楕円形ないし長楕円形または紡錘形で無色, 通常 2 油滴を含み, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 12-D),β 型分生子は見られない. 図 12. 腐敗 汚損リョクトウもやしの分離菌 A-D: Phomopsis phaseoli var. phaseoli (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (A) と裏面 (B),C: 黒い分生子殻から逸出した分生子塊,D: 分生子 ( 位相差顕微鏡像 ). -7-
8 Phomopsis sp. (Diaporthe sp.) : 培養コロニーの表側は白色の気生菌糸で密に被われ, 裏面は淡黄褐色で暗褐色のセクター ( 扇状変異部 ) を伴う ( 図 13-A, B).α 型分生子は隔壁がなく楕円形ないし長楕円形または紡錘形で無色, 油滴を含み, 大きさ ( 平均 )µm( 図 13-C),β 型分生子は見られない. 図 13. 腐敗 汚損リョクトウもやしの分離菌 A-C: Phomopsis sp. (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (A) 裏面 (B),C: 分生子 ( 位相差顕微鏡像 ). Trichoderma sp. : 培養コロニーの表側周縁部はは淡灰緑色の気生菌糸で蜜に被われ, 裏面も表とほぼ同色 ( 図 14-A, B). 分生子柄は円筒形で先端ほど細く無色, 表面平滑, 幅 µm, 長さ µm. フィアライド ( 分生子形成細胞 ) は三又状に生じ, 無色で表面平滑, 大きさ ( 平均 ) µm( 図 14-C). 分生子はレモン形ないし広楕円形で無色, 表面平滑, 大きさ ( 平均 )µm( 図 14-D). 図 14. 腐敗 汚損リョクトウもやしの分離菌 A-D: Trichoderma sp. (MAFF ). PDA 培養コロニー表面 (A) と裏面 (B),C: 分生子柄 ( 白矢尻 ) とフィアライド ( 黒矢尻 ),D: 分生子. Rhizoctonia solani J.G. Kühn( 菌糸融合群 AG-4, 培養型 HG-I): 部分的に褐変したもやし ( 図 15-A) あるいは原料豆から分離される. 培養コロニーの表側は淡褐色 ~ 帯赤褐色で, 褐色の色素を培地全体に分泌する ( 図 15-B). 菌糸細胞は多核で主軸菌糸に対してほぼ直角に分枝が伸び, 分枝の基部で菌糸がくびれ, 分枝の近くに隔壁が形成される. 太さ ( 平均 7.7)µm( 図 15-C). 図 15. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 褐変した胚軸と幼根,B,C: A から分離された Rhizoctonia solani AG-4, HG-I (MAFF ),B: PDA 培養コロニー表面,C: DAPI 染色した菌糸中の核 ( 淡青色の点 ),D, E: Rhizoctonia solani AG-4, HG-III (MAFF ),D: PDA 培養コロニー表面,E: DAPI 染色した菌糸中の核 ( 淡青色の点 )(C, E: 蛍光顕微鏡像,B ~ E: 窪田昌春氏原図 ). -8-
9 Rhizoctonia solani J.G. Kühn( 菌糸融合群 AG-4, 培養型 HG-III): 培養コロニーの表側は気生菌糸に乏しくやや霜降り状, 淡赤褐色 ~ 帯赤褐色で, 羽毛状の菌糸に覆われた褐色の微小菌核を放射状に形成する ( 図 15-D). 菌糸細胞は多核で主軸菌糸に対してほぼ直角に分枝が伸び, 分枝の基部で菌糸がくびれ, 分枝の近くに隔壁が形成される. 太さ ( 平均 7.7)µm( 図 15-E). Globisporangium ultimum var. ultimum (Trow) Uzuhashi, Tojo & Kakish. (Pythium ultimum Trow var. ultimum) : 培養コロニーの表側は白色でまばらな気生菌糸に被われ, 裏面も全体的に白色を呈する ( 図 16-A, B).hyphal swellings は菌糸細胞間あるいは菌糸先端に形成され, 広楕円形, 球形またはレモン形で無色, 表面平滑, 直径 (17.5-) (-26.4)( 平均 20.7)µm ( 図 16-C). 造卵器は菌糸先端か時に菌糸細胞間に形成され, 球形で表面平滑, 直径 ( 平均 21.9)µm. 造精器はのう状で造卵器当たり 1-3 個側着し, ほとんどの場合同菌糸性または異菌糸性, 直径 ( 平均 )µm ( 図 16-C). 図 16. 腐敗 汚損リョクトウもやしの分離菌 A-C: Globisporangium ultimum var. ultimum (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (A) と裏面 (B),C: 造精器 (a) の付いた造卵器 (o) および hyphal swelling (s). Lichtheimia ramosa (Zopf) Vuill. (Absidia corymbifera var. ramosa (Zopf) Coudert) : 塊になって腐敗したもやし ( 図 17-A) から分離される. 培養コロニーは 37 の高温でも生育が早く, 表側はまばらな毛足の長い淡褐色の気生菌糸に被われ, 裏面は淡灰ベージュ色を呈する ( 図 17-B, C). 仮根は単純で短い分枝から成る. 胞子のう柄は湾曲し分枝することが多く表面平滑で無色, 太さ 6-18 µm, 長さ 165 µm 以下 ( 図 17-D). 胞子のうは球形ないし広卵形で灰褐色, 直径 (-104)( 平均 55)µm. 柱軸は広楕円形ないし卵形で無色, 直径 30-54(-64)( 平均 42)µm( 図 17-E). 胞子のう胞子は広楕円形ないし短円筒形, 無色 ~ 淡灰色で表面平滑, 大きさ ( 平均 )µm. 図 17. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 絡み合って腐敗したもやし, B-E: A より分離された Lichtheimia ramosa (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) 裏面 (C),D: 胞子のう柄 (p) および胞子のう,E: 分枝し湾曲した胞子のう柄および胞子のう胞子. Rhizopus oryzae Went & Prins. Geerl. : 黒いカビが絡みつき塊になったもやし ( 図 18-A) から分離される. 培養コロニーは 40 の高温でも生育が早く, 表側はまばらな毛足の長い暗灰色の気生菌糸に被われ, 裏面はクリーム色を呈する ( 図 18-B, C). 仮根は単純で複数の短い分枝から成る. 胞子のう柄は表面平滑で -9-
