災害復旧制度の目的と沿革 目的 自然災害により被災した公共土木施設を迅速 確実に復旧する 対象施設 河川 海岸 砂防設備 林地荒廃防止施設 地すべり防止施設 急傾斜地崩壊防止施設 道路 港湾 漁港 下水道 公園 沿革 古くは明治 14 年より予算補助の形での国庫補助 明治 32 年 災害準備基金特別

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ii 8. 河川法と漁港法との調整に関する協定 ( 抄 ) 運輸省港湾局と農林省水産庁生産部とに関連ある港湾災害復旧事業の処理について 76 第 2 漁港関係災害関連事業 Ⅰ 補助金交付要綱 1. 漁港関係災害関連事業等補助金交付要綱 77 Ⅱ 災害関連漁業集落環境施設復旧事業 1. 災


激甚災害制度について

22年5月 目次 .indd

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H28秋_24地方税財源

働き方改革実現に向けた週休二日の取得に関する取組について 直轄工事における週休二日取得の取り組み 施工時期の平準化適正な工期設定 週休二日算定が可能な 工期設定支援システム の導入 工事着手準備期間 後片付け期間の見直し 余裕期間制度の活用週休二日を考慮した間接費の補正 < 週休二日対象工事 > 対

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第 4 章 災害復旧計画

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

別添フロー 地すべり 事業着手の前年度まで 全体計画と構造協議の流れ 事業着手年度以降 ( 整備計画や事業実施計画に位置付け ) 時間の経過 事前協議に必要な地質調査等の実施 詳細設計を実施するための 地すべりブロックの特定 対策工の概略設計 追加調査の実施 事前協議 事業の必要性 費用対効果 交付

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平成二十七年九月七日から同月十一日までの間の暴風雨及び豪雨による災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令

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資料 5 論点 2 CMR に求められる善管注意義務等の範囲 論点 3 CM 賠償責任保険制度のあり方 論点 2 CMR に求められる善管注意義務等の範囲 建築事業をベースに CMR の各段階に応じた業務内容 目的ならびに善管注意義務のポイントを整理 CM 契約における債務不履行責任において 善管注

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羽村市地域防災計画

平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

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鬼怒川緊急対策プロジェクト 鬼怒川下流域 茨城県区間 において 水防災意識社会 の再構築を目指し 国 茨城県 常総市など 7市町が主体となり ハードとソフトが一体となった緊急対策プロジェクトを実施 ハード対策 事業費合計 約600億円 ソフト対策 円滑な避難の支援 住民の避難を促すためのソフト対策を

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事務連絡 平成 29 年 4 月 3 日 各都道府県財政担当課各都道府県市区町村担当課各指定都市財政担当課 御中 総務省自治財政局公営企業課 平成 29 年度における東日本大震災に係る地方公営企業施設の災害復旧事業等に対する地方財政措置等について 東日本大震災に係る災害復旧事業等については 平成 2

22年2月 目次 .indd

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出来形管理基準及び規格値 単位 :mm 編章節条枝番工種測定項目規格値測定基準測定箇所摘要 1 共通編 2 土工 3 河川 海岸 砂防土工 2 1 掘削工 基準高 ±50 法長 l l<5m -200 l 5m 法長 -4% 施工延長 40m( 測点間隔 25m の場合は 50m) につき 1 箇所

工事業追加に係る経営事項審査制度の改正と経過措置について 業種区分 工事 の新設に伴い 工事業に係る経営事項審査を新設 法施 後 3 年間 ( 平成 28 年 6 平成 3 年 5 3 まで ) に限り 経営事項審査についても経過措置を規定 工事業 に係る経営事項審査の欄を新設 経営事項審査において

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国費投入の必要性 事業の効率性 事業の有効性 関連事業 事業所管部局による点検 改善 項目 評価 評価に関する説明 事業の目的は国民や社会のニーズを的確に反映しているか 被災者の資力やニーズを踏まえた効率的 効果的な住まいの確保策に関する調査等を行っている 地方自治体 民間等に委ねることができない事

☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

出来形管理基準及び規格値 単位 :mm 編章節条枝番工種測定項目規格値測定基準測定箇所摘要 1 共通編 2 土工 3 河川 海岸 砂防土工 2 1 掘削工 法長 ç 基準高 ±50 ç<5m -200 ç 5m 法長 -4% 施工延長 40m( 測点間隔 25m の場合は 50m) につき 1 ヶ所

一太郎 10/9/8 文書

平成 28 年度補正予算和歌山県における事業計画総括表 ( 単位 : 千円 ) 事業区分 負担基本額 地方負担額 河川関係 1,382, ,040 道路関係 3,651, ,314 公園関係 - - 港湾関係 ( 港湾海岸事業を含む ) 445, ,550 空港関

業種区分の点検について

目次 1. 概要 操作方法 わがまちハザードマップを見る 地図で選ぶ 都道府県 市区町村を選択する わがまちハザードマップを使う 地図から選択する 地図上から直接選択..


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i-Construction型工事の概要 (素案)

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280318【説明資料差替(経審)】建設業法等の改正について をHPに使う(予定)最終P削除

目 次 桂川本川 桂川 ( 上 ) 雑水川 七谷川 犬飼川 法貴谷川 千々川 東所川 園部川 天神川 陣田川

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

解体工事業追加に係る経営事項審査制度の改正と経過措置について 業種区分 解体工事 の新設に伴い 解体工事業に係る経営事項審査を新設 法施行後 3 年間 平成 28 年 6 月 日 ~ 平成 3 年 5 月 3 日まで に限り 経営事項審査についても経過措置を規定 解体工事業 に係る経営事項審査の欄を

一太郎 10/9/8 文書

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03 改正後全文

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. 雄物川水系上溝川事業名 : 河川等災害復旧助成事業 河川災害復旧等関連緊急事業事業費 : 約 7,830 百万円 ( うち河川等災害復旧助成事業約 5,830 百万円 河川災害復旧等関連緊急事業約,000 百万円 ( 初年度に災害対策等緊急事業推進費約 70 百万円を含む )) 事業箇所 : 横

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標準請負契約約款の概要 標準請負契約約款は 請負契約の片務性の是正と契約関係の明確化 適正化のため 当該請負契約における当事者間の具体的な権利義務関係の内容を律するものとして 中央建設業審議会が公正な立場から作成し 当事者にその実施を勧告するもの 建設業法第 34 条第 2 項 建設業法 ( 昭和

< 外力条件 > 海面上昇量 0.10 m 0.30m 0.50m 0.90mについて検討 詳細検討モデル地区の選定 各詳細検討モデル地区において検討対象となる施設等の整理 各施設毎の影響評価方法 ( 影響評価の判断基準 ) 影響評価 各詳細検討モデル地区の影響評価結果及びその特徴の分析 各詳細検討

道路災害復旧事業 区分 H24 H25 H26 H27 H 災害復旧事業 道路事業 ( 通常事業 ) 橋りょう 26 箇所延長 1,219m 道 路 602 箇所延長 299,089m 流留垂水地区 実施設

沖縄県の財政2017

はじめに 我が国の建設投資は 社会経済活動 市場動向等に与える影響は極めて大きい このため 国土交通省では 国内建設市場の規模とその構造を明らかにすることを目的とし 昭和 35 年度から毎年度 建設投資推計及び建設投資見通しを作成し 建設投資見通し として公表している 作成の方法と留意点 建設投資推

沖縄県の財政2015検討(最終)

第三者による品質証明制度について 参考資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

PowerPoint プレゼンテーション

第 2 章災害復旧対策計画 第 1 節公共施設災害復旧 第 1 節公共施設災害復旧 災害により被害を受けた公共施設の復旧のため 次のとおり災害復旧手続体制を確立のうえ 災害復旧事業計画を作成し 実施するものとする 1. 災害復旧手続体制の確立 (1) 本部長 ( 市長 ) は 公共施設に災害が発生し