10 無色, 太さ 12-20( 平均 15.2)µm, 長さ 1.5 mm 以下 ( 図 18-D). 胞子のうは球形で灰黒色, 直径, ( 平均 125.0)µm ( 図 18-E). 柱軸は釣鐘形でほぼ無色, 高さ (52-)68-140( 平均 92.0)µm. 胞子のう胞子は亜球形ないし広楕円形または有角球形, 淡褐色で表面は筋状模様を呈し, 大きさ (-15.6) 4-9 ( 平均 )µm ( 図 18-F). 図 18. 腐敗 汚損リョクトウもやし (A) とその分離菌 A: 黒色菌糸が絡みついて腐敗したもやし,B-F: A から分離された Rhizopus oryzae (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C),D: ほふく菌糸 (s), 仮根 (r), 胞子のう柄 (p) および胞子のう (g),e: 胞子のう柄 (p) および胞子のう,F: 胞子のう胞子. 6. ダイズもやしから分離 検出される菌類 ( カビ ) 6 属 7 種の菌類が国内のダイズ (G. max) もやしとその原料から分離されている. 各種の形態を以下に記 述し,BLASTN 検索の結果などを表 2 に示す. Cercospora kikuchii (Tak. Matsumoto & Tomoy.) M.W. Gardner : 紫褐色に変色した種皮 ( 図 19-A) から分離される. 培養コロニーの生育は最適温度でも非常に遅く, 表側は白色の気生菌糸で密に被われ, 裏面は黄褐色周縁部を伴い暗赤褐色を呈する ( 図 19-B, C). 分生子は針形で真直ないしやや湾曲し無色, 表面平滑で多隔壁をもち, 基部は裁切状, 大きさ (18-) ( 平均 )µm ( 図 19-D). 図 19. 腐敗 汚損ダイズもやし原料 (A) とその分離菌 A: 帯紫褐色の変色部の見られる原料豆,B-D: A の汚損種子より分離された Cercospora kikuchii (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) 裏面 (C),D: PDA 上に形成された針状分生子. Diaporthe phaseolorum var. caulivora Athow & Caldwell : PDA 平板上で発芽させた汚染種子から生育する ( 図 20-A). 培養コロニーの表側は周縁部がまばらで中央部が密な白色 ~ 淡ベージュ色の気生菌糸で被われ, 裏面は淡紅色を帯びたベージュ色を呈する ( 図 20-B, C). 子のう殻はフラスコ形で大き ( 平均 )µm で, 長さ µm の長い頚部を持つ ( 図 20-D). 子のうは棍棒形で頂環をもち 8 個の子のう胞子を含み, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 20-E). 子のう胞子は長楕円形ないし紡錘形, 無色で中央 1 隔壁と数個の油滴をもち, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 20-E). -10-
11 Fusarium graminearum Schwabe (Gibberella zeae (Schwein.) Petch) : 黒褐色の縦筋を伴って腐敗した胚 軸, あるいは催芽させた際, 赤褐色に変色した原料豆 ( 図 21-A) から分離される. 培養コロニーの表側 は周縁部が白く中央部が深紅の密な気生菌糸で被われ, 裏面は鮮やかな淡紅色を呈する ( 図 21-B, C). 大分生子形成細胞はモノフィアライドで長楕円形, 分生子柄上に輪生する ( 図 21-D). 大分生子は先端の 尖ったわずかに湾曲した鎌形で, 基部に脚胞と (3-)5-7 隔壁をもち, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 21-E). 厚壁胞子は広楕円形で数個連鎖し, 無色で表面平滑, 大きさ ( 平均 )µm. 子のう殻は亜球形, 赤褐色で 3-4 細胞の子のう胞子を 8 個ずつ内生する多くの子のうを含 む ( 図 21-F ~ I). 図 20. 汚染ダイズもやし原料 (A) とその分離菌 A: 汚染原料種子より PDA 平板上に生育したカビ,B-E: 同定された Diaporthe phaseolorum var. caulivora, PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C),D: 培地中に形成された子のう殻,E: 頂環 (a) をもつ子のう ( 位相差顕微鏡像 ). 図 21. 汚染ダイズもやし原料 (A) とその分離菌 A: 赤褐色に染まった腐敗もやし原料種子,B, C: 腐敗もやしより分離された Fusarium graminearum (MAFF ),PDA 培養コロニー表面 (B) と裏面 (C).D-I: F. graminearum (Gibberella zeae)(maff ),D: 分生子柄 ( 白矢尻 ), フィアライド ( 黒矢尻 ) および未熟大分生子,E: 成熟大分生子,F: ろ紙添加 SNA 上に形成された子のう殻,G: 成熟子のう殻,H: 子のう,I: 子のう胞子. Fusarium oxysporum Schltdl. : 形態的特徴は前出のとおり. 小分生子の大きさ ( 平均 )µm. 大分生子の大きさ ( 平均 )µm. 厚壁胞子あり. -11-
12 Penicillium oxalicum Currie & Thom : 黄褐色, 水浸状に腐敗したもやし ( 図 22-A) から分離される. 培養コロニーの表側は粉末状で最初は白色, 時間が経つと青緑色を呈する ( 図 22-B). 分生子柄は長い円筒形で無色, 表面平滑, 太さ µm, 長さ 100µm 以上. ペニシリは 2 回輪生し, フィアライド ( 分生子形成細胞 ) は円筒形ないし倒棍棒形で無色, 表面平滑, 太さ ( 平均 )µm. 分生子はレモン形ないし楕円形で無色, 表面平滑, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 22-C). 図 22. 腐敗 汚損ダイズもやし (A) とその分離菌 A: 水浸状に腐敗したもやし,B, C: A より分離された Penicillium oxalicum (MAFF ), B: 腐敗したもやし A より PDA 平板上に生育したカビ,C: 分生子柄 ( 白矢尻 ), フィアライド ( 黒矢尻 ) および分生子. Phoma medicaginis Malbr. & Roum. : 全体が褐変した, あるいは褐色斑点のある種子上に形成された分生子殻から分離される ( 図 23-A, B). 培養コロニーの表側は周縁部が淡ベージュ色で中央部が淡褐色 ~オリーブ褐色の比較的まばらな気生菌糸で被われる ( 図 23-C).PDA 上の分生子殻は球形ないし亜球形または楕円形で 1 ~ 数個の口孔をもつ, 直径 ( 平均 )µm で淡橙色の分生子粘塊を逸出する ( 図 23-D, E). 分生子は短いフィアライドから形成され, 楕円形ないし円筒形で無色, 大きさ ( 平均 )μm ( 図 23-F). 図 23. 腐敗 汚損ダイズもやし原料 (A) とその分離菌 A: 褐変した種子,B: A の褐変部に形成された分生子殻,C-F: 分生子殻 B より分離された Phoma medicaginis (MAFF ),C: PDA 培養コロニー表面,D: 分生子塊,E: 分生子殻, F: 分生子. Phomopsis phaseoli var. sojae (Lehman) Sacc. (Diaporthe phaseolorum var. sojae (Lehman) Wehm.) : 培養コロニーの表側は白色の気生菌糸で密に被われ, 裏側は淡褐色を呈する ( 図 24-A, B).α 型分生子は隔壁がなく楕円形ないし長楕円形または紡錘形で無色, 油滴を含み, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 24-C). -12-