第 6 章 災害復旧対策計画 被災した施設の応急復旧終了後における原形復旧に加え 再度の被害発生防止並びに民生の安定 及び社会経済活動の早期回復を図るため 県及び防災関係機関が講じるべき措置は以下のとおりとする 第 1 節 公共施設災害復旧 災害により被害を受けた公共施設の復旧のため 以下のとおり災

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

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避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

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資料 4 安全 安心の確保 ~ 道路の防災 震災対策 ~ Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

平成 28 年 10 月 21 日 平成 28 年 8 月北海道暴風雨及び豪雨 ( 台風第 7 号等 ) に係る災害査定の実施について ( お知らせ ) 平成 28 年 8 月北海道暴風雨及び豪雨 ( 台風第 7 号等 ) により甚大な被害が発生した北海道内の地方公共団体が管理する公共土木施設及び農

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- 2 - 定を改正後欄に掲げるもののように改め 改正後欄に掲げる対象規定で改正前欄にこれに対応するものを掲げていないものは これを加える

第 7 章鹿児島県と連携した耐震改修促進法による指導及び助言等 国の基本方針では 所管行政庁はすべての特定建築物の所有者に対して法に基づく指導 助言を実施するよう努めるとともに 指導に従わない者に対しては必要な指示を行い その指示に従わなかったときは 公表すべきであるとしている なお 指示 公表や建

Transcription:

Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 災害復旧事業 ( 補助 ) の概要

災害復旧制度の目的と沿革 目的 自然災害により被災した公共土木施設を迅速 確実に復旧する 対象施設 河川 海岸 砂防設備 林地荒廃防止施設 地すべり防止施設 急傾斜地崩壊防止施設 道路 港湾 漁港 下水道 公園 沿革 古くは明治 14 年より予算補助の形での国庫補助 明治 32 年 災害準備基金特別会計法 制定 日清戦争の賠償金をもとに災害準備基金を設立 明治 44 年 府県災害土木費国庫補助に関する件 制定 明治 43 年の大水害を契機に新たに治水費資金特別会計を設置するため 災害準備基金が廃止されたが 国庫補助制度を継続するために制定 昭和 26 年現在の 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法 が制定 補助 から 負担 へ 昭和 59 年一部改正 対象施設の拡大 地すべり防止施設 急傾斜地崩壊防止施設 下水道を追加 平成 10 年一部改正 対象施設の拡大 公園を追加 1

なぜ災害復旧事業 ( 国の高率な費用負担 ) が必要なのか 災害は 地域的 時間的に極めて偏って発生 災害発生の地域や時期 規模の予測が困難 災害復旧に必要な費用は莫大かつ大きく変動 近年大きな水害を経験した市町村 に聞きました Q. このような災害は何年ぶりですか? A. 1~10 年ぶり 6 11~20 年ぶり 4 こうした特性を有する自然災害によって施設が被災し災害復旧事業を実施するにあたっては 災害復旧等の事業実施に伴う大きな費用への対応が必要 はじめて経験 24 31 年以上ぶり 12 21~30 年ぶり 6 これを個別の地方公共団体のみで負担することは困難または非効率であり 国の支援が不可欠 過去 5 年間 (H14~H18) に激甚な水害被害 (400 戸以上の床上浸水被害 ) が発生した市町村 および激特事業 災害復旧助成事業を実施した市町村 ( 一部重複あり ) ( 参考 ) 天災は予知することができず しかも緊急 莫大な費用を必要とするため 罹災地方公共団体の財政を破綻させることとなる ( シャウプ勧告 (S24) より ) 災害復旧事業は ( 中略 ) 弾力性の乏しい地方財政をもってしては これに要する経費の全額を負担することは困難であることを認め 地方公共団体は ( 中略 ) 一部を負担し これを超える部分については国庫負担とする ( 地方行政調査委員会 (S25)) 2