13 図 24. 腐敗 汚損ダイズもやしの分離菌 A-C: Phomopsis phaseoli var. sojae (MAFF ), PDA 培養コロニー表面 (A) と裏面 (B),C: 分生子 ( 位相差顕微鏡像 ). Syncephalastrum racemosum Cohn ex J. Schröt. : 胞子のう柄の先端には直径 41-65µm の頂のうがあり. 頂のうに大量の分節胞子のう (merosporangia) が房状に形成される. 分節胞子のうは円筒形で 10 個以下の胞子を含み, 長さ 14-25µm. 胞子のう胞子 (merospores) は球形ないし卵形で無色, 表面平滑, 大きさ ( 平均 )µm ( 図 25). 図 25. 腐敗 汚損ダイズもやしの分離菌 Syncephalastrum racemosum (MAFF ) の胞子のう柄 (p) および大量の分節胞子のう ( 走査電子顕微鏡像 ). 7. 検出 分離される腐敗 汚損菌の潜在的リスク接合菌類の Lichtheimia ramosa, Rhizopus oryzae および Syncephalastrum racemosum が暗色菌糸の絡みついた塊状のもやし ( 図 17-A, 図 18-A) からよく分離されるが, これらはすべて高温多湿条件で極めて生育の早い菌であり, もやし生産では特に注意が必要である. リョクトウもやしから分離された卵菌の 1 種 Globisporangium ultimum var. ultimum (=Pythium ultimum var. ultimum) は以前, 水環境に適応した Pythium 属菌であったところから (Plaats-Niterink, 1981; Uzuhashi et al., 2010), もやし製造に用いられる水に混入していた可能性が高い. したがって, 製造用水の水質にも気を配る必要がある. Aspergillus flavus (MAFF , MAFF ),Aspergillus terreus Thom (MAFF ) および Paecilomyces lilacinus (Thom)Samson(MAFF ) がもやし製造工場の排水などから検出 分離されている ( 矢口貴志, 未発表 ). このうち, もやしそのものからも分離され A. flavus は原料豆に付着あるいは侵入していることが考えられる. 本来は腐生性と認識されていた Penicillium oxalicum (Pitt, 1979) がダイズもやしに病原性を発揮する可能性がある. また, リョクトウ, ケツルアズキおよびダイズから検出 分離された菌類の約 70% はすでに国内外で植物病原菌として認識されており ( 日本植物病理学会 農業生物資源研究所, 2012; Damm et al., 2009; Kulik, 1989; Hartman et al., 1999; 表 1, 2). さらに, 少なくとも 14 種が種子伝染性と報告されている (Malone et al., 1997; Hartman et al., 1999; 表 1, 2). もやし原料豆のほとんどすべてが海外から輸入されていることから, これは植物防疫の観点から見逃せない事実である. 例えば, 北米産ダイズ種子から検出された Diaporthe phaseolorum var. caulivora は南北アメリカ大陸の重要ダイズ病原菌として知られるが (Kulik, 1989; Hartman et al., 1999; Costamilan et al., 2008), 国内分布は未報告であり, 侵入を阻止しなければならない菌種と言える. これらの汚染原料豆はもやし製造の脅威となるだけではなく, 病原菌を媒介するため国内の植物保護上のリスクをはらんでいる. 本マニュアルに示した一部菌株を用いたもやしの腐敗 汚損の予備的再現実験が行われたが (Sato et al., 2008a, b), これらのリスクを検証するため, 各菌種の -13-
14 代表菌株を用いて接種試験を行う必要がある. いずれにしても, 病原菌を保菌したもやし原料豆が輸入国に持ち込まれないように, 生産国において十分に滅菌後輸出することが望ましい. 腐敗 汚損もやしから分離される複数の菌種がカビ毒 (mycotoxins) を作ることも知られている (Samson and Reene-Hoekstra, 1988). ダイズから分離された Fusarium graminearum の菌株 MAFF は 45.4 ppm の, また,MAFF は 21.6 ppm の非常に高濃度の deoxynivalenol を産生することが報告されている ( 齊藤,2009).Fusarium graminearum を保菌する原料豆は発芽時に赤みを帯びるので ( 図 21-A), 製造初期にそのような豆を見つけた場合, ただちに除去する必要がある. また, リョクトウもやしから分離された Aspergillus flavus は aflatoxin 産生菌として名高い (Samson and Reene-Hoekstra, 1988). 上述の通り, 本菌はもやし製造工場からも検出 分離されている. したがって, 原料豆を滅菌するだけではなく, 製造工場の施設 設備もすべて清潔に保つ必要がある. 冒頭に述べたように, 腐敗 汚損菌を除去するため漂白液に浸ける, アンモニアやアリルイソチアネートのガスに暴露する, あるいは, 水蒸気とマイクロ波により加熱するなど, 原料豆の滅菌処理技術が国内で試みられてきた ( 青木ら,1986, 2000; 古谷ら,2002, 2003). それらの実用性を正しく評価するためには. 本マニュアルに掲載された菌株も用いてこれらの技術の滅菌効果を調査することが望まれる. 8. おわりにもやしは安価で供給が安定しており, 様々な料理の素材として利用できる, まさに庶民の強い味方であるが, 価格が低く抑えられている要因の一つには原料豆の安さがある. リョクトウやダイズなどの原料は中国や東南アジア諸国でほぼ放任栽培により生産されているという ( 青木睦夫, 私信 ). 生産コストを抑えるために病害虫の防除にはほとんど経費と労力をかけず, 収穫物の選別もおざなりという実態が想像に難くない. 無防除で作物を生産すると病害虫が多発することは国内で実証済みである ( 日本植物防疫協会,2008). 検出 分離される菌類の種子伝染性や病原性の記録を見ても, もやしの腐敗 汚損の元凶は不十分な原料生産技術にあると言っても過言ではなかろう. 輸入された原料豆は製造工程の最初に徹底的に洗浄され, 表面の微生物はほとんど取り除かれるが, 種皮を含めて内部に潜む菌類までは除去できない. もちろん, 洗浄だけでなく加熱などの滅菌処理を追加すれば, 原料豆の内部に潜在する微生物もおおかた除去できるはずであるが, 製造コストがかさんでしまうため, 通常は洗浄のみで次の工程に移ってしまう. ここに低価格のもう一つの要因があるが, 皮肉にもそれが腐敗 汚損のリスクを高めており, しばしば減収と不良品の廃棄につながっている. 昨今, 主要輸出国でリョクトウやダイズが不作になると原料価格の高騰によりもやしが値上がりする事態も起きている. 限られた原料でも無駄なく最大量のもやしが製造できるように, よりコストの安い原料豆の滅菌技術が一日も早く開発 実用化されることが望まれる. 本マニュアルの取りまとめにあたり, 三冨実業株式会社の青木睦夫博士には貴重な菌株や菌類の分離源をご提供頂いた. また, 農研機構野菜 茶業研究所の窪田昌春博士, 千葉大学真菌医学研究センターの矢口貴志博士, 元理化学研究所微生物材料開発室の埋橋志穂美博士, 農研機構近畿中国四国農業研究センターの富岡啓介博士および農業生物資源研究所の青木孝之博士には菌株の同定において有益なご助言を頂いた. そして, 同研究所遺伝資源センターの甘利義江氏, 阿部美保子氏, 中島比呂美氏, 井垣善美氏, 粢一恵氏および金澤智恵子氏には調査対象菌株の培養やコロニーの撮影などで多々ご支援を頂いた. 末筆ながら記してこれらの方々に厚く御礼申し上げる. 9. 引用文献青木睦夫 沼田邦夫 宮尾茂雄 (1986). もやし製造技術に関する研究. 東京農試研報 19: 青木睦夫 美濃部富男 宮尾茂雄 丹後修一 (2000). マイクロ波及び蒸気併用によるもやし原料用種子の殺菌. エレクトロヒート 114: Aoki, T. and O Donnell, K. (1999). Morphological characterization of Fusarium pseudograminearum sp. nov., formerly recognized as the Group 1 population of Fusarium graminearum. Mycologia 91:
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17 a) b) c) d) e) f) g) 表 1. リョクトウ (Vigna radiata) およびケツルアズキ (V. mungo) の腐敗 汚損もやしおよび汚染原料から分離された菌類 門 a) 種名 b) 分離源 c) 採集地 原料生産国 分離年 MAFF d) 番号 DNA 塩基配列 e) BLASTN 検索結果 登録番号類似度 f) 該当種参考文献 g) G Tokyo China I HQ /100 A. alternata SR A Alternaria alternata* S G Tokyo China I HQ /100 A. alternata SR A Alternaria sp. G Tokyo China n KM A Arthrinium arundinis S Miyagi China I KF /100 A. arundinis C, G A Aspergillus flavus* S Tokyo China A Aspergillus niger* T (AB849500) JX /100 A. flavus SR R Miyazaki Thailand n SR S Tokyo China n A Chaetomium sp. S G Tokyo China n Ha A Colletotrichum chlorophyti** S S Tokyo China A Colletotrichum nymphaeae* S S Tokyo China S Tokyo China , S Chiba China T I T I T I T I GU JX AB AB AB AB AB AB /66 99/94 100/ /96 100/ /96 100/ /100 C. chlorophyti D C. nymphaeae SM C. nymphaeae C. nymphaeae A Fusarium equiseti R Tokyo Thailand , n SR S Chiba China H AF /100 F. oxysporum SR A Fusarium oxysporum* S G Niigata China n A Fusarium sp. S Tokyo Myanmer n KM S Miyagi China I JQ /100 G. geotrichum A Geotrichum candidum (Galactomyces geotrichum)* G Miyagi China I KC /100 Galactomyces sp. SR S Niigata China I JQ /100 G. geotrichum A: 子のう菌門 (Ascomycota),B: 担子菌門 (Basidiomycota),O: 卵菌門 (Oomycota),Z: 接合菌門 (Zygomycota). *: 国内で植物病原として報告されている分類群 ( 日本植物病理学会 農業生物資源研究所,2012),**: 海外で植物病原として報告されている分類群 (Damm et al., 2009), S : 種子伝染性と報告されている分類群 (Malone et al., 1997). G: リョクトウ (Vigna radiata) のもやし原料子実,S: リョクトウ (V. radiata) のもやし,R: ケツルアズキ (V. radiata) のもやし. 農業生物資源研究所農業生物資源ジーンバンクに保存されている菌株. I: rdna-its 領域,T: β-tubulin-2 遺伝子部分塩基配列,H: Histone H3, n: 未シークエンス, ( ): DDBJ/EMBL/GenBank の塩基配列データのアクセション. 塩基配列の類似度 (%)/ 比較塩基数の対照塩基配列に対する割合 (%). C: Crous & Groenewald (2013), D: Damm et al. (2009), G: Gomes et al. (2013), Ha: Hanlin (1990), KM: Kiffer & Morelet (2000), SM: Sato & Moriwaki (2013), SR: Samson & Reene-Hoekstra (1988). -17-
18 表 1( 続き ). リョクトウ (Vigna radiata) およびケツルアズキ (V. mungo) の腐敗 汚損もやしおよび汚染原料から分離された菌類 門 a) 種名 b) A Macrophomina phaseolina* S 分離源 d) 採集地 原料生産国 分離年 MAFF e) 番号 DNA 塩基配列 f) BLASTN 検索結果 登録番号類似度 g) 該当種参考文献 S Tokyo China I FJ /100 M. phaseolina Ho G Tokyo China I FJ /98 M. phaseolina S Niigata China , I FJ /98 M. phaseolina G Niigata China I FJ /98 M. phaseolina A Phoma sp. G Tokyo China n KM A Phomopsis phaseoli var. phaseoli (Diaporthe phaseolorum var. G Tokyo Myanmer 2011 phaseolorum)* S , (242917) I JF /97 Diaporthe phaseolorum K, G h) A Phomopsis sp. (Diaporthe sp.) S Tokyo China n KM A Trichoderma sp. G Tokyo Canada n SR B Rhizoctonia solani (Thanatephorus cucumeris)* S Tokyo China n B R. solani (AG-4, HG-I) c) * S Niigata China I EU /100 R. solani JJ B R. solani (AG-4, HG-III) c) * G Tokyo China I DQ /100 T. cucumeris O Z Globisporangium ultimum var. ultimum (Pythium ultimum Trow var. ultimum)* Lichtheimia ramosa (Absidia corymbifera var. ramosa) G Tokyo China I P, U S Tokyo China I FJ /98 