高率な国庫負担 地方公共団体は 災害が発生した場合には 被災箇所について災害復旧を申請し 災害復旧を申請しそれに基づいて災害査定が行われ 災害復旧事業費が決定 災害復旧関係事業における国庫負担は2/3 以上 と高率 年間の災害復旧事業費が 標準税収の1/2を超え 2 倍に達するまでの額に相当する額については75% が国費標準税収の2 倍を超える額に相当する額については100% 国費 交付税措置により実質的な地方公共団体の負担は最大でも 1.7% ( 災害発生年災の場合 ) 国庫負担率 2/3 災害発生年災の場合 国の負担 ( 国費 66.7%) 地方負担分には 起債 ( 地方債 ) 充当が可能 国の負担 ( 国費 66.7%) 地方の負担 ( 地方費 33.3%) 起債充当率 100% 起債のうち 95% を交付税措置 ( 交付税 31.6%) 国の負担額 = 国費 + 交付税 =98.3% 地方の実質的負担額 1.7% ( 参考 ) 一般公共事業の場合 ( 補助率 1/2 の場合 ) 起債充当率 90% ( 地方負担 50% 90%=45%) 40% 国の負担 ( 国費 50%) 交付税措置 (10%) 起債のうち交付税措置なし (35%) 起債なし (5%)

迅速で確実な予算措置 予想できない当年発生災害について 必要な国費を確保するため 当初予算に加えて 当初予算に加えて補正予算で必要な予算を措置 早期復旧が可能とするため 初年度 85% 2 年度 99% 3 年度 100% を標準として予算措置 ( 億円 ) 5,000 4,000 3,000 2,000 補正 1,000 0 当初 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 国土交通省所管災害復旧事業予算および改良復旧事業 ( 河川等災害関連事業 河川等助成事業 港湾施設災害関連事業 ) 予算 ( 補助国費 ) の合計 4

被害報告額は速報値としての精度 ( ばらつきが大きく過大となる傾向 ) 5 カ年平均 1.40 倍 ( 都道府県数 ) 自治体からの被害報告額は 査定決定額の 1.4 倍 自治体によっては 国の災害査定決定額の 2 倍を超える場合もある 50 自治体ごとのばらつきが大きい 災害復旧に必要な事業費は適切な査定が不可欠 40 30 20 10 都道府県別被害報告額 / 国の災害査定決定額 0 4.4~4.5 倍 4.3~4.4 倍 4.2~4.3 倍 4.1~4.2 倍 4.0~4.1 倍 3.9~4.0 倍 3.8~3.9 倍 3.7~3.8 倍 3.6~3.7 倍 3.5~3.6 倍 3.4~3.5 倍 3.3~3.4 倍 3.2~3.3 倍 3.1~3.2 倍 3.0~3.1 倍 2.9~3.0 倍 2.8~2.9 倍 2.7~2.8 倍 2.6~2.7 倍 2.5~2.6 倍 2.4~2.5 倍 2.3~2.4 倍 2.2~2.3 倍 2.1~2.2 倍 2.0~2.1 倍 1.9~2.0 倍 1.8~1.9 倍 1.7~1.8 倍 1.6~1.7 倍 1.5~1.6 倍 1.4~1.5 倍 1.3~1.4 倍 1.2~1.3 倍 1.1~1.2 倍 1.0~1.1 倍 0.9~1.0 倍 0.8~0.9 倍 0.7~0.8 倍 0.6~0.7 倍 0.5~0.6 倍 平成 17 年 ~ 平成 21 年の 5 年間について それぞれの年の都道府県別に算定して集計 (N=47 5) 5

迅速な工事着手が可能 国の査定前でも 災害復旧は可能 国の災害査定を待たず 被災直後からの復旧工事が可能 災害査定前に実施した復旧工事も 災害復旧事業に合致するもの全てが 国庫負担の対象 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法 は 事業着手について制約 するものではない さらに 仮道 仮締切 欠壊防止など 応急的に施工する必要がある 仮工事も国庫負担の対象 被災箇所の早急な復旧は 施設管理者の責務 ただし 査定前に着工する箇所については 写真が被災の事実を示す唯一の手段のものとなるので 被災状況ができる限りわかるものにする