L. ramosa SR S Tokyo China I AY /98 R. oryzae SR Z Rhizopus oryzae* S G Miyagi China I AY /98 R. oryzae a) A: 子のう菌門 (Ascomycota),B: 担子菌門 (Basidiomycota),O: 卵菌門 (Oomycota),Z: 接合菌門 (Zygomycota). b) *: 国内で植物病原として報告されている分類群 ( 日本植物病理学会 農業生物資源研究所,2012), S : 種子伝染性と報告されている分類群 (Malone et al., 1997). c) AG: 菌糸融合群,HG: homogeneous group. d) G: リョクトウ (Vigna radiata) のもやし原料子実,S: リョクトウ (V. radiata) のもやし. e) 農業生物資源研究所農業生物資源ジーンバンクに保存されている菌株. f) I: rdna-its 領域,n: 未シークエンス. g) 塩基配列の類似度 (%)/ 比較塩基数の対照塩基配列に対する割合 (%). h) G: Gomes et al. (2013), Ho: Holliday (1980), JJ: Johnk & Jones (2001), K: Kulik (1984), KM: Kiffer & Morelet (2000), P: Plaats-Niterink (1981), SR: Samson & Reene-Hoekstra (1988), U: Uzuhashi et al. (2010). -18-
19 a) b) c) d) e) f) g) h) 表 2. ダイズの腐敗 汚損もやしおよび汚染原料から分離された菌類 門 a) 種名 b) 分離源 c) 採集地 原料生産国 分離年 MAFF d) 番号 A Cercospora kikuchii* S G Tokyo China I A DNA 塩基配列 f) BLASTN 検索結果 登録番号類似度 JX143619, HM g) 該当種参考文献 99/97 C. kikuchii HG Diaporthe phaseolorum var. caulivora** S G Tokyo USA 2009 e) I KC /100 D. caulivora K, G h) A Fusarium graminearum (Gibberella zeae)* A Fusarium oxysporum* G Tokyo USA I DQ /99 G. zeae SR, Ha S Tokyo China H AY /100 G. zeae G Tokyo China n A Penicillium oxalicum* S Ibaraki China G Tokyo China n SR S Ibaraki China I KC /100 F. oxysporum I, T (AB849501) JQ KC /98 99/99 P. oxalicum SR A S G Tokyo China I HQ /100 Phoma sp. B Phoma medicaginis* S G Tokyo China I EU /100 Phoma sp. A Phomopsis phaseoli var. sojae (Diaporthe phaseolorum var. sojae)* S S Tokyo China n K, G Z Syncephalastrum racemosum S Tokyo China n SR A: 子のう菌門 (Ascomycota),Z: 接合菌門 (Zygomycota). *: 国内で植物病原として報告されている分類群 ( 日本植物病理学会 農業生物資源研究所,2012),**: 海外で植物病原として報告されている分類群 (Kulik, 1989; Hartman et al., 1999; Costamilan et al., 2008), S : 種子伝染性と報告されている分類群 (Malone et al., 1997; Hartman et al., 1999). G: 原料子実,S: もやし. 農業生物資源研究所農業生物資源ジーンバンクに保存されている菌株. ガス滅菌済み乾燥コロニー標本. I: rdna-its 領域,T: β-tubulin-2 遺伝子部分塩基配列,H: Histone H3, n: 未シークエンス,( ): DDBJ/EMBL/GenBank の塩基配列データのアクセション. 塩基配列の類似度 (%)/ 比較塩基数の対照塩基配列に対する割合 (%). B: Boerema et al. (2004), G: Gomes et al. (2013), Ha: Hanlin (1990), HG: Hsieh & Goh (1990), K: Kulik (1984), SR: Samson & Reene-Hoekstra (1988). -19-
20 生物研資料 平成 27 年 11 月 November, 2015 微生物遺伝資源利用マニュアル (37) 2015 年 11 月 2 日印刷 2015 年 11 月 4 日発行 編集兼発行者 国立研究開発法人農業生物資源研究所 National Institute of Agrobiological Sciences 茨城県つくば市観音台 2-1-2
21 微生物遺伝資源利用マニュアル (37) もやしとその原料の腐敗 汚損菌類 佐藤豊三農業生物資源研究所 目次 1. はじめに 1 2. 腐敗 汚損菌の検出 分離方法 2 3. 腐敗 汚損菌の DNA 塩基配列解析および BLASTN 検索 ( 分子同定 ) 2 4. 腐敗 汚損の特徴と原料の産地 3 5. リョクトウ ケツルアズキから分離される菌類 ( カビ ) 3 6. ダイズもやしから分離 検出される菌類 ( カビ ) 検出 分離される腐敗 汚損菌の潜在的リスク おわりに 引用文献 14 表 1 リョクトウ (Vigna radiata) およびケツルアズキ (V. mungo) の腐敗 汚損もやしおよび汚染原料から分離された菌類 17 表 2 ダイズの腐敗 汚損もやしおよび汚染原料から分離された菌類 年 11 月編集兼発行者国立研究開発法人農業生物資源研究所
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760 植 物 防 疫 第 63 巻 第 2 号 09 年 キク品種の白さび病抵抗性と白さび病菌レース 宮城大学食産業学部 なかむら 宮城県農業 園芸総合研究所 は じ め しげ お いわ い たか 岩 井 孝 いたばし たける 中村 茂雄 板橋 さ さ よし 尚 き あつし 建 佐々木 厚 る その後 冬胞子は担子胞子を形成 飛散し キクで に のみ感染 増殖を繰り返して病気を拡散する 発病のた
8. 環境中のセルラーゼ生産糸状菌株の探索セルラーゼを生産する糸状菌が存在していそうな植物片などを植物管理室周辺で探して拾い集め, 乳鉢などで米粒くらいまで小さく破砕して CMC または粉末セルロースプレートに少量接種した. 当日の日程は以上で終了とし, 接種したプレートは研究室へ持ち帰り,28 で
生物科学班勉強会結果報告 ~セルラーゼ生産糸状菌の分離 ~ フィールド科学系部門生物科学班川北龍司 1. はじめにフィールド科学系部門生物科学班では, 年度ごとにメンバーの専門分野を互いに学ぶ勉強会を行っており, 平成 28 年度は私が担当することになった. そこで環境中や生態系における微生物の役割や, 分離操作について学ぶ勉強会を, 平成 28 年 12 月 19 日に植物管理室をお借りして行った.
豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹
豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 2.1.1 名称豚丹毒菌多摩 96 株 ( 血清型 2 型 ) 又はこれと同等と認められた株 2.1.2 性状感受性豚に接種すると
11月/庵原俊昭
Classification and identification of fungi Takashi YAGUCHI 6 fungus -gi Whittaker 5 1 Monera 4 Protista Plantae 0260-8673 - - Medical Mycology Research Center, Chiba University (1-8-1 Inohana, Chuo-ku,
医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる
化粧品用コラーゲンの原料 現在は 魚由来が中心 かつては ウシの皮膚由来がほとんど BSE 等病原体混入の危険 人に感染する病原体をもたない アレルギーの問題は未解決 ( むしろ問題は大きくなったかもしれない ) アレルギーを引き起こす可能性 医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では
ファイトプラズマ病を一網打尽に検出できる遺伝子診断キットの開発 根絶事業により途上国農業生産への貢献が期待 1. 発表者 : 難波成任 ( 東京大学大学院農学生命科学研究科生産 環境生物学専攻教授 ) 2. 発表のポイント : イネ ココヤシ バナナなどの重要作物や 花き 野菜 樹木など 1,000
ファイトプラズマ病を一網打尽に検出できる遺伝子診断キットの開発 根絶事業により途上国農業生産への貢献が期待 1. 発表者 : 難波成任 ( 東京大学大学院農学生命科学研究科生産 環境生物学専攻教授 ) 2. 発表のポイント : イネ ココヤシ バナナなどの重要作物や 花き 野菜 樹木など 1,000 種以上の植物 に感染し枯らす世界中のあらゆるファイトプラズマの高感度遺伝子診断キットを開発しまし た
微生物遺伝資源利用マニュアル(27)
微生物遺伝資源利用マニュアル (27) MAFF Microorganism Genetic Resources Manual No.27 ISSN 1344-1159 中村 仁 農業 食品産業技術総合研究機構果樹研究所 多犯性植物病原糸状菌の紫紋羽病菌および白紋羽病菌は, それぞれ紫紋羽病 (violet root rot) および白紋羽病 (white root rot) の病原菌であり, いずれも一般に紋羽病菌あるいは紋羽病と総称されるように,
スライド 1
新技術で分離した ヒト骨質由来微小幹細胞の医療応用 薗田精昭 関西医科大学大学院医学研究科先端医療学専攻修復医療応用系幹細胞生物学 2001 背景 (1): 微小幹細胞とは Journal of Cellular Biochemistry 80;455-460(2001) 微小幹細胞に関する最初の報告生体の組織内に非常に小さな spore-like stem cell が存在することが初めて報告された
第4期中長期計画成果6
ISBN: 978-4-905304-76-0 日本にもあるトリュフ 人工栽培化に向けて 国立研究開発法人森林総合研究所 Forestry and Forest Products Research Institute 第 4 期中長期計画成果 6( 育種 生物機能 -1) はじめに トリュフは西洋料理には欠かせない高級食材となるキノコです キノコと言えば地面から上にカサを広げている姿を思い浮かべますが
「カビとは? その功罪:有用なカビと毒をつくるカビ」髙橋治男先生
小さな巨人 カビ その偉大さと 安心 安全を探る NPO 法人食の安全安心を科学する会 (SFSS) 食の安全と安心フォーラム Ⅷ 国立医薬品食品衛生研究所髙橋治男 Welcome to our fungi world! We are waiting for you! Thank you!! 日本食 ( 世界遺産 ) は麹菌の文化 カワキコウジカビ ( ユーロチウム ) 醸せ! 今日のお話しの内容
(Microsoft Word - \202\205\202\2232-1HP.doc)
イーズ NO.002(15 年 8 月発行 ) 日本薬局方 微生物限度試験法微生物限度試験法の実際 監修 : 国立衛生試験所三瀬勝利 前号では微生物限度試験法について 全体的な解説を行ったが 本号では生菌数試験 大腸菌 サルモネラ 緑膿菌 黄色ブドウ球菌の試験項目ごとに それぞれ実際の試験の流れを図解してみた 試験を行う際に役立てて頂ければ幸いである また無菌試験法についても補冊として添付したので参照されたい
1 混合物の性質を調べるために, 次の実験を行った 表は, この実験の結果をまとめたもの である このことについて, 下の 1~4 の問いに答えなさい 実験操作 1 図 1 のように, 液体のエタノール 4cm 3 と水 16cm 3 の混合物を, 枝つきフラスコの中に入れ, さらに沸騰石を加えて弱火で加熱した 温度計を枝つきフラスコの枝の高さにあわせ, 蒸気の温度を記録した 操作 2 ガラス管から出てきた液体を
アメリカ合衆国の微生物遺伝資源保存機関の視察
微探収報 17: 16 22, 2005 アメリカ合衆国の微生物遺伝資源保存機関の視察 農業生物資源研究所ジーンバンク 微生物資源研究チーム 遺伝資源資源管理課 竹内香純 飯田元子 Inspection of Management Facilities of Microorganism Genetic Resources in the USA Kasumi TAKEUCHI and Motoko IIDA
論文題目 腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析
論文題目 腸管分化に関わる microrna の探索とその発現制御解析 氏名日野公洋 1. 序論 microrna(mirna) とは細胞内在性の 21 塩基程度の機能性 RNA のことであり 部分的相補的な塩基認識を介して標的 RNA の翻訳抑制や不安定化を引き起こすことが知られている mirna は細胞分化や増殖 ガン化やアポトーシスなどに関与していることが報告されており これら以外にも様々な細胞諸現象に関与していると考えられている
0001 ......