原形復旧とは 原形復旧とは 従前の効用を復旧するもので 単なる元どおりではない 元どおりの復旧が不適当な場合や困難な場合 形状 材質 寸法 構造など質的な改良を実施 在来の道路位置に復旧することが著しく困難であるため トンネルで復旧 河床の低下により法長を増加 道路を盛土で復旧するのは 著しく困難かつ高価となるため 橋梁で復旧 防波堤全面が洗掘により被災し 防波堤の復旧のみでは不十分なので 消波工を新設 7

原形復旧の事例 ( その 1) 河川 道路 被災 川岸が洗掘崩壊 被災 国道で地すべりが発生 地すべり状況 落石被災状況 復旧 新たに多自然護岸を整備地すべりの規模が大きいため 現道の復旧ではなく トンネルを新設し ( 完成後 2 年 植生も戻りつつある ) 復旧道路を復旧 8

原形復旧の事例 ( その 2) 橋梁港湾 被災前 木橋 被災 防波堤が波浪により被災 被災 洪水により木橋が流出 復旧 被災波浪に耐える断面形状で復旧 復旧 現行基準に合わせてコンクリート橋で復旧 9

災害復旧事業の実績 ( 復旧箇所数 ) ( 万箇所 ) 300 昭和 26 年の 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法 制定以降の59 年間で 災害復旧箇所 ( 都道府県工事 + 市町村工事 ) は 300 万箇所に達する ( 出典 ) 災害統計 ( 国土交通省河川局 ) 250 200 150 その他 ( 海岸 地すべり 急傾斜地 港湾 下水道 公園 ) 砂防橋梁道路河川 100 50 0 S H 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 10

災害復旧事業の実績 河川 復旧箇所 : 約 155 万箇所 復旧延長 ( 都道府県管理河川 ): 約 83,000km 都道府県管理河川約 11 万 kmの3/4に相当 道路 復旧箇所 : 約 130 万箇所都道府県および市町村管理道路約 117 万 km に対し 約 900m につき 1 箇所の割合に相当 左右岸合計 平成 10 年以降は復旧箇所数から推計 橋 梁 復旧箇所 : 約 7 万箇所 都道府県および市町村管理橋梁 65 万橋の約 1 割に相当 港 湾 復旧箇所 : 約 1 万箇所全国 997 港湾に対し 1 港湾につき10 箇所の割合に相当 11

改良復旧事業の実績 ( 事業数 ) ( 兆円 ) 20,000 5.0 18,000 16,000 昭和 9 年以降の 76 年間で改良復旧事業の 事業箇所数は 1 万 6,000 箇所にのぼる 事業数 4.5 ( 左目盛 ) 4.0 14,000 3.5 12,000 3.0 10,000 2.5 8,000 2.0 6,000 1.5 4,000 2,000 改良事業費 (H20 換算 ) 右目盛 1.0 0.5 0 S H 9 12 15 18 21 24 27 30 33 36 39 42 45 48 51 54 57 60 63 3 6 9 12 15 18 21 事業数および改良事業費は 河川等災害関連事業および河川等災害復旧助成事業の合計 河川 海岸 砂防設備 地すべり防止施設 急傾斜地崩壊防止施設 道路関係事業の合計 事業費は 建設工事費デフレーター ( 公共事業 ) を使用して算出した H20 換算値 0.0

改良復旧事業 参考 改良復旧事業とは 被災した河川施設の復旧とあわせて 築堤や河床の掘削等を行い 流下能力 を拡大することで河川の氾濫を軽減する等 再度災害の防止と構造物の強化等を図るための事業 事業イメージ 河川等災害関連事業 河川等災害復旧助成事業 13

災害復旧事業の主な流れ 災害発生被害把握応急工事測量 設計 災害緊急調査等による技術的支援 災害報告 必要に応じて打合せ技術的助言 国土交通省 TEC-FORCE 隊員 専門家派遣技術的支援 工事発注 国庫負担申請 ( 国庫負担対象となる工事費の確認 ) 災害査定 ( 国庫負担対象となる工事費の決定 ) 工事着手 災害査定前であっても地方公共団体の判断で工事着手可能 国庫負担金の交付 ( 都道府県ごとに一括 ) 災害復旧事業予算の確保災害復旧事業費の決定 14