ツリヌス菌などがあります 食中毒では感染原因となる微生物の検出は重要であす ①感染型食中毒 サルモネラ カンピロバクターなど 細菌に汚染された食品を口にすることで 生きた菌自 らが食中毒を引き起こすもので 腸管にたどり着いた菌が腸管内でさらに増殖し 腸管組織に 侵入し 組織を壊し 炎症を起こします このため 腹痛や下痢などの症状を引き起こし ひ どい場合には血便が起こります ②感染 生体内毒素型食中毒
1 2 2-1 2-2 2-3 2-4 2-5DNA 3 3-1 3-2 3-3 3-4 3-5DNA 4 5 6 7 2
Estimation of optimal growth temperature and species identification of wood rotting fungi collected in Tosayamada town 1050001 1 1 2 2-1 2-2 2-3 2-4 2-5DNA 3 3-1 3-2 3-3 3-4 3-5DNA 4 5 6 7 2 1 PCB 4 KUT0401KUT0404
ab c d 6 12 1:25,000 28 3 2-1-3 18 2-1-10 25000 3120 10 14 15 16 7 2-1-4 1000ha 10100ha 110ha ha ha km 200ha 100m 0.3 ha 100m 1m 2-1-11 2-1-5 20cm 2-1-12 20cm 2003 1 05 12 2-1-13 1968 10 7 1968 7 1897
肝クッパ 細胞を簡便 大量に 回収できる新規培養方法 農研機構動物衛生研究所病態研究領域上席研究員山中典子 2016 National Agriculture and Food Research Organization. 農研機構 は国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構のコミュニケーショ
肝クッパ 細胞を簡便 大量に 回収できる新規培養方法 農研機構動物衛生研究所病態研究領域上席研究員山中典子 2016 National Agriculture and Food Research Organization. 農研機構 は国立研究開発法人農業 食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネームです 本技術開発の背景 (1) 肝臓マクロファージ ( クッパー細胞 ) 肝非実質細胞内皮細胞
博士学位論文審査報告書
5 氏 名満仲翔一 学 位 の 種 類博士 ( 理学 ) 報 告 番 号甲第 465 号 学位授与年月日 2017 年 9 月 19 日 学位授与の要件学位規則 ( 昭和 28 年 4 月 1 日文部省令第 9 号 ) 第 4 条第 1 項該当 学位論文題目腸管出血性大腸菌 O157:H7 Sakai 株に存在する Stx2 ファー ジにコードされた Small Regulatory RNA SesR
手順 ) 1) プライマーの設計 発注変異導入部位がプライマーのほぼ中央になるようにする 可能であれば 制限酵素サイトができるようにすると確認が容易になる プライマーは 25-45mer で TM 値が 78 以上になるようにする Tm= (%GC)-675/N-%mismatch
Mutagenesis 目的 ) 既存の遺伝子に PCR を利用して変異を導入する 1 点変異導入方法 ) Quik Change Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene) のプロトコールを流用 http://www.stratagene.com/products/showproduct.aspx?pid=131 Kit 中では DNA polymerase
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平成 29 年 2 月 22 日 報道機関各位 国立大学法人東京工業大学 国立遺伝学研究所 大量のオイルを生産する 最強藻類 の秘密を解明 - バイオ燃料の実用化に向け有力な手がかり得る - 要点 バイオ燃料生産に最有望の藻類 ナンノクロロプシス はオイルを高蓄積 細胞内小器官である油滴の表面で オイル合成を行う仕組みを発見 油滴の表面を活用した形質改変により オイルの量的 質的改良に期待 概要 東京工業大学生命理工学院の信澤岳特任助教
4. 加熱食肉製品 ( 乾燥食肉製品 非加熱食肉製品及び特定加熱食肉製品以外の食肉製品をいう 以下同じ ) のうち 容器包装に入れた後加熱殺菌したものは 次の規格に適合するものでなければならない a 大腸菌群陰性でなければならない b クロストリジウム属菌が 検体 1gにつき 1,000 以下でなけ
食肉製品 1 食肉製品の成分規格 (1) 一般規格 食肉製品は その 1kg につき 0.070g を超える量の亜硝酸根を含有するものであって はならない (2) 個別規格 1. 乾燥食肉製品 ( 乾燥させた食肉製品であって 乾燥食肉製品として販売するものを いう 以下同じ ) は 次の規格に適合するものでなければならない a E.coli( 大腸菌群のうち 44.5 で 24 時間培養したときに
微生物遺伝資源利用マニュアル(23)
微生物遺伝資源利用マニュアル (23) MAFF Microorganism Genetic Resources Manual No.23 ISSN 13441159 Plectosporium tabacinum 佐藤 豊三 農業生物資源研究所ジ ンバンク 1980 年代前半, 鹿児島県でカボチャの地上部全体にかすり状の白斑が多数生じ, 収穫に悪影響が及んで問題となった. 病徴から本病は白斑病と名づけられたものの,
図 12 HACCP の導入状況 ( 販売金額規模別 ) < 食品販売金額規模別 > 5,000 万円未満 ,000 万円 ~1 億円未満 億円 ~3 億円未満
平成 29 年 6 月 30 日食料産業局食品製造課 平成 28 年度食品製造業における HACCP の導入状況実態調査 HACCP を導入済みの企業は 29 導入途中の企業は 9 HACCP( ハサップ : Hazard Analysis and Critical Control Point) とは原料受入れから最終製品までの各工程ごとに 微生物による汚染 金属の混入等の危害を予測 ( 危害要因分析
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4. 農場巡回における長靴等の消毒効果 奈良県家畜保健衛生所業務第 課 岡本美奈子藤井規男 要約農場立入時の長靴等の消毒効果を調査するとともに改善方法を検討した 現状では 作業直後の長靴裏面の一般細菌数は.7 0 CFU/cm 水洗による菌数の対数減少値( 以下 LRV)0.86 逆性石けん液への長靴踏み込みによる LRV は 0.9 で充な効果は得られていない その後の車載消毒槽への浸漬で使用前のレベルまで菌数は下がるが
BKL Kit (Blunting Kination Ligation Kit)
製品コード 6126/6127 BKL Kit (Blunting Kination Ligation Kit) 説明書 PCR 産物を平滑末端ベクターにクローニングする場合 使用するポリメラーゼ酵素の種類により 3' 末端に余分に付加された塩基を除去し さらに 5' 末端をリン酸化する必要があります 本製品は これらの一連の反応を簡便に短時間に行うためのキットです PCR 産物の末端平滑化とリン酸化を同時に行うことにより
1 2
1 2 ECO 3 4 5 6 7 8 全てのゾーンには 新規納入からメンテナンスに至るまで お客様をサポートします 抗菌が要求されます 一般清潔区域 病院内全てのゾーンで生活環境を汚染する菌類からの汚染防止対策として 抗菌フィルター をお勧めします 高度清潔区域 清 潔 区 域 準清潔区域 ① 細菌類 ② 真菌類 酵母類 製 作 ご 提 案 銀 ゼ オライトの 抗 菌 抗 カ ビ の メ カ ニ
CRA3689A
AVIC-DRZ90 AVIC-DRZ80 2 3 4 5 66 7 88 9 10 10 10 11 12 13 14 15 1 1 0 OPEN ANGLE REMOTE WIDE SET UP AVIC-DRZ90 SOURCE OFF AV CONTROL MIC 2 16 17 1 2 0 0 1 AVIC-DRZ90 2 3 4 OPEN ANGLE REMOTE SOURCE OFF
研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞
資料 - 生電 6-3 免疫細胞及び神経膠細胞を対象としたマイクロ波照射影響に関する実験評価 京都大学首都大学東京 宮越順二 成田英二郎 櫻井智徳多氣昌生 鈴木敏久 日 : 平成 23 年 7 月 22 日 ( 金 ) 場所 : 総務省第 1 特別会議室 研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する
よる感染症は これまでは多くの有効な抗菌薬がありましたが ESBL 産生菌による場合はカルバペネム系薬でないと治療困難という状況になっています CLSI 標準法さて このような薬剤耐性菌を患者検体から検出するには 微生物検査という臨床検査が不可欠です 微生物検査は 患者検体から感染症の原因となる起炎
2014 年 7 月 9 日放送 薬剤耐性菌の動向と最近の CLSI 標準法の変更点 順天堂大学 臨床検査部係長 三澤 成毅 薬剤耐性菌の動向まず 薬剤耐性菌の動向についてお話しします 薬剤耐性菌の歴史は 1940 年代に抗菌薬の第一号としてペニシリンが臨床応用された頃から始まったと言えます 以来 新しい抗菌薬の開発 導入と これに対する薬剤耐性菌の出現が繰り返され 今日に至っています 薬剤耐性菌の近年の特徴は
Microsoft Word - 【広報課確認】 _プレス原稿(最終版)_東大医科研 河岡先生_miClear
インフルエンザウイルスの遺伝の仕組みを解明 1. 発表者 : 河岡義裕 ( 東京大学医科学研究所感染 免疫部門ウイルス感染分野教授 ) 野田岳志 ( 京都大学ウイルス 再生医科学研究所微細構造ウイルス学教授 ) 2. 発表のポイント : インフルエンザウイルスが子孫ウイルスにゲノム ( 遺伝情報 ) を伝える仕組みを解明した 子孫ウイルスにゲノムを伝えるとき 8 本のウイルス RNAを 1+7 という特徴的な配置
FdData理科3年
FdData 中間期末 : 中学理科 3 年 : 食物連鎖 [ 分解者のはたらきを調べる実験 1] [ 問題 ](1 学期期末 ) 下の図のように, ビーカーの中で布を広げて水を入れ, そこに落ち葉や土を入れてよくかき回し布でこした こした水をビーカー A に入れ,B には A と同量の水を入れた A と B に同量のデンプン溶液を加え, ラップシートでビーカーにふたをして 2~3 日間, 置いた
Bacterial 16S rDNA PCR Kit
研究用 Bacterial 16S rdna PCR Kit 説明書 v201802da 微生物の同定は 形態的特徴 生理 生化学的性状 化学分類学的性状などを利用して行われますが これらの方法では同定までに時間を要します また 同定が困難な場合や正しい結果が得られない場合もあります 近年 微生物同定にも分子生物学を利用した方法が採用されるようになり 微生物の持つ DNA を対象として解析を行う方法が活用されています
第3類危険物の物質別詳細 練習問題
第 3 類危険物の物質別詳細練習問題 問題 1 第 3 類危険物の一般的な消火方法として 誤っているものは次のうちいくつあるか A. 噴霧注水は冷却効果と窒息効果があるので 有効である B. 乾燥砂は有効である C. 分子内に酸素を含むので 窒息消火法は効果がない D. 危険物自体は不燃性なので 周囲の可燃物を除去すればよい E. 自然発火性危険物の消火には 炭酸水素塩類を用いた消火剤は効果がある
プロトコール集 ( 研究用試薬 ) < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫
< 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理後 マイクロウェーブまたはオートクレーブ処理 )p7 抗原ペプチドによる抗体吸収試験 p8 ウエスタン ブロッティング
概論 : 人工の爆発と自然地震の違い ~ 波形の違いを調べる前に ~ 人為起源の爆発が起こり得ない場所がある 震源決定の結果から 人為起源の爆発ではない事象が ある程度ふるい分けられる 1 深い場所 ( 深さ約 2km 以上での爆発は困難 ) 2 海底下 ( 海底下での爆発は技術的に困難 ) 海中や
地震波からみた自然地震と爆発の 識別について 平成 22 年 9 月 9 日 ( 財 ) 日本気象協会 NDC-1 概論 : 人工の爆発と自然地震の違い ~ 波形の違いを調べる前に ~ 人為起源の爆発が起こり得ない場所がある 震源決定の結果から 人為起源の爆発ではない事象が ある程度ふるい分けられる 1 深い場所 ( 深さ約 2km 以上での爆発は困難 ) 2 海底下 ( 海底下での爆発は技術的に困